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  • 特許-リモコン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】リモコン
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
H04Q9/00 371A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018077512
(22)【出願日】2018-04-13
(65)【公開番号】P2018191280
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】201720493819.5
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710418449.3
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518129994
【氏名又は名称】東莞昭和電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095636
【弁理士】
【氏名又は名称】早崎 修
(72)【発明者】
【氏名】杉本 剛平
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-129871(JP,A)
【文献】特開2014-216836(JP,A)
【文献】特開平11-008950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコンであって、
ケースと、前記ケースに開設されたボタン穴と、前記ボタン穴内に取り付けられた固定具と、前記固定具に取り付けられた確認ブロック及び方向ブロックと、前記固定具に延出される方向キー、確認キー及びプログラム書き込みブロックと、を含み、
前記プログラム書き込みブロックには前記確認キーが通されて前記固定具に延出されるための第1通し穴が開設されて、前記固定具には、前記方向キーが張り出されるための第2通し穴と、前記プログラム書き込みブロックが張り出されるための第3通し穴とが開設され、
前記確認ブロックと前記方向ブロックで前記第3通し穴が隠されるとともに前記プログラム書き込みブロックが外観として現れないことを特徴とするリモコン。
【請求項2】
前記ケースには、前記固定具に延出されて前記確認ブロックを位置決めするための位置決め用ガイドピンが更に装着されており、前記固定具には、前記位置決め用ガイドピンが張り出されるための第4通し穴が開設され、前記固定具には前記方向ブロックが係合されるための係合溝が更に開設されていることを特徴とする請求項1に記載のリモコン。
【請求項3】
前記係合溝の一方側に楔形ブロックが装着されていることを特徴とする請求項2に記載のリモコン。
【請求項4】
前記確認ブロックには、前記方向ブロックと前記固定具との間に延出されるクランプ部が装着されていることを特徴とする請求項1に記載のリモコン。
【請求項5】
前記固定具は外層と内層に分けられ、前記固定具の前記外層と前記内層とは、同一の水平面に位置せず、前記係合溝が前記固定具の前記外層に開設され、前記第2通し穴が前記固定具の前記外層と前記内層との境界に開設され、前記第3通し穴と前記第4通し穴が前記内層に開設されていることを特徴とする請求項に記載のリモコン。
【請求項6】
前記係合溝は複数開設され、複数の前記係合溝は、前記固定具の前記外層にリング状をなすように均等に配置され、
前記第2通し穴は複数開設され、複数の前記第2通し穴は、前記固定具の前記外層と前記内層とが接する領域にリング状をなすように均等に配置され、
前記第4通し穴は複数開設され、複数の前記第4通し穴は、前記内層に均等に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のリモコン。
【請求項7】
前記係合溝は4つ開設され、前記第2通し穴は4つ開設され、前記第4通し穴は4つ開設されていることを特徴とする請求項5に記載のリモコン。
【請求項8】
前記固定具と前記ケースとの接続方式は螺合であることを特徴とする請求項1に記載のリモコン。
【請求項9】
前記固定具はケースと一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品の技術分野に関し、特にリモコンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リモコンは、電磁波信号を利用して遠距離の機器が制御でき、無線スマートホーム及び工業制御等の分野に広く適用されている。リモコンには、一般的に、1つの指示信号送信器と複数のボタンとが備えられ、且つ各ボタンは一種のリモコン機能信号に対応している。使用者が、その中の何れか一つのボタンを押圧してトリガーすると、当該ボタンに対応するリモコン機能信号を送信する。この機能の前提は、対応するプログラムコマンドをリモコン回路基板に書き込むことであり、リモコンを含む、現在市販されている大部分の電子製品は、一般的に、ケースに一つのプログラム書き込み穴溝を別途に開口し、回路基板に接続された、プログラム書き込みブロックを、当該プログラム書き込み穴溝に装着する。
