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特許7071325強化されたクラブヘッドフェースを有するクラブヘッド、および、関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】強化されたクラブヘッドフェースを有するクラブヘッド、および、関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20220511BHJP
【FI】
A63B53/04 E
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019500451
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 US2017041250
(87)【国際公開番号】W WO2018009900
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】62/359,450
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/521,998
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/628,639
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
(72)【発明者】
【氏名】エリック ブイ. コール
(72)【発明者】
【氏名】コリー エス. ベーコン
(72)【発明者】
【氏名】トラビス ディ. ミレマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ティー. クラーク
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】カルバン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ショジェン チン
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0328506(US,A1)
【文献】特開平07-299165(JP,A)
【文献】特開2014-108287(JP,A)
【文献】特開平09-173508(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0114228(US,A1)
【文献】特開平07-008583(JP,A)
【文献】特開平06-233840(JP,A)
【文献】米国特許第05643099(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
前端部および後端部と、
フェース要素であって、
前記前端部に位置するフェース面と、
前記後端部に位置する後面であって、後中心、後周縁部、および、強化デバイスを備える前記後面と、
を備える前記フェース要素と、
トップレール壁を形成するために、底端部に向かって円弧状に延在するトップレールを有する上端部と、
前記上端部に向かって上向きに延在する後部分と一体に形成されるソールを有する底部と、
第1のトゥ端部部分、第2のトゥ端部部分、および、第3のトゥ端部部分へと分割されるトゥ端部であって、
前記第1のトゥ端部部分は、前記上端部に隣接しており、前記上端部と一体に形成されており、
前記第3のトゥ端部部分は、前記底端部に隣接しており、前記底端部と一体に形成されており、
前記第2のトゥ端部部分は、前記第1のトゥ端部部分と前記第3のトゥ端部部分の間に設けられており、
前記トゥ端部は、前記トップレール、前記ソール、および、前記ヒール端部に向かって、湾曲して延在しているトゥレッジ部を有しており、
前記トゥレッジ部は、前記トップレール壁および前記後部分と一体に形成される、
前記トゥ端部と、
前記トップレール、前記ソール、および、前記トゥ端部に向かって、湾曲して延在しているヒールレッジ部を備えるヒール端部であって、前記ヒールレッジ部は、前記トップレール壁および前記後部分と一体に形成される、前記ヒール端部と、
第1のキャビティ、第2のキャビティ、第3のキャビティ、第4のキャビティ、および、第5のキャビティを備えるアンダーカットであって、
前記第1のキャビティは、前記後面と前記トップレール壁の間に形成されており、0.115インチから0.135インチの第1の深さを有しており、
前記第2のキャビティは、前記後面と前記後部分の間に形成されており、0.460インチから0.580インチの第2の深さを有しており、
前記第3のキャビティは、前記後面と前記第1のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.215インチから0.245インチの範囲の第3の深さを有しており、
前記第4のキャビティは、前記後面と前記第2のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.140インチから0.165インチの範囲の第4の深さを有しており、
前記第5のキャビティは、前記後面と前記ヒールレッジ部の間に形成されており、前記第5のキャビティは、0.080インチから0.110インチの範囲の第5の深さを有している、
前記アンダーカットと、
外周縁面および内周縁面を有するループ状リブを備える強化要素と、を備え、
前記強化要素の前記外周縁面は、前記後面に対してすみ肉付けされ、
前記強化デバイスが、前記強化要素を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ループ状リブは、x軸に対して対称である、または、y軸に対して対称である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティの全てが一体に接続されており、連続的である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティが、分断構造体によって分断されており、非連続的である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記フェース要素が、前記フェース面のフェース中心から前記後中心へと垂直に測定され、0.055インチから0.075インチの範囲の第1の厚さを備え、
前記フェース要素が、前記強化要素の頂点から前記フェース面へと垂直に測定され、0.150インチから0.200インチの範囲の第2の厚さを備え、
前記フェース要素が、前記フェース面から、前記強化デバイスがなく前記後周縁部および前記後中心に隣接する前記後面へと垂直に測定され、0.050インチから0.060インチの範囲の第3の厚さを備え、
前記フェース要素が、前記後周縁部において、0.050インチから0.070インチの範囲の第4の厚さを備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記第2のキャビティの前記底部において、カスケーディングソールをさらに備え、
前記カスケーディングソールは、第1の層および第2の層を備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記第1の層は、前記第2の層の厚さよりも大きい厚さを備える、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記ループ状リブの前記内周縁面が、前記後面に対してすみ肉付けされる、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記第1のキャビティの前記第1の深さは、約0.125インチであり、
前記第2のキャビティの前記第2の深さは、約0.500インチであり、
前記第1のトゥ端部部分における前記第3のキャビティの前記第3の深さは、約0.225インチであり、
前記第2のトゥ端部部分における前記第4のキャビティの前記第4の深さは、約0.120インチであり、
前記ヒール端部における前記第5のキャビティの前記第5の深さは、約0.080インチである、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記トゥレッジ部は、前記後面の一部を覆っており、
前記トゥレッジ部は、前記後面の9%を覆っている前記第1のトゥ端部部分において最も顕著であり、前記後面の5%を覆っている前記第2のトゥ端部部分に向かって減少し、実質的に一定になっており、前記後面の6%を覆っている前記第3のトゥ端部部分に向かって、わずかに増加する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
ゴルフクラブヘッドであって、
前端部および後端部と、
フェース要素であって、
前記前端部に位置するフェース面と、
前記後端部に位置する後面であって、後中心及び後周縁部を備える前記後面と、
を備える前記フェース要素と、
トップレール壁を形成するために、底端部に向かって円弧状に延在するトップレールを有する上端部と、
前記上端部に向かって上向きに延在する後部分と一体に形成されるソールを有する底部と、
第1のトゥ端部部分、第2のトゥ端部部分、および、第3のトゥ端部部分へと分割されるトゥ端部であって、
前記第1のトゥ端部部分は、前記上端部に隣接しており、前記上端部と一体に形成されており、
前記第3のトゥ端部部分は、前記底端部に隣接しており、前記底端部と一体に形成されており、
前記第2のトゥ端部部分は、前記第1のトゥ端部部分と前記第3のトゥ端部部分の間に設けられており、
前記トゥ端部は、前記トップレール、前記ソール、および、前記ヒール端部に向かって、湾曲して延在しているトゥレッジ部を有しており、
前記トゥレッジ部は、前記トップレール壁および前記後部分と一体に形成される、
前記トゥ端部と、
前記トップレール、前記ソール、および、前記トゥ端部に向かって、湾曲して延在しているヒールレッジ部を備えるヒール端部であって、前記ヒールレッジ部は、前記トップレール壁および前記後部分と一体に形成される、前記ヒール端部と、
第1のキャビティ、第2のキャビティ、第3のキャビティ、第4のキャビティ、および、第5のキャビティを備えるアンダーカットであって、
前記第1のキャビティは、前記後面と前記トップレール壁の間に形成されており、0.115インチから0.135インチの第1の深さを有しており、
前記第2のキャビティは、前記後面と前記後部分の間に形成されており、0.460インチから0.580インチの第2の深さを有しており、
前記第3のキャビティは、前記後面と前記第1のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.215インチから0.245インチの範囲の第3の深さを有しており、
前記第4のキャビティは、前記後面と前記第2のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.140インチから0.165インチの範囲の第4の深さを有しており、
前記第5のキャビティは、前記後面と前記ヒールレッジ部の間に形成されており、前記第5のキャビティは、0.080インチから0.110インチの範囲の第5の深さを有している、
前記アンダーカットと、
を備え、
前記ゴルフクラブヘッドは、前記第2のキャビティの前記底部において、カスケーディングソールをさらに備え、
前記カスケーディングソールは、第1の層および第2の層を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記フェース要素は、前記フェース面のフェース中心から前記後中心へと垂直に測定され、0.088インチから0.100インチの範囲の第1の厚さを備え、
前記フェース要素は、前記フェース面から前記後中心に隣接する前記後面へと垂直に測定され、0.088インチから0.100インチの範囲の第2の厚さを備え、
前記フェース要素は、前記フェース面から前記後面へと測定され、前記第2の厚さに隣接し、かつ、前記後周縁部に隣接する0.050インチから0.060インチの範囲の第3の厚さを備え、
前記フェース要素は、前記後周縁部において、0.050インチから0.070インチの範囲の第4の厚さを備える、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記第1の層は、前記前端部の近位にあり、
前記第2の層は、前記後端部の近位にあり、
前記第1の層が前記第2の層へと移行する、請求項11又は12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記第1の層は、前記第2の層の厚さよりも大きい厚さを備える、請求項11から13のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記第1のキャビティの前記第1の深さは、約0.125インチであり、
前記第2のキャビティの前記第2の深さは、約0.500インチであり、
前記第1のトゥ端部部分における前記第3のキャビティの前記第3の深さは、約0.225インチであり、
前記第2のトゥ端部部分における前記第4のキャビティの前記第4の深さは、約0.120インチであり、
前記ヒール端部における前記第5のキャビティの前記第5の深さは、約0.080インチである、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティの全てが一体に接続されており、連続的である、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティが、分断構造体によって分断されており、非連続的である、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
ウエイトが、前記後部分と前記後面の間において、前記第2のキャビティの中に配設されることができる、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記トゥレッジ部は、前記後面の一部を覆っており、
前記トゥレッジ部は、前記後面の9%を覆っている前記第1のトゥ端部部分において最も顕著であり、前記後面の5%を覆っている前記第2のトゥ端部部分に向かって減少し、実質的に一定になっており、前記後面の6%を覆っている前記第3のトゥ端部部分に向かってわずかに増加する、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年6月19日出願された米国仮特許出願第62/521,998号、および2016年7月7日に出願された米国仮特許出願第62/359,450号の優先権を主張するものである。また、本出願は、2017年6月20日に出願された米国特許出願第15/628,639の優先権を主張するものである。上述の開示の全内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般的にはスポーツ用具に関し、より詳細にはゴルフクラブヘッドおよびそれに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブのさまざまな特性が、ゴルフクラブの性能に影響を及ぼし得る。例えば、ゴルフクラブのクラブヘッドの重心、慣性モーメント、および反発係数がそれぞれ、性能に影響を及ぼし得るゴルフクラブの特性である。
【0004】
ゴルフクラブのクラブヘッドの重心および慣性モーメントは、クラブヘッドの質量分布の関数である。詳細には、クラブヘッドの質量を、クラブヘッドのソールのより近くになるように、クラブヘッドのフェースからより遠くになるように、および/またはクラブヘッドのトゥ端部およびヒール端部のより近くになるように分布させると、クラブヘッドの重心および/または慣性モーメントが変化し得る。例えば、クラブヘッドの質量を、クラブヘッドのソールのより近くになるように、および/またはクラブヘッドのフェースからより遠くになるように分布させると、クラブヘッドで打撃したゴルフボールの飛行角度が増大し得る。一方、ゴルフボールの飛行角度を増大させると、ゴルフボールが移動する距離が増大し得る。さらに、クラブヘッドの質量を、クラブヘッドのトゥ端部および/またはヒール端部のより近くになるように分布させると、クラブヘッドの慣性モーメントに影響が及び得、それが、ゴルフクラブの寛容性を変更し得る。
【0005】
さらに、ゴルフクラブのクラブヘッドの反発係数は、少なくともクラブヘッドのフェースの可撓性の関数となり得る。一方、クラブヘッドのフェースの可撓性は、フェースの幾何形状(例えば高さ、幅、および/もしくは厚さ)、および/またはフェースの材料特性(例えばヤング率)の関数となり得る。即ち、フェースの高さおよび/もしくは幅を最大化し、および/またはフェースの厚さおよび/またはヤング率を最小限に抑えると、フェースの可撓性が増大し、それにより、クラブヘッドの反発係数が増大し得、また、本質的にクラブヘッドからゴルフボールへのエネルギー伝達効率の尺度であるゴルフクラブのクラブヘッドの反発係数を増大させると、インパクト後にゴルフボールが移動する距離が増大し、ゴルフボールのスピンが低減し、および/またはゴルフボールのボール速度が増大し得る。
【0006】
しかし、クラブヘッドのフェースを薄化すると、フェースからの質量がクラブヘッドの他の部分に再分配されることが可能になり得、またフェースがより可撓性になり得るものの、クラブヘッドのフェースを薄化すると、フェース内の屈曲が、座屈し破損するところまで増大するおそれもある。従って、クラブヘッドのフェースが薄化されたときにクラブヘッドのフェースが座屈するのを防止するためのデバイスおよび方法が必要である。
【0007】
実施形態についてのさらなる説明を容易にするために、以下の図面が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態によるクラブヘッドの上面、後面、トゥ側面図である。
図2図1の実施形態によるクラブヘッドの上面、正面、ヒール側面図である。
図3】一実施形態による従来型のクラブヘッドの図である。
図4図3の実施形態による、従来型のクラブヘッドの図3の切断線4-4に沿った部分断面図の、従来型のクラブヘッドのフェース面がゴルフボール(図示省略)をインパクトしているところをシミュレーションし、その際、結果として生じる屈曲が3倍になっている、応力歪み解析の様子を示す図である。
図5図1の実施形態によるクラブヘッドの図2の切断線5-5に沿った断面図である。
図6】一実施形態によるクラブヘッドの上面、後面、トゥ側面図である。
図7図6の実施形態によるクラブヘッドの上面、正面、トゥ側面図である。
図8図1の別の実施形態によるクラブヘッドの図2の切断線5-5に沿った側面図である。
図9図8の実施形態によるクラブヘッドの上面、後面、ヒール側面図である。
図10】ゴルフクラブヘッドを提供する方法の一実施形態に関するフローチャートである。
図11図10の実施形態による強化デバイスを提供する例示的作業を示す図である。
図12】振動減衰特徴部の層の一実施形態に関する図である。
図13図1の実施形態によるクラブヘッドの図2の切断線5-5に沿った側面図である。
図14】一実施形態によるゴルフクラブの正面図である。
図15】一実施形態によるクラブヘッドの上面、後面図である。
図16図15の実施形態による、図15の切断線6-6に沿ったクラブヘッドの断面図である。
図17】他の実施形態によるクラブヘッドの断面図である。
図18A】他の実施形態によるクラブヘッドの断面図である。
図18B図18Aの実施形態によるクラブヘッドの断面図の拡大視である。
図19】他の実施形態によるクラブヘッドの断面図である。
図20図19の実施形態によるクラブヘッドの後面図である。
図21図19の実施形態によるクラブヘッドの正面図である。
【0009】
説明を簡潔かつ明瞭にするために、図面は、構造を包括的に示しており、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴及び技術については、説明及び詳細を省略する場合がある。更に、図面の要素は、必ずしも実際の縮尺を反映していない。例えば、図面の幾つかの要素の寸法は、本発明の実施形態を明瞭にするために、他の要素に対して誇張して示している場合がある。異なる図面における同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【0010】
明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」等の用語は、類似の要素を区別するために使用しており、必ずしも特定の順序又は時系列を示すものではない。このように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書に記載する実施形態は、本明細書に図示し又は他の手法で記載している順序以外の順序で実行してもよいと理解されよう。更に、「含む」、「有する」及びこの活用形は、非排他的な包含を意図しており、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、装置、又は機器は、必ずしもこれらの要素に限定されるものではなく、明示的に列挙されていない要素又はこのようなプロセス、方法、システム、物品、装置、又は機器に固有の他の要素を含むことができる。
【0011】
明細書及び特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」等の用語は、説明を目的とし、必ずしも恒久的な相対位置を記述するものではない。これらの用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載する装置、方法、及び/又は物品の実施形態は、例えば、本明細書に例示又は記載した向きとは異なる向きで動作することができると理解されよう。
【0012】
「連結」、「連結される」、「連結する」、「連結すること」等の用語は、広範に理解されるべきであり、2つ以上の要素を機械的におよび/または別の方法で接続することを指す。2つ以上の機械的要素は、電気的または他の方法で連結されずに、機械的に連結され得る。連結は、任意の長さの時間、例えば、永久もしくは半永久、または瞬間のみ、であってよい。
