(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0014 20190101AFI20220511BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20220511BHJP
F24F 13/10 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
F24F1/0014
F24F1/0007 401B
F24F13/20
F24F13/10 E
(21)【出願番号】P 2019556246
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2019080065
(87)【国際公開番号】W WO2020172938
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2019-10-15
(31)【優先権主張番号】201920239558.3
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910143726.3
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】彭代杰
(72)【発明者】
【氏名】陳志航
(72)【発明者】
【氏名】張滔
(72)【発明者】
【氏名】謝鵬
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0209668(US,A1)
【文献】中国実用新案第205351517(CN,U)
【文献】中国実用新案第206669886(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106958866(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107965844(CN,A)
【文献】国際公開第2019/001184(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1633782(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0014
F24F 13/20
F24F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックプレート部材と、
一部が前記バックプレート部材の頂壁に接続されるトップカバー部材と、
パネル部材と、
を含み、
前記パネル部材は、第1パネルと、第2パネルと、開閉板取付板と、開閉板とを含み、
前記第1パネルは前記バックプレート部材の前側に位置し、かつ前記バックプレート部材に接続され、上端が前記トップカバー部材の他の一部に接続され、上下方向に順次配列される第1吹出口及び第2吹出口が設けられ、
前記第2パネルは第1パネルの下に設けられ、前記第1パネルの下端及び前記バックプレート部材にそれぞれ接続され、前記第2パネルと前記第1パネルとは独立して加工された成形部材であり、
前記開閉板取付板は前記第1パネルの後側に設けられ、上下方向に延在するガイド溝が設けられ、
前記開閉板は前記第1パネルと前記開閉板取付板との間に設けられ、前記開閉板取付板に対して上下方向に移動可能であって前記第1吹出口を開閉し、前記開閉板にはガイドコラムが設けられ、前記ガイドコラムは前記ガイド溝内に挿入されて前記ガイド溝に対してスライド可能であ
り、
前記ガイド溝は、少なくとも一部が前記第1パネルに近接する方向に向かって斜め下に延在し、前記ガイドコラムが前記ガイド溝の傾斜部分までスライドしたとき、前記開閉板は前記第1吹出口を閉じる、
ことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
位置制限接続部材をさらに含み、
前記位置制限接続部材の一端が前記開閉板取付板にスライド可能に設けられ、前記位置制限接続部材の他端が前記開閉板に回動可能に設けられ、前記位置制限接続部材により前記開閉板を連動して移動させる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
駆動機構をさらに含み、
前記駆動機構は前記位置制限接続部材に接続され、前記位置制限接続部材がスライドして前記開閉板を連動して移動させるように、前記位置制限接続部材を駆動する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記駆動機構は、
前記開閉板取付板に設けられる駆動部材と、
前記駆動部材に接続され、前記駆動部材により駆動されて回動する駆動ギアと、
前記位置制限接続部材に接続され、前記駆動ギアと噛み合って前記位置制限接続部材を駆動してスライドさせるラックと、
を含む、
ことを特徴とする請求項
3に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記第1パネルの前記バックプレート部材に向いている側に係合フックが設けられ、前記バックプレート部材に前記係合フックを挿入可能な係合バックルが設けられる、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記係合フックが水平延在セクション及び鉛直延在セクションを含み、前記水平延在セクションの一端が前記第1パネルに設けられ、前記水平延在セクションの他端が前記鉛直延在セクションの上端に接続され、前記鉛直延在セクションの下端が前記係合バックル内に挿入可能である、
ことを特徴とする請求項
5に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記係合バックルは、中空構造に形成されている、
ことを特徴とする請求項
5に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
前記第1パネルの前記バックプレート部材に向いている側の頂部に、前記バックプレート部材に向かって延在する延在部が設けられ、前記延在部の下端に位置決めコラムが設けられ、前記バックプレート部材の頂部に位置決め穴が設けられ、前記位置決めコラムが前記位置決め穴内に挿入可能である、
ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項9】
前記延在部に第1係合穴が設けられ、前記バックプレート部材に第2係合穴が設けられ、前記第2係合穴と前記第1係合穴とが正対して設置され、前記空気調和機の室内機が第1接続部材をさらに含み、前記第1接続部材が前記第1係合穴及び前記第2係合穴を貫通して前記第1パネルと前記バックプレート部材とを接続する、
ことを特徴とする請求項
8に記載の空気調和機の室内機。
【請求項10】
前記第1パネルの前記バックプレート部材に向いている側の底部に、前記バックプレート部材に向かって延在する位置決めピンが設けられ、前記バックプレート部材に位置決めジャックが設けられ、前記位置決めピンが前記位置決めジャック内に挿入可能である、
ことを特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項11】
