(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】管及び配管構造
(51)【国際特許分類】
F16L 43/00 20060101AFI20220512BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
F16L43/00
F16L57/00 A
(21)【出願番号】P 2018118075
(22)【出願日】2018-06-21
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2017121976
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 将弘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 正勝
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 和子
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-246965(JP,A)
【文献】特開平11-304059(JP,A)
【文献】特開平11-170367(JP,A)
【文献】特開2000-263646(JP,A)
【文献】特開2010-242769(JP,A)
【文献】特開平07-268945(JP,A)
【文献】中国実用新案第205956628(CN,U)
【文献】中国実用新案第201377653(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物壁の入隅及び出隅を含む領域に設けられる配管構造であって、
前記入隅及び前記出隅の一方に沿って配置されたエルボ形状の継手と、
前記入隅及び前記出隅の他方に沿って配置され、かつ、一端が前記継手に接続されたエルボ形状の管と、
を備え、
前記管と前記継手との接続によって形成される第1配管構造が接続方向に迂回する長さは、最短の直管を介した前記継手同士の接続によって形成される第2配管構造が接続方向に迂回する長さよりも短い、配管構造。
【請求項2】
前記管は、
曲管部と、
前記曲管部の一端から延びる第1直管部と、
前記曲管部の他端から延びる第2直管部
と、
を備え、
前記曲管部は、配管時に、建物壁の入隅又は出隅に沿うように配置され、
前記第1直管部の管軸と、前記第2直管部の管軸とは垂直に交わり、
前記第1及び第2直管部の各々の管軸方向の長さは、前記継手の挿入代以上である、
請求項1に記載の配管構造。
【請求項3】
前記第1及び第2直管部の少なくとも一方の表面には、前記管を所望の長さに切断するための基準位置を示す表示が設けられている、
請求項2に記載の配管構造。
【請求項4】
前記継手及び前記管を覆う保護カバー
をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管及び配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マンションの改修等において、建物壁の表側に配管を行なう需要が増加している。建物壁の表側に配管が行なわれる場合、管がユーザに視認可能となるため、建物壁の裏側に配管が行なわれる場合と比較して、より美しい配管が望まれる。
【0003】
たとえば、特開2012-246965号公報(特許文献1)は、建物壁の入隅及び出隅を含む領域に設けられた配管構造を開示する。この配管構造においては、入隅及び出隅の各々に沿って90度曲がったエルボ形状の継手(以下、「エルボ継手」とも称する。)が配置され、エルボ継手同士が直管を介して接続されている。これによって、各管が建物壁に沿った美しい配管が実現されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、入隅と出隅との間の長さによっては、上記特許文献1に開示されている配管構造を用いたとしても、美しい配管を実現することができない。たとえば、最短の直管を介してエルボ継手同士を接続することによって接続方向に迂回される長さ(以下、「基準長」とも称する。)が、入隅と出隅との間の長さよりも長い場合には、一方のエルボ継手が壁から浮いてしまい、美しい配管を実現することができない。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、入隅と出隅との間の長さにかかわらず美しい配管が可能な管及び配管構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従う管は、エルボ形状の継手に接続するように構成された管である。管は、曲管部と、第1直管部と、第2直管部とを備える。第1直管部は、曲管部の一端から延びている。第2直管部は、曲管部の他端から延びている。曲管部は、配管時に、建物壁の入隅又は出隅に沿うように配置される。第1直管部の管軸と、第2直管部の管軸とは垂直に交わっている。第1及び第2直管部の各々の管軸方向の長さは、継手の挿入代以上である。
