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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】電動ボール弁及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/06 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
F16K27/06 C
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020551989
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2019092297
(87)【国際公開番号】W WO2020015497
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】201810781935.6
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514239545
【氏名又は名称】浙江三花制冷集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲厳▼ ▲衛▼林
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲銘▼▲輝▼
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-150526(JP,U)
【文献】特開2001-221356(JP,A)
【文献】特開平5-118460(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104482253(CN,A)
【文献】特開2002-22049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ボール弁であって、制御部材、ギア減速機構、弁ボディ部材、およびハウジング部材を含み、
前記制御部材は、カバー、および前記カバー内に設けられたロータ部材を含み、
前記ギア減速機構は前記ハウジング部材の内室に設けられており、前記ギア減速機構は、入力ギア部、出力キャリアを含み、前記ロータ部材の回転軸が、前記入力ギア部を周方向に回動させることができ、
前記弁ボディ部材は、弁ボディ、弁軸、第1弁座、および弁体を含み、前記第1弁座が前記弁ボディに固定接続され、前記弁体が前記弁ボディ部材の内室に設けられ、前記弁軸の一端が前記出力キャリアの中心孔に入り込み、前記出力キャリアが前記弁軸を周方向に回動させることができ、前記弁軸の他端が前記弁体の溝に入り込み、前記弁軸が、前記弁体を周方向に回動させることができ、
前記ハウジング部材は、上ハウジング部および下ハウジング部を含み、前記カバー、前記上ハウジング部、および前記下ハウジング部がステンレス材料の加工により作製され、前記カバーが前記上ハウジング部に溶接固定され、前記上ハウジング部が前記下ハウジング部に溶接固定され、前記下ハウジング部が前記弁ボディに溶接固定されることを特徴とする電動ボール弁。
【請求項2】
前記弁ボディは略管状を呈し、前記弁ボディはステンレス材料を引っ張って作製され、前記弁ボディは、本体部、および前記本体部の周方向外縁から張り出す張出部を含み、前記張出部が略管状を呈し、前記弁軸は前記張出部を貫通することを特徴とする請求項1に記載の電動ボール弁。
【請求項3】
前記弁ボディは金属材料の鍛造または鋳造により作製され、前記弁ボディは、本体部、および前記制御部材へ張り出す張出部を含み、前記張出部が貫通孔を含み、前記弁軸は前記貫通孔を貫通することを特徴とする請求項1に記載の電動ボール弁。
【請求項4】
前記上ハウジング部の上端が内に向かう折り曲げ部を含み、前記折り曲げ部はテーパ状部、移行部および内曲げ部を含み、前記移行部が前記テーパ状部と前記内曲げ部とを接続し、前記内曲げ部が前記移行部の一端から前記電動ボール弁の軸方向に沿って下へ延び、前記内曲げ部が前記カバーに溶接固定されることを特徴とする請求項1に記載の電動ボール弁。
【請求項5】
前記下ハウジング部の肉厚が前記上ハウジング部の肉厚より大きく、前記下ハウジング部の上端に、段階面が上向きである段階部が設けられ、前記上ハウジング部は前記段階部に置かれ、前記上ハウジング部は前記段階部に溶接固定されることを特徴とする請求項1に記載の電動ボール弁。
【請求項6】
前記回転軸は、軸体、および前記軸体の下端に固定接続される伝動板を含み、前記伝動板が、前記軸体の下端に固定接続される基体部、および前記基体部から外へ延びる板体部を含み、前記板体部が側壁部を含み、前記入力ギア部の上端に凹溝が設けられ、下端に入力ギアが設けられ、前記板体部の少なくとも一部が前記凹溝内に入り込み、前記凹溝が前記側壁部に当接可能な溝壁部を含み、前記溝壁部と前記側壁部との間に周方向移動隙間を有することを特徴とする請求項1に記載の電動ボール弁。
【請求項7】