前記第1パネルに第3係合穴が設けられ、前記第3係合穴が前記位置決めピンに近接して設けられ、前記バックプレート部材に第4係合穴が設けられ、前記第4係合穴と前記第3係合穴とが正対して設置され、前記空気調和機の室内機が第2接続部材をさらに含み、前記第2接続部材が前記第3係合穴及び前記第4係合穴を貫通して前記第1パネルと前記バックプレート部材とを接続する、
ことを特徴とする請求項
10に記載の空気調和機の室内機。
【請求項12】
前記パネル部材は開閉部材をさらに含み、前記開閉部材が前後に移動可能であって前記第2吹出口を開閉し、前記開閉部材が前方へ第2吹出口の前側まで移動したとき、前記開閉部材が前記第2吹出口を開く、
ことを特徴とする請求項1~
11のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項13】
前記第1パネルの頂部には間隔をあけて配置される複数の第1補強リブが設けられる、
ことを特徴とする請求項1~
12のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項14】
前記第1パネルの外観面は曲面に形成されている、
ことを特徴とする請求項1~
13のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が201920239558.3、201910143726.3、出願日が2019年2月25日である中国特許出願に基づいて提出され、2つの該中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てを参照として本願に援用する。
【0002】
本願は空気処理装置の分野に関し、特に空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の空気調和機の室内機の製品において、パネル部材のフロントパネルはほとんどが一体成形された部品であり、製造工程において射出成形金型のサイズが大きく、コストが高い。同時に、フロントパネルの射出成形に長い時間が必要で、パネル部材の生産効率に影響を及ぼす。また、フロントパネルは変形量も大きく、廃棄率が高くなる。一方、空気調和機の室内機においてパネル部材の吹出口を開閉するための開閉板の動作が十分に安定しておらず、空気調和機の室内機の信頼性にある程度の影響を与える。同時に、空気調和機の室内機の送風形式が単一で、ユーザーの使用ニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
本願は、従来の技術に存在する技術的問題の少なくとも一つを解決することを意図している。したがって、本願の目的は、パネル部材の製造コストが低く、生産効率が高く、歩留まりが高いとともに、開閉板が安定した動作を有し、空気調和機の室内機の信頼性を向上させ、異なる送風効果を実現可能で、ユーザーの使用ニーズをある程度満たす空気調和機の室内機を提供することである。
【0005】
本願の実施例に係る空気調和機の室内機は、バックプレート部材と、一部が前記バックプレート部材の頂壁に接続されるトップカバー部材と、パネル部材と、を含み、前記パネル部材は、第1パネルと、第2パネルと、開閉板取付板と、開閉板とを含み、前記第1パネルは前記バックプレート部材の前側に位置し、かつ前記バックプレート部材に接続され、上端が前記トップカバー部材の他の一部に接続され、上下方向に順次配列される第1吹出口及び第2吹出口が設けられ、前記第2パネルは第1パネルの下に設けられ、前記第1パネルの下端及び前記バックプレート部材にそれぞれ接続され、前記第2パネルと前記第1パネルとは独立して加工された成形部材であり、前記開閉板取付板は前記第1パネルの後側に設けられ、上下方向に延在するガイド溝が設けられ、前記開閉板は前記第1パネルと前記開閉板取付板との間に設けられ、前記開閉板取付板に対して上下方向に移動可能であって前記第1吹出口を開閉し、前記開閉板にはガイドコラムが設けられ、前記ガイドコラムは前記ガイド溝内に挿入されて前記ガイド溝に対してスライド可能である。
【0006】
本願の実施例に係る空気調和機の室内機は、パネル部材が独立して成形された第1パネル及び第2パネルを含むことにより、パネル部材の製造に必要な金型のサイズ及びコストをある程度削減することができ、パネル部材の射出成形に必要な冷却及び固化時間を短縮することができ、パネル部材の生産効率を向上させる。同時に、第1パネル及び第2パネルのサイズが大きいことにより変形量が大きいという問題を、ある程度回避することができ、第1パネル及び第2パネルの歩留まりを向上させる。第1パネルに第1吹出口及び第2吹出口を上下方向に順次配置させることにより、異なる送風効果を達成し、ユーザーの使用ニーズをある程度満たすことができる。空気調和機の室内機の吹出効率を向上させ、空気調和機の室内機の送風範囲を広めることもできる。パネル部材が開閉板取付板及び開閉板を含むことにより、開閉板が開閉板取付板に対して移動可能であり第1吹出口を開閉するとともに、開閉板取付板にガイド溝が設けられ、開閉板にガイドコラムが設けられ、ガイドコラムがガイド溝内に挿入されてガイド溝に対してスライド可能である。これにより、空気調和機の室内機に対し、一定の密閉の役割を果たし、室内の塵埃などの粒子が第1吹出口から空気調和機の室内機の内部に侵入することを防止することができる。同時に、開閉板と開閉板取付板の係合構造をより強固にし、開閉板の動作をより安定させ、パネル部材の信頼性を向上させ、空気調和機の室内機の信頼性を向上させることができる。
【0007】
本願のいくつかの実施例によれば、前記ガイド溝の少なくとも一部が前記第1パネルに近接する方向に向かって斜め下に延在し、前記ガイドコラムが前記ガイド溝の傾斜部分までスライドしたとき、前記開閉板が前記第1吹出口を閉じる。
【0008】
本願のいくつかの実施例では、前記空気調和機の室内機はさらに位置制限接続部材を含み、前記位置制限接続部材の一端が前記開閉板取付板にスライド可能に設けられ、前記位置制限接続部材の他端が前記開閉板に回動可能に設けられ、前記位置制限接続部材により、前記開閉板を連動して移動させる。
【0009】
空気調和機の室内機はさらに駆動機構をさらに含み、前記駆動機構は前記位置制限接続部材に接続され、前記位置制限接続部材がスライドして前記開閉板を連動して移動させるように、前記位置制限接続部材を駆動する。
【0010】
具体的に、前記駆動機構は、前記開閉板取付板に設けられる駆動部材と、前記駆動部材に接続され、前記駆動部材により駆動されて回動する駆動ギアと、前記位置制限接続部材に接続され、前記駆動ギアと噛み合って前記位置制限接続部材を駆動してスライドさせるラックと、を含む。
【0011】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1パネルの前記バックプレート部材に向いている側に係合フックが設けられ、前記バックプレート部材に前記係合フックを挿入可能な係合バックルが設けられる。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記係合フックが水平延在セクション及び鉛直延在セクションを含み、前記水平延在セクションの一端が前記第1パネルに設けられ、前記水平延在セクションの他端が前記鉛直延在セクションの上端に接続され、前記鉛直延在セクションの下端が前記係合バックル内に挿入可能である。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記係合バックルは、中空構造に形成されている。
