(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/332 20190101AFI20220511BHJP
G06F 16/00 20190101ALI20220511BHJP
【FI】
G06F16/332
G06F16/00
(21)【出願番号】P 2019020767
(22)【出願日】2019-02-07
【審査請求日】2020-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】宰川 潤二
(72)【発明者】
【氏名】清水 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】小林 隼人
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャルジ アヌパム
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-073151(JP,A)
【文献】特開2018-156429(JP,A)
【文献】特開2009-169470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデル
であって、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として前記所定の検索クエリの分散表現を出力する学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された特徴情報に基づいて、前記所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する決定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記特徴情報として、前記所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリである類似クエリを抽出し、
前記決定部は、
前記抽出部によって抽出された類似クエリに基づいて、前記所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記所定のクエリと属性が共通する類似クエリを抽出し、
前記決定部は、
前記抽出部によって抽出された類似クエリに基づいて、前記推薦情報である前記類似クエリに関する情報を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
前記所定のクエリと属性が共通する類似クエリとして、不動産エリアを示す所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリであって、不動産エリアを示す類似クエリを抽出し、
前記決定部は、
前記抽出部によって抽出された類似クエリに基づいて、前記推薦情報である不動産エリアに関する情報を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記抽出部によって抽出された類似クエリに基づいて、前記推薦情報である再検索用のクエリの候補を決定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定の検索クエリの分散表現を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された所定の検索クエリの分散表現と、前記生成部によって生成された所定の検索クエリとは異なる他の検索クエリの分散表現との類似度を算出する算出部と、
をさらに備え、
前記抽出部は、
前記算出部によって算出された類似度が所定の閾値を超える他の検索クエリを前記類似クエリとして抽出する
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記抽出部は、
前記所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記特徴情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記抽出部は、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記特徴情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記抽出部は、
ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記特徴情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1~
8のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記抽出部は、
ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記特徴情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1~
9のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記抽出部は、
前記特徴情報として、前記所定のクエリが属するカテゴリを抽出し、
前記決定部は、
前記抽出部によって抽出されたカテゴリに基づいて、前記所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する
ことを特徴とする請求項1~
10のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデル
であって、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として前記所定の検索クエリの分散表現を出力する学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された特徴情報に基づいて、前記所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデル
であって、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として前記所定の検索クエリの分散表現を出力する学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された特徴情報に基づいて、前記所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する決定手段と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの興味や関心にあった物品やサービスを推薦する技術が知られている。例えば、入力された自然言語要求を意味解析して、ユーザの意図を含む分脈情報を生成する。そして、生成した文脈情報に基づいて、ユーザに提示するアイテムの候補に対する順位付けを行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザに対して適切な情報を推薦することができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、入力された自然言語要求を意味解析して、文脈情報を生成するにすぎず、ユーザに対して適切な情報を推薦することができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された特徴情報に基づいて、前記所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する決定部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザに対して適切な情報を推薦することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るベクトル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る検索情報記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る生成処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、変形例に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、変形例に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、変形例に係るユーザ端末がコンテンツを切り替える処理の一例を説明する図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係るカテゴリ情報記憶部の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係る予測処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る第2学習モデルの生成処理の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る生成装置の構成例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係るクエリ情報記憶部の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係るベクトル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る分類定義記憶部の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係るカテゴリ情報記憶部の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係る第1学習モデルの一例を示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る第2学習モデルの一例を示す図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理手順を示すフローチャートである。
【
図28】
図28は、実施形態に係る第2学習モデルの生成処理手順を示すフローチャートである。
【
図29】
図29は、プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
〔1.第1の実施形態〕
〔1-1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1に示す情報処理は、ユーザ端末10と検索サーバ20(
図2参照)と生成装置50(
図2参照)と情報処理装置100とによって行われる。
【0011】
ユーザ端末10は、ユーザによって使用される情報処理装置である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、以下では、ユーザ端末10をユーザと同一視する場合がある。すなわち、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替えることもできる。
【0012】
また、以下では、ユーザID「U11」により特定されるユーザを「ユーザU11」とする場合がある。このように、以下では、「ユーザU*(*は任意の数値)」と記載した場合、そのユーザはユーザID「U*」により特定されるユーザであることを示す。例えば、「ユーザU21」と記載した場合、そのユーザはユーザID「U21」により特定されるユーザである。
【0013】
また、以下では、ユーザ端末10を利用するユーザに応じて、ユーザ端末10をユーザ端末10-1、10-2として説明する場合がある。例えば、ユーザ端末10-1は、ユーザU11により使用されるユーザ端末10である。また、例えば、ユーザ端末10-2は、ユーザU21により使用されるユーザ端末10である。また、以下では、ユーザ端末10-1、10-2について、特に区別なく説明する場合には、ユーザ端末10と記載する。
【0014】
検索サーバ20(
図2参照)は、検索サービスを提供するサーバ装置である。例えば、検索サーバ20が提供する検索サービスは、あらゆる情報を検索可能な総合検索サービスである。検索サーバ20は、ユーザによって入力された検索クエリに関する情報を記憶する。具体的には、検索サーバ20は、ユーザの検索履歴に関する情報を記憶する。
【0015】
生成装置50(
図2参照)は、第1学習モデルを生成するサーバ装置である。ここでは、生成装置50による第1学習モデルの生成処理の概要を述べる。なお、生成装置50による第1学習モデルの生成処理の詳細は後述する。具体的には、生成装置50は、ユーザによって入力された検索クエリに関する情報を検索サーバ20から取得する。続いて、生成装置50は、検索サーバ20から取得した検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出する。ここで、生成装置50は、ユーザによる1回の検索ごとに検索ボックスに入力された文字列全体をユーザによって入力された一つの検索クエリとして取り扱う。例えば、生成装置50は、ユーザU1による1回の検索で検索ボックスに「六本木 パスタ」のように複数の文字列を含む検索クエリが入力された場合は、「六本木 パスタ」全体で一つの検索クエリとして取り扱う。また、生成装置50は、同一のユーザによって各検索クエリが入力された時間の間隔が所定の時間内(例えば、2分以内)であるような複数の検索クエリを同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして抽出する。
【0016】
続いて、生成装置50は、抽出した複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1学習モデルを生成する。具体的には、生成装置50は、抽出した複数の検索クエリの分散表現が類似するように第1学習モデルを学習させることで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を含む分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルを生成する。より具体的には、生成装置50は、RNN(Recurrent Neural Network)の一種であるLSTM(Long Short-Term Memory)を分散表現生成に用いたDSSM(Deep Structured Semantic Model)の技術を用いて、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルを生成する。例えば、生成装置50は、第1学習モデルの正解データとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、所定の検索クエリの分散表現(ベクトル)と、所定の検索クエリと対となる他の検索クエリの分散表現(ベクトル)とが、分散表現空間上で近くに存在するように学習する。なお、2つのベクトルが分散表現空間上で近くに存在するように学習することは、2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように学習することと言い換えることができる。
【0017】
情報処理装置100は、不動産情報の検索サービス(以下、適宜「不動産情報検索サービスR1」と記載する。)を提供するサーバ装置である。情報処理装置100は、第1学習モデルのモデルデータを生成装置50から取得する。なお、以下では、第1学習モデルのモデルデータを単に第1学習モデルと記載する場合がある。情報処理装置100は、第1学習モデルを用いて、ユーザから受け付けた地名に対応する不動産エリアと類似する特徴を有する他の不動産エリアをお勧めエリアとして推薦する。
【0018】
ここから、
図1を用いて、情報処理の流れについて説明する。
図1では、情報処理装置100は、第1学習モデルを用いて、全国各地の地名や駅名を示す文字列(以下、適宜「地名クエリ」と記載する。)に対応する分散表現(ベクトル)を生成する(ステップS1)。
図1右方に点線で示した吹き出しの中には、情報処理装置100が生成した地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)が分散表現空間にマッピングされる様子が示されている。例えば、地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点と地名クエリ「地名#12」~「地名#14」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点とは、分散表現空間上で相対的に近くに位置する様子が示されている。すなわちこの図は、地名クエリ「地名#11」と地名クエリ「地名#12」~「地名#14」とは、類似する特徴を有することを意味する。一方、地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点と地名クエリ「地名#21」~「地名#22」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点とは、分散表現空間上で相対的に遠くに存在する様子が示されている。すなわちこの図は、地名クエリ「地名#11」と地名クエリ「地名#21」~「地名#22」とは、相違する特徴を有することを意味する。なお、
図1では、説明のため、地名クエリを「地名#11」のように抽象的な記号で表現するが、本願発明を実施する際には、地名クエリには「武蔵小杉」や「吉祥寺」といった具体的な駅名や「港区」や「東京都」といった具体的な地名が用いられる。
【0019】
また、情報処理装置100は、知りたい街を検索する検索クエリを入力するための検索ボックスを含むコンテンツC11を介して、地名クエリ「地名#11」をユーザU11から受け付ける(ステップS2)。続いて、情報処理装置100は、地名クエリ「地名#11」を受け付けると、あらかじめ生成しておいた地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)と地名クエリ「地名#11」以外の他の地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する(ステップS3)。なお、情報処理装置100は、地名クエリを受け付ける度に類似度を計算するのでなく、あらかじめ地名クエリ同士の類似度を算出してもよい。続いて、情報処理装置100は、類似度を算出すると、算出した類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。続いて、情報処理装置100は、類似度が所定の閾値を超えると判定した場合に、地名クエリ「地名#11」と類似する特徴を有する類似クエリとして、他の地名クエリを抽出する(ステップS4)。
【0020】
例えば、情報処理装置100は、地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)と地名クエリ「地名#12」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度を0.9と算出する。続いて、情報処理装置100は、地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)と地名クエリ「地名#12」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度が所定の閾値(例えば、0.8)を超えるか否かを判定する。例えば、情報処理装置100は、類似度である0.9が所定の閾値である0.8を超えるので、地名クエリ「地名#11」の類似クエリとして、地名クエリ「地名#12」を抽出する。同様にして、情報処理装置100は、地名クエリ「地名#11」以外の他の地名クエリ全てについて、地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する。そして、情報処理装置100は、地名クエリ「地名#11」以外の他の地名クエリ全てについて、類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