前記ギア減速機構は遊星ギア機構であり、前記入力ギア部が大径部および小径部を含み、前記凹溝が前記大径部の上端に設けられ、前記入力ギアが前記小径部の下端に設けられ、前記小径部の外周に第1軸受部品が外挿され、前記第1軸受部品がフランジ部を含み、前記第1軸受部品の上端面が前記大径部の下端面に接触され、前記フランジ部の下端面が前記遊星ギア機構の蓋板に接触され、前記第1軸受部品の下端が前記蓋板の通孔を通ることを特徴とする請求項6に記載の電動ボール弁。
【請求項8】
前記回転軸は、軸体、および前記軸体の下端に固定接続される伝動板を含み、前記入力ギア部は大径部および小径部を含み、前記小径部の外周に第1軸受部品が外挿され、前記第1軸受部品がフランジ部を含み、前記第1軸受部品の上端面が前記大径部の下端面に接触され、前記フランジ部の下端面が前記ギア減速機構の蓋板に接触され、前記制御部材はさらに、サポートフレーム、スプリングを含み、前記サポートフレームが略逆転したカップ状を呈し、前記サポートフレームが前記フランジ部または前記蓋板に置かれ、前記スプリングが前記軸体に外挿され、前記スプリングの一端が前記サポートフレームに直接または間接的に当接され、他端が前記ロータ部材のホルダに当接されることを特徴とする請求項1に記載の電動ボール弁。
【請求項9】
前記下ハウジング部は縮径部を含み、前記縮径部が前記張出部に溶接固定され、前記張出部の内壁が前記縮径部の外壁に溶接固定され、前記縮径部と前記弁軸との間に第2軸受部品が設けられ、あるいは、前記張出部の外壁が前記縮径部の内壁に溶接固定され、前記張出部と前記弁軸との間に第2軸受部品が設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の電動ボール弁。
【請求項10】
前記ギア減速機構は遊星ギア機構であり、前記遊星ギア機構はさらにギアリングを含み、前記ギアリングの下端に位置制限凹溝が設けられ、前記出力キャリアは盤状本体部を含み、中心通孔が前記盤状本体部に設けられ、前記中心通孔の断面が非円形であり、前記盤状本体部の前記弁体に向かう一方側に突起部が設けられ、前記第2軸受部品は、筒状部、および前記筒状部から径方向に延びる延び部を含み、前記延び部が前記下ハウジング部に溶接固定され、前記延び部の前記筒状部から離れた一端が前記位置制限凹溝にキー溝接続され、前記突起部が前記延び部に当接することで前記出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限できることを特徴とする請求項9に記載の電動ボール弁。
【請求項11】
前記突起部は2つであり、かつ前記中心通孔の中心軸に対して対称に設置され、前記突起部は前記盤状本体部と一体成形されることを特徴とする請求項10に記載の電動ボール弁。
【請求項12】
前記ギア減速機構は遊星ギア機構であり、前記遊星ギア機構はギアリングを含み、前記ギアリングの下端に位置制限凹溝が設けられ、前記ギアリングの下端が前記下ハウジング部に固定接続され、前記出力キャリアが盤状本体部を含み、中心通孔が前記盤状本体部に設けられ、前記中心通孔の断面が非円形であり、前記盤状本体部の周方向外縁に突起部が設けられ、前記突起部が前記位置制限凹溝に当接することで前記出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限できることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電動ボール弁。
【請求項13】
前記盤状本体部の前記弁体に向かう一方側にボスが設けられ、前記ボスは前記突起部に連なり、前記ボス、前記突起部、および前記盤状本体部は一体成形されることを特徴とする請求項12に記載の電動ボール弁。
【請求項14】
前記第2軸受部品と前記弁軸との間に回動隙間を有し、前記電動ボール弁の弁室は、前記ハウジング部材の内室および前記弁ボディ部材の内室を含み、前記ハウジング部材の内室と前記弁ボディ部材の内室とが前記回動隙間により連通され、前記弁軸の一端が第1キー部を含み、前記第1キー部が前記ハウジング部材の内室に位置し、前記弁軸の他端が第2キー部を含み、前記第2キー部が前記弁ボディ部材の内室に位置することを特徴とする請求項9に記載の電動ボール弁。
【請求項15】
請求項1に記載の電動ボール弁の製造方法であって、
ステップA10:前記弁ボディ、前記第1弁座および第1接続管を製造し、ステンレス材料を引っ張って旋削することで前記カバー、前記上ハウジング部、および前記下ハウジング部を製造することと、
ステップA20:前記下ハウジング部と前記弁ボディとを溶接し固定接続し、前記第1弁座と前記第1接続管とを溶接し固定接続し、前記弁ボディと前記第1弁座とをネジ接続し、または溶接し固定接続することと、
ステップA30:前記カバーと前記上ハウジング部とを溶接し固定接続することと、
ステップA40:前記上ハウジング部と前記下ハウジング部とを溶接し固定接続することと、を含むことを特徴とする電動ボール弁の製造方法。
【請求項16】
前記ステップA10はさらに、前記弁ボディがステンレス材料を引っ張って作製され、前記弁ボディの張出部がステンレス材料のプレスおよびエッジカールにより作製されることと、第2弁座および第2接続管を製造し、前記弁ボディ、前記第2弁座および前記第2接続管が溶接されて固定接続されることと、を含み、
前記ステップA20はさらに、前記下ハウジング部の縮径部が前記弁ボディの張出部に溶接されて固定接続されることを含むことを特徴とする請求項15に記載の電動ボール弁の製造方法。
【請求項17】