【0013】
「機械的連結」などは広く解釈されるべきであり、あらゆる種類の機械的に連結を含む。
【0014】
「連結」等の語の近くの「取り外し可能に」、「取り外し可能」等の語の欠如は、対象の該結合等が、取り外し可能であること、または取り外し可能でないことを意味するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの実施形態は、ゴルフクラブヘッドを有する。ゴルフクラブヘッドは、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース要素を備える。フェース要素は、前端部に位置するフェース面を備え、フェース面は、フェース中心およびフェース周縁部を備える。また、フェース要素は、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面を備え、後面は、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える。さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、後面に位置する強化デバイスを備える。これらの実施形態では、x軸は、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸は、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸は、フェース面に略垂直に延在し、x軸とy軸に略垂直に延在し、後中心と交わる。さらに、x軸は、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸は、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸は、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部から、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。さらにこれらの実施形態では、強化デバイスは、略z軸上に位置する幾何学的中心を有する強化要素を備え、強化要素は、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素は、ループ状リブを備える。一方、フェース面は、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなり得る。
【0016】
他の実施形態は、ゴルフクラブヘッドを有する。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備える。ゴルフクラブヘッドは、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース要素を備える。フェース要素は、前端部に位置するフェース面を備え、フェース面は、フェース中心およびフェース周縁部を備える。また、フェース要素は、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面を備え、後面は、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える。さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、後面に位置する強化デバイスを備える。そして、さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、(i)後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、(ii)後面の周縁部の周り全体に延在する周縁壁要素を備える。周縁壁要素は、上端部で後面の後周縁部に沿って延在する第1の周縁壁部、および、底端部で後面の後周縁部に沿って延在する第2の周縁壁部を備える。これらの実施形態では、x軸は、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸は、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸は、フェース面に略垂直に延在し、x軸とy軸に略垂直に延在し、後中心と交わる。さらに、x軸は、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸は、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸は、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部との間、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。さらにこれらの実施形態では、強化デバイスは、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素は、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素は、閉円形ループ状リブを備える。また、ゴルフクラブヘッドは、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備え、フェース中心から後中心までの中心厚さが、およそ0.203センチメートル以下であり、第2の周縁壁部の少なくとも一部が、フェース周縁部に近位のフェース要素よりも薄い。
【0017】
いくつかの実施形態は、さらに、ループ状リブによって形成される強化要素のキャビティの中を少なくとも部分的に充填するインサートを有する。いくつかの実施形態では、キャビティは、中心キャビティとすることができる。また、中心キャビティは、バッジによって部分的に覆われることができる。バッジは、インサートから分離していてもよく、インサートと一体をなしてもよい。他の実施形態では、バッジは、強化要素と一体をなすことができる。インサートは、約3g未満の軽量の材料であることができ、ゴルフクラブヘッドのスイングの重心に著しく影響を及ぼさないようにし得る。代替実施形態では、インサートは、約5g~約10gなど、約3gよりも大きい重量とすることができ、クラブヘッドのスイングウエイトまたは重心に寄与し得る。
【0018】
さらなる実施形態は、雑音を減少させるため、より望ましい音を生み出すため、そして、ゴルフクラブヘッドの振動を減少させるために、ゴルフクラブヘッドの後面上に配設される振動減衰特徴部を有する。振動減衰特徴部は、制振フォイル、ゴム、もしくは感圧性粘弾性アクリルポリマーのような制振性もしくは振動除去性の他の材料もしくは組成で構成されることができる。振動減衰特徴部は、感圧性であり得、ゴルフボールが打撃されるとき、ゴルフクラブヘッドからの振動を減少もしくは除去をもたらす。振動減衰特徴部は、薄いフェースのゴルフクラブヘッドにおいて、よりよい性能を獲得することと組み合わさって、より望ましい音をゴルフクラブヘッドに与える。振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッドの後面に少なくとも部分的に適用される。振動減衰特徴部は、また、強化要素に適用されることができる。振動減衰特徴部は、さらに、強化要素のキャビティの全てもしくは部分に適用され得る。キャビティは、中心キャビティとすることができる。後面の中心キャビティは、また、振動減衰特徴部によって部分的に覆われることができる。中心キャビティは、また、バッジによって部分的に覆われることができ、そして、振動減衰特徴部は、バッジの下に配設されることができる。
【0019】
さらなる実施形態は、ゴルフクラブヘッドを提供する方法を含む。その方法は、(i)前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、(ii)後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面と、を備えるフェース要素を提供することと、後面に強化デバイスを提供することと、を含むことができる。これらの実施形態では、ゴルフクラブヘッドが、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過する。さらにまた、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部から、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。一方、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備える。また、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなり得る。
【0020】
いくつかの実施形態は、ゴルフクラブを有する。ゴルフクラブは、シャフトと、シャフトに結合されたゴルフクラブヘッドとを備える。ゴルフクラブヘッドは、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース要素を備える。フェース要素は、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面を備える。また、フェース要素は、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面とを備える。さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、後面に位置する強化デバイスを備える。これらの実施形態では、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過する。さらに、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部から、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。さらにこれらの実施形態では、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を有する強化要素を備え、強化要素が、後面から外に後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備える。一方、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなり得る。
【0021】
図面に移ると、図1は、一実施形態によるクラブヘッド100の上面、後面、トゥ側面図を示す。一方、図2は、図1の実施形態によるクラブヘッド100の上面、正面、ヒール側面図を示す。クラブヘッド100は、例示にすぎず、本明細書に提示する実施形態に限定されない。クラブヘッド100は、本明細書で明確に図示または説明していない多くの異なる実施形態または例で用いられ得る。
【0022】
一般に、クラブヘッド100は、ゴルフクラブヘッドを備えることができる。ゴルフクラブヘッド100は、対応するゴルフクラブの部分とすることができる。例えば、ゴルフクラブ1400(図14)は、シャフト1490およびグリップ1495に結合されたゴルフクラブヘッド100を備えることができる。さらに、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのセットの部分とすることができ、および/またはゴルフクラブは、ゴルフクラブのセットの部分とすることができる。例えば、クラブヘッド100は、任意の適切なアイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備えることができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッド100は、マッスルバックアイアンタイプのゴルフクラブヘッドまたはキャビティバックアイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備えることができる。それにも関わらず、クラブヘッド100については一般に、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドに関して説明するが、クラブヘッド100は、例えばウッドタイプのゴルフクラブヘッド(例えばドライバクラブヘッド、フェアウェイウッドクラブヘッド、ハイブリッドクラブヘッド等)や、パターゴルフクラブヘッドなどの、他のどんな適切なタイプのゴルフクラブヘッドを備えてもよい。一般に、クラブヘッド100は、どんな適切な材料を含んでもよいが、多くの実施形態では、クラブヘッド100は、1つまたは複数の金属材料を含む。前述の内容にも関わらず、本明細書で説明する装置、方法、および製品は、この点に関して限定されない。
【0023】
参照のために示すと、クラブヘッド100は、上端部101および上端部101の反対側にある底端部102、前端部203(図2)および前端部203(図2)の反対側にある後端部104、ならびにトゥ端部105およびトゥ端部105の反対側にあるヒール端部106を備える。また、クラブヘッド100は、x軸107、y軸108、およびz軸109を備える。
【0024】
一方、x軸107、y軸108、およびz軸109は、クラブヘッド100のデカルト基準座標系を形成する。従って、x軸107、y軸108、およびz軸109は、互いに垂直である。さらに、x軸107は、トゥ端部105およびヒール端部106を通って延在し、上端部101と底端部102との間で等距離のところにあり、y軸108は、上端部101および底端部102を通って延在し、トゥ端部105とヒール端部106との間で等距離のところにあり、z軸109は、前端部203(図2)および後端部104を通って延在し、(i)トゥ端部105とヒール端部106との間、および(ii)上端部101と後端部102との間で等距離のところにある。
【0025】
クラブヘッド100は、クラブヘッド本体110を備える。クラブヘッド本体110は、中実でもよく、中空でもよく、部分的に中空でもよい。クラブヘッド本体110が中空および/または部分的に中空のとき、クラブヘッド本体110は、シェル構造を備えることができ、さらに、シェル構造の材料とは異なる充填材料で充填および/または部分的に充填され得る。例えば、充填材料は、プラスチック発泡体を含むことができる。
【0026】
クラブヘッド本体110は、フェース要素111および強化デバイス112を備える。多くの実施形態では、クラブヘッド本体110は、周縁壁要素113を備えることができる。
【0027】
多くの実施形態では、フェース要素111は、フェース面214(図2)および後面115を備える。一方、フェース面214(図2)は、フェース中心216(図2)およびフェース周縁部217(図2)を備え、後面115は、後中心118および後周縁部119を備える。フェース面214(図2)とは、クラブヘッド100の打撃フェースまたは打撃プレートのことを指すことができ、例えばゴルフボールなどのボール(図示省略)をインパクトするように構成され得る。多くの実施形態では、フェース面214(図2)は、1つまたは複数のスコアリングライン223(図2)を備えることができる。
【0028】
これらまたは他の実施形態では、フェース面214(図2)は前端部203(図2)に位置することができ、後面115は、後端部104に位置することができる。さらに、後面115は、フェース面214(図2)とは略反対側にあることができ、後中心118は、フェース中心216(図2)の略反対側にあることができ、後周縁部119は、フェース周縁部217(図2)の略反対側にあることができる。一般に、多くの例では、フェース中心216(図2)とは、フェース面214(図2)の幾何学的中心のことを指すことができる。従って、これらまたは他の例では、フェース中心216(図2)とは、フェース面214(図2)における、トゥ端部105とヒール端部106との間で略等距離のところにあり、さらに上端部101と底端部102との間で略等距離のところにある位置のことを指すことができる。さまざまな例では、フェース中心とは、参照により本明細書に組み込まれる、United States Golf Association:Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead、USGA-TPX3004、改訂版1.0.0、6ページ、2008年5月1日(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Test-Protocols-For-Equipmentから2014年5月12日に取得)で定義されるフェース中心のことを指すことができる。同様に、いくつかの例では、後中心118とは、後面115の幾何学的中心のことを指すことができる。
【0029】
参照として示すと、x軸107およびy軸108は、フェース面214(図2)に略平行に延在することができ、z軸109は、フェース面214(図2)に略垂直に延在することができる。一方、x軸107、y軸108、およびz軸109の各々は、後中心118がx軸107、y軸108、およびz軸109によって形成されるデカルト基準座標系の原点を備えるように、後中心118と交わることができる。
【0030】
さまざまな実施形態では、スコアリングライン223(図2)がそれぞれ、1つまたは複数の溝を備えることができ、トゥ端部105とヒール端部106との間で延在することができる。これらまたは他の実施形態では、スコアリングライン223(図2)は、x軸107に略平行とすることができる。
【0031】
多くの実施形態では、強化デバイス112が、1つまたは複数の強化要素120(例えば強化要素121)を備える。強化デバイス112および/または強化要素120は、後面115に位置し、後面115から外に後端部104に向かって、かつ前端部203(図2)から離れて延在する。多くの実施形態では、強化要素120の各強化要素が、外周縁面および幾何学的中心を備える。これらまたは他の実施形態では、強化要素120のうちの1つまたは複数(例えば強化要素121)の幾何学的中心は、略z軸109のところに位置することができる。例えば、強化要素121は、外周縁面126および幾何学的中心130を備えることができる。
【0032】
強化デバイス112および強化要素120は、例えば、フェース面214(図2)がボール(例えばゴルフボール)をインパクトするときなどに、フェース要素111が屈曲するのを可能にしながら、フェース要素111を強化するように構成される。その結果、フェース要素111は、薄化されて、フェース要素111からの質量がクラブヘッドの他の部分に再分配されることが可能になっても、またフェース要素111がより可撓性になっても、結果として生じる屈曲下で座屈および破損し得ない。有利には、フェース要素111は、強化デバイス112および強化要素120を伴って実装されるときのほうが、強化デバイス112および強化要素120を伴わずに実装されるときよりも薄くできるので、クラブヘッド100の重心、慣性モーメント、および反発係数が、クラブヘッド100の性能特性を向上させるように変更され得る。例えば、強化デバイス112および強化要素120を実装すると、ゴルフボールの発射角を、(例えばおよそ10分の1度~10分の3度)増大させることによって、フェース面214(図2)で打ったゴルフボールの飛行距離が増大し得、ゴルフボールのボール速度が、例えばおよそ0.1マイル毎時(mph)(0.161キロメートル毎時(kph)~およそ3.0mph(4.83kph))増大し得、および/またはゴルフボールのスピンが(例えばおよそ1~500回転毎分)低減する。これらの例では、強化デバイス112および強化要素120が、フェース面214(図2)によって与えられるゴルフボールに対するギアリング(gearing)をいくらか打ち消す効果を有することができる。
【0033】
ゴルフクラブヘッド100の一実施形態を備えるゴルフクラブのテストを実施した。全体的に、標準の強化型打撃フェースおよびカスタムチューニングポート付きのアイアンゴルフクラブと比較したとき、テストでは、x軸および/またはy軸の周りの慣性モーメントがより高いこと、ならびにゴルフボールがゴルフクラブヘッドのフェースに衝突する統計面積がより狭いことによって示されるように、寛容性がより大きいことが示された。いくつかのテストでは、x軸の周りの慣性モーメントがおよそ2%増大し、y軸の周りの慣性モーメントがおよそ4%増大し、および/またはゴルフボールがゴルフクラブヘッドのフェースに衝突する統計面積が、およそ15~50パーセント減少した。加えて、ゴルフボールのボール速度の増大、ゴルフボールの発射角の上昇、および/またはゴルフボールのスピンの低減が見られた。一例として、5番アイアンゴルフクラブ上でゴルフクラブ100の一実施形態のテストをした際、ゴルフボールのボール速度が、およそ1.5mph(2.41kph)増大し、ゴルフボールの発射角が、およそ0.3度上昇し、ゴルフボールのスピンが、およそ250回転毎分(rpm)低減したことが見られた。別の例では、7番アイアンゴルフクラブ上でゴルフクラブ100の一実施形態のテストをした際、ゴルフボールのボール速度が、およそ2.0mph(3.22kph)増大し、ゴルフボールの発射角の度数に、ほぼ変化がなく、ゴルフボールのスピンが、およそ450rpm低減したことが見られた。さらなる例として、ウェッジアイアンゴルフクラブ上でゴルフクラブ100の一実施形態のテストをした際、ゴルフボールのボール速度に、ほぼ速度変化がなく、ゴルフボールの発射角が、およそ0.1度上昇し、ゴルフボールのスピンが、およそ200rpm低減したことが見られた。
【0034】
