(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】サーバ及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/27 20110101AFI20220512BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220512BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220512BHJP
H04L 67/63 20220101ALI20220512BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20220512BHJP
H04N 21/478 20110101ALI20220512BHJP
【FI】
H04N21/27
G06Q30/02 320
G06Q50/10
H04L67/63
H04N21/235
H04N21/478
(21)【出願番号】P 2021212061
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2022-01-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】田代 渚
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-051578(JP,A)
【文献】特開2021-197730(JP,A)
【文献】特開2021-096752(JP,A)
【文献】特開2021-002699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06Q 30/02
G06Q 50/10
H04L 67/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信に係る動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への前記動画データの伝送を中継する手段と、
前記動画データの再生中に記録された前記ライブ配信の一部に基づいてギフトを生成する手段と、
生成されたギフトを、前記動画データの再生中に
生成側のユーザに付与するための処理を行う手段と、を備えるサーバ。
【請求項2】
前記ギフトを生成する手段は、前記動画データの再生中に再生側のユーザの指示に従い記録された前記ライブ配信の一部に基づいてギフトを生成し、
前記サーバはさらに、前記再生側のユーザによる、生成されたギフトに関連付けられた対価の支払いを処理する手段を備える請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記ギフトを生成する手段は、前記動画データの再生中に生成側のユーザの指示に従い記録された前記ライブ配信の一部に基づいてギフトを生成し、
前記処理を行う手段は、生成されたギフトに関連付けられた対価の支払いの指示を再生側のユーザから受け付けた場合に、生成されたギフトを
生成側のユーザに付与するための処理を行う請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記ギフトを生成する手段は、前記動画データの再生中に前記ライブ配信に係る所定の条件が満たされることを条件として自動的に記録された前記ライブ配信の一部に基づいてギフトを生成する請求項1から3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記ギフトを生成する手段は、再生側のユーザが生成側のユーザについてのサブスクリプションサービスに加入している場合、対価の支払いを要することなく、当該再生側のユーザの指示に従い記録された前記ライブ配信の一部に基づいてギフトを生成する請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記ライブ配信の一部は、前記動画データの再生中に取得された前記ライブ配信の静止画像であり、
前記サーバはさらに、
前記再生側のユーザ端末から前記静止画像を取得する手段を備え、
前記ギフトを生成する手段は、取得された前記静止画像を加工することにより前記ギフトを生成する請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
ライブ配信に係る動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への前記動画データの伝送を中継することと、
前記動画データの再生中に記録された前記ライブ配信の一部に基づいて生成されたギフトを、前記動画データの再生中に
生成側のユーザに付与するための処理を行うことと、を含む方法。
【請求項8】
ライブ配信に係る動画データの再生中に当該ライブ配信の一部を記録するための指示をユーザから受け付ける機能と、
記録された前記ライブ配信の一部に基づき生成されたギフトを、前記動画データの再生中にディスプレイに表示させる機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展と共に情報のやりとりの様も移り変わってきた。昭和の時代には新聞やテレビなどの一方通行の情報伝達が主であった。平成になると、ケータイやパソコンが普及し、インターネットの通信速度も大きく改善されたので、チャットサービスなどの即時双方向通信サービスが台頭し、また記憶コストの低減に伴ってオンデマンド型の動画配信サービスが受け入れられていった。そして、現在、令和の時代となり、スマートフォンの高機能化や5Gに代表されるネットワークの速度のさらなる向上を受けて、動画によるリアルタイムのコミュニケーションを実現するサービス、特にライブ配信(Live Streaming)サービスが急速に認知度を高めている。ライブ配信サービスは、離れた場所にいても皆が同じ楽しい時間を共有できるサービスとして、若者を中心に利用者が拡大している。
【0003】
特許文献1には、生放送動画の盛り上がり部分を判定し、その部分を切り出して短い動画とし、見たい生放送を探している視聴者にその短い動画を提供することで生放送動画の選択を助ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】「ライバーアーミー」、17LIVE、URL:https://helpfeel.com/17media-jp/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%BC-5d1b19ed60a44d0017857bf6
【文献】「実は簡単!Photoshopで写真をイラスト風や絵画風に変える方法」、URL:https://design-trekker.jp/design/photoshop/turn-photos-into-illustlations/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
投げ銭などのギフトはライブ配信を盛り上げる重要な要素である。数多くの種類のギフトを設け、それぞれのギフトに趣向を凝らすことができれば、ライブ配信のよりいっそうの盛り上がりを期待できる。
【0007】
従来のライブ配信のギフトは予め運営側で用意されるものであるから、どのライブ配信でも選択可能なギフトは同じとなる。しかしながら、ライブ配信は、その内容がどうなるかを前もって知ることができないという性質を有しているので、予め用意されたギフトでは配信者や視聴者の要望に応えきれない状況も生じうる。ライブ配信ならではのギフトの仕組みが求められている。
【0008】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブ配信の性質に適応したギフティングを実現できる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある態様は、サーバに関する。このサーバは、ライブ配信に係る動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、動画データの再生中に記録されたライブ配信の一部に基づいてギフトを生成する手段と、生成されたギフトを、動画データの再生中にライブ配信の配信者に付与するための処理を行う手段と、を備える。
【0010】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、ライブ配信に係る動画データの再生中に当該ライブ配信の一部を記録するための指示をユーザから受け付ける機能と、記録されたライブ配信の一部に基づき生成されたギフトを、動画データの再生中にディスプレイに表示させる機能と、を端末に実現させる。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ライブ配信の性質に適応したギフティングを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の実施の形態に係るライブ配信システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1のライブ配信システムで実現されるライブ配信の一例を示す模式図である。
