(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】パーティション用仕切体およびパーティション
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220511BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20220511BHJP
A47G 5/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B96/04 Z
A47G5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021167416
(22)【出願日】2021-10-12
【審査請求日】2021-10-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520240306
【氏名又は名称】後藤 保明
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】後藤 保明
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3137971(JP,U)
【文献】特開2015-110284(JP,A)
【文献】特開2008-142337(JP,A)
【文献】特開2006-112059(JP,A)
【文献】特開2005-021393(JP,A)
【文献】特開2008-093073(JP,A)
【文献】米国特許第05595010(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 5/00~ 5/04
A47B 17/02
A47B 96/04
A47F 9/00
E04B 2/74
G09F 7/00~ 7/22
G09F 15/00~17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティショ
ンを構成するための仕切体であって、
可撓性を有するU字形のフレーム(10)と、
このフレーム(10)内に、該フレーム(10)の可撓性を利用して平面状に張設されるシート(20)と、
を有し、
前記U字形のフレーム(10)の少なくとも一端部(11)は、前記パーティショ
ンを構成する他の部材と連結される連結部(11)を構成
し、
前記U字形のフレーム(10)におけるコーナー部をなす2箇所の湾曲部(12a、12b)の曲率半径(R3,R4)が異なっていることを特徴とするパーティション用仕切体。
【請求項2】
請求項
1記載のパーティション用仕切体(1)と、
このパーティション用仕切体(1)の連結部(11)と連結されて、パーティション用仕切体(1)を起立させる支持部材(30)と、
を備えていることを特徴とするパーティション。
【請求項3】
パーティションを構成するための仕切体であって、
可撓性を有するU字形のフレーム(10)と、
このフレーム(10)内に、該フレーム(10)の可撓性を利用して平面状に張設されるシート(20)とを有し、
前記U字形のフレーム(10)の少なくとも一端部(11)は、前記パーティションを構成する他の部材と連結される連結部(11)を構成するパーティション用仕切体(1)と、
このパーティション用仕切体(1)の連結部(11)と連結されて、パーティション用仕切体(1)を起立させる支持部材(30)と、
を備
え、
前記支持部材(30)は複数のパーティション用仕切体(1)を起立させる支持体であり、かつ、複数のパーティション用仕切体(1)におけるそれぞれのU字形のフレーム(10)の開口(14)側同士を対向させて支持する支持部材(30)であることを特徴とするパーティション。
【請求項4】
請求項
1記載のパーティション用仕切体(1)と、
このパーティション用仕切体(1)の連結部(11)と連結されて、パーティション用仕切体(1)を起立させる支持部材(30)と、
を備
え、
前記支持部材(30)は複数のパーティション用仕切体(1)を起立させる支持体であり、かつ、複数のパーティション用仕切体(1)におけるそれぞれのU字形のフレーム(10)の開口(14)側同士を対向させて支持する支持部材(30)であることを特徴とするパーティション。
【請求項5】
パーティションを構成するための仕切体であって、
可撓性を有するU字形のフレーム(10)と、
このフレーム(10)内に、該フレーム(10)の可撓性を利用して平面状に張設されるシート(20)とを有し、
前記U字形のフレーム(10)の少なくとも一端部(11)は、前記パーティションを構成する他の部材と連結される連結部(11)を構成する、第1,第2のパーティション用仕切体(1A,1B)と、
第1のパーティション用仕切体(1A)の連結部(11)と連結されて、パーティション用仕切体(1)を起立させる支持部材(30)と、
を備え、
