(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】ローター及びこれを含むモーター
(51)【国際特許分類】
H02K 1/24 20060101AFI20220512BHJP
H02K 3/28 20060101ALI20220512BHJP
H02K 3/34 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
H02K1/24 B
H02K3/28 J
H02K3/34 B
(21)【出願番号】P 2019529965
(86)(22)【出願日】2017-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2017015239
(87)【国際公開番号】W WO2018124634
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2016-0180032
(32)【優先日】2016-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イ,ビョンサム
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0322871(US,A1)
【文献】特開2013-240259(JP,A)
【文献】特開2012-239347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00- 1/16
H02K 1/18- 1/26
H02K 1/28- 1/34
H02K 3/00- 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ローター本体及び前記第1ローター本体の外周面に形成される複数の第1ティースを含む第1ローター;
前記第1ローター本体に積層結合する第2ローター本体及び前記第2ローター本体の外周面に形成される複数の第2ティースを含む第2ローター;
前記第1ティースに巻線される第1コイル;
前記第2ティースに巻線される第2コイル;
前記第1ティースと前記第1コイルとの間に配置される第1インシュレーター;及び
前記第2ティースと前記第2コイルとの間に配置される第2インシュレーターを含み、
前記第1ローター本体の上側に配置される前記第1インシュレーターの上面には、前記第1コイルが整列する第1ガイド部が形成されて、
前記第2ローター本体の下側に配置される前記第2インシュレーターの下面には、前記第2コイルが整列する第2ガイド部が形成され、
複数の前記第1ティースは前記第1コイルの巻線数が互いに同一に形成され、
複数の前記第2ティースは前記第2コイルの巻線数が互いに同一に形成され
、
前記第1ガイド部は前記第1インシュレーターの上面で他の領域より下方に陥没されて前記第1コイルが結合される第1溝を含み、
前記第2ガイド部は前記第2インシュレーターの下面で他の領域より上面に陥没されて前記第2コイルが結合される第2溝を含むことを特徴とする、ローター。
【請求項2】
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部は各々前記第1インシュレーターの上面と前記第2インシュレーターの下面で突出する突起であることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項3】
前記第1ローターと前記第2ローターが結合時、前記第2ティースは、隣接した前記第1ティースの間に形成される第1収容溝に挟まれて、前記第1ティースは、隣接した前記第2ティースの間に形成される第2収容溝に挟まれることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項4】
前記第1ローター本体と前記第2ローター本体の高さの合計は、前記第1ティースまたは前記第2ティースの高さに対応することを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項5】
前記第1コイルは前記第1ティースに直列に巻線され、
前記第2コイルは前記第2ティースに直列に巻線されることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項6】
前記第1コイルは、前記第1ローター本体の中心を基準に時計回りまたは反時計回りに巻線されることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項7】
前記第2コイルは、前記第2ローター本体の中心を基準に時計回りまたは反時計回りに巻線されることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項8】
前記第1ティースは、前記第1ローター本体の外周面で互いに間隔を形成して突出する第1本体、第2本体、第3本体、第4本体を含み、