【
図3】
図1のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4のストリームDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図6】
図4のアーミーDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図4のユーザDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図8】
図4のギフトDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図9】
図1のサーバにおける一連のギフト使用処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面の代表画面図である。
【
図11】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図12】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるスクリーンショット待機画面の代表画面図である。
【
図13】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図14】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図15】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図16】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図17】実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図18】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図19】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図20】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示される視聴者選択画面の代表画面図である。
【
図21】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図22】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図23】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0015】
実施の形態に係るライブ配信システムでは、配信者や視聴者はライブ配信内で、当該ライブ配信の一部からギフトを生成することができる。例えば、配信者や視聴者は、ある特別な瞬間を捉えたスクリーンショットをライブ配信内でギフト化できる。これにより、ギフティングのオリジナリティと配信者/視聴者のエンゲージメントとを飛躍的に高めることができる。
【0016】
[ライブ配信システムの構成]
図1は、本開示の実施の形態に係るライブ配信システム1の構成を示す模式図である。ライブ配信システム1は、配信者(ライバー、ストリーマ(Streamer)ともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AU(AU1、AU2、…)とがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信サービスを提供する。
図1に示すように、ライブ配信システム1は、サーバ10と、配信者側のユーザ端末20と、視聴者側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。配信者および視聴者をユーザと総称することがある。サーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。サーバ10、ユーザ端末20およびユーザ端末30は、有線または無線の各種ネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。
【0017】
ライブ配信システム1には、配信者LVと、視聴者AUと、サーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自分の歌や、トーク、パフォーマンス、占い、ゲーム実況などのコンテンツを自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、サーバ10においてコンテンツのライブ配信のためのプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりを仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のコンテンツを選択し、視聴する。このコンテンツのライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介してコメントをしたり応援するための操作を行い、当該コンテンツを提供する配信者LVがそのようなコメントや応援に反応し、当該反応が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0018】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0019】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。
【0020】
図2は、
図1のライブ配信システム1で実現されるライブ配信の一例を示す模式図である。
図2の例では、配信者LVがトークをライブ配信している。配信者LVのユーザ端末20はトークを行っている配信者LVの像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してサーバ10(
図2では不図示)に送信する。併せてユーザ端末20は、録画された配信者LVの動画像VDをユーザ端末20のディスプレイに表示させることで、配信者LVによる配信内容の確認を可能とする。
【0021】
配信者LVのライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cはそれぞれ、ネットワークNWを介してライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2、VD3を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30b、30cで表示される動画像VD1、VD2、VD3は配信者LVのユーザ端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各ユーザ端末30a、30b、30cで出力される音声も配信者LVのユーザ端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0022】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LVのトークの内容についてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、サーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LVのユーザ端末20に表示させると共に各視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LVがその内容に被せたトークを展開すると、そのトークの動画像と音声が各視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cで出力され、これにより配信者LVと視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブ配信システム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0023】
図3は、
図1のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。
図3および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0024】
