(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20220512BHJP
B65B 57/02 20060101ALI20220512BHJP
B65B 57/18 20060101ALI20220512BHJP
B65B 9/207 20120101ALI20220512BHJP
【FI】
B65B57/00 H
B65B57/02 F
B65B57/18
B65B9/207
(21)【出願番号】P 2017212149
(22)【出願日】2017-11-01
【審査請求日】2020-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】森平 透
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-020866(JP,A)
【文献】特開2003-011928(JP,A)
【文献】特開2001-048130(JP,A)
【文献】特開平11-321809(JP,A)
【文献】特開昭60-240606(JP,A)
【文献】特開2003-011927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
B65B 57/02
B65B 57/18
B65B 9/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムからなる袋で物品を包装することによって、1サイクルに1個の製品を作る製袋包装機であって、
前記フィルムからフィルム筒を形成する縦シール機構と、
上方から落下する前記物品を前記フィルム筒の中に案内するガイドと、
上方から落下する前記物品を検知する物品センサと、
サイクル毎に、前記フィルム筒に横シール部を形成する横シール機構と、
サイクル毎に、前記横シール部において前記フィルム筒を切断する切断機構と、
正常及び異常な物品落下タイミングに関する設定を記憶する噛み込み設定記憶部と、
サイクル毎に、
前記噛み込み設定記憶部に記憶されたタイミングと前記物品センサの出力とを比較することによって、前記横シール機構において前記物品の噛み込みが発生しうるか否かを予測する予測部と、
を備え、
あるサイクルにおいて前記噛み込みが発生しうると前記予測部が予測した場合に、当該サイクルにおいて前記切断機構が前記フィルム筒を切断しない、
製袋包装機。
【請求項2】
あるサイクルにおいて前記噛み込みが発生しうると前記予測部が予測した場合に、当該サイクルにおいて前記横シール機構が前記横シール部を形成しない、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記サイクルの起点から開始されるオフセット時間、及び、前記オフセット時間の終点から開始される許容時間を記憶する設定記憶部、
をさらに有し、
前記オフセット時間及び前記許容時間の和は前記サイクルより短く、
前記物品センサが前記許容時間外に前記物品を検出する時に、前記予測部は、前記噛み込みが発生しうると予測する、
請求項1又は請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
処理部と、
前記噛み込みの発生を検知する噛み込み検知部と、
をさらに備え、
前記噛み込み検知部が前記噛み込みの発生を検知しない場合に、前記処理部は、前記設定記憶部が記憶する前記許容時間を、より長い時間に更新する、
請求項3に記載の製袋包装機。
【請求項5】
所定時間内に所定の回数以上の前記噛み込みが発生した場合に、警報を発する警報部、
をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1つに記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記製品の前記袋の長さは第1長さであり、
前記噛み込みが発生しうると前記予測部が予測した場合に、前記切断機構が前記フィルム筒を切断しないことにより、前記第1長さより長い第2長さの前記袋を作る、
請求項1から5のいずれか1つに記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋包装機は、動作のサイクル毎に、計量機から落下する物品を受け取り、その物品をフィルムで包装する。具体的には、製袋包装機は、フィルムを筒状に加工する縦シール工程を行う。次いで、製袋包装機は、筒状のフィルムを袋状に加工する横シール工程を行う。横シール工程はシールジョーにより行われる。
【0003】
