IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7071996プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム
<>
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図1
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図2
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図3A
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図3B
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図4
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図5
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図6
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図7A
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図7B
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図8
  • -プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】プラグ・コネクタ・モジュールおよびプラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュラー・システム、ならびにそのモジュラー・ハウジング・フレーム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/514 20060101AFI20220512BHJP
   H01R 13/518 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
H01R13/514
H01R13/518
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019553522
(86)(22)【出願日】2018-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2018058502
(87)【国際公開番号】W WO2018178401
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】202017101914.4
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ストレムラウ
(72)【発明者】
【氏名】ティル ブリンクマン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン グリペンストロー
(72)【発明者】
【氏名】ロマーノ ダイメル
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-534795(JP,A)
【文献】米国特許第05295870(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/514-13/518
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラー・システムから作製される矩形のプラグ・コネクタ(10;210)であって、ラインのための複数のプラグ・コネクタ・モジュール(18)及び、複数のプラグ・コネクタ・モジュール(18)を内部で受け入れるための複数の同一の受け入れ手段(30a、30d、230a、230d)を有する、少なくとも1つの第1のハウジング・フレーム(11、211)を含み、前記プラグ・コネクタ・モジュール(18)は、第1の前記ハウジング・フレーム(11、211)にそれぞれ受け入れられ、第1の前記ハウジング・フレームは、第1の前記ハウジング・フレームのフレーム幅(B1、B)を画定する2つの平行の広い側壁(14、214)、およびそれらに対して垂直で第1の前記ハウジング・フレームのフレーム高(H)を画定する2つの平行の狭い側壁(16、216)を有し、
- 前記フレーム幅(B1、B)は、前記フレーム高(H)の実質的にN倍で、ここでNは自然数であり、
- 前記広い側壁(14、214)および前記狭い側壁(16、216)は、接続要素(20、220A、220B)を有し、広い側壁(14、214)のそれぞれの接続要素(20、220A、220B)は、狭い側壁(16、216)の接続要素(20、220A、220B)に対応し、
- 複数の接続要素(20、220A、220B)は、各広い側壁(16、216)で、前記フレーム高(H)に対応するグリッド距離(R)で前記フレーム幅(B1、B)に沿って配置され、それによって複数の第1のハウジング・フレーム(11、211)は、それらの接続要素(20、220A、220B)によって共にモジュール式に接続され、矩形のプラグ・コネクタ(10、210)を形成し得、
各第1のハウジング・フレーム(211)は複数の部品構成であり、第1の前記ハウジング・フレームは複数の部品(211A、211B、211C)から構成される、矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項2】
全ての接続要素(20、220A、220B)は、ポジティブ・ロック接続のために前記広い側壁および狭い側壁(14、16)それぞれに外側に設けられ、ならびに/または全ての接続要素(20、220A、220B)は同一もしくは相補的な構成である、請求項1に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項3】
複数のプラグ・コネクタ・モジュール(18)を内部に固定するために、少なくとも2つの同一の受け入れ手段(30a、30b)を有する少なくとも1つの第2のハウジング・フレーム(12)が設けられ、第2の前記ハウジング・フレームは、第2の前記ハウジング・フレームの幅を画定する2つの平行の側壁(14)、およびそれらに垂直で、第2の前記ハウジング・フレームのフレーム高を画定する2つの平行の側壁(16)を有し、
- 前記フレーム幅(B2)は前記フレーム高(H)と等しく、第1の前記ハウジング・フレーム(11)の前記フレーム高(H)と等しく、
- 前記側壁(14、16)は、ポジティブ・ロック接続のための接続要素(20)を有し、側壁(14、16)の接続要素(20)は、前記矩形のプラグ・コネクタ(10)を形成するために、複数の第2のハウジング・フレーム(12)がそれらの接続要素によって互いに、および/または第1のハウジング・フレーム(11)にモジュール式に接続できるよう、隣接する前記側壁(14、16)の接続要素にそれぞれ対応する、請求項1又は2に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項4】
前記接続要素(20、220A、220B)の少なくとも一部は、溝形接続のために、前記ハウジング・フレーム(11、12、210)の深さ方向に延びる溝の形態である、請求項2又は3に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジング・フレームの前記接続要素(20、220A、220B)と協働する別個の接続要素(22、222)が設けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項6】