【0021】
続いて、情報処理装置100は、類似クエリを抽出すると、類似クエリに基づいて、ユーザU11に対して推薦するお勧めエリアを決定する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置100は、類似クエリとして抽出した地名クエリに対応する不動産エリアをお勧めエリアとして推薦することを決定する。例えば、情報処理装置100は、地名クエリ「地名#11」の類似クエリとして抽出した地名クエリ「地名#12」に対応する不動産エリアをユーザU11に対して推薦するお勧めエリアとして推薦することを決定する。なお、情報処理装置100は、類似クエリに対応する不動産エリアの中から、さらに類似度が上位所定数以内である地名クエリに対応する不動産エリアをお勧めエリアとして推薦することを決定してもよい。
【0022】
続いて、情報処理装置100は、お勧めエリアを決定すると、決定したお勧めエリアに関する情報(例えば、お勧めエリアの不動産物件の情報)をユーザU11に対して送信する(ステップS6)。
【0023】
上述したように、第1の実施形態に係る情報処理装置100は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する。また、情報処理装置100は、抽出した特徴情報に基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。これにより、情報処理装置100は、所定の検索クエリに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定の検索クエリの特徴を示す特徴情報に基づく情報を推薦可能とする。すなわち、情報処理装置100は、ユーザの興味や関心にマッチする情報を推薦可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0024】
また、一般的に、検索サービスを訪れるユーザ等、特定の分野に興味や関心を抱いてはいるものの、その分野に関する知識が少ないユーザが検索によって知識を得ようとする場面においては、適切な検索クエリが思いつかないという課題がある。本願発明に係る情報処理装置100は、入力する検索クエリに対する知識が少ないユーザが入力した検索クエリに基づいて、検索意図に応じた適切な検索クエリに基づく推薦情報を推薦することができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0025】
また、従来、概念検索に関する技術が知られている。例えば、ユーザの行動のログから概念を構築する技術が知られている。例えば、クーラーをつけるという行為と気温との相関に着目して、ユーザがクーラーをつけたという行動のログから暑い(気温が高い)という概念(例えば、検索クエリ)を構築する技術が知られている。しかしながら、従来は、クーラーをつけるという行為と暑い(気温が高い)という概念が関連するというルールを人間が登録していた(ルールベース)。また、ルールベースに寄らず、機械学習を用いた場合は、人手で大量のクエリについてラベル付けをするなどして学習データを作成する必要があった。そのため、従来は、狭義のクエリの概念検索を行うことしかできなかった。すなわち、従来は、人間によってあらかじめ答えとなる概念が付与されたクエリ(狭義のクエリ)の概念検索しか行うことができなかった。そこで、本願発明に係る情報処理装置100は、人手で大量のクエリについてラベル付けしたりすることなく、ユーザの検索セッションにおけるクエリ列をモデル化する。これにより、本願発明に係る情報処理装置100は、ごく少数のユーザによってしか検索されないようなニッチなクエリ(ロングテールなクエリ)についても、クエリと検索意図とを結び付けて学習することができる。すなわち、本願発明に係る情報処理装置100は、ユーザが自由に入力するようなニッチなクエリをもカバーする広義のクエリの概念検索を行うことができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0026】
〔1-2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1には、ユーザ端末10と、検索サーバ20と、生成装置50と、情報処理装置100とが含まれる。ユーザ端末10と、検索サーバ20と、生成装置50と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す情報処理システム1には、任意の数のユーザ端末10と任意の数の検索サーバ20と任意の数の生成装置50と任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0027】
ユーザ端末10は、ユーザによって入力された検索クエリを検索サーバ20に送信する。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、検索クエリを入力するための検索ボックスを含む検索ページを検索サーバ20から取得する。続いて、ユーザ端末10は、ユーザによって検索ボックスに文字が入力される操作に続いて、検索クエリを送信する操作が行われると、検索ページを介して検索ボックスに入力された文字を検索クエリとして検索サーバ20に送信する。例えば、ユーザ端末10は、ユーザによって検索ボックスに文字が入力される操作に続いて、検索クエリの送信ボタンが押下される操作やエンターキーが押下される操作が行われると、検索ページを介して検索ボックスに入力された文字を検索クエリとして検索サーバ20に送信する。
【0028】
検索サーバ20は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けると、受け付けた検索クエリに応じたコンテンツであって、検索結果として出力されるコンテンツを選択する。続いて、検索サーバ20は、選択されたコンテンツを含む検索結果ページをユーザ端末10に配信する。ここで、検索サーバ20によって配信されるコンテンツは、ウェブブラウザによって表示されるウェブページに限られない。例えば、検索サーバ20によって配信されるコンテンツは、ユーザ端末10にインストールされた専用のアプリケーションによって表示されるコンテンツであってもよい。また、検索サーバ20によって配信されるコンテンツは、音楽コンテンツや画像(静止画のみならず動画を含む。)コンテンツ、テキストコンテンツ(ニュース記事やSNS(Social Networking Service)に投稿された記事を含む。)、画像とテキストを組み合わせたコンテンツ、ゲームコンテンツなど、どのようなコンテンツであってもよい。
【0029】
また、検索サーバ20は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けると、受け付けた検索クエリと検索クエリの送信元であるユーザを識別するユーザIDと検索クエリの送信日時とを対応付けてデータベースに登録する。検索サーバ20は、生成装置50の要求に応じて、ユーザによって入力された検索クエリに関する情報を生成装置50に送信する。
【0030】
生成装置50は、後述する処理を実行することにより、第1学習モデルを生成する。生成装置50による第1学習モデルの生成処理の詳細は後述する。
【0031】
また、ユーザ端末10は、ユーザによって入力された検索クエリを情報処理装置100に送信する。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、知りたい街を検索する検索クエリを入力するための検索ボックスを含むコンテンツC11を情報処理装置100から取得する。続いて、ユーザ端末10は、ユーザによって検索ボックスに文字が入力される操作に続いて、検索クエリを送信する操作が行われると、コンテンツC11を介して検索ボックスに入力された地名や駅名といった文字を検索クエリとして情報処理装置100に送信する。例えば、ユーザ端末10は、ユーザによって検索ボックスに文字が入力される操作に続いて、検索クエリの送信ボタンが押下される操作やエンターキーが押下される操作が行われると、コンテンツC11を介して検索ボックスに入力された文字を検索クエリとして情報処理装置100に送信する。
【0032】
情報処理装置100は、
図1で説明した情報処理を行うサーバ装置である。情報処理装置100は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報として、所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリである類似クエリを抽出する。また、情報処理装置100は、抽出した特徴情報である類似クエリに基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。
【0033】
〔1-3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、第1の実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示させるための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0034】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、ユーザ端末10と検索サーバ20と生成装置50との間で情報の送受信を行う。
【0035】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、
図3に示すように、モデル情報記憶部121とベクトル情報記憶部122と検索情報記憶部123とコンテンツ記憶部124を有する。
【0036】
(モデル情報記憶部121)
モデル情報記憶部121は、生成装置50によって生成された学習モデルに関する各種の情報を記憶する。
図4に、第1の実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す。
図4に示す例では、モデル情報記憶部121は、「モデルID」、「モデルデータ」といった項目を有する。
【0037】
「モデルID」は、生成装置50によって生成された学習モデルを識別するための識別情報を示す。「モデルデータ」は、生成装置50によって生成された学習モデルのモデルデータを示す。例えば、「モデルデータ」には、検索クエリを分散表現に変換するためのデータが格納される。
【0038】
図4の1レコード目に示す例では、モデルID「M1」で識別される学習モデルは、
図1に示した第1学習モデルM1に対応する。また、モデルデータ「MDT1」は、生成装置50によって生成された第1学習モデルM1のモデルデータ(モデルデータMDT1)を示す。
【0039】
モデルデータMDT1は、検索クエリが入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力された検索クエリに応じて、入力層に入力された検索クエリの分散表現を出力層から出力するよう、生成装置50を機能させてもよい。
【0040】
ここで、モデルデータMDT1が「y=a1*x1+a2*x2+・・・+ai*xi」で示す回帰モデルで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT1が含む第1要素は、x1やx2等といった入力データ(xi)に対応する。また、第1要素の重みは、xiに対応する係数aiに対応する。ここで、回帰モデルは、入力層と出力層とを有する単純パーセプトロンと見做すことができる。各モデルを単純パーセプトロンと見做した場合、第1要素は、入力層が有するいずれかのノードに対応し、第2要素は、出力層が有するノードと見做すことができる。
【0041】
また、モデルデータMDT1がDNN(Deep Neural Network)等、1つまたは複数の中間層を有するニューラルネットワークで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT1が含む第1要素は、入力層または中間層が有するいずれかのノードに対応する。また、第2要素は、第1要素と対応するノードから値が伝達されるノードである次段のノードに対応する。また、第1要素の重みは、第1要素と対応するノードから第2要素と対応するノードに伝達される値に対して考慮される重みである接続係数に対応する。
【0042】
生成装置50は、上述した回帰モデルやニューラルネットワーク等、任意の構造を有するモデルを用いて、分散表現の算出を行う。具体的には、モデルデータMDT1は、検索クエリが入力された場合に、分散表現を出力するように係数が設定される。生成装置50は、このようなモデルデータMDT1を用いて、分散表現を算出する。
【0043】
なお、上記例では、モデルデータMDT1が、検索クエリが入力された場合に、検索クエリの分散表現を出力するモデル(以下、モデルX1という。)である例を示した。しかし、実施形態に係るモデルデータMDT1は、モデルX1にデータの入出力を繰り返すことで得られる結果に基づいて生成されるモデルであってもよい。例えば、モデルデータMDT1は、検索クエリを入力とした際に、モデルX1が出力した分散表現を入力して学習されたモデル(以下、モデルY1という。)であってもよい。または、モデルデータMDT1は、検索クエリを入力とし、モデルY1の出力値を出力とするよう学習されたモデルであってもよい。
【0044】
また、生成装置50がGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた推定処理を行う場合、モデルデータMDT1は、GANの一部を構成するモデルであってもよい。
【0045】
(ベクトル情報記憶部122)
ベクトル情報記憶部122は、検索クエリの分散表現であるベクトルに関する各種の情報を記憶する。
図5に、第1の実施形態に係るベクトル情報記憶部の一例を示す。
図5に示す例では、ベクトル情報記憶部122は、「検索クエリ」、「ベクトル情報」といった項目を有する。
【0046】
「検索クエリ」は、ユーザによって入力された検索クエリを示す。「ベクトル情報」は、検索クエリの分散表現であるN次元のベクトルを示す。検索クエリの分散表現であるベクトルは、例えば、128次元のベクトルである。
【0047】
図5の1レコード目に示す例では、検索クエリ「地名#11」は、
図1に示した地名クエリ「地名#11」に対応する。また、ベクトル情報「V11」は、
図1に示した地名クエリ「地名#11」に対応する分散表現(ベクトル)を示す。
【0048】
(検索情報記憶部123)
検索情報記憶部123は、情報処理装置100が提供する不動産情報検索サービスR1におけるユーザの検索履歴に関する各種の情報を記憶する。
図6に、第1の実施形態に係る検索情報記憶部の一例を示す。
図6に示す例では、検索情報記憶部123は、「ユーザID」、「日時」、「検索クエリ」といった項目を有する。
【0049】
「ユーザID」は、検索クエリを入力したユーザを識別するための識別情報を示す。「日時」は、情報処理装置100がユーザから検索クエリを受け付けた日時を示す。「検索クエリ」は、ユーザによって入力された検索クエリを示す。
【0050】
図6の1レコード目に示す例では、検索クエリ「地名#11」は、
図1に示した地名クエリ「地名#11」に対応する。また、ユーザID「U11」は、地名クエリ「地名#11」を入力したユーザがユーザID「U11」で識別されるユーザ(ユーザU11)であることを示す。また、日時「2019/1/1 PM17:00」は、情報処理装置100がユーザU11から地名クエリ「地名#11」を受け付けた日時が2019年1月1日の午後17:00であることを示す。
【0051】
(コンテンツ記憶部124)
コンテンツ記憶部124は、コンテンツに関する各種の情報を記憶する。具体的には、コンテンツ記憶部124は、情報処理装置100が提供する不動産情報検索サービスR1に関するコンテンツを格納する。例えば、コンテンツ記憶部124は、
図1に示す知りたい街を検索する検索クエリを入力するための検索ボックスを含むコンテンツC11を格納する。
【0052】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0053】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、提供部133と、算出部134と、抽出部135と、決定部136とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0054】
(取得部131)
取得部131は、第1学習モデルを取得する。より具体的には、取得部131は、生成装置50によって生成された第1学習モデルを生成装置50から取得する。取得部131は、第1学習モデルを取得すると、取得した第1学習モデルをモデル情報記憶部121に格納する。
【0055】
(生成部132)
生成部132は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定の検索クエリの分散表現を生成する。具体的には、生成部132は、取得部131によって取得された第1学習モデルに検索クエリを入力して、検索クエリに対応する分散表現(ベクトル)を生成する。例えば、生成部132は、全国各地の地名や駅名の一覧データをオープンデータベースや辞書等から取得する。このようにして、生成部132は、全国各地の地名や駅名を示す文字列である地名クエリを取得する。続いて、生成部132は、取得部131によって取得された第1学習モデルに地名クエリを入力して、地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)を生成する。生成部132は、分散表現(ベクトル)を生成すると、生成した分散表現のベクトル情報を検索クエリと対応付けてベクトル情報記憶部122に格納する。
【0056】
(提供部133)
提供部133は、不動産情報検索サービスR1を提供する。具体的には、提供部133は、不動産情報検索サービスR1に関するコンテンツをユーザ端末10に配信する。例えば、提供部133は、知りたい街を検索する検索クエリを入力するための検索ボックスを含むコンテンツC11を配信する。また、提供部133は、コンテンツC11を介して、検索クエリをユーザから受け付ける。例えば、提供部133は、地名クエリをユーザから受け付ける。提供部133は、ユーザから検索クエリを受け付けると、受け付けた検索クエリをクエリの受け付け日時とクエリの送信元であるユーザのユーザIDと対応付けて検索情報記憶部123に格納する。
【0057】
提供部133は、ユーザから受け付けた地名に対応する不動産エリアと類似する特徴を有する他の不動産エリアをお勧めエリアとして推薦するサービスを提供する。具体的には、提供部133は、決定部136によって決定されたお勧めエリアに関する情報をユーザ端末10に送信する。
【0058】
(算出部134)
算出部134は、生成部132によって生成された所定の検索クエリの分散表現と、生成部132によって生成された所定の検索クエリとは異なる他の検索クエリの分散表現との類似度を算出する。具体的には、算出部134は、提供部133によって所定の検索クエリが受け付けられると、生成部132によってあらかじめ生成された所定の検索クエリに対応する分散表現(ベクトル)と受け付けた所定の検索クエリ以外の他の検索クエリに対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する。例えば、算出部134は、分散表現(ベクトル)同士のコサイン類似度を算出する。なお、算出部134は、コサイン類似度に限らず、ベクトル間の距離尺度として適用可能な指標であれば、どのような指標に基づいて分散表現(ベクトル)の間の類似度を算出してもよい。例えば、算出部134は、分散表現(ベクトル)同士のユークリッド距離や双曲空間等の非ユークリッド空間中での距離、マンハッタン距離、マハラノビス距離等といった所定の距離関数の値を算出してもよい。なお、算出部134は、提供部133によって所定の検索クエリが受け付けられる度に類似度を計算するのでなく、あらかじめ検索クエリに対応する分散表現(ベクトル)同士の類似度を算出しておいてもよい。例えば、算出部134は、あらかじめ地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)同士の類似度を算出する。
