(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】トルクセンサーモジュール及びこれを含む操舵角センシング装置
(51)【国際特許分類】
G01L 3/10 20060101AFI20220511BHJP
B62D 5/04 20060101ALI20220511BHJP
G01B 7/30 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
G01L3/10 305
B62D5/04
G01B7/30 H
(21)【出願番号】P 2020132245
(22)【出願日】2020-08-04
(62)【分割の表示】P 2017533454の分割
【原出願日】2015-12-22
【審査請求日】2020-08-12
(31)【優先権主張番号】10-2014-0194400
(32)【優先日】2014-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ミュンチュル
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-237211(JP,A)
【文献】特表2018-502295(JP,A)
【文献】特開昭54-113374(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0088784(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0254901(US,A1)
【文献】国際公開第2007/029620(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
B62D 5/04
G01B 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローターホルダー;
前記ローターホルダーの外周面に結合されるヨーク部材;
前記ヨーク部材の外周面と接触して結合する第1マグネット;及び
前記ローターホルダーの上面から半径方向外側に延長される複数の支持結合部を含み、
前記ヨーク部材は第1チューブ領域と、前記第1チューブ領域の下端から半径方向外側に突出される第2チューブ領域を含み、
前記複数の支持結合部は円周方向に互いに離隔され、
前記複数の支持結合部の下面は、前記第1マグネットの上面及び前記ヨーク部材の上面と物理的に接触
し、
前記第1マグネットの上面は、前記第1マグネットが前記ローターホルダーに対して挿入される方向とは反対方向における端面であり、
前記ヨーク部材の上面は、前記ヨーク部材が前記ローターホルダーに対して挿入される方向とは反対方向における端面である、ことを特徴とする、
トルクセンサーモジュール。
【請求項2】
前記第1チューブ領域の上面は前記支持結合部の下面に接触されることを特徴とする、
請求項1に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項3】
前記第1マグネットの外周面は前記支持結合部の最外枠端部より半径方向外側に配置されることを特徴とする、
請求項1に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項4】
前記第1マグネットは前記支持結合部と前記第2チューブ領域との間に配置されることを特徴とする、
請求項1に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項5】
前記支持結合部は前記ヨーク部材と前記第1マグネットの境界領域より外側に延長され、下面が前記ヨーク部材の上面と前記第1マグネットの上面に接触されることを特徴とする、
請求項1に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項6】
前記支持結合部は円周方向に沿って離隔される複数の単位支持結合部を含むことを特徴とする、
請求項1に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項7】
前記ローターホルダーは、本体;
前記本体の上端から
半径方向外部に延長されて突出される上部支持部;及び 前記本体の下端から半径方向外部に延長されて突出される下部支持部を含み、
前記上部支持部と前記下部支持部は前記ヨーク部材が前記本体から離脱されることを防止するための支持力を提供することを特徴とする、
請求項1に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項8】
前記単位支持結合部各々は前記ヨーク部材の上面及び前記第1マグネットの上面をカバーし、
前記単位支持結合部各々は前記ヨーク部材及び前記第1マグネットの厚さの合(d1+d2)より小さい突出長さ(d3)を有することを特徴とする、
請求項6に記載のトルクセンサーモジュール。
【請求項9】
