(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/442 20110101AFI20220511BHJP
H04N 21/437 20110101ALI20220511BHJP
【FI】
H04N21/442
H04N21/437
(21)【出願番号】P 2020001481
(22)【出願日】2020-01-08
【審査請求日】2020-01-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 「〔特別企画!Blockchain EXE #Special Public Listening Event〕ブロックチェーンの社会実装最前線「Dappsゲーム」の未来」というイベントにて公開(公開日:平成31年3月18日) 株式会社毎日放送が放送した「オレたちやってマンデー」という番組にて公開(放送日:平成31年2月18日、平成31年3月4日及び平成31年3月18日) 株式会社テレビ神奈川が「関内デビル」という番組にて公開(放送日:令和1年12月3日、12月4日、12月5日、12月6日、12月10日、12月11日、12月12日、12月13日、12月17日、12月18日、12月19日及び12月20日) ウェブサイトでの掲載 (アドレス4-1)https://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/54660 (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス4-2)https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/75391/ (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス4-3) https://www.hakuhodody-media.co.jp/info/i_dyg/20191127_26931.html (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス4-4)https://united.jp/news/release/20191127_bc.html (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス4-5)https://www.genpon.jp/news/detail (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス5-1)https://crypto-times.jp/interview-hbi/ (掲載日:平成31年4月18日) (アドレス5-2)https://crypto-times.jp/interview-hbi-2/ (掲載日:平成31年4月19日) (アドレス5-3)https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/interview/1178169.html(掲載日:平成31年4月24日) (新規性喪失の例外2に続く)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (アドレス6-1)https://news.mynavi.jp/article/20190206-768085/ (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-2)https://sun-asterisk.com/news/21 (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-3)https://cointyo.jp/article/10006174 (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-4)https://coin7.jp/news/hakuhodo-tokencastmedia/ (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-5)https://www.sankei.com/economy/news/190206/prl1902060091-n1.html (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-6)https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1168540.html (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-7)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000031413.html (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-8)https://www.evixar.com/archives/8937 (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-9)https://bitdays.jp/news/19896/ (掲載日:平成31年2月6日) (アドレス6-10)https://coinpost.jp/?p=67876 (掲載日:平成31年2月7日) (アドレス6-11)https://crypto-times.jp/cipher-cascade/ (掲載日:平成31年2月7日) (アドレス6-12)https://jp.techcrunch.com/2019/02/08/tokencastradio/ (掲載日:平成31年2月8日) (アドレス6-13)https://www.mbs1179.com/orem/ (掲載日:平成31年3月3日) (アドレス6-14)https://dappsmarket.net/other/tokencastradio-overview/ (掲載日:平成31年3月11日) (新規性喪失の例外3に続く)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (アドレス6-15)https://gasket.bizright.co.jp/2019/03/17-4/ (掲載日:平成31年3月17日) (アドレス6-16)https://gasket.bizright.co.jp/2019/03/23-2/ (掲載日:平成31年3月23日) (アドレス6-17)https://blockchainexe.com/tokencast/ (掲載日:平成31年4月2日) (アドレス6-18)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000260.000008062.html(掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-19)https://www.asahi.com/and_M/pressrelease/pre_7735400/ (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-20)https://news.mynavi.jp/article/20191127-929504/ (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-21)https://cc.gentosha-go.com/archives/10470 (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-22)https://www.tvlife.jp/entame/250061 (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-23)https://www.evixar.com/archives/9735 (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-24)http://www.tvk-yokohama.com/company/release/191127.pdf (掲載日:令和1年11月27日) (アドレス6-25)https://www.nikkei.com/article/DGXMZ052703240Y9A121C1000000/(掲載日:令和1年11月28日) (アドレス6-26)https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1221122.html(掲載日:令和1年11月28日) (アドレス6-27)https://crypto-times.jp/tv_token_degitalcontent/ (掲載日:令和1年11月29日) (新規性喪失の例外4に続く)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (アドレス6-28)http://www.tvk-yokohama.com/kannaidevil/cardhunter.html (掲載日:令和1年12月3日) トークンポケット株式会社が下記アドレス7-1及びアドレス7-2のウェブサイトにてアプリケーションソフトウェアをリリース(公開日:平成31年2月6日)(アドレス7-1) https://apps.apple.com/jp/app/tokenpocket/id1288636393(アドレス7-2) https://play.google.com/store/apps/details?id=com.tokenpocket&hl=ja ユナイテッド株式会社が下記アドレス7-3及びアドレス7-4のウェブサイトにてアプリケーションソフトウェアをリリース(公開日:令和1年10月23日)(アドレス7-3) https://apps.apple.com/jp/app/id1478722761?mt=8(アドレス7-4) https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.united.cardhunter
