(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】盗難検出のための物体
(51)【国際特許分類】
G08B 13/22 20060101AFI20220511BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20220511BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G08B13/22
G08B25/10 A
G08B25/08 A
(21)【出願番号】P 2019530188
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2017080995
(87)【国際公開番号】W WO2018104144
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-27
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヘームストラ テヴェ ヒープケ
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-132441(JP,A)
【文献】特開2007-034902(JP,A)
【文献】特開2004-094435(JP,A)
【文献】特開2011-162052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0271273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B13/00-15/02
23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の物体の盗難検出のための第1の物体であって、前記第2の物体が、前記第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、前記第1の物体は、
検出器であって、
前記検出器の検出領域内で送信された場合の、前記第2の物体
から送信される第2の信号、及び前記第3の物体
から送信される第3の信号を検出する、及び
検出器出力を提供するための、検出器と、
コントローラであって、
前記検出器出力を処理することによって、(i)前記第2の信号と前記第3の信号とのペアリングと、(ii)前記第2の信号が前記検出領域の外に移動している一方で、前記第3の信号が前記検出領域内で検出されていないこととの、双方を示す条件を識別する、及び
前記条件が識別される場合に、盗難検出アクションを実行するための、コントローラと、を備える、第1の物体。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記第2の信号及び前記第3の信号が前記検出領域内にペアで移動している場合に、前記第2の信号と前記第3の信号とのペアリングを識別するよう構成される、請求項1に記載の第1の物体。
【請求項3】
前記コントローラが、
前記第2の信号と前記第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースにアクセスする、及び
前記ペアリングデータベース内で、前記第2の信号と前記第3の信号とがペアとしてリスト化されている場合に、前記第2の信号と前記第3の信号とのペアリングを識別するよう構成される、請求項1に記載の第1の物体。
【請求項4】
前記第1の物体内でローカルに前記ペアリングデータベースをホスティングするための、記憶デバイスを備える、請求項3に記載の第1の物体。
【請求項5】
第2の物体の盗難検出のためのシステムであって、前記第2の物体が、前記第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、当該システムは、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の第1の物体と、
第2の信号を送信するための第2のビーコンを含む、第2の物体と、
第3の信号を送信するための第3のビーコンを含む、第3の物体と、を備える、システム。
【請求項6】
前記第1の物体が、照明インフラストラクチャの一部である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第3の物体が、キーデバイス、スマートフォン、又はスマートウェアラブルデバイスである、請求項5乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の物体が、車両又は電子デバイスである、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
当該システムが、
前記第2の信号と前記第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースを備え、
前記リストが、外部入力によって調節可能である、請求項5乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記盗難検出アクションが、監視、通知の送信、視覚警報の出力、可聴警報の出力の群からのアクションを含み、
警告通知が、政府機関、警備保障会社、前記第2の物体の登録所有者、前記第3の物体、又は、盗難時に前記検出領域内で更に検出された受信機に送信される、請求項5乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記盗難検出アクションが、前記検出領域の画像を撮影すること、又は前記第2の信号を追跡することを含む、請求項5乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
第2の物体の盗難検出のための、第1の物体によって実行される方法であって、前記第2の物体が、前記第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、当該方法は、
前記第1の物体
に含まれる検出器を用いて、前記検出器の検出領域内で、前記第2の物体
から送信される第2の信号、及び前記第3の物体
から送信される第3の信号を検出するステップと、
前記検出器の検出器出力を、コントローラに提供するステップと、
前記コントローラを用いて、前記検出器出力を処理することによって、(i)前記第2の信号と前記第3の信号とのペアリングと、(ii)前記第2の信号が前記検出領域の外に移動している一方で、前記第3の信号が前記検出領域内で検出されていないこととの、双方を示す条件を識別するステップと、
前記条件が識別される場合に、盗難検出アクションを実行するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
当該方法が、
前記コントローラを用いて、前記第2の信号及び前記第3の信号が前記検出領域内にペアで移動している場合に、前記第2の信号と前記第3の信号とのペアリングを識別するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
当該方法が、
前記コントローラを用いて、前記第2の信号と前記第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースにアクセスするステップと、
前記コントローラを用いて、前記ペアリングデータベース内で、前記第2の信号と前記第3の信号とがペアとしてリスト化されている場合に、前記第2の信号と前記第3の信号とのペアリングを識別するステップと、を含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイス用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニット上で実行されると、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2の物体の盗難検出のための第1の物体に関し、第2の物体は、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、第1の物体は、検出器及びコントローラを備える。本発明は更に、第2の物体の盗難検出のためのシステムに関し、第2の物体は、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、当該システムは、第1の物体、第2の物体、及び第3の物体を備える。本発明は更に、第2の物体の盗難検出のための、第1の物体によって実行される方法であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっている方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような物体は、ネットワーク化されたインテリジェント照明器具マネージャを有する、光管理システムが開示されている、米国特許第8442785(B2)号により既知である。インテリジェント照明器具マネージャは、無線周波数(Radio Frequency;RF)又は無線周波数識別(radio frequency identification;RFID)タイプのデバイスと通信することが可能である。
【0003】
自動車のエンジンが、該自動車のイグニションキーを使用せずに始動される場合は常に、該自動車内に含まれているRFデバイスが、盗難車信号の送信を開始するようにコンフィギュレーションされてもよいことが、更に開示されている。そのような盗難車信号は、インテリジェント照明器具マネージャによって検出され、該インテリジェント照明器具マネージャによって形成されているネットワークを介して報告されることになる。
【0004】
それゆえ、前記ネットワークを使用して、盗難車の位置が監視され、位置決定されてもよい。それにもかかわらず、そのようなシステムは依然として、盗難検出においては限界があり、これは、盗難の概念が、イグニションキーを使用せずに自動車を始動させることのみに依存しているためである。盗難キー、スペアキーを使用すること、又は、始動させずに自動車全体を盗み出すことは、依然として、盗難のための可能な手段をもたらすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、第3の物体とペアになっている第2の物体の盗難を検出することが可能な、盗難検出のための改善された(第1の)物体を提供することである。更に、本発明は、第2の物体の盗難検出のための第1の物体であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、第1の物体は、
検出器であって、検出器の検出領域内で送信された場合の、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を検出する、及び検出器出力を提供するための、検出器と、
検出器出力を処理することによって、(i)第2の信号と第3の信号とのペアリングと、(ii)第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、第3の信号が検出領域内で検出されていないこととの、双方を示す条件を識別する、及び前記条件が識別される場合に、盗難検出アクションを実行するための、コントローラとを備える、第1の物体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第2の物体は、第2の物体を(「盗難」から)保護するための第3の物体と、ペアリング可能であってもよい。そのようなペアリングは、第2の物体及び第3の物体が、一体に属していることを示す。一体に属していることは、法的及び/又は物理的なものであってもよい。例えば、自動車は、該自動車を法的に所有しているユーザによって所有されている、ユーザウェアラブルデバイスに属していてもよく、電子デバイスは、別の電子デバイスに属していてもよく、キーは、ロックに属していてもよく、又は、携帯電話は、自動車に属していてもよい、などである。
【0007】
その場合、盗難は、第2の物体と第3の物体とが、或る領域内でペアとして認識されている場合と、第2の物体がその領域の外に移動している一方で、第3の物体がその領域内で検出されていない場合との、双方の条件として指定されてもよい。それゆえ、盗難は、或る領域内で一体に属しており、一方が他方を保護している、ペアである2つの物体が、一体に属しているとして認識された後に、物理的に分離される状態である。それゆえ、そのような盗難を検出するために、本発明は、検出器を備える、盗難検出のための第1の物体であって、検出器が、検出器の検出領域内で送信された場合の、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を検出するためのものである、第1の物体を提供する。検出器は、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を監視することが可能であり、それにより、検出器出力を処理することによって、盗難に関する上述の条件が識別されることが可能である。盗難は、例えば、盗人によって盗まれた、或る所有者の自動車であってもよく、又は例えば、「母親」の「子供」が、或る場所に留まるように残された後に、(自らによって)迷子になることであってもよい。更には、第3の物体の第3の信号を検出しないことはまた、盗難検出のための、第3の物体の専用の(又は、能動的な)信号を検出しないことを意味してもよく、その一方で、第3の物体は依然として、一般的な(又は、受動的な)第3の信号を送信してもよい。
【0008】
第1の物体は、第3の物体とペアになっている、第2の物体の盗難を検出してもよく、第2の物体及び第3の物体は、一体に属しており、第3の物体が、第2の物体を保護している。そのような盗難検出アーキテクチャの利点は、第2の物体の盗難が、自律的な(独立した)第1の物体によって検出可能である点である。それゆえ、第2の物体の盗難検出は、第2の物体が盗まれたことを、第2の物体が自身で判定及び報告することを必要としない。このことが有利であるのは、盗まれた第2の物体は、第2の物体が盗まれ、恐らくは破壊された後には、それ自身の盗難を報告する際の信頼性を欠くことになり得るためである。
【0009】
別の利点は、第1の物体が、上述の盗難を目立たぬように検出して、盗難が発生及び識別された直後に盗難検出アクションを実行することが可能な点である。それゆえ、盗難検出のための第1の物体は、第1の物体及び第2の物体が、いずれのセキュリティ対策も強要されることなく、盗難に関する条件が、継続的かつ目立たぬように判定されるため、能動的な盗難検出を提供する。
【0010】