【0014】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1パネルの前記バックプレート部材に向いている側の頂部に前記バックプレート部材に向かって延在する延在部が設けられ、前記延在部の下端に位置決めコラムが設けられ、前記バックプレート部材の頂部に位置決め穴が設けられ、前記位置決めコラムが前記位置決め穴内に挿入可能である。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記延在部に第1係合穴が設けられ、前記バックプレート部材に第2係合穴が設けられ、前記第2係合穴と前記第1係合穴とが正対して設置され、前記空気調和機の室内機はさらに第1接続部材を含み、前記第1接続部材が前記第1係合穴及び前記第2係合穴を貫通して前記第1パネルと前記バックプレート部材とを接続する。
【0016】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1パネルの前記バックプレート部材に向いている側の底部に前記バックプレート部材に向かって延在する位置決めピンが設けられ、前記バックプレート部材に位置決めジャックが設けられ、前記位置決めピンが前記位置決めジャック内に挿入可能である。
【0017】
本願のいくつかの実施例では、前記第1パネルに第3係合穴が設けられ、前記第3係合穴が前記位置決めピンに近接して設けられ、前記バックプレート部材に第4係合穴が設けられ、前記第4係合穴と前記第3係合穴とが正対して設置され、前記空気調和機の室内機はさらに第2接続部材を含み、前記第2接続部材が前記第3係合穴及び前記第4係合穴を貫通して前記第1パネルと前記バックプレート部材とを接続する。
【0018】
本願のいくつかの実施例によれば、前記パネル部材はさらに開閉部材を含み、前記開閉部材が前後に移動可能であって前記第2吹出口を開閉し、前記開閉部材が前方へ第2吹出口の前側まで移動したとき、前記開閉部材が前記第2吹出口を開く。
【0019】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1パネルの頂部には間隔をあけて配置される複数の第1補強リブが設けられる。
【0020】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1パネルの外観面は曲面に形成されている。
【0021】
本願の追加の態様及び利点は、以下の説明において部分的に提供され、一部が以下の説明から明らかになるか、又は本願の実践から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から明らかになり、理解しやすくなる。
【
図1】
図1は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の概略図である。
【
図2】
図2は本願のいくつかの実施例に係るパネル部材の部分分解図である。
【
図4】
図4は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の部分分解図である。
【
図7】
図7は本願のいくつかの実施例に係る第2パネルの概略図である。
【
図8】
図8は本願のいくつかの実施例に係る第1パネルの概略図である。
【
図9】
図9は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の断面図である。
【
図11】
図11は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の部分概略図である。
【
図16】
図16は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の部分概略図である。
【
図20】
図20は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の部分分解図である。
【
図21】
図21は本願のいくつかの実施例に係る空気調和機の室内機の部分構造の拡大図である。
【
図22】
図22は本願のいくつかの実施例に係る第2パネルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は、図面に示され、同じ又は類似した符号は、一貫して同じ又は類似した素子或いは同じ又は類似した機能を有する素子を示す。以下、図面を参照しながら説明する実施例は、例示的なものであり、本願を解釈することを意図するが、本願を制限するものとして理解すべきではない。
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら本願の実施例に係る空気調和機の室内機100を説明するが、空気調和機の室内機100は壁掛型又は床置型であってもよい。
【0025】
図1及び
図2に示すように、本願の実施例に係る空気調和機の室内機100は、バックプレート部材1、トップカバー部材5及びパネル部材2を含む。
【0026】
具体的には、トップカバー部材5の一部はバックプレート部材1の頂壁に接続される。パネル部材2は第1パネル21、第2パネル22、開閉板取付板23及び開閉板24を含む。
【0027】
第1パネル21の上端はトップカバー部材5の他の一部に接続される。したがって、トップカバー部材5はそれぞれバックプレート部材1及び第1パネル21に接続されることが分かる。
【0028】
第1パネル21がバックプレート部材1の前側に設けられかつバックプレート部材1に接続され、第1パネル21に上下方向に沿って順次配列した第1吹出口211a及び第2吹出口211bが設けられる。第2パネル22が第1パネル21の下に設けられ、第2パネル22がそれぞれ第1パネル21の下端及びバックプレート部材1に接続され、第2パネル22及び第1パネル21は独立して加工された成形部材である。したがって、第1パネル21はそれぞれトップカバー部材5、バックプレート部材1及び第2パネル22に接続されることが分かる。これにより、第1パネル21の位置の信頼性を確保することができる。第1パネル21が第2パネル22の上側に設けられ、第1パネル21に第1吹出口211a及び第2吹出口211bが設けられ、これにより空気調和機の室内機100がパネル部材2の上側から風を吹き出す。即ち、本願の実施例に係る空気調和機の室内機100は第1吹出口211a及び第2吹出口211bを介して室内空間に同時に送風してもよく、第1吹出口211aを介して独立して送風してもよく、第2吹出口211bから独立して送風してもよく、異なる送風効果を達成し、室内環境の快適性を改善し、ユーザーの使用ニーズにある程度対応できる。また、空気調和機の室内機100の吹出効率を向上させ、空気調和機の室内機100の送風範囲を広めることができる。