【0059】
(抽出部135)
抽出部135は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する。具体的には、抽出部135は、特徴情報として、所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリである類似クエリを抽出する。より具体的には、抽出部135は、算出部134によって分散表現(ベクトル)同士の類似度が算出されると、算出した類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。例えば、算出部134によって算出された分散表現(ベクトル)同士のコサイン類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。続いて、抽出部135は、算出部134によって算出された類似度が所定の閾値を超えると判定した場合に、所定の検索クエリと類似する特徴を有する類似クエリとして、他の地名クエリを抽出する。なお、算出部134は、分散表現(ベクトル)同士の所定の距離関数の値(すなわち、分散表現空間における距離)が所定の閾値を下回るか否かを判定してもよい。続いて、抽出部135は、算出部134によって算出された類似度が所定の閾値を下回ると判定した場合に、所定の検索クエリと類似する特徴を有する類似クエリとして、他の地名クエリを抽出する。
【0060】
また、抽出部135は、所定のクエリと属性が共通する類似クエリを抽出する。例えば、抽出部135は、所定のクエリと属性が共通する類似クエリとして、不動産エリアを示す所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリであって、不動産エリアを示す類似クエリを抽出する。
【0061】
また、抽出部135は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する第1学習モデルを用いて、特徴情報として類似クエリを抽出する。
【0062】
また、抽出部135は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて、特徴情報として類似クエリを抽出する。
【0063】
また、抽出部135は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて、特徴情報として類似クエリを抽出する。
【0064】
また、抽出部135は、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135は、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて、特徴情報として類似クエリを抽出する。
【0065】
また、抽出部135は、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135は、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて、特徴情報として類似クエリを抽出する。
【0066】
(決定部136)
決定部136は、抽出部135によって抽出された特徴情報に基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。具体的には、決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。より具体的には、決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、推薦情報である不動産エリアに関する情報を決定する。例えば、決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリが示す不動産エリアをお勧めエリアとして推薦することを決定する。
【0067】
〔1-4.生成処理のフロー〕
次に、
図7を用いて、第1の実施形態に係る生成処理の手順について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る生成処理手順を示すフローチャートである。
図7に示す例では、情報処理装置100は、検索クエリと第1学習モデルを取得する(ステップS101)。続いて、情報処理装置100は、検索クエリと第1学習モデルを取得すると、第1学習モデルを用いて、検索クエリの分散表現(ベクトル)を生成する(ステップS102)。
【0068】
〔1-5.情報処理のフロー〕
次に、
図8を用いて、第1の実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図8は、第1の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図8に示す例では、情報処理装置100は、検索クエリを受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。情報処理装置100は、検索クエリを受け付けていない場合(ステップS201;No)、検索クエリを受け付けるまで待機する。
【0069】
一方、情報処理装置100は、検索クエリを受け付けた場合(ステップS201;Yes)、検索クエリに対応する分散表現(ベクトル)同士の類似度を算出する(ステップS202)。具体的には、情報処理装置100は、受け付けた検索クエリに対応するベクトルと他の検索クエリに対応するベクトルとの類似度をベクトル毎に算出する。
【0070】
続いて、情報処理装置100は、ベクトル同士の類似度を算出すると、算出した類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する(ステップS203)。情報処理装置100は、算出した類似度が所定の閾値を超えない場合(ステップS203;No)、処理を終了する。
【0071】
一方、情報処理装置100は、算出した類似度が所定の閾値を超える場合(ステップS203;Yes)、受け付けた検索クエリと類似する特徴を有する類似クエリを抽出する(ステップS204)。具体的には、情報処理装置100は、受け付けた検索クエリに対応するベクトルと他の検索クエリに対応するベクトルとの類似度が所定の閾値を超える場合、類似クエリとして、他の検索クエリを抽出する。続いて、情報処理装置100は、類似クエリを抽出すると、抽出した類似クエリに基づいてお勧めエリアを決定する(ステップS205)。
【0072】
〔1-6.変形例〕
上述した第1の実施形態に係る情報処理システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理システム1の他の実施形態について説明する。なお、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0073】
〔1-6-1.概念的なクエリに基づく不動産エリアの推薦〕
次に、
図9を用いて、変形例に係る情報処理について説明する。
図9は、変形例に係る情報処理の一例を示す図である。
図9では、生成部132は、第1学習モデルを用いて、不動産検索で想定される概念的なキーワード(以下、適宜「概念クエリ」と記載する。)に対応する分散表現(ベクトル)を生成する(ステップS1-A)。ここで、不動産検索で想定される概念的なキーワードの例としては、「治安が良い」、「学園都市」、「日当たりが良い」、「花火がきれい」、「間取りが広い」等が挙げられる。
【0074】
図9右方に点線で示した吹き出しの中には、
図1で生成部132が生成した地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)に加えて、
図9で生成部132が生成した概念クエリに対応する分散表現(ベクトル)が分散表現空間にマッピングされる様子が示されている。例えば、概念クエリ「治安が良い」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点と地名クエリ「地名#21」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点とは、分散表現空間上で相対的に近くに位置する様子が示されている。すなわちこの図は、概念クエリ「治安が良い」と地名クエリ「地名#21」とは、類似する特徴を有することを意味する。一方、概念クエリ「学園都市」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点と地名クエリ「地名#21」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点とは、分散表現空間上で相対的に遠くに存在する様子が示されている。すなわちこの図は、概念クエリ「治安が良い」と地名クエリ「地名#21」とは、相違する特徴を有することを意味する。
【0075】
また、提供部133は、フリーワード形式による検索クエリを入力するための検索ボックスを含むコンテンツC21を介して、概念クエリ「治安が良い」をユーザU21から受け付ける(ステップS2-A)。続いて、提供部133によって概念クエリ「治安が良い」が受け付けられると、算出部134は、あらかじめ生成しておいた概念クエリ「治安が良い」に対応する分散表現(ベクトル)と地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する(ステップS3-A)。続いて、抽出部135は、類似度を算出すると、算出した類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。続いて、抽出部135は、類似度が所定の閾値を超えると判定した場合に、概念クエリ「治安が良い」と類似する特徴を有する類似クエリとして、その地名クエリを抽出する(ステップS4-A)。
【0076】
例えば、算出部134は、概念クエリ「治安が良い」に対応する分散表現(ベクトル)と地名クエリ「地名#21」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度を0.9と算出する。続いて、抽出部135は、概念クエリ「治安が良い」に対応する分散表現(ベクトル)と地名クエリ「地名#21」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度が所定の閾値(例えば、0.8)を超えるか否かを判定する。例えば、抽出部135は、類似度である0.9が所定の閾値である0.8を超えるので、概念クエリ「治安が良い」の類似クエリとして、地名クエリ「地名#21」を抽出する。同様にして、算出部134は、全ての地名クエリについて、概念クエリ「治安が良い」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する。そして、抽出部135は、全ての地名クエリについて、類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
【0077】
続いて、決定部136は、抽出部135によって類似クエリが抽出されると、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、ユーザU21に対して推薦するお勧めエリアを決定する(ステップS5-A)。具体的には、決定部136は、類似クエリとして抽出した地名クエリに対応する不動産エリアをお勧めエリアとして推薦することを決定する。例えば、決定部136は、概念クエリ「治安が良い」の類似クエリとして抽出した地名クエリ「地名#21」に対応する不動産エリアをユーザU21に対して推薦するお勧めエリアとして推薦することを決定する。
【0078】
続いて、提供部133は、決定部136によってお勧めエリアが決定されると、決定部136によって決定されたお勧めエリアに関する情報(例えば、お勧めエリアの不動産物件の情報)をユーザU21に対して送信する(ステップS6-A)。
【0079】
〔1-6-2.概念的なクエリに基づく絞り込み条件の推薦〕
次に、
図10を用いて、変形例に係る情報処理について説明する。
図10は、変形例に係る情報処理の一例を示す図である。
図10では、決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、推薦情報である再検索用のクエリの候補を決定する。具体的には、生成部132は、第1学習モデルを用いて、不動産検索においてユーザが物件を絞り込む際に用いられる絞り込み条件を示すキーワード(以下、適宜「再検索用クエリ」と記載する。)に対応する分散表現(ベクトル)を生成する(ステップS1-B)。ここで、不動産検索においてユーザが物件を絞り込む際に用いられる絞り込み条件を示すキーワードの例としては、物件の特徴を示すキーワードである「高層マンション」や「低層マンション」、物件の立地条件を示すキーワードである「リバーサイド」、「駅徒歩5分以内」等が挙げられる。
【0080】
図10右方に点線で示した吹き出しの中には、
図1で生成部132が生成した地名クエリに対応する分散表現(ベクトル)及び
図9で生成部132が生成した概念クエリに対応する分散表現(ベクトル)に加えて、
図10で生成部132が生成した再検索用クエリに対応する分散表現(ベクトル)が分散表現空間にマッピングされる様子が示されている。例えば、概念クエリ「花火がきれい」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点と再検索用クエリ「高層マンション」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点とは、分散表現空間上で相対的に近くに位置する様子が示されている。すなわちこの図は、概念クエリ「花火がきれい」と再検索用クエリ「高層マンション」とは、類似する特徴を有することを意味する。一方、概念クエリ「花火がきれい」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点と再検索用クエリ「低層マンション」に対応する分散表現(ベクトル)を示す点とは、分散表現空間上で相対的に遠くに存在する様子が示されている。すなわちこの図は、概念クエリ「花火がきれい」と再検索用クエリ「低層マンション」とは、相違する特徴を有することを意味する。
【0081】
また、提供部133は、フリーワード形式による検索クエリを入力するための検索ボックスを含むコンテンツC21を介して、概念クエリ「花火がきれい」をユーザU31から受け付ける(ステップS2-B)。続いて、提供部133によって概念クエリ「花火がきれい」が受け付けられると、算出部134は、あらかじめ生成しておいた概念クエリ「花火がきれい」に対応する分散表現(ベクトル)と再検索用クエリに対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する(ステップS3-B)。続いて、抽出部135は、類似度を算出すると、算出した類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。続いて、抽出部135は、類似度が所定の閾値を超えると判定した場合に、概念クエリ「花火がきれい」と類似する特徴を有する類似クエリとして、その再検索用クエリを抽出する(ステップS4-B)。
【0082】
例えば、算出部134は、概念クエリ「花火がきれい」に対応する分散表現(ベクトル)と再検索用クエリ「高層マンション」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度を0.9と算出する。続いて、抽出部135は、概念クエリ「花火がきれい」に対応する分散表現(ベクトル)と再検索用クエリ「高層マンション」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度が所定の閾値(例えば、0.8)を超えるか否かを判定する。例えば、抽出部135は、類似度である0.9が所定の閾値である0.8を超えるので、概念クエリ「花火がきれい」の類似クエリとして、再検索用クエリ「高層マンション」を抽出する。同様にして、算出部134は、全ての再検索用クエリについて、概念クエリ「花火がきれい」に対応する分散表現(ベクトル)との類似度を算出する。そして、抽出部135は、全ての再検索用クエリについて、類似度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
【0083】
続いて、決定部136は、抽出部135によって類似クエリが抽出されると、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、ユーザU31に対して推薦する絞り込み条件を決定する(ステップS5-B)。具体的には、決定部136は、類似クエリとして抽出した再検索用クエリに対応する絞り込み条件を推薦することを決定する。例えば、決定部136は、概念クエリ「花火がきれい」の類似クエリとして抽出した再検索用クエリ「高層マンション」に対応する絞り込み条件をユーザU31に対して推薦することを決定する。
【0084】
続いて、提供部133は、決定部136によって推薦する絞り込み条件が決定されると、決定部136によって決定された絞り込み条件に関する情報(例えば、推薦する絞り込み条件に対応するチェックボックスにチェックが入った状態のコンテンツ)をユーザU31に対して送信する(ステップS6-B)。
【0085】
次に、
図11を用いて、変形例に係るコンテンツの切り替え処理について説明する。
図11は、変形例に係るユーザ端末がコンテンツを切り替える処理の一例を説明する図である。
図11の左図は、
図10に示すコンテンツC21の一例を示す。ユーザ端末10は、ユーザU31の操作に応じて、コンテンツC21に表示された検索ボタンB1が押下されると、情報処理装置100に概念クエリ「花火がきれい」を送信する。情報処理装置100は、概念クエリ「花火がきれい」をユーザU31から受け付ける(
図9に示すステップS2-B)。続いて、情報処理装置100は、
図9に示すステップS3-BからステップS6-Bの処理を実行する。
【0086】
図11の右図は、
図9に示すステップS6‐Bにおいて、情報処理装置100がユーザU31に対して送信するコンテンツC22の一例を示す。情報処理装置100は、条件検索の絞り込み条件のうち、推薦する絞り込み条件に対応するチェックボックスにチェックが入った状態のコンテンツC22をユーザU31に対して送信する。ユーザ端末10は、コンテンツC22を受信すると、画面にコンテンツC22を表示する。ユーザ端末10は、ユーザU31の操作に応じて、コンテンツC22に表示された検索ボタンB2が押下されると、チェックボックスにチェックされた絞り込み条件で不動産情報を検索する検索要求を情報処理装置100に送信する。
【0087】
〔1-6-3.不動産以外の他の分野への応用〕
上記の例では、情報処理装置100が、不動産検索サービスにおいて、所定のクエリを入力したユーザに対して不動産エリアを推薦する例について説明した。上記の例に限らず、情報処理装置100は、商品、動画、音楽、レストラン、食べ物、会社(株価、就活)など不動産以外の他の分野のコンテンツ全般について、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する。
【0088】
