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特許7071779脱着式工具穴用軸体付きドライバービット
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  • 特許-脱着式工具穴用軸体付きドライバービット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】脱着式工具穴用軸体付きドライバービット
(51)【国際特許分類】
   B25B 15/00 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
B25B15/00 610A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022024054
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2022-02-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】719007453
【氏名又は名称】原澤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】原澤 和彦
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-082428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 15/00
B25B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具溝(8)の中央に工具穴(7)を有するネジ(6)に使用する、ビット本体(1)に、ビット先端(2)と、軸体収納筒(3)と、工具穴用軸体(4)を備えた、工具穴用軸体付きドライバービットであって、ビット本体(1)内の軸体収納筒(3)に、ビット先端(2)から工具穴用軸体(4)の軸状突起部(5)が突出するように、ビット本体(1)とは別体の交換可能な工具穴用軸体(4)を装着する構造を特徴とする、脱着式工具穴用軸体付きドライバービット。
【請求項2】
ビット先端(2)がビット本体(1)の片側一端に形成されるビット本体(1)において、工具穴用軸体(4)の軸状突起部(5)が、ビット先端(2)から突出するように、配設される構造を持つことを特徴とする、請求項1の脱着式工具穴用軸体付きドライバービット。
【請求項3】
ビット先端(2)がビット本体(1)の両端に形成されるビット本体(1)において、工具穴用軸体(4)の軸状突起部(5)が、両端のビット先端(2)から突出するように、配設される構造を持つことを特徴とする、請求項1の脱着式工具穴用軸体付きドライバービット。
【請求項4】
ビット先端(2)がビット本体(1)の両端に形成されるビット本体(1)において、工具穴用軸体(4)の軸状突起部(5)が、片側一方のビット先端(2)から突出するように、配設される構造を持つことを特徴とする、請求項1の脱着式工具穴用軸体付きドライバービット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバービットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
慣用の電動ドライバーまたは手動ドライバーでは、部材への木ネジねじ込み時にビット先端と木ネジが分離しているため、芯ブレを防ぐための対策として、ビット本体のビット先端に軸状の突起部を設け、それに契合した機械溝とホールを持った木ネジをセットして使用する、特許文献1の先行技術があるが、ビット先端と軸状突起部が一体成形となっており、軸状突起部が破損した場合、破損した軸状突起部のみを交換できないため、ビットそのものを交換する必要があり、コスト面での課題があった。
【0003】
また、特許文献2、3は、いずれもドライバー先端中央に丈の短い突起を設け、それに契合したネジ頭部の工具溝を有するネジをセットし、部材へのネジ螺入時にドライバー先端の横ずれ防止や中心の位置決めのみを目的したものであるが、これらもドライバー本体と一体成形のため、突起部が破損したとき、突起部分のみを交換する構造を有していないため、同様な課題を有している。
【0004】
この構造的欠点を補うために、ビット本体とは別体で交換が可能な、軸状突起部を持った突出する工具穴用軸体を、ビット本体の内に装着する形態をとることで、突起部破損時に工具穴用軸体のみの交換で済み、コスト面での改善が図れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭63-121807号公報
【文献】特開2001-82428号公報
【文献】実開昭53―19900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビット本体のビット先端に軸状突起部を設け、それに契合した工具溝と工具穴を持った木ネジをセットして使用するドライバービットの持つ課題は、軸状突起部がビットと一体型のため、軸状突起部が破損した場合、ビット本体の交換が必要であった。
【0007】
本発明は、これを解決するために、ビット本体と工具穴用軸体を独立させ、工具穴用軸体の軸状突起部が破損した場合、工具穴用軸体のみを交換するだけで使い続けられる、工具穴用軸付きドライバービットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
工具溝8の中央に工具穴7を有するネジ6に使用する、ビット本体1に、ビット先端2と、軸体収納筒3と、工具穴用軸体4を備えた、工具穴用軸体付きドライバービットであって、ビット本体1内の軸体収納筒3に、ビット先端2から工具穴用軸体4の軸状突起部5が突出するように、ビット本体1とは別体の交換可能な工具穴用軸体4を装着する構造を特徴とする、脱着式工具穴用軸体付きドライバービットである。
【0009】
ビット先端2がビット本体1の片側一端に形成されるビット本体1において、工具穴用軸体4の軸状突起部5が、ビット先端2から突出するように、配設される構造を持つことを特徴とする、脱着式工具穴用軸体付きドライバービットである。
【0010】
ビット先端2がビット本体1の両端に形成されるビット本体1において、工具穴用軸体4の軸状突起部5が、両端のビット先端2から突出するように、配設される構造を持つことを特徴とする、脱着式工具穴用軸体付きドライバービットである。
【0011】
