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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】マンコンベヤ表示装置及びマンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20220512BHJP
   B66B 23/00 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
B66B31/00 A
B66B23/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020177996
(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公開番号】P2022069051
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雅也
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-149225(JP,A)
【文献】特開2007-015805(JP,A)
【文献】特開2003-034483(JP,A)
【文献】特開2018-055081(JP,A)
【文献】特開2015-191093(JP,A)
【文献】特開2014-227280(JP,A)
【文献】特開2009-203039(JP,A)
【文献】特開2007-284187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02;
3/00-3/02
G09F 13/00-13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降部の床を構成する床プレートを備え、
前記床プレートは、情報を表示する表示部を備える、マンコンベヤ表示装置において、
光を放射する光源と、
前記光源の光による情報の形を形成するために、前記光源から放射される光の一部を遮断する情報形成部と、
前記情報形成部が取り外し可能に取り付けられる取付部と、を備える、マンコンベヤ表示装置。
【請求項2】
前記情報形成部は、一つの部材で構成され、
前記情報形成部は、前記情報の向きを変更可能とすべく、前記取付部に対して複数の向きで取り付け可能である、請求項1に記載のマンコンベヤ表示装置。
【請求項3】
光を放射する光源と、
前記光源の光による情報の形を形成するために、前記光源から放射される光の一部を遮断する情報形成部と、
前記情報形成部が取り外し可能に取り付けられる取付部と、を備える、マンコンベヤ表示装置であって、
乗降部の床を構成し、遮光性を有する床プレートを備え、
前記光源は、前記床プレートよりも下方に配置され、
前記情報形成部は、前記光源と前記床プレートとの間に配置され、
前記床プレートは、上下方向で貫通する開口部を備え、
前記開口部の面積は、前記情報の面積よりも、大きく、
前記情報形成部は、前記光源から前記開口部へ向けて放射される光の一部を遮断する、マンコンベヤ表示装置。
【請求項4】
光を放射する光源と、
前記光源の光による情報の形を形成するために、前記光源から放射される光の一部を遮断する情報形成部と、
前記情報形成部が取り外し可能に取り付けられる取付部と、を備える、マンコンベヤ表示装置であって、
乗降部の床を構成し、遮光性を有する床プレートを備え、
前記情報形成部は、前記床プレートの一部を構成し、
前記光源は、前記床プレートよりも下方に配置され、
前記情報形成部は、前記情報の形を形成するために、上下方向で貫通する開口部を備える、マンコンベヤ表示装置。
【請求項5】
光を放射する光源と、
前記光源の光による情報の形を形成するために、前記光源から放射される光の一部を遮断する情報形成部と、
前記情報形成部が取り外し可能に取り付けられる取付部と、を備える、マンコンベヤ表示装置であって、
乗降部の床を構成し、遮光性を有する床プレートを備え、
前記光源は、前記床プレートよりも下方に配置され、
前記床プレートは、上下方向に貫通する開口部を備え、
前記マンコンベヤ表示装置は、前記開口部の内部に配置される透光部を備える、マンコンベヤ表示装置。
【請求項6】
前記透光部は、前記開口部から上方へ突出する突出部を備える、請求項5に記載のマンコンベヤ表示装置。
【請求項7】
請求項1~の何れか1項に記載のマンコンベヤ表示装置を備える、マンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤ表示装置及びマンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤ表示装置は、光を放射する光源と、開口部を有する床プレートと、開口部に配置される透光部とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、開口部及び透光部は、所定の情報を表示している。ところで、特許文献1に係るマンコンベヤ表示装置においては、開口部及び透光部によって、常に同じ情報(同じ情報の形、同じ情報の向き)を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-149225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、表示される情報を変更することができるマンコンベヤ表示装置及びマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤ表示装置は、光を放射する光源と、前記光源の光による情報の形を形成するために、前記光源から放射される光の一部を遮断する情報形成部と、前記情報形成部が取り外し可能に取り付けられる取付部と、を備える。