前記別個の接続要素(222)は、少なくとも前記ハウジング・フレームの接続要素(220A、220B)と堅固にロックする関係で協働し、前記ハウジング・フレーム(221)との掛止係合のための鏡像対称構成の2つの掛止舌部(225)、および/または、ねじの皿穴(229)を備えた2つのねじ穴(228)を有する、請求項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項7】
各第1のハウジング・フレーム(211)は、3つの主部分で構成され、複数のプラグ・コネクタ・モジュール(18)を受け入れるフレーム形状である前部(211A)と、共に接続されかつ前記前部に接続できる2つの協働するシェル状の後部(211B、211C)とから構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項8】
前記プラグ・コネクタ・モジュール(18)の受け入れ手段(230a、230b、230c、230d)を有する保持フレームが、前記ハウジング・フレーム(211)に配置され、または、前記プラグ・コネクタ・モジュール(18)の相手手段(19A、19B)と掛止目的で協働する、それぞれ対向して配設される第1および第2のポジティブ・ロック凹部(31、32)が、前記広い側壁(16)の両方の内側の各受け入れ手段(30a、30b、30c、30d)に設けられ、それによって前記ハウジング・フレーム(11、12)に拘束され、かつ向きを決められる、請求項1からのいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項9】
前記ハウジング・フレームの後側に、複数のケーブル貫通開口部が設けられ、前記ハウジング・フレームにおいて深さ(T)方向で、前記ケーブル貫通開口部と前記受け入れ手段(30a、30b、30c、30d)との間に、弾性歪み解放デバイス(270A、270B)が設けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項10】
前記矩形のプラグ・コネクタは、ハウジング・フレーム(11、12、211)から構成され、前記ハウジング・フレームを囲む別のハウジングがない場合に、前記プラグ・コネクタ・モジュール(18)の差し込み接続のためにハウジング・フレーム(11、12、211)から構成されたさらなる矩形のプラグ・コネクタと協働する、請求項1からのいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項11】
前記矩形のプラグ・コネクタは、複数のハウジング・フレームから構成され、少なくともいくつかのハウジング・フレーム(11、12)は、射出成形処理を使用してプラスチックで作られ、および/または、圧力ダイカスト処理を使用して金属で作られる、請求項1から10のいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項12】
別個の取り付けフランジ(13)、アングル部材、および/または取り付けプレートが設けられ、それらは、前記矩形のプラグ・コネクタ(10)を、機械部品又はスイッチ・キャビネットのようなそれぞれの接続箇所に固定するために、接続要素(20)と協働する、請求項1から11のいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項13】
前記ハウジング・フレーム(11、12)に、接続された2つの矩形のプラグ・コネクタ(10、210)を固定するための固定可能なロック部が設けられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項14】
各第1のハウジング・フレーム(11、211)は、プラグ・コネクタ・モジュール(18)を固定するために、2n個の偶数の同一の受け入れ手段(30a、30b、30c、30d、230a、230b、230c、230d)を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項15】
異なる伝送媒体のためのいくつかの異なるプラグ・コネクタ・モジュールが、前記矩形のプラグ・コネクタに組み合わせられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の第1の矩形のプラグ・コネクタ(10;210)及びさらなる矩形のプラグ・コネクタ(10;210)を有し、前記第1の矩形のプラグ・コネクタ及び前記さらなる矩形のプラグ・コネクタは、複数の第1のハウジング・フレーム(11、211)又は第1及び第2のハウジング・フレーム(11、12、211)から構成され、前記第1の矩形のプラグ・コネクタ及び前記さらなる矩形のプラグ・コネクタは、前記プラグ・コネクタ・モジュール(18)のプラグ接続部のためにプラグおよび相手プラグとして協働する、プラグ・アセンブリ。
【請求項17】
電気ラインのプラグ接続のための、請求項1から15のいずれか一項に記載の第1の矩形のプラグ・コネクタ(10;210)及びさらなる矩形のプラグ・コネクタ(10;210)の使用であって、前記第1の矩形のプラグ・コネクタ及び前記さらなる矩形のプラグ・コネクタは、前記プラグ・コネクタ・モジュール(18)のプラグ接続部のためにプラグおよび相手プラグとして協働する、使用。
【請求項18】
前記別個の接続要素(22、222)は、溝形接続のための別個の接続舌部の形態であり、前記接続要素(20、22、220A、220B、222)は蟻継ぎ接続の断面構成である、請求項に記載の矩形のプラグ・コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、異なるプラグ・コネクタ・モジュールに基づくプラグ・コネクタ・ユニットを作製するためのモジュラー構造システムに関し、特に、異なる種類の伝送および対応するプラグコネクト・ユニットのための、矩形のプラグ・コネクタ・ユニットに関する。本発明は、特に矩形のプラグ・コネクタ・ユニットの、モジュラー・ハウジング・フレームに関する。
【0002】
本発明は、特に、いわゆる電力および/または電気信号のためのプラグ・コネクタである、電気プラグ・コネクタの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
複数の非常に異なるプラグ・コネクタ・モジュールを有する、世に出ている一般的な種類のモジュラー・システムは、例えばD-32427 MindenにおけるHARTING Deutschland GmbH & Co.KG社の、「Han-Modular(登録商標)システム」の商品名で提案されている。このシステムは、例えば非特許文献1に記載されている。他の製造者も、類似のシステムを提案している。それらは、異なるプラグ・コネクタ・モジュールを接続して、ユニットを形成するのを可能にする。
【0004】
それは、いわゆる保持フレーム、特にフレーム内に複数のプラグ・コネクタ・モジュールを受け入れるための複数の同一の受け入れ手段を有する、連接フレームに基づき、例えばHARTINGシステムに実施されている。このフレームは、フレームの幅を画定する2つの平行の広い側壁と、それらに対して垂直で、ハウジング・フレームの高さを画定する2つの平行の狭い側壁と、を有する。そのシステムにおいて、狭い側壁は、広い側壁をロック位置から、およびロック位置へ枢動可能に開閉させるよう働く、回転式連接部を有する。特許文献1は、このような連接フレーム、および連接フレームのプラグ・コネクタ・モジュールとの協働を記載している。連接フレームによって、好適なモジュラー固定手段を用いて設計されたプラグ・コネクタ・モジュールの機械的接続が可能になる。
【0005】
好適なプラグ・コネクタ・モジュールの例が、特許文献1の図3に示され、他の例が例えば特許文献2に記載されている。
【0006】
世に出ている一般的な種類のシステムを伴い、電流、信号、操作媒体などの、異なる伝送媒体のための複数の異なるプラグ・コネクタ・モジュールは、プラグ・コネクタ・ユニット内で選択的に組み合わせることができる。異なるプラグ・コネクタ・モジュールを、共に1つのユニットに集めることによって、設定時間およびメンテナンス時間を短縮し、かつ必要な空き容量を低減させる。