前記ステップA20はさらに、炉内ろう付けにより前記下ハウジング部、前記弁ボディ、前記第1弁座、および前記第1接続管を固定接続し、アルゴンアーク溶接またはレーザー溶接により前記弁ボディ、前記第2弁座、および前記第2接続管を固定接続することを含み、
前記ステップA30はさらに、炉溶接により前記カバーと前記上ハウジング部とを固定接続することを含み、
前記ステップA40はさらに、レーザー溶接により前記上ハウジング部と前記下ハウジング部とを固定接続することを含むことを特徴とする請求項16に記載の電動ボール弁の製造方法。
【請求項18】
前記ステップA10はさらに、前記弁ボディが金属材料の鍛造または鋳造により作製されることと、第2接続管を製造し、前記弁ボディが前記第2接続管に溶接されて固定接続されることと、を含み、
前記ステップA20はさらに、前記下ハウジング部の縮径部が前記弁ボディの張出部に溶接されて固定接続されることを含むことを特徴とする請求項15に記載の電動ボール弁の製造方法。
【請求項19】
前記ステップA20はさらに、炉内ろう付けにより前記下ハウジング部、前記弁ボディ、および前記第2接続管を固定接続し、炉内ろう付けにより前記第1弁座、前記第1接続管を固定接続することと、アルゴンアーク溶接またはろう付けにより前記弁ボディ、前記第2接続管を固定接続することと、ネジ螺合により前記弁ボディ、前記第1弁座を固定接続し、あるいは、アルゴンアーク溶接またはろう付けにより前記弁ボディ、前記第1弁座を固定接続することと、を含み、
前記ステップA30はさらに、炉内溶接により前記カバーと前記上ハウジング部とを固定接続することを含み、
前記ステップA40はさらに、レーザー溶接により前記上ハウジング部と前記下ハウジング部とを固定接続することを含むことを特徴とする請求項18に記載の電動ボール弁の製造方法。
【請求項20】
前記ステップA20、前記ステップA30の順序は互いに交換できることを特徴とする請求項15に記載の電動ボール弁の製造方法。
【請求項21】
前記ステップA10はさらに、前記上ハウジング部の上端を内へ折り曲げることでテーパ状部、移行部および内曲げ部を形成することと、金属切削方法により、前記下ハウジング部の上端に、前記上ハウジング部に係合する段階部を加工することと、を含むことを特徴とする請求項15~20のいずれか1項に記載の電動ボール弁の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年07月17日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201810781935.6であり、発明名称が「電動ボール弁及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
本発明は流体制御という技術的分野に関わり、具体的には電動ボール弁及びその製造方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
図17は、背景技術による電動弁の断面模式図である。図17に示すように、電動弁は電機01および弁ボディ02を含み、弁体04が弁ボディ02の内室に設けられ、弁軸03の上端が電機01に回動接続され、弁軸03の下端が弁体04に回動接続される。該構造において、弁軸03の一部が外へ露出し、主に弁軸03の外周に外挿された封止リング05により流体の外へのリークが防止されるが、電動弁の頻繁な動作の後、封止リング05の耐久性能が低下され、封止効果に影響を与え、流体が外に漏れることになる可能性がある。該流体が冷媒等の化合物である場合、流体が外に漏れると、環境汚染を引き起こすことになる。
【0003】
これに鑑み、如何に電動弁の漏れリスクを低減させることは、当業者が現在、早急に解決しなければならない技術的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動ボール弁であって、制御部材、ギア減速機構、弁ボディ部材、およびハウジング部材を含み、前記制御部材は、カバー、および前記カバー内に設けられたロータ部材を含み、前記ギア減速機構は前記ハウジング部材の内室に設けられており、前記ギア減速機構は、入力ギア部、出力キャリアを含み、前記ロータ部材の回転軸が、前記入力ギア部を周方向に回動させることができ、前記弁ボディ部材は、弁ボディ、弁軸、第1弁座、および弁体を含み、前記第1弁座が前記弁ボディに固定接続され、前記弁体が前記弁ボディ部材の内室に設けられ、前記弁軸の一端が前記出力キャリアの中心孔に入り込み、前記出力キャリアが、前記弁軸を周方向に回動させることができ、前記弁軸の他端が前記弁体の溝に入り込み、前記弁軸が、前記弁体を周方向に回動させることができ、前記ハウジング部材は、上ハウジング部および下ハウジング部を含み、前記カバー、前記上ハウジング部、および前記下ハウジング部がステンレス材料の加工により作製され、前記カバーが前記上ハウジング部に溶接固定され、前記上ハウジング部が前記下ハウジング部に溶接固定され、前記下ハウジング部が前記弁ボディに溶接固定される電動ボール弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はさらに、電動ボール弁の製造方法であって、