配信者LVおよび視聴者AUは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るライブ配信アプリケーションプログラム(以下、ライブ配信アプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ライブ配信アプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。ライブ配信アプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がライブ配信アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はライブ配信アプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、サーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0025】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してサーバ10に提供する配信部100と、サーバ10から動画データを取得して再生する視聴部200と、を備える。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側のユーザ端末である。
【0026】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、配信側UI制御部108と、を含む。撮像制御部102は
図3では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は
図3では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。配信側UI制御部108は、配信者向けのUIを制御する。配信側UI制御部108は、
図3では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部106による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部108は、ディスプレイに操作用オブジェクトや指示受け付け用のオブジェクトを表示させ、配信者によるタップ入力を受け付ける。
【0027】
視聴部200は、視聴側UI制御部202と、重畳情報生成部204と、入力情報送信部206と、を含む。視聴側UI制御部202は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部202は、
図3では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信した動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部202は、
図3では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介してユーザ入力を取得する。重畳情報生成部204は、サーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、ユーザから入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。入力情報送信部206は、視聴側UI制御部202が取得したユーザ入力を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0028】
図4は、
図1のサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、アーミー管理部306と、通常ギフト処理部308と、特別ギフト処理部310と、ギフト付与部312と、支払い処理部314と、ストリームDB316と、アーミーDB318と、ユーザDB320と、ギフトDB322と、を備える。
【0029】
図5は、
図4のストリームDB316の一例を示すデータ構造図である。ストリームDB316は現在行われているライブ配信の情報を保持する。ストリームDB316は、ライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0030】
図6は、
図4のアーミーDB318の一例を示すデータ構造図である。アーミーDB318は各配信者のアーミーの情報を保持する。アーミーDB318は、配信者の配信者IDと、当該配信者のアーミーとなっているユーザのユーザIDであるアーミーIDと、を対応付けて保持する。アーミー(Army)とは、配信者についてのサブスクリプションサービスに加入しているユーザのことであり、当該配信者のファンクラブの一員と言うこともできる。アーミーに加入している場合、毎月や3ヶ月ごとなど定期的に所定の登録料を管理者に支払う必要がある。管理者はその登録料の少なくとも一部を配信者に付与する。視聴者は、ある配信者のアーミーになっている場合、その配信者のライブ配信視聴中に特殊なギフトや特別な入場アニメーションなどの特典を受けることができる。アーミーについては非特許文献1に記載の技術を用いて実現されてもよい。
【0031】
図7は、
図4のユーザDB320の一例を示すデータ構造図である。ユーザDB320は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザDB320は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに贈られたまたは当該ユーザが贈った特別ギフトの情報と、を対応付けて保持する。ポイントは、ライブ配信プラットフォーム内で流通する電子的価値である。配信者がライブ配信において視聴者からギフトを贈られると、配信者のポイントが当該ギフトに対応する値だけ増加する。ポイントは例えば配信者がライブ配信プラットフォームの管理者から受け取る報酬または金銭の額を決めるために用いられる。
【0032】
特別ギフトの情報は、特別ギフトを特定する特別ギフトIDと、当該特別ギフトの画像データである特別ギフトデータと、当該特別ギフトの有効期限である特別ギフト期限と、当該特別ギフトを贈ったユーザ(視聴者)のユーザIDである特別ギフト贈り主IDと、当該特別ギフトを受け取ったユーザ(配信者)のユーザIDである特別ギフト贈り先IDと、を含む。特別ギフトについては後述する。有効期限の切れた特別ギフトはユーザDB320から消去される。
【0033】
図8は、
図4のギフトDB322の一例を示すデータ構造図である。ギフトDB322は、ライブ配信において視聴者が使用可能なギフトに関する情報を保持する。ギフトは、以下の特徴を有する電子データである。
・ポイントを対価として購入可能、または無料で付与可能。
・視聴者が配信者に贈ることができるもの。配信者にギフトを贈ることを、ギフトを使用する、またはギフトを投げるともいう。
・ギフトの購入と使用とがセットで同時に発生するタイプのものもあれば、購入した後、視聴者が任意のタイミングで使用可能なタイプのものもある。
・視聴者が配信者にギフトを贈ると、その配信者に相応のポイントが付与され、場合によってはギフトに関連付けられた効果が生じる。例えば、ギフトに対応するエフェクトがライブ配信画面に表れる。
【0034】
ギフトDB322は、ギフトを特定するギフトIDと、当該ギフトを配信者に贈った場合に当該配信者に付与されるポイントである付与ポイントと、当該ギフトが通常ギフトであるか特別ギフトであるかの別と、当該ギフトが特別ギフトである場合にその動作または機能を規定するギフトアルゴリズムと、を対応付けて保持する。視聴者は、ライブ配信視聴中に、所望のギフトの付与ポイントに対応する対価を支払うことで配信者に当該ギフトを贈ることができる。この対価の支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば付与ポイントに相当するポイント(例えば、付与ポイントそのもの、または付与ポイントに1.2などの所定の係数を乗じて得られるポイント、または付与ポイントに所定の手数料ポイントを加算して得られるポイント、など)を視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。
【0035】
図8のギフトDB322に登録されている特別ギフトの効果を以下に列挙する。各特別ギフトのギフトアルゴリズムは、サーバ10のCPU等により実行されることで、対応する効果を実現するよう構成されているソフトウエアモジュールである。
TD01:視聴者による任意のタイミングでのライブ配信のスクリーンショット(静止画像の取得)を可能とし、当該スクリーンショットの画像に当該視聴者のユーザIDを埋め込むことにより特別ギフトを生成する。
