IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ ザ ユニバーシティー オブ アリゾナの特許一覧 ▶ ディグニティー ヘルスの特許一覧

特許7071920麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法
<>
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図1
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図2
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図3
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図4
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図5
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図6
  • 特許-麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】麻酔が引き起こす低体温症の治療、改善、および予防のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/167 20060101AFI20220512BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20220512BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20220512BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20220512BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220512BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
A61K31/167 ZMD
A61K31/416
A61K31/506
A61K31/55
A61P25/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018533101
(86)(22)【出願日】2016-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 US2016067825
(87)【国際公開番号】W WO2017112693
(87)【国際公開日】2017-06-29
【審査請求日】2019-12-13
(31)【優先権主張番号】62/271,048
(32)【優先日】2015-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518073309
【氏名又は名称】アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ ザ ユニバーシティー オブ アリゾナ
(73)【特許権者】
【識別番号】514247827
【氏名又は名称】ディグニティー ヘルス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】パトワルダン,アモル
(72)【発明者】
【氏名】ポレッカ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ロマノフスキー,アンドレイ
【審査官】藤井 美穂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/133157(WO,A3)
【文献】米国特許出願公開第2013/0281961(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0352123(US,A1)
【文献】特表2011-500647(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0104301(US,A1)
【文献】Brain Research,2009年,Vol.1268,pp.58-67
【文献】福島亮治,新しいSSI対策-術中の体温管理,臨床外科,第62巻, 第8号,2007年,pp.1041-1046
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00 - 33/44
A61K 45/00 - 45/08
A61P 1/00 - 43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の対象において、麻酔および関連する投薬に使用するための、イオンチャネルTRPV1阻害剤を含む組成物であって、
上記イオンチャネルTRPV1阻害剤は、上記対象に、麻酔の誘発段階の前に投薬され、
上記組成物は投薬されると、麻酔が引き起こす低体温症の発生を阻害し、
上記麻酔が引き起こす低体温症は、一般的な麻酔の投薬が原因であり、
上記一般的な麻酔は、一つまたは複数の吸入麻酔剤、および/または、静脈麻酔薬であり、
上記イオンチャネルTRPV1阻害剤は、AMG 517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG 9810、および/またはABT‐102からなる群から選択される、組成物。
【請求項2】
上記吸入麻酔剤は、イソフルレン、セボフルレン、デスフルレン、ハロタン、メトキシフルレンから選択される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
上記静脈麻酔薬は、チオペンタールナトリウム、ケタミン、プロポフォールから選択される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
哺乳類の対象において、外科手術後に関連した痛覚過敏および関連する障害の治療に使用するための、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
イオンチャネルTRPV1阻害剤が外科手術開始前に投薬される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
上記哺乳類はヒトの対象、または家畜の対象である、請求項4に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
TRPV1阻害剤と、一般的な麻酔とを含む、哺乳類の対象において、麻酔および関連する投薬に使用するための、部品キットであって、
上記TRPV1阻害剤は、上記対象に、麻酔の誘発段階の前に投薬され、
上記TRPV1阻害剤は投薬されると、麻酔が引き起こす低体温症の発生を阻害し、
上記麻酔が引き起こす低体温症は、一般的な麻酔の投薬が原因であり、
上記一般的な麻酔は、一つまたは複数の吸入麻酔剤、および/または、静脈麻酔薬であり、
上記TRPV1阻害剤はAMG 517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG
9810、および/またはABT‐102からなる群から選択される、部品キット。
【請求項8】
上記一般的な麻酔は、イソフルレン、セボフルレン、デスフルレン、ハロタン、メトキシフルレン、チオペンタールナトリウム、ケタミン、プロポフォールから選択される、請求項7に記載の部品キット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2015年12月22日に出願した米国仮出願第62/271,048号の優先権およびその利益を主張し、これにより参照のために該全文を本発明において援用する。
[技術分野]
組成物および方法は、哺乳類の対象における、麻酔が引き起こす低体温症、および/または、外科手術後関連痛覚過敏の治療、改善、および予防のために提供され、該対象にイオンチャネルTRPV1阻害剤の効果的な量を投薬することを含んでいる。
【0002】
[序論]
麻酔が引き起こす低体温症は、凝固障害(参照、例えば、Rajagopalan,S, et al., Anesthesiology (2008) 108 71-7)、手術創感染(参照、例えば、Kurz, A, et al., N Engl J Med (1996) 334 1209-15)、およびおそらく心筋の合併症(参照、例えば、Frank, SM, JAMA (1997) 277 1127-34)を含む深刻な合併症の原因となる。さらに麻酔が引き起こす低体温症は、薬剤代謝をも減少させ(参照、例えば、Leslie, K, et al., Anesth Analg. (1995). 80 1007-14)、回復を引き延ばし(参照、例えば、Lenhardt, R, et al., Anesthesiology (1997) 87 1318-23)、および温度不快感を引き起こす(参照、例えば、Kurz, A, et al., J Clin Anesth (1995) 7 359-66)。従って、現在標準的な治療は外科手術の患者を温めることである。手術ケア改善プロジェクト(Surgical Care Improvement Project)および国立健康推進機構(National Institute of Health and Clinical Excellence)を含む様々なガイドラインは、患者を正常温度(外科手術の終わりにおいて少なくとも36℃のコア温度として定められる)にすべきであることを提案している。
【0003】
米国において、毎年略5000万人の患者が外科手術の処置を受けている(参照、例えば、CDC, National Hospital Discharge Survey. 2010)。最小限の手術後の疼痛、機能改善および病院からの早期退院は、重要で望ましいこれらの処置の結果である(参照、例えば、Becker, G.J., et al., Arch Surg, 1984. 119(11): p. 1338-42; Cheng,D.C., Anesthesiology, 1998. 88(6): p. 1429-33; Lenhardt, R., et al.,Anesthesiology, 1997. 87(6): p. 1318-23)。入院期間を逓減することは、上記患者および経済的知見から言えば健康ケアシステムの両方にとって重要である(参照、例えば、Becker, G.J., et al., Arch Surg, 1984. 119(11): p. 1338-42)。
【0004】
2つの主要な要因が手術後の回復および退院が遅れることと関係しており、それら要因は、手術後の疼痛およびコア体温ホメオスタシスである(参照、例えば、Lenhardt, R., et al., Anesthesiology, 1997. 87(6): p. 1318-23;White, P.F., Anesth Analg, 2005. 101(5 Suppl): p. S5-22)。周術期のコア体温の調整は、外科手術後の回復を成功へと導くための重要因子である(参考、例えば、Lenhardt, R., et al., Anesthesiology, 1997. 87(6): p. 1318-23; Kurz,A., et al., J Clin Anesth, 1995. 7(5): p. 359-66)。幅広い外科手術分野だけではなく一般的な麻酔自体、処置においてよく使用され、上記患者のコア体温の急速な低下を引き起こす(参照、例えば、Sessler, D.I., N Engl J Med, 1997. 336(24): p. 1730-7)。外科手術中/前後の低体温症は外科感染症を増加させ、創傷治癒の遅延を促進し、心臓血管ストレスになり、全体の死亡率および外科手術に関連した死亡率を増加させる(参照、例えば、Sessler, D.I., N Engl J Med, 1997. 336(24): p. 1730-7)。周術期の平熱の管理は、現在のところ、物理的な方法(例えば、温風式加温ブランケット、温めた静脈注射用の溶剤)に依存しているが、それらは多くの手術において不十分である(参照、例えば、Butwick, A.J., et al., Anesth Analg, 2007. 105(5): p. 1413-9, tableof contents; Lin, E.P., K. Smith, and R.D. Valley, Paediatr Anaesth, 2008.18(7): p. 642-4; Leben, J. and M. Tryba, Ann N Y Acad Sci, 1997. 813: p. 807-11;Brandes, I.F., et al., J Cardiothorac Surg, 2011. 6: p. 117)。実際、温風式による騒々しい空気の流れは、外科手術後の感染症を増加させ、さらに、粗末な温度制御はやけどを引き起こす(参照、例えば、Chung, K., et al., Korean J Anesthesiol, 2012. 62(4): p. 391-2;McGovern, P.D., et al., J Bone Joint Surg Br, 2011. 93(11): p. 1537-44; Baker,N., et al., J Hosp Infect, 2002. 51(2): p. 153-4)。外科手術中における低体温症の上記課題は、体重に対して広い身体の表面積を持ち、おそらく体温調節メカニズムの発達が不十分である、特に新生児および乳幼児において深刻である(参照、例えば、Sessler, D.I., Paediatr Anaesth, 2013. 23(6): p. 467-8)。
【0005】