【0008】
この管は、配管時に、建物壁の入隅又は出隅に沿って配置される。第1又は第2直管部は、たとえば切断することによって長さを調整することができる。したがって、この管によれば、入隅と出隅との間の長さにかかわらず美しい配管を実現することができる。
【0009】
上記管において、第1及び第2直管部の一方と継手との接続によって形成される第1配管構造が接続方向に迂回する長さは、最短の直管を介した継手同士の接続によって形成される第2配管構造が接続方向に迂回する長さよりも短いこととしてもよい。
【0010】
この管においては、第1及び第2直管部の一方とエルボ継手との接続によって形成される第1配管構造が接続方向に迂回する長さが基準長よりも短い。したがって、この管によれば、入隅と出隅との間の長さが基準長より短かったとしても美しい配管を実現することができる。
【0011】
上記管において、第1及び第2直管部の少なくとも一方の表面には、管を所望の長さに切断するための基準位置を示す表示が設けられていてもよい。
【0012】
入隅と出隅との間の長さは、場所によって様々である。管の長さが長すぎる場合には、一部を切断する必要がある。この管においては、第1及び第2直管部の少なくとも一方の表面に切断のための基準位置を示す表示が設けられている。したがって、施工担当者は、この表示を参照しながら容易に管を所望の長さに切断することができる。
【0013】
本発明の別の局面に従う配管構造は、建物壁の入隅及び出隅を含む領域に設けられる配管構造である。配管構造は、エルボ形状の継手と、エルボ形状の管と、保護カバーとを備える。継手は、入隅及び出隅の一方に沿って配置されている。管は、入隅及び出隅の他方に沿って配置され、かつ、一端が継手に接続されている。保護カバーは、継手及び管を覆っている。
【0014】
この配管構造においては、入隅及び出隅を含む領域の配管においてエルボ形状の管が用いられている。したがって、この配管構造によれば、エルボ形状の管の長さ次第で、入隅と出隅との間の長さが短かったとしても美しい配管を実現することができる。
【0015】
本発明の別の局面に従う配管構造は、建物壁の入隅及び出隅を含む領域に設けられる配管構造である。配管構造は、エルボ形状の継手と、エルボ形状の管とを備える。継手は、入隅及び前記出隅の一方に沿って配置されている。管は、入隅及び出隅の他方に沿って配置され、かつ、一端が継手に接続されている。管と継手との接続によって形成される第1配管構造が接続方向に迂回する長さは、最短の直管を介した継手同士の接続によって形成される第2配管構造が接続方向に迂回する長さよりも短い。
【0016】
この配管構造においては、管とエルボ継手との接続によって形成される第1配管構造が接続方向に迂回する長さが基準長よりも短い。したがって、この配管構造によれば、入隅と出隅との間の長さが基準長より短かったとしても美しい配管を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、入隅と出隅との間の長さにかかわらず美しい配管が可能な管及び配管構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施の形態1に従う管が適用された配管構造を示す図である。
【
図3】直管部の管軸方向の長さを説明するための図である。
【
図4】管が含まれる配管構造の一例を示す図である。
【
図5】管が含まれる配管構造の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
[1.実施の形態1]
<1-1.配管構造>
図1は、本実施の形態1に従う管10が適用された配管構造90を示す図である。
図1においては省略されているが、配管構造90は、さらに延長されており、水道管又は給湯器に接続されている。すなわち、配管構造90は、給水又は給湯用の配管構造である。
【0021】