トルクセンサーモジュール;
前記トルクセンサーモジュールの外周面に分離されて配置され、出力軸と連結されたステーター;及び
前記ステーターの下側に結合されて回転するメインギアと、第2マグネットと第3マグネットを含んで前記メインギアと連動する複数のサブギアを含むギアモジュールを含み、
前記トルクセンサーモジュールは、
ローターホルダー;
前記ローターホルダーの外周面に結合されるヨーク部材;
前記ヨーク部材の外周面と接触して結合する第1マグネット;及び
前記ローターホルダーの上面から半径方向外側に延長される複数の支持結合部を含み、
前記ヨーク部材は第1チューブ領域と、前記第1チューブ領域の下端から半径方向外側に突出される第2チューブ領域を含み、
前記複数の支持結合部は円周方向に互いに離隔され、
前記複数の支持結合部の下面は、前記第1マグネットの上面及び前記ヨーク部材の上面と物理的に接触
し、
前記第1マグネットの上面は、前記第1マグネットが前記ローターホルダーに対して挿入される方向とは反対方向における端面であり、
前記ヨーク部材の上面は、前記ヨーク部材が前記ローターホルダーに対して挿入される方向とは反対方向における端面である、ことを特徴とする、
操舵角センシング装置。
【請求項10】
前記第1チューブ領域の上面は前記支持結合部の下面に接触されることを特徴とする、
請求項9に記載の操舵角センシング装置。
【請求項11】
前記第1マグネットの外周面は前記支持結合部の最外枠端部より半径方向外側に配置されることを特徴とする、
請求項9に記載の操舵角センシング装置。
【請求項12】
前記第1マグネットは前記支持結合部と前記第2チューブ領域との間に配置されることを特徴とする、
請求項9に記載の操舵角センシング装置。
【請求項13】
前記支持結合部は前記ヨーク部材と前記第1マグネットの境界領域より外側に延長され、下面が前記ヨーク部材の上面と前記第1マグネットの上面に接触されることを特徴とする、
請求項9に記載の操舵角センシング装置。
【請求項14】
前記支持結合部は円周方向に沿って離隔される複数の単位支持結合部を含むことを特徴とする、
請求項9に記載の操舵角センシング装置。
【請求項15】
前記ローターホルダーは、本体;
前記本体の上端から
半径方向外部に延長されて突出される上部支持部;及び 前記本体の下端から半径方向外部に延長されて突出される下部支持部を含み、
前記上部支持部と前記下部支持部は前記ヨーク部材が前記本体から離脱されることを防止するための支持力を提供することを特徴とする、
請求項9に記載の操舵角センシング装置。
【請求項16】
前記単位支持結合部各々は前記ヨーク部材の上面及び前記第1マグネットの上面をカバーし、
前記単位支持結合部各々は前記ヨーク部材及び前記第1マグネットの厚さの合(d1+d2)より小さい突出長さ(d3)を有することを特徴とする、
請求項14に記載の操舵角センシング装置。
【請求項17】
前記第2マグネットと向かい合う印刷回路基板上に配置された第1マグネットセンサーを含むことを特徴とする、
請求項16に記載の操舵角センシング装置。
【請求項18】
操舵角センシング装置;及び
前記操舵角センシング装置により感知された作動条件に基づいてモーターを駆動する電子制御装置を含み、
前記操舵角センシング装置は、トルクセンサーモジュール;
前記トルクセンサーモジュールの外周面に分離されて配置され、出力軸と連結されたステーター;及び
前記ステーターの下側に結合されて回転するメインギアと、第2マグネットと第3マグネットを含んで前記メインギアと連動する複数のサブギアを含むギアモジュールを含み、
前記トルクセンサーモジュールは、ローターホルダー;
前記ローターホルダーの外周面に結合されるヨーク部材;
前記ヨーク部材の外周面と接触して結合する第1マグネット;及び
前記ローターホルダーの上面から半径方向外側に延長される複数の支持結合部を含み、
前記ヨーク部材は第1チューブ領域と、前記第1チューブ領域の下端から半径方向外側に突出される第2チューブ領域を含み、
前記複数の支持結合部は円周方向に互いに離隔され、
前記複数の支持結合部の下面は、前記第1マグネットの上面及び前記ヨーク部材の上面と物理的に接触
し、
前記第1マグネットの上面は、前記第1マグネットが前記ローターホルダーに対して挿入される方向とは反対方向における端面であり、
前記ヨーク部材の上面は、前記ヨーク部材が前記ローターホルダーに対して挿入される方向とは反対方向における端面である、ことを特徴とする、
操舵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両の操舵角センシング装置に適用されるトルクセンサー及びア
ングルセンサーの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に自動車のステアリングの安定性を保障するための装置として別の動力で補助する
ステアリング装置が使用される。従来このような補助ステアリング装置は油圧を利用した
