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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】スプレーガンの噴射ノズル構造
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/06 20060101AFI20220512BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
B05B7/06
B05B7/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020162599
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2021053635
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】108212931
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520376591
【氏名又は名称】施念祖
【氏名又は名称原語表記】Nien-Tsu Shih
【住所又は居所原語表記】No. 121, Sec. 5, Yanhai Rd., Fuxing Township, Changhua County 506, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】施念祖
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-196950(JP,A)
【文献】国際公開第2001/002099(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0023376(US,A1)
【文献】特開2014-034020(JP,A)
【文献】特開2014-033993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-17/08
B05D 1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーガンの噴射ノズル構造であって、
前記噴射ノズル前端に、塗料を噴き出す噴出し口が設けられ、また前記噴出し口を中心に前端から外へ拡張してガイドリング面が設けられ、前記ガイドリング面と前記噴出し口との間には45度~75度のガイド角が形成され、また前記噴射ノズルは前端外周から前記ガイドリング面にまで貫通され、等距離に複数のU字型の円弧溝が設けられ、前記U字型は、前記噴射ノズルの長手方向に垂直する前記ガイドリング面の断面においてU字型であり、前記噴射ノズルのガイドリング面はさらに前へ延伸しながら漸縮して内縮リング面があり、前記円弧溝が気体を通過させるために用いられ、前記内縮リング面と前記噴出し口との間には30度~45度のガイド角が形成される、ことを特徴とするスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項2】
前記ガイドリング面と前記噴射ノズルとの間には60度のガイド角が形成されることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項3】
前記噴射ノズルとスプレーガンを組み立てる時、さらに空気かぶせ蓋によって包まれ、前記空気かぶせ蓋の中央に貫通孔が設けられたことで、前記噴射ノズルの前端が突設されて突き出され、また前記噴射ノズルの前端は前記貫通孔の外より0.7~1.2mm突き出されることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項4】
前記内縮リング面と噴射ノズルとの間には38度のガイド角が形成されることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項5】
前記噴射ノズルとスプレーガンとを組み立てる時、さらに空気かぶせ蓋によって包まれ、前記空気かぶせ蓋の中央に貫通孔が設けられたことで、前記噴射ノズルの前端が突設されて突き出され、また前記噴射ノズルの前端は前記貫通孔の外より0.7~1.2mm突き出されることを特徴とする請求項1または4のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項6】
前記円弧溝の両側辺は互いに平行であることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項7】
前記円弧溝の両側辺は平行ではなく、1度~9度の外へ拡張する角があることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項8】
前記円弧溝の開口幅は0.8mm~1.2mmの間にあることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項9】
前記円弧溝の底部の両端はそれぞれR角が設けられ、前記R角は0.2mmR~0.5mmRの間であることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項10】
前記R角は0.4mmであることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【請求項11】