VE01:視聴者による任意のタイミングでのライブ配信のスクリーンショットを可能とし、当該スクリーンショットの画像をイラスト化することにより特別ギフトを生成する。
VD01:配信者のライブ配信の累計視聴者数がキリ番(例えば、1000人)に到達したときに自動でライブ配信のスクリーンショットを取得し、当該スクリーンショットの画像から特別ギフトを生成する。
SKK1:配信者による任意のタイミングでのライブ配信のスクリーンショットを可能とし、当該スクリーンショットの画像に所定のテキストを埋め込むことにより特別ギフトを生成する。
SKK3:視聴者による任意のタイミングでのライブ配信の短期間録画を可能とし、当該録画から特別ギフトを生成する。
SKK4:配信者から視聴者への秘密ギフト
SKK5:配信者から視聴者への公開ギフト
SPG01:特定の配信者に贈られた特別ギフト
【0036】
図4に戻り、アーミー管理部306は、アーミーへの登録と登録解除、アーミーの対価としての定期的なポイントの支払い、アーミーへの特別エフェクトの付与などアーミーの管理に関連する処理を行う。例えば、アーミー管理部306は、視聴者側のユーザ端末30から、特定の配信者のアーミーになるための申請を受け付けると、当該視聴者の視聴者IDが当該特定の配信者の配信者IDに対応するアーミーIDに追加されるようアーミーDB318を更新する。
【0037】
配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、配信者側のユーザ端末20からライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該ライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者の配信者IDと、をストリームDB316に登録する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、視聴者側のユーザ端末30の視聴部200からライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、ストリームDB316を参照して現在視聴可能なライブ配信のリストを生成する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、生成されたリストを要求元のユーザ端末30に送信する。要求元のユーザ端末30の視聴側UI制御部202は、受信したリストに基づいてライブ配信選択画面を生成し、ユーザ端末30のディスプレイに表示させる。
【0038】
ユーザ端末30の入力情報送信部206は、ライブ配信選択画面における視聴者によるライブ配信の選択を受け付けると、選択されたライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるライブ配信の、要求元のユーザ端末30への提供を開始する。配信情報提供部302は、当該ストリームIDの視聴者IDに要求元のユーザ端末30の視聴者の視聴者IDが含まれるようにストリームDB316を更新する。
【0039】
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたライブ配信において、配信者側のユーザ端末20から視聴者側のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、視聴者側のユーザ端末30における動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を入力情報送信部206から受信する。ユーザ入力を示す信号はギフトの使用を示すギフト使用信号であってもよく、当該ギフト使用信号は、視聴者の視聴者IDと、贈り先の配信者の配信者ID(=ギフトを贈った視聴者が視聴しているライブ配信を行っている配信者の配信者ID)と、ギフトのギフトIDと、を含む。中継部304は、ギフトDB322を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトが通常ギフトか特別ギフトかを特定する。
【0040】
通常ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトが通常ギフトの場合、当該通常ギフトの付与ポイントに応じて配信者のポイントを増加させるようにユーザDB320を更新する。通常ギフト処理部308は、ギフトDB322を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDに対応する付与ポイントを特定する。通常ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれる配信者IDに対応するポイントに、特定された付与ポイントを加えるようユーザDB320を更新する。
【0041】
特別ギフト処理部310は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトが特別ギフトの場合、ライブ配信に係る動画データの再生中に記録されたライブ配信の一部に基づいて特別ギフトを生成する。本実施の形態では、特別ギフト処理部310は以下の5種類の特別ギフトを生成可能に構成される。
(1)視聴者の指示に従い記録されたライブ配信の一部に基づいて生成される有料ギフト(例:TD01、VE01、SKK3)
(2)配信者の指示に従い記録されたライブ配信の一部に基づいて生成される有料ギフト(例:SKK1)
(3)ライブ配信に係る条件が満たされることを条件として自動的に記録されたライブ配信の一部に基づいて生成される有料ギフト(例:VD01)
(4)アーミーの指示に従い記録されたライブ配信の一部に基づいて生成される無料ギフト(無料ギフトは、対価の支払いを要することなく生成可能なギフトである)
(5)配信者から特定の視聴者への有料ギフト。(例:SKK4、SKK5)
以下では(1)~(4)の特別ギフトについて説明し、(5)の特別ギフトについては変形例で説明する。
【0042】
ギフト付与部312は、特別ギフト処理部310によって生成された特別ギフトを、ライブ配信に係る動画データの再生中にライブ配信の配信者に付与するための処理を行う。特別ギフトが有料ギフトの場合、ギフト付与部312は、生成された特別ギフトに関連付けられた対価の支払いの指示を視聴者から受け付けた場合に、当該特別ギフトを配信者に付与するための処理を行う。ギフト付与部312は、特別ギフトを配信者に付与するために以下の4つの処理を行う。
(1)特別ギフトを表示するための画像データを配信者のユーザ端末20および視聴者のユーザ端末30に送信。
(2)特別ギフトの付与ポイントに応じて配信者のポイントを増加させるようにユーザDB320を更新。
(3)特別ギフトの情報(特別ギフトID、特別ギフトデータ、特別ギフト期限、特別ギフト贈り主ID、特別ギフト贈り先ID)を生成し、贈り主の視聴者および贈り先の配信者のそれぞれに対応付けてユーザDB320に登録。
(4)特別ギフトの特別ギフトIDと付与ポイントとをギフトDB322に登録。
【0043】
支払い処理部314は、視聴者による、生成された特別ギフトに関連付けられた対価の支払いを処理する。対価の支払いは、特別ギフトの生成前に対価の支払いを受ける先払いであってもよいし、特別ギフトの生成後、配信者に付与する前に対価の支払いを受ける後払いであってもよい。支払い処理部314は、特別ギフトに関連付けられた対価の支払いの指示を視聴者から受け付けた場合、当該視聴者のポイントから対価分のポイントを差し引くようユーザDB320を更新する。
【0044】
支払い処理部314は、視聴者による、通常ギフトに関連付けられた対価の支払いを処理する。支払い処理部314は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトが通常ギフトである場合、当該通常ギフトの対価分のポイントを、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから差し引くようユーザDB320を更新する。
【0045】
以上の構成によるライブ配信システム1の動作を説明する。
図9は、サーバ10における一連のギフト使用処理の流れを示すフローチャートである。本例ではスクリーンショットから生成される前払いまたは無料の特別ギフトが使用される場合を説明する。また前提として、視聴者がユーザ端末30からライブ配信プラットフォームにアクセスし、ライブ配信選択画面から所望のライブ配信を選択して視聴を開始したとする。視聴者がライブ配信を視聴している間、配信者のユーザ端末20からサーバ10(の中継部304)を介して視聴者のユーザ端末30へと継続的に動画データが伝送される。
【0046】