ステップA10:前記弁ボディ、前記第1弁座および第1接続管を製造し、ステンレス材料を引っ張って旋削することで前記カバー、前記上ハウジング部、および前記下ハウジング部を製造することと、
ステップA20:前記下ハウジング部と前記弁ボディとを溶接し固定接続し、前記第1弁座と前記第1接続管とを溶接し固定接続し、前記弁ボディと前記第1弁座とをネジ接続し、または溶接し固定接続することと、
ステップA30:前記カバーと前記上ハウジング部とを溶接し固定接続することと、
ステップA40:前記上ハウジング部と前記下ハウジング部とを溶接し固定接続することと、を含む電動ボール弁の製造方法を提供する。
【0006】
本発明により提供される電動ボール弁及びその製造方法について、カバー、上ハウジング部、および下ハウジング部がステンレス材料の加工により作製され、カバーが上ハウジング部に溶接固定され、上ハウジング部が下ハウジング部に溶接固定され、下ハウジング部が弁ボディに溶接固定される。背景技術に対して、電動弁の漏れリスクを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明により提供される電動ボール弁の断面模式図である。
図2図1における上ハウジング部の構造模式図である。
図3図1における下ハウジング部の構造模式図である。
図4図1における回転軸と入力ギア部との係合模式図である。
図5図1における制御部材と上ハウジング部との組立半断面図である。
図6図1におけるギア減速機構、弁ボディ部材および下ハウジング部の組立半断面図である。
図7図1におけるギアリングの構造模式図である。
図8図1における出力キャリアの構造模式図である。
図9図1における第2軸受部品の構造模式図である。
図10図1におけるギアリング、出力キャリアおよび第2軸受部品の係合模式図である。
図11図1における弁軸の構造模式図である。
図12】本発明による他の出力キャリアの構造模式図である。
図13】本発明による第3種類の出力キャリアの構造模式図である。
図14図13に示される出力キャリアとギアリングとの係合模式図である。
図15】本発明により提供される他の電動ボール弁の局所断面模式図である。
図16図15における弁ボディの構造模式図である。
図17】背景技術による電動ボール弁の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の核心は、カバー、上ハウジング部、および下ハウジング部がステンレス材料の加工により作製され、カバーと上ハウジング部とを溶接固定し、上ハウジング部と下ハウジング部とを溶接固定し、下ハウジング部と弁ボディとを溶接固定することにより、背景技術に対して、電動弁の漏れリスクを低減させることができる、電動ボール弁及びその製造方法を提供することである。
【0009】
当業者がよりよく本発明の方案を理解するために、以下は図面と具体的な実施形態を結合して本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】
ここで説明しようとするのは、本明細書に関わる上と下などの方位用語は、図1図16における部品の図面に位置する位置および互いの間の位置によって定義され、ただ技術案を明らか且つ便利に表現するために用いられる。理解するように、本明細書が採用した方位用語は本出願の請求項の保護範囲を限定していない。
【0011】
図1は本発明により提供される電動ボール弁の断面模式図であり、図2図1における上ハウジング部の構造模式図であり、図3図1における下ハウジング部の構造模式図であり、図4図1における回転軸と入力ギア部との係合模式図であり、図5図1における制御部材と上ハウジング部との組立半断面図であり、図6図1におけるギア減速機構、弁ボディ部材および下ハウジング部の組立半断面図であり、図7図1におけるギアリングの構造模式図であり、図8図1における出力キャリアの構造模式図であり、図9図1における第2軸受部品の構造模式図であり、図10図1におけるギアリング、出力キャリアおよび第2軸受部品の係合模式図であり、図11図1における弁軸の構造模式図であり、図12は本発明による他の出力キャリアの構造模式図であり、図13は本発明による第3種類の出力キャリアの構造模式図であり、図14図13に示される出力キャリアとギアリングとの係合模式図である。
【0012】
図1に示すように、電動ボール弁は制御部材1、ギア減速機構2、弁ボディ部材3、およびハウジング部材4を含む。電動ボール弁の弁室は、弁ボディ部材の内室30およびハウジング部材の内室40を含む。
【0013】
制御部材1はカバー11、コイル12、およびロータ部材13を含む。カバー11は有底筒状を呈し、ステンレス材料から作製され、具体的には、ステンレス板材を引っ張って作製され、コイル12は該カバー11の外周に外挿され、ロータ部材13は、回転軸14、プラスチック材質のホルダ131およびホルダ131の外周に設けられた磁石132を含み、磁石132が磁性粉の焼結によって作製され、回転軸14のロッド状軸体141がステンレスバーの加工により作製され、軸体141、磁石132をキャビティに入れてさらにキャビティにおいてホルダ131を射出することにより、軸体141と磁石132とを固定する。カバー11の内部上方に軸受台18が固定されて設けられ、軸受台18に中心盲孔が設けられ、回転軸14の上端が該中心盲孔に挿入されて位置決めされる。コイル12は通電され、回転軸14の周方向の回転を駆動できる。