前記円弧溝の長さは2.5mm~3.5mmの間にあることを特徴とする請求項1のスプレーガンの噴射ノズル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は噴射ノズルに関し、特にスプレーガンの噴射ノズル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスプレーガンの噴射ノズル構造は図12から図16を参照されたい。該噴射ノズル30の前端には噴出し口31が設けられ、また該噴出し口31を中心に、内周から前端に向かって拡張するようにガイドリング壁32が形成される。該噴射ノズル30の外周は長辺方向から前端に向かうガイドリング壁32には複数のV字型の空気溝33が設けられる。上述噴射ノズル30とスプレーガン40を組み立てる時、該噴射ノズル30の前方はさらに空気かぶせ蓋41によって包まれて制限され、該空気かぶせ蓋41の前端中央に貫通孔411が設けられることで、噴射ノズル30の前端が突き出されるために提供する。また該噴射ノズル30の前端と該貫通孔411によってリング状スリット412が形成されることで、気流が導出され、該噴出し口31より導出される塗料とぶつかり合って混合され、塗料が導出されて塗装の目的を達する。
【0003】
上述の従来構造をよく見ると不足する部分が残っていることが分かる。主な原因は、該噴射ノズル30の周辺の空気溝33がV字型に呈し、即ち該空気溝33は前が狭く、後ろが広いという漸縮構造であるため、スプレー気流が通過する時、先に空気溝33の円錐状の狭い溝を接触し、気流が該空気溝33を通過する時はすでに流量の制限を受けるため、通過した気流の流量が大幅に減少され、塗料が噴出される動力も影響されるため、塗料が噴き出す量が減少されるだけでなく、塗料がぶつかり合って分裂する機会も減少され、塗料の粒子が荒くなり、塗装の仕上がりがよくない状況になる。また気流量が不足する時、塗料が逆戻りすることで空気かぶり蓋41の上または貫通孔411に付着したり、ひどい時は該リング状スリット412をふさいだりするため、塗装作業に悪影響を与え、実用性を欠ける。
【0004】
従って、本発明者は長年にわたって関係商品の製造開発と設計をした経験により、上述の目標について、詳しく設計をして慎重に評価した結果、実用性に満ちた本発明を得た。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在技術における上述の欠点を解決し、スプレーガンの噴射ノズル構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の噴射ノズルは、前端に噴出し口が設けられ、また該噴出し口を中心に前端から外へ拡張してガイドリング面が設けられ、該ガイドリング面と該噴出し口との間には45度~75度のガイド角が形成され、また該噴射ノズルは前端外周から該ガイドリング面にまで貫通され、等距離に複数のU字型の空気円弧溝が設けられる。
【0007】
好ましくは、該ガイドリング面と該噴射ノズルとの間には60度のガイド角が形成される。
【0008】
好ましくは、該噴射ノズルとスプレーガンを組み立てる時、さらに空気かぶせ蓋によって包まれる。該空気かぶせ蓋の中央に貫通孔が設けられたことで、該噴射ノズルの前端が突設されて突き出される。また該噴射ノズルの前端は該貫通孔の外より0.7~1.2mm突き出される。
【0009】
好ましくは、該噴射ノズルのガイドリング面はさらに前へ延伸しながら漸縮して内縮リング面があり、該内縮リング面と該噴出し口との間には30度~45度のガイド角が形成される。
【0010】
好ましくは、上述内縮リング面と噴射ノズルとの間には38度のガイド角が形成される。
【0011】
好ましくは、該噴射ノズルとスプレーガンを組み立てる時、さらに空気かぶせ蓋によって包まれる。該空気かぶせ蓋の中央に貫通孔が設けられたことで、該噴射ノズルの前端が突設されて突き出される。また該噴射ノズルの前端は該貫通孔の外より0.7~1.2mm突き出される。
【0012】
好ましくは、上述空気円弧溝の両側辺は互いに平行である。
好ましくは、上述空気円弧溝の両側辺は平行ではなく、1度~9度の外へ拡張する角がある。
【0013】
好ましくは、上述空気円弧溝の開口幅は0.8mm~1.2mmの間にある。
【0014】
好ましくは、上述空気円弧溝の底部の両端はそれぞれR角が設けられ、該R角は0.2mmR~0.5mmRの間である。
【0015】
好ましくは、上述空気円弧溝のR角は0.4mmである。
【0016】
好ましくは、上述空気円弧溝の長さは2.5mm~3.5mmの間にある。
【0017】
従来技術の効果を対照すると、該噴射ノズルの前端外周辺には複数のU字型の空気円弧溝が設けられ、上述空気円弧溝のU字型デザインによって同じ溝幅が形成されると、高圧気体が空気円弧溝を通過する時の流量が一致されることで、高圧気体の通過と導出量が増加され、塗料がぶつかり合って分解する機会が増やされるため、塗料が十分な高圧気体によって押し合うことで粒子がより細かくなり、同時に塗料の噴出し流量が増加されるため、塗料は確実に噴射ノズルの前端より噴出され、塗装効率が大幅に向上されるとともに、塗装作業の仕上がりが保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係るスプレーガンの噴射ノズル構造を示す立体図である。
図2図2は、本発明に係るスプレーガンの噴射ノズル構造を示す断面図である。
図3図3は、本発明の噴射ノズル前端を示す局部拡大断面図である。
図4図4は、本発明の噴射ノズル前端を示す局部拡大側視図である。
図5図5は、本発明の噴射ノズル前端を示す局部拡大前視図である。
図6図6は、本発明とスプレーガンとの組み立て及び使用状態を示す図である。
図7図7は、本発明とスプレーガンとの組み立ての局部拡大を示す図である。
図8図8は、本発明の噴射ノズルと空気かぶせ蓋との組み立てを示す前視図である。
図9図9は、本発明の別の実施例を示す立体図である。