第2のパーティション用仕切体(1B)は、第1のパーティション用仕切体(1A)のフレーム(10)に対し、平面視で交差するように連結部(11)で連結されて第1のパーティション用仕切体(1A)で支持されることを特徴とするパーティション。
【請求項6】
請求項
2~4において、
第1のパーティション用仕切体(1A)と第2のパーティション用仕切体(1B)とを有し、
第1のパーティション用仕切体(1A)は前記支持部材(30)で支持され、
第2のパーティション用仕切体(1B)は、第1のパーティション用仕切体(1A)のフレーム(10)に対し、平面視で交差するように連結部(11)で連結されて第1のパーティション用仕切体(1A)で支持されることを特徴とするパーティション。
【請求項7】
請求項
5または6において、
前記第1のパーティション用仕切体(1A)は複数の第2のパーティション用仕切体(1B)を支持し、複数の第2のパーティション用仕切体(1B)におけるそれぞれのU字形のフレーム(10)の開口(14)側同士を対向させて支持することを特徴とするパーティション。
【請求項8】
請求項
5または6または7において、
前記第2のパーティション用仕切体(1B)は第1のパーティション用仕切体(1A)に対し、前記連結部(11)において、平面視で左右方向に回動可能に連結され、第1のパーティション用仕切体(1A)に沿う方向に折り畳み可能であることを特徴とするパーティション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティション用仕切体およびパーティションに関するものである。主として飲食店等において卓上の空間を仕切ることで飛沫を防止するのに適したパーティション用仕切体およびパーティションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1:実用新案登録第3078414号公報>
特許文献1に見られるように、「来客応接用などのカウンター所望の位置に容易に間仕切を設け、その位置を変更し、又はこれを撤去できる移動式カウンターの間仕切を提案する」ことを課題とし、「矩形の板状体に形成したパネル1の背面に、矩形の板状体に形成した天板仕切部2の一方端部を固着するとともに、他端に矩形の板状体に形成した衝立3を連結固着」したものが知られている(同文献要約欄)。
【0003】
しかし、このものは、矩形の板状体に形成したパネル1の背面に、矩形の板状体に形成した天板仕切部2の一方端部を直角に固着したものであり、他端に矩形の板状体に形成した衝立3を連結固着したものであるから、重量化しやすく取扱性も良くはないという難点を有している。
【0004】
<特許文献2:特開2002-209695号公報>
特許文献2に見られるように、「収納しやすい、組立てやすいキット商品にする」ことを課題とし(同文献要約欄)、「下面底面部に半月形の数個の脚を設けた四角いベース板が水平にしてあり、その上面部の中央に同じ寸法の2本の釣り竿がVの字に固定具によって固定されて立ち、同寸法に2つ折りにした1枚の布地を折り目を上にしてその両端2隅に設けた袋に竿の先端を引っかけ、竿をひならせて吊り上げ、下にたれた布の4隅から出た輪になった紐をベース板の4隅にある切れ穴に引っかけて、布を張り、固定した、2つ折りにした布を竿のテンションでベース板上に広げ、立たせた間仕切り、スクリーン、衝立家具」(同文献請求項1)も知られている。
【0005】
しかしこのものは、同寸法に2つ折りにした1枚の布地を折り目を上にしてその両端2隅に設けた袋に竿の先端を引っかけ、下にたれた布の4隅から出た輪になった紐をベース板の4隅にある切れ穴に引っかける構造であるため、設置に手間がかかる(取扱性に優れていない)という難点がある。
【0006】
<特許文献3:登録実用新案第3220560号公報>
特許文献3には、「卓上における騒音を低減しかつ使用者の視野の一部を遮断することにより、事務作業環境の改善を図り、携帯や収納に便利な卓上防音スクリーン」(同文献要約欄)
が記載されている。
【0007】
しかしこのものは、卓上防音を目的とするものであり、飛沫防止には適していない。
符号2A等は防音パネルであり、飛沫防止を行うために大面積にすると、重量化して取扱が困難になる。
【0008】
<特許文献4:米国特許第10030407号明細書>
特許文献4には、「オフィスの作業空間の付属品に関し、より詳細にはプライバシー、ならびに机およびキュービクルに対するカバーを提供するための付属品に関する」、「オフィスの作業空間のための調節可能な天蓋および日除けシステム」(同文献和文抄録)
が記載されている。
【0009】
しかしこのものは、プライバシー、ならびに机等に対するカバーを提供するためのもので、飛沫防止には適していない。
【0010】
<特許文献5:特開2010-207291号公報>
特許文献5には、「多孔シート状の張材を背凭れフレームの前後両面に張設した場合に、前後における張材の孔部が互いに干渉し合って発生するモアレ模様を、変化に富み、デザイン的にも深みのある優れた模様に鮮明に現出させることができるようにしたパネル装置」(同文献要約欄)