装置が使用されたが、近年動力の損失が少なくて正確性が優秀な電動式ステアリング装置
(Electronic Power Streeing System)が使用される
。
【0003】
前記のような電動式ステアリング装置(EPS)は、車速センサー、トルクアングルセ
ンサー及びトルクセンサーなどで感知した運行条件に応じて電子制御装置(Electr
onic Control Unit)でモーターを駆動して旋回安定性を保障して迅速
な復原力を提供することによって運転者の安全な走行が可能にする。このような電動式ス
テアリング装置において、トルクセンサーの場合、ローターの外周面に沿ってマグネット
が配置され、その外周面にマグネットの極性に対応する突出片を有するステーターが配置
されることによって、相互回転量の差により磁気量を検出して入力軸と出力軸のトルクを
検出して電子制御装置に伝送するようになる。さらに、トルクアングルセンサー(Tor
que Angle Sensor)は、ステアリング軸に加えられるトルクを感知して
、感知されたトルクに比例する電気信号を出力して、ステアリング軸の回転角に比例する
電気信号を出力する構成である。
【0004】
このような構成において、ローターの外周面に配置されるマグネットの間には磁力を効
率よく増強及び制御するためのヨーク部材が挿入されて、マグネットとヨーク部材は、接
着剤を利用して結合するようになって、一つのモジュールとして構成される。しかし、こ
のような接着剤の使用による結合構造は、接着不良によりマグネットの離脱をもたらす問
題を発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、上述した問題を解決するために案出されたもので、特にローター
ホルダーに結合するヨーク部材とマグネットの結合を接着剤を使用せず支持結合部を使用
して上部で結着して接着剤変質と脱漏によるマグネットの離脱不良を解消して、トルクセ
ンサーの性能を向上させることができるトルクセンサーモジュールを提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための手段として、本発明の実施形態では内部が中空のロータ
ーホルダーと前記ローターホルダーの外周面に沿って結合するヨーク部材及び前記ヨーク
部材の外周面と接触して結合する第1マグネットを含み、前記ローターホルダーの上面で
延長され、前記ヨーク部材及び前記第1マグネットの上面に接触する支持結合部を含むト
ルクセンサーモジュールを提供できるようにする。
【0007】
さらに、本発明の他の実施形態では、上述したトルクセンサーモジュールを適用して中
空を介して入力軸と連結されて、外周面にヨーク部材と第1マグネットが結合するロータ
ーと前記ローターの外周面に離隔して配置されて出力軸と連結されるステーター、そして
前記ステーターの下側と結合して、前記ステーターと共に回動するメインギア及び前記メ
インギアと連動して第2マグネット及び第3マグネットを含む複数のサブギアを含むギア
モジュールを含むステアリングセンシング装置を実現することができるようにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によると、ローターホルダーと結合するヨーク部材とマグネットの結
合を接着剤を使用せず支持結合部を使用して上部で結着して接着剤変質と脱漏によるマグ
ネットの離脱不良を解消してトルクセンサーの性能を向上させることができる効果がある
。
【0009】
また、支持結合部をローターホルダーから延長される部分を融着しく形成し、さらにヨ
ーク部材とマグネットの境界結合部の上部を覆う構造で形成する場合、製造工程の効率性
はもちろん結着性をより向上できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールの構造を説明するための図面で、ヨーク部材とローターホルダーの分離概念図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールの構造を説明するための図面で、ヨーク部材が結合したローターホルダーにマグネット部材を結合する概念図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールの構造を説明するための図面で、ヨーク部材が結合したローターホルダーにマグネット部材を結合する概念図である。
【
図4】
図3で図示した本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールにおける支持結合部の形成実施形態を図示した図である。
【
図5】
図3で図示した本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールにおける支持結合部の形成実施形態を図示した図である。
【
図6】
図1乃至