前記第2ティースは、前記第2ローター本体の外周面で互いに間隔を形成して突出する第5本体、第6本体、第7本体、第8本体を含むことを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項9】
前記第1コイルは、前記第1本体、前記第2本体、前記第3本体及び前記第4本体に時計回りに巻線されることを特徴とする、
請求項8に記載のローター。
【請求項10】
前記第2コイルは、前記第5本体、前記第6本体、前記第7本体及び前記第8本体に時計回りに巻線されることを特徴とする、
請求項8に記載のローター。
【請求項11】
前記第2ティースに巻線される前記第2コイルの巻線数をNという時、
前記第2コイルは、最初前記第5本体にN/2回巻線されて、前記第6本体にN回巻線された後、前記第7本体にN回巻線されて、前記第8本体にN回巻線されて、前記第5本体に戻ってN/2回巻線されることを特徴とする、
請求項8に記載のローター。
【請求項12】
前記第2ティースに巻線される前記第2コイルの巻線数をNという時、
前記第2コイルは、最初前記第5本体にN
-0
.5回巻線されて、前記第6本体にN回巻線された後、前記第7本体にN回巻線されて、前記第8本体にN回巻線されて、前記第5本体に戻って0
.5回巻線されることを特徴とする、
請求項8に記載のローター。
【請求項13】
前記第1ティースは、
前記第1ローター本体に連結されるアーム(arm)型第1本体と、前記第1本体の先端に形成されたリーム(rim)型第1遮断突起を含み、
前記第1本体の外面のうち前記第1ローター本体と隣接した領域には第1ガイド突起が配置されることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項14】
前記第2ティースは、
前記第2ローター本体に連結されるアーム(arm)型第2本体と、前記第2本体の先端に形成されたリーム(rim)型第2遮断突起を含み、
前記第2本体の外面のうち前記第2ローター本体と隣接した領域には第2ガイド突起が配置されることを特徴とする、
請求項13に記載のローター。
【請求項15】
前記第1本体と前記第2本体の側面には外側に行くほど断面積が広くなるように傾斜面が形成されることを特徴とする、
請求項14に記載のローター。
【請求項16】
軸方向を基準に前記第1ローター本体の高さは前記第1ティースの高さに対応され、
軸方向を基準に前記第2ローター本体の高さは前記第2ティースの高さに対応されることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項17】
前記第1ガイド部は複数の第1ティースのうち隣接した第1ティース間を連結するように配置され、
前記第2ガイド部は複数の第2ティースのうち隣接した第2ティース間を連結するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項18】
前記第1コイルの両端部と前記第2コイルの両端部は前記第1ローターの上方に延びることを特徴とする、請求項1に記載のローター。
【請求項19】
ハウジング;
前記ハウジングの内部に配置されるステーター;及び
前記ステーターの内側で前記ステーターと対向する請求項1乃至
請求項18のいずれか一項に記載のローターを含むことを特徴とする、モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローター及びこれを含むモーターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に車両にはエンジンを駆動させるスターターモーターとエンジンの回転力を利用して電気を発電させるオルタネーター(Alternator)が備えられる。前記スターターモーターは、車両の始動時運転者の操作によってイグニッションスイッチがバッテリーの電源に連結されて、これにより前記スタートモーターに電源が供給されて発生した駆動力がエンジンを回転させて始動するようになる。
【0003】
これと比べて前記オルタネーターは、エンジンの駆動部に連結されてエンジンの駆動力により磁場が形成された状態で回転子が回転して交流電力が発生して、これが整流装置などを利用してバッテリーを充電するようになる。
【0004】
このようなスターターモーターとオルタネーターはともにステーターとローターの構造で構成されていて、その構造が非常に似ていて、力を加えるか電源を印加するかにより発電機として動作させることもできればモーターとして動作させることもできる。
【0005】
近年、一つの構造でスターターモーターとオルタネーターの役割を行うことができるBSG(Belt Driven Starter Generator、以下、BSGという)構造に対する研究が盛んに行われている。
【0006】
