(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】両面印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20220512BHJP
B65H 15/02 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
B41J2/01 103
B41J2/01 209
B41J2/01 301
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B65H15/02 Z
(21)【出願番号】P 2018016213
(22)【出願日】2018-02-01
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】高田 淳
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-034179(JP,A)
【文献】特開2013-015832(JP,A)
【文献】特開2004-082625(JP,A)
【文献】特開2014-144567(JP,A)
【文献】特開2015-107567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B65H 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される用紙に対して第1印刷部により印刷処理を実行する上流側印刷装置と、前記上流側印刷装置により印刷処理が実行された用紙の表裏を反転する中間反転装置と、前記中間反転装置により表裏が反転された用紙に対して、第2印刷部により印刷処理を実行する下流側印刷装置とを用いて両面印刷を実行する両面印刷システムであって、
前記第1印刷部の温度と前記第2印刷部の温度との差が、これからの制御において広がらないようにするために、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置のいずれかに割り当てるジョブ割当手段と、
を備え
、
前記ジョブ割当手段は、前記両面印刷ジョブに含まれる両面1ページごとの前記表面画像データの印字率と前記裏面画像データの印字率との差のばらつきが小さく、かつ、両面1ページごとの前記印字率の差の平均が所定の平均印字率閾値以上である場合に、前記表面画像データと前記裏面画像データとを、それぞれ先頭から所定ページごとに前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置のいずれかに順次交互に割り当てる
ことを特徴とする両面印刷システム。
【請求項2】
前記下流側印刷装置により印刷処理された用紙の表裏を反転する最終反転部をさらに備えた前記両面印刷システムであって、
前記下流側印刷装置によりいずれか一方の画像データに基づいて印刷された用紙を前記最終反転部により表裏反転させる制御手段を
さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の両面印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷処理する画像データを画像形成部に適切に割り当てることにより生産性を向上させる両面印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙反転経路を含む循環搬送路を有し、給紙台から給紙された用紙の一方の面に印刷し、この一方の面に印刷された用紙を、用紙反転経路を搬送することで表裏反転し、他方の面に印刷を行うことにより両面印刷を実行する両面印刷装置がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような両面印刷装置では、給紙台から給紙される用紙と、用紙反転経路により表裏反転された用紙とが交互に搬送されるので、片面印刷する場合と比較して印刷時間が長くなっていた。
【0004】
そこで、特許文献2のように第1画像形成部と第2画像形成部とを直列に配置し、第1画像形成部により一方の面に印刷された用紙を、反転装置により表裏反転し、第2画像形成部により他方の面に印刷を行うタンデム式のインクジェット記録装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-91304号公報
【文献】特開2011-51342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、インクジェット印刷装置で用いられるインクは、低温では粘度が高く、高温では粘度が低いというように温度条件により粘度が変化する温度特性を有している。そして、このインクの粘度に応じて、インク滴の液滴径の大きさや吐出速度にばらつきが生じたり、吐出によるミストの発生量が増加し、高精細な印刷物を得ることができなくなる場合がある。そのため、インクを適正な粘度になるように温度調節する必要がある。
【0007】
特許文献2に記載のタンデム式のインクジェット記録装置では、第1画像形成部と第2画像形成部とのうち、例えばインク温度上昇により一方の画像形成部が使用不可となった場合、巡回用搬送路を経由して使用可能な画像形成部を使用して印刷を継続させる。
【0008】
このように、いずれかの画像形成部が使用不可となるまで印刷を継続し、一方の画像形成部が使用不可となると、残りの画像形成部で印刷を継続するので、生産性が低下する。
【0009】
