(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】プロセスユニットにおける、タービンから回収された動力の統合及び使用
(51)【国際特許分類】
F01D 17/16 20060101AFI20220511BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220511BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220511BHJP
【FI】
F01D17/16 A
H02J3/38 110
H02M7/48 R
(21)【出願番号】P 2020548621
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(86)【国際出願番号】 US2019022431
(87)【国際公開番号】W WO2019178456
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-11-06
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】フレイ、スタンリー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツコフ、グレゴリー エー.
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538130(JP,A)
【文献】特表2004-531712(JP,A)
【文献】特開2013-160059(JP,A)
【文献】特開2006-205135(JP,A)
【文献】特表2013-540417(JP,A)
【文献】特開2012-135194(JP,A)
【文献】特表2011-508135(JP,A)
【文献】特表2009-528013(JP,A)
【文献】特開2003-083086(JP,A)
【文献】国際公開第2004/088815(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0208751(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209367(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0011523(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0107615(US,A1)
【文献】米国特許第08680704(US,B1)
【文献】米国特許第05209634(US,A)
【文献】米国特許第04057736(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/16
H02J 3/38
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油、石油化学、又は化学プラントからエネルギーを回収するためのプロセスであって、
石油、石油化学、又は化学プラントにおける少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンにおいて少なくとも第1の流体プロセス流を提供すること
であって、前記少なくとも2つのプロセスゾーンが、アルキル化ゾーン、分離ゾーン、異性化ゾーン、接触改質ゾーン、流動接触分解ゾーン、水素化分解ゾーン、水素化処理ゾーン、水素化ゾーン、脱水素化ゾーン、オリゴマー化ゾーン、脱硫ゾーン、アルコール-オレフィンゾーン、アルコール-ガソリンゾーン、蒸留ゾーン、サワー水ストリッピングゾーン、液相吸着ゾーン、硫化水素還元ゾーン、アルキル化ゾーン、トランスアルキル化ゾーン、コーキングゾーン、又は重合ゾーンのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも第1の流体プロセス流を提供することと、
前記第1の
液体プロセス流の少なくとも一部を、第1の可変抵抗動力回収タービ
ンを通るように方向付けることによって前記第1の
液体プロセス流の流量を制御して、そこから直流として、回収された電力を発生させることと、
単一のDC-ACインバー
タ内で、前記回収された直流を回収された交流に変換することと、
前記DC-ACインバータの出力を前記少なくとも2つのプロセスゾーンのうちの少なくとも1つのプロセスゾーンに配電するために、前記回収された交流を第1の
配電サブステーションに提供することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記第1の
配電サブステーションは、前記
少なくとも2つのプロセスゾーン
のうちの少なくとも1つのプロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するための装置であって、
石油、石油化学、又は化学プラントにおける少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーン
であって、前記少なくとも2つのプロセスゾーンが、アルキル化ゾーン、分離ゾーン、異性化ゾーン、接触改質ゾーン、流動接触分解ゾーン、水素化分解ゾーン、水素化処理ゾーン、水素化ゾーン、脱水素化ゾーン、オリゴマー化ゾーン、脱硫ゾーン、アルコール-オレフィンゾーン、アルコール-ガソリンゾーン、蒸留ゾーン、サワー水ストリッピングゾーン、液相吸着ゾーン、硫化水素還元ゾーン、アルキル化ゾーン、トランスアルキル化ゾーン、コーキングゾーン、又は重合ゾーンのうちの少なくとも2つを含む、少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンと、
前記
少なくとも2つのプロセスゾーンのうちの少なくとも1つのプロセスゾーンを通って流れる、少なくとも第1の流体プロセス流と、
少なくとも第1の可変抵抗動力回収タービ
ンであって、前記第1の
液体プロセス流の一部は前記第1の
可変抵抗動力回収タービ
ンを通って流れて、そこから直流として、回収された電力を発生させる、少なくとも第1の可変抵抗動力回収タービ
ンと、
前記第1の
可変抵抗動力回収タービ