とりわけ、多くの例では、フェース要素111がスコアリングライン223(図2)を備え、かつフェース要素111が強化デバイス112および強化要素120を実装せずに薄化されるとき、図3および図4に示し、図3および図4に関して以下の通り説明するように、フェース要素111の座屈および破損が、特にフェース中心216(図2)に近位のスコアリングライン223(図2)において、スコアリングライン223の底部で発生するおそれがある。
【0035】
強化デバイス112を有するクラブヘッド100は、前端部203から底端部102にかけて延在する均一な移行厚さ(transition thickness)550(図5)も有することができる。均一な移行厚さ550は、強化デバイス112を有するクラブヘッド100の、前端部203と底端部102との間の領域に向けられた応力を吸収する。均一な移行厚さ550は、およそ0.20~0.80インチの範囲とすることができる。例えば、均一な移行厚さ550は、およそ0.20、0.25、0.30、0.35 0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
【0036】
具体的には、図面を先に進むと、図3は、一実施形態による従来型のクラブヘッド300を示す。クラブヘッド300は、クラブヘッド100(図1および図2)に類似し得るが、クラブヘッド100とは異なり、クラブヘッド300には、クラブヘッド300のフェース要素311の後面315に強化デバイスおよび強化要素がない。クラブヘッド300は、クラブヘッド300のフェース面314に1つまたは複数のスコアリングライン323を備える。後面315は、後面115(図1)に類似し得、フェース要素311は、フェース要素111(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよく、フェース面314は、フェース面214(図2)に類似していてもよく、それと同一でもよく、および/またはスコアリングライン323は、スコアリングライン223(図2)に類似していてもよく、それと同一でもよい。さらに、不在の強化デバイスは、強化デバイス112(図1)に類似し得、不在の強化要素は、強化要素120(図1)に類似し得る。一方、図4は、図3の実施形態による、クラブヘッド300の図3の切断線4-4に沿った部分断面図の、クラブヘッド300のフェース面314がゴルフボール(図示省略)をインパクトしているところをシミュレーションし、その際、結果として生じる屈曲が3倍になっている、応力歪み解析の様子を示す。
【0037】
図4で実証されるように、フェース要素311は、支持ばりに類似した振舞いをし、従って中立軸436を備える。フェース要素311のフェース面314と中立軸436との間の部分は、圧縮状態にあり、フェース要素311の中立軸436と後面315との間の部分は、引張状態にある。応力はまず、フェース面314および後面315で増し、中立軸436に向かって内側に移動する。しかし、支持ばりとは異なり、フェース要素311は、フェース要素311の圧縮状態にある部分にスコアリングライン323も備えている。フェース要素311が過度に屈曲すると、スコアリングライン323の底部におけるフェース要素311の機械的降伏に達するおそれがある。スコアリングライン323がなければ、フェース要素311は通常、まずフェース要素311の引張りを受けている部分内で破損するものと予測されるが、スコアリングライン323が、まずフェース要素311の圧縮状態にある部分で破損を発生させる。即ち、フェース要素311がスコアリングライン323のところで破損してから、フェース要素311の残りの部分が、破損を生じさせるのに十分高い応力レベルに達する可能性がある。アイアンタイプのクラブヘッドは、スコアリングライン323のところで破損をより被りやすいことがある。というのも、アイアンタイプのクラブヘッドは、フェース面314で凸状になっている傾向のあるウッドタイプのゴルフクラブヘッドとは異なり、フェース面314で平坦になっている傾向があるためである。その結果、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドがフェース面314で屈曲しても、フェース面314は依然として、いくらか外側に湾曲していることがある。その一方で、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドがフェース面314で屈曲すると、フェース面314が凹形状に屈曲し、それが、フェース要素311の圧縮を受けている部分での圧縮の程度を増大させることがある。
【0038】
ここで図1および図2に戻ると、強化デバイス112および強化要素120を実装すると、スコアリングライン223(図2)内の、特にスコアリングライン223のうちのフェース中心216(図2)に近位のスコアリングライン内の、局所的な屈曲が強化されるととともに、フェース要素111内の全体的な屈曲の増大が可能になり得る。強化デバイス112および強化要素120は、これらの利益を、フェース要素111の局所的な厚さを増大させ、それにより、フェース要素111がそれらの位置においてより剛性(stiffer)に、かつより硬く(harder)なることによって、もたらすことが可能である。実際、強化デバイス112および強化要素120は、フェース要素111の中立軸をフェース面214(図2)から引き離し、後面115のより近くに引き寄せる働きをすることができる。
【0039】
一方、強化デバイス112および強化要素120はさらに、これらの利益を、閉構造(例えば1つまたは複数のループ状リブ)として実装されるときにもたらすことが可能である。というのも、そのような閉構造にすると、周方向(即ちフープ)応力が強化デバイス112および強化要素120に作用する結果として、変形に耐えることが可能なためである。例えば、強化デバイス112および強化要素120に作用する周方向(即ちフープ)応力は、強化デバイス112および強化要素120の対向する側が、互いから離れて回転するのを防止し、それにより屈曲が減少し得る。
【0040】
さらに、強化デバイス112および強化要素120は、インパクト時におけるクラブヘッド100に対する応力の実質的部分を吸収し、それにより、応力が、インパクト時に、フェース要素111、フェース面214、および後面115などのクラブヘッド100の他の部分によって吸収されないようにする。応力を、強化デバイス112および強化要素120の方向に導くことは、強化デバイスおよび強化要素を欠くクラブヘッド300と比較して、または強化要素120のない、もしくは少ない強化デバイス112を有するクラブヘッドと比較して、フェース要素111およびクラブヘッド100の耐久性を向上させる。
【0041】
実装の際には、強化要素120(例えば強化要素121)は、上述した強化デバイス112および/または強化要素120の所期の機能を実施するように構成された、任意の適切な形状(例えば多角形、楕円形、円形等)および/または任意の適切な構成で実装され得る。さらに、強化要素120が複数の強化要素を備えるとき、強化要素120のうちの2つ以上の強化要素が、別のものに類似し得、および/または強化要素120のうちの2つ以上の強化要素が、別のものとは異なり得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、強化要素120(例えば強化要素121)は、x軸107および/またはy軸108の周りで対称とすることができる。強化要素120(例えば強化要素121)が横長形状で実装される場合、多くの実施形態では、強化要素の最大寸法(例えば長軸)が、x軸107またはy軸108のうちの一方と平行および/または共線とすることができる。しかし、他の実施形態では、最大寸法(例えば長軸)は、所望の通りにx軸107および/またはy軸108に対して角度付けされ得る。さらに、多くの実施形態では、強化要素120(例えば強化要素121)は、z軸109に中心が置かれ得るが、いくつかの実施形態では、強化要素120のうちの1つまたは複数(例えば強化要素121)が、例えば、上端部101、底端部102、トゥ端部105、およびヒール端部106のうちの1つまたは2つのほうに偏在されるなど、z軸109の中心から外れて偏在され得る。
【0043】
多くの実施形態では、強化要素120の各強化要素(例えば強化要素121)は、1つまたは複数のループ状リブ127(例えばループ状リブ122)を備えることができる。具体的には、強化要素121は、ループ状リブ122を備えることができる。これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127が複数のループ状リブを備える場合、ループ状リブ127は、ある点および/または軸(例えばz軸109)の周りで互いに同心とすることができる。他の実施形態では、ループ状リブ127が複数のループ状リブを備える場合、ループ状リブ127のうちの2つ以上を非同心とすることができる。さらに、これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127のうちの2つ以上がオーバーラップすることができる。一方、これらの実施形態では、ループ状リブ122は楕円形ループ状リブを備えることができ、これらの実施形態のいくつかでは、ループ状リブ122は円形ループ状リブを備えることができる。上記したように、強化要素120をループ状リブ127として実装すると、ループ状リブ127の閉構造によってもたらされる周方向(例えばフープ)応力のため、有利となり得る。多くの実施形態では、ループ状リブ127のうちの1つもしくは複数(またはループ状リブ127の各々)が、連続した閉ループである。
【0044】
これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127の各ループ状リブは、外周縁面および内周縁面を備える。一方、これらの実施形態では、各強化要素(例えば強化要素121)の外周縁面は、その強化要素に対応するループ状リブ(例えばループ状リブ122)の外周縁面を備える。例えば、ループ状リブ122は、外周縁面128および内周縁面129を備えることができる。さらに、内周縁面129は、急峻かつリブ高さ540(図13)のところで後面に対して実質的に直交とすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、強化要素120の1つまたは複数の外周縁面(例えば強化要素121の外周縁面126)が、後面115に対してすみ肉付けされ得る。これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127の1つまたは複数の内周縁面(例えばループ状リブ122の内周縁面129)が、後面115に対してすみ肉付けされ得る。強化要素120の外周縁面(例えば強化要素121の外周縁面126)を後面115に対してすみ肉付けすると、強化要素120(例えば強化要素121の外周縁面126)の後面115への平滑な移行が可能になり得る。さらに、後面115に対して強化要素120の外周縁面(例えば、強化要素121の外周縁面126)にすみ肉付けすることは、インパクトからの応力を、強化要素120に向けるとともに、フェース面214から離れるようにすることができる。一方、強化要素の外周縁面(例えば、強化要素121の外周縁面126)、またはループ状リブ127の内周縁面(例えば、ループ状リブ122の内周縁面129)は、およそ0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉117を用いて後面115に対してすみ肉付けされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、後面115に対する外周縁面126のすみ肉117は、およそ0.012センチメートルからおよそ2.0センチメートル、およそ0.50センチメートルからおよそ3.0センチメートル、またはおよそ1.0センチメートルからおよそ4.0センチメートルの範囲とすることができる。さらなる例の場合、いくつかの実施形態では、後面115に対する内周縁面129のすみ肉117は、およそ0.012センチメートルからおよそ2.0センチメートル、およそ0.50センチメートルからおよそ3.0センチメートル、またはおよそ1.0センチメートルからおよそ4.0センチメートルの範囲とすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、強化要素の外周縁面は、後面115に対して直接すみ肉付けされ得る。これらの実施形態においては、フェース厚さは、リブ高さ540におけるフェース厚さから、後面115におけるフェース厚さへとすみ肉117に沿って徐々に減少する。
【0047】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド100は、クラブヘッド100の後面115上にリップ部552をさらに含むことができる。図15図17を参照すると、示された実施形態においては、リップ部552が、クラブヘッド100の強化要素120の周りで、ヒール端部106からトゥ端部105へと延在している。これらまたは他の実施形態では、強化要素120の外周縁面上のすみ肉117は、リップ部552へと移行することができ、従って、フェース厚さは、リブ高さ540におけるフェース厚さから最小の厚さ544へとすみ肉117に沿って徐々に減少し、次いで、最小の厚さ544からリップ部高さ554におけるフェース厚さへと徐々に増加する。これらの実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小の厚さ544は、中心厚さ537よりも大きくすることができ、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537に略等しくすることができ、または強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537未満にすることができる。図15図16で示された実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537よりも大きい。図17で示された実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537に略等しい。
【0048】
多くの実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、フェースプレートの屈曲およびボール速度に対応する。強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544が減少するにつれて、強化要素120の外周縁面がゴルフボールとのインパクト中にさらに屈曲し得る。インパクト時における強化要素120の外周縁面の増加した屈曲により、フェースプレートのたわみを増加させて、ゴルフボールへのエネルギー伝達を増加させ、かつボール速度を増加させることができる。例えば、中心厚さ537に略等しい強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544を有する図17で示されたゴルフクラブヘッド100は、中心厚さ537よりも大きい強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544を有する図15図16で示されたクラブヘッド100よりも最高で1マイル毎時(mph)速いボール速度を生ずる。
【0049】
いくつかの実施形態では、強化要素121がループ状リブ122を備える場合、ループ状リブ122はキャビティ131を備えることができる。他の実施形態では、強化要素121がループ状リブ122を備えるとき、ループ状リブ122はキャビティ131を備えていない。キャビティ131を伴わない実施形態では、中心厚さ537(図5および図13)は、キャビティ131を伴う実施形態においてよりも大きくすることができ、フェース面214(図2)からループ状リブ122の遠位端まで測定され得る(例えば中心厚さ537(図5)とリブ高さ542(図5)を合わせた距離とすることができる)、リブ高さ542(図5および図13)のところのフェース厚さ以下とすることができる。キャビティ131は、内周縁面129と後面115とによって画定される。いくつかの実施形態では、キャビティ131は、中心キャビティとすることができる。多くの実施形態では、キャビティ131には、例えば加重インサート(weighted insert)などのどんな内容物も無しとすることができる。他の実施形態では、キャビティ131は、図8および図9に示すように、インサート805を収容することができる。
【0050】
上記でいくらか詳細に論じたように、強化デバイス112および強化要素120を実装することによって、フェース面214(図2)は、フェース周縁部217(図2)の近位で(例えばフェース周縁部217で)よりもフェース中心216(図2)の近位で(例えばフェース中心216で)、後面115により近く(即ちより薄く)なり得る。いくつかの実施形態では、フェース面214(図2)の、フェース中心216(図2)に近位の部分とは、フェース面214の表面積の、フェース中心216(図2)と境界を接し、かつフェース面214の総表面積のおよそ1パーセント、2パーセント、3パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセントを表す部分のことを指すことができる。これらまたは他の実施形態では、フェース面214(図2)の表面積のその部分は、後フェース115の表面積の、強化要素121によって覆われる部分に対応することができる。一方、いくつかの実施形態では、フェース面214(図2)の、フェース周縁部217(図2)に近位の部分とは、フェース面214の、フェース周縁部217と、フェース周縁部217(図2)からおよそ0.10センチメートル、0.20センチメートル、0.25センチメートル、0.50センチメートル、1.00センチメートル、または2.00センチメートルのところに位置する挿入された境界とによって囲まれる領域のことを指すことができる。
【0051】
図面を少しの間先に進むと、図5および図13は、図1の実施形態によるクラブヘッド100の図2の切断線5-5に沿った断面図を示す。クラブヘッド100は、中心厚さ537を備えることができる。中心厚さ537とは、フェース中心216(図2)から後中心118(図1)までの距離のことを指すことができる。多くの実施形態では、中心厚さ537は、およそ0.150cm~およそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。いくつかの実施形態では、強化要素120の中心が少なくとも部分的に埋められ得る。例えば、強化要素120の中心は、制振材料もしくは振動減衰特徴部(例えばインサート805(図8))、または他の材料で埋められ得る。多くの実施形態では、中心厚さ537は、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。他の実施形態では、中心厚さ537は、リブ高さ540におけるフェース厚さにほぼ等しくすることができる。リブ高さ540におけるフェース厚さは、リブ高さ540を中心厚さ537に加えたものであってもよい。多くの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、中心厚さ537よりも厚いが、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。他の実施形態では、フェース厚さ542は、中心厚さ537と同じであってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.30cmからおよそ0.70cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.30cmからおよそ0.50cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.40cmからおよそ0.60cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.50cmからおよそ0.70cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、0.30cmより大きく、0.40cmより大きく、0.50cmより大きく、または0.60cmより大きくすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は変化することができる。図15図16は、上部厚さ546を有する、強化要素120の外側のフェースプレートの上部545と、底部厚さ548を有する、強化要素120の外側のフェースプレートの底部547とを示している。いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、底部厚さ548と同じであってもよい(図5および図13)。これらの実施形態では、中心厚さ537は、上部厚さ546および底部厚さ548よりも薄くすることができ、また上部厚さ546および底部厚さ548は、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、底部厚さ548と異なっていてもよい(図15図16)。例えば、いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、上部厚さ546よりも薄くすることができ、上部厚さ546は、底部厚さ548よりも薄くすることができ、また底部厚さ548は、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。さらなる例に関して、いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、中心厚さ537よりも薄くすることができ、中心厚さ537は、底部厚さ548よりも薄くすることができ、また底部厚さ548は、リブ高さ540におけるフェース厚さ540よりも薄くすることができる。
【0054】