例えば、表面には文字を印刷し裏面にはカラーで写真広告を印刷する帳票印刷を連続して数万枚単位で実行する場合、裏面を印刷する画像形成部の方がインクジェットヘッドの温度上昇に伴ってインク温度が上昇しやすい。
【0010】
そのため、表面を印刷している画像形成部はまだ十分に印刷を継続することができるにもかかわらず、裏面を印刷している画像形成部のインク温度上昇によって使用不可となるので、生産性が低下することになる。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷処理する画像データを画像形成部に適切に割り当てることにより生産性を向上させる両面印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る両面印刷システムの特徴は、
搬送される用紙に対して第1印刷部により印刷処理を実行する上流側印刷装置と、前記上流側印刷装置により印刷処理が実行された用紙の表裏を反転する中間反転装置と、前記中間反転装置により表裏が反転された用紙に対して、第2印刷部により印刷処理を実行する下流側印刷装置とを用いて両面印刷を実行する両面印刷システムであって、
前記第1印刷部の温度と前記第2印刷部の温度との差を小さくするように、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置のいずれかに割り当てるジョブ割当手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る両面印刷システムの特徴によれば、印刷処理する画像データを画像形成部に適切に割り当てることにより生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムの機能を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムにおけるモード選択処理の処理内容を示したフローチャートである。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムにおけるモード選択処理において印字率算出モードが設定された場合の印字率算出モード実行処理の処理内容を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムにおけるモード選択処理において印字率算出モードが設定された場合の最終反転装置の最終反転制御の処理内容を示したフローチャートである。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムにおけるモード選択処理において所定間隔切替モードが設定された場合の所定間隔切替モード実行処理の処理内容を示した説明図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る両面印刷システムにおけるモード選択処理において温度測定モードが設定された場合の温度測定モード実行処理の処理内容を示した状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(両面印刷システムの概略構成)
まず、本発明の第1実施形態に係る両面印刷システム1の構成について説明する。両面印刷システム1は、PCなどの端末装置から送信された両面印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブに基づいて、印刷媒体である用紙の両面に画像を印刷する。
【0017】
また、本実施形態に係る両面印刷システム1は、用紙に所定の印刷処理を各々行う2つの印刷装置を、用紙の搬送路に沿って直列的に配置したタンデム方式の印刷システムである。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る両面印刷システム1の概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る両面印刷システム1は、上流側印刷装置10と、中間反転装置20と、下流側印刷装置30と、最終反転装置50と、統括制御装置40とを備える。
【0019】
また、本実施形態において、所定の印刷処理とは、要求された画像の印刷を完成させる処理であり、上流側印刷装置10が、用紙の一方の面に対して所定の印刷処理を実行し、下流側印刷装置30が、用紙の他方の面に対して印刷処理を実行する。なお、所定の印刷処理は、白黒印刷又はカラー印刷処理を含む。
【0020】
また、
図1において、二重線または太線で示す経路が、用紙が搬送される搬送路である。当該搬送路は、上流側印刷装置10における搬送路R1と、中間反転装置20における搬送路R2と、下流側印刷装置30における搬送路R3と、最終反転装置50における搬送路R4,R5とを含む。
【0021】
図1に示すように、上流側印刷装置10は、サイド給紙部110と、内部給紙部120と、印刷部130と、排紙部140と、反転部150とを備えている。
【0022】
サイド給紙部110は、用紙Pが積層される給紙台111と、この給紙台111から最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR1上へ搬送させるピックアップローラ112と、このピックアップローラ112によって搬送された用紙Pを一時的に弛ませることにより斜行補正を行った後、循環搬送路CR1上へ搬送するレジストローラ114とを備えている。
【0023】
内部給紙部120は、用紙Pが積層される給紙台121a~121dと、この給紙台121a~121dから最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR1上へ搬送させるピックアップローラ122a~122dとを備えている。
