(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】空調システムに使用する送風パネル装置
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20220511BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20220511BHJP
E04F 17/04 20060101ALI20220511BHJP
E04F 15/024 20060101ALI20220511BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20220511BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
F24F5/00 K
F24F13/02 C
E04F17/04 B
E04F15/024 604
E04F13/08 H
E04B9/00 F
(21)【出願番号】P 2020115470
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592147790
【氏名又は名称】株式会社インターセントラル
(74)【代理人】
【識別番号】100068308
【氏名又は名称】後田 春紀
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 充
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-302900(JP,A)
【文献】特開2003-148752(JP,A)
【文献】特開2018-146135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24F 13/02
E04F 17/04
E04F 15/024
E04F 13/08
E04B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を送風する室内の床フロアと床スラブ間の密閉空間である床下空間に設置され、前記冷風または温風を床フロアに開口された吹出し口より、送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房する空調システムに使用する送風パネル装置であって、
前記送風パネル装置は、細長板片より成る正方形状枠体の対面する各隅角部をそれぞれ対角線状に細長板片で連結固定すると共に、前記枠体の互いに隣り合う枠杆に、等間隔で、前記形成された各対角線状の細長板片と平行に複数の交差部を設けて細長板片を連結固定する一方、前記枠体の隅角部および各枠杆における細長板片との連結部、並びに前記複数の交差部のうち、互いに対面する枠杆の連結部と一直線上の位置にある各交差部に、円柱状に形成された長い基部柱の上端面に段部を有して、中央に円形の小突起を突設した支柱を立設固定し、且つ前記枠体の隅角部に、前記交差部に立設固定された支柱を4分の1径に縦断すると共に、直角の垂直切断面を外側に位置するようにして4分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体の各枠杆における細長板片との連結部に、前記交差部に立設固定された支柱を2分の1径に縦断すると共に、垂直切断面を外側に位置するようにして2分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体上に、前記各支柱を貫通して断熱シートを載置固定して基板部材が形成され、
前記基板部材の各支柱のうち、互いに隣り合う4本の支柱を一群として、これら複数群の4本の支柱の小突起の外周面に密接できるよう、前記交差部に立設固定された支柱の小突起の4分の1径の凹欠部を隅角部に凹設して形成された小正方形状のカバー片を複数枚、その外側壁面が互いに密接するようにして前記凹欠部の基部側を前記段部上にそれぞれ載置固定して、幅が前記基板部材と同一の天板部材を設けて送風ブロックを形成すると共に、前記送風ブロックの各基板部材は延長連結固定手段により、前記床下空間の広さに合うよう複数個一体に連結固定できるよう形成され、
前記基板部材の各隅角部に突設固定された各4分の1径支柱の基部柱には、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風の送風方向を制御する送風方向制御プレートの両端縁部を適宜挿着固定することができるスリットが形成され、
前記送風方向制御プレートは、その両側端縁部が前記基板部材の隅角部に立設固定され、且つ同一辺に位置する4分の1径支柱に形成されたスリットに挿着固定できる長さを有すると共に、前記4分の1径支柱間に位置する2分の1径支柱の基部柱の内周壁面に密接できる湾曲凹部を設けて形成され、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風が、前記床フロアに開口された吹出し口と、該吹出し口と連通する天板部材の吹出し口方向へ送風できるよう、送風方向制御プレートを前記いずれか4分の1径支柱に形成されたスリットにそれぞれ挿着固定して送風方向を設定し、更に前記両吹出し口に送風ガイドを連結固定して送風パネル装置が形成され、
前記送風パネル装置は前記床スラブ上に固定されることを特徴とする空調システムに使用する送風パネル装置。
【請求項2】
冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を送風する室内の内壁板と外壁板の密閉空間である壁内空間に設置され、前記冷風または温風を内壁板に開口された吹出し口より、送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房する空調システムに使用する送風パネル装置であって、