が記載されている。
【0011】
しかしこのものは、多孔シート状の張材を用いたものであるから飛沫防止には適していない。
【0012】
<特許文献6:特開2000-206913号公報>
特許文献6には、「布製および紙製の掲示物などを弛むことなく掲示する方法」(同文献要約欄)
が記載されている。
【0013】
しかしこのものは、掲示物の圭治方法であり、飛沫防止には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】実用新案登録第3078414号公報
【文献】特開2002-209695号公報
【文献】登録実用新案第3220560号公報
【文献】米国特許第10030407号明細書
【文献】特開2010-207291号公報
【文献】特開2000-206913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、飛沫防止するのに適し、取扱性にも優れたパーティション用仕切体およびパーティションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明のパーティション用仕切体は、
パーティションを構成するための仕切体であって、
可撓性を有するU字形のフレームと、
このフレーム内に、該フレームの可撓性を利用して平面状に張設されるシートと、
を有し、
前記U字形のフレームの少なくとも一端部は、前記パーティションを構成する他の部材と連結される連結部を構成することを特徴とする。
【0017】
このパーティション用仕切体は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
可撓性を有するU字形のフレーム内に、該フレームの可撓性を利用してシートが平面状に張設されているので、軽量化を図ることが可能であり、それによって取扱性が向上する。
そして、U字形のフレームの少なくとも一端部は、パーティションを構成する他の部材と連結される連結部を構成しているので、この連結部を用いて種々の形態のパーティションを容易に構築することが可能となる。
【0018】
このパーティション用仕切体においては、
前記U字形のフレームにおけるコーナー部をなす2箇所の湾曲部の曲率半径が異なっている構成とすることができる。
【0019】
このように構成すると、パーティション用仕切体を設置する場所に応じて、曲率半径の小さな湾曲部を上方に位置させるか下方に位置させるかを選択可能になるため、設置箇所に応じた適切なパーティションを構築可能となる。
【0020】
また上記課題を解決するために本発明のパーティションは、
上述したパーティション用仕切体と、
このパーティション用仕切体の連結部と連結されて、パーティション用仕切体を起立させる支持部材と、
を備えていることを特徴とする。
【0021】
このパーティションは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
設置希望箇所に支持部材を設置し、この支持部材にパーティション用仕切体を連結して起立させるだけで、希望箇所に簡単にパーティションを構築することができる。
パーティション用仕切体は上述したように軽量化が可能であるから取扱性に優れ、パーティションを容易に構築することができる。
【0022】
このパーティションにおいては、
前記支持部材は複数のパーティション用仕切体を起立させる支持体であり、かつ、複数のパーティション用仕切体におけるそれぞれのU字形のフレームの開口側同士を対向させて支持する支持部材である構成とすることができる。
【0023】
このように構成すると、複数のパーティション用仕切体で仕切られた複数の空間に位置する人同士の間に、フレームの縦方向に伸びる部位が存在しないようにすることができる。したがって、視界が良好な対面状態を得ることができる。
【0024】
このパーティションにおいては、
第1のパーティション用仕切体と第2のパーティション用仕切体とを有し、
第1のパーティション用仕切体は前記支持部材で支持され、
第2のパーティション用仕切体は、第1のパーティション用仕切体のフレームに対し、平面視で交差するように連結部で連結されて第1のパーティション用仕切体で支持される構成とすることができる。
【0025】
このように構成すると、一つの支持部材で複数のパーティション用仕切体を支持することが可能となるため、複数の仕切空間を容易に形成することができる。
【0026】
このパーティションにおいては、
前記第1のパーティション用仕切体は複数の第2のパーティション用仕切体を支持し、複数の第2のパーティション用仕切体におけるそれぞれのU字形のフレームの開口側同士を対向させて支持する構成とすることができる。
【0027】
このように構成すると、複数のパーティション用仕切体で仕切られた複数の空間に位置する人同士の間に、フレームの縦方向に伸びる部位が存在しないようにすることができる。したがって、視界が良好な対面状態を得ることができる。