この動画データの再生中に、視聴者はユーザ端末30の入力手段を介してギフトの表示を要求するためのユーザ入力を行う。ユーザ端末30の入力情報送信部206はこのユーザ入力を受けると、ギフト情報要求を生成してサーバ10に送信する。サーバ10の中継部304は、ギフト情報要求を受けると、ギフトDB322を参照して使用可能なギフトIDを特定する。中継部304は、特定されたギフトIDを含むギフト情報応答を生成し、ユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の重畳情報生成部204は、ギフト情報応答に含まれるギフトIDで特定されるギフトのアイコン画像(以下、ギフトアイコンという)をリスト化した使用可能ギフト一覧画像をフレーム画像に含める。視聴側UI制御部202は、そのフレーム画像が重畳された動画像をディスプレイに表示させる。
【0047】
ユーザ端末30の視聴側UI制御部202が視聴者によるギフトの選択、すなわちギフトアイコンの指定を受け付けると、入力情報送信部206は指定されたギフトのギフトIDと、視聴者IDと、配信者IDと、を含むギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10の中継部304はギフト使用信号を受信する(S502)。中継部304は、ギフトDB322を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトが特別ギフトか通常ギフトかを判定する(S504)。通常ギフトである場合、支払い処理部314は対価の支払い処理を行う(S506)。通常ギフト処理部308は配信者にポイントを付与するための処理を行う(S508)。その後、処理はステップS502に戻る。
【0048】
ステップS504で特別ギフトであると判定された場合、支払い処理部314は対価の支払い処理を行う(S510)。支払い処理部314は、ギフトDB322を参照し、ステップS502で受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定される特別ギフトがアーミー専用の無料特別ギフトであるか否かを判定する。アーミー専用の無料特別ギフトである場合、支払い処理部314は、アーミーDB318を参照し、ステップS502で受信したギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、同じギフト使用信号に含まれる配信者IDで特定される配信者のアーミーであるか否かを判定する。アーミーでないと判定された場合、支払い処理部314はエラー信号を生成し、ユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の視聴側UI制御部202は、エラー信号を受信すると、アーミーでなければそのギフトが使えない旨を示すテキストをディスプレイに表示させる。アーミーであると判定された場合、支払い処理部314は視聴者のポイントを変更することなく支払い処理を完了する。
【0049】
ステップS502で受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定される特別ギフトがアーミー専用の無料特別ギフトでない場合、支払い処理部314は、当該特別ギフトの対価分のポイントが、当該ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから差し引かれるように、ユーザDB320を更新する。特別ギフトの対価は付与ポイントと同じであってもよいし、異なるように設定されてもよい。
【0050】
特別ギフトが手動の場合(S512の手動)、特別ギフト処理部310は当該特別ギフトのギフトIDと、当該特別ギフトに対応するギフトアルゴリズムのうちユーザ端末で実行されるべき部分と、を含む使用許可信号を生成し、ネットワークNWを介して、ギフト使用信号の送信元のユーザ端末30に送信する(S514)。ユーザ端末30の視聴部200は、使用許可信号を受信すると、それに含まれるギフトアルゴリズムの部分を実行することでライブ配信のスクリーンショットの取得を可能とする。視聴者は、所望のタイミングで指示を入力し、視聴部200は当該指示を受けるとその時点のライブ配信のスクリーンショットを取得する。入力情報送信部206は、取得されたスクリーンショットのデータを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。特別ギフト処理部310は、そのように送信されたデータを受信する(S516)。
【0051】
特別ギフトが自動の場合(S512の自動)、特別ギフト処理部310は特別ギフトに関連付けて設定されている記録条件が満たされたか否かを判定する(S518)。記録条件は例えば配信者のライブ配信の累計視聴者数がキリ番(例えば、1000人)に到達することや、配信者のライブ配信の累計配信時間が閾値に到達することである。このように、記録条件は、ライブ配信に関するパラメータに課された条件であってもよいし、配信者のステータスに課された条件(例:イベントで勝利する)であってもよいし、視聴者の行動に課された条件(例:所定数を超えるコメントをする)であってもよい。記録条件が満たされたと判定された場合(S518のYES)、特別ギフト処理部310は中継中の動画データにおいてそのときのスクリーンショットを取得する(S520)。
【0052】
特別ギフト処理部310は、イラスト化が指定されている場合(S522のYES)、受信または取得されたスクリーンショットの画像をイラスト化する(S524)。イラスト化は、非特許文献2に記載されるような公知の画像処理技術を用いて実現されてもよい。
【0053】
特別ギフト処理部310は、受信または取得されたスクリーンショットの画像に基づいて特別ギフトを生成する(S526)。特別ギフト処理部310は、イラスト化が行われていない場合は、スクリーンショットの画像に贈り主の視聴者のIDを埋め込むことで特別ギフトの画像を生成し、当該画像に対応付けて新たなギフトIDを採番する。特別ギフト処理部310は、イラスト化が行われている場合は、イラスト化された画像をそのまま特別ギフトの画像とし、当該画像に対応付けて新たなギフトIDを採番する。
【0054】
ギフト付与部312は、生成された特別ギフトに対応する付与ポイントを配信者に付与する(S528)。ギフト付与部312は、特別ギフトに対応する付与ポイントが、ステップS502で受信したギフト使用信号に含まれる配信者IDで特定される配信者のポイントに加算されるようにユーザDB320を更新する。ギフト付与部312は、ステップS526で生成された特別ギフトの画像を配信者のユーザ端末20および視聴者のユーザ端末30に送信する(S530)。ギフト付与部312はさらに、ギフトDB322およびユーザDB320に特別ギフトの情報を登録する。ユーザ端末20、30は、ライブ配信に係る動画データの再生中に、特別ギフトの画像をディスプレイに表示させる。
【0055】
図10は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面602の代表画面図である。ライブ配信選択画面602は、現在視聴可能なライブ配信のリストにある各ライブ配信を示すサムネイル604を含む。視聴側UI制御部202は、サーバ10から取得したライブ配信のリストに基づいてライブ配信選択画面602を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0056】
図11は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面610の代表画面図である。
図10のライブ配信選択画面602において視聴者がサムネイル604をタップすると、
図11のライブ配信ルーム画面610がディスプレイに表示される。ライブ配信ルーム画面610は、動画データを再生することにより得られる配信者の画像612と、使用可能ギフト一覧画像と、を有する。使用可能ギフト一覧画像は、通常ギフトのギフトアイコン614と、
図8のギフトID「TD01」で特定される特別ギフトのギフトアイコン616と、
図8のギフトID「VE01」で特定される特別ギフトのギフトアイコン618と、
図8のギフトID「VD01」で特定される特別ギフトのギフトアイコン620と、
図8のギフトID「SKK3」で特定される特別ギフトのギフトアイコン622と、を有する。
【0057】
図11のライブ配信ルーム画面610において視聴者が特別ギフトのギフトアイコン616をタップすると、ユーザ端末30は当該視聴者による当該特別ギフトの指定を受け付ける。ユーザ端末30は、指定された特別ギフトのギフトID(この場合は「TD01」)を含むギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。ユーザ端末30は、送信されたギフト使用信号に対応する使用許可信号をサーバ10から受信する。ユーザ端末30は使用許可信号に基づいて、視聴者によるスクリーンショットの取得を可能とする。具体的には、ユーザ端末30はディスプレイにスクリーンショット待機画面624を表示させる。
