(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】コーチ付アイロン
(51)【国際特許分類】
D06F 75/00 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
D06F75/00 Z
(21)【出願番号】P 2019529702
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(86)【国際出願番号】 IB2017054785
(87)【国際公開番号】W WO2018029583
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-07-16
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519046122
【氏名又は名称】ラウラスター・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・マネー
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-195064(JP,A)
【文献】国際公開第2014/194337(WO,A1)
【文献】特開2003-079603(JP,A)
【文献】米国特許第08091257(US,B2)
【文献】特表2013-533084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0125427(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/00-87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーチ付きのアイロンがけシステムであって、
少なくとも1つの加速度計;
少なくとも1つの磁力計;
少なくとも1つのジャイロスコープ;
を含むアイロンを含み;
加速度計、磁力計およびジャイロスコープから発せられる信号を使用し、ピッチ軸
の動き、ヨー軸
の動きおよびロール軸
の動きを含むリストから1つまたはそれ以上を計算するように構成された、アイロンの動きを決定するユニットと;
該動き決定ユニットから発せられる
アイロンの動きの結果を使用し、該
アイロンの動きの結果をそれらの
アイロンの動きの結果についての達成目標と比較し、該比較に応じて使用者に提案される
アイロンの動きのマルチメディアシーケンスを選択するように構成された、マルチメディア学習システムと;
をさらに含む、前記アイロンがけシステム。
【請求項2】
マルチメディア端末と、
該マルチメディア端末に、動き決定ユニットから発せられる結果を送るように構成された無線通信装置と、
をさらに含み、マルチメディア端末は、
前記マルチメディア学習システムを含むように構成される、
請求項1に記載のアイロンがけシステム。
【請求項3】
無線通信装置は、Bluetooth(登録商標)装置である、請求項2に記載のアイロンがけシステム。
【請求項4】
マルチメディア端末は、スマートフォンである、請求項2または3に記載のアイロンがけシステム。
【請求項5】
マルチメディア学習システムは、アイロンがけシステムに組み込まれた特定の機能を使用者に教示するようにさらに構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の
アイロン
がけシステム。
【請求項6】
使用者を対象としたアイロンがけコーチ方法であって、
加速度計、磁力計、ジャイロスコープによるアイロンの動きの測定と;
該アイロンの動き測定値と
該アイロンの動きについての達成目標の比較と;
測定値の該比較の結果に基づいた使用者を対象とした指示の策定であって、該指示は、
該アイロンの動きについての達成目標を達成するために使用者に動きを調節するように促すように策定される、指示の策定と
を含む、前記アイロンがけコーチ方法。
【請求項7】
指示を送る工程は、マルチメディア端末を要する、請求項6に記載のアイロンがけコーチ方法。
【請求項8】
信号は、アイロン
から、無線通信装置の少なくともマルチメディア端末
に送られる、請求項7に記載のアイロンがけコーチ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイロンがけの分野に関し、より詳細には、アイロンがけデバイスの使用の学習の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