【0006】
また、マンコンベヤ表示装置においては、前記情報形成部は、一つの部材で構成され、前記情報形成部は、前記情報の向きを変更可能とすべく、前記取付部に対して複数の向きで取り付け可能である、という構成でもよい。
【0007】
また、マンコンベヤ表示装置は、乗降部の床を構成し、遮光性を有する床プレートを備え、前記光源は、前記床プレートよりも下方に配置され、前記情報形成部は、前記光源と前記床プレートとの間に配置され、前記床プレートは、上下方向で貫通する開口部を備え、前記開口部の面積は、前記情報の面積よりも、大きく、前記情報形成部は、前記光源から前記開口部へ向けて放射される光の一部を遮断する、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤ表示装置は、乗降部の床を構成し、遮光性を有する床プレートを備え、前記情報形成部は、前記床プレートの一部を構成し、前記光源は、前記床プレートよりも下方に配置され、前記情報形成部は、前記情報の形を形成するために、上下方向で貫通する開口部を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤ表示装置は、乗降部の床を構成し、遮光性を有する床プレートを備え、前記光源は、前記床プレートよりも下方に配置され、前記床プレートは、上下方向に貫通する開口部を備え、前記マンコンベヤ表示装置は、前記開口部の内部に配置される透光部を備え、前記透光部は、前記開口部から上方へ突出する突出部を備える、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤは、前記のマンコンベヤ表示装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部図である。
図3図3は、同実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図4図4は、同実施形態に係る表示装置の平面図である。
図5図5は、同実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図6図6は、同実施形態に係るプレート部の斜視図である。
図7図7は、同実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図8図8は、図4のVIII-VIII線拡大断面図である。
図9図9は、同実施形態に係る表示装置の平面図であって、(a)は、情報形成部の配置を示す図であり、(b)は、そのときの情報を示す図である。
図10図10は、同実施形態に係る表示装置の平面図であって、(a)は、情報形成部の別の配置を示す図であり、(b)は、そのときの情報を示す図である。
図11図11は、他の実施形態に係る表示装置の平面図である。
図12図12は、図11のXII-XII線拡大断面図である。
図13図13は、同実施形態に係る表示装置の要部分解斜視図である。
図14図14は、さらに他の実施形態に係る表示装置の平面図であって、(a)は、情報形成部の形状を示す図であり、(b)は、そのときの情報を示す図である。
図15図15は、同実施形態に係る表示装置の平面図であって、(a)は、別の情報形成部の形状を示す図であり、(b)は、そのときの情報を示す図である。
図16図16は、さらに他の実施形態に係るマンコンベヤの要部図である。
図17図17は、さらに他の実施形態に係るマンコンベヤの要部図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤ及びマンコンベヤ表示装置における一実施形態について、図1図10を参照しながら説明する。なお、各図(図11図17も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ11は、躯体に設置される構造体12と、人を搬送する搬送部13と、搬送部13を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干部14,14(図1においては、一つのみを図示している)とを備えている。また、マンコンベヤ11は、搬送部13及び欄干部14を駆動させる駆動部15と、装置全体を制御する制御部16とを備えている。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する上下方向D3である
【0015】
本実施形態に係るマンコンベヤ11は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ11は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
搬送部13は、例えば、本実施形態のように、駆動部15に駆動されることによって無端回転する環状の走行部(例えば、ローラチェーン)13aと、走行部13aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ13bとを備えていてもよい。そして、例えば、走行部13aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ13bは、一対の走行部13a,13aの間に配置され、それぞれの走行部13aに対して回転可能に接続されている、という構成でもよい。
