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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】熱変換装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 35/32 20060101AFI20220512BHJP
   H01L 35/30 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
H01L35/32 A
H01L35/30
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019564785
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 KR2018006480
(87)【国際公開番号】W WO2018226046
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0071493
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0128154
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウンハク
(72)【発明者】
【氏名】ボン,サンフン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨンキル
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ユンサン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュンホ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ソンジャ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヨンサム
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンチョル
【審査官】西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-37796(JP,A)
【文献】特開2014-86454(JP,A)
【文献】特開2015-123599(JP,A)
【文献】特開2015-115998(JP,A)
【文献】特開2000-91648(JP,A)
【文献】特開平9-113374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0281884(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0073101(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0022174(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1177266(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 35/32
H01L 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平たい第1面および前記第1面と平行に配置された平たい第2面を含み、流入した空気の温度より低い温度の空気が排出される配管と、
前記第1面および前記第2面のそれぞれの外部に吸熱面が配置される複数の熱電素子と、
前記複数の熱電素子と電気的に連結される少なくとも1つのPCB(Printed Circuit Board)と、
前記複数の熱電素子の放熱面に配置される冷却水通過部材とを含み、
前記冷却水通過部材の外部底面は第1高さを有する少なくとも1つの第1外部底面および前記第1高さと異なる第2高さを有する少なくとも1つの第2外部底面を含み、
前記少なくとも1つの第1外部底面は前記複数の熱電素子の前記放熱面と接触し、前記少なくとも1つの第2外部底面には前記複数のPCBが配置される、熱変換装置。
【請求項2】
前記PCBのそれぞれは前記複数の熱電素子のうち少なくとも2つの熱電素子と連結される、請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項3】
前記複数の熱電素子は複数の列および複数の行を含むアレイの形態で配列され、
前記PCBのそれぞれは、1つの列に含まれる前記複数の熱電素子と連結されるかまたは1つの行に含まれる前記複数の熱電素子と連結される、請求項2に記載の熱変換装置。
【請求項4】
前記複数の熱電素子の間には断熱部材がさらに配置され、
前記断熱部材と前記少なくとも1つのPCBは所定間隔で離隔する、請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項5】
前記断熱部材と前記少なくとも1つのPCBの間にはエアギャップが存在する、請求項4に記載の熱変換装置。
【請求項6】
前記配管の内面には放熱フィンが配置される、請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項7】
前記配管と前記放熱フィンは一体に形成される、請求項6に記載の熱変換装置。
【請求項8】
前記冷却水通過部材は、
ケースと、
前記ケースの一壁面に形成され、冷却水が流入する複数の流入管と、
前記ケースの他壁面に形成され、前記冷却水が流出する複数の流出管と、
前記複数の流入管から前記複数の流出管に向かって前記冷却水が流れる方向において前記ケースの内部底面に形成される複数の放熱フィンと、
前記ケースを覆うカバーとを含む、請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項9】
前記放熱フィンのそれぞれは、
前記複数の流入管のそれぞれの側の第1領域と、
前記複数の流出管のそれぞれの側の第2領域と、
前記第1領域および前記第2領域の間の第3領域とを含み、
前記第1領域および前記第2領域の高さは前記第3領域の高さより低い、請求項8に記載の熱変換装置。
【請求項10】
前記複数の流入管から前記複数の流出管に向かって前記冷却水が流れる前記方向は、前記配管に流入した空気が排出される方向と異なる、請求項9に記載の熱変換装置。
【請求項11】
前記配管に連結され、前記配管に空気を流入させる空気流入管と、前記配管に連結され、前記配管から空気が排出される空気排出管とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項12】