【0024】
そして、ピックアップローラ122a~122dから給紙搬送路FR1上へ搬送された用紙Pを、給紙搬送路FR1上でレジストローラ114へと搬送する中間搬送ローラ123とを備えている。
【0025】
このように、レジストローラ114には、サイド給紙部110のピックアップローラ112及び内部給紙部120の中間搬送ローラ123から用紙Pが搬送され、さらに、後述する反転部150の搬送ローラ153からも用紙Pが搬送され、搬送された用紙Pを一時的に弛ませることにより斜行補正を行った後、循環搬送路CR1上へ搬送する。
【0026】
そのため、搬送方向におけるレジストローラ114の手前には、給紙された用紙Pの搬送路と、一方の面が印刷された用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙搬送路FR1と称し、それ以外の経路を循環搬送路CR1と称している。
【0027】
印刷部130は、複数の印字ヘッドが組み込まれたインクジェットヘッドユニット134と、インクジェットヘッドユニット134の対向面に設けられた環状の搬送ベルト133とを備えており、レジストローラ114により給紙された用紙Pは、所定の搬送速度で搬送されながら、インクジェットヘッドユニット134から吐出されたインクにより用紙Pに印刷される。また、インクジェットヘッドユニット134内部のインクの温度を測定する温度計137が設けられている。
【0028】
印刷部130により印刷された用紙Pは、循環搬送路CR1上に配置された搬送ローラ等によって筐体内を循環搬送路CR1上で搬送される。循環搬送路CR1上には、循環搬送路CR1上を搬送された用紙Pを中間反転装置20へ誘導するか、又は循環搬送路CR1上を再循環させるかを切り替える切り替え機構135が備えられている。また、循環搬送路CR1上を搬送された用紙Pを排紙部140へ誘導するか、又は循環搬送路CR1上を再循環させるかを切り替える切り替え機構143が備えられている。
【0029】
排紙部140は、上流側印刷装置10の筐体から突出したトレイ形状をしたフェイスダウン排紙台141を有している。そして、切り替え機構143により排紙部140に誘導された用紙Pは、フェイスダウン排紙台141に搬送されて積載される。
【0030】
反転部150は、用紙Pを反転させる反転台151を備えている。
【0031】
切り替え機構143により反転部150に誘導された用紙Pは、循環搬送路CR1から反転台151に搬送され、所定時間経過後、反転台151から循環搬送路CR1へ搬送されることにより、循環搬送路CR1に対して表裏が反転する。そして、表裏が反転された用紙Pは、循環搬送路CR1上を印刷部130へ向かって搬送される。
【0032】
装置制御部160は、後述する統括制御装置40から送られてくる表面画像データまたは裏面画像データに基づいて、サイド給紙部110と、内部給紙部120と、印刷部130と、排紙部140と、反転部150を制御して、用紙Pに画像を印刷すると共に、印刷した用紙Pを中間反転装置20へ搬送するか、またはフェイスダウン排紙台141に排紙させる。
【0033】
中間反転装置20は、上流側印刷装置10の搬送方向下流側に配置される。中間反転装置20は、上流側印刷装置10から搬出された用紙Pの表裏を反転させた後、下流側印刷装置30に搬送する。中間反転装置20は、搬送部210と、装置制御部260とを備える。
【0034】
搬送部210は、搬送ローラ211、212、213を備え、搬送ローラ211、212、213の駆動により、搬送路R2に沿って用紙Pを搬送する。
【0035】
装置制御部260は、中間反転装置20の各種機能を制御する。これにより、用紙Pは、搬送路R2上で搬送され、反転版221に突き当たると、搬送ローラ212が逆回転することにより表裏反転されて搬送ローラ213により下流側印刷装置30へ搬送される。
【0036】
下流側印刷装置30は、中間搬送部310と、内部給紙部320と、印刷部330と、排紙部340と、反転部350とを備えている。
【0037】
中間搬送部310は、中間反転装置20により表裏が反転された用紙Pを給紙搬送路FR3上へ搬送させる搬送ローラ312と、この搬送ローラ312によって搬送された用紙Pを、一時的に弛ませることにより斜行補正を行った後、循環搬送路CR3上へ搬送するレジストローラ314とを備えている。
【0038】
内部給紙部320は、用紙Pが積層される給紙台321a~321dと、この給紙台321aから最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR3上へ搬送させるピックアップローラ322a~322dとを備えている。
【0039】
そして、ピックアップローラ322a~322dから給紙搬送路FR3上へ搬送された用紙Pを、給紙搬送路FR3上でレジストローラ314へと搬送する中間搬送ローラ323とを備える。
【0040】
このように、レジストローラ314には、中間搬送部310の搬送ローラ312及び内部給紙部320の中間搬送ローラ323から用紙Pが搬送され、さらに、後述する反転部350の搬送ローラ353からも用紙Pが搬送され、搬送された用紙Pを一時的に弛ませることにより斜行補正を行った後、循環搬送路CR3上へ搬送する。
【0041】
そのため、搬送方向におけるレジストローラ314の手前には、給紙された用紙Pの搬送路と、一方の面が印刷された用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙搬送路FR3と称し、それ以外の経路を循環搬送路CR3と称している。なお、下流側印刷装置30では、用紙Pが中間反転装置20から搬送されるので、内部給紙部320や給紙搬送路FR3は、必ずしも備える必要はなく、片面のみ印刷する場合などに用いられる。