第3の物体は、第2の物体をロック又はロック解除するための認可であることによって、第2の物体を保護していてもよい。第2の物体の盗難は、その認可を破壊することを含み得るが、しかしながら、盗難はまた、或る場所に物理的にロックされていない場合に、第2の物体の全体を移動させる(盗み出す)ことも含み得る。(例えば、イグニションに不正な手を加えることによってキーを破壊するのではなく、自動車を遠方に牽引することによって盗み出すこと)。そのような条件では、第2の物体をロックすることのみでは、有効なセキュリティをもたらすことはない。したがって、本発明の第1の物体は、第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、第3の信号が検出領域内で検出されていないかどうかを検出することによって、第2の物体の盗難が識別されるため、利点をもたらす。
【0011】
本発明による第1の物体は、それゆえ、第1の物体によって含まれている検出器の検出領域に、第3の物体とペアになっている第2の物体を、自律的かつ目立たぬようにロックしている。このことは、盗難検出のための、改善された有利な第1の物体をもたらす。より具体的には、第1の物体は、(一体に属している第3の物体とペアになっている)第2の物体を、ペアとして識別された場合に、検出器の領域に自動的にロック又は保護してもよい。
【0012】
第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号は、双方とも、検出器によって検出可能な信号である。そのような信号は、無線で送信されてもよく、又は逆に、単に指標信号を含んでもよい。更には、そのような信号はまた、盗難検出の目的のための専用の信号であってもよく、又は逆に、最初は盗難検出に特化されていない信号であってもよい。上述の信号は、連続信号であってもよいが、また周期信号であってもよい。より具体的には、当該信号は、物体によって含まれているビーコンから、無線で送信されてもよい。上述の信号は、Wi-Fi信号、Bluetooth信号、ZigBee、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、Long Range Low Power(LoRa)、ISMバンド内の別の規格、近距離無線通信(Near Field Communication;NFC)、オーディオ信号、若しくは可視光通信(Visible Light Communication;VLC)信号、又はこれらの任意の組み合わせの群から選択されてもよい。それゆえ、物体は、複数の信号、又は複数の異なる信号を発信してもよい。
【0013】
更には、この信号はまた、無線送信可能ではないが、検出器によって依然として検出可能な、指標信号であってもよい。上述の信号は、例えば、物体の熱フットプリント、又は、物体の符号化熱フットプリントであってもよい。(符号化)熱フットプリントは、その場合、カメラ、熱画像検出器、又はPIRセンサで検出可能であってもよい。別の指標信号は、符号化(例えば、QR、バーコード、色符号化)などの、物体の視覚的特性であってもよい。また、物体自体の、物理的外観であってもよい。後者の場合には、検出器は、物体の識別を可能にするために、物体の物理的外観及び/又は活動を認識するよう構成される。このことは、例えば、カメラ及び/又は該カメラに関連付けられている画像認識技術によって行われる。
【0014】
更には、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号は、双方とも、盗難検出の目的に特化された信号であってもよい。上述の信号は、固有のMACアドレスであってもよい。上述の信号は更に、暗号化又は符号化されて、該信号が対応している物体を表す、固有識別子を表してもよく、それにより、第1の物体は、該信号を識別し、信号間のペアリングを識別し、盗難検出を提供することが可能となる。
【0015】
しかしながら、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号はまた、盗難検出の目的に最初は特化されていない信号であってもよい。MACアドレスなどの、そのような信号は、当該物体によって予め送信されていてもよい。例えば、物体のインターネットアクティビティを示すWi-Fi信号、物体が他の物体と接続するためのBluetooth信号、物体の通信アクションを示す無線周波数信号、LoRa、ISMバンド内の別の規格、VLC、ナビゲート目的のためのGSM信号又はGPS信号などである。第1の物体に含まれている検出器は、続いて、(盗難検出のための)そのような(最初は専用ではない)信号を認識及び判定することによって、物体を識別してもよい。検出器はまた、そのような専用ではない信号に基づいて、第2の物体と第3の物体とのペアリングを識別してもよい。例えば、固有識別子(MACアドレスなど)を有するBluetooth信号を発信している、ユーザのスマートフォンが、ユーザが運転している自動車とペアで、検出器の検出領域に進入してもよい。それゆえ、それらのスマートフォン及び自動車は、一体に属している。自動車はまた、自動車が識別され得るWi-Fi信号を発信してもよい。双方の信号とも、最初は盗難検出に特化されていないが、本発明の第1の物体は、上述の信号の双方に基づいて、それらの自動車とスマートフォンとのペアリングを識別してもよい。続いて、スマートフォン(の信号通信)が検出されることなく、自動車が検出領域の外に移動している場合、警報などの盗難検出アクションが実行されてもよい。第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号は、盗難検出に関して非専用の信号であることが有利であり得るが、これは、盗難検出のための第1の物体が、物体のペアリングを、既に存在しているそれらの物体の現在の信号通信アクティビティから目立たぬように検出し得るためである。
【0016】
検出器は、第2の信号及び第3の信号を検出するように構成されてもよい。前述のように、第2の信号と第3の信号とは、異なるタイプの信号であってもよい。それゆえ、検出器は、少なくとも1つのタイプの信号を検出するように構成されてもよく、それゆえ、様々なタイプの信号を検出することが可能であってもよい。一実施形態では、検出器は、Wi-Fi受信機、Bluetooth受信機、ZigBee受信機、LoRa受信機、NFCチップリーダ、無線周波数アンテナ、赤外線検出器、PIRセンサ、熱カメラ、マイクロフォン、光学センサ(カメラ、光ダイオードなど)、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。そのような組み合わせは、例えば、様々な信号を検出するための無線アンテナを有する、指標信号を検出するためのカメラ、あるいは、マイクロフォン及びカメラ、あるいは、Bluetooth及びWi-Fi受信機であってもよい。検出器はまた、例えば、追加的な画像認識技術が装備されてもよい。検出器は、第1の物体の一部であってもよく、又は代替的に、一実施形態では、検出器は、第1の物体に関連している、別個のスタンドアロン型検出器であってもよい。
【0017】
検出器はまた、単一の物体から送信される複数の信号を検出することが可能であってもよい。それゆえ、物体は、複数の信号を発信することが可能であってもよく、検出器は、それらの信号を受信及び/又は選択して、上述の検出器出力を提供してもよい。例えば、第3の物体は、Bluetooth信号及びWi-Fi信号を発信する、スマートフォンであってもよい。検出器は、そのような信号を検出することが可能な、複数の受信機又はアンテナであってもよい。検出器はまた、例えば信号強度に応じて、2つの信号のうちの一方を検出するように選択してもよく、2つの異なるタイプの信号間で切り替えてもよい。
【0018】
検出器はまた、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号よりも、多くの物体から信号を受信することが可能であってもよい。それゆえ、一実施形態では、検出器はまた、第Nの物体からの第Nの信号を検出することが可能であってもよく、Nは2よりも大きい整数である。例えば、第4の物体からの第4の信号からである。このことは、有利には、より精緻な盗難検出を可能にするが、これは、複数の物体間のペアリングが識別されてもよく、より精緻な盗難検出に関する条件が、より多くの物体と共に導入され得るためである。例えば、コントローラは、(i)第2の信号、第3の信号、及び第Nの信号のペアリングと、(ii)第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、少なくとも第3の信号又は第Nの信号が検出領域内で検出されていないこととを示す条件を、コントローラが識別する場合に、盗難検出アクションを実行してもよい。それゆえ、第3の信号及び第Nの信号が全て検出領域内で検出されている場合にのみ、第2の信号は、盗難検出アクションを実行することなく、検出領域の外に移動することを許容されてもよい。あるいは、例えば、(i)第2の信号、第3の信号、及び第Nの信号のペアリングと、(ii)第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、第3の信号及び第Nの信号が全て検出領域内で検出されていないこととを示す条件などの、他の関係が考慮されてもよい。それゆえ、第3の信号又は第Nの信号のいずれかが検出領域内で検出されている場合にのみ、第2の信号は、盗難検出アクションを実行することなく、検出領域の外に移動することを許容されてもよく、このことは、前者の例と比較して、より穏やかな条件である。
【0019】
検出器は、検出領域を有する。検出領域は、検出器によって全体的にカバーされる領域を指定する。一実施形態では、検出領域は、複数の検出サブ領域を含んでもよく、検出器は、検出器の検出サブ領域のうちの1つ内で送信された場合の、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を検出するよう構成される。又は、検出領域は、検出器の全カバー領域内に含まれる、複数の検出サブ領域の一部である。検出領域を複数の検出サブ領域に分割することが有利であるが、これは、本発明による盗難検出を実行するための領域の数が増大することにより、検出器の分解能、またそれゆえ盗難検出の第1の物体の分解能が、より高くなるためである。
【0020】
更には、一実施形態では、検出領域は、サイズが調節可能であってもよい。それゆえ、検出器は、検出器のデフォルトの(物理的に最大の可能な)検出領域よりも小さい検出領域を有する、検出領域を提供するように調節されてもよい。このことが有利であるのは、盗難検出が、特定の領域に合わせて調整されてもよく、盗難検出の許容誤差が、より小さくなるためである。例えば、検出器は、噴水領域及び駐輪場領域などの複数の領域を含む、都市広場を観察していてもよい。例えば自転車である、第2の物体は、第3の物体、例えばサイクリストのフィットネス腕時計と、ペアであってもよい。検出器のデフォルトの検出領域は、(物理的に最大の可能な検出領域又は適用範囲であるような)当該広場の領域である。検出器は、検出領域のサイズを、駐輪場領域のみに変更するように指示されてもよい。検出器に関連付けられているコントローラが、このことを支援してもよい。盗難検出のための第1の物体のコントローラは、次いで、自転車が駐輪場領域の外に移動している一方で、サイクリストのフィットネス腕時計が駐輪場内で検出されていない場合に、盗難検出アクションを実行することが可能であってもよい。それゆえ、盗難検出アクションを実行するための条件は、より大きい広場領域ではなく、自転車領域に合わせて調整される。そのようにして、盗難検出アクションは、有利には、盗難が発生する場合は常に、より小さい検出領域に関して、より早期に実行されてもよい。
【0021】
更なる実施形態では、コントローラは、検出領域のサイズを調節するための入力信号を受信するよう構成される。入力信号は、第2の物体若しくは第3の物体によって、又は任意の他の物体によって、コントローラに提供されてもよい。このことは、(第1の物体の盗難検出の対象となる)物体が、検出領域のサイズに関する選好を提供することを可能にする。そのような選好は、盗難検出の分解能を決定する。例えば、第2の物体(例えば、スマートフォン)は小さくてもよく、その一方で、初期の検出領域(例えば、空港内の出発ロビー)は遥かに大きい。そのような場合には、第2の物体によって送信される信号は、コントローラが、検出領域のサイズをより小さい検出領域に、例えば、第2の物体の周囲1メートルのみに調節するための、インセンティブであってもよい。それゆえ、盗難検出アクションは、本発明に従って盗難に関する条件が検出される場合に、コントローラによって実行されてもよい。上述の入力信号は、それゆえ、検出領域のサイズを調節するための入力信号としての役割を果たす、専用の信号、又は、検出領域のサイズを調節するための入力信号として、検出器若しくはコントローラによって解釈されてもよい、非専用の通常の信号であってもよい。例えば、第1の物体の検出領域を、第2の物体の物理的サイズに適合させることが有益であり得る。コントローラは、入力信号に応じて検出領域のサイズを調節することが可能なアルゴリズムを提供するための、コンピュータプログラム製品を備えてもよい。
【0022】
一実施形態では、検出器はまた、複数の検出器を含んでもよい。複数の検出器、及び、それらの対応する局所的検出領域は、例えば、より大きい検出領域をカバーしてもよい。又は、複数の検出器は、単一の検出領域を、より有効にカバーしてもよく、このことが有利であるのは、いくつかの信号が、異なる角度又は位置から、より有効に受信され得るためである。例えば、複数のBluetooth受信機が、1つのBluetooth受信機のみによってカバー可能な領域よりも大きい領域をカバーするように、ショッピングモール領域内に位置決めされてもよい。更には、複数のBluetooth受信機はまた、1つのBluetooth受信機のみによってカバー可能な領域よりも大きい領域を必ずしもカバーすることなく、ショッピングモール領域内に位置決めされてもよいが、それらのBluetooth受信機は、例えば、それらの受信機のうちの1つが遮断された場合に、第2の物体及び第3の物体からの信号が有効に受信されるように、異なる位置及び/又は指向角度で(例えば、広場の各コーナーに)位置決めされてもよい。あるいは、測位(検出)精度が、複数の検出器によって改善されてもよい。
【0023】
検出器は、コントローラによって処理されるために好適な、検出器出力を提供してもよい。検出器出力は、配線接続又は無線接続によって、コントローラに提供されてもよい。後者の場合には、検出器は、コントローラから物理的に分離されてもよく、それにより、検出器出力は、無線信号によって通信されてもよい。検出器出力は、例えば、画像データ、又は信号データの配列を含んでもよい。
【0024】
検出器は、第1の物体に通信される外部信号を検出するための、通信デバイスを含んでもよい。そのような信号は、外部デバイス、例えば、スマートフォン若しくはウェアラブル機器、又は外部データベース若しくはサーバからの、メッセージであってもよい。その場合、検出器出力はまた、そのような信号内に含まれる情報を有してもよい。
【0025】