前記送風パネル装置は、細長板片より成る正方形状枠体の対面する各隅角部をそれぞれ対角線状に細長板片で連結固定すると共に、前記枠体の互いに隣り合う枠杆に、等間隔で、前記形成された各対角線状の細長板片と平行に複数の交差部を設けて細長板片を連結固定する一方、前記枠体の隅角部および各枠杆における細長板片との連結部、並びに前記複数の交差部のうち、互いに対面する枠杆の連結部と一直線上の位置にある各交差部に、円柱状に形成された長い基部柱の上端面に段部を有して、中央に円形の小突起を突設した支柱を立設固定し、且つ前記枠体の隅角部に、前記交差部に立設固定された支柱を4分の1径に縦断すると共に、直角の垂直切断面を外側に位置するようにして4分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体の各枠杆における細長板片との連結部に、前記交差部に立設固定された支柱を2分の1径に縦断すると共に、垂直切断面を外側に位置するようにして2分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体上に、前記各支柱を貫通して断熱シートを載置固定して基板部材が形成され、
前記基板部材の各支柱のうち、互いに隣り合う4本の支柱を一群として、これら複数群の4本の支柱の小突起の外周面に密接できるよう、前記交差部に立設固定された支柱の小突起の4分の1径の凹欠部を隅角部に凹設して形成された小正方形状のカバー片を複数枚、その外側壁面が互いに密接するようにして前記凹欠部の基部側を前記段部上にそれぞれ載置固定して、幅が前記基板部材と同一の天板部材を設けて送風ブロックを形成すると共に、前記送風ブロックの各基板部材は延長連結固定手段により、前記壁内空間の広さに合うよう複数個一体に連結固定できるよう形成され、
前記基板部材の各隅角部に突設固定された各4分の1径支柱の基部柱には、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風の送風方向を制御する送風方向制御プレートの両端縁部を適宜挿着固定することができるスリットが形成され、
前記送風方向制御プレートは、その両側端縁部が前記基板部材の隅角部に立設固定され、且つ同一辺に位置する4分の1径支柱に形成されたスリットに挿着固定できる長さを有すると共に、前記4分の1径の支柱間に位置する2分の1径支柱の基部柱の内周壁面に密接できる湾曲凹部を設けて形成され、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風が、前記内壁板に開口された吹出し口と、該吹出し口と連通する天板部材の吹出し口方向へ送風できるよう、送風方向制御プレートを前記いずれか4分の1径支柱に形成されたスリットにそれぞれ挿入固定して送風方向を設定し、更に前記両吹出し口に送風ガイドを連結固定して送風パネル装置が形成され、
前記送風パネル装置は前記外壁板に固定されることを特徴とする空調システムに使用する送風パネル装置。
【請求項3】
冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を送風する室内の天井スラブと天井板間の密閉空間である天井空間に設置され、前記冷風または温風を天井板に開口された吹出し口より、送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房する空調システムに使用する送風パネル装置であって、
前記送風パネル装置は、細長板片より成る正方形状枠体の対面する各隅角部をそれぞれ対角線状に細長板片で連結固定すると共に、前記枠体の互いに隣り合う枠杆に、等間隔で、前記形成された各対角線状の細長板片と平行に複数の交差部を設けて細長板片を連結固定する一方、前記枠体の隅角部および各枠杆における細長板片との連結部、並びに前記複数の交差部のうち、互いに対面する枠杆の連結部と一直線上の位置にある各交差部に、円柱状に形成された長い基部柱の上端面に段部を有して、中央に円形の小突起を突設した支柱を立設固定し、且つ前記枠体の隅角部に、前記交差部に立設固定された支柱を4分の1径に縦断すると共に、直角の垂直切断面を外側に位置するようにして4分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体の各枠杆における細長板片との連結部に、前記交差部に立設固定された支柱を2分の1径に縦断すると共に、垂直切断面を外側に位置するようにして2分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体上に、前記各支柱を貫通して断熱シートを載置固定して基板部材が形成され、
前記基板部材の各支柱のうち、互いに隣り合う4本の支柱を一群として、これら複数群の4本の支柱の小突起の外周面に密接できるよう、前記交差部に立設固定された支柱の小突起の4分の1径の凹欠部を隅角部に凹設して形成された小正方形状のカバー片を複数枚、その外側壁面が互いに密接するようにして前記凹欠部の基部側を前記段部上にそれぞれ載置固定して、幅が前記基板部材と同一の天板部材を設けて送風ブロックを形成すると共に、前記送風ブロックの各基板部材は延長連結固定手段により、前記天井空間の広さに合うよう複数個一体に連結固定できるよう形成され、
前記基板部材の各隅角部に突設固定された各4分の1径支柱の基部柱には、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風の送風方向を制御する送風方向制御プレートの両端縁部を適宜挿着固定することができるスリットが形成され、
前記送風方向制御プレートは、その両側端縁部が前記基板部材の隅角部に立設固定され、且つ同一辺に位置する4分の1径支柱に形成されたスリットに挿着固定できる長さを有すると共に、前記4分の1径支柱間に位置する2分の1径支柱の基部柱の内周壁面に密接できる湾曲凹部を設けて形成され、前記冷・温風発生機器からの冷風または温風が、前記天井板に開口された吹出し口と、該吹出し口と連通する天板部材の吹出し口方向へ送風できるよう、送風方向制御プレートを前記いずれか4分の1径支柱に形成されたスリットにそれぞれ挿入固定して送風方向を設定し、更に前記両吹出し口に送風ガイドを連結固定して送風パネル装置が形成され、
前記送風パネル装置は前記天井板に固定されることを特徴とする空調システムに使用する送風パネル装置。
【請求項4】