粗末な外科手術後の疼痛管理の結果、苦痛を増加させ、機能を低下させ、伝染病を含む病院関連の合併症、心臓血管問題、および出血を引き起こし、全てが入院の長期化をもたらす(参照、例えば、Rathmell, J.P., et al., Reg Anesth Pain Med, 2006. 31(4 Suppl 1): p.1-42; Thomas, T., et al., Pain, 1998. 75(2-3): p. 177-85)。さらに、外科手術後の深刻な激しい疼痛と長引く疼痛の進展リスクとは、強固に関連している(参照、例えば、Kehlet, H., T.S. Jensen, and C.J. Woolf, Lancet, 2006. 367(9522): p.1618-25)。現在の外科手術後の疼痛の管理は、本来、オピオイドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に頼っている。上記外科手術前後の段階で過剰のオピオイドを使用することは、神経および呼吸の疾病率の増加と関連している(参照、例えば、Kehlet, H. and K. Holte, Br J Anaesth, 2001. 87(1): p. 62-72)。NSAIDsは出血を増加させ、そして骨の治療および腎臓機能に悪影響を与える(参照、例えば、Souter, A.J., et al., Anesth Analg, 1994.79(6): p. 1178-90)。様々な麻酔技術および医薬品は、上記外科手術後の期間において先制鎮痛のための候補としてオピオイドを控えた影響による期待と共に評価されてきた(参照、例えば、Woolf, C.J. and M.S. Chong, Anesth Analg, 1993. 77(2): p. 362-79)。たとえ効果的であっても、局所麻酔のような技術は、あらゆる種類の外科手術においては使用できず、さらに、ケタミンおよびリドカインのような医薬品は、服用量に副作用の制限がある(参照、例えば、Woolf, C.J. and M.S. Chong, Anesth Analg, 1993. 77(2): p. 362-79)。さらに、局所麻酔そのものは、逆説的に言えば、手術中の低体温症の一因である(参照、例えば、Frank et al, Anesthesiology 1992 Aug. 77(2) 252-7; Matsukawa et al,Anesthesiology 1995 Nov. 83(5) 961-7)。麻酔中の過程において安全に使用でき、オピオイドを控えた影響と共に先制鎮痛を示す医薬品は、麻酔医のための例外的な使用である。
【0006】
外科手術前後の低体温症を予防するための薬物処置は、外科医および麻酔医にとって「特効薬」となり得、患者の心臓/呼吸器および神経の状態を危うくすることなく先制鎮痛剤としても作用し得る。温度制御および疼痛管理の両方において重大な役割を有する分子ターゲットに向かって効果を示す単一の薬剤は、患者にとって外科手術前後のケアを劇的に変えるであろう。本発明は、上記ニーズのための解決に取り組み、提供する。確かに、本発明は麻酔が引き起こす低体温症の治療および予防するための組成物および方法を、効果的な量の一過性受容体電位チャネルバニロイド‐1(transient receptor potential channel vanilloid-1、TRPV1)阻害剤の使用を介して、提供する。
【0007】
TRPV1は、主に疼痛感覚ニューロンで発現するイオンチャネルである(参照、例えば、Cavanaugh, D.J., et al., J Neurosci, 2011. 31(13): p. 5067-77)。上記チャネルは、不快な熱および上昇した体温のセンサーである(参照、例えば、Gavva, N.R., Trends Pharmacol Sci, 2008. 29(11): p. 550-7;Romanovsky AA, et al., Pharmacol Rev 61: 228-261, 2009)。TRPV1アゴニストは、疼痛および低体温症を引き起こす。TRPV1アンタゴニストは、ヒトにおいて深刻な心臓血管および呼吸器の副作用が全くないことが示されており(参照、例えば、Chizh, B.A., et al., Pain, 2007. 132(1-2): p. 132-41)、理論上、外科手術前後の期間における使用に適している。TRPV1アンタゴニストが痛覚の麻痺を引き起こしている間、TRPV1アンタゴニストは高熱を引き起こしていることがある(参照、例えば、Gavva, N.R., Trends Pharmacol Sci, 2008. 29(11): p. 550-7)。実際、TRPV1アンタゴニストは、上記副作用が原因で臨床研究においてさらに進展してこなかった(参照、例えば、Wong, G.Y. and N.R. Gavva, Brain Res Rev, 2009. 60(1): p. 267-77)。
【0008】
特定のTRPV1アンタゴニストと関連した上記副作用に関わらず、実験は本発明の実施形態の進展の過程において実施された。当該実験は、麻酔をかけられていないラットにおいて、上記アンタゴニストが上記高熱を引き起こすことができるかどうかに関係なく、上記実験した全てのTRPV1アンタゴニストにおいて麻酔にかかっている抗高熱状態での活動を示すことを実証した。例えば、以下のような実験は、上記TRPV1アンタゴニストであるカプサゼピンが麻酔していないラットにおいて高熱を引き起こさないが、麻酔が引き起こす低体温症を防ぐことができることを示した(参照、実施例V)。本観察は、上記のTRPV1アンタゴニストの、麻酔したラットにおける上述した低体温症を回復に向かわせることができることと関係していない非麻酔下の患者において、低体温症を防ぐことができる、またはできないことを示唆している。さらに、麻酔をかけられていない動物において高熱を引き起こす同一の薬剤は、上記動物が麻酔から回復する時に安定しない。追加実験は、珍しく意外なこの「麻酔特異的」TRPV1アンタゴニストに対する影響をさらに示唆した。実際に、このような実験は、抗低体温麻酔の影響を有するTRPV1アンタゴニストが外科手術前後の環境において、麻酔が引き起こす低体温症を防ぐこと、および/または、平衡することは極めて有利であることを実証した。
【0009】
本発明において、麻酔が引き起こす低体温症を防ぐことおよび、処置することを改善する方法の上記ニーズのために取り組んでいる。
【0010】
さらに実験を実施し、上記外科的傷害は傷害受容器感作を低減し、先制鎮痛に起因するより前に、TRPV1のアンタゴニストを実証した。実際に、このような実験は、麻酔が切れる際に高熱を引き起こすことなく、麻酔が引き起こす低体温症を回復に向かわせるTRPV1アンタゴニストを実証した。さらに、TRPV1アンタゴニストの単一投薬は、麻酔誘導において、外科手術後24時間における先制鎮静剤の影響を有する。
【0011】
本発明として、外科手術後に関連している痛覚過敏を防ぐことおよび、処置することの方法を改善するための上記ニーズに取り組んでいる。
【0012】
[本発明の要約]
特定の実施形態において、本発明は、哺乳類の対象において、麻酔が引き起こす低体温症を治療するため、改善するため、および防ぐための組成物および方法であって、麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質を含む組成物(例えば、イオンチャネルTRPV1阻害剤)を上記対象に投薬することを含む、組成物および方法を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態において、上記対象は、麻酔に関する治療を受けようとしているヒトまたは家畜動物である。いくつかの実施形態において、上記対象は、麻酔を使用する治療を受ける、ヒトもしくは家畜動物である。いくつかの実施形態において、上記対象は、麻酔が引き起こす低体温症を進行させるリスクがある、ヒトもしくは家畜動物である。いくつかの実施形態において、上記対象は、麻酔が引き起こす低体温症を経験する、ヒトもしくは家畜動物である。
【0014】
上記組成物および方法は、麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質の特定の形式に限定されない。いくつかの実施形態において、上記の麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質は、TRPV1活性および/または発現である。実際に、TRPV1阻害剤または阻害剤の組み合わせは、上記方法および組成物において適切に使用できるものがある(例えば、麻酔と関連している低体温症を阻害する、防ぐ、および/または治療する目的のため)。
【0015】
例えば、対象はTRPV1特異的阻害剤および非特異的TRPV1阻害剤で治療されうる。いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤はAMG517である(参照、例えば、Gavva, NR, et al., J. Pharmacol Exp Ther, 2007, 323(1), 128-137)。いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤は、シバミド(ズカプサイシン)、ABT-102、GRC‐6211、AZD1386、SB‐705498、NGD 8243/MK‐2295、JTS‐653、JYL1421、JNJ 17203212、SAR‐115740、KJM429、もしくはカプサゼピンである。TRPV1阻害剤のさらなる例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:N‐(4‐ターシャリーブチルフェニル)‐4‐(3‐クロロピリジン‐2‐イル)‐テトラヒドロピラジン‐1(2H)‐カルボキサミド;N‐(3‐メトキシフェニル)‐4‐クロロシンアミド;1‐イソキノリン‐5‐イル‐3‐(4‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐ウレア;(2E)‐N‐(2,3‐ジヒドロ‐1,4‐ベンゾジオキシン‐6‐イル)‐3[4‐(1,1‐ジメチルエチル)フェニル]‐2‐プロペンアミド;2‐アセチルアミノ‐4‐[6’‐(4‐トリフルオロメチルフェニル)‐ピリミジン‐4’‐イル‐オキシ]‐ベンゾチアゾール;N‐(2‐ブロモフェニル‐N’‐[((R)‐1‐(5‐トリフルオロメチル‐2‐ピリジル)ピロリジン‐3‐イル)]ウレア;N‐(2‐ブロモフェニル)‐N’‐{2‐[エチル(3‐メチルフェニル)アミノ]エチル}ウレア;(R)‐(5‐tert‐ブチル‐2,3‐ジヒドロ‐1H‐インデン‐1‐イル)‐3‐(1H‐インダゾール‐4‐イル)‐ウレア;N‐(イソキノリン‐5‐イル)‐N’‐[スピロ‐(シクロブタン‐1,2’‐(3’,4’‐ジヒドロ‐ベンゾピラン‐4’‐イル))]ウレア;(2R)‐4‐(3‐クロロ‐2‐ピリジニル)‐2‐メチル‐N‐[4‐(トリフルオリメチル)フェニル]‐1‐ピペラジンカルボキサミド;4‐(4’‐トリフルオロメチル‐アニリノ)‐7‐(3’‐トリフルオロメチル‐ピリジン‐2‐イル)‐キナゾリン;N‐[2‐(4‐クロロフェニル)エチル]‐1,3,4,5‐テトラヒドロ‐7,8‐ジヒドロキシ‐2H‐2‐ベンザゼピン‐2‐カルボチオアミド;(5R,8R,6E,9E)‐5,8‐ジメチル‐4メチレンテトラデカ‐6,9‐ジエノン酸;1‐(3‐フルオロベンジル)‐2‐(N‐(1,2‐ジメチル‐1,3‐イソインダゾール‐5‐イル)‐アセトアミド)‐{ピリジン‐[3,4‐b]‐ピロール};N‐(4‐クロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐tert‐ブチルベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(3‐フルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)‐ウレア;N‐(4‐フルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(3,4‐ジクロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2,4‐ジクロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐エチルベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2‐クロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐[1‐(ブロモフェニル)エチル‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)‐N’‐{4‐[(トリフルオロメチル)チオ]ベンジル}ウレア;1‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐ナフタレン‐1‐イルウレア;1‐(4‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(3‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(クロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐フルオロフェニル)ウレア;1‐[2‐{N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐メチルフェニル)ウレア;1‐[2-(N-エチル‐3-メチルアニリノ)エチル]‐3‐フェニルウレア;2‐[(ブロモフェニル)カルバモイルアミノ]エチル‐エチルメチル‐(3‐メチルフェニル)アザニウムヨージド;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐フルオロ‐4‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3,4‐ジフルオロアニリノ)エチル]ウレア;1-(2-ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐フルオロアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐4‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐2‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチルアニリノ)エチル]ウレア;N‐[2‐[(2‐ブロモフェニル)カルバモイルアミノ]エチル]‐N‐(3‐メチルフェニル)アセトアミド;1‐[2‐{N‐ベンジル