(73)【特許権者】
【識別番号】394025924
【氏名又は名称】株式会社博報堂
(73)【特許権者】
【識別番号】312017064
【氏名又は名称】ユナイテッド株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520008359
【氏名又は名称】原本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 佑介
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-198313(JP,A)
【文献】特開2018-156284(JP,A)
【文献】特開2019-133247(JP,A)
【文献】特開2019-016198(JP,A)
【文献】特開2019-106084(JP,A)
【文献】特開2019-128604(JP,A)
【文献】特表2012-519911(JP,A)
【文献】特開2013-042210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持する情報機器を備える情報処理システムであって、
コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから付加情報を検出するように構成された付加情報検出ユニットであって、前記特定のコンテンツは、不特定多数のユーザに一斉に放送又は配信されるコンテンツである、前記付加情報検出ユニットと、
前記情報機器を所持する前記ユーザが前記特定のコンテンツを視聴したことを示す条件である視聴条件が成立したか否かを判定するように構成された視聴判定ユニットであって、前記視聴条件は、前記付加情報検出ユニットが前記付加情報を検出することである、前記視聴判定ユニットと、
前記視聴判定ユニットにより前記視聴条件が成立したと判定される場合に、前記情報機器を識別し得る情報である機器IDと、前記付加情報検出ユニットにより検出された前記付加情報に対応する付加情報IDと、を所定のサーバに送信するように構成された送信処理ユニットであって、前記付加情報IDは、複数種類の前記付加情報のそれぞれを識別するIDである、前記送信処理ユニットと、
複数種類の前記付加情報IDのそれぞれに対し、複数種類のインセンティブのそれぞれを識別するためのIDであるインセンティブIDが対応付けられて設定されたデータである対応データを参照し、前記送信処理ユニットにより送信された前記付加情報IDに対応付けられている前記インセンティブIDを取得するように構成されたID取得ユニットであって、前記複数種類のインセンティブは、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンである、前記ID取得ユニットと、
前記ID取得ユニットにより取得された前記インセンティブIDにより特定される前記インセンティブを、前記ユーザに対して付与するように構成された視聴付与ユニットと、
を備え
、
前記視聴付与ユニットは、前記特定のコンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置の種類によって異なる前記インセンティブを前記ユーザに対して付与する、
情報処理システム。
【請求項2】
ユーザが所持する情報機器を備える情報処理システムであって、
コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから付加情報を検出するように構成された付加情報検出ユニットであって、前記特定のコンテンツは、不特定多数のユーザに一斉に放送又は配信されるコンテンツである、前記付加情報検出ユニットと、
前記情報機器を所持する前記ユーザが前記特定のコンテンツを視聴したことを示す条件である視聴条件が成立したか否かを判定するように構成された視聴判定ユニットであって、前記視聴条件は、前記付加情報検出ユニットが前記付加情報を検出することである、前記視聴判定ユニットと、
前記視聴判定ユニットにより前記視聴条件が成立したと判定される場合に、前記情報機器を識別し得る情報である機器IDを所定のサーバに送信するように構成された送信処理ユニットと、
前記送信処理ユニットにより前記機器IDが送信される場合に、前記ユーザに対して所定のインセンティブを付与するように構成された視聴付与ユニットであって、前記インセンティブは、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンであって代替性を有さないトークンである、前記視聴付与ユニットと、
を備え
、
前記視聴付与ユニットは、前記特定のコンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置の種類によって異なる前記インセンティブを前記ユーザに対して付与する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1
又は請求項
2に記載の情報処理システムであって、
前記送信処理ユニットは、前記機器IDと共に、前記ユーザが前記特定のコンテンツをリアルタイムに視聴したことを示す情報であるリアルタイム視聴情報を前記サーバに送信し、
前記機器ID及び前記リアルタイム視聴情報を、分散型データベースネットワークに登録するように構成された視聴登録ユニットを更に備える情報処理システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の情報処理システムであって、
前記視聴付与ユニットは、前記視聴登録ユニットによる前記分散型データベースネットワークへの登録が行われる場合に、前記ユーザに対して前記インセンティブを付与する、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項
4までのいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記ユーザが特定のエリアを訪問したことを示す条件である訪問条件が成立したか否かを判定するように構成された訪問判定ユニットを更に備え、
前記送信処理ユニットは、前記訪問判定ユニットにより前記訪問条件が成立したと判定される場合に、前記機器IDを前記サーバに送信する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項
5に記載の情報処理システムであって、
前記送信処理ユニットは、前記機器IDと共に、前記ユーザが前記特定のエリアを実際に訪問したことを示す情報である訪問情報を前記サーバに送信し、
前記機器ID及び前記訪問情報を、分散型データベースネットワークに登録するように構成された訪問登録ユニットを更に備える情報処理システム。
【請求項7】
請求項
6に記載の情報処理システムであって、
前記訪問登録ユニットによる前記分散型データベースネットワークへの登録が行われる場合に、前記ユーザに対して所定のインセンティブを付与するように構成された訪問付与ユニットを更に備える情報処理システム。
【請求項8】
請求項
5から請求項
7までのいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記特定のエリアには、無線信号を発信可能な無線発信装置が設置され、
前記訪問条件は、前記情報機器が前記無線発信装置からの無線信号を受信することである、情報処理システム。
【請求項9】
請求項
5から請求項
8までのいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記情報機器の位置情報を取得するように構成された位置取得ユニットを更に備え、
前記訪問条件は、前記位置情報が前記特定のエリアに含まれることである、情報処理システム。
【請求項10】
ユーザが所持する情報機器から、前記情報機器を識別し得る情報である機器IDと、コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから前記情報機器が検出した付加情報に対応する付加情報IDと、を受信するように構成された受信ユニットであって、前記特定のコンテンツは、不特定多数のユーザに一斉に放送又は配信されるコンテンツであり、前記付加情報IDは、複数種類の前記付加情報のそれぞれを識別するIDである、前記受信ユニットと、