多くの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。多くの実施形態では、上部厚さ546は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。多くの実施形態では、底部厚さ548は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、底部厚さ548は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。
【0055】
多くの実施形態では、支持するための裏当て材料を必要とすることなく(例えば、フェースプレートの後部に位置するエラストマーなどの充填材料を使用することなく)、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができ、また中心厚さ537は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。例えば、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、強化要素120の外側のフェース厚さ542の後部に位置するエラストマーまたは他の可撓性材料を有することなく、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。他の例の場合、中心厚さ537は、フェース中心厚さ537の後部に位置するエラストマーまたは他の可撓性材料を有することなく、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。
【0056】
通常、ゴルフクラブヘッドのフェースプレートは、個々のスイング速度要件に対して(例えば、フェースプレート厚さを低減することにより)ボール速度を最大化するように設計される。一般に、クラブヘッドを用いたインパクト時の力は、スイング速度とともに減少するので、フェースプレート厚さは(例えば、男子のゴルフクラブヘッドに比較して女子のゴルフクラブヘッドの場合)、低いスイング速度の耐久性要件に伴い減少させることができる。例えば、低いスイング速度の耐久性要件を有するクラブヘッドは、より高いスイング速度の耐久性要件を有するクラブヘッドと比較して、低い中心厚さ537、リブ高さ540における低いフェース厚さ、低い上部厚さ546、低い底部厚さ548、または上記で述べた厚さ低減の任意の組合せを有することができる。いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、およそ0.150cmからおよそ0.250cmとすることができ、上部厚さ546は、およそ0.150cmからおよそ0.250cmとすることができ、また底部厚さ548は、およそ0.150cmからおよそ0.250cmとすることができて、クラブヘッド100が、100マイル毎時(mph)(160.9キロメートル毎時、kph)未満、90mph(144.8kph)未満、80mph(128.7kph)未満、70mph(112.6kph)未満、または、60mph(96.6kph)未満のスイング速度に耐えることを可能にする。いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、およそ0.200cmからおよそ0.300cmとすることができ、上部厚さ546は、およそ0.200cmからおよそ0.300cmとすることができ、また底部厚さ548は、およそ0.200cmからおよそ0.300cmとすることができて、クラブヘッド100が、130mph(209.2kph)未満、120mph(193.1kph)未満、110mph(177.0kph)未満、100mph(160.9kph)未満、または、90mph(144.8kph)未満のスイング速度に耐えることを可能にする。
【0057】
多くの実施形態では、スコアリングライン223は、およそ0.030cmからおよそ0.060cmの深さを有することができる。いくつかの実施形態では、スコアリングライン223は、0.060cm未満、0.055cm未満、0.050cm未満、0.045cm未満、0.040cm未満、または0.035cm未満の深さを有することができる。例えば、図15図16で示された実施形態では、スコアリングライン223は、およそ0.046cmの深さを有する。本明細書で述べられる場合、中心厚さ537、強化要素120の外側のフェース厚さ542、上部厚さ546、および底部厚さ548に対する測定は、スコアリングラインのないフェースプレートの領域で行われる。従って、スコアリングライン223内で測定されたフェースプレート厚さは、フェースプレートの同じ領域内のスコアリングライン223の外側で、またはスコアリングライン223の隣で測定された関連するフェースプレート厚さよりも、(スコアリングラインの深さによって)低くなる。
【0058】
いくつかの実施形態では、リブの幅が、ループ状リブ122(図1)全体にわたって変化することができ、いくつかの実施形態では、ループ状リブ122(図1)および/または内周縁面129(図1)が、最大リブスパン538を備えることができる。最大リブスパン538とは、内周縁面129(図1)の一方の側から向かいの内周縁面129(図1)の対向する側までの、後面115(図1)と平行に測定される最大距離のことを指すことができる。従って、ループ状リブ122(図1)が楕円形ループ状リブを備えるとき、最大リブスパン538とは、内周縁面129(図1)の長軸のことを指すことができる。さらに、ループ状リブ122(図1)が円形ループ状リブを備えるとき、最大リブスパン538とは、内周縁面129(図1)の直径のことを指すことができる。とりわけ、多くの実施形態では、最大リブスパン538は、内周縁面129(図1)の中点で測定され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、最大リブスパン538は、およそ0.609cm~およそ1.88cmとすることができる。いくつかの実施形態では、最大リブスパン538は、およそ1.0cmとすることができる。いくつかの実施形態では、最大スパン538があまりにも大きすぎる(例えばおよそ1.88センチメートルよりも大きい)場合、ループ状リブ122(図1)は、フェース中心216(図2)に最も近いスコアリングライン223(図2)を強化するのに不十分となり得る。一方、これらまたは他の実施形態では、最大スパン538があまりにも小さい(例えばおよそ0.609センチメートル未満である)場合、ループ状リブ122は、フェース周縁部217(図2)に最も近いスコアリングライン223(図2)を強化するのに不十分となり得る。一般に、最大リブスパン538に対するこれらの上限および下限は、フェース要素111(図1)のサイズの関数となり得る。いくつかの実施形態では、例えば図6に示すように、2つ以上のリブ621および641が存在し得る。この場合、大きいほうのリブスパンまたはリブ641(図6)の内径もしくは外径は、1.88センチメートルよりも大きいとすることができ、小さいほうのリブスパンまたはリブ621(図6)の内径もしくは外径は、0.609センチメートル未満とすることができる。
【0060】
さらに、ループ状リブ122(図1)は、リブ厚さ539を備えることができる。リブ厚さ539とは、ループ状リブ122(図1)の内周縁面129(図1)とループ状リブ122(図1)の外周縁面128(図1)との間の、後面115(図1)と平行に測定される距離のことを指すことができる。いくつかの実施形態では、ループ状リブ122(図1)の厚さは、ループ状リブ122(図1)全体にわたって変わることができ、リブ厚さ539は、ループ状リブ122(図1)の最大リブ厚さとすることができる。多くの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.050cm~およそ1.50cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.05cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.25センチメートル以上とすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.50センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.75センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ1.00センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ1.25センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ1.50センチメートルとすることができる。さまざまな実施形態では、ループ状リブ127(図1)が複数のループ状リブを備える場合、ループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、同じリブ厚さを備えることができ、および/またはループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、異なるリブ厚さを備えることができる。とりわけ、多くの実施形態では、リブスパン539は、内周縁面129(図1)および/または外周縁面128(図1)の中点で測定され得る。
【0061】
さらになお、ループ状リブ122(図1)は、リブ高さ540を備えることができる。リブ高さ540とは、後面115(図1)から、ループ状リブ122(図1)の後面115から最も遠い中心位置、即ち外周縁面128(図1)が内周縁面129(図1)と接するところまでの垂直な距離のことを指すことができる。これらまたは他の実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.3048センチメートル以上とすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.1778cm~およそ0.3048cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.17cm、0.20cm、0.23cm、0.26cm、0.29cm、または0.30cmとすることができる。多くの実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.512cm以下とすることができる。いくつかの実施形態では、ループ状リブ122(図1)の高さは、ループ状リブ122全体にわたって変わることができ、リブ高さ540は、ループ状リブ122(図1)の最大リブ高さとすることができる。さまざまな実施形態では、ループ状リブ127(図1)が複数のループ状リブを備えるとき、ループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、同じリブ高さを備えることができ、および/またはループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、異なるリブ高さを備えることができる。
【0062】
多くの実施形態では、中心厚さ537、最大リブスパン538、リブ厚さ539、および/またはリブ高さ540は、互いのうちの1つまたは複数に応じて変わり得る。例えば、中心厚さ537は、リブ厚さ539およびリブ高さ540の関数となり得る。即ち、リブ厚さ539および/またはリブ高さ540が増大する場合、中心厚さ537は低減され得、逆も同様である。一方、リブ厚さ539およびリブ高さ540は、互いによって変わり得る。例えば、リブ厚さ539を増大させると、リブ高さの低減が可能になり得、逆も同様である。
【0063】
ここで図1および図2に戻ると、多くの実施形態では、周縁壁要素113が、第1の周縁壁部124および第2の周縁壁部125を備えることができる。周縁壁要素113は、(i)後面115の後周縁部119の周りに少なくとも部分的に(例えばその周り全体に)、(ii)後面115から外に後端部104に向かって、かつ(iii)前端部203(図2)から離れて延在する。一方、第1の周縁壁部124は、上端部101で後面115の後周縁部119に沿って延在することができ、第2の周縁壁部125は、底端部102で後面115の後周縁部119に沿って延在することができる。多くの実施形態では、強化デバイス112および強化要素120は、強化デバイス112および強化要素120が後面115で浮動するように、後面115のところで周縁壁要素113から離隔しており、および/またはそこから離れて位置する。強化デバイス112および強化要素120を浮動させることによって、フェース要素111がフェース中心216(図2)の周りで略対称的に屈曲することが可能になり得る。
【0064】
多くの実施形態では、クラブヘッド本体110は、(i)少なくとも部分的に第1の周縁壁部124および/もしくは上端部101にある上面132、および/または(ii)少なくとも部分的に第2の周縁壁部125および/もしくは底端部102にあるソール面133を備えることができる。従って、いくつかの実施形態では、第1の周縁壁部124は、上面132の少なくとも一部を構成することができ、および/または第2の周縁壁部125は、ソール面133の少なくとも一部を構成することができる。さらに、上面132は、上端部101でフェース面214(図2)と接することができ、および/またはソール面133は、底端部102でフェース面214(図2)と接することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、第2の周縁壁部125の少なくとも部分が、フェース周縁部217(図2)のところのおよび/またはフェース周縁部217に近位のフェース要素111と略等しい厚さ、またはそれよりも薄くすることができる。例えば、第2の周縁壁部125は、第2の周縁壁部125の、フェース周縁部217(図2)に近位の部分(即ち、第2の周縁壁部125がフェース要素111と接するところ)で、フェース周縁部217のおよび/またはフェース周縁部217に近位のフェース要素111と等しい厚さ、またはそれよりも薄くすることができる。第2の周縁壁部125のこの部分を、フェース周縁部217(図2)のおよび/またはフェース周縁部217に近位のフェース要素111と等しい厚さに、またはそれよりも薄くなるように実装すると、フェース面214(図2)がゴルフボールをインパクトしたときに、第2の周縁壁部125に応力集中部が形成することが防止され得る。
【0066】
後面115は、第1の後面部および第2の後面部を備える。第1の後面部とは、後面115の、周縁壁要素113によって覆われる部分のことを指すことができ、第2の後面部とは、後面115の残りの部分のことを指すことができる。多くの実施形態では、強化要素121(例えばループ状リブ122)は、後面115の第2の後面部の表面積のおよそ25パーセント以上、および/または後面115の第2の後面部の表面積のおよそ40パーセント以下を覆うことができる。他の実施形態では、強化要素121(例えばループ状リブ122)は、後面115の第2の後面部の表面積のおよそ30パーセント以上を覆うことができる。いくつかの実施形態では、強化要素121(例えばループ状リブ122)は、後面115の第2の後面部の表面積のおよそ25パーセント、28パーセント、31パーセント、34パーセント、37パーセント、または40パーセントを覆うことができる。
【0067】
さらに、クラブヘッド本体110は、シャフトを受容し、それをクラブヘッド100および/またはクラブヘッド本体100に結合するための、ホーゼル134または他の任意の適切な機構(例えばボア)を備えることができる。他の適切な機構は、1つまたは複数の点で、ホーゼル134に類似し得る。
【0068】
一方、一般的に言うと、ホーゼル134はヒール端部106に、またはそれに近接して位置することができる。シャフトは図面に示していないが、ホーゼル134は、例えばゴルフクラブシャフトなどのシャフトを(即ちホーゼル134の開口を通じて)受容するように構成され得る。従って、ホーゼル134は、シャフトを受容することができ、ホーゼル134がシャフトを受容したときに、シャフトがクラブヘッド100および/またはクラブヘッド本体110に(例えば恒久的にまたは取り外し可能に)結合されるのを可能にすることができる。
【0069】
さらに、いくつかの実施形態では、第2の周縁壁部125は、ウエイトキャビティ135を備えることができる。これらの実施形態では、ウエイトキャビティ135は、取り外し可能なまたは恒久的な加重インサートを受容するように構成され得る。加重インサートは、加重インサートがクラブヘッド100の重心よりもクラブヘッド100の底端部102の近くに位置するように、ウエイトキャビティ135内に配置され得る。言い換えると、加重インサートは、クラブヘッド100の重心が、加重インサートよりもクラブヘッド100の上端部101の近くに位置するように、ウエイトキャビティ135内に配置され得る。加重インサートは、クラブヘッド100の重心を変更するように構成され得る。
【0070】
図面を先に進むと、図6は、一実施形態によるクラブヘッド600の上面、後面、トゥ側面図を示す。一方、図7は、図6の実施形態によるクラブヘッド600の上面、正面、トゥ側面図を示す。
【0071】
クラブヘッド600は、クラブヘッド100(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。従って、クラブヘッド600は、強化デバイス612を備えることができ、強化デバイス612は、強化要素620を備えることができる。強化デバイス612は、強化デバイス112(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよく、強化要素620は、強化要素120(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。
【0072】
強化要素620は、第1の強化要素621および第2の強化要素641を備えることができる。第1の強化要素621および/または第2の強化要素641はそれぞれ、第1の強化要素121(図1)に類似し得る。従って、第1の強化要素621は、第1のループ状リブ622を備えることができ、第2の強化要素641は、第2のループ状リブ642を備えることができる。第1のループ状リブ622および/または第2のループ状リブ642はそれぞれ、ループ状リブ122(図1)に類似し得る。
【0073】
これらの実施形態では、第1の強化要素621および/または第1のループ状リブ622が、円形ループ状リブを備えることができ、第2の強化要素622および/または第2のループ状リブ642が、楕円形ループ状リブを備えることができる。第2の強化要素622および/または第2のループ状リブ642は、第1の強化要素621および/または第1のループ状リブ622を囲むことができる。多くの実施形態では、楕円形ループ状リブの長軸が、クラブヘッド600のx軸と略平行とすることができる。x軸は、x軸107(図1)に近似していてもよく、それと同一でもよい。それと同じまたは異なる実施形態では、楕円形ループ状リブの短軸が、クラブヘッド600のy軸と非平行とすることができる。y軸は、y軸108(図1)に近似していてもよく、それと同一でもよい。
【0074】
強化デバイス612を有するクラブヘッド600は、前端部203から底端部102にかけて延在する均一な移行厚さ550(図示省略)も有することができる。均一な移行厚さ550は、強化デバイス612を有するクラブヘッド600の、前端部203と底端部102との間の領域に向けられた応力を吸収する。均一な移行厚さ550は、およそ0.20~0.80インチの範囲とすることができる。例えば、均一な移行厚さ550は、およそ0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
【0075】
別の実施形態において、図8は、図1の別の実施形態によるクラブヘッド800の図2の切断線5-5に沿った側面図を示す。図8に示すクラブヘッド800は、キャビティ131内のインサート805を示す。図9は、図8の実施形態によるクラブヘッド800の上面、後面、ヒール側面図を示す。いくつかの実施形態では、インサート805は、振動減衰特徴部とすることができる。インサート805は、非金属材料、ポリウレタンなどのエラストマー材料、または発泡体などの別の材料とすることができる。インサート805は、クラブヘッド800の音および感触を調整するために使用され得る。振動を吸収または制振することによって、インサート805は、クラブヘッド800の感触を向上させる。加えて、インサート805は、ゴルフボールがフェースを打撃する音を吸収し、それにより、ゴルフクラブ800のヘッドの感触が、より中空ではなくなり、より中実になる。さらなる実施形態では、キャビティ131を、バッジ(図示省略)が少なくとも部分的に覆うことができる。バッジは、インサート805から分離していてもよく、インサート805と一体をなしてもよい。他の実施形態では、バッジは、強化要素120(図1)などの強化要素と一体をなすことができる。
【0076】