【0007】
上述の非特許文献1、および特許文献2(図4参照)から判るように、従来の公知のシステムにおいて、所望のプラグ・コネクタ・モジュールを用いて組み立てた後で、それぞれの連接フレームには、別個のプラグ、またはプラグ・コネクタ・ユニットの実際のハウジングとして機能する装着ハウジングが設けられ、例えば連接フレームはケーブル支持スリーブまたは装着固定具を有する。
【0008】
別の製造者から世に出されている一般的な種類の別のシステム、および別のプラグ・コネクタ・モジュールが、特許文献3(図5参照)に記載されている。特許文献3の図6も原理を開示しており、それによっていくつかの同一のハウジング・フレームが、ユニットの形態に延びる方向に共通に並列された関係に配置される。ハウジング・フレームの各々は、個々のプラグ・コネクタ・モジュールをそれぞれ1つのみ受け入れる。
【0009】
さらに、例えば特許文献4または特許文献5に記載されているように、世に出ている一般的ではない種類のシステムが知られており、それは、電気接触のためのプラグおよびソケット絶縁体が1列に配置され、共に接続されて、プラグおよびソケットそれぞれに直接設けられた接続手段によってユニットを形成する。その場合、別個の保持フレームはなく、実際のプラグまたは装着ハウジングもない。このようなプラグおよびソケット体のための代替のモジュラー原理では、わずかな機械的積載しか可能にせず、様々な伝送媒体のうちの一部の組み合わせのみしか可能にしないので、多くの産業用途にはむしろ不適である。さらに、産業で必要な封止等級は、それを用いてもほとんど履行できない。
【0010】
さらに特許文献6は、互いに接続可能で、ラックのフレーム構造に特定の同軸貫通接続スリーブを取り付けるよう意図された、ハウジング・フレームを提案している。そのアプローチも、世に出ている一般的な種類ではなく、または異なる分野に関している。なぜなら、フレームのみがラックを作製するための組み立て補助器具を含むが、実際のプラグ・コネクタ・ユニット、すなわちプラグおよび相手プラグの形態で接続できるユニットの、ハウジング部分を含まないからである。
【0011】
対照的に、本明細書の始めの部分における、世に出ている一般的な種類のモジュラー・システムは、実際の価値を実証し、多くの利点を提供している。しかし、例えば連接フレームの異なる幅、および多数のプラグ、ソケット、または装着ハウジングなど、多くの異なる構成要素を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】独国特許第19707120号明細書
【文献】欧州特許第1398853号明細書
【文献】欧州特許第1309040号明細書
【文献】米国特許第3289145号明細書
【文献】独国特許出願公開第3014755号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0287661号明細書
【文献】欧州特許第2537212号明細書
【文献】独国実用新案第202017101483号明細書
【非特許文献】
【0013】
【文献】catalog「HARTING Selection Guide-Han-Modular(登録商標)Steckverbinder」(Version3,2016-11-21)
【発明の概要】
【0014】
本発明の第1の目的は、システムのモジュール性を促進させることである。好ましくは、この目的は同時に、構成要素の全体必要数またはモジュラー・システムの構成部品の全体必要数を低減することを可能にする。それらを用いて構築されたプラグ・コネクタ・ユニットは、特に産業用途における電気プラグ接続のために好適であることが意図される。
【0015】
その目的は、請求項1に明記されたモジュラー・システムによって実現される
【0016】
プラグ・コネクタ・モジュール、特に矩形のプラグ・コネクタ(省略して矩形のコネクタと呼ぶ)を作製するために、世に出ている一般的な種類のモジュラー・システムは、いくつかのハウジング・フレームを含むが、いずれの場合も、内部で複数のプラグ・コネクタ・モジュールを受け入れるための複数の同一の受け入れ手段を有する、少なくとも1つのハウジング・フレームを含む。このハウジング・フレームは、ハウジング・フレームのフレーム幅を画定する2つの平行した広い側壁と、それらに対して垂直で、ハウジング・フレームのフレーム高を画定する2つの狭い側壁と、を有する。
【0017】
本発明によると、この第1のタイプのハウジング・フレームには、以下のことが提供される。
-フレーム幅が、実質的にフレーム高の整数倍であり、より具体的かつ正確には、整数倍に第1の接合部の遊び(製造ばらつきを除く)を加えたものであり、この遊びは、所定の連接空隙寸法として意図的に設けられる。
-広い両側壁および狭い両側壁、すなわち全ての側壁が、特に外側で解放可能な接続部のための、好ましくはポジティブ・ロック接続または固定のための、接続要素をそれぞれ有する。広い側壁のそれぞれの接続要素は、狭い側壁の接続要素に対応するか、または両方が、別のハウジング・フレームに固定する目的のために協働するよう適合された構成である。
-各広い側壁には、グリッド間隔において共通の間隔関係にある少なくとも2つの接続要素が配置される。フレーム幅に沿って測定されたこのグリッド間隔は、フレーム高、すなわち正確にはハウジング・フレームのフレーム高に、第2の所定の接合部の遊び(製造ばらつきを除く)を加えたフレーム高に相当する。
【0018】
前述の特徴の組み合わせによって、複数のハウジング・フレーム(可能であれば第1のタイプと同一のもの)が、プラグ・コネクタ・ユニットを形成するために、ハウジング・フレームの接続要素によってモジュラー機構関係で共に接続されるのを可能にする。
【0019】
その点において、ベース・ユニットとして選択されたフレーム高に対して、おおよそN倍のフレーム幅を有する、第1のタイプのハウジング・フレームは、さらなる第2の段階によっていわゆるハウジング・レベルにおけるコネクタ・システムのモジュール性を拡張する、ベース構成要素またはハウジング・ベース・モジュールの典型である。一方で、その場合ハウジング・フレーム自体は、個々に、または別のハウジング・フレームを伴って、いわゆる第1のモジュール段階を表わす公知のプラグ・コネクタ・モジュールをそれ自体が受け入れるための、実際のハウジングとして働く。それらのプラグ・コネクタ・モジュールは、モジュラー絶縁体、および絶縁体が所定の位置に保持する電気接触部または他の媒体コネクタを、実質的に備える。さらに、ハウジングを作製するために要する構成要素の数、特に矩形のコネクタ・ハウジングの数は、モジュラー構造(モジュラー構成要素の形態)において協働するハウジング・フレームの少ない数によって減少される。とりわけ、多くのコネクタ・サイズを有するために、それぞれに対応する好適な寸法の保持フレーム、プラグ・ハウジング、ソケット・ハウジング、取り付けハウジングなどを保管する必要性がなくなる。
【0020】
この点の重要な態様は、ハウジング・フレームの構造深さに対して垂直である範囲の、2つの方向においてグリッド状の関係に適応する、いわゆる幅および高さの寸法である。接続面または組み立て面の、それら2つの垂直方向(構造深さに対して垂直)において、広い側および狭い側の寸法は、モジュール化に好適な、Nを法としたサイドレシオになるよう選択される。換言すると、(わずかな接合部の遊びを無視する場合)広い側が延びる方向の寸法は常に、狭い側が延びる方向の寸法のN倍となる。ここでNは、特に1と4との間、好ましくは2≦N≦4の自然数を表わす。
【0021】
別の重要な態様は、複数のハウジング・フレームがモジュラー・システムの構成要素のように選択的に組み立てることができるよう、コネクタがモジュール的に適応する関係に配置される、グリッド寸法である。その点において、狭い側壁では、少なくとも1つの接続要素または1つのみの接続要素を提供することが可能であり、一方で長い側壁では、グリッド関係の間隔で少なくとも2つの接続要素が常に存在する。