計量機から落下した物品がシールジョーに到達する時刻が不適切である場合、フィルムの横シール部に物品が挟まる「噛み込み」という現象が発生する。特許文献1(特開2003-72720号公報)の製袋包装機では、物品が横シールジョーへ到達する時刻を演算により求め、そのサイクルにおける横シール工程の時刻をずらす。しかし、物品がシールジョーに到達する時刻は種々の原因により不規則に変化することがあるので、ある程度の噛み込みの発生は不可避である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
噛み込みは、不良製品を発生させる。噛み込みのもう一つの弊害は、噛み込みが発生した横シール部から、物品がフィルムの外部へ撒き散らされることである。この様な事象が起こると、物品がシールジョー、又は正常に包装された製品に付着する。その結果、横シール動作の動作不良、又は製品の汚れを引き起こす。
【0005】
本発明の課題は、製袋包装機において、噛み込みに起因する不都合を低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、フィルムからなる袋で物品を包装することによって、1サイクルに1個の製品を作る。製袋包装機は、縦シール機構と、ガイドと、物品センサと、横シール機構と、切断機構と、予測部と、を備える。縦シール機構は、フィルムからフィルム筒を形成する。ガイドは、上方から落下する物品をフィルム筒の中に案内する。物品センサは、上方から落下する物品を検知する。横シール機構は、サイクル毎に、フィルム筒に横シール部を形成する。切断機構は、サイクル毎に、横シール部においてフィルム筒を切断する。予測部は、サイクル毎に、物品センサの出力に基づいて、横シール機構において物品の噛み込みが発生しうるか否かを予測する。あるサイクルにおいて噛み込みが発生しうると予測部が予測した場合に、当該サイクルにおいて切断機構がフィルム筒を切断しない。
【0007】
この構成によれば、噛み込みが発生しうるサイクルにおいて、切断機構はフィルム筒を切断しない。したがって、物品がフィルム筒の切断箇所から外部へ出る事象が抑制される。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機において、あるサイクルにおいて噛み込みが発生しうると予測部が予測した場合に、当該サイクルにおいて横シール機構が横シール部を形成しない。
【0009】
この構成によれば、噛み込みが発生しうるサイクルにおいて、横シール機構はフィルム筒に横シール部を形成しない。したがって、横シール動作によるフィルムの損傷が抑制されるので、物品がフィルム筒の外部へ出る事象が抑制される。
【0010】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第1観点又は第2観点に係る製袋包装機において、設定記憶部、をさらに有する。設定記憶部は、サイクルの起点から開始されるオフセット時間、及び、オフセット時間の終点から開始される許容時間を記憶する。オフセット時間及び許容時間の和はサイクルより短い。物品センサが許容時間外に物品を検出する時に、予測部は、噛み込みが発生しうると予測する。
【0011】
この構成によれば、許容時間外に物品が検出されると、予測部は噛み込みが発生しうると予測する。したがって、噛み込みの可能性が、物品センサを用いた簡単な構成により判断される。
【0012】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第3観点に係る製袋包装機において、処理部と、噛み込みの発生を検知する噛み込み検知部と、をさらに備える。噛み込み検知部が噛み込みの発生を検知しない場合に、処理部は、設定記憶部が記憶する許容時間を、より長い時間に更新する。
【0013】
この構成によれば、噛み込み検知部が実際に噛み込みを検知しない場合、許容時間が延長される。したがって、許容時間が自動的に最適化される。
【0014】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る製袋包装機において、警報部、をさらに備える。警報部は、所定時間内に所定の回数以上の噛み込みが発生した場合に、警報を発する。
【0015】
この構成によれば、噛み込みの発生頻度が高い場合に警報が発せられる。したがって、ユーザが許容時間の設定値を再検討する機会が得られる。
【0016】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る製袋包装機において、製品の袋の長さは第1長さである。噛み込みが発生しうると予測部が予測した場合に、切断機構がフィルム筒を切断しないことにより、第1長さより長い第2長さの袋を作る。
【0017】
この構成によれば、噛み込みが発生しうる場合に、製袋包装機は製品の長さよりも長い袋を作る。したがって、噛み込みが発生しえた不良製品を特定しやすい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る製袋包装機によれば、噛み込みに起因する不都合が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る製袋包装機20によって製造される製品Pの概略図である。