【0014】
ギア減速機構2はハウジング部材の内室40に設けられる。ギア減速機構2は入力ギア部241および出力キャリア26を含み、回転軸14が入力ギア部241に可撓接続され、ここでの可撓接続とは、互いに接続される回転軸14と入力ギア部241との間に一定の活動隙間を有するとともに、回転軸14がまた入力ギア部241を周方向に回転させることができることを指す。
【0015】
弁ボディ部材3は弁ボディ31、弁軸23、第1弁座33、第2弁座33’および弁体32を含む。弁ボディ31は略中空管状を呈し、第1弁座33は弁ボディ31の一端に溶接により固定され、第2弁座33’は弁ボディ31の他端に溶接により固定される。弁体32は略球状を呈し、弁ボディ部材の内室30に設けられ、第1弁座33と第2弁座33’との間に位置する。弁ボディ31は、本体部311、および本体部311の周方向外縁から外へ延びる張出部312を含み、張出部312が略中空管状を呈する。弁軸23は張出部312を貫通し、弁軸23の上端がギア減速機構2に入り込むとともに、出力キャリア26の中心通孔262にキー溝接続され、出力キャリア26は弁軸23を周方向に回動させることができ、弁軸23の下端が本体部311に入り込んで弁体32の溝321にキー溝接続され、弁軸23は弁体32を周方向に回動させることができる。
【0016】
ハウジング部材4は上ハウジング部41および下ハウジング部42を含み、カバー11、上ハウジング部41および下ハウジング部42が、ステンレス板材を引っ張ってから旋削することで作製され、弁ボディ31の本体部311および張出部312がステンレス管材の加工により作製され、無論、ステンレス板材をカーリングしてから溶接することでステンレス管材を作製し、そしてステンレス溶接管材を加工することにより弁ボディ31を作製してもよい。そのうち、弁ボディ31の本体部311はステンレス管材の切断により形成され、張出部312は本体部311を基礎とし、プレスしてからエッジカールすることで作製され、上ハウジング部41とカバー11とは溶接により固定され、下ハウジング部42は縮径部415を含み、該縮径部415が弁ボディ31の張出部312に溶接固定される。
【0017】
本実施方案において、カバー、上ハウジング部、および下ハウジング部はステンレス材料の加工により作製され、カバーは上ハウジング部に溶接固定され、上ハウジング部は下ハウジング部に溶接固定され、下ハウジング部は弁ボディに溶接固定され、ギア減速機構はハウジング部材の内室に設けられ、弁体は弁ボディ部材の内室に設けられ、弁軸は一端がギア減速機構の出力キャリアの中心孔に係合し、他端が弁体に係合する。その有益な効果は、電動弁の漏れリスクを低減させることができることにある。
【0018】
さらに、図2に示すように、上ハウジング部41の上端が内へ折り曲げられることで折り曲げ部411が形成され、折り曲げ部411はテーパ状部412、内曲げ部413およびテーパ状部412と内曲げ部413とを接続する移行部416を含み、内曲げ部413が移行部416の一端から電動ボール弁の軸方向に沿って下へ延び、内曲げ部413がカバー11の下端外縁に貼り合わせて溶接される。このように設置すれば、上ハウジング部41の上端を外へ隆起させ、その有益な効果は、上ハウジング部41の強度を増加させ、強い冷媒衝撃力を受けても損害しにくいことにある。
【0019】
さらに、図3に示すように、下ハウジング部42の肉厚が上ハウジング部41より大きい。下ハウジング部42の上端に、段階面が上向きである段階部414が設けられ、上ハウジング部41は段階部414に置かれて溶接により固定される。段階部を設置することについて、その有益な効果は、両者が溶接する場合に位置決めしやすく、溶接質量を保証することにある。
【0020】
図4に示すように、回転軸14はロッド状の軸体141および軸体141の下端部に固定し設置される伝動板15を含み、伝動板15が基体部151および該基体部151の径方向から外へ延びる板体部152を含み、基体部151と軸体141とが係着または溶接によって固定され、板体部152が側壁部1521を含む。入力ギア部241の上端に凹溝242が設けられ、下端に入力ギア243が設けられ、入力ギア243はギア減速機構2の遊星ギア244と噛み合う。板体部152は少なくとも一部が該凹溝242内に入り込み、凹溝242は側壁部1521に当接可能な溝壁部2421を含み、溝壁部2421と側壁部1521との間にプリセット周方向移動空間を有する。回転軸14は回転し、板体部152の側壁部1521は凹溝242の溝壁部2421に当接し、これにより、入力ギア部241を周方向に回動させる。伝動板15の板体部152と凹溝242との間に周方向移動隙間を設けることにより、両者を可撓接続させ、伝動板15および凹溝242の加工精度および組立の制御精度を低減できるので、製造コストを低減させて組立の合格率を向上させる。
【0021】