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐ブロモフェニル)ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(2,3‐ジメチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2,5‐ジクロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4(ピリジン‐2‐イル)N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4(ピリジン‐2‐イル)N‐[4‐トリフルオロメチルベンジル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;2‐{4‐フルオロ‐1‐[4‐トリフルオロメチルベンゾイル]ピペリジン‐4‐イル}ピリジン;2‐(4‐フルオロ‐1‐{[4‐トリフルオロメチルフェニル]アセチル}ピペリジン‐4‐イル)ピリジン;2‐(4‐フルオロ‐1‐{3‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]プロパノイル}ピペリジン‐4‐イル)ピリジン;4‐フルオロ‐4‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐メトキシ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐メトキシ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルベンジル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐イソプロピルフェニル)‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐{4‐[1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル]フェニル}ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐tert‐ブチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐(ペンタフルオロ‐ラムダ(sup6)‐スルホニル)フェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐ブチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐ベンジルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐ビフェニル‐4‐イル‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[5‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐(3‐クロロピリジン‐2‐イル)‐4‐フルオロ‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボチオアミド;N’‐シアノ‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシイミドアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N’‐(1‐フェニルピペリジン‐4‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシイミドアミド;4‐フルオロ‐4‐フェニル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;(+/-)‐(シン)‐4‐フルオロ‐2‐メチル‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐(フルオロメチル)‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;シン‐およびアンチ‐3‐フルオロ‐3‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐8‐カルボキシアミド;3‐フルオロ‐3‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐8‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐フェニルプロピル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;2‐[4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピリジン‐1‐イル]‐6‐トリフルオロメチル‐1H‐ベンゾイミダゾール;2‐(4‐フルオロ‐4‐ピリジン‐2‐イルピペリジン‐1‐イル)‐6‐(トリフルオロメチル)‐1H‐ベンゾイミダゾール;4‐フルオロ‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐4‐[3‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐メチルフェニル)‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐エチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐クロロフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメトキシフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐シアノフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐[4‐ジメチルアミノフェニル]‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;1‐(2‐(3,3‐ジメチルブチル)‐4‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐3‐(1‐メチル‐1H‐インダゾ‐1‐4‐イル

)ウレア;N‐アセチル‐1‐フェニルアラニル‐1‐ロイシンアミド;および薬学的に許容可能なそれらの塩。
【0016】
いくつかの実施形態において、上記TRPV1アンタゴニストはAMG517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG9810、および/もしくはABT‐102から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤は、一般的な麻酔の投薬の前、後または同時に投薬される。一般的な麻酔の例は、イソフルレン、ハロタン、メトキシフルレン等のような吸入麻酔剤を含み、チオペンタールナトリウム、ケタミン、プロポフォール等のような静脈麻酔薬、吸入麻酔剤の間に使用される麻酔誘発、およびそれらの組み合わせを含む。
【0018】
上記物質は、麻酔が引き起こす低体温症を防ぐため、および/または逓減するための、特定のメカニズムおよび/または方法に限定されない。いくつかの実施形態において、上記物質は、麻酔が関連する温度ロスを防ぐ、および/または、遅らせる効果がある。いくつかの実施形態において、上記物質は、麻酔が引き起こす温度ロスに対抗するために、上記対象の温度を上昇させる効果がある。
【0019】
特定の実施形態において、対象の外科手術後の痛覚過敏を予防する、および/または、逓減するための方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、上記方法は、外科手術後に起こる疼痛(例えば、痛覚過敏)を予防する、および/または、逓減する手術開始前に、TRPV1アンタゴニストの投薬を含む。上記方法は、特定の対象に限定されない。いくつかの実施形態において、上記対象は、結果として外科手術後の痛覚過敏になる外科手術治療を受けようとしている、ヒトまたは家畜動物である。
【0020】
上記方法は特定のTRPV1アンタゴニストに限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤はAMG517である(参考、例えば、Gavva, NR, et al., J. Pharmacol Exp Ther, 2007, 323(1), 128-137)。いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤は、シバミド(ズカプサイシン)、ABT-102、GRC‐6211、AZD1386、SB‐705498、NGD 8243/MK‐2295、JTS‐653、JYL1421、JNJ 17203212、SAR‐115740、KJM429、もしくはカプサゼピンである。しかしTRPV1阻害剤のさらなる例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:N‐(4‐ターシャリーブチルフェニル)‐4‐(3‐クロロピリジン‐2‐イル)‐テトラヒドロピラジン‐1(2H)‐カルボキサミド;N‐(3‐メトキシフェニル)‐4‐クロロシンアミド;1‐イソキノリン‐5‐イル‐3‐(4‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐ウレア;(2E)‐N‐(2,3‐ジヒドロ‐1,4‐ベンゾジオキシン‐6‐イル)‐3[4‐(1,1‐ジメチルエチル)フェニル]‐2‐プロペンアミド;2‐アセチルアミノ‐4‐[6’‐(4‐トリフルオロメチルフェニル)‐ピリミジン‐4’‐イル‐オキシ]‐ベンゾチアゾール;N‐(2‐ブロモフェニル‐N’‐[((R)‐1‐(5‐トリフルオロメチル‐2‐ピリジル)ピロリジン‐3‐イル)]ウレア;N‐(2‐ブロモフェニル)‐N’‐{2‐[エチル(3‐メチルフェニル)アミノ]エチル}ウレア;(R)‐(5‐tert‐ブチル‐2,3‐ジヒドロ‐1H‐インデン‐1‐イル)‐3‐(1H‐インダゾール‐4‐イル)‐ウレア;N‐(イソキノリン‐5‐イル)‐N’‐[スピロ‐(シクロブタン‐1,2’‐(3’,4’‐ジヒドロ‐ベンゾピラン‐4’‐イル))]ウレア;(2R)‐4‐(3‐クロロ‐2‐ピリジニル)‐2‐メチル‐N‐[4‐(トリフルオリメチル)フェニル]‐1‐ピペラジンカルボキサミド;4‐(4’‐トリフルオロメチル‐アニリノ)‐7‐(3’‐トリフルオロメチル‐ピリジン‐2‐イル)‐キナゾリン;N‐[2‐(4‐クロロフェニル)エチル]‐1,3,4,5‐テトラヒドロ‐7,8‐ジヒドロキシ‐2H‐2‐ベンザゼピン‐2‐カルボチオアミド;(5R,8R,6E,9E)‐5,8‐ジメチル‐4メチレンテトラデカ‐6,9‐ジエノン酸;1‐(3‐フルオロベンジル)‐2‐(N‐(1,2‐ジメチル‐1,3‐イソインダゾール‐5‐イル)‐アセトアミド)‐{ピリジン‐[3,4‐b]‐ピロール};N‐(4‐クロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐tert‐ブチルベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(3‐フルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)‐ウレア;N‐(4‐フルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(3,4‐ジクロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2,4‐ジクロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐エチルベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2‐クロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐[1‐(ブロモフェニル)エチル‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)‐N’‐{4‐[(トリフルオロメチル)チオ]ベンジル}ウレア;1‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐ナフタレン‐1‐イルウレア;1‐(4‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(3‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(クロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐フルオロフェニル)ウレア;1‐[2‐{N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐メチルフェニル)ウレア;1‐[2-(N-エチル‐3-メチルアニリノ)エチル]‐3‐フェニルウレア;2‐[(ブロモフェニル)カルバモイルアミノ]エチル‐エチルメチル‐(3‐メチルフェニル)アザニウムヨージド;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐フルオロ‐4‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3,4‐ジフルオロアニリノ)エチル]ウレア;1-(2-ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐フルオロアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐4‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐2‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチルアニリノ)エチル]ウレア;N‐[2‐[(2‐ブロモフェニル)カルバモイルアミノ]エチル]‐N‐(3‐メチルフェニル)アセトアミド;1‐[2‐{N‐ベンジル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐ブロモフェニル)ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(2,3‐ジメチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2,5‐ジクロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4(ピリジン‐2‐イル)N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4(ピリジン‐2‐イル)N‐[4‐トリフルオロメチルベンジル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;2‐{4‐フルオロ‐1‐[4‐トリフルオロメチルベンゾイル]ピペリジン‐4‐イル}ピリジン;2‐(4‐フルオロ‐1‐{[4‐トリフルオロメチルフェニル]アセチル}ピペリジン‐4‐イル)ピリジン;2‐(4‐フルオロ‐1‐{3‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]プロパノイル}ピペリジン‐4‐イル)ピリジン;4‐フルオロ‐4‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐メトキシ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐メトキシ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルベンジル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐イソプロピルフェニル)‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐{4‐[1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル]フェニル}ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐tert‐ブチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐(ペンタフルオロ‐ラムダ(sup6)‐スルホニル)フェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐ブチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐ベンジルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐ビフェニル‐4‐イル‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[5‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐(3‐クロロピリジン‐2‐イル)‐4‐フルオロ‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボチオアミド;N’‐シアノ‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシイミドアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N’‐(1‐フェニルピペリジン‐4‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシイミドアミド;4‐フルオロ‐4‐フェニル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;(+/-)‐(シン)‐4‐フルオロ‐2‐メチル‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐(フルオロメチル)‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;シン‐およびアンチ‐3‐フルオロ‐3‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐8‐カルボキシアミド;3‐フルオロ‐3‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐8‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐フェニルプロピル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;2‐[4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピリジン‐1‐イル]‐6‐トリフルオロメチル‐1H‐ベンゾイミダゾール;2‐(4‐フルオロ‐4‐ピリジン‐2‐イルピペリジン‐1‐イル)‐6‐(トリフルオロメチル)‐1H‐ベンゾイミダゾール;4‐フルオロ‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐4‐[3‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐メチルフェニル)‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐エチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐クロロフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメトキシフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐シアノフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐[4‐ジメチルアミノフェニル]‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;1‐(2‐(3,3‐ジメチルブチル)‐4‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐3‐(1‐メチル‐1H‐インダゾ‐1‐4‐イル)ウレア;N

‐アセチル‐1‐フェニルアラニル‐1‐ロイシンアミド;および薬学的に許容可能なそれらの塩。
【0021】
いくつかの実施形態において、上記TRPV1アンタゴニストはAMG 517、カプサゼピン、SB-366791、AMG 980、および/またはABT-102から選択される。
【0022】
上記方法は、外科手術の始まりに関連する上記組成物における特定の投薬計画に限定されない。いくつかの実施形態において、上記組成物は手術開始前の10分以内に投薬される。いくつかの実施形態において、上記組成物は手術開始前の5分以内に投薬される。いくつかの実施形態において、上記組成物は手術開始前の2分以内に投薬される。いくつかの実施形態において、上記組成物は手術開始前の1分以内に投薬される。いくつかの実施形態において、上記組成物は手術開始と同時に投薬される。
【0023】
いくつかの実施形態において、上記組成物は医薬組成物である。
【0024】
特定の実施形態において、本発明は、哺乳類の対象(例えば、ヒトである患者)において、麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質を含む組成物を提供し、ここで、該物質はイオンチャネルTRPV1阻害剤である。上記組成物はTRPV1阻害剤の特定の形式または種類に限定されない(例えば、上述したあらゆるTRPV1阻害剤および/またはアンタゴニスト)。いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤は、AMG 517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG 9810、および/またはABT‐102から選択される。いくつかの実施形態において、上記組成物は医薬組成物である。
【0025】
特定の実施形態において、本発明は哺乳類の対象(例えば、ヒトである患者)において麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質を含む1つまたは複数の組成物を含むキットを提供し、ここで、該物質はイオンチャネルTRPV1阻害剤であり、1つまたは複数の吸入麻酔剤、および/または静脈麻酔薬である。いくつかの実施形態において、上記吸入麻酔剤は、イソフルレン、セボフルレン、デスフルレン、ハロタン、メトキシフルレン等から選択される。いくつかの実施形態において、上記静脈麻酔薬は、チオペンタールナトリウム、ケタミン、プロポフォール等から選択される、いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤は、AMG 517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG 9810、および/またはABT‐102から選択される。いくつかの実施形態において、上記組成物は医薬組成物である。
【0026】
[図面の簡単な説明]
図1は、麻酔が引き起こす低体温症におけるTRPV1拮抗作用(例えば、AMG 517)の結果を示す。イソフルレンでの麻酔誘発後の作用時間における計測した直腸温度について、変化させた投薬量レベルの上記AMG 517(10μg、100μg、1000μg)とコントロール(ビヒクル)の結果を比較した。
【0027】
図2は、新生児ラットにおける麻酔が引き起こす低体温症のTRPV1拮抗作用(例えば、AMG 517)の結果を示す。
【0028】
図3は、麻酔誘発前、麻酔中、麻酔停止、および、麻酔期間後のAMG 517およびコントロール(ビヒクル)の温度の作用時間における結果を示す。上記データはAMG 517が麻酔期間後における高熱を引き起こさないことを実証している。
【0029】
図4は、熱疼痛感受性においてベースライン、外科手術の120分後、外科手術の24時間後、および外科手術の7日後のAMG 517およびコントロール(ビヒクル)の作用時間における結果を示す。後ろ脚を切開する前にAMG 517(0.1mg/kg)またはビヒクルの単予防の適正量は投薬され、熱の痛覚過敏は外科手術後の様々な時点で計測された。データはボンフェローニの事後解析を用いた二元配置分散分析(n=6~8/群,**はp<0.01を示す)を使用して解析された。
【0030】
図5は、不揮発性吸入麻酔薬(ケタミン)が引き起こす低体温症における、TRPV1アンタゴニスト(例えば、AMG 517)の投薬量レベルの変化の投与の結果を示す。
【0031】
図6は、外科手術後において、コントロール(ビヒクル)と比較したAMG 517のオピオイドを控えた効果を示し、無意識の痛覚過敏における、A)温熱性痛覚過敏、およびB)機械性痛覚過敏である。
【0032】
図7は、麻酔が引き起こす低体温症TRPV1拮抗作用における、カプサゼピン、SB366791、AMG 9810、およびABT 102の投薬量レベルを変化させた際の投与の結果を示す。
【0033】
[本発明の詳細な説明]
様々な外科手術のために一般的な麻酔を受ける患者において、低体温症を引き起こすとすぐにコア体温は低下し始める(参照、例えば、D.I., N Engl J Med, 1997. 336(24): p. 1730-7)。多数の因子が上記低下の一因となり、さらに、その中の重要な因子は、麻酔が引き起こす血流再分配および中心で媒介することは、開胸外科手術領域の中で、体温の閾値における震え、さらに広い表面積が露出したことで蒸発する損失を減少させる(参照、例えば、Sessler, D.I., N Engl J Med, 1997. 336(24): p. 1730-7)。外科手術中に低体温症を引き起こすことは、上記患者の通常の生理機能において、実質的に身体に悪影響である。薬物代謝を変えること以外に、低体温症は、出血の増加を促す凝固因子の機能、あらゆる血液製剤の使用およびこれらに関連するすべてのリスクを変える。次に、低体温症は、外科手術後の感染症発生率が増加することによる免疫機能を低下させる(参照、例えば、Sessler, D.I., N Engl J Med, 1997. 336(24): p. 1730-7)。最後に、上記患者が麻酔から回復するとき、低体温症は震えの増加を引き起こす。震えは、感受性の高い個人において心臓の合併症を急に引き起こしうる高い心臓血管ストレスの原因になる(参照、例えば、Sessler, D.I., N Engl J Med, 1997. 336(24): p. 1730-7; Lenhardt, R.,et al., Anesthesiology, 1997. 87(6): p. 1318-23; Leben, J. and M. Tryba, Ann NY Acad Sci, 1997. 813: p. 807-11)。新生児において、平均的な寒さ防御応答は発達不十分であり、上記新生児は震えのない発熱に依存している(参照、例えば、Sessler, D.I., Paediatr Anaesth, 2013. 23(6): p. 467-8)。新生児において麻酔が引き起こす低体温症は、さらに顕著であり、心臓の不整脈および凝固障害のような衝撃的な結果につながりうる(参照、例えば、Tander, B., et al., Paediatr Anaesth, 2005. 15(7): p. 574-9)。
【0034】