【0029】
第1パネル21は第2パネル22とともにパネル部材2のフロントパネルを構成することも分かる。したがって、従来技術における一体的に形成されたフロントパネルと比較して、本願の実施例に係る空気調和機の室内機100において、パネル部材2の製造に必要な金型のサイズ及びコストをある程度削減することができ、第1パネル21及び第2パネル22の射出成形時間がより短く、即ちパネル部材2の射出成形に必要な冷却及び固化時間を短縮することができ、パネル部材の生産効率が向上する。同時に、第1パネル21及び第2パネル22は独立して成形されるため、第1パネル21および第2パネル22のサイズが大きくて変形量が大きい問題を回避し、第1パネル21及び第2パネル22の歩留まりをさらに高めることができる。
【0030】
開閉板取付板23が第1パネル21の後側に設けられ、開閉板取付板23にガイド溝231が設けられる。開閉板24が第1パネル21と開閉板取付板23との間に設けられ、開閉板24が開閉板取付板23に対して移動可能であり第1吹出口211aを開閉する。開閉板24にガイドコラム241が設けられ、ガイドコラム241がガイド溝231内に挿入されてガイド溝231に対してスライド可能である。これにより、空気調和機の室内機100が動作し始めるとき、開閉板24が開閉板取付板23に対して順方向(例えば上方へ)に移動して第1吹出口211aを開くことができ、熱交換が完了した熱交換気流が、第1吹出口211aを通じて室内空間に循環することができる。空気調和機の室内機100の動作が停止するとき、開閉板24が開閉板取付板23に対して逆方向(例えば下へ)に移動して第1吹出口211aを閉じることができ、したがって、第1吹出口211aに対して、一定の密閉役割を果たし、室内の塵埃などの粒子が第1吹出口211aから空調室内機100の内部に侵入することを防止する。
【0031】
ガイドコラム241とガイド溝231とを配置することにより、ガイドコラム241をガイド溝231内に挿入可能であり、開閉板24が開閉板取付板23に対して移動するとき、ガイドコラム241がガイド溝231とスライド可能に係合することができる。開閉板24と開閉板取付板23との係合構造をより強固にし、開閉板24の動作をより安定させる。パネル部材2の信頼性を向上させ、空気調和機の室内機100の信頼性を向上させる。
【0032】
本願の実施例に係る空気調和機の室内機100は、パネル部材2が独立して成形された第1パネル21及び第2パネル22を含むことにより、パネル部材2の製造に必要な金型のサイズ及びコストをある程度削減することができ、パネル部材2の射出成形に必要な冷却及び固化時間を短縮することができ、パネル部材の生産効率を向上させる。同時に、第1パネル21及び第2パネル22のサイズが大きいことにより変形量が大きいという問題を回避し、第1パネル21及び第2パネル22の歩留まりをさらに高めることができる。第1パネル21に上下方向に順次に配列される第1吹出口211a及び第2吹出口211bが設けられる。異なる送風効果を実現可能で、空気調和機の室内機100の吹出効率を高め、空気調和機の室内機100の送風範囲を広めることができる。パネル部材2が開閉板取付板23及び開閉板24を含むことにより、開閉板24が開閉板取付板23に対して移動可能であり第1吹出口211aを開閉するとともに、開閉板取付板23にガイド溝231が設けられ、開閉板24にガイドコラム241が設けられ、ガイドコラム241がガイド溝231内に挿入されてガイド溝231に対しスライド可能である。これにより、空気調和機の室内機100に対して一定の密閉の役割を果たし、室内の塵埃などの粒子が、第1吹出口211aから空調室内機100の内部に侵入することを防止する。同時に、開閉板24と開閉板取付板23との係合構造をより強固にし、開閉板24の動作をより安定させ、パネル部材2の信頼性を向上させ、空気調和機の室内機100の信頼性を向上させることができる。
【0033】
図3に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、ガイド溝231の少なくとも一部が第1パネル21に近づくように斜め下に向かって延在し、ガイドコラム241がガイド溝231の傾斜部分までスライドしたとき、開閉板24が第1吹出口211aを閉じる。したがって、開閉板24が開閉板取付板23に対して上方へ移動し、第1吹出口211aを開け、開閉板24が開閉板取付板23に対して
下方へ移動し、第1吹出口211aを閉じることが分かる。開閉板24が第1吹出口211aを閉じるとき、開閉板24が開閉板取付板23に対して下へ移動して最後に前下へ移動する。
【0034】
例えば、
図3に示すように、ガイド溝231は第1ガイド部231a及び第2ガイド部231bを含んでもよい。第1ガイド部231aが上下方向に鉛直延在してもよく、第2ガイド部231bが第1ガイド部231aの下に設けられてもよく、第2ガイド部231bが第1吹出口211aに近づくように斜め下に向かって延在してもよい。開閉板24が第1吹出口211aを閉じるとき、開閉板24がまず第1ガイド部231aに沿って上から下へスライドすることができる。開閉板24が第2ガイド部231bまでスライドしたとき、第2ガイド部231bが開閉板24をガイドして第1吹出口211aに近づくようにスライドさせ、開閉板24と第1吹出口211aとの間の距離を短縮することができる。これにより、上記配置により、開閉板24と第1吹出口211aとの間の密閉効果を向上させるとともに、開閉板24の動作抵抗を軽減し、開閉板24の動作をより順調にする。
【0035】
必要に応じて、
図2に示すように、ガイド溝231が2つ設けられてもよく、2つのガイド溝231が開閉板取付板23の幅方向に間隔をあけて配置されてもよく、開閉板24の左右側壁にそれぞれガイドコラム241が設けられてもよく、例えば、各側に2つずつ設けられる。開閉板24と開閉板取付板23とを組み立てるとき、開閉板24の左右側壁におけるガイドコラム241がそれぞれ対応するガイド溝231内に挿入可能であり、開閉板24と開閉板取付板23との間の多点接続を達成し、開閉板24の動作をより安定させることができる。
【0036】
本願のいくつかの実施例では、
図21に示すように、空気調和機の室内機100はさらに位置制限接続部材6を含み、位置制限接続部材6の一端が開閉板取付板23にスライド可能に設けられ、位置制限接続部材6の他端が開閉板24に回動可能に設けられかつ位置制限接続部材6により開閉板24を移動させる。このことから、開閉板24が開閉板取付板23に対して移動して第1吹出口211aを開閉し、かつ位置制限接続部材6に連動して移動することが分かる。
【0037】
さらに、
図2に示すように、空気調和機の室内機100はさらに駆動機構40を含み、駆動機構40が位置制限接続部材6に接続され、位置制限接続部材6を駆動してスライドさせることにより、開閉板24を連動して移動させる。したがって、開閉板24が第1吹出口211aを開閉することは、駆動機構40により位置制限接続部材6がスライドするように駆動され、位置制限接続部材6により開閉板24を移動させることにより達成されたことが分かる。これにより、開閉板24の自動的な制御を達成し、空気調和機の室内機100の使用をより容易にする。例えば、駆動機構40と空気調和機のリモコンとが通信接続され、空気調和機のリモコンを操作して、駆動機構40の動作状態を制御し、第1吹出口211aを自動的に開閉する。