前記空気流入管の断面形状および前記空気排出管の断面形状は異なり、前記空気流入管と前記配管を連結する第1連結管および前記配管と前記空気排出管を連結する第2連結管をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の熱変換装置。
【請求項13】
前記配管の外部には前記複数の熱電素子を配置するための複数の溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのPCBは、前記少なくとも1つのPCBと前記少なくとも1つのPCBに最も隣接する前記熱電素子の間に配置されて前記少なくとも1つのPCBと前記少なくとも1つのPCBに最も隣接する前記熱電素子を電気的に連結する連結部をさらに含み、
前記少なくとも1つのPCBと前記熱電素子の間の最短距離は、前記熱電素子と前記少なくとも1つのPCBに接触する前記連結部の一端の間の距離よりも短い、請求項1に記載の熱変換装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのPCBと前記熱電素子の間の最大距離は、前記熱電素子と前記少なくとも1つのPCBに接触する前記連結部の一端の間の最大距離よりも大きい、請求項14に記載の熱変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱変換装置に関し、より詳細には熱い空気からの熱を利用して発電させる熱変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電現象は材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象であって、熱と電気間の直接的なエネルギー変換を意味する。
【0003】
熱電素子とは熱電現象を利用する素子の総称であり、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合ペアを形成する構造を有する。
【0004】
熱電素子は、電気抵抗の温度変化を利用する素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を利用する素子、電流による吸熱または発熱が発生する現象であるペルチェ効果を利用する素子などに区分され得る。
【0005】
熱電素子は家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これに伴い、熱電素子の熱電性能に対する要求はますます高まっている。
【0006】
最近、自動車、船舶などのエンジンから発生した廃熱および熱電素子を利用して電気を発生させようとするニーズがある。この時、発電性能を高めるための構造が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が達成しようとする技術的課題は廃熱を利用する熱変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る熱変換装置は、平たい第1面および前記第1面と平行に配置された平たい第2面を含み、流入した空気の温度より低い温度の空気が排出される配管と、前記第1面および前記第2面のそれぞれの外部に吸熱面が配置される複数の熱電素子と、前記複数の熱電素子と電気的に連結される複数のPCB(Printed Circuit Board)と、前記複数の熱電素子の放熱面に配置される冷却水通過部材とを含み、前記冷却水通過部材の外部底面は第1高さを有する複数の第1外部底面および前記第1高さと異なる第2高さを有する複数の第2外部底面を含み、前記複数の第1外部底面は前記複数の熱電素子の前記放熱面と接触し、前記複数の第2外部底面には前記複数のPCBが配置される。
【0009】
前記PCBのそれぞれは前記複数の熱電素子のうち少なくとも2つの熱電素子と連結され得る。
【0010】
前記複数の熱電素子は複数の列および複数の行を含むアレイの形態で配列され、前記PCBのそれぞれは、1つの列に含まれる前記複数の熱電素子と連結されるか、または、1つの行に含まれる前記複数の熱電素子と連結され得る。
【0011】
前記複数の熱電素子の間には断熱部材がさらに配置され、前記断熱部材と前記複数のPCBは所定間隔で離隔され得る。
【0012】
前記断熱部材と前記複数のPCBの間にはエアギャップが存在し得る。
【0013】
前記配管の内面には放熱フィンが配置され得る。
【0014】
前記配管と前記放熱フィンは一体に形成され得る。
【0015】
前記冷却水通過部材は、ケースと、前記ケースの一壁面に形成され、冷却水が流入する複数の流入管と、前記ケースの他壁面に形成され、前記冷却水が流出する複数の流出管と、前記複数の流入管から前記複数の流出管に向かって前記冷却水が流れる方向において前記ケースの内部底面に形成される複数の放熱フィンと、前記ケースを覆うカバーとを含むことができる。
【0016】
前記放熱フィンのそれぞれは、前記複数の流入管のそれぞれの側の第1領域と、前記複数の流出管のそれぞれの側の第2領域と、前記第1領域および前記第2領域の間の第3領域とを含み、前記第1領域および前記第2領域の高さは前記第3領域の高さより低くてもよい。
【0017】
前記複数の流入管から前記複数の流出管に向かって前記冷却水が流れる前記方向は前記配管に流入した空気が排出される方向と異なり得る。
【0018】
前記配管に連結され、前記配管に空気を流入させる空気流入管と、前記配管に連結され、前記配管から空気が排出される空気排出管とをさらに含むことができる。
【0019】
前記空気流入管の断面形状および前記空気排出管の断面形状は異なってもよく、前記空気流入管と前記配管を連結する第1連結管および前記配管と前記空気排出管を連結する第2連結管をさらに含むことができる。
【0020】
前記配管の外部には前記複数の熱電素子を配置するための複数の溝が形成され得る。
【0021】
本発明の他の実施例に係る熱変換装置は、吸熱面および発熱面を含む複数の熱電素子;および前記複数の熱電素子と電気的に連結される基板;を含み、前記複数の熱電素子の吸熱面には流入した流体の温度より低い温度の流体が排出される配管が配置され、前記複数の熱電素子の発熱面には冷却水通過部材が配置され、前記基板は、前記基板に最も隣接した熱電素子と前記基板の間に配置されて前記基板と前記基板に最も隣接した熱電素子を電気的に連結する連結部;を含み、前記基板と前記熱電素子の間の最短距離は、前記基板に接触する前記連結部の一端と前記熱電素子の間の距離より小さい。