【0017】
欄干部14は、例えば、本実施形態のように、駆動部15に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト14aと、手摺ベルト14aを支持する欄干本体部14bとを備えていてもよい。駆動部15は、例えば、本実施形態のように、ステップ13bが反転するように走行部13aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部(例えば、スプロケット)15a,15aと、回転部15aを回転させる駆動源(例えば、モータ)15bとを備えていてもよい。
【0018】
図1及び図2に示すように、マンコンベヤ11は、第2横方向D2側の各端部に、人が乗り降りする乗降部17を備えている。乗降部17は、床を構成する複数の床プレート2a,17aを備えている。例えば、床プレート2a,17aは、本実施形態のように、構造体12の機械室12aの上方を覆うように配置されていてもよい。
【0019】
図2に示すように、マンコンベヤ11は、情報を表示する表示部1aを有するマンコンベヤ表示装置(以下、単に「表示装置」ともいう)1を備えている。そして、表示装置1は、床プレート2aを備えている。例えば、本実施形態のように、表示装置1は、複数の床プレート2a,17aのうち、第2横方向D2の端部に配置される床プレート2aを備えていてもよい。
【0020】
床プレート2a,17aは、長尺に形成されている。そして、床プレート2a,17aが構造体12に取り付けられたときに、例えば、本実施形態のように、床プレート2a,17aの長手方向D1は、第1横方向D1と平行であり、床プレート2a,17aの短手方向D2は、第2横方向D2と平行であり、床プレート2a,17aの厚み方向D3は、上下方向D3と平行である、という構成でもよい。
【0021】
表示部1aの形状は、特に限定されない。表示部1aは、例えば、本実施形態のように、矩形状、具体的には、正方形状に形成されていてもよく、また、例えば、円形状に形成されていてもよく、また、例えば、多角形状に形成されていてもよい。
【0022】
ここで、表示装置1の構成について、図3図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、各方向D1~D3は、床プレート2aが構造体12に取り付けられたときの方向を用いる。
【0023】
図3図7に示すように、表示装置1は、床プレート2aを有するプレート部2を備えている。なお、表示部1aは、本実施形態のように、例えば、床プレート2aの第1横方向D1の中央部に配置されていてもよい。床プレート2aは、剛性を有している。そして、床プレート2aは、遮光性を有して、形成されている。特に限定されないが、床プレート2aは、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼等)で形成されていてもよい。
【0024】
床プレート2aは、例えば、本実施形態のように、表示部1aから外れた位置に、上面から上方へ突出する複数の凸部2bを備えていてもよい。これにより、凸部2bが乗降部17の床の滑り止めとして機能することができる。
【0025】
また、表示部1aに情報を表示するために、床プレート2aは、表示部1aの位置に、上下方向D3に貫通する複数の開口部2cを備えている。なお、開口部2cの形状は、特に限定されない。開口部2cは、例えば、本実施形態のように、円形状に形成されていてもよく、また、例えば、多角形状、楕円形状、第1横方向D1又は第2横方向D2に延びる長尺形状に形成されていてもよい。
【0026】
そして、例えば、表示部1aが視認され易いように、表示部1aの大きさは、大きいことが好ましい。特に限定されないが、表示部1aの第2横方向D2の寸法は、床プレート2aの第2横方向D2の寸法に対して、例えば、65%以上としてもよく、また、例えば、70%以上であることが好ましく、また、例えば、75%以上であることがさらに好ましい。
【0027】
また、例えば、表示部1aに表示される情報が視認され易いように、開口部2cが配置される領域の大きさは、大きいことが好ましい。特に限定されないが、開口部2cが配置される領域の、第2横方向D2の寸法は、床プレート2aの第2横方向D2の寸法に対して、例えば、50%以上としてもよく、また、例えば、55%以上であることが好ましく、また、例えば、60%以上であることがさらに好ましい。
【0028】
そして、表示装置1は、光を放射する光源3と、光源3の光による情報の形を形成するために、光源3から放射される光の一部を遮断する情報形成部4とを備えている。そして、光源3は、床プレート2aよりも下方に配置されており、情報形成部4は、光源3と床プレート2aとの間に配置されている。
【0029】
床プレート2aが隣接される床プレート17a(図2参照)に上下方向D3で引っ掛けられるために、プレート部2は、例えば、本実施形態のように、床プレート2aから第2横方向D2に突出する引掛部2dを備えていてもよい。これにより、隣接される床プレート2a,17a同士が上下方向D3で変位することを抑制することができる。
