(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】バイオセンサー、および、その形成方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20220512BHJP
G01N 21/76 20060101ALI20220512BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20220512BHJP
G01N 33/543 20060101ALI20220512BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G01N21/76
G01N33/53 D
G01N33/53 M
G01N33/543 575
C12M1/34 F
C12M1/34 Z
(21)【出願番号】P 2020040760
(22)【出願日】2020-03-10
【審査請求日】2020-03-10
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 馨儀
(72)【発明者】
【氏名】謝 錦全
(72)【発明者】
【氏名】王 唯科
(72)【発明者】
【氏名】陳 裕仁
(72)【発明者】
【氏名】邱 怡華
(72)【発明者】
【氏名】許 中榮
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092393(JP,A)
【文献】国際公開第2013/080473(WO,A1)
【文献】特表2005-504293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0025511(US,A1)
【文献】特表2018-517127(JP,A)
【文献】特開2017-183388(JP,A)
【文献】特表2016-537998(JP,A)
【文献】特開2010-284152(JP,A)
【文献】特開2009-222583(JP,A)
【文献】特開2008-003061(JP,A)
【文献】特開2002-350347(JP,A)
【文献】特開2002-202303(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0108865(US,A1)
【文献】特開2015-162679(JP,A)
【文献】特開2013-175494(JP,A)
【文献】特開2010-186818(JP,A)
【文献】特開2006-030162(JP,A)
【文献】特開2013-088378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/83
G01N 33/48-G01N 33/98
C12N 1/34
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を照射された検体から発射された光線を感知するバイオセンサーであって、
平面視において正方形に区画された領域である画素を複数有する基板と、
前記基板中の前記複数の画素にそれぞれ対応する位置に設置されるとともに、前記検体から発射された光線を感知する複数のフォトダイオードと、
前記基板の前記画素上に設置され、所定の波長を有する光線をフィルターするピクセル化フィルターと、
前記ピクセル化フィルター上に設置され、前記励起光が前記ピクセル化フィルターに照射されるのを阻止する励起光阻止層と、
前記励起光阻止層上に設置され、前記検体を固定する固定化層と、
を有し、
前記ピクセル化フィルターは、有機カラーフィルター及び誘電干渉フィルターを有し、
前記有機カラーフィルターと前記誘電干渉フィルターとは、
前記基板の主面に平行な方向に交互に配置されており、
前記有機カラーフィルターは、他の前記有機カラーフィルターと接触して
おらず、
前記有機カラーフィルターは、前記誘電干渉フィルターによって囲まれていると共に、前記誘電干渉フィルターに接触していることを特徴とするバイオセンサー。
【請求項2】
前記誘電干渉フィルターは、バンドパスフィルター、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、あるいは、マルチバンドパスフィルターのうち少なくともいずれか一種のフィルターであることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項3】
前記有機カラーフィルターは、それぞれ、前記画素の一つに対応する位置に設置され、
前記誘電干渉フィルターは、それぞれ、前記画素の一つに対応する位置に設置されること、或いは
前記有機カラーフィルターは、それぞれ、前記画素の一つに対応する位置に設置され、
前記誘電干渉フィルターは、それぞれ、前記の画素の二つに対応する位置に設置されることを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサー。
【請求項4】
前記有機カラーフィルターは、前記誘電干渉フィルターにより隔離されることを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサー。
【請求項5】
前記ピクセル化フィルターは有機カラーフィルターであり、
前記ピクセル化フィルターは格子壁により隔離されることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項6】
固定化層中に組み込まれるアパーチャー構造を有することを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項7】
前記固定化層中に組み込まれる導波路を有することを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項8】
前記固定化層中に組み込まれるアパーチャー構造、および、
前記アパーチャー構造上に設置される導波路、
を有することを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項9】
前記励起光阻止層は、金属層が組み込まれる誘電干渉フィルターであることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項10】
励起光を照射された検体から発射された光線を感知するバイオセンサーの形成方法であって、
平面視において正方形に区画された領域である画素を複数有する基板を提供する工程と、
前記検体から発射された光線を感知する複数のフォトダイオードを前記基板中に形成する工程であり、前記複数のフォトダイオードを前記複数の画素とそれぞれ対応する位置に形成する工程と、
有機カラーフィルター及び誘電干渉フィルターを含み、所定の波長を有する光線をフィルターするピクセル化フィルターを、前記有機カラーフィルターと前記誘電干渉フィルターとが
前記基板の主面に平行な方向に交互に配置されると共に、前記有機カラーフィルターが他の前記有機カラーフィルターと接触しないように、前記基板の前記画素上に形成する工程と、
前記励起光が前記ピクセル化フィルターに照射されるのを阻止する励起光阻止層を前記ピクセル化フィルター上に形成する工程と、
前記検体を固定する固定化層を前記励起光阻止層上に形成する工程と、
を有
し、
前記有機カラーフィルターは、前記誘電干渉フィルターによって囲まれていると共に、前記誘電干渉フィルターに接触していることを特徴とするバイオセンサーの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサー(biosensor)に関するものであって、特に、ピクセル化フィルター(pixelated filter)を有するバイオセンサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、バイオセンサーは、通常、一種の光学フィルターを用いて、励起光を遮断するとともに、光線を発射して、感知画素に進入させる。光学フィルターは有機フィルターであり、入射光に対して非角感応(non-angle-sensitive)で、且つ、パターン化されやすい。しかし、有機フィルターは、通常、UV、又は、可視光により、強い蛍光性を生成する。有機フィルターのスペクトルは広く、且つ、選択が少ない。このほか、強い接着、および、化学的抵抗又は機械的抵抗が、他の種類のフィルターほどよくない。
【0003】