【0022】
複数のハウジング・フレームを組み立てることによって、プラグをワンステップで、別のプラグ・コネクタ・ユニット、特に相手プラグとして複数のハウジング・フレームから共に同様に嵌合されるプラグ・コネクタ・ユニットに接続でき、そこから解放できるプラグ・コネクタ・ユニットを形成することが可能である。
【0023】
側壁の寸法および接続要素のグリッドサイズを決定することの両方に関して、それぞれ好適な接合部の遊びを許容すべきであり、それによって任意の方向における容易な組み立てが可能になり、ハウジング・フレームの製造ばらつき、および考えられるわずかな変形も容認する。それは、個々のハウジング・フレームからプラグ・コネクタ・ユニットを組み立てるのを容易にする。広い側のN倍の寸法のための、第1の接合部の遊びは、グリッド関係における第2の接合部の遊びと同一であってよい。両方それぞれは、狭い側が延びる方向(深さに対して垂直方向)の寸法の、特に5%より十分小さく、好ましくは3%未満の、非常に小さい比率となる。第1および第2の接合部の遊びは、組み立て面が延びる方向の狭い側のそれぞれの寸法によって、例えば、数10分の1ミリメートルから数ミリメートルであってよい。その点において、接合部の遊びはそれぞれ、相互接続したハウジング・フレームのしっかりとした嵌合または接続を保証するよう、十分小さく設定される。関連する遊びが実質的になくても、ハウジング・フレームの固定は実施されるべきである。
【0024】
本発明によるモジュラー・ハウジング・フレームはその場合、従来の公知の連接フレームの少なくともかなりの機能を、プラグ、ソケット、またはプラグ、ソケットを受け入れる装着ハウジングと、モジュラー構成に組み合わせる。
【0025】
上記または各ハウジング・フレームは、1つの部品構造であってよく、または好ましくは複数の部品構造もしくは組成であってよい。ハウジング・フレームは、2つの主部分から構成され得る。1つの実施形態において、ハウジング・フレームは3つの主部分を有する。3つの主部分は、それ自体または保持フレームによって、個々のプラグ・コネクタ・モジュールのための受け入れ手段を形成する、フレーム形状の前部と、この前部に深さ方向に接続され、かつ垂直方向に互いに接続され得る2つの協働するシェル状の後部と、である。これによって、とりわけケーブル組み立てを容易にすることができ、弾性歪みの解放手段における締め付け作用が実現され得る。その目的のため、特に弾性歪みの解放デバイスを、ケーブル通過開口部とプラグ・コネクタ・モジュールの受け入れ手段との間の内部に設けることができる。歪み解放手段は、1つのみの後側の主部分によって、代替的に実施され得る。
【0026】
記載すべき別の態様は、ハウジング・フレームの全ての4つの外側、すなわち各側壁においてコネクタを伴う構成である。それは、フレームの深さ、または(組み立て面における)プラグ接続方向に対して垂直の両方向の範囲でのモジュラー組み立てを可能にする。それは、モジュラー構造のプラグ・コネクタ・ユニットにおける両方の寸法を自由に選択できる、全体のサイズ決めを可能にする。
【0027】
第1のベース構成要素の場合、または第1のタイプのハウジング・フレームの場合、フレーム幅は、フレーム高の正確に倍(2倍の寸法)プラス接合部の遊びであってよい。
【0028】
さらに、第2の構成要素として、フレーム・モジュール・システムの最小のユニットまたは最小の構成要素の典型である、第2のタイプの少なくとも1つのハウジング・フレームが提供され得る。そのハウジング・フレームは、複数のプラグ・コネクタ・モジュールを、例えばポジティブ・ロック固定することによって、ハウジング・フレームの内部に嵌合させるための、少なくとも2つの同一の受け入れ手段を有する。
【0029】
本発明によると、この場合においても第1のタイプと同様に、第2のタイプのハウジング・フレームに、以下のことが提供される。
- フレーム幅はフレーム高と同一、すなわちN=1の場合のN倍である。
- 全ての側壁はそれぞれ、少なくとも1つ、あるいは複数の特にポジティブ・ロック接続のための接続要素を有する。側壁の接続要素は、隣接する側壁の接続要素に対応し、特に、第1のハウジング・フレームの広い側壁または狭い側壁の接続要素にそれぞれ対応する。
【0030】
したがって、複数の第2のハウジング・フレームは、それらの接続要素によって、特に第1のタイプである少なくとも1つの別のハウジング・フレームに、モジュール式に接続させることができ、プラグ・コネクタ・ユニットを形成する。
【0031】
接続要素の相関性は、この場合において概ね解明されることになる。共通して対応する接続要素は、共通に適応する関係で直接的に協働することができるか、または、2つの対応する接続要素と適応関係に設計された、別の別個の接続要素によって固定目的で実施され得る。
【0032】
プラグ・コネクタ・ユニットのためのモジュール式拡張システムの、特に簡単な実施形態は、上述の第1のタイプのハウジング・フレームのみか、または上述の2つのタイプのハウジング・フレームのみ、あるいはそれらと互換性があり、かつそれ自体はプラグ・コネクタ・モジュールを受け入れない追加の構成要素、特にカバーまたは後側クロージャ、および例えば取り付けプレート、取り付け要素、プラグ・ロック手段などを備える。モジュラー形態で使用され得る、少なくとも1つの別個のコネクタ要素が、モジュラー・システムにも属することができる。
【0033】
上記で説明したような1つのみのハウジング・フレーム・タイプを用いて、両方向の範囲に比較的自由に選択できる合計サイズを含む、一体のプラグ・コネクタを構築することがすでに可能である。
【0034】
特に上述のハウジング・フレームの両方のタイプを用いて、両方向の範囲に比較的自由に選択可能な合計寸法を伴う、一体のプラグ・コネクタを構築することが可能になる。
【0035】
各タイプのハウジング・フレーム、特に第1のタイプのハウジング・フレームおよび第2のタイプにも提供される場合、それぞれがペア状の関係に対応するか、または共通の協働、好ましくはポジティブ・ロック接続を作製するための好適な接続要素が提供される。その点において、基本的に全ての種類のポジティブ・ロックおよび/またはフォース・ロックコネクタが適している。このコネクタは、側壁の主面における機械的に固定された接続部、およびその主面に対して垂直の引張力に対して最小の強度を提供する。プラグイン方向の強度は、プラグ接続を操作するために十分である。引張力に対する最小の強度は、例えば取り付けプレート、カバーなどの別の構成要素によって、必要な固定に対して補足され得る。
【0036】
好ましい開発において、接続要素の全てでなくとも少なくとも一部は、ポジティブ・ロック接続のために設計される。対応する接続要素は、特に同一であってよく、またはペア状の相補的構成もしくは対を成す構成であってもよい。
【0037】
接続要素は、好ましくは側壁上の外部または側壁中の外部に設けられる。原則的に、ポジティブ・ロックおよび/またはフォース・ロックのための接続要素の全ての好適な種類、特に解放可能なフォース・ロック接続部が考慮される。例えば、開口部または穴を伴うピンと相補的に差し込む関係で協働するノブ、アンダーカット構成のスナップコネクタ、掛止フックおよび掛止縁部を有するクリップ・コネクタなどである。
【0038】
好ましくは、ハウジング・フレームの構成要素部分は、側壁中の外部における凹部の形態である接続要素であり、それによってモジュール化を促進して、露出した外側における面倒な縁部、突出部などを避ける。
【0039】
したがって特に好ましくは、側壁の凹状の接続要素と協働する、追加の別個の接続要素が提供される。それによってモジュール化を促進し、補修またはメンテナンスのために、個々のハウジング・フレームを、すでに組み立てられたか、または最終的に嵌合されたプラグ・コネクタ・ユニットから解放するのを容易にする。
【0040】
簡単で特に好ましい実施形態において、いくつか、好ましくは全ての接続要素は、ハウジング・フレームの深さ方向に延びるか、または組み立て面に対して垂直方向に延びる溝の形態であり、その溝は、側壁において例えばT型、蟻継ぎ型などの、溝形接続に好適な断面を有する。