複数種類の前記付加情報IDのそれぞれに対し、複数種類のインセンティブのそれぞれを識別するためのIDであるインセンティブIDが対応付けられて設定されたデータである対応データを参照し、前記情報機器により送信された前記付加情報IDに対応付けられている前記インセンティブIDを取得するように構成されたID取得ユニットであって、前記複数種類のインセンティブは、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンである、前記ID取得ユニットと、
前記ID取得ユニットにより取得された前記インセンティブIDにより特定される前記インセンティブを、前記ユーザに対して付与するように構成された視聴付与ユニットと、
を備え
、
前記視聴付与ユニットは、前記特定のコンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置の種類によって異なる前記インセンティブを前記ユーザに対して付与する、
情報処理装置。
【請求項11】
ユーザが所持する情報機器が、コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから付加情報を検出する場合に、前記情報機器から、前記情報機器を識別し得る情報である機器IDを受信するように構成された受信ユニットであって、前記特定のコンテンツは、不特定多数のユーザに一斉に放送又は配信されるコンテンツである、前記受信ユニットと、
前記受信ユニットにより前記機器IDが受信される場合に、前記情報機器を所持する前記ユーザに対して所定のインセンティブを付与するように構成された視聴付与ユニットであって、前記インセンティブは、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンであって代替性を有さないトークンである、前記視聴付与ユニットと、
を備え
、
前記視聴付与ユニットは、前記特定のコンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置の種類によって異なる前記インセンティブを前記ユーザに対して付与する、
情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置が備えるコンピュータを、
ユーザが所持する情報機器から、前記情報機器を識別し得る情報である機器IDと、コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから前記情報機器が検出した付加情報に対応する付加情報IDと、を受信するように構成された受信ユニットであって、前記特定のコンテンツは、不特定多数のユーザに一斉に放送又は配信されるコンテンツであり、前記付加情報IDは、複数種類の前記付加情報のそれぞれを識別するIDである、前記受信ユニットと、
複数種類の前記付加情報IDのそれぞれに対し、複数種類のインセンティブのそれぞれを識別するためのIDであるインセンティブIDが対応付けられて設定されたデータである対応データを参照し、前記情報機器により送信された前記付加情報IDに対応付けられている前記インセンティブIDを取得するように構成されたID取得ユニットであって、前記複数種類のインセンティブは、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンである、前記ID取得ユニットと、
前記ID取得ユニットにより取得された前記インセンティブIDにより特定される前記インセンティブを、前記ユーザに対して付与するように構成された視聴付与ユニットと、
として機能させ
、
前記視聴付与ユニットは、前記特定のコンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置の種類によって異なる前記インセンティブを前記ユーザに対して付与する、
コンピュータプログラム。
【請求項13】
情報処理装置が備えるコンピュータを、
ユーザが所持する情報機器が、コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから付加情報を検出する場合に、前記情報機器から、前記情報機器を識別し得る情報である機器IDを受信するように構成された受信ユニットであって、前記特定のコンテンツは、不特定多数のユーザに一斉に放送又は配信されるコンテンツである、前記受信ユニットと、
前記受信ユニットにより前記機器IDが受信される場合に、前記情報機器を所持する前記ユーザに対して所定のインセンティブを付与するように構成された視聴付与ユニットであって、前記インセンティブは、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンであって代替性を有さないトークンである、前記視聴付与ユニットと、
として機能させ
、
前記視聴付与ユニットは、前記特定のコンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置の種類によって異なる前記インセンティブを前記ユーザに対して付与する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報機器、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが視聴したコンテンツとユーザが所持する端末とをマッチングするマッチングシステムが開示されている。このマッチングシステムによりマッチングが行われると、広告主は、ユーザが視聴したコンテンツに関する広告を、ユーザが所持する端末に配信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、特定のコンテンツを視聴したユーザに対して何らかのサービスを提供したいというニーズがある。
本開示は、特定のコンテンツを視聴したユーザに対してサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ユーザが所持する情報機器を備える情報処理システムであって、視聴判定ユニットと、送信処理ユニットと、を備える。視聴判定ユニットは、ユーザが特定のコンテンツを視聴したことを示す条件である視聴条件が成立したか否かを判定するように構成される。送信処理ユニットは、視聴判定ユニットにより視聴条件が成立したと判定される場合に、情報機器を識別し得る情報である機器IDを所定のサーバに送信するように構成される。
【0006】
このような構成によれば、特定のコンテンツを視聴したユーザの情報機器を特定できる。このため、特定のコンテンツを視聴したユーザに対してサービスを提供できる。
本開示の一態様では、情報処理システムは、付加情報検出ユニットを更に備えてもよい。付加情報検出ユニットは、コンテンツを出力可能に構成されたコンテンツ出力装置から出力される特定のコンテンツから付加情報を検出するように構成される。視聴条件は、付加情報検出ユニットが付加情報を検出することであってもよい。
【0007】
このような構成によれば、テレビやラジオ等のコンテンツ出力装置から出力されるコンテンツを視聴したユーザの情報機器を特定できる。このため、コンテンツ出力装置によるコンテンツを視聴したユーザに対してサービスを提供できる。
【0008】
本開示の一態様では、情報処理システムは、操作検出ユニットを更に備えてもよい。操作検出ユニットは、ウェブページに表示される特定のコンテンツに対するユーザ操作を検出するように構成される。視聴条件は、操作検出ユニットがユーザ操作を検出することであってもよい。
【0009】
このような構成によれば、特定のバナー広告をクリックするなど、特定のウェブコンテンツに対する操作を行ったユーザの情報機器を特定できる。このため、特定のウェブコンテンツに対して操作を行ったユーザに対してサービスを提供できる。
【0010】
本開示の一態様では、送信処理ユニットが、機器IDと共に、ユーザが特定のコンテンツをリアルタイムに視聴したことを示す情報であるリアルタイム視聴情報をサーバに送信してもよい。そして、情報処理システムは、視聴登録ユニットを更に備えてもよい。視聴登録ユニットは、送信処理ユニットにより送信された機器ID及びリアルタイム視聴情報を、分散型データベースネットワークに登録するように構成される。
【0011】
このような構成によれば、機器ID及びリアルタイム視聴情報が分散型データベースネットワークに改ざん不能な状態で記憶される。したがって、分散型データベースネットワークに記憶された正当性が高い情報に基づいて、コンテンツをリアルタイムで視聴したユーザに対してサービスを提供できる。
【0012】
本開示の一態様では、情報処理システムは、視聴付与ユニットを更に備えてもよい。視聴付与ユニットは、視聴登録ユニットによる分散型データベースネットワークへの登録が行われる場合に、ユーザに対して所定のインセンティブを付与するように構成される。
【0013】
このような構成によれば、特定のコンテンツをリアルタイムで視聴したユーザに対してインセンティブ(報酬)を付与するというサービスを提供できる。