よりさらに、図1図6に示すように、本実施方案において、ギア減速機構2は遊星ギア機構24であり、入力ギア部241が大径部245および小径部246を含み、上記凹溝242が大径部245の上端に設けられ、上記入力ギア243が小径部246の下端に設けられる。小径部246の外縁に第1軸受部品247が外挿され、第1軸受部品247にフランジ部2471が設けられ、該第1軸受部品247は耐摩耗性材料によって作製され、第1軸受部品247の上端面が大径部245の下端面に接触され、フランジ部2471の下端面が遊星ギア機構24の蓋板248に接触され、第1軸受部品247の下端が蓋板248の通孔2481を通る。入力ギア部241の小径部246の外周に第1軸受部品247を外挿することにより、入力ギア部241のサポートに有利になり、一方、入力ギア部241の周方向の回動過程中の摩耗を低減してその使用寿命を増加することに有利になる。
【0022】
さらに、図5に示すように、制御部材1はさらに、サポートフレーム16、スプリング17および第3軸受部品19を含む。第3軸受部品19は耐摩耗性材料の粉末冶金によって作製され、軸体141に外挿されてサポートフレーム16に置かれる。サポートフレーム16は略逆転したカップ状を呈し、該サポートフレーム16は上記フランジ部2471または上記蓋板248に置かれる。スプリング17は軸体141に外挿され、その一端が第3軸受部品19に当接し、他端がロータ部材13のホルダ131に当接する。無論、第3軸受部品19をキャンセルし、スプリング17の一端が直接にサポートフレーム16に当接してもよい。本実施方案において、スプリング17の弾性力によりロータ部材13をカバー11内にサポートする。スプリング17と第3軸受部品19、ホルダ131との接触面積が小さく、かつ第3軸受部品19が耐摩耗性材料により作製されたので、このように設置すれば、スプリング17の摩耗を減少してその使用寿命を増加することができ、コイル12のエネルギー消費の低減にも有利になる。
【0023】
図1に示すように、弁ボディ31の張出部312の内壁は下ハウジング部42の縮径部415の外壁に溶接固定され、縮径部415と弁軸23との間に第2軸受部品27が設けられ、無論、図15に示すように、張出部312Aの外壁は縮径部415の内壁に溶接固定され、張出部312Aと弁軸23との間に第2軸受部品27が設置されてもよい。第2軸受部品27は耐摩耗性材料の粉末冶金によって作製される。このように設置する有益な効果は、弁軸23の周方向の回動過程中の摩耗を低減してその使用寿命を向上することにある。
【0024】
図1図6図11図15を結合して示すように、弁軸23が第2軸受部品27に対して周方向に回動することができるので、第2軸受部品27と弁軸23との間に回動隙間310を有し、ハウジング部材の内室40と弁ボディ部材の内室30とは回動隙間310により連通され、弁軸23の制御部材1に向かう一端が、出力キャリア26の中心通孔262にキー接続される第1キー部231を含み、第1キー部231がハウジング部材の内室40に位置し、該第1キー部231の断面が非円形であり、出力キャリア26にキー溝係合され、弁軸23の他端が、弁体32にキー溝接続される第2キー部232を含み、第2キー部232が弁ボディ部材の内室30に位置し、第2キー部232の下端に弧形端部233が設けられ、弁体32の溝321の溝底が弧形であり、弧形端部233が該溝321に入り込み、第2キー部232が弁体32にキー溝係合される。このように設置すれば、ハウジング部材の内室40と弁ボディ部材の内室30とは回動隙間310のみによって連通され、その有益な効果は、電動弁の漏れリスクを低減させることができることにある。
【0025】
無論、ハウジング部材の内室40と弁ボディ部材の内室30との間の流体流通性能を増加するために、第2軸受部品27の周方向外縁に軸方向貫通溝を開設して、より多くの流体をハウジング部材の内室40に誘い込んでもよく、電動弁の弁室内部循環を強くし、ギア減速装置を放熱してその使用寿命を増加してもよいことを想到できる。
【0026】
図7図8図9図10に示すように、本実施例において、遊星ギア機構24はギアリング25をさらに含み、ギアリング25の下端に位置制限凹溝251が設けられる。出力キャリア26は盤状本体部261を含み、中心通孔262が該盤状本体部261に設けられ、中心通孔262の断面が非円形であり、盤状本体部261の弁体32に向かう一方側に突起部263が設けられる。本実施方案において、第2軸受部品27は筒状部271および筒状部271の外縁径方向から外へ延びる延び部272を含み、該延び部272の外端縁が下ハウジング部42の内壁に溶接固定される。延び部272の筒状部271から離れた一端が位置制限凹溝251にキー溝係合され、延び部272の他端が突起部263に係合することで出力キャリア26の周方向の回動ストロークを制限できる。
【0027】
上記実施方案において、第2軸受部品の延び部が下ハウジング部に溶接により固定されるので、延び部がギアリングの位置制限凹溝にキー溝係合されることにより、ギアリングの周方向が位置制限され、他方、延び部が突起部に対して位置制限することにより、出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限し、つまり、弁軸の周方向の回動ストロークを制限し、このように設置すれば、弁体の全開位置および全閉位置を制限し、電動ボール弁の全開、全閉および流量調節機能を実現することができる。
【0028】
さらに、上記突起部263は2つ設置され、かつ中心通孔262の中心軸に対して対称に設置され、このように設置すれば、出力キャリアの周方向の回動が滑らかであって位置制限が確実であることに有利になる。それに、突起部263と盤状本体部261とはプラスチックによって一体射出成形され、または金属粉末冶金によって一体成形され、出力キャリアの強度を強くして位置制限をより確実にさせることに有利になる。