【
図8】製袋包装機20の各種信号のタイミングチャートである。
【
図9】排出される不良製品Qの一例を示す模式図である。
【
図10】排出される不良製品Qの一例を示す模式図である。
【
図11】本発明の変形例に係る製袋包装機20の処理部27のブロック図である。
【
図12】本発明の別の変形例に係る製袋包装機20の処理部27のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る製袋包装機の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本発明に係る製袋包装機の具体的な構成は、下記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0021】
(1)全体構成
図1は、本発明に係る製袋包装機によって製造される製品Pである。製品Pは、フィルムFによって作られた袋Bによって包装された物品である。袋Bには、縦シール部XLと横シール部XTが形成される。
【0022】
図2に示すように、本発明に係る製袋包装機20は計量機10の下方に設置される。計量機10は、所定の重量の物品Aを製袋包装機20へ落下させる。製袋包装機20は物品Aを受け取り、その物品AをフィルムFで包装することによって、製品Pを製造する。製袋包装機20の動作の1サイクルにおいて、1つの製品Pが製造される。
【0023】
(2)詳細構成
図2に示すように、製袋包装機20は、搬送機構21、フィルム成形機構22、縦シール機構23、横シール機構24、切断機構25、物品センサ26、処理部27を有する。
【0024】
(2-1)搬送機構21
搬送機構21は、フィルムロールFRから引き出したフィルムF、及び製品Pを搬送する。搬送機構21は、ローラ21a、21b、21c、プルダウンベルト21d、コンベアベルト21eを有する。
【0025】
(2-2)フィルム成形機構22
フィルム成形機構22は、平面状のフィルムFを丸めて筒状にする。フィルム成形機構22は、フォーマ22aと、チューブ22bとを有する。フォーマ22aは、平面状のフィルムFを変形させて、チューブ22bを取り囲むようにさせる。
【0026】
(2-3)縦シール機構23
縦シール機構23は、フィルムFからフィルム筒FTを形成する。フィルム筒FTは縦シール部XLを有する。縦シール機構23は、縦シール機構23はヒータを有しており、フィルムFの2つの縦辺を一時的に軟化させる。軟化した2つの縦辺は一緒に固着し、縦シール部XLとなる。フィルム成形機構22のチューブ22bは、上方から落下する物品Aをフィルム筒FTの中に案内するガイドとして機能する。
【0027】
(2-4)横シール機構24
横シール機構24は、サイクル毎に、フィルム筒FTにおいて1つの横シール部XTを形成する。横シール機構24は、第1シールジョー24a、及び第2シールジョー24bを有する。第1シールジョー24a及び第2シールジョー24bの両方がヒータを有しており、フィルム筒FTの一部を一時的に軟化させる。軟化した一部は固着し、横シール部XTとなる。
【0028】
(2-5)切断機構25
切断機構25は、サイクル毎に、横シール部XTにおいてフィルム筒FTを切断する。切断機構25は横シール機構24に設けられている。切断機構25は、ナイフ25aと受容部25bを含む。ナイフ25aは、第1シールジョー24aに設けられている。受容部25bは、第2シールジョー24bに設けられている。ナイフ25aは延出及び退避できる。延出したナイフ25aは受容部25bに収容される。
【0029】
(2-6)物品センサ26
物品センサ26は上方から落下する物品Aを検知する。物品センサ26は例えば光センサであるが、これに限定されない。物品センサ26の取り付け場所は例えばチューブ22bの上方かつ計量機10の下方であるが、この場所に限定されない。
【0030】
例えば、フィルムFがチューブ22bを取り囲んでいる箇所26aに物品センサ26が設けられても良い。この場合、チューブ22bにおける箇所26aに隣接する場所において開口が設けられる。物品センサ26の光センサの投光器から出射される光は、フィルムFを透過した後、チューブ22bの開口を通過し、物品Aに照射される。
【0031】
(2-7)処理部27
処理部27は、製袋包装機20の動作を統括する。処理部27は、CPU及び記憶装置からなるコンピュータである。
図3は処理部27の構成を示す。処理部27は、中央処理部100、製品設定記憶部111、噛み込み設定記憶部112、噛み込み予測部113、搬送機構制御部121、縦シール機構制御部123、横シール機構制御部124、切断機構制御部125、計量機通信部130を有する。