一方、回転子巻線型同期タイプのモーターとは、ローターコアの外周面に突出形成された突起部にコイルを巻線した形態のモーターであって、主に発電機として用いたが、近年非希土類系モーターの開発に関心が寄せられて、トラクションモーターの一つの形態としても提案されている。
【0007】
モーターのトルクを増加させるためにはコイルの巻線数を増やしたり電流を増加させなければならない。しかし、BSGの場合、コイルの巻線数を増やすには空間的制約が大きく、電流を高めるには電流制限値があるのでモーターのトルクを増加させるのに限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記のような問題点を改善するために提案されたもので、コイルの占積率(space factor)を高めてトルクを高めることができ、組み立てを容易にすることができるローター及びこれを含むモーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態として、ローターは、第1ローター本体及び前記第1ローター本体の外周面に形成される複数の第1ティースを含む第1ローター;前記第1ローター本体に積層結合する第2ローター本体及び前記第2ローター本体の外周面に形成される複数の第2ティースを含む第2ローター;前記第1ティースに巻線される第1コイル;前記第2ティースに巻線される第2コイル;前記第1ティースと前記第1コイルとの間に配置される第1インシュレーター;及び前記第2ティースと前記第2コイルとの間に配置される第2インシュレーターを含み、前記第1ローター本体の上側に配置される前記第1インシュレーターの上面には、前記第1コイルが整列する第1ガイド部が形成されて、前記第2ローター本体の下側に配置される前記第2インシュレーターの下面には、前記第2コイルが整列する第2ガイド部が形成される。
【0010】
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部は各々前記第1インシュレーターの上面と前記第2インシュレーターの下面で陥没形成される溝であり得る。
【0011】
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部は各々前記第1インシュレーターの上面と前記第2インシュレーターの下面で突出する突起であり得る。
【0012】
前記第1ローターと前記第2ローターが結合時、前記第2ティースは、隣接した前記第1ティースの間に形成される第1収容溝に挟まれて、前記第1ティースは、隣接した前記第2ティースの間に形成される第2収容溝に挟まれることができる。
【0013】
前記第1ローター本体と前記第2ローター本体の高さの合計は、前記第1ティースまたは前記第2ティースの高さに対応することができる。
【0014】
他の実施形態として、ローターは、第1ローター本体と、前記第1ローター本体の外周面で放射状に突出する複数の第1ティースを備える第1ローター;前記第1ローターの下側に積層結合されて、第2ローター本体と、前記第2ローター本体の外周面で放射状に突出する複数の第2ティースを備える第2ローター;前記第1ティースに直列に巻線される第1コイル;及び前記第2ティースに直列に巻線される第2コイルを含み、複数の前記第1ティースは、前記第1コイルの巻線数が互いに同一に形成されて、複数の前記第2ティースは、前記第2コイルの巻線数が互いに同一に形成されることができる。
【0015】
前記第1コイルは、前記第1ローター本体の中心を基準に時計回りまたは反時計回りに巻線されることができる。
【0016】
前記第2コイルは、前記第2ローター本体の中心を基準に時計回りまたは反時計回りに巻線されることができる。
【0017】
前記第1ティースは、前記第1ローター本体の外周面で互いに間隔を形成して突出する第1本体、第2本体、第3本体、第4本体を含み、前記第2ティースは、前記第2ローター本体の外周面で互いに間隔を形成して突出する第5本体、第6本体、第7本体、第8本体を含むことができる。
【0018】
前記第1コイルは、前記第1本体、前記第2本体、前記第3本体及び前記第4本体に時計回りに巻線されることができる。
【0019】
前記第2コイルは、前記第5本体、前記第6本体、前記第7本体及び前記第8本体に時計回りに巻線されることができる。
【0020】
前記第2突起部に巻線される前記第2コイルの巻線数をNという時、前記第2コイルは、最初前記第5本体にN/2回巻線されて、前記第6本体にN回巻線された後、前記第7本体にN回巻線されて、前記第8本体にN回巻線されてから、前記第5本体に戻ってN/2回巻線されることができる。
【0021】
前記第2突起部に巻線される前記第2コイルの巻線数をNという時、前記第2コイルは、最初前記第5本体にN-0.5回巻線されて、前記第6本体にN回巻線された後、前記第7本体にN回巻線されて、前記第8本体にN回巻線されて、前記第5本体に戻って0.5回巻線されることができる。