【0030】
また、床プレート2aは、本実施形態のように、例えば、一つの部材で構成されていてもよい。これにより、乗降部17の床面、即ち、床プレート2aの上面に、複数の部材で構成される跡(例えば、部材間の境界である分割線等)が存在しないため、例えば、意匠性を向上させることができる。
【0031】
また、表示装置1は、本実施形態のように、例えば、床プレート2aの開口部2cを下方から覆うカバー部5と、光源3を支持する支持部6とを備えていてもよい。そして、例えば、カバー部5は、床プレート2aと情報形成部4との間に配置されていてもよく、また、例えば、支持部6は、光源3よりも下方に配置されていてもよい。
【0032】
プレート部2は、例えば、本実施形態のように、床プレート2aの下面に連結される補強部2eを備えていてもよい。例えば、補強部2eは、第1横方向D1に延びて配置されていてもよい。また、例えば、補強部2eは、表示部1aの位置の下方には配置されておらず、表示部1aから第1横方向D1へ外れた位置に配置されていてもよい。
【0033】
そして、支持部6は、例えば、本実施形態のように、表示部1aから第1横方向D1の一方側へ外れた補強部2eと、表示部1aから第1横方向D1の他方側へ外れた補強部2eとにそれぞれ固定されていてもよい。これにより、床プレート2aの強度、具体的には、床プレート2aの表示部1aの位置の強度を、高めることができる。
【0034】
特に限定されないが、支持部6は、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)で形成されていてもよい。また、特に限定されないが、プレート部2は、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼等)で全体を形成されていてもよい。
【0035】
光源3は、床プレート2aの全ての開口部2cに向けて、光を放射するように配置されている。例えば、本実施形態のように、光源3は、床プレート2aの全ての開口部2cの真下の領域に、配置されていてもよい。なお、光源3の構成は、特に限定されず、光源3は、例えば、LEDであってもよく、また、例えば、冷陰極管又は蛍光灯であってもよい。
【0036】
図7及び図8に示すように、カバー部5は、床プレート2aの開口部2cの内部に配置される透光部5aを備えている。例えば、本実施形態のように、カバー部5は、平板状に形成されるカバー本体部5bを備え、透光部5aは、カバー本体部5bから上方へ突出している、という構成でもよい。
【0037】
カバー部5は、床プレート2aの全ての開口部2cに向けて、即ち、全ての透光部5aへ向けて、光源3の光を透過可能となるように、構成されている。例えば、カバー部5は、本実施形態のように、全体が透光性を有するように、形成されていてもよい。なお、特に限定されないが、カバー部5は、例えば、硬質樹脂(例えば、アクリル樹脂、ペット樹脂等)で形成されていてもよい。
【0038】
これにより、光源3の光が、開口部2cの内部に配置される透光部5aを透過することによって、表示部1aに情報が表示されるため、透光部5aは、情報の表示機能を有している。また、透光部5aが床プレート2aの開口部2cを閉塞することによって、機械室12a(図1参照)内への粉塵の侵入が抑制されるため、透光部5aは、機械室12a内への防塵機能を有している。
【0039】
なお、カバー部5は、例えば、単層の一部材で構成されていてもよく、また、例えば、上下方向D3に重ねられる複数層を有する一部材で構成されていてもよく、また、例えば、上下方向D3に重ねられる複数の部材で構成されていてもよい。そして、所定の層及び部材は、例えば、情報を視認するときに眩しくないように、光源3の光を拡散する機能を有していてもよく、また、例えば、情報を視認し易い色で表示するために、光源3の光を着色させる機能を有していてもよい。
【0040】
また、カバー部5の透光部5aは、先端部に、床プレート2aの開口部2cから上方へ突出する突出部5cを備えている。即ち、透光部5aがカバー本体部5bから突出する高さは、床プレート2aの厚みよりも、大きくなっている。これにより、透光部5aは、突出部5cによって、乗降部17の床の滑り止め機能も有している。
【0041】
また、例えば、透光部5aによって、開口部2c内への粉塵の侵入が抑制されるため、透光部5aは、開口部2c内への防塵機能も有している。これにより、粉塵の堆積によって透光部5aの上面が汚れることを抑制することができるため、例えば、表示部1aに表示される情報を確実に視認させることができる。
【0042】
ところで、本実施形態においては、情報は、マンコンベヤ11の搬送方向を示す矢印である。そして、床プレート2aの開口部2cの面積は、情報の面積よりも、大きくなっている。それに対して、情報形成部4は、遮光性を有しており、そして、情報形成部4は、光を通過させる通過部4aを備えている。
【0043】
これにより、光源3から透光部5a(開口部2c)に向けて照射される光L1,L2のうち、一部の光L1は、情報形成部4に遮断され、残りの光L2は、情報形成部4の通過部4aを通過する。そして、通過部4aを通過した光L2が、透光部5a(開口部2c)を透過することによって、表示部1aに、光源3の光による情報が表示される。
【0044】