【0028】
このパーティションにおいては、
前記第2のパーティション用仕切体は第1のパーティション用仕切体に対し、前記連結部において、平面視で左右方向に回動可能に連結され、第1のパーティション用仕切体に沿う方向に折り畳み可能な構成とすることができる。
【0029】
このように構成すると、第2のパーティション用仕切体を第1のパーティション用仕切体に沿う方向に折り畳むことによって、人が容易に移動できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係るパーティション用仕切体の実施の形態を示す正面図。
【
図2】本発明に係るパーティションの実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)におけるb-b断面図、(c)は部分省略左側面図。
【
図3】パーティションの他の実施の形態を示す斜視図。
【
図4】(a)はパーティションの他の実施の形態を示す斜視図、(b)は支持部材の斜視図。
【
図5】(a)はパーティションの他の実施の形態を示す斜視図、(b)は支持部材の斜視図。
【
図7】パーティションの他の実施の形態を示す斜視図。
【
図9】パーティションの他の実施の形態を示す斜視図。
【
図10】パーティションの他の実施の形態を示す斜視図。
【
図11】パーティションの他の実施の形態を示す斜視図。
【
図12】パーティションの他の実施の形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るパーティション用仕切体およびパーティションの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0032】
図1に示すパーティション用仕切体1は、例えば後述するようなパーティションP(P1~P9)を構成するための仕切体であって、
可撓性を有するU字形のフレーム10と、
このフレーム10内に、該フレーム10の可撓性を利用して平面状に張設されるシート20と、を有し、
前記U字形のフレーム10の少なくとも一端部11は、前記パーティションPを構成する他の部材(例えば後述する支持部材や他のパーティション用仕切体)と連結される連結部(11)を構成する。
【0033】
なお、本願において「U字形」とは、見る方向によってU字形になるという意味である。例えば
図1において、フレーム10は、逆U字形に現れているが、見る方向を180度回転させればU字形となる。同じく
図3におけるフレーム10も右に90度回転させればU字形となる。また、「U字形」における湾曲部12は単一の曲率半径を有する場合(例えば
図1)と、複数の曲率半径を有する場合(例えば
図3)とを含むものとする。
【0034】
図1に示すパーティション用仕切体1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
可撓性を有するU字形のフレーム10内に、該フレーム10の可撓性を利用してシート20が平面状に張設されているので、軽量化を図ることが可能であり、それによって取扱性が向上する。
そして、U字形のフレーム10の少なくとも一端部11は、パーティションPを構成する他の部材と連結される連結部11を構成しているので、この連結部11を用いて、後に例示するような種々の形態のパーティションPを容易に構築することが可能となる。
【0035】
例えば
図3に示すように、パーティション用仕切体1は、U字形のフレーム10におけるコーナー部をなす2箇所の湾曲部12a,12bの曲率半径R3、R4が異なっている構成とすることができる。
【0036】
このように構成すると、パーティション用仕切体1を設置する場所に応じて、曲率半径の小さな湾曲部12aを上方に位置させるか下方に位置させるかを選択可能になるため、設置箇所に応じた適切なパーティションを構築可能となる。なお、
図3においては、小さな湾曲部12aを下方に位置させている。
【0037】
図2,
図3にそれぞれ示すパーティションP1,P2は、いずれも、
パーティション用仕切体1と、
このパーティション用仕切体1の連結部11と連結されて、パーティション用仕切体1を起立させる支持部材30と、を備えている。
【0038】
このようなパーティションP1、P2は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
設置希望箇所に支持部材30を設置し、この支持部材30にパーティション用仕切体1を連結部11で連結して起立させるだけで、希望箇所に簡単にパーティション(P1またはP2)を構築することができる。
パーティション用仕切体1は上述したように軽量化が可能であるから取扱性に優れ、パーティション(P1またはP2)を容易に構築することができる。
【0039】
図3に示すパーティションP2は、連結部11を90度曲げたもので、これによって、フレーム10の開口14が側方に向くようにしたものである。