【0022】
さらに他の実施形態として、モーターは、ハウジング;前記ハウジングの内部に配置されるステーター;及び前記ステーターの内側で前記ステーターと対向するローターを含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるローター及びこれを含むモーターは、複数のローター本体が積層されてローターを形成し、各ローター本体にはコイルが巻かれるティースを含み、各ローター本体のティースは、円周方向を基準に互いに交差するように配置されて、分割されたティースが全体ティースを形成するように構成することによって、コイルが巻かれるティースが一体で形成されたローターとは異なり相対的に広い巻線空間が確保される分割されたティースにコイルを巻線するように構成されるので、コイル占積率が高くなり、巻線作業が容易な効果がある。
【0024】
さらに、第1インシュレーターと第2インシュレーターの上、下面にガイド部を備えて、ローターにコイルが堅固に支持されることができて、消耗するコイルの量が減る長所がある。
【0025】
さらに、各ローターには単一のコイルが直列に巻線されるので、コイルの巻線構造が簡素化される長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態に係るモーターを図示した断面図。
【
図3】本発明の実施形態に係る第1ローターと第2ローターの分解斜視図。
【
図4】本発明の実施形態に係る第1ローターの一部を図示した断面図。
【
図5】本発明の実施形態に係る第1ローターの斜視図。
【
図6】本発明の実施形態に係る第2ローターの一部を図示した断面図。
【
図7】本発明の実施形態に係る第2ローターの斜視図。
【
図8】本発明の実施形態に係るローターに巻線されたコイルが形態を示した概念図。
【
図9】本発明の実施形態に係るローターに巻線されたコイルの形態を示した配置図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下説明される本発明は、様々な変換を加えることができて、様々な実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示して詳細な説明で詳細に説明する。
【0028】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。本発明を説明するに当たり、関連した公示技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0029】
本出願で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたもので、本発明を限定する意図はない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、“含む”または“有する”等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0030】
また“第1、第2”等の用語は、様々な構成要素を区分して説明するために用いられることができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるべきではない。前記用語は、一つの構成要素を別の構成要素から区別する目的にだけ用いられる。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るモーターを図示した断面図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るモーター1は、ハウジング2により外形が形成される。なお、前記ハウジング2の内部には、ステーター30と、前記ステーター30の内側に配置されるローター10が備えられる。前記ローター10にはコイル40が巻線されることができる。
【0033】
前記コイル40は、前記ステーター30と電気的相互作用を誘発して、前記ローター10の回転を誘導したり回転する前記ローター10による発電を誘導することができる。
【0034】
詳細には、前記モーター1がスターターモーターとして動作する場合には、印加された駆動電流によって前記ローター10が回転しながら、前記ローター10の回転軸50に連結されたフリーベルト(図示せず)が回転して外部部品(エンジンなど)を駆動させることができる。
【0035】
これとは異なり、前記モーター1がオルタネーターとして動作する場合には、エンジンの駆動によってフリーベルト(図示せず)が回転しながら前記ローター10を回転させて交流を発生させる。発生した交流は直流に変換されて外部部品(バッテリーなど)に供給されることができる。
【0036】
図2は、本発明の実施形態に係るローターの斜視図であり、
図3は、本発明の実施形態に係る第1ローターと第2ローターの分解斜視図である。
【0037】