【0022】
前記基板と前記熱電素子の間の最大距離は、前記基板と接触する前記連結部の一端と前記熱電素子の間の最大距離より大きくてもよい。
【0023】
前記複数の熱電素子は複数の列および複数の行を含むアレイの形態で配列され得る。
【0024】
前記基板は前記複数の列に配置された複数の熱電素子のうち、前記基板に最も隣接するように配置された熱電素子と連結されるか、前記複数の行に配置された複数の熱電素子のうち、前記基板に最も隣接するように配置された熱電素子と連結され得る。
【0025】
前記基板は前記複数の列のうち一つの列に含まれた複数の熱電素子と連結されるか、前記複数の行のうち一つの行に含まれた複数の熱電素子と連結され得る。
【0026】
前記複数の熱電素子は前記複数の列のうち一つの列または前記複数の行のうち一つの行で隣接した熱電素子と連結され得る。
【0027】
前記配管は第1面および前記第1面に対向する第2面を含み、前記冷却水通過部材の内面に配置される放熱フィンをさらに含むことができる。
【0028】
前記放熱フィンは溝を含み、前記基板は前記溝に配置され得る。
【0029】
前記溝は前記放熱フィンの縁のうち前記配管で前記流体が排出される縁側に配置され得る。
【0030】
前記冷却水通過部材は、ケース;前記ケースの一壁面に形成され、冷却水が流入する複数の流入管;前記ケースの他壁面に形成され、冷却水が流出する複数の流出管;および前記ケースを覆うカバーを含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施例によると、発電性能が優秀な熱変換装置を得ることができる。特に、本発明の実施例によると、熱変換装置の全領域で均一な性能を得ることができ、配管を通じて流れる空気の高い温度によって熱電素子に電気的に連結されるPCBが損傷する問題を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施例に係る熱変換装置の斜視図。
図2】本発明の一実施例に係る熱変換装置の分解斜視図。
図3】本発明の一実施例に係る熱電モジュールに含まれる熱電素子の断面図。
図4】本発明の一実施例に係る熱電モジュールに含まれる熱電素子の斜視図。
図5】本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管の上面図。
図6】本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管の断面図。
図7】本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管の外部に複数の熱電素子が配置された上面図。
図8】本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる冷却水通過部材の外部底面を図示する図面。
図9図8の冷却水通過部材の外部底面に配置されたPCBを図示する図面。
図10】本発明の一実施例に係る熱変換装置の配管、熱電素子、PCBおよび冷却水通過部材の配置関係を示す断面図。
図11】本発明の一実施例に係る冷却水通過部材の斜視図。
図12】本発明の一実施例に係る配管、熱電素子および冷却水通過部材の断面図。
図13】本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管上に熱電素子が配置された上面図。
図14】本発明の他の実施例に係る熱変換装置に含まれる冷却水通過部材の外部底面を図示する図面。
図15図14の冷却水通過部材の外部底面に配置された基板を図示する図面。
図16】本発明の他の実施例に係る熱変換装置の配管、熱電素子、基板および冷却水通過部材の配置関係を示す断面図。
図17】本発明の他の実施例に係る熱電素子、放熱フィンおよび基板間の配置関係を示す斜視図。
図18図17でDの拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0034】
第2、第1等のように序数を含む用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されはしない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の技術的範囲を逸脱することなく第2構成要素は第1構成要素と命名され得、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名され得る。および/またはという用語は複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0035】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていたりまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0036】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0037】
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで使われるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味と解釈されない。
【0038】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するものの、図面符号にかかわらず、同一であるか対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0039】
図1は本発明の一実施例に係る熱変換装置の斜視図であり、図2は本発明の一実施例に係る熱変換装置の分解斜視図である。図3は本発明の一実施例に係る熱電モジュールに含まれる熱電素子の断面図であり、図4は本発明の一実施例に係る熱電モジュールに含まれる熱電素子の斜視図である。
【0040】
図1図2を参照すると、熱変換装置1000は複数の熱電素子100、複数のPCB200、配管300および冷却水通過部材400を含む。
【0041】
配管300から排出される流体(以下、空気を例にして説明する)の温度は配管300に流入する空気の温度より低い。例えば、配管300に流入する空気は自動車、船舶などのエンジンから発生する廃熱であり得るが、これに制限されるものではない。例えば、配管300に流入する空気の温度は100℃以上、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは220℃~250℃であり得るが、これに制限されるものではない。
【0042】
