(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】定電流および定電圧出力の独立した調節をともなう複出力単一磁気コンポーネントコンバーターのための制御装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20220512BHJP
H02M 7/21 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
H02M3/28 V
H02M7/21 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017225266
(22)【出願日】2017-11-23
【審査請求日】2020-08-26
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100181
【氏名又は名称】阿部 正博
(72)【発明者】
【氏名】アントニウス ヤコブス ヨハネス ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー デイビッド ウォーターソン
(72)【発明者】
【氏名】ユンコン アレックス ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン シルヴェール サン‐ピエール
【審査官】土井 悠生
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-147355(JP,A)
【文献】特開2010-263739(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017312(WO,A1)
【文献】特開2012-160321(JP,A)
【文献】特開2009-188135(JP,A)
【文献】特表2005-512486(JP,A)
【文献】特表2013-502689(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0125320(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0130516(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102625525(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力コンバーターであって、
前記電力コンバーターの入力に結合された一次巻線と複数の二次出力巻線とを含む単一磁気コンポーネントであって、
前記複数の二次出力巻線が、前記一次巻線と同じ磁心に巻かれており、
前記単一磁気コンポーネントの前記複数の二次出力巻線の各々が、電力を必要とする独立して制御および調節される出力の各々から受信されたフィードバック信号に応答して、前記独立して制御および調節される出力を提供するように結合され、
前記複数の二次出力巻線がいずれも、前記独立して制御および調節される出力のすべてのための共通戻り線に対して電気的に接続され、
前記独立して制御および調節される出力が、定電流出力もしくは定電圧出力、または、定電流出力と定電圧出力との両方を独立して調節するように結合された、
前記単一磁気コンポーネントと、
前記単一磁気コンポーネントの前記一次巻線に結合された一次側電力スイッチと、
前記一次側電力スイッチを制御して、前記電力コンバーターの前記入力から前記複数の二次出力巻線に電力パルスを伝達するように結合された一次スイッチ制御ブロックと、
前記共通戻り線に結合された同期整流器スイッチまたは、前記二次出力巻線の戻り線の一部またはすべてに結合された複数の同期整流器スイッチと、
前記同期整流器スイッチを制御して、前記一次側電力スイッチとスイッチングを同期し、前記一次巻線および前記複数の二次出力巻線の相補的な伝導を提供するように結合された二次制御ブロックと、
前記独立して制御および調節される出力に、複数の制御される電力パルススイッチを通して、前記複数の二次出力巻線が結合されるように、前記複数の二次出力巻線に結合された前記複数の制御される電力パルススイッチであって、
前記独立して制御および調節される出力の各々からの電力パルスの要求が、前記二次制御ブロックを通して前記一次スイッチ制御ブロックに伝達されて、前記一次側電力スイッチをオンに切り替えて、前記電力パルスを、前記複数の二次出力巻線に、および、前記複数の制御される電力パルススイッチを通して前記独立して制御および調節される出力に、伝達する、
前記複数の制御される電力パルススイッチと、
それぞれの前記フィードバック信号および電力需要に応答して、定電圧または定電流をもつように調節される前記独立して制御および調節される出力のすべてを調節するように結合された複出力制御ブロックと、
を備え、
前記複出力制御ブロックが、複出力信号処理およびインターフェース制御ブロックを含み、
前記複出力制御ブロックが、
前記二次制御ブロックとのインターフェースをとるように、および前記二次制御ブロックと信号をやりとりするように結合された二次制御ブロックへのインターフェースと、
前記二次制御ブロックへのインターフェースに結合された複出力信号処理ブロックと、
をさらに備え、
前記二次制御ブロックへのインターフェースが、前記複出力信号処理ブロックから複出力の前記電力パルスの前記要求を受信するように、および、前記二次制御ブロックに要求信号を伝達するように結合され、
前記二次制御ブロックへのインターフェースが、電力パルス要求信号の受信を是認する前記二次制御ブロックからの肯定信号を受信するように結合され、前記一次側電力スイッチおよび前記制御される電力パルススイッチにおけるスイッチング動作を同期するために前記複出力制御ブロックに伝達される同期整流器(SR)の有効化信号と順方向制御(FWC)信号とを受信するようにさらに結合される、
前記電力コンバーター。
【請求項2】
前記複数の二次出力巻線がいずれも、前記独立して制御および調節される出力のすべてのための前記共通戻り線に直列に電気的に接続された、
請求項1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項3】
前記複数の二次出力巻線が、直列巻線、並列巻線、または直列巻線と並列巻線との両方の組み合わせで結合された、
請求項1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項4】
定電流(CC)出力における定電流負荷が、複数の並列な発光ダイオード(LED)列を備える、
請求項1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項5】
前記一次スイッチ制御ブロックが、一次グランドを基準として、前記一次側電力スイッチのスイッチングを制御するように結合された、
請求項1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項6】
前記一次側電力スイッチのオン切り替えが、前記二次制御ブロックから前記電力パルスの前記要求を受信したことに応答するものであり、前記一次側電力スイッチのオフ切り替えが、一次電流パルスがピーク電流制限値に達したときに基づいて、決定される、
請求項5に記載の前記電力コンバーター。
【請求項7】
前記電力コンバーターが、絶縁電力コンバーターであり、
前記二次制御ブロックが、二次グランドを基準として、前記共通戻り線に結合された前記同期整流器スイッチを駆動するように結合された、
請求項6に記載の前記電力コンバーター。
【請求項8】
前記二次制御ブロックが、ガルバニック絶縁リンクを通した前記一次スイッチ制御ブロックに対する要求パルスを生成するように結合された、
請求項7に記載の前記電力コンバーター。
【請求項9】
前記ガルバニック絶縁リンクが、磁気/誘導リンクである、
請求項8に記載の前記電力コンバーター。
【請求項10】
前記一次スイッチ制御ブロックが、前記二次制御ブロックから受信された前記要求パルスに応答して、スイッチング駆動パルスを生成するように結合された、
請求項8に記載の前記電力コンバーター。
【請求項11】
LED列に結合された定電流出力にかかる電圧を制御するように、および、前記定電流出力における全電流を調節するように結合された電流シェアリングおよび調光制御ブロックをさらに備え、前記電流シェアリングおよび調光制御ブロックが、前記LED列における電流を等化するようにさらに結合された、
請求項
1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項12】
前記一次スイッチ制御ブロックおよび前記二次制御ブロックが、単一の集積回路に一体化されており、および、互いにガルバニック絶縁されており、
請求項1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項13】
前記一次スイッチ制御ブロックと前記二次制御ブロックと前記複出力制御ブロックとが、単一の集積回路に一体化された、
請求項
1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項14】
前記一次側電力スイッチが、独立した外部の電力スイッチであるか、または、前記一次スイッチ制御ブロック、前記二次制御ブロック、および前記複出力制御ブロックとともに前記単一の集積回路に一体化された、
請求項
13に記載の前記電力コンバーター。
【請求項15】
前記LED列における前記電流を正確に制御するための、電流源にわたる十分な電圧を提供するために、前記電流シェアリングおよび調光制御ブロックが、前記LED列のアノードにおける電圧を調節する、
請求項
11に記載の前記電力コンバーター。
【請求項16】
前記電流シェアリングおよび調光制御ブロックが、各前記LED列における電流のアナログ線形制御による前記LED列の調光機能を含む、
請求項
15に記載の前記電力コンバーター。
【請求項17】
前記電流シェアリングおよび調光制御ブロックが、各前記LED列における電流源に直列に結合されたスイッチのPWM制御により実施されるPWM調光を備える、前記LED列の調光機能を含む、
請求項
15に記載の前記電力コンバーター。
【請求項18】
前記PWM調光が、前記LED列の同相調光により実行される、
請求項
17に記載の前記電力コンバーター。
【請求項19】
前記PWM調光は、前記LED列の位相シフトされた調光により実行される、
請求項
17に記載の前記電力コンバーター。
【請求項20】
前記複出力信号処理ブロックが、負荷変化に応答して、前記一次側電力スイッチのホールドオフ期間を調整するようにさらに結合された、
請求項
1に記載の前記電力コンバーター。
【請求項21】
前記複出力信号処理ブロックが、負荷の上昇に応答して、前記一次側電力スイッチの前記ホールドオフ期間を短くするようにさらに結合され、
前記複出力信号処理ブロックが、負荷の低下に応答して、前記一次側電力スイッチの前記ホールドオフ期間を延ばすようにさらに結合された、
請求項
20に記載の前記電力コンバーター。
【請求項22】
前記複出力信号処理ブロックが、複数の状態を通りながら横断して、前記負荷変化に応答して、前記一次側電力スイッチの前記ホールドオフ期間を変化させるようさらに結合された、
請求項
21に記載の前記電力コンバーター。
【請求項23】
前記複出力信号処理ブロックが、一次オフ期間が終了する前にトリガーされた前記要求信号に応答して、前記一次側電力スイッチの前記ホールドオフ期間を短くするようにさらに結合され、
前記複出力信号処理ブロックが、前記一次オフ期間が終了する前に前記要求信号がトリガーされないこと応答して、前記一次側電力スイッチの前記ホールドオフ期間を延ばすようにさらに結合された、
請求項
21に記載の前記電力コンバーター。
【請求項24】
前記複出力信号処理ブロックが、
前記一次側電力スイッチのオン切り替えに応答して、ホールドオフ信号をハイに設定し、タイマーをリセットする工程と、
前記タイマーが目標ホールドオフ期間値に達する前に負荷の変化が検出されたとき、前記ホールドオフ信号をローに設定して、前記目標ホールドオフ期間値を、前記タイマーの関数である第1の値に等しく設定する工程と、
負荷の変化が検出されず、前記タイマーが前記目標ホールドオフ期間値に達しており、および係属中の要求が存在するとき、前記ホールドオフ信号をローに設定し、前記目標ホールドオフ期間値を前記タイマーの関数である第2の値に等しく設定する工程と、
負荷の変化が検出されず、前記タイマーが前記目標ホールドオフ期間値に達しており、係属中の要求が存在せず、新しい要求が発せられたとき、前記ホールドオフ信号をローに設定して、前記目標ホールドオフ期間値を前記タイマーの関数である第3の値に等しく設定する工程と、
を反復するようにさらに結合された、
請求項
21に記載の前記電力コンバーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月1日に出願された、米国仮特許出願第62/428,962号の利益を主張し、同出願の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、概して、スイッチング電源に関し、より具体的には、本発明は、電子回路に給電する調節された定電流および定電圧出力をともなう複出力コンバーターに関する。
【背景技術】
【0003】
複数の出力ならびに定電流(CC:constant current)および/または定電圧(CV:Constant Voltage)制御をともなう電力コンバーターが注目を集めており、CVモードにおける様々なレベルの調節される出力電圧、およびCCモードにおける制御される調節される電流を必要とする用途において、それらのコスト、体積、および効率の面で利点があるので広く使用される。複数の出力は、複数の負荷にわたって印加され、制御および調節された各出力負荷需要に基づいて、独立して制御される。
【0004】
現在までに開発された複出力コンバーターの多くで、1つの出力のみが正確に調節され得る。それらは、コストを上げて、電力コンバーターの寸法を大きくする、独立して調節される複数の二次巻線および磁気コンポーネントを必要とし得る。
【0005】
以下の図を参照しながら、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明され、異なる図の中の同様な参照符号は、別段の指定がない限り、同様な部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一例において、独立して調節される定電流および定電圧負荷に結合され得る単一磁気コンポーネントおよび複出力を含む、例示的な電力コンバーターの概括的な構造および回路ブロックを示す。
【
図2-1】
図2Aは、それらの需要に基づく、一次から二次出力への電力パルスの伝達のための一次および二次スイッチングのシーケンシャル管理を示す。
【
図2-2】
図2B及び
図2Cはそれらの需要に基づく、一次から二次出力への電力パルスの伝達のための一次および二次スイッチングのシーケンシャル管理を示す。
【
図3】CV/CC出力の単一の磁気的な独立した調節をともなう複出力電力コンバーターの例示的な概略図を示す。
【
図4】CC出力における複数のLED(light emitting diode)列におけるCV/CC出力および電流シェアリングの独立した調節のための複出力制御ブロックの内部ブロックを示す。
【
図5】CC出力における複数のLED列の電流シェアリングおよび制御のための例示的な回路である。
【
図6】複出力CC/CV独立制御をともなう電力コンバーターの定電流CC出力における複数のLED列における分散された(位相シフトされた)調光のための位相シフトされたPWMパルスを示す。
【
図7】複出力CC/CVが独立して制御される、電力コンバーターにおけるLED列の負荷を搭載したCC出力に対するいくつかの信号波形を示す。
【
図8】本出願に従った、複出力CC/CV独立制御をともなう電力コンバーターにおけるオフ期間のバリエーション(8A)および関係する状態変化(8B)である。
【
図9】本出願に従った、
図8Aおよび
図8Bに示される例に従った制御プロセスに基づく、および、複出力CC/CV独立制御をともなう電力コンバーターにおける負荷条件に基づく、状態変化を概説するフロー図である。
【
図10】本発明の教示に従った、さらに異なる別の一実施形態に従った、複出力CC/CV独立制御をともなう電力コンバーターにおける負荷変化に基づく、状態変化に対して使用され得る別の例示的な工程を概説するフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が、対応する構成要素を示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれることと、一定の縮尺で描かれるとは限らないこととを理解すると考えられる。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の様々な実施形態をより理解しやすくするために、他の要素より誇張される場合があり得る。さらに、市販に適した実施形態において有用または必要な、一般的だがよく理解される要素は、多くの場合、本発明に係るこれらの様々な実施形態の図が見づらくなるのを防ぐために、描かれない。