上述のコントローラは、検出器出力を処理するよう構成される。コントローラはまた、第2の信号と第3の信号との関係を示す条件も識別するよう構成される。そのような関係は、例えば、第2の物体の第2の信号と第3の物体の第3の信号とのペアリングであってもよい。それゆえ、コントローラは、信号のペアリングを示す条件を識別するように構成されてもよい。コントローラは、プロセッサであってもよい。そのようなプロセッサはまた、より小さい複数の処理ユニットに分割されてもよい。そのようなプロセッサはまた、異なる検出器出力信号を、同時に分析及び処理することが可能であってもよい。コントローラはまた、盗難検出アクションも実行するよう構成される。そのような盗難検出アクションは、その盗難検出アクションに関する出力信号を出力することを含んでもよい。
【0026】
一実施形態では、例えば、上述の検出器出力の処理は、例えば検出器出力が画像データを提供する場合には、画像認識処理を含んでもよい。画像認識技術を実施することによって、指標信号が有効に評価されてもよい。
【0027】
コントローラはまた、一部のタイプの信号に関しては、検出器出力に基づいて、検出されている信号のソースの、位置及び距離及び/又は向きを判定してもよい。このことは、検出領域の検出画像によって受信された指標信号に関して、有効に実行されてもよい。検出器及びコントローラは、その場合、正確な位置及び距離の測定値を検出して処理するように、較正されてもよい。コントローラは、信号強度、信号の飛行時間、又は信号の方向性を評価することが可能であってもよい。このことは、物体による無線送信信号に関して、有効に実行されてもよい。
【0028】
盗難検出アクションは、検出された盗難に対応するアクションを可能にする。盗難を検出することだけではなく、盗まれた物体が正当な所有者又は所持者とペアに戻され得るように、盗難に対処することもまた、有利である。盗難検出アクションは、第1の物体によって実行されるアクションであってもよい。盗難検出アクションを実行することはまた、盗難検出アクションを開始させることとして解釈されてもよい。それゆえ、第1の物体は、それ自身が盗難検出アクションを物理的に実行してもよく、又は、そのようなアクションを実行するように他の物体に指示することによって、アクションを開始させてもよい。一実施形態では、盗難検出アクションは、監視、通知の送信、視覚警報の出力、又は可聴警報の出力の群からの、アクションを含んでもよい。視覚警報は、例えば、盗難の場所を強調表示すること、第2の物体の移動をスポットライトで追従すること、検出領域内の照明インフラストラクチャに警報光スキームを提供すること、又は、第2の物体が検出領域から出て行った場所に、表示光を供給することを含んでもよい。
【0029】
更には、監視は、例えば、照明インフラストラクチャによって、又は本発明による他の第1の物体によって、第2の物体の第2の信号を追跡すること、盗難の瞬間に関連する時間(例えば、盗難時、盗難の前及び/又は後の1日の時間間隔)に検出器によって受信された信号データを記憶すること、あるいは、盗難の検出後の検出領域の画像を撮影することを含んでもよい。監視はまた、例えば、検出器自身で、又は別の光学記録手段によって、又は第1の物体の近傍のアクセス可能なカメラによって写真を撮影するための信号を、誘起することを含んでもよい。後者の場合には、第1の物体は、盗難検出の場合にのみ、カメラにアクセスするための認可を受けてもよい。あるいは、上述のアクセス可能なカメラは、第1の物体又は第2の物体に取り付けられてもよい。監視はまた、検出領域内のBluetooth、Wi-Fi、GSM、及びZigBeeプロファイルを、記録及び記憶することを含んでもよい。第1の物体はまた、そのような信号及びプロファイルを、盗難の検出後に記録及び記憶するように、他の受信機を誘導してもよい。監視はまた、ビデオの録画、及び/又は、ビデオ上での身体移動の分析、及び/又は、盗人を識別することを試みるための、ビデオの顔認識を含んでもよい。
【0030】
更なる実施形態では、警告通知が、政府機関、警備保障会社、第2の物体の登録所有者、第3の物体、又は、盗難時に検出領域内で更に検出された受信機に送信される。そのような政府機関は、例えば、地方自治体、警察、テロリズムを防止するための機関、又は、盗難データを監視するためのデータベースであってもよい。第2の物体の登録所有者に通知を送信することは、例えば、携帯電話(GSM)テキストデータ、メールなどのインターネットテキストデータ、又は、ソーシャルメディアアカウントへのメッセージを更に含んでもよい。後者の例では、検出された盗難は、専用のソーシャルメディアアカウント、アプリケーション、又はウェブサイトにアップロードされてもよい。通知、例えばデジタルプッシュメッセージはまた、検出器の検出領域内で識別された少なくとも1つの物体に送信されてもよく、それにより、少なくとも1つの他の物体は、盗難が近傍で検出されていることを通知される。
【0031】
上述の第2の信号と第3の信号とのペアリングは、第2の物体及び第3の物体が一体に属していることを指定する。その場合、第2の物体の盗難は、第2の信号が検出領域の外に移動していてもよいが、その一方で第3の信号が検出領域内で検出されていない場合に、検出される。ペアリングは、コントローラによって、検出器出力を処理することによって識別されてもよい。ペアリングは、検出領域内での、第2の物体と第3の物体との観察された関係を、評価することによって識別されてもよい。それゆえ、一実施形態では、コントローラは、第2の信号及び第3の信号が検出領域内にペアで移動している場合に、それら第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別するよう構成される。この識別が有利であるのは、領域に一体となって進入する2つの物体は、一体に属していることによりペアを形成し得ることが一般的であるためである。一方の物体が検出領域から出て行く一方で、他方が検出されていない場合には、双方の物体は、その領域の外に一体となって移動しないことになるため、盗難が発生し得る。2つの物体に関しては、このことが、一般的かつ最も有利な、盗難の指標である。しかしながら、複数の物体がペアとなっている代替的実施例では、盗難を示す条件は、より精緻であってもよい。例えば、第2の物体、第3の物体、及び第4の物体の場合には、第2の物体は、第3の物体及び第4の物体と共に検出領域に進入してもよいが、また、第3の物体又は第4の物体のいずれかと共に出て行くことが許容されてもよく、盗難検出アクションは、第2の物体が、それら他の物体のいずれの1つとも共に出て行かない場合にのみ、実行されることになる。第Nの物体の場合には、代替的な盗難検出の関係が実施されてもよい。
【0032】
一部の状況では、盗難は、第2の物体が盗難によって破壊されることにより、第2の物体の第2の信号が、信号を送信することが不可能であることとして定義される。そのような盗難の場合には、第2の信号はまた、検出領域の外に移動されるが、破壊の場合には、検出器は、該信号を検出することが不可能であるためである。それゆえ、一実施形態では、コントローラは、検出領域内で第2の信号が検出されていたが、第2の信号をもはや検出しないことによって、検出領域の外に第2の信号が移動したことを示す条件を識別するよう構成される。そのような実施形態の利点は、第2の信号を送信するビーコンが悪質に破壊又は無効化される盗難もまた、検出され得る点である。
【0033】
検出領域内への上述のペアでの移動は、時間内に検出領域内に同時に移動すること、又は、時間内に同じ位置で検出領域内に同時に移動することを含み得る。このことは、物体間の強固なペアリングを示す。第1の物体の検出器及びコントローラはまた、他の物体の他の信号が、検出器の検出に干渉している場合には、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を、区別することが可能であってもよい。そのような区別は、コントローラ内に設けられている追加的な分析モジュールによって実行されてもよい。そのような分析モジュールは、例えば、検出器が、複数の信号から(又は、盗難検出に関する複数の好適な信号から)第2の信号及び第3の信号を検出するために、複数の検出器を含む場合、機械学習技術を利用してもよい。
【0034】
第2の信号と第3の信号とのペアリングはまた、可能なペアリングの組み合わせがリスト化されているデータベースにアクセスすることによって、識別されてもよい。それゆえ、一実施形態では、コントローラは、第2の信号と第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースにアクセスする、及びペアリングデータベース内で、第2の信号と第3の信号とがペアとしてリスト化されている場合に、第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別するよう構成される。そのようなペアリングデータベースは、盗難検出が所望されるペアのリストを含み得るため、有利である。第2の物体及び第3の物体はまた、異なる瞬間に異なる位置から、検出領域内に移動してもよいが、依然として、有効なペアリングが識別されてもよい。
【0035】
ペアリングデータベースは、許容可能な物体の組み合わせ、及び、許容可能ではない物体の組み合わせを含んでもよい。ペアリングデータベースは、定期的に更新されてもよい。一実施形態では、ペアリングデータベースは、ペアリングデータベースにアクセスするための認可を受けるよう構成される。ペアリングデータベースにアクセスするための認可を提供することは、認可された物体のみが、次いで、ペアリングデータベースに対してアクションを実行することが可能となり得るため、有利である。この場合、ペアリングデータベースは、外部サーバ内でホスティングされてもよい。ペアリングデータベースはまた、アクセス可能な記憶デバイス上でホスティングされてもよい。ペアリングデータベースはまた、インターネットによってアクセス可能であってもよい。ペアリングデータベースはまた、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBeeなどの、他のタイプの無線データ接続手段を介してアクセス可能であってもよい。それゆえ、ペアリングデータベースが、インターネットに接続されていない場合であっても、ペアリングデータベースは依然として、広範にアクセス可能であり得る。
【0036】
一実施形態では、ペアリングデータベースはまた、更新を受信するように構成されてもよい。それゆえ、第2の信号と第3の信号とがペアであるか否かを示すリストが、更新されてもよい。又は代替的に、第2の信号、第3の信号、及び第Nの信号がペアであるか否かを示すリストが更新されてもよく、Nは3よりも大きい整数である。そのような更新は、新たなペアリングデータの登録、又は現在のペアリングデータの削除、又は現在のペアリングデータに対する補正を含んでもよい。それゆえ、一実施形態では、ペアリングデータベースは、データベース値を補正するための入力信号を受信するように構成されてもよい。データベース値を補正するための、そのような入力信号は、第2の物体又は第3の物体(又は、第Nの物体)によって提供されてもよい。このことが有利であり得るのは、第2の物体及び第3の物体が、ペアリングデータベースに入力信号を送信することによって、それらがペアであることを示してもよく、それにより、ペアリングデータベースは、該信号を受信して、第2の物体と第3の物体とのペアリングを表すように、データベース値を補正してもよいためである。このようにして、有利には、盗難検出に関して物体が選択することを可能にすることが、本発明によってもたらされる。
【0037】
データベース値を補正するための、そのような入力信号はまた、一実施形態では、外部ユーザ入力信号によって提供されてもよい。例えば、ユーザは、データベース値の補正を含むユーザ入力信号を提供してもよい。そのような補正は、ペアリングデータベースのリストに対する、ペアリングの追加又は削除を含んでもよい。このことが有利であるのは、いずれの物体がペアリングされることになるかを、外部ユーザが決定してもよく、それにより、第1の物体が、それらの物体に関する盗難検出を提供し得るためである。
【0038】
一実施形態では、ペアリングデータベースはまた、検出器の検出領域内で検出された物体からの更新のみを受信するように、構成されてもよい。あるいは、上述の、検出器の検出領域内で検出された物体はまた、検出領域に隣接する隣接検出領域を有する、他の検出器の検出領域内で検出された物体を含んでもよい。あるいは、ユーザ入力信号に基づいてコントローラによって選択可能な、更なる検出領域内で検出された物体である。このことが有利であるのは、ペアリングデータベースが、検出領域内に存在する限られた量の物体に特化され得るためである。
【0039】
前述のように、ペアリングデータベースは、外部サーバ又は記憶デバイス内でホスティングされてもよい。ペアリングデータベースは、第1の物体とは別個に配置されてもよい。それゆえ、ペアリングデータベースをホスティングしているサーバの位置は、第1の物体の位置とは異なっていてもよい。インターネット又は代替的データ接続によって、双方が通信してもよい。しかしながら、ペアリングデータベースはまた、第1の物体と統合されてもよい。それゆえ、一実施形態では、第1の物体は、第1の物体内でローカルにペアリングデータベースをホスティングするための、記憶デバイスを更に備えてもよい。第1の物体内で、ペアリングデータベースをローカルにホスティングすることは、ペアリング情報を受信するために他のエンティティに通信することを必要としない、自律的な第1の物体をもたらすため、有利である。一実施例では、ペアリングデータベースは、第1の物体内でローカルにホスティングされる。スマートフォン及び自転車を有するユーザが、第1の物体の検出器の検出領域に進入する。次いで、ユーザは、データベース値を補正するために、スマートフォンを使用して、第1の物体に入力信号を送信してもよく、それにより、スマートフォンと自転車とのペアリングが、ペアリングデータベース内にペアとして登録される。次いで、スマートフォンのBluetooth信号と自転車のRF信号とが、本発明による盗難検出のために、第1の物体によってペアとして識別されてもよい。自転車が、上述の第1の物体の検出器の、検出領域の外に移動する一方で、スマートフォンが検出されていない場合、第1の物体のコントローラは、盗難検出アクションを実行してもよい。
【0040】
一実施形態では、コントローラは、ユーザデバイス上に提供されているアプリケーションから、入力信号を受信するように更に構成されてもよく、入力信号は、第2の信号と第3の信号とのペアリングの識別を含む。このことが有利であるのは、コントローラが、第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別する際に、ユーザデバイス上のアプリケーションによって提供される入力信号によって支援され得るためである。それゆえ、ユーザデバイスは、ペアリングを示すように実装されてもよい。例えば、ユーザはアプリを使用して、自転車と、アプリが実行されているスマートフォンとのペアリングを示してもよい。アプリ内で作成されたペアリングは、アプリによって生成される信号内に含まれてもよい。このアプリは、本発明の第1の物体のコントローラに、上述の信号を入力信号として送信することになり、それにより、コントローラは、入力信号が含まれている検出器出力を処理することによって、第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別してもよい。