図2及び3は、本発明を概念的に明確に理解するために主な特徴の部分だけを図示したものであり、図面に図示された特定形状によって本発明の範囲が制限されるのではない。
【0038】
図2及び3を参照すると、本発明の実施形態に係るローター10は、第1ローター100と第2ローター200を含む。前記第1ローター100と前記第2ローター200は、高さ方向に互いに積層されて、結合によって前記ローター10を形成する。なお、前記第1ローター100と前記第2ローター200は、複数のプレートが積層されて形成することができる。以下では、図示したように、前記第1ローター100が前記第2ローター200の上側に結合するのを例にして説明する。
【0039】
図3を参照すると、前記第1ローター100は、円筒形の第1ローター本体120と、前記第1ローター本体120の外周面で放射状に突出形成される複数の第1ティース110を含む。なお、前記第1ローター本体120の中心には、回転軸50が挿入されるホール130が形成される。
【0040】
前記第1ティース110は、複数で備えられて、前記第1ローター本体120の円周方向に沿って一定の間隔を形成して前記第1ローター本体120の外周面に配置される。なお、前記第1ティース110には、第1コイル41が巻線されて、絶縁のために前記第1ティース110と前記第1コイル41との間には、インシュレーター170が配置されることができる。前記インシュレーター170は、前記第1ローター100と結合するので、第1インシュレーター170と命名することができる。
【0041】
詳細には、前記第1ティース110は、前記第1ローター本体120に連結されるアーム(arm)型本体111と、前記本体111の先端に形成されたリーム(rim)型遮断突起112を含む。この際、前記本体111の外面のうち前記第1ローター本体120と隣接した領域にはガイド突起113が突出形成される。なお、前記本体111の外面は、外側に行くほど断面積が広くなるように傾斜面が形成されることができる。
【0042】
なお、前記第1コイル41は、前記本体111に外面に巻線される。この際、前記遮断突起112と前記ガイド突起113によって、前記第1コイル41の巻線作業がより容易に実行されることができる。
【0043】
本実施形態では、前記第1ティース110が4つで備えられて一定の間隔を形成したのを例として挙げている。前記第1ティース110の個数は、モーターの極数により変わることができる。
【0044】
前記第2ローター200は、円筒形の第2ローター本体220と、前記第2ローター本体220の外周面で放射状に突出する複数の第2ティース210を含む。前記第2ローター本体220の中心には、前記回転軸50が挿入されるホール230が形成される。
【0045】
前記第2ティース210は、複数で備えられて、前記第2ローター本体220の円周方向に沿って一程間隔を形成して前記第2ローター本体220の外周面に配置される。なお、前記第2ティース210には、前記第2コイル46が巻線されて、絶縁のために前記第2ティース210と前記第2コイル46との間には、インシュレーター270が配置されることができる。前記インシュレーター270は、前記第2ローター200と結合するので、第2インシュレーター270と命名することができる。
【0046】
詳細には、前記第2ティース210は、前記第2ローター本体220に連結されるアーム(arm)型本体211、前記本体211の先端に形成されたリーム(rim)型遮断突起212を含む。この際、前記本体211の外面のうち前記第2ローター本体220と隣接した領域にはガイド突起213が突出形成される。なお、前記本体211の外面は、外側に行くほど断面積が広くなるように傾斜面が形成されることができる。
【0047】
なお、前記第2コイル46は、前記本体211に巻線される。前記第2ティース210は、前記第1ティース110の個数と同様に4つが備えられる。つまり、前記第2ティース210は、前記第1ローター100と前記第2ローター200が結合時、前記第1ティース110の間の空間に位置するので、前記第2ティース210の個数は、前記第1ティース110の個数に対応することができる。
【0048】
つまり、
図3に図示したように前記第1ローター100と前記第2ローター200が結合時、前記第2ティース210は、隣接した前記第1ティース110の間に形成される第1収容溝115に挟まれて、前記第1ティース110は隣接した前記第2ティース210の間に形成される第2収容溝215に挟まれるものと理解される。つまり、前記第1ティース110と前記第2ティース210は、円周方向を基準に互いに異なる位置に配置される。
【0049】
このような、前記第1ローター100と前記第2ローター200は、軸方向を基準に前記第1ローター100が上側に、前記第2ローター200が下側に配置されて、各ティース110、210が相補的状態で積層結合することができる。