【0008】
以下の説明では、説明される実施形態を十分に理解できるように、例えば、デバイスの種類、電圧、コンポーネント値、回路などの特定の詳細事項が記載される。しかし、当業者は、これらの特定の詳細事項が、説明される実施形態を実施するために必要ではない場合があり得ることを理解すると考えられる。説明される実施形態を理解しにくくならないように、よく知られた回路構造および要素が詳細には説明されないか、または、ブロック図の形態で示されることがさらに理解される。
【0009】
本明細書中での、「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「一例(one example)」、または「一例(an example)」についての言及は、実施形態または例との関連で説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書中の様々な場所で使用する「一実施形態において(in one embodiment)」、「一実施形態において(in an embodiment)」、「一例(one example)」または「例(an example)」という語句は、すべてが同じ実施形態または例に関するとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされ得る。特定の特徴、構造、または特性は、説明される機能を提供する集積回路、電子回路、結合論理回路、または他の適切な構成要素に含まれ得る。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていることが理解される。
【0010】
本出願の場合において、トランジスタが「オフ状態」または「オフ」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流さない。逆に、トランジスタが「オン状態」または「オン」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流すことができる。例示として、一実施形態において、高電圧トランジスタは、第1の端子であるドレインと第2の端子であるソースとの間において高電圧がサポートされる、Nチャネル金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(NMOS:N-channel metal-oxide-semiconductor)を備える。高電圧MOSFETは、集積型制御装置回路により駆動されて、負荷に提供されるエネルギーを調節する電力スイッチを備える。本開示の目的において、「グランド」または「グランド電位」は、基準電圧または基準電位を表し、この基準電圧または基準電位に対して、電子回路または集積回路(IC:Integrated circuit)のすべての他の電圧または電位が規定または測定される。
【0011】
電子機器用途のための二次側定電流(CC)および定電圧(CV)制御装置をともなう複出力が開示される。それは、独立したCC/CV調節を一体化し、CV出力は、正確な基準電圧を含み、CC出力は、調整可能な負荷電流を含み得る。例示的な一用途において、CC出力は、モニタースクリーン(例えば、LED列および調整可能な調光電流をともなうTVモニターデバイス)の調光可能LED列(例えば、アレイ)に対して使用され得る。制御装置における制御ループは、CCおよびCV出力の正確で独立した調節を提供する。
【0012】
複出力CC/CV独立制御は、時間スロット分配制御(TSPDC:Time Slot Power Distribution Control)工程を使用して、すべての出力を高精度に最適化されたタイミングで調節し得る。
【0013】
一例における提案されるコンバーターのトポロジーは、複数の独立して調節される定電圧および/または定電流出力をともなう用途を対象とした単一段複出力フライバックコンバーターである。このような製品に対する例示的な対象は、例えば、40~50Vの電圧降下をともなう、調節された調整可能な(例えば、調光する)定電流出力を必要とするバックライトLEDの平行な列(例えば、アレイ)のためのCC制御される出力に加えて、各出力に対する厳しい調節精度要件を満たさなければならない論理回路、USB、および音声に給電するための1つまたは複数のCV制御される出力をともなう、モニターおよびTV用途を含み得る。
【0014】
以下の説明および例示的な図面において、独立して制御されるCC/CV複出力の概念が、主に、エネルギー伝達要素(例えば、変圧器)における二次巻線の直列結合とともに示されることが理解される。しかし、それは、限定とみなされてはならず、用途および複数の出力の各々における負荷電力要件に基づいて、独立して調節されるCV/CC出力が、直列巻線、並列巻線、または直列巻線と並列巻線との両方の任意の結合の組み合わせで構成され、本発明の教示に従って、独立して制御および調節される出力のすべてに対する共通戻り線をともない得ることが理解される。
【0015】
図1は、単一磁気コンポーネントおよび複数の独立して調節される出力を含む例示的な電力コンバーターの概括的な構造および回路ブロックを示し、複数の独立して調節される出力は、一例において、独立した負荷に結合され得、独立した負荷の各々は、本発明の教示に従った動作のための調節された定電流または定電圧を必要とし得る。
【0016】
図1においてACライン電圧V
AC105は、入力整流器および入力回路(例えば、フィルタおよび保護コンポーネント)を通して、一次スイッチングデバイス130に結合された磁気コンポーネント120にかかる電力コンバーターに対する入力電圧Vin115を生成する。一次スイッチングデバイス130は、一次スイッチング制御ブロック161により制御される。一次スイッチングデバイス130のオン状態とオフ状態との間で制御されるスイッチングは、電力コンバーターの入力に結合された一次巻線121から、より大きな個数であり得る二次巻線を含む複数の二次巻線122、123、および124に電力パルスを伝達し得る。二次巻線122、123、および124は、一次巻線121と同じ磁心にすべて巻かれ、一緒に電気的および磁気的に結合されて、複数の二次出力(ポート)、一例において、Sec1 132、Sec2 133からSec(n)134までを生成する。複数の二次巻線122、123、および124が単一磁気コンポーネント120内に直列結合された巻線として示されるが、他の例において、複数の二次巻線122、123、および124が、独立して制御および調節される出力のすべてに対して、直列巻線、並列巻線、または直列巻線と並列巻線との両方の組み合わせの任意の組み合わせで結合され得ることが理解される。個々のスイッチSW1 142、SW2 143からSW(n)144までの複数の二次の制御されるスイッチングデバイス140は、一次巻線121からより多くの電力を必要とする複数の調節される出力の各々までの電力パルスの伝達を選択的に制御し得る。
【0017】
戻り線135/155上の同期整流器スイッチ(SR:rectifier switch)145は、一次スイッチングデバイス130のスイッチング動作を二次側における同期整流器スイッチSR145と同期する二次SR制御ブロック162を通して制御される。図示された例において、1つのSRスイッチ145が、共通戻り線である戻り線135/155に結合されるように示される。他の例において、複数の同期整流器スイッチが、出力巻線の戻り線の一部またはすべてに結合され得ることが理解される。二次SR制御ブロック162は、電力コンバーターの二次側からSRフィードバック制御信号166を…、および、制御信号167を生成して、同期整流器SRスイッチ145のスイッチングを一次スイッチングデバイス130と同期する。一例(例えば、電力コンバーターのフライバックトポロジー)において、一次スイッチングデバイス130がオンに切り替えられたとき、同期整流器スイッチSR145がオフ状態に留まり、二次側へのエネルギーの伝達を防ぎ、エネルギーが磁気コンポーネントに貯蔵されるようにする。一次スイッチングデバイス130がオフに切り替わったとき、同期整流器スイッチSR145がオン状態にスイッチングすることにより、磁気コンポーネント内の蓄積されたエネルギーが、制御されるスイッチングデバイスの選択された状態に基づいて、より多くの電力を必要とする出力負荷に伝達され得る電力パルスを生成する。複数の調節および独立して制御される定電圧CV負荷、定電流CC負荷、または定電圧CV負荷と定電流CC負荷との両方(例えば、Load1、Load2からLoad(n)まで)を含み得る負荷ブロック150は、独立して制御および調節される出力のすべてに対して、単一の共通戻り線RTN155を基準とする整流されたDC出力電圧VO1 152、VO2 153からVO(n)154を受信する。
