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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】遠隔操作システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20220512BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20220512BHJP
   A63F 13/42 20140101ALI20220512BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
A63F13/30
A63F13/42
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018051576
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019162257
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 祐司
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】相木 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】大類 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭司
(72)【発明者】
【氏名】平林 伸大
(72)【発明者】
【氏名】川原 平士郎
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-161457(JP,A)
【文献】特開2007-282677(JP,A)
【文献】特開2011-004797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-11/00
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン部を移動させてプレイ空間に配置された景品の獲得を試みる遠隔操作プレイが可能な景品獲得装置をユーザ端末で遠隔操作する遠隔操作システムであって、
前記景品獲得装置には、前記プレイ空間を撮影するカメラが設置され、前記プレイ空間の座標系を画像認識する際の目印となるマーカが前記カメラから撮影可能な位置に設けられており、
前記カメラの撮影画像をモニター画像として前記ユーザ端末に表示させるモニター画像表示制御手段と、
前記撮影画像中の前記マーカの画像に基づいて、前記プレイ空間の座標系と、前記モニター画像の表示座標系との対応関係を設定する対応関係設定手段と、
前記モニター画像に対するユーザのポインティング操作によって指示された指示位置に対応する前記プレイ空間の指示座標を、前記対応関係に基づいて算出する指示座標算出手段と、
前記指示座標に対応する位置に前記クレーン部を移動させる遠隔操作信号を前記景品獲得装置に送信する操作信号送信制御手段と、
を備えた遠隔操作システム。
【請求項2】
前記景品獲得装置は、ユーザの遠隔操作に従って前記クレーン部を2次元移動させることで位置決めを行い、位置決めされた位置から前記クレーン部のアクションシーケンスを行う装置であり、
前記指示座標算出手段は、前記2次元移動の移動目標座標を前記指示座標として算出する、
請求項1に記載の遠隔操作システム。
【請求項3】
前記対応関係に基づいて、前記プレイ空間中の所与の設定位置に対応する前記モニター画像中の設定表示位置を判定して仮想画像を表示させる仮想画像表示制御手段、
を更に備えた請求項2に記載の遠隔操作システム。
【請求項4】
前記設定位置は、前記2次元移動で前記クレーン部が移動可能な位置であり、
前記仮想画像表示制御手段は、前記2次元移動に係る2次元座標のグリッド線を前記仮想画像として表示させる、
請求項3に記載の遠隔操作システム。
【請求項5】
前記指示座標算出手段は、前記ポインティング操作によって、前記グリッド線の交点の何れかを前記指示位置として、前記指示座標を算出する、
請求項4に記載の遠隔操作システム。
【請求項6】
前記景品獲得装置は、コンティニュープレイが可能な装置であり、
前記仮想画像表示制御手段は、前記コンティニュープレイの回数に応じて、前記グリッド線の間隔を可変に設定する、
請求項5に記載の遠隔操作システム。
【請求項7】
前記設定位置は、前記クレーン部の位置であり、
前記設定表示位置は、前記モニター画像中の前記クレーン部の表示位置であり、
前記仮想画像表示制御手段は、前記設定表示位置から、前記クレーン部が前記アクションシーケンスを行う方向に向けた直線状の前記仮想画像を表示させる、
請求項3~6の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項8】
前記景品には、当該景品の景品位置を画像認識する際の目印となる景品マーカが付されており、
前記景品マーカに基づいて、前記クレーン部の現在の表示位置において前記アクションシーケンスを行った場合の前記アクションシーケンスの方向に前記景品が位置しているか否かを判定する景品存否判定手段、
を更に備え、
前記仮想画像表示制御手段は、前記景品存否判定手段の判定結果に基づいて前記仮想画像の表示形態を変更させる、
請求項3~7の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項9】
前記景品には、当該景品の景品位置を画像認識する際の目印となる景品マーカが付されており、
前記指示座標算出手段は、前記ポインティング操作によって、前記モニター画像中の前記景品の表示箇所が指示された場合に、当該景品に付された景品マーカに基づいて画像認識される前記プレイ空間の座標に向けて前記アクションシーケンスを行う場合の前記クレーン部の前記移動目標座標を、前記指示座標として算出する、
請求項2~8の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項10】
前記景品マーカには、当該景品の種類が関連付けられており、
前記ユーザ端末の遠隔操作画面の背景部分、或いは、前記モニター画像に含まれる前記プレイ空間の背景画像部分に、前記景品の種類に基づく画像を表示させる景品種類画像表示制御手段、
を更に備えた請求項9に記載の遠隔操作システム。
【請求項11】
前記景品は、前記景品マーカとして外面にAR(Augmented Reality)マーカが表記されたARボックスであり、
前記モニター画像中の前記ARボックスに、前記ARマーカに基づく画像を表示させるAR画像表示制御手段、
を更に備えた請求項9又は10に記載の遠隔操作システム。
【請求項12】
前記景品は、外面にAR(Augmented Reality)マーカが付されたARボックスであり、
前記モニター画像中の前記ARボックスに、前記ARマーカに基づく画像を表示させるAR画像表示制御手段、
を更に備えた請求項1~10の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項13】
前記景品獲得装置は、前記クレーン部の移動可能範囲が設定可能に構成されており、
前記対応関係に基づいて、前記移動可能範囲あるいは当該移動可能範囲以外の範囲を、前記モニター画像中に識別表示する移動可能範囲識別表示手段と、
を更に備えた請求項1~12の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項14】
前記遠隔操作システムは、前記ユーザ端末で構成された、請求項1~13の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項15】
前記遠隔操作システムは、前記ユーザ端末を制御するコンピュータシステムで構成された、請求項1~13の何れか一項に記載の遠隔操作システム。
【請求項16】
クレーン部を移動させてプレイ空間に配置された景品の獲得を試みる遠隔操作プレイが可能な景品獲得装置をユーザ端末で遠隔操作するためのプログラムであって、
前記景品獲得装置には、前記プレイ空間を撮影するカメラが設置され、前記プレイ空間の座標系を画像認識する際の目印となるマーカが前記カメラから撮影可能な位置に設けられており、
前記カメラの撮影画像をモニター画像として前記ユーザ端末に表示させるモニター画像表示制御手段、
前記撮影画像中の前記マーカの画像に基づいて、前記プレイ空間の座標系と、前記モニター画像の表示座標系との対応関係を設定する対応関係設定手段、
前記モニター画像に対するユーザのポインティング操作によって指示された指示位置に対応する前記プレイ空間の指示座標を、前記対応関係に基づいて算出する指示座標算出手段、
前記指示座標に対応する位置に前記クレーン部を移動させる遠隔操作信号を前記景品獲得装置に送信する操作信号送信制御手段、
として前記ユーザ端末を機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン部を移動させてプレイ空間に配置された景品の獲得を試みる遠隔操作プレイが可能な景品獲得装置をユーザ端末で遠隔操作する遠隔操作システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用ゲーム装置でプレイする場合、ゲームセンターなどの店舗や施設に出向いてプレイする必要がある。しかし近年は、ネットワーク技術の発展とスマートフォンに代表されるユーザ端末の機能向上とによって、ネットワークを介して業務用ゲーム装置を遠隔操作して遊ぶ技術が実用化されつつある。
【0003】
例えば、特許文献1には、俗に「クレーンゲーム機」と呼ばれる業務用ゲーム装置の一種である景品獲得装置を遠隔操作してプレイできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-259216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、こうした景品獲得装置をユーザ端末で遠隔操作させて景品を獲得させるシステムを運営する運営事業者は、常に、ユーザを惹き付ける方策と、収益向上を望んでいる。ユーザを惹き付ける魅力の1つは、操作入力が如何に簡単で直感的であるかである。
【0006】
一方で、遠隔操作のためにユーザが使用する装置の1つとして、例えばスマートフォンが考えられる。スマートフォンには、画像表示手段であるとともにタッチ位置を検出する手段である「タッチパネル」が標準的に搭載されており、タッチ操作によってポインティング操作が可能である。また、パソコンを遠隔操作用の装置とするならば、マウス操作によってポインティング操作が可能である。
【0007】
本発明は、こうした背景に基づいて考案されたものであり、その目的は、景品獲得装置を遠隔操作して景品の獲得に挑戦するゲームにおいて、ポインティング操作に基づいた遠隔操作であって高い操作性を実現するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための第1の発明は、クレーン部を移動させてプレイ空間に配置された景品の獲得を試みる遠隔操作プレイが可能な景品獲得装置をユーザ端末で遠隔操作する遠隔操作システムであって、前記景品獲得装置には、前記プレイ空間を撮影するカメラが設置され、前記プレイ空間の座標系を画像認識する際の目印となるマーカが前記カメラから撮影可能な位置に設けられており、
前記カメラの撮影画像をモニター画像として前記ユーザ端末に表示させるモニター画像表示制御手段(例えば、図5の制御基板1550、図6のライブモニター画像38、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、モニター画像表示制御部212、図18のステップS16、ステップS22)と、
前記撮影画像中の前記マーカの画像に基づいて、前記プレイ空間の座標系と、前記モニター画像の表示座標系との対応関係を設定する対応関係設定手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、対応関係設定部214、図18のステップS18)と、
前記モニター画像に対するユーザのポインティング操作によって指示された指示位置に対応する前記プレイ空間の指示座標を、前記対応関係に基づいて算出する指示座標算出手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、指示座標算出部216、図19のステップS94~ステップS96)と、
前記指示座標に対応する位置に前記クレーン部を移動させる遠隔操作信号を前記景品獲得装置に送信する操作信号送信制御手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、操作信号送信制御部218、図19のステップS98)と、を備えた遠隔操作システムである。
【0009】
ここで言う「クレーン部」とは、景品獲得装置において景品を獲得するために移動し得る機構部であり、「把持する」「掬う」「引っ掛ける」「吸着する」などの形態が考えられ、何らかのかたちで景品と係合する機構部ということができる。
【0010】
第1の発明によれば、モニター画像にポインティング操作された位置座標に基づいて、プレイ空間における位置座標を求めることができる。ユーザは、景品獲得装置の景品の様子をモニター画像で見ながらポインティング操作することでクレーン部を何処に移動させるかを指示できるようになる。よって、ポインティング操作に基づく遠隔操作において高い操作性を実現することができる。
【0011】
第2の発明は、前記景品獲得装置が、ユーザの遠隔操作に従って前記クレーン部を2次元移動させることで位置決めを行い、位置決めされた位置から前記クレーン部のアクションシーケンスを行う装置であり、前記指示座標算出手段は、前記2次元移動の移動目標座標を前記指示座標として算出する、第1の発明の遠隔操作システムである。
【0012】
ここで言う「アクションシーケンス」とは、クレーン部と景品とを係合させるための一連の順序・過程である。当該シーケンスにおける動作すなわちアクション動作は、クレーン部の機構等に応じて適宜設定可能である。例えば、クレーン部が、複数の把持爪(又は把持腕と呼ばれても良い。)を開閉して、景品を把持する構成であるならば、アクションシーケンスには、降下して把持爪を開いた後に把持爪を閉じ、上昇するまでの一連のキャッチ動作が含まれる。降下においては、ストップ操作入力に応じて降下動作をストップさせる構成も、自動的に降下させる構成もアクションシーケンスに含まれる。
【0013】
第2の発明によれば、2次元移動するクレーン部の遠隔操作に第1の発明を適用できるようになる。
【0014】
第3の発明は、前記対応関係に基づいて、前記プレイ空間中の所与の設定位置に対応する前記モニター画像中の設定表示位置を判定して仮想画像を表示させる仮想画像表示制御手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、仮想画像表示制御部220、図18のステップS22)、を更に備えた第2の発明の遠隔操作システムである。
【0015】
第3の発明によれば、モニター画像に、プレイ空間中の所与の設定位置に対応するモニター画像中の位置に、仮想画像を表示させることができる。
【0016】
第4の発明は、前記設定位置が、前記2次元移動で前記クレーン部が移動可能な位置であり、前記仮想画像表示制御手段は、前記2次元移動に係る2次元座標のグリッド線を前記仮想画像として表示させる、第3の発明の遠隔操作システムである。
【0017】
ここで言う「グリッド線」は、例えば途切れのない実線状の表示形態でも良いし、破線状や鎖線状、波線状、などの表示形態でも良い。又は、小さな画像の配列で表現されてもよい。