【0050】
さらに、前記第1ローター本体120と前記第2ローター本体220の各高さは、前記第1ティース110または前記第2ティース210の高さと対応することができる。
【0051】
図4は、本発明の実施形態に係る第1ローターの一部を図示した断面図であり、
図5は、本発明の実施形態に係る第1ローターの斜視図である。
【0052】
図4及び5を参照すると、前記第1ティース110の高さ(h2)は、前記第1ローター100の高さ、つまり前記第1ローター本体120の高さ(h1)よりも高く形成される。ここで、前記高さとは、モーターの軸方向を基準にする。例えば、前記第1ティース110は、前記第1ローター本体120よりも下向きに突出する第1延長部114を含むことができる。前記第1延長部114は、前記第1ティース110の延びた部分で前記第2ティース210の第2ローター本体220に結合する領域と理解される。
【0053】
図3乃至5を参照すると、前記第1延長部114は、前記第2ローター200の第2ローター本体220の外周面と整列する曲面形態の内周面を含むスライドエッジ部114aを含むことができる。前記スライドエッジ部114aの内周面は、前記第2ティース210の第2ローター本体220の外周面とスライド移動可能に接触する。
【0054】
一方、前記第1インシュレーター170の上面には、前記第1コイル41が整列するガイド部121が形成される。前記ガイド部121は、前記第1インシュレーター170の上面で隣接した前記第1ティース110との間を連結するように配置される。一方、前記ガイド部121は、前記第1インシュレーター170に形成されるので、第1ガイド部121と命名することができる。
【0055】
前記第1ガイド部121は、前記第1インシュレーター170の上面から突出する突起または上面で陥没する溝形態で形成されることができる。
【0056】
本発明の実施形態に係る第1ローター100は、単一の第1コイル41が直列に巻線される。例えば、前記第1コイル41は、正の側端部41aから巻線が始まって負の側端部41bで巻線が終了することができる。この際、前記第1コイル41が、ある一つに突起部に巻線された後、隣接した他の突起部に移動時、前記第1ガイド部121に一部の領域が収容される。これによって、前記第1コイル41が、前記第1ローター100で堅固に支持されることができて、巻線に必要なコイルの量がより少なくなる長所がある。言い換えると、前記第1ガイド部121は、隣接した突起部間に巻線されたコイルを直列に連結するコイルが収容される構成として理解されることもできる。
【0057】
本実施形態では、前記第1ティース110が4つ配置されたので、前記第1ローター100には三つの第1ガイド部121が隣接した前記第1ティース110を連結して形成されることができる。
【0058】
図6は、本発明の実施形態に係る第2ローターの一部を図示した断面図であり、
図7は、本発明の実施形態に係る第2ローターの斜視図である。
【0059】
図7の第2ローター200は、
図3の第2ローター200の上、下方向を逆にして図示した図面である。
【0060】
図6及び7を参照すると、前記第2ティース210の高さ(h4)は、前記第2ローター200の高さ、つまり、前記第2ローター本体220の高さ(h3)よりも大きく形成される。例えば、前記第2ティース210は、前記第2ローター本体220よりも上向に突出する第2延長部214を含むことができる。前記第2延長部214は、前記第2ティース210が延びた部分で前記第1ティース110の第1ローター本体120に結合する所である。
【0061】
図3及び
図6を参照すると、前記第2延長部214は、前記第1ローター100の第1ローター本体120の外周面と整列する曲面形態の内周面を含むスライドエッジ部214aを含むことができる。前記スライドエッジ部214aの内周面は、前記第1ティース110の第1ローター本体120の外周面とスライド移動可能に接触する。
【0062】
前記第2ローター200のうち前記第2インシュレーター270の下面にも前記第2コイル46が整列するガイド部221が形成される。前記ガイド部221は、前記第2インシュレーター270の下面で隣接した前記第2ティース210との間を連結するように配置される。一方、前記ガイド部221は、前記第2インシュレーター270に形成されるので、第2ガイド部221と命名することができる。
【0063】
前記第2ガイド部221は、前記第2インシュレーター270の下面から突出する突起または下面で陥没する溝形態で形成されることができる。
【0064】