冷却水通過部材400から流出する冷却水の温度は冷却水通過部材400に流入する冷却水の温度より高い。例えば、冷却水通過部材400は水であり得るが、これに制限されるものではなく、冷却性能がある多様な種類の流体であり得る。冷却水通過部材400に流入する冷却水の温度は配管300に流入する空気の温度より低い。例えば、配管300に流入する冷却水の温度は100℃未満、好ましくは50℃未満、さらに好ましくは40℃未満であり得るが、これに制限されるものではない。
【0043】
複数の熱電素子100の吸熱面は配管300の外部に配置され、発熱面は冷却水通過部材400に配置される。そして、複数の熱電素子100と電気的に連結される複数のPCB(Printed Circuit Board)は複数の熱電素子100に電源を供給する。
【0044】
本発明の実施例に係る熱変換装置1000は、配管300を通じて流れる空気および冷却水通過部材400を通じて流れる冷却水間の温度差、すなわち複数の熱電素子100の吸熱面および発熱面間の温度差を利用して熱電素子100を通じて電力を生産することができる。
【0045】
この時、配管300を通じて流れる空気の方向と冷却水通過部材400を通じて流れる冷却水の方向は異なり得る。例えば、配管300を通じて流れる空気の方向と冷却水通過部材400を通じて流れる冷却水の方向は、約90°異なり得る。これによると、配管300の外部に冷却水通過部材400を配置する構造の設計が容易である。それだけでなく、配管300に空気が流入する領域と配管300から空気が排出される領域での冷却水の温度を均一に維持させることができるので、全領域で均一な熱変換性能を得ることが可能である。
【0046】
一方、本発明の実施例に係る熱電装置1000は配管300に連結され、配管300に空気を流入させる空気流入管500、そして、配管300に連結され、配管300から空気が排出される空気排出管502をさらに含むことができる。
【0047】
空気流入管500および空気排出管502の断面形状と配管300の断面形状が互いに異なる場合、空気流入管500と配管300を連結する第1連結管600および配管300と空気排出管502を連結する第2連結管602をさらに含んでもよい。例えば、一般的な空気流入管500および空気排出管502は円筒状であり得る。これに反し、熱電性能を高めるために、外部に複数の熱電素子100の吸熱面が配置される配管300は四角筒状または多角筒状であり得る。これに伴い、一末端は円筒状であり、他末端は四角筒状である第1連結管600と第2連結管602を媒介として空気流入管500および配管300の一末端が連結され、空気排出管502および配管300の他末端が連結され得る。
【0048】
この時、空気流入管500と第1連結管600、第1連結管600と配管300、配管300と第2連結管602、第2連結管602と空気排出管502等は締結部材によって連結され得る。
【0049】
そして、本発明の実施例に係る熱変換装置1000は断熱部材700をさらに含んでもよい。例えば、断熱部材700は冷却水通過部材400を囲むように配置されたり、配管300の外部で複数の熱電素子100の間に配置され得る。
【0050】
一方、図3図4を参照すると、本発明の実施例に係る熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0051】
下部電極120は下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の下部底面間に配置され、上部電極150は上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の上部底面間に配置される。これに伴い、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140は下部電極120および上部電極150によって電気的に連結される。下部電極120と上部電極150の間に配置され、電気的に連結される一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は単位セルを形成することができる。
【0052】
例えば、リード線181、182を通じて下部電極120および上部電極150に電圧を印加すると、ペルチェ効果によってP型熱電レッグ130からN型熱電レッグ140に電流が流れる基板は熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電レッグ140からP型熱電レッグ130に電流が流れる基板は加熱されて発熱部として作用することができる。本明細書で、吸熱面は冷却部として作用する基板の一面であり、発熱面は発熱部として作用する基板の一面でもよい。
【0053】
ここで、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はビスマス(Bi)およびテルル(Te)を主原料として含むビスマステルル(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。P型熱電レッグ130は全体重量100wt%に対して、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルル(Bi-Te)系主原料物質99~99.999wt%とBiまたはTeを含む混合物0.001~1wt%を含む熱電レッグであり得る。例えば、主原料物質がBi-Se-Teであり、BiまたはTeを全体重量の0.001~1wt%でさらに含むことができる。N型熱電レッグ140は全体重量100wt%に対して、セレニウム(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルル(Bi-Te)系主原料物質99~99.999wt%とBiまたはTeを含む混合物0.001~1wt%を含む熱電レッグであり得る。例えば、主原料物質がBi-Sb-Teであり、BiまたはTeを全体重量の0.001~1wt%でさらに含むことができる。
【0054】
P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はバルク型または積層型で形成され得る。一般的にバルク型P型熱電レッグ130またはバルク型N型熱電レッグ140は熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕し篩分けして熱電レッグ用粉末を獲得した後、これを焼結し、焼結体をカッティングする過程を通じて得られ得る。積層型P型熱電レッグ130または積層型N型熱電レッグ140は、シート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層しカッティングする過程を通じて得られ得る。