【0018】
第4の発明によれば、モニター画像において、クレーン部の移動可能な位置にグリッド線を表示させることができる。これにより、ユーザは、どれだけクレーン部を移動させれば良いか、どこへ移動させれば良いかの目安とすることができる。こうしたユーザサポートは従来に無く、グリッド線を表示しない構成よりも遥かに操作性を高め、ゲームの魅力を高めることとなる。
【0019】
第5の発明は、前記指示座標算出手段が、前記ポインティング操作によって、前記グリッド線の交点の何れかを前記指示位置として、前記指示座標を算出する、第4の発明の遠隔操作システムである。
【0020】
第5の発明によれば、移動先とする指示位置を、グリッド線の交点とすることで、交点による指定ができない構成よりも、操作性を高めることができる。
【0021】
第6の発明は、前記景品獲得装置が、コンティニュープレイが可能な装置であり、前記仮想画像表示制御手段は、前記コンティニュープレイの回数に応じて、前記グリッド線の間隔を可変に設定する、第5の発明の遠隔操作システムである。
【0022】
コンティニュープレイの回数の大きさは、景品の獲得に何回連続して失敗しているかを間接的に表している。
第6の発明によれば、コンティニュー回数に応じてグリッド線の間隔を変更することができる。例えば、コンティニュープレイの回数が多いほど間隔を狭く設定すれば、クレーン部の移動先をより細かく指示し易くなるので、操作性が高まることとなる。
【0023】
第7の発明は、前記設定位置が、前記クレーン部の位置であり、前記設定表示位置は、前記モニター画像中の前記クレーン部の表示位置であり、前記仮想画像表示制御手段は、前記設定表示位置から、前記クレーン部が前記アクションシーケンスを行う方向に向けた直線状の前記仮想画像を表示させる、第3~第6の何れかの発明の遠隔操作システムである。
【0024】
第7の発明によれば、直線状の仮想画像を表示することで、クレーン部によるアクションシーケンスの方向をユーザが認知し易くなる。よって、直線状の仮想画像を表示しない構成よりも遥かに操作性が高くなる。
【0025】
第8の発明は、前記景品には、当該景品の景品位置を画像認識する際の目印となる景品マーカが付されており、前記景品マーカに基づいて、前記クレーン部の現在の表示位置において前記アクションシーケンスを行った場合の前記アクションシーケンスの方向に前記景品が位置しているか否かを判定する景品存否判定手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、景品存否判定部222、図18のステップS44)、を更に備え、前記仮想画像表示制御手段は、前記景品存否判定手段の判定結果に基づいて前記仮想画像の表示形態を変更させる、第3~第7の何れかの発明の遠隔操作システムである。
【0026】
第8の発明によれば、アクションシーケンスの方向に景品が存在するか否かを仮想画像の表示形態でユーザに報せることができる。
【0027】
第9の発明は、前記景品には、当該景品の景品位置を画像認識する際の目印となる景品マーカが付されており、前記指示座標算出手段は、前記ポインティング操作によって、前記モニター画像中の前記景品の表示箇所が指示された場合に、当該景品に付された景品マーカに基づいて画像認識される前記プレイ空間の座標に向けて前記アクションシーケンスを行う場合の前記クレーン部の前記移動目標座標を、前記指示座標として算出する、第2~第8の何れかの発明の遠隔操作システムである。
【0028】
第9の発明によれば、モニター画像内に映っている景品をポインティング操作によって指示することで、その景品の位置に向けてアクションシーケンスを行う場合のクレーン部の位置に、クレーン部を移動させることができるようになる。
【0029】
第10の発明は、前記景品マーカには、当該景品の種類を示す画像情報が関連付けられており、前記ユーザ端末の遠隔操作画面の背景部分、或いは、前記モニター画像に含まれる前記プレイ空間の背景画像部分に、前記景品の種類に基づく画像を表示させる景品種類画像表示制御手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、景品種類画像表示制御部226、図18のステップS42)、を更に備えた第9の発明の遠隔操作システムである。
【0030】
第10の発明によれば、景品に関連する画像を遠隔操作画面の背景部分や、モニター画像中の背景画像部分に表示させて、ゲームプレイを視覚的に賑やかにして楽しませることができる。
【0031】
第11の発明は、前記景品が、前記景品マーカとして外面にAR(Augmented Reality)マーカが表記されたARボックスであり、前記モニター画像中の前記ARボックスに、前記ARマーカに基づく画像を表示させるAR画像表示制御手段(例えば、図5の制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、AR画像表示部224)、を更に備えた第9又は第10の発明の遠隔操作システムである。
【0032】
第11の発明によれば、ARボックスを景品に見立て、その外面にARマーカに基づく画像を表示することができる。例えば、当該画像を景品の画像とするならば、景品の代用としてARボックスを用いることができるようになる。
【0033】
第12の発明は、前記景品が、外面にAR(Augmented Reality)マーカが付されたARボックスであり、前記モニター画像中の前記ARボックスに、前記ARマーカに基づく画像を表示させるAR画像表示制御手段、を更に備えた第1~第10の何れかの発明の遠隔操作システムである。
【0034】
第12の発明によれば、景品の表面にARマーカに基づく画像を表示させることができるようになる。
【0035】
第13の発明は、前記景品獲得装置が、前記クレーン部の移動可能範囲が設定可能に構成されており、前記対応関係に基づいて、前記移動可能範囲あるいは当該移動可能範囲以外の範囲を、前記モニター画像中に識別表示する移動可能範囲識別表示手段(例えば、図5のタッチパネル1506、制御基板1550、図14の端末処理部200、ゲーム管理部210、移動可能範囲識別表示制御部230、画像表示部392、図18のステップS22)と、を更に備えた第1~第12の何れかの発見得の遠隔操作システムである。
【0036】
第13の発明によれば、クレーン部の移動可能範囲を、モニター画像中に識別表示し、ユーザをサポートすることができる。
【0037】
なお、遠隔操作システムのハードウェアの形態は、ユーザ端末とプレイ装置との通信形態やシステムデザインに適した構成を採用することができる。
【0038】
例えば、ユーザ端末とプレイ装置とが通信接続して、ユーザ端末で遠隔操作する形態であれば、第14の発明として、前記遠隔操作システムが、前記ユーザ端末で構成された、第1~第13の何れかの発明の遠隔操作システム、を構成することができる。
【0039】
また、ゲームをクライアント・サーバタイプのオンランゲームとして構成する場合には、例えば、第15の発明として、前記遠隔操作システムが、前記ユーザ端末を制御するコンピュータシステムで構成された、第1~第13の何れかの発明の遠隔操作システム、を構成することができる。
【0040】
第16の発明は、クレーン部を移動させてプレイ空間に配置された景品の獲得を試みる遠隔操作プレイが可能な景品獲得装置をユーザ端末で遠隔操作するためのプログラムであって、前記景品獲得装置には、前記プレイ空間を撮影するカメラが設置され、前記プレイ空間の座標系を画像認識する際の目印となるマーカが前記カメラから撮影可能な位置に設けられており、前記カメラの撮影画像をモニター画像として前記ユーザ端末に表示させるモニター画像表示制御手段、前記撮影画像中の前記マーカの画像に基づいて、前記プレイ空間の座標系と、前記モニター画像の表示座標系との対応関係を設定する対応関係設定手段、前記モニター画像に対するユーザのポインティング操作によって指示された指示位置に対応する前記プレイ空間の指示座標を、前記対応関係に基づいて算出する指示座標算出手段、前記指示座標に対応する位置に前記クレーン部を移動させる遠隔操作信号を前記景品獲得装置に送信する操作信号送信制御手段、として前記ユーザ端末を機能させるためのプログラムである。
【0041】
第16の発明によれば、ユーザ端末にて、第1の発明と同様の効果を発揮させるプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】景品獲得システムの構成例を示す図。
図2】景品獲得装置の構成例を示す装置正面図。
図3】景品獲得装置の構成例を示す装置正面向かって右側側面の右側面図。
図4】景品獲得装置のICメモリに記憶されるプログラムデータの例を示す図。
図5】ユーザ端末の構成例を示す図。
図6】ゲームプレイ開始までの流れの概要を説明するための図。
図7図6のライブモニター画像の元となる第1ビデオカメラによる撮影画像の例。
図8】代用景品の例と、当該代用景品のライブモニター画像における見せ方の例の対比図。
図9】景品存否判定結果に基づく仮想画像の表示形態の変更例を示す比較図。
図10】景品種類画像が表示された遠隔操作画面の例を示す図。
図11】サーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
図12】景品獲得装置管理データのデータ構成例を示す図。
図13】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
図14】ユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
図15】プレイデータのデータ構成例を示す図。
図16】空間認識データのデータ構成例を示す図。
図17】移動先指示管理データのデータ構成例を示す図。
図18】ユーザ端末における処理の流れを説明するためのフローチャート。
図19図18より続くフローチャート。
図20図19より続くフローチャート。
図21】景品獲得システムの変形例におけるサーバシステムの機能構成例を示す図。
図22】変形例におけるサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
図23】変形例におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
図24】仮想画像の変形例を示す図(その1)。
図25】仮想画像の変形例を示す図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0044】
[ハードウェア構成の説明]
図1は、本実施形態の景品獲得システムの構成例を示す図である。
景品獲得システム1000は、ユーザが、予め用意された複数種類の景品の中から希望する景品(希望景品)を選択し、希望景品が獲得可能な景品獲得装置を遠隔操作して景品獲得を目指すゲームを実行するためのゲームシステムである。
【0045】
景品獲得システム1000は、サーバシステム1100と、複数の景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)と、ユーザ2(2a,2b,…)別に使用されるユーザ端末1500(1500a,1500b,…)と、を含み、これらは相互に通信回線9を介してデータ通信可能に接続される。
【0046】
通信回線9は、データ通信が可能な通信路、いわゆるネットワークを意味する。すなわち、通信回線9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0047】
ユーザ2(2a,2b,…)及びそのユーザ端末1500(1500a,1500b,…)の数は、景品獲得システム1000の利用状況により変化する。よって、実際の運用にあたっては、景品獲得システム1000には、図示のように2台のユーザ端末1500しか接続されていない場合もあれば、同時に1台接続されている場合もあれば、3台以上が接続されている場合もある。
【0048】
運営者設備3は、サーバシステム1100と、景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)と、を含み、景品獲得システム1000の運営事業者が用意する。サーバシステム1100及び景品獲得装置1200の各台数は、図示の例に限らず、適宜設定可能である。サーバシステム1100と、景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)のそれぞれの設置場所は同じ場所に限らない。
【0049】
サーバシステム1100は、ユーザ端末1500と景品獲得装置1200との間に介在し、本実施形態における遠隔操作システムを構成するユーザ端末1500に、景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)に関する情報等を提供するコンピュータシステムであって、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101には制御基板1150を搭載する。
【0050】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate ARray)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0051】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、
1)ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、
2)ユーザ2がユーザ端末1500でゲームプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームプレイを実現するゲーム管理機能と、
3)景品獲得装置1200のプレイ対価として消費される対価媒体をオンライン販売するオンラインショッピング管理機能と、
4)どの種類の景品がどの景品獲得装置1200で獲得できるかなど景品獲得装置1200についての情報を管理し、ユーザ端末1500へ提供する機能、
5)ユーザの選択操作に応じてユーザ端末1500が選択した景品獲得装置1200を遠隔操作するためのアクセス情報を提供する機能と、
を実現する。
【0052】
なお、サーバシステム1100は単体として記しているが、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
【0053】
景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)は、ユーザ2が獲得機構部を遠隔操作により動作させて、筐体内に収容されている景品を移動させて払い出させることを楽しむゲーム装置である。本実施形態では、景品獲得装置1200には、操作方法と、獲得機構部の構成と、景品の配置手法(配置パターン)と、のうちの少なくとも1つが異なる複数種類の景品獲得装置が用意されている。
【0054】
図2図3は、本実施形態における景品獲得装置1200の構成例を示す図であって、図2は装置正面図、図3は装置正面向かって右側側面の右側面図に相当する。景品獲得装置1200は、ゲーム空間に配置された景品を獲得するための景品の移動を試みるゲームプレイを行い、景品の獲得ができなかった場合には、移動を試みた結果としての景品の配置状況が維持されて次回のゲームプレイに供される装置である。
【0055】
本実施形態の景品獲得装置1200は、筐体1201と、筐体1201を外から撮影する複数台のビデオカメラ1220(第1ビデオカメラ1220f、第2ビデオカメラ1220s)と、景品獲得装置1200を動作制御する制御基板1250と、を有する。
【0056】
筐体1201は、外から中が見えるように透明な仕切りで覆われたプレイ空間1202を画成して、当該プレイ空間内に単数又は複数の景品4と、獲得機構部であるクレーン部1210とを収容している。プレイ空間1202の内部の様子は、第1ビデオカメラ1220fと第2ビデオカメラ1220sの2台のビデオカメラで、2方向から撮影することができるようになっている。なお、ビデオカメラ1220の台数や設置位置、撮影角度などは図示の例に限定されるものではなく適宜設定可能である。例えば、プレイ空間1202の内部にビデオカメラ1220を設ける構成も可能である。また、プレイ空間1202を画成する透明な仕切りを不用としてもよい。
【0057】
クレーン部1210は、景品獲得装置1200において景品4の位置を景品獲得のために移動させ得る機構部であり、「把持する」「掬う」「引っ掛ける」「吸着する」などの形態が考えられ、何らかのかたちで景品と係合する機構部とすることができる。
【0058】
本実施形態のクレーン部1210は、プレイ空間1202を、装置の左右方向である「第1方向」と、装置の前後方向である「第2方向」とに2次元移動させることで位置決めされるクレーンとして機能するようにデザインされている。そして、クレーン部1210は、複数の開閉可能な可動腕部(以下、「爪1212」とも言う。)を吊り下げており、景品4をつまんで持ち上げて移動できるクレーンとして機能する。
【0059】
クレーン部1210の構造は、従来のクレーンゲーム機のそれを参考に適宜設定可能である。具体的には、クレーン部1210は、2次元直動機構部1218により垂下された昇降軸部1219の最下部に設けられたケース1211内に、1)爪1212と、2)制御基板1250からの駆動信号に応じて開閉するように爪1212を動作させる電動モータ1213と、3)開度センサ1214と、4)爪1212による景品4の把持力を変更する把持力変更機構部1215と、5)制御基板1250からの駆動信号に応じてケース1211を昇降軸部1219周りに回転させるケース回動機構部1216と、を搭載する。
【0060】
開度センサ1214は、本実施形態におけるアクション状況(本実施形態でいうところの景品4をキャッチしている/いないのキャッチ状況、を含む。)を判定するためのセンサである。開度センサ1214は、爪1212の開度を検出して検出した開度に応じた信号を制御基板1250へ出力する。なお、アクション状況を判定するためのセンサは、開度センサに限らない。例えば、ケース1211や爪1212に作用している荷重を検出する荷重センサ、当該荷重が作用している状態でONされるスイッチ、ケース1211の直下に存在する爪1212以外の物体の存在を検知する距離センサや接近センサ、などを追加したり、置き換えたりすることができる。
【0061】
把持力変更機構部1215の構成は、従来のクレーンゲーム機のそれを参考に適宜設定可能である。例えば、爪1212に一端を係止して、当該爪を閉じ方向へ付勢するコイルスプリングの他端係止位置を、制御基板1250からの制御信号に応じて変更する電動アクチュエータで実現することもできる。
【0062】
本実施形態では、2次元直動機構部1218の一方の移動方向である第1方向は、装置の左右方向を向いており、他方の移動方向である第2方向は装置の前後方向を向いている。
【0063】
第1ビデオカメラ1220fは、プレイ空間1202を装置の正面側から撮影する。本実施形態では、第1ビデオカメラ1220fの撮影方向は、2次元直動機構部1218の第2方向を向くように取り付けられているが、第2方向とやや交差するように、例えばプレーヤが装置の正面に立ってプレイ空間1202をやや見下ろし気味に見る場合の視界を疑似的に再現するように設定してもよい。撮影画角は固定であり、2次元直動機構部1218による第1方向におけるクレーン部1210の全幅可動域を撮影範囲に含み、且つ、プレイ空間1202の正面視全域を撮影できるように、画角や撮影方向、固定位置が決定されている。
【0064】
同様に、第2ビデオカメラ1220sは、プレイ空間1202を装置の正面向かって右側方から撮影する。本実施形態では、第2ビデオカメラ1220sの撮影方向は、2次元直動機構部1218の第1方向を向くように取り付けられているが、第1方向とやや交差するように設定してもよい。撮影画角は固定であり、2次元直動機構部1218による第2方向におけるクレーン部1210の全幅可動域を撮影範囲に含み、且つ、プレイ空間1202の側面視全域を撮影できるように、画角や撮影方向、固定位置が決定されている。
【0065】
第1ビデオカメラ1220fや第2ビデオカメラ1220sで撮影された画像(撮影画像)が、遅延なく(全く遅延がない状態及びプレイへの影響が小さいと認められる若干の遅延を含む。)ユーザ端末1500に提供され、ライブモニター画像として表示されることで、ユーザ2(プレーヤ)は遠くにいながらゲームプレイに必要なプレイ空間1202の様子を観察することができる。
【0066】
そして、直方体状のプレイ空間1202には、複数のARボックスが配置されている。
ここで言う「ARボックス」とは、6面にAR(Augmented Reality)マーカが設けられた直方体である。「ARマーカ」とは、プレイ空間の座標系を画像認識する際の目印となるマーカであって、画像認識型の現実拡張システムにおいて、空間を認識する際の基準位置や基準向き、仮想画像を表示する際に基準とする位置や向きを検出するための固有パターンの画像である。
【0067】
本実施形態では、第1ARボックス1271と、第2ARボックス1272と、第3ARボックス1273と、第4ARボックス1274と、第5ARボックス1275と、が取り付けられている。これらのARボックスは、それぞれの6面全てにボックス固有のARマーカが設けられている。
【0068】
第1ARボックス1271は、6面のうち1面が正面を向く姿勢で、装置正面から見てプレイ空間1202の手前側の左上隅部に固定されている。
第2ARボックス1272は、6面のうち1面が正面を向く姿勢で、装置正面から見てプレイ空間1202の奥側の右上隅部に固定されている。
第3ARボックス1273は、6面のうち1面が正面を向く姿勢で、装置正面から見てプレイ空間1202の奥側の右下隅部に固定されている。
第4ARボックス1274は、6面のうち1面が正面を向く姿勢で、装置正面から見てプレイ空間1202の手間側の左下隅部に固定されている。
第5ARボックス1275は、6面のうち1面が正面を向く姿勢で、クレーン部1210に固定されている。具体的には、第5ARボックス1275を、クレーン部1210の昇降軸部1219が当該ARボックスを貫くようにして固定されている。なお、第5ARボックス1275は、クレーン部1210のケース1211にARマーカを設けることで代用することもできる。
【0069】
制御基板1250は、CPU1251やGPU,DSPなどの各種プロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1252、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための通信モジュール1253、インターフェース回路1257などを搭載する。インターフェース回路1257には、クレーン部1210のドライバ回路、ビデオカメラ1220で撮影された画像の画像データを入力する回路、などが含まれている。そして、景品獲得装置1200は、制御基板1250が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、クレーン部1210の動作制御を行うことができる。
【0070】
図4は、景品獲得装置1200のICメモリ1252に記憶されるプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態では、制御基板1250のICメモリ1252に、制御プログラム1280と、クレーン部1210のゲーム開始初期位置を定義するクレーン部初期位置座標1282と、制御パラメータ設定値リスト1283と、シーケンス進捗1290と、アクション状況情報1292と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。例えば、プレイ制限時間をカウントするための計時カウンタ、クレーン部1210の位置座標なども適宜記憶するとしてもよい。
【0071】
制御プログラム1280は、遠隔操作の操作入力に応じて当該装置の各部の動作を制御するための機能を実現させるプログラムである。
本実施形態では、
1)遅延なくビデオカメラ1220の撮影画像の画像配信データを作成して外部送信して、ユーザ端末1500にてライブモニター画像として表示可能とする画像配信機能と、
2)制御パラメータ設定値リスト1283の内容を、それぞれの所定の初期値にリセットしたり、外部から受信した所定の変更指示信号に応じて当該信号とともに受信した値に変更する制御パラメータ値の管理機能と、
3)今現在の動作状況が、移動シーケンス・アクションシーケンス・終了動作シーケンスのどのシーケンスに該当するかを判定して、現在のシーケンスの種類と、当該シーケンスが開始された状態なのか終了した状態なのかを示す情報をシーケンス進捗1290に格納するシーケンス進捗管理機能と、
4)開度センサ1214からの出力信号に応じてアクション状況情報1292を逐次更新して、外部送信するアクション状況情報送信機能と、
を実現させることができる。
【0072】
制御パラメータ設定値リスト1283の内容は、景品獲得装置1200の構成に応じて適宜設定可能である。本実施形態では、クレーン部移動形態設定1284と、クレーン部の移動速度を定義するクレーン部移動速度値1285と、把持力設定値1286と、アクション制御形態設定値1287と、を含む。
【0073】
クレーン部移動形態設定1284は、クレーン部1210を移動させる形態の種類を指定する。移動形態の種類内容は適宜設定可能であるが、本実施形態では、移動中の速度変化のゆらぎの有無や、ゆらぎの大きさなどの設定が可能である。
【0074】
把持力設定値1286は、爪1212を閉じる力、換言するとクレーン部1210の把持力を設定するための値である。
【0075】
アクション制御形態設定値1287は、クレーン部1210によるアクションの機能を指定する。例えば、クレーン部1210に3本の爪1212を搭載する場合、そのうち、何本を動作させるかの設定値、複数の爪1212の動作順番、爪1212の開度規制値、昇降軸部1219回りに回転させる機能を解放する(使用可能にする)/しない、などを単数又は複数設定することができる。
【0076】
アクション状況情報1292は、アクション状況を判定するための情報である。その内容は、クレーン部1210に搭載するセンサの種類等に応じて適宜設定可能である。本実施形態では、爪1212を開けるように制御しているのか、閉じるように制御しているのかを示す開閉制御値と、開度センサ1214の出力信号から判定される爪1212の開/閉の何れかの値をとる開閉状態値と、を含む。開閉制御値が「閉じ」且つ開閉状態値が「開」ならば景品4を爪1212で挟んでいると推定されるので「アクション成功」、本実施形態でいうところの「キャッチ成功」と判定できる。開閉制御値が「閉じ」且つ開閉状態値が「閉じ」ならば景品4を把持していないと推定されるので「アクション失敗」、本実施形態でいうところの「キャッチ失敗」と判定することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、景品獲得装置1200は、アクション状況情報1292を外部送信するが、アクション状況情報1292からアクション成功/アクション失敗を判定する機能を制御プログラム1280で実現し、アクション状況情報1292に代えて判定した結果を示す信号を外部送信する構成としてもよい。
【0078】
景品獲得装置1200の遠隔操作は、制御基板1250が通信モジュール1253を介して通信回線9を介して外部装置と通信可能に接続し、ビデオカメラ1220(第1ビデオカメラ1220f、第2ビデオカメラ1220s)で撮影されたライブ画像を提供する一方で、当該外部装置からの操作信号に従ってクレーン部1210等を動作制御することで実現される。
【0079】
具体的には、本実施形態では、景品獲得装置1200は、サーバシステム1100によって対応付けられたユーザ端末1500と通信可能に接続され、ライブ画像の配信データやアクション状況情報1292などを当該装置に対応づけられたユーザ端末1500へ送信する。対して、ユーザ端末1500から送信された各種の操作入力に応じた信号が、景品獲得装置1200へ送信される。これにより遠隔操作が実現される。
【0080】
そして、プレーヤとなったユーザ2が、クレーン部1210を上手く操作して、狙った景品4をプレイ空間1202内に設定される景品取得エリア1240へ移動させることができると、当該景品を獲得したと認定され、プレーヤが予め設定していた配送先へ、獲得した景品4或いは同種の景品4が配送される。
【0081】
なお、景品取得エリア1240は、本実施形態ではユーザ端末1500の操作画面上でのみ認識される仮想エリアとするが、筐体1201の正面の払出口1226に連通する物理的な開口部としてもよい。
【0082】
図5は、本実施形態におけるユーザ端末1500の構成例を示す図である。
ユーザ端末1500は、プレーヤとなるユーザ2がゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信回線9を介してサーバシステム1100にアクセスしてオンラインゲームを実行できる電子装置(電子機器)である。そして、本実施形態における景品獲得装置を遠隔操作する遠隔操作システムである。
【0083】
本実施形態のユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、業務用ゲーム装置などでもよい。
【0084】
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、イメージセンサユニット1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調整ボタン等が設けられている。
【0085】
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種プロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
【0086】
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、イメージセンサユニット1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
【0087】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、当該端末でのゲームプレイを可能にする各種機能を実現するためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0088】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500は、プログラムや各種設定データをサーバシステム1100等からダウンロードする構成とするが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0089】
[ゲームの説明]
ゲームの流れの概要について説明する。
図6は、本実施形態におけるゲームプレイ開始までの流れの概要を説明するための図である。プレーヤとなるユーザ2がユーザ端末1500で、所定のプログラムを起動させて、サーバシステム1100にアクセスしてログイン手続きを経ると、ユーザ端末1500には、獲得を希望する景品(以下、「希望景品」と言う。)を選択するための希望景品選択画面W2が表示される。