前記延長連結固定手段が、基板部材の枠体を構成する各枠杆に立設固定された複数本の2分の1径支柱のうち、前記枠杆のそれぞれ両側方向位置において互いに対称位置にある一方側の支柱の垂直切断面に、上端縁から下端縁まで、奥行き方向が幅広の台形状凹溝を垂直に凹設すると共に、他方側の支柱の垂直切断面に、上端縁近くから下端縁近くまで前記台形状凹溝の形状と一致する台形状突条をそれぞれ突設して形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空調システムに使用する送風パネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルや庁舎等の室内において、ヒートポンプ等の冷・温風発生機器で生成された冷風または温風による冷・暖房を目的とする、床吹出しタイプの空調システム、壁吹出しタイプの空調システムまたは天井吹出しタイプの空調システムのいずれにも設置することができる送風パネル装置であって、床吹出しタイプの空調システムにおいては床下空間、壁吹出しタイプの空調システムにおいては壁内空間、または天井吹出しタイプの空調システムにおいては天井空間に設置されて、前記冷風または温風を室内に、前記吹出し口から効率よく送風するため、送風方向制御プレートを設置して、その送風方向を前記吹出し口方向へ設定できるようにした空調システムに使用する送風パネル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、送風による冷暖房を目的とする空調システム、例えば、床吹出し空調システムは、下記特許文献1および2に開示された発明が公知である。特許文献1および2に開示された発明はいずれも床放射空調システムと床吹出し空調システムとの組み合わせより成るものである。そして、前記特許文献1の発明を構成する床吹出し空調システムにおいては、基部プレートに設置された補強体を嵌入する複数個の凹部が、冷・温風の送風路となる床基板上に載置されるよう形成されているため、該送風路に送気された冷・温風が前記複数個の凹部に吹き当って乱流し、前記冷・温風が所望の風量および風速で効率よく床吹出し口から室内に送風できないという課題があった。
【0003】
また、前記特許文献2の発明を構成する床吹出し空調システムにおいては、床放射空調システムに使用される冷温水配管が空間部(送風路)に配管されているため、該空間部(送風路)に送風された冷・温風が前記冷温水配管に吹き当って乱流し、前記冷・温風が所望の風量および風速で効率よく床吹出し口から室内に送風できないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2602194号公報
【文献】特開2013-139949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、オフィスビルや庁舎等の室内において、ヒートポンプ等の冷・温風発生機器で生成された冷風または温風による冷・暖房を目的とする、床吹出しタイプの空調システム、壁吹出しタイプの空調システムまたは天井吹出しタイプの空調システムのいずれにも設置することができると共に、送風方向制御プレートを設置して、前記冷風または温風の送風方向を、室内の吹出し口方向へ設定できるようにすることにより、該吹出し口から送風ガイドを介して効率よく送風され、室内を迅速に冷・暖房することができるようにした空調システムに使用する送風パネル装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決すべくなされた本発明は、請求項1の発明において、
冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を送風する室内の床フロアと床スラブ間の密閉空間である床下空間に設置され、前記冷風または温風を床フロアに開口された吹出し口より、送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房する空調システムに使用する送風パネル装置であって、
前記送風パネル装置は、細長板片より成る正方形状枠体の対面する各隅角部をそれぞれ対角線状に細長板片で連結固定すると共に、前記枠体の互いに隣り合う枠杆に、等間隔で、前記形成された各対角線状の細長板片と平行に複数の交差部を設けて細長板片を連結固定する一方、前記枠体の隅角部および各枠杆における細長板片との連結部、並びに前記複数の交差部のうち、互いに対面する枠杆の連結部と一直線上の位置にある各交差部に、円柱状に形成された長い基部柱の上端面に段部を有して、中央に円形の小突起を突設した支柱を立設固定し、且つ前記枠体の隅角部に、前記交差部に立設固定された支柱を4分の1径に縦断すると共に、直角の垂直切断面を外側に位置するようにして4分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体の各枠杆における細長板片との連結部に、前記交差部に立設固定された支柱を2分の1径に縦断すると共に、垂直切断面を外側に位置するようにして2分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体上に、前記各支柱を貫通して断熱シートを載置固定して基板部材が形成され、
前記基板部材の各支柱のうち、互いに隣り合う4本の支柱を一群として、これら複数群の4本の支柱の小突起の外周面に密接できるよう、前記交差部に立設固定された支柱の小突起の4分の1径の凹欠部を隅角部に凹設して形成された小正方形状のカバー片を複数枚、その外側壁面が互いに密接するようにして前記凹欠部の基部側を前記段部上にそれぞれ載置固定して、幅が前記基板部材と同一の天板部材を設けて送風ブロックを形成すると共に、前記送風ブロックの各基板部材は延長連結固定手段により、前記床下空間の広さに合うよう複数個一体に連結固定できるよう形成され、
前記基板部材の各隅角部に突設固定された各4分の1径支柱の基部柱には、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風の送風方向を制御する送風方向制御プレートの両端縁部を適宜挿着固定することができるスリットが形成され、
前記送風方向制御プレートは、その両側端縁部が前記基板部材の隅角部に立設固定され、且つ同一辺に位置する4分の1径支柱に形成されたスリットに挿着固定できる長さを有すると共に、前記4分の1径支柱間に位置する2分の1径支柱の基部柱の内周壁面に密接できる湾曲凹部を設けて形成され、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風が、前記床フロアに開口された吹出し口と、該吹出し口と連通する天板部材の吹出し口方向へ送風できるよう、送風方向制御プレートを前記いずれか4分の1径支柱に形成されたスリットにそれぞれ挿着固定して送風方向を設定し、更に前記両吹出し口に送風ガイドを連結固定して送風パネル装置が形成され、
前記送風パネル装置は前記床スラブ上に固定されることを特徴とする空調システムに使用する送風パネル装置が提供され、
請求項2の発明において、
冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を送風する室内の内壁板と外壁板の密閉空間である壁内空間に設置され、前記冷風または温風を内壁板に開口された吹出し口より、送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房する空調システムに使用する送風パネル装置であって、
前記送風パネル装置は、細長板片より成る正方形状枠体の対面する各隅角部をそれぞれ対角線状に細長板片で連結固定すると共に、前記枠体の互いに隣り合う枠杆に、等間隔で、前記形成された各対角線状の細長板片と平行に複数の交差部を設けて細長板片を連結固定する一方、前記枠体の隅角部および各枠杆における細長板片との連結部、並びに前記複数の交差部のうち、互いに対面する枠杆の連結部と一直線上の位置にある各交差部に、円柱状に形成された長い基部柱の上端面に段部を有して、中央に円形の小突起を突設した支柱を立設固定し、且つ前記枠体の隅角部に、前記交差部に立設固定された支柱を4分の1径に縦断すると共に、直角の垂直切断面を外側に位置するようにして4分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体の各枠杆における細長板片との連結部に、前記交差部に立設固定された支柱を2分の1径に縦断すると共に、垂直切断面を外側に位置するようにして2分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体上に、前記各支柱を貫通して断熱シートを載置固定して基板部材が形成され、
前記基板部材の各支柱のうち、互いに隣り合う4本の支柱を一群として、これら複数群の4本の支柱の小突起の外周面に密接できるよう、前記交差部に立設固定された支柱の小突起の4分の1径の凹欠部を隅角部に凹設して形成された小正方形状のカバー片を複数枚、その外側壁面が互いに密接するようにして前記凹欠部の基部側を前記段部上にそれぞれ載置固定して、幅が前記基板部材と同一の天板部材を設けて送風ブロックを形成すると共に、前記送風ブロックの各基板部材は延長連結固定手段により、前記壁内空間の広さに合うよう複数個一体に連結固定できるよう形成され、
前記基板部材の各隅角部に突設固定された各4分の1径支柱の基部柱には、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風の送風方向を制御する送風方向制御プレートの両端縁部を適宜挿着固定することができるスリットが形成され、
前記送風方向制御プレートは、その両側端縁部が前記基板部材の隅角部に立設固定され、且つ同一辺に位置する4分の1径支柱に形成されたスリットに挿着固定できる長さを有すると共に、前記4分の1径の支柱間に位置する2分の1径支柱の基部柱の内周壁面に密接できる湾曲凹部を設けて形成され、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風が、前記内壁板に開口された吹出し口と、該吹出し口と連通する天板部材の吹出し口方向へ送風できるよう、送風方向制御プレートを前記いずれか4分の1径支柱に形成されたスリットにそれぞれ挿入固定して送風方向を設定し、更に前記両吹出し口に送風ガイドを連結固定して送風パネル装置が形成され、
前記送風パネル装置は前記外壁板に固定されることを特徴とする空調システムに使用する送風パネル装置が提供され、
また、請求項3の発明において、
冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を送風する室内の天井スラブと天井板間の密閉空間である天井空間に設置され、前記冷風または温風を天井板に開口された吹出し口より、送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房する空調システムに使用する送風パネル装置であって、
前記送風パネル装置は、細長板片より成る正方形状枠体の対面する各隅角部をそれぞれ対角線状に細長板片で連結固定すると共に、前記枠体の互いに隣り合う枠杆に、等間隔で、前記形成された各対角線状の細長板片と平行に複数の交差部を設けて細長板片を連結固定する一方、前記枠体の隅角部および各枠杆における細長板片との連結部、並びに前記複数の交差部のうち、互いに対面する枠杆の連結部と一直線上の位置にある各交差部に、円柱状に形成された長い基部柱の上端面に段部を有して、中央に円形の小突起を突設した支柱を立設固定し、且つ前記枠体の隅角部に、前記交差部に立設固定された支柱を4分の1径に縦断すると共に、直角の垂直切断面を外側に位置するようにして4分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体の各枠杆における細長板片との連結部に、前記交差部に立設固定された支柱を2分の1径に縦断すると共に、垂直切断面を外側に位置するようにして2分の1径支柱が立設固定され、更に前記枠体上に、前記各支柱を貫通して断熱シートを載置固定して基板部材が形成され、
前記基板部材の各支柱のうち、互いに隣り合う4本の支柱を一群として、これら複数群の4本の支柱の小突起の外周面に密接できるよう、前記交差部に立設固定された支柱の小突起の4分の1径の凹欠部を隅角部に凹設して形成された小正方形状のカバー片を複数枚、その外側壁面が互いに密接するようにして前記凹欠部の基部側を前記段部上にそれぞれ載置固定して、幅が前記基板部材と同一の天板部材を設けて送風ブロックを形成すると共に、前記送風ブロックの各基板部材は延長連結固定手段により、前記天井空間の広さに合うよう複数個一体に連結固定できるよう形成され、
前記基板部材の各隅角部に突設固定された各4分の1径支柱の基部柱には、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風の送風方向を制御する送風方向制御プレートの両端縁部を適宜挿着固定することができるスリットが形成され、
前記送風方向制御プレートは、その両側端縁部が前記基板部材の隅角部に立設固定され、且つ同一辺に位置する4分の1径支柱に形成されたスリットに挿着固定できる長さを有すると共に、前記4分の1径支柱間に位置する2分の1径支柱の基部柱の内周壁面に密接できる湾曲凹部を設けて形成され、前記冷・温風発生機器からの冷風または温風が、前記天井板に開口された吹出し口と、該吹出し口と連通する天板部材の吹出し口方向へ送風できるよう、送風方向制御プレートを前記いずれか4分の1径支柱に形成されたスリットにそれぞれ挿入固定して送風方向を設定し、更に前記両吹出し口に送風ガイドを連結固定して送風パネル装置が形成され、