【0055】
この時、一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は同じ形状および体積を有したり、互いに異なる形状および体積を有することができる。例えば、P型熱電レッグ130とN型熱電レッグ140の電気伝導特性が互いに異なるため、N型熱電レッグ140の高さまたは断面積をP型熱電レッグ130の高さまたは断面積と異ならせて形成してもよい。
【0056】
本発明の一実施例に係る熱電素子の性能はゼーベック指数で表すことができる。ゼーベック指数(ZT)は数式1のように示すことができる。
【0057】
【数1】
【0058】
ここで、αはゼーベック係数[V/K]であり、σは電気伝導度[S/m]であり、ασはパワー因子(Power Factor、[W/mK])である。そして、Tは温度であり、kは熱伝導度[W/mK]である。kはa・c・ρで表すことができ、aは熱拡散度[cm/S]で、cは比熱[J/gK]であり、ρは密度[g/cm]である。
【0059】
熱電素子のゼーベック指数を得るために、Zメーターを利用してZ値(V/K)を測定し、測定したZ値を利用してゼーベック指数(ZT)を計算することができる。
【0060】
本発明の実施例によると、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は図3(b)で図示する構造を有してもよい。図3(b)を参照すると、熱電レッグ130、140は熱電素材層132、142、熱電素材層132、142の一面上に積層される第1メッキ層134、144、熱電素材層132、142の一面と対向して配置される他面に積層される第2メッキ層134、144、熱電素材層132、142と第1メッキ層134、144の間および熱電素材層132、142と第2メッキ層134、144の間にそれぞれ配置される第1接合層136、146および第2接合層136、146、そして、第1メッキ層134、144および第2メッキ層134、144上にそれぞれ積層される第1金属層138、148および第2金属層138、148を含む。
【0061】
ここで、熱電素材層132、142は半導体材料であるビスマス(Bi)およびテルル(Te)を含むことができる。熱電素材層132、142は図3(a)で説明したP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140と同一素材または形状を有することができる。
【0062】
そして、第1金属層138、148および第2金属層138、148は銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)およびアルミニウム合金から選択され得、0.1~0.5mm、好ましくは0.2~0.3mmの厚さを有することができる。第1金属層138、148および第2金属層138、148の熱膨張係数は熱電素材層132、142の熱膨張係数と類似するか、より大きいので、焼結時に第1金属層138、148および第2金属層138、148と熱電素材層132、142間の境界面で圧縮応力が加えられ、亀裂または剥離を防止することができる。また、第1金属層138、148および第2金属層138、148と電極120、150間の結合力が高いので、熱電レッグ130、140は電極120、150と安定的に結合することができる。
【0063】
次いで、第1メッキ層134、144および第2メッキ層134、144はそれぞれNi、Sn、Ti、Fe、Sb、CrおよびMoのうち少なくとも一つを含むことができ、1~20μm、好ましくは1~10μmの厚さを有することができる。第1メッキ層134、144および第2メッキ層134、144は熱電素材層132、142内の半導体材料であるBiまたはTeと第1金属層138、148および第2金属層138、148間の反応を防ぐので、熱電素子の性能n低下を防止できるだけでなく、第1金属層138、148および第2金属層138、148の酸化を防止することができる。
【0064】
この時、熱電素材層132、142と第1メッキ層134、144の間および熱電素材層132、142と第2メッキ層134、144の間には、第1接合層136、146および第2接合層136、146が配置され得る。この時、第1接合層136、146および第2接合層136、146はTeを含むことができる。例えば、第1接合層136、146および第2接合層136、146はNi-Te、Sn-Te、Ti-Te、Fe-Te、Sb-Te、Cr-TeおよびMo-Teのうち少なくとも一つを含むことができる。本発明の実施例によると、第1接合層136、146および第2接合層136、146のそれぞれの厚さは0.5~100μm、好ましくは1~50μmであり得る。本発明の実施例によると、熱電素材層132、142と第1メッキ層134、144および第2メッキ層134、144の間にTeを含む第1接合層136、146および第2接合層136、146をあらかじめ配置して、熱電素材層132、142内のTeが第1メッキ層134、144および第2メッキ層134、144に拡散することを防止することができる。これに伴い、Biリッチ領域の発生を防止することができる。
【0065】
一方、下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される下部電極120、および、上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される上部電極150は銅(Cu)、銀(Ag)およびニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含み、0.01mm~0.3mmの厚さを有することができる。下部電極120または上部電極150の厚さが0.01mm未満の場合、電極としての機能が落ちることになって電気伝導性能が低くなり得、0.3mmを超過する場合、抵抗の増加によって伝導効率が低くなり得る。
【0066】