【0018】
出力電圧の整流、および、入力から電力コンバーターの個々の出力の各々までの電力パルスの選択的伝達は、二次スイッチングデバイス140のブロック内における制御されるスイッチにより実行される。各出力から複出力フィードバック信号168を受信することによる複出力制御ブロック163は、複出力制御信号169を生成し、複負荷ブロック150内の各負荷の独立した調節を制御する。一次および二次制御信号が異なるグランドレベルを基準とする絶縁フライバックなどの絶縁コンバータートポロジーにおいて、一次スイッチング制御ブロック161は二次SR制御ブロック162からのガルバニック絶縁を備えなければならない。一例において、一次スイッチング制御ブロック161と二次SR制御ブロック162との間において要求される通信は、絶縁された通信リンク165を通して提供され得る。複出力制御ブロック163と二次SR制御ブロック162とは、制御信号170を直接的にやりとりして、スイッチングデバイスのステータスを確認して、一次スイッチングデバイスからの電力パルスを要求し得る。一例において、一次スイッチング制御161と二次SR制御162と複出力制御163との3つの制御ブロックは、1つの単一パッケージIC制御装置160に含まれ得る。
【0019】
図2A、2B、および2Cは、各負荷需要に基づく一次から二次出力への電力パルスの伝達のための一次および二次スイッチングのシーケンシャル管理を示す。
【0020】
図2Aは、N個の可能な出力に対する、それらの負荷需要に基づいたシーケンシャルな電力伝送ための概括的なフロー図を示す。開始点201から、リンク218を介して、出力の電力需要が監視される。条件(すなわち、判定)ブロック203において、いずれかの出力が電力を必要としているか否かが確認される。「No」204である場合、処理は、監視リンク218にループバックする。「Yes」205である場合、条件ブロック206において、N個のすべての出力が電力を必要としているか否かがフィードバック信号を通して確認される。「Yes」207である場合、すなわち言い換えると、すべての出力が電力を同時に必要としている場合、ブロック208において、電力パルスがN個のすべての出力にシーケンシャルに伝送される。電力パルスの分配を必要とする複数の出力のシーケンシングの一例が、
図2Cに示される。
【0021】
選択肢「No」209において、限られた数の出力が電力を必要としている場合、条件(すなわち、判定)ブロック210において、1つを上回る出力が電力を要求している(または、必要としている)か否かが判定される。選択肢「No」213において、1つの出力のみが電力を必要としているとき、ブロック214において、すべての電力伝送パルスを、そのフィードバックが基準閾値を上回るほど上昇するまで、必要としている出力に割り当てることが決定される。その一方で、依然として1つを上回る出力が電力を必要としている場合、すなわち選択肢「Yes」211である場合、ブロック212において、電力パルスが、同時に電力の需要のあるすべての出力にシーケンシャルに伝送される。すべての出力フィードバック信号をそれらの電力の需要について確認するこの工程は、「電力需要を監視」リンク215および216を介して定期的に反復されるように開始リンク218に戻り、すべての出力の高速で公平な調節を提供する。
【0022】
図2Bは、各出力からのエネルギー(すなわち、電力)伝達要求パルスをイネーブルする、フィードバックエラー検出の単純な論理図を示す。
図2Bに示す例は、2つの調節されるCV出力と第3の出力とを含む電力コンバーターのために示され、これは、定電圧CVまたは定電流CC負荷のために任意選択的に選択され得、CC制御は、CC負荷のための特別な制御の特徴をもつ異なる基準をもつ。
【0023】
図2Bにおいて3つの電圧比較器VCV1 240、VC2 250、およびVC3 260は、それぞれ、それらの反転端子243、253、および263において、フィードバック信号FB1 242、FB2 252、およびFB3 262を受信する。3つのフィードバック信号FB1 242、FB2 252、およびFB3 262は、3つの独立して制御および調節されるCV出力を表す。これらの信号は、これらの信号が、電圧比較器VCV1 240、VCV2 250、およびV
CV3 260の非反転入力端子244、254、および264のそれぞれに印加される単一の変更された閾値基準信号226と比較され得るように、異なる伝達比で拡縮される。基準信号226は、変更(または、補償)された基準電圧V
REF221から、加算器220を通してCV変更信号V
mod CV224を加算することにより生成される。
【0024】
CV出力からのフィードバック信号が閾値基準信号226未満に低下したときは、いつも、関係するCV比較器の出力信号(CV1 246、CV2 256、またはCV3 266)が、その特定の電力を必要としている出力に対するエネルギー伝達要求パルスをイネーブルするように高くなる。
【0025】
図2Bに示す例において、第4の比較器VCC270により表される定電流CC負荷のための出力オプションが存在し、第3の定電圧CV出力において定電流CC負荷が置換する事例において、第4の比較器VCC270が比較器V
CV3 260を置換し得る。この場合、フィードバック端子FB3 262は、VCC比較器270の反転入力273に結合され、VCC比較器270の非反転入力274は、加算器230を通して、CC変更信号V
modCC234を制御基準電圧に加算することにより生成された閾値基準に結合される。
【0026】
図2Cは、
図2Bのブロック図に示される3つの独立して調節される出力制御論理を含む電力コンバーターのための電力パルス伝送シーケンシングオプションのための表280を示す。これは、すべての出力に同時に電力の需要があるときの電力パルスの分配を示す。このようなシーケンシングは、すべての出力の高速で最適な調節のために、電力パルスの適切な分配を管理する。
図2Cの表280における左列は、電力伝達パルスのインターバルの間におけるシーケンスを示し、複出力の電力需要が変化するまで、これが反復する。
【0027】
第1の行281、シーケンス1において、定電圧出力CV1が、電力パルス伝送を受信する。第2の行282、シーケンス2において、定電圧出力CV2が、電力パルス伝送を受信する。第3の行283、シーケンス3において、定電圧出力CV3、または定電流負荷の場合は、定電流出力CCが、電力パルス伝送を受信する。次の行284、シーケンス4において、より簡単な遷移のために、電力パルスが定電圧出力CV2に戻り、シーケンス5、行5 285において、電力パルスが出力CV1に伝送された後、シーケンス6において、行286において任意選択的なCV3またはCC出力に電力パルスを伝送することに戻る。次のシーケンス(行7 287、行8、288、および行9 289)において、同じパターンの電力パルス伝送が続く。
【0028】
図3は、スイッチング要素SW332に結合されたエネルギー伝達要素としてフライバック変圧器310を含むフライバックコンバーターとして動作する複出力電力コンバーター300の一例を示す。
図3に示すフライバック構成は、(ACラインおよび入力整流器からの)入力電圧Vin305に結合され、入力電圧Vin305は、スイッチングデバイスSW332に直列な変圧器(単一磁気コンポーネント)310の一次巻線L1 311に印加される。同じ磁心上における複出力巻線312、313、および314が、直列に一緒に電気的に結合され、ガルバニック絶縁により、入力巻線311に磁気結合される。
図3における複出力電力コンバーターの例は、調節された電圧V
O1 371およびV
o2 361をもつ2つの独立して制御される定電圧CV出力と、電圧降下Vo3 350をともなって(一例において、LED負荷列390などの)定電流負荷に、調節される電流I
o3 350を提供する定電流CC出力とを含む。
【0029】