【0042】
印刷部330は、複数の印字ヘッドが組み込まれたインクジェットヘッドユニット334と、インクジェットヘッドユニット334の対向面に設けられた環状の搬送ベルト333とを備えており、レジストローラ314により給紙された用紙Pは、所定の搬送速度で搬送されながら、インクジェットヘッドユニット334から吐出されたインクにより用紙Pに印刷される。また、インクジェットヘッドユニット334内部のインクの温度を測定する温度計337が設けられている。
【0043】
印刷部330により印刷された用紙Pは、循環搬送路CR3上に配置された搬送ローラ等によって筐体内を循環搬送路CR3上で搬送される。循環搬送路CR3上には、循環搬送路CR3上を搬送された用紙Pを、最終反転装置50へ誘導するか、又は循環搬送路CR3上を再循環させるかを切り替える切り替え機構335が備えられている。また、循環搬送路CR3上を搬送された用紙Pを排紙部340へ誘導するか、又は循環搬送路CR3上を再循環させるかを切り替える切り替え機構343が備えられている。
【0044】
排紙部340は、下流側印刷装置30の筐体から突出したトレイ形状をしたフェイスダウン排紙台341を有している。そして、切り替え機構343により排紙部340に誘導された用紙Pは、フェイスダウン排紙台341に搬送されて積載される。
【0045】
反転部350は、用紙Pを反転させる反転台351を備えている。
【0046】
切り替え機構343により反転部350に誘導された用紙Pは、循環搬送路CR3から反転台351に搬送され、所定時間経過後、反転台351から循環搬送路CR3へ搬送されることにより、循環搬送路CR3に対して表裏が反転する。そして、表裏が反転された用紙Pは、循環搬送路CR3上を印刷部330へ向かって搬送される。
【0047】
装置制御部360は、後述する統括制御装置40から送られてくる表面画像データまたは裏面画像データに基づいて、中間搬送部310と、内部給紙部320と、印刷部330と、排紙部340と、反転部350を制御して、用紙Pに画像を印刷すると共に、印刷した用紙Pを最終反転装置50へ搬送するか、またはフェイスダウン排紙台341に排紙させる。
【0048】
最終反転装置50は、下流側印刷装置30の搬送方向下流側に配置される。最終反転装置50は、搬送部510と、装置制御部560とを備える。
【0049】
搬送部510は、搬送ローラ511、512、513が備えておりそれぞれの搬送ローラの駆動により用紙Pが搬送される。搬送ローラ511の下流側には、搬送ローラ511により搬送された用紙Pを、反転経路R4へ誘導するか、又は直接排紙経路R5へ誘導するかを切り替える切り替え機構514が備えられている。
【0050】
反転経路R4へ誘導された用紙Pは、表裏を反転させた後、排紙台345に搬送される。直接排紙経路R5へ誘導された用紙Pは、反転されることなく排紙台345に搬送される。
【0051】
装置制御部560は、最終反転装置50の各種機能を制御する。例えば、切り替え機構514を切り替えて用紙Pが、反転経路R4上で搬送されると、反転版521に突き当たり、搬送ローラ512が逆回転することにより表裏反転されて搬送ローラ513により排紙台345へ搬送される。
【0052】
統括制御装置40は、両面印刷システム1内の各種機能を制御する。また、統括制御装置40は、印刷ジョブに基づく印刷処理を実行するように、上流側印刷装置10と、中間反転装置20と、下流側印刷装置30と、最終反転装置50とを統括して制御する。
【0053】
(統括制御装置40の構成)
次に、統括制御装置40の構成について、具体的に説明する。
図2は、両面印刷システム1の機能を示すブロック図である。
【0054】
図2に示すように、統括制御装置40は、ジョブ受信部41と、モード選択部42と、ジョブ割当部43と、記憶部44と、通信部47とを備える。
【0055】
ジョブ受信部41は、端末装置100との間で情報を送受信する。具体的に、ジョブ受信部41は、ユーザが使用する端末装置100から印刷ジョブ(両面印刷ジョブ)を受信する。なお、ここでの通信は、例えば、イントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワーク等を含むとともに、有線通信と無線通信との何れであってもよい。
【0056】
モード選択部42は、印字率算出モード、所定間隔切替モード、温度測定モード、および通常モードのいずれかのモードを選択する。
【0057】
印字率算出モードとは、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとの印字率に基づいて、上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を割り当てるモードである。
【0058】
所定間隔切替モードとは、表面画像データと裏面画像データとをそれぞれ、例えば、10ページごとに、上流側印刷装置10または下流側印刷装置30のいずれかに順次交互に割り当てるモードである。
【0059】
温度測定モードとは、温度計137により検知されたインクジェットヘッドユニット134内部のインクの温度、または温度計337により検知されたインクジェットヘッドユニット334内部のインクの温度が、ニア温度Th1を超えた場合、表面画像データおよび裏面画像データに対して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えるモードである。ここで、ニア温度Th1は、装置を停止すべき上限温度Th2より低く設定された閾温度である。