【0038】
具体的に、
図2に示すように、駆動機構40は、駆動部材(図示せず)、駆動ギア401及びラック402を含む。駆動部材は開閉板取付板23に設けられる。駆動ギア401は駆動部材と接続して駆動部材により回転される。ラック402と位置制限接続部材6とが接続され、ラック402と駆動ギア401とが噛み合って位置制限接続部材6をスライドさせる。したがって、上記配置により、駆動機構40の構造設計をより簡単にすることができる。さらに、ラック402アンドピニオン機構の動作はより安定的で、開閉板24の動作安定性を改善することができる。
【0039】
必要に応じて、駆動部材はステッピングモータであってもよく、ステッピングモータは、動作上安定的で、その回転角度及び回転数を正確に制御することができ、これにより、駆動部材の回転数を制御することによって、開閉板24の移動変位を正確に制御し、したがって、開閉板24が第1吹出口211aを完全に開閉することができる。
【0040】
図2に示される具体的な例では、駆動ギア401はさらに駆動ギア401a及び従動ギア401bを含み、駆動ギア401aが駆動部材と接続して駆動部材により回転され、従動ギア401bが同時に駆動ギア401a及びラック402と噛み合い、従動ギア401bが動力を伝達することができ、これにより、駆動ギア401aと従動ギア401bとが互いに係合してラック402の動作速度を調整し、ラック402の動作安定性を向上させることができる。
【0041】
本願のいくつかの実施例によれば、
図8に示すように、第1パネル21のバックプレート部材1に向いている側に係合フック218が設けられ、
図11及び
図12に示すように、バックプレート部材1に係合フック218を挿入可能な係合バックル15が設けられる。このことから、第1パネル21は係合フック218と係合バックル15との係合により、バックプレート部材1に接続されることが分かる。第1パネル21とバックプレート部材1との接続方式をより簡単化、確実にする。
【0042】
図15に示すように、本願のいくつかの実施例では、係合フック218は水平延在セクション218a及び鉛直延在セクション218bを含み、水平延在セクション218aの一端が第1パネル21に設けられ、水平延在セクション218aの他端が鉛直延在セクション218bの上端に接続され、鉛直延在セクション218bの下端が係合バックル15内に挿入可能である。したがって、係合フック218は略「7」字形構造に形成され、係合フック218の構造がシンプルで、製造しやすい。第1パネル21とバックプレート部材1とを係合させるとき、鉛直延在セクション218bの下端と係合バックル15とを係合し、第1パネル21を下へプッシュし、鉛直延在セクション218bを係合バックル15内に全部挿入して係合バックル15に確実に引っ掛ける。係合フック218と係合バックル15との係合により、予備的位置決めの役割を果たし、第1パネル21とバックプレート部材1との係合接続をより確実にし、空気調和機の室内機100の信頼性を向上させることができる。
【0043】
本願のいくつかの実施例では、
図15に示すように、係合バックル15は、中空構造に形成される。したがって、係合フック218の強度を向上させ、第1パネル21とバックプレート部材1との接合部の強度を向上させるとともに、第1パネル21の材料使用量を削減させ、コストを削減させる。
【0044】
本願のいくつかの実施例によれば、
図4及び
図10に示すように、第1パネル21のバックプレート部材1に向いている側の頂部に、バックプレート部材1に向かって延びている延在部215が設けられ、延在部215の下端に位置決めコラム215aが設けられ、
図11及び
図12に示すように、バックプレート部材1の頂部に位置決め穴11が設けられ、位置決めコラム215aが位置決め穴11内に挿入可能である。このことから、第1パネル21は位置決めコラム215aと位置決め穴11との係合によりバックプレート部材1に接続されることが分かる。係合による接続方式は簡単で、操作しやすく、第1パネル21がバックプレート部材1に接続される確実性を向上させる。
【0045】
本願のいくつかの実施例では、
図10に示すように、延在部215に第1係合穴215bが設けられ、
図12に示すように、バックプレート部材1に第2係合穴12が設けられ、第2係合穴12と第1係合穴215bとが正対して設置され、空気調和機の室内機100はさらに第1接続部材を含み、第1接続部材が第1係合穴215b及び第2係合穴12を貫通して第1パネル21及びバックプレート部材1に接続される。このことから、第1接続部材を第1係合穴215b及び第2係合穴12に貫通させる前に、延在部215における位置決めコラム215aを、バックプレート部材1における位置決め穴11内に挿入させ、バックプレート部材1に対する延在部215の位置を実質的に安定させることができ、このとき、第1係合穴215bが第2係合穴12に正対し、第1接続部材が第1係合穴215b及び第2係合穴12を貫通しやすく、第1パネル21とバックプレート部材1との間の組み立て効率を高めることが分かる。
【0046】
本願のいくつかの実施例によれば、
図8及び
図13に示すように、第1パネル21のバックプレート部材1に向いている側の底部に、バックプレート部材1に向かって延びている位置決めピン216が設けられ、
図4及び
図14に示すように、バックプレート部材1に位置決めジャック13が設けられ、位置決めピン216が位置決めジャック13内に挿入可能である。このことから、位置決めピン216と位置決めジャック13との係合により、第1パネル21の底部がバックプレート部材1に接続され、接続方式が簡単で、確実であり、着脱しやすいことが分かる。同時に、位置決めピン216も一定の予備的位置決めの役割を果たし、第1パネル21とバックプレート部材1との組み立て効率を高める。
【0047】
本願のいくつかの実施例では、
図13に示すように、第1パネル21に第3係合穴217が設けられ、第3係合穴217が位置決めピン216に近接して設けられ、
図14に示すように、バックプレート部材1に第4係合穴14が設けられ、第4係合穴14が第3係合穴217と正対して設置され、空気調和機の室内機100が第2接続部材をさらに含み、第2接続部材が第3係合穴217及び第4係合穴14を貫通して第1パネル21及びバックプレート部材1に接続される。このことから、第2接続部材を第3係合穴217及び第4係合穴14から貫通する前に、まず第1パネル21における位置決めピン216をバックプレート部材1における位置決めジャック13内に挿入し、バックプレート部材1に対する第1パネル21の位置を実質的に安定させ、このとき、第3係合穴217が第4係合穴14に正対し、第2接続部材が第3係合穴217及び第4係合穴14を貫通しやすく、第1パネル21とバックプレート部材1との組み立て効率を向上させることができる。同時に、第1パネル21の底部をバックプレート部材1に安定して接続させる。
【0048】