場合によっては、クラブヘッド800のスイングウエイトまたは重心に著しく影響を及ぼさないように、インサート805の重量は約3g未満とすることができる。他の実施形態では、インサート805の重量は、約5g~約10gなど、約3gよりも大きくてもよく、クラブヘッド800のスイングウエイトおよび/または重心に大きく寄与することができる。いくつかの実施形態では、インサート805は、エポキシ接着剤、粘弾性発泡体テープ、振動減衰特徴部、または3M(商標)VHB(商標)テープなどの高強度テープを使用して、キャビティ131に付着され得る。他の実施形態では、インサート805は、キャビティ131に直接流し込まれ、接着され得る。バッジは、類似の接着剤を用いて接着され得る。いくつかの実施形態では、インサート805またはバッジは、ループ状リブ122(図1)と、リブ高さ540の上部で同一平面であってもよく、またはそれらは、完全に組み立てられたとき、リブ高さ540より下であってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振動減衰特徴部、例えばインサート805(図8)が、ゴルフクラブヘッド800などのゴルフクラブヘッドの後面115(図1)上に配設され得る。振動減衰特徴部は、インパクト時にゴルフクラブヘッド800からより望ましい音を生み出すことができる。ゴルフクラブヘッド800の薄いフェース要素111(図1)は、ゴルフボールを打撃するときに望ましくない音を発生させることがある。振動減衰特徴部が振動を減少させ、それにより、薄いフェース要素111(図1)によるインパクト時に、より望ましい音がもたらされ得る。振動減衰構成要素は、より望ましい雑音を提供することによって、使用中のユーザの自信を増大させることができる。振動減衰特徴部は、ゴルフクラブのユーザがゴルフボールを打撃するときに感じる振動衝撃を低減させることもできる。さらに、振動減衰特徴部は、振動疲労を減少させて、ゴルフクラブ800、および限定されないがキャビティ131やウエイトキャビティ135(図1)などのさまざまな特徴部に対する、摩耗を低減させることができる。振動疲労が減少するとさらに、限定されないがキャビティ131のインサート805やウエイトキャビティ135(図1)内のインサートなどの部品が緩むまたは変位するリスクが、低下し得る。振動疲労が減少すると、ゴルフクラブヘッド800の性能寿命が延長し得る。
【0078】
図12に見られるように、さらなる実施形態では、振動減衰特徴部が、粘弾性制振材料からなる少なくとも1層を備えることができる。制振材料は、3M(商標)制振フォイルテープ2552などの制振フォイル1202をなす、感圧性粘弾性アクリルポリマーおよびアルミニウムフォイルを含むことができる。制振フォイル1202は、接着剤層を備えることができる。一実施形態では、振動減衰特徴部は、少なくとも1つの粘弾性接着剤層1203を備えることができ、この層は、エポキシ接着剤、粘弾性発泡体テープ、および/または3M(商標)VHB(商標)テープなどの高強度テープのうちの少なくとも1層の、さまざまな層からなる組成を備えることができる。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、粘弾性接着剤1203、制振フォイル1202、および/またはバッジ1201のうちの少なくとも1つの、さまざまな層組合せを備えることができる。
【0079】
図8に戻ると、いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800などのゴルフクラブヘッドの、鋼鉄1204などの後面材料を備える後面115(図1)上に配設され得る。別の実施形態では、振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800のキャビティ131内またはインサート805の上もしくは下に配設され得る。振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800の後面115(図1)のさまざまな位置に位置することができる。一般に、振動減衰特徴部は、後面115(図1)上でバッジの輪郭の下に、少なくとも部分的に位置する。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、バッジの輪郭全体の下に配設される。他の実施形態では、振動減衰特徴部は、バッジの輪郭の、アルミニウム領域やエラストマー領域などの特定領域のみの下に、少なくとも部分的に配設される。振動減衰特徴部は、バッジの輪郭の周縁領域の少なくとも部分のみの下に配設され得る。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800のキャビティ131内に、少なくとも部分的に配設され得る。振動減衰特徴部は、キャビティ131内でインサート805の上または下に、少なくとも部分的に配設され得る。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド800上への振動減衰特徴部の配設は、フォイルが、バッジの下に少なくとも部分的に、インサート805の上に少なくとも部分的に、ウエイトキャビティ135(図1)内に少なくとも部分的に、および/またはキャビティ131内に少なくとも部分的に配設される、さまざまな組合せを含む。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、後面115(図1)の表面積の少なくとも10パーセントをそれが覆うように配設される。他の実施形態では、振動減衰特徴部は、後面115の表面積の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100パーセントを覆うことができる。
【0080】
インサート805を有するクラブヘッド800は、前端部203から底端部102にかけて延在する均一な移行厚さ550(図8)も有することができる。均一な移行厚さ550は、インサート805を有するクラブヘッド800の、前端部203と底端部102との間の領域に向けられた応力を吸収する。均一な移行厚さ550は、およそ0.20~0.80インチの範囲とすることができる。例えば、均一な移行厚さ550は、およそ0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
【0081】
他の実施形態において、図18Aはクラブヘッド900の側断面図である。クラブヘッド900は、クラブヘッド100に類似していてもよい。クラブヘッド900は、上端部901、底端部902、トゥ端部905、ヒール端部906、前端部903、後端部904、及び、フェース要素911を備えるクラブヘッド本体910を備える。フェース要素911は、前端部903上に位置するフェース面914(即ち、打撃フェースまたは打撃プレート)と、後端部904上に位置する後面915と、を備える。後面915は、後中心918を備える。
【0082】
クラブヘッド本体910の上端部901は、トップレール924を備える。トップレール924は、前端部903から後端部904および底端部902に向かって、円弧状に延在する。トップレール924は、上端部901に沿って、トゥ端部905からヒール端部906へ延在している。フェース要素911の後面915とトップレール924の間に位置する湾曲の中の凹部は、アンダーカット950を画定する。多くの実施形態では、アンダーカット950は、トップレール924に沿ってトゥ端部905からヒール端部906へ延在する。他の実施形態では、アンダーカット950は、トップレール924に沿って、および、トゥ端部905の一部分の中へ、ヒール端部906の一部分の中へ、または、トゥ端部905の一部分およびヒール端部906の一部分の組合せの中へ、延在することができる。アンダーカット950は、クラブヘッド300、600、および、800にも適用されることができる。
【0083】
フェース要素911は、強化デバイス112、612に類似する強化デバイス912をさらに備える。強化デバイス912は、概して後中心918において、後面915上に位置する。強化デバイス912は、前端部903から離れて、後面915から延在する。強化デバイス912は、1つまたは複数の強化要素920を備える。多くの実施形態では、複数の強化要素920のうちのそれぞれの強化要素は、外周縁面926、内周縁面929、および、幾何学的中心を備える。強化要素920は、ループ状リブ927をさらに備えることができる。これらまたは他の実施形態では、強化要素920のうちの1つまたは複数の幾何学的中心は、後面915の後中心918にあることできる。
【0084】
いくつかの実施形態では、ループ状リブ927は、複数のループ状リブを備えてもよく、それぞれのループ状リブ927は、互いに同心とすることができる。他の実施形態では、ループ状リブ927が複数のループ状リブを備えるとき、ループ状リブ927のうちの2つ以上は、非同心であってもよい。さらに、これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ927のうちの2つ以上がオーバーラップしてもよい。一方、いくつかの実施形態では、ループ状リブ927は、楕円形ループ状リブを備えてもよいし、他の実施形態では、ループ状リブ927は、円形ループ状リブを備えてもよい。
【0085】
実装の際には、強化要素920およびループ状リブ927は、上述した強化デバイス912および/または強化要素920の所期の機能を実施するように構成された、任意の適切な形状(例えば、多角形、楕円形、円形等)および/または任意の適切な構成で実装され得る。さらに、強化要素920が複数の強化要素を備えるとき、強化要素920のうちの2つ以上の強化要素は、別のものに類似してもよく、および/または、強化要素1520のうちの2つ以上の強化要素は、別のものとは異なっていてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、強化要素920の1つまたは複数の外周縁面926は、後面915に対してすみ肉付けされてもよい。これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ927の1つまたは複数の内周縁面929は、後面915に対してすみ肉付けされてもよい。強化要素920の外周縁面926を後面915に対してすみ肉付けすると、後面915への強化要素920の平滑な移行が可能になり得る。さらに、強化要素920の外周縁面926を後面915に対してすみ肉付けすることは、インパクトからの応力を、強化要素920に向けるとともに、フェース面914から離れるようにすることができる。一方、強化要素920の外周縁面926、または、ループ状リブ927の内周縁面929は、約0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉923を用いて後面915に対してすみ肉付けされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、後面915に対する外周縁面926のすみ肉923は、約0.012センチメートルから約2.0センチメートル、約0.50センチメートルから約3.0センチメートル、または、約1.0センチメートルから約4.0センチメートルの範囲とすることができる。さらなる例の場合、いくつかの実施形態では、後面915に対する内周縁面929のすみ肉923は、約0.012センチメートルから約2.0センチメートル、約0.50センチメートルから約3.0センチメートル、または、約1.0センチメートルから約4.0センチメートルの範囲とすることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、強化要素920の外周縁面926は、後面915に対して直接すみ肉付けされ得る。これらの実施形態においては、フェース厚さは、強化要素920の頂点におけるフェース厚さから後面915におけるフェース厚さへとすみ肉923に沿って徐々に減少する。
【0088】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド900は、クラブヘッド900の後面915の上に、上述したおよび図9図17のリップ部552に類似するリップ部(図示省略)をさらに含むことができる。クラブヘッド900のリップ部は、クラブヘッド900の強化要素920の周りで、ヒール端部906からトゥ端部905へと延在することができる。これらまたは他の実施形態では、強化要素920の外周縁面926の上のすみ肉923は、リップ部へと移行することができる。従って、フェース厚さは、リップ部と強化要素920の間で、強化要素920の頂点から最小の厚さへとすみ肉923に沿って徐々に減少し、次いで、最小の厚さからリップ部の頂点へと徐々に増加する。これらの実施形態においては、強化要素920とリップ部の間の最小厚さは、フェース中心916における厚さよりも大きくすることができ、強化要素920とリップ部の間の最小厚さは、フェース中心916における厚さに略等しくすることができ、または、強化要素920とリップ部の間の最小厚さは、フェース中心916における厚さ未満にすることができる。
【0089】
クラブヘッド本体910の底端部902は、ソール961をさらに備えることができる。ソール961は、内側ソール面962を備える。さらに、ソール961は、クラブヘッド300、600、および800の中の特徴部であってもよい。図18Aおよび図18Bに図示されているように、フェース要素911の後面915から内側ソール面962への内部半径移行部963が存在する。半径移行部963は、フェース要素911の後面915に近接して、平滑な移行またはカスケーディングソール955を備えることができる。図18Bに図示されているように、カスケーディングソール955は、第1のティア(tier)959、および、第2のティア960を備えることができる。第1のティア959は、前端部903の近位にあり、第2のティア960は、後端部904の近位にあり、第1のティア959は、第2のティア960へと移行する。さらに、第1のティア959は、第2のティア960の厚さよりも大きい厚さを備える。カスケーディングソール955のさらなる詳細は、Golf Club Heads with Energy Storage Characteristicsに関する米国特許出願第14/920,280号に開示される。
【0090】
アンダーカット950は、クラブヘッド900のフェース要素911の構造的完全性を増加させる。より具体的には、アンダーカットの位置は、ボールとのインパクトの間にフェース要素911が上端部901において経験する応力のより大きい分配面積を可能にし、応力は、トップレール924に沿って移動する。上端部901のトップレールの中の応力の分配は、フェース要素911の恒久的な変形を防止することができる。フェース要素911の構造的完全性を維持することは、クラブヘッド本体910が一貫した最適な性能特性および感触を生み出すことを可能にし、性能(即ち、ボール速度、ボール軌道)が、時間の経過とともにおよび複数回の使用の後に劣化しない。
【0091】
さらに、上端部901の上において前端部903の直接後方に位置するアンダーカット950は、フェース要素911がインパクトの間により大きいたわみを有することを可能にする。フェース要素911のたわみは、クラブヘッド900の反発係数(COR)に影響を及ぼす。CORは、衝突のときの物体の弾性を測定し、物体の初期相対速度に対する物体の最終相対速度の比率である。より高いCORは、増加したボール速度および距離を結果として生じさせ、より低いCORは、減少したボール速度および距離を結果として生じさせる。従って、クラブヘッド900のアンダーカット950は、インパクト後のボールの距離および速度に影響を及ぼす。アンダーカット950はフェース要素911のたわみを増加させるので、ボールの距離および速度も増加する。
【0092】
さらに、アンダーカット950は、クラブヘッドの上端部901からの質量の除去を可能にする。そして、除去された質量は、クラブヘッド上の他の位置(例えば、底端部902、トゥ端部905、ヒール端部906、または、それらの任意の組合せ)へと再分配され得る。質量の再分配は、増加した慣性モーメント(MOI)および理想的な重心(CG)設計などのより高い性能特性を備えたクラブヘッドを提供する。増加したMOIおよび理想的なCG設計は、増加したボール速度をもたらすことができ、スイングの間のトゥ端部905からヒール端部906へのクラブヘッド900の回転を防止する。トゥ端部905からヒール端部906へのクラブヘッド900の回転を防止することは、ボールのより良好な接触、および、ボールのより理想的な軌道(即ち、真っ直ぐな軌道)を可能にする。
【0093】
以前に説明されたように、強化デバイス912および強化要素920は、例えば、フェース面914がゴルフボールをインパクトするときなどに、フェース要素911が屈曲するのを可能にしながら、フェース要素911を強化するように構成される。その結果、フェース要素911は、フェース要素911からの質量をクラブヘッド900の他の部分に再分配することを可能にし、結果として生じる曲げの下で座屈および破損することなくフェース要素911をより柔軟にすることができるように、フェース要素911を薄くすることができる。有利には、フェース要素911は、強化デバイス912および強化要素920を伴って実装されるときのほうが薄くできるので、クラブヘッド900の重心、慣性モーメント、および、反発係数が、クラブヘッド900の性能特性を向上させるように変更され得る。例えば、強化デバイス912および強化要素920を実装すると、発射角度を増加させることによって、ボール速度を増加させることによって、および/または、ゴルフボールのスピンを減少させることによって、フェース面914で打ったゴルフボールの飛距離を増加させることができる。これらの例では、強化デバイス912および強化要素920が、フェース面914によって提供されるゴルフボールに対するギアリングをいくらか打ち消す効果を有することができる。
【0094】
強化デバイス912および強化要素920は、さらに、閉構造(即ち、ループ状リブ927)として実装されるときに、応力を低減させる利益を提供することができる。というのも、そのような閉構造にすると、周方向(即ち、フープ)応力が強化デバイス912および強化要素920に作用する結果として、変形に耐えることが可能なためである。例えば、強化デバイス912および強化要素920に作用する周方向(即ち、フープ)応力は、強化デバイス912および強化要素920の対向する側が互いから離れて回転するのを防止し、それにより屈曲が減少し得る。
【0095】
カスケーディングソール955は、ソール961の近くのフェース要素911によって経験される応力のいくらかが、第1のティア959および第2のティア960に分配されることを可能にする。カスケーディングソール955の第1のティア959および第2のティア960による応力の分配は、主としてソール961の近くのフェース要素911の最も薄いセクションに、応力が集中することを防止する。ソール961の中の第1のティア959および第2のティア960による応力の分配は、恒久的な変形を防止し、フェース要素911の構造的完全性を維持することができる。従って、フェース要素911は、ボールとの複数のインパクトの後に、より一貫した性能および感触を生み出すことができる。
【0096】
図19図21は、クラブヘッド1500の他の実施形態を図示している。図19は、クラブヘッド1500の側断面図であり、図20は、クラブヘッド1500の後方斜視図であり、図21は、クラブヘッド1500の正面図である。クラブヘッド1500は、クラブヘッド本体1510を備える。図19に図示されているように、クラブヘッド本体1510は、クラブヘッド本体110および910に類似することができ、クラブヘッド本体1510は、上端部1501、上端部1501の反対側にある底端部1502、前端部1503、前端部1503の反対側にある後端部1504、トゥ端部1505、トゥ端部1505の反対側にあるヒール端部1506、およびフェース要素1511を備える。トゥ端部は、第1のトゥ端部部分1505A、第2のトゥ端部部分1505B、および、第3のトゥ端部部分1505Cへとさらに分割される。第1のトゥ端部部分1505Aは、上端部1501に隣接して位置しており、上端部1501と一体成形される。第3のトゥ端部部分1505Cは、底端部1502に隣接して位置しており、底端部1502と一体成形される。第2のトゥ端部部分1505Bは、第1のトゥ端部部分1505Aと第3のトゥ端部部分1505Cの間に位置する。
【0097】
クラブヘッド1500は、ホーゼル1521をさらに備える。ホーゼル1521は、クラブヘッド本体1510と一体成形される。図20および図21に図示されているように、点線A-Aは、ホーゼル1521およびクラブヘッド本体1510の接合部を表しており、フェース要素1511が平坦な面から湾曲へと移行するときに、クラブヘッド本体1510が終了し、ホーゼル1521が始まる。
【0098】
多くの実施形態では、クラブヘッド本体1510のフェース要素1511は、前端部1503上に位置決めされるフェース面1514と、フェース面1514の反対側にある後端部1504上に位置決めされる後面1515と、を備える。フェース面1514は、クラブヘッド1500の打撃フェースまたは打撃プレートを指すことができ、ゴルフボール(図示省略)をインパクトするように構成される。フェース面1514は、フェース面1514の略中心に位置するフェース中心1516と、フェース面1514の周囲に沿ったフェース周縁部1517と、を備える。フェース周縁部1517は、クラブヘッド本体1510のヒール端部1506において点線A-Aに当接する。フェース要素1511の後面1515は、フェース中心1516の反対側にある後中心1518と、フェース周縁部1517の反対側にある後周縁部1519と、を備える。後周縁部1519は、クラブヘッド本体1510のヒール端部1506において点線A-Aに当接する。
【0099】
図19は、クラブヘッド本体1510の後端部1504を図示している。いくつかのキャビティが、後面1515と、フェース要素1511の周縁部に沿って、より詳細に下記に説明されるいくつかの後壁構造体の間に形成されることができる。多くの実施形態では、これらのキャビティは、互いに一体になっており、一緒に接続し、後面1515といくつかの後壁構造体の間に360度のアンダーカットを形成する。いくつかの後壁構造体は、クラブヘッド本体1510の上端部1501、底端部1502、トゥ端部1505、および、ヒール端部1506から形成される。他の実施形態では、キャビティのうちのいくつかは、互いに一体になっており、および、一緒に接続することができ、他のキャビティは、構造体(例えば、リブ、レッジ部、壁部、または、任意の他の分離するタイプの構造体)によって分断される。多くの実施形態では、形成されたキャビティを備えるクラブヘッド本体1510は、(より詳細に下記に説明されるように)強化デバイス1512をさらに備えることができる。他の実施形態では、形成されたキャビティを備えるゴルフクラブヘッドは、強化デバイス1512を無しとすることができる。