【0041】
一部の場合には、第2の物体は、第1の物体の盗難検出と引き換えに、特に、第2の物体の盗難の可能性に続く盗難検出アクションと引き換えに、金融取引を提供してもよい。それゆえ、一実施形態では、コントローラは、条件を識別するように構成されており、該条件は、(iii)盗難検出に関する金融取引を更に示す。そのような金融取引は、第1の物体に通信されてもよい。それゆえ、検出器は、金融取引についての情報を受信するように更に構成されており、検出器出力は、金融取引についての情報を含む。そのような実施形態の利点は、盗難検出に関するサービスが、盗難検出に関する金融取引を提供している登録された既知のユーザに対して実行され得る点である。このことは、本発明による第1の物体の、種々の提供者を可能にしてもよく、市場における競争を改善する。例えば、ユーザは、自動車と、ユーザが着用しているウェアラブルデバイスとのペアリングを示すために、アプリを使用してもよい。このアプリを使用して、ユーザはまた、盗難検出に関する支払いを実行することも可能である。このアプリ内で作成されたペアリング、及び、金融取引の登録は、アプリによって生成される信号内に含まれてもよい。このアプリは、本発明の第1の物体のコントローラに、上述の信号を入力信号として送信することになり、それにより、コントローラは、入力信号が含まれている検出器出力を処理することによって、第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別してもよく、また、盗難検出に関する金融取引を識別してもよい。次いで、本発明に従って盗難検出が提供されてもよい。
【0042】
一実施形態では、本発明の第1の物体が提供され、第1の物体は、照明インフラストラクチャの一部であり、第2の物体は、車両であり、第3の物体は、キーデバイスを含む。そのような組み合わせが有利であり得るのは、照明インフラストラクチャが広範囲に及ぶものであり、一般に照明領域に対して上からの視点をもたらすことにより、照明インフラストラクチャは、盗難検出のための第1の物体を(その一部として)含むことに関して、非常に適しているためである。第2の物体は、車両であってもよく、これは、車両には盗難の危険性が高く、有効な盗難検出が望まれるためである。第3の物体は、第2の物体の使用を認可するキーとして機能する任意のデバイスなどの、キーデバイスであってもよく、これは、キーデバイス及び第2のデバイスが、一般に、予め互いにペアになっているためである。
【0043】
一実施形態では、本発明の第1の物体は、照明インフラストラクチャの一部であってもよい。このことが有利であるのは、照明インフラストラクチャが広範囲に及ぶものであり、一般に照明領域に対して上からの視点を有するためである。更なる実施形態では、第1の物体は、照明ポールである。そのような(第1の物体としての)照明ポールは、検出器の検出領域内で送信された場合の、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を検出するための、カメラを備えてもよい。このことは、ポールがより大きくなると、照明ポールが、或る領域に対して、より大きい(上からの)視点をもたらし得るため、有利である。第1の物体はまた、任意の他の照明設備であってもよく、それにより、照明領域と検出領域とが重なり合ってもよい。第1の物体はまた、例えば、部屋を照明する屋内照明設備であってもよい。それゆえ、その特定の部屋に関する盗難検出を提供してもよい。更には、照明ポールはまた、信号、特に無線通信信号又は指標信号を検出するための、より良好な見通し線を提供してもよい。
【0044】
一実施形態では、第1の物体は、電子デバイス、車両、建物の建築的特徴部、又は防犯カメラの群から選択される物体の一部であってもよい。別の実施形態では、第1の物体は、盗難検出が所望される領域内に配置されることが可能な、盗難検出デバイスとして具現化されてもよい。上述の電子デバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ若しくはスマートグラスなどのユーザウェアラブルデバイス、ラップトップ、タブレット、又はスマート電球であってもよい。そのようなデバイスは、モバイルであってもよい。そのようなデバイスは、それらのデバイスに近接する特定の領域に、盗難検出を提供することが可能であってもよい。例えば、テーブルにロックされているラップトップは、例えばテーブルにロックされることが可能ではなかった、他の物体の盗難を検出するための、本発明による第1の物体として使用されてもよい。
【0045】
本出願による発明は、ショッピングモール、小売店、病院、駐車場、駐輪場、都市広場、ビーチ、図書館、作業/オフィス空間、空港、又は鉄道駅などの、盗難の危険性が高い領域内で実装されてもよい。
【0046】
代替的実施形態では、第1の物体は、ドローンの一部であってもよい。更なる代替的実施形態では、第1の物体は、人工衛星、ツェッペリン型飛行船、小型軟式飛行船、気球、飛行機、又はヘリコプタの一部であってもよい。これらの例は、移動物体又は飛行物体の一部である第1の物体によって、盗難検出が提供されてもよいことを示す。このことは、第1の物体の検出領域が、より大きく、及び/又は、より広範囲に及び得るため、有利である。盗難検出のサービスは、その場合、所望の場所に移動されてもよい。ドローンは、例えば、公園に飛行されてもよく、公園で昼間の盗難検出を提供する一方で、ドローンは、広場に飛行されることになり、広場で夜間の盗難検出を提供することになる。
【0047】
一実施形態では、第2の物体は、車両であってもよい。車両は、盗まれる場合が多く、盗難検出が望まれる。そのような車両は、自転車、自動車、ボート、オートバイ、又はドローンであってもよい。一実施形態では、第2の物体は、電子デバイスであってもよい。電子デバイスは、盗まれる場合が多く、盗難検出が望まれる。そのような電子デバイスは、スマートフォン、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマート衣類、フィットネストラッカ、又はフィットネスグラスなど)、ノートブック、タブレット、玩具、ドローン、家庭用デバイス、テレビ、スマート電球、ゲームコンソール、コンピュータ、バッテリユニット(例えば、自転車用)、又はツールであってもよい。一部の第2の物体は、指標信号を提供することのみが可能であってもよい。一実施形態では、第2の物体は、宝飾品、高価な衣料品、美術品、人、ペン、玩具、又は家庭用機器であってもよい。そのような物品もまた、盗まれる場合があり、それゆえ、それらに関する盗難検出が有利である。
【0048】
一実施形態では、第3の物体は、キーデバイスであってもよい。別の実施形態では、第3の物体は、スマートフォン又はウェアラブルデバイスであってもよい。そのようなデバイスは、これらのデバイスの存在が第2の物体の使用を認可するように、第2の物体とペアリングされてもよい。あるいは、第3の物体は、取り外し可能な自転車用ライトなどの、電子デバイスであってもよい。
【0049】
一実施形態では、第2の物体、第3の物体、及び/又は第Nの物体は、同様のタイプのデバイスであってもよい。この場合、Nは3よりも大きい整数である。例えば、全ての物体が、スマートフォンであってもよい。このようにして、第1の物体は、ペアとして識別された少なくとも2つのスマートフォンに関する、盗難検出を提供してもよい。例えば、複数のN個のスマートフォンが、部屋(例えば、それらのスマートフォンの所有者がスポーツを行っている間の、ロッカー/更衣室)に保管されている場合に、第1の物体が、盗難検出を提供してもよく、検出領域は、当該部屋であってもよい。それら複数のN個のスマートフォンのうちの或るスマートフォンが、検出領域(部屋)の外に移動する場合は常に、第1の物体のコントローラは、盗難検出アクションを提供してもよい。このことは、全てが互いにペアである複数のスマートフォンが、部屋内に保護されることを可能にする。
【0050】
一実施形態では、本発明の第1の物体が提供され、第1の物体は、屋内照明器具の一部であり、第2の物体は、電子デバイスであり、第3の物体は、キーデバイスを含む。そのような組み合わせが有利であり得るのは、照明インフラストラクチャが広範囲に及ぶものであり、一般に照明領域に対して上からの視点をもたらすことにより、照明インフラストラクチャは、盗難検出のための第1の物体を(その一部として)含むことに関して、非常に適しているためである。上述のキーデバイスは、スマートフォン又はウェアラブル機器であってもよい。
【0051】
本発明の更なる目的は、第3の物体とペアになっている第2の物体の盗難を検出することが可能な、盗難検出のための改善されたシステムを提供することである。更に、本発明は、第2の物体の盗難検出のためのシステムであって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、システムは、本発明の第1の態様による第1の物体と、第2の信号を送信するための第2のビーコンを含む、第2の物体と、第3の信号を送信するための第3のビーコンを含む、第3の物体とを備える、システムを提供する。そのようなシステムは、第1の物体によって、第3の物体とペアリング可能な第2の物体に関する盗難検出を提供してもよい。そのような盗難検出アーキテクチャは、本発明の第1の態様に関してもまた前述されたように、ペアになっている(一体に属しており、一方が他方を保護している)2つの物体の盗難検出のための、自律的かつ目立たないシステムを提供するものであるため、有利である。
【0052】
本発明の第1の態様の第1の物体に適用される利点はまた、本発明の第2の態様で定義されるシステムにも適用される。
【0053】
本発明の第2の態様では、第2の物体及び第3の物体は、それぞれ、第2の信号を送信するための第2のビーコン、及び第3の信号を送信するための第3のビーコンを備える。そのようなビーコンは、アンテナ、チップ、又は電子送信デバイスであってもよい。そのようなビーコンは、Wi-Fi、ZigBee、LoRa、ISMバンド内の他の規格、Bluetooth、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、可視光通信(VLC)、オーディオによる通信を可能にし得る。
【0054】
一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、第1の物体は、照明インフラストラクチャの一部である。そのようなシステムは、上述の第1の物体を照明インフラストラクチャの一部として提供することにより、広範囲に及ぶ盗難検出が可能となるため、有利である。照明インフラストラクチャとは、すなわち、屋内環境内に存在する広範囲に及ぶインフラストラクチャ(家庭用ライト、オフィス照明設備、建物照明、駐車場照明など)、及び屋外環境内に存在する広範囲に及ぶインフラストラクチャ(公共空間照明、屋外照明設備、道路照明など)である。照明インフラストラクチャの一部であることにより、盗難検出のためのシステム内に含まれる第1の物体は、多くの環境におけるカバー領域を有する、盗難検出を可能にし得る。更には、照明インフラストラクチャは、通常、照明設備の下方の領域を照明するように、より高いレベルに存在しているため、照明インフラストラクチャの一部である第1の物体は、信号の受信又は信号の検出に有利な位置によって、恩恵を受けてもよい。一実施形態では、第1の物体は、照明ポールの一部である。
【0055】
一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、システムは、少なくとも第Nの物体を更に備え、Nは3よりも大きい整数であり、検出器が、第Nの信号を検出するように更に構成されており、コントローラが、(i)第2の信号、第3の信号、及び第Nの信号のペアリングと、(ii)第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、少なくとも第3の信号又は第Nの信号が検出領域内で検出されていないこととを示す条件を、更に識別するよう構成される。例えば、第2の物体は自動車であってもよく、その一方で、第3の物体はスマートフォンであってもよい。第Nの物体もまた、スマートフォンであってもよく、Nは整数5である。それゆえ、第4の物体及び第5の物体は、スマートフォンであってもよい。全ての物体は、Bluetoothビーコンを発信してもよい。上述の第1の物体は、第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、他の物体の信号のいずれもが検出領域内で検出されていない場合には常に、盗難を検出してもよい。このようにして、自動車である第2の物体は、複数のスマートフォンとペアリングされてもよく、それら複数のスマートフォンのそれぞれが、第2の物体を認可し、それらのスマートフォンのいずれも伴わずに自動車が出て行く場合に盗難を防止する。更には、システムが複数の物体を備える場合、代替的なペアリング関係もまた提供されてもよいことが有利である。
【0056】
一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、第3の物体は、キーデバイス、スマートフォン、又はスマートウェアラブルデバイスである。そのようなシステムでは、キーデバイスもまた、スマートフォンであってもよい。キーデバイスは、例えば、その機能又は存在によって第2の物体の使用を可能にするように認可されている、任意のデバイスであってもよい。そのような第3の物体は、盗難検出に特化されている第3の信号を、又は、通常の信号通信トラフィックなどの、最初は盗難検出に特化されていない第3の信号を発信してもよい。通常の信号通信トラフィックは、Wi-Fiトラフィック、Bluetoothトラフィック、ZigBeeトラフィック、GSM、LoRa、ISMバンド内の他の規格、IR、RF、オーディオ、又はVLCであってもよい。第1の物体は、そのような信号通信トラフィックを、第3の信号として検出し、第3の信号を、第2の物体から検出された第2の信号に関連付けてもよい。
【0057】
一実施形態では、本発明の第1の態様によるシステムが提供され、第2の物体は、車両又は電子デバイスである。そのようなデバイスは、盗難の危険性が高く、それゆえ、そのようなデバイスを含む、盗難検出のためのシステムを提供することが所望される。車両は、例えば、自転車、自動車、ボート、オートバイ、飛行機、又はドローンであってもよい。電子デバイスは、例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマート衣類、フィットネストラッカ、又はフィットネスグラスなど)、ノートブック、タブレット、玩具、ドローン、家庭用デバイス、テレビ、スマート電球、ゲームコンソール、コンピュータ、又はツールであってもよい。