このように、情報形成部4が、光源3から放射される光L1,L2の一部L1を遮断することによって、光源3の光による情報の形が、形成されている。なお、通過部4aは、例えば、本実施形態のように、上下方向D3に貫通する貫通孔であってもよく、また、例えば、透光性を有する部材であってもよい。また、通過部4aは、例えば、本実施形態のように、情報(本実施形態においては、矢印)の形状と同じように、板状の情報形成部4に配置されていてもよい。
【0045】
図6図8に示すように、プレート部2は、情報形成部4及びカバー部5を床プレート2aに対して固定させるために、情報形成部4及びカバー部5を取り付ける取付部2fを備えている。そして、取付部2fは、情報形成部4及びカバー部5を床プレート2aに取り付けたり、情報形成部4及びカバー部5を床プレート2aから取り外したりすることができる。
【0046】
なお、取付部2fの構成は、特に限定されない。例えば、本実施形態のように、取付部2fは、床プレート2aの下面から下方へ延びる雄ネジ部2gを備え、プレート部2aは、雄ネジ部2gと螺合する雌ネジ部2h(図8のみ図示している)を備え、情報形成部4及びカバー部5は、雄ネジ部2gが挿通される挿通孔4b,5dを備える、という構成でもよい。これにより、床プレート2aと情報形成部4とが、カバー部5を上下方向D3で挟むようにして、情報形成部4及びカバー部5が、床プレート2aに固定される。
【0047】
そして、情報形成部4は、例えば、カバー部5よりも大きい剛性を有していることが好ましい。これにより、情報形成部4がカバー部5を補強するため、透光部5aの突出部5cが人に踏まれたときに、カバー部5が床プレート2aに対して上下方向D3に変位することを抑制することができる。なお、特に限定されないが、情報形成部4は、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)で形成されていてもよい。
【0048】
また、情報形成部4は、一つの部材で構成されている。そして、情報形成部4は、取付部2fに対して複数の向きで取り付け可能である。本実施形態においては、取付部2fの複数の雄ネジ部2gと情報形成部4の複数の挿通孔4bとが、それぞれ所定の位置に配置されているため、情報形成部4は、プレート部2に対して第1向きと第2向きとで取り付け可能である。
【0049】
例えば、図9(a)に示すように、情報形成部4が第1向きでプレート部2に取り付けられたときは、図9(b)に示すように、表示部1aに表示される情報は、マンコンベヤ11に乗る向き(図9(b)においては、上向き)を示す矢印となる。なお、図9(b)(図10(b)、図14(b)、図15(b)、及び図16も同様)において、透光している部分(即ち、光で表示されている情報)は、ハッチングで図示されている。
【0050】
一方、図10(a)に示すように、情報形成部4が第2向きでプレート部2に取り付けられたときは、図10(b)に示すように、表示部1aに表示される情報は、マンコンベヤ11から降りる向き(図10(b)においては、下向き)を示す矢印となる。なお、本実施形態において、第1向きと第2向きとは、プレート部2に対して情報形成部4を、上下方D3を軸にして180°回転させた関係である。
【0051】
このように、情報形成部4がプレート部2から取り外され、プレート部2に対する情報形成部4の向きを変更して、情報形成部4がプレート部2に取り付けることによって、表示部1aに表示される情報の向きが変更される。これにより、表示部1aに表示される情報を変更することができる。
【0052】
以上より、本実施形態に係るマンコンベヤ11は、前記のマンコンベヤ表示装置1を備える。
【0053】
そして、本実施形態のように、マンコンベヤ表示装置1は、光を放射する光源3と、前記光源3の光による情報の形を形成するために、前記光源3から放射される光の一部を遮断する情報形成部4と、前記情報形成部4が取り外し可能に取り付けられる取付部2fと、を備える、という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、情報形成部4が、光源3から放射される光の一部を遮断することによって、光源3の光による情報の形が形成される。そして、情報形成部4が取付部2fに取り付けられたり取り外されたりすることによって、表示される情報を変更することができる。
【0055】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ表示装置1においては、前記情報形成部4は、一つの部材で構成され、前記情報形成部4は、前記情報の向きを変更可能とすべく、前記取付部2fに対して複数の向きで取り付け可能である、という構成が好ましい。
【0056】
斯かる構成によれば、情報形成部4が一つの部材で構成されており、取付部2fに対する情報形成部4の向きが変更されることによって、情報の向きが変更される。これにより、表示される情報を変更することができる。
【0057】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ表示装置1は、乗降部17の床を構成し、遮光性を有する床プレート2aを備え、前記光源3は、前記床プレート2aよりも下方に配置され、前記情報形成部4は、前記光源3と前記床プレート2aとの間に配置され、前記床プレート2aは、上下方向D3で貫通する開口部2cを備え、前記開口部2cの面積は、前記情報の面積よりも、大きく、前記情報形成部4は、前記光源3から前記開口部2cへ向けて放射される光L1,L2の一部L1を遮断する、という構成が好ましい。