ンに電気的に接続された単一のDC-ACインバー
タであって、
前記DC-ACインバータの出力を前記少なくとも2つのプロセスゾーンのうちの少なくとも1つのプロセスゾーンに配電するために、前記DC-ACインバー
タの出力は、第1の
配電サブステーションに電気的に接続されている、単一のDC-ACインバー
タと、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
典型的には、石油、石油化学、及び化学プロセスプラント内のプロセス流に動力回収タービンが設置される場合、動力は機械的手段を介してポンプ又は圧縮機のドライバに送られる。これは、一般に、発電機を介した電気への変換よりも高い効率を有するためである。しかしながら、これらのシステムは発電機よりも信頼性が低く、回収された動力は、単一のドライバで消費される動力と厳密に一致する必要があり、限定された空間内に全てが存在しなければならない、継ぎ手、ギヤ、スイッチギヤ、クラッチなどにおいて多くの接続機器を必要とする。これらの問題は、動力回収ポイントで電力を発生させ、プロセスユニット内の任意のドライバ向けの代替可能動力としてこの電力を提供することによって対処されてきた。動力回収がプロセスユニット内で消費される動力よりも大きい場合、プラントグリッド上でより高い電圧レベルにエクスポートされる必要がある。これは、これまでに見られた大部分の主要動力回収設備の場合である。
【0002】
しかしながら、プラントの電力グリッドへの送電は、独自の一連の問題を提示する。送電には、電気調整、電圧変換、及び周波数調整という複数の工程を必要とする。現在では、動力回収分野において、ユニットコストを低下させて、より低い動力発生源において経済的な動力回収を可能にすることができる、より高度な技術機器が利用可能である。よりコスト効率の高いタービンが制御要素としてプロセス流に設置される場合、複数のタービンを設置することが望ましい場合がある。しかしながら、複数のタービンを設置するには、高圧グリッドを保護するための電力調整、変圧器、電気部品、及び安全装置のコストがかかる。
【0003】
したがって、動力回収タービンを使用するための、改善された電気処理プロセス及び装置が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、電力を発生させることにより、1つ以上の動力回収タービン発電機を含む石油、石油化学、又は化学プラントにおいて動力を回収することに関する。動力回収タービンは、プロセスにおける制御要素として使用され得る。タービン発電機の動力出力は、三相低圧(例えば、480VAC又は240VACなど<600VAC)配電システムに接続される前に統合され、調整される。低圧で電力を供給することにより、昇圧変換及び中圧(例えば、5kVAC又は15kVACクラス)スイッチギヤ及び保護リレーの機器資本コストを回避する。このアプローチは、機器資本経費、敷地空間、現場の電路、メンテナンスコストを節約し、信頼性を高める。
【0006】
石油、石油化学、又は化学プロセスユニットにおける動力回収タービンの設置は、資本経費、敷地面積、電路コスト、スイッチギヤ列内の空間、及び動力を低圧(例えば、<600VAC)から中圧(例えば、5kVAC又は15kVACクラス)に変換するために必要な機器のために制限される。最近までは、必要機器に必要とされる空間に関して経済的かつ実用的である、より小型の動力回収ユニット(例えば、<500kWの回収動力)が存在しなかった。結果として、大型の動力回収発電機のみが設置されており、つまり、発生した電力をユニット(例えば、流動接触分解(FCC)煙道ガス動力回収タービン)からエクスポートしなければならなかった。
【0007】
いくつかの実施形態では、電気をより高いグリッド電圧に変換するコストは、プロセスユニット自体で使用されるドライバの低圧(例えば、<600VAC)レベルでAC電力を発生させることによって完全に回避される。このように、プラントのグリッドバスでのプロセスユニットの正味電力引き込みが、動力回収ユニットによって発生した電力量によって低減されるため、グリッドからの引き込み電力量は低減される。これは、プロセスユニット内で消費される電力よりも少ない電力を発生させる、非常にコスト効率の高い、コンパクトな小型動力回収ユニットに関して特に興味深い。他の実施形態では、電力の一部は、より高い電圧に変換される。
【0008】
米国特許第5,481,145号に開示されているようなコスト効率の高い動力回収装置を使用することにより、この装置を使用しなければ無駄にした電力(制御弁の降下など)から経済的に電力を回収して、良好な対価を得ることができる。しかしながら、この用途のために新ユニットコスト又は改善コストを低く維持し、プラント電気システムに対する混乱を最小限に抑えることができるようにするためには、動力回収装置からの送電を、プロセスサブステーションの配電システム内のACバスに限定するべきであり、同じ低圧(例えば、<600VAC)並びにその内部の周波数及び位相パターンに適合するべきである。流量コントローラとして機能し、したがって、交流モードで変動する電流、電圧、及び周波数出力を有する動力回収装置は、低圧(例えば、<600VAC)グリッドまで同期するという制約から切り離されて動作することが望ましい。これを達成する1つの方法は、動力回収タービン出力をDC電流に整流し、次いで、専用ACインバータに出力電圧をプロセス低圧ACバスと同期させることである。
【0009】
本発明の一態様は、石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するための装置である。一実施形態では、この装置は、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンと、プロセスゾーンを通って流れる少なくとも第1の流体プロセス流と、少なくとも第1の可変抵抗動力回収タービンであって、第1のプロセス流の一部は第1の動力回収タービンを通って流れて、そこから直流として、電力を発生させる、少なくとも第1の可変抵抗動力回収タービンと、第1の動力回収タービンに電気的に接続された単一のDC-ACインバータであって、DC-ACインバータの出力は、三相低圧(例えば、<600VAC)電力グリッドなど第1のサブステーションに電気的に接続された、DC-ACインバータと、を備える。流体プロセス流は、液体若しくは気体、又はこれらの混合物であり得る。