【0058】
図12は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるスクリーンショット待機画面624の代表画面図である。スクリーンショット待機画面624は、動画データを再生することにより得られる配信者の画像612と、スクリーンショットアイコン626と、を有する。スクリーンショット待機画面624は、ライブ配信に係る動画データの再生中に当該ライブ配信の一部であるスクリーンショットの画像を記録するための指示をユーザから受け付けるための画面である。視聴者は配信者の画像612を見ながらライブ配信ならではの瞬間を待ち受け、当該瞬間が到来するとスクリーンショットアイコン626をタップする。ユーザ端末30は、スクリーンショットアイコン626へのタップを検出すると、そのときの配信者の画像612のスクリーンショットを生成する。ここで、スクリーンショットの取り直しを可能としてもよい。
【0059】
ユーザ端末30は、生成されたスクリーンショットの画像をサーバ10に送信する。サーバ10は、スクリーンショットの画像に、それをとった視聴者の視聴者IDを埋め込むことにより特別ギフトの画像を生成する。サーバ10は、生成された特別ギフトの画像をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は受信した特別ギフトの画像を、ライブ配信の画像に重畳させてディスプレイに表示させる。
【0060】
図13は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面630の代表画面図である。
図12のスクリーンショット待機画面624において視聴者がスクリーンショットアイコン626をタップすると、
図13のライブ配信ルーム画面630がディスプレイに表示される。ライブ配信ルーム画面630は、配信者の画像612と、それに関連付けて表示される特別ギフトの画像628と、を有する。特別ギフトの画像628は、当該特別ギフトの生成時から配信され続けているライブ配信の配信中に表示される。特別ギフトの画像628は、視聴者が指示することで取得されたスクリーンショットの画像に基づく画像と、当該視聴者の視聴者IDと、を有する。特別ギフトの画像628は、同じライブ配信が配信されている他の視聴者のユーザ端末や同じライブ配信の配信者のユーザ端末にも同様に表示される。特別ギフトの画像628を配信者の配信ルームに飾ることで、そこに写っている特別な瞬間を配信者と視聴者との間で共有することができる。また当該特別ギフトを贈った視聴者の視聴者IDを併せて表示することで、他の視聴者との関係で当該視聴者が配信者により近い存在であることを知らしめることができる。
【0061】
図14は、配信者のユーザ端末20のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面632の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面632は、サーバ10に送信する動画データを再生することにより得られる配信者の画像634と、
図8のギフトID「SKK1」で特定される特別ギフトのギフトアイコン636と、
図8のギフトID「SKK4」で特定される特別ギフトのギフトアイコン638と、
図8のギフトID「SKK5」で特定される特別ギフトのギフトアイコン640と、を有する。
【0062】
ギフトアイコン636は、ライブ配信に係る動画データの再生中に当該ライブ配信の一部であるスクリーンショットの画像を記録するための指示を配信者から受け付けるためのオブジェクトである。配信者は自分の画像634を見ながらライブ配信ならではの瞬間を待ち受け、当該瞬間が到来するとギフトアイコン636をタップする。ユーザ端末20は、ギフトアイコン636へのタップを検出すると、そのときの配信者の画像634のスクリーンショットを生成する。ユーザ端末20は、生成されたスクリーンショットの画像とギフトID「SKK1」とを含む特別ギフト生成要求をサーバ10に送信する。サーバ10は、ギフトDB322を参照することで、特別ギフト生成要求に含まれるギフトIDで特定される特別ギフトのギフトアルゴリズムを取得し、実行する。具体的には、サーバ10は、特別ギフト生成要求に含まれるスクリーンショットの画像に配信者指定の所定のテキストを埋め込むことにより特別ギフトの画像を生成する。サーバ10は、生成された特別ギフトの画像をギフトアイコン642に変換する。サーバ10は、そのギフトアイコン642を視聴者のユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は受信したギフトアイコン642を、ライブ配信の画像に重畳させてディスプレイに表示させる。
【0063】
図15は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面644の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面644は、配信者の画像634と、サーバ10から受信したギフトアイコン642と、を有する。配信者は視聴者に対してギフトアイコン642に対応する特別ギフトの購入をライブ配信内で呼びかける。
図15のライブ配信ルーム画面644において視聴者がギフトアイコン642をタップすると、ユーザ端末30は当該視聴者による当該ギフトアイコン642の指定を受け付ける。ユーザ端末30は、指定されたギフトアイコン642に対応する特別ギフトのギフトID(この場合は「SKK1」)を含むギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10は、ギフト使用信号を受信すると、対価の支払い処理とポイント付与処理とを行う。サーバ10は、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDを、ギフトアイコン642に対応する特別ギフトの画像に埋め込む。サーバ10は、そのように加工された特別ギフトの画像648をユーザ端末20、30に送信する。ユーザ端末20、30は受信した特別ギフトの画像648を、ライブ配信の画像に重畳させてディスプレイに表示させる。
【0064】
図16は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面646の代表画面図である。
図15のライブ配信ルーム画面644において視聴者がギフトアイコン642をタップすると、
図16のライブ配信ルーム画面646がディスプレイに表示される。ライブ配信ルーム画面646は、配信者の画像634と、それに関連付けて表示される特別ギフトの画像648と、を有する。
【0065】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0066】
本実施の形態に係るライブ配信システム1によると、ライブ配信中に、当該ライブ配信の一部に基づくギフトを生成し、同じライブ配信内で当該ギフトを配信者に付与することができる。これにより、ライブ配信ならではの出来事や瞬間をその場でギフト化することができるので、ライブ配信が大いに盛り上がると共に、視聴者及び配信者のライブ配信へのエンゲージメントを高めることができる。また、そのようなギフトをライブ配信ルームに飾ることでライブ配信ルームのさらなるパーソナライズが可能となるので、ライブ配信ルームの多様性の向上に寄与する。
【0067】
ライブ配信ならではの瞬間は、例えば、ライブ配信プラットフォームで開催されるイベントで一位をとった瞬間や、配信者のパフォーマンスがきまった瞬間や、タロット占いであればカードが一面に並べられている瞬間及び水晶に手をかざしている瞬間や、ゲーム配信であれば勝利した瞬間などである。
【0068】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、所定の条件に基づく自動的な特別ギフトの生成が可能とされる。これにより、例えばキリ番などマニュアルでの指定が困難な瞬間をより正確に捉えてギフト化できる。
【0069】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、視聴者が配信者のアーミーに加入している場合、対価を支払うことなく特別ギフトを生成することができる。これにより、配信者のアーミーであれば特別ギフトを贈り放題となるので、「配信者固有のある瞬間には必ず特別ギフトを投げる」などというようなライブ配信独特の文化の醸成が促進される。あるいはまた、この目的のために、特別ギフトを付与ポイントも対価もゼロのフリーギフトとしてもよい。この場合、配信者へのポイントの付与はないものの、ライブ配信を大いに盛り上げることができる。
【0070】
[ハードウェア構成例]