図5で述べた本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールを適用した操舵角センシング装置の一実施例の分離図面を示した図である。
【
図7】
図6のギアモジュールの部分を図示した要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る構成及び作用を具体的に説明する。添付図面を
参照して説明するにあたり、図面符号に関係なく同じ構成要素は同じ参照符号を与え、こ
れに対する重複説明は省略する。第1、第2等の用語は、様々な構成要素を説明するため
に使用され得るが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはいけない。前記用語
は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にだけ使用される。
【0012】
図1乃至
図3は、本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールの構造を説明する
ための図面で、
図1はヨーク部材とローターホルダーの分離概念図、
図2及び
図3は、ヨ
ーク部材が結合したローターホルダーにマグネット部材を結合する概念図を図示したもの
である。
【0013】
図3を参照すると、本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールは、内部が中空
のローターホルダー110と前記ローターホルダーの外周面に沿って結合するヨーク部材
120、そして前記ヨーク部材120の外周面と接触して結合する第1マグネット130
を含み、特に、前記ローターホルダー110の上面で延長されて、前記ヨーク部材及び前
記第1マグネットの上面に接触する支持結合部140を含んで構成されてもよい。
【0014】
前記ローターホルダー110は、図示されたように、内部が中空の構造を有し、外周面
が一定の幅を有して円筒形状で具現される構造を有する。この場合、前記ローターホルダ
ー110は、外周面である本体111と前記本体111の上端部で外部方向に折り曲げら
れる上部支持部112及び、下端部から外部方向に突出されて折り曲げられる下部支持部
113が具現される構造で形成されてもよい。前記上部支持部112と下部支持部113
は、
図1及び
図2で図示されたように、前記本体111の外周面に密着して結合するヨー
ク部材120が定着して支持できるようにして、上下部の離脱を防止できるように安定し
た支持力を具現するようになる。さらに、前記ローターホルダー110の内部の中空部は
、後に入力軸(
図6参照)に連結されて共に回転するようになる。この場合、上部支持部
112と下部支持部113の幅(直径)が本体111の直径より大きく形成される構造で
具現され、このような構造は、マグネットの定着領域を備えてより回転運動に効率的な構
造で具現できるようにする長所がある。
【0015】
前記ヨーク部材120は、前記ローターホルダー110の本体111の外周面に密着で
きる構造で、リング形状で具現されるのが一般的であり、製造工程はインサート射出工程
によって具現され得る。
【0016】
また、
図1及び
図2に図示されたように、最終結合構造である
図3の構造を具現する前
のローターホルダー110の外周部上部面には支持結合部を形成するための突出構造物(
P1、P2、P3)が備えられる構造で具現される。前記突出構造物(P1、P2、P3
)の場合、前記ローターホルダー110を製造する際に、射出工程で予め形成することが
でき、またはこれとは異なって別の部材を利用して突出構造物が付着される構造で具現し
てもよい。射出工程で予め形成する場合には、前記ローターホルダー110と前記突出構
造物が同一材質で具現され得る。このような場合、以後融着特性が高まって、より安定し
た結合が可能になる長所がある。さらに、回転運動をするモーターの特性を考慮して、前
記突出構造物の配置構造は、ローターホルダーの中心を基準に同一間隔を有するように配
置することができる。例えば、
図1に図示されたとおり、各突出構造物の間の間隔は、同
一間隔でローターホルダーを中心に120度の角度で分割配置することができる。これは
、融着部が支持する領域がむらなく分配されて安定した支持力が具現できるようにする長
所を有する。
【0017】
前記突出構造物(P1、P2、P3)は、ヨーク部材120と第1マグネット130が
結合した後、融着工程を介して
図3に図示されたように、ヨーク部材と第1マグネットを
上部で強く結着できる支持結合部141、142の構造で具現されるようになる。
【0018】
図4及び
図5は、
図3で図示した本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールに
おいて支持結合部の形成実施形態を図示したものである。
【0019】
図3及び
図4を参照すると、本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールにおい
て支持結合部141、142、143は、ローターホルダー110の上部の外周面で延長
形成されて外部方向に突出されて相互離隔する2つ以上の単位支持結合部141、142
、143を含む構造で具現され得る。もちろん、単位支持結合部は1つであってもよいが
、安定した構造を具現するためには2つ以上で具現されることがより効率的である。
【0020】
また、本発明の実施形態においては、ヨーク部材120の外周面と第1マグネット13
0の内周面が相互接着剤を使用せず結着する構造(以下、「非粘着結合構造」という)で
接触して、このような非粘着結合構造であっても上述した支持結合部の構成により上下部
方向に安定した結合力が形成できるようになる。
【0021】
さらに、前記支持結合部は、前記ヨーク部材の外周面と前記第1マグネットの内周面が
直接接触する境界面の上部を覆えるように形成されることが、結合力を向上できる点から
、より安定した効果を具現することができる。これのために、前記単位支持結合部141
、142、143は、前記ヨーク部材120及び前記第1マグネット130の厚さの合計
(d1+d2)以下の突出幅(d3)を有するようにする。すなわち、前記単位支持結合
部141、142、143の長さは、前記ローターホルダー110の外周面で延長される
長さ(d3)が前記ヨーク部材120と第1マグネット130の境界面を越える地点まで
延長できるようにして結合力を強化できるようにするのが好ましい。
【0022】
このような支持結合部の他の具現例は、
図5に図示された構造のように具現できる。す
なわち、
図4で互いに離隔される多数の支持結合部を具現する構造でなく、支持結合部1
40自らを前記ローターホルダー110の外周面に沿って外部方向に突出するリング形状
の構造で具現してもよい。もちろん、この場合でも前記ローターホルダー110の外周面
で延長される長さ(d3)が前記ヨーク部材120と第1マグネット130の境界面を越
える地点まで延長されるようにして結合力を強化できるように具現できるのは上述した通
りである。
【0023】
以上、上述した本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールは、ローターホルダ
ーに結合するヨーク部材とマグネットの結合を接着剤を使用せず支持結合部を使用して上
部で結着して接着剤変質と脱漏によるマグネットの離脱不良を解消できる長所が具現され
て、より信頼性のある操舵角センシング装置を具現することができるようになる。
【0024】
図6は、
図1乃至
図5で述べた本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールを適
用した操舵角センシング装置の一具現例の分離図面を図示した図である。以下では
図6を
参照して本発明の実施形態に係るトルクセンサーモジュールを適用した操舵角センシング
装置の構造について説明する。
【0025】
図6を参照すると、本発明の実施形態に係る操舵角センシング装置200は、中空を介
して入力軸10と連結されるローターホルダー110の外周面にヨーク部材120と第1
マグネットが結合するローター100が備えられる。前記ローター100は上述した
図1
乃至
図5で上述したトルクセンサーモジュールにおいて上述した構造がそのまま適用でき
るのは無論である。
【0026】
さらに、前記ローター100の外周面に離隔して配置されて、出力軸11と連結される
ステーター20と、前記ステーター20の下側に結合して、前記ステーターと共に回動す
るメインギア32及び前記メインギア32と連動して第2マグネット40及び第3マグネ
ット50を含む複数のサブギア34、36を含むギアモジュール30を含んで構成されて
もよい。
【0027】
この場合、前記ローター100とステーター20は、トルクセンサーモジュールを構成
するようになる。
【0028】
具体的に、トルクセンサーモジュールの場合、ローター100の外周面に沿って第1マ
グネット130が配置されて、その外周面にマグネットの極性に対応する突出片を有する
ステーター20が配置されることによって、相互回転量の差により磁気量を検出して、入
力軸10と出力軸11のトルクを検出して電子制御装置に伝送する機能を行う。この場合
、特に前記ローター100は、
図1乃至
図5で述べたように、前記ローターホルダーの上
面で延長されて、前記ヨーク部材及び前記第1マグネットの上面に接触する支持結合部を
介して接着剤を使用しない結着構造を具現できるようにして、安定した機能を行うステア
リングセンシング装置を提供できることは上述した通りである。
【0029】
また、
図6の構造のように、本発明の実施形態に係るローター100に含まれるリング
形状を有する第1マグネット130の内側面には、入力軸10が結合される。入力軸10
は、車両のステアリングホイール(図示せず)と連結されて、運転者がステアリングホイ