具体的には、情報処理装置100は、商品、動画、音楽、レストラン、食べ物、会社(株価、就活)など不動産以外の他の分野のコンテンツを検索対象とする検索サービスにおいて、商品、動画、音楽、レストラン、食べ物、会社(株価、就活)など不動産以外の他の分野に関する所定のクエリを取得する。続いて、情報処理装置100は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて、所定のクエリと類似する特徴を有する類似クエリを抽出する。続いて、情報処理装置100は、抽出した類似クエリに基づいて、推薦情報を決定する。
【0089】
〔2.第2の実施形態〕
〔2-1.情報処理の一例〕
次に、第2の実施形態について説明する。上述してきた第1の実施形態では、情報処理装置100がユーザから受け付けた所定のクエリと類似する類似クエリを抽出し、抽出した類似クエリに基づいて、推薦情報を決定する情報処理の一例を説明した。第2の実施形態では、情報処理装置100Aがユーザから受け付けた所定のクエリが属するカテゴリを抽出し、抽出したカテゴリに基づいて、推薦情報を決定する情報処理の例を示す。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の構成について同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
生成装置50は、第2学習モデルを生成する。ここでは、生成装置50による第2学習モデルの生成処理の概要を述べる。なお、生成装置50による第2学習モデルの生成処理の詳細は後述する。具体的には、生成装置50は、第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。より具体的には、生成装置50は、第1学習モデルを生成すると、生成した第1学習モデル(第1学習モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。生成装置50は、第1モデルM1を取得すると、取得した第1モデルM1を用いて、第2学習モデルM2を生成する。生成装置50は、第1モデルM1を再学習させることにより、第1モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2学習モデルM2を生成する。例えば、生成装置50は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルM2を生成する。
【0091】
情報処理装置100Aは、不動産情報検索サービスR1を提供するサーバ装置である。情報処理装置100Aは、第2学習モデルのモデルデータを生成装置50から取得する。なお、以下では、第2学習モデルのモデルデータを単に第2学習モデルと記載する場合がある。例えば、情報処理装置100Aは、第2学習モデルを用いて、ユーザから受け付けた所定の地名クエリが分類されるカテゴリに対応する不動産エリアに属する物件をお勧め物件として推薦する。
【0092】
〔2-2.情報処理装置の構成〕
次に、
図12を用いて、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aの構成について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aの構成例を示す図である。
図12に示すように、情報処理装置100Aは、通信部110と、記憶部120Aと、制御部130Aとを有する。なお、情報処理装置100Aは、情報処理装置100Aの管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示させるための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0093】
(記憶部120A)
記憶部120Aは、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120Aは、
図12に示すように、モデル情報記憶部121とカテゴリ情報記憶部122Aと検索情報記憶部123とコンテンツ記憶部124を有する。
【0094】
(カテゴリ情報記憶部122A)
カテゴリ情報記憶部122Aは、検索クエリが属するカテゴリに関する各種の情報を記憶する。具体的には、カテゴリ情報記憶部122Aは、学習済みの第2学習モデルに検索クエリが入力された際に、第2学習モデルが出力するカテゴリに関する各種の情報を記憶する。
図13に、第2の実施形態に係るカテゴリ情報記憶部の一例を示す。
図13に示す例では、カテゴリ情報記憶部122Aは、「検索クエリ」、「大分類」、「小分類」、「確率(%)」といった項目を有する。
【0095】
「検索クエリID」は、ユーザによって入力された検索クエリを示す。「大分類」は、検索クエリが分類されるカテゴリの大分類を示す。「小分類」、検索クエリが分類されるカテゴリの小分類を示す。「確率(%)」は、学習済みの第2学習モデルに検索クエリが入力された際に、第2学習モデルが出力する小分類毎の確率を示す。
【0096】
図13に示す例では、大分類「不動産エリアを探す」は、検索クエリを分類するカテゴリの大分類が不動産エリアを探すという検索意図であることを示す。
図13に示す例では、大分類「不動産エリアを探す」は、さらに4つの小分類を有する。小分類「高級住宅街を探す」は、大分類「不動産エリアを探す」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって高級住宅街を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、小分類「下町エリアを探す」は、大分類「不動産エリアを探す」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって下町エリアを探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、小分類「湾岸エリアを探す」は、大分類「不動産エリアを探す」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって湾岸エリアを探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、小分類「郊外エリアを探す」は、大分類「不動産エリアを探す」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって郊外エリアを探す意図で入力された検索クエリであることを示す。
【0097】
図13に示す例では、検索クエリ「地名#11」の確率(%)「90」は、検索クエリ「地名#11」が高級住宅街を探す意図で入力されたクエリに分類される確率が90%であることを示す。また、検索クエリ「地名#11」の確率(%)「0」は、検索クエリ「地名#11」が下町エリアを探す意図で入力されたクエリに分類される確率が0%であることを示す。また、検索クエリ「地名#11」の確率(%)「10」は、検索クエリ「地名#11」が湾岸エリアを探す意図で入力されたクエリに分類される確率が10%であることを示す。また、検索クエリ「地名#11」の確率(%)「0」は、検索クエリ「地名#11」が郊外エリアを探す意図で入力されたクエリに分類される確率が0%であることを示す。
【0098】
(制御部130A)
図12の説明に戻って、制御部130Aは、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、情報処理装置100A内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130Aは、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0099】
図12に示すように、制御部130Aは、取得部131と、生成部132と、提供部133と、算出部134Aと、抽出部135Aと、決定部136Aとを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130Aの内部構成は、
図12に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0100】
(取得部131)
取得部131は、第2学習モデルを取得する。より具体的には、取得部131は、生成装置50によって生成された第2学習モデルを生成装置50から取得する。取得部131は、第2学習モデルを取得すると、取得した第2学習モデルをモデル情報記憶部121に格納する。
【0101】
(算出部134A)
算出部134Aは、検索クエリが所定のカテゴリに属する確率をカテゴリ毎に算出する。具体的には、算出部134Aは、提供部133によって所定の検索クエリが受け付けられると、取得部131によって取得された第2学習モデルに検索クエリを入力して、所定のクエリが所定のカテゴリに属する確率をカテゴリ毎に算出する。例えば、算出部134Aは、提供部133によって所定の地名クエリが受け付けられると、取得部131によって取得された第2学習モデルに受け付けた地名クエリを入力して、受け付けた地名クエリが所定のカテゴリに属する確率をカテゴリ毎に算出する。例えば、算出部134Aは、受け付けた所定の地名クエリが4つのカテゴリ(小分類)である「高級住宅街を探す」、「下町エリアを探す」、「湾岸エリアを探す」、「郊外エリアを探す」の各カテゴリ(小分類)に属する確率をカテゴリ(小分類)毎に算出する。
【0102】
(抽出部135A)
抽出部135Aは、特徴情報として、所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。例えば、抽出部135Aは、算出部134Aによって算出された各カテゴリ(小分類)の確率が所定の閾値を超えるか否かをカテゴリ(小分類)毎に判定する。続いて、抽出部135Aは、受け付けた検索クエリが所定のカテゴリに属する確率が所定の閾値を超える場合、受け付けた検索クエリが分類されるカテゴリとして、所定のカテゴリを抽出する。例えば、抽出部135Aは、受け付けた所定の地名クエリが「高級住宅街を探す」カテゴリに属する確率が90%であり、所定の閾値が80%である場合には、受け付けた所定の地名クエリが分類されるカテゴリとして、「高級住宅街を探す」カテゴリを抽出する。
【0103】
また、抽出部135Aは、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135Aは、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する第1学習モデルを用いて生成された第2学習モデルを用いて、特徴情報として所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。
【0104】
また、抽出部135Aは、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135Aは、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて生成された第2学習モデルを用いて、特徴情報として所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。
【0105】
また、抽出部135Aは、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135Aは、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて生成された第2学習モデルを用いて、特徴情報として所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。
【0106】
また、抽出部135Aは、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135Aは、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて生成された第2学習モデルを用いて、特徴情報として所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。
【0107】
また、抽出部135Aは、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。例えば、抽出部135Aは、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを用いて生成された第2学習モデルを用いて、特徴情報として所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。
【0108】
(決定部136A)
決定部136Aは、抽出部135Aによって抽出されたカテゴリに基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。例えば、決定部136Aは、抽出部135Aによって抽出された「高級住宅街を探す」カテゴリに基づいて、所定の地名クエリを入力したユーザに対して、高級住宅街に属する物件を推薦することを決定する。
【0109】
〔2-3.予測処理のフロー〕
次に、
図14を用いて、第2の実施形態に係る予測処理の手順について説明する。
図14は、第2の実施形態に係る予測処理手順を示すフローチャートである。
図14に示す例では、情報処理装置100Aは、検索クエリと第2学習モデルを取得する(ステップS301)。続いて、情報処理装置100Aは、検索クエリと第2学習モデルを取得すると、第2学習モデルを用いて、検索クエリが分類されるカテゴリを推定する(ステップS302)。
【0110】
〔2-4.情報処理のフロー〕
次に、
図15を用いて、第2の実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図15は、第2の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図15に示す例では、情報処理装置100Aは、検索クエリを受け付けたか否かを判定する(ステップS401)。情報処理装置100Aは、検索クエリを受け付けていない場合(ステップS401;No)、検索クエリを受け付けるまで待機する。
【0111】
一方、情報処理装置100Aは、検索クエリを受け付けた場合(ステップS401;Yes)、検索クエリが所定のカテゴリに属する確率をカテゴリ毎に算出する(ステップS402)。
【0112】
続いて、情報処理装置100Aは、検索クエリが所定のカテゴリに属する確率を算出すると、算出した確率が所定の閾値を超えるか否かを判定する(ステップS403)。情報処理装置100Aは、算出した確率が所定の閾値を超えない場合(ステップS403;No)、処理を終了する。
【0113】
一方、情報処理装置100Aは、算出した確率が所定の閾値を超える場合(ステップS403;Yes)、受け付けた検索クエリが分類されるカテゴリを抽出する(ステップS404)。具体的には、情報処理装置100Aは、受け付けた検索クエリが所定のカテゴリに属する確率が所定の閾値を超える場合、受け付けた検索クエリが分類されるカテゴリとして、所定のカテゴリを抽出する。続いて、情報処理装置100Aは、カテゴリを抽出すると、抽出したカテゴリに基づいてお勧め情報を決定する(ステップS405)。
【0114】
〔3.学習モデルの生成処理〕
〔3-1.第1学習モデルの生成処理〕
次に、
図16を用いて、第1学習モデルの生成処理の流れについて説明する。
図16は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理の一例を示す図である。
図16に示す例では、生成装置50は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された「六本木 パスタ」という検索クエリQ11と「六本木 イタリアン」という検索クエリQ12とから成る一対の検索クエリを抽出する(ステップS11)。
【0115】
続いて、生成装置50は、抽出した検索クエリQ11を第1モデルM1に入力して、検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11を出力する。ここで、ベクトルBQV11は、第1モデルM1の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ11の分散表現であって、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。また、生成装置50は、抽出した検索クエリQ12を第1モデルM1に入力して、検索クエリQ12の分散表現であるベクトルBQV12を出力する。ここで、ベクトルBQV12は、第1モデルM1の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ12の分散表現であって、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。このようにして、生成装置50は、検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11と、検索クエリQ12の分散表現であるベクトルBQV12とを出力する(ステップS12)。
【0116】
続いて、生成装置50は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)と検索クエリQ12(「六本木 イタリアン」)とから成る一対の検索クエリは、所定の検索意図(例えば、「ある場所で飲食店を探す」という検索意図)で入力された検索クエリであると推定されるため、相互に類似する特徴を有するものとして、検索クエリQ11の分散表現(ベクトルQV11)と、検索クエリQ11と対となる検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。例えば、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11と検索クエリQ12の分散表現であるベクトルBQV12とのなす角度の大きさをΘとする。また、第1モデルM1にフィードバックをかけた後(学習後)の検索クエリQ11の分散表現であるベクトルQV11と検索クエリQ12の分散表現であるベクトルQV12とのなす角度の大きさをΦとする。この時、生成装置50は、ΘよりもΦが小さくなるように、第1モデルM1を学習させる。例えば、生成装置50は、ベクトルBQV11とベクトルBQV12のコサイン類似度の値を算出する。また、生成装置50は、ベクトルQV11とベクトルQV12のコサイン類似度の値を算出する。続いて、生成装置50は、ベクトルBQV11とベクトルBQV12のコサイン類似度の値よりも、ベクトルQV11とベクトルQV12のコサイン類似度の値が大きくなるように(値が1に近づくように)第1モデルM1を学習させる。このように、生成装置50は、一対の検索クエリに対応する一対の分散表現である2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させることで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1モデルM1を生成する(ステップS13)。なお、生成装置50は、コサイン類似度に限らず、ベクトル間の距離尺度として適用可能な指標であれば、どのような指標に基づいて分散表現(ベクトル)の間の類似度を算出してもよい。また、生成装置50は、ベクトル間の距離尺度として適用可能な指標であれば、どのような指標に基づいて第1モデルM1を学習させてもよい。例えば、生成装置50は、分散表現(ベクトル)同士のユークリッド距離や双曲空間等の非ユークリッド空間中での距離、マンハッタン距離、マハラノビス距離等といった所定の距離関数の値を算出する。続いて、生成装置50は、分散表現(ベクトル)同士の所定の距離関数の値(すなわち、分散表現空間における距離)が小さくなるように第1モデルM1を学習させてもよい。
【0117】