本開示の一態様では、情報処理システムは、訪問判定ユニットを更に備えてもよい。訪問判定ユニットは、ユーザが特定のエリアを訪問したことを示す条件である訪問条件が成立したか否かを判定するように構成される。送信処理ユニットは、訪問判定ユニットにより訪問条件が成立したと判定される場合に、機器IDをサーバに送信してもよい。
【0014】
このような構成によれば、特定のエリアを訪問したユーザの情報機器を特定できる。このため、特定のエリアを訪問したユーザに対してサービスを提供できる。
本開示の一態様では、特定のエリアには、無線信号を発信可能な無線発信装置が設置されていてもよい。訪問条件は、情報機器が無線発信装置から無線信号を受信することであってもよい。
【0015】
このような構成によれば、特定のエリアに設置された無線発信装置からの無線信号を受信した情報機器を特定できる。このため、特定のエリアを訪問した情報機器のユーザに対してサービスを提供できる。
【0016】
本開示の一態様では、情報処理システムは、位置取得ユニットを更に備えてもよい。位置取得ユニットは、情報機器の位置情報を取得するように構成される。訪問条件は、位置情報が特定のエリアに含まれることであってもよい。
【0017】
このような構成によれば、位置情報が特定のエリアに含まれた情報機器を特定できる。このため、特定のエリアを訪問した情報機器のユーザに対してサービスを提供できる。
本開示の一態様では、送信ユニットは、機器IDと共に、ユーザが特定のエリアを実際に訪問したことを示す情報である訪問情報をサーバに送信してもよい。情報処理システムは、訪問登録ユニットを更に備えてもよい。訪問登録ユニットは、送信処理ユニットにより送信された機器ID及び訪問情報を、分散型データベースネットワークに登録するように構成される。
【0018】
このような構成によれば、機器ID及び訪問情報が分散型データベースネットワークに改ざん不能な状態で記憶される。したがって、分散型データベースネットワークに記憶された正当性が高い情報に基づいて、特定のエリアを実際に訪問したユーザに対してサービスを提供できる。
【0019】
本開示の一態様では、情報処理システムが、訪問付与ユニットを更に備えてもよい。訪問付与ユニットは、訪問登録ユニットによる分散型データベースネットワークへの登録が行われる場合に、ユーザに対して所定のインセンティブを付与するように構成される。
【0020】
このような構成によれば、特定のエリアを実際に訪問したユーザに対して、インセンティブを付与するというサービスを提供できる。
本開示の別の態様は、ユーザが所持する情報機器であって、前記視聴判定ユニットと、前記送信処理ユニットと、を備える。
【0021】
このような構成によれば、前述した情報処理システムと同様の効果を奏する。
本開示の別の態様は、コンピュータプログラムであって、ユーザが所持する情報機器が備えるコンピュータを、前記視聴判定ユニットと、前記送信処理ユニットと、として機能させる。
【0022】
このような構成によれば、前述した情報処理システムと同様の効果を奏する。
本開示の別の態様は、情報処理装置であって、受信ユニットと、視聴送信ユニットと、を備える。受信ユニットは、ユーザが所持する情報機器から、情報機器を識別し得る情報である機器IDと、ユーザが特定のコンテンツをリアルタイムに視聴したことを示す情報であるリアルタイム視聴情報と、を受信するように構成される。視聴送信ユニットは、受信ユニットにより受信された機器IDとリアルタイム視聴情報とを、分散型データベースネットワークに送信するように構成される。
【0023】
このような構成によれば、機器ID及びリアルタイム視聴情報が分散型データベースネットワークに改ざん不能な状態で記憶される。したがって、分散型データベースネットワークに記憶された正当性が高い情報に基づいて、コンテンツをリアルタイムに視聴したユーザに対してサービスを提供できる。
【0024】
本開示の別の態様は、コンピュータプログラムであって、情報処理装置が備えるコンピュータを、前記受信ユニットと、前記視聴送信ユニットと、として機能させる。
このような構成によれば、前述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】サービス提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図3】サービス提供サーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】広告配信装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】分散型データベースネットワークを示す図である。
【
図11】分散型DBネットワークに登録されるデータ項目を示す図である。
【
図15】サービス提供サーバが提供するサービスの一連の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.構成]
図1に示すサービス提供システム1は、ユーザ(生活者)に対し、インセンティブ(報酬)を付与するサービスを提供する。具体的には、サービス提供システム1は、特定のテレビ番組やラジオ番組、特定のテレビCMやデジタルCMなどを視聴したユーザや、特定の店舗等を訪問したユーザに対し、インセンティブを付与するインセンティブ・キャスト・メディアサービスを提供する。
【0027】
より詳細には、インセンティブ・キャスト・メディアサービスでは、放送局がテレビ番組やラジオ番組の音声に音声透かし技術を利用して付加情報を重畳し、付加情報が重畳された放送データを放送する。そして、当該放送データに対応したテレビ番組やラジオ番組を視聴したユーザに対してインセンティブが付与される。つまり、テレビ番組やラジオ番組の放送中にリアルタイムにインセンティブがユーザに付与される。
【0028】
ここで、付与されるインセンティブとしては、例えば、ブロックチェーン技術を利用して管理される資産であるトークンが想定される。トークンとしては、仮想通貨はもちろんのこと、非中央集権型(分散型)のアプリケーション(DAPPS:Decentralized Applications)内のキャラクターやアイテムなどが挙げられる。つまり、ユーザが特定のテレビ番組やラジオ番組、広告等を視聴した場合にユーザはこれらのキャラクターやアイテムなどを取得できる。なお、付与されるインセンティブは、番組と連動したキャラクターやアイテム等であってもよい。また、付与されるインセンティブは、スマートフォンなどのアプリケーションソフトウェア(以下、アプリ)で使用されるポイントや、ユーザが訪問した店舗等で利用できるクーポンなどであってもよい。
【0029】
また、インセンティブ・キャスト・メディアサービスでは、特定のバナー広告などの特定のウェブリンクをユーザがクリック、タッチ等した場合に、ユーザに対してインセンティブが付与される。
【0030】
さらに、インセンティブ・キャスト・メディアサービスでは、コンビニエンスストアやデパートの店舗、イベント会場などの特定のエリアをユーザが訪問した場合に、ユーザに対してインセンティブが付与される。以下、サービス提供システム1の構成を詳細に説明する。
【0031】
サービス提供システム1は、ウェブコンテンツサーバ2、コンテンツ出力装置3、無線アクセスポイント4、ビーコン端末5、分散型データベースネットワーク(以下、分散型DBネットワーク)6、情報機器7、サービス提供サーバ8、広告配信装置9、分析装置10及び外部サービス提供システム11を備える。
【0032】
これらのうちウェブコンテンツサーバ2、分散型DBネットワーク6、情報機器7、サービス提供サーバ8、広告配信装置9、分析装置10及び外部サービス提供システム11は、ネットワークNを介して相互に有線又は無線通信可能である。
【0033】
ここでいうネットワークNは、いわゆるインターネットである公衆通信網、キャリア事業者が提供するキャリアネットワーク、無線通信ネットワーク等を含む。なお、サービス提供システム1には、一般に複数台の情報機器7が含まれるが、
図1では説明の便宜上、1台の情報機器7のみを示している。
<ウェブコンテンツサーバ>
ウェブコンテンツサーバ2は、ウェブページを管理する一般的なウェブサーバである。ウェブコンテンツサーバ2は、ユーザからの要求に応じてウェブページを返却する。ウェブコンテンツサーバ2が返却するウェブページには、バナー広告などのウェブリンクが含まれ得る。
<コンテンツ出力装置>
コンテンツ出力装置3は、コンテンツを出力可能な装置であり、例えばテレビやラジオ等である。コンテンツ出力装置3は、テレビ局やラジオ局などの放送局の電波塔3aからブロードキャストで放送される放送データを受信し、受信した放送データを符号化してテレビ番組やラジオ番組等の放送コンテンツを視聴可能にする。放送局から放送される放送データには、周知の音響透かし技術を用いて付加情報が重畳される。コンテンツ出力装置3は、付加情報が重畳された音情報を出力する。
【0034】
なお、コンテンツ出力装置3は、テレビやラジオに限られず、音や映像等のコンテンツを出力できる装置であれば何でもよい。例えば、コンテンツ出力装置3は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯情報端末、又は、パーソナルコンピュータであってもよく、屋外に設置されたデジタルサイネージやその他のアウトドアメディア(ODM)であってもよい。また、コンテンツ出力装置3は、コンビニエンスストアやデパートの店舗やイベント会場などでアナウンスを流す音声出力装置であってもよい。