前記送風パネル装置は前記天井板に固定されることを特徴とする空調システムに使用する送風パネル装置が提供され、
また更に、請求項4の発明において、
前記延長連結固定手段が、基板部材の枠体を構成する各枠杆に立設固定された複数本の2分の1径支柱のうち、前記枠杆のそれぞれ両側方向位置において互いに対称位置にある一方側の支柱の垂直切断面に、上端縁から下端縁まで、奥行き方向が幅広の台形状凹溝を垂直に凹設すると共に、他方側の支柱の垂直切断面に、上端縁近くから下端縁近くまで前記台形状凹溝の形状と一致する台形状突条をそれぞれ突設して形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空調システムに使用する送風パネル装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
前記のように構成された本発明によれば、ヒートポンプ等の冷・温風発生機器で生成された冷風または温風による冷・暖房を目的とする、床吹出しタイプの空調システム、壁吹出しタイプの空調システムまたは天井吹出しタイプの空調システムのいずれにも設置することができる一方、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風は、本発明を構成する複数本の支柱により充分な広さの送風空間が形成され、且つ該送風空間には送風ダクトや通信機器用のケーブル等の障害物が存在しないので、前記送風空間内における送風はスムーズであり、更に前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を、吹出し口から送風ガイドを介して効率よく室内に送風するため、送風方向制御プレートを隅角部の支柱に装着して、前記冷風または温風の送風方向を前記吹出し口方向へ設定できるので、無駄なく、且つ迅速に効率よく前記吹出し口より送風ガイドを介して室内に送風され、快適な室内環境を実現することができるという優れた効果を奏することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明空調システムに使用する送風パネル装置を床吹出しタイプの空調システムに使用した状態を示す概略縦断面図である。
【
図2】本発明空調システムに使用する送風パネル装置の送風ブロックを構成する基板部材の斜視図である。
【
図6】同基板部材上に載置固定する断熱シートの斜視図である。
【
図7】本発明空調システムに使用する送風パネル装置における送風ブロックの天板部材を構成するカバー片の斜視図である。
【
図9】本発明空調システムに使用する送風パネル装置における送風ブロックの天板部材を構成する複数枚のカバー片を、断熱シートを省略して基板部材の支柱上に載置固定している状態を示す斜視図である。
【
図10】本発明空調システムに使用する送風パネル装置における送風ブロックの板部材を構成する複数枚のカバー片を、断熱シートを設置した基板部材の支柱上に載置固定している状態を示す斜視図である。
【
図11】
図9において、断熱シートと送風方向制御プレートを設置しながら、複数枚のカバー片を支柱上に載置固定している状態を示す組立分解斜視図である。
【
図12】同組立完了後の送風ブロックの斜視図である。
【
図13】本発明空調システムに使用する送風パネル装置における送風方向制御プレートの斜視図である。
【
図14】本発明空調システムに使用する送風パネル装置において、3個の送風ブロックを連結固定した状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明空調システムに使用する送風パネル装置において、3個の送風ブロックを連結固定した状態を示す平面図である。
【
図16】本発明空調システムに使用する送風パネル装置において、送風ブロックの天板部材に吹出し口を開口し、該吹出し口に送風ガイド(グリル)を装着固定しようとする状態を示す組立分解斜視図である。
【
図17】本発明空調システムに使用する送風パネル装置において、送風ブロックに送風ガイドを装着固定した状態を示す斜視図である。
【
図18】本発明空調システムに使用する送風パネル装置において、送風ブロックに送風ガイドを装着固定するために使用する送風ガイド取付部材の斜視図である。
【
図20】本発明空調システムに使用する送風パネル装置において、4個の送風ブロックを連結固定して形成した送風パネル装置上に床パネルを設置固定する際に、送風ガイドを取付けようとする状態を示す組立分解斜視図である。
【
図22】本発明空調システムに使用する送風パネル装置を壁吹出しタイプの空調システムに使用した状態を示す概略縦断面図である。
【
図23】本発明空調システムに使用する送風パネル装置を天井吹出しタイプの空調システムに使用した状態を示す概略縦断面図である。
【実施例】
【0009】
本発明は、ヒートポンプ等の冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を、吹出し口から送風ガイドを介して室内に送風して室内を冷・暖房することを目的とする、床吹出しタイプの空調システム、壁吹出しタイプの空調システムまたは天井吹出しタイプの空調システムの3つのタイプの空調システムのいずれにも設置することができる送風パネル装置である。そして、先ず、本発明送風パネル装置を床吹出しタイプの空調システムに使用する場合を、第1実施例として、
図1~
図21に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明送風パネル装置Pを床吹出しタイプの空調システムAに使用する場合を示す概略縦断面図である。本発明送風パネル装置Pは、ヒートポンプ等の冷・温風発生機器(図示せず)で生成された冷風または温風を室内1に送風するため、床フロア2と床スラブ3間の密閉空間である床下空間4に設置される。前記送風パネル装置Pは、正方形状に形成された基板部材5上に、該基板部材5と同一大きさの正方形状に形成された天板部材6を載置固定して送風ブロック7を形成すると共に、該送風ブロック7を延長連結固定手段8により、前記送風パネル装置Pを設置する前記床下空間4の広さに合わせて、それぞれ複数個連結固定して送風パネル装置Pが形成される。
【0011】
前記送風パネル装置Pを構成する基板部材5は、ポリプロピレンやアクリル樹脂等の硬質合成樹脂により成型されている。前記基板部材5は、