【0060】
ジョブ割当部43は、モード選択部42により選択された印字率算出モード、所定間隔切替モード、温度測定モードに基づいて、インクジェットヘッドユニット134の温度とインクジェットヘッドユニット134の温度との差を小さくするように、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ上流側印刷装置10または下流側印刷装置30のいずれかに割り当てる。
【0061】
記憶部44は、ハードディスク又はメモリ等によって構成され、受信した両面印刷ジョブを記憶したり、統括制御装置40の処理に用いられる各種情報を記憶したりする。
【0062】
通信部47は、上流側印刷装置10、中間反転装置20、下流側印刷装置30、最終反転装置50のそれぞれとの間で、各種情報を送受信する。
【0063】
<両面印刷システム1の作用>
次に、本発明の一実施形態である両面印刷システム1の作用について説明する。
【0064】
≪モード選択処理≫
図3は、両面印刷システム1におけるモード選択処理の処理内容を示したフローチャートである。
【0065】
統括制御装置40が端末装置100から両面印刷ジョブを受信すると(ステップS101;YES)、モード選択部42は、両面印刷ジョブに多数ページが含まれるか否かを判定する(ステップS103)。例えば、予めページ数閾値を10,000(ページ)と設定しておき、両面印刷ジョブに10,000(ページ)を超えるページ数のデータが含まれているか否かを判定する。
【0066】
両面印刷ジョブに多数ページが含まれない場合(ステップS103;NO)、インクジェットヘッドユニットの温度上昇を考慮する必要がないので、モード選択部42は、通常モードを設定する(ステップS105)。この通常モードが設定されると、上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えることなく、例えば、上流側印刷装置10が表面画像データに基づいて用紙Pの一方の面を印刷し、下流側印刷装置30が裏面画像データに基づいて用紙Pの他方の面を印刷する。
【0067】
両面印刷ジョブに多数ページが含まれる場合(ステップS103;YES)、モード選択部42は、固定フォーマット条件を満たすか否かを判定する(ステップS107)。ここで、固定フォーマット条件とは、例えば、帳票データのように、両面1ページごとの表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率との差のばらつきが小さく、かつ、両面1ページごとの表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率との差の平均が所定の平均印字率閾値以上とする条件のことをいう。そのため、予め両面印刷ジョブのヘッダに帳票データであることを示す情報を記憶しておき、モード選択部42が、この情報が含まれている場合に固定フォーマット条件を満たすと判定してもよいし、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとに基づいて固定フォーマット条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。なお、両面1ページとは、表面画像データ1ページと裏面画像データ1ページとの組のことをいう。
【0068】
固定フォーマット条件を満たすと判定された場合(ステップS107;YES)、両面1ページごとの表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率との差のばらつきが小さいので、インクジェットヘッドユニット134の温度とインクジェットヘッドユニット134の温度とがそれぞれ一定の温度勾配で上昇する可能性が高い。また、両面1ページごとの表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率との差の平均が所定値以上であるので、それぞれ温度勾配が異なり、印字率の高い方の画像データに基づいて印刷しているインクジェットヘッドユニットの温度が上昇しやすくなる。
【0069】
そのため、モード選択部42は、所定間隔切替モードを設定する(ステップS109)。
【0070】
固定フォーマット条件を満たさないと判定された場合(ステップS107;NO)、モード選択部42は、両面印刷ジョブのジョブデータサイズが所定値以下か否かを判定する(ステップS111)。
【0071】
ジョブデータサイズが所定値以下である場合(ステップS111;YES)、表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率を算出したとしても算出の負荷は小さいと想定できるので、モード選択部42は、印字率算出モードを設定する(ステップS113)。
【0072】
その一方、ジョブデータサイズが所定値を超える場合(ステップS111;NO)、表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率を算出すると、算出の負荷が大きく印刷開始までに相当の時間を要すると想定できるので、モード選択部42は、温度測定モードを設定する(ステップS115)。
【0073】
≪印字率算出モード実行処理≫
図4は、モード選択処理において印字率算出モードが設定された場合の印字率算出モード実行処理の処理内容を示したフローチャートである。
【0074】