【0010】
プロセスサブステーションは、プロセスユニットサービス群への配電専用の電気的領域である。典型的には、精錬所又は石油化学若しくは化学プラント内にいくつかのプロセス及びユーティリティサブステーションが存在し、主配電システムが位置する主サブステーションが1つ存在する。プロセスサブステーションは、変圧器、電気棟、異なる電圧レベルのスイッチギヤ、モータ制御センター(MCC)、及び単相分電盤で構成される。大部分のプロセスサブステーションは、極めて大きいkW電気負荷を提供し、その一部は低圧(例えば、<600V)であり、その一部は中圧(例えば、より大型のモータ、例えば、>250HP)である。その結果、典型的なプロセスサブステーションは、中圧バス及び低圧バスの両方を有する。
【0011】
動力が回収されると、インバータの出力は、プロセスサブステーションの低圧配電システムに接続され得、又は十分に大量の動力が回収される場合には、プロセスサブステーションの中圧配電システムに昇圧され得る。昇圧電圧を有する大量の回収された電力はまた、他のプロセスサブステーション又は主サブステーション内の中圧システムに接続され得る(中圧は、一般に電圧降下を低減するために使用される)。しかしながら、これにより、変換、スイッチギヤ、配線など追加コストが生じ、追加機器用にかなりの不動産を必要とする。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のサブステーションは、プロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、プロセスゾーンを通って流れる少なくとも第2の流体プロセス流、及び少なくとも第2の可変抵抗動力回収タービンが存在する。第2のプロセス流の一部は、第2の動力回収タービンを通って流れて、そこから直流として、回収された電力を発生させる。第2の動力回収タービンは、単一のDC-ACインバータに電気的に接続されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の動力回収タービン及びDC-ACインバータに電気的に接続されたDCバスが存在する。
【0015】
いくつかの実施形態では、動力回収タービンは、調節可能なガイドベーン動力回収タービン若しくは可変負荷動力回収タービン、又はこれらの組み合わせを備える。
【0016】
この装置は、アルキル化ゾーン、分離ゾーン、異性化ゾーン、接触改質ゾーン、流動接触分解ゾーン、水素化分解ゾーン、水素化処理ゾーン、水素化ゾーン、脱水素化ゾーン、オリゴマー化ゾーン、脱硫ゾーン、アルコール-オレフィンゾーン、アルコール-ガソリンゾーン、抽出ゾーン、蒸留ゾーン、サワー水ストリッピングゾーン、液相吸着ゾーン、硫化水素還元ゾーン、アルキル化ゾーン、トランスアルキル化ゾーン、コーキングゾーン、及び重合ゾーンのうちの少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない、多種多様のプロセスで使用され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、DC-ACインバータに電気的に接続された3つ以上の動力回収タービンが存在する。
【0018】
いくつかの実施形態では、2つ以上のDC-ACインバータが存在してよく、DC-ACインバータのそれぞれは、1つ以上の動力回収タービンに電気的に接続されている。DC-ACインバータのそれぞれのグリッド出力は、低圧(例えば、<600VAC)電源に電気的に接続されている。電力グリッドは、DC-ACインバータの全てについて同じであり得る、又は異なり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、サブステーションは、少なくとも1つの交流バスを備え、DC-ACインバータの出力は、サブステーション内の低圧(例えば、<600VAC)バスなど少なくとも1つの交流バスに電気的に接続されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、サブステーションは、少なくとも1つの交流バスを備え、DC-ACインバータの出力は、電気的に中圧に変換され、次いでプロセスサブステーション内の中圧(例えば、5kVAC又は15kVACクラス)バスに接続される。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2のサブステーションが存在し、第1のサブステーションの出力は第2のサブステーションに電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、第2のサブステーションは、第1のサブステーションの電圧よりも高い電圧を有し、昇圧変圧器が存在して、DC-ACインバータの電圧を、第2のサブステーションのより高い電圧(中圧など)に昇圧させる。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1のサブステーションは、少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、第1のサブステーションの出力は、少なくとも2つのプロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている。
【0023】