図2~
図6に示すように、細長板片9aを枠状に接合固定して正方形状の枠体10を形成し、且つ該枠体10を構成する枠杆11a・11b・11c・11dの各対面する各隅角部12をそれぞれ対角線状に細長板片9bで連結固定すると共に、前記枠体10の互いに隣り合う枠杆11a・11bおよび11c・11dに、等間隔で、且つ前記形成された対角線状の細長板片9bと平行に交差部13を設けて複数本の細長板片9cをそれぞれ連結固定し、且つ前記枠体10の隅角部12および前記各枠杆11a・11b・11c・11dにおける細長板片9cとの連結部14、並びに前記複数の交差部13のうち、互いに対面する枠杆11a・11cおよび11b・11dの連結部14と一直線上の位置にある交差部13に支柱15がそれぞれ等間隔で立設固定されて形成されている。なお、
図2~4に示す基板部材5は、特に好ましい幅である60cm幅で正方形状に形成されており、その幅に形成された基板部材5に25本の支柱15を立設固定した状態が図示されているが、当然前記幅の長さに応じて、それぞれ前記支柱の数に増減がある。
【0012】
前記枠体10の隅角部12および前記各枠杆11a・11b・11c・11dにおける細長板片9cとの連結部14、並びに前記交差部13に立設固定される支柱15の形状は、
図2~5に示すように、その立設固定する位置によってその形状を異にしている。
【0013】
前記交差部13に立設固定される支柱15aは、
図2~5に示すように、円柱状に形成された長い基部柱16aの下端部にそれよりやや経大な台座17aを備えると共に、前記基部柱16aの上端面に円状の段部18aを備え、且つ中央に円状の小突起19aが突設されて形成され、更に前記段部18aには、後述するカバー片27の湾曲挿着凹部33を挿着して、該カバー片27を段部18a上に固定する湾曲突条20が2個を1組として4組突設されて形成されている。
【0014】
また、前記枠体10の各隅角部12に立設固定される支柱15bは、
図2~4に示すように、前記交差部13に立設固定された支柱15aを4分の1径に縦断して、4分の1径小突起19b、段部18b、基部柱16bおよび台座17bを備え、且つ直角の垂直切断面21をそれぞれ外側に位置するようにして立設固定されている。
【0015】
更に、前記枠体10の各枠杆11a・11b・11c・11dにおける細長板片9cとの連結部14に立設固定される支柱15cは、
図2~4に示すように、前記交差部13に立設固定された支柱15aを2分の1径に縦断して、2分の1径小突起19c、段部18c、基部柱16cおよび台座17bcを備え、且つ垂直切断面22を外側に位置するようにして立設固定されている。
【0016】
そして、前記基板部材5には、断熱シート23が載置固定されて床フロア2からの冷気や熱気を遮断するよう配慮されている。前記断熱シート23はウレタン樹脂やスポンジ等の軟質材により形成されていると共に、該断熱シート23は、
図6に示すように、前記各支柱15a・15b・15cを貫通して前記枠体10上に載置できるよう、前記各交差部13の支柱15aの台座17aの形状に一致する円形孔24、隅角部12の4分の1径支柱15bの台座17bの形状と一致する4分の1径凹部25、並びに前記枠体10の各枠杆11a・11b・11c・11dに立設固定された支柱15cの台座17cの形状と一致する半円状凹部26をそれぞれ設けて形成されている。
【0017】
更に、前記基板部材5の支柱15のうち、互いに隣り合う4本の支柱15を一群として、これら4本の支柱15上に載置固定する小正方形状のカバー片27を、前記複数群より成る各支柱15上に互いに側面を密着させて、幅が前記基板部材5と同一の1枚状の天板部材6として、前記各支柱15上に載置固定して送風ブロック7が形成される。
【0018】
前記カバー片27は、
図7~8に示すように、互いに隣り合う4本の支柱15を一群として、これら4本の支柱15上に載置固定できる幅を有すると共に、断面逆凹状の凹部室28を備えた断面逆凹状のプレート29より成り、且つ該凹部室28内に多数の幾何学模様より成る補強用リブ30を多数固設する一方、前記プレート29の各隅角部31に、前記支柱15aの小突起19aの4分の1径と同一の4分の1径の凹部32を設けると共に、該凹部31の内側位置の前記補強用リブ30の端縁部に、前記支柱15の段部18に突設された2個1組の湾曲突条20に挿着固定する2個1組の湾曲挿着凹部33を設けて形成されている。
【0019】
そして、
図9~12に示すように、前記構成より成る小正方形状のカバー片27の各隅角部31の4分の1径凹部32を、前記互いに隣り合う4本の支柱15を一群として、これら4本の支柱15上に突設された円状の小突起19a、2分の1径小突起19c並びに4分の1径小突起19bの外周縁部に密接させ、且つ該各支柱15の基部柱16の各段部18上の各湾曲突条20に前記カバー片27の各湾曲挿着凹部33を挿着して前記段部18上に載置すると共に、前記各カバー片27の各外側壁面が互いに密接するようにして、前記各支柱15上に複数枚のカバー片27を連接して載置固定して、該連接した複数枚のカバー片27を前記基板部材5と同一幅の1枚状の天板部材6として、該基板部材5と天板部材6との間に送風空間34を備えて送風ブロック7が形成される。
【0020】
前記構成より成る送風ブロック7を、床スラブ3の広さに合わせて、前記各送風ブロック7の各外側面に設けられた延長連結固定手段8により複数個連結固定して本発明送風パネル装置Pが形成される。前記延長連結固定手段8は、前記複数個の送風ブロック7を前後左右方向にそれぞれ連結固定することができる構成であればいずれも採用することができる。そして、前記延長連結固定手段8としては、特に限定する必要はないが、好ましくは、
図2~5、
図9~12に示すような構成とすることが推奨される。
【0021】
前記好ましい送風ブロック7の延長連結固定手段8としては、前記基板部材5の枠体10を構成する各枠杆11a・11b・11c・11dに立設固定された複数本の2分の1径支柱15cのうち、前記各枠杆11a・11b・11c・11dのそれぞれ両側方向位置において互いに対称位置にある一方側の支柱15cの垂直切断面22に、上端縁から下端縁まで奥行方向が幅広の台形状凹溝35を垂直に凹設すると共に、他方側の支柱15cの垂直切断面22に、上端縁近くから下端縁近くまで前記台形状凹溝35の形状と一致する台形状突条36をそれぞれ突設して形成されることが推奨される。
【0022】