<無線アクセスポイント>
無線アクセスポイント4は、例えばコンビニエンスストアやデパートなどの店舗等の各所に設置される。無線アクセスポイント4は、無線LAN通信部を備えており、当該無線LAN通信部によって、自己の識別情報(SSID(Service Set Identifier))を付与した電波を周囲に発信する。
<ビーコン端末>
ビーコン端末5は、例えばコンビニエンスストアやデパートなどの店舗等の各所に設置される。ビーコン端末5は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信により、自己の識別情報(UUID(Universally Unique Identifier)等)を付与した電波を周囲に発信する。
<分散型DBネットワーク>
分散型DBネットワーク6は、
図6に示すように、各々が記憶媒体及びプロセッサを備える複数の処理装置6aが相互に通信接続し、複数の処理装置6aでノードを構成し、ノード間で各々が記憶媒体に記憶している情報の検証を行なって構成される。
【0035】
分散型DBネットワーク6は、いわゆる分散型台帳であって、複数のノードで同一のデータをブロックチェーン技術に基づいて記憶・同期することにより、当該データの正確性・耐改ざん性を確保する。本実施形態では、分散型DBネットワーク6は、情報機器7のユーザが視聴したコンテンツを特定する情報やコンテンツの視聴時刻、ユーザが訪問したエリアを特定する情報やエリアの訪問時刻などの情報を記憶・同期する。
【0036】
なお、分散型DBネットワーク6を構成する処理装置6aは、サーバコンピュータであってもよいし、デスクトップ型又はラップトップ型パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォン等の通信端末機器であってもよい。
<情報機器>
情報機器7は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。情報機器7は、秘密鍵自体又は該秘密鍵に基づくウォレットアドレスを持つ通信装置である。ウォレットアドレスを持ち、ネットワークNを介してサービス提供サーバ8と通信を行なうことができる通信装置であれば、どのような装置であっても情報機器7になり得る。
【0037】
情報機器7は、
図2に示すように、表示部71と、操作部72と、記憶部73と、通信部74と、マイク75と、位置検出部76と、制御部77と、を備える。
表示部71は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
【0038】
操作部72は、ユーザの操作を受け付ける。操作部72には、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネルなどが含まれる。
記憶部73は、フラッシュメモリを用い、制御部77が参照するプログラム、データが記憶される。記憶部73には、情報機器7のユーザの秘密鍵自体と秘密鍵に基づく公開鍵及びウォレットアドレスと、又はいずれか一方のみが記憶される。
【0039】
また、記憶部73には、情報機器7を識別し得る情報である機器IDが記憶されている。機器IDとしては、情報機器7の製造番号や、ウェブブラウザに対応するクッキーID、スマートフォンやタブレットで利用される広告用の端末識別ID等を利用することができる。なお、広告用の端末識別IDとしては、IDFA(Identification For Advertisers)やADID(Advertising Identifier)、UDID(Unique Device Identifier)等が挙げられる。
【0040】
また、記憶部73には、情報機器7のユーザが、サービス提供サーバ8が提供するインセンティブ・キャスト・メディアサービスを受けるための専用のアプリ(以下、専用アプリ)がインストールされ、記憶されている。
【0041】
通信部74は、外部の装置と有線又は無線で通信を行うための通信インタフェースである。情報機器7は、通信部74を介してネットワークNに接続し、外部の装置とデータ通信可能である。
【0042】
マイク75は、音を入力するように構成されている。
位置検出部76は、GPS(Global Positioning System)などにより情報機器7の現在位置を検出する。現在位置は、緯度及び経度で特定される。
【0043】
制御部77は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ771と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ772)と、を備える。
【0044】
本実施形態では、情報機器7において専用アプリを起動されると、プロセッサ771がプログラムを実行し、後述する
図12に示す送信処理が実行される。具体的には、専用アプリが起動された状態でユーザが特定のコンテンツを視聴したり、特定のエリアを訪問したりすると、情報機器7からサービス提供サーバ8に情報機器7の機器ID等を含むデータが送信される。
<サービス提供サーバ>
サービス提供サーバ8は、インセンティブ・キャスト・メディアサービスを提供するサービス提供者が保有するサーバである。サービス提供サーバ8は、ユーザが特定のコンテンツを視聴したり特定のエリアを訪問したりすると、ユーザの視聴履歴や訪問履歴等を分散型DBネットワーク6に登録するとともに、ユーザに対してインセンティブを付与する。サービス提供サーバ8は、
図3に示すように、通信部81と、記憶部82と、制御部83と、を備える。
【0045】
通信部81は、外部の装置と有線又は無線で通信を行うための通信インタフェースである。サービス提供サーバ8は、通信部81を介してネットワークNに接続し、外部の装置とデータ通信可能である。
【0046】
記憶部82は、フラッシュメモリを用い、制御部83が参照するプログラム、データが記憶される。本実施形態では、記憶部82には、サービス提供者の秘密鍵自体と秘密鍵に基づく公開鍵及びウォレットアドレスと、又はいずれか一方のみが記憶される。
【0047】
また、記憶部82には、
図7~
図10に示す各種対応テーブルが記憶されている。
対応テーブは、情報機器7から送られてくるデータと、情報機器7のユーザに対して付与されるトークンなどのインセンティブのID等と、が対応付けられて設定されたテーブルである。すなわち、サービス提供サーバ8は、ユーザが特定のコンテンツを視聴するなどして情報機器7からデータが送られてくると、対応テーブを参照し、ユーザに付与するインセンティブを決定する。
【0048】
具体的には、
図7に示す透かし対応テーブルでは、各透かしIDに対し、インセンティブID、取得元メディア、取得元ビークル及びインセンティブ発行元の情報が対応付けられている。
【0049】
透かしIDは、コンテンツ出力装置3が出力するコンテンツに音声透かし技術を利用して重畳される付加情報を識別するためのIDである。本実施形態では、音声信号の波形パターンが異なる複数種類の付加情報が想定され、透かしIDは、複数種類の付加情報のそれぞれを識別するIDとして設定される。
【0050】
インセンティブIDは、ユーザに付与されるインセンティブを識別するためのIDである。
取得元メディアは、インセンティブの取得元のメディアを特定する情報である。例えば、ユーザがテレビ番組を視聴してインセンティブを得た場合、取得元メディアはテレビである。換言すれば、透かし対応テーブルにおける取得元メディアは、ユーザがコンテンツを視聴したコンテンツ出力装置3の種類(テレビやラジオ等)を特定する情報である。
【0051】
取得元ビークルは、インセンティブの取得元のビークル(テレビ番組やラジオ番組等)を特定する情報である。取得元ビークルは、例えば、音楽番組Aやドラマ番組Bといった具体的なテレビ番組名やラジオ番組名である。
【0052】
インセンティブ発行元は、インセンティブを発行した主体(企業、メディア、地方自治体等)を特定する情報であり、例えば、企業aや企業bなどである。
一方、
図8に示すウェブリンク対応テーブルでは、各リンクIDに対し、インセンティブID、取得元メディア、取得元ビークル及びインセンティブ発行元の情報が対応付けられている。本実施形態では、情報機器7のユーザがウェブサイトの特定のリンクをクリックやタッチすると、そのウェブリンクに対応したインセンティブが付与される。リンクIDは、ユーザに操作されるウェブリンクを識別するためのIDである。リンクIDは、例えば、リンク先のウェブサイトを特定する情報(固有の番号やURL等)であってもよい。
【0053】
ウェブリンク対応テーブルにおける取得元メディアは、例えば、ウェブメディアである。また、取得元ビークルは、インセンティブ付与のトリガとなるウェブリンクが貼られたウェブサイトを示す情報であり、例えば、ウェブサイトCなどのウェブサイト名である。
【0054】
一方、
図9に示す無線対応テーブルでは、各無線IDに対し、インセンティブID、取得元メディア、取得元ビークル及びインセンティブ発行元の情報が対応付けられている。