【0058】
第2の信号と第3の信号とのペアリングはまた、可能なペアリングの組み合わせがリスト化されているデータベースにアクセスすることによって、識別されてもよい。一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、システムは、第2の信号と第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースを更に備え、リストは、外部入力によって調節可能である。そのようなペアリングデータベースは、盗難検出が所望されるペアの、調節可能なリストを含み得るため、有利である。リストは、盗難検出を実施することに関して、物体が自由に選択することを可能にするものであるが、これは、物体が、ペアリングデータベースにペアリングを追加する命令、又はペアリングデータベース内にリスト化されているペアリングを削除する命令を含む、外部入力を提供することが可能であってもよいためである。そのような外部入力はまた、ユーザ入力、又はユーザ入力から導出された入力であってもよい。例えば、第2の物体は、スマートフォンであってもよく、ユーザは、盗難検出のためのシステム内に含まれる第2の物体として、スマートフォンを登録しないための、ユーザ入力を提供している。スマートフォンは、次いで、この選択を示す追加的な特徴又は信号を送信してもよい。システムの第1の物体は、スマートフォンを、第2の物体として検出しなくてもよい。逆に、ユーザ入力は、例えば、ユーザインターフェース内のスイッチを有効状態にトグルすることによって、スマートフォンを第2の物体として選択することであってもよい。
【0059】
一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、盗難検出アクションは、監視、通知の送信、視覚警報の出力、可聴警報の出力の群からのアクションを含み、警告通知は、政府機関、警備保障会社、第2の物体の登録所有者、第3の物体、又は、盗難時に検出領域内で更に検出された受信機に送信される。そのような盗難検出アクションは、盗難を示す際に有利であり得る。
【0060】
前述のように、視覚警報は、例えば、盗難の場所を強調表示すること、第2の物体の移動をスポットライトで追従すること、検出領域内の照明インフラストラクチャに警報光スキームを提供すること、又は、第2の物体が検出領域から出て行った場所に、表示光を供給することを含んでもよい。更には、監視は、例えば、照明インフラストラクチャによって、又は本発明による他の第1の物体によって、第2の物体の第2の信号を追跡すること、盗難の瞬間に関連する時間(例えば、盗難時、盗難の前及び/又は後の1日の時間間隔)に検出器によって受信された信号データを記憶すること、あるいは、盗難の検出後の検出領域の画像を撮影することを含んでもよい。監視はまた、例えば、検出器自身で、又は別の光学記録手段によって、又は第1の物体の近傍のアクセス可能なカメラによって写真を撮影するための信号を、誘起することを含んでもよい。後者の場合には、第1の物体は、盗難検出の場合にのみ、カメラにアクセスするための認可を受けてもよい。監視はまた、検出領域内のBluetooth、Wi-Fi、RF、LoRa、GSM、及びZigBeeプロファイルを、記録及び記憶することを含んでもよい。第1の物体はまた、そのような信号及びプロファイルを、盗難の検出後に記録及び記憶するように、他の受信機を誘導してもよい。監視はまた、ビデオの録画、及び/又は、ビデオ上での身体移動の分析、及び/又は、盗人を識別することを試みるための、ビデオの顔認識を含んでもよい。政府機関は、例えば、地方自治体、警察、テロリズムを防止するための機関、又は、盗難データを監視するためのデータベースであってもよい。第2の物体の登録所有者に通知を送信することは、例えば、携帯電話(GSM)テキストデータ、インターネットテキストデータ、又は、ソーシャルメディアアカウントへのメッセージを更に含んでもよい。後者の例では、検出された盗難は、専用のソーシャルメディアアカウント、アプリケーション、又はウェブサイトにアップロードされてもよい。通知、例えばデジタルプッシュメッセージはまた、検出器の検出領域内で識別された少なくとも1つの物体に送信されてもよく、それにより、少なくとも1つの他の物体は、盗難が近傍で検出されていることを通知される。
【0061】
一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、システムは、第1の物体から盗難検出アクション信号を受信するための、更なるデバイスを更に備え、更なるデバイスは、盗難検出アクションを実行することが可能である。スマート屋外街路照明のシステムは、例えば、第1の物体から盗難検出アクション信号を受信してもよい。そのような屋外街路照明システムは、続いて、第2の物体を監視してもよく、屋外街路灯の近傍の他の物体に通知を送信してもよく、又は検出された際に照明スキームで第2の物体を照明してもよい。
【0062】
更には、一実施形態では、本発明の第2の態様によるシステムが提供され、盗難検出アクションは、検出領域の画像を撮影すること、又は第2の信号を追跡することを含む。第2の物体の第2の信号を追跡することが有利であるのは、盗難の識別後に、第2の物体の位置を特定することが有益であり得るためである。上述の盗難検出アクションは、第1の物体によって実行されてもよく、又は、第1の物体はまた、同じ盗難検出アクションを実行するための、他の物体に対する信号(又は、インセンティブ)を提供してもよい。
【0063】
本発明の更なる目的は、第3の物体とペアになっている第2の物体の盗難を検出することが可能な、盗難検出のための改善された方法を提供することである。更に、本発明は、第2の物体の盗難検出のための、第1の物体によって実行される方法であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、当該方法は、第1の物体内に含まれる検出器を用いて、検出器の検出領域内で、第2の物体の第2の信号、及び第3の物体の第3の信号を検出するステップと、検出器の検出器出力を、コントローラに提供するステップと、コントローラを用いて、検出器出力を処理することによって、(i)第2の信号と第3の信号とのペアリングと、(ii)第2の信号が検出領域の外に移動している一方で、第3の信号が検出領域内で検出されていないこととの、双方を示す条件を識別するステップと、その条件が識別される場合に、盗難検出アクションを実行するステップとを含む、方法が提供される。そのような盗難検出方法は、本発明の第1の態様に関してもまた前述されたように、ペアになっている(それゆえ、一体に属している)2つの物体の盗難検出のための、自律的かつ目立たない方法を提供するものであるため、有利である。
【0064】
一実施形態では、本発明の第3の態様による方法が提供され、当該方法は、第2の信号及び第3の信号が検出領域内にペアで移動している場合に、コントローラを用いて、それら第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別するステップを更に含む。
【0065】
一実施形態では、本発明の第3の態様の上記の方法による、方法が提供され、当該方法は、コントローラを用いて、第2の信号と第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースにアクセスするステップと、ペアリングデータベース内で、第2の信号と第3の信号とがペアとしてリスト化されている場合に、コントローラを用いて、第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別するステップとを、更に含む。
【0066】
本発明の第1の態様の第1の物体に適用される利点はまた、本発明の第3の態様で定義される方法にも適用される。
【0067】
本発明は更に、コンピュータプログラム製品に関する。それゆえ、本発明は、コンピューティングデバイス用のコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品がコンピューティングデバイスの処理ユニット上で実行されると、上述の本発明の方法を実行する、コンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム製品を提供する。上述のコンピュータプログラム製品は、本発明による照明システムによって実行されてもよい。例えば、上述の処理ユニットはまた、本発明によるプロセッサ、又は第1の物体内に設けられている別個のプロセッサであってもよい。コンピュータプログラム製品による上述の方法の実行は、コンピュータプログラム製品によって実装可能な、該方法の特徴のみを含んでもよい。第1の物体はまた、複数のコンピュータプログラム製品を同時に実行するためのコンピューティングデバイスをホスティングしてもよい。このことは、盗難検出に関して複数のサービスが提供される場合は常に、有利であり得る。
【0068】
それゆえ、本発明の諸態様は、コンピュータによって実行されてもよい、コンピュータ可読記憶デバイス上に記憶されているコンピュータプログラム命令の集合であってもよい、コンピュータプログラム製品として実装されてもよい。それらの本発明の命令は、限定するものではないが、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(dynamic link library;DLL)、又はJava(登録商標)クラスを含めた、任意の解釈可能又は実行可能なコードメカニズムであってもよい。これらの命令は、完全に実行可能なプログラム、部分的に実行可能なプログラムとして、既存のプログラムに対する修正(例えば、更新)として、又は、既存のプログラムに関する拡張(例えば、プラグイン)として提供されることができる。更には、本発明の処理の諸部分は、複数のコンピュータ又はプロセッサにわたって分散されてもよい。
【0069】
一部の実施例では、第1の物体は、或る領域に固定されてもよく、例えば、そのような領域は、検出領域であってもよい。第1の物体は、静止していてもよく、又は、或る位置に固定されてもよい。第1の物体、第2の物体、及び第3の物体は、主要機能において無関係であってもよく、独立していてもよく、及び/又は別個であってもよい。更には、第2の信号は、第2の物体を表してもよく、第3の信号は、第3の物体を表してもよい。更には、第1の物体は、第2の物体から、及び第3の物体から独立していてもよいため、第1の物体はまた、対応する第3の物体とペアである、複数の第2の物体に関して、盗難検出を提供することが可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
次に、非限定的な概略図面によって、本発明が更に解明されるであろう。
【
図1A】第2の物体の盗難検出のための第1の物体の一実施形態であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっている、第1の物体の一実施形態を概略的に示す。
【
図2】第2の物体の盗難検出のための第1の物体の一実施形態であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、第1の物体が、検出器及びコントローラを備え、ペアリングが第3の物体によって示されている、第1の物体の一実施形態を概略的に示す。
【
図3】第2の物体の盗難検出のための第1の物体の一実施形態であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体及び第4の物体とペアになっており、第1の物体が、検出器及びコントローラを備え、更にペアリングデータベースをローカルに備えている、第1の物体の一実施形態を概略的に示す。
【
図4】第2の物体の盗難検出のためのシステムの一実施形態であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっており、システムは、本発明の第1の態様による第1の物体、第2の物体、及び第3の物体を備える、システムの一実施形態を概略的に示す。
【
図5】第2の物体の盗難検出のための、第1の物体によって実行される方法の一実施形態であって、第2の物体が、第2の物体を保護するための第3の物体とペアになっている方法の一実施形態を概略的に示す。
【
図6】
図5の実施形態のフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1A及び
図1Bは、非限定的な実施例による、第2の物体200の盗難検出のための第1の物体100の一実施形態を概略的に示しており、第2の物体200は、第2の物体200を保護するための第3の物体300とペアになっている。
図1Bは、斜視図である。第2の物体200は、第2の物体200を保護するための第3の物体300とペアリングされている。それゆえ、そのようなペアリングは、第2の物体200及び第3の物体300が、一体に属していることを示す。第1の物体100は、検出器101を備え、検出器101は、検出器101の検出領域103内で送信された場合の、第2の物体200の第2の信号201、及び第3の物体300の第3の信号301を検出する。検出器は更に、検出器出力104を提供する。
【0072】
図1A、
図1Bに示される実施形態では、第2の物体200は、例えば自動車などの車両である。代替的実施形態(図示せず)では、第2の物体は、自転車などの別の車両、ボート、オートバイ、又はドローンであってもよく、更には、第2の物体は、代替的に、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、スマート衣類、フィットネストラッカ若しくはフィットネスグラス、ノートブック、タブレット、玩具、家庭用デバイス、テレビ、スマート電球、ゲームコンソール、コンピュータ、又はツールなどの、電子デバイスであってもよく、また更には、第2の物体は、代替的に、宝飾品、高価な衣料品、美術品、ペン、又は家庭用機器であってもよい。自動車は、盗まれる場合が多いため、そのような物体に関する盗難検出を提供することが有利である。上述の代替的な第2の物体もまた、盗難の危険性が高く、盗難検出が望まれるため、本発明はまた、そのような物体に関しても利点をもたらす。
【0073】
図1A、
図1Bに示される実施形態では、第3の物体300は、例えばスマートウォッチなどの、キーデバイスである。スマートウォッチは、自動車を保護して、本発明の第1の物体100による盗難検出を提供するために、自動車(第2の物体200)とペアリングされている。代替的実施形態(図示せず)では、第3の物体は、パッシブキー、自動車キーなどの、別のキーデバイスであってもよい。第3の物体は更に、スマートフォン、別のウェアラブル機器、又は、送信機を有するパーソナル電子デバイスであってもよい。そのような(第3の物体としての機能を果たす)デバイスは、これらのデバイスの存在が第2の物体200の使用を認可するように、第2の物体200とペアリングされてもよい。