すなわち、前記基板部材5の枠体10を構成する4本の枠杆11a・11b・11c・11dにそれぞれ立設固定された同一位置の2分の1径の各2本の支柱15cには、台形状凹溝35および台形状突条36がそれぞれ形成されている。従って、前記基板部材5上に天板部材6を載置固定して形成した送風ブロック7を、前記延長連結固定手段8により複数個の送風ブロック7を前後左右方向にそれぞれ連結固定する場合、一方の送風ブロック7の台形状凹溝35の上端縁部に、他方の送風ブロック7の台形状突条36の下端縁部を位置させると共に、一方の送風ブロック7の台形状突条36の上端縁部に、他方の送風ブロック7の台形状凹溝35の下端縁部を位置させ、然る後、他方の送風ブロック7を一方の送風ブロック7へ押圧下動させることにより、前記各台形状凹溝35に各台形状突条36がそれぞれ嵌合してスライドし、前記一方の送風ブロック7は他方の送風ブロック7と一体に連結固定される。以下同様の作業を繰返すことにより、所定幅の送風パネル装置Pが形成される。
【0023】
そして、
図14・
図14aおよび
図15に示すように、記複数個の送風ブロック7を前記延長連結固定手段8により連結固定することにより、前記2分の1径の各支柱15cの垂直の切断面22が他の送風ブロック7の2分の1径の各支柱15cの垂直の切断面22と接合して一体となって、交差部12に立設固定された支柱15aと同径となり、また前記4分の1径の各支柱15bの直角の垂直切断面21が、他の3個の送風ブロック7の4分の1径の各支柱15bの直角の垂直切断面21とそれぞれ接合して一体となって前記支柱15aと同径となり、各支柱15b・15cの強度が維持されるのである。
【0024】
更に、
図9~12に示すように、前記各基板部材5の各隅角部12に立設固定された4分の1径の支柱15bの基部柱16b部分の直角の垂直切断面21には、冷・温風発生機器からの冷・温風の送風方向を制御する送風方向制御プレート37の各側端縁部を、取外し自在に挿着固定するスリット38が、前記基部柱16bの上下方向全長に亘ってそれぞれ凹設されている。
【0025】
そして、前記送風方向制御プレート37は、
図13に示すように、前記基板部材5を構成する4本の枠杆11a・11b・11c・11dに突設された複数本の2分の1径支柱15bを構成する基部柱16bの高さと同一高さの横長プレート片39に、該2分の1径支柱15cを構成する基部柱16cの内周湾曲壁面に摺接して密着できるように、前記各2分の1径支柱15cと同一間隔で複数個の湾曲凹部40をそれぞれ備えて形成されている。
【0026】
前記構成より成る送風方向制御プレート37は、その両側端縁部を、対面する2本の4分の1径支柱15bの基部柱16b部分に凹設されたスリット38の上端部に嵌挿して下方へ押圧して行くことにより、前記複数個の湾曲凹部40を2分の1径の複数本の支柱15cを構成する基部柱16cの内周壁面に摺接しながら下動して、下端縁が断熱シート23に当接して固定されると、該送風方向制御プレート37が壁となり、該送風方向制御プレート37外への冷・温風の送風が遮断され、送風方向を任意に設定できる。なお、前記送風方向制御プレート37は、前記基板部材5上に天板部材6を載置固定するより前に設置する必要がある。
【0027】
前記のように構成された第1実施例による本発明床吹出しタイプの空調システムに設置する送風パネル装置Pは、密閉空間である床下空間4の床スラブ3に設置固定されるが、該送風パネル装置P上には床フロア2が載置固定される。
この際、前記枠体10は、硬質合成樹脂製の細長板片9a・9b・9cにより形成されているので、多少の屈曲性を有し、床スラブ3に多少の凹凸面があっても、その凹凸面を吸収し、送風パネル装置Pとしての水平性を維持することができる。
【0028】
そして、前記冷・温風発生機器からの冷・温風を、室内1全体に平均して効率よく送風して迅速に冷・暖房するため、前記床フロア2に1個または複数個の吹出し口41を開口する(実施例においては、1個の吹出し口が開口されている)と共に、前記床フロア2に開口された吹出し口41の下面に位置する送風パネル装置Pを構成する天板部材6にも、前記吹出し口41に連通するよう吹出し口42が開口されている。なお、前記吹出し口41・42の大きさや形状並びに該吹出し口41・42に装着固定する、例えば、図示されている送風グリル等の送風ガイド43は取付け現場に応じて任意に選択採用すればよい。
【0029】
そして、本発明の第1実施例による床吹出しタイプの空調システムAに設置する送風パネル装置Pにおける送風ガイド43を設置するための構成は、特に限定する必要はないが、好ましくは
図16~17に示す構成を採用することが推奨される。すなわち、送風ガイド43を設置する天板部材6を構成する1枚のカバー片27では小さ過ぎるので、該カバー片27の4枚分の広さの正方形状の送風ガイド取付用プレート44を使用する。
【0030】
前記送風ガイド取付用プレート44は、
図18~19に示すように、送風ブロック7を構成する1個の基板部材6に立設固定された複数本の支柱15のうち、隅角部12の支柱を含む複数本の支柱15(実施例においては、9本の支柱15b・15a・15cが図示されている)上に載置固定できる幅を有し、且つ中央に送風ガイド43を取付ける吹出し口42を開口した断面逆凹状の環状逆凹部室45を備えた正方形状のプレート基板46の各隅角部47に、前記支柱15aの基部柱16a上に突設された小突起19aの4分の1径と同一径の円状凹部48を設けると共に、前記プレート基板46の各隅角部47間の中間位置の側面部に、前記2分の1径支柱15cの小突起19cと同一径の半円状凹部49を設ける一方、前記環状逆凹部室45内に幾何学模様の補強用リブ50を多数設け、前記半円状凹部49および4分の1径の円状凹部48の内側位置であって、前記補強用リブ50の端縁部に、前記支柱15の段部18に間隔を置いて突設された2個1組の湾曲突条20を挿着する2個1組の湾曲挿着凹部51をそれぞれ設けて形成されている。
【0031】
前記のように構成された送風ガイド取付用プレート44を前記9本の支柱15上に載置固定する場合、
図16に示すように、送風ガイド取付用プレート44の載置位置である交差部13に立設固定された2本の支柱15aのうち、吹出し口41の下面に位置する支柱15aの小突起19aおよび湾曲突条20を切断して取付ける必要がある。これにより、前記吹出し口42に送風ガイド43を設置しても、前記小突起19aおよび湾曲突条20が切断されて、支柱15aが低くなっているので、送風ガイド43の設置に当って邪魔にならない。