第1のCV出力V
O1 371は、第1の電力パルス伝達スイッチ319を通して二次巻線314に結合される。第2のCV出力V
O2 361は、第2の電力パルス伝達スイッチ317とダイオード316とを通して、二次巻線313に結合される。
図3に示す例における電力コンバーター300の第3の出力は、調節される電流I
O3 350と負荷依存電圧降下V
O3 351とをともなうCC出力として示され、整流器ダイオード315を通して二次巻線312に結合される。すべての3つの二次出力に対して、戻り電流路が、同期整流器MOSFETスイッチ320を通して二次巻線314の低電位側に結合された戻り線Rtn380を通る。第1のCV出力V
o1 371が、二次巻線314にかかる電圧を受信することが理解される。第2のCV出力V
O2 361は、二次巻線313および314の全体にかかる電圧を受信し、CC出力V
O3 351に対する電圧は、3つの二次巻線312、313、および314のすべてにかかる総電圧に関係する。複二次巻線変圧器310の設計において、すべての出力の組み合わせおよび合算に対する適切な巻数比が考慮されなければならない。
【0030】
複出力電力コンバーターでは、単出力フライバックコンバーターとは異なり、一次スイッチが導通しており、二次側におけるすべてのスイッチがオフであるとき、変圧器の二次側における電圧を規定する伝導路がない。変圧器の一次対二次の巻数比と一次側入力電圧とに基づいて、変圧器の二次接続における電圧が高くなり得る。ツェナーダイオード318(および、MOSFET319のボディダイオード)がなければ、電圧が寄生容量に依存し、設計ごとに様々であり得る。クランピングツェナーダイオード318は、MOSFET319のボディダイオードと一緒に、一次スイッチがオンに切り替えられたときのMOSFET319のドレインにおける電圧を決定する。ツェナーダイオード318は、二次コンポーネントに対する過剰な電圧ストレスを防ぐ。複出力電力コンバーター300の全体的な制御は、電力スイッチ332のドレイン331に入るスイッチ電流Isw308に応答して、スイッチング信号338を通して一次電力スイッチ332のスイッチングを制御する一次制御ブロック334からなる。スイッチ電流Isw308は、電力スイッチ332のソース333を通して検出され得る(Isns337)。コンデンサ339は、一次グランド301を基準として一次制御334の一次電源端子BPPに結合される。
【0031】
二次制御ブロック336は、同期整流器SR320のスイッチングを制御および同期して、単出力設計(すなわち、非複出力設計)のための出力を調節し得る。一次巻線と二次巻線との間における絶縁、および、絶縁された一次基準グランド301と二次基準グランド302とに起因して、一次制御334と二次制御336とがガルバニック絶縁を備え、(例えば、絶縁リンク335を通して)光学的または磁気的にのみ通信して、一次SW332スイッチと二次SR320スイッチとのスイッチングを同期し得る。一例において、SRスイッチ320のドレインは、出力巻線314の低電位側およびすべての複数の出力のための戻り線に結合され、抵抗器322を通して、一次電力スイッチ332のオフ切り替え状況を検出するための二次制御ブロック336における順方向(FWD:forward)ピンに結合される。SRスイッチ320のためのゲーティング/制御信号は、二次グランド端子Gnd324に結合されたSRスイッチ320のソース端子を基準とする。二次制御ブロック336のための電源電圧は、端子BPS325を通したものであり、戻りグランド380を基準としてコンデンサ326にかかる。複出力制御ブロック340に対するコンデンサ386にかかる二次電源および電源BP387は、複出力のうちの1つから提供される。始動中、VO1が十分速く上昇しないとき、制御電源は、より高い電圧レベルをとる他の出力から取得され得る。
【0032】
複出力制御340は、ブロック342「複出力信号処理およびインターフェースブロック」と、信号343を通してリンクされたブロック345「LED電流シェアリングおよび調光制御」を含み得る。複出力制御340における端子は、表399「複出力制御ブロックのための外部端子ラベルの表」に列記される。一例において(端子の数および性質は、この例に限定されない)、複出力制御340におけるこれらの端子は、以下を含み得る。
【表1】
【0033】
CC出力において1つのLED列のみが使用される一例において、複出力制御ブロックにおける列電流(Icc1、Icc2、…Icc(m))のためのすべての入力端子が一緒に短絡され得ることが理解される。
【0034】
一例において、第1のCV出力VO1 371のためのフィードバック信号FB1は、出力コンデンサCO1 374をまたぐ抵抗分圧器372および373を通して提供される。第2のCV出力VO2 361のためのフィードバック信号FB2は、出力コンデンサCO2 364をまたぐ抵抗分圧器362および363を通して提供され、同様に、第3のCC出力VO3 351のためのフィードバック信号FB3は、出力コンデンサCO3 354をまたぐ抵抗分圧器352および353を通して提供される。
【0035】
外部コンデンサ378は、端子CDr1 377から、第1のCV出力VO1 371における第1の電力パルススイッチ319の制御端子に適用される。同様に、別の外部コンデンサ368が、端子CDr2 367から、第2のCV出力VO2 361における第2の電力パルススイッチ317の制御端子に適用される。
【0036】
第1のCV出力VO1 371のための電力制限値は、端子PLim1 394から戻りグランドRtn380までの外部抵抗384により規定される。同様に、第2のCV出力VO2 361のための電力制限値は、端子PLim2 383から戻りグランドRtn380までの別の外部抵抗383により規定される。定電流端子CC-Cntrl392は、戻りグランドRtn380に結合された外部コンデンサ382を通してさらに規定される。
【0037】
一例において、一次制御334および二次制御336ブロックは、外部の電力スイッチ332を制御する単一のICに一体化およびパッケージ化される。設計を簡略化する別の一例において、電力スイッチ332は、さらに、一次制御334および二次制御336と同じICにパッケージ化される。さらに異なる別の一例において、電力スイッチ332、一次制御334、二次制御336、および複出力制御は、すべて単一のICに含まれる。
【0038】
要約すると、本発明の教示に従った、単一の磁気的な複出力CC/CVコンバーターのための制御スキームは、次のような相関された機能を使用して3つの適切に同期された制御セクションを通して実装される。
・ピーク電流制御をともなう傾斜期間変調(RTM:Ramp Time Modulation)組み込みエンジンを含む一次電力スイッチオン・オフ制御のための一次制御装置。絶縁リンク(例えば、磁気リンク)を通した二次制御ブロックからのパルスの受信時に、一次がすぐパルスを発する。ピーク電流は、RTMエンジンにより規定される。
・二次側制御装置は、SR MOSFETを駆動して、一次スイッチ制御に需要パルスを生成する。
・各出力負荷および電力需要に基づいて、電力パルスを割り当てることにより複出力の各々における出力量を調節する電流/電圧調節のための複出力制御ブロック。それは、検出電流抵抗器にわたる電圧降下を調節することにより、複数のLED列における電流および全電流を制御する電流シェアリングブロックをさらに含む。このブロックは、さらに、すべての列における電流が等しくなることを確実にし得る。
【0039】
単一磁気コンポーネントを含む複出力電力コンバーターにおける複出力CVおよびCC独立調節のための複出力制御ブロックの内部ブロックおよび端子の詳細な例が
図4において説明される。
【0040】
図4は、
図1に示す複出力制御ブロック163、または
図3に示す340の内部機能ブロックおよび制御信号の一例を示す。図示されるように、すべてのCV出力からのフィードバック信号FB
(1)422
(1)、FB
(2)423
(2)、…FB
(n)422
(n)、および、電力制限閾値信号PLim
(1)424
(1)、PLim
(2)424
(2)、…424
(n)は、複出力信号処理ブロック420により受信される。定電流出力のためのフィードバック/制御信号は、適切な場合には、CC
-CNTRL信号423により示される。複出力信号処理ブロック420は、各出力から受信された電力需要およびFB情報に基づいて、信号426
(1)、426
(2)、…426