【0003】
リモコンなどはプログラムの書き込みが可能なプログラマブルROM(以下、PROMという)を用い、製品の製造ラインでプログラムを書き込むことが行われており、書き込み装置のピン状端子をPROMが実装されている回路基板上のプログラム書き込み用の電極群に接続するためのプログラム書き込み穴がリモコンのケースに設けられている(特許文献1)。
【0004】
また、書き込まれたプログラムの動作を確認するための検査用端子が、リモコンの電池収納部内に設けられ、検査用端子が電池収納部を覆う蓋体で覆われ、ケース外に露出しないリモコンも知られている(特許文献2)。
【0005】
また、既に慣れているため、多くのエンジニア及び金型デザイナーは、当該プログラム書き込み穴に関する開口位置をどこに設置すればより適当であるか、より製造コストを削減できるかということを更に研究や開発してない。大規模な製造工場は、当該プログラム書き込み穴を、別途開口する工程が省略できれば、一部の費用が節約される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-216836号公報
【文献】特開2007-266731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プログラム書き込み穴は、ケースの外観に現れる従来のリモコンは、見栄えの問題があることに加え、リモコンの使用者に帯電した静電気がプログラム書き込み穴を介してプログラム書き込み用の電極群へ印加されることによるPROMの電気的破壊が生じるおそれがあった。
【0008】
また、検査用端子を電池収納部を覆う蓋体で覆い、ケース外に露出させないようにした従来のリモコンは、ケースの見栄えが悪くなるという問題はないが、電池収納部を覆う蓋体は、電池を交換する際に使用者により取り外されるものであり、静電気が帯電する使用者の指が検査用端子に触れて、検査用端子に接続する回路素子が静電破壊される問題を完全に回避できるものではなかった。
【0009】
本発明は、プログラム書き込み穴を、従来開口すべきボタン溝に設置することにより、工程を減少させ、製造コストを効果的に削減させるリモコンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。ケース、ケースに開口されたボタン穴、ボタン穴に組み付けられた固定具、固定具に組み付けられた確認ブロック、及び方向ブロックを含むリモコンであって、前記ケースには、固定具に延出される方向キー、確認キー、及びプログラム書き込みブロックが装着されており、前記プログラム書き込みブロックには、確認キーが通されて固定具に延出されるための第1通し穴が開口されており、前記固定具には、方向キーが張り出されるための第2通し穴と、プログラム書き込みブロックが張り出されるための第3通し穴とが更に開口されており、前記確認ブロックと前記方向ブロックで前記第3通し穴が隠されるとともに前記プログラム書き込みブロックが外観として現れない

【0011】
好ましくは、前記ケースには、固定具に延出されて確認ブロックを位置決めするための位置決め用ガイドピンが更に装着されており、固定具には、位置決め用ガイドピンが張り出されるための第4通し穴が開口されており、前記固定具には、方向ブロックが係合されるための係合溝が更に開口されており、当該係合溝の一方側に楔形ブロックが装着されている。
【0012】
好ましくは、前記確認ブロックには、方向ブロックと固定具との間に延出されるクランプ部が装着されている。
【0013】
好ましくは、前記確認ブロックには、方向ブロックと固定具との間に延出されるクランプ部が装着されている。
【0014】
好ましくは、前記固定具は、外層と内層に分けて設置されており、当該外層と内層とは同一の水平面に位置せず、前記係合溝が外層に開口され、第2通し穴が外層と内層との境界に開口され、第3通し穴と第4通し穴が内層に開口されている。
【0015】
好ましくは、前記係合溝は、4つ開口されており、当該4つの係合溝は、外層にリング状をなすように均等に配置され、前記第2通し穴は、4つ開口されており、当該4つの第2通し穴は、外層と内層との境界にリング状をなすように均等に配置され、前記第4通し穴は、4つ開口されており、当該4つの第4通し穴は内層に均等に配置されている。
【0016】