【0074】
図1A、
図1Bに示される実施形態を参照すると、第1の物体100は、照明インフラストラクチャ199の一部、より具体的には、照明ポール197上のスマート屋外照明器具198の一部である。第1の物体100は、他の物体、例えば、照明インフラストラクチャ199に接続されている他の物体と通信するための、追加的な通信技術を備える。第1の物体100の検出器101は、第2の信号201及び第3の信号301が良好に受信されるように、検出領域103に対して上からの視点を有する。あるいは、第1の物体は、屋内照明器具の一部であってもよい。更に代替的に、他の実施形態(図示せず)では、第1の物体は、電子デバイス、車両、建物の建築的特徴部、又は防犯カメラの群から選択される物体の一部であってもよい。上述の電子デバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ若しくはスマートグラスなどのユーザウェアラブルデバイス、ラップトップ、タブレット、又はスマート電球であってもよい。更に代替的に、第1の物体は、自律的な盗難検出デバイスとして具現化されてもよい。更には、代替的実施形態では、第1の物体は、ドローンの一部であってもよい。更なる代替的実施形態では、第1の物体は、人工衛星、ツェッペリン型飛行船、小型軟式飛行船、気球、飛行機、又はヘリコプタの一部であってもよい。
【0075】
図1A、
図1Bに示される実施形態を更に参照すると、検出器101は、第2の物体200の第2の信号201、及び第3の物体300の第3の信号301を検出する。第2の信号201は、自動車内のローカルのWi-Fiビーコンから送信される、固有のWi-Fi信号である。第3の信号301は、スマートウォッチ(第3の物体300)の通常のBluetoothトラフィックとして送信される、Bluetooth信号である。しかしながら、第3の信号301は、スマートウォッチに属している固有の信号として識別可能である。スマートウォッチはまた、4Gモバイルインターネット信号(図示せず)を発信してもよく、該信号は、代替的に、検出器101によって検出されて、Bluetooth信号の代わりに、盗難検出に関する第3の信号301としての役割を果たすように選択されてもよい。第2の信号201及び第3の信号301の双方とも、最初は盗難検出に特化されておらず、インターネット又は携帯電話のトラフィックなどの、当該物体の通常の信号通信トラフィックに属している。しかしながら、代替的実施形態では、上述の信号は、盗難検出の目的のための専用の信号であってもよく、暗号化又は符号化されてもよい。
【0076】
あるいは、第2の物体200の第2の信号201、及び第3の物体300の第3の信号301は、Wi-Fi信号、Bluetooth信号、ZigBee、無線周波数(RF)、Long Range Low Power(LoRa)、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)、オーディオ信号、若しくは可視光通信(VLC)信号、又はこれらの任意の組み合わせの群から選択される信号であってもよい。
【0077】
更に代替的に、他の実施形態(図示せず)では、第2の信号201又は第3の信号301はまた、指標信号であってもよい。そのような信号は、無線送信可能ではないが、検出器101によって依然として検出可能である。上述の信号は、例えば、物体の熱フットプリント、又は、物体の符号化熱フットプリントであってもよい。(符号化)熱フットプリントは、その場合、カメラ、熱画像検出器、又はPIRセンサで検出可能であってもよい。別の指標信号は、QRコード化、バーコード、色符号化などの、物体の視覚的特性であってもよい。また、物体自体の、物理的外観であってもよい。後者の場合には、検出器は、物体の識別を可能にするために、物体の物理的外観及び/又は活動を認識するよう構成される。このことは、例えば、カメラ及び/又は該カメラに関連付けられている画像認識技術(及び/又は、音波/超音波認識技術)によって行われる。
【0078】
図1A、
図1Bに示される実施形態を更に参照すると、第1の物体100は、コントローラ102を更に備える。コントローラ102は、検出器101の検出器出力104を処理することが可能である。コントローラ102は、検出器出力104を処理することによって、(i)第2の信号201と第3の信号301とのペアリングと、(ii)第2の信号201が検出領域103の外に移動している一方で、第3の信号301が検出領域103内で検出されていないこととの、双方を示す条件105を識別する。そのような条件105は、盗難検出を示す。コントローラ102は、条件105が識別される場合に、盗難検出アクション106を更に実行する。
【0079】
検出器101は、第2の信号201及び第3の信号301を検出する。しかしながら、検出器はまた、他の信号を検出するか、又は無線通信によって他の情報を受信することも可能である。
図1A、
図1Bに示される検出器は、少なくともWi-Fi受信機及びBluetooth受信機を含む、検出器101である。それゆえ、検出器101は、複数の受信機及び/又はアンテナを含む。あるいは、又は更に、検出器101は、検出領域103から情報を受信するための、カメラを含む。代替的実施形態(図示せず)では、検出器101は、少なくともZigBee受信機、GSMアンテナ、NFCチップリーダ、無線周波数アンテナ、赤外線検出器、PIRセンサ、熱カメラ、マイクロフォン、光学センサ(カメラ、光ダイオードなど)、又はこれらの任意の組み合わせを、更に含んでもよい。そのような組み合わせは、例えば、様々な信号を検出するための無線アンテナを有する、指標信号を検出するためのカメラ、あるいは、マイクロフォン及びカメラ、あるいは、Bluetooth及びWi-Fi受信機であってもよい。検出器はまた、代替的に、追加的な画像認識技術が装備されてもよい。
【0080】
検出器101は、検出領域103を有する。検出領域103は、検出器によって全体的にカバーされる領域を指定する。この場合、検出領域103は、単一の検出領域である。しかしながら、代替的には(図示せず)、検出領域は、検出器の全カバー領域内に含まれている複数の検出サブ領域の一部であってもよい。検出領域を複数の検出サブ領域に分割することが有利であるが、これは、本発明による盗難検出を実行するための領域の数が増大することにより、検出器の分解能、またそれゆえ盗難検出の第1の物体の分解能が、より高くなるためである。
【0081】
図1A、
図1Bに示される実施形態では、検出器101は、第1の物体100内に具現化されている単一の検出器である。あるいは、検出器は、複数の検出器を含んでもよい。複数の検出器、及び、それらの対応する局所的検出領域は、例えば、より大きい検出領域をカバーしてもよい。又は、複数の検出器は、単一の検出領域を、より有効にカバーしてもよく、このことが有利であるのは、いくつかの信号が、異なる角度又は位置から、より有効に受信され得るためである。
【0082】
検出器101は、コントローラ102によって処理されるために好適な、検出器出力104を提供する。検出器101及びコントローラ102が、第1の物体100の単一の本体内に具現化されているため、上述の検出器出力104は、配線接続によって提供される。あるいは、例えば、検出器がコントローラとは別個であるか、又は複数の検出器を含む場合には、検出器出力は、無線接続によってコントローラに送信されてもよい。それゆえ、検出器出力は、無線信号によって通信されてもよい。
【0083】
図1A、
図1Bに示される実施形態を更に参照すると、検出器出力104は、検出領域103内の、第2の信号201及び第3の信号301の信号通信データを含む。あるいは、他の実施形態(図示せず)では、信号通信データは、検出器内に含まれる受信機に通信される、他の信号通信データ、画像データ、又は通信データを含んでもよい。
【0084】
図1A、
図1Bに示される実施形態を更に参照すると、前述のように、コントローラ102は、検出器出力104を処理するよう構成される。検出器出力104に基づいて、コントローラ102は、(i)第2の信号201と第3の信号301とのペアリングと、(ii)第2の信号201が検出領域103の外に移動している一方で、第3の信号301が検出領域103内で検出されていないこととを示す、条件105を識別する。コントローラ102は、検出器出力104を分析及び処理することが可能なプロセッサである。コントローラ102はまた、信号強度、信号の方向性及び/又は位置を決定してもよい。コントローラ102はまた、代替的に、画像認識技術を提供してもよく、それにより、例えば指標信号が処理されてもよい。このことは、物体による無線送信信号に関して、有効に実行されてもよい。
【0085】
上述の第2の信号201と第3の信号301とのペアリングは、第2の物体200及び第3の物体300が一体に属していることを指定する。第2の物体200の盗難は、第2の信号201が検出領域103の外に移動していてもよい一方で、第3の信号301が検出領域103内で検出されていない場合に、検出される。ペアリングは、コントローラ102によって、検出器出力104を処理することによって識別される。この場合、ペアリングは、検出領域103内での、第2の物体200と第3の物体300との観察された関係を、評価することによって識別される。それゆえ、
図1A、
図1Bに示される実施形態を参照すると、コントローラ102は、第2の信号201及び第3の信号301が検出領域103内にペアで移動している場合に、それら第2の信号201と第3の信号301とのペアリングを識別する。この識別が有利であるのは、領域に一体となって進入する2つの物体は、一体に属していることによりペアを形成し得ることが一般的であるためである。或る物体が検出領域から出て行く一方で、他方が検出されていない場合には、双方の物体は、当該領域から一体となって移動しないことになるため、盗難が発生し得る。2つの物体に関しては、このことが、最も単純かつ最も有利な、盗難の指標である。
【0086】
あるいは、盗難は、第2の物体200が盗難によって破壊されることにより、第2の物体200の第2の信号201が、信号を送信することが不可能であることとして定義される。そのような盗難の場合には、第2の信号201はまた、検出領域103の外に移動されていると見なされるが、破壊の場合には、検出器101は、第2の信号201を検出することが不可能であるためである。
【0087】
検出領域103内への上述のペアでの移動は、時間内に検出領域103内に同時に移動すること、又は、時間内に同じ位置で検出領域103内に同時に移動することを含み得る。このことは、物体間の強固なペアリングを示す。他の物体の他の信号が、検出器101の検出に干渉している場合には、第1の物体100の検出器101及びコントローラ102はまた、第2の物体200の第2の信号201を、そのような信号から区別することが可能であってもよく、また、第3の物体300の第3の信号301を、そのような信号から区別することが可能であってもよい。そのような区別は、コントローラ102内に設けられている追加的な分析モジュール(図示せず)によって実行されてもよく、該分析モジュールは、物体から送信される複数の信号を検出して、本発明による盗難検出のために、それらの信号のうちの1つを選び取る。
【0088】
図1に示される実施形態を更に参照すると、盗難検出アクション106は、単一又は複数の物理的盗難検出アクションを実行する命令を含む、コントローラ102によって提供される警報信号である。この場合、1つの物理的盗難検出アクション106は、検出領域103に照明スキームを提供することによって、視覚警報を実行することである。それゆえ、コントローラ102は、上述の照明スキーム(図示せず)を提供するために、(第1の物体100が、その一部である)屋外照明器具198に、盗難検出アクション信号を送信する。あるいは、盗難検出アクション信号は、検出領域103の近傍の他の光源、例えば、照明インフラストラクチャ199内の他の光源に送信されてもよい。別の物理的盗難検出アクション106は、カメラによって検出領域103を監視することである。監視は、例えば、検出器101自体の中に含まれるカメラで、又は代替的に、別の光学記録手段によって、又は第1の物体の近傍のアクセス可能なカメラによって写真を撮影するための信号を、誘起することを含む。後者の場合には、第1の物体は、盗難検出の場合にのみ、カメラにアクセスするための認可を受けてもよい。それゆえ、上述のカメラは、屋外照明器具198の一部であってもよく、検出器101であってもよく、又は、命令に従うことが可能な、検出領域103の近傍のカメラであってもよい。更には、別の物理的盗難検出アクション106は、メッセージを受信することが可能な、検出領域103内の全ての物体に、通知メッセージを送信すること、及び、インターネット接続を介して、スマートウォッチ(第3の物体300)に通知メッセージを送信することである。
【0089】
あるいは、視覚警報は、盗難の場所を強調表示すること、第2の物体の移動をスポットライトで追従すること、検出領域内の照明インフラストラクチャに警報光スキームを提供すること、又は、第2の物体が検出領域から出て行った場所に、表示光を供給することを含んでもよい。更に代替的に、監視は、照明インフラストラクチャによって、又は本発明による他の第1の物体によって、第2の物体の第2の信号を追跡すること、盗難の瞬間に関連する時間(例えば、盗難時、盗難の前及び/又は後の1日の時間間隔)に検出器によって受信された信号データを記憶すること、あるいは、盗難の検出後の検出領域の画像を撮影することを含んでもよい。監視はまた、検出領域内のBluetooth、Wi-Fi、LoRa、GSM、RF、及びZigBeeプロファイルを、記録及び記憶することを含んでもよい。第1の物体はまた、そのような信号及びプロファイルを、盗難の検出後に記録及び記憶するように、他の受信機を誘導してもよい。監視はまた、ビデオの録画、及び/又は、ビデオ上での身体移動の分析、及び/又は、盗人を識別することを試みるための、ビデオの顔認識を含んでもよい。
【0090】
あるいは、他の実施形態では、警告通知が、政府機関、警備保障会社、第2の物体の登録所有者、第3の物体、又は、盗難時に検出領域内で更に検出された受信機に送信されてもよい。第2の物体の登録所有者に通知を送信することは、例えば、携帯電話(GSM)テキストデータ、インターネットテキストデータ、又は、ソーシャルメディアアカウントへのメッセージを更に含んでもよい。後者の例では、検出された盗難は、専用のソーシャルメディアアカウント、アプリケーション、又はウェブサイトにアップロードされてもよい。通知、例えばデジタルプッシュメッセージはまた、検出器の検出領域内で識別された少なくとも1つの物体に送信されてもよく、それにより、少なくとも1つの他の物体は、盗難が近傍で検出されていることを通知される。更には、政府機関は、例えば、地方自治体、警察、テロリズムを防止するための機関、又は、盗難データを監視するためのデータベースであってもよい。