【0100】
(アンダーカットを備えたクラブヘッド)
図19および図20に図示されているように、クラブヘッド本体1510の上端部1501は、トップレール1507を備える。トップレール1507は、後端部1504および底端部1502に向かって、円弧状に延在し、トップレール壁部1513を形成する。トップレール壁部1513の湾曲は、後面1515の一部分を覆っており、第1のキャビティ1541が、後面1515とトップレール壁部1513の間に形成される。トップレール壁部1513は、ヒール端部1506からトゥ端部1505へと延在することができる。同様に、上端部1501における第1のキャビティ1541は、ヒール端部1506からトゥ端部1505へと延在することができる。トップレール壁部1513は、後面1515の約10%から22%を覆うことができる。例えば、トップレール壁部1513は、後面1515の約10%、12%、14%、16%、18%、20%、または、22%を覆うことができる。いくつかの実施形態では、トップレール壁部1513は、後面1515の約18%を覆うことができる。トップレール壁部1513による後面1515のパーセントカバー率は、第1のキャビティ1541の第1の深さ1531に関連する。
【0101】
図19に図示されているように、第1のキャビティ1541の第1の深さ1531は、第1のキャビティ1541の開口部からトップレール1507の上部における後周縁部1519へ、フェース面1514に平行に測定される。第1の深さ1531は、一貫した深さであってもよいし、第1のキャビティ1541に沿って変化してもよい。トップレール1507における第1のキャビティ1541の第1の深さ1531は、約0.115インチから0.135インチの範囲とすることができる。例えば、第1のキャビティ1541の第1の深さ1531は、約0.115インチ、0.117インチ、0.119インチ、0.121インチ、0.123インチ、0.0125インチ、0.127インチ、0.129インチ、0.131インチ、0.133インチ、または、0.135インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第1の深さ1531は、約0.125インチである。
【0102】
クラブヘッド本体1510の底端部1502は、ソール1508を備える。ソール1508は、後部分1509へと一体に形成される。後部分1509は、後面1515の一部分にわたって、上端部1501に向かって上向きに延在する。後面1515を覆う後部分1509の後方上向きの延在は、後面1515と後部分1509の間に第2のキャビティ1542を形成する。後部分1509は、ヒール端部1506からトゥ端部1505へと延在することができる。同様に、後面1515と後部分の間の第2のキャビティ1542は、ヒール端部1506からトゥ端部1505へと延在することができる。後部分1509は、後面1515の約30%から55%を覆うことができる。例えば、後部分1509は、後面1515の約30%、35%、40%、45%、50%、または、55%を覆うことができる。いくつかの実施形態では、上端部1501に向かって上向きに延在する後部分1509は、後面1515の約45%を覆うことができる。後面1515を覆う後部分1509のパーセントカバー率は、第2のキャビティ1542の第2の深さ1532に関連する。
【0103】
図19に図示されているように、第2のキャビティ1542の第2の深さ1532は、第2のキャビティ1542の開口部からソール1508の底部における後周縁部1519へ、フェース面1514に平行に測定される。第2の深さ1532は、一貫した深さであってもよいし、第2のキャビティ1542に沿って変化してもよい。第2のキャビティ1542の第2の深さ1532は、約0.460インチから0.580インチの範囲とすることができる。例えば、第2の深さ1532は、約0.460インチ、0.480インチ、0.500インチ、0.520インチ、0.540インチ、0.560インチ、または、0.580インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第2のキャビティ1542の第2の深さ1532は、約0.500インチとすることができる。
【0104】
図20に図示されているように、クラブヘッド本体1510のトゥ端部1505において、トゥレッジ部1526が、トップレール1507、ソール1508、および、ヒール端部1506に向かって、湾曲して延在することができる。トゥレッジ部1526は、上端部1501から底端部1502に向かって延在している。トゥレッジ部は、ソール1508の後部分1509、および、トップレール1507のトップレール壁部1513と一体に形成される。より具体的には、第1のトゥ端部部分1505Aにおけるトゥレッジ部1526は、トップレール1507に隣接しており、トップレール1507と一体に形成されており、第3のトゥ端部部分1505Cにおけるトゥレッジ部1526は、後部分1509に隣接しており、後部分1509と一体に形成される。トップレール1507およびヒール端部1506に向かって延在するトゥレッジ部1526は、第1のトゥ端部部分1505Aにおいて、後面1515とトゥレッジ部1526の間に第3のキャビティ1543を形成することができる。第3のキャビティ1543は、トップレール1507において、第1のキャビティ1541に隣接しており、第1のキャビティ1541と一体とすることができる。第3のキャビティ1543の下方に、第4のキャビティ1544が、第2のトゥ端部部分1505Bにおいて後面1515とトゥレッジ部1526の間にさらに形成されることができる。第4のキャビティ1544は、ソール1508において、第2のキャビティ1542に隣接しており、第2のキャビティ1542と一体とすることができる。
【0105】
トゥレッジ部1526は、後面1515の一部を覆うことができる。より具体的には、第1のトゥ端部部分1505Aにおけるトゥレッジ部1526は、後面1515の約7%から15%を覆うことができる。例えば、第1のトゥ端部部分1505Aにおけるトゥレッジ部1526は、後面1515の約7%、9%、11%、13%、または、15%を覆うことができる。いくつかの実施形態では、第1のトゥ端部部分1505Aにおけるトゥレッジ部1526は、後面1515の約9%を覆う。トゥレッジ部1526のパーセントカバー率は、第1のトゥ端部部分1505Aにおいて最大であり最も顕著である。同様に、第1のトゥ端部部分1505Aにおけるトゥレッジ部1526のパーセントカバー率に関連付けられる第3のキャビティ1543の第3の深さ1533(より詳細に下記に説明される)も非常に顕著である。第1の端部におけるトゥレッジ部によるパーセントカバー率は、より顕著であり、これは、トップ/トゥ重み付けを増加させ、慣性モーメントを改善することを助けることができる。第1のトゥ端部部分1505Aにおけるトゥレッジ部1526によるパーセントカバー率は、第2のトゥ端部部分1505Bに向かって減少しており、第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526のパーセントカバー率は、2つのうちの最小になっている。
【0106】
図20に図示されているように、トップレール1507に隣接するトゥ端部1505の第3のキャビティ1543は、第3の深さ1533を備える。第3の深さ1533は、第3のキャビティ1543の開口部から第1のトゥ端部部分1505Aの縁部における後周縁部1519へ、フェース面1514に平行に測定される。第3の深さ1533は、一貫した深さであってもよいし、第3のキャビティ1543に沿って変化してもよい。第3のキャビティ1543の第3の深さ1533は、約0.215インチから0.245インチの範囲とすることができる。例えば、第3の深さ1533は、約0.215インチ、0.219インチ、0.223インチ、0.227インチ、0.231インチ、0.235インチ、0.239インチ、0.243インチ、または、0.245インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第3のキャビティ1543の第3の深さ1533は、約0.230インチとすることができる。
【0107】
ソール1508に隣接するトゥ端部1505の第4のキャビティ1544は、第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526に関連付けられる。第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526は、約4%から10%の範囲とする後面1515の一部分を覆うことができる。例えば、第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526は、後面1515の約4%、5%、6%、7%、8%、9%、または、10%を覆うことができる。いくつかの実施形態では、第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526は、後面1515の約5%を覆うことができる。トゥレッジ部1526のパーセントカバー率は、第2のトゥ端部部分1505Bにおいて最小である。同様に、第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526のパーセントカバー率に関連付けられる第4のキャビティ1544の第4の深さ1534(より詳細に下記に説明される)も非常に小さい。第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526のパーセントカバー率は、第1のトゥ端部部分1505Aにおけるパーセントカバー率よりもはるかに小さい。他の実施形態では、第2のトゥ端部部分1505Bにおける後面1515のパーセントカバー率は、第1のトゥ端部部分1505Aにおける後面1515のパーセントカバー率以上とすることができる。第2のトゥ端部部分1505Bにおけるトゥレッジ部1526のパーセントカバー率は、実質的に一定に維持されており、それが後部分1509と一体に形成されるまで、第3のトゥ端部部分1505Cに向かってわずかに増加する。
【0108】
トップレール1507に隣接する第3のキャビティ1543とソール1508における第2のキャビティ1542の間のトゥ端部1505の第4のキャビティ1544は、第4の深さ1534を備える。第4の深さ1534は、第4のキャビティ1544の開口部から第2のトゥ端部部分1505Bの縁部における後周縁部1519へ、フェース面1514に平行に測定される距離である。第4の深さ1534が第4のキャビティ1544に沿って変化することがわかるが、他の実施形態では、第4のキャビティ1544に沿って一貫していてもよい。第4のキャビティ1544の第4の深さ1534は、約0.140インチから0.165インチの範囲とすることができる。例えば、第4の深さ1534は、約0.140インチ、0.144インチ、0.148インチ、0.152インチ、0.156インチ、0.160インチ、または、0.165インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第4のキャビティ1544の第4の深さ1534は、約0.150インチとすることができる。上述のように、第4のキャビティ1544の第4の深さ1534は、第2のトゥ端部部分1505Bにおいてトゥレッジ部1526によって覆われる後面1515のパーセントと相関付けられる。トゥレッジ部1526による後面1515のパーセントカバー率は、第1のトゥ端部部分1505Aよりも第2のトゥ端部部分1505Bにおいて小さくなり、それにより、第4の深さ1534は第3の深さ1533よりも小さい。トゥレッジ部1526による後面1515のパーセントカバー率が第1のトゥ端部部分1505Aよりも第2のトゥ端部部分1505Bにおいて大きくなっている他の実施形態では、第4の深さ1534が、第3の深さ1533よりも大きくなっていてもよい。トゥレッジ部1526による後面1515パーセントカバー率が第2のトゥ端部部分1505Bおよび第1のトゥ端部部分1505Aにおけるものと同じである他の実施形態では、第4の深さ1534は、第3の深さ1533と同じであってもよい。
【0109】
クラブヘッド本体1510のヒール端部1506において、ヒールレッジ部1524は、トップレール1507、ソール1508、および、トゥ端部1505に向かって、湾曲して延在することができる。第5のキャビティ1545が、後面1515とヒールレッジ部1524の間に形成される。ヒールレッジ部1524は、上端部1501から底端部1502へ延在しており、トップレール1507および後部分1509と一体に形成される。ヒールレッジ部1524は、後面1515の一部分を覆うことができる。ヒールレッジ部1524は、後面1515の約3%から8%を覆うことができる。例えば、ヒールレッジ部1524は、後面1515の約3%、4%、5%、6%、7%、または、8%を覆うことができる。いくつかの実施形態では、ヒールレッジ部1524は、後面1515の約4%を覆うことができる。後面1515を覆うヒールレッジ部1524のパーセントカバー率は、第5のキャビティ1545の第5の深さ1535に関連する。
【0110】
図20に図示されているように、第5のキャビティ1545の第5の深さ1535は、第5のキャビティ1545の開口部から(点線A-Aに当接する)ヒール端部1506における後周縁部1519へ、フェース面1514に平行に測定される。第5の深さ1535は、一貫した深さであってもよいし、第5のキャビティ1545に沿って変化してもよい。第5のキャビティ1545の第5の深さ1535は、約0.080インチから0.110インチの範囲とすることができる。例えば、第5の深さ1535は、約0.080インチ、0.082インチ、0.084インチ、0.086インチ、0.088インチ、0.090インチ、0.092インチ、0.094インチ、0.096インチ、0.098インチ、0.100インチ0.102インチ、0.104インチ、0.106インチ、0.108インチ、または、0.110インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第5のキャビティ1545は、約0.100インチの第5の深さ1535を有することができる。
【0111】
図20に図示されているように、上述した第1のキャビティ1541、第2のキャビティ1542、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および、第5のキャビティ1545は、すべて、互いに一体に接続され、連続的な360度のアンダーカット1550を画定する。例示的な実施形態では、アンダーカット1550は、第1のキャビティ1541、第2のキャビティ1542、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および、第5のキャビティ1545を備えることができる。アンダーカット1550は、クラブヘッド本体1510のフェース要素1511の後周縁部1519の100%をさらに備える。クラブヘッド本体1510のアンダーカット1550は、重量を低減し、フェース要素1511の中の屈曲を増加させることを助けることができる。他の実施形態では、キャビティ(例えば、第1のキャビティ1541、第2のキャビティ1542、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および、第5のキャビティ1545)は、任意の組合せで切り離されることができ、アンダーカット1550は、後周縁部1519の70%から100%を備える。例えば、キャビティは、第1のキャビティ1541と第2のキャビティ1542の間において、または、第3のキャビティ1543と第4のキャビティ1544の間において、または、第1の、第2の、第3の、第4の、および第5のキャビティ1541、1542、1543、1544、および1545の任意の組合せの間において、分断されて非連続的であることができる。いくつかの実施形態では、キャビティ同士の間の分断は、リブ、リップ部、レッジ部、壁部、突出部、または、任意の他の分断構造体などの構造体(図示省略)とすることができる。これらの例示的な実施形態では、アンダーカット1550は、後周縁部1519の70%、75%、80%、85%、90%、95%、または、100%を備えることができる。
【0112】
360度のアンダーカット1550を形成するために上述したいくつかのキャビティを備えるクラブヘッド本体1510のフェース要素1511は、フェース厚さをさらに備えることができる。フェース要素1511のフェース厚さは、応力を分配することを助け、ボールインパクトの間のアンダーカット1550に沿ったさらなるフェース変曲を可能にすることができる。多くの実施形態では、フェース要素1511のフェース厚さは、トゥ端部1505からヒール端部1506へ、上端部1501から底端部1502へ、または、それらの任意の組合せで変化することができる。
【0113】
図19に示されるように、フェース要素1511のフェース厚さは第1の厚さ1551と、第2の厚さ1552と、第3の厚さ1553と、第4の厚さ1554と、を備えることができる。第1の厚さ1551は、フェース中心1516からリア中心1518まで垂直に測定される。第1の厚さ1551は、約0.055インチから約0.075インチ、約0.055インチから約0.065インチ、約0.065インチから約0.075インチ、又は、約0.060インチから約0.070インチの範囲とすることができる。例えば、第1の厚さ1551は、0.055インチ、0.057インチ、0.059インチ、0.061インチ、0.063インチ、0.065インチ、0.067インチ、0.069インチ、0.071インチ、0.073インチ、又は、0.075インチとすることができる。いくつかの実施形態では、フェース要素1511の第1の厚さ1551は、約0.065インチとすることができる。
【0114】
図19に示されるように、第2の厚さ1552は、フェース面1514から強化要素1520の頂点(詳細は下記に記す)へと垂直に測定されるフェース厚さである。強化要素1520がない、いくつかの実施形態では、第2の厚さ1552は、フェース面1514からリア中心1518に隣接するリア面1515へと垂直に測定される。第2の厚さ1552は、約0.150インチから約0.200インチ、約0.150インチから約0.160インチ、約0.160インチから約0.170インチ、約0.170インチから約0.180インチ、約0.180インチから約0.190インチ、約0.190インチから約0.200インチ、約0.150インチから約0.175インチ、又は、約0.175インチから約0.200インチの範囲とすることができる。例えば、第2の厚さ1552は、約0.150インチ、約0.155インチ、約0.160インチ、約0.165インチ、約0.170インチ、約0.175インチ、約0.180インチ、約0.185インチ、約0.188インチ、約0.190インチ、約0.195インチ、又は、約0.200インチとすることができる。いくつかの実施形態では、フェース要素1511の第2の厚さ1552は、約0.188インチとすることができる。
【0115】
図19に示されるように、第3の厚さ1553は、強化要素1512が無く、後周縁部1519に隣接し、リア中心より遠位のフェース厚さであって、フェース面1514からリア面へと垂直に測定される。第3の厚さ1553は、約0.050インチから約0.060インチ、約0.060インチから約0.070インチ、約0.070インチから約0.080インチ、約0.080インチから約0.090インチ、約0.090インチから約0.100インチ、約0.050インチから約0.75インチ、又は、約0.075インチから約0.100インチの範囲とすることができる。例えば、第3の厚さ1553は、約0.050インチ、約0.55インチ、約0.060インチ、約0.065インチ、約0.070インチ、約0.075インチ、約0.080インチ、約0.085インチ、約0.088インチ、約0.090インチ、約0.095インチ、又は、約0.100インチとすることができる。いくつかの実施形態では、フェース要素1511の第3の厚さ1553は、約0.088インチとすることができる。
【0116】
図19に示されるように、第4の厚さ1554は、フェース面1514からリア面1515の後周縁部1519の縁部へと垂直に測定されるフェース厚さである。第4の厚さ1554は、約0.050インチから約0.070インチ、約0.050インチから約0.060インチ、約0.060インチから約0.070インチ、約0.050インチから約0.058インチ、約0.058インチから約0.064インチ、又は、約0.064インチから約0.070インチの範囲とすることができる。例えば、第4の厚さ1554は、約0.50インチ、約0.052インチ、約0.054インチ、約0.056インチ、約0.058インチ、約0.060インチ、約0.062インチ、約0.064インチ、約0.066インチ、約0.068インチ、又は、約0.070インチとすることができる。いくつかの実施形態では、フェース要素1511の第4の厚さ1554は、約0.060インチとすることができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド本体1510は、強化デバイス1512及び強化要素1520が無くてもよい。これの例示的な実施形態では、フェース中心(第1の厚さ1551及び第2の厚さ1552)の近くのフェース要素1511は、応力を分配するために、0.088インチ(約0.088インチから約0.100インチ、約0.088インチから約0.220インチ、約0.100インチから約0.220インチ、又は、約0.140インチ約0.180インチの範囲)以上のフェース厚さとすることができる。例えば、フェース中心1516の近くのフェース要素1511は、約0.088インチ、約0.090インチ、約0.092インチ、約0.094インチ、約0.096インチ、約0.098インチ、約0.100インチ、約0.110インチ、約0.114インチ、約0.180インチ、又は、約0.220インチの第1の厚さ1551及び第2の厚さ1552を備えることができる。