無線IDは、アクセスポイント4やビーコン端末5などの無線発信装置を識別するためのIDであり、具体的には、前述したSSIDやUUIDなどである。つまり、ユーザの情報機器7が或る無線IDの無線信号を受信すると、ユーザはその無線IDの無線発信装置が設置されたエリアに訪問したことになる。
【0055】
無線対応テーブルにおける取得元メディアは、対応付けられた無線IDの無線発信装置が設置されたエリアの種類(業態や業種等)であり、例えば、ショップやデパートなどである。取得元ビークルは、対応付けられた無線IDの無線発信装置が設置されたエリアを特定する情報であり、例えば、企業d東京店、企業e大阪店といった具体的なエリア名である。
【0056】
一方、
図10に位置対応テーブルでは、緯度経度の範囲で指定される各エリアに対し、インセンティブID、取得元ビークル及びインセンティブ発行元の情報が対応付けられている。位置対応テーブルにおける取得元ビークルは、ユーザが訪問するエリアを特定する情報であり、例えば企業f東京店や企業g名古屋店といった具体的なエリア名である。換言すれば、取得元ビークルは、対応付けられた緯度経度の範囲に存在する店舗等を特定する情報である。
【0057】
以上が記憶部82に記憶されている対応テーブルである。
図3に戻り、制御部83は、CPU、GPU等のプロセッサ831と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ832)と、を備える。プロセッサ831がプログラムを実行することで、後述する
図13に示す登録処理が実行される。登録処理が実行されることにより、分散型DBネットワーク6にユーザが視聴したコンテンツや訪問したエリア等を示す情報が記憶・同期される。
<広告配信装置>
広告配信装置9は、ユーザの情報機器7に対して広告配信を行うための装置である。広告配信装置9は、
図4に示すように、通信部91と、記憶部92と、制御部93と、を備える。
【0058】
通信部91は、外部の装置と有線又は無線で通信を行うための通信インタフェースである。広告配信装置9は、通信部91を介してネットワークNに接続し、外部の装置とデータ通信可能である。
【0059】
記憶部92は、フラッシュメモリを用い、制御部93が参照するプログラム、データが記憶される。記憶部92には、広告内容の異なる複数種類の広告情報が記憶されている。
制御部93は、CPU、GPU等のプロセッサ931と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ932)と、を備える。
【0060】
プロセッサ931がプログラムを実行することで、後述する
図14に示す広告配信処理が実行される。なお、本実施形態では、広告配信装置9は、分散型DBネットワーク6に記憶されている、情報機器7のユーザが視聴したコンテンツや訪問したエリアなどの情報を基に、ユーザに適した内容の広告情報を配信する。
<分析装置>
分析装置10は、分散型DBネットワーク6に記憶されている、ユーザの視聴履歴や訪問履歴などの情報全般に対する各種分析処理を実行する。分析装置10は、
図5に示すように、通信部101と、記憶部102と、制御部103と、を備える。
【0061】
通信部101は、外部の装置と有線又は無線で通信を行うための通信インタフェースである。分析装置10は、通信部101を介してネットワークNに接続し、外部の装置とデータ通信可能である。
【0062】
記憶部102は、フラッシュメモリを用い、制御部103が参照するプログラム、データが記憶される。
制御部103は、CPU、GPU等のプロセッサ1031と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ1032)と、を備える。プロセッサ1031がプログラムを実行することで、各種分析処理が実行される。
【0063】
例えば、制御部103は、分散型DBネットワーク6に記憶されている情報を解析し、或るテレビ番組やラジオ番組をリアルタイムに視聴したユーザの人数や、或るバナー広告などのウェブコンテンツを視聴した人の人数、或る店舗を実際に訪問したユーザの人数などの情報を分析処理により解析する。
<外部サービス提供システム>
外部サービス提供システム11は、サービス提供サーバ8が提供するインセンティブ・キャスト・メディアサービスとは別のサービスを提供するシステムである。例えば外部サービス提供システム11は、インセンティブ・キャスト・メディアサービスで得られたインセンティブを利用できる他のブロックチェーン・プラットフォームなどである。
【0064】
具体的には、インセンティブ・キャスト・メディアサービスにおいてインセンティブとしてDAPPSのゲームアプリのキャラクターやアイテムが付与される場合、外部サービス提供システム11は、そのゲームアプリを提供しているブロックチェーン・プラットフォームであってもよい。また、インセンティブ・キャスト・メディアサービスにおいてインセンティブとして仮想通貨が付与される場合、外部サービス提供システム11は、その仮想通貨が使用されるブロックチェーン・プラットフォームあってもよい。なお、外部サービス提供システム11は、その他の事業者が運営・管理するシステム等であってもよい。
【0065】
なお、本実施形態では、分散型DBネットワーク6が記憶・同期するブロックチェーンはプライベートブロックチェーンで、外部サービス提供システム11のブロックチェーン・プラットフォームがパブリックブロックチェーンであってもよい。
【0066】
[2.処理]
[2-1.送信処理]
次に、情報機器7の制御部77が実行する送信処理について、
図12のフローチャートを用いて説明する。送信処理は、専用アプリの起動中において周期的に実行される。なお、以下に述べる送信処理において、S101~S103と、S104~S105と、S106~S108と、S109~S110と、は並列に実行される。
【0067】
S101で、制御部77は、マイク75を介して音情報を受信したか否かを判定する。
ここで受信される音情報としては、テレビやラジオなどのコンテンツ出力装置3からの音情報、店舗やイベント会場で流れるアナウンス、アウトドアメディア(ODM)の音情報等が挙げられる。
【0068】
制御部77は、S101で音情報を受信したと判定した場合(S101:YES)には、S102へ移行する。
S102で、制御部77は、受信された音情報から付加情報を検出したか否かを判定する。制御部77は、S102で付加情報を検出したと判定した場合(S102:YES)には、S103へ移行する。
【0069】
S103で、制御部77は、通信部74を介してサービス提供サーバ8にデータを送信する。ここで送信されるデータには、情報機器7の機器ID、S102で検出された付加情報に対応する透かしID、年月日時分秒で特定される付加情報の受信日時(すなわち付加情報の取得日時)、及び、情報機器7のユーザのウォレットアドレスの情報が含まれる。
【0070】
なお、本実施形態では、制御部77は、S102で付加情報を検出すると、検出した音情報に対応する透かしIDを特定し、特定された透かしIDをサービス提供サーバ8に送信する。
【0071】
一方、制御部77は、S101で音情報を受信していないと判定した場合(S101:NO)、又は、S102で音声透かしを検出していないと判定した場合(S102:NO)には、S103を飛ばし、つまり、データを送信することなく、S101~S103を終了する。
【0072】
一方、制御部77は、S104で、情報機器7のユーザがウェブページにおいてウェブリンクをクリック又はタッチし、リンクIDを取得したか否かを判定する。ここで、リンクIDを取得する場合としては、ウェブコンテンツサーバ2が返却するウェブページに含まれるバナー広告等のウェブリンクをユーザがクリック又はタッチする場合等が想定される。
【0073】
制御部77は、S104でリンクIDを取得したと判定した場合(S104:YES)には、S105へ移行する。
S105で、制御部77は、通信部74を介してサービス提供サーバ8にデータを送信する。ここで送信されるデータには、情報機器7の機器ID、S104で取得されたリンクID、年月日時分秒で特定されるリンクIDの取得日時、及び、ユーザのウォレットアドレスの情報が含まれる。
【0074】
一方、制御部77は、S104でリンクIDを取得していないと判定した場合(S104:NO)には、S105を飛ばし、つまり、データを送信することなく、S104~S105を終了する。
【0075】
一方、制御部77は、S106で無線信号を通信部74を介して受信したか否かを判定する。ここで受信される無線信号としては、店舗内に設置された無線アクセスポイント4やビーコン端末5などから発信された無線信号が挙げられる。
【0076】
制御部77は、S106で無線信号を受信したと判定した場合(S106:YES)には、S107へ移行する。
S107で、制御部77は、受信された無線信号から無線ID(SSIDやUUID等)を検出したか否かを判定する。制御部77は、S107で無線IDを検出したと判定した場合(S107:YES)には、S108へ移行する。
【0077】
S108で、制御部77は、通信部74を介してサービス提供サーバ8にデータを送信する。ここで送信されるデータには、情報機器7の機器ID、S107で検出された無線ID、年月日時分秒で特定される無線IDの取得日時、及び、ユーザのウォレットアドレスの情報が含まれる。