そして、相互に対向する下部基板110と上部基板160は絶縁基板または金属基板であり得る。絶縁基板はアルミナ基板または柔軟性を有する高分子樹脂基板であり得る。柔軟性を有する高分子樹脂基板はポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レジン(resin)のような高透過性プラスチックなどの多様な絶縁性樹脂材を含むことができる。金属基板はCu、Cu合金またはCu-Al合金を含むことができ、その厚さは0.1mm~0.5mmであり得る。金属基板の厚さが0.1mm未満であるか、0.5mmを超過する場合、放熱特性または熱伝導率が過度に高くなり得るため、熱電素子の信頼性が低下し得る。また、下部基板110と上部基板160が金属基板である場合、下部基板110と下部電極120の間および上部基板160と上部電極150の間にはそれぞれ誘電体層170がさらに形成され得る。誘電体層170は5~10W/Kの熱伝導度を有する素材を含み、0.01mm~0.15mmの厚さで形成され得る。誘電体層170の厚さが0.01mm未満の場合、絶縁効率または耐電圧特性が低下し得、0.15mmを超過する場合、熱電伝度が低くなって放熱効率が低下し得る。
【0067】
この時、下部基板110と上部基板160の大きさは異なって形成されてもよい。例えば、下部基板110と上部基板160のうち一つの体積、厚さまたは面積は他の一つの体積、厚さまたは面積より大きく形成され得る。これにより、熱電素子の吸熱性能または放熱性能を高めることができる。
【0068】
また、下部基板110と上部基板160のうち少なくとも一つの表面には放熱パターン、例えば凹凸パターンが形成されてもよい。これにより、熱電素子の放熱性能を高めることができる。凹凸パターンがP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140と接触する面に形成される場合、熱電レッグと基板間の接合特性も向上され得る。
【0069】
一方、P型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は円筒状、多角柱状、楕円柱状などを有し得る。
【0070】
本発明の一実施例によると、P型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は電極と接合する部分の幅が広く形成されてもよい。
【0071】
以下、本発明の実施例に係る熱変換装置に含まれる配管、熱電素子、PCBおよび冷却水通過部材をさらに詳細に説明する。
【0072】
図5は本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管の上面図、図6は本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管の断面図であり、図7は本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管の外部に複数の熱電素子が配置された上面図である。そして、図8は本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる冷却水通過部材の外部底面を図示し、図9図8の冷却水通過部材の外部底面に配置されたPCBを図示し、図10は本発明の一実施例に係る熱変換装置の配管、熱電素子、PCBおよび冷却水通過部材の配置関係を示す断面図である。図11は本発明の一実施例に係る冷却水通過部材の斜視図であり、図12は本発明の一実施例に係る配管、熱電素子および冷却水通過部材の断面図である。
【0073】
図5図7を参照すると、配管300は平たい第1面310および第1面310に対向する平たい第2面320を含み、第1面310および第2面320のそれぞれの外部には熱電素子100が載置されるための溝312が設けられる。そして、溝312ごとに一つの熱電素子100の吸熱面が配置される。ここで、各熱電素子100は図4に図示された通り、交互に直列配置される複数のP型熱電レッグと複数のN型熱電レッグを含むことができる。この時、複数の熱電素子100は複数の列および複数の行を含むアレイの形態で配列され得る。ここで、3×4構造を例示しているが、これに制限されるものではなく、望む出力に応じて多様な大きさのアレイで配列され得る。図示してはいないが、複数の熱電素子100はサーマルグリス(thermal grease)によって配管300の第1面310および第2面320と接着され得る。
【0074】
このように、配管300が平たい第1面310および第1面310と平行に配置される平たい第2面320を含むと、曲率を有する面に比べて熱電素子100を配置することが容易であり、配管300の外部表面と熱電素子100の吸熱面間の全面接触による吸熱性能を高めることができる。
【0075】
一方、第1面310および第2面320上で熱電素子100が配置された領域を除いた領域、すなわち複数の熱電素子100の間には断熱部材700がさらに配置されてもよい。これにより、配管300を通過する熱い空気によって配管300の外部表面から熱が発生しても、配管300の第1面310および第2面320に隣接して配置される冷却水通過部材400またはPCB200には影響を及ぼさないことができる。
【0076】
再び図6を参照すると、配管300の内面には放熱フィン330がさらに配置され得る。放熱フィン330は配管300と一体に形成され得、配管300およびこれを含む放熱フィン330は一つのヒートシンクとして作用してもよい。このように、配管300の内面に放熱フィン330がさらに配置されると、配管300を通過する熱い空気の熱が熱電素子100の吸熱面側にさらに効率的に伝達され得る。
【0077】
一方、図6では配管300の断面が四角状のものを例示しているが、これに制限されるものではない。第1面310および第1面310に対向する第2面320が平行であれば、第1面310および第2面320を連結する面が曲率を有する面でもよい。
【0078】
図8図10を参照すると、冷却水通過部材400の外部底面の一部は複数の熱電素子100の発熱面と接触し、冷却水通過部材400の外部底面の他の一部には複数のPCB200が配置され得る。この時、各PCB200は冷却水通過部材400の外部底面にスクリュー202を通じて締結され得る。そして、各PCB200はアレイの形態で配列された複数の熱電素子100のうち一つの列に含まれる複数の熱電素子100と連結されるか、一つの行に含まれる複数の熱電素子100と連結されてもよい。ここで、各PCB200と複数の熱電素子100はコネクターによって連結されるか、ハンダ付け方式で連結され得る。
【0079】
一方、冷却水通過部材400の外部底面は、第1高さを有する複数の第1外部底面402および第1高さと異なる第2高さを有し複数の第1外部底面402の間に配置される複数の第2外部底面404を含むことができる。そして、第1外部底面402は複数の熱電素子100の発熱面と接触し、第2外部底面404には複数のPCB200が配置され、複数の熱電素子100の発熱面を基準とする時、第2高さは第1高さより高くてもよい。例えば、複数の第2外部底面404は複数の第1外部底面402の間に形成された溝の形態を有し得る。これにより、各PCB200は複数の熱電素子100の間に配置された断熱部材700から所定間隔dで離隔して配置され得、断熱部材700と各PCB200の間にはエアギャップが存在し得る。これによると、PCB200は配管300を通じて流れる熱い空気によって配管300の外部表面に放出される熱によって受ける影響を最小化することができる。