【0058】
斯かる構成によれば、情報形成部4は、光源3と床プレート2aとの間に配置されている。そして、床プレート2aの開口部2cの面積が、情報の面積よりも大きくなっており、情報形成部4が、光源3から放射される光L1,L2の一部L1を遮断することによって、光源3の光による情報の形が形成される。
【0059】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ表示装置1は、乗降部17の床を構成し、遮光性を有する床プレート2aを備え、前記光源3は、前記床プレート2aよりも下方に配置され、前記床プレート2aは、上下方向D3に貫通する開口部2cを備え、前記マンコンベヤ表示装置1は、前記開口部2cの内部に配置される透光部5aを備え、前記透光部5aは、前記開口部2cから上方へ突出する突出部5cを備える、という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、光源3の光が、開口部2cの内部に配置される透光部5aを透過することによって、情報が表示されるため、透光部5aは、情報の表示機能を有している。しかも、透光部5aの突出部5cが、開口部2cから上方へ突出しているため、透光部5aは、乗降部17の床の滑り止め機能も有している。
【0061】
なお、マンコンベヤ11及びマンコンベヤ表示装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ11及びマンコンベヤ表示装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0062】
(1)上記実施形態に係る表示装置1においては、情報形成部4は、床プレート2aと別部材であって、床プレート2aよりも下方に配置されている、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、図11図13に示すように、情報形成部4は、床プレート2aの一部を構成する、という構成でもよい。
【0063】
図11図13に係る表示装置1について、以下説明する。
【0064】
図11図13に示すように、床プレート2aは、情報形成部4と、情報形成部4が内部に嵌められる貫通孔2iを有するプレート本体部2jとを備えている。そして、情報形成部4は、表示部1aに表示される情報の形を形成するために、上下方向D3で貫通する開口部4cを備えている。
【0065】
また、表示装置1は、光を放射する光源3を備えており、光源3は、床プレート2a(情報形成部4)よりも下方に配置されている。なお、表示装置1は、例えば、図12及び図13に示すように、情報形成部4の開口部4cを下方から覆うカバー部5と、カバー部5を補強する補強部7とを備えていてもよい。
【0066】
補強部7は、例えば、カバー部5よりも大きい剛性を有していることが好ましい。なお、特に限定されないが、補強部7は、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)で形成されていてもよい。そして、補強部7が遮光性を有している場合には、補強部7は、光源3の光を通過させる通過部7aを備えていてもよい。
【0067】
そして、光源3からの光のうち、一部の光は、情報形成部4に遮断され、残りの光L3は、情報形成部4の開口部4c(透光部5a)を通過する。これにより、表示部1aに、光源3の光による情報が表示される。
【0068】
なお、情報形成部4の開口部4c、即ち、カバー部5の透光部5aの形状は、表示部1aに表示される情報の形状と同じである。これにより、床プレート2a(表示部1a)に、情報を表示しない開口部4c及び透光部5aが存在しないため、例えば、意匠性を向上させることができる。
【0069】
また、補強部7は、取付部2fの雄ネジ部2gが挿通される挿通孔7bを備えている。そして、情報形成部4と補強部7とが、カバー部5を上下方向D3で挟むようにして、情報形成部4とカバー部5と補強部7とが、プレート本体部2jに固定される。
【0070】
情報形成部4は、プレート本体部2jの取付部2fに対して複数の向きで取り付け可能である。具体的には、取付部2fの複数の雄ネジ部2gが、所定の位置に配置され、情報形成部4とカバー部5と補強部7との各挿通孔4b,5d,7bが、それぞれ円弧状に延びているため、情報形成部4は、上下方向D3を軸に回転させて何れの向きでも自由に、取付部2fに取り付け可能となっている。
【0071】
そして、プレート本体部2jの取付部2fに対する情報形成部4の向きが、変更されることによって、表示部1aに表示される情報の向きを変更することができる。これにより、表示部1aに表示される情報を変更することができる。
【0072】
このように、図11図13に示すように、マンコンベヤ表示装置1は、乗降部17の床を構成し、遮光性を有する床プレート2aを備え、前記情報形成部4は、前記床プレート2aの一部を構成し、前記光源3は、前記床プレート2aよりも下方に配置され、前記情報形成部4は、前記情報の形を形成するために、上下方向D3で貫通する開口部4cを備える、という構成が好ましい。
【0073】
斯かる構成によれば、情報形成部4は、床プレート2aの一部を構成している。そして、情報形成部4が開口部4cを備えており、情報形成部4が、光源3から放射される光の一部を遮断することによって、光源3の光による情報の形が形成される。
【0074】