【0032】
中央処理部100は、様々な演算及び制御を行う。製品設定記憶部111は、製造すべき製品Pの袋Bのサイズ、フィルムFの種類、その他の設定を記憶する。噛み込み設定記憶部112は、正常又は異常とみなす物品Aの落下タイミングに関する設定を記憶する。噛み込み予測部113は、サイクル毎に、物品センサ26の出力信号を噛み込み設定記憶部112に記憶されている設定と比較して、製袋包装機の当該サイクルにおいて噛み込みが発生しうるか否かを予測する。搬送機構制御部121、縦シール機構制御部123、横シール機構制御部124、及び切断機構制御部125は、それぞれ、搬送機構21、縦シール機構23、横シール機構24、及び切断機構25を制御する。計量機通信部130は、計量機10との通信を行う。
【0033】
(3)フィルムF
図4は、物品Aの包装に使用されるフィルムFである。フィルムFは長手方向Lに延び、長手方向Lと垂直な横方向Tに一定の幅を有する。長さDごとに製品Pの1個分の包装に相当する図柄が印刷されている。
【0034】
図5は、縦シール機構23において形成されたフィルム筒FTを示す。フィルム筒FTには、縦シール部XLが形成されている。
【0035】
図6は、横シール機構24において形成された横シール部XTを示す。切断機構25によって切断される切断位置CPは、横シール部XTにある。
【0036】
(4)横シール機構24の基本動作
図7は、横シール機構24の詳細を示す。横シール機構24は、1対のシールジョー24a、24bに加え、1対のアーム242a、242b、及び1対の回転軸243a、243bを有する。1対のアーム242a、242bは、それぞれ回転軸243a、243bの周りを回転する。回転軸243a、243bは、矢印に示すように水平方向に移動することができる。アーム242a、242bの回転と回転軸243a、243bの移動を同期させることにより、シールジョー24a、24bは二点鎖線で示すD字形の軌道を移動する。D字形の軌道は、直線部分R1と曲線部分R2を有する。直線部分R1において、シールジョー24a、24bはフィルムFの搬送速度と同じ速度で下降する。これにより、横シール部XTが形成される。直線部分R1の最終段階において、切断機構25が横シール部XTを切断する。
【0037】
(5)噛み込み対策
(5-1)噛み込み予測
図8は、製袋包装機20の各種信号のタイミングチャートである。サイクル時間Tcは、製袋包装機20が1つの製品Pを作るサイクルの長さである。排出要求信号ERは、製袋包装機20から計量機10に対して物品Aの排出を要求する信号であり、1回のサイクルに1回発される。一例では排出要求信号ERはサイクルの起点として扱われるが、サイクルの起点はこれに限られない。排出完了信号ECは、計量機10が排出要求信号ERに応答して物品Aを排出したことを、製袋包装機20に対して報告する信号である。物品検出信号ADは、物品センサ26による落下中の物品Aの検出を示す信号である。
【0038】
許容時間信号PTは、物品センサ26の場所における物品Aの通過が許容されるタイミングを指定する。許容時間信号PTの波形は、2つのパラメータにより決定される。第1は、オフセット時間T1である。第2は、許容時間T2である。オフセット時間T1は、動作サイクルの起点から開始する。許容時間T2は、オフセット時間T1の終点から開始する。オフセット時間T1及び許容時間T2は、それらの和がサイクル時間Tcより短くなるように設定される。これらのパラメータは、処理部27の噛み込み設定記憶部112に記憶される。
【0039】
シールジョー状態SJは、シールジョー24a、24bが直線部分R1と曲線部分R2のいずれにあるかを示す。切断信号CTは、切断機構25に横シール部XTの切断を行わせる。
【0040】
噛み込み予測部113は、許容時間信号PTがハイレベルの時に物品センサ26に物品Aが検出される場合、物品Aが正常な落下タイミングで落下しているとみなす。噛み込み予測部113は、許容時間信号PTがローレベルの時に物品センサ26に物品Aが検出される場合、物品Aが噛み込みを誘発しうると予測する。例えば、噛み込み予測部113は、物品検出信号ADのパルスAD1の存在に基づいて、そのサイクルにおける噛み込みの発生を予測する。
【0041】
(5-2)噛み込み予測時の動作(切断停止)
あるサイクルにおいて、噛み込み予測部113が噛み込みの発生を予測する場合、横シール機構制御部124は、そのサイクルにおいて、切断機構25を停止させる。これにより、そのサイクルにおいて、横シール部XTの切断がなされない。
【0042】
(5-3)排出される不良製品Q
切断機構25の停止により、製袋包装機20は製品Pの不良製品Qを排出する。不良製品Qは、
図9に示すように、2つの袋Bが横シール部XTを介して連結したものである。不良製品Qの長さである第2長さD2は、製品Pの長さである第1長さD1よりも長い。