図2に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、パネル部材2はさらに開閉部材25を含み、開閉部材25が前後に移動可能であり、第2吹出口211bを開閉し、開閉部材25が前方へ第2吹出口211bの前側まで移動したとき、開閉部材25が第2吹出口211bを開く。これにより、開閉部材25が前方へ第2吹出口211bの前側まで移動したとき、第2吹出口211bを開けて送風機能を実現することが分かる。開閉部材25が後方へ第2吹出口211b又は第2吹出口211bの後側まで移動したとき、第2吹出口211bを閉じる。これにより、第2吹出口211bに対し一定の密閉の役割を果たし、室内の埃などの粒子が第2吹出口211bから空気調和機の室内機100の内部に侵入することを防止する。
【0049】
図8及び
図10に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、第1パネル21の頂部に間隔をあけて配置される複数の第1補強リブ214が設けられる。したがって、第1パネル21の頂部の強度を高め、第1パネル21の頂部とバックプレート部材1とが接続されるとき、バックプレート部材1に設けられる第1パネル21の安定性も向上させ、空気調和機の室内機100の信頼性を向上させることができる。
【0050】
図1に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、第1パネル21の外観面は曲面に形成される。第1パネル21の強度を高め、空気調和機の室内機100の信頼性及び外観の美観を改善することができる。
【0051】
以下、本発明の一具体的な実施例に係る空気調和機の室内機100の構造について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明が例示に過ぎず、当業者は本願の以下の技術的解決手段を読んだ後、そのうちの技術的解決手段又は技術的特徴の一部を組み合わせ、置換又は修正することができ、これも本願により要求される保護範囲内にある。
【0052】
図1及び
図9に示すように、本願の実施例に係る空気調和機の室内機100は床置型に構成される。空気調和機の室内機100はバックプレート部材1、パネル部材2、トップカバー部材5、ファン20、電気制御装置30及び駆動機構40を含む。
【0053】
具体的には、パネル部材2がバックプレート部材1の前側に設けられ、かつバックプレート部材1と係合して接続される。
【0054】
図1及び
図4に示すように、パネル部材2は独立して成形された第1パネル21及び第2パネル22を含み、第1パネル21と第2パネル22とが取り外し可能に接続される。第1パネル21及び第2パネル22は上下方向に順次配列してそれぞれバックプレート部材1に接続される。
【0055】
図8及び
図20に示すように、第1パネル21の底部が後および下へ折り返されて接続板212を画定する。これにより、接続板212の前面及び第1パネル21の前面が階段面に形成される。接続板212に間隔をあけて配置される2つの係止溝212bがあり、
図5に示すように、接続板212の左右方向の両端にそれぞれガイドジャック212aが設けられる。
図7に示すように、第2パネル22の頂部の後面に、延在方向が第2パネル22の延在方向と同一な固定板221が設けられ、固定板221の左右両端がそれぞれ前に折り返されてそれぞれ2つのガイドピン221aを画定し、ガイドピン221aは対応するガイドジャック212a内に挿入され、第1パネル21と第2パネル22との間の相対位置を位置決めしやすい。
図7に示すように、固定板221の後面に間隔をあけて配置される2つの係合突起221bがあり、2つの係合突起221bは接続板212における2つの係止溝212bと1つずつ対応して設けられ、各係合突起221bが対応する係止溝212bと係合される。したがって、第2パネル22が第1パネル21における接続板212と係合して接続され、組み立てられた後、第2パネル22の前壁面が第1パネル21の前壁面と面一になることが分かる。第1パネル21と第2パネル22との係合による接続方式は簡単で、操作しやすく、取り外しやすいとともに、第1パネル21及び第2パネル22からなる外観面をより美観にすることができる。
【0056】
図7、
図22及び
図23に示すように、第2パネル22の後面下部に第1支持板223が設けられ、第1支持板223の延在方向と第2パネル22の延在方向とが同一であり、第1支持板223に下へ延在する係合ピン223aが設けられる。
図23に示すように、第1支持板223の前面と第2パネル22の後面との間にキャビティが設けられ、キャビティ内に複数の第2補強リブ224が設けられ、各第2補強リブ224の両端がそれぞれ第1支持板223、第2パネル22に接続され、各第2補強リブ224における、第2パネル22との接続位置に第1薄肉領域aが設けられる。第2補強リブ224と第2パネル22との接続位置が射出成形中に収縮することを効果的に防止することができ、第2パネル22の変形をさらに防止し、外観の美観性を改善し、第2パネル22の全体的な強度を向上させるとともに、第2パネル22射出成形の収量を高める。
【0057】
図8及び
図10に示すように、第1パネル21の後面頂部に第2支持板213が設けられ、第2支持板213の延在方向と第2パネル22の延在方向とは同じである。第2支持板213の前面と第1パネル21の後面との間にキャビティが設けられ、キャビティ内に複数の第1補強リブ214が設けられ、各第1補強リブ214の両端がそれぞれ第2支持板213、第1パネル21に接続され、各第1補強リブ214における、第1パネル21との接続位置に第2薄肉領域bが設けられる。
【0058】
具体的には、
図6及び
図7に示すように、固定板221の前面と第2パネル22の後面との間にキャビティが設けられ、キャビティ内に複数の第3補強リブ222が設けられ、各第3補強リブ222の両端がそれぞれ固定板221、第2パネル22に接続され、
図6に示すように、各第3補強リブ222における、第2パネル22との接続位置に第3薄肉領域cが設けられる。したがって、第3補強リブ222と第2パネル22との接続位置の射出成形工程で使用される材料の量をある程度減らすことができ、第3補強リブ222と第2パネル22との接続位置の射出成形中の収縮現象を効果的に防止し、第2パネル22の変形を防ぎ、外観の美観性を改善し、第2パネル22の全体的な強度を向上させるとともに、第2パネル22の射出成形の歩留まりを向上する。
【0059】
図7に示すように、第2パネル22の後面に間隔をあけて配置される複数の第4補強リブ227があり、第2パネル22の構造強度及び信頼性を向上させ、空気調和機の室内機100の信頼性を向上させることができる。
【0060】
図8及び
図10に示すように、第1パネル21の後面頂部に、バックプレート部材1に向かって延びている延在部215が設けられ、延在部215が2つあって第2支持板213の両端に設けられる。各延在部215の下端に位置決めコラム215aが設けられる。
図11及び
図12に示すように、バックプレート部材1の頂部に各位置決めコラム215aと対応する位置決め穴11が設けられ、位置決めコラム215aが対応する位置決め穴11内に挿入される。