【0029】
図12は他の電動ボール弁の止め構造である。上記実施例との相違点は、本実施例において、ギアリング25の下端(位置制限凹溝251を含まない)が下ハウジング部42に溶接固定され、盤状本体部261の周方向外縁に突起部263’が設けられ、位置制限凹溝251が突起部263’に係合することで出力キャリア26の周方向の回動ストロークを制限できることにある。このように設置すれば、ギアリングの位置制限凹溝により出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限することは同様に、弁体の全開、全閉位置を制限し、電動ボール弁の全開、全閉および流量調節機能を実現することができる。本実施例において、第2軸受部品を特別に加工する必要がなく、加工工程が少なく、組立が簡単である。
【0030】
よりさらに、盤状本体部261の球状弁体32に向かう一方側にさらにボス264が設けられ、該ボス264と突起部263’とは一体に連なり、突起部263’、ボス264および盤状本体部261はプラスチックによって一体射出成形され、または金属粉末冶金によって一体成形され、出力キャリアの強度を強くして位置制限をより確実にさせることに有利になる。
【0031】
上記の具体的な実施例を結合すれば、典型的な構造の電動ボール弁の製造方法は以下のように紹介する。
【0032】
ステップA10:
カバー11、コイル12、ロータ部材13、サポートフレーム16、スプリング17、および軸受台18を含む制御部材1を製造し、回転軸14が軸体141および伝動板15を含み、ロータ部材13がホルダ131、磁石132および軸体141を射出により一体に固定接続されてなるものであり、
遊星ギア機構24、第1軸受部品247、および第2軸受部品27を含むギア減速機構2を製造し、遊星ギア機構24、第1軸受部品247および第2軸受部品27が鉄系粉末の冶金加工により作製され、
弁ボディ31、弁軸23、弁体32、第1弁座33、第2弁座33’、ガスケット34、Oリング35、第1接続管36、および第2接続管37を含む弁ボディ部材3を製造し、弁ボディ31がステンレス管材の加工により作製され、まず、ステンレス板材をカーリングして溶接することでステンレス管材を作製し、さらに該溶接続管材を加工して弁ボディ31に作製してもよく、弁ボディ31の張出部312がステンレス管材をプレスしてからエッジカールすることで作製され、弁軸23がフライス盤でのステンレスバーのガングミリング加工により作製され、第1弁座33および第2弁座33’がステンレスの旋削により作製され、
上ハウジング部41、下ハウジング部42を含むハウジング部材4を製造し、上ハウジング部41、下ハウジング部42が、ステンレス板材を引っ張ってから旋削することにより作製され、
実施方案として、まず、ステンレス板材の一端を内へ引っ張って折り曲げることで上ハウジング部41を作製し、その上端が折り曲げることによりテーパ状部412、移行部416および内曲げ部413が形成されてもよい。上ハウジング部41を置くために、金属切削方法により、下ハウジング部42の上端外縁に1つの段階が旋削されて段階部414が形成される。
【0033】
ステップA20:
下ハウジング部42、弁ボディ31、第1弁座33、および第1接続管36を一体に炉内ろう付けする。弁ボディ31内に、一方側のOリング35、一方側のガスケット34、弁体32、他方側のガスケット34、他方側のOリング35、および第2弁座33’を順次に装入し、弁軸23を下ハウジング部42の縮径部415から入り込むとともに、弁軸23の下端の第2キー部232を弁体32の溝321に挿入し、これにより弁軸23は弁体32を周方向に回動させることができ、その後、さらに弁ボディ31、第2弁座33’、および第2接続管37をアルゴンアーク溶接またはレーザー溶接によって一体に固定接続する。複数の部品がワンタイム溶接する方式によって固定するので、工程が簡単であり、製品の確実性が強い。
【0034】
ステップA30:
第2軸受部品27の筒状部271を弁軸23に外挿し、さらに第2軸受部品27の延び部272の外縁と下ハウジング部42の内壁とをレーザー溶接により一体に固定接続し、ギア減速機構2を下ハウジング部42に装入し、弁軸23の上端の第1キー部231を出力キャリア26の中心通孔262に挿入し、これにより出力キャリア26は弁軸23を周方向に回動させることができる。これまで、第1アッセンブリーを形成する。
【0035】
ステップA40:
カバー11と上ハウジング部41とを炉内ろう付けにより固定接続する。
【0036】
ステップA50:
カバー11内に軸受台18、ロータ部材13、スプリング17、およびサポートフレーム16を装入し、装入したあと、さらに伝動板15と軸体141の下端とをレーザー溶接により固定接続して第2アッセンブリーを形成する。
【0037】
ステップA60:
第1アッセンブリーと第2アッセンブリーとを組み合わせ、具体的には、回転軸14の伝動板15をギア減速機構2の入力ギア部241の凹溝242内に挿入し、上ハウジング部41を下ハウジング部42の段階部414に置き、さらに上ハウジング部41と下ハウジング部42とをレーザー溶接により一体に固定接続し、さらにコイル12をカバー11に外挿して電動弁を形成する。