印字率算出モードが設定されると、ジョブ割当部43は、変数nをイニシャライズした後(ステップS201)、nブロック目の表面画像データの印字率A(n)と、nブロック目の裏面画像データの印字率B(n)とを算出する(ステップS203)。ここで、ブロックとは、例えば両面10(ページ)などの予め定めたページ数で区切られた単位のことをいう。
【0075】
そして、ジョブ割当部43は、nブロックまでのA(n)の積算値を示すAT(n)を算出すると共に、nブロックまでのB(n)の積算値を示すBT(n)を算出する(ステップS205)。
【0076】
nが全ブロック数Nを超えた場合には、処理を終了し(ステップS207;YES)、nが全ブロック数Nを超えていない場合、ジョブ割当部43は、印字率積算値AT(n)と印字率積算値BT(n)との差の絶対値が所定の印字率差閾値Thcを超えたか否かを判定する(ステップS209)。
【0077】
印字率差閾値Thc以下であると判定された場合(ステップS209;NO)、インクジェットヘッドユニット134の温度上昇とインクジェットヘッドユニット134の温度上昇にあまり差はないと予測できるので、上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えることなく、nをインクリメントして(ステップS219)、処理をステップS203へ移行する。
【0078】
一方、印字率差閾値Thcを超えたと判定された場合(ステップS209;YES)、印字率の高い方の画像データに基づいて印刷しているインクジェットヘッドユニットの温度が上昇しやすくなる。
【0079】
そこで、ジョブ割当部43は、フラグをオンにする(ステップS211)と共に、表面画像データおよび裏面画像データに対して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替える(ステップS213)。例えば、表面画像データに対して上流側印刷装置10が割り当てられ、裏面画像データに対して下流側印刷装置30が割り当てられていた場合、ジョブ割当部43は、表面画像データに対して下流側印刷装置30を割り当て、裏面画像データに対して上流側印刷装置10を割り当てる。
【0080】
そして、ジョブ割当部43は、印字率積算値AT(n)と印字率積算値BT(n)とに“0”を代入した後(ステップS215)、nをインクリメントして(ステップS219)、処理をステップS203へ移行する。
【0081】
以上のように、モード選択処理において印字率算出モードが設定された場合、ジョブ割当部43が、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データに基づいて、表面裏面それぞれ先頭から順に印字率を積算し、積算した表面画像データの印字率の積算値と裏面画像データの印字率の積算値との差が印字率差閾値Thcを超えた位置を上流側印刷装置10または下流側印刷装置30の切り替え位置とする処理を、両面印刷ジョブ全体に渡って繰り返すことにより、表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ上流側印刷装置10または下流側印刷装置30のいずれかに割り当てる。
【0082】
これにより、印字率に基づいてより正確にインクジェットヘッドユニットの温度上昇を想定して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えることができるので、いずれか一方のインクジェットヘッドユニットの温度が上昇することを防止することにより、生産性を向上させることができる。
【0083】
≪最終反転処理≫
モード選択処理において印字率算出モードが設定された場合、予め印字率に基づいて上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替える位置が定められる。
【0084】
上流側印刷装置10または下流側印刷装置30に切り替えられると、切り替えられる度に、上面に表面画像データに基づいて印刷された用紙Pと、上面に裏面画像データに基づいて印刷された用紙Pとが混在することになる。
【0085】
そのため、印刷した後、表面画像データと裏面画像データとのうちいずれか一方の画像データに基づいて印刷された用紙Pを最終反転装置50により表裏反転させることにより、排紙された用紙Pの上面に印刷された画像を表面画像または裏面画像のいずれかに統一する必要がある。
【0086】
図5は、モード選択処理において印字率算出モードが設定された場合の最終反転装置の最終反転制御の処理内容を示したフローチャートである。
【0087】
印字率算出モードが設定されて印刷開始が要求されると、統括制御装置40は、変数nをイニシャライズした後(ステップS301)、nブロック目の印刷を開始する(ステップS303)。
【0088】
そして、nブロック目の印刷が終了すると(ステップS305)、装置制御部560は、フラグがオンに設定されるか否かを判定する(ステップS307)。
【0089】
フラグがオンに設定されている場合(ステップS307;YES)、下流側印刷装置30に表面画像データおよび裏面画像データの両方が割り当てられていることになる。そのため、上面に表面画像データに基づいて印刷された用紙Pと、上面に裏面画像データに基づいて印刷された用紙Pとが混在して排紙されないように、最終反転装置50による表裏反転のオンオフを切り替える(ステップS309)。具体的には、用紙Pが反転経路R4へ誘導されていた場合、直接排紙経路R5へ誘導するように切り替え機構514を切り替える。一方、用紙Pが直接排紙経路R5へ誘導されていた場合、反転経路R4へ誘導するように切り替え機構514を切り替える。
【0090】