【0091】
図2は、非限定的な実施例による、第2の物体222の盗難検出のための第1の物体100の一実施形態を概略的に示し、第2の物体222は、第2の物体222を保護するための第3の物体333とペアになっており、この実施形態は、
図1A、
図1Bの実施形態と部分的に類似しているが、第1の物体100は、盗難検出のために構成されている、自律的なスタンドアロン型デバイスであり、第2の物体222は、ホバーボードであり、第3の物体333は、スマートフォンであり、コントローラ102は、(第3の物体333である)スマートフォン上に提供されているアプリケーションから、入力信号120を受信するように更に構成されている。
【0092】
第2の物体222である、上述のホバーボードは、盗難検出の目的のためにBluetooth信号2221を送出する、固有のBluetoothビーコンを備える。第3の物体333である、上述のスマートフォンは、通常のインターネットトラフィックに基づくWi-Fi信号であるが、第3の物体が識別可能である、第3の信号3331を送信する。例えば、そのMACアドレスで識別可能である。検出器101は、検出領域103内で、これらの信号3331、2221を検出し、検出器出力104を提供することが可能である。
【0093】
第3の物体333、すなわちスマートフォンは、アプリケーションを利用して、例えば、インターネットによって、又はBluetoothによって直接、入力信号120を送信する。入力信号120は、第2の信号2221と第3の信号3331とのペアリングの識別を含む。それゆえ、コントローラ102は、第2の信2221と第3の信号3331とのペアリングを識別する際に、(第3の物体333によって)支援される。すなわち、第3の物体333を使用しているユーザは、それらスマートフォンとホバーボードとがペアであること、またそれゆえ、例えば、ユーザが建物に入ってもよい場合に、ホバーボードを残置することになるため、盗難検出が所望されることを示す。
【0094】
しかしながら、盗難検出はサービスである。このサービスは、無料ではない。それゆえ、スマートフォンとホバーボードとがペアであること、及び盗難検出が所望されることを示すことは、或る通貨単位額(支払い)の費用を要する。それゆえ、第3の物体333、すなわちスマートフォンは、アプリケーションを使用して、金融取引又は支払いを提供する。金融取引は、インターネットを介して行われ、サーバ(図示せず)上に登録される。次いで、サーバは、インターネット接続によって、盗難検出に関する金融取引110の登録を、第1の物体100に転送する。この接続は無線であるが、あるいは、有線接続によるものであってもよい。コントローラは、金融取引110の登録を、受信及び解釈することが可能であり、その後、第3の物体333のペアリングの識別を示す、入力信号120が受理される。あるいは、第1の物体100に金融取引を直接通信することなどの、盗難検出(サービス)に関する支払いが実行されることを確実にするための、他の通信経路が利用可能であってもよい。次いで、
図1A、
図1Bに示される実施形態に関して説明された盗難検出と部分的に類似する、本発明による盗難検出が提供されてもよい。
【0095】
図3は、第2の物体220の盗難検出のための、第1の物体100の一実施形態を概略的に示しており、第2の物体220は、第2の物体220を保護するための、第3の物体330及び第4の物体440とペアになっている。第1の物体100は、
図1A、
図1Bに示される実施形態などの、検出器101及びコントローラ102を備えるが、ペアリングデータベース107を更に備える。第2の物体220は、第2の物体220を保護するための、第3の物体330及び第4の物体440とペアリングされている。それゆえ、そのようなペアリングは、第2の物体220と第3の物体330と第4の物体440とが、一体に属していることを示す。第1の物体100は、検出器101を備える。検出器101は、検出器101の検出領域103、1031内で送信された場合の、第2の物体220の第2の信号221と、第3の物体330の第3の信号331と、第4の物体440の第4の信号441とを検出する。検出器は更に、検出器出力104を提供する。
【0096】
検出領域103は、サイズが調節可能である。検出器101は、例えば、物理的に最大の可能な検出領域である、デフォルトの検出領域103を提供する。しかしながら、検出器101はまた、検出領域103を、より小さい検出領域に調節してもよい。このことが有利であるのは、盗難検出が、特定の領域に合わせて調整されてもよく、盗難検出の許容誤差が、より小さくなるためである。
図3に示される実施形態を参照すると、物理的に最大の可能な検出領域103は、それゆえ、複数の検出領域1031、1032、1033、1034、1035、1036を含み、例えば、この場合、それらはサブ領域として解釈される。第2の物体220の盗難検出のための、第1の物体100の検出領域103は、ここでは、より小さい検出領域1031である。それゆえ、盗難検出を実行するための条件は、より大きいデフォルトの検出領域103ではなく、領域1031に合わせて調整される。そのようにして、盗難検出は、有利には、盗難が発生する場合は常に、より小さい検出領域に関して、より早期に実行されてもよい。この場合、より小さい検出領域1031は、第3の物体330によって、第1の物体100に、特にコントローラ102送信される、命令信号1037によって実装される。第1の物体は、そのような命令信号1037で、検出領域の所望のサイズを受信することが可能である。そのような選好は、盗難検出の分解能を決定する。あるいは、第1の物体、又は特に第1の物体の検出器は、検出領域103のサイズを自律的に変更してもよい。例えば、物体のサイズを自律的に識別し、それに基づき検出領域103を調節することによるものである。
【0097】
図3に示される実施形態では、第2の物体220は自転車であり、第3の物体330はスマートフォンであり、第4の物体440はスマートウォッチである。3つの物体は全て、一体に属している。例えば、スマートフォン(第3の物体330)を所有している人物は、自転車(第2の物体220)を所有しており、自転車の後部上で、スマートウォッチ(第4の物体440)を携行している友人を運んでいる。それゆえ、当該人物及び友人は、自転車上で一体となって移動している。自転車を駐輪するために都市広場に到着すると、盗難検出が所望される。検出領域が、自転車駐輪領域のみに合わせて調整されることを確実にするために、スマートフォンを所有している人物は、盗難検出に関して(駐輪場領域のみをカバーする)より小さい検出領域を実装するように、第1の物体に指示する。あるいは、検出領域は、信号強度に関して検出器によって確実に検出可能な、最小検出領域に対応する、より小さい検出領域に設定されてもよい。
【0098】
代替的実施形態(図示せず)では、第2の物体は、自動車などの別の車両、ボート、オートバイ、又はドローンであってもよく、更には、第2の物体は、代替的に、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、スマート衣類、フィットネストラッカ若しくはフィットネスグラス、ノートブック、タブレット、玩具、家庭用デバイス、テレビ、スマート電球、ゲームコンソール、コンピュータ、又はツールなどの、電子デバイスであってもよく、また更には、第2の物体は、代替的に、宝飾品、高価な衣料品、美術品、人、ペン、又は家庭用機器であってもよい。更には、第3の物体及び第4の物体は、代替的に、キーデバイス、スマートフォン、別のウェアラブル機器、又は、送信機を有するパーソナル電子デバイスであってもよい。
【0099】
図3に示される実施形態を参照すると、第1の物体100は、照明インフラストラクチャの一部、より具体的には、照明器具のセットなどの、スマート屋外照明インフラストラクチャの一部である。第1の物体100は、他の物体と通信するための、追加的な通信技術を備える。第1の物体100の検出器101は、第2の信号201及び第3の信号301が良好に受信可能となるような、検出領域103に対する向きを有する。検出器101は、複数の検出器111、112を含み、これらの検出器111、112の双方とも、第1の物体100によって含まれているが、別個に配置されている(概略的に示される)。複数の検出器のうちの第1の検出器111は、第1の屋外照明器具に配置され、複数の検出器のうちの第2の検出器112は、第2の屋外照明器具に配置されている。複数の検出器のうちの各検出器111、112の検出領域は、物理的に最大の可能な検出領域103を提供する。それゆえ、検出器101のカバー領域は、より大きく、盗難検出は、より大きいスケールで実行されてもよい。更には、(複数の検出器のうちの)第1の検出器111は、(複数の検出器のうちの)第2の検出器112とは異なる配置であるため、検出領域103は、異なる角度及び位置からカバーされており、それゆえ、より有効な検出が提供されてもよい。例えば、QRコードなどの指標信号が認識される必要がある場合には、QRコードを有効に捕捉するための、より多くの視野角を可能にするように、少なくとも2つのカメラを含む検出器が、領域内に異なる角度で、最良に配置されてもよい。又は例えば、無線信号が、混雑した環境内の物体から送信されてもよい場合には、1つの受信機に対する信号のいずれの遮断も、別の受信機によって補償され得るように、複数の受信機を、混雑した環境に対して異なる角度で配置することが、より有効であり得る。
【0100】
図3に示される実施形態を更に参照すると、検出器101、111、112は、第2の物体220の第2の信号221と、第3の物体330の第3の信号331と、第4の物体440の第4の信号441とを検出する。
【0101】
第2の信号221は、盗難検出に特化されている指標信号である。第2の信号221は、自転車(第2の物体220)の表面上のQRコードであってもよい。QRコードは、固定された印刷物上に、又は電子インク様ディスプレイ上に存在してもよい。QRコードは、自転車の固有表現を提供する。検出器101は、QRコードを検出するためのカメラを含む。第3の信号331は、スマートフォン(第3の物体330)の通常のWi-Fiトラフィックとして送信される、Wi-Fi信号である。第3の信号331は、スマートフォンに属している固有の信号として識別可能である。第4の物体440(スマートウォッチ)は、Bluetooth信号である第4の信号441を発信する。検出器101は、この信号を盗難検出のために検出する。第4の信号441及び第3の信号331の双方とも、最初は盗難検出に特化されておらず、当該物体の通常の信号通信トラフィックに属しているが、しかしながら、代替的実施形態では、これらの信号は、盗難検出の目的のための専用の信号、例えば、当該物体の暗号化された固有表現であってもよい。それゆえ、この実施形態では、検出器101は、カメラ、Wi-Fi受信機、及びBluetooth受信機を少なくとも含む。自転車が、QRコードとは別の方式で識別される場合には、カメラは省略されてもよい。検出器出力104は、検出領域1031、及び物理的に最大の可能な検出領域103内の、第2の信号221(画像)、第3の信号331(Wi-Fi)、及び第4の信号441(Bluetooth)の信号通信データを含む。検出器101の複数の検出器のうちの第2の検出器112は、検出器出力を無線接続によって提供する。あるいは、有線接続又は他の通信手段によって提供する。
【0102】
図3に示される実施形態を更に参照すると、部分的に前述されたように、コントローラ102は、検出器出力104を処理するよう構成される。検出器出力104に基づいて、コントローラ102は、(i)第2の信号221、第3の信号331、及び第4の信号441のペアリングと、(ii)第2の信号221が検出領域1031の外に移動している一方で、少なくとも第3の信号331又は第4の信号441が検出領域1031内で検出されていないこととを示す、条件105を識別する。そのような条件105は、盗難検出を示す。コントローラ102は、条件105が識別される場合に、盗難検出アクション106を更に実行する。
【0103】
第2の信号221、第3の信号331、及び第4の信号441のペアリングは、コントローラによって、ペアリングデータベース107にアクセスすることによって識別されてもよい。そのようなペアリングデータベース107は、第2の信号221、第3の信号、及び第4の信号441がペアであるか否かを示すリストを含む。すなわち、これらの(物体を表す)信号が、一体に属しているか否かを示すものである。この場合、ペアリングデータベース107は、第2の物体220の第2の信号221と、第3の物体330の第3の信号331又は第4の物体440の第4の信号441のいずれかとが、あるいは、3つの物体全ての3つの信号の全てが、一体に属していることを示す、リスト内の値を含む。このリストは、許容可能な組み合わせを提供する。
【0104】
そのような値(又は、登録)が、ペアリングデータベース107内に存在しているのは、第3の物体330によって提供されているためである。あるいは、ペアリングデータベース内に許容可能なペアのリストを形成する値は、別の物体又はエンティティによって、最初に与えられるか又は提供される。ペアリングデータベース107は、更新を受信するよう構成される。すなわち、ペアリングデータベース107は、ペアリングデータベース107に対してアクションを実行してもよい、認可された物体によってアクセス可能である。そのような更新は、新たなペアリングデータの登録、又は現在のペアリングデータの削除、又は現在のペアリングデータに対する補正を含んでもよい。それゆえ、ペアリングデータベース107は、データベース値を補正するための入力信号を受信するように構成されてもよい。それゆえ、
図3に示される実施形態を更に参照すると、ペアリングデータベース107は、インターネット接続、例えばWi-Fiによって、第3の物体330によってアクセスされる。第3の物体330は、ペアリングデータベース107のデータベース値を補正するための、入力信号108を送信する。ペアリングデータベース107による、上述の入力信号108の受信の後、ペアリングデータベース107内に含まれるリストが更新され、それにより、ペアリングデータベース107は、第2の物体220の第2の信号221と、第3の物体330の第3の信号331と、第4の物体440の第4の信号441とが、一体に属しており、ペアとしてリスト化されていることを示す、リスト内の値を含む。この場合、値を更新するために、第3の物体330によってペアリングデータベース107にアクセスすることは、無料であるが、しかしながら、代替的実施形態では、そのようなアクティビティは、サービスとして課金されてもよい。
【0105】