次に、
図17を用いて、第1学習モデルの生成処理の流れについてより詳しく説明する。なお、
図17の説明では、
図16の説明と重複する部分は、適宜省略する。
図17は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理を示す図である。なお、以下では、適宜、第1学習モデルを第1モデル(又は、第1モデルM1)と記載する。
図17に示す例では、生成装置50が生成した第1モデルM1によって出力された分散表現(ベクトル)が分散表現空間にマッピングされる様子が示されている。生成装置50は、所定の検索クエリの分散表現と所定の検索クエリと対となる他の検索クエリの分散表現とが分散表現空間上で近くにマッピングされるように第1モデルM1のトレーニングを行う。
【0118】
図17の上段に示す例では、生成装置50は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された4個の検索クエリである検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)、検索クエリQ12(「六本木 イタリアン」)、検索クエリQ13(「赤坂 パスタ」)、検索クエリQ14(「麻布 パスタ」)を抽出する。生成装置50は、同一のユーザU1によって各検索クエリが入力された時間の間隔が所定の時間内である4個の検索クエリを抽出する。生成装置50は、同一のユーザU1によって後述する各検索クエリのペアが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。生成装置50は、検索クエリが入力された順番に並べると、検索クエリQ11、検索クエリQ12、検索クエリQ13、検索クエリQ14の順番で入力された4個の検索クエリを抽出する。生成装置50は、4個の検索クエリを抽出すると、時系列的に隣り合う2つの検索クエリを一対の検索クエリとして、3対の検索クエリのペアである(検索クエリQ11、検索クエリQ12)、(検索クエリQ12、検索クエリQ13)、(検索クエリQ13、検索クエリQ14)を抽出する(ステップS21-1)。なお、生成装置50は、同一のユーザU1によって全ての検索クエリが所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出してもよい。そして、生成装置50は、時系列的に隣り合うか否かに関わらず、抽出した複数の検索クエリの中から2つの検索クエリを選択して、選択した2つの検索クエリを一対の検索クエリとして抽出してもよい。
【0119】
続いて、生成装置50は、抽出した検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)を第1モデルM1に入力して、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルBQV1k(k=1、2、3、4)を出力する。ここで、ベクトルBQV1k(k=1、2、3、4)は、第1モデルM1の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であって、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す(ステップS22-1)。
【0120】
続いて、生成装置50は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された一対の検索クエリは、所定の検索意図(例えば、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図)で入力された検索クエリであると推定されるため、相互に類似する特徴を有するものとして、検索クエリQ11の分散表現(ベクトルQV11)と、検索クエリQ11と対となる検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、生成装置50は、検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)と、検索クエリQ12と対となる検索クエリQ13の分散表現(ベクトルQV13)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、生成装置50は、検索クエリQ13の分散表現(ベクトルQV13)と、検索クエリQ13と対となる検索クエリQ14の分散表現(ベクトルQV14)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。このように、生成装置50は、一対の検索クエリに対応する一対の分散表現である2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させることで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1モデルM1を生成する(ステップS23-1)。
【0121】
図17の上段に示す情報処理の結果として、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルQV1k(k=1、2、3、4)が分散表現空間の近い位置にクラスタCL11としてマッピングされる様子が示されている。例えば、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)は、ユーザU1によって「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリの集合であると推定される。すなわち、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)は、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであると推定される。ここで、生成装置50は、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図で入力された所定の検索クエリが第1モデルに入力されると、クラスタCL11の位置にマッピングされるような分散表現を出力することができる。これにより、例えば、生成装置50は、クラスタCL11の位置にマッピングされる分散表現に対応する検索クエリを抽出することにより、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図に応じた検索クエリを抽出することができる。したがって、生成装置50は、検索クエリの意味を適切に解釈可能とすることができる。
【0122】
図17の下段に示す例では、生成装置50は、同一のユーザU2によって所定の時間内に連続して入力された3個の検索クエリである検索クエリQ21(「冷蔵庫 400L」)、検索クエリQ22(「冷蔵庫 中型」)、検索クエリQ23(「冷蔵庫 中型 おすすめ」)を抽出する。生成装置50は、検索クエリが入力された順番に並べると、検索クエリQ21、検索クエリQ22、検索クエリQ23の順番で入力された3個の検索クエリを抽出する。生成装置50は、3個の検索クエリを抽出すると、時系列的に隣り合う2つの検索クエリを一対の検索クエリとして、2対の検索クエリのペアである(検索クエリQ21、検索クエリQ22)、(検索クエリQ22、検索クエリQ23)を抽出する(ステップS21-2)。
【0123】
続いて、生成装置50は、抽出した検索クエリQ2m(m=1、2、3)を第1モデルM1に入力して、検索クエリQ2m(m=1、2、3)の分散表現であるベクトルBQV2m(m=1、2、3)を出力する。ここで、ベクトルBQV2m(m=1、2、3)は、第1モデルM1の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ2m(m=1、2、3)の分散表現であって、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す(ステップS22-2)。
【0124】
続いて、生成装置50は、同一のユーザU2によって所定の時間内に連続して入力された一対の検索クエリは、所定の検索意図(例えば、「中型の冷蔵庫を調べる」という検索意図)で入力された検索クエリであると推定されるため、相互に類似する特徴を有するものとして、検索クエリQ21の分散表現(ベクトルQV21)と、検索クエリQ21と対となる検索クエリQ22の分散表現(ベクトルQV22)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、生成装置50は、検索クエリQ22の分散表現(ベクトルQV22)と、検索クエリQ22と対となる検索クエリQ23の分散表現(ベクトルQV23)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。このように、生成装置50は、一対の検索クエリに対応する一対の分散表現である2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させることで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1モデルM1を生成する(ステップS23-2)。
【0125】
図17の下段に示す情報処理の結果として、検索クエリQ2m(m=1、2、3)の分散表現であるベクトルQV2m(m=1、2、3)が分散表現空間の近い位置にクラスタCL21としてマッピングされる様子が示されている。例えば、検索クエリQ2m(m=1、2、3)は、ユーザU2によって「中型の冷蔵庫を調べる」という検索意図の下で検索された検索クエリの集合であると推定される。すなわち、Q2m(m=1、2、3)は、「中型の冷蔵庫を調べる」という検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであると推定される。ここで、生成装置50は、「中型の冷蔵庫を調べる」という検索意図で入力された所定の検索クエリが第1モデルに入力されると、クラスタCL21の位置にマッピングされるような分散表現を出力することができる。これにより、例えば、生成装置50は、クラスタCL21の位置にマッピングされる分散表現に対応する検索クエリを抽出することにより、「中型の冷蔵庫を調べる」という検索意図に応じた検索クエリを抽出することができる。したがって、生成装置50は、検索クエリの意味を適切に解釈可能とすることができる。
【0126】
また、本願発明に係る生成装置50は、ランダムに抽出された複数の検索クエリは、異なる検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に相違する特徴を有する検索クエリであるとみなして第1モデルM1を学習させる。具体的には、生成装置50は、所定の検索クエリの分散表現と、所定の検索クエリとは無関係にランダムに抽出された検索クエリの分散表現とが分散表現空間上で遠くにマッピングされるように第1モデルM1のトレーニングを行う。
図17に示す例では、生成装置50は、検索クエリQ11とは無関係にランダムに検索クエリを抽出したところ、検索クエリQ21が抽出されたとする。この場合、生成装置50は、検索クエリQ11の分散表現(ベクトルQV11)と、検索クエリQ11とは無関係にランダムに抽出された検索クエリQ21の分散表現(ベクトルQV21)とが分散表現空間上で遠くにマッピングされるように第1モデルM1のトレーニングを行う。その結果として、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルQV1k(k=1、2、3、4)を含むクラスタCL11と、「中型の冷蔵庫を調べる」という検索意図の下で検索された検索クエリQ2m(m=1、2、3)の分散表現であるベクトルQV2m(m=1、2、3)を含むクラスタCL21とは、分散表現空間上で遠くにマッピングされる。すなわち、本願発明に係る生成装置50は、ランダムに抽出された複数の検索クエリの分散表現が相違するように第1モデルM1を学習させることにより、検索意図が異なる検索クエリの分散表現を分散表現空間上で遠い位置に出力可能とする。
【0127】
なお、生成装置50が生成した第1モデルM1によって出力された分散表現(ベクトル)が分散表現空間にマッピングされた結果として、上述したクラスタCL11とクラスタCL21の他にも、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリの分散表現(ベクトル)の集合であるクラスタCL12やクラスタCL22が生成される。
【0128】
上述したように、生成装置50は、ユーザによって入力された検索クエリを取得する。また、生成装置50は、取得した検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1モデルを生成する。すなわち、本願発明に係る生成装置50は、所定の時間内に連続して入力された複数の検索クエリは、所定の検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであるとみなして第1モデルを学習させる。具体的には、生成装置50は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリの分散表現が類似するように第1モデルを学習させることで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を含む分散表現を出力する第1モデルを生成する。すなわち、本願発明に係る生成装置50は、所定の時間内に連続して入力された複数の検索クエリの分散表現が類似するように第1モデルM1を学習させることにより、所定の検索意図の下で検索された検索クエリの分散表現を分散表現空間上で近い位置に出力可能とする。これにより、生成装置50は、検索クエリを入力したユーザのコンテクストに応じて検索クエリの意味(検索意図)を出力(解釈)することを可能にする。したがって、生成装置50は、検索クエリの意味を適切に解釈可能とすることができる。さらに、生成装置50は、所定の検索クエリの特徴情報を含む分散表現の近傍にマッピングされる分散表現に対応する検索クエリを抽出することにより、所定の検索クエリが検索された検索意図に応じた検索クエリを抽出することができる。すなわち、生成装置50は、検索クエリを入力したユーザの検索意図やコンテクストを考慮して、ユーザの検索動向を分析することを可能にする。したがって、生成装置50は、ユーザの検索動向の分析精度を高めることができる。また、生成装置50が生成した第1モデルM1を検索システムの一部として機能させることもできる。あるいは、生成装置50は、第1モデルM1によって予測された検索クエリの特徴情報を利用する他のシステム(例えば、検索エンジン)への入力情報として、第1モデルM1が出力した検索クエリの分散表現を提供することもできる。これにより、検索システムは、第1モデルM1によって予測された検索クエリの特徴情報に基づいて、検索結果として出力されるコンテンツを選択可能になる。すなわち、検索システムは、検索クエリを入力したユーザの検索意図やコンテクストを考慮して、検索結果として出力されるコンテンツを選択可能になる。さらに、検索システムは、第1モデルM1によって予測された検索クエリの特徴情報に基づいて、検索結果として出力されるコンテンツに含まれる文字列の分散表現と検索クエリの分散表現との類似度を算出可能になる。そして、検索システムは、算出した類似度に基づいて、検索結果として出力されるコンテンツの表示順を決定可能になる。すなわち、検索システムは、検索クエリを入力したユーザの検索意図やコンテクストを考慮して、検索結果として出力されるコンテンツの表示順を決定可能になる。したがって、生成装置50は、検索サービスにおけるユーザビリティを向上させることができる。
【0129】
〔3-2.第2学習モデルの生成処理〕
次に、
図18を用いて、第2学習モデルの生成処理の流れについて説明する。
図18は、実施形態に係る第2学習モデルの生成処理の一例を示す図である。なお、以下では、適宜、第2学習モデルを第2モデル(又は、第2モデルM2)と記載する。
図18の上段に示す例では、生成装置50は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された4個の検索クエリである検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)、検索クエリQ12(「六本木 イタリアン」)、検索クエリQ13(「赤坂 パスタ」)、検索クエリQ14(「麻布 パスタ」)を抽出する。生成装置50は、同一のユーザU1によって各検索クエリが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。また、生成装置50は、同一のユーザU1によって各検索クエリのペアが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。ここで、4個の検索クエリは、検索クエリQ11、検索クエリQ12、検索クエリQ13、検索クエリQ14の順番でユーザU1によって各検索クエリが所定の時間内に入力された検索クエリであるとする。生成装置50は、4個の検索クエリを抽出すると、時系列的に隣り合う2つの検索クエリを一対の検索クエリとして、3対の検索クエリのペアである(検索クエリQ11、検索クエリQ12)、(検索クエリQ12、検索クエリQ13)、(検索クエリQ13、検索クエリQ14)を抽出する。生成装置50は、3対の検索クエリのペアを抽出すると、抽出した検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)を第1モデルM1に入力する(ステップS31)。なお、生成装置50は、同一のユーザU1によって全ての検索クエリが所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出してもよい。そして、生成装置50は、時系列的に隣り合うか否かに関わらず、抽出した複数の検索クエリの中から2つの検索クエリを選択して、選択した2つの検索クエリを一対の検索クエリとして抽出してもよい。
【0130】
続いて、生成装置50は、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルBQV1k(k=1、2、3、4)を第1モデルM1の出力データとして出力する(ステップS32)。ここで、ベクトルBQV1k(k=1、2、3、4)は、第1モデルM1の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であって、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。
【0131】
ここで、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)は、例えば、ユーザU1によって「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリの集合であると推定される。すなわち、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)は、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであると推定される。そこで、生成装置50は、連続して入力された検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1モデルを生成する(ステップS33)。具体的には、生成装置50は、連続して入力された検索クエリの分散表現が類似するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの分散表現を予測する第1モデルM1を生成する。例えば、生成装置50は、検索クエリQ11の分散表現(ベクトルQV11)と、検索クエリQ11と対となる検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、生成装置50は、検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)と、検索クエリQ12と対となる検索クエリQ13の分散表現(ベクトルQV13)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、生成装置50は、検索クエリQ13の分散表現(ベクトルQV13)と、検索クエリQ13と対となる検索クエリQ14の分散表現(ベクトルQV14)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。