ールを操作してステアリングホイールを回転させるにつれて第1マグネット130は入力
軸10と連動して回転される。第1マグネット130は、ローターホルダー110によっ
て入力軸10の外周面と結合できる。この場合、上述したヨーク部材がさらに含まれても
よい。また、操舵角センシング装置の上部側のカバー(C)と下部側の第1ケース80及
び第2ケース90を備えてステーター及びアングルセンサーモジュールなどを収容できる
構造で具現され得る。
【0030】
前記ステーター20は、ステーターホルダー22の上端及び上端と対向する下端に各々
設置される。ステーターホルダー22は、例えば、円筒形状を有してもよく、ステーター
20は、例えば、リング形状を有してもよい。また、前記ステーター20の下端部からは
結合部24が突出され得る。前記結合部24は、例えば、円筒形状を有し、結合部24に
は出力軸11が結合され得る。この場合、前記出力軸11は、道路と接触する車両の前輪
と連結されて、前記出力軸11及び入力軸10は、トーションバー(図示せず)によって
連結される。これによって、運転者がステアリングホイールを回転させる場合、道路と前
輪との摩擦抵抗によって出力軸11及び入力軸10を連結するトーションバーにはねじり
トルクが生じる。トーションバーにねじりトルクが生じる場合、入力軸10に連結された
第1マグネット130及び出力軸11に連結されたステーター20の回転角度は、ねじり
トルクによって互いに異なるようになり、これによってステーター20及び第1マグネッ
ト130は相対運動をするようになる。
【0031】
この場合、ステーター20及び第1マグネット130の回転角度が互いに異なる場合、
第1マグネット130及びステーター20の回転角の差により第1マグネット130とス
テーター20との間で磁場が生じる。第1マグネット130及びステーター20の間で生
じた磁場は、磁場センサー84によって感知されて、磁場センサー84から感知された磁
場の強さは車両のECU(Electric Control Unit)に伝送される
。この場合、ECUは既設定された基準磁場の強さと磁場センサー84から受信された磁
場の強さを比較してステアリングトルクを算出し、算出されたステアリングトルクに基づ
いてユーザーがステアリングホイールを操作するのに必要な補助操作力をEPS(Ele
ctric Power Steering)モーターなどから発生させることができる
ようになる。
図6に図示された構造において、第1ケース80はステーター20を収納す
る。第1ケース80はステーター20を収納するために上端が開口されて、下端にはステ
ーター20から突出された結合部24が貫くのに適した貫通孔82が形成される構造を備
える。
【0032】
前記トルクセンサーモジュールと連動するアングルセンサーモジュールを、以下で
図6
を参照して説明する。アングルセンサーモジュールの場合、一般に運転者がステアリング
ホイールを回転するにつれてステアリング軸に付着されたメインギア32が連動して回転
しながら回転角度の差が生じるようになり、この時メインギア32に付着されたサブギア
34、36に付着されたマグネット40、50の磁場と回転方向をホールアイシー(Ha
ll IC)が認識して信号を電子制御装置に移送するようになる。
【0033】
具体的に、本発明の実施形態に係る操舵角センシング装置のギアモジュール30及び第
2マグネット40及び第3マグネット50(
図7参照)は、ユーザーのステアリングホイ
ールの操舵角をセンシングすることができるようにする。したがって、前記ギアモジュー
ル30は、メインギア32、第1サブギア34及び第2サブギア36を含んで構成され得
る。
【0034】
この場合、前記メインギア32は、前記ステーター20から突出された結合部24の外
側面に嵌合され、前記メインギア32の外周面には歯車列が形成されている。
【0035】
前記メインギア32が前記結合部24に結合されて、前記結合部24は、前記出力軸1
1と結合されるため、メインギア32は出力軸11の回転に連動して回転される。
【0036】
さらに、前記メインギア32が結合部24の外側面からスリップされるのを防止するた
めに、メインギア32及び結合部24には各々係止突起(図示せず)または係止突起と結
合する係止溝(図示せず)を形成することができる。
【0037】
前記ギアモジュールに含まれる前記第1サブギア34は、例えば、円板形状を有し、第
1サブギア34の外周面には歯車列が形成される構造で形成され得る。この場合、前記第
1サブギア34は、前記メインギア32の歯車列と直接歯車結合されて、第1サブギア3
4及びメインギア32は相互平行するように配置される。前記メインギア32及び第1サ
ブギア34は、例えば、第1ギア比を有する。また、前記第2サブギア36は、例えば、
円板形状を有し、第2サブギア36の外周面には歯車列が形成されて、前記第2サブギア
36は、第1サブギア34と同様にメインギア32の歯車列と直接歯車結合されて、第2