図1に示されるように、配管構造90は、管10と、エルボ継手20と、直管30とを含んでいる。管10は、略90度に湾曲した形状であり、エルボ継手20の一端に接続されている。直管30は、ストレート形状であり、エルボ継手20の他端に接続されている。管10及び直管30は、流体(水、湯等の上水)を通すように構成されており、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等を含むポリオレフィン系樹脂で形成されるのが好ましいが、その他の樹脂で形成してもよい。管10は、たとえば射出成型によって作成され、直管30は、たとえば押出成形によって作成される。
【0022】
エルボ継手20は、エルボ形状の継手であり、流体を通すように構成されている。エルボ継手20は、内部に断面円形の水路を備え、90度曲がったエルボとエルボの両端部に取り付けられた継手本体とを含む。継手本体は、管10が差し込まれる筒状の受け口を画成する外筒および内筒と、挿入された管10に食い込む歯が内周に形成された抜け止めリングとを備える。両端の継手本体の構造および寸法はともに同じである。エルボ継手20は、抜け止め歯を備える、いわゆるワンタッチ継手である。したがって、施工担当者は、専用工具を用いることなく、管10又は直管30をエルボ継手20の受け口に挿入するだけで、管10又は直管30とエルボ継手20とを接続することができる。
【0023】
配管構造90は、建物壁40の入隅42及び出隅44に沿って設けられている。配管構造90においては、管10が入隅42に沿い、かつ、エルボ継手20が出隅44に沿うように配管が行なわれている。
【0024】
管10において、エルボ継手20が接続されている一端部とは反対の他端部には
図3に示すように、ワンタッチ継手25(以下、ソケットという)が接続されている。このソケット25は、両端の受口が直線上に配置されており、管10の他端部には、このソケット25を介して、さらに別の直管が接続される。
【0025】
仮に、入隅42と出隅44との間の長さが基準長(最短の直管を介したエルボ継手20同士の接続によって接続方向に迂回される長さ)より長い場合には、たとえば、入隅42及び出隅44の各々にエルボ継手20を沿わせることによって、各管が建物壁40に沿った美しい配管を実現することができる。しかしながら、入隅42と出隅44との間の長さが基準長より短い場合には、同様の方法によっては、美しい配管を実現することができない。
【0026】
本実施の形態1においては、入隅42と出隅44との間の長さが基準長より短い場合であっても、管10を用いることによって、美しい配管が実現されている。以下、詳細に説明する。
【0027】
<1-2.管の構成>
図2は、管10の外観構成を示す図である。
図2を参照して、左方は管10の正面図であり、右方は管10の側面図である。
【0028】
図2の左方を参照して、管10には断面円形の孔11が形成されている。管10においては、孔11を通じて流体が流通する。
【0029】
図2の右方を参照して、管10は、曲管部12と、直管部14,16とを含んでいる。直管部14は曲管部12の一端から延びており、直管部16は曲管部12の他端から延びている。
【0030】
直管部14の管軸SL1と、直管部16の管軸SL2とは垂直に交わっている。なお、「垂直」とは、必ずしも完全な90度である必要はなく、実用上問題が生じない程度のずれがあってもよい。
【0031】
直管部14,16の各々は、エルボ継手20に挿入可能である。直管部14又は16がエルボ継手20に挿入されることによって、管10とエルボ継手20とが接続される。一方、管10の他端には、上述したとおり、ソケットを介して、別の直管が接続される。なお、入隅42及び出隅44の幅や、エルボ継手20の寸法に応じて、直管部14,16の長さを調整した上で、管10とエルボ継手20とを接続してもよい。直管部14,16の長さの調整は、切断により行うことができる。
【0032】
直管部14,16の呼び径は、10mm以上、25mm以下が好ましい。曲管部12の軸心の曲率半径は、隅への一体感と成形のしやすさから、8mm以上が好ましく、35mm以下が好ましく、さらに12mm以上が好ましく、30mm以下が好ましい。また、
図2に示すように、一方の直管部の接続端と他方の直管部の軸心との距離A(またはB)は、30mm以上、130mm以下であるのが好ましい。管10の幅C(またはD)は、35mm以上、150mm以下であるのが好ましい。
【0033】
図3は、直管部14,16の管軸方向の長さを説明するための図である。
図3を参照して、左方は管10とエルボ継手20とが接続された配管構造100を示し、右方はエルボ継手20A,20Bが互いに接続された配管構造200を示す。
【0034】