【0132】
図18の上段の右側には、学習済みの第1モデルM1の出力結果として、同一のユーザU1によって所定の時間内に入力された検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルQV1k(k=1、2、3、4)が分散表現空間のクラスタCL11としてマッピングされる様子が示されている。このように、生成装置50は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルM1を生成する。
【0133】
生成装置50は、第1モデルM1を生成すると、生成した第1モデルM1(第1モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。生成装置50は、第1モデルM1を取得すると、取得した第1モデルM1を用いて、第2学習モデルM2を生成する。具体的には、生成装置50は、第1モデルM1を再学習させることにより、第1モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2モデルM2を生成する。より具体的には、生成装置50は、第1モデルM1を用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルM2を生成する(ステップS34)。
【0134】
図18の下段に示す例では、生成装置50は、検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、CAT11(「飲食店を探す」)、CAT12(「商品を探す」)、CAT13(「飲食店を予約する」)、CAT14(「商品を購入する」)の4つのカテゴリのいずれのカテゴリに属するかを予測する第2モデルM2を生成する。具体的には、生成装置50は、入力情報として検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、出力情報として検索クエリがそのカテゴリに属する確率をカテゴリ毎に出力する第2モデルM2を生成する。例えば、生成装置50は、第2モデルM2の正解データとして、検索クエリと検索クエリが属するカテゴリ(CAT11~CAT14のいずれか)との組を学習する。
【0135】
なお、検索クエリがCAT11(「飲食店を探す」)に属することは、検索クエリが飲食店を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、CAT12(「商品を探す」)に属することは、検索クエリが商品を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、検索クエリがCAT13(「飲食店を予約する」)に属することは、検索クエリが飲食店を予約する意図で入力された検索クエリであることを示す。また、検索クエリがCAT14(「商品を購入する」)に属することは、検索クエリが商品を購入する意図で入力された検索クエリであることを示す。
【0136】
具体的には、生成装置50は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2モデルM2を生成する。そして、生成装置50は、例えば、入力情報として検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、出力情報として検索クエリがそのカテゴリに属する確率をカテゴリCAT11~CAT14毎に出力する第2モデルM2を生成する。
【0137】
例えば、生成装置50は、入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が第2モデルM2に入力された際に(ステップS35)、出力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11を出力する。ここで、ベクトルBQV11は、第2モデルM2の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ11の分散表現であって、第2モデルM2にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。ここで、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が属する正解カテゴリがCAT11(「飲食店を探す」)であるとする。この場合、生成装置50は、出力された検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルM2を学習させる。なお、生成装置50は、あらかじめ用意された正解データを用いて第2モデルを学習させる。生成装置50は、第2モデルM2の正解データを生成してもよい。そして、生成装置50は、生成した正解データを用いて第2モデルM2を学習させてもよい。具体的には、生成装置50は、検索クエリを検索したユーザの検索後の行動に基づいて、検索クエリが属する正解カテゴリを決定する。より具体的には、生成装置50は、所定の検索クエリを検索したユーザに対して、検索後に所定の行動を起こしたユーザの割合が所定の閾値を超える所定の行動を、正解カテゴリに対応する行動として決定する。例えば、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)を検索したユーザが検索後に所定の行動を起こしたユーザの割合として、飲食店を探す行動を起こしたユーザの割合が90%、検索後に商品を探す行動を起こしたユーザの割合が0%、検索後に飲食店を予約する行動を起こしたユーザの割合が10%、検索後に商品を購入する行動を起こしたユーザの割合が0%であったとする。この場合、生成装置50は、飲食店を探す行動を起こしたユーザの割合が所定の閾値(例えば、90%)を超えるため、飲食店を探す行動を検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の正解カテゴリに対応する行動として決定する。そして、生成装置50は、正解カテゴリに対応する行動を飲食店を探す行動であると決定したので、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が属する正解カテゴリをCAT11(「飲食店を探す」)に決定する。
【0138】
例えば、生成装置50は、学習前の第2モデルM2に検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力された際に、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を80%、CAT12(「商品を探す」)に分類される確率を0%、CAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を20%、CAT14(「商品を購入する」)に分類される確率を0%と出力したとする。この場合、生成装置50は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を所定の閾値(例えば、90%)を超えるように第2モデルM2を学習させる。また、生成装置50は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値(例えば、90%)を超えるように学習させるのに合わせて、分散表現であるベクトルBQV11が他のカテゴリCAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を10%に下げるように第2モデルM2を学習させる。
【0139】
このように、生成装置50は、入力情報として所定の検索クエリが入力されると、出力情報として所定の検索クエリの分散表現が正解カテゴリに分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルを学習させる。そして、生成装置50は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、所定の検索クエリの分散表現がそのカテゴリに属する確率が所定の閾値を超えるカテゴリを、所定の検索クエリのカテゴリとして出力する。例えば、生成装置50は、学習済みの第2モデルM2に入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力されると、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11がカテゴリCAT11(「飲食店を探す」)に属する確率が90%を超えるので、出力情報として検索クエリが属するカテゴリをCAT11(「飲食店を探す」)と出力する(ステップS36)。このように、生成装置50は、検索クエリと検索クエリの正解カテゴリとの組を学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを生成する(ステップS37)。
【0140】
一般的に、ユーザはある意図を持って検索を複数回行うと考えられるため、所定の時間内に連続して入力された検索クエリは、検索意図が近いという仮定が成り立つ。そこで、本願発明に係る生成装置50は、所定の時間内に連続して入力された複数の検索クエリは、所定の検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであるとみなして第1モデルM1を学習させる。これにより、生成装置50は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を第1モデルM1に学習させることができる。そして、生成装置50は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を学習した第1モデルM1を活用して、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを効率的に生成することができる。これにより、生成装置50は、検索クエリを入力したユーザの検索意図を考慮したカテゴリに検索クエリを分類することを可能にする。また、従来、検索クエリをカテゴリに分類し、高い分類精度を得るためには、十分な量の正解データを用意することが必要であった。しかしながら、検索クエリ自体、多種多様であり、ロングテイルな性質を持つものであるため、多数の検索クエリに対応する正解カテゴリをラベル付けするのは、非常に手間がかかり困難である。ここで、生成装置50は、正解カテゴリをラベル付けする代わりに、ユーザの検索意図(検索クエリを入力したユーザのコンテクスト)を一種の正解として、検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを学習させることができる。これにより、生成装置50は、人手で検索クエリの正解カテゴリをラベル付けすることなく、第2モデルを学習させることができる。すなわち、生成装置50は、正解データが少ないときでも、十分な分類精度を得られるようになる。また、生成装置50は、正解データが多いときであれば、さらに高い分類精度を得られるようになる。したがって、生成装置50は、検索クエリの分類精度を高めることができる。
【0141】
〔3-3.情報処理装置の構成〕
次に、
図19を用いて、実施形態に係る生成装置50の構成について説明する。
図19は、実施形態に係る生成装置50の構成例を示す図である。
図19に示すように、生成装置50は、通信部51と、記憶部53と、制御部52とを有する。なお、生成装置50は、生成装置50の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0142】
(通信部51)
通信部51は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部51は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、ユーザ端末10と、検索サーバ20との間で情報の送受信を行う。
【0143】
(記憶部53)
記憶部53は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部53は、
図19に示すように、クエリ情報記憶部531と、ベクトル情報記憶部532と、分類定義記憶部533と、カテゴリ情報記憶部534と、モデル情報記憶部535とを有する。
【0144】
(クエリ情報記憶部531)
クエリ情報記憶部531は、ユーザによって入力された検索クエリに関する各種の情報を記憶する。
図20に、実施形態に係るクエリ情報記憶部の一例を示す。
図20に示す例では、クエリ情報記憶部531は、「ユーザID」、「日時」、「検索クエリ」、「検索クエリID」といった項目を有する。
【0145】
「ユーザID」は、検索クエリを入力したユーザを識別するための識別情報を示す。「日時」は、検索サーバがユーザから検索クエリを受け付けた日時を示す。「検索クエリ」は、ユーザによって入力された検索クエリを示す。「検索クエリID」は、ユーザによって入力された検索クエリを識別するための識別情報を示す。
【0146】
図20の1レコード目に示す例では、検索クエリID「Q11」で識別される検索クエリ(検索クエリQ11)は、
図16に示した検索クエリQ11に対応する。また、ユーザID「U1」は、検索クエリQ11を入力したユーザがユーザID「U1」で識別されるユーザ(ユーザU1)であることを示す。また、日時「2018/9/1 PM17:00」は、検索サーバがユーザU1から検索クエリQ11を受け付けた日時が2018年9月1日の午後17:00であることを示す。また、検索クエリ「六本木 パスタ」は、ユーザU1によって入力された検索クエリQ11を示す。具体的には、検索クエリ「六本木 パスタ」は、地名を示す「六本木」と食品の種類を示す「パスタ」の文字とが区切り文字であるスペースで区切られた文字列であることを示す。
【0147】
(ベクトル情報記憶部532)
ベクトル情報記憶部532は、検索クエリの分散表現であるベクトルに関する各種の情報を記憶する。
図21に、実施形態に係るベクトル情報記憶部の一例を示す。
図21に示す例では、ベクトル情報記憶部532は、「ベクトルID」、「検索クエリID」、「ベクトル情報」といった項目を有する。
【0148】
「ベクトルID」は、検索クエリの分散表現であるベクトルを識別するための識別情報を示す。「検索クエリID」は、ベクトルに対応する検索クエリを識別するための識別情報を示す。「ベクトル情報」は、検索クエリの分散表現であるN次元のベクトルを示す。検索クエリの分散表現であるベクトルは、例えば、128次元のベクトルである。
【0149】
図21の1レコード目に示す例では、ベクトルID「QV11」で識別されるベクトル(ベクトルQV11)は、
図16に示した検索クエリQ11の分散表現であるベクトルQV11に対応する。また、検索クエリID「Q11」で識別される検索クエリ(検索クエリQ11)は、ベクトルQV11に対応する検索クエリが検索クエリQ11であることを示す。また、ベクトル情報「QVDT11」は、検索クエリQ11の分散表現であるN次元のベクトルを示す。
【0150】
(分類定義記憶部533)
分類定義記憶部533は、検索クエリが分類されるカテゴリの定義に関する各種の情報を記憶する。
図22に、実施形態に係る分類定義記憶部の一例を示す。
図22に示す例では、分類定義記憶部533は、「大分類ID」、「大分類」、「小分類ID」、「小分類」といった項目を有する。
【0151】
「大分類」は、検索クエリが分類されるカテゴリの大分類を示す。「大分類ID」は、大分類を識別するための識別情報を示す。
図22に示す例では、大分類「購買行動系」は、
図1の下段に示す例で説明した大分類に対応する。大分類「購買行動系」は、検索クエリをユーザの購買行動に基づいて分類するカテゴリの大分類を示す。
図22に示す例では、大分類「購買行動系」は、さらに4つの小分類を有する。大分類ID「CAT1」は、大分類「購買行動系」を識別するための識別情報を示す。
【0152】
「小分類」、検索クエリが分類されるカテゴリの小分類を示す。「小分類ID」は、小分類を識別するための識別情報を示す。
図22に示す例では、小分類「飲食店を探す」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって飲食店を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT11」は、小分類「飲食店を探す」を識別するための識別情報を示す。
【0153】
小分類「商品を探す」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって商品を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT12」は、小分類「商品を探す」を識別するための識別情報を示す。
【0154】
小分類「飲食店を予約」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって飲食店を予約する意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT13」は、小分類「飲食店を予約」を識別するための識別情報を示す。
【0155】
小分類「商品を購入」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって商品を購入する意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT14」は、小分類「商品を購入」を識別するための識別情報を示す。
【0156】
(カテゴリ情報記憶部534)
カテゴリ情報記憶部534は、検索クエリが属するカテゴリに関する各種の情報を記憶する。具体的には、カテゴリ情報記憶部534は、学習済みの第2学習モデルに検索クエリが入力された際に、第2学習モデルが出力するカテゴリに関する各種の情報を記憶する。
図23に、実施形態に係るカテゴリ情報記憶部の一例を示す。
図23に示す例では、カテゴリ情報記憶部534は、「検索クエリID」、「大分類ID」、「小分類ID」、「確率(%)」といった項目を有する。
【0157】
「検索クエリID」は、ユーザによって入力された検索クエリを識別するための識別情報を示す。
図23に示す例では、検索クエリID「Q11」で識別される検索クエリ(検索クエリQ11)は、
図18に示した検索クエリQ11に対応する。
【0158】
「大分類ID」は、大分類を識別するための識別情報を示す。「小分類ID」は、小分類を識別するための識別情報を示す。「確率(%)」は、学習済みの第2学習モデルに検索クエリが入力された際に、第2学習モデルが出力する小分類毎の確率を示す。
図23に示す例では、確率(%)「90」は、検索クエリQ11がカテゴリCAT11に分類される確率が90%であることを示す。
【0159】
(モデル情報記憶部535)
モデル情報記憶部535は、生成装置50によって生成された学習モデルに関する各種の情報を記憶する。
図24に、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す。
図24に示す例では、モデル情報記憶部535は、「モデルID」、「モデルデータ」といった項目を有する。
【0160】