そして、統括制御装置40は、nが全ブロック数Nを超えた場合には、処理を終了し(ステップS311;YES)、nが全ブロック数Nを超えていない場合、nをインクリメントして(ステップS313)、処理をステップS303へ移行する。
【0091】
このように、両面印刷ジョブごとに下流側印刷装置30に表面画像データおよび裏面画像データの両方が割り当てられているか否かを判定し、表面画像データおよび裏面画像データの両方が割り当てられている場合に、下流側印刷装置30によりいずれか一方の画像データに基づいて印刷された用紙を最終反転装置50により表裏反転させる。
【0092】
これにより、排紙された用紙Pの上面に印刷された画像を表面画像または裏面画像のいずれかに統一することができる。
【0093】
なお、下流側印刷装置30により印刷が完了した用紙Pを最終反転装置50で表裏反転する代わりに、反転部350により表裏反転するようにしてもよい。
【0094】
最終反転装置50により表裏反転する場合には、搬送距離が短いのでその分生産性が高い。その一方、反転部350により表裏反転する場合には、新たに、最終反転装置50を設ける必要がないので、製造コストを低減することができる。
【0095】
≪所定間隔切替モード実行処理≫
図6は、モード選択処理において所定間隔切替モードが設定された場合の所定間隔切替モード実行処理の処理内容を示した説明図である。
【0096】
所定間隔切替モードが設定されると、ジョブ割当部43は、変数nをイニシャライズした後(ステップS401)、nブロック目の印刷を開始する(ステップS403)。
【0097】
そして、nブロック目の印刷が終了すると(ステップS405)、ジョブ割当部43は、表面画像データおよび裏面画像データに対して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替える(ステップS407)。例えば、表面画像データに対して上流側印刷装置10が割り当てられ、裏面画像データに対して下流側印刷装置30が割り当てられていた場合、ジョブ割当部43は、表面画像データに対して下流側印刷装置30を割り当て、裏面画像データに対して上流側印刷装置10を割り当てるように切り替える。
【0098】
次に、装置制御部560は、上面に表面画像データに基づいて印刷された用紙Pと、上面に裏面画像データに基づいて印刷された用紙Pとが混在して排紙されないように、最終反転装置50による表裏反転のオンオフを切り替える(ステップS409)。具体的には、用紙Pが反転経路R4へ誘導されていた場合、直接排紙経路R5へ誘導するように切り替え機構514を切り替える。一方、用紙Pが直接排紙経路R5へ誘導されていた場合、反転経路R4へ誘導するように切り替え機構514を切り替える。
【0099】
そして、統括制御装置40は、nが全ブロック数Nを超えた場合には、処理を終了し(ステップS411;YES)、nが全ブロック数Nを超えていない場合、nをインクリメントして(ステップS413)、処理をステップS403へ移行する。
【0100】
このように、ジョブ割当部43は、固定フォーマット条件を満たす、すなわち、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データの印字率と裏面画像データの印字率との差のばらつきが小さく、かつ、印字率の差の平均が所定の平均印字率閾値以上である場合に、所定間隔切替モードを実行することによって、表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ先頭から所定ページごとに上流側印刷装置10または下流側印刷装置30のいずれかに順次交互に割り当てる。
【0101】
これにより、両面印刷ジョブが帳票のような固定フォーマットである場合、印字率を算出することなく、インクジェットヘッドユニットの温度上昇を想定して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えることができるので、いずれか一方のインクジェットヘッドユニットの温度が上昇することを防止することにより、生産性を向上させることができる。
【0102】
≪温度測定モード実行処理≫
図7は、モード選択処理において温度測定モードが設定された場合の温度測定モード実行処理の処理内容を示した状態遷移図である。
【0103】
温度計137により検知されたインクジェットヘッドユニット134内部のインク温度T1と、温度計337により検知されたインクジェットヘッドユニット334内部のインク温度T2とが、いずれもニア温度Th1以下の場合、上流側印刷装置10および下流側印刷装置30を切り替えることなく印刷を継続する(601)。
【0104】
また、インク温度T1またはインク温度T2のいずれか一方がニア温度Th1を超えた場合、ジョブ割当部43は、表面画像データおよび裏面画像データに対して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えて印刷を継続する(603)。これにより、いずれか一方のインクジェットヘッドユニットの温度が上昇することを防止することにより、生産性を向上させることができる。
【0105】
また、さらに、インクジェットヘッドユニットの温度が上昇し、インク温度T1およびインク温度T2の両方がニア温度Th1を超えた場合、上流側印刷装置10および下流側印刷装置30を切り替えることなく印刷を継続する(605)。
【0106】
そして、インク温度T1またはインク温度T2のいずれか一方が上限温度Th2を超えた場合、これ以上印刷を継続すると、インクの粘度が低下し吐出によるミストの発生量が増加し、高精細な印刷物を得ることができなくなる場合がある。