【0090】
当該選択画面で、獲得可能な景品の中から希望景品を選択する景品選択操作をすると、プレイ装置選択画面W4が表示される。当該選択画面には、サーバシステム1100にて希望景品を獲得可能でありプレイに使用する装置の候補となる景品獲得装置1200(以下、「候補装置」と言う。)が検索されて、候補装置が選択操作可能に表示される。そして、ユーザ2が、候補装置の中からプレイに使用する景品獲得装置1200の選択操作をすると、当該装置が「プレイ装置」として設定される。
【0091】
プレイ装置が決まると、サーバシステム1100からユーザ端末1500へ、プレイ装置と直接的に通信接続するためのアクセス情報が送信される。ユーザ端末1500は、当該アクセス情報を用いてプレイ装置と遠隔操作可能に通信接続する。
【0092】
なお、「遠隔操作可能に通信接続する」方法としては、ユーザ端末1500とプレイ装置とをサーバシステム1100で中継接続する中継接続方式を採用する構成も可能である。
【0093】
さて、遠隔操作可能に通信接続されると、ユーザ端末1500では、タッチパネル1506に遠隔操作画面W6が表示されてゲームプレイ可能となる。遠隔操作画面W6は、いわばゲームプレイ画面に相当する画面であって、タッチパネル1506へのタッチ操作によるポインティング操作で、クレーン部1210の移動先を指示するための画面である。
【0094】
遠隔操作画面W6では、景品名表示30と、プレイ対価表示31と、残クレジット表示32と、グリッドレベルアップ操作アイコン33と、移動指示可能な制限時間の残りを示す残時間表示35と、アクションシーケンス開始操作アイコン36と、カメラ切換操作アイコン37と、ライブモニター画像38と、景品取得エリア表示39と、が表示される。なお、景品獲得を物理的な開口部や台座によって実現する構成では、景品取得エリア表示39を省略することができる。
【0095】
残クレジット表示32は、プレーヤが現在保有しているクレジット額を示す。ここで言う「クレジット」は、プレイ対価の支払として消費される電子決済媒体である。仮想通貨、電子マネー、プリペイドポイントなどと読み替えることができる。本実施形態では、プリペイドポイントとする。クレジットは、プレイ開始前に所定のオンラインショッピングにて購入できるのは勿論のこと、プレイ中であっても、所定のクレジット購入操作を入力することで即時に購入することができるようにしてもよい。
【0096】
グリッドレベルアップ操作アイコン33には、後述するグリッド線仮想画像60におけるグリッド幅を細かくしたり、グリッド線の表示形態をより視認しやすいように変更(レベルアップ)させる操作を入力するためのアイコンである。具体的には、当該操作アイコンをタッチ操作すると、レベルアップする内容とレベルアップの対価とが対応づけられたメニューが表示される。ユーザが何れかのメニューを選択して、対価の支払い承認操作を入力すると、クレジットが消費されて、選択したメニューに応じてグリッド線の表示が変更される。
【0097】
アクションシーケンス開始操作アイコン36は、クレーン部1210の移動指示の有無に係わらず、即座にアクションシーケンスを開始させる操作を入力するための操作アイコンである。
【0098】
ライブモニター画像38には、カメラ切換操作アイコン37で切り替え操作された第1ビデオカメラ1220f又は第2ビデオカメラ1220sの撮影画像が表示される(図2図3参照)。ユーザは、このライブモニター画像38を見ながらタッチ操作入力をして、クレーン部1210を遠隔操作して、景品4の獲得を目指してプレイする。第1ビデオカメラ1220f及び第2ビデオカメラ1220sの撮影画像は、当該カメラの視点から見た、いわゆるパースがかかっている画像であり、平行投影図のような画像ではない。固定位置に設置されたカメラからの画像を見ながら遠隔操作によるゲームプレイを行うゲーム性、興趣性の1つに、この点が挙げられる。
【0099】
因みに、図6の例のライブモニター画像38は、図7で示す第1ビデオカメラ1220fの撮影画像W7が元になっている。
【0100】
そして、遠隔操作画面W6では、タッチ操作による遠隔操作の操作性を向上させるための視覚的サポートとして、画像認識型のARシステム(仮想現実システム)を用いてライブモニター画像38への仮想画像がオーバーラップ表示される。本実施形態は、オーバーラップ表示される仮想画像として、グリッド線仮想画像60と、垂線仮想画像62と、範囲識別仮想画像64と、が表示される。
【0101】
また、操作性の向上とは別に、ARボックスがライブモニター画像38に丸見えにならないように、各ARボックスが映っている部分に賑やかし仮想画像66が、オーバーラップ表示される。オーバーラップ表示は、オーバーレイ表示と言い換えることもできる。
【0102】
画像認識型ARシステムは、本実施形態ではユーザ端末1500が、プレイ装置である景品獲得装置1200から受信した各ビデオカメラの撮影画像に映っているARボックス(第1ARボックス1271~第5ARボックス1275)のARマーカを画像認識し、ライブモニター画像38に映っている各ARボックスの位置と、プレイ空間1202内の各ARボックスの現実位置とを対応づけすることで実現される。つまり、撮影画像中のマーカの画像に基づいて、プレイ空間1202の座標系と、ライブモニター画像38の表示座標系との対応関係を設定することで実現される。
【0103】
仮想画像は、現実にオーバーラップ表示される画像であって、画像認識により求められた対応関係に基づいて、プレイ空間中の所与の設定位置に対応するライブモニター画像中の設定表示位置を判定して表示される画像である。
【0104】
グリッド線仮想画像60は、景品獲得装置1200のクレーン部1210が2次元移動可能な位置を示す画像であり、2次元移動に係る2次元座標の画像群である。
【0105】
本実施形態のグリッド線仮想画像60は、ライブモニター画像38で見えているクレーン部1210の移動方向(例えば、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像に基づくライブモニター画像38では遠隔操作画面の左右方向すなわち第1方向、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像に基づくライブモニター画像38では遠隔操作画面の左右方向すなわち第2方向)に沿った線分と、クレーン部1210の昇降方向の線分とを格子状に配置した網目状画像である。図示の例では、各線分を破線として表しているが、実線でも良いし、波線でもよい。また、小さな図形(例えば、小さな星型)の配列によって線分を表現してもよい。
【0106】
そして、本実施形態のグリッド線仮想画像60は、第5ARボックス1275により識別されるクレーン部1210のプレイ空間1202の位置(以下、「実クレーン位置」と言う。)から求められるライブモニター画像38におけるクレーン部1210の位置(以下、「画像内クレーン位置」と言う。)を基準にして表示される。る。
【0107】
グリッド線仮想画像60の線の間隔は、可変である。具体的には、コンティニュープレイ時には、コンティニュー回数に応じて、回数が大きい程より細かくなるように変更される。また、非コンティニュープレイ/コンティニュープレイの区別に係わらず、グリッドレベルアップ操作アイコン33への操作を検知し、所定の承認手続きを経ると、より細かく変更される。
【0108】
ユーザは、このグリッド線仮想画像60を目安にしてタッチパネル1506をタッチ操作して、クレーン部1210の移動先をポインティング操作する。
すると、ユーザ端末1500は、先に実現された画像認識の結果に基づいて、タッチ操作された位置座標からプレイ空間1202における移動先座標(具体的には、その時表示されているライブモニター画像38の左右に該当する第1方向または第2方向の位置座標)を算出する。そして、当該移動先座標を、クレーン部1210を移動させる遠隔操作信号としてプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信する。或いは、タッチ操作された位置座標からグリッド線仮想画像60の最寄りの交点を検索して、当該交点の位置に対応するプレイ空間1202における移動先座標を遠隔操作信号として景品獲得装置1200へ送信する。
【0109】
垂線仮想画像62は、プレイ装置である景品獲得装置1200のクレーン部1210がアクションシーケンスを行う方向に向けた直線状の仮想画像である。本実施形態では、画像内クレーン位置から垂下され、プレイ空間1202の床面に到達する1本の線分とし、グリッド線仮想画像60を構成する線分を兼ねるが、強調表示されたように見せるデザインとしている。
【0110】
範囲識別仮想画像64は、プレイ装置である景品獲得装置1200に予め設定されているクレーン部の移動可能範囲に対応するライブモニター画像38中の表示範囲を識別表示する仮想画像である。図示の例では、グリッド線仮想画像60の左右両端部の網掛けハッチングされた部分がこれに該当し、この網掛けハッチングされた部分がクレーン部の移動不可能範囲であることを示すことをもって、逆に、クレーン部の移動可能範囲を示している。する。また、平面的なデザインとして図示しているが、半透明な直方体状のデザインとして、ライブモニター画像38の左右の端に、半透明な箱を内壁に密着させるように表示するとしてもよい。
【0111】
なお、詳細は後述するが、グリッド線仮想画像60や垂線仮想画像62のデザインや表示形態は、図示の例に限らず適宜設定することができる。
【0112】
さて、本実施形態では、景品獲得装置1200のプレイ空間1202に配置する景品4は、景品の代用物いわゆる代用景品とすることができる。
【0113】
図8は、本実施形態における代用景品の例と、当該代用景品のライブモニター画像38における見せ方の例の対比図である。
図8(1)に示すように、代用景品5の外観は、直方体の6面それぞれに、各面固有のARマーカである景品マーカ70(正面景品マーカ70f、左景品マーカ70s、上景品マーカ70t、…)が設けられている。つまり、代用景品5は、いわゆる「ARボックス」である。各景品マーカ70は、代用景品が代用する景品4の6面それぞれの画像情報いわゆる「AR画像」に対応づけられており、ライブモニター画像38では、図8(2)に示すように、それらの景品マーカ70が認識された位置に、対応付けられた景品4の景品画像72(正面景品画像72f、左景品画像72s、上景品画像72t、…)が表示される。本実施形態では、1つの代用景品5の6面それぞれに設ける景品マーカ70は同一とするが、各面別々のマーカとして、各面用の画像を表示させることとしてもよい。
【0114】
そして、代用景品5を用いる場合は、景品マーカ70を画像認識することにより、プレイ空間1202における代用景品5の位置が認識できる。
そこで、本実施形態では、景品マーカ70に基づいて、クレーン部1210の現在の表示位置においてアクションシーケンスを行った場合のアクションシーケンスの方向に景品が位置しているか否かを判定する。そして、この景品存否判定結果に基づいて仮想画像の表示形態を変更させることができる。
【0115】
そして、景品存否判定結果に基づく仮想画像の表示形態の変更は、グリッド線仮想画像60と、垂線仮想画像62と、範囲識別仮想画像64と、の少なくとも何れか1つの表示形態の変更によって実現できる。
【0116】
例えば、図9は景品存否判定結果に基づく仮想画像の表示形態の変更例を示す比較図である。図9(1)に示すように、本実施形態ではその時のクレーン部1210の現在位置の直下に代用景品5が存在しない場合には、第1表示形態の垂線仮想画像62を表示する。対して、代用景品5が存在する場合には、図9(2)に示すように、第2表示形態の垂線仮想画像62eを表示する。
なお、景品存否判定結果は、別途専用の仮想画像(例えば、代用景品5の輪郭線を強調した景品画像への差し替え表示)を表示する/表示しないによってユーザに通知する構成としてもよい。
【0117】
また、本実施形態では景品マーカ70に対応付けられる景品に関する情報に基づいて、各種の景品の種類に基づく画像を表示させることができる。
例えば、図10に示すように、ユーザ端末1500の遠隔操作画面W10の背景部分(図示の例では、ライブモニター画像38の外周部分の他、残時間表示35やアクションシーケンス開始操作アイコン36以外の領域)に、第1の景品種類画像74aを表示させたり、ライブモニター画像38に含まれるプレイ空間1202の背景画像部分に、第2の景品種類画像74bを表示させることができる。
【0118】
また、本実施形態では代用景品5の位置を景品マーカ70の位置でもって認識できるので、ポインティング操作によって、ライブモニター画像38中の代用景品5(実質的な景品4相当)の表示箇所が指示された場合に、当該代用景品に付された景品マーカ70に基づいて画像認識されるプレイ空間1202の座標に向けてアクションシーケンスを行う場合のクレーン部1210の移動目標座標を指示座標として算出し、これを遠隔操作信号としてプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信することができる。
【0119】
景品獲得装置1200の動作は、位置決めシーケンスと、アクションシーケンスと、終了動作シーケンスとで構成される。
【0120】
「位置決めシーケンス」は、ユーザ端末1500から受信した遠隔操作信号に基づいて、プレイ空間1202におけるクレーン部1210の位置決めをするプロセスである。景品獲得装置1200には、遠隔操作信号として指示座標を受信すると、当該指示座標にクレーン部1210を移動させる機能が備えられている。本実施形態では、第1方向と第2方向のそれぞれの移動先の指示座標が受信されると、位置決め完了となる。また、所定の移動先指定制限時間が経過した場合と、ユーザ端末1500にてアクションシーケンス開始操作アイコン36(図6参照)への操作入力がなされたことを示す所定のアクションシーケンス開始信号を受信した場合も位置決め完了となる。
【0121】
「アクションシーケンス」は、位置決め完了の次に実行されるクレーン部1210にアクション動作をさせるプロセスである。アクション動作の内容は、景品獲得機構の構成に応じて決まる。本実施形態では、「降下」「爪1212を開く」「爪1212を閉じる」「上昇」の連続する4つの副シーケンスを有する。上昇の副シーケンスが完了した時点で、景品4をキャッチ維持していれば「アクション成功」となる。
【0122】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500にて所定のアクション開始操作入力を行うと、景品獲得装置1200ではこれら4つの副シーケンスを連続して自動的に実行することとするが、これらの副シーケンスの1つ又は複数について、ユーザ端末1500から遠隔操作する構成とすることもできる。
【0123】
そして、アクションシーケンスが終了すると、景品獲得装置1200は自動的に終了動作シーケンスを実行する。「終了動作シーケンス」は、クレーン部1210を所与の終了動作位置に移動させて終了動作をさせるプロセスである。「終了動作位置」は、本実施形態では景品取得エリア1240の中心位置の直上位置とする。そして、「終了動作」として「爪1212を開く開放動作」「爪1212を閉じる閉動作」の2つの副シーケンスが連続して自動的に実行される。
【0124】
なお、本実施形態では、終了動作シーケンスは、自動的に実行されるが、ユーザ端末1500から遠隔操作する構成とすることもできる。例えば、終了動作位置への移動を遠隔操作の対象とする構成も可能である。クレーン部1210を、景品取得エリア1240の中心位置の直上位置に移動させた後、ホームポジション等のクレーン部初期位置に移動させる構成であれば、そのホームポジションの位置を「終了動作位置」としてもよい。