図3の左方を参照して、直管部14の管軸方向の長さは、エルボ継手20の挿入代22以上である。挿入代22とは、管を挿入するための凹部の深さである。凹部の奥まで管が挿入されることによって、エルボ継手20と管とが接続される。また、直管部16の管軸方向の長さも、挿入代22以上である。
【0035】
図3の右方を参照して、配管構造200によって迂回可能な最短の長さ(基準長)は、L1(エルボ継手20A,20Bの軸心P3,P1間の距離)である。再び
図3の左方を参照して、配管構造100によって迂回可能な長さは、L2(エルボ継手20とソケット25の軸心P2,P1間の距離)である。配管構造100を用いることによって、配管構造200を用いる場合よりも、迂回する長さがL3短くなる。直管部14の管軸方向の長さは、L3が0(ゼロ)になる場合よりも短い。直管部16の管軸方向の長さも同様である。なお、たとえば、エルボ継手20AのL4(一方の継手の軸心P3と他方の継手の端面P4との距離)の長さは40~55mmであり、L1の長さは80~110mmである。また、たとえば、直管部14,16の長さが20~25mm程度、外径が13~27mm程度の場合、L2の長さは60~70mmである。
【0036】
すなわち、管10が含まれる配管構造を用いることによって、L3が0より大きくなるため、建物壁の入隅と出隅との間の長さが基準長より短い場合にも、美しい配管を実現することができる。
【0037】
<1-3.配管例>
図4は、管10が含まれる配管構造105を示す図である。
図4に示されるように、配管構造105は、管10と、エルボ継手20と、管10及びエルボ継手20を覆う保護カバー50とを含んでいる。
【0038】
保護カバー50は、カバー52と、ベース54とを含んでいる。ベース54は、建物壁40に沿って設けられており、カバー52は、管10及びエルボ継手20を覆った上でベース54に取り付けられている。保護カバー50内において、管10は入隅42に沿って配置されており、エルボ継手20は出隅44に沿って配置されている。
【0039】
この例では、管10が用いられているため、入隅42と出隅44との間の長さが基準長未満であったとしても、各管が建物壁40に沿った美しい配管が実現されている。
【0040】
図5は、管10が含まれる配管構造110を示す図である。
図5を参照して、この例では、
図4に示される例と比較して、管10及びエルボ継手20の位置が入れ替わっている。すなわち、保護カバー50内において、エルボ継手20は入隅42に沿って配置されており、管10は出隅44に沿って配置されている。
【0041】
この例であっても、管10が用いられているため、入隅42と出隅44との間の長さが基準長未満であったとしても、美しい配管が実現されている。
【0042】
<1-4.実施例>
(1-4-1.実施例1)
図6は、管10の実施例1を説明するための図である。実施例1において、管10は、断面円形で管径が13Aであり、架橋ポリエチレンで構成されている。
【0043】
図6を参照して、外径R12は17mmであり、内径R11は12.9mmである。肉厚T11は2.1mmである。管10は、90度のエルボ形状である。曲管部12のR(曲率半径)は、内側が5.5mmであり、外側が22.5mmである。直管部14の管軸方向の長さL11、及び、直管部16の管軸方向の長さL12の各々は、20mm以上、65mm以下である。
【0044】
実施例1における管10によれば、直管部14,16の管軸方向の長さがエルボ継手20の挿入代22以上となり、L3(
図3)が0(ゼロ)より大きくなる。
【0045】
(1-4-2.実施例2)
図7は、管10の実施例2を説明するための図である。実施例2において、管10は、断面円形で管径が16Aであり、架橋ポリエチレンで構成されている。
【0046】
図7を参照して、外径R22は21.5mmであり、内径R21は16.275mmである。肉厚T21は2.65mmである。管10は、90度のエルボ形状である。曲管部12のR(曲率半径)は、内側が5.75mmであり、外側が27.25mmである。直管部14の管軸方向の長さL21、及び、直管部16の管軸方向の長さL22は、22mm以上、60mm以下である。
【0047】
実施例2における管10によれば、直管部14,16の管軸方向の長さがエルボ継手20の挿入代22以上となり、L3(
図3)が0(ゼロ)より大きくなる。
【0048】
<1-5.特徴>
以上のように、本実施の形態1においては、直管部14とエルボ継手20との接続によって形成される配管構造100が接続方向に迂回する長さ(L2(