本発明の別の態様は、石油、石油化学、又は化学プラントからエネルギーを回収するためのプロセスである。一実施形態では、このプロセスは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンにおいて少なくとも第1の流体プロセス流を提供することと、第1のプロセス流の少なくとも一部を、第1の動力回収タービンを通るように方向付けることによって第1のプロセス流の流量を制御して、そこから直流として、回収された電力を発生させることと、単一のDC-ACインバータ内で、回収された直流を回収された交流に変換することと、回収された交流を第1のサブステーションに提供することと、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のサブステーションは、プロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のサブステーションは、少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、このプロセスは、回収された交流を、少なくとも2つのプロセスゾーン内の1つの機器に提供することを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、このプロセスは、プロセスゾーンを通って流れる、少なくとも第2の流体プロセス流を提供することと、第2のプロセス流の少なくとも一部を、少なくとも第2の可変抵抗動力回収タービンを通るように方向付けることによって第2のプロセス流の流量を制御して、そこから直流として、回収された電力を発生させることと、第1及び第2の動力回収タービンからの直流を統合することと、DC-ACインバータ内で、統合した、回収された直流を回収された交流に変換することと、を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の動力回収タービンからの回収された直流を統合することは、第1及び第2の動力回収タービン、並びにDC-ACコンバータに電気的に接続されたDCバス内で、第1及び第2の動力回収タービンから回収された直流を統合することを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセスサブステーションは、少なくとも1つの交流バスを備え、DC-ACインバータの出力は、少なくとも1つの交流バスに電気的に接続されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、第2のサブステーションが存在し、第1のサブステーションの出力は第2のサブステーションに電気的に接続されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2のサブステーションは、第1のサブステーションの電圧よりも高い電圧を有し、このプロセスは、DC-ACインバータの出力を、第2のサブステーションのより高い電圧に昇圧させることを更に含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、このプロセスはまた、外部電力グリッド及び複数の減圧装置から情報を受信することであって、複数の減圧装置は、1つ以上の動力回収タービン、制御弁、又は両方を備える、ことと、減圧装置のそれぞれに対して電力損失値又は発生電力値を決定することと、減圧装置のそれぞれからの電力損失値又は発生電力値に基づいて総電力損失値又は総発生電力値を決定することと、少なくとも1つのディスプレイ画面に総電力損失値又は総発生電力値を表示することと、を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、このプロセスはまた、総電力損失値又は総発生電力値に基づいて、プロセスゾーン内の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、このプロセスはまた、少なくとも1つのディスプレイ画面に総電力損失値又は総発生電力値を表示することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、このプロセスは、少なくとも1つのプロセスパラメータの調整後に、減圧装置のそれぞれについて更新された電力損失値又は更新された発生電力値を決定することと、減圧装置のそれぞれからの更新された電力損失値又は更新された発生電力値に基づいて、プロセスゾーンの更新された総電力損失値又は更新された総発生電力値を決定することと、少なくとも1つのディスプレイ画面に更新された総電力損失値又は更新された総発生電力値を表示することと、を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、このプロセスはまた、プロセスゾーンの外側の条件に関連する情報を受信することを含み、総電力損失値又は総発生電力値は、プロセスゾーンの外側の条件に関連する情報に部分的に基づいて決定される。
【0036】
いくつかの実施形態では、このプロセスはまた、プロセスゾーンの処理量に関連する情報を受信することを含み、総電力損失値又は総発生電力値は、プロセスゾーンの処理量に関連する情報に部分的に基づいて決定される。
【0037】
いくつかの実施形態では、このプロセスはまた、総電力損失値又は総発生電力値に基づいて、プロセスゾーンの一部の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整しつつ、プロセスゾーンの処理量を維持することを含む。
【0038】
電力は、発電回路上のガイドベーン又は可変負荷のいずれかによって可能になる、流量に対する可変抵抗を受けて、動力回収タービンを介して発生する。タービンから生じる電力はDCであり、単一のラインに統合され、電力グリッドと同期して、かつ同じ電圧でDC電力をACに変換するインバータに送られ得る。動力回収タービンはDC出力を生成するので、変動し、可変である回転速度を個別に有し得る制御動力回収タービンのために周波数、回転速度などの同期について懸念することなく電流を統合できる。
【0039】
いくつかの実施形態では、プロセスユニット内でプロセス流の流量を制御し、プロセス流からエネルギーを回収するためのプロセスは、数例を挙げると、可変ノズルタービン、入口可変ガイドベーン、又は直接連結された可変電気負荷を使用して、プロセス流の一部が1つ以上の可変抵抗動力回収タービンを通るように方向付けてプロセス流の流量を制御し、タービンを通る流れに対する抵抗を変化させることを含む。
【0040】