【0125】
そして、もしアクションシーケンスによりアクション動作が成功していれば、上手く景品4をキャッチできていて、クレーン部1210が終了動作位置に移動するまでそれを保持できていれば、終了動作により、キャッチされていた景品は景品取得エリア1240に向けて落ちる。そして、落下した景品4が上手く景品取得エリア1240に留まれば当該景品を獲得したと認定される。
【0126】
景品4が景品取得エリア1240に留まっているかの判定は、景品4の全体がエリア内である場合に限定するか、一部がエリアにかかっていれば獲得と認めるか、は適宜設定可能である。本実施形態では、ビデオカメラ1220で撮影した画像から、景品4を画像認識して、景品取得エリア1240の設定範囲内に含まれるかを判定する。景品取得エリア1240を、物理的な開口部として実現した場合には、開口部への物体の通過を検知するセンサを用いて判定すればよい。或いは、景品取得エリア1240を物理的な台座部として実現する場合には、当該台座部に荷重センサを設けて、台座部に載っているものの重さを計測することで、獲得判定するとしてもよい。
【0127】
なお、本実施形態では、アクションシーケンス終了時点にて、アクション失敗と判定された場合、本実施形態ではコンティニュープレイが可能となる。
【0128】
具体的には、プレイ中、ユーザ端末1500はプレイ装置である景品獲得装置1200からアクション状況を逐一取得する。具体的には、シーケンス進捗1290の他に、アクション成功/アクション失敗を判定するための情報として、アクション状況情報1292(図4参照)を取得する。
【0129】
ユーザ端末1500は、最新のシーケンス進捗1290にて現在の動作状況が「アクションシーケンス・終了」で、最新のアクション状況情報1292が「開閉制御値=閉、且つ、開閉状態=開」であれば、アクション成功、本実施形態でいう所のキャッチ成功と判定する。同じく最新のシーケンス進捗1290が「アクションシーケンス・終了」で、最新のアクション状況情報1292が「開閉制御値=閉、且つ、開閉状態=閉」であれば、アクション失敗、本実施形態でいうところのキャッチ失敗と判定する。
【0130】
そして、アクションシーケンス終了時点でアクション失敗と判定された場合には、ユーザ端末1500は、景品獲得装置1200を終了動作シーケンスに移行させず、一時停止にしておく。具体的には、一時停止信号を景品獲得装置1200へ送信して、景品獲得装置1200が当該一時停止信号を受信することで、動作を一時停止させる。或いは、景品獲得装置1200にて終了動作シーケンスを開始させる信号の送信を保留するとして実現してもよい。
【0131】
そして、ユーザ端末1500は、コンティニュー移行制御を行う。コンティニュー移行制御では、少なくとも終了動作シーケンスを省略した再度の景品獲得プレイであるコンティニュープレイに移行するための準備を行う。具体的には、ユーザ端末1500にて、コンティニュープレイを行うか否かの選択操作を受け付けるコンティニュー選択待機処理を行う。
【0132】
コンティニュー選択待機処理では、例えば、遠隔操作画面内に、コンティニュー可能であることをプレーヤに報せるコンティニュー移行可能通知と、コンティニュープレイへの移行を承認する承認操作アイコンと、承認を拒否する非承認操作アイコンと、を表示する。そして、コンティニュープレイを行う旨の選択操作がなされた場合にコンティニュープレイに移行する。
【0133】
そして、本実施形態におけるコンティニュープレイでは、一時停止により実行待ちになっていた終了動作シーケンスと、再プレイするならば必要とされたであろう景品の選択と、使用する景品獲得装置の選択と、が省略される。そして、クレーン部1210は、一時停止によりアクションシーケンス終了時の位置(直前のプレイで指示された移動先)にある状態からプレイが始まる。
【0134】
[機能構成の説明]
図11は、本実施形態におけるサーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0135】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0136】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ、景品獲得装置1200から受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0137】
そして、本実施形態のサーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、景品獲得システム管理部206と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0138】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各ユーザのデータの管理を行う。本実施形態では、ユーザ管理部202は、1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与と、2)ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理と、3)課金要素(本実施形態ではオンラインショッピングで景品獲得装置1200をプレイするためのクレジットの購入など)の支払いで消費される電子決済媒体の帳簿管理と、4)ゲームプレイするためのログイン及びログアウトの履歴等を管理するプレイ履歴管理と、の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理機能も適宜含めることができる。
【0139】
オンラインショッピング管理部204は、オンラインショッピングに関する制御を担い、公知のオンラインショッピング技術を適宜利用して実現できる。本実施形態では、プレーヤは、オンラインショッピングによって、景品獲得装置1200をプレイするプレイ対価として消費される「クレジット」を購入することができる。勿論、オンラインショッピングにおける販売対象は、これら以外にも適宜設定可能である。
【0140】
景品獲得システム管理部206は、景品獲得システムの管理に係る各種処理を実行する。本実施形態では、プレーヤがゲームプレイに使用する景品獲得装置1200の設定と管理の処理と、景品獲得システムに係る各種情報をサーバ記憶部500sに記憶管理する処理と、それらの情報をユーザ端末1500へ提供する処理とを実行することができる。勿論、これら以外の処理も適宜含めることができる。
【0141】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0142】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0143】
音出力部390sは、音声信号を放音する。図1の例では本体装置1101が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0144】
画像生成部292sは、サーバシステム1100のシステム管理に関する画像等を生成することができる。そして、システム管理に関する画像は画像表示部392sへ出力することができる。
【0145】
画像表示部392sは、画像生成部292sから入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクターといった画像表示装置によって実現できる。図1の例ではタッチパネル1108が該当する。
【0146】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0147】
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1153が該当する。
【0148】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では本体装置1101が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
【0149】
本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム503と、配信用ゲームプログラム505と、販売管理データ509と、景品獲得装置管理データ510と、を記憶する。また、サーバ記憶部500sは、逐次更新管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、プレイ装置設定データ790と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
【0150】
サーバプログラム503は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、景品獲得システム管理部206としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0151】
配信用ゲームプログラム505は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームプログラム502(図14参照)のオリジナルである。
【0152】
販売管理データ509は、オンラインショッピングによる販売品を定義・管理するためのデータを格納する。本実施形態では、景品獲得装置1200のプレイ対価として消費されるクレジットが販売品に含まれている。
【0153】
景品獲得装置管理データ510は、運営者設備3(図1参照)の景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)毎に用意され、その景品獲得装置に関連づけられる各種データを格納する。
【0154】
1つの景品獲得装置管理データ510は、例えば図12に示すように、固有の景品獲得装置ID511と、アクセス情報512と、収容している景品の種類を示す景品名若しくは識別情報、又は代用景品の識別情報を格納する景品ID513と、景品獲得プレイ対価514と、コンティニュープレイ対価515と、グリッドアップグレード対価516と、移動可能範囲定義データ518と、ARボックス認識用辞書データ530と、プレイ空間内ARボックス位置座標リスト532と、ARボックス用AR画像データ534と、第1ビデオカメラ用座標変換行列536と、第2ビデオカメラ用座標変換行列538と、グリッド線仮想画像定義データ550と、範囲識別仮想画像定義データ560と、景品種類画像定義データ562と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0155】
アクセス情報512は、当該装置へ通信回線9を介して通信接続するために必要な情報である。例えばIPアドレスや、パスコードなどが含まれる。
【0156】
移動可能範囲定義データ518は、当該景品獲得装置のハードウェア仕様に関するデータの1つであって、2次元直動機構部1218の第1方向可動域データと第2方向可動域データとを含む。
【0157】
ARボックス認識用辞書データ530は、当該景品獲得装置にて使用されるARボックスを画像認識するための辞書データである。本実施形態では、第1ARボックス1271~第5ARボックス1275及び代用景品5とされるARボックスそれぞれのARマーカの辞書データが格納されている。
【0158】
プレイ空間内ARボックス位置座標リスト532は、当該景品獲得装置にて使用されるARボックス別のプレイ空間1202における初期位置座標を格納する。第5ARボックス1275については、クレーン部1210の初期位置における座標となる。
【0159】
ARボックス用AR画像データ534は、ライブモニター画像38内に映されるARボックスの画像部分に重ね表示(オーバーラップ表示、オーバーレイ表示)する画像情報を、ARボックス認識用辞書データ530に格納されている各ARマーカ別に対応付けて格納する。本実施形態では、賑やかし仮想画像66(図6参照)と、代用景品5に対応づけられる景品4の景品画像72(正面景品画像72f、左景品画像72s、上景品画像72t、…;図8参照)と、が格納されている。
【0160】
第1ビデオカメラ用座標変換行列536と第2ビデオカメラ用座標変換行列538は、プレイ空間の座標とモニター画像内の座標とを対応付ける情報である。
第1ビデオカメラ用座標変換行列536は、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像座標系からプレイ空間座標系への変換行列である。本実施形態では、第1ビデオカメラ1220fの撮影画角・撮影方向・撮影距離及びプレイ空間1202はそれぞれ固定値なので、予め当該座標変換行列を幾何的に求めて記憶させておく。同様にして、第2ビデオカメラ用座標変換行列538は、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像座標系からプレイ空間座標系への変換行列である。
【0161】
グリッド線仮想画像定義データ550は、グリッド線仮想画像60を定義するデータであって1つ又は複数格納される。1つのグリッド線仮想画像定義データ550は、例えば、適用条件551と、グリッド形状553と、グリッド線間隔555と、グリッド交点座標リスト557と、を含む。
【0162】
適用条件551は、当該定義データが適用される条件を記述する各種データを格納する。適用条件551は、例えば、コンティニュー回数の条件や、プレーヤであるユーザのプレイ履歴に基づくパラメータの条件(例えば、プレイ累積回数の条件、景品獲得率の条件、など)のAND又はORとして記述することができる。
【0163】
グリッド形状553は、グリッド線またはグリッド交点をどのように表示するかの表示形態を定義する。
グリッド線間隔555は、グリッド線の間隔を定義する。本実施形態では、適用条件551に含まれるコンティニュー回数の条件が大きな値ほど、より間隔が小さくなるように設定される。
グリッド交点座標リスト557は、グリッド線の各交点のプレイ空間1202における位置座標を対応づけて格納する。
なお、グリッド形状553とグリッド線間隔555とは、1つの仮想画像データとして定義される構成でもよい。
【0164】
グリッド交点座標リスト557は、当該定義データで定義されているグリッド線仮想画像60におけるグリッド線毎のプレイ空間座標系における座標のリストである。
【0165】
範囲識別仮想画像定義データ560は、範囲識別仮想画像64(図6参照)を表示させるための定義データである。
【0166】
景品種類画像定義データ562は、当該景品獲得装置で獲得可能な景品4として代用景品5が含まれる場合に格納されるデータであって、代用景品5別の景品種類画像74(74a、74b;図10参照)のデータを格納する。
【0167】
図11に戻って、ユーザ管理データ600は、登録ユーザ毎に用意され、固有の識別情報であるアカウントと紐付けられる各種データを格納する。本実施形態では、例えば図13に示すように、1つのユーザ管理データ600には、固有のユーザアカウント601と、決済媒体帳簿データ603と、個人情報登録データ605と、保有クレジット額607と、プレイ履歴データ610と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0168】
決済媒体帳簿データ603は、当該ユーザに紐付けられる電子決済用の決済媒体(例えば、仮想通貨やポイントなど)の補充/消費の量と、補充/消費の事由と、変更日時と、の情報を対応づけて格納する所謂帳簿である。課金履歴データ或いは課金履歴情報と読み替えることができる。
【0169】