ビット先端2がビット本体1の両端に形成されるビット本体1において、工具穴用軸体4の軸状突起部5が、片側一方のビット先端2から突出するように、配設される構造を持つことを特徴とする、脱着式工具穴用軸体付きドライバービットである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のソケット式工具穴用軸付きドライバービットは、先行発明の工具穴用軸付きドライバービットにはなかった、工具穴用軸体をビット本体とは別体の独立構造をとるため、工具穴用軸体の軸状突起部が破損した場合や、工具穴の直径や深さの異なる木ネジに対し、 工具穴用軸体のみの交換で使用可能になるため、汎用性が高くなりコスト面でも大きなメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)ビット本体1と、ビット先端2と、軸状突起部5と、ネジ6との関係を示した、ビット本体1の片側にビット先端2が形成される場合の斜視図である。(b)ビット本体1と、ビット先端2と、軸状突起部5と、ネジ6との関係を示した、ビット本体1の片側にビット先端2が形成される場合の断面図である。
図2】(a)ビット本体1と、ビット先端2と、軸状突起部5に、ネジ6をセットした状態を示した、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合の斜視図である。(b)ビット本体1と、ビット先端2と、軸状突起部5に、ネジ6をセットした状態を示した、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合の断面図である。
図3】(a)ビット本体1に設けた軸体収納筒3に、軸ストッパー9を持つ工具穴用軸体4をセットした状態を示した、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合の断面図である。(b)雌ねじ部10を有するビット本体1に設けた軸体収納筒3に、軸ストッパー9と、雄ねじ部11を有する工具穴用軸体4をセットした状態を示した、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合の断面図である。
図4】(a)雌ねじ部10を有する、ビット本体1に設けた軸体収納筒3に、軸ストッパー9を持つ工具穴用軸体4をセットし、雄ねじ部11を有する蓋12をした状態を示した、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合の断面図である。(b)雌ねじ部10を有する、ビット本体1に設けた工具穴用軸収納筒3に、軸ストッパー9を持つ工具穴用軸体3と、弾性体12をセットし、雄ねじ部11を有する蓋12をした状態を示した、ビット本体1の片側にビット先端2が形成される場合の断面図である。
図5】(a)雌ねじ部10と雄ねじ部11を有し、分割可能なビット本体1の両端のビット先端2から、軸ストッパー9を持つ工具穴用軸体4の軸状突起部5が突出する状態を示した、ビット本体1の両サイドにビット先端2が形成される場合の断面図である。 (b)雌ねじ部10と雄ねじ部11を有し、分割可能なビット本体1の片側一方のビット先端2から、軸ストッパー9を持つ工具穴用軸体4の軸状突起部5が突出する状態を示した、ビット本体1の両サイドにビット先端が形成される場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1(a)(b),図2(a)(b)のように、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合は、ビット先端2と、軸体収納筒3と、工具穴用軸体4から構成され、軸体収納筒3に別体の工具穴用軸体4を挿入して使用する形態をとる。
【0015】
図3(a)(b)、図4(a)(b)、図5(a)(b)のように、ビット先端2と、軸体収納筒3と、工具穴用軸体4から構成されるビット本体1は、ビット本体1の片側一端に形成されたビット先端2から軸状突起部5が突出する構造と、ビット本体1の両端に形成された両方のビット先端2から軸状突起部5が突出する構造と、ビット本体1の両端に形成されたビット先端2の片側から軸状突起部5が突出する構造の、3種の形態をとり、ビット先端2と軸状突起部5に磁力を持たせることによって、装着したネジ6が磁気に反応する金属に対し、脱落防止効果を持たせることも可能である。
【0016】
図3(a)(b)のように、ビット本体1の片側一端にビット先端2が形成される場合は、ビット先端2の反対側より、軸体収納筒3に工具穴用軸体4を、軸ストッパー9がビット先端2の反対側に触れるところまで挿入する形態をとる。
【0017】
また、図3(b)のように、ビット本体1に形成されたビット先端2とは反対側の軸体収納筒3に雌ねじ部10 を形成し、工具穴用軸体4の軸ストッパー9側に雄ねじ部11を形成することによって、工具穴用軸体4にビット本体1に固定する形態をとることも可能である。
【0018】
図4(a)(b)のように、ビット本体1の軸体収納筒3に収納した工具穴用軸体4を、ネジ付き蓋13で固定する形態では、ネジ付き蓋13で、直接、軸ストッパー9を押さえる構造と、ネジ付き蓋13で軸ストッパー9の間に弾性体12を入れる構造の、2種の形態をとる。
【0019】
図5(a)(b)のように、ビット本体1を2分割する合わせ目に、雌ねじ11と雄ねじ12が切られ、ビット本体1の両端にビット先端2が形成される構造において、ビット本体1と別体の工具穴用軸体4は、ビット本体1の両端に形成されたビット先端2から軸状突起部5が突出する形態と、ビット本体1の片側一端に形成されたビット先端2から軸状突起部5が突出する形態の、2種の形態をとり、工具穴用軸体4は軸ストッパー9によってビット本体1内に固定される。
【0020】
ネジ6に配設される工具溝8とは、鍋ネジや皿ネジ等の頭部のプラス溝とマイナス溝の双方を指し、中央に工具穴7を有するネジとは、主に先の尖った形状の木ネジ等を指す。
【0021】
工具穴用軸体4に配設される軸状突起部5の長さと外径と形状は、軸体収納筒3内に収まる部分が、ネジ6の工具穴7に契合するように、ネジ6の工具穴7の形態に応じ、工具穴7の直径や深さや形状にバリエーションを持った形態をとる。
【符号の説明】
【0022】
1 ビット本体
2 ビット先端
3 軸体収納筒
4 工具穴用軸体
5 軸状突起部
6 ネジ
7 工具穴
8 工具溝
9 軸ストッパー
10 雌ねじ部
11 雄ねじ部
12 弾性体
13 ネジ付き蓋
【要約】
【要 約】工具溝(8)中央に、ビット先端(2)の軸状突起部(5)に契合する工具穴(7)を有するネジ(6)に使用する、工具穴用軸体付きドライバービットであって、ビット本体1に、ビット先端2と、軸体収納筒3を備え、ビット本体1内の軸体収納筒3に、ビット先端2から軸状突起部5が突出するように工具穴用軸体4を装着して使用する、ビット本体1とは別体の、交換可能な工具穴用軸体4を有する構造を特徴とする、脱着式工具穴用軸体付きドライバービット。
【課 題】ビット本体のビット先端に軸状突起部を設け、それに契合した機械溝と工具穴を持った木ネジをセットして使用するドライバービットの持つ課題は、軸状突起部がビットと一体型のため、軸状突起部が破損した場合、ビット本体の交換が必要であった。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5