リネンは、アイロンを用いてアイロンがけすることができる。使用者は、アイロンを手で持ち適切なやり方でアイロンをかける予定のリネンの上でその高温のアイロンを摺動させることによって操作する。使用者の経験、アイロンの特定の機能、さらにアイロン台の機能、およびリネンは、良好なアイロンがけの結果を得るためのアイロンの正しく効果的な操作の決め手となる。使用者の経験は、単に彼らのアイロンで試しその結果を観察するという経験的状況により構築される。使用者が取り替えようと新しいアイロンを採用した場合、状況に応じて、使用者は、満足のいく結果を達成するために多かれ少なかれ時間を必要とし、その結果は、必ずしも十分とならないことがある。
【0003】
解決のために本発明が提案する課題のうちの1つは、使用者のアイロンを使用するための学習プロセスを改善することである。それは、アイロンとアイロン台を組み合わせた装置も同様であり得る。
【0004】
第1の態様において、本発明は、コーチ付きのアイロンがけシステムであって、少なくとも1つの加速度計;少なくとも1つの磁力計;少なくとも1つのジャイロスコープ;を含むアイロンを含み;加速度計、磁力計およびジャイロスコープから発せられる信号を使用し、ピッチ軸、ヨー軸およびロール軸を含むリストから1つまたはそれ以上を計算するように構成された、アイロンの動きを決定するユニットと;特に動き決定ユニットから発せられる結果を使用し、結果をそれらの結果についての達成目標と比較し、比較に応じて使用者に提案されるマルチメディアシーケンスを選択するように構成された、マルチメディア学習システムと;をさらに含む、アイロンがけシステムを提案する。
【0005】
好ましい一実施形態では、アイロンがけシステムは、マルチメディア端末と、マルチメディア端末に、動き決定ユニットから発せられる結果を送る(broadcast)ように構成された無線通信装置と、をさらに含み、マルチメディア端末は、学習システムを含むように構成される。
【0006】
さらに好ましい一実施形態では、無線通信装置は、Bluetooth(登録商標)装置である。
【0007】
さらに好ましい一実施形態では、マルチメディア端末は、スマートフォンである。
【0008】
さらに好ましい一実施形態では、マルチメディア学習システムは、アイロンがけシステムに組み込まれた特定の機能を使用者に教示するようにさらに構成される。
【0009】
第2の態様において、本発明は、使用者を対象としたアイロンがけ指導方法であって、アイロンの動き測定と;動き測定値と動きについての達成目標の比較と;測定値の比較の結果に基づいた使用者を対象とした指示の策定であって、指示は、動きについての達成目標を達成するために使用者に動きを調節するように促すように策定される、指示の策定とを含む、アイロンがけ指導方法を提案する。
【0010】
さらに好ましい一実施形態では、指示を送る工程は、マルチメディア端末を要する。
【0011】
さらに好ましい一実施形態では、信号は、無線通信装置によって、アイロンとマルチメディア端末との間で交換される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、図面を参照して、実施形態の詳細な説明を考慮すればより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態によるアイロンがけシステムの図である。
【
図2】本発明の好ましい一実施形態におけるマルチメディア端末上に生成される画面の図である。
【
図3】本発明による方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、中央に、アイロンのハンドルを手で持っている使用者が示されている。
【0015】
アイロンは、コーチ付きアイロンがけシステムの一要素である。
【0016】
指導という用語は、とりわけアイロンがけ作業中に、使用者に教示するという効果を発揮するように協働する一式の機能を示すことに使用される。
【0017】
したがって、アイロンは、少なくとも1つの加速度計と、少なくとも1つの磁力計と、少なくとも1つのジャイロスコープとを含む。
図1では、これらの3つの要素は、たとえば、アイロンのハンドルに組み込まれている。好ましい一実施形態では、アイロンは、加速度計についての空間内におけるここではx、y、zと呼ばれる3つの方向と、ジャイロスコープについてのx、y、zと、磁力計についてのx、y、zとを含む9つの軸を含むセンサを含む。このタイプのセンサは、当業者に既知であり、多くの電子装置で既に使用されているので、ここではより詳細に述べることはしない。
【0018】
図1において、たとえば、加速度計の機能は、アイロンのどの方向が測定されるかを示す矢印を伴う、使用者の写真に重ね合わせられたテキストによって示される。
【0019】
アイロンがけシステムは、加速度計、磁力計およびジャイロスコープから発せられる信号を使用し、ピッチ軸、ヨー軸およびロール軸を含むリストから1つまたはそれ以上を計算するように構成される、アイロンの動きを決定するユニットをさらに含む。