本発明の実施形態に係る第2ローター200は、単一の第2コイル46が直列に巻線される。例えば、前記第2コイル46は正側端部46aから巻線が始まって負側端部46bで巻線が終了することができる。この際、前記第1コイル41が、ある一つの突起部に巻線された後隣接した他の突起部に移動時、前記第2ガイド部221に一部の領域が収容される。言い換えると、前記第2ガイド部221は、隣接した突起部間に巻線されたコイルを直列に連結するコイルが収容される構成として理解されることもできる。よって、前記ローター10の側面から見て、前記ローター10の上、下面には、各々前記ガイド部121、221が形成されて、前記第1コイル41と前記第2コイル46の一部を収容するものと理解されることができる。
【0065】
本実施形態では、前記第2ティース210が4つ配置されたので、前記第2ローター本体100には、4つの第2ガイド部221が隣接した前記第2ティース210を連結して形成されることができる。
【0066】
前記第1ローター100と前記第2ローター200のガイド部121、221の個数が各々異なるのは、前記第1ローター100に巻線される前記第1コイル41の両側端部は、隣接した前記第1ティース110との間に配置されて、前記第2ローター200に巻線される前記第2コイル46は、両側端部が一つの第2ティース210の両側で上方に延びるためである。これは、下部に配置される前記第2ローター本体100に巻線される前記第2コイル46の両側端部を前記第1コイル46の両側端部と同じ方向に延長させるためのものであって、これに関する内容は後述する。
【0067】
以下では前記コイル40の巻線方式について説明する。
【0068】
図8は、本発明の実施形態に係るローターに巻線されたコイルが形態を示した概念図であり、
図9は、本発明の実施形態に係るローターに巻線されたコイルの形態を示した配置図である。
【0069】
図8及び
図9を参照すると、本発明の実施形態に係る第1ローター100と前記第2ローター200は、各々単一のコイル40が直列に巻線される。詳細には、前記第1ローター100に巻かれる前記第1コイル41は、一端が正極300に連結されて、他端が負極400に連結されて、前記第1ローター100に直列に巻かれる。ここで、前記正極300は、前記負極400に比べて電位が高い極を意味し、前記正極300と前記負極400は、互に隣接するように配置されることができる。
【0070】
なお、前記第2ローター200に巻かれる前記第2コイル46は、一端が前記正極300に連結されて、他端が前記負極400に連結されて、前記第2ローター本体100に直列に巻かれる。ここで、ローター本体に直列に巻かれるとは、単一のコイル線が複数の前記第1ティース110に巻かれて、両端が各々前記正極300と前記負極400に連結されるものと理解される。前記第2ティース210に巻かれる前記第2コイル46も同様である。これにより、並列に巻線されるのに比べてコイルの巻線構造が簡素化されて、消耗するコイルの量が減る長所がある。
【0071】
一方、前記第1ティース110が、前記第1ローター本体120の円周方向に沿って複数に配置されるとは、前述とおりである。この際、複数の前記第1ティース110間に前記第1コイル41の巻き取り回数、つまり巻線数(turns)は、全て同一であり得る。
図5、
図8及び
図9を参照すると、例えば前記第1コイル41が第1本体111aを2回転して前記第1ティース110に結線されると、第2本体111b、第3本体111c、第4本体111dにも2回転して結線されることができる。
【0072】
これにより、複数の突起部は、コイルの巻線数が互いに同一であるため、均一な電磁気力を提供できる長所がある。さらに、前記第1ティース110のコイル巻線数と前記第2ティース210のコイル巻線数も同一であり得る。
【0073】
より詳細には、前記第1コイル41の巻線方式を説明すると、前記第1コイル41は、前記第1ローター100の中心である前記ホール130を基準に、時計回りまたは反時計回りに前記第1ローター100に巻線されることができる。一端が前記正極300から始まる前記第1コイル41は、
図9に図示したように、第1本体111aにまず巻線された後前記第2本体111bに巻線されることができる。それから、前記第3本体111cに巻線された後、前記第4本体111dに巻線されることができる。なお、前記第4本体111dに巻線された後前記第1コイル41の他端は前記負極400に連結される。
【0074】
この際、前記第1本体111a、前記第2本体111b、前記第3本体111c及び前記第4本体111dに巻線される前記第1コイル41の巻線方向は同一であり得る。例えば、前記第1本体111aに前記第1コイル41が時計回りに巻線される場合、前記第2本体111b、前記第3本体111c及び前記第4本体111dにも前記第1コイル41は時計回りに巻線される。さらに、前記第1本体111aに前記第1コイル41が反時計回りに巻線される場合、前記第2本体111b、前記第3本体111c及び前記第4本体111dにも前記第1コイル41は反時計回りに巻線される。
【0075】
同様に、複数の前記第2ティース210間に前記第2コイル46の巻線数(turns)も全部同一であり得る。
【0076】