【0043】
(6)特徴
(6-1)
噛み込みが発生しうるサイクルにおいて、切断機構25はフィルム筒FTを切断しない。したがって、物品Aがフィルム筒FTの切断位置CPから外部へ出る事象が抑制される。
【0044】
(6-2)
許容時間T2を外れて物品Aが検出されると、噛み込み予測部113は噛み込みが発生しうると予測する。したがって、噛み込みの可能性が、物品センサ26を用いた簡単な構成により判断される。
【0045】
(6-3)
噛み込みが発生しうる場合に、製袋包装機20は製品Pの長さよりも長い袋を作る。したがって、噛み込みが発生した箇所を含んでいる不良製品Qを特定しやすい。
【0046】
(7)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。複数の変形例を組み合わせてもよい。
【0047】
(7-1)噛み込み予測時の動作(横シール動作停止)
上記実施形態では、噛み込み予測部113が噛み込みの発生を予測する場合、横シール機構制御部124は、そのサイクルにおいて、切断機構25を停止させる。これに加えて、横シール機構制御部124は、そのサイクルにおいて、横シール機構24を停止させてもよい。
【0048】
具体的には、横シール機構制御部124は、シールジョー24a、24bを
図7のD字形の軌道の曲線部分R2にある地点Vで停止させる。これにより、そのサイクルにおいて、シールジョー24a、24bはフィルム筒FTと接触しない。
【0049】
排出される不良製品Qは、
図10に示すように、2つの袋Bが横シール部XTを介さずに連結したものとなる。
【0050】
この構成によれば、噛み込みが発生しうるサイクルにおいて、横シール機構24はフィルム筒FTに横シール部XTを形成しない。したがって、横シール動作によるフィルムFの損傷が抑制されるので、物品Aがフィルム筒FTの外部へ出る事象がさらに抑制される。
【0051】
(7-2)噛み込み検知部
図11に示すように、横シール機構24は、噛み込みの実際の判定を検知する噛み込み検知部126をさらに有してもよい。噛み込み検知部126は、例えば、横シール機構24のアーム242a、242bを駆動するモータの電流を監視する電流監視部として構成される。この場合、所定の閾値を超える電流がモータに流れる場合には、噛み込み検知部126は、噛み込みが発生していると判断する。
【0052】
さらに、噛み込み検知部126が噛み込みを検知しない場合、中央処理部100は、許容時間T2の長さを、所定の増加分だけ増加させた長さに更新して、噛み込み設定記憶部112に書き込んでもよい。
【0053】
この構成によれば、噛み込み検知部126が実際に噛み込みを検知しない場合、許容時間T2が延長される。したがって、許容時間T2が自動的に最適化される。
【0054】
(7-3)警報部
図12に示すように、製袋包装機20は、所定時間内に所定の回数以上の前記噛み込みが発生した場合に、警報を発する警報部28をさらに備えてもよい。
【0055】
この構成によれば、噛み込みの発生頻度が高い場合に警報が発せられる。したがって、ユーザが許容時間T2の設定値を再検討する機会が得られる。
【0056】
(7-4)横シール機構24の構造
上記実施形態では、横シール機構24のシールジョー24a、24bを
図7のD字形の軌跡を移動する。これに代えて、シールジョー24a、24bは水平方向に往復してもよい。
【0057】
この構成によれば、横シール機構24の構造が簡単である。
【0058】
(7-5)切断機構25の構造
上記実施形態では、切断機構25はナイフ25aで横シール部XTを切断する。これに代えて、切断機構25はシールジョー24a、24bのヒータの熱で横シール部XTを溶断させる構成としてもよい。
【0059】
この構成によれば、機構部品が少ないので、製袋包装機20のメンテナンスの観点で有利である。
【符号の説明】
【0060】
10 :計量機
20 :製袋包装機
21 :搬送機構
22 :フィルム成形機構
22a :フォーマ
22b :チューブ
23 :縦シール機構
24 :横シール機構
25 :切断機構
26 :物品センサ
27 :処理部
100 :中央処理部
111 :製品設定記憶部
112 :噛み込み設定記憶部
113 :噛み込み予測部
A :物品
AD :物品検出信号
B :袋
CP :切断位置
CT :切断信号
EC :排出完了信号
ER :排出要求信号
F :フィルム
FR :フィルムロール
FT :フィルム筒
P :製品
PT :許容時間信号
R1 :直線部分
R2 :曲線部分
T1 :オフセット時間
T2 :許容時間
Tc :サイクル時間
XL :縦シール部
XT :横シール部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】