【0020】
アイロンの動きを決定するユニットは、たとえば、マルチメディア端子で実行されるソフトウェアモジュールを含むことができる。マルチメディア端末は、アイロンに組み込むことができるが、好ましい一実施形態では、スマートフォンとすることができる。
【0021】
図1の使用者の右下の図は、アイロンの動きを決定するユニットのソフトウェアモジュールを実行するスマートフォンの画面上に表示されるような、3つの加速度計方向についての適時測定の結果を示している。
【0022】
図1の使用者の左下の図は、アイロンの動きを決定するユニットのソフトウェアモジュールを実行するスマートフォンの画面上に表示されるような、ジャイロスコープについての適時測定の結果を示している。
【0023】
アイロンがけシステムは、マルチメディア学習システムをさらに含む。マルチメディア学習システムは、特に動き決定ユニットから発せられる結果を使用し、それらの結果と、それらの結果についての達成目標を比較し、比較に応じて使用者に提案されるマルチメディアシーケンスを選択するように構成される。最後に、アイロンに組み込まれたセンサは、使用者の動かし方を、システムを指導に変換するたとえば双方向ビデオで示される理想の動かし方と比較することによって使用者の動かし方の最適化を有効にする手段である。
【0024】
図2は、動き決定ユニットから発せられる結果を使用する学習システムによって生成される、スマートフォン上の3つのディスプレイを含む。3つのディスプレイは、
図2では「ランドスケープ」モードで表されており、左のディスプレイはページの下にあり、右のディスプレイはページの上にある。
【0025】
図2の左のものは、アイロンがけの動きを教示することを目的としたモードにおける学習システムを示している。アイロンを持った使用者の腕を示しているディスプレイ上部は、使用者が見習うべき部分的または全体的な動きを示すビデオの代表的なものである。ディスプレイの下半分は、教示の目的および従うべき指示を使用者に説明するテキストである。ディスプレイ画面の下のボタンは、学習セッション自体の開始を有効にする。
【0026】
図2の中央のものは、アイロンがけの動きを教示することを目的としたモードの他の画面であるが、むしろ、使用者がアイロンを動かしている間であり、アイロンの動きは、測定され、それと達成目標を比較するために分析される。下部は、使用者がその目標を達成したことを表す「完璧な同期」メッセージを示している。
【0027】
図2の右のものは、アイロンがけシステムに組み込まれた特定の機能を使用者に教示することを目的としたモードにおける学習システムを示している。図示の例では、構成は、アイロン前部に位置するファンボタンを用いた、アイロン台にある送風器に対応するファン機能の起動の教示を目的としている。特定の機能の他の例は、本明細書に図示されないまたは記載されない他の実施形態において考えられ、機能自体は既知である。
【0028】
空間内における加速度計についてのここではx、y、zと呼ばれる3つの方向と、ジャイロスコープについてのx、y、zと、磁力計についてのx、y、zとを含む9つの軸を含むセンサを含む上述した実施形態では、アイロンの動きを決定するユニットは、ピッチ軸、ヨー軸およびロール軸を計算するように構成され、これらの3つの値は、アイロンの動き方、アイロンの、アイロン台上、空中または任意の他の動的もしくは静的位置における置かれ方を検出することに使用される。好ましい一実施形態では、特に圧電センサに基づいた、PCBタイプの加速度計は、2つまたは3つの軸における動きを検出するための結果をもたらし、したがって、正確な後方または横向きの動きが使用者によって行われたかどうか検出することが可能である。
【0029】
好ましい一実施形態では、マルチメディア端末を含むアイロンがけシステムは、動き決定ユニットから発せられる結果をマルチメディア端末に送るように構成される無線通信装置をさらに含む。マルチメディア端末は、学習システムを含むように構成される。無線通信装置は、たとえば、Bluetooth(登録商標)とすることができる。
【0030】
図3は、本発明のアイロンがけコーチ方法の流れ図である。
【0031】
使用者を対象とするアイロンがけコーチ方法は、アイロンの動きの測定30と;動き測定値31と動きについての達成目標33の比較32と;測定値の比較の結果に基づいた、使用者を対象とした指示35の策定34とを含む。指示は、動きについての達成目標を達成するために、使用者に動きを調節するように促すように策定される。
【0032】
上述のシステムおよび方法の例は、非限定的である。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって与えられる。