【0078】
一方、制御部77は、S106で無線信号を受信していないと判定した場合(S106:NO)、又は、S107で無線IDを検出していないと判定した場合(S107:NO)には、S108を飛ばし、つまり、データを送信することなく、S106~S108を終了する。
【0079】
一方、S109で、制御部77は、位置検出部76から情報機器7の現在の位置情報を取得する。
続いて、S110で、制御部77は、通信部74を介してサービス提供サーバ8にデータを送信する。ここで送信されるデータには、情報機器7の機器ID、S109で取得された位置情報(すなわち緯度及び経度で指定される座標)、年月日時分秒で特定される位置情報の取得日時、及び、ユーザのウォレットアドレスの情報が含まれる。
【0080】
制御部77は、S101~S103と、S104~S105と、S106~S108と、S109~S110と、の全ての処理が終了すると、
図12の送信処理を終了する。
[2-2.登録処理]
次に、サービス提供サーバ8の制御部83が実行する登録処理について、
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、登録処理は、情報機器7からデータを受信することで開始される。
【0081】
まず、S201で、制御部83は、情報機器7から通信部81を介してデータを受信する。ここで、制御部83は、
図12の送信処理のS103、S105、S108又はS110で送信されたデータを受信する。
【0082】
続いて、S202で、制御部83は、対応テーブルを参照する。
ここで、制御部83は、S201で
図12のS103で送信されたデータ、すなわち、透かしIDを含むデータを受信した場合には、
図7に示す透かし対応テーブルを参照する。また、制御部83は、S201で
図12のS105で送信されたデータ、すなわち、リンクIDを含むデータを受信した場合には、
図8に示すウェブリンク対応テーブルを参照する。また、制御部83は、S201で
図12のS108で送信されたデータ、すなわち、無線IDを含むデータを受信した場合には、
図9に示す無線対応テーブルを参照する。また、制御部83は、S201で
図12のS110で送信されたデータ、すなわち、情報機器7の位置情報を含むデータを受信した場合には、
図10に示す位置対応テーブルを参照する。
【0083】
続いて、S203で、制御部83は、受信データに含まれる透かしID等は対応テーブルにおいて規定されたものか否かを判定する。
ここで、制御部83は、S201で透かしIDを含むデータを受信した場合、受信データに含まれる透かしIDが、
図7の透かし対応テーブルにおいて規定されたいずれかの透かしIDに一致するか否かを判定する。S201でリンクID又は無線IDを含む受信データを受信した場合も同様である。また、制御部83は、S201で位置情報を含むデータを受信した場合、受信データに含まれる位置情報(すなわち緯度及び経度で指定される座標)が、
図10に示す位置対応テーブルにおいて規定されたいずれかの緯度及び経度の範囲内に含まれるか否かを判定する。
【0084】
制御部83は、S203で受信データに含まれる透かしID等が対応テーブルにおいて規定されたものと判定した場合(S203:YES)には、S204へ移行する。
S204で、制御部83は、対応テーブルからインセンティブID等を取得する。
【0085】
例えば、制御部83は、S201において、透かしID「001」を含むデータを受信した場合、
図7の透かし対応テーブルにおいて、透かしID「001」に対応付けられている各情報を取得する。ここでいう各情報は、具体的には、インセンティブID「023」、取得元メディア「テレビ」、取得元ビークル「音楽番組A」及びインセンティブ発行元「企業a」である。S201でリンクID、無線ID又は位置情報を含むデータを受信した場合も同様である。
【0086】
続いて、S205で、制御部83は、分散型DBネットワーク6にデータを送信する。
ここで、制御部83は、
図11に示す各情報を含むデータを分散型DBネットワーク6に送信する。具体的には、機器ID、インセンティブID、ウォレットアドレス、取得日時、取得元メディア、取得元ビークル、取得場所及びインセンティブ発行元の情報を分散型DBネットワーク6に送信する。ここで、機器ID、ウォレットアドレス、取得日時及び取得場所は情報機器7から送られてくるデータに含まれる情報である。一方、インセンティブID、取得元メディア、取得元ビークル、取得場所及びインセンティブ発行元は、S204で取得された情報である。
【0087】
なお、取得日時は、コンテンツの視聴日時や店舗等の訪問日時のことである。コンテンツの視聴日時は、換言すれば、ユーザがリアルタイムにコンテンツを視聴していたことを示す情報である。また、店舗等の訪問日時は、換言すれば、ユーザが店舗等を実際に訪問したことを示す情報である。また、取得場所は、S110で送信されたデータに含まれる、ユーザがインセンティブを取得した場所の緯度経度などの位置情報である。
【0088】
これらの情報が分散型DBネットワーク6に送信されることで、送信されたデータが分散型DBネットワーク6に記憶・同期される。
特に、分散型DBネットワーク6には、インセンティブIDで特定されるトークンなどのインセンティブが、サービス提供者のウォレットアドレスから情報機器7のユーザのウォレットアドレスに移転されたというトランザクションの内容が記録される。これにより、インセンティブの所有権が、サービス提供者からユーザへと移転される。
【0089】
制御部83は、S205を実行すると、
図13の登録処理を終了する。
一方、制御部83は、S203で受信データに含まれる透かしID等が対応テーブルにおいて規定されたものでないと判定した場合(S203:NO)には、S204~S205を飛ばして
図13の登録処理を終了する。
【0090】
[2-3.広告配信処理]
次に、広告配信装置9の制御部93が実行する広告配信処理について、
図14のフローチャートを用いて説明する。広告配信処理は、適宜のタイミングで実行される。
【0091】
まず、S301で、制御部93は、分散型DBネットワーク6に登録された1又は複数のユーザの登録データを通信部91を介して取得する。
続いて、S302で、制御部93は、S301で取得されたデータに基づいて広告情報を記憶部92から取得する。例えば、制御部93は、或るコンテンツ(テレビ番組やラジオ番組)をリアルタイムで視聴していたユーザについては、ユーザが視聴していたコンテンツに関連する広告情報を取得する。また例えば、制御部93は、或る店舗を実際に訪問したユーザについては、ユーザが訪問した店舗の商品やサービスに関連する広告情報を取得する。
【0092】
続いて、S303で、制御部93は、S301で取得された登録データとS302で取得された広告情報に基づいて広告配信を行う。具体的には、制御部93は、取得された登録データに含まれる機器IDにより特定される情報機器7に対し、S302で取得した広告情報を送信する。制御部93は、S303を実行すると、
図14の広告配信処理を終了する。
【0093】
[3.シーケンス]
次に、サービス提供システム1が提供するインセンティブ・キャスト・メディアサービスの一連の流れを、
図15のシーケンスを用いて説明する。なお、以下では、情報機器7が付加情報が重畳されたコンテンツをコンテンツ出力装置3から受信した場合を例に挙げ説明する。
【0094】
T101で、コンテンツ出力装置3は、付加情報が重畳されたコンテンツを出力する。
続いて、T102で、情報機器7は、コンテンツ出力装置3から付加情報が重畳されたコンテンツを受信し、受信されたコンテンツから付加情報を検出する。
【0095】
続いて、T103で、情報機器7は、自身の機器IDや検出された付加情報に対応する透かしID等を含むデータをサービス提供サーバ8に送信する。
続いて、T104で、サービス提供サーバ8は、
図7の透かし対応テーブルを参照し、対応するインセンティブID等を取得する。
【0096】
続いて、T105で、サービス提供サーバ8は、取得されたインセンティブID等を含むデータを分散型DBネットワーク6に送信する。
続いて、T106で、分散型DBネットワーク6は、サービス提供サーバ8から受信したデータを登録(すなわち記憶・同期)する。
【0097】
続いて、T107で、広告配信装置9は、分散型DBネットワーク6から登録データを取得する。
そして、T108で、広告配信装置9は、取得された登録データに基づいて情報機器7に広告情報を送信する。
【0098】
続いて、T109で、分析装置10は、分散型DBネットワーク6から登録データを取得する。
そして、T110で、分析装置10は、取得された登録データに対して分析処理を実行する。
【0099】
続いて、T111で、外部サービス提供システム11は、分散型DBネットワーク6から登録データを取得する。
そして、T112で、外部サービス提供システム11は、取得された登録データを自身が提供するサービスに利用する。
【0100】
以上がインセンティブ・キャスト・メディアサービスの一連の流れである。