「モデルID」は、生成装置50によって生成された学習モデルを識別するための識別情報を示す。「モデルデータ」は、生成装置50によって生成された学習モデルのモデルデータを示す。例えば、「モデルデータ」には、検索クエリを分散表現に変換するためのデータが格納される。
【0161】
図24の1レコード目に示す例では、モデルID「M1」で識別される学習モデルは、
図1に示した第1モデルM1に対応する。また、モデルデータ「MDT1」は、生成装置50によって生成された第1モデルM1のモデルデータ(モデルデータMDT1)を示す。
【0162】
モデルデータMDT1は、検索クエリが入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力された検索クエリに応じて、入力層に入力された検索クエリの分散表現を出力層から出力するよう、生成装置50を機能させてもよい。
【0163】
ここで、モデルデータMDT1が「y=a1*x1+a2*x2+・・・+ai*xi」で示す回帰モデルで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT1が含む第1要素は、x1やx2等といった入力データ(xi)に対応する。また、第1要素の重みは、xiに対応する係数aiに対応する。ここで、回帰モデルは、入力層と出力層とを有する単純パーセプトロンと見做すことができる。各モデルを単純パーセプトロンと見做した場合、第1要素は、入力層が有するいずれかのノードに対応し、第2要素は、出力層が有するノードと見做すことができる。
【0164】
また、モデルデータMDT1がDNN(Deep Neural Network)等、1つまたは複数の中間層を有するニューラルネットワークで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT1が含む第1要素は、入力層または中間層が有するいずれかのノードに対応する。また、第2要素は、第1要素と対応するノードから値が伝達されるノードである次段のノードに対応する。また、第1要素の重みは、第1要素と対応するノードから第2要素と対応するノードに伝達される値に対して考慮される重みである接続係数に対応する。
【0165】
生成装置50は、上述した回帰モデルやニューラルネットワーク等、任意の構造を有するモデルを用いて、分散表現の算出を行う。具体的には、モデルデータMDT1は、検索クエリが入力された場合に、分散表現を出力するように係数が設定される。生成装置50は、このようなモデルデータMDT1を用いて、分散表現を算出する。
【0166】
なお、上記例では、モデルデータMDT1が、検索クエリが入力された場合に、検索クエリの分散表現を出力するモデル(以下、モデルX1という。)である例を示した。しかし、実施形態に係るモデルデータMDT1は、モデルX1にデータの入出力を繰り返すことで得られる結果に基づいて生成されるモデルであってもよい。例えば、モデルデータMDT1は、検索クエリを入力とした際に、モデルX1が出力した分散表現を入力して学習されたモデル(以下、モデルY1という。)であってもよい。または、モデルデータMDT1は、検索クエリを入力とし、モデルY1の出力値を出力とするよう学習されたモデルであってもよい。
【0167】
また、生成装置50がGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた推定処理を行う場合、モデルデータMDT1は、GANの一部を構成するモデルであってもよい。
【0168】
図24の2レコード目に示す例では、モデルID「M2」で識別される学習モデルは、
図1に示した第2モデルM2に対応する。また、モデルデータ「MDT2」は、生成装置50によって生成された第2モデルM2のモデルデータ(モデルデータMDT2)を示す。
【0169】
モデルデータMDT2は、検索クエリが入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力された検索クエリに応じて、入力層に入力された検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力層から出力するよう、生成装置50を機能させてもよい。
【0170】
ここで、モデルデータMDT2が「y=a1*x1+a2*x2+・・・+ai*xi」で示す回帰モデルで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT2が含む第1要素は、x1やx2等といった入力データ(xi)に対応する。また、第1要素の重みは、xiに対応する係数aiに対応する。ここで、回帰モデルは、入力層と出力層とを有する単純パーセプトロンと見做すことができる。各モデルを単純パーセプトロンと見做した場合、第1要素は、入力層が有するいずれかのノードに対応し、第2要素は、出力層が有するノードと見做すことができる。
【0171】
また、モデルデータMDT2がDNN(Deep Neural Network)等、1つまたは複数の中間層を有するニューラルネットワークで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT2が含む第1要素は、入力層または中間層が有するいずれかのノードに対応する。また、第2要素は、第1要素と対応するノードから値が伝達されるノードである次段のノードに対応する。また、第1要素の重みは、第1要素と対応するノードから第2要素と対応するノードに伝達される値に対して考慮される重みである接続係数に対応する。
【0172】
生成装置50は、上述した回帰モデルやニューラルネットワーク等、任意の構造を有するモデルを用いて、検索クエリが各カテゴリに属する確率の算出を行う。具体的には、モデルデータMDT2は、検索クエリが入力された場合に、検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力するように係数が設定される。生成装置50は、このようなモデルデータMDT2を用いて、検索クエリが各カテゴリに属する確率を算出する。
【0173】
なお、上記例では、モデルデータMDT2が、検索クエリが入力された場合に、検索クエリの分散表現を出力するモデル(以下、モデルX2という。)である例を示した。しかし、実施形態に係るモデルデータMDT2は、モデルX2にデータの入出力を繰り返すことで得られる結果に基づいて生成されるモデルであってもよい。例えば、モデルデータMDT2は、検索クエリを入力とした際に、モデルX2が出力した分散表現を入力して学習されたモデル(以下、モデルY2という。)であってもよい。または、モデルデータMDT2は、検索クエリを入力とし、モデルY2の出力値を出力とするよう学習されたモデルであってもよい。
【0174】
また、生成装置50がGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた推定処理を行う場合、モデルデータMDT2は、GANの一部を構成するモデルであってもよい。
【0175】
(制御部52)
図19の説明に戻って、制御部52は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、生成装置50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部52は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0176】
また、制御部52は、モデル情報記憶部535に記憶されている第1モデルM1(モデルデータMDT1)に従った情報処理により、入力層に入力された検索クエリに対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、分散表現を出力層から出力するよう、コンピュータを機能させる。
【0177】
また、制御部52は、モデル情報記憶部535に記憶されている第2モデルM2(モデルデータMDT2)に従った情報処理により、入力層に入力された検索クエリに対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力層から出力するよう、コンピュータを機能させる。
【0178】
図19に示すように、制御部52は、取得部521と、抽出部522と、生成部523を有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部52の内部構成は、
図19に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0179】
(取得部521)
取得部521は、種々の情報を取得する。具体的には、取得部521は、ユーザによって入力された検索クエリを検索サーバ20から取得する。取得部521は、ユーザによって入力された検索クエリを取得すると、取得した検索クエリをクエリ情報記憶部531に格納する。また、取得部521は、検索クエリの分散表現であるベクトルに関するベクトル情報を取得する。取得部521は、ベクトル情報を取得すると、取得したベクトル情報をベクトル情報記憶部532に格納する。また、取得部521は、検索クエリと検索クエリが属するカテゴリの分類を定義する情報を取得する。取得部521は、検索クエリと検索クエリが属するカテゴリの分類を定義する分類定義情報を取得すると、取得した分類定義情報を分類定義記憶部533に格納する。また、取得部521は、検索クエリが属するカテゴリに関するカテゴリ情報を取得する。取得部521は、カテゴリ情報を取得すると、取得したカテゴリ情報をカテゴリ情報記憶部534に格納する。
【0180】
(抽出部522)
抽出部522は、種々の情報を抽出する。具体的には、抽出部522は、取得部521によって取得された検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出する。例えば、抽出部522は、同一のユーザによって各検索クエリが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。続いて、抽出部522は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に連続して入力された一対の検索クエリを抽出する。例えば、抽出部522は、同一のユーザによって各検索クエリのペアが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。例えば、抽出部522は、取得部521によって取得された検索クエリのうち、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された4個の検索クエリである検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)、検索クエリQ12(「六本木 イタリアン」)、検索クエリQ13(「赤坂 パスタ」)、検索クエリQ14(「麻布 パスタ」)を抽出する。抽出部522は、検索クエリが入力された順番に並べると、検索クエリQ11、検索クエリQ12、検索クエリQ13、検索クエリQ14の順番で入力された4個の検索クエリを抽出する。続いて、抽出部522は、4個の検索クエリを抽出すると、時系列的に隣り合う2つの検索クエリを一対の検索クエリとして、3対の検索クエリのペアである(検索クエリQ11、検索クエリQ12)、(検索クエリQ12、検索クエリQ13)、(検索クエリQ13、検索クエリQ14)を抽出する。なお、抽出部522は、同一のユーザによって全ての検索クエリが所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出してもよい。そして、抽出部522は、時系列的に隣り合うか否かに関わらず、抽出した複数の検索クエリの中から2つの検索クエリを選択して、選択した2つの検索クエリを一対の検索クエリとして抽出してもよい。
【0181】
また、抽出部522は、取得部521によって取得された検索クエリのうち、所定の検索クエリと所定の検索クエリに無関係な他の検索クエリとを抽出する。例えば、抽出部522は、取得部521によって取得された検索クエリの中から、所定の検索クエリを抽出する。続いて、抽出部522は、取得部521によって取得された検索クエリの中から、所定の検索クエリとは無関係にランダムに他の検索クエリを抽出する。
【0182】
(生成部523)
生成部523は、種々の情報を生成する。具体的には、生成部523は、取得部521によって取得された検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する学習モデルを生成する。具体的には、生成部523は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリの分散表現が類似するように学習モデルを学習させることで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する学習モデルを生成する。例えば、生成部523は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、学習モデルを生成する。例えば、生成部523は、一対の検索クエリの学習前の分散表現(ベクトル)の類似度の値を算出する。また、生成部523は、一対の検索クエリの学習後の分散表現(ベクトル)の類似度の値を算出する。続いて、生成部523は、学習前の分散表現(ベクトル)の類似度の値よりも、学習後の分散表現(ベクトル)の類似度の値が大きくなるように学習モデルを学習させる。このように、生成部523は、一対の検索クエリに対応する一対の分散表現である2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように学習モデルを学習させることで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する学習モデルを生成する。より具体的には、生成部523は、RNNの一種であるLSTMを分散表現生成に用いたDSSMの技術を用いて、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する学習モデルを生成する。例えば、生成部523は、学習モデルの正解データとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、所定の検索クエリの分散表現(ベクトル)と、所定の検索クエリと対となる他の検索クエリの分散表現(ベクトル)とが、分散表現空間上で近くに存在するように学習する。また、生成部523は、第1学習モデルを生成すると、第1学習モデルを識別する識別情報と対応付けて、生成した第1学習モデル(モデルデータMDT1)をモデル情報記憶部535に格納する。
【0183】
〔3-4.第1学習モデルの一例〕
ここで、
図25を用いて生成装置50が生成する第1学習モデルの一例について説明する。
図25は、実施形態に係る第1学習モデルの一例を示す図である。
図25に示す例では、生成装置50が生成する第1学習モデルM1は、3層のLSTM RNNで構成されている。
図25に示す例では、抽出部522は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された「六本木 パスタ」という検索クエリQ11と「六本木 イタリアン」という検索クエリQ12とから成る一対の検索クエリを抽出する。生成部523は、抽出部522によって抽出されたた検索クエリQ11を第1学習モデルM1の入力層に入力する(ステップS41)。
【0184】
続いて、生成部523は、第1学習モデルM1の出力層から検索クエリQ11の分散表現である256次元のベクトルBQV11を出力する。また、生成部523は、抽出部522によって抽出された検索クエリQ12を第1学習モデルM1の入力層に入力する。続いて、生成部523は、第1学習モデルM1の出力層から検索クエリQ12の分散表現である256次元のベクトルBQV12を出力する(ステップS42)。
【0185】
続いて、生成部523は、連続して入力された2つの検索クエリの分散表現(ベクトル)が類似するように学習することで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルM1を生成する(ステップS43)。例えば、第1学習モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11と検索クエリQ12の分散表現であるベクトルBQV12とのなす角度の大きさをΘとする。また、第1学習モデルM1にフィードバックをかけた後(学習後)の検索クエリQ11の分散表現であるベクトルQV11と検索クエリQ12の分散表現であるベクトルQV12とのなす角度の大きさをΦとする。この時、生成部523は、ΘよりもΦが小さくなるように、第1学習モデルM1を学習させる。例えば、生成部523は、ベクトルBQV11とベクトルBQV12のコサイン類似度の値を算出する。また、生成部523は、ベクトルQV11とベクトルQV12のコサイン類似度の値を算出する。続いて、生成部523は、ベクトルBQV11とベクトルBQV12のコサイン類似度の値よりも、ベクトルQV11とベクトルQV12のコサイン類似度の値が大きくなるように(値が1に近づくように)学習モデルM1を学習させる。このように、生成部523は、一対の検索クエリに対応する一対の分散表現である2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように第1学習モデルM1を学習させることで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルM1を生成する。なお、生成部523は、コサイン類似度に限らず、ベクトル間の距離尺度として適用可能な指標であれば、どのような指標に基づいて分散表現(ベクトル)の間の類似度を算出してもよい。また、生成部523は、ベクトル間の距離尺度として適用可能な指標であれば、どのような指標に基づいて学習モデルM1を学習させてもよい。例えば、生成部523は、分散表現(ベクトル)同士のユークリッド距離や双曲空間等の非ユークリッド空間中での距離、マンハッタン距離、マハラノビス距離等といった所定の距離関数の値を算出する。続いて、生成部523は、分散表現(ベクトル)同士の所定の距離関数の値(すなわち、分散表現空間における距離)が小さくなるように学習モデルM1を学習させてもよい。
【0186】
また、生成部523は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、第1学習モデルを生成する。例えば、生成部523は、地名を示す「六本木」と食品の種類を示す「パスタ」の文字とが区切り文字であるスペースで区切られた検索クエリ「六本木 パスタ」と、地名を示す「六本木」と料理の種類を示す「イタリアン」の文字とが区切り文字であるスペースで区切られた検索クエリ「六本木 イタリアン」とが類似する特徴を有するものとして学習することで、第1学習モデルを生成する。
【0187】
また、生成部523は、取得部521によって取得された検索クエリのうち、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、第1学習モデルを生成する。具体的には、生成部523は、取得部521によって取得された検索クエリのうち、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、第1学習モデルを生成する。例えば、生成部523は、抽出部522によって抽出された所定の検索クエリの分散表現と、所定の検索クエリとは無関係にランダムに抽出された検索クエリの分散表現とが分散表現空間上で遠くにマッピングされるように第1学習モデルM1のトレーニングを行う。
【0188】