このようなパーティションP2は、フレーム10の開口14を窓側に設置することで、窓側にフレーム10の縦部が位置しないようにし、良好な視界を得ることができる。
【0040】
図4(a)に示すように、支持部材30に、パーティション用仕切体1の連結部11と連結される(この場合差し込まれることで連結される)筒状部32を複数(図(a)のものは4つであるが図(b)のように6つとすることもできる)設け、それぞれの筒状部32にパーティション用仕切体1の連結部11を連結することで複数のパーティション用仕切体1を支持し、複数のパーティション用仕切体1で仕切られたパーティションP3を構築することができる。図(a)では2つのパーティション用仕切体1のみを描いているが、4つのパーティション用仕切体1を支持することができる(
図6参照)。図(b)の支持部材30を用いた場合には6つのパーティション用仕切体1を支持することができる。この点、
図5に示すパーティションP4の場合も同様である。
【0041】
パーティション用仕切体1は軽量化を図ることが可能であるから、例えば
図4に示すようにフレーム10を片持ち状態で支持することが容易であり、結果としてテーブル(例えば食卓)40の端41を大きく側方に越えた領域まで仕切ることが可能となる。したがって、飛沫を有効に防止することができる。この効果は、全てのパーティション(P1~P9)についても同様に言えることである。
【0042】
また、パーティション用仕切体1は軽量化を図ることが可能であり、例えば
図4に示すようにフレーム10を片持ち状態で支持することができる結果として、テーブル40の上面42とパーティション用仕切体1の下縁1dとの間に空間A1を確保することが容易である。したがって、この空間A1を利用して食器類や食品類等を移動させることが可能となる。したがってまた飲食店等の店員は、この空間A1を利用して食品等を顧客に提供することが可能となる。この効果は、空間A1を形成できる全てのパーティション(P1~P9)についても同様に言えることである。
【0043】
また、パーティション用仕切体1は軽量化を図ることが可能であり、容易に取り回しできるから、例えば
図4に示すような2人着席の場合の対応と、4人着席の場合(
図6参照)の対応とを容易に変更することができる。この効果は、全てのパーティション(P1~P9)についても同様に言えることである。
【0044】
支持部材30が複数のパーティション用仕切体1を起立させる場合においては、
図5または
図6に示すように、複数のパーティション用仕切体1におけるそれぞれのU字形のフレーム10の開口14側同士を対向させて支持することが望ましい。
【0045】
このように構成すると、複数のパーティション用仕切体1で仕切られた複数の空間(
図6ではS1~S4)に位置する人90同士の間に、フレーム10の縦方向に伸びる部位が存在しないようにすることが
出来る(
図5、
図7参照)。したがって、視界が良好な対面状態を得ることができる。
【0046】
図7に示すパーティションP5は、
第1のパーティション用仕切体1Aと第2のパーティション用仕切体1Bとを有し、
第1のパーティション用仕切体1Aは支持部材30で支持され、
第2のパーティション用仕切体1Bは、第1のパーティション用仕切体1Aのフレーム10に対し、平面視で交差するように連結部16で連結されて第1のパーティション用仕切体1Aで支持される。
【0047】
このように構成すると、一つの支持部材30で複数のパーティション用仕切体1A,1Bを支持することが可能となるため、複数の仕切空間S1~S4等を容易に形成することができる。
【0048】
このようなパーティションP5においても、複数の第2のパーティション用仕切体1BにおけるそれぞれのU字形のフレーム10の開口14側同士を対向させて支持する構成とすることが望ましい。
【0049】
このように構成すると、上述したように、複数のパーティション用仕切体で仕切られた複数の空間に位置する人同士の間に、フレーム10の縦方向に伸びる部位が存在しないようにすることが出来る。したがって、視界が良好な対面状態を得ることができる。
【0050】
図7,
図8に示すように、第2のパーティション用仕切体1Bは第1のパーティション用仕切体1Aに対し、連結部16において、平面視で左右方向に回動可能に連結され、第1のパーティション用仕切体1Aに沿う方向に折り畳み可能な構成とすることができる。
【0051】
このように構成すると、第2のパーティション用仕切体1Bを第1のパーティション用仕切体1Aに沿う方向に折り畳むことによって、人が容易に移動できるようにすることができる。
【0052】
例えば
図8(a)に示すように第2のパーティション用仕切体1Bを第1のパーティション用仕切体1Aに沿う方向に折り畳んだ状態で、テーブルの奥側に人が入った後、第2のパーティション用仕切体1Bを
図8(b)に示すように開くことによって空間を仕切ることができる。人がテーブルの奥側に入る際には第2のパーティション用仕切体1Bが閉じているので移動しやすい。