【0107】
そこで、統括制御装置40は、印刷を停止する(607)。
【0108】
このように、モード選択処理において温度測定モードが設定された場合、温度計137により検知されたインクジェットヘッドユニット134内部のインクの温度、または温度計337により検知されたインクジェットヘッドユニット334内部のインクの温度が、ニア温度Th1を超えた場合、表面画像データおよび裏面画像データに対して上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替える。
【0109】
そのため、実際に測定したインクジェットヘッドユニットの温度上昇に基づいて、より正確に上流側印刷装置10または下流側印刷装置30を切り替えることができるので、いずれか一方のインクジェットヘッドユニットの温度が上昇することを防止することにより、生産性を向上させることができる。
【0110】
以上のように、本発明の一実施形態である両面印刷システム1によれば、ジョブ割当部43が、インクジェットヘッドユニット134の温度T1とインクジェットヘッドユニット334の温度との差を小さくするように、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ上流側印刷装置10または下流側印刷装置30のいずれかに割り当てる。そのため、いずれか一方のインクジェットヘッドユニットの温度が上昇することを防止することにより、生産性を向上させることができる。
【0111】
なお、上流側印刷装置10と下流側印刷装置30とは、インクジェットヘッドユニットを備えるインクジェット印刷装置として説明したが、印刷部としてはこれに限らず、たとえば孔版印刷装置のような他のタイプの印刷装置であってもよい。
【0112】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0113】
(付記1)
搬送される用紙に対して第1印刷部により印刷処理を実行する上流側印刷装置と、前記上流側印刷装置により印刷処理が実行された用紙の表裏を反転する中間反転装置と、前記中間反転装置により表裏が反転された用紙に対して、第2印刷部により印刷処理を実行する下流側印刷装置とを用いて両面印刷を実行する両面印刷システムであって、
前記第1印刷部の温度と前記第2印刷部の温度との差を小さくするように、両面印刷ジョブに含まれる表面画像データと裏面画像データとを、それぞれ前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置のいずれかに割り当てるジョブ割当手段と、
を備えたことを特徴とする両面印刷システム。
【0114】
(付記2)
前記ジョブ割当手段は、前記両面印刷ジョブに含まれる前記表面画像データの印字率と前記裏面画像データの印字率との差のばらつきが小さく、かつ、前記印字率の差の平均が所定の平均印字率閾値以上である場合に、前記表面画像データと前記裏面画像データとを、それぞれ先頭から所定ページごとに前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置のいずれかに順次交互に割り当てる
ことを特徴とする(付記1)記載の両面印刷システム。
【0115】
(付記3)
前記ジョブ割当手段は、前記両面印刷ジョブに含まれる前記表面画像データと前記裏面画像データに基づいて、表面裏面それぞれ先頭から順に印字率を積算し、前記積算した前記表面画像データの印字率の積算値と前記裏面画像データの印字率の積算値との差が所定の印字率差閾値を超えた位置を前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置の切り替え位置とする処理を、前記両面印刷ジョブ全体に渡って繰り返すことにより、前記表面画像データと前記裏面画像データとを、それぞれ前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置のいずれかに割り当てる
ことを特徴とする(付記1)記載の両面印刷システム。
【0116】
(付記4)
前記第1印刷部の温度を検知する第1温度検出手段と、
前記第2印刷部の温度を検知する第2温度検出手段と、をさらに備え、
前記ジョブ割当手段は、前記第1温度検出手段により検知された温度または前記第2温度検出手段により検知された温度が、装置を停止すべき温度より低く設定された所定の温度を超えた場合、前記表面画像データおよび前記裏面画像データに対して前記割り当てられていた前記上流側印刷装置または前記下流側印刷装置を切り替える
ことを特徴とする(付記1)記載の両面印刷システム。
【0117】
(付記5)
前記下流側印刷装置により印刷処理された用紙の表裏を反転する最終反転部をさらに備えた前記両面印刷システムであって、
前記下流側印刷装置によりいずれか一方の画像データに基づいて印刷された用紙を前記最終反転部により表裏反転させる制御手段を
さらに備えたことを特徴とする(付記1)記載の両面印刷システム。
【符号の説明】
【0118】
1 両面印刷システム
10 上流側印刷装置
20 中間反転装置
30 下流側印刷装置
40 統括制御装置
41 ジョブ受信部
42 モード選択部
43 ジョブ割当部
44 記憶部
47 通信部
50 最終反転装置(最終反転部)
100 端末装置
130,336 印刷部
133 搬送ベルト
134 インクジェットヘッドユニット(第1印刷部)
334 インクジェットヘッドユニット(第2印刷部)
137,337 温度計
160,260,360,560 装置制御部
350 反転部(最終反転部)
514 切り替え機構