【0118】
(アンダーカットおよび強化デバイスを備えたクラブヘッド)
図19および図20に図示されているように、いくつかの実施形態では、クラブヘッド本体1510は、強化デバイス112、612、および、912に類似する強化デバイス1512をさらに備える。他の実施形態では、クラブヘッド本体1510は、強化デバイス1512を無しとすることができる。強化デバイス1512は、略後中心1518において、フェース要素1511の後面1515上に位置する。強化デバイス1512は、前端部1503から離れて、後面1515から延在する。強化デバイス1512は、1つまたは複数の強化要素1520を備える。多くの実施形態では、複数の強化要素1520のうちのそれぞれの強化要素は、外周縁面1626、内周縁面1629、および、幾何学的中心を備える。強化要素1520は、ループ状リブ1527をさらに備える。これらまたは他の実施形態では、強化要素1520のうちの1つまたは複数の幾何学的中心は、後面1515の後中心1518にあることできる。
【0119】
いくつかの実施形態では、ループ状リブ1527は、複数のループ状リブを備えることができる。それぞれのループ状リブ1527は、互いに同心であってもよい。他の実施形態では、ループ状リブ1527が複数のループ状リブを備えるとき、ループ状リブ1527のうちの2つ以上は、非同心であってもよい。さらに、これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ1527のうちの2つ以上がオーバーラップしてもよい。一方、いくつかの実施形態では、ループ状リブ1527は、楕円形ループ状リブを備えてもよいし、他の実施形態では、ループ状リブ1527は、円形ループ状リブを備えてもよい。
【0120】
実装の際には、強化要素1520およびループ状リブ1527は、上述した強化デバイス1512および/または強化要素1520の所期の機能を実施するように構成された、任意の適切な形状(例えば、多角形、楕円形、円形等)および/または任意の適切な構成で実装され得る。さらに、強化要素1520が複数の強化要素を備えるとき、強化要素1520のうちの2つ以上の強化要素は、別のものに類似してもよいし、および/または、強化要素1520のうちの2つ以上の強化要素が、別のものとは異なっていてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、強化要素1520の1つまたは複数の外周縁面1626は、後面1515に対してすみ肉付けされ得る。これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ1627の1つまたは複数の内周縁面1629は、後面1515に対してすみ肉付けされ得る。強化要素1520の外周縁面1626を後面1515に対してすみ肉付けすると、後面1515への強化要素1520の平滑な移行が可能になり得る。さらに、強化要素1520の外周縁面1626を後面1515に対してすみ肉付けすることは、インパクトからの応力を、強化要素1520に向けるとともに、フェース面1514から離れるようにすることができる。一方、強化要素1520の外周縁面1626、または、ループ状リブ1627の内周縁面1629は、約0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉1523を用いて後面1515に対してすみ肉付けされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、後面1515に対する外周縁面1626のすみ肉1523は、約0.012センチメートルから約2.0センチメートル、約0.50センチメートルから約3.0センチメートル、または、約1.0センチメートルから約4.0センチメートルの範囲とすることができる。さらなる例の場合、いくつかの実施形態では、後面1515に対する内周縁面1629のすみ肉1523は、約0.012センチメートルから約2.0センチメートル、約0.50センチメートルから約3.0センチメートル、または、約1.0センチメートルから約4.0センチメートルの範囲とすることができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、強化要素1520の外周縁面1626は、後面1515に対して直接すみ肉付けされ得る。これらの実施形態においては、フェース厚さは、第2のフェース厚さ1552(フェース面1514から強化要素1520の頂点へ)におけるフェース厚さから後面1515におけるフェース厚さへとすみ肉1523に沿って徐々に減少する。
【0123】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド1500は、クラブヘッド1500の後面1515上に、上述したおよび図15図17のリップ部552に類似するリップ部(図示省略)をさらに含むことができる。クラブヘッド1500のリップ部は、クラブヘッド1500の強化要素1520の周りで、ヒール端部1506からトゥ端部1505へと延在することができる。これらまたは他の実施形態では、強化要素1520の外周縁面1626の上のすみ肉1523は、リップ部へと移行することができる。従って、フェース厚さは、リップ部と強化要素1520の間で、第2の厚さ1552から最小の厚さへとすみ肉1523に沿って徐々に減少し、次いで、最小の厚さからリップ部の頂点へと徐々に増加する。これらの実施形態においては、強化要素1520とリップ部の間の最小の厚さは、フェース中心1516における第1の厚さ1551よりも大きくすることができ、強化要素1520とリップ部の間の最小の厚さは、第1の厚さ1551に略等しくすることができ、または強化要素1520とリップ部の間の最小の厚さは、第1の厚さ1551未満にすることができる。
【0124】
以前に説明されたように、強化デバイス1512および強化要素1520は、例えば、フェース面1514がゴルフボールをインパクトするときなどに、フェース要素1511が屈曲するのを可能にしながら、フェース要素1511を強化するように構成される。その結果、フェース要素1511は、フェース要素1511からの質量をクラブヘッド1500の他の部分に再分配することを可能にし、結果として生じる曲げの下で座屈および破損することなくフェース要素1511をより柔軟にすることができるように、フェース要素1511を薄くすることができる。有利には、フェース要素1511は、強化デバイス1512および強化要素1520を伴って実装されるときのほうが薄くできるので、クラブヘッド1500の重心、慣性モーメント、および反発係数が、クラブヘッド1500の性能特性を向上させるように変更され得る。例えば、強化デバイス1512および強化要素1520を実装すると、発射角度を増加させることによって、ボール速度を増加させることによって、および/または、ゴルフボールのスピンを減少させることによって、フェース面1514で打ったゴルフボールの飛距離を増加させることができる。これらの例では、強化デバイス1512および強化要素1520が、フェース面1514によって提供されるゴルフボールに対するギアリングをいくらか打ち消す効果を有することができる。
【0125】
強化デバイス1512および強化要素1520は、さらに、閉構造(即ち、ループ状リブ1527)として実装されるときに、応力を低減させる利益を提供することができる。というのも、そのような閉構造にすると、周方向(即ち、フープ)応力が強化デバイス1512および強化要素1520に作用する結果として、変形に耐えることが可能なためである。例えば、強化デバイス1512および強化要素1520に作用する周方向(即ち、フープ)応力は、強化デバイス1512および強化要素1520の対向する側が互いから離れて回転するのを防止し、それにより屈曲が減少し得る。
【0126】
クラブヘッド本体1510のアンダーカット1550は、上述した強化デバイス1512に類似の性能特性を生み出すことができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッド本体1510は、強化デバイス1512を無しとすることができ、アンダーカット1550を備えるクラブヘッド本体1510は、強化デバイス1512およびアンダーカット1550の両方を備えたクラブヘッド本体1510に類似して実施することができる。第1のキャビティ1541、第2のキャビティ1542、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および、第5のキャビティ1545を備える360度に延在するアンダーカットは、インパクトの間のフェース要素1511の最適な屈曲およびたわみを可能にする。360度のアンダーカットのない類似のクラブヘッド本体において、フェース要素は、それほどには屈曲またはたわむことができない。より具体的には、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および/または、第5のキャビティ1545のない類似のクラブヘッド本体は、ヒール端部およびトゥ端部において、屈曲またはたわむことができない。類似のクラブヘッドのたわみは、ヒール端部1506において限定されており、トゥ端部1505では、フェース要素の後面が屈曲して戻るための任意のスペースを有していないことになる。具体的には、トゥ端部1505において第3のキャビティ1543、および、第4のキャビティ1544を備え、ヒール端部1506において第5のキャビティ1545を備えるクラブヘッド本体1510の360度のアンダーカット1550は、フェース要素1511の後面1515がインパクトの間にトゥレッジ部1526およびヒールレッジ部1524に接触することを防止する。従って、フェース要素1511は、より大きいたわみのために自由に屈曲することができる。第4のキャビティ1544の第4の深さ1534は、フェース要素1511の後面1515がたわみの増加のためにインパクトの間にトゥレッジ部1526と接触することをさらに防止する。第4のキャビティ1543の小さい第4の深さ1534(即ち、トゥレッジ部1526はそれほど顕著ではない)に起因して、トゥ端部1505の近くのフェース要素1511は、さらに遠くへ戻るように延在することができる。
【0127】
フェース要素1511のたわみは、クラブヘッド1500の反発係数(COR)に影響を及ぼす。CORは、衝突のときの物体の弾性を測定し、物体の初期相対速度に対する物体の最終相対速度の比率である。より高いCORは、増加したボール速度および距離を結果として生じさせ、より低いCORは、減少したボール速度および距離を結果として生じさせる。従って、クラブヘッド1500の360度のアンダーカット1550のたわみの増加は、インパクト後のボールの距離および速度に影響を及ぼす。アンダーカット1550がフェース要素1511のたわみを増加させるにつれて、ボールの距離および速度も増加する。
【0128】
さらに、360度のアンダーカット1550は、最小量の応力を経験するフェース要素1511の周縁部(即ち、後面1515と、後部分1509、トップレール1507、トゥレッジ部1526、およびヒールレッジ部1524の間に位置する後周縁部1519)からの質量の除去を可能にする。そして、除去された質量は、クラブヘッド1500の上の他の位置(例えば、底端部1502、トゥ端部1505の近く、ヒール端部1506の近く、または、それらの任意の組合せ)へと再分配され得る。質量の再分配は、より低く、および、後端部1504に向かって後ろへ、重心(CG)をシフトすることができ、それは、増加した慣性モーメント(MOI)などのような、より高い性能特性を備えたクラブヘッドを提供することができる。第1の部分1526Aの幅は、CGおよびMOIに関する質量分配にさらに影響を及ぼし得る。図20に図示されているような第1の部分1526Aの幅は、トゥ端部1505の中に質量を増やし、MOIを改善することを助ける。より良好なCG設計および増加したMOIは、増加したボール速度をもたらすことができ、トゥ端部1505からヒール端部1506へのクラブヘッド1500の回転を防止する。トゥ端部1505からヒール端部1506へのクラブヘッド1500の回転を防止することは、インパクトしたときのボールとのより良好な接触を可能にし、それは、最適なボール速度、スピン、および、軌道を結果として生じさせることができる。いくつかの実施形態では、CGをさらに効果的にするために、ウエイト(図示省略)が、後面1515と後部分1509の間の第2のキャビティ1542の中に配設されることができる。第2のキャビティ1542の中に位置決めされるウエイトは、CGが後端部1504およびソール1508に向かってシフトすることを可能にする。第2のキャビティ1542の中に配設されるウエイトは、インパクトの間にクラブヘッド本体1510によって経験される応力および振動をさらに吸収することができる。ウエイトによって応力および振動を吸収することは、クラブヘッド本体1510の耐久性および構造的完全性を維持すること、ならびに、プレイヤーの感触を改善することを助けることができる。
【0129】
クラブヘッド本体1510は、カスケーディングソール1555をさらに備えることができる。カスケーディングソール1555は、後部分1509と後面1515の間に位置する第2のキャビティ1542の底部において、ソール1508の内側キャビティに位置する。クラブヘッド本体1510のカスケーディングソール1555は、第1の層(図示省略)および第2の層(図示省略)を有する、上述したクラブヘッド本体910のカスケーディングソール955に類似することができる。クラブヘッド本体1510のカスケーディングソール1555は、ソール1508の近くのフェース要素1511によって経験される応力のいくらかが、クラブヘッド本体1510の第1の層および第2の層へと分配されることを可能にする。クラブヘッド本体1510のカスケーディングソール1555の第1の層および第2の層は、主としてソール1508の近くのフェース要素1511の最も薄いセクションにおいて、応力が集中することを防止する。ソール1508の中の第1の層および第2の層の中の応力の分配は、フェース要素1511の恒久的な変形を防止する。従って、ボールとの複数のインパクトの後に、より一貫した性能特性および感触を生み出すことができる。
【0130】
ゴルフクラブヘッド100、300、600、800、900、1500は、変化するロフト角を有する1組のクラブヘッドの一部とすることができる。いくつかの実施形態では、中心厚さ537、強化要素120の外側のフェース厚さ542、上部厚さ546、底部厚さ548、リブ高さ540におけるフェース厚さ、または前述の厚さの組合せは、1組のクラブヘッド内でクラブヘッドのロフト角とともに変化することができる。
【0131】
ここで次の図面に移ると、図10は、ゴルフクラブヘッドを提供する方法1000の一実施形態に関するフローチャートを示す。方法1000は、単なる例示であり、本明細書に提示する実施形態に限定されない。方法1000は、本明細書で明確に図示または説明していない多くの異なる実施形態または例で用いられ得る。いくつかの実施形態では、方法1000の作業、手順、および/またはプロセスが、提示した順序で実施され得る。他の実施形態では、方法1000の作業、手順、および/またはプロセスが、他の任意の適切な順序で実施され得る。さらに他の実施形態では、方法1000における作業、手順、および/またはプロセスのうちの1つまたは複数が、組み合わされてもよく、スキップされてもよい。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド100(図1および図2)、ゴルフクラブヘッド600(図6および図7)、および/またはゴルフクラブヘッド800(図8および図9)に類似していてもよく、それと同一でもよい。
【0132】
方法1000は、フェース要素を提供する作業1001を含むことができる。フェース要素は、フェース要素111(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。
【0133】
方法1000は、強化デバイスを提供する作業1002を含むことができる。強化デバイスは、強化デバイス112(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。図11は、図10の実施形態による例示的作業1002を示す。
【0134】
例えば、作業1002は、第1の強化要素を提供する作業1101を含むことができる。第1の強化要素は、第1の強化要素121(図1)、強化要素621(図6)、強化要素120(図1)のうちのいずれか1つの強化要素、および/または強化要素620(図6)のうちのいずれか1つの強化要素に類似していてもよく、それと同一でもよい。
【0135】
さらに、作業1002は、第2の強化要素を提供する作業1102を含むことができる。第2の強化要素は、第2の強化要素641(図6)および/または強化要素620(図6)のうちのいずれか1つの強化要素に類似していてもよく、それと同一でもよい。いくつかの実施形態では、作業1101および作業1102は、略同時に実施され得る。他の実施形態では、作業1102は省略され得る。
【0136】
図10に戻ると、方法1000は、周縁壁要素を提供する作業1003を含むことができる。周縁壁要素は、周縁壁要素113(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。いくつかの実施形態では、作業1003は省略され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、方法1000は、作業1002において提供された強化デバイス内の中心キャビティ内に、インサートを提供する作業1004を含むことができる。いくつかの実施形態では、作業1004は省略され得る。
【0138】
多くの実施形態では、作業1001~1004のうちの2つ以上が、順次実施されてもよく、互いに略同時に実施されてもよい。これらまたは他の実施形態では、作業1001~1004は、任意の適切な製造技法(例えば鋳造、鍛造、モールディング、機械加工、接合等)を実行して、実施され得る。
【0139】
以上、本明細書のゴルフクラブヘッド、および関連方法について、特定の実施形態に即して説明してきたが、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、さまざまな変更が加えられ得る。例えば、当業者には、図10の作業1001~1004、ならびに図11の作業1101および1102が、多くの異なる手順、プロセス、および作業から構成され、多くの異なるモジュールによって、多くの異なる順序で実施され得ること、図1図4の任意の要素が修正され得ること、ならびにこれらの実施形態のうちのいくつかについての先の議論が必ずしも、可能な全ての実施形態の完全な説明になっているとは限らないことが、容易に明らかとなるであろう。
【0140】
(例)
(例1:360度のアンダーカットと部分的なアンダーカットとの比較)
下記の表1を参照すると、90mphでのゴルフボールとのインパクトの間の、2つの類似のゴルフクラブヘッドの内部エネルギー(重量ポンド・インチで測定される)を評価するために、有限要素分析(FEA)テストが行われた。ゴルフクラブヘッドのフェース要素の上のインパクトの3つのポイント、即ち、トゥ端部、フェース中心、および、ヒール端部が、FEAテストのために選ばれた。テストされた第1のゴルフクラブヘッドは、クラブヘッド1500であり、クラブヘッド1500は、360度のアンダーカット1550を備えており、アンダーカット1550は、連続的になっており、クラブヘッド本体1510の上述した第1、第2、第3、第4、および、第5のキャビティ1541、1542、1542、1544、1545を備える。比較測定に関して、使用されたコントロールのゴルフクラブヘッドは、サイズおよび構造が類似しており、トップレールおよびソールの中にキャビティを備えるが、360度のアンダーカットはなかった(即ち、ヒール端部およびトゥ端部の中のキャビティがない)。
【0141】
【表1】
【0142】
FEAテストは、フェース要素によって生み出される内部エネルギーを測定した。ここで、7.8ポンド・インチは、約1mphと同等であった。上記の表1に示されているように、ゴルフクラブヘッドは、ヒール端部1506において約123.0mph、フェース中心1516において約125.3mph、および、トゥ端部1505において約123.2mphのゴルフボール速度を生み出した。クラブヘッド1500と比較して、コントロールのゴルフクラブヘッドは、ヒール端部において約122.4mph、フェース中心において約124.3mph、および、トゥ端部において約121.9mphのより低いゴルフボール速度を生み出した。一体に連続的な第1のキャビティ1541、第2のキャビティ1542、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および、第5のキャビティ1545を備える360度のアンダーカット1550から構成されたクラブヘッド1500は、トップレールおよびソールの中のキャビティのみを備えた(即ち、ヒール端部およびトゥ端部の中のキャビティはない)類似のコントロールのゴルフクラブヘッドと比較して、テストされたすべての3つのポイントにおいてボール速度の増加が見られた。より具体的には、クラブヘッド1500は、コントロールのゴルフクラブヘッドに対して、ヒール端部1506において約0.5~0.75mphの増加(約0.5%増加)、フェース中心において約1mphの増加(約0.8%増加)、およびトゥ端部1505において約1~1.5mphの増加(約1.1%増加)が見られた。