[4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0101】
(1)本実施形態では、情報機器7の制御部77は、ユーザが特定のコンテンツを視聴したことを示す条件である視聴条件が成立したか否かを判定する(
図12のS102及びS104)。そして、制御部77は、これらの視聴条件が成立したと判定される場合、情報機器7の機器IDをサービス提供サーバ8に送信する。
【0102】
したがって、特定のコンテンツを視聴したユーザの情報機器7を特定できる。このため、特定された情報機器7のユーザに対してインセンティブを付与するインセンティブ・キャスト・メディアサービスを提供できる。
【0103】
特に、特定のテレビ番組やテレビCMなどを視聴したユーザに対し、仮想通貨やDAPPSのアイテムなどのトークンをインセンティブとして配布できる。また、特定のラジオ番組を視聴したユーザに対し、番組タイアップのキャラクタースタンプを配布できる。さらには、特定のODMを視聴したユーザに広告オリジナルのデジタルインセンティブを配布できる。すなわち、従来のテレビ番組放送や広告配信はユーザに「情報」を届けるものであるが、本実施形態のインセンティブ・キャスト・メディアサービスによれば、メディアを生活者に「価値」を届けるものへと変化させることができる。
【0104】
さらには、本実施形態では、広告情報等のコンテンツを視聴したユーザの情報機器7の機器IDを取得できるため、広告情報を受け取ったユーザを特定できる。したがって、広告効果を正確に把握できる。
【0105】
(2)本実施形態では、前記視聴条件は、制御部77が、テレビやラジオ等のコンテンツ出力装置3から出力されるコンテンツから付加情報を検出することである。
したがって、テレビやラジオ等のコンテンツ出力装置3から出力されるコンテンツを視聴したユーザの情報機器7を特定できる。このため、コンテンツを視聴したユーザに対してインセンティブを付与できる。
【0106】
(3)本実施形態では、前記視聴条件は、ウェブページに表示されたバナー広告等のウェブコンテンツに対するクリックやタッチ操作等のユーザ操作を検出することである。
したがって、特定のバナー広告をクリックするなど、特定のコンテンツに対して操作を行ったユーザの情報機器7を特定できる。このため、特定した情報機器のユーザに対してインセンティブを付与できる。
【0107】
(4)本実施形態では、情報機器7は、機器IDと共に、ユーザがコンテンツをリアルタイムに視聴したことを示す視聴時刻をサービス提供サーバ8に送信する。そして、サービス提供サーバ8は、情報機器7から送信された機器ID及び視聴時刻の情報を、分散型DBネットワーク6に登録する。
【0108】
したがって、機器ID及び視聴時刻が分散型DBネットワーク6に改ざん不能な状態で記憶される。したがって、分散型DBネットワーク6に記憶されている正確性が高いに基づいて、コンテンツをリアルタイムで視聴したユーザに対してインセンティブを付与できる。
【0109】
(5)本実施形態では、情報機器7の制御部77は、情報機器7のユーザが特定のエリアを訪問したことを示す条件である訪問条件が成立したか否かを更に判定する(
図12のS107)。そして、制御部77は、訪問条件が成立したと判定される場合に、機器IDをサービス提供サーバ8に送信する。
【0110】
したがって、特定のエリアを訪問したユーザの情報機器7を特定できる。このため、特定のエリアを訪問したユーザに対してインセンティブを付与できる。
(6)本実施形態では、訪問条件は、情報機器7がアクセスポイント4やビーコン端末5などから無線信号を受信することである。
【0111】
したがって、特定のエリアに設置されたアクセスポイント4等からの無線信号を受信した情報機器7を特定できる。このため、特定のエリアを実際に訪問したユーザに対してインセンティブを付与できる。
【0112】
(7)本実施形態では、前記訪問条件は、情報機器7の位置情報が特定のエリアに含まれることである。
したがって、位置情報が特定のエリアに含まれた情報機器7を特定できる。このため、特定のエリアを訪問したユーザに対してインセンティブを付与できる。
【0113】
(8)本実施形態では、情報機器7は、機器IDと共に、ユーザが特定のエリアを実際に訪問したことを示す訪問時刻をサービス提供サーバ8に送信する。そして、サービス提供サーバ8は、情報機器7から送信された機器ID及び訪問時刻を、分散型DBネットワーク6に登録する。
【0114】
したがって、機器ID及び訪問時刻情報が分散型DBネットワーク6に改ざん不能な状態で記憶される。したがって、分散型データベースネットワークに記憶されている正確性が高いに基づいて、特定のエリアを実際に訪問したユーザに対してインセンティブを付与できる。
【0115】
(9)本実施形態では、分散型DBネットワーク6による登録が行われる場合に、ユーザに対して所定のインセンティブが付与される。
したがって、特定のコンテンツをリアルタイムで視聴したユーザ、又は、特定のエリアを訪問したユーザに対し、インセンティブ(報酬)を付与できる。したがって、コンテンツを視聴したユーザ又はエリアを訪問したユーザに価値を届けるというサービスを提供できる。
【0116】
なお、本実施形態では、情報機器7及びサービス提供サーバ8を備えるシステムが情報処理システムに相当し、サービス提供サーバ8が所定のサーバ及び情報処理装置に相当し、コンテンツの視聴時刻を示す情報がリアルタイム視聴情報に相当し、エリアの訪問時刻の情報が訪問情報に相当し、無線アクセスポイント4及び分散型DBネットワーク6が無線発信装置に相当し、S102、S104及びS203が視聴判定ユニットとしての処理に相当し、S102が付加情報検出ユニットとしての処理に相当し、S103、S105、S108及びS110が送信処理ユニットとしての処理に相当し、S104が操作検出ユニットとしての処理に相当し、S106及びS203が訪問判定ユニットとしての処理に相当し、S109が位置取得ユニットとしての処理に相当し、S201が受信ユニットとしての処理に相当し、S205及び/又はT105が視聴登録ユニット、視聴付与ユニット、訪問登録ユニット及び訪問付与ユニットとしての処理に相当し、S205が視聴送信ユニットとしての処理に相当する。
【0117】
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0118】
(1)上記実施形態では、特定のコンテンツをユーザが1度視聴するとインセンティブがユーザに付与されるが、インセンティブを付与する条件はこれに限られない。例えば、或る番組を複数回(例えば5回以上)視聴したユーザにインセンティブが付与されてもよく、或る番組を所定期間(例えば1年間)通して継続して視聴した場合に、ユーザにインセンティブが付与されてもよい。同様に、或る店舗をユーザが複数回訪問した場合や所定期間通して或るエリアに継続して訪問した場合にインセンティブがユーザに付与されてもよい。また例えば、特定のコンテンツを視聴し、かつ、特定のエリアを訪問した場合にインセンティブが付与されるなど、複数の条件が成立して初めてインセンティブが付与されてもよい。
【0119】
(2)本開示に記載の制御部77,83,93,103及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ771,831,931,1031及びメモリ772,832,932,1032を構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部77,83,93,103及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサ771,831,931,1031を構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部77,83,93,103及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ771,831,931,1031及びメモリ772,832,932,1032と一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御部77,83,93,103に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0120】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0121】
(4)前述した制御部77,83,93,103の他、当該制御部77,83,93,103を構成要素とするシステム、当該制御部77,83,93,103としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、データをサービス提供サーバ8に送信する方法や、分散型DBネットワーク6にデータを登録する方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0122】
1…サービス提供システム、3…コンテンツ出力装置、4…無線アクセスポイント、
5…ビーコン端末、6…分散型DBネットワーク、7…情報機器、
8…サービス提供サーバ、9…広告配信装置、10…分析装置、
11…外部サービス提供システム。