【0041】
特に、全ての接続要素が溝の形態である場合、溝によってハウジング・フレームを接続するための、接続舌部の形態である別個で別の接続要素である、いわゆる舌部を提供することが可能である。
【0042】
この接続要素は、特に蟻継ぎ接続のための断面であってよく、特に接続舌部は、二重蟻継ぎの構成の断面であり、反対に向けられたV型の楔構成を伴う。
【0043】
好ましい構成において、ハウジング・フレームの接続要素と協働するために、溝形接続を形成するための好適な別個の接続舌部が提供される。それらは、好ましくは蟻継ぎ接続のための断面である。
【0044】
それとは関係なく、ハウジング・フレームの接続要素とポジティブ・ロックで協働する、別個のコネクタが好ましい。
【0045】
コネクタまたは接続舌部は、好ましくはハウジング・フレームとの掛止のための鏡像対称構成で、両方の向きで掛止可能な2つの掛止舌部を有する。外部の構成要素に固定するため、主本体における別個のコネクタまたは接続舌部は、好ましくは少なくとも一方の主側において皿ねじ頭を伴う、好ましくは2つのねじ穴を有する。
【0046】
溝形接続を構成するために溝を使用する場合、溝は、ハウジング・フレームの深さ方向、または組み立て面に対して垂直方向に、止め穴状の構成として設けられてもよく、とりわけそれによって舌部を所望の位置に拘束することが可能になる。安定した接続部を構成するために、好ましくは後側から延びる溝は、ハウジング・フレームの深さの少なくとも33%を越えて延びるべきである。
【0047】
公知のプラグ・コネクタ・モジュール自体を設定するために、公知の保持フレーム自体をハウジング・フレームに取り付けることができる。公知のプラグ・コネクタ・モジュール自体の設定のために、第1および第2のポジティブ・ロック凹部が、広い側壁の両内側における各受け入れ手段に対して反対関係に設けられるよう、代替的に提供することができる。この凹部は、プラグ接続モジュールの相手側手段との掛止目的のために協働する。したがって、公知のプラグ・コネクタ・モジュール自体は、ハウジング・フレームに直接拘束され、例えば一般的な公知の連接フレームのような中間フレームの必要なく、その中で向きを決められてよい。
【0048】
ラインの貫通部のクロージャ、あるいは封止のため、2つの後部のかわりに、ハウジング・フレームの後側に好ましくはそれぞれ好適な寸法のカバーを設けることも可能であり、ケーブル貫通支持スリーブを伴うケーブル出口が、この場合に好ましい。好ましくは、後部またはカバーは同時に、別個または一体化された接続要素を、深さ方向もしくはプラグイン接続方向に固定する。
【0049】
本発明は、特に実質的にハウジング・フレーム(および従来のプラグ・コネクタ・モジュール)から成る2つのプラグ・コネクタ・ユニットが、ハウジング・フレームなどを囲むそれぞれ別のプラグ・ハウジングなしで、プラグ・コネクタ・モジュールのプラグ接続部のために協働するのを可能にする。プラグおよび相手プラグとして働く、2つのプラグ・コネクタ・ユニットは、その点で、特に同一のハウジング・フレームによって構成され得る。
【0050】
ハウジング・フレームは、プラスチック、特にポリカーボネートまたは繊維補強プラスチックから、好ましくは射出成形を用いて作ることができ、それによって追加の電気絶縁が同時に実現される。プラグ・コネクタ・ユニットのEMV遮蔽が必要である場合、例えば好適なコーティング処理によって実現され得る。
【0051】
当然ながら、ハウジング・フレームは、それぞれの要件に依拠して、部分的または完全に金属から作ることができる。金属のハウジング・フレームの場合、製造は、例えばアルミニウム、亜鉛、または特にアルミニウムおよび/または亜鉛を用いた好適な合金を使用した、ダイカスト処理を用いることを考慮に入れることができる。なぜならハウジング・フレームは、1つまたは複数の形状の部分から作られるからである。金属製ハウジング・フレームは、本来の良好な遮蔽による、保護接地またはより良好な信号の完全性を可能にする。金属製ハウジング・フレームの内側に、ハウジング・フレームをPE保護導体に接続するための、接続部または端子を設けることが可能である。
【0052】
追加の構成要素として、特に別個の組み立て部分、特に組み立て角度部材および/または組み立てプレートを提供することが可能である。それらは、プラグ・コネクタ・ユニットを、機械部分、スイッチ・キャビネットなどのそれぞれの接続箇所に固定するため、側壁の接続要素と協働する。追加の構成要素は、原則的に、ハウジング・フレームまたは好適なプラグ・コネクタ・モジュールがそれ自体では実行できない機能のためのみに、必要とされる。
【0053】
2つの接続されたプラグ・コネクタ・ユニットを固定するため、ハウジング・フレームに固定できるロック・ループなどのロック部分またはロック手段などを設けることが可能である。プラグ接続部の機械式ロックのため、例えばHan-Easy Lock(登録商標)の原理(上述の非特許文献1参照)に従った、1ループまたは2ループのロック・デバイス、トグル・レバーのロック装置またはねじロック装置、差し込みピン式ロック装置などを設けることが可能である。協働するロック構成要素を、装着装置または組み立て部分に設けることができる。しかし、ロック・ループなどの好適に適合されたロック構成要素は、ハウジング・フレームの接続要素に直接取り付けることもできる。任意の考えられる所望のロック手段を、ハウジング・フレームを備えるプラグ・コネクタ・ユニットに、モジュール形式で取り付けることができる。
【0054】
好ましくは、ベース構成要素または第1のタイプのハウジング・フレームとして提供される各ハウジング・フレームは、2n個のプラグ・コネクタ・モジュール以下の、偶数(2×n、nは自然数)の同一の受け入れ手段を有する。特にプラグ・コネクタ・モジュールを固定するための、4、6、または8個の受け入れ手段を有する。その場合、受け入れ手段は特に、異なる伝送媒体のための、異なる接続手順を含む50の異なるモジュールを提供する、前述の「Han-Modular(登録商標)system」を備えるプラグ・コネクタ・モジュールに適応する構成であってよい。
【0055】
第2のタイプの任意選択のハウジング・フレームは、プラグ・コネクタ・モジュールのための、特に第1のタイプのハウジング・フレームと比較して半分の数の、正確に2つの受け入れ手段を特に有し得る。
【0056】
受け入れ手段は、好ましくは嵌合したプラグ・コネクタ・モジュールが、その主体がハウジング・フレームの広い側に対して横断方向に延びて置かれるように配置される。したがって幅方向または広い側の寸法は、好ましくはプラグ・コネクタ・モジュールの狭い側の寸法に比例して延びる。すなわち、プラグ・コネクタ・モジュールは、好ましくはその広い側を、ハウジング・フレームの狭い側と平行に置かれる。
【0057】
モジュラー・システムの他に、当然ながら本発明はそのような個々のハウジング・フレームにも関し、というのも、はじめに、そのようなハウジング・フレームによって、すでにモジュールである当該システムにおいて、モジュール形式における(いわゆる「ハウジング・レベル」にある)第2の段階が可能になるからである。その場合における各ハウジング・フレームは、2つの平行の側壁がフレーム幅を画定し、それに対して垂直の2つの平行の側壁がフレーム高を画定するハウジング・フレームの内部における、それぞれのプラグ・コネクタ・モジュールのための、2つの同一の受け入れ手段を有する。
【0058】
本発明によるモジュラー・ハウジング・フレームは、以下で特徴付けられる。
-フレーム幅はフレーム高の実質的にN倍であり、あるいは接合部の遊びを含む。Nは自然数で、特に1~8、好ましくは1≦N≦4、特に好ましくは2≦N≦4である。
-全ての側壁は、特にポジティブ・ロック接続のための接続要素を有し、側壁のそれぞれの接続要素は、それらに対して垂直な側壁の接続要素に対応する。