図10に示すように、各延在部215に第1係合穴215bが設けられ、
図12に示すように、バックプレート部材1に第2係合穴12が設けられ、第2係合穴12が第1係合穴215bと正対して設置され、ねじが第1係合穴215b及び第2係合穴12を貫通して第1パネル21及びバックプレート部材1に接続される。
【0061】
図8及び
図13に示すように、第1パネル21の後面底部に、バックプレート部材1に向かって延びている位置決めピン216が設けられる。
図4及び
図14に示すように、バックプレート部材1に位置決めジャック13が設けられ、位置決めピン216が位置決めジャック13内に挿入可能である。
図13に示すように、第1パネル21に第3係合穴217が設けられ、第3係合穴217が位置決めピン216に近接して設けられ、
図14に示すように、バックプレート部材1に第4係合穴14が設けられ、第4係合穴14と第3係合穴217とが正対して設置され、ねじが第3係合穴217及び第4係合穴14を貫通して第1パネル21及びバックプレート部材1に接続される。
【0062】
図8及び
図15に示すように、第1パネル21の後面に係合フック218が設けられ、
図11及び
図12に示すように、バックプレート部材1に係合フック218を挿入可能な係合バックル15が設けられる。具体的には、
図15に示すように、係合フック218は水平延在セクション218a及び鉛直延在セクション218bを含み、水平延在セクション218aの一端が第1パネル21に設けられ、水平延在セクション218aの他端が鉛直延在セクション218bの上端に接続され、鉛直延在セクション218bの下端が係合バックル15内に挿入可能である。さらに、係合バックル15は、中空構造に形成されている。
【0063】
図11に示すように、空気調和機の室内機100は吹出枠部材50をさらに含み、吹出枠部材50がバックプレート部材1に接続され、吹出枠部材50にも係合バックル15が設けられている。係合フック218は複数あってそのうちの
二つがバックプレート部材1における係合バックル15と係合され、他の係合フック218が吹出枠部材50における係合バックル15と係合される。
【0064】
図4に示すように、空気調和機の室内機100は底板3をさらに含み、バックプレート部材1が底板3の上方に位置して底板3に接続される。
図1に示すように、第2パネル22が底板3に設けられ、
図4及び
図7に示すように、底板3に係合ジャック31が設けられ、第2パネル22における係合ピン223aが係合ジャック31内に挿入可能である。係合ピン223aは複数あって間隔をあけて設けられ、係合ジャック31が複数あって複数の係合ピン223aと1つずつ対応して設けられている。これにより、第2パネル22と底板3との相対位置を効果的に位置決めすることができ、第2パネル22と底板3とを接続しやすい。同時に、バックプレート部材1、パネル部材2、底板3、保護カバー4及びトップカバー部材5は空気調和機の室内機100のハウジング10を構成することが分かる。
【0065】
図4及び
図6に示すように、第2パネル22の後面に、バックプレート部材1の方向に向かって延び、かつ間隔をあけて配置される2つの係合柱225があり、各係合柱225に第5係合穴225aが設けられ、
図16及び
図17に示すように、バックプレート部材1の前面に後方へ凹んだ係合溝16が設けられ、各係合柱225が対応する係合溝16内に挿入され、各第5係合穴225aが対応する係合溝16内に位置し、各係合溝16の側壁に第6係合穴16aが設けられ、第6係合穴16aがそれぞれバックプレート部材1の左側壁及び右側壁に位置する。
図18に示すように、バックプレート部材1の外周壁に内側へ凹んだ操作溝17が設けられ、各第6係合穴16aにより、対応して設けられる操作溝17と係合溝16が連通する。ねじが操作溝17を貫通した後、対応して設けられた第5係合穴225aと第6係合穴16aとを接続させ、ナットが操作溝17の底壁に係止される。これにより、第2パネル22とバックプレート部材1とを確実に接続させ、取り外しやすい。
【0066】
図14に示すように、空気調和機の室内機100はさらに保護カバー4を含み、保護カバー4が操作溝17に取り外し可能に設けられて操作溝17の開口を開放又は閉鎖する。具体的には、保護カバー4と操作溝17とは係合される。同時に保護カバー4の縁部に切欠き41が設けられる。これにより、保護カバー4を操作溝17から取り外しやすい。保護カバー4で操作溝17を閉鎖したとき、保護カバー4の外壁面とバックプレート部材1の外壁面とは面一となる。したがって、空気調和機の室内機100の外観を改善させた。
【0067】
図7に示すように、第2パネル22の後面に間隔をあけて配列する複数の接続ピン226が設けられ、
図11及び
図19に示すように、バックプレート部材1に複数の接続ジャック18が設けられ、複数の接続ピン226と複数の接続ジャック18とは1つずつ対応して設けられ、各接続ピン226が対応する接続ジャック18内に挿入可能である。
【0068】
図1及び
図4に示すように、トップカバー部材5はそれぞれバックプレート部材1及びパネル部材2の上端に接続される。
【0069】
図1に示すように、第1パネル21に第1吹出口211a及び第2吹出口211bが設けられ、第1吹出口211a及び第2吹出口211bは上下方向に順次配列される。
【0070】
図2に示すように、パネル部材2は開閉板取付板23をさらに含み、開閉板取付板23が第1パネル21の後側に設けられ、開閉板取付板23に開閉板24が設けられ、開閉板24が開閉板取付板23に対して上下移動して第1吹出口211aを開閉する。開閉板24が開閉板取付板23に対して下へ移動するとき、開閉板24が第1吹出口211aを開き、開閉板24が開閉板取付板23に対して上方へ移動するとき、開閉板24が第1吹出口211aを閉じる。駆動機構40は、駆動部材、駆動ギア401及びラック402を含む。駆動部材は開閉板取付板23に設けられ、駆動ギア401が駆動部材と接続して駆動部材により回転され、ラック402が開閉板24に接続され、ラック402と駆動ギア401とが噛み合って開閉板24を移動させる。
【0071】
図2に示すように、パネル部材2は開閉部材25をさらに含み、開閉部材25が前後に移動可能であり、第2吹出口211bを開閉し、開閉部材25が前方へ第2吹出口211bの前側まで移動するとき、開閉部材25が第2吹出口211bを開く。
【0072】
空気調和機の室内機100を組み立てるとき、まず第1パネル21を開閉板取付板23、開閉板24及び開閉部材25と一体に組み立てた後、バックプレート部材1に取り付け、第2パネル22を底板3及びバックプレート部材1と係合して接続させる。
【0073】
図9に示すように、ファン20はハウジング10内にあって第1パネル21の後側に設けられる。ファン20は2つあってそれぞれ第1ファン201及び第2ファン202であり、第1ファン201が二重反転ファンであり、第1ファン201が第1吹出口211aと対向配置されて第1吹出口211aに送風する。第2ファン202は第2吹出口211bと対向配置されて第2吹出口211bに送風する。