個人情報登録データ605は、当該ユーザの個人情報を含む。例えば、電子メールアドレス、電話番号、獲得した景品の送付先とされる景品送付先住所、などを含むことができる。
【0170】
保有クレジット額607は、当該ユーザが決済媒体を消費して購入した、景品獲得装置1200のプレイ対価として消費される媒体の残数を格納する。
【0171】
プレイ履歴データ610は、プレイ毎に作成される。コンティニュープレイ時も、1つのプレイ履歴データ610が作成される。そして、1つのプレイ履歴データ610は、プレイ日時(プレイを開始した日時)と、希望景品種類と、プレイ装置とされた景品獲得装置1200の景品獲得装置IDであるプレイ装置IDと、コンティニュー回数と、景品獲得数と、を含み得る。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0172】
図11に戻って、プレイ装置設定データ790は、景品獲得装置1200(1200a,1200b,…)のうち、ゲームプレイに使用中である装置に関するデータであって、ゲームプレイ前のプレイ装置の設定別に作成され、ゲームプレイ終了時に破棄(削除)される。1つのプレイ装置設定データ790は、プレイ装置とされた景品獲得装置1200の景品獲得装置IDであるプレイ装置IDと、プレーヤアカウントと、を対応付けて格納する。その他の情報、例えば、使用開始日時を含めることもできる。
【0173】
図14は、本実施形態におけるユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0174】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するための手段である。図5の方向入力キー1502、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506などがこれに該当する。音声入力を有効とする構成ではマイク1512もこれに含めることができる。ジェスチャー入力を有効とする構成では、イメージセンサユニット1520もこれに含めることができる。
【0175】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。図5の例では、制御基板1550、CPU1551がこれに該当する。
【0176】
端末処理部200は、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ、景品獲得装置1200から受信した信号、等に基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を統合的に制御する。
【0177】
そして、本実施形態の端末処理部200は、ゲーム管理部210と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294とを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0178】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲーム管理部210は、モニター画像表示制御部212と、対応関係設定部214と、指示座標算出部216と、操作信号送信制御部218と、仮想画像表示制御部220と、景品存否判定部222と、AR画像表示部224と、景品種類画像表示制御部226と、移動可能範囲情報取得制御部228と、移動可能範囲識別表示制御部230と、を含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含むとしてもよい。
【0179】
モニター画像表示制御部212は、プレイ装置に設置されたビデオカメラ1220(第1ビデオカメラ1220f、第2ビデオカメラ1220s)の撮影画像に基づくライブモニター画像38をタッチパネル1506に表示させる制御を行う。また、モニター画像表示制御部212は、カメラ切換操作アイコン37(図5図9参照)への切り換え操作入力に応じて、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像に基づく第1のモニター画像と、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像に基づく第2のモニター画像とを切り替えて表示させることができる。
【0180】
また、本実施形態では景品獲得装置1200のクレーン部1210の2次元移動は、第1方向の移動と、第2方向の移動とを切り替えて実施されるので、モニター画像表示制御部212は、第1方向の移動の際に第1のモニター画像を表示させ、第2方向の移動の際に第2のモニター画像を表示させるように切り替えることができる。
【0181】
対応関係設定部214は、ビデオカメラ1220による撮影画像中のARマーカの画像に基づいて、プレイ空間1202の座標系と、ライブモニター画像38の表示座標系との対応関係を設定する。本実施形態では、対応関係の設定として、例えば、プレイ空間を撮影した撮影画像からARマーカを画像認識することと、景品獲得装置1200別に予め設定されている第1ビデオカメラ用座標変換行列536や第2ビデオカメラ用座標変換行列538を取得すること、取得したそれらの変換行列に基づいてポインティング操作の指示位置座標をプレイ空間における位置座標に変換すること、が該当する。
【0182】
なお、第1ビデオカメラ用座標変換行列536や第2ビデオカメラ用座標変換行列538が予め用意されず、ユーザ端末1500にて逐次演算して算定する構成の場合では、当該算定処理も対応関係の設定に含まれることとなる。
【0183】
指示座標算出部216は、ライブモニター画像38に対するユーザのポインティング操作によって指示された指示位置に対応するプレイ空間1202の指示座標を、対応関係設定部214で設定した対応関係に基づいて算出する。具体的には、クレーン部1210の2次元移動の移動目標座標を指示座標として算出する。その際、ポインティング操作によって、グリッド線の交点の何れかを指示位置として、指示座標を算出する。
【0184】
また、指示座標算出部216は、ポインティング操作によって、ライブモニター画像38中の景品の表示箇所が指示された場合に、当該景品に付された景品マーカ70に基づいて画像認識されるプレイ空間1202の座標に向けてアクションシーケンスを行う場合のクレーン部1210の移動目標座標を、指示座標として算出する。
【0185】
操作信号送信制御部218は、指示座標算出部216により算出された指示座標に対応する位置にクレーン部1210を移動させる遠隔操作信号を景品獲得装置1200に送信する制御を行う。
【0186】
仮想画像表示制御部220は、対応関係設定部214で設定した対応関係に基づいて、プレイ空間1202中の所与の設定位置に対応するライブモニター画像38中の設定表示位置を判定して仮想画像を表示させる。
具体的には、クレーン部1210の2次元移動に係る2次元座標のグリッド線を形成する仮想画像として、グリッド線仮想画像60を表示させることができる(図6参照)。そして、コンティニュープレイの回数に応じて、グリッド線仮想画像60のグリッド線の間隔を可変に設定することができる。
【0187】
また、仮想画像表示制御部220は、ライブモニター画像38中のクレーン部1210の表示位置から、クレーン部1210がアクションシーケンスを行う方向に向けた直線状の仮想画像を表示させる。本実施形態では垂線仮想画像62がこれに該当する(図6参照)。
【0188】
また、仮想画像表示制御部220は、景品存否判定部222の判定結果に基づいて仮想画像の表示形態を変更させる。本実施形態では、垂線仮想画像62の表示形態の変更がこれに該当する(図9参照)。
【0189】
景品存否判定部222は、景品マーカ70に基づいて、クレーン部1210の現在の表示位置においてアクションシーケンスを行った場合のアクションシーケンスの方向に景品が位置しているか否かを判定する。
【0190】
AR画像表示部224は、景品4が、前記景品マーカとして外面にAR(Augmented Reality)マーカが表記されたARボックスである代用景品5である場合に、ライブモニター画像38中のARボックスの表示箇所に、ARマーカに基づく画像を表示させる。図8の正面景品画像72f、左景品画像72s、上景品画像72tの表示制御がこれに該当する。
【0191】
景品種類画像表示制御部226は、景品マーカに対応づけられている代用景品5が代用する景品の種類に基づく画像を、ユーザ端末1500の遠隔操作画面の背景部分、或いは、ライブモニター画像38に含まれるプレイ空間1202の背景画像部分に、表示させる。本実施形態では、第1の景品種類画像74a、第2の景品種類画像74bの表示がこれに該当する(図10参照)。
【0192】
移動可能範囲情報取得制御部228は、プレイ装置である景品獲得装置1200のクレーン部1210の移動可能範囲を示す情報を取得する制御を行う。本実施形態では、サーバシステム1100から、プレイ装置として選択した景品獲得装置1200の景品獲得装置管理データ510(図12参照)のコピーを取得することで実現する。もし、当該管理データに相当するデータを、景品獲得装置1200のICメモリ1252(図4参照)に予め記憶させておく構成であれば、ユーザ端末1500が当該景品獲得装置1200を遠隔操作する際に取得するとしてもよい。
【0193】
移動可能範囲識別表示制御部230は、対応関係設定部214で設定した対応関係に基づいて、プレイ装置である景品獲得装置1200のクレーン部1210の移動可能範囲に対応するライブモニター画像38中の表示範囲を算出して、当該移動可能範囲あるいは当該移動可能範囲以外の範囲を、ライブモニター画像38中に識別表示する制御を行う。本実施形態では、範囲識別仮想画像64(図6参照)の表示制御がこれに該当する。
【0194】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0195】
音生成部290は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、ゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、音声信号を音出力部390へ出力する。
【0196】
音出力部390は、音声信号を放音する。図5の例ではスピーカ1510がこれに該当する。
【0197】
画像生成部292は、ゲームプレイに係る各種画像等を生成することができる。そして、画像信号を画像表示部392へ出力する。
【0198】
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図5の例ではタッチパネル1506が該当する。
【0199】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0200】
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図5の例では無線通信モジュール1553が該当する。
【0201】
端末記憶部500は、端末処理部200に諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図5の例ではICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。オンラインストレージを含めることもできる。
【0202】
本実施形態における端末記憶部500は、ゲームプログラム502と、ユーザアカウント504と、景品獲得装置管理データ510cと、自ユーザ管理データ600cと、プレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
【0203】
ゲームプログラム502は、端末処理部200が読み出して実行することによってゲーム管理部210としての機能を実現させるためのソフトウェアである。本実施形態では、サーバシステム1100の配信用ゲームプログラム505(図11参照)をダウンロードして記憶することになる。
【0204】
ユーザアカウント504は、本実施形態のゲームをプレイするためにゲームプログラム502を起動させて、所定のログイン手続きを行う際にユーザによって入力された結果として記憶される。
【0205】
景品獲得装置管理データ510cは、プレイ装置とされた景品獲得装置1200の景品獲得装置管理データ510(図11参照)のコピーであって、プレイ装置の選択・設定にともなってプレイ装置へのアクセス情報を含むデータとしてサーバシステム1100から取得・記憶する。
【0206】
自ユーザ管理データ600cは、プレーヤである自機を使用するユーザのユーザ管理データ600(図11参照)のコピーであって、ログイン手続きにともなってサーバシステム1100から取得・記憶する。
【0207】
プレイデータ700は、景品獲得装置1200のプレイ開始前に作成され、プレイ終了時に削除される。コンティニュープレイ時は、継続して使用される。
具体的には、例えば図15に示すように、プレイデータ700は、プレーヤアカウント701と、プレイ装置ID703と、受信済撮影画像データ705と、受信済アクション判定用情報707と、プレイモード710と、空間認識データ720と、仮想画像設定データ730と、景品位置座標740と、移動先指示管理データ750と、遠隔操作画面表示制御データ770と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、遠隔操作においてサーバシステム1100がユーザ端末1500とプレイ装置である景品獲得装置1200との中継を行う構成では、プレイデータ700にユーザ端末へのアクセス情報を含めることとなる。
【0208】
プレイ装置ID703は、プレーヤがゲームプレイに使用する機体として選択した景品獲得装置1200の景品獲得装置IDである。プレイ装置の選択・設定の手続きに伴って、サーバシステム1100から取得し格納される。
【0209】
受信済撮影画像データ705は、プレイ装置である景品獲得装置1200から逐一送信される第1ビデオカメラ1220fの撮影画像と第2ビデオカメラ1220sの撮影画像のデータを格納する。
【0210】
受信済アクション判定用情報707は、プレイ装置である景品獲得装置1200から逐一送信されるシーケンス進捗1290とアクション状況情報1292とを格納する(図4参照)。
【0211】
プレイモード710は、今現在のプレイが非コンティニュープレイ(景品獲得プレイ)なのか、コンティニュープレイなのかを示す情報を格納する。ゲーム開始時は、非コンティニュープレイを示す値に初期化される。
【0212】
空間認識データ720は、プレイ装置である景品獲得装置1200のビデオカメラ1220毎に用意され、当該ビデオカメラの撮影画像に基づいて、ARボックス(第1ARボックス1271~第5ARボックス1275,代用景品5)のARマーカを画像認識して空間認識するための各種情報、空間認識した結果の各種情報を格納する。
【0213】
1つの空間認識データ720は、例えば図16に示すように、空間認識データ720は、
モニター画像内ARボックス位置座標リスト722と、モニター画像内ARボックスサイズリスト724と、モニター画像内ARボックス姿勢値リスト726と、モニター画像内景品位置座標728と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0214】
モニター画像内ARボックス位置座標リスト722は、各ARボックスのモニター画像座標系における位置座標を格納する。1つのARボックス別に、モニター画像座標系の第1方向座標及び第2方向座標と対応づけて格納される。第1方向座標は、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像内において当該ARボックスが認識された位置である。第2方向座標は、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像内において当該ARボックスが認識された位置である。