-接続要素は、複数のハウジング・フレームが、それらの接続要素によって、プラグ・コネクタ・ユニットを形成するようにモジュラー関係で互いに接続できるようなグリッド距離に従って、互いに対して配置される。
【0059】
グリッド距離は、隣接する側壁の境界面に対する距離の2倍で構成することができる。より具体的には、1つのみの接続要素が、フレーム高を画定する側壁の中央に配置されるとき、グリッド距離は適用される。グリッド距離は、特に最小のハウジング・フレームおよび/またはベース・ユニットもしくはベース・モジュールとして提供されたハウジング・フレームに適用することができる。2番目に大きいフレーム構成要素の場合、または2つの接続要素を伴う広い側壁の場合、グリッド距離は、広い側壁において隣接する2つの接続要素間の距離に相当する。
【0060】
本発明は、ケーブル、ホースなどのライン、あるいは、特に電気ラインなどの異なる伝送媒体のための複数のプラグ・コネクタ・モジュールを含む、プラグ・コネクタ・ユニットにも関する。このユニットは、前述の実施形態のうちの1つによる、少なくとも2つのハウジング・フレームから構成される。したがって、上記または全てのプラグ・コネクタ・モジュールはそれぞれ、ハウジング・フレームのうちの1つに受け入れられ、このハウジング・フレームは、それらの接続要素によって互いに固定されて接合され、ユニットを形成する。その場合、各プラグ・コネクタ・ユニットは、設定されたプラグ・コネクタ・モジュールのそれぞれの選択によって、プラグまたは相手プラグのいずれかを選択的に表わすことができる。
【0061】
本発明は、特に矩形のコネクタ、特に電気ライン、しかしまた光学媒体、液体媒体、気体媒体、または他の伝送媒体などのラインのためのプラグ・コネクタ・ユニットを作製するための、前述の実施形態のうちの1つによる、ハウジング・フレームの使用にも関する。
【0062】
本発明の別の有利な特徴および作用は、前述の説明の概説について制限なく、添付の図を参照して、例として2つの実施形態によって、以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】第1および第2のタイプの複数のハウジング・フレームによって構成された、例としてのプラグ・コネクタ・ユニットの斜視図である。
図2図1の分解組立図である。
図3A】溝形接続要素によって2つのハウジング・フレームの互いの固定を示す正面図である。
図3B】2つのハウジング・フレームの互いの固定に好適な、接続舌部の斜視図である。
図4】第1のタイプのハウジング・フレームの構造を示す、分解組立図である。
図5】第1のタイプまたは第2のタイプのハウジング・フレームの深さに沿った、長手方向の断面図である。
図6】別の実施形態による、ハウジング・フレームの分解組立図である。
図7A】別の実施形態によるプラグとしてのハウジング・フレームの、組み立て後の図である。
図7B】別の実施形態による相手プラグとしてのハウジング・フレームの、組み立て後の図である。
図8図6図7A、および図7Bに示すハウジング・フレームを備える、例としてのプラグ・コネクタ・ユニットの斜視図である。
図9図6図7A、および図7Bに示すハウジング・フレームの、溝形接続を構成するための接続舌部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
全ての図において、同一の参照番号は同一の特徴、または同等の性質もしくは効果の特徴を示す。明確に示すため、同じ状態の多くの特徴は繰り返して確認しない。
【0065】
図1および図2は、単に例として、矩形のプラグ・コネクタ・タイプで構成されたプラグ・コネクタ・ユニット10を示す。プラグ・コネクタ・ユニット10は、第1のハウジング・フレーム11および第2のハウジング・フレーム12、ならびに2つの側方取り付けフランジ13で構成される。2つのタイプのみのハウジング・フレーム11、12が、プラグ・コネクタ・ユニット10の構造における高いレベルのモジュール化をすでにもたらしている。
【0066】
ハウジング・フレーム11、12の各々は、方形構成に配置された4つの側壁14、16を伴い、互いに直角で、かつ前側および後側に開いている、中空フレームの形態である。差し込み接続が、組み立て面(図5に対して垂直な面)の前側において、別のプラグ・コネクタ・ユニット(図示せず)に対してもたらされる。2つの平行の側壁14は、ハウジング・フレーム11、12のフレーム幅B1およびB2それぞれを画定し、他の2つの平行の側壁16は、ハウジング・フレームのフレーム高Hを画定する。フレーム幅Bおよびフレーム高Hが延びる垂直方向は、ハウジング・フレーム11、12の深さTに対して垂直な組み立て面を画定する。
【0067】
ハウジング・フレーム11、12の両方において、フレーム幅B1、B2は、フレーム高Hの実質的にN倍である。ここでNは自然数である。B1、B2、およびHは、ここではHである選択された最小寸法単位に対して数学的に合同である。第1のハウジング・フレーム11において、フレーム幅B1は、実用上正確にフレーム高Hの2倍に、組み立てを容易にするために数10分の1ミリメートルのわずかな所定の接合部の遊びを加えたものである。第2のハウジング・フレーム12において、フレーム幅B2はフレーム高Hと実用上同一(製造ばらつきを除く)であり、ここでは接合部の遊びは設けられない。その場合のフレーム高Hは、寸法の基本単位または最小単位を表わし、ハウジング・フレーム11、12の両方で同一である。
【0068】
図1図5は、各ハウジング・フレーム11、12の接続要素20に関する別の例を示す。それらはモジュラー・アセンブリに好適で、全ての4つの側壁12の外側に提供される。ここで、ポジティブ・ロック接続を構成するための溝が、接続要素20として提供される。原則的に、側壁14または16のそれぞれの接続要素20は、それらに対して垂直の側壁16または14の関連する接続要素に対応し、それによって2つは共に嵌合するか、または、別個のコネクタ部分を用いて協働できる。図1図5の例において、接続要素としての全ての溝は同一である。
【0069】
接続要素20は、複数のハウジング・フレーム11、12を、それらの接続要素によってモジュラー構造で、かつ4つの空間的向きのそれぞれにおいて、または各側壁14、16で互いに接続できるように、周辺、または幅B1、B2および高さの両方向に沿ったグリッド寸法Rに従って互いに対して配置される。したがって、使用者はハウジング・フレーム11、12をモジュラー・システムの構成要素として使用して、実際上任意の構成のプラグ・コネクタ・ユニットを形成することができる。例えば取り付けフランジ13のような別の装着部に、モジュラー構造のためのコネクタ23を設けることができる。
【0070】
第1のハウジング・フレーム11において、示した実施形態では2つの接続要素20が、広い側壁14それぞれにグリッド距離Rで設けられる。それぞれの接続要素20は、狭い側壁16の正確に中央に嵌合または組み込まれる。この場合、接続要素20は、垂直に隣接する側壁14、16それぞれの境界面に対して、グリッド距離の半分の距離すなわち1/2Rの距離にある。図示しないが、例えばより小さいグリッド距離を伴うか、またはより大きいハウジング・フレーム11、12の場合、より多くのモジュール式に配置された接続要素20を設けることが可能である。広い側壁は、m×n個の接続要素20を有する。好ましくはmは偶数で、nは狭い側壁の接続要素20の数に相当する。その場合、整数値mは、寸法比B1:H、またはB1:B2(B1=Hのとき)のそれぞれに対応する。
【0071】
好適に適合させた、寸法B1、B2でHを法とする(あるいは遊びを加えた)側壁14、16と、モジュラー式またはグリッド状に配置された接続要素20を組み合わせることにより、モジュラー式の原則またはモジュラー化が、図2の例で示されるように、ハウジング・フレーム11、12の組み立てのために実施される。この場合、全ての4つの側壁14、16を、接続または組み立てのためにそれぞれ使用することができ、それによって、組み立て面の両方向の範囲における構成は、Hを法とする任意の全幅、およびHを法とする任意の全高(HまたはB2を最小単位として用いる)を用いて、自由に選択され得る。