【0053】
図9に示すパーティションP6は、
図7に示したパーティションに比べて長くした第1のパーティション用仕切体1Aに対して2組の第2のパーティション用仕切体1B、1Bを計4個それぞれ折り畳み可能に連結したものである。
【0054】
このパーティションP6は6人掛けのテーブルを仕切るのに適している。また、特に奥側が深くなる場合、第2のパーティション用仕切体1Bを閉じた状態で移動できるため、折り畳み構造はより有効になる。
【0055】
また、このパーティションP6は第1のパーティション用仕切体1Aが横長であるから、例えばこれを寿司店等のカウンターに設置し、第2のパーティション用仕切体1Bを手前側にのみ設ければ、第1のパーティション用仕切体1Aの下縁1dとカウンター正面との間には空間A1を形成できるから、顧客と店員とが対面で食品等をやり取りする場合に適したものとなる。
【0056】
図10に示すパーティションP7は、
図7に示したパーティションに比べて長くした第1のパーティション用仕切体1Aに対して2組の第2のパーティション用仕切体1B、1Bを計4個それぞれ折り畳み可能に放射状に連結したものである。
【0057】
このパーティションP7は6人掛けの丸テーブルを仕切るのに適している。また、第2のパーティション用仕切体1Bが回動可能であるため、第2のパーティション用仕切体1Bを丸テーブルの半径よりも長くしても、人の移動を容易にすることができる。
【0058】
図11に示すパーティションP8は、
図3に示したように連結部11を90度曲げたものを第1のパーティション用仕切体1Aとして採用し、これに対して第2のパーティション用仕切体1Bを折り畳み可能に連結したものである。
このようなパーティションP8は、第1のパーティション用仕切体1Aのフレーム10の開口14を窓側に設置することで、窓側にフレームの縦部が位置しないようにし、良好な視界を得ることができる。
【0059】
図12に示すパーティションP9は、フレーム10の開口14を横方向に向けた一対の第1のパーティション用仕切体1Aを、開口14同士が対向するように、かつフレーム10の中間部を支持部材30で支持し、その支持部の上方において各第1のパーティション用仕切体1Aに対してそれぞれ一対の第2のパーティション用仕切体1Bを折り畳み可能に連結したものである。
【0060】
このパーティションP9によれば、第1のパーティション用仕切体1Aが、第2のパーティション用仕切体1Bとの連結部16の下方で支持されるので、構造的に安定した状態のパーティションが得られる。また、テーブル上中央部においてパーション9の下方に空間A1を作ることができるので、この空間A1を通じて飲食物等のやり取りが可能となる。
【0061】
フレーム10は可撓性を有する公知の材料、例えば、木材(竹等)、合成樹脂、金属等によって構成することができる。フレーム10は中実でも良いが中空状(パイプ状)とするのが望ましい。
【0062】
シート20は、主として飛沫等を遮断できる公知の材料、例えば、合成樹脂シート(フィルムを含む)、布、紙等で構成することができる。
また、シート20は、その用途に応じ、透明、半透明、不透明のものを用いることができる。
【0063】
フレーム10内にシート20を張設する構造は、例えば、
図2に示すように、シート20の縁部適所に穴21を設け、この穴21に通した結束バンド、紐等、適宜の締結部材22でシート縁部とフレーム10の湾曲部12とを連結することで張設することができる。
【0064】
この際、
図1に示すように、シート20を張る前の(自由状態での)湾曲部12の径D2が、シート20を張った後の湾曲部12の径D1よりも多少大きなフレームを用いることで、フレームの可撓性を利用して、シート20をぴんと張ることができる。
【0065】
シート20とフレーム10との間に大きな張力が作用する部位(例えば湾曲部12の両端部)には、
図2に示すように、シート20とフレーム10とをより確実に連結する連結部材24を用いることが望ましい。
図2に示す連結部材24は、平板部24bとこれと一体の筒状部24rとを有し、平板部24bにシートが挟まれた状態で接着され、筒状部24rにフレームが挿入される。
【0066】
なお、フレーム10の湾曲部12内にシート20を張設する構造は、
図2の構造に限るものではなく、公知の適宜の構造を採用することができる。
【0067】
支持部材30は、パーティション用仕切体1を立脚安定させることができる大きさと重さがあればよく、任意の形状、適宜の材料、例えば、合成樹脂、金属、木、セラミックス等で構成することができる。
パーティション用仕切体1のフレーム10と支持部材30との連結構造は、公知の適宜の構造(ジョイント構造を含む)を採用することができる。
【0068】
上記実施の形態についてさらに詳しく説明する。
この実施の形態のパーティション用仕切体1は、主として、コロナウイルス等の感染防止に資することを目的とするのに適しており、主に、飛沫感染防止用のパーティションとして適している。