好ましくは、前記固定具はケースに螺合されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は以下の通りである。本発明は、リモコンを提供し、金型の開発過程において、プログラム書き込み穴を予備するステップを直接省略することが可能である。そして、生産過程において、穴を予備する工程がなくなり、生産時間が節約され、生産コストも削減される。実際の組立過程において、ボタン穴は予備する必要のある穴であるため、予め穴を大きく予備した後、ボタンをプログラム書き込みブロックとともに、当該予め大きく予備したボタン穴に装着すればよい。組立作業者の操作の手間が省け、労働強度が低減され、生産効率が向上される。
更に、第3通し穴32を有するプログラム書き込みブロック13が設けられた固定具3に確認ブロック4と方向ブロック5を組み込むため、第3通し穴32が、確認ブロック4と方向ブロック5で隠されてプログラム書き込みブロックが外観として現れないため、見栄えが良い。また、リモコンの使用者が、不用意にプログラム書き込みブロック13に触れることがなく、使用者からの静電気の印加によるPROMの電気的破壊を効果的に防止することができる。
また、プログラムの書き換えが必要な場合には、固定具3から確認ブロック4と方向ブロック5を取り外して第3通し穴32を露出させ、書き込み装置のピン状の書き込み用端子を挿通、接続して、プログラムを書き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の斜視構造模式図である。
図2】本発明の確認ブロック及び方向ブロックの分解斜視構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者への理解を図るため、実施例に基づき、本発明を更に説明するが、実施形態にて言及している内容は、本発明を限定するものではない。
【0020】
図1図2に示すように、ケース1、ケース1に開口されたボタン穴2、ボタン穴2に組み付けられた固定具3、固定具3に組み付けられた確認ブロック4、及び方向ブロック5を含むリモコンであって、前記ケース1には、固定具3に延出される方向キー11、確認キー12、及びプログラム書き込みブロック13が装着されており、前記プログラム書き込みブロック13には、確認キー12が通されて固定具3に延出されるための第1通し穴14が開口されており、前記固定具3には、方向キー11が張り出されるための第2通し穴31と、プログラム書き込みブロック13が張り出されるための第3通し穴32とが更に開口されている、ことを特徴とするリモコン。
【0021】
第3通し穴32はプログラム書き込み穴である。
第3通し穴32は、PROMが実装されている回路基板上に配設されているプログラム書き込み用の電極群に対応して配置され、書き込み装置のピン状の書き込み用端子が挿通、接続されて、製品仕様に合わせた所定のプログラムが書き込まれる。
本実施例においては、第3通し穴32を有するプログラム書き込みブロック13が設けられた固定具3に確認ブロック4と方向ブロック5を組み込むため、第3通し穴32が、確認ブロック4と方向ブロック5で隠されてプログラム書き込みブロックが外観として現れないため、見栄えが良い。また、リモコンの使用者が、不用意にプログラム書き込みブロック13に触れることがなく、使用者からの静電気の印加によるPROMの電気的破壊を効果的に防止することができる。
【0022】
また、プログラムの書き換えが必要な場合には、固定具3から確認ブロック4と方向ブロック5を取り外して第3通し穴32を露出させ、書き込み装置のピン状の書き込み用端子を挿通、接続して、プログラムを書き換えることができる。
【0023】
本実施例のリモコンは、金型の開発過程において、プログラム書き込み穴を予備するステップを直接省略することが可能である。そして、生産過程において、穴を予備する工程がなくなり、生産時間が節約され、生産コストも削減される。実際の組立過程において、ボタン穴2は予備する必要のある穴であるため、予め穴を大きく予備した後、ボタンをプログラム書き込みブロック13とともに当該予め大きく予備したボタン穴2に装着させればよい。組立作業者の操作の手間が省け、労働強度が低減され、生産効率が向上される。
【0024】
本実施例において、前記ケース1には、固定具3に延出されて確認ブロック4を位置決めするための位置決め用ガイドピン15が更に装着されており、固定具3には、位置決め用ガイドピン15が張り出されるための第4通し穴33が開口されており、前記固定具3には、方向ブロック5が係合されるための係合溝34が更に開口されており、当該係合溝34の一方側に、楔形ブロック35が装着されている。位置決め用ガイドピン15は、確認ブロック4を効果的に強固に固定し、使用中に確認ブロック4が勝手にずれることを防止し、楔形ブロック35の、方向ブロック5との係合により、着脱やメンテナンスの操作を便利にする。
【0025】