【0072】
図1および図2には詳細に示されていない接続手順は、図3図5に示される。接続要素20は常に、深さTの方向に平行、またはプラグ・コネクタ・ユニット10の差し込み方向に平行に延び、蟻継ぎ接続または溝形接合の溝の形態である。2つのハウジング・フレーム11、12を固定するため、それぞれ堅固にロックする関係で側壁14、16の溝状の接続要素20の中に半分が嵌合する断面である、好適な数の接続舌部22が存在し、それによって他方の半分は、反対側に配設された、接続されるハウジング・フレーム11、12の溝または接続要素20に受け入れられる。したがって接続舌部22は、概ね「><」形状断面の細長い形状のピンまたは組み立てピンの形状である。したがって、接続舌部22は、反対の両側に長手方向に配設された、平行な概ねV型狭窄部24を有し、その背部において接続要素20(図示せず)の蟻継ぎ型の断面と係合して、ポジティブ・ロック接続をもたらす。
【0073】
接続舌部22は、深さ方向のずれを防ぐために固定される。それは、一方では後側カバー40またはクロージャによって、および他方では、溝の止め穴の構成によってもたらされる。この溝は、接続要素20として働き、後端部から深さの約40%を越えて延びて、それぞれ側壁14、16内で終端する。すなわち、溝は全深さを越えて連続的に延びない。カバー40によるロック目的のために、接続舌部22の一方の側には、対応する受け入れ手段42にカバーの遊びを伴って固定される、拘束突起部25が設けられる。カバーの固定は、例えばハウジング・フレーム11、12の縁部と、対応する穴44によるねじ接続でもたらすことができる。周辺に延びる封止部(図示せず)を、側壁14、16の端縁部のカバー40の内側に設けることができる。最も広範に変化するケーブルの入口手段(図示せず)を、カバー40の壁に設けることができる。その目的のため、および実際のラインのために、好適な自由空間46が、ハウジング・フレーム11、12の内部に設けられる。
【0074】
図3図5は、複数の同一の受け入れ手段、例えばハウジング・フレーム11の内部のそれぞれのプラグ・コネクタ・モジュール18のための、第1のハウジング・フレーム11内の4つの受け入れ手段30a、30b、30c、30dを示す。(図1図5での図中の例示目的のみのために、常に同じプラグ・コネクタ・モジュール18を示す。当然ながら、実際には多数の公知の異なるプラグ・コネクタ・モジュール18が使用される。)この場合、全てのプラグ・コネクタ・モジュール18は、例えばプラスチック絶縁体である外側の狭い側に、同一に配置された固定インターフェイスを有する。それらのモジュラー固定インターフェイスは、従来から知られている保持フレーム(図示せず)と掛止するよう意図され、例えば複数の掛止突起部19A、19B、掛止フックなどを含むことができる。2つのハウジング・フレーム11、12の各受け入れ手段30a、30b、30c、30dに、ポジティブ・ロック固定作用を作製するための手段が設けられ、それらはそれぞれプラグ・コネクタ・モジュール18の固定インターフェイスと合致する。図5は、例えば介在する掛止突起部33を伴う、第1および第2のポジティブ・ロック凹部31、32を示す。ここでは矩形であるポジティブ・ロック凹部31、32は、平行で対向関係に配設され、幅方向に延びる側壁14、16の内側壁に設けられる。第1のポジティブ・ロック凹部31は、プラグ・コネクタ・モジュール18の挿入を容易にするために後部外側に開いており、プラグ・コネクタ・モジュール18の前側の掛止フック19Bは、第2のポジティブ・ロック凹部32の中に係合する。プラグ・コネクタ・モジュール18は、差し込み方向にずれるのを防ぐために、掛止突起部33によって固定される。プラグ・コネクタ・モジュール18は、ハウジング・フレームに好適に向けられ、かつ解放可能に接続されたポジティブ・ロック凹部31、32によって、差し込み方向と反対関係にあるずれを防ぐために、ハウジング・フレーム11、12に直接拘束される。受け入れ手段30a、30b、30c、30dの数は、好ましくは両方のハウジング・フレーム11、12において偶数である。
【0075】
モジュール・システムの全ての構成要素、特にハウジング・フレーム11、12は、プラスチックから安価で作製でき、この点で、高レベルの曲げ強さを有する特殊技術プラスチック、特に繊維補強プラスチックは、ねじれに対する剛性のために好ましい。プラグ・コネクタ・ユニット10のための様々なロック手段を伴う組み立て部分、設備または機械のアイテムに装着するための組み立てプレートなど、システムの別の構成要素は図示しないが、当業者には明白であろう。
【0076】
図1図5に示す例は、ハウジング・フレーム11、12の2つの基本的タイプのみを示し、その点で当然ながらハウジングは、例えば第1のハウジング・フレームと比較して「2倍」にされ、2倍の高さ2Hおよび同じ幅B1などを有する方形断面の、第3のタイプのハウジング・フレームなど、別の率に応じて定めることができる。その場合の全てのハウジング・フレームは、互いにモジュール式に合致し、かつ任意の所望の方法で組み合わせることができる。
【0077】
さらなるモジュール化レベルで本発明によって拡大されたモジュラー・システムにより、少ないハウジング・フレーム11、12のタイプを用いて、調整可能な、考えられる全ての外形を、迅速、簡易、かつ安価で製造することが可能となる。
【0078】
そのように構築されたプラグ・コネクタ・ユニット10は、特に産業用途などの全ての分野で、例えば機械の電源および制御のための中央プラグ・ユニットとして、相対的に可動の部品間の分離手段として、例えばエネルギー案内チェーンのための接続要素に、スイッチ・キャビネットに、および設備の他のアイテムなどに、使用できる。
【0079】
図6図9は、プラグ・コネクタ・ユニット210またはプラグ・アセンブリ(図8)の構成のための、本発明によるハウジング・フレーム211の、第2の好ましい実施形態を示す。第1の実施形態に対する本質的な相違は、ハウジング・フレーム211が、例えばメタル圧力ダイカストまたはプラスチック・ダイカストを用いて、実質的に別個に作製した3つの形状部分から構成される点である。
【0080】
図6は、3つの主な構成要素を示す。すなわち、ハウジング・フレーム211のプラグ側を形成するフレーム形状の前部211A、および差し込み方向または深さTに対して垂直に組み立てられ、かつ最終的なハウジング・フレーム211のプラグ側から離れた部分を形成する、2つの後部211B、211Cである(図7Aおよび図7B参照)。
【0081】
図3図5と同様、フレーム状の前部211Aの内部には、それぞれのプラグ・コネクタ・モジュール18(ここでは図示せず)のためのいくつかの受け入れ領域230a~230dが提供され、それによって公知のプラグ・コネクタ・モジュール18自体を、前部211Aに取り付けることができる。図6図9に示す例において、プラグ・コネクタ・モジュール18のための別個の保持フレーム(図示せず)が、前部211Aに取り付けられる。例えば、これに関する教示が本明細書に組み込まれている、特許文献7の図4に示すような保持フレームを使用することが可能である。このような保持フレームは、受け入れ領域230a~230dの各々において、それぞれの受け入れ手段を形成する。鏡像関係のフレーム高Hをあらかじめ決める側壁216の、端部の内側には、芯合わせ突起部250および対応する芯合わせ受け入れ手段252を備える、それぞれの対が設けられる。芯合わせ突起部250および関連する芯合わせ受け入れ手段252は、プラグおよび相手プラグ(図7Aおよび図7B参照)をそれぞれ形成する、2つのプラグ・コネクタ・ユニット210を備えるプラグ接続部の作製を容易にする。さらに、ラベル・プレート256の受け入れ手段254を、前部211の大きい側壁214の両側の中央位置に、それぞれ設けることができる。
【0082】