低体温症の予防は、麻酔医および手術前スタッフの重要な課題のひとつである。特定の温度ホメオスタシスの上記重大性において、コア体温の連続的なモニタリングは、一般的な麻酔のもと必須であり、適切な温度管理は、麻酔後の回復の成功における重要要素のひとつを構成する(参照、例えば、ASA, STANDARDS FOR BASIC ANESTHETIC MONITORING. 2011)。現在のところ、上記低体温症を防ぐ/治療することが可能である唯一の様態は、上記患者を温める物理的な方法である。言い換えれば、温風式加温ブランケットまたは循環水式加温ブランケットおよび、加温した静脈注射である。このような物理療法は、よくて若干の効果があり、多くの場合全く不十分である(参照、例えば、Butwick, A.J., et al., Anesth Analg, 2007. 105(5): p. 1413-9, 表の中; Lin, E.P., et al., Paediatr Anaesth, 2008. 18(7): p. 642-4; Leben,J. and M. Tryba, Ann N Y Acad Sci, 1997. 813: p. 807-11)。さらに、温風式加温ブランケットは、外科手術傷のバクテリア汚染の可能性、および患者のやけどを増加させ、その結果、長期の入院となる(参照、例えば、Chung, K., et al., Korean J Anesthesiol, 2012. 62(4): p. 391-2;McGovern, P.D., et al., J Bone Joint Surg Br, 2011. 93(11): p. 1537-44; Baker,N., D. King, and E.G. Smith, J Hosp Infect, 2002. 51(2): p. 153-4)。体温調節システムを直接変化させる投薬は、上記患者を温める物理的な方法よりもさらに効果的である可能性がある。
【0035】
上記イオンチャネルTRPV1は、末梢の疼痛感受性ニューロンで発現する重要な熱センサーとして大体15年前に発見された(参照、例えば、Julius, D., Annu Rev Cell Dev Biol, 2013. 29: p. 355-84)。TRPV1アンタゴニストが健康なボランティアにおいて外来患者個体群において鎮痛剤の可能性のために利益があるかどうか、臨床試験された時、都合の悪い発熱の副作用は多数の患者において観察されていた(参照、例えば、Gavva, N.R., Trends Pharmacol Sci, 2008. 29(11): p. 550-7)。このような知見は、体温調節におけるTRPV1の役割の中で、詳細な科学的研究において生じた結果である。いくつかの研究によると、TRPV1は体温調節に関連している解剖学的構造において発現している。言い換えれば、視床下部、平滑筋および末梢の感覚終末であり、上記脳の他の部位ではない(参照、例えば、Cavanaugh, D.J., et al., J Neurosci, 2011. 31(13): p. 5067-77)。TRPV1の拮抗作用の結果、温熱療法において末梢の血管収縮によりもたらされ、熱発生が増加される(参照、例えば、Steiner AA, et al., J Neurosci 27: 7459-7468, 2007; Gavva NR, etal., Pain 136: 202-210, 2008)。重大なことに、多数のTRPV1アンタゴニストは、ヒトにおいて安全性試験をすでに受けていた。そして、多数のTRPV1アンタゴニストは、深刻な心肺および神経の副作用がなく、外科手術前後の処置において魅力的な選択となった(参照、例えば、Chizh, B.A., et al., Pain, 2007. 132(1-2): p. 132-41)。
【0036】
上記外科手術後期間の有効な疼痛管理は、上手な麻酔ケアの2番目に重要な基準である。外科手術後の激しい疼痛を和らげる外科手術を受けている患者の略50~70%にも匹敵する数において現在の治療の欠点を示していることが報告されている(参照、例えば、Brennan, T.J., et al., Pain, 2011. 152(3 Suppl): p. S33-40)。明らかな患者の不快感以外に、外科手術直後期間における粗末な疼痛管理は、心臓血管ストレスおよび疾病率、外科手術部からの出血、肺の合併症の増大および回復期間の延長を起こしうる(参照、例えば、Brennan, T.J., et al., Pain, 2011. 152(3 Suppl): p. S33-40)。さらに、不適切な急性疼痛管理は、一般的に患者および社会に大きな苦痛となる慢性疼痛状態を進行させることになる(参照、例えば、Kehlet, H., T.S. Jensen, and C.J. Woolf, Lancet, 2006. 367(9522): p.1618-25)。多数の薬剤は、外科手術後疼痛の管理に使用されていて、該薬剤は、オピオイド、非ステロイド性抗炎症薬、ケタミン、およびその他のクロニジンを含む。オピオイドおよびNSAIDsは、外科手術前後の疼痛のために最も一般的に使用されている鎮痛薬である。外科手術の多くの状況において、NSAIDsは、禁止されているか、極度に用心して使用されている。その理由は、外科手術後の出血、腎臓機能および骨折治療において、有害な影響を与えるからである(参照、例えば、Souter, A.J., B. Fredman, and P.F. White, Anesth Analg, 1994. 79(6):p. 1178-90)。一方でオピオイドは、回復の遅れの結果、呼吸抑制、鎮静作用、吐き気/嘔吐の増加および、腸閉塞の原因となりうる(参照、例えば、White, P.F., Anesth Analg, 2005. 101(5 Suppl): p. S5-22)。外科手術前後の疼痛の珍しい側面は、早くから知られている組織損傷(すなわち外科手術)のタイミングであり、傷害後の疼痛を低減させ、短期間の鎮痛治療を必要としているような傷害より前に疼痛受容体感作を減少させる機会を与えている(先制鎮痛)。先制鎮痛の分野における大規模な研究の結果、局所麻酔技術および、ケタミンとリドカインのような薬剤の導入を、外科手術後のオピオイドのニーズを縮小させる方法として、進歩させた(参照、例えば、Woolf, C.J. and M.S. Chong, Anesth Analg, 1993. 77(2): p. 362-79)。しかしながら、局所麻酔技術は多様な外科手術(例えば、心臓)に適切ではなく、ケタミンおよびリドカインの両方は、深刻な投薬制限である副作用(例えば、心臓血管)を有している(参照、例えば、Woolf, C.J. and M.S. Chong, Anesth Analg, 1993. 77(2): p. 362-79)。さらに、局所麻酔そのものが外科手術中の低体温症の原因となりうる(Frank et al, Anesthesiology 1992 Aug. 77(2) 252-7; Matsukawa et al, Anesthesiology 1995 Nov. 83(5) 961-7)。特定の薬剤は単に鎮痛剤であるという理由により、それが先制鎮痛効果を有しているということではないことに注意することが重要である。例えば、レミフェンタニルのようないくつかのオピオイドは、先制して与えられ、外科手術後の処置において管理するために多量のオピオイドまたはその他の麻酔を必要とする、外科手術後にオピオイドが引き起こす低体温症を実際に引き起こすかもしれない(Guignard et al, Anesthesiology, 2000 Aug. 93(2) 409-417)。薬剤のうちのどれかは、外科手術後の患者の心臓/呼吸器および神経の状態に影響を及ぼすことなくオピオイドおよびNSAIDsの信用を低下させうる。そして患者の満足度および健康管理の費用の両方にとって密接な関係を有している、素早い外科手術後の回復につながる。
【0037】
上記外科手術後の疼痛の病理生理学は、組織損傷とともに始まる多数の複雑なメカニズムと関連している。外科手術の組織の損傷は、結果として、アラキドン酸およびリノール酸代謝産物、腫瘍壊死因子‐α、セロトニン、インターロイキン、その他のような一般的に多数のメディエイターを生成する炎症性カスケードにつながる(参照、例えば、Brennan, T.J., Pain, 2011. 152(3 Suppl): p. S33-40)。上記メディエイターのうちのいくつかは、疼痛感知感覚終末(pain sensing sensory terminals)において発現している受容体を直接活性化または、感作する。疼痛感知ニューロン(疼痛受容体)の連続した活性化/感作は、末梢および中枢神経系に変化をもたらす。例えば、上記損傷した部位を刺激する感覚ニューロンは、無痛興奮作用(異痛)と同等の応答をし始め、苦痛な興奮作用(痛覚過敏)に過剰に応答する(参照、例えば、Brennan, T.J., Pain, 2011. 152(3 Suppl): p. S33-40)。これらの事象もまた、中枢および末梢感作として知られている(参照、例えば、Woolf, C.J., Pain, 2011. 152(3 Suppl): p. S2-15)。複数の研究は、外科手術後の疼痛状態のような感作状態の誘発および回復において重要な役割を果たす疼痛受容体に発現する受容体のひとつはTRPV1であることを実証してきた(参照、例えば、Barabas, M.E. and C.L. Stucky, Mol Pain, 2013. 9: p. 9; Wu, C., etal., Anesthesiology, 2008. 108(6): p. 1100-8; Pogatzki-Zahn, E.M., et al.,Pain, 2005. 115(3): p. 296-307)。
【0038】
TRPV1は、本来、不快な熱を検知するための初期受容体として発見された。TRPV1は、不快な熱および低pHのような物理的刺激によって活性化される(参照、例えば、Julius, D., Annu Rev Cell Dev Biol, 2013. 29: p. 355-84)。さらに、カプサイシン(辛いトウガラシの化学物質)のような外因性物質および、アナンダミドおよびリノール酸代謝物のような内因性物質は、TRPV1のアンタゴニストとして作用する(参照、例えば、Patwardhan, A.M., et al., J Clin Invest, 2010. 120(5): p. 1617-26)。プロスタグランジン、セロトニン、腫瘍壊死因子‐(necrosis factor-)およびケモカインのような炎症性メディエイターは、体温の活性化のために該閾値のチャネル低下を感作できる(参照、例えば、Julius, D., Annu Rev Cell Dev Biol, 2013. 29: p. 355-84)。TRPV1は、肌および筋肉を刺激する疼痛感覚ニューロンの個々の集団において発現しており、そして、神経末端における上記チャネルの活性化は、結果として、長期に渡る過敏症になりうる(参照、例えば、Cavanaugh, D.J., et al., J Neurosci, 2011. 31(13): p. 5067-77;Barabas, M.E. and C.L. Stucky, Mol Pain, 2013. 9: p. 9; Pogatzki-Zahn, E.M., etal., Pain, 2005. 115(3): p. 296-307)。興味深いことに、皮膚反応過敏症は、外科手術後の疼痛の特徴であり、そして、プロトン、プロスタグランジンおよびその他の炎症性メディエイターのようなTRPV1の内因性活性因子および感作因子は、上記外科手術の損傷において豊富にある(参照、例えば、Brennan, T.J., Pain, 2011. 152(3 Suppl): p. S33-40)。外科手術の損傷後に投薬されるTRPV1のアンタゴニストは、疼痛の動物モデルにおいて、疼痛を減少させうるが、高熱の副作用が原因の最も臨床的な状況においてそれほど価値がない(参照、例えば、Wong, G.Y. and N.R. Gavva, Brain Res Rev, 2009. 60(1): p. 267-77)。しかしながら、麻酔状態の患者におけるTRPV1アンタゴニストの効果を評価する研究はなかった。手術中のTRPV1アンタゴニストはもしかすると、外科手術中および後において、TRPV1活性化を低減しているかもしれず、したがって、疼痛を軽減し、外科手術後オピオイドを低減し、外科手術後の回復を早める結果となる。
【0039】
麻酔状態において、体温調節に関するエフェクターの領域は、通常状態とは異なっている。例えば、体温調節行動(好ましい周囲の温度および温度に適切な衣服を選択すること、身体の姿勢を変える等)は、麻酔状態において利用できない。震え(参照、例えば、Sessler, et al., Anesthesiology 109: 318-38, 2008)および、麻酔薬のいくつかに関する、褐色脂肪熱発生(参照、例えば、Ohlson KBE, et al., Anesthesiology 98:437-48, 2003)もまた、麻酔状態において抑制される。したがって、麻酔をかけられていない動物において、行動に影響することまたは熱発生を増加することにより薬剤が高熱の原因となる場合、麻酔状態での体温には影響しないだろう。
【0040】
さらに、麻酔はたいてい低体温症を引き起こし、そして多くの化合物の体温における影響は、通常状態の温度に対して高い感度がある。言い換えると、通常状態において化合物が特定の変化を体温において引き起こす場合、異なる温度の状態で同じ化合物を投薬したときに、その効果がどのようであるかを予め予測することはできない。例えば、シクロオキシゲナーゼ阻害剤の多くは、発熱しているとき体温を低下させるが、(同量の投薬で)通常の体温では影響せず、さらに他の状態において、高熱を引き起こしうる(参照、例えば、Aronoff DM, et al., Prog Brain Res 162: 15-25, 2007)。化合物の多く(例えば、プロスタグランジンE、プロスタグランジンE、およびコレシストミニン‐8)は、低体温のラットにおいて明らかな高熱を引き起こすが、同じ種の高体温において、やや高熱をもたらすか、または影響しないか(参照、例えば、Szelenyi Z, et al., Brain Res 638: 69-77, 1994)、または低体温症さえも引き起こす(参照、例えば、Morimoto A, et al., Physiol Behav 50: 249-53, 1991)。様々な物質(例えば、血小板活性化因子(参照、例えば、Ivanov AI, et al., J Physiol 553: 221-8, 2003)およびリポ多糖類(参照、例えば、Steiner AA, et al., Prog Lipid Res 46: 89-107, 2007))は、平熱(通常)環境において高熱を引き起こすが、周囲の温度よりわずかに低い環境では、(熱発生の減少に伴い)深刻な低体温症を引き起こす(参照、例えば、Romanovsky AA, et al., Am J Physiol 270: R693-703, 1996))。同様に、副腎髄質ホルモンは、温暖な環境下で発熱を増大させるが、寒い環境下において発熱を減少させる(参照、例えば、Zylan KD, Carlisle HJ. Pharmacol Biochem Behav 43: 577-82, 1992)。実際に、TRPV1アンタゴニストは、麻酔をかけられていないヒトおよび実験動物において、38~39℃の範囲またはより高く、1~2℃体温を上昇させるという事実は、麻酔状態において体温に影響するのかどうか、また、どのように影響するか、予測することを可能にはしていない。