【0080】
図11図12を参照すると、本発明の実施例に係る冷却水通過部材400は、底面および壁面からなるケース406、ケース406の一壁面に形成され、冷却水が流入する複数の流入管410、ケース406の他壁面に形成され、冷却水が流出する複数の流出管420、ケース406の内部底面で複数の流入管410から複数の流出管420に向かって冷却水が流れる方向に沿って形成される複数の放熱フィン430、および、ケース406を覆うカバー450を含む。ケース406にはカバー450と締結されるための溝440がさらに形成されてもよい。
【0081】
この時、複数の流入管410および複数の流出管420は同じ個数を有し、互いに対応する位置に配置され得、各流入管410から各流出管420に向かう方向は配管300を通じて熱い空気が流れる方向と交差する方向であり得る。
【0082】
一方、冷却水通過部材400のケース406の内部底面に形成される各放熱フィン430は、複数の流入管410側の第1領域432、複数の流出管420側の第2領域434、および、第1領域432と第2領域434の間の第3領域436を含むことができる。この時、第1領域432および第2領域434の高さは第3領域436の高さより低くてもよい。このように、冷却水が流入する流入管周辺および冷却水が流出する流出管周辺の放熱フィンの高さが低い場合、流路を妨害することなく、冷却水が円滑に流れることができる。
【0083】
一方、本発明の実施例によると、配管300に流入する空気の温度と配管300を通過した後に排出される空気の温度は異なり得る。すなわち、配管300を通過した後に排出される空気の温度は配管300に流入する空気の温度より低くてもよい。ところが、本発明の実施例に係る熱変換装置に含まれる熱電素子の熱電性能は吸熱面と発熱面間の温度差が大きいほど高く現れ得る。これに伴い、配管300の排出口周辺での熱電性能は流入口周辺での熱電性能に比べて低く現れ得る。本発明の実施例では、このような問題を解決するために、配管300の流入口および排出口の幅または面積を互いに異ならせたり、位置別に各熱電素子の大きさ、配置形態、配置個数などを変更して温度差による熱電性能の減少を補償することができる。
【0084】
図13は、本発明の一実施例に係る熱変換装置に含まれる配管上に熱電素子が配置された上面図である。
【0085】
図13を参照すると、配管300の第1面310および第2面320の幅は空気の流入口から排出口に行くほど大きくなり、これと共に配置された熱電素子の個数も多くなる。これにより、排出口周辺の熱電性能の減少が補償され得る。
【0086】
この他にも、冷却水通過部材400が複数の流入管を含む場合、配管300の排出口に近いほど、より低い温度の冷却水を流入することができる。これにより、配管300の流入口周辺に配置された熱電素子の吸熱面および発熱面間の温度差と配管300の排出口周辺に配置された熱電素子の吸熱面および発熱面間の温度差を類似するように維持することができるため、排出口周辺の熱電性能の減少が補償され得る。
【0087】
一方、冷却水通過部材および基板は他の実施例で配置されてもよい。
【0088】
図14は本発明の他の実施例に係る熱変換装置に含まれる冷却水通過部材の外部底面を図示し、図15図14の冷却水通過部材の外部底面に配置された基板を図示し、図16は本発明の他の実施例に係る熱変換装置の配管、熱電素子、基板および冷却水通過部材の配置関係を示す断面図である。
【0089】
図14図16を参照すると、冷却水通過部材400の外部底面の一部は複数の熱電素子100の発熱面と接触することができる。そして、冷却水通過部材400の外部底面の他の一部には基板200が配置され得る。この時、基板200は複数個であり得、各基板200は冷却水通過部材400の外部底面にスクリュー202を通じて締結され得る。ここで、基板200はPCBと混用され得る。
【0090】
基板200は複数の熱電素子100のうち一つの列に含まれる複数の熱電素子100と連結され得る。また、一つの行に含まれる複数の熱電素子100と連結されてもよい。そして、基板200は冷却水通過部材400の外部底面の縁に位置することができる。例えば、各基板200と複数の熱電素子100は一つの列に配置された複数の熱電素子100のうち基板200に最も隣接するように位置した熱電素子と直接的に連結され得る。そして、基板200に最も隣接して位置した熱電素子100は同じ列の他の熱電素子と電気的に連結され得る。このような構成によって、基板200は所定の列に配置された熱電素子のうち最も隣接して配置された熱電素子100と直接連結されることによって、前記所定の列に配置された熱電素子以外の熱電素子とも電気的に連結され得る。
【0091】
一方、冷却水通過部材400の外部底面は、第1高さを有する複数の第1外部底面402および第1高さと異なる第2高さを有し複数の第1外部底面402の間に配置される複数の第2外部底面406を含むことができる。そして、第1外部底面402は複数の熱電素子100の発熱面と接触し、第2外部底面406には複数の基板200が配置され、複数の熱電素子100の発熱面を基準とする時、第2高さは第1高さより高くてもよい。例えば、複数の第2外部底面406は複数の第1外部底面402の間に形成された溝の形態を有し得る。これにより、各基板200は複数の熱電素子100の間に配置された断熱部材700から所定間隔dで離隔して配置され得、断熱部材700と各基板200の間にはエアギャップが存在し得る。これによると、基板200は配管300を通じて流れる熱い空気によって配管300の外部表面に放出される熱によって受ける影響を最小化することができる。
【0092】
図17は本発明の他の実施例に係る熱電素子、放熱フィンおよび基板間の配置関係を示す斜視図であり、図18図17でDの拡大図である。
【0093】
図17および図18を参照すると、前述した通り、複数の熱電素子100はアレイの形態で列と行で配置され得る。そして、熱電素子100は下部に放熱フィン430が配置され得る。そして、放熱フィン430は熱電素子100の列および行のうちいずれか一つに沿って配置され得る。例えば、放熱フィン430は熱電素子100の列に沿って配置され得る。そして、放熱フィン430は冷却水通過部材で冷却水が流れる方向と同じ方向にパターンが形成され得る。具体的には、放熱フィン430はパターンを含むことができ、放熱フィン430に形成されたパターンは冷却水の流れを妨害しないように形成され得る。例えば、放熱フィン430は複数の貫通ホールを有することができる。そして、複数の貫通ホールは、貫通方向が冷却水が流れる方向と同じ方向であり得る。このような構成によって、放熱フィン430は冷却水と熱電素子の間の熱交換の効率を改善することができる。