(2)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、情報の形状が同じであり、情報の向きが変更されることによって、表示される情報が変更される、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、図14及び図15に示すように、情報の形状が変更されることによって、表示される情報が変更される、という構成でもよい。
【0075】
例えば、図14及び図15に示すように、表示装置1は、異なる形状である複数の情報形成部4を備えており、取り付けられる情報形成部4が変更されることによって、表示される情報の形状を変更することができる、という構成でもよい。
【0076】
また、図14及び図15に係る情報形成部4は、プレート部2(取付部2f)に対して、第1向きと第2向きとで取り付け可能である。なお、第1向きと第2向きとは、プレート部2に対して情報形成部4を、上下方向D3を軸にして180°回転させた関係である。
【0077】
(3)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、表示部1aに表示される情報の形状は、矢印である、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、表示部1aに表示される情報の形状は、複数の文字(例えば、注意事項、製造メーカ名等)である、という構成でもよい。また、例えば、図14及び図15に示すように、表示部1aに表示される情報の形状は、数字である、という構成でもよい。当該数字は、例えば、乗降部17が位置する建物の階数を示す数字としてもよい。
【0078】
(4)また、上記実施形態に係る表示装置1は、床プレート2aを備えており、表示部1aは、床プレート2aに配置されている、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、図16に示すように、表示装置1は、表示部1aを欄干部14に配置している、という構成でもよく、また、例えば、図17に示すように、表示装置1は、表示部1aをステップ13bに配置している、という構成でもよい。
【0079】
(5)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、情報形成部4は、取付部2fから完全に分離するように取り外し可能である、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、情報形成部4は、取付部2fから完全に分離できないものの、取付部2fに対してスライド可能である、という構成でもよい。
【0080】
(6)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、情報形成部4は、一つの部材で構成される、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、情報形成部4は、複数の部材で構成される、という構成でもよい。
【0081】
(7)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、透光部5aは、開口部2cから上方へ突出する突出部5cを備えている、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、透光部5aの上面は、開口部2cの内部に配置されている、という構成でもよい。
【0082】
(8)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、透光部5aは、カバー部5に備えられており、透光部5aは、床プレート2aの開口部2cから分離可能である、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、透光部5aは、床プレート2aの開口部2cに対して分離不能に固定されている、という構成でもよい。
【0083】
(9)また、上記実施形態に係る表示装置1においては、取付部2fは、床プレート2aに固定されている、という構成である。しかしながら、表示装置1は、斯かる構成に限られない。取付部は、例えば、光源3に固定されている、という構成でもよく、また、例えば、支持部6に固定されている、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…マンコンベヤ表示装置、1a…表示部、2…プレート部、2a…床プレート、2b…凸部、2c…開口部、2d…引掛部、2e…補強部、2f…取付部、2g…雄ネジ部、2h…雌ネジ部、2i…貫通孔、2j…プレート本体部、3…光源、4…情報形成部、4a…通過部、4b…挿通孔、4c…開口部、5…カバー部、5a…透光部、5b…カバー本体部、5c…突出部、5d…挿通孔、6…支持部、7…補強部、7a…通過部、7b…挿通孔、11…マンコンベヤ、12…構造体、12a…機械室、13…搬送部、13a…走行部、13b…ステップ、14…欄干部、14a…手摺ベルト、14b…欄干本体部、15…駆動部、15a…回転部、15b…駆動源、16…制御部、17…乗降部、17a…床プレート、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、L1,L2,L3…光
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