【0215】
モニター画像内ARボックスサイズリスト724は、各ARボックスのモニター画像座標系におけるマーカサイズを示す情報を格納する。ARボックス別に、モニター画像座標系の第1方向サイズ及び第2方向サイズが対応づけて格納される。第1方向サイズは、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像内において当該ARボックスが認識された大きさを示す。第2方向サイズは、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像内において当該ARボックスが認識された大きさを示す。
【0216】
モニター画像内ARボックス姿勢値リスト726は、各ARボックスのモニター画像座標系における姿勢を記述する値を格納する。ARボックス別に、モニター画像座標系の第1方向姿勢値及び第2方向姿勢値が対応づけて格納される。第1方向姿勢値は、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像内において当該ARボックスが認識された姿勢を示す。第2方向姿勢値は、第2ビデオカメラ1220fの撮影画像内において当該ARボックスが認識された姿勢を示す。
【0217】
モニター画像内景品位置座標728は、代用景品5毎に用意され、当該代用景品のモニター画像座標系における姿勢を記述する値を格納する。1つのモニター画像内景品位置座標728別に、代用景品5の識別情報と、モニター画像座標系の第1方向位置及び第2方向位置とが対応づけて格納される。
【0218】
図15に戻って、仮想画像設定データ730は、各種仮想画像が特定の画像データではなく、その都度描画して形成する構成とする場合に用意される。例えば、仮想画像を、仮想3次元空間に配置したオブジェクトを仮想カメラで撮影したCG画像として描画する場合には、当該設定データが、仮想3次元空間を定義するデータとなる。
そして、仮想画像設定データ730は、
1)第1方向に沿ったグリッド線の設定である第1方向用グリッド設定データ731と、
2)第2方向に沿ったグリッド線の設定である第2方向用グリッド設定データ732と、
3)第1ビデオカメラ1220fの撮影画像をライブモニター画像38として表示する際の垂線仮想画像62(図6参照)の設定である第1方向用垂線設定データ733と、
4)第2ビデオカメラ1220sの撮影画像をライブモニター画像38として表示する際の垂線仮想画像62の設定である第2方向用垂線設定データ734と、
5)第1ビデオカメラ1220fの撮影画像をライブモニター画像38として表示する際の範囲識別仮想画像64(図6参照)の設定である第1方向用範囲識別表示設定データ735と、
6)第2ビデオカメラ1220sの撮影画像をライブモニター画像38として表示する際の範囲識別仮想画像64の設定である第2方向用範囲識別表示設定データ736と、
を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0219】
景品位置座標740は、認識された代用景品5別に用意され、当該代用景品のプレイ空間座標系の位置座標を格納する。当該位置座標は、モニター画像内景品位置座標728(図16参照)を、プレイ装置である景品獲得装置1200の第1ビデオカメラ用座標変換行列536及び第2ビデオカメラ用座標変換行列538に基づいて算出することができる。
【0220】
移動先指示管理データ750は、遠隔操作の進捗を記述する各種データを格納する。
本実施形態では、図17に示すように、第1方向ポインティング操作位置座標751と、第1方向移動先指示座標752と、第2方向ポインティング操作位置座標753と、第2方向移動先指示座標754と、位置決め完了判定用データ760と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0221】
第1方向ポインティング操作位置座標751は、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像をライブモニター画像38として表示しているときのモニター画像座標系のタッチ位置座標である。
第1方向移動先指示座標752は、第1方向ポインティング操作位置座標751とプレイ装置である景品獲得装置1200の第1ビデオカメラ用座標変換行列536とに基づいて算出される。
【0222】
同様にして、第2方向ポインティング操作位置座標753は、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像をライブモニター画像38として表示しているときのモニター画像座標系のタッチ位置座標である。
第2方向移動先指示座標754は、第2方向ポインティング操作位置座標753とプレイ装置である景品獲得装置1200の第2ビデオカメラ用座標変換行列538とに基づいて算出される。
【0223】
位置決め完了判定用データ760は、位置決め完了の判定をするために参照されるデータを格納する。本実施形態では、第1方向への移動先を指示済みである時に設定される第1方向指示済フラグ761と、第2方向への移動先を指示済みである時に設定される第2方向指示済フラグ763と、位置決め制限時間タイマ765とを含む。
【0224】
第1方向指示済フラグ761と、第2方向指示済フラグ763は、初期値は「0(未指示)」であるが、それぞれ第1方向・第2方向への遠隔操作信号を送信すると「1」に設定される。これら2つのフラグに基づいて位置決め完了と判定することができる。
【0225】
また、位置決め制限時間タイマ765は、移動指示操作の入力が可能な制限時間を計時するのに使用される。当該タイマが所定の時間の計時を完了すると、第1方向指示済フラグ761及び第2方向指示済フラグ763の状態に係わらず位置決め完了と判定される。
【0226】
なお、これらとは別であるが、遠隔操作画面(例えば、図6の遠隔操作画面W6)においてアクションシーケンス開始操作アイコン36への操作が検知された場合は、位置決め完了判定用データ760の各データの状態如何に関わらず位置決め完了と判定される。
【0227】
図15に戻って、遠隔操作画面表示制御データ770は、希望景品選択画面W2・プレイ装置選択画面W4・遠隔操作画面W6(図6参照)並びに遠隔操作画面W10(図10参照)の表示に係る制御データを格納することができる。
【0228】
〔動作の説明〕
次に、景品獲得システム1000の動作について説明する。
図18図20は、本実施形態におけるユーザ端末1500における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する一連の処理の流れは、ユーザ端末1500ではゲームプログラム502が実行されることにより実現される。
【0229】
ユーザ端末1500は、先ずログイン処理を実行する(ステップS10)。
具体的には、ゲームプログラム502を起動してユーザアカウントを入力すると、ユーザ端末1500はサーバシステム1100にアクセスしてログインリクエストを送信する。サーバシステム1100は、これに応じる形でログイン受け付け処理を実行する。そして、所定のログイン手続きが完了すると、サーバシステム1100は、ログインしたユーザのユーザ管理データ600をリクエストしてきたユーザ端末1500へ提供する。
【0230】
次に、ユーザ端末1500は、プレイ装置とする景品獲得装置1200の選択を行うプレイ装置選択処理を実行する(ステップS12)。
当該処理では、ユーザ端末1500は、プレイ装置設定データ790(図11参照)に基づく未使用の景品獲得装置1200の情報と、それらで獲得可能な景品の種類の情報と、をサーバシステム1100から取得する。そして、ユーザ端末1500は、それらを受信すると、希望景品選択画面W2を表示して、獲得を希望する景品の選択入力を受け付ける。
【0231】
次いで、選択された種類の景品を獲得できる景品獲得装置1200を検索して、プレイ装置選択画面W4を表示して、景品獲得プレイで使用する景品獲得装置1200の選択を受け付け、選択された景品獲得装置1200の景品獲得装置IDをサーバシステム1100へ返信する。サーバシステム1100は、受信した景品獲得装置IDの景品獲得装置1200を当該プレーヤのプレイ装置として登録するプレイ装置設定データ790を設定し、プレイ装置である景品獲得装置1200へのアクセス情報を含む景品獲得装置管理データ510を、ユーザ端末1500へ送信する。ユーザ端末1500はこれを受信し記憶する
【0232】
次いで、ユーザ端末1500は、先に取得したプレイ装置である景品獲得装置1200へのアクセス情報を用いて、プレイ装置と通信接続して遠隔操作の環境を確立する(ステップS14)。
【0233】
そして、プレイ装置である景品獲得装置1200は、両者間の通信が確立すると、プレイ装置である景品獲得装置1200からの第1ビデオカメラ1220f及び第2ビデオカメラ1220sによる各撮影画像をユーザ端末1500へ送信するライブ配信処理を開始する。また、プレイ装置である景品獲得装置1200は、シーケンス進捗1290とアクション状況情報1292の自動更新を開始し、それらのユーザ端末1500への配信を開始する
【0234】
ユーザ端末1500は、両者間の通信が確立すると、それらのデータの逐次受信を開始して、受信済撮影画像データ705、受信済アクション判定用情報707として記憶する(ステップS16;図15参照)。
【0235】
次に、ユーザ端末1500は、受信したビデオカメラ1220の撮影画像に基づいて、プレイ空間の座標系と、モニター画像の表示座標系との対応関係を設定する演算を開始する(ステップS18)。具体的には、撮影画像内に写っているARボックスのARマーカの種類、サイズ、姿勢を判定して、空間認識データ720(図16参照)を作成する。
【0236】
次に、ユーザ端末1500は、仮想画像の設定を行う(ステップS20)。
具体的には、サーバシステム1100から取得した景品獲得装置管理データ510cに含まれるグリッド線仮想画像定義データ550のうち、適用条件551が現状に適合する定義データを検索し、そのグリッド形状553及びグリッド線間隔555を用いて、第1方向用グリッド設定データ731と、第2方向用グリッド設定データ732とを設定する(図15参照)。
【0237】
また、空間認識データ720(図16参照)のモニター画像内ARボックス位置座標リスト722には、第5ARボックス1275が示す画像内クレーン位置が含まれるので、これに基づいて第1方向用垂線設定データ733及び第2方向用垂線設定データ734を設定する(図15参照)。
【0238】
そして、サーバシステム1100から取得した景品獲得装置管理データ510c(図14,12参照)に含まれる移動可能範囲定義データ518と、範囲識別仮想画像定義データ560に基づいて、第1方向用垂線設定データ733及び第2方向用垂線設定データ734とを設定する(図15参照)。
【0239】
そして、ユーザ端末1500は、遠隔操作画面の表示を開始する(ステップS22)。
これに伴って、第1に、グリッド線仮想画像60、垂線仮想画像62、範囲識別仮想画像64をライブモニター画像38へオーバーラップ表示する制御を開始する(図6参照)。第2に、AR画像表示制御を開始して、ライブモニター画像38に映っているARボックスへ賑やかし仮想画像66をオーバーラップ表示する制御を開始する。
【0240】
また、ライブモニター画像38内に代用景品5の景品マーカ70が認識された場合には(ステップS40のYES)、ユーザ端末1500は代用景品5へのAR表示と(図8参照)、代用景品5の種類に応じた景品種類画像74(74a、74b;図10参照)の表示とを開始する(ステップS42)。
【0241】
また、代用景品5の何れかがクレーン部1210の下に存在するかの景品存否判定と、判定結果の通知制御とを開始する(ステップS44)。
景品存否判定は、例えば、モニター画像内ARボックス位置座標リスト722(図16参照)に含まれている、クレーン部1210に取り付けられた第5ARボックス1275のライブモニター画像38内の位置座標と、代用景品5とされるARボックスの位置座標との比較で実現できる。
【0242】
次に、ユーザ端末1500は、位置決め完了判定用データ760(図17参照)を初期化して位置決め制限時間タイマ765の計時を開始し(ステップS46)、ゲームプレイを開始する(ステップS48)。
【0243】
図19に移って、ゲームプレイ開始後、グリッドレベルアップ操作アイコン33(図6参照)へのタッチ操作を検出すると(ステップS70のYES)、ユーザ端末1500は、グリッド線のアップグレード処理を実行する(ステップS72)。これに伴い、アップグレードする対価の支払処理と、グリッド線間隔をより細かく変更し、グリッド線仮想画像60の表示を更新する。
【0244】
ゲームプレイ開始後に、カメラ切換操作アイコン37(図6参照)へのタッチ操作を検出すると(ステップS74のYES)、ユーザ端末1500は、ライブモニター画像38とする撮影画像をカメラ切換操作に応じて変更するとともに、グリッド線仮想画像60等の仮想画像の表示を切り換える(ステップS76)。
【0245】
また、ゲームプレイ開始後に、タッチパネル1506へのポインティング操作を検出し(ステップS78のYES)、且つ、ポインティング操作されたタッチ位置座標が代用景品5の位置を示している場合は(ステップS80のYES)、ユーザ端末1500は、移動先指示座標をポインティング操作された代用景品5の位置座標に対応するプレイ空間の位置座標に設定し(ステップS82)、遠隔操作信号をプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信する(ステップS84)。
【0246】
その際、第1方向移動先指示座標752又は第2方向移動先指示座標754は、それぞれ該当する代用景品5のモニター画像系の第1方向座標及び第2方向座標を、対応する第1ビデオカメラ用座標変換行列536又は第2ビデオカメラ用座標変換行列538を用いてプレイ空間座標系に変換することで設定する。そして、遠隔操作信号として、第1方向移動先指示座標752又は第2方向移動先指示座標754を送信する。
これを受信した景品獲得装置1200では、クレーン部1210がポインティング操作された代用景品5の上方位置へ移動されることになる。
【0247】
そして、ユーザ端末1500は全方向を指示済みに設定する(ステップS86)。
【0248】
もし、ポインティング操作を検出したが、それが代用景品5をポインティングしていない場合は(ステップS80のNO)、ユーザ端末1500は、位置決め完了判定用データ760を参照する。そして、その時のライブモニター画像38で指示可能な方向(第1ビデオカメラ1220fの撮影画像がライブモニター画像38なら第1方向、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像なら第22方向)が未指示ならば(ステップS92のYES)、ユーザ端末1500は、指示座標算出処理を実行する(ステップS94~ステップS96)。
【0249】
具体的には、指示座標算出処理として、当該ポインティング操作の指示位置座標から最寄りのグリッド交点を判定し(ステップS94)、その時のライブモニター画像38で指示可能な方向の移動先指示座標、すなわち第1方向移動先指示座標752又は第2方向移動先指示座標754の何れかを判定したグリッド交点の座標に設定する(ステップS96)。
【0250】