【0041】
本発明の実施形態の進展の過程において実施された実験において、「麻酔する」対象VS「麻酔をしていない」対象における薬学物質の活性化のさらなる研究が行われた。特定のTRPV1アンタゴニスト(例えば、AMG517、MK-2295、AZD1386、AMG 9810、およびABT 102)は、麻酔をかけられていないラットおよびヒトが高熱を引き起こすものの、その他のTRPV1アンタゴニスト(例えば、カプセザピン、SB366791およびA‐1165442)は、麻酔をかけられていないラットにおいて高熱を引き起こさない(参照、Voight, et al., J. Med. Chem. 2014 Sep 11:57(17) 7412-24; Garami, etal., 2010 J. Neurosci. 30(4): 1435-1440)。上記所見は、TRPV1アンタゴニストが、麻酔にかかっていない対象において低体温症を防ぐことできることまたはできないことは、麻酔にかかっているラットにおける低体温症を回復に向かわせる能力と関連していないことを示した。さらに追加実験において、上記独特で予期できないTRPV1アンタゴニストの「麻酔特異的」影響を調べた。上記実験は、TRPV1アンタゴニストは、麻酔が引き起こす低体温症を抑制するためおよび/または拮抗するために、外科手術前の処置において好都合である抗低体温の影響を有することを示した。
【0042】
さらに、実験は実施され、当該実験は、外科手術の損傷前のTRPV1拮抗作用は、疼痛受容体感作を低下させ、さらに、結果として先制鎮痛になることを示した。実際に、そのような実験は、TRPV1アンタゴニストは、麻酔を停止させた際、高熱を引き起こすことなく、麻酔が引き起こす低体温症を回復に向かわせることを証明した。さらに、麻酔誘発におけるTRPV1アンタゴニストの単回投与は、外科手術後24時間先制鎮静効果を有することが示された。
【0043】
その結果、本発明は、麻酔が引き起こす低体温症および外科手術後に関連している痛覚過敏を、哺乳類の対象において、治療、改善、および予防する組成物および方法を提供する。当該組成物および当該方法は、TRPV1イオンチャネル阻害剤の効果的な量を投薬することを含む。他の実施形態において、上記方法はTRPV1阻害剤を追加の物質と共に投薬することを含み、例えば、追加療法物質または、麻酔が引き起こす低体温症を防ぐおよび治療のための療法技術である(例えば、加温ブランケット治療、取り巻く周囲の温度を上げる治療)。
【0044】
他の実施形態において、本発明の組成物および方法は、動物(例えば、哺乳類の対象であり、ヒトおよび家畜動物を含むがこれらに限定されない)を処置するために使用される。上記動物は、麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質(例えば、TRPV1イオンチャネル阻害剤)を動物に投薬している間に、麻酔が引き起こす低体温症を経験しているまたは、麻酔が引き起こす低体温症を経験するリスクがある。これについて、様々な疾病および病状において、本発明の方法および組成物は、治療または予防に受け入れられる(例えば、いかなる麻酔と関連している低体温症状態でも)。
【0045】
そのような方法は特定の型および種類の、麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質に限定されない(例えば、TRPV1イオンチャネル阻害剤)。他の実施形態において、麻酔が引き起こす低体温症を予防する、および/または、逓減する効力がある物質は、TRPV1イオンチャネル阻害剤である。
【0046】
他の実施形態において、上記TRPV1阻害剤は一般的な麻酔投薬の前、後または同時に投薬される。一般的な麻酔の例は、イソフルレン、ハロタン、メトキシフルレン等の吸入麻酔を含み、チオペンタールナトリウム、ケタミン、プロポフォール等の静脈麻酔薬を含み、吸入麻酔とともに使用される麻酔誘発を含み、およびそれらの組み合わせを含む。
【0047】
そのような方法はTRPV1阻害剤の特定の型または種類に限定されない。他の実施形態において、上記TRPV1阻害剤はTRPV1活性および/または発現を抑制する効力がある。実際に、すなわち、いくつかの適したTRPV1阻害剤、または阻害剤の組み合わせは上記方法および組成物において使用されて得る。例えば、対象は、TRPV1選択的阻害剤および非選択的TRPV1阻害剤で処置されていてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤はAMG 517である(参照、例えば、Gavva, NR, et al., J. Pharmacol Exp Ther, 2007, 323(1), 128-137)。いくつかの実施形態において、上記TRPV1阻害剤は、シバミド(ズカプサイシン)、ABT-102、GRC‐6211、AZD1386、SB‐705498、NGD 8243/MK‐2295、JTS‐653、JYL1421、JNJ 17203212、SAR‐115740、KJM429、もしくはカプサゼピンである。しかしTRPV1阻害剤のさらなる例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:N‐(4‐ターシャリーブチルフェニル)‐4‐(3‐クロロピリジン‐2‐イル)‐テトラヒドロピラジン‐1(2H)‐カルボキサミド;N‐(3‐メトキシフェニル)‐4‐クロロシンアミド;1‐イソキノリン‐5‐イル‐3‐(4‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐ウレア;(2E)‐N‐(2,3‐ジヒドロ‐1,4‐ベンゾジオキシン‐6‐イル)‐3[4‐(1,1‐ジメチルエチル)フェニル]‐2‐プロペンアミド;2‐アセチルアミノ‐4‐[6’‐(4‐トリフルオロメチルフェニル)‐ピリミジン‐4’‐イル‐オキシ]‐ベンゾチアゾール;N‐(2‐ブロモフェニル‐N’‐[((R)‐1‐(5‐トリフルオロメチル‐2‐ピリジル)ピロリジン‐3‐イル)]ウレア;N‐(2‐ブロモフェニル)‐N’‐{2‐[エチル(3‐メチルフェニル)アミノ]エチル}ウレア;(R)‐(5‐tert‐ブチル‐2,3‐ジヒドロ‐1H‐インデン‐1‐イル)‐3‐(1H‐インダゾール‐4‐イル)‐ウレア;N‐(イソキノリン‐5‐イル)‐N’‐[スピロ‐(シクロブタン‐1,2’‐(3’,4’‐ジヒドロ‐ベンゾピラン‐4’‐イル))]ウレア;(2R)‐4‐(3‐クロロ‐2‐ピリジニル)‐2‐メチル‐N‐[4‐(トリフルオリメチル)フェニル]‐1‐ピペラジンカルボキサミド;4‐(4’‐トリフルオロメチル‐アニリノ)‐7‐(3’‐トリフルオロメチル‐ピリジン‐2‐イル)‐キナゾリン;N‐[2‐(4‐クロロフェニル)エチル]‐1,3,4,5‐テトラヒドロ‐7,8‐ジヒドロキシ‐2H‐2‐ベンザゼピン‐2‐カルボチオアミド;(5R,8R,6E,9E)‐5,8‐ジメチル‐4メチレンテトラデカ‐6,9‐ジエノン酸;1‐(3‐フルオロベンジル)‐2‐(N‐(1,2‐ジメチル‐1,3‐イソインダゾール‐5‐イル)‐アセトアミド)‐{ピリジン‐[3,4‐b]‐ピロール};N‐(4‐クロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐tert‐ブチルベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(3‐フルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)‐ウレア;N‐(4‐フルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(3,4‐ジクロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2,4‐ジクロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐エチルベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2‐クロロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(4‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(2‐フルオロベンジル)‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐[1‐(ブロモフェニル)エチル‐N’‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)ウレア;N‐(1‐メチル‐1H‐インダゾール‐4‐イル)‐N’‐{4‐[(トリフルオロメチル)チオ]ベンジル}ウレア;1‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐ナフタレン‐1‐イルウレア;1‐(4‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(3‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(クロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐フルオロフェニル)ウレア;1‐[2‐{N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐メチルフェニル)ウレア;1‐[2-(N-エチル‐3-メチルアニリノ)エチル]‐3‐フェニルウレア;2‐[(ブロモフェニル)カルバモイルアミノ]エチル‐エチルメチル‐(3‐メチルフェニル)アザニウムヨージド;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐フルオロ‐4‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3,4‐ジフルオロアニリノ)エチル]ウレア;1-(2-ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐フルオロアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐4‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐2‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチルアニリノ)エチル]ウレア;N‐[2‐[(2‐ブロモフェニル)カルバモイルアミノ]エチル]‐N‐(3‐メチルフェニル)アセトアミド;1‐[2‐{N‐ベンジル‐3‐メチルアニリノ)エチル]‐3‐(2‐ブロモフェニル)ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(2,3‐ジメチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2‐ブロモフェニル)‐3‐[2‐(3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;1‐(2,5‐ジクロロフェニル)‐3‐[2‐(N‐エチル‐3‐メチルアニリノ)エチル]ウレア;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4(ピリジン‐2‐イル)N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4(ピリジン‐2‐イル)N‐[4‐トリフルオロメチルベンジル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;2‐{4‐フルオロ‐1‐[4‐トリフルオロメチルベンゾイル]ピペリジン‐4‐イル}ピリジン;2‐(4‐フルオロ‐1‐{[4‐トリフルオロメチルフェニル]アセチル}ピペリジン‐4‐イル)ピリジン;2‐(4‐フルオロ‐1‐{3‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]プロパノイル}ピペリジン‐4‐イル)ピリジン;4‐フルオロ‐4‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐メトキシ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐メトキシ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルベンジル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐イソプロピルフェニル)‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐{4‐[1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル]フェニル}ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐tert‐ブチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐(ペンタフルオロ‐ラムダ(sup6)‐スルホニル)フェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐ブチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐ベンジルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐ビフェニル‐4‐イル‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[5‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐(3‐クロロピリジン‐2‐イル)‐4‐フルオロ‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボチオアミド;N’‐シアノ‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシイミドアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N’‐(1‐フェニルピペリジン‐4‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシイミドアミド;4‐フルオロ‐4‐フェニル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;(+/-)‐(シン)‐4‐フルオロ‐2‐メチル‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐(フルオロメチル)‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;シン‐およびアンチ‐3‐フルオロ‐3‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐8‐カルボキシアミド;3‐フルオロ‐3‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐8‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐ピリジン‐2‐イル‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐フェニルプロピル)‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;2‐[4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピリジン‐1‐イル]‐6‐トリフルオロメチル‐1H‐ベンゾイミダゾール;2‐(4‐フルオロ‐4‐ピリジン‐2‐イルピペリジン‐1‐イル)‐6‐(トリフルオロメチル)‐1H‐ベンゾイミダゾール;4‐フルオロ‐N‐[4‐トリフルオロメチルフェニル]‐4‐[3‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐メチルフェニル)‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐エチルフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐クロロフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)‐N‐[4‐トリフルオロメトキシフェニル]ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐(4‐シアノフェニル)‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;N‐[4‐ジメチルアミノフェニル]‐4‐フルオロ‐4‐(3‐メチルピリジン‐2‐イル)ピペリジン‐1‐カルボキシアミド;1‐(2‐(3,3‐ジメチルブチル)‐4‐(トリフルオロメチル)ベンジル)‐3‐(1‐メチル‐1H‐インダゾ‐1‐4‐イル)ウレア;N‐アセチル‐1‐フェニルアラニル‐1‐ロイシンアミド;および薬

学的に許容可能なそれらの塩。
【0049】
いくつかの実施形態において、上記TRPV1アンタゴニストはAMG 517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG 9810、および/またはABT‐102から選択される。
【0050】
外科手術的目的のための先の治療学に基づいたオピオイドの使用は、外科手術後の逆説的な痛覚過敏の応答を引き起こすいくつかの事例において示されてきた(参照、例えば、Kim, et al., Front Pharmacol 2014, 5:108)。実際に、治療学に基づいたオピオイドは、強い鎮痛薬である一方で、そのような治療学は多量の先制鎮痛剤を提供しない(参照、例えば、Ong, et al., Anesth. Analg. 2005; 100:757-73)。実験は本発明の実施形態の進展の過程において実施されたが、しかしながら、TRPV1アンタゴニストの先制投薬は、の外科手術後の痛覚過敏におけるオピオイドを控える結果を提供している。
【0051】
このように、特定の実施形態において、対象における外科手術後の低体温症を予防する、および/または、逓減する方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、そのような方法は、TRPV1アンタゴニストの投薬を、外科手術後に経験する疼痛(例えば、痛覚過敏)を予防する、および/または、逓減する目的の手術開始前に先立って含む。そのような方法は、特定の対象に限定されない。いくつかの実施形態において、上記対象は、結果として外科手術後の低体温症になる外科手術処置を受けようとしているヒトまたは家畜動物である。そのような方法は、特定のTRPV1アンタゴニストに限定されない。実際に、明細書中に記述されているいくつかのTRPV1アンタゴニストが活用されうる(例えば、AMG 517、カプサゼピン、SB‐366791、AMG 9810、および/またはABT-102)。
【0052】
本発明の範囲内の組成物はあらゆる組成物を含み、本発明の上記化合物は、上記意図された目的を実現するために効果的な量が含まれる。個別のニーズは様々であるから、各成分の効果的な量の最適な範囲の決定は、当業者の範囲内である。一般的に、上記化合物は、哺乳類、例えば、ヒトにおいて投与され得、経口で0.0025~50mg/kgの量であり、すなわち、1日における体重につき薬学的に許容可能な塩と同等量でありうる。一実施形態において、略0.01~略25mg/kgは、治療、改善、または疾患のような予防のために経口で投与される。筋肉内の損傷のために、上記量は一般的に経口量の略2分の1である。例えば、適切な筋肉内の量は略0.0025~略25mg/kgであり得、または略0.01~略5mg/kgである。
【0053】
上記経口単位量は、例えば、略0.01~略1000mgを含む。上記単位量は、日に1または複数回、1または複数のタブレットまたはカプセル剤で投与されうる。タブレットまたはカプセル剤は、それぞれ、略0.01~100mg、好ましくは略0.25~50mgの上記化合物または該溶媒化合物を含んでいる。
【0054】
話題の製剤において、上記化合物は担体の略0.01~100mg/gまたは、/mLの濃度で存在しうる。一実施形態において、上記化合物は、略0.07~1.0mg/mLの濃度で存在し、例えば、略0.1~0.5mg/mL、さらに一実施形態において、略0.4mg/mLである。
【0055】
原料の化学物質としての上記化合物の投薬に加えて、本発明の上記化合物は薬学的に許容可能な担体一部として投与されていてもよく、該薬学製剤は、薬学的に使用され得る製剤への化合物の処理を促進する補形薬および助剤を含む、適切な薬学的に許容可能な担体を含んでいる。上記製剤(特に、経口または局所的に投与されうるそれらの製剤、および、タブレット、ドラジェ、ゆっくり放出されるトローチ剤、およびカプセル剤、マウスリンス、およびマウスウォッシュ、ジェル、液体懸濁液、ヘアリンス、ヘアジェル、シャンプーのようなひとつの型で投与するために使用されうるそれらの製剤、並びに、座薬のような直腸で投与されうる製剤だけではなく、静脈注射導入、注射、局所的または経口による投与のための適切な溶液)は、略0.01~99%、一実施形態において、活性化した化合物の0.25~75%を補形薬と共に含んでいる。
【0056】
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の有益な効果を経験しうるどんな対象においても投与されうる。最も重要なこととして、上記対象は哺乳類、例えばヒトであり、本発明はこれに限定することを意図しない。他の対象は家畜動物を含む(ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ等)。
【0057】
上記化合物およびそれらの医薬組成物は、上記意図された目的を達成するあらゆる方法において投与されうる。例えば、非経口投与、皮下投与、静脈投与、筋肉投与、腹膜内投与、経皮的投与、口腔内投与、髄膜投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与または局所的経路による投与でありうる。その代わりに、または同時に、投与は、経口経路による投与でありうる。上記投薬量は、対象の年齢、健康および体重、同時にする治療の種類、もし必要であれば、治療の頻度、並びに望まれる効果の性質に依存しうる。
【0058】
本発明の医薬製剤は、それ自身が公知である方法において製造され、例えば、慣習的な混和工程、粒化工程、ドラジェ作製工程、溶解工程、または凍結乾燥工程である。したがって、口腔内使用のための医薬製剤は、上記活性化化合物を固体補形薬と混合することにより得られ、望ましいまたは必須の場合においてタブレットまたはドラジェコアを得るために、適した助剤の添加後、任意に上記生じた混合物を粉砕、および顆粒の混合物の処理が行われうる。
【0059】
適した補形薬は、特に、糖類のような充填剤、例えば、ラクトースまたはスクロース、マンニロールまたはソルビトール、セルロース製剤、および/またはリン酸カルシウムであり、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウムだけでなく、スターチペースト(例えば、トウモロコシスターチ、コムギスターチ、コメスターチ、ポテトスターチ、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシピルビン酸メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/または、ポリビニルピロリドンを用いているスターチペースト)のような結合剤が挙げられる。必要に応じて粉砕剤(disintegrating agent)(上述したようなスターチおよび、カルボキシメチルスターチ、架橋したポリビニルピロリドン、アガー、またはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムのようなそれらの塩)が添加されうる。上述したすべての助剤は、血流調節物質および潤滑油であり、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムのようなそれらの塩、および/または、ポリエチレングリコールである。ドラジェコアは、必要に応じて胃液にも耐えられる適切なコーティング剤と共に提供される。該目的のため、高濃度の糖類溶液が使用され得、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/または、二酸化チタン、ラッカー溶液、および適した有機溶媒、または混合溶媒を含み得る。胃液に耐えるコーティングを製造するために、アセチルセルロースフタル酸、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸のような適切なセルロース製剤の溶液が使用される。染料または色素は、タブレットまたはドラジェーコーティングが、例えば、同定または、活性化化合物量の合成を特徴付けるために追加されうる。
【0060】
経口で使用されうる他の医薬製剤は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル剤、ゼラチン製の、密閉されたソフトカプセル剤、可塑剤(例えば、グリセロールおよびソルビトール)を含む。上記プッシュフィットカプセル剤は、上記顆粒の型に活性化成分を含み、ラクトース、スターチのような結合剤、および/または、タルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑油、任意に、安定剤のような賦形剤で混合されうる。
【0061】
直腸で使用され得る可能な医薬製剤は、例えば座薬であり、座薬ベースと共に、ひとつまたは複数の活性化化合物の組み合わせから成る。適切な座薬ベースは、例えば、天然または合成トリグリセリドまたはパラフィン炭化水素である。さらに、ゼラチン直腸カプセル剤の使用も可能であり、当該カプセル剤は、ベースと共に活性化化合物の組み合わせで成る。可能なベース物質は、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素を含む。
【0062】
非経口投与のための適切な製剤は、水中で溶解しやすい型の活性化化合物の水性溶液を含み、例えば、水溶性塩およびアルカリ溶液である。さらに、適切な油性注射懸濁液のような活性化化合物の懸濁液は、投与されうる。適切な脂肪親和性溶媒またはビヒクルは脂肪油を含み、例えばゴマ油または合成脂肪酸エステル、例えばエチルオレートまたはトリグリセリドまたはポリエチレングリコール‐400である。水溶性注射懸濁液は懸濁液の粘性増加剤を含み、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランである。任意に、上記懸濁液は安定剤を含みうる。
【0063】
本発明の話題の組成物は、一実施形態において、適切な担体の選択により、油、クリーム、ローション、軟膏等として製剤される。適切な担体は植物油または鉱物油、白色潤滑剤(白色流動パラフィン)、分鎖状脂肪、または分鎖状油、動物油および高分子量アルコール(C12以上)を含む。上記担体は、それらの活性化成分が水溶性であるものでありうる。乳化剤、安定剤、湿潤剤および抗酸化剤もまた含まれうるだけではなく、色または香を与える物質も必要に応じて含まれうる。さらに、経皮浸透促進剤は、上記話題の成分において使用されうる。そのような経皮浸透促進剤の例として、米国特許第3,989,816号および米国特許第4,444,762号において見出され、それぞれ該全文において参照により本明細書中に組み込まれる。