【0094】
前述した通り、放熱フィン430のパターンは冷却水が流れる方向と同じ方向に形成され得る。そして、放熱フィン430のパターンは複数の熱電素子100の列または行と一致し得る。このような構成によって、放熱フィン430は複数の熱電素子100の列方向と同じ方向を有する貫通ホール(例えば、パターン)または複数の熱電素子100の行方向と同じ方向を有する貫通ホールを含むことができる。
【0095】
また、放熱フィン430は複数個であり得、複数の熱電素子100の列または行ごとにそれぞれ配置され得る。ただし、これに限定されず、放熱フィン430は一体に形成されてもよい。
【0096】
放熱フィン430は溝であるリセスhを含むことができる。リセスhは放熱フィン430の一側に設けられ得る。例えば、リセスhは放熱フィン430の縁に配置され得る。また、リセスhは複数の熱電素子100の列または行と同じ方向に放熱フィン430の縁に配置され得る。
【0097】
そして、基板200はリセスhに配置され得る。リセスhは放熱フィン430の縁に配置され得る。したがって、基板200は放熱フィン430の縁に配置され得る。例えば、基板200は放熱フィン430の縁のうち、配管で前記流体が排出される排出管側に配置され得る。このような配置によって、基板200は冷却水とヒートシンク間の熱交換を妨害しないため冷却水の冷却作用を阻害しない。そして、基板200は配管を通過した流体から影響を受けるため、高温の流体ではなく温度が低くなった流体から熱の伝達を受けて耐久性の低下を防止することができる。また、高温によって基板200の特性が変わることを防止することができる。
【0098】
また、基板200は熱電素子100と連結される連結溝210および連結部220を含むことができる。連結溝210および連結部220は基板200上に位置し、熱電素子100のリード線181、182と電気的連結のために伝導性物質が配置され得る。連結ホール210および連結部220は一体に形成され得る。
【0099】
また、連結部220は基板200に最も隣接した列または行に配置された熱電素子100と基板200の間に配置され、基板200と基板200に最も隣接した列または行に配置された熱電素子100を電気的に連結することができる。
【0100】
そして、基板200と基板200に最も隣接した熱電素子100間に電気的連結がなされると、基板200に最も隣接した熱電素子100と同じ列または同じ行に配置された他の熱電素子100間の電気的連結がなされているので、他の熱電素子100も結果的に基板200から電気の供給を受けることができる。このような構成によって、基板200に最も隣接した熱電素子100と基板200間を電気的に連結するだけで、複数の熱電素子100をすべて駆動することができる。このような駆動は、複数の熱電素子100が同じ行または同じ列に配置された熱電素子100間の電気的連結によって提供され得る。これにより、複数の熱電素子100のそれぞれと基板200間のワイヤー、コネクターなどによる電気的連結が個別的になされない可能性もある。したがって、実施例に係る熱変換装置は熱電素子100に加えられる物理的、熱的衝撃から前記電気的連結が切れる問題を防止することができる。したがって、実施例に係る熱変換装置は物理的、熱的衝撃から自由であり得る。それだけでなく、実施例に係る熱変換装置は基板200と複数の熱電素子100間の個別的な連結が要求されないので、連結による不良の発生率も減少し得る。
【0101】
そして、基板200と基板200に最も隣接した熱電素子100の間の最短距離h5は、基板200に接触する連結部220の一端と熱電素子100の間の距離h4より小さくてもよい。そして、基板200と基板200に最も隣接した熱電素子100の間の最短距離は、図18のように断面上の基板200の上面と隣接した熱電素子100の基板の下面間の最小距離であり得る。そして、ここで、基板200に接触する連結部220の一端と熱電素子100の間の距離は、基板200に接触する連結部220の一端と熱電素子100の間の最短距離h4を含む意味である。
【0102】
また、例えば、基板200と基板200に最も隣接した熱電素子100の間の最短距離h5は、基板200に接触する連結部220の一端と熱電素子100の間の最短距離h4より小さいので、連結部220は基板と電気的に連結され得る。このような構成によって、基板200は熱電素子100のリード線181、182を通じて熱電素子100と電気的結合が大きくなり得る。
【0103】
また、基板200は前記の通り、リセスhに配置されて熱電素子100と離隔距離を有し得る。これにより、基板200は熱電素子100から伝達された熱を放熱フィン430を通じて伝達を受けるだけであり、熱電素子100と接触によって直接的に伝達を受けないため、放熱フィン430での熱伝達効率を低下させることを防止することができる。また、基板200はリセスhに配置され、熱電素子100と離隔して配置されるため、外部の衝撃から影響を少なく受けることができる。
【0104】
また、基板200と熱電素子100の間の最大距離は、基板200と接触する連結部220の一端と前記熱電素子の間の最大距離より大きくてもよい。基板200と熱電素子100の間の最大距離は、基板200の下面の所定の地点と基板200の下面の所定の地点に対して最も隣接した熱電素子100の間の最大距離を含むことができる。そして、基板200と接触する連結部220の一端と熱電素子100の間の最大距離は、基板200の下面の所定の地点から前記所定の地点に最も隣接した熱電素子100の間の最大距離を含むことができる。すなわち、連結部220の一端は放熱フィン430に接触せずに基板200内に配置されて、基板200と電気的に連結され得る。したがって、基板200内に存在する電気的連結地点は多様に配置され得るため、基板200で回路パターンなどの設計が自由であり得る。また、このような構成によって、連結部220と基板200の間の電気的連結による結合力が改善され得る。
【0105】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるはずである。
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