図17を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図17は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0071】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)903、およびRAM(Random Access Memory)905を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0072】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0073】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0074】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0075】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0076】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0077】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0078】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0079】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0080】
以上、実施の形態に係るライブ配信システム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0081】
実施の形態では、
図11、
図12、
図13の説明において視聴者がライブ配信のスクリーンショットをとることで特別ギフトが生成され、配信者に付与される場合を説明したが、これに限られない。例えば、そのように生成された特別ギフトを当該視聴者または他の視聴者が再度購入することができるようにサーバ10を構成してもよい。この場合、
図13のライブ配信ルーム画面630が視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示された後、視聴者はユーザ端末30の入力手段を介してギフトの表示を要求するためのユーザ入力を行う。ユーザ端末30の入力情報送信部206はこのユーザ入力を受けると、ギフト情報要求を生成してサーバ10に送信する。サーバ10の中継部304は、ギフト情報要求を受けると、ギフトDB322を参照して使用可能なギフトのギフトIDを特定する。この際、中継部304は、
図11、
図12、
図13のプロセスを経て生成されギフトDB322に登録されている特別ギフト「SPG01」について、ユーザDB320を参照することでその特別ギフトを使用可能か否かを判定する。中継部304は、特別ギフト「SPG01」が、ギフト情報要求に含まれる配信者IDで特定される配信者(ギフト情報要求の送信元の視聴者が視聴しているライブ配信の配信者)に対して贈られた特別ギフトとして登録されているならばその特別ギフト「SPG01」を使用可能と判定し、そうでなければ使用可能でないと判定する。中継部304は、使用可能と判定されたギフトのギフトIDを含むギフト情報応答を生成し、ユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の重畳情報生成部204は、ギフト情報応答に含まれるギフトIDで特定されるギフトのアイコン画像をリスト化した使用可能ギフト一覧画像をフレーム画像に含める。視聴側UI制御部202は、そのフレーム画像が重畳された動画像をディスプレイに表示させる。
【0082】
図18は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面660の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面660は、動画データを再生することにより得られる配信者の画像612と、使用可能ギフト一覧画像と、を有する。使用可能ギフト一覧画像は、ギフトID「SPG01」で特定される特別ギフトのギフトアイコン662を有する。
図18のライブ配信ルーム画面660において視聴者がギフトアイコン662をタップすると、ユーザ端末30は当該視聴者による当該ギフトアイコン662の指定を受け付ける。ユーザ端末30は、指定されたギフトアイコン662に対応する特別ギフトのギフトID(この場合は「SPG01」)を含むギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10は、ギフト使用信号を受信すると、対価の支払い処理とポイント付与処理とを行う。サーバ10は、特別ギフト「SPG01」の画像628をユーザ端末20、30に送信する。ユーザ端末20、30は受信した特別ギフトの画像628を、ライブ配信の画像に重畳させてディスプレイに表示させる。
【0083】
図19は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面664の代表画面図である。
図18のライブ配信ルーム画面660において視聴者がギフトアイコン662をタップすると、
図19のライブ配信ルーム画面664がディスプレイに表示される。ライブ配信ルーム画面664は、配信者の画像612と、それに関連付けて表示される複数の特別ギフトの画像628と、を有する。ライブ配信ルーム画面664には贈られた数と同じ数の特別ギフトの画像628が表示される。これにより、ある視聴者が生成した特別ギフトへの、他の視聴者による賛同を示すことができる。また、ある視聴者が同じ特別ギフトを複数購入することで、その特別ギフトが表す瞬間への思い入れの強さを示すことができる。
【0084】
なお、本変形例では、現在配信中のライブ配信で生成された特別ギフトだけでなく、同じ配信者の過去の別のライブ配信で生成された特別ギフトをも表示させ、選択可能とすることができる。
【0085】
配信者から特定の視聴者へ有料ギフトを贈る変形例を説明する。
図14のライブ配信ルーム画面632において配信者が特別ギフト「SKK5」のギフトアイコン640をタップすると、ユーザ端末20は当該配信者による当該特別ギフトの指定を受け付ける。ユーザ端末20は、指定された特別ギフトのギフトID(この場合は「SKK5」)を含むギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10は、ギフトDB322を参照することで、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定される特別ギフトのギフトアルゴリズムを取得し、実行する。具体的には、サーバ10は、ストリームDB316を参照することで、(配信者から)受信したギフト使用信号に含まれるストリームIDで特定されるライブ配信を現在視聴している視聴者の視聴者IDを特定する。サーバ10は、ユーザDB320を参照することで、特定された視聴者IDに対応する情報を取得する。サーバ10は、特定された視聴者IDと、取得された情報と、を含む視聴者リスト情報を生成し、配信者のユーザ端末20に送信する。なお、本例では配信者が現在配信しているライブ配信の視聴者のなかから贈り先の視聴者を選ぶ場合を説明するが、他の例では、ユーザDB320に登録されているライブ配信プラットフォームの全ユーザのなかから贈り先の視聴者を選んでもよい。
【0086】
ユーザ端末20は、受信した視聴者リスト情報に基づいて、特別ギフトの贈り先となる視聴者を配信者に選択させるための視聴者選択画面666を生成し、ディスプレイに表示させる。
図20は、配信者のユーザ端末20のディスプレイに表示される視聴者選択画面666の代表画面図である。視聴者選択画面666は、配信者のライブ配信を現在視聴している視聴者の視聴者ID668と、当該視聴者の情報670と、を対応付けて表示する。視聴者選択画面666において視聴者の情報は所定の基準(例えばギフティング総額が多い順、視聴時間が長い順、など)に従いソーティングされて表示されてもよい。配信者は特別ギフトの贈り先の視聴者の視聴者ID668または情報670をタップする。ユーザ端末20は、タップにより配信者に指定された視聴者を特別ギフトの贈り先として決定する。ユーザ端末20は、指定された視聴者の視聴者IDを含む公開ギフト付与要求を生成し、サーバ10に送信する。サーバ10は、公開ギフト付与要求を受信すると、それに含まれるギフトID「SKK5」で特定される特別ギフトの対価分のポイントが配信者のポイントから差し引かれるようユーザDB320を更新する。サーバ10は、公開ギフト付与要求に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントが、特別ギフト「SKK5」の付与ポイント分増加するようユーザDB320を更新する。サーバ10は、配信者が視聴者にギフトを贈ったことを示すテキストを生成し、配信者のユーザ端末20および贈り先の視聴者を含む視聴者のユーザ端末30に送信する。視聴者のユーザ端末30は、受信したテキストをコメントとしてライブ配信の画像に重畳表示させる。