また、生成部523は、第2学習モデルを生成する。具体的には、生成部523は、モデル情報記憶部535を参照して、生成部523によって生成された第1学習モデル(第1学習モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。続いて、生成部523は、取得した第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。生成部523は、第1モデルM1を取得すると、取得した第1モデルM1を用いて、第2学習モデルM2を生成する。生成部523は、第1モデルM1を再学習させることにより、第1モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2モデルM2を生成する。具体的には、生成部523は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2モデルM2を生成する。
【0189】
具体的には、生成部523は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。生成部523は、入力情報として検索クエリが学習モデルに入力された際に、出力情報として検索クエリが属するカテゴリ毎の確率を出力する第2学習モデルを生成する。例えば、生成部523は、第1モデルM1を用いて、入力情報として所定の検索クエリが学習モデルに入力された際に、出力情報として検索クエリの分散表現がそのカテゴリに分類される確率をカテゴリ毎に出力する第2モデルM2を生成する。生成部523は、入力情報として所定の検索クエリが入力されると、出力情報として所定の検索クエリの分散表現が正解カテゴリに分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルを学習させる。そして、生成部523は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、所定の検索クエリの分散表現がそのカテゴリに属する確率が所定の閾値を超えるカテゴリを、所定の検索クエリのカテゴリとして出力する第2モデルM2を生成する。また、生成部523は、第2学習モデルを生成すると、第2学習モデルを識別する識別情報と対応付けて、生成した第2学習モデル(モデルデータMDT2)をモデル情報記憶部535に格納する。
【0190】
例えば、生成部523は、
図24に示すモデル情報記憶部535を参照して、第1モデルM1(第1モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。続いて、生成部523は、
図22に示す分類定義記憶部533を参照して、検索クエリを分類するカテゴリの大分類を選択する。続いて、生成部523は、大分類を選択すると、第2モデルM2の学習データとして、検索クエリと検索クエリが属する小分類との組を学習する。
【0191】
例えば、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が属する正解カテゴリがCAT11(「飲食店を探す」)であるとする。生成部523は、入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が第2モデルM2に入力された際に、第2モデルM2の出力層から検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11を出力する。ここで、ベクトルBQV11は、第2モデルM2の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ11の分散表現であって、第2モデルM2にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。この場合、生成部523は、出力された検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11が正解カテゴリCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルM2を学習させる。
【0192】
例えば、生成部523は、学習前の第2モデルM2に検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力された際に、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を80%、CAT12(「商品を探す」)に分類される確率を0%、CAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を20%、CAT14(「商品を購入する」)に分類される確率を0%と出力したとする。この場合、生成部523は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を所定の閾値(例えば、90%)を超えるように第2モデルM2を学習させる。また、生成部523は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値(例えば、90%)を超えるように学習させるのに合わせて、分散表現であるベクトルBQV11が他のカテゴリCAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を10%に下げるように第2モデルM2を学習させる。続いて、生成部523は、学習済みの第2モデルM2に入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力されると、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11がカテゴリCAT11(「飲食店を探す」)に属する確率が90%を超えるので、出力情報として検索クエリが属するカテゴリをCAT11(「飲食店を探す」)と出力する。
【0193】
なお、生成部523は、大分類として、任意の数の大分類を選択してもよい。そして、生成部523は、入力情報として検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、出力情報として検索クエリが選択した任意の数の大分類に属する各小分類に属する確率を小分類毎に出力する第2モデルM2を生成してもよい。また、生成部523は、大分類として、全ての大分類を選択してもよい。そして、生成部523は、検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、各小分類に属する確率を全ての小分類毎に出力する第2モデルM2を生成してもよい。
【0194】
〔3-5.第2学習モデルの一例〕
ここで、
図26を用いて生成装置50が生成する第2学習モデルの一例について説明する。
図26は、実施形態に係る第2学習モデルの一例を示す図である。
図26に示す例では、生成装置50が生成する第2学習モデルM2は、第1学習モデルM1を用いて生成される。すなわち、生成装置50は、第1学習モデルM1を再学習させることにより、第1学習モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2学習モデルM2を生成する。
【0195】
より具体的には、生成装置50が生成する第2学習モデルM2は、第1学習モデルM1と同様に、3層のLSTM RNNで構成されている。
図26に示す例では、抽出部522は、ユーザU1によって入力された「六本木 パスタ」という検索クエリQ11を第2学習モデルM2の入力層に入力する(ステップS51)。
【0196】
続いて、生成部523は、第2学習モデルM2の出力層から検索クエリQ11の分散表現である256次元のベクトルBQV11を出力する(ステップS52)。
【0197】
続いて、生成部523は、検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11が各カテゴリに分類される確率を出力する(ステップS53)。
【0198】
続いて、生成部523は、検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11が正解カテゴリに分類される確率を高くするように第2学習モデルM2を学習することで、検索クエリから検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを生成する(ステップS54)。
【0199】
〔3-6.第1学習モデルの生成処理のフロー〕
次に、
図27を用いて、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理の手順について説明する。
図27は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理手順を示すフローチャートである。
【0200】
図27に示す例では、生成装置50は、ユーザによって入力された検索クエリを取得する(ステップS1001)。
【0201】
続いて、生成装置50は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出する(ステップS1002)。
【0202】
続いて、生成装置50は、抽出した複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1学習モデルを生成する(ステップS1003)。
【0203】
〔3-7.第2学習モデルの生成処理のフロー〕
次に、
図28を用いて、実施形態に係る第2学習モデルの生成処理の手順について説明する。
図28は、実施形態に係る第2学習モデルの生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0204】
図28に示す例では、生成装置50は、第1学習モデル(第1学習モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する(ステップS2001)。
【0205】
続いて、生成装置50は、第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する(ステップS2002)。
【0206】
〔4.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る情報処理装置100は、抽出部135と決定部136とを備える。抽出部135は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定のクエリの特徴を示す特徴情報を抽出する。決定部136は、抽出部135によって抽出された特徴情報に基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。
【0207】
これにより、情報処理装置100は、所定の検索クエリに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定の検索クエリの特徴を示す特徴情報に基づく情報を推薦可能とする。すなわち、情報処理装置100は、ユーザの興味や関心にマッチする情報を推薦可能とする。また、一般的に、検索サービスを訪れるユーザ等、特定の分野に興味や関心を抱いてはいるものの、その分野に関する知識が少ないユーザが検索によって知識を得ようとする場面においては、適切な検索クエリが思いつかないという課題がある。本願発明に係る情報処理装置100は、知識が少ないユーザが入力した検索クエリに基づいて、検索意図に応じた適切な検索クエリに基づく推薦情報を推薦することができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0208】
また、抽出部135は、特徴情報として、所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリである類似クエリを抽出する。決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。
【0209】
これにより、情報処理装置100は、所定の検索クエリに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定の検索クエリと類似する特徴を有する類似クエリに基づく情報を推薦可能とする。すなわち、情報処理装置100は、ユーザの興味や関心にマッチする情報を推薦可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0210】
また、抽出部135は、所定のクエリと属性が共通する類似クエリを抽出する。決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、推薦情報である類似クエリに関する情報を決定する。
【0211】
これにより、情報処理装置100は、所定の検索クエリに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定のクエリと属性が共通する類似クエリに基づく情報を推薦可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対してより適切な情報を推薦することができる。
【0212】
また、抽出部135は、所定のクエリと属性が共通する類似クエリとして、不動産エリアを示す所定のクエリと類似する特徴を有する検索クエリであって、不動産エリアを示す類似クエリを抽出する。決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、推薦情報である不動産エリアに関する情報を決定する。
【0213】
これにより、情報処理装置100は、所定の不動産エリアに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定の不動産エリアと類似する特徴を有する不動産エリアを推薦可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な不動産エリアを推薦することができる。
【0214】
また、決定部136は、抽出部135によって抽出された類似クエリに基づいて、推薦情報である再検索用のクエリの候補を決定する。
【0215】
これにより、情報処理装置100は、所定の検索クエリに興味や関心を抱いているものの、具体的な検索条件がわからないユーザに対して、適切な絞り込み条件の候補を推薦することができる。
【0216】
また、情報処理装置100は、生成部132と算出部134とをさらに備える。生成部132は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、所定の検索クエリの分散表現を生成する。算出部134は、生成部132によって生成された所定の検索クエリの分散表現と、生成部132によって生成された所定の検索クエリとは異なる他の検索クエリの分散表現との類似度を算出する。抽出部135は、算出部134によって算出された類似度が所定の閾値を超える他の検索クエリを類似クエリとして抽出する。
【0217】
情報処理装置100は、所定の検索クエリに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定の検索クエリの特徴を示す特徴情報に基づく情報を推薦可能とする。すなわち、情報処理装置100は、ユーザの興味や関心にマッチする情報を推薦可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0218】
また、抽出部135は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。また、抽出部135は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。また、抽出部135は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。また、抽出部135は、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。また、抽出部135は、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルを用いて、特徴情報を抽出する。
【0219】
これにより、情報処理装置100は、ユーザの検索意図を考慮して、適切な特徴情報を抽出可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0220】
また、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aは、抽出部135Aと決定部136Aとを備える。抽出部135Aは、特徴情報として、所定のクエリが属するカテゴリを抽出する。決定部136Aは、抽出部135Aによって抽出されたカテゴリに基づいて、所定のクエリを入力したユーザに対して推薦する推薦情報を決定する。
【0221】
これにより、情報処理装置100Aは、所定の検索クエリに興味や関心を抱いたユーザに対して、所定の検索クエリが属するカテゴリに基づく情報を推薦可能とする。すなわち、情報処理装置100Aは、ユーザの興味や関心にマッチする情報を推薦可能とする。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して適切な情報を推薦することができる。
【0222】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた第1の実施形態に係る情報処理装置100、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aおよび実施形態に係る生成装置50は、例えば
図29に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図29は、情報処理装置100および情報処理装置100Aおよび生成装置50の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0223】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0224】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0225】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0226】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0227】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100、情報処理装置100Aまたは生成装置50として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130、制御部130Aまたは制御部52の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0228】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0229】
〔6.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0230】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0231】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0232】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、抽出部は、抽出手段や抽出回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0233】
1 情報処理システム
10 ユーザ端末
20 検索サーバ
50 生成装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 モデル情報記憶部
122 ベクトル情報記憶部
123 検索情報記憶部
124 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 生成部
133 提供部
134 算出部
135 抽出部
136 決定部