グリッド交点の判定は、ポインティング操作されたタッチ位置座標を、第1ビデオカメラ用座標変換行列536又は第2ビデオカメラ用座標変換行列538で、プレイ空間座標系に変換する。そして、変換後のタッチ位置座標を、景品獲得装置管理データ510c(図14,12参照)のグリッド線仮想画像定義データ550(図12参照)のうち、現状に適合する適用条件551の定義データのグリッド交点座標リスト557と比較して判定することで実現できる。
【0251】
なお、グリッド交点座標リスト557を、第1ビデオカメラ1220fの撮影画像をライブモニター画像38とする場合のモニター画像系の座標値のリストと、第2ビデオカメラ1220sの撮影画像をライブモニター画像38とする場合のモニター画像系の座標値のリストとで実現する構成では、その時のライブモニター画像38に対応するリストの座標と、同じモニター画像系座標であるポインティング操作されたタッチ位置座標とを比較してグリッド交点を判定するとしてもよい。
【0252】
次いで、ユーザ端末1500は、当該ポインティング操作に応じた遠隔操作信号をプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信し(ステップS98)、ユーザ端末1500は、該当方向を指示済みに設定する(ステップS100)。
本実施形態では、遠隔操作信号として、過去のステップで設定された第1方向移動先指示座標752又は第2方向移動先指示座標754を送信する。なお、モニター画像系座標からプレイ空間座標系への座標変換を、景品獲得装置1200側で行う構成では、タッチ位置座標をそのまま送信するとしてもよい。或いは、指示位置座標へクレーン部1210を移動させるのに適当なクレーン部1210のモータを駆動制御するための駆動時間や駆動パルス数を示す情報を送信するとしてもよい。
【0253】
図20に移って、ユーザ端末1500は位置決め完了したか否かを常に監視している。そして、位置決め完了と判定した場合は(ステップS130のYES)、ユーザ端末1500は、位置決め完了信号をプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信する(ステップS132)。位置決め完了信号を受信した景品獲得装置1200は、自動的にアクションシーケンスの実行を開始する。これに伴って、シーケンス進捗1290とアクション状況情報1292がシーケンスの進行とともに更新され、ユーザ端末1500に送信される(図4参照)。
【0254】
そして、続いてユーザ端末1500は、プレイ装置である景品獲得装置1200から受信した受信済アクション判定用情報707(図15参照)に基づいて、アクションシーケンス終了時点でアックション動作が成功していたかを判定する。
【0255】
ここで、アクション失敗と判定した場合は(ステップS134のNO)、ユーザ端末1500は、所定の保留信号をプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信する(ステップS140)。景品獲得装置1200は、当該保留信号を受信すると動作を一時停止する。具体的には、アクション成功/アクション失敗の判定が、アクションシーケンスの終了時点で行われるので、保留信号を受信した景品獲得装置1200は、終了動作シーケンスを開始せずに、動きを止める。クレーン部1210のプレイ空間1202での位置は、アクションシーケンスが終わった時点のまま維持されることになる。
【0256】
ユーザ端末1500は、景品獲得装置1200の動作を保留させている間に、ユーザに向けてコンティニュープレイである旨の通知と、コンティニュープレイには対価が必要であることを通知し、コンティニュープレイの実行の承認/非承認の選択入力を受け付ける(ステップS142)。
【0257】
そして、受付結果がコンティニュープレイの実行を承認するものであれば(ステップS144のYES)、ユーザ端末1500はプレイ履歴データの更新処理を実行する(ステップS150)。具体的には、自ユーザ管理データ600c(図14参照)のプレイ履歴データ610(図13参照)を更新するとともに、サーバシステム1100にアクセスして、サーバシステム1100で記憶管理されている自ユーザのオリジナルのユーザ管理データ600(図11参照)の更新をリクエストする。
【0258】
そして、ユーザ端末1500は、プレイモード710(図15参照)を「非コンティニュープレイ」から「コンティニュープレイ」に変更して(ステップS152)、ステップS20(図18参照)に戻る。
【0259】
ステップS20に戻ると、再び仮想画像の設定を行う(ステップS20)。この時、コンティニュー回数が、異なる適用条件551(図12参照)に適合するのであれば、初回の景品獲得プレイ(非コンティニュープレイ)の時とはグリッド線仮想画像60のグリッド線間隔が変更されることになる。そして、これに続くステップS22でコンティニュープレイとしての遠隔操作画面の表示制御が開始されると、ステップS20で再設定された仮想画像がオーバーラップ表示されることになる。
【0260】
図20に戻って、コンティニュープレイの実行の承認/非承認の選択入力が非承認に該当する場合は(ステップS144のNO)、ユーザ端末1500は、保留解除信号をプレイ装置である景品獲得装置1200へ送信する(ステップS160)。
【0261】
そして、コンティニュープレイの実行が非承認であった場合と、ステップS134にてアクション成功と判定した場合は(ステップS134のYES)、ユーザ端末1500は、次に景品獲得の成功/失敗の判定を行い、景品獲得したと判定した場合には(ステップS170のYES)、所定の景品発送手続き処理を実行し(ステップS172)、自ユーザのプレイ履歴データの更新処理を行って(ステップS174)、一連の処理を終了する。
【0262】
以上、本実施形態によれば、タッチ操作というポインティング操作によって景品獲得装置を遠隔操作して景品の獲得に挑戦するゲームが可能になるとともに、ライブモニター画像38への仮想画像のオーバーラップ表示により、仮想画像をオーバーラップ表示しない場合よりも、大幅に操作性を向上させることができる。
【0263】
また、ライブモニター画像38には、ビデオカメラ1220の光学系の仕様等により若干のパースや収差がかかる。そのため、プレーヤがライブモニター画像38で見ている位置やグリッド線仮想画像60で示される位置と、プレイ空間1202内での実際の位置には、若干のズレが生じる。プレーヤがライブモニター画像38を見て狙った位置にタッチ操作しても、実際にクレーン部1210が移動する先は、タッチ操作された位置によっては幾何的に見ると少しズレる場合がある。このパースや収差の分のズレは、初めてプレイすると分からないが幾度かプレイすると飲み込めてくる。そして、プレーヤはパースや収差の分のズレを見越して何処にタッチ操作するべきかを考えるようになり、そこがゲームを攻略する醍醐味の1つとなる。その場合も、グリッド線仮想画像60は、攻略のコツを掴むためのよい目安となる。
【0264】
このように、本実施形態によれば、ポインティング操作の1つであるタッチパネルに対するタッチ操作に基づいた遠隔操作でありながら高い操作性を有する魅力ある景品獲得システムとなる。
【0265】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0266】
[変形例その1]
例えば、上記実施形態では、ゲームプレイは、ユーザ端末1500がプレイ装置である景品獲得装置1200と直接的に通信して実現される構成であったが、ユーザ端末1500とプレイ装置である景品獲得装置1200との間にサーバシステム1100が介在する構成も可能である。その1つの例として、サーバシステム1100が介在する構成では、サーバシステム1100を単なる信号の中継装置として機能させる構成も可能である。
【0267】
[変形例その2]
また、他の例として、景品獲得システム1000を、クライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現することも可能である。言い換えると、サーバシステム1100が、ユーザ端末1500を制御するコンピュータシステムとして機能し、ユーザ端末1500はプレーヤの操作入力の受付装置と遠隔操作画面の表示装置とすることで、サーバシステム1100が遠隔操作システムとなる構成も可能である。
【0268】
具体的には、サーバシステム1100の機能構成は、例えば図21のようになり、サーバ記憶部500sに記憶されるプログラムやデータは図22のようになる。サーバプログラム503Bは、サーバ処理部200sにゲーム管理部210としての機能を実現することができる。配信用ゲームクライアントプログラム507は、ユーザ端末1500が実行することでゲームクライアントとしての機能を実現させるプログラムである。
【0269】
また図23は、景品獲得システム1000を、クライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現する場合のユーザ端末1500における機能構成例を示す図である。当該構成におけるユーザ端末1500は、配信用ゲームクライアントプログラム507をダウンロードして、端末記憶部500にゲームクライアントプログラム590として記憶し実行することで、端末処理部200にユーザ端末演算部260としての機能を実現する。そして、ユーザ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、ゲーム画面表示制御部262とを含む。
【0270】
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へ為された操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信する。
ゲーム画面表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行う。本実施形態では、希望景品選択画面W2・プレイ装置選択画面W4・遠隔操作画面W6(図6参照)並びに遠隔操作画面W10(図10参照)の表示制御がこれに該当する。
【0271】
そして、図18図20のフローチャートのステップの実行主体を当該構成におけるサーバシステム1100と読み替えればよい。
【0272】
[変形例その3]
また、上記実施形態では、プレイ空間1202内を遠隔操作で移動する景品獲得機構部をクレーン部1210として例示したが、クレーン以外の構成も可能である。例えば、景品を掬いあげるスコップやショベル、景品を引っ掛けるフック、景品を押すプッシャー、などとして機能する景品獲得機構部を採用してもよい。
【0273】
そして、採用した景品獲得機構部の機能によっては、上記実施形態において装置の左右方向と前後方向とした2次元移動の方向を、装置の左右方向・上下方向とすることができる。
具体的には、例えばプレイ空間の奥壁面の各所に様々な景品を吊り下げておく。そして、景品を引っ掛けるフック様の景品獲得機構部を採用して、左右方向・上下方向にそれぞれ移動させて位置決めする位置決めシーケンスと、位置決めされた後は装置奧方向にフック部を伸ばすアクションシーケンスと、を設ける。プレーヤは、景品獲得機構部を装置の左右方向(第1方向)と上下方向(第2方向)とに遠隔操作して移動させ、景品群のなかから何れかの景品に狙いを定めて、景品獲得機構部のフックで引っ掛け落として獲得するといった景品獲得システムでも、本発明を適用することができる。
【0274】
[変形例その4]
また、グリッド線仮想画像60や垂線仮想画像62のデザイン・見せ方は、上記実施形態の例に限らず適宜デザインすることができる。
【0275】
例えば、図24に示すように、グリッド線仮想画像60Bを、クレーン部1210の位置からやや下方に設定できるプレイ空間1202の床面と平行な面又は略平行な面に沿って表示させるとしてもよい。また、垂線仮想画像62は、爪1212を広げたときの先端部から垂下された複数本の線分又は当該線分を境界に含む垂直面62Bとして表示してもよい。
【0276】
また例えば、図25に示すように、グリッド線仮想画像60を、2次元移動可能な位置を極座標により表示するデザインとしてもよい。具体的には、グリッド線仮想画像60を描画するプレイ空間1202の床面と平行な面又は略平行な面と、垂線仮想画像62との交点を円の中心とした複数の同心円として表示するとしてもよい。更に言えば、当該同心円を垂直方向の半透明な円筒として表示するとしてもよい。
また、グリッド線仮想画像60を、グリッド線は表示せずに交点のみを、十字マークなど所定画像の離散配列によって表示するとしてもよい。
【0277】
[変形例その5]
また、上記実施形態の構成から、第1ARボックス1271~第4ARボックス1274を省略した構成も可能である。具体的には、第5ARボックス1275の6面には、それぞれ各面固有のARマーカを設けることとする。そして、グリッド線仮想画像定義データ550(図12参照)では、グリッド形状553とグリッド線間隔555を1つの画像データに置き換え、第5ARボックス1275のモニター画像系座標を基準として相対表示位置座標、相対表示サイズ、相対表示姿勢を定義するデータを含めた構成とすることができる。
【0278】
[変形例その6]
ユーザのポインティング操作の一例として、ユーザ端末1500のタッチパネル1506に対するタッチ操作を説明したが、ユーザ端末1500をパソコンで構成する等の場合にはマウス操作をポインティング操作とすることができる。
【符号の説明】
【0279】
2…ユーザ
4…景品
5…代用景品
37…カメラ切換操作アイコン
38…ライブモニター画像
60…グリッド線仮想画像
62…垂線仮想画像
64…範囲識別仮想画像
70…景品マーカ
72…景品画像
74…景品種類画像
200…端末処理部
210…ゲーム管理部
212…モニター画像表示制御部
214…対応関係設定部
216…指示座標算出部
218…操作信号送信制御部
220…仮想画像表示制御部
222…景品存否判定部
224…AR画像表示部
226…景品種類画像表示制御部
230…移動可能範囲識別表示制御部
500…端末記憶部
502…ゲームプログラム
510…景品獲得装置管理データ
512…アクセス情報
518…移動可能範囲定義データ
530…ARボックス認識用辞書データ
532…プレイ空間内ARボックス位置座標リスト
534…ARボックス用AR画像データ
536…第1ビデオカメラ用座標変換行列
538…第2ビデオカメラ用座標変換行列
550…グリッド線仮想画像定義データ
555…グリッド線間隔
557…グリッド交点座標リスト
560…範囲識別仮想画像定義データ
562…景品種類画像定義データ
700…プレイデータ
703…プレイ装置ID
705…受信済撮影画像データ
720…空間認識データ
730…仮想画像設定データ
740…景品位置座標
750…移動先指示管理データ
751…第1方向ポインティング操作位置座標
752…第1方向移動先指示座標
753…第2方向ポインティング操作位置座標
754…第2方向移動先指示座標
760…位置決め完了判定用データ
770…遠隔操作画面表示制御データ
1000…景品獲得システム
1100…サーバシステム
1200…景品獲得装置
1210…クレーン部
1220f…第1ビデオカメラ
1220s…第2ビデオカメラ
1271…第1ARボックス
1272…第2ARボックス
1273…第3ARボックス
1274…第4ARボックス
1275…第5ARボックス
1292…アクション状況情報
1500…ユーザ端末
1506…タッチパネル
1550…制御基板
W6…遠隔操作画面
図1
図2
図3
図4
図5
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図21
図22
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