【0087】
図21は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面672の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面672では、配信者の画像612の上にコメント674が重畳表示される。コメント674は、サーバ10から受信した、配信者が視聴者にギフトを贈ったことを示すテキストを含む。このコメント674はライブ配信を視聴中の全ての視聴者のユーザ端末30に表示される。
【0088】
図14のライブ配信ルーム画面632において配信者が特別ギフト「SKK4」のギフトアイコン638をタップすると、特別ギフト「SKK5」に関して上で説明された処理と同様の処理が実行される。異なる点は、配信者が視聴者にギフトを贈ったことを示すテキストは、贈り先の視聴者のユーザ端末30のみに送信され、当該ユーザ端末30でのみ表示されることである。
【0089】
配信者から視聴者にギフトを贈ることを可能とすることにより、配信者から視聴者への歩み寄りを促進することができる。例えば、影響力のある視聴者に、配信者が自分のことを知ってもらうきっかけを作るためのツールとして利用可能である。
【0090】
実施の形態では、ライブ配信視聴中に視聴者が配信者に対して特別ギフトを贈る場合を説明したが、これに限られない。例えば、特別ギフトを購入した視聴者が配信者となり、自分のライブ配信でその特別ギフトを宣伝、販売してもよい。例えば
図7の例で、ユーザID「SS5」のユーザは、過去にユーザID「001A」のユーザが配信したライブ配信で特別ギフト「SPG01」を購入して贈ったとする。ユーザID「SS5」のユーザが配信者となって配信しているライブ配信の視聴者は、ユーザ端末30の入力手段を介してギフトの表示を要求するためのユーザ入力を行う。ユーザ端末30の入力情報送信部206はこのユーザ入力を受けると、ギフト情報要求を生成してサーバ10に送信する。サーバ10の中継部304は、ギフト情報要求を受けると、ギフトDB322を参照して使用可能なギフトIDを特定する。この際、中継部304は、特別ギフト「SPG01」について、ユーザDB320を参照することでその特別ギフトを使用可能か否かを判定する。中継部304は、特別ギフト「SPG01」が、ギフト情報要求に含まれる配信者ID「SS5」で特定される配信者が他のユーザに贈った特別ギフトとして登録されているならばその特別ギフト「SPG01」を使用可能と判定する。中継部304は、使用可能と判定されたギフトのギフトIDを含むギフト情報応答を生成し、ユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の重畳情報生成部204は、ギフト情報応答に含まれるギフトIDで特定されるギフトのアイコン画像をリスト化した使用可能ギフト一覧画像をフレーム画像に含める。視聴側UI制御部202は、そのフレーム画像が重畳された動画像をディスプレイに表示させる。
【0091】
図22は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面676の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面676は、動画データを再生することにより得られる配信者「SS5」の画像678と、使用可能ギフト一覧画像と、を有する。使用可能ギフト一覧画像は、ギフトID「SPG01」で特定される特別ギフトのギフトアイコン680を有する。ライブ配信ルーム画面676では、ギフトアイコン680が示す特別ギフト「SPG01」の贈り先の配信者「001A」と、当該ライブ配信ルーム画面676で再生されている配信者の画像678の配信者「SS5」と、は異なる。ギフトアイコン680が示す特別ギフト「SPG01」の贈り主の配信者「SS5」と、当該ライブ配信ルーム画面676で再生されている配信者の画像678の配信者「SS5」と、は一致する。配信者「SS5」は、別の配信者「001A」を応援していること、および当該ライブ配信ルーム画面676にて別の配信者「001A」のための特別ギフト「SPG01」を購入するよう自分の視聴者に呼びかける。
【0092】
図22のライブ配信ルーム画面676において視聴者がギフトアイコン680をタップすると、ユーザ端末30は当該視聴者による当該ギフトアイコン680の指定を受け付ける。ユーザ端末30は、指定されたギフトアイコン680に対応する特別ギフトのギフトID(この場合は「SPG01」)を含むギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10は、ギフト使用信号を受信すると、ギフト使用信号に含まれるギフトID「SPG01」で特定される特別ギフトの対価分のポイントが視聴者のポイントから差し引かれるようユーザDB320を更新する。サーバ10は、特別ギフト「SPG01」の贈り先のユーザ(この場合、ユーザID「001A」のユーザ)のポイントが、特別ギフト「SPG01」の付与ポイント分増加するようユーザDB320を更新する。なお、この付与ポイントを、特別ギフト「SPG01」の贈り先のユーザ「001A」と、特別ギフト「SPG01」の購入が行われたライブ配信の配信者「SS5」と、の間で按分してもよい。サーバ10は、配信者「SS5」のライブ配信において特別ギフト「SPG01」が売れたことを示すテキストと、特別ギフト「SPG01」の画像628と、を、特別ギフト「SPG01」の贈り先のユーザ「001A」のユーザ端末20に送信する。当該ユーザ端末20は、受信したテキストをコメントとしてライブ配信の画像に重畳表示させる。
【0093】
図23は、配信者のユーザ端末20のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面682の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面682は、動画データを再生することにより得られる配信者「001A」の画像684と、贈られた数と同数の特別ギフトの画像628と、配信者「001A」の画像684の上に重畳表示されるコメント686と、を有する。コメント686は、サーバ10から受信した、配信者「SS5」のライブ配信において特別ギフト「SPG01」が売れたことを示すテキストを含む。このコメント686は、配信者「001A」のライブ配信を視聴中の全ての視聴者のユーザ端末30に表示される。このように、特別ギフトの贈り主は、自分が配信をしていて贈り先の配信者のライブ配信に参加できないときでも、自分の配信を通じて贈り先の配信者を応援することができる。
【0094】
実施の形態において、ライブ配信外であってもユーザ端末20、30からサーバ10に要求することで、ユーザが贈った及び/又はユーザに贈られた特別ギフトの情報を閲覧できるようにサーバ10を構成してもよい。
【0095】
実施の形態におけるギフトの対価からギフトの付与ポイントへの換算率は一例であって、これらは例えばライブ配信システム1の管理者により適宜設定されてもよい。
【0096】
実施の形態に係る技術的思想を、配信者の画像の代わりに配信者の動きと同期した動きをするアバターを用いるバーチャルライブ配信や、ライブコマースに適用してもよい。
【0097】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0098】
サーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、サーバ10以外の装置、例えばユーザ端末20、30により実現されてもよい。ユーザ端末20、30により実現される機能の少なくとも一部は、ユーザ端末20、30以外の装置、例えば、サーバ10により実現されてもよい。例えば、再生側のユーザ端末で行われる動画データの画像への所定のフレーム画像の重畳は、サーバ10で行われてもよいし、生成側のユーザ端末で行われてもよい。また、特別ギフトの生成の少なくとも一部をユーザ端末で行ってもよい。
【要約】 (修正有)
【課題】ライブ配信の性質に適応したギフティングを実現するサーバ及び方法を提供する。
【解決手段】ライブ配信の性質に適応したギフティングを実現するライブ配信システムにおいて、サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、アーミー管理部306と、通常ギフト処理部308と、特別ギフト処理部310と、ギフト付与部312と、支払い処理部314と、ストリームDB316と、アーミーDB318と、ユーザDB320と、ギフトDB322と、を備える。
【選択図】
図4