図3))は、最短の直管を介したエルボ継手20同士の接続によって形成される配管構造200が接続方向に迂回する長さ(L1)よりも短い。直管部16とエルボ継手20とが接続された場合も同様である。
【0049】
したがって、本実施の形態1に従う管10によれば、入隅42と出隅44との間の長さが基準長より短かったとしても美しい配管を実現することができる。
【0050】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1に従う管10においては、直管部14,16の表面に何ら表示が設けられなかった。本実施の形態2に従う管においては、直管部の表面に表示が設けられる。以下では、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
【0051】
図8は、本実施の形態2に従う管10Aの側面図である。
図8に示されるように、管10Aは、曲管部12と、直管部14A,16Aとを含んでいる。直管部14A,16Aの表面には、表示17,18がそれぞれ設けられている。一例として、表示17,18は、目盛状の表示である。各目盛間は、所定間隔空いている。表示17,18は、たとえば、インクによってプリントされてもよいし、管10Aの射出成型時に一体的に成形されてもよい。
【0052】
建物壁の入隅と出隅との間の長さは、場所によって様々である。たとえば、直管部14A,16Aが長すぎる場合には、一部を切断する必要がある。管10Aにおいては、直管部14A,16Aの表面に表示17,18がそれぞれ設けられている。表示17,18の各々は、施工担当者が管10Aの切断のための基準位置を認識するために用いられる。施工担当者は、表示17,18を参照しながら容易に管を所望の長さに切断することができる。
【0053】
以上のように、本実施の形態2に従う管10Aにおいては、直管部14A,16Aの表面に表示17,18がそれぞれ設けられている。したがって、施工担当者は、表示17,18を参照しながら容易に管を所望の長さに切断することができる。
【0054】
[3.変形例]
以上、実施の形態1,2について説明したが、本発明は、上記実施の形態1,2に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。但し、以下の変形例は適宜組合せ可能である。
【0055】
<3-1>
実施の形態1において、直管部14,16は、共に、L3(
図3)が0より大きくなる短さとされた。しかしながら、必ずしも直管部14,16の両方がそのように短くされる必要はない。直管部14,16のうち、エルボ継手20に接続される一方が短ければ、他方が長くてもよい。これは、実施の形態2における直管部14A,16Aについても同様のことがいえる。
【0056】
また、たとえば、直管部14,16の両方が、L3が0より小さくなる長さとされてもよい。この場合に、入隅と出隅との間の長さが基準長よりも短いときは、施工担当者は、直管部14,16の両方又は一方を切断することによって、管10の長さを調整することになる。これは、実施の形態2における直管部14A,16Aについても同様のことがいえる。
【0057】
<3-2>
実施の形態2において、直管部14A,16Aの両方の表面に表示17,18がそれぞれ設けられた。しかしながら、このような表示は、必ずしも直管部14A,16Aの両方に設けられる必要はなく、いずれか一方に設けられればよい。
【0058】
<3-3>
エルボ継手20は、いわゆるワンタッチ継手であるとされたが、必ずしもワンタッチ継手である必要はない。たとえば、エルボ継手20は、締付け継手等であってもよい。
【0059】
<3-4>
曲管部12を直管部14,16より肉厚にし、膨出させることで、曲管部12の強度を上げてもよい。
【0060】
<3-5>
直管部14,16の長さは同じでなくてもよい。長さを変え、例えば長い方をエルボ継手20に差し込まれるべき直管部、あるいは長さ調整のために切断されるべき直管部としてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10,10A 管、11 孔、12 曲管部、14,14A,16,16A 直管部、17,18 表示、20 エルボ継手、22 挿入代、30 直管、40 建物壁、42 入隅、44 出隅、50 保護カバー、52 カバー、54、ベース、90,100,105,110,200 配管構造、SL1,SL2 管軸、P1,P2,P3 位置、R11,R21 内径、R12,R22 外径、T11,T21 肉厚。