(n)を、ドライバブロックである第1の高側MOSFETドライブ430
(1)、第2の高側MOSFETドライブ430
(2)、…第nの高側MOSFETドライブ430
(n)のそれぞれに送信する。これらのドライバブロックは、さらに、電源電圧BP412、および、出力CV電圧V
CV(1)432
(1)、V
CV(2)432
(2)、…V
CV(n)432
(n)のそれぞれを受信して、駆動信号DR
(1)434
(1)、DR
(2)434
(2)、DR
(n)434
(n)を生成し、複出力の各々における電力パルススイッチを制御する。
【0041】
BP調節器410は、BP端子412における電圧を調節する。通常動作中、BP調節器410は、一次源として複出力(例えば、VCV(2)432(2))のうちの1つを使用する。しかし、この出力が低いとき(例えば、始動中)、それは、他の出力(例えば、VVCV(3)またはVLED411)を使用し得る。BP調節器は、複出力制御ブロックと二次制御ブロックとの両方に対して十分な電力を提供しなければならない。
【0042】
高電圧HVシャント414と低電圧LVシャント415とが、ピーク充電にさらされ得るいくつかのCV出力端子における電圧を制限するために必要であり得る。
図4に示す例において、HVシャント414は、V
CV3/V
LED端子における電圧を最大許容値に制限するために使用され、LVシャント415は、V
CV(1)端子における電圧を制限するために使用される。
【0043】
端子PWM/ADim480における信号のレベルは、LED列のアナログまたはデジタル調光オプションの間における決定または識別を行い得る。信号レベルPWM/ADim480がV
REF441を上回っている場合、PWM信号443である比較器442の出力信号がハイとなり、複出力信号処理ブロック420を通して、デジタル調光を選択する。または、LED電流シェアリングおよび調光制御である制御ブロック450を通るADim信号458は、LED列のためにアナログ調光を選択する。比較器462は、V
Low閾値461と比較してPWM/ADim信号の低レベルを検出して、複出力信号処理ブロック420に対してLOW463信号を生成する。複出力信号処理ブロック420は、さらに、信号Enable453をLED電流シェアリングおよび調光制御ブロック450に、およびVsat454をLED電流シェアリングおよび調光制御ブロック450から伝達することを要求する。同様に、信号465および466が、二次制御(ブロック336、
図3)へのインターフェースであるブロック460に、およびブロック460から伝達される。二次制御(ブロック336、
図3)に送信される、および二次制御(ブロック336、
図3)から受信される必要な信号は、以下を含み得る。
1)二次制御からの順方向制御(FWC:forward control)信号446(一次電力スイッチのオン切り替えおよびオフ切り替え状況を提供する二次MOSFET SRドレインにおけるFWD端子情報である、
図3に示す346)
2)二次制御へのReq信号447(CVまたはCC出力からの電力パルス要求である、
図3に示す347)。
3)二次制御からの肯定信号Ack448(電力パルスの要求を肯定する、
図3に示す348)。
4)同期整流器MOSFET一次320の駆動信号、同期整流器(SR)信号449(二次制御端子SR321からの、
図3に示す349が、さらに、インターフェースブロック460を通して複出力制御により受信される。
【0044】
LED電流シェアリングおよび調光制御ブロック450は、
図5の例に示されるように個々のLED列のすべてから電流を受信して処理する責任を負う。各LED列からの電流であるI
CC(1)456
(1)、I
CC(2)456
(2)、…I
CC(m)456
(m)、および、LED列の検出された電流の全体Is455が、LED電流シェアリングおよび調光制御ブロック450において受信および処理される(
図3において、各LED列電流I
CC(1)からI
CC(m)および抵抗器381におけるIsの電圧降下信号)。HVクランプモジュール451は、LED列電流端子(I
CC端子)において任意の可能なHV条件をクランプし得る。一例において、電流シェアリングおよび調光制御ブロック450は、電流源にわたって十分な電圧を提供してLED列における電流を正確に制御するために、LED列のアノードにおける電圧を調節する。判り難くなるのを避けるために、異常検出および保護のために必要とされる複出力制御ブロック440の主要でない機能は、
図4の例に示されないことが理解される。
【0045】
複出力電力コンバーターの一実施形態において、CC出力は、一例においてTVまたはPCモニターにおいて使用される、電流調節されるLED負荷列のために使用され得る。複数の並列なLED列のための電流シェアリングおよび調光機能は、
図4に示す制御ブロックLED電流シェアリングおよび調光制御450、または
図3に示す345により提供される。LED列における電流シェアリングのための複数の選択肢が存在し、一例において、調節は、(限界レベル未満に下がらない)LED列のうちの最小電圧をもつLED列に応答して、実施され得る。LEDの調光機能(その例示的な用途が、モニターにおいてスクリーンの明度を調整することであり得る)は、(50kHzから数百kHzの範囲内の)スイッチング周波数と比較すると、線形電流コマンドに比例したアナログ調光により、または、デジタルPWM調光(100Hzから数十kHzの範囲内)により実施され得る。デジタルPWM調光は、各列における電流のサンプル・ホールド工程により、同相PWMパルスを使用し得るか、または、位相シフトされたPWMパルス(例えば、
図6参照)を使用して、列における最小電圧降下を検出し得る。位相シフトされたPWM調光において、LED負荷のための改善された視覚性能、およびより高度に時間分散された電力需要が達成される。これは、可聴ノイズを減らし、効率を高める。複出力制御におけるLED電流シェアリングおよび調光制御の一例(
図4に示す450、または
図3に示す345)が、
図5に提示される。
【0046】
図5は、一例において、TVまたはモニタースクリーンバックライトにおいて使用され得る多並列LED列590(インデックス1、…m)にわたる調節される電流I
O(CC)550および電圧V
O(CC)551をともなう定電流出力における電流シェアリング(並列電流分配)の実装例のための例示的な回路ブロック図を示す。電流源としての各LED列は、複出力制御ブロック540(例えば、
図3に示す340、または
図4に示す440)におけるLED電流シェアリングおよびPWM調光制御ブロック510の入力端子I
CC1 556
(1)、I
CC2 556
(2)、…I
CC(m)556
(m)に結合される。調光実装例の他の例において、アナログ線形調光信号が使用され得ることが理解される。インデックス1、2、…、mを付した列電流は、各列にそれぞれ結合された電流源516
(1)、516
(2)、…516
(m)により提示され、PWMパルス511によりオンに切り替わるようにすべてが同時に制御されるそれぞれのPWMスイッチ514
(1)、514
(2)、…514
(m)を通して導通し得る。
【0047】
図5に示す本発明の一実施形態において、PWM信号の単一の源を含む単純な実装例のために、LED列の複数のチャンネルのすべてが、同時かつ同相でオンに切り替わるように有効化される。しかし、すべてのLED列の同相制御は、より低いPWM周波数(数十kHz)に起因して、望ましくない揺らめき/フリッカーを引き起こし得る。代替オプションは、
図6に提示される、LED列の複数のチャンネルの各々に対する位相シフトされたPWM信号である。
【0048】
図5における例示的な調節ループは、LED列におけるCC出力の出力電圧を制御するために使用され得る。CC出力電圧(
図3に示すV
O3 351)は、電流源にわたる電圧降下を最小化することにより調節される。電流源516
(1)、516
(2)、…516
(m)が非常に短いセッティング期間をサポートするので、この構成は、より高いPWM周波数を可能にし得る。PWMスイッチ514
(1)、514
(2)、…514
(m)のオン期間中の電流源516
(1)、516
(2)、…516
(m)における電圧降下は、順方向バイアスダイオード512
(1)、512
(2)、…512
(m)を通して相互コンダクタンス増幅器520の非反転入力511に結合され得る。PWMスイッチ514
(1)、514
(2)、…514
(m)のオフ期間中、および、電流源516