図10図10は、本発明の別の実施例を示す断面図である。
図11図11は、本発明の別の実施例とスプレーガンとの組み立ての局部拡大を示す図である。
図12図12は、本発明に係るスプレーガンの噴射ノズル構造を示す立体図である。
図13図13は、従来の噴射ノズル前端を示す局部拡大断面図である。
図14図14は、従来の噴射ノズル構造とスプレーガンとの組み立て及び使用状態を示す図である。
図15図15は、従来の噴射ノズル構造とスプレーガンとの組み立ての局部拡大を示す図である。
図16図16は、従来の噴射ノズルと空気かぶせ蓋との組み立てを示す前視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、図1図2図3及び図4図5を合わせて参照されたい。本発明の噴射ノズル10は、前端に噴出し口11が設けられ、また該噴出し口11を中心に前端から外へ拡張してガイドリング面12が設けられ、該ガイドリング面12と該噴出し口11との間には45度~75度のガイド角が形成され、該ガイド角の好ましい角度は60度である。また該噴射ノズル10の外周から前端に延伸して該ガイドリング面12にまで貫通され、等距離に複数のU字型の空気円弧溝13が設けられる。
【0020】
上述噴射ノズル10の前端にある噴出し口11の中心と上述空気円弧溝13の底面には0.8~1.2mmの間隔距離が有され、より好ましい気流によって気流速度がガイドされるため、より好ましい物化効果を奏し、また洗浄しやすくなる。
【0021】
上述空気円弧溝13の両側辺は互いに平行である。
【0022】
上述空気円弧溝13の両側辺は平行ではなく、1度~9度の外へ拡張する角がある。
【0023】
好ましくは、上述空気円弧溝13の開口幅は0.8mm~1.2mmの間にあり、上述開口幅は1.0mmである。
【0024】
上述空気円弧溝13の底部の両端にはそれぞれR角が設けられ、該R角は0.2mmR~0.5mmRの間であり、最も好ましくは、上述R角は0.4mmRである。
【0025】
上述空気円弧溝13の長さが2.5mm~3.5mmの間にある時に最も好ましい空気流量が得られる。
【0026】
上述噴射ノズルとスプレーガンとの組み立てはさらに図6図7図8を参照されたい。該噴射ノズル10とスプレーガン20を組み立てる時、さらに空気かぶせ蓋21によって包まれる。該空気かぶせ蓋21の中央に貫通孔211が設けられたことで、該噴射ノズル10の前端が突設されて突き出される。また該噴射ノズル10の前端は該貫通孔211の外より0.7~1.2mm突き出され、また該噴射ノズル10の前端と該貫通孔211の間にリング状スリット212が形成される。
【0027】
構造における実際の使用状態は引き続き図6図7図8を参照されたい。該スプレーガン20が塗装作業を行う時、塗料Aは噴出し口11より噴き出て、さらに噴射ノズル10の外周辺が該空気かぶせ蓋21の貫通孔211との間に形成されたリング状スリット212によって高圧気体Bを送り出すことで、高圧気体Bによって塗料Aを送り出し、そして混合させて塗装の目的を達する。上述高圧空気がリング状スリット212を通過する時、該噴射ノズル10の前端外周辺には複数のU字型の空気円弧溝13が設けられるため、上述空気円弧溝13のU字型デザインによって同じ溝幅が形成されると、高圧気体Bが空気円弧溝13を通過する時の流量が一致されることで、高圧気体Bの通過と導出量が増加され、塗料がぶつかり合って分解する機会が増やされるため、塗料Aが十分な高圧気体によって押し合うことで粒子がより細かくなると同時に、塗料Aの吹き出し流量が増量され、塗料Aを確実に噴射ノズル10の前端より送り出され、空気かぶせ蓋21の周辺またはリング状スリット212の間に残留することが避けられるため、塗装効率が大幅に向上され、塗装作業の仕上がりが保たれる。
【0028】
本発明を使用する時、低圧空気7.5psiだけで塗料に初期物化効果を生じさせることができる。従来では14.5psi以上に達しないと、塗料に初期物化効果を生じさせることができなかったため、本発明は低圧空気の塗装作業に応用でき、構造の実用性を大幅に向上できる。
【0029】
構造の別の実施例は図9図10図11を参照されたい。該噴射ノズル10のガイドリング面12はさらに前へ延伸しながら漸縮して内縮リング面121があり、該内縮リング面121と該噴出し口11との間には30度~45度のガイド角が形成される。上述ガイド角の最も好ましい角度は38度である。該噴射ノズル10の前端には異なる角度のガイドリング面12と内縮リング面121とを有する。上述噴射ノズル10と該スプレーガン20とを組み立てる時、さらに該空気かぶせ蓋21によって包まれ、該空気かぶせ蓋21の貫通孔211は該噴射ノズル10の前端が突設されて突き出され、また該噴射ノズル10の前端は該貫通孔211より0.7~1.2mm突き出される。
以上は、本発明に係る実施例の一部に過ぎないため、本発明の実施範囲を制限するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲内で行われる変化、修飾なども本特許請求の範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0030】
10 噴射ノズル
11 噴出し口
12 ガイドリング面
121 内縮リング面
13 空気円弧溝
20 スプレーガン
21 空気かぶせ蓋
211 貫通孔
212 リング状スリット
A 塗料
B 高圧気体
30 噴射ノズル
31 噴出し口
32 ガイドリング壁
33 空気溝
40 スプレーガン
41 空気かぶせ蓋
411 貫通孔
412 リング状スリット
A 塗料
B 高圧気体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16