可変抵抗タービンの回転に対する抵抗は、タービンに対して回転する磁石からの磁界内にある外部可変負荷電気回路によって変化させることができる。回路にかけられる負荷が大きいほど、タービンに対する回転への抵抗がより高い。このことにより、タービン全体により多くの圧力低下が与えられ、プロセス流の流れが遅くなる。装置内のアルゴリズムはまた、タービンRPM及び回路に対する負荷を測定することによって、装置を通る実際の流れを計算することができる。回転流に対する抵抗はまた、可変位置の入口ガイドベーンによって様々であり得る。いくつかの実施形態では、電力は、ガイドベーン又は発電生回路に対する可変負荷のいずれかによって可能になる、流量に対する可変抵抗を有する動力回収タービンを介して発生する。ガイドベーンの位置、出力、及びRPMを使用して実際の流れを計算するためのアルゴリズムが使用され得る。
【0041】
タービンの低速制御応答が問題である場合、タービンの使用は、低速応答、つまり「緩い」制御点用途に限定される。低速応答用途は、新たな(つまり、目標)定常状態条件が、企図される変化の半分に対して少なくとも10%、少なくとも1秒、又は更にはそれ以上、例えば10秒、少なくとも1分、少なくとも10分、又は1時間以上異なるとき、新たな(つまり、目標)条件(例えば、温度、圧力、流量)と元の(つまり、開始)条件との間の半分(すなわち、50%の相違)に到達する応答時間を有すると企図される。
【0042】
電力グリッドは、プロセスサブステーションの内部の電力グリッド、プロセスサブステーションの外部の電力グリッド、又はこれら両方を含む。電力グリッドがプロセスサブステーションの内部にあるとき、DC-ACインバータの出力は、プロセスサブステーションにおいて直接使用することができる。例えば、プロセスサブステーション内に1つ以上の交流バスが存在してよい。あるいは、電力グリッドがプロセスサブステーションの外部にあるとき、プロセスサブステーションよりも高い電圧であってよい。この場合、DC-ACインバータの出力を、プロセスサブステーションの外部にある電力グリッドのより高い電圧に昇圧させる変圧器がプロセスサブステーションに存在する。
【0043】
図1は、本発明のプロセス1の一実施形態の電気接続図を示す。動力回収タービン5A、5B、5C、5Dは、同期発電機10A、10B、10C、10Dにそれぞれ直接連結される。発生したAC電流は、整流器15A、15B、15C、15DによってDCに変換され、次いでDCバス上で統合される。DC電流は、インバータ20に送られ、変換されてAC電流に戻る。AC電流は、ACバス45に送られる前に、正弦波フィルタ、DCチョーク、及びRFI抑制フィルタ25によって調整される。インバータ主接触子30、主スイッチ35、及び回路ブレーカ40を閉鎖すると、この動作が可能になる。回収された動力が、サブステーションの低圧バスの容量を超える場合、任意選択の昇圧変圧器50(破線で示す)を設置して、低圧を中圧に変換することができる。図示のように、ACバス45(低圧又は中圧のいずれか)は、サブステーションが接続されているプロセスゾーン内の1つ以上の機器に接続され得る。
【0044】
図2は、本発明のプロセス100の第2の実施形態の電気接続図を示す。動力回収タービン105A及び105Bは、それぞれ同期発電機110A及び110Bに直接連結される。発生したAC電流は、整流器145A及び145BによってDCに変換され、次いでDCバス上で統合される。DC電流は、インバータ115Aに送られ、変換されてAC電流に戻る。AC電流は、ACバス125Aに送られる前に、正弦波フィルタ、DCチョーク、及びRFI抑制フィルタ120Aによって調整される。インバータ主接触子150A、主スイッチ155A、及び回路ブレーカ140Aを閉鎖すると、この動作が可能になる。
【0045】
別の分岐は、直接連結された同期発電機110C及び110Dを有する動力回収タービン105C及び105Dの類似構成を有する。発生したAC電流は、整流器145C及び145DによってDCに変換され、次いでDCバス上で統合される。DC電流は、インバータ115Bに送られ、変換されてAC電流に戻る。AC電流は、ACバス125Bに送られる前に、正弦波フィルタ、DCチョーク、及びRFI抑制フィルタ120Bによって調整される。インバータ主接触子150B、主スイッチ155B、及び回路ブレーカ140Bを閉鎖すると、この動作が可能になる。
【0046】
図示のように、ACバス125A及び125Bは、変圧器130A及び130Bにそれぞれ接続され、常時開放型結合回路ブレーカ135によって分離される。この構成は、大型工業プラントにおいて一般的である、典型的な二次選択式配電システムである。
【0047】
ACバス125A及び/又は125Bは、サブステーションが接続されているプロセスゾーン内の1つ以上の機器に接続され得る。
【0048】
本発明の装置及びプロセスは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンで利用されるものとして企図される。既知のように、かかる石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンユニットは、典型的には制御センター内のコンピュータ上でプロセス制御システムを利用する。
【0049】
本明細書に開示する実施形態に関連して説明するプロセス制御システムは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラム可能な論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計された、これらの任意の組み合わせを用いて、コンピュータ上で実施又は実行されてよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよく、又はプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってよい。プロセッサはまた、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、2つ以上のマイクロプロセッサ、又は前述の任意の他の組み合わせであってよい。
【0050】
プロセス制御システムに関連するプロセスの工程は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はこれら2つの組み合わせに直接含まれるアルゴリズムで具現化されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形態の記憶媒体内に存在してよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体に対して情報の読み取り及び書き込みを行うようにプロセッサと通信する。これは、記憶媒体がプロセッサと一体である、つまりプロセッサを伴うことを含む。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してよい。ASICは、ユーザ端末に存在してよい。あるいは、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素として存在してよい。これらのデバイスは、単に、コンピュータ可読記憶媒体の例示的な、非限定例であることを意図するものである。プロセッサ及び記憶媒体又はメモリはまた、典型的には、異なる構成要素間、コンピュータプロセッサ間など、例えば、入力チャネル、制御論理のプロセッサ、制御システム内の出力チャネル、及び制御センター内のオペレーターステーションの間などでの有線又は無線通信を可能にするハードウェア(例えば、ポート、インターフェース、アンテナ、増幅器、信号プロセッサなど)と通信する。
【0051】
コンピュータ及びプロセッサに関連して「通信している」とは、情報又はデータを送受信する能力を指す。データ又は情報の送信は、無線送信(例えば、Wi-Fi又はBluetoothによる)又は有線送信(例えば、イーサネットRJ45ケーブル又はUSBケーブルを使用する)であり得る。無線送信の場合、無線送受信機(例えば、Wi-Fi送受信機)が、各プロセッサ又はコンピュータと通信している。送信は、自動的に、コンピュータの要求時に、コンピュータからの要求に応じて、又は他の方法で実行され得る。データは、プッシュ、プル、フェッチなど任意の組み合わせで取得され得、又は任意の他の方法で送受信され得る。
【0052】
したがって、本発明によると、プロセス制御システムは、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dによって発生した電力量に関連して、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dから情報を受信することが企図される。動力回収タービン105A、105B、105C、105Dは、発生した電力量を(プロセッサを介して)決定することが企図される。あるいは、情報を受信するプロセス制御システムが、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dによって発生した電力量を決定する。いずれの構成においても、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dによって発生した電力量は、制御センター内のコンピュータと関連付けられた、少なくとも1つのディスプレイ画面に表示される。石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンが複数の動力回収タービン105A、105B、105C、105Dを備える場合、プロセス制御システムは、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dのそれぞれによって発生した電力量に関連する情報を受信することが更に企図される。プロセス制御システムは、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dのそれぞれに関連する情報に基づいて総発生電力を決定し、ディスプレイ画面に総発生電力を表示する。総発生電力は、個々の動力回収タービン105A、105B、105C、105Dによって発生した電力量の代わりに、又はそれと共に表示されてよい。
【0053】
上述のように、動力回収タービン105A、105B、105C、105Dによって回収された電気エネルギーは、多くの場合、プロセスユニットにおいて流れに加えられたエネルギーを流れから除去した結果である。したがって、本発明によるプロセスは、流れに加えられるエネルギーを低減するように調整された、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに関連する様々な処理条件を提供することが企図される。
【0054】
プロセス制御システムは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンの処理量に関連する情報を受信し、タービンの目標発生電力値を決定することが企図される。これは、電力が、典型的には石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに加えられるエネルギーを表すためである。目標発生電力値の決定は、電力が所定のレベル又はその付近にあるときに行われてよい。換言すれば、発生電力量が所定のレベルを満たすか又は超える場合、プロセス制御システムは、1つ以上の処理条件を決定して、目標発生電力値に到達するまで発生電力量を調整し、低下させることができる。
【0055】
したがって、プロセス制御システムは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに関連する様々な処理条件に対する1つ以上の変化を分析して、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンのタービンによって回収されるエネルギー量を低下させる。好ましくは、プロセスユニットの処理量を調整することなく、処理条件が調整される。これにより、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンが同一処理量を有するものの、同一処理量に関連する操業コストよりもより低いコストを有することが可能になる。プロセス制御ソフトウェアは、目標発生電力と、総発生電力との差を計算し、ディスプレイ画面に表示してよい。
【0056】