【0064】
軟膏は上アーモンドオイルのような植物油において、温めたソフトパラフィンと共に、記活性化成分の溶液を混合し、混合物を冷ますことにより製剤されうる。軟膏のような典型的な例は、略30重量%のアーモンドオイルを含み、さらに略70重量%の白色ソフトパラフィンを含む。ローションは、上記活性化成分を溶解することにより、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのような適切な高分子量アルコールの中で適切に製剤されうる。
【0065】
一般的な当業者は、本発明における好ましい一実施形態の上述した詳細な記述に過ぎないことを容易に認識できるであろう。上記組成物および方法の様々な改善および改変は上述されており、当業者であれば専門技術を使用して容易に達成することができ、本発明の範囲内である。
【0066】
[実施例]
以下の実施例は本発明の化合物、組成物、および方法の例証であり、これらに限定されない。状態およびパラメーターの他の適した改善および適応は、臨床治療において通常直面するものであり、当業者にとって明白であり、さらに、本発明の意図および範囲内である。
【0067】
[実施例1]
図1は、揮発性麻酔が引き起こす低体温症におけるTRPV1拮抗作用(例えば、AMG 517)の結果を示す。簡単に言えば、ベースラインのコア体温が得られた後、少し抑制されたラットは、イソフルレン(5%誘発、2.5%維持)で麻酔がかけられ、AMG 517の量を変化させた((0.01、0.1、1mg/kg)およびコントロール(ビヒクル))結果は、直腸での計測温度(コア体温)について、5分間隔で計測された。20分後において、コントロール(ビヒクル)群で温度がさらに低下することを防ぐために、加温ブランケットを使用した。ビヒクルで処置したラットは、麻酔に曝露した後低体温症が進行した。しかしながら、AMG 517投薬量に従って、0.1および1mg/kgの投薬量で麻酔が引き起こす低体温症が回復に向かった。試験されたすべての時点で統計的に有意であった(p<0.01、テューキーの事後解析を用いた二元配置分散分析)。
【0068】
図2は、新生児ラットにおける麻酔が引き起こす低体温症のTRPV1拮抗作用(例えば、AMG 517)の結果を示す。簡単に言えば、同腹子から新生児オスまたはメスのラットに優しく分けた後(日齢10日)、上記動物にイソフルレン麻酔を曝露し(5%誘発、2.5%維持)、そしてさらに、上記動物はビヒクルまたはAMG 517(1~2mg/kg、i.v.)のどちらかを注射し、そしてコア体温を5分間隔で計測した。ビヒクルで処置した新生児は、実質的にコア体温は、32℃で麻酔誘発後最大20分後に最大の低下量で低下することが示された。AMG 517は部分的に、および統計的有意に(p<0.01、テューキーの事後解析を用いた二元配置分散分析)、試験された全ての時点で1mg/kg投薬量および2mg/kg投薬量において、麻酔が引き起こす低体温症を回復に向かわせた(20分後時点)。
【0069】
[実施例2]
ベースラインのコア体温が得られた後、ラットにイソフルレンで麻酔をかけ、そして素早くビヒクルまたはAMG 517の0.1mg/kgのどちらかを静脈注射を介して注射した。上記コア体温は、麻酔の持続期間(45分間)において毎5分間隔およびその後30分後において計測した(n=8/群)。ビヒクルで処置したラットは、麻酔誘発後すぐに麻酔が引き起こす低体温症になることを示し、麻酔の間に渡って持続し、麻酔を停止した後の正常体温に到達するのにさらに30分かかることを示した。AMG 517を処置したラットは、麻酔期間を通して全く低体温症が進行しなかった。重要なことに、上記動物を麻酔から回復させたときであっても、AMG 517は低体温症を引き起こす原因ではなかった。
【0070】
ラットにおいてベースラインの体温を引き戻す閾値が得られた。次に、図3と同様のプロトコールで、麻酔誘発において、ラットにビヒクルまたはAMG 517 0.1mg/kgのどちらかを処置した。そして、後ろ脚においてわずかに切開し閉じた。体温を引き戻す潜伏時間は、手術後2時間、24時間、および7日後に得た。データは、ボンフェローニの事後解析を用いた二元配置分散分析で2通りの方法を使用して解析した(n=6~8/群、**はp<0.01を示す)(参照、図4)。
【0071】
[実施例3]
本実施例は、上記AMG 517の使用は、不揮発性麻酔(ケタミン)によって誘導された低体温症を回復に向かわせることを示す(図5)。ベースラインのコア体温を得た後、ラットをケタミン(100mg/kg)で麻酔にかけ、そして、ビヒクルまたは0.01~1mg/kgのAMG 517のどちらかを素早く尻尾の静脈に注射した。上記コア体温は、毎5分間隔でケタミン注射後20分間計測した(n=8/群)。図5は、AMG 517投薬量は、依存し、統計的に有意に(p<0.01、テューキーの事後解析を用いた二元配置分散分析で2通りの方法を使用して解析した)、実験した全ての時点において、高熱を引き起こすことなく、ケタミンが引き起こす低体温症を回復に向かわせるという結果を示す。本実施例は酔が引き起こす低体温症を回復に向かわせるというTRPV1アンタゴニストの効果は、揮発性麻酔だけでなく、静脈注射麻酔にまで及び、これらに限定されないことを示す。
【0072】
[実施例4]
本実施例は、TRPV1アンタゴニストの先制投与は、外科手術後の疼痛において、オピオイドを控えた効果を有することを示す。
【0073】
粗末な外科手術後の疼痛管理の結果、苦痛を増大し、機能を低下させ、感染症を含む病院が関連する合併症、心臓血管問題、および出血を引き起こし、全てが入院の長期化をもたらす(参照、例えば、Rathmell, J.P., et al., Reg Anesth Pain Med, 2006. 31(4 Suppl 1): p.1-42; Thomas, T., et al., Pain, 1998. 75(2-3): p. 177-85)。さらに、外科手術後の深刻な激しい疼痛と長引く疼痛の進展リスクとは、強固に関連している(参照、例えば、Kehlet, H., T.S. Jensen, and C.J. Woolf, Lancet, 2006. 367(9522): p.1618-25)。現在の外科手術後の疼痛の管理は、本来、オピオイドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に頼っている。上記外科手術前後の段階で過剰のオピオイドを使用することは、神経および呼吸の疾病率の増加と関連している(参照、例えば、Kehlet, H. and K. Holte, Br J Anaesth, 2001. 87(1): p. 62-72)。NSAIDsは出血を増加させ、そして骨の治療および腎臓機能に悪影響を与える(参照、例えば、Souter, A.J., B. Fredman, and P.F. White, Anesth Analg, 1994. 79(6):p. 1178-90)。他の多くの疼痛の状態とは異なり(例えば、外傷性骨折、長期に渡る腰痛)、外科手術後の疼痛において、組織損傷のタイミングは前もって知られている。この基本的な違いは、先制阻害または、上記外科手術中の損傷をふまえ、組織を損傷させることを低減し、上記重大性および外科手術後の疼痛の持続時間を減少するために、活用されうる。予防麻酔技術のような多数は、様々な成功に努めてきた。TRPV1は、炎症性痛覚過敏に関連している、カギとなるタンパク質のひとつであることが示されている。麻酔誘発におけるTRPV1アンタゴニストの投薬は、外科手術の損傷の疼痛受容体感作性を低下しうる。そして、外科手術後のオピオイドの要求を減少させるようになる。
【0074】
実施例は、上記行動試験の間、研究者に処置の分配が見えないようにして、実施された。ベースラインの温度、および機械性潜伏時間の停止は、ハーグリーブス装置(Hargreaves apparatus)を使用し(参照、例えば、Hargreaves,K., et al., Pain, 1988. 32(1): p. 77-88)、さらにフォンフレイフィラメント(Von Frey filaments)を使用して(参照、例えば、Chaplan,S.R., et al., J Neurosci Methods, 1994. 53(1): p. 55-63)、外科手術前少なくとも24時間で実施した。上記動物は、上述したイソフルレンで麻酔し、尻尾の静脈に注射して、切開の疼痛のための外科手術をする前、ビヒクルまたはTRPV1アンタゴニストのどちらかを処置した(参照、例えば、Brennan, T.J., E.P. Vandermeulen, and G.F. Gebhart, Pain, 1996.64(3): p. 493-501)。
【0075】
体温および機械性痛覚過敏の評価は、外科手術後24時間で行われた。ラットに様々な投薬量のモルヒネおよび先制TRPV1アンタゴニストまたはビヒクル処理をどちらにも皮下投与した。鎮痛剤応答は動物の両方の群において計測した。
【0076】
データは、下記式に従い、%MPE(最大可能効果、maximalpossible effect)に換算した。
%MPE=100×(実験した潜伏時間-コントロールの潜伏時間)/(10-コントロールの潜伏時間)。
【0077】
図6は、A)温熱性痛覚過敏、およびB)機械性痛覚過敏のモルヒネ逆転における、AMG 517およびコントロール(ビヒクル)の結果を示す。
【0078】
ビヒクルで処置した動物において、上記外科手術後の疼痛を2つの異なる計測により評価した。温熱性機械性痛覚過敏は、モルヒネの投薬量を1mg/kgまで上昇させたときまで、モルヒネに応答しなかった。しかしながら、外科手術の損傷の前に先制TRPV1アンタゴニストを処置した動物において、モルヒネの鎮痛効果が最少投薬量0.3~0.6mg/kgであることが実証された。
【0079】
結果は、上記先制TRPV1アンタゴニストは、外科手術後の疼痛におけるオピオイドを控えた効果を有することを示した。もし、外科手術後の疼痛にオピオイドの使用を減少させることは、回復を早めること、および極めて低い疾病率と関連しているとしたら、TRPV1アンタゴニストによる先制麻酔は、外科手術前後の結果において大きな衝撃でありうる。
【0080】
[実施例5]
本実施例は、特定のTRPV1アンタゴニストが麻酔をかけていない動物において、高熱を引き起こすか、引き起こさないかどうかに関係なく、TRPV1アンタゴニストが投薬量に依存して、麻酔が引き起こす低体温症を回復に向かわせることを示している。
【0081】
実験チャンバーに慣らして、ベースラインのコア体温を得た後、成体ラットは、イソフルレンで麻酔をかけた(2L/分、5%誘発、2.5%維持)、そして、上記麻酔した動物は上述した投薬量において、ビヒクルまたは種々のTRPV1アンタゴニストを注射し、さらに、直腸の温度を麻酔誘発後20分間において観察した。
【0082】
上記データは、麻酔をしていないラットにおいて、上記アンタゴニストが高熱を引き起こす(SB、AMG、およびABT化合物)または、高熱を引き起こさない(カプサゼピン)に関係なく、このようなTRPV1アンタゴニストは、依然として投薬量に依存して麻酔が引き起こす低体温症を回復に向かわせることを示した(参照、図7)。
【0083】
本発明を上述し、状態、構成、および他のパラメーターの幅広く均等の範囲内において、本発明または実施形態の範囲に影響を与えることなく同様に実施されることが当業者により理解されるであろう。本明細書中に引用される全ての特許、特許明細書および刊行物は、本明細書中に、その全体が参照により援用される。
【0084】
[参考文献による援用]
ここで参照される特許文献、および科学論文それぞれの全ての開示は、あらゆる目的のための参考文献として援用される。
【0085】
[均等物]
本発明は他の特定の形式において、上記精神または重要なそれらの特徴から逸脱することなく実施されうる。前述の実施形態は、したがって、本明細書中に記載されている本発明に限定されず、全ての観点において例証されていると見なされる。本発明の範囲は、したがって、本明細書よりも添付の請求項により示されている。そして、全ての修正は本請求項と同等の意味および範囲内であり、その中に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】麻酔が引き起こす低体温症におけるTRPV1拮抗作用(例えば、AMG 517)の結果を示す。イソフルレンでの麻酔誘発後の作用時間における計測した直腸温度について、変化させた投薬量レベルの上記AMG 517(10μg、100μg、1000μg)とコントロール(ビヒクル)の結果を比較した。
図2】新生児ラットにおける麻酔が引き起こす低体温症のTRPV1拮抗作用(例えば、AMG 517)の結果を示す。
図3】麻酔誘発前、麻酔中、麻酔停止、および、麻酔期間後のAMG 517およびコントロール(ビヒクル)の温度の作用時間における結果を示す。上記データはAMG 517が麻酔期間後における高熱を引き起こさないことを実証している。
図4】熱疼痛感受性においてベースライン、外科手術の120分後、外科手術の24時間後、および外科手術の7日後のAMG 517およびコントロール(ビヒクル)の作用時間における結果を示す。後ろ脚を切開する前にAMG 517(0.1mg/kg)またはビヒクルの単予防の適正量は投薬され、熱の痛覚過敏は外科手術後の様々な時点で計測された。データはボンフェローニの事後解析を用いた二元配置分散分析(n=6~8/群,**はp<0.01を示す)を使用して解析された。
図5】不揮発性吸入麻酔薬(ケタミン)が引き起こす低体温症における、TRPV1アンタゴニスト(例えば、AMG 517)の投薬量レベルの変化の投与の結果を示す。
図6】外科手術後において、コントロール(ビヒクル)と比較したAMG 517のオピオイドを控えた結果を示し、無意識の痛覚過敏における、A)温熱性痛覚過敏、およびB)機械性痛覚過敏である。
図7】麻酔が引き起こす低体温症TRPV1拮抗作用における、カプサゼピン、SB366791、AMG 9810、およびABT 102の投薬量レベルを変化させた際の投与の結果を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7