サブギア36及びメインギア32は、例えば、第2ギア比を有する。
【0038】
すなわち、ギアモジュールの構造において前記第1サブギア34及び第2サブギア36
は、各々前記メインギア32と直接歯車結合される。前記第1及び第2サブギア34、3
6をメインギア32に直接歯車結合する場合、メインギア32に第1サブギア34を直接
歯車結合及び第1サブギア34に第2サブギア34を直接歯車結合する時と比べてバック
ラッシュ(backlash)を大きく減少させることができる。
【0039】
図7は、
図6のギアモジュールの部分を図示した要部断面図である。
【0040】
図7及び
図6を参照すると、第2マグネット40は、第1サブギア34の回転中心に配
置されて、第3マグネット50は、第2サブギア36の回転中心に配置される。第2ケー
ス90は、第1ケース80の下部に結合されて、第2ケース90は、上端が開口されて下
端には出力軸11が通過する貫通孔92が形成される。
【0041】
第1マグネットセンサー60は、前記第1サブギア34の回転中心に固定された前記第
2マグネット40と向かい合うように後述される印刷回路基板210の上面上に配置され
る。前記第1マグネットセンサー60は、前記第2マグネット40の回転角度を測定して
発生した信号をECUに伝送する。また、前記第2マグネットセンサー70は、前記第2
サブギア36の回転中心に固定された前記第3マグネット50と向かい合うように後述さ
れる印刷回路基板210の前記上面と対向する下面上に配置される。
【0042】
上述した前記第2マグネットセンサー70は、前記第3マグネット50の回転角度を測
定して発生した信号をECUに伝送する。以後、前記ECUは、前記第1マグネットセン
サー60及び第2マグネットセンサー70から各々出力された信号を演算して、その結果
ステアリング輪の回転角度が算出できるようになる。
【0043】
本発明の一実施形態において、ECUから算出されたステアリング輪の回転角度は、ギ
アモジュール30のメインギア32と歯車結合された第1及び第2サブギア34、36の
回転中心に配置された第2及び第3マグネット40、50の回転を第1及び第2マグネッ
トセンサー60、70が各々センシングすることにより算出される。
【0044】
さらに、本発明の一実施形態のようにギアモジュール30のメインギア32に第1及び
第2サブギア34、36を直接歯車結合する場合、メインギア32、第1サブギア34及
び第2サブギア34の間で生じるバックラッシュを減少させることができて、バックラッ
シュを減少させるにつれて出力軸11の実際の回転角度及び第1及び第2マグネットセン
サー60、70によってセンシングされた回転角度の間の偏差を大きく減少せることがで
きる。
【0045】
さらに、本発明の実施形態に係る操舵角センシング装置200は、印刷回路基板210
をさらに含むことができる。前記印刷回路基板210は、例えば、開口を有するドーナツ
形状を有し、前記印刷回路基板210の両側面には第1サブギア34及び第2サブギア3
6が回転可能に結合される。また、前記印刷回路基板210は、例えば、メインギア32
、第1サブギア34及び第2サブギア36と平行配置され、第1及び第2サブギア34、
36は、メインギア32と直接歯車結合され得る。前記印刷回路基板210の上面及び前
記上面と対向する下面には第1及び第2マグネットセンサー60、70が各々配置される
。
【0046】
この場合、前記印刷回路基板210の上面に配置された前記第1マグネットセンサー6
0は、前記第2マグネット40の回転角をセンシングしてセンシング信号をECUに伝送
し、前記第2マグネットセンサー70は、前記第3マグネット50の回転角をセンシング
してセンシング信号をECUに伝送する。
【0047】
前記ECUは、前記第1及び第2マグネットセンサー60、70から伝送されたセンシ
ング信号を演算して操舵角を算出する。一方、前記印刷回路基板210の両側に第1サブ
ギア34と第2マグネット40及び第2サブギア36と第3マグネット50が配置される
場合、第2マグネット40及び第3マグネット50から各々生じた磁場が相互干渉して第
1及び第2マグネットセンサー60、70が相互干渉し得る。これを防止するために、第
1及び第2サブギア34、36と対応する印刷回路基板210の両側面のうち少なくとも
一つの面に磁気シールド95を配置及び/または形成することができる。磁気シールド9
5によって第2及び第3マグネット40、50から各々生じた磁場の干渉を防止すること
ができる。
【0048】
前述したような本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明した。しかし
、本発明の範疇から逸脱しない限度内では、様々な変形が可能である。本発明の技術的思
想は、本発明の記述した実施形態に限定されて定まってはならず、特許請求範囲だけでな
くこの特許請求範囲と均等物などによって定まらなければならない。