(1)、516
(2)、…516
(m)が導通していないとき、増幅器520の非反転入力511は、抵抗器522を通して電源電圧V
BP525にプルアップされ得る。
図5に示す増幅器520は、電流源における最低電圧を、所定のV
Ref521と比較し得る電圧制御される電流源である。PWM信号531がハイであり、スイッチ530、PWMスイッチ514
(1)、514
(2)、…514
(m)、および電流源516
(1)、516
(2)、…516
(m)が導通しているとき、相互コンダクタンス増幅器520は、その非反転入力511と反転入力におけるV
Ref521との電圧差に比例した電流をコンデンサ535に出力する。コンデンサ535における電圧は、定電流出力のフィードバック信号(
図3に示すFB3 355)のための基準電圧として使用されて、閉ループにおいて
図3に示す定電流出力V
O3 351における電圧降下を調節する。
【0049】
一例において、CC出力における複数の並列LED列のための位相シフトされたPWMパルスは、揺らめき/フリッカーの少ないLED列のより均一な出力光を取得するために使用され得る。本例において、それは、LED列のより時間分散された電力需要により達成される。これは、可聴ノイズを減らし、効率を高める。
図6は、4チャンネルLED列のための位相シフトされたデジタルPWM制御パルスの一例を、4チャンネルの位相シフトされたPWM動作をともなう、定電流出力負荷のための時間軸610におけるそれらの相対的なタイミングとともに示す。上部の波形PWM-INは、入来信号を示し、PWM1からPWM4の波形は、4つの電流源のための位相シフトされたPWM信号を示す。一例において、これらの波形は、CC出力における並列な4つのLED負荷列に対するデジタル電流制御のために生成されるPWM位相シフトされたパルスを示す。低周波(例えば、10kHz)入力PWM、PWM-IN620は、周期T
PWM602、ハイ持続期間622、およびロー持続期間624をともなって生成される。一例において、第1のLED列は、ハイ持続期間632とロー持続期間634とが入力PWM信号と同相(すなわち、ゼロ位相シフト)であるPWM1 630により制御される。他の3つのLED列は、各PWM期間中、相互に比較して対称にシフト(または、遅延)された、信号PWM2 640、PWM650、およびPWM4 660により制御される。
【0050】
言い換えると、第1のLED列は、ハイ信号632中にオンとなる。第2のLED列は、第1の列(PWM1制御信号630)から(1/4)×TPWM遅延(または、シフト)をともなうハイ信号642中にオンとなる。第3のLED列は、第2の列(PWM2制御信号640)から(1/4)×TPWM遅延(または、シフト)をともなうハイ信号652中にオンとなり、第4の列は、第3のLED列(PWM3制御信号650)から(1/4)×TPWM遅延(または、シフト)をともなってオンに切り替わる。PWM周波数がいくぶん低く(例えば、100Hzから数十kHz)、オン持続期間(ハイ信号)がいくぶん短い場合であっても、各PWM期間(TPWM)中におけるPWM制御パルスの4チャンネル対称分配は、(例えば、モニターまたはTVのバックライト用途において)光の一様な分布をもたらす。
【0051】
図7は、各列における電流調節の同相デジタルPWM制御を含む、LED列に結合した定電流出力のための信号波形のうちのいくつかを示す。横軸710は時間であり、縦軸は、それらの相対的なタイミングをともなって示されるいくつかの制御信号を示す。上部の波形720は、固定したLED負荷をともなう通常動作中の、LED列(LED出力)の定電流CC出力における電圧リップル変動を示す。各リップル周期721中、立ち上がり期間723は、CC出力への電力伝送を示し、立ち下がり期間725は、CC出力キャパシタンス(
図3に示すC
O3 354)における放電持続期間である。立ち上がり724のピークは、CC出力における最大許容電圧により規定され、低谷電圧降下、点722は、各LED列の許容電圧降下を上回る余裕内に留まらなければならない。
【0052】
第2のグラフPWM730は、論理ハイ732を使用したすべての列のための同相PWMパルスを示し、論理ロー734は、すべてのLED列における同時調光を制御し得る。
【0053】
第3のグラフ740は、複出力制御ブロック(
図3に示す340)から二次制御ブロック(
図3に示す336)への二次要求パルス(
図3に示すReq347)を示す。これらの二次要求パルスは、複数のCVまたはCC出力のうちの任意の1つにより開始され得る。二次要求パルスおよびCC出力からLED列への電力需要は、二次要求(例えば、741、743、または745)がハイなったとき、論理ハイ(例えば、751、753、または755)になるように、グラフ750においてLED出力イネーブルパルスから区別され得る。他の要求パルスのうちのいくつかが、CV出力のための目標とされる。これらの要求パルス(例えば、752、754、その他)に対してLED出力イネーブルパルスがローであるので、これらのパルス(例えば、742、744、その他)が区別され得る。
【0054】
図8Aおよび
図8Bは、段階的な負荷またはライン変化中における状態変化に対するホールドオフ期間の変化の例示的な工程のための非常に単純化した傾向を示す。
図8Aにおいて、横の時間軸810は、異なる負荷またはライン条件に対する縦軸820における一次電力スイッチの異なる駆動パルスに対する、拡大して分割した時間スケールを表す。各駆動パルスは、
図8Bに示される動作の異なる状態に対する異なる負荷またはライン条件および電力コンバーター変化に対して、オフ期間(および、その結果としてスイッチング周波数)が様々である。言い換えると、一次スイッチがオフに保持される時間長(すなわち、ホールドオフ期間)は、段階的な負荷またはライン変化に応答して、各状態変化において変えられる。一例において、複出力信号処理ブロック(例えば、
図4に示す420)は、段階的な負荷またはライン変化に応答して、一次スイッチのホールドオフ期間を変化させるための、状態変化を実装するデジタル処理を含み得る。
【0055】
すべての状態/動作モードにおいてすべてのスイッチング駆動パルスのオン期間が一定に留まるが、負荷が低負荷に向かって変化するとき、各状態におけるオフ期間が負荷軽減により延びて、スイッチング周期を延ばし、スイッチング周波数を下げる、固定オン期間制御が使用され得ることが理解される。
Ton[0]=Ton[1]=Ton[2]=…=Ton[i]=…
=Ton[k-1]=Ton[k]=Ton
Toff[0]<Toff[1]<Toff[2]<…<Toff[i]<…
<Toff[k-1]<Toff[k]
従って、オン期間Tonは、状態[0]851から状態[k]855の各状態に対して固定される。しかし、オフ期間Toffは、状態[0]851から状態[k]855まで変化または増加する。
【0056】
図8Bに示される例に示されるように、複出力信号処理ブロック(例えば、
図4に示す420)は、負荷が減少するにつれて、状態[0]851からリンク861を通って状態[1]852まで、およびリンク862を通って状態[2]853まで、動作の状態を変えるために、複数の状態[0~k]を横断し得る。最終的に、破線リンク863により示されるいくつかのさらなる状態の後、複出力信号処理ブロックは、状態[k-1]854まで、およびリンク864を通って最小負荷に対する最終状態[k]855まで動作の状態を変え得る。状態[k]855における最小負荷から状態[0]851における最大負荷まで負荷が再度大きくなるように戻るとき、複出力信号処理ブロックは、この工程を反転して、戻りリンク874、873、872、および871を通って状態[0]851に戻り得る。
【0057】
図8Aにおいて、このような要求されるスイッチング周波数変動の一例として、象徴的なスイッチングサイクルは、固定オン期間Ton(841、842、843、844、および845)、および、異なる/変化するオフ期間Toff[0]831、Toff[1]832、Toff[2]833、…Toff[k-1]834、およびToff[k]835を示し、その結果、それぞれ変化期間Tsw[0]821、Tsw[1]822、Tsw[2]823、…Tsw[k-1]824、およびTsw[k]825をもたらす。
【0058】
図9は、複出力信号処理ブロックは、通常動作中、