コントローラ102は、ペアリングデータベース107にアクセスして、上述のペアリングについての情報を取得するよう構成される。ペアリングデータベース107は、第1の物体100内でローカルにホスティングされている。あるいは、ペアリングデータベース107は、外部サーバ若しくは別個のアクセス可能な記憶デバイス内でホスティングされてもよく、又は、インターネットによってアクセス可能であってもよく、又は、検出領域内の物体内でホスティングされてもよい。更に、コントローラ102は、検出器出力104を分析及び処理することが可能なプロセッサである。コントローラ102は、画像認識技術を提供してもよく、それにより、指標QR信号(第2の信号221)が処理されてもよい。
【0106】
図3に示される実施形態を更に参照すると、盗難検出アクション106は、ペアリングデータベース107内に登録されている第3の物体330(スマートフォン)及び第4の物体440(スマートウォッチ)に通知メッセージを送信する命令を含む、コントローラ102によって提供される警報信号である。あるいは、盗難検出アクション106は、視覚警報、可聴警報、例えば公的機関、他の物体、本発明などの第1の物体の近傍の物体に通知メッセージを送信することなどを含んでもよい。あるいは、盗難検出アクション106は、検出領域103、1031の状況を追跡し続けること、又は、画像を撮影すること、又は、検出領域103内の信号履歴を記録することなどの、監視アクティビティを含んでもよい。
【0107】
それゆえ、簡潔に要約すると、上述の自転車、スマートフォン、及びスマートウォッチは、スマートフォンによって提供される入力信号によって、ペアリングデータベース内にペアとして登録される。スマートフォンはまた、入力信号によって、検出領域がより小さくてもよいことを、第1の物体に示す。それゆえ、盗難検出に関する分解能は、特定の領域に合わせて更に調整される。検出器は、該検出器のカメラによって、自転車上のQRコードを検出し、Wi-Fi受信機及びBluetooth受信機によって、スマートフォン及びスマートウォッチの、Wi-Fi信号及びBluetooth信号を検出することが可能である。自転車が、スマートウォッチ又はスマートフォンの存在を伴うことなく、より小さい検出領域から出て行く場合、盗難が検出され、盗難検出アクションが提供される。この盗難検出アクションは、スマートフォン及びスマートウォッチに通知メッセージを送信することである。
【0108】
図4は、第2の物体2000の盗難を検出することが可能な、盗難検出のためのシステム800の一実施形態を概略的に示し、第2の物体2000は、第2の物体2000を保護するための、第3の物体3000とペアになっている。システム800は、本発明の第1の態様の一実施形態による、第1の物体100を備える。第2の物体2000は、第2の物体2000を保護するための、第3の物体3000とペアリングされている。第2の物体2000は、第2の信号2001を送信するための、第2のビーコン2002を備える。第3の物体3000は、第3の信号3001を送信するための、第3のビーコン3002を備える。そのようなシステムは、本発明による第1の物体100を説明する実施形態で説明されたように、第1の物体100によって、第3の物体3000とペアリング可能な第2の物体2000に関する盗難検出を提供してもよい。
【0109】
第1の物体100は、検出器及びコントローラを備える。検出器は、該検出器の検出領域1003内で送信された場合の、第2の物体2000の第2の信号2001、及び第3の物体3000の第3の信号3001を検出する。検出器は更に、検出器出力104を提供する。コントローラは、検出器出力を処理するよう構成される。検出器出力に基づいて、コントローラは、(i)第2の信号2001と第3の信号3001とのペアリングと、(ii)第2の信号2001が検出領域1003の外に移動している一方で、第3の信号3001が検出領域1003内で検出されていないこととを示す、条件を識別する。コントローラは、その条件が識別される場合に、盗難検出アクションを更に実行する。
【0110】
図4に示される実施形態を参照すると、システム800の第1の物体100は、第2の信号2001及び第3の信号3001が検出領域1003内にペアで移動している場合に、それら第2の信号2001と第3の信号3001とのペアリングを識別する。あるいは、他の実施形態(図示せず)では、システム800内の上述のペアリングは、検出領域1003内での、第2の物体2000と第3の物体3000との他の関係を観察することによって;第3の物体3000の第3の信号3001と第2の物体2000の第2の信号2001とがペアであることを示すための、第3の物体3000によって提供される入力信号を受信することによって;第2の信号2001と前記第3の信号3001とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースにアクセスすることによって;第2の物体2000と第3の物体3000とのペアリングを示す、指標信号を観察することによって;外部サーバから、盗難検出に関する金融取引の登録を受信することであって、該金融取引に関連付けられているペアリングが提供される(それゆえ、「ペアリングに対して支払う」)ことによって、識別されてもよい。上記の代替的実施例では、ペアリングデータベースもまた、システム800内に含まれてもよい。それゆえ、一実施形態(図示せず)では、
図4に示されるシステムは、第2の信号と第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースを更に備える。このリストは、外部入力によって調節可能であることにより、ペアリングは、第3の物体又は別の物体によって提供されてもよい。更には、盗難検出に関する金融取引の登録を提供する、外部サーバが、システム800内に更に含まれてもよい。
【0111】
図4に示される盗難検出のためのシステムの実施形態を更に参照すると、第1の物体100は、屋外照明設備の一部である。第1の物体100は、第2の物体2000の第2の信号2001、及び第3の物体3000の第3の信号3001を受信することにより、盗難検出を提供してもよい。あるいは、第1の物体は、別の照明設備、照明インフラストラクチャの要素、又は屋内照明設備の、一部であってもよい。そのような屋内照明設備は、学生が電子デバイスを置いたままにして、それらのデバイスから離れて時間を費やす、講義室内の天井照明器具であってもよい。それゆえ、盗難検出を必要とする。
【0112】
第2の物体2000は、Wi-Fi信号2001を発信するWi-Fiビーコン2002を有する、自動車である。第3の物体3000は、Bluetooth信号3001を発信するBluetooth送信機3002を有する、スマートウォッチである。あるいは、第2の物体は、自転車、自動車、ボート、オートバイ、飛行機、又はドローンであってもよい。電子デバイスは、例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマート衣類、フィットネストラッカ、又はフィットネスグラスなど)、ノートブック、タブレット、玩具、ドローン、家庭用デバイス、テレビ、スマート電球、ゲームコンソール、コンピュータ、又はツールであってもよい。あるいは、第3の物体は、例えば、電子デバイス、車両、玩具、キーデバイス、パッシブキー、又はウェアラブルデバイスの群からのデバイスであってもよい。
【0113】
第2の信号2001を発信する第2のビーコン2002、及び第3の信号3001を発信する第3のビーコン3002は、あるいは、アンテナ、チップ、又は電子送信デバイスであってもよい。そのようなビーコンは、Wi-Fi、ZigBee、LoRa、Bluetooth、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、可視光通信(VLC)、オーディオによる通信を可能にし得る。
【0114】
図4に示される実施形態を更に参照すると、盗難検出アクションは、第3の物体3000に通知メッセージを送信することを含む。第1の物体100は、このアクションを、外部通信サーバに盗難検出アクション信号を提供することによって実行し、サーバは、その受信された信号を判定して、第3の物体3000にメッセージを送信する命令に従う。それゆえ、盗難検出アクションは、通知メッセージを開始することを含む。あるいは、メッセージは、政府機関に、盗難中に第1の物体の検出領域内で検出された他の物体に、他の同様の第1の物体によって識別された他の物体に、第1の物体の近傍であるが検出領域の外側に存在する他の手段で識別された物体に、盗難の事例を記録している記憶デバイスに、第2の物体の登録所有者のウェアラブルデバイスに、検出されている盗人のデバイスに(盗難を中止するべきメッセージを含んで)、送信されてもよい。更には、盗難検出アクションは、盗難検出中及び盗難検出後の、検出領域1003の監視を含む。第1の物体100内のカメラは、盗難が検出されている間及び検出後の、盗難検出領域の記録を実施する。第1の物体100はまた、近傍の他の同様の第1の物体にも、記録を実施するように信号を送信する(盗難検出アクション)。このことは、証拠の収集を容易にし得る。あるいは、盗難の瞬間に記録媒体が既にアクティブであった場合には、盗難検出アクションは、そのような画像データを上述の記録媒体から収集することを含んでもよい。更に代替的に、第1の物体は、検出領域内の全ての信号が収集され、一時的に記憶される、盗難検出アクションを実行してもよい。盗難検出アクションは、更に、変調された照明強度の形態の、可視警報信号を提供する。第1の物体100は、屋外照明設備の一部であるため、該照明設備は、好ましくは、第2の物体2000が検出領域1003から出て行ったことが検出されている場所に、変調された強度の光を、好ましくは光ビームとして供給する。あるいは、可聴警報が実行されてもよい。あるいは、照明設備はまた、他の盗難検出アクションを実行するように指示されてもよい。
【0115】
あるいは、一実施形態(図示せず)では、
図4の実施形態と部分的に類似している、盗難検出のためのシステムが提供されるが、ただし、システムは、第1の物体と同様の、N個の追加的な第1の物体を備え、Nは2よりも大きい整数である。盗難検出のための上述のシステムは、盗難検出アクションが、より多くの第1の物体、すなわちN個の第1の物体にわたって実行され得るように、同期化されて動作する。
【0116】
一実施形態(図示せず)では、
図4の実施形態と部分的に類似している、盗難検出のためのシステムが提供されるが、ただし、第1の物体は、ドローンの一部であり、第2の物体及び第3の物体は、それぞれ、自動車及びスマートフォンである。
【0117】
一実施形態(図示せず)では、
図4の実施形態と部分的に類似している、盗難検出のためのシステムが提供されるが、ただし、第1の物体は、屋内照明設備の一部であり、第2の物体及び第3の物体は、それぞれ、電子デバイス及びウェアラブルデバイスである。
【0118】
一実施形態(図示せず)では、
図4の実施形態と部分的に類似している、盗難検出のためのシステムが提供されるが、ただし、第1の物体は、盗難検出のための自律デバイスの一部であり、第2の物体及び第3の物体は、それぞれ、車両及びキーデバイスである。
【0119】
一実施形態(図示せず)では、
図4の実施形態と部分的に類似している、盗難検出のためのシステムが提供されるが、ただし、第1の物体は、屋内照明設備の一部であり、第2の物体及び第3の物体は、それぞれ、電子デバイス及びウェアラブルデバイスである。
【0120】
一実施形態(図示せず)では、
図4の実施形態と部分的に類似しているが、追加的に更なるデバイスを備える、盗難検出のためのシステムが提供される。更なるデバイスは、第1の物体から盗難検出アクション信号を受信して、盗難検出アクションを実行する。この場合、更なるデバイスは、第1の物体がその一部である照明設備以外の、更なるスマート照明設備である。更なるスマート照明設備は、盗難が検出される場合に、第1の物体から盗難検出アクション信号を受信して、更なる盗難検出アクションを実行する。更なる盗難検出アクションは、更なるスマート照明設備によって第2の物体の第2の信号が検出される場合に、照明を供給すること、及び、更なるスマート照明設備によって記録されている、盗難検出の瞬間の後の全ての監視データ(画像データ及び信号通信データなど)を記憶することである。このようにして、第2の物体は、更なるデバイスによって追跡されてもよい。
【0121】
図5は、非限定的な実施例による、第2の物体200の盗難検出のための、第1の物体100によって実行される方法900の一実施形態を概略的に示しており、第2の物体200は、第2の物体200を保護するための第3の物体300とペアになっている。
図6は、
図5の実施形態のフローチャートを概略的に示す。当該方法は、複数のステップを含む。第1の物体100内に含まれる検出器101が、第2の物体200の第2の信号201を検出し(202)、第3の物体300の第3の信号301を検出し(302)、双方とも検出器101の検出領域103内で送信されている。検出器101は、続いて、コントローラ102に検出器出力104を提供する(901)。コントローラ102は、検出器出力104を処理することによって、(i)第2の信号201と第3の信号301とのペアリングと、(ii)第2の信号が検出領域103の外に移動している(203)一方で、第3の信号が検出領域103内で検出されていない(303)こととの、双方を示す条件105を識別する(902)。コントローラは、条件105が識別される場合に、盗難検出アクション106を実行する(903)。そのような盗難検出方法は、本発明の第1の態様に関してもまた前述されたように、ペアになっている(それゆえ、一体に属している)2つの物体の盗難検出のための、自律的かつ目立たない方法を提供するものであるため、有利である。
【0122】
図5及び
図6に示される実施形態を参照すると、第2の物体200は、車両、すなわち自動車である。第2の物体200は、Wi-Fi信号を発信する。第3の物体300は、キーデバイス、すなわちスマートウォッチである。あるいは、第3の物体300は、デジタルスマート自動車キーである。第3の物体300は、Bluetooth信号を発信する。スマートウォッチは、自動車を保護して、第1の物体100によって実行される方法900による盗難検出を提供するために、自動車(第2の物体200)とペアリングされている。第1の物体は、照明インフラストラクチャの一部、すなわち、照明ポール上のスマート屋外照明器具の一部である。
【0123】
代替的実施形態(図示せず)では、
図5及び
図6に示される実施形態に部分的に類似している、盗難検出のための方法が提供されるが、当該方法は、第2の信号と第3の信号とがペアであるか否かを示すリストを含む、ペアリングデータベースに、コントローラがアクセスするステップを更に含む。コントローラは、続いて、ペアリングデータベース内で、第2の信号と第3の信号とがペアとしてリスト化されている場合に、第2の信号と第3の信号とのペアリングを識別する。