【0074】
第1ファン201は前後方向に正対して設置される第1インペラー及び第2インペラーを含み、第1インペラーのブレードの傾斜方向と第2インペラーのブレードの傾斜方向とは反対であるため、第1インペラー及び第2インペラーは空気の流れ方向において互いに導翼であり、気流の接線方向の回転速度を低下(第1インペラー及び第2インペラーが異なる回転速度の場合)又は消去(第1インペラー及び第2インペラーが同じ回転速度の場合)(即ち動圧から静圧への変換)し、二重反転ファンの空気に対する仕事率を高め、2つのインペラーを通過する気流がいずれも第1吹出口211aの方向に向かって流れ、遠距離送風効果を達成する。なお、単一のクロスフローファン、軸流ファン又は対角流ファンと比べて、二重反転ファンにおける第1インペラー及び第2インペラーが異なる速度で反対回転するか、同じ速度で反対回転するかに関わらず、二重反転ファンがより遠距離の送風を実現することができる。
【0075】
さらに、第1インペラー及び第2インペラーは異なる回転速度で、冷風の送風範囲を広めることができる。一方のインペラーが高速で回転し、他方のインペラーが低速で回転する場合、高速のインペラーが主導的な役割を果たし、単一の軸流又は対角流インペラーのブレードの、気流出口角度が回転軸の方向とずれて設計されていることで、軸流インペラー又は対角流インペラー自体が気体分散効果を持ち、したがって、第1吹出口211aから吹き出した冷風の角度範囲が大きくなり、広範囲の送風を実現した。また、軸流インペラー又は対角流インペラー自体が気体分散効果を持つため、必要に応じて第1インペラー及び第2インペラーの回転速度を調整し、異なる速度で回転させることができ、これにより、柔らかい風又は無風感送風を実現し、冷風が第1吹出口211aから吹き出された後、ユーザーに直接に当たってユーザーに不快感をもたらすことを避ける。したがって、本願の実施例に係る空気調和機の室内機1000は微孔付きのウインドデフレクターを使用せずに、柔らかい風又は無風感送風を実現することができ、風量損失が少ない。なお、広範囲送風及び無風感送風を実現するために、一方のインペラーのモータを動作させず、他方のインペラーが第1吹出口211aの一側へ順方向に送風してもよい。また、広範囲送風及び無風感送風を実現するために、一方のインペラーがハウジング10の内側へ逆方向に送風し、他方のインペラーが依然として順方向に送風してもよい。ここで、「順方向送風」はインペラーの作用で気流を第1吹出口211aから吹き出し、「逆方向送風」は気流をハウジング10の内側へ吹き込むことを指す。
【0076】
電気制御装置30はハウジング10内に設けられ、電気制御装置30は、空気調和機の室内機100の動作状態を制御するように、第1ファン201及び第2ファン202に接続される。電気制御装置30は第2パネル22の後側に設けられる。したがって、電気制御装置30の修理の場合には、第1パネル21を取り外す必要がなく、第2パネル22を取り外すだけでよい。
【0077】
本願の実施例に係る空気調和機の室内機の100の他の構成及び操作は、当業者に知られており、ここで詳細な説明を省略する。
【0078】
本願の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内側」、「外側」などの用語で示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明及び説明の簡単化のために過ぎず、示される装置又は要素が特定方位を有したり、特定方位で構成又は操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、よって、本願に対する限定としては理解されない。また、「第1」及び「第2」によりで限定される特徴は、1つ以上のこの特徴を明示的に、あるいは黙示的に有してもよい。本願の説明において、「複数」は、特に明記しない限り2つ又は2つ以上と意味する。
【0079】
本願の説明において、明確に指定又は限定しない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広義で理解すべきであり、たとえば、固定接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体に接続してもよく、機械的又は電気的に接続してもよく、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの要素の内部が連通してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解し得る。
【0080】
本明細書の説明においては、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例を参照しながら説明した特定の性質、構造、材料又は特徴が、本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味している。本明細書において、上記用語の模式的な表現は同じ実施例又は例に、必ずしも言及しているというわけではない。また、説明した特定の性質、構造、材料又は特徴は任意の1つ又は複数の実施例又は例において、適切な方法で組み合わせてもよい。
【0081】
以上、本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば、本願の原理及び趣旨から逸脱せずに、これらの実施例に対して様々な変更、修正、置換や変形を行うことができ、本願の範囲が、特許請求の範囲およびその均等物によって定義されると理解されたい。
【符号の説明】
【0082】
100 空気調和機の室内機、
10 ハウジング、
1 バックプレート部材、
11 位置決め穴、12 第2係合穴、13 位置決めジャック、14 第4係合穴、15 係合バックル、16 係合溝、16a 第6係合穴、17 操作溝、18 接続ジャック、
2 パネル部材、
21 第1パネル、211a 第1吹出口、211b 第2吹出口、212 接続板、212a ガイドジャック、212b 係止溝、213 第2支持板、214 第1補強リブ、b 第2薄肉領域、215 延在部、215a 位置決めコラム、215b 第1係合穴、216 位置決めピン、217 第3係合穴、218 係合フック、218a 水平延在セクション、218b 鉛直延在セクション、
22 第2パネル、221 固定板、221a ガイドピン、221b 係合突起、222 第3補強リブ、c 第3薄肉領域、223 第1支持板、223a 係合ピン、224 第2補強リブ、a 第1薄肉領域、225 係合柱、225a 第5係合穴、226 接続ピン、227 第4補強リブ、
23 開閉板取付板、231 ガイド溝、231a 第1ガイド部、231b 第2ガイド部、
24 開閉板、241 ガイドコラム、
25 開閉部材、
3 底板、31 係合ジャック、4 保護カバー、41 切欠き、5 トップカバー部材、6 位置制限接続部材、
20 ファン、201 第1ファン、202 第2ファン、
30 電気制御装置、
40 駆動機構、401 駆動ギア、401a 駆動ギア、401b 従動ギア、402 ラック、
50 吹出枠部材。