図8Bにおいて説明されるように状態[i]を調整して、ホールドオフ期間選択を変化させ、適応型の調節を提供することを実施し得る工程を描いた簡略したフロー図を示す。上述のように、CV/CC出力調節モジュールは、電力スイッチに単一の要求信号出力を提供する調節モジュールにおいて処理される複出力の各々のフィードバックピンを通して電力の入来要求/需要を調節する。電力パルスを受信する次の出力の選択は、出力スケジューリング制御ブロックにより実行され得る(例えば、
図2Aおよび
図2B)。通常動作中、適応型の調節のために使用されるホールドオフ期間は、定電圧CV出力、定電流CC出力のために選択され得るか、または、各出力の独立してCVまたはCC調節をともなう複出力コンバーターにおけるものであり得る。
【0059】
単出力コンバーターにおいて、出力調節モジュール(例えば、二次制御装置)は、FB信号を通した電力の入来要求(または、需要)に基づいて、CVまたはCC出力を調節し得る。その一方で、複出力コンバーターでは、上述のように、各FBピンを通して各出力から電力の要求または需要を受信する複出力調節の特別な/第3の制御モジュール(例えば、
図3に示す340)が存在する。FB情報は、複出力信号処理モジュール(例えば、
図4に示す420)における関係する比較器により処理されて、二次制御モジュール(例えば、
図3に示す336)に要求信号(例えば、
図4に示すReq447)を提供し得、これが、一次電力スイッチのためのオン切り替えコマンドを開始する。
【0060】
図9における概略フロー図は、異なる負荷条件に基づいて、状態変化を示す。開始点901およびブロック903の後、デフォルト状態[i]は、最小「0」から最大「k」までの状態ステップの任意の状態番号であり得る。工程は、リンク905により条件ブロック910に続き、一次オフ期間が終了する前に複出力信号処理ブロックにより要求信号がトリガーされたか否かが検証される。イネーブル信号のトリガー前にオフ期間が終了した場合、すなわち選択肢「NO」914の場合、条件ブロック930において、状態インデックス「i」<最大インデックス「k」か否かが判定される。言い換えると、状態が最大状態「k」にまだ達していないか否かが確認される。回答が「Yes」932であり、現在の状態が依然として最大状態k未満である場合、次のステップは、[i]から[i+1]に状態を上げ、このことが、インデックスi=kであるとき、最小負荷に達するまで、低下する負荷に起因して、一次スイッチのホールドオフ期間を延ばす。また、回答が「No」934であり、状態が既に最大の可能な状態にある場合、ブロック970は、それが状態[最大インデックス=「k」]に留まることを示す。状態をより高い状態に上げた/上昇させた、または最大状態に留まった後、ループは、リンク955を通して、リンク905上の開始確認点904にループバックし、工程が繰り返される。
【0061】
その一方で、条件ブロック910から、一次オフ期間が終了した後、要求がトリガーされた場合(リンク「Yes」912)、状態インデックスi>0か否かが判定される次の条件ブロック920において、状態インデックスが0より大きいか否かが検証される。回答が「No」924であり、状態が依然として0にある場合、処理は、状態[0]に留まる(ブロック960)。回答が「Yes」922であり、状態インデックスが0より大きい場合、次のステップブロック940において、状態は、[i]から[i-1]に引き下げられ、このことが、インデックスi=0であるとき、最大負荷に達するまで、上昇する負荷に起因して、一次スイッチのホールドオフ期間を短くする。状態を0(最小状態)に維持した後、または、状態をより低い状態まで減らした/引き下げた後、リンク945を通るループが、リンク905上の開始確認点904までループバックして反復する。
【0062】
言い換えると、オフ期間が終了する前に一次スイッチイネーブル信号がトリガーした場合、動作状態は、最小状態[0]に向けて引き下げられなければならないと、または、オフ期間が終了した後に一次スイッチイネーブル信号がトリガーした場合、動作状態は、最大状態[k]に向けて押し上げられなければならないと結論づけられ得る。
【0063】
図8Aおよび
図8Bおよび
図9に示すフロー図と比較して、
図10は、複出力信号処理ブロックが実施して、本発明の教示に従った、独立CC/CV制御をともなう複出力電力コンバーターの任意の出力における負荷変化に応答して、一次スイッチのホールドオフ期間を変化させるように実施し得る、デジタル制御されるホールドオフ期間工程制御の第2の/別の例/実施形態を示す。
【0064】
開始1001において、リンク1002を通り、条件ブロック1005が、いずれかの二次巻線が放電(一次電力スイッチのオン期間中にフライバック変圧器に貯蔵されたエネルギーを出力に伝達すること)を始めたか否かを判定する。例えば、一例において、いずれかの二次巻線の放電の開始は、一例において、抵抗器322を通して二次巻線の戻り線に結合された、FWD端子(例えば、
図3に示す323)における放電状態信号の検出により判定され得る。二次巻線の放電が開始されていない場合(No1008)、処理が開始点にループバックし、二次巻線の放電が始まるのを待つ。その一方で、二次巻線の放電が始まっているとき(Yes1006)、ブロック1010においてホールドオフデジタル信号が論理ハイ(すなわち、ホールドオフ=1)に設定され、Timerをリセットする。ブロック1010の出力1012は、次に、条件ブロック1015に進行し、条件ブロック1015は、過渡状態の検出(例えば、負荷またはライン条件における変化の検出)が存在するか否かを判定する。負荷またはラインにおける何らかの変化が検出された場合(Yes1017)、ブロック1025において、ホールドオフ信号のデジタル信号が論理ロー(すなわち、ホールドオフ=0)に設定される。次に、リンク1026を通り、処理が、最終ブロック1060に続き、最終ブロック1060において、目標(Target)ホールドオフ期間値は、Timerの関数である第1の値に設定され(すなわち、Target=f(Timer))、処理は、リンク1003を通って開始点1002にループバックする。
【0065】
条件ブロック1015において、負荷における変化が検出されない(例えば、過渡負荷条件が検出されない)場合、処理は、No1018を通って条件ブロック1020に続き、条件ブロック1020において、Timerが既に目標時間値に達しているか否かが確認される。Timerがまだ目標ホールドオフ期間値に達していない場合、(No1024)、処理は、ノード1012にループバックし、条件ブロック1015において、負荷の変化が検出されたか否かを、および、条件ブロック1020において、Timerが、目標ホールドオフ期間値に既に達しているか否かを再度確認する。その一方で、条件ブロック1015において負荷の変化が検出される前に、Timer値が目標ホールドオフ期間値に達したとき(Yes1022)、ホールドオフ期間信号が、次のステップ、ブロック1030においてゼロに設定される。ブロック1030の後に、別の条件ブロック1040が続いて、以前の要求が依然として係属中であるか、または満了であるか否かを検証する。以前の要求が依然として係属中である場合(Yes1044)、目標ホールドオフ期間値は、タイマーの関数である第2の値に設定され(すなわち、Target=f(Timer))、処理がリンク1003を通してループバックし、開始点1002に戻る。
【0066】
しかし、以前のスイッチング要求が満了し、係属中ではない場合(No1042)、条件ブロック1050において、新しい要求が受信されたか否かが確認される。新しい要求がまだ受信されていない場合、(No1054)、処理が、条件ブロック1050にループバックして、新しい要求が受信されるのを待ち(Yes1052)、最終ブロック1060に進行して、目標ホールドオフ期間値がTimerの関数である第3の値に設定され(すなわち、Target=f(Timer))、処理が、リンク1003を通ってループバックして開始点1002に戻る。
【0067】
例示的な実施形態の上記の説明は、要約で説明される事項を含め、網羅的であることも、開示される形態または構造そのものへの限定であることも意図されない。本明細書において説明される主題の特定の実施形態および例は、例示を目的としており、本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な同等な変更が可能である。実際、特定の例示的な電流、電圧、抵抗、デバイス寸法などが説明のために提示されることと、本発明の教示に従った他の実施形態および例において他の値も使用し得ることとが理解される。