【0038】
当業者は理解するように、本発明の技術思想に基づき、前記技術案を基礎として、いろんな組み合わせ順序及び組み合わせの変化を延伸し得る。例えば、ステップA20、ステップA30とステップA40、ステップA50とは互いに交換でき、本発明の技術効果に影響していない。
【0039】
本実施例の電動ボール弁の製造方法は、複数の部品がワンタイム溶接する方式によって固定されるので、工程が簡単であり、製品の確実性が強く、電動弁の漏れリスクを低減させることができ、炉内ろう付け、アルゴンアーク溶接、レーザー溶接により固定接続するので、生産プロセスがクリーンで環境に優しい。
【0040】
図15は本発明により提供される他の電動ボール弁の局所断面模式図であり、図16図15における弁ボディの構造模式図である。本実施例の上記実施例との相違点は、弁ボディ部材の構造及びその製造方法にある。
【0041】
図15図16に示すように、本実施例において、弁ボディ部材3Aは弁ボディ31A、弁軸23、第1弁座33Aおよび弁体32を含み、弁ボディ31Aが金属材料の鍛造または鋳造により作製され、第1弁座33Aが金属材料の旋削、鍛造または鋳造により作製され、弁ボディ31Aおよび第1弁座33Aが固定接続して弁ボディ部材の内室30が形成される。弁ボディ31Aは、略円筒状を呈する本体部311Aおよび本体部311Aの外縁から制御部材1へ張り出す張出部312Aを含み、張出部312Aに軸方向の貫通孔3120Aが設けられ、弁軸23は該貫通孔3120Aを貫通する。
【0042】
本実施例の電動ボール弁の製造方法の上記実施例との相違点は以下のことにある。即ち、ステップA10:弁ボディ部材3Aを製造し、弁ボディ31Aが金属材料の鍛造または鋳造により作製され、第1弁座33Aが金属材料の旋削、鍛造または鋳造により作製される。
【0043】
ステップA20:炉内ろう付けにより下ハウジング部42、弁ボディ31A、および第2接続管37を固定接続し、下ハウジング部42の縮径部415が弁ボディ31Aの張出部312Aに溶接されて固定接続され、炉内ろう付けにより第1弁座33A、第1接続管36を固定接続し、そしてネジ螺合により弁ボディ31Aと第1弁座33Aとを固定接続し、あるいは、アルゴンアーク溶接またはろう付けにより弁ボディ31Aと第1弁座33Aとを固定接続し、あるいは、弁ボディ31Aと第1弁座33Aとをネジ螺合してから溶接することで固定接続する。
【0044】
ステップA30:第2軸受部品27を弁軸23に外挿し、さらに第2軸受部品27の外縁と張出部312Aの内壁とをアルゴンアーク溶接またはろう付けにより一体に固定接続する。
【0045】
本実施例は上記実施例と同様な技術的効果を有し、ここでは贅言しない。
【0046】
本明細書において、具体的な例を利用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、ただ本発明の方法及びその核心思想に対する理解のために用いられる。指摘すべきは、当業者にとって、本発明の原理から離脱しない前提で、本発明に対して若干の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲に該当している。
【符号の説明】
【0047】
1 ・・・制御部材
11 ・・・カバー
12 ・・・コイル
13 ・・・ロータ部材
131 ・・・ホルダ
132 ・・・磁石
14 ・・・回転軸
141 ・・・軸体
15 ・・・伝動板
151 ・・・基体部
152 ・・・板体部
1521 ・・・側壁部
16 ・・・サポートフレーム
17 ・・・スプリング
18 ・・・軸受台
19 ・・・第3軸受部品
2 ・・・ギア減速機構
23 ・・・弁軸
231 ・・・第1キー部
232 ・・・第2キー部
233 ・・・弧形端部
24 ・・・遊星ギア機構
241 ・・・入力ギア部
242 ・・・凹溝
2421 ・・・溝壁部
243 ・・・入力ギア
244 ・・・遊星ギア
245 ・・・大径部
246 ・・・小径部
247 ・・・第1軸受部品
2471 ・・・フランジ部
248 ・・・蓋板
2481 ・・・通孔
25 ・・・ギアリング
251 ・・・位置制限凹溝
26 ・・・出力キャリア
261 ・・・盤状本体部
262 ・・・中心通孔
263/263’ ・・・突起部
264 ・・・ボス
27 ・・・第2軸受部品
271 ・・・筒状部
272 ・・・延び部
3 ・・・弁ボディ部材
30 ・・・弁ボディ部材の内室
31/31A ・・・弁ボディ
310/310A ・・・回動隙間
311/311A ・・・本体部
312/312A ・・・張出部
3120A ・・・貫通孔
32 ・・・弁体
321 ・・・溝
33/33A ・・・第1弁座
33’ ・・・第2弁座
34 ・・・ガスケット
35 ・・・Oリング
36 ・・・第1接続管
37 ・・・第2接続管
4 ・・・ハウジング部材
40 ・・・ハウジング部材の内室
41 ・・・上ハウジング部
42 ・・・下ハウジング部
411 ・・・折り曲げ部
412 ・・・テーパ状部
413 ・・・内曲げ部
414 ・・・段階部
415 ・・・縮径部
416 ・・・移行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17