例えば、プロセス制御ソフトウェアは、総発生電力が所定のレベルを超えることを認識し得る。したがって、プロセス制御ソフトウェアは、目標発生電力値を決定することができる。プロセス制御ソフトウェアは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンと典型的に関連する他のセンサ及びデータ収集装置から受信した他のデータ及び情報に基づいて、ある機器での消費燃料量を低下させることができると判定してよい。石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンの処理量を維持しつつ、ある機器での消費燃料量を低下させる。これにより、タービンによって発生する電力は低下し得るが、燃料消費の低下により、同一処理量に対する操業コストを低下させる。
【0057】
したがって、本プロセスは、典型的には失われるエネルギーを、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーン内の他の場所で使用される形態に変換するだけではなく、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンには、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーン全体に関連するエネルギー投入量を低下させ、よりエネルギー効率の高いプロセスを利用することによって利益を増加させる機会が提供される。
【0058】
図面に弁、ポンプ、フィルタ、冷却器など様々な他の構成要素を示していないが、当業者は、これらの詳細が当業者の知識の範囲内であり、本発明の実施形態を実施又は理解するためにこれらの説明は不要と考えられるためであることを認識し、理解するべきである。
【0059】
前述の「発明を実施するための形態」で、少なくとも1つの例示的な実施形態を提示したが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示的な実施形態又は複数の例示的な実施形態は、あくまで例であり、いかなるようにも本発明の範囲、適用性、又は構成を制限することを意図しないこともまた理解するべきである。むしろ、前述の「発明を実施するための形態」は、本発明の例示的な実施形態を実施するための簡便なロードマップを当業者に提供するだろう。添付の「特許請求の範囲」に記載の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態で説明した要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができるものと理解される。
【0060】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、この説明は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲を例示するものであり、限定するものではないことが理解されるであろう。
【0061】
本発明の第1の実施形態は、石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するための装置であって、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンと、プロセスゾーンを通って流れる、少なくとも第1の流体プロセス流と、少なくとも第1の可変抵抗動力回収タービンであって、第1のプロセス流の一部は第1の動力回収タービンを通って流れて、そこから直流として、回収された電力を発生させる、少なくとも第1の可変抵抗動力回収タービンと、第1の動力回収タービンに電気的に接続された単一のDC-ACインバータであって、DC-ACインバータの出力は、第1のサブステーションに電気的に接続されている、単一のDC-ACインバータと、を備える。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションは、プロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、プロセスゾーンを通って流れる、少なくとも第2の流体プロセス流と、少なくとも第2の可変抵抗動力回収タービンと、を更に備え、第2のプロセス流の一部は、第2の動力回収タービンを通って流れて、そこから直流として、回収された電力を発生させ、第2の動力回収タービンは、単一のDC-ACインバータに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1の動力回収タービン及びDC-ACコンバータに電気的に接続されたDCバスを更に備える。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、動力回収タービンは、調節可能なガイドベーン動力回収タービン若しくは可変負荷動力回収タービン、又はこれらの組み合わせを備える。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、プロセスゾーンは、アルキル化ゾーン、分離ゾーン、異性化ゾーン、接触改質ゾーン、流動接触分解ゾーン、水素化分解ゾーン、水素化処理ゾーン、水素化ゾーン、脱水素化ゾーン、オリゴマー化ゾーン、脱硫ゾーン、アルコール-オレフィンゾーン、アルコール-ガソリンゾーン、抽出ゾーン、蒸留ゾーン、サワー水ストリッピングゾーン、液相吸着ゾーン、硫化水素還元ゾーン、アルキル化ゾーン、トランスアルキル化ゾーン、コーキングゾーン、及び重合ゾーンのうちの少なくとも1つを備える。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、DC-ACインバータに電気的に接続された3つ以上の動力回収タービンが存在する。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションは少なくとも1つの交流バスを備え、DC-ACインバータの出力は、少なくとも1つの交流バスに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第2のサブステーションを更に備え、第1のサブステーションの出力は第2のサブステーションに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第2のサブステーションは、第1のサブステーションの電圧よりも高い電圧を有し、第1のサブステーションの出力を第2のサブステーションのより高い電圧に昇圧させる昇圧変圧器を更に備える。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションは、少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションの出力は、少なくとも2つのプロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている。