【0143】
FEAテストは、ゴルフボールとのインパクトの間に経験されるゴルフクラブヘッドのフェース要素のピークたわみをさらに示した。ピークたわみは、開始位置におけるフェース要素のフェース面から、フェース要素が開始位置へ跳ね返って戻る前の、インパクト位置の終わりにおけるフェース要素のフェース面へ、FEAによって測定された。360度のアンダーカットを有するクラブヘッド1500のフェース要素1511は、0.040インチから0.050インチのピークたわみを経験し、一方、コントロールのゴルフクラブヘッド(トップレールの中のキャビティ、およびソールの中のキャビティを有するが、ヒール端部およびトゥ端部の中のキャビティはない)のフェース要素は、0.030インチから0.040インチのピークたわみを経験した。従って、360度のアンダーカットを有するクラブヘッド1500のフェース要素1511は、ピークたわみの28.6%の増加を有する。
【0144】
表1に示されているように、および、上記に説明されるように、クラブヘッド1500は、コントロールのゴルフクラブヘッドと比較して、ヒール端部1506、フェース中心1516、およびトゥ端部1505において、ボール速度を増加させ、また、フェース要素1511のピークたわみを増加させた。クラブヘッド1500の増加した性能結果は、主として、第1のキャビティ1541、第2のキャビティ1542、第3のキャビティ1543、第4のキャビティ1544、および、第5のキャビティ1545から構成される360度アンダーカット1550に起因する。これは、同様に構造化されおよびサイズ決めされたコントロールのゴルフクラブヘッドと比較され、コントロールのゴルフクラブヘッドは、トップレールの中のキャビティ、およびソールの中のキャビティを有するが、ヒール端部およびトゥ端部の中のキャビティはない。
【0145】
連続的な360度のアンダーカット1550(具体的には、トゥ端部1505において第3のおよび第4のキャビティ1543および1544を備え、ヒール端部1506において第5のキャビティ1545を備える)は、フェース要素1511がたわむためのより多くの空間を可能にした。従って、より多くの内部エネルギーが生み出され、それは、より大きいボール速度と同等である。より高いボール速度は、例えば、発射角度、ボールスピン、および、ボールが着地する統計面積を狭くすることなど、他の性能特性を結果として生じさせることができる。それらは、すべて、ゲームの間のボールの飛距離をもたらす。より具体的には、クラブヘッド1500によって経験されるボール速度の増加は、トップレールキャビティおよびソールキャビティだけを備えた類似のコントロールのクラブヘッドと比較して、0.1度から0.3度だけ高い発射角度、および、100回転毎分(rpm)から300rpmだけ低いボールスピンと同等であり得る。より高い発射角度およびより低いボールスピンは、インパクトの後のボールの飛距離を増加させることができる。第1、第2、第3、第4、および、第5のキャビティ1541、1542、1542、1544、1545を備えるクラブヘッド1500の発射角度の増加、および、スピンレートの減少は、トゥ端部キャビティおよびヒール端部キャビティのないコントロールのクラブヘッドと比較して、2ヤードから5ヤードのボール距離の増加が見られた。
【0146】
360度のアンダーカット1550から構成されるクラブヘッド1500は、ボール速度を増加させただけでなく、トップレールキャビティおよびソールキャビティだけを備えたコントロールのクラブヘッドと類似のMOIも維持した。より低いボール速度を伴うクラブヘッドと類似のMOIを有することは、クラブヘッド1500が、より速いボール速度をあきらめることなく、より寛容なクラブとして振舞いをすることができることを意味する。クラブヘッド1500は、(トゥ端部1505からヒール端部1506へ)フェース要素1511を横切るより一貫したボール速度に起因して、さらに寛容である。フェース要素1511を横切るより一貫したボール速度は、それにより、打ち損ない(即ち、ヒール端部1506またはトゥ端部1505におけるインパクト)の間のより一貫したボール飛行および飛距離を生み出すことができる。
【0147】
さらに、上記の例は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドに関連して説明されていることがあるが、本明細書で説明する装置、方法、および製品は、ウッドタイプのゴルフクラブやパタータイプのゴルフクラブなど、他のタイプのゴルフクラブに適用可能とすることができる。あるいは、本明細書で説明する装置、方法、および製品は、ホッケースティック、テニスラケット、釣り竿、スキーストック等のような、適用可能な他のタイプのスポーツ用品とすることもできる。
【0148】
そのような変更その他のさらなる例が、先の説明の中で挙げられたさまざまな図の特徴部のうちの1つまたは複数を有する異なる実施形態の他の置換えも、同様に企図される。従って、本明細書の明細書、特許請求の範囲、および図面は、本開示の範囲を例示するためのものであり、限定するものではない。本出願の範囲は、添付の特許請求の範囲によって求められる範囲のみに限定されることが意図される。
【0149】
(条項1)ゴルフクラブヘッドであって、前端部および後端部と、フェース要素であって、前記前端部に位置するフェース面と、前記後端部に位置する後面であって、後中心、後周縁部、および、強化デバイスを備える前記後面と、を備える前記フェース要素と、トップレール壁を形成するために、底端部に向かって円弧状に延在するトップレールを有する上端部と、前記上端部に向かって上向きに延在する後部分と一体に形成されるソールを有する底部と、第1のトゥ端部部分、第2のトゥ端部部分、および、第3のトゥ端部部分へと分割されるトゥ端部であって、前記第1のトゥ端部部分は、前記上端部に隣接しており、前記上端部と一体に形成されており、前記第3のトゥ端部部分は、前記底端部に隣接しており、前記底端部と一体に形成されており、前記第2のトゥ端部部分は、前記第1のトゥ端部部分と前記第3のトゥ端部部分の間に設けられており、前記トゥ端部は、前記トップレール、前記ソール、および、前記ヒール端部に向かって、湾曲して延在しているトゥレッジ部を有しており、前記トゥレッジ部は、前記トップレール壁部および前記後部分と一体に形成される、前記トゥ端部と、前記トップレール、前記ソール、および、前記トゥ端部に向かって、湾曲して延在しているヒールレッジ部を備えるヒール端部であって、前記ヒールレッジ部は、前記トップレール壁部および前記後部分と一体に形成される、前記ヒール端部と、第1のキャビティ、第2のキャビティ、第3のキャビティ、第4のキャビティ、および、第5のキャビティを備えるアンダーカットであって、前記第1のキャビティは、前記後面と前記上部後方壁部の間に形成されており、0.115インチから0.135インチの第1の深さを有しており、前記第2のキャビティは、前記後面と前記後部分の間に形成されており、0.460インチから0.580インチの第2の深さを有しており、前記第3のキャビティは、前記後面と前記第1のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.215インチから0.245インチの範囲の第3の深さを有しており、前記第4のキャビティは、前記後面と前記第2のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.140インチから0.165インチの範囲の第4の深さを有しており、前記第5のキャビティは、前記後面と前記ヒールレッジ部の間に形成されており、前記第5のキャビティは、0.080インチから0.110インチの範囲の第5の深さを有している、前記アンダーカットと、外周縁面および内周縁面を有するループ状リブを備える強化要素と、を備え、前記強化要素の前記外周縁面は、前記後面に対してすみ肉付けされる、ゴルフクラブヘッド。
【0150】
(条項2)前記ループ状リブは、x軸に対して対称である、または、y軸に対して対称である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0151】
(条項3)前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティの全てが一体に接続されており、連続的である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0152】
(条項4) 前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティが、分断構造体によって分断されており、非連続的である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0153】
(条項5) 前記フェース要素が、前記フェース面のフェース中心から前記後中心へと垂直に測定され、0.055インチから0.075インチの範囲の第1の厚さを備え、前記フェース要素が、前記強化要素の頂点から前記フェース面へと垂直に測定され、0.150インチから0.200インチの範囲の第2の厚さを備え、前記フェース要素が、前記フェース面から、前記強化デバイスがなく前記後周縁部および後中心に隣接する前記後面へと垂直に測定され、0.050インチから0.060インチの範囲の第3の厚さを備え、前記フェース要素が、前記後周縁部において、0.050インチから0.070インチの範囲の第4の厚さを備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0154】
(条項6)前記ゴルフクラブヘッドは、前記第2のキャビティの前記底部において、カスケーディングソールをさらに備え、前記カスケーディングソールは、第1の層および第2の層を備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0155】
(条項7)前記第1の層は、前記第2の層の厚さよりも大きい厚さを備える、条項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【0156】
(条項8)前記ループ状リブの前記内周縁面が、前記後面に対してすみ肉付けされる、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0157】
(条項9)前記第1のキャビティの前記第1の深さは、約0.125インチであり、前記第2のキャビティの前記第2の深さは、約0.500インチであり、前記第1のトゥ端部部分における前記第3のキャビティの前記第3の深さは、約0.225インチであり、前記第2のトゥ端部部分における前記第4のキャビティの前記第4の深さは、約0.120インチであり、前記ヒール端部における前記第5のキャビティの前記第5の深さは、約0.080インチである、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0158】
(条項10)前記トゥレッジ部は、前記後面の一部を覆っており、前記トゥレッジ部は、前記第1のトゥ端部部分において最も顕著であり、前記第2のトゥ端部部分に向かって減少し、実質的に一定になっており、前記第3のトゥ端部部分に向かって、わずかに増加する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0159】
(条項11)ゴルフクラブヘッドであって、前端部および後端部と、前端部および後端部と、前記前端部に位置するフェース面と、前記後端部に位置する後面であって、後中心及び後周縁部を備える前記後面と、を備える前記フェース要素と、トップレール壁を形成するために、底端部に向かって円弧状に延在するトップレールを有する上端部と、前記上端部に向かって上向きに延在する後部分と一体に形成されるソールを有する底部と、第1のトゥ端部部分、第2のトゥ端部部分、および、第3のトゥ端部部分へと分割されるトゥ端部であって、前記第1のトゥ端部部分は、前記上端部に隣接しており、前記上端部と一体に形成されており、前記第3のトゥ端部部分は、前記底端部に隣接しており、前記底端部と一体に形成されており、前記第2のトゥ端部部分は、前記第1のトゥ端部部分と前記第3のトゥ端部部分の間に設けられており、前記トゥ端部は、前記トップレール、前記ソール、および、前記ヒール端部に向かって、湾曲して延在しているトゥレッジ部を有しており、前記トゥレッジ部は、前記トップレール壁部および前記後部分と一体に形成される、前記トゥ端部と、前記トップレール、前記ソール、および、前記トゥ端部に向かって、湾曲して延在しているヒールレッジ部を備えるヒール端部であって、前記ヒールレッジ部は、前記トップレール壁部および前記後部分と一体に形成される、前記ヒール端部と、第1のキャビティ、第2のキャビティ、第3のキャビティ、第4のキャビティ、および、第5のキャビティを備えるアンダーカットであって、前記第1のキャビティは、前記後面と前記上部後方壁部の間に形成されており、0.115インチから0.135インチの第1の深さを有しており、前記第2のキャビティは、前記後面と前記後部分の間に形成されており、0.460インチから0.580インチの第2の深さを有しており、前記第3のキャビティは、前記後面と前記第1のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.215インチから0.245インチの範囲の第3の深さを有しており、前記第4のキャビティは、前記後面と前記第2のトゥ端部部分における前記トゥレッジ部の間に形成されており、0.140インチから0.165インチの範囲の第4の深さを有しており、前記第5のキャビティは、前記後面と前記ヒールレッジ部の間に形成されており、前記第5のキャビティは、0.080インチから0.110インチの範囲の第5の深さを有している、前記アンダーカットと、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【0160】
(条項12)前記フェース要素は、前記フェース面のフェース中心から前記後中心へと垂直に測定され、0.088インチから0.100インチの範囲の第1の厚さを備え、前記フェース要素は、前記フェース面から前記後中心に隣接する前記後面へと垂直に測定され、0.088インチから0.100インチの範囲の第2の厚さを備え、前記フェース要素は、前記フェース面から前記後面へと測定され、前記第2の厚さに隣接し、かつ、前記後周縁部に隣接する0.050インチから0.060インチの範囲の第3の厚さを備え、前記フェース要素は、前記後周縁部において、0.050インチから0.070インチの範囲の第4の厚さを備える、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0161】
(条項13)前記カスケーディングソールは、第1の層および第2の層を備える、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0162】
(条項14)前記第1の層は、前記前端部の近位にあり、前記第2の層は、前記後端部の近位にあり、前記第1の層が前記第2の層へと移行する、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0163】
(条項15)前記第1の層は、前記第2の層の厚さよりも大きい厚さを備える、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0164】
(条項16)前記第1のキャビティの前記第1の深さは、約0.125インチであり、前記第2のキャビティの前記第2の深さは、約0.500インチであり、前記第1のトゥ端部部分における前記第3のキャビティの前記第3の深さは、約0.225インチであり、前記第2のトゥ端部部分における前記第4のキャビティの前記第4の深さは、約0.120インチであり、前記ヒール端部における前記第5のキャビティの前記第5の深さは、約0.080インチである、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0165】
(条項17)前記第1のキャビティ、前記第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティの全てが一体に接続されており、連続的である、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0166】
(条項18)前記第1のキャビティ前記、第2のキャビティ、前記第3のキャビティ、前記第4のキャビティ、および、前記第5のキャビティが、分断構造体によって分断されており、非連続的である、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0167】
(条項19)ウエイトが、前記後部分と前記後面の間において、前記第2のキャビティの中に配設されることができる、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0168】
(条項20)前記トゥレッジ部は、前記後面の一部を覆っており、前記トゥレッジ部は、前記第1のトゥ端部部分において最も顕著であり、前記第2のトゥ端部部分に向かって減少し、実質的に一定になっており、前記第3のトゥ端部部分に向かってわずかに増加する、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0169】
(条項21)ゴルフクラブヘッドであって、前端部及び後端部と、トゥ端部およびヒール端部と、トゥ端部からヒール端部へと延在するトップレールを有する上端部と、内側ソール面を備えるソールを有する底部であって、トップレールが、前端部から離れて、後端部および底端部に向かって、円弧状に延在する底部と、フェース要素であって、前端部に位置するフェース面、およびフェース面の反対側にある後端部に位置する後面と、を備え、後面は、後中心、後面に位置する強化デバイス、および、フェース要素の後面とアンダーカットを画定するトップレールの間に位置する凹部を備え、アンダーカットが、トゥ端部からヒール端部へとトップレールに沿って延在する、フェース要素とを備え、強化要素が、外周縁面および内周縁面を有するループ状リブを備え、強化要素の外周縁面が、後面に対してすみ肉付けされる、ゴルフクラブヘッド。
【0170】
(条項22)フェース要素の後面から内側ソール面への内部半径移行部をさらに備え、内部半径移行部が、カスケーディングソールを備える、条項21に記載のゴルフクラブヘッド。
【0171】
(条項23)カスケーディングソールが、第1の層および第2の層を備える、条項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【0172】
(条項24)第1の層が、前端部の近位にあり、第2の層が、後端部の近位にあり、第1の層が、第2の層へと移行する、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0173】
(条項25)第1の層が、第2の層の厚さよりも大きい厚さを備える、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0174】
(条項26)ループ状リブは、楕円形ループ状リブまたは円形ループ状リブを備える、条項21に記載のゴルフクラブヘッド。
【0175】
(条項27)ループ状リブは、複数のループ状リブを備え、各ループ状リブが、互いに同心である、条項21に記載のゴルフクラブヘッド。
【0176】
本明細書で論じたゴルフクラブヘッドおよび関連方法は、さまざまな実施形態において実行され得、これらの実施形態のうちのいくつかについての先の議論は必ずしも、可能な全ての実施形態の完全な説明になっているとは限らない。そうではなく、図面の詳細な説明、および図面自体が、少なくとも1つの好ましい実施形態を開示し、また代替実施形態を開示することがある。
【0177】
1つまたは複数の特許請求される要素の置換えは、訂正ではなく再構成となる。加えて、利益、他の利点、および問題に対する解決策について、特定の実施形態に関して説明してきた。しかし、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせ、またはより顕著にさせることのできる1つまたは複数の任意の要素を、請求項のうちのいずれかまたは全ての、肝要な、必要な、または不可欠な特徴部または要素と解釈することは、そのような利益、利点、解決策、または要素がそのような請求項内に明示的に述べられていない限り、すべきではない。
【0178】
ゴルフのルールは時々変わることがある(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、ロイヤルアンドエンシェントゴルフクラブオブセントアンドリュース(R&A)等のようなゴルフの標準化組織および/または運営団体によって、新たな規定が採用されることがあり、または旧ルールが廃止もしくは修正されることがある)ので、本明細書で説明する装置、方法、および製品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時点のゴルフのルールに準拠していることもあり、準拠していないこともある。従って、本明細書で説明する装置、方法、製品に関連するゴルフ用品は、準拠している、または準拠していないゴルフ用品として、広告され、売りに出され、および/または販売されることがある。本明細書で説明する装置、方法、および製品は、この点に関して限定されない。
【0179】
さらに、本明細書で開示する実施形態および限定事項は、実施形態および/または限定事項が、(1)特許請求の範囲において明示的に特許請求されておらず、(2)均等論の下で、特許請求の範囲における明示的な要素および/もしくは限定事項の均等物であるか、または潜在的な均等物である場合、公有の原則の下で公に供されることはない。
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