説明の便宜のために、前記第2ティース210の各本体を第5本体211a、第6本体211b、第7本体211c及び第8本体211dと命名して説明する。
【0077】
但し、前記第1コイル41とは異なり、前記第2コイル46は、最初前記第5本体211aに巻線される時、他の本体211b、211c、221dの巻線数の一部回数だけ巻線される。なお、前記他本体211b、211c、221dに巻線されて再び前記第5本体211aに前記第2コイル46が戻ってくると、前記他の本体211b、211c、221dの巻線数と同一になるように残りの回数が巻線される。つまり、前記第2コイル46は、前記第2ローター200の下面に一部の領域が支持されて、前記第2ティース210の両側で両端が上方に延びるので前記のような巻線方法によって各突起部間の巻線数を同一に形成することができる。
【0078】
言い換えると、前記第2ローター200に巻かれる前記第2コイル46の両端部は、前記第1コイル41の両端部延長方向と同一方向である前記ローター10の上方に延びなければならないので、前記第1ローター100とは異なり両端部が前記第2ティース210の両側に位置する。従って、各本体に巻線されるコイルの巻線数を同一に構成するために、最初には一部回数だけ前記第5本体211aに巻線されて、残りの回数は最後に巻線される。
【0079】
より詳細には、前記第2コイル46の巻線方式を説明すると、前記第2コイル46は、前記第2ローター200の中心である前記ホール230を基準に、時計回りまたは反時計回りに前記第2ローター200に巻線されることができる。一端が前記正極300から始まる前記第2コイル46は、
図9に図示したように、第5本体211aに一部が巻線された後前記第6本体211bに巻線されることができる。それから、前記第7本体211cに巻線された後、前記第8本体211dに巻線されることができる。なお、前記第8本体111dに巻線された後前記第5本体211aに残りの回数が巻線されて、前記第2コイル46の他端が前記負極400に連結される。
【0080】
例えば、複数の前記第2ティース210の中の一つの突起部に巻線される前記第2コイルの巻線数をNという時、前記第2コイル46は、最初前記第5本体211aにN/2回巻線されて、前記第6本体211bにN回巻線された後、前記第7本体211cにN回巻線されて、前記第8本体211dにN回巻線されて、前記第5本体211aに戻って残りのN/2回巻線される。
【0081】
他の例として、複数の前記第2ティース210の中の一つの突起部に巻線される前記第2コイルの巻線数をNという時、前記第2コイル46は、最初前記第5本体211aにN-0.5回巻線されて、前記第6本体211bにN回巻線された後、前記第7本体211cにN回巻線されて、前記第8本体211dにN回巻線されて、前記第5本体211aに戻ってきて残りの0.5回巻線されることができる。
【0082】
この際、前記第5本体211a、前記第6本体211b、前記第7本体211c及び前記第8本体211dに巻線される前記第2コイル46の巻線方向は同一であり得る。例えば、前記第5本体211aに前記第2コイル46が時計回りに巻線される場合、前記第6本体211b、前記第7本体211c及び前記第8本体211dにも前記第2コイル46は時計回りに巻線される。さらに、前記第5本体211aに前記第2コイル46が反時計回りに巻線される場合、前記第6本体211b、前記第7本体211c及び前記第8本体211dにも前記第2コイル46は反時計回りに巻線される。
【0083】
前記のような構成のローター10によると、複数のローター本体が積層されてローターを形成して、各ローター本体には、コイルが巻かれる突起部を含み、各ローター本体の突起部は、円周方向を基準に互いに交差するように配置されて、分割された突起部が全体突起部を形成するように構成することによって、コイルが巻かれる突起部が一体で形成されたローターとは異なり相対的に広い巻線空間が確保される分割された突起部にコイルを巻線するように構成できるので、コイル占積率を高めて、巻線作業が容易な有利な効果がある。
【0084】
さらに、第1インシュレーターと第2インシュレーターの上、下面にガイド部を備えて、ローター本体にコイルが堅固に支持されることができて消耗するコイルの量が減る長所がある。
【0085】
さらに、各ローター本体には、単一のコイルが直列に巻線されるので、コイルの巻線構造が簡素化される長所がある。
【0086】
一方、本図面に開示された実施形態は理解を助けるために特定例を提示したことに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするのではない。ここに開示された実施形態以外にも本発明の技術的思想に基づいて他の比較例が実施可能であることは、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者には自明である。