本実施例において、前記確認ブロック4には、方向ブロック5と固定具3との間に延出されるクランプ部41が装着されており、方向ブロック5が、楔形ブロック35に係合され押される力を利用し、確認ブロック4も、位置決め用ガイドピン15を良好に位置決めし、確認ブロック4を別途付勢して固定する必要もなく、組立工程が削減され、生産効率が向上される。
【0026】
本実施例において、前記固定具3は、外層36と内層37に分けて設置されており、当該外層36と内層37とは、同一の水平面に位置せず、前記係合溝34が外層36に開口され、第2通し穴31が外層36と内層37との境界に開口され、第3通し穴32と第4通し穴33が、内層37に開口されており、内外層36、37を増設することにより、確認キー12と確認ブロック4、方向キー11と方向ブロック5の間のより良好な配合に有利となる。
【0027】
本実施例において、前記係合溝34は4つ開口されており、当該4つの係合溝34は、外層36にリング状をなすように均等に配置され、前記第2通し穴31は、4つ開口されており、当該4つの第2通し穴31は、外層36と内層37との境界に、リング状をなすように均等に配置され、前記第4通し穴33は、4つ開口されており、当該4つの第4通し穴33は、内層37に均等に配置されており、係合溝34と第4通し穴33は、確認ブロック4と方向ブロック5を更に強固に位置決めする効果を果たし、第2通し穴31は、上下左右キーに対応するように設置されている。
【0028】
本実施例において、前記固定具3はケース1に螺合されており、固定具3とケース1を強固に接続し、更に着脱やメンテナンスの操作を便利にする。
【0029】
なお、本発明の記述において、方位用語について、例えば「中心」、「横方向(X)」、「縦方向(Y)」、「垂直方向(Z)」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「先端」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等の方位、及び位置関係を指す専門用語があり、これらは、図面に基づいて示した方位又は位置関係であり、本発明を述べやすく、その記述を簡略化するためであり、図示した装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成や操作されることを指示又は暗示することではなく、本発明の具体的な保護範囲を制限することと理解してはいけない。
【0030】
また、例えば、「第1」、「第2」という専門用語は、記述の目的に使用されるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示する、或いは技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解してはいけない。これにより、「第1」、「第2」と限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を含むことを明示する、又は暗黙的に示すことができる。本発明の記述において、他に明確で具体的な限定がない限り、「複数」の意味は2つ又は2つ以上である。
【0031】
本発明において、「組み立てる」、「繋がる」、「接続」という専門用語があると、他に明確な規定及び限定がない限り、広義に理解すべきであり、例えば、固定して接続されてもよく、取外し可能に接続されてもよく、又は一体に接続されてもよく、機械的に接続されてもよく、直接的に繋がってもよく、中間媒介によって繋がってもよく、2つの部品の内部が繋がってもよい。本業者について言えば、具体的な状況によって、上述専門用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0032】
上記に記載した実施例は、本発明のいくつかの実施形態のみである。その記述は、具体的且つ詳細であるが、これを理由に、本発明の特許の保護範囲が制限されるものとして解釈してはいけない。なお、本業者は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、若干の変更や改良することもでき、これらは全て本発明の保護範囲に入る。そのため、本発明の特許の保護範囲は、添付の請求項によって決定される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、プログラムの書き込みが可能なプログラマブルROMを内蔵するリモコンに適している。
【符号の説明】
【0034】
1 ケース
2 ボタン穴
3 固定具
4 確認ブロック
5 方向ブロック
11 方向キー
12 確認キー
13 プログラム書き込みブロック
14 第1通し穴
15 位置決め用ガイドピン
31 第2通し穴
32 第3通し穴
33 第4通し穴
34 係合溝
35 楔形ブロック
36 外層
37 内層
41 クランプ部
図1
図2