前部211Aの全ての側壁214、216の外側には、深さT方向にグリッド寸法Rに従って延びる、本発明による第1の接続溝220Aが設けられる。したがって、ここでも複数のハウジング・フレーム211を、モジュラー関係にあるそれらの接続要素によって、4つの空間的向きまたは各側壁214、216において、共に接続することができる(図8参照)。
【0083】
第1の接続溝220Aは、両方の後部211B、211Cにおいて、接続舌部(図9)を用いて、整合された第2の接続溝220Bと接合的に協働し、2つ以上のハウジング・フレーム211の間に溝形接続を作製する。
【0084】
さらに、後部211B、211Cの少なくとも第2の接続溝220Bに、掛止凹部221が設けられる。掛止凹部221は、2つの掛止舌部225のそれぞれ1つの掛止係合、鏡像の対称関係の掛止係合、差し込み方向または深さT方向の接続舌部(図9参照)の掛止係合を可能にするための、後方への掛止縁部を形成する。接続舌部222は、図9により詳細に示される。一方の端部において、接続舌部222は鏡像の対称構成である2つの掛止舌部225を含む。掛止舌部225それぞれは、外側の中央に凹部227を有する。組み立てられた配置の凹部227は、後部211B、211Cの対応する凹部217と整合し、例えばマイナスドライバによって掛止舌部の解放を可能にする。さらに、接続舌部222の主本体には、少なくとも一方が皿穴229を有し得る2つの連続したねじ穴228が設けられる。ねじ穴228は、プラグ・コネクタ・ユニット210を、例えばスイッチ・キャビネットまたは取り付けプレートの任意の所望の表面に固定するのを可能にする。
【0085】
さらに、第1の実施形態と同様、溝形接続を構成するために、接続舌部222は、反対関係において両側に配置されて概ねV型断面である、狭窄部224を有する。狭窄部224は、溝220A、220Bの長手方向縁部と協働し、対向的に配設された2つのハウジング・フレーム211の、堅牢な接続を可能にする(図8参照)。
【0086】
後部211B、211Cを前部211Aに固定するために、後部211B、211Cの角部のねじ穴、および前部211Aのねじ山(図示せず)がそれぞれ存在する。差し込み方向に対して垂直に、2つの後部211B、211Cも、ねじ接続または他の好適な固定接続によって、互いに固定することができる。歪み解放デバイスを、後部211B、211Cの間の内部に設けることができる。
【0087】
図6に示す例において、歪み解放デバイスは、上部歪み解放部270Aおよび同じ構造でよい下部歪み解放部270Bを含む。歪み解放部270A、270Bは、特許文献8の実用新案原理に基づく、弾性的に変形可能なハニカム状の領域を有してよい。上後部211Bを下後部211Cに接続した後、歪み解放部270A、270Bは、それぞれプラグ・コネクタ・モジュール(図示せず)に接続されることになるケーブルに、締め付け力を生成する。しかし、高い締め付け力は要求されない。なぜなら、歪み解放部270A、270Bの好適な構成を伴い、プラスチック材料の好適な組み合わせの表面接着によって、すでに十分な歪み解放が実現され得るからである。
【0088】
さらに、後部211B、211Cの後側には、ラインまたはケーブル(図示せず)を貫通させるためのケーブル貫通支持スリーブ280と適応する凹部が設けられる。好ましくは、概ねひし形断面のスロット付きケーブル貫通支持スリーブ280を使用し、それによって後部211B、211Cの接続の際に、さらなる締め付け作用を、ケーブル貫通支持スリーブ280の側部の互いに対して鋭角である形状による、好適に傾斜した継続面282によって、封止効果に加えてラインの上に実現できる。ここで例として示されるのは、ラインの4つの出口である。4本未満のケーブルの出口および/または異なる出口径も可能である。
【0089】
ケーブル貫通支持スリーブ280に加えて、好適な封止部が、ハウジング・フレーム211の主部分の間、すなわち前部211Aと、2つの後部211B、211Cとの間に、さらにそれぞれ設けられる。ここで示される例において(図6)、封止部は、例えば歪み解放部270A、270Bと一体化して作製される。別個の封止部を、前部211Aと2つの後部211B、211Cとの間に設けることも可能である。プラグ・コネクタ・ユニット210は、少なくとも水滴あるいは水しぶきに対して、封止部によって封止される。好ましくは、プラグ・コネクタ・ユニット210は、水しぶきに対して耐性があり、好ましくは噴射水に対して耐性がある。周囲の封止部(図示せず)も、プラグ側の前部211Aの前に設けることができる。
【0090】
図7Aおよび図7Bは、2つのプラグ・コネクタ・ユニット210の協働を、プラグおよび相手プラグの形態で、(ここでは例として、プラグ・コネクタ・モジュールなしで、1つのみの接続舌部222をそれぞれ伴って)示す。
【0091】
図8は、例としてプラグ・アセンブリを形成するために共に接続された、3つのプラグ・コネクタ・ユニット210を伴う配置を示す。プラグ・コネクタ・ユニット210を備える、このようなプラグ・アセンブリを使用する場合、非互換性も、従来のプラグ・コネクタに対して本質的に改善される。プラグ・コネクタ・ユニット210から好適に構成されたプラグ・アセンブリの場合の、プラグおよび相手プラグは、本質的に回転不可および/または非互換性である。
【符号の説明】
【0092】
図1図3
B1 幅
B2 幅
H 高さ
R グリッド寸法またはグリッド距離
T 深さ
10 プラグ・コネクタ・ユニット
11 ハウジング・フレーム(第1のタイプ)
12 ハウジング・フレーム(第2のタイプ)
13 取り付け部品
14 側壁(幅)
16 側壁(高さ)
18 プラグ・コネクタ・モジュール
19A 掛止突起部
19B 掛止突起部
20 接続要素
22 接続舌部
23 接続舌部
24 狭窄部
25 拘束突起部
30a (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
30b (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
30c (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
30d (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
31 ポジティブ・ロック凹部
32 ポジティブ・ロック凹部
33 掛止突起部
図4図5
40 カバー
42 (拘束突起部の)受け入れ手段
44 (ねじの)穴
46 自由空間
図6図9
B 幅
H 高さ
R グリッド寸法またはグリッド距離
T 深さ
210 プラグ・コネクタ・ユニット
211 ハウジング・フレーム
211A (ハウジング・フレームの)前部
211B (ハウジング・フレームの)後部
211C (ハウジング・フレームの)後部
214 側壁(幅)
216 側壁(高さ)
217 凹部
220A 第1の接続溝
220B 第2の接続溝
221 掛止凹部
222 接続舌部
224 狭窄部
225 掛止舌部
227 凹部
228 ねじ穴
229 ねじの皿穴
230a (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
230b (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
230c (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
230d (プラグ・コネクタ・モジュールの)受け入れ手段
250 芯合わせ突起部
252 芯合わせ受け入れ手段
254 (ラベル・プレートの)受け入れ手段
256 ラベル・プレート
260 (後部の)ねじ穴
270A 弾性歪み解放部
270B 弾性歪み解放部
280 ケーブル貫通支持スリーブ
282 傾斜した継続面
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9