【0062】
本発明の第2の実施形態は、石油、石油化学、又は化学プラントからエネルギーを回収するためのプロセスであって、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンにおいて少なくとも第1の流体プロセス流を提供することと、第1のプロセス流の少なくとも一部を、第1の可変抵抗動力回収タービンを通るように方向付けることによって第1のプロセス流の流量を制御して、そこから直流として、回収された電力を発生させることと、単一のDC-ACインバータ内で、回収された直流を回収された交流に変換することと、回収された交流を第1のサブステーションに提供することと、を含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションは、プロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションは、少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、回収された交流を、少なくとも2つのプロセスゾーン内の1つの機器に提供することを更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、プロセスゾーンを通って流れる、少なくとも第2の流体プロセス流を提供することと、第2のプロセス流の少なくとも一部を、少なくとも第2の可変抵抗動力回収タービンを通るように方向付けることによって第2のプロセス流の流量を制御して、そこから直流として、回収された電力を発生させることと、第1及び第2の動力回収タービンからの直流を統合することと、DC-ACインバータ内で、統合した、回収された直流を回収された交流に変換することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第1のサブステーションは少なくとも1つの交流バスを含み、DC-ACインバータの出力は、少なくとも1つの交流バスに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第2のサブステーションを更に備え、第1のサブステーションの出力は第2のサブステーションに電気的に接続されている。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、第2のサブステーションは、第1のサブステーションの電圧よりも高い電圧を有し、DC-ACインバータの出力を、第2のサブステーションのより高い電圧に昇圧させることを更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、複数の減圧装置から情報を受信することであって、複数の減圧装置は、1つ以上の動力回収タービン、制御弁、又はその両方を備える、ことと、減圧装置のそれぞれに対して電力損失値又は発生電力値を決定することと、減圧装置のそれぞれからの電力損失値又は発生電力値に基づいて総電力損失値又は総発生電力値を決定することと、少なくとも1つのディスプレイ画面に総電力損失値又は総発生電力値を表示することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、総電力損失値又は総発生電力値に基づいて、プロセスゾーン内の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することを更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、少なくとも1つのディスプレイ画面に電力損失値又は発生電力値を表示することを更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、少なくとも1つのプロセスパラメータの調整後に、減圧装置のそれぞれについて更新された電力損失値又は更新された発生電力値を決定することと、減圧装置のそれぞれからの更新された電力損失値又は更新された発生電力値に基づいて、プロセスゾーンの更新された総電力損失値又は更新された総発生電力値を決定することと、少なくとも1つのディスプレイ画面に更新された総電力損失値又は更新された総発生電力値を表示することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、プロセスゾーンの外側の条件に関連する情報を受信することを更に含み、総電力損失値又は総発生電力値は、プロセスゾーンの外側の条件に関連する情報に部分的に基づいて決定される。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、プロセスゾーンの処理量に関連する情報を受信することを更に含み、総電力損失値又は総発生電力値は、プロセスゾーンの処理量に関連する情報に部分的に基づいて決定される。本発明の一実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、総電力損失値又は総発生電力値に基づいて、プロセスゾーンの一部の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整しつつ、プロセスゾーンの処理量を維持することを更に含む。
【0063】
更に説明することなく、前述の説明を用いて、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限に利用し、本発明の本質的な特性を容易に確認でき、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0064】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。