【0069】
この実施の形態のパーティション用仕切体1は、飛沫防止用のパーティションの視認性、親和性、安全性、作業性、サービス性、利便性の向上と製品のコストを下げることができる。
従来のアクリルの厚板やガラスの板を用いた対面用のパーティションは、窓口用に対応した造りでスクリーン部分を取り外すことができず固定式を前提としており、大掛かりな造りで重量がありかつ設置をする台座に多くの場所を要し高価であった。よって客席に小さな対面用のテーブルを数多く設置している飲食店等では客席への導入が困難であった。
【0070】
この実施の形態のパーティション用仕切体1は、上記の欠点を除くことができるもので、下記のような効果も奏する。
反り返る裏反りのある弓の原理を応用しているので、弛緩した状態では弛みがあり視界に歪みが生じる樹脂性フィルム等の欠点を補い、スクリーン(シート20)の張力を高い状態で維持可能なため、スクリーンの素材の温度変化による膨張縮小にも対応でき、スクリーンの素材の温度変化による膨張縮小にも影響されず展張性に優れ、樹脂の長所である軽量の特性を生かしながら対面の視界の視認性を常に良好に保っことができる。
【0071】
弓の原理の応用から弓に当たる部分(湾曲部12)は必然的に半円状、アーチ状もしくは片側または両端が扇状となるため、角、突起物が無い丸みを帯びたその形状は視覚的に親和性に富み違和感が無く、対面から90度の丸みのある方向からの飲食の提供等の諸作業の際、四角型のスクリーンと比べて目線上に角、突起物の類いが無く安全で“ある(
図5等参照)。
【0072】
従来公知のものは、スクリーン部を立脚させる脚部及び台座を両側または中央に大きく、またはスクリーン下部の大部分に設置するが、この実施の形態のパーティション用仕切体1は、スクリーン部(湾曲部12およびシート20)を軽量化できるため、片側(片脚)だけにすることができ、台座が無い方向からもテーブル上の諸作業が可能となるため、スクリーンの下部全域に窓、空間A1を設けることにより、テーブルの前後左右の内の3方向からの対応ができ、作業性、サービス性が明らかに著しく向上する。
【0073】
また、この実施の形態のパーティション用仕切体1は、片脚立ちの場合、カウンター形式等のテーブル上の客席の左右のパーティションとして、テーブル幅を超えた状態のパーティションとして簡単に設置することができる。
【0074】
スクリーン部に軽量な樹脂等を使用することにより、弓に当たる部分(12)にも軽量な素材で対応できるため、上部構造全体としても軽量でコストを下げることができる。
脚部(11)と台座部(30)との接続は差し込み式にできるため、スクリーン部が不用の場合は台座部(30)から引き抜くことで、台座部(30)を動かすことなく瞬時に取り外せる利便性がある。
全体としても軽量なため移動させることは簡単である。
【0075】
以上のように、この実施の形態のパーティション用仕切体1は、軽量な樹脂性素材のスクリーンであっても視認性に優れ、丸みのある形状から親和性および安全性が向上し、また脚部及び台座部を片側だけの構造ともできるので3方向から諸作業が可能なため作業性、サービス性も向上し、取り外しが簡単なため消毒、清掃などの衛生管理を容易に行うことができるなど利便性も良く、なおかつ全体を軽量な素材の使用により従来品よりコストを下げることができ、設置の場所を選ばず、広範囲の業種に対応し利用することができる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
【0077】
上記の実施の形態では、フレーム10の連結部11と湾曲部12とを一体に形成したが、別体にして適宜のジョイント部材で接合する構成とすることもできる。
【0078】
上記実施の形態では、パーティション用仕切体1と支持部材30とを別体としたが、一体に構成しても良い。
【0079】
支持部材30は、テーブル、カウンター等40に適宜の固定手段(例えばビス、クランパ等)で固定しても良い。
支持部材30は、支柱部11が挿入されることで該支柱部11を支持する円筒部32だけで構成することもできる。その場合、円筒部32は適宜の手段でテーブル、カウンター等40に固定する。
【符号の説明】
【0080】
P(P1~P9): パーティション
1(A,B): パーティション用仕切体
10: フレーム
11: 連結部
12: 湾曲部
20: シート
30: 支持部材
【要約】
【課題】飛沫防止するのに適し、取扱性にも優れたパーティション用仕切体およびパーティションを提供する。
【解決手段】仕切体1は、可撓性を有するU字形のフレーム10と、フレーム10内に、フレーム10の可撓性を利用して平面状に張設されるシート20とを有し、U字形のフレーム10の少なくとも一端部11は、パーティションPを構成する他の部材と連結される連結部11を構成する。パーティションPは、パーティション用仕切体の連結部11と連結されて、パーティション用仕切体を起立させる支持部材30を備えている。
【選択図】
図3