【0032】
前記構成より成る本発明送風パネル装置Pを、第1実施例による床吹出しタイプの空調システムAに使用すると、基板部材5に立設固定された複数本の支柱15は床フロア2上に設置あるいは装置される事務用機器等の各種機器の重量を支えるに充分な強度を有する形状に形成され、更に前記床フロア2および天板部材6に開口された吹出し口41・42に設置された送風ガイド43を介して、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を効率よく室内1に送風するため、予め設定された送風方向を経由して送風できるよう、前記送風方向制御プレート37を適宜組み合わせて4分の1径の支柱15bに挿着固定して、前記冷風または温風の送風方向を制御することにより、無駄なく、且つ迅速に効率よく前記送風ガイド43を介して室内2に送風され、快適な室内環境を実現することができるのである。
【0033】
次に、本発明送風パネル装置Pを壁吹出しタイプの空調システムBに使用する場合を第2実施例として説明する。
図22は、第2実施例を示す概略縦断面図である。第2実施例に使用する本発明送風パネル装置Pは、前記第1実施例の送風パネル装置Pと同一構成であり、第1実施例における送風パネル装置Pが密閉空間である床下空間5内において横方向に使用するのに対し、第2実施例における送風パネル装置Pは、
図22に示すように、内壁板51と外壁板52との間の密閉空間である壁内空間53内の外壁板52に縦方向に設置して使用するものであり、冷・温風発生機器からの冷風または温風を、前記送風パネル装置Pを介して、該送風パネル装置Pの室内側に位置する天板部材6と内壁板51とを連通して形成された吹出し口40・41に設置された送風ガイド42を介して室内1に送風するという構成および作用は第1実施例と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
前記したように、第1実施例における床吹出しタイプの空調システムAと第2実施例における壁吹出しタイプの空調システムBに使用する本発明送風パネル装置Pは、いずれもその構成は全く同一であり、単に使用する方向が横方向か、縦方向の違いだけであるので、図面と符号の部材名は第1実施例における送風パネル装置Pのものをそのまま使用する。
【0035】
そして、前記構成より成る本発明送風パネル装置Pを、第2実施例による壁吹出しタイプの空調システムBに使用すると、前記天板部材6および内壁板51に開口された吹出し口40・41に設置された送風ガイド42を介して、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を効率よく室内1に送風するため、前記送風方向制御プレート36を前記支柱15bに装着して、前記冷風または温風の送風方向を制御することにより、無駄なく、且つ迅速に効率よく前記送風ガイド42を介して室内1に送風され、快適な室内環境を実現することができるのである。
【0036】
更に、本発明送風パネル装置Pを天井吹出しタイプの空調システムCに使用する場合を第3実施例として説明する。
図23は、第3実施例を示す概略縦断面図である。第3実施例に使用する本発明送風パネル装置Pは、前記第1実施例の送風パネル装置Pと同一構成であり、第1実施例における送風パネル装置Pが密閉空間である床下空間4内において横方向に使用するのに対し、第3実施例における送風パネル装置Pは、
図23に示すように、天井スラブ54と天井板55との間の密閉空間である天井空間56内の天井板55に、上下を逆にして設置して使用するものであり、冷・温風発生機器から冷風または温風を、前記送風パネル装置Pを介して、該送風パネル装置Pの天板部材6と天井板55とに連通して形成された吹出し口40・41に設置された送風ガイド42を介して室内1に送風するという構成および作用並びに効果は第1実施例と全く同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0037】
なお、前記したように、第1実施例における床吹出しタイプの空調システムAと第3実施例における天井吹出しタイプの空調システムCに使用する本発明送風パネル装置Pは、いずれもその構成は全く同一であり、単に上下を逆にして使用するか否かの違いだけであるので、図面と符号の部材名は第1実施例における送風パネル装置Pのものをそのまま使用する。
【0038】
そして、前記構成より成る本発明送風パネル装置Pを、第3実施例による天井吹出しタイプの空調システムCに使用すると、前記天板部材6および天井板55に開口された吹出し口40・41に設置された送風ガイド42を介して、前記冷・温風発生機器で生成された冷風または温風を効率よく室内1に送風するため、前記送風方向制御プレート36を前記支柱15bに挿着して、前記冷風または温風の送風方向を制御することにより、無駄なく、且つ迅速に効率よく前記送風ガイド42を介して室内1に送風され、快適な室内環境を実現することができるのである。
【符号の説明】
【0039】
A 床吹出しタイプの空調システム
B 壁吹出しタイプの空調システム
C 天井吹出しタイプの空調システム
P 送風パネル装置
1 室内
2 床フロア
3 床スラブ
4 床下空間
5 基板部材
6 天板部材
7 送風ブロック
8 延長連結固定手段
9 細長板片
10 枠体
11 11a・11b・11c 枠杆
12 隅角部
13 交差部
14 連結部
15・15a・15b・15c・15d 支柱
16・16a・16b・16c 基部柱
17・17a・17b・17c 台座
18・18a・18b・18c 段部
19・19a・19b・19c 小突起
20 湾曲突条
21 直角の垂直切断面
22 垂直切断面
23 断熱シート
24 円形孔
25 4分の1径の凹部
26 半円状の凹部
27 カバー片
28 凹部室
29 プレート
30 補強用リブ
31 隅角部
32 4分の1径の凹部
33 湾曲挿着凹部
34 送風空間
35 台形状凹溝
36 台形状突条
37 送風方向制御プレート
38 スリット
39 横長プレート片
40 湾曲凹部
41・42 吹出し口
43 送風ガイド
44 送風ガイド取付用プレート
45 環状逆凹部室
46 プレート基板
47 隅角部
48 4分の1径の円状凹部
49 半円状凹部
50 補強用リブ
51 湾曲挿着凹部
52 内壁板
53 外壁板
54 壁内空間
55 天井スラブ
56 天井板
57 天井空間