光学フィルターは、誘電干渉フィルターでもあり、UV、又は、可視光により、弱い蛍光性を生成するか、蛍光性を生成しない。誘電干渉フィルターはパスバンド、および、ストップバンドの必要性にしたがって、各スタックされたフィルムの厚さを容易に調整できる。しかし、誘電干渉フィルターの伝送は入射光に対して角感応であり、且つ、(隣接する画素に異なる通貨帯域及び素子帯域を設けるための)ピクセル化が困難である。よって、新規のバイオセンサーが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、バイオセンサー、および、その形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態によると、バイオセンサーが提供される。バイオセンサーは、基板、フォトダイオード、ピクセル化フィルター、励起光阻止層、および、固定化層(immobilization layer)を有する。基板は画素を有する。複数のフォトダイオードは基板中に設置され、複数の画素にそれぞれ対応する。ピクセル化フィルターは基板上に設置される。励起光阻止層はピクセル化フィルター上に設置される。固定化層は励起光阻止層上に設置される。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によると、バイオセンサーの形成方法が提供される。本方法は、複数の画素を有する基板を提供する工程と、基板中に複数のフォトダイオードを形成する工程であって、各フォトダイオードは、複数の画素にそれぞれ対応する、工程と、基板上に、ピクセル化フィルターを形成する工程と、励起光阻止層をピクセル化フィルター上に形成する工程と、固定化層を励起光阻止層上に形成する工程と、を有する。
【0007】
詳細な記述が、添付図面とともに、以下の実施形態中に与えられる。
【発明の効果】
【0008】
(1)フィルターはピクセル化されるので、フィルターは、強い接着、および、化学的抵抗又は機械的抵抗が提供され、よって、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題を防止することができる。
(2)導波路、アパーチャー構造、あるいは、遮蔽層を設置することにより、クロストークを適切に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100の平面図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図2D】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図2E】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図2F】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図2G】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー200を形成する段階での断面図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー200を形成する段階での断面図である。
【
図3C】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー200を形成する段階での断面図である。
【
図3D】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー200を形成する段階での断面図である。
【
図3E】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー200を形成する段階での断面図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー300を形成する段階での断面図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー300を形成する段階での断面図である。
【
図4C】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー300を形成する段階での断面図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー400を形成する段階での断面図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー400を形成する段階での断面図である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー400を形成する段階での断面図である。
【
図5D】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー400を形成する段階での断面図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図6C】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図7A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図7B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図7C】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図8A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図8B】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する段階での断面図である。
【
図9A】バイオセンサー上の検体(analytes)の配置を示す図である。
【
図9C】本発明のその他の実施形態による
図9Aの線A-A’に沿った断面図である。
【
図9D】本発明のその他の実施形態によるバイオセンサーの断面図である。
【
図9E】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置の平面図である。
【
図9F】本発明のいくつかの実施形態による
図9Eの線A-A’に沿った断面図である。
【
図9G】本発明のいくつかの実施形態による
図9Eの線A-A’に沿った断面図である。
【
図9H】本発明のいくつかの実施形態による
図9Eの線A-A’に沿った断面図である。
【
図9I】本発明のいくつかの実施形態による
図9Eの線A-A’に沿った断面図である。
【
図9J】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置の平面図である。
【
図9K】本発明のいくつかの実施形態による
図9Jの線A-A’に沿った断面図である。
【
図9L】本発明のいくつかの実施形態による
図9Jの線A-A’に沿った断面図である。
【
図10A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置を示す図である。
【
図10B】本発明のいくつかの実施形態による
図10Aの線B-B’に沿った断面図である。
【
図10C】本発明のいくつかの実施形態による
図10Aの線B-B’に沿った断面図である。
【
図10D】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置の平面図である。
【
図10E】本発明のいくつかの実施形態による
図10Dの線B-B’に沿った断面図である。
【
図10F】本発明のいくつかの実施形態による
図10Dの線B-B’に沿った断面図である。
【
図10G】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置の平面図である。
【
図10H】本発明のいくつかの実施形態によるそれぞれ、線A-A’、および、B-B’に沿った
図10Gの断面図である。
【
図10I】本発明のいくつかの実施形態によるそれぞれ、線A-A’、および、B-B’に沿った
図10Gの断面図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による発光、あるいは、透過対波長の分析グラフである。
【
図12A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置を示す図である。
【
図12B】本発明のいくつかの実施形態による
図12Aの線A-A’の断面図である。
【
図12C】本発明のその他の実施形態による
図12Aの線A-A’に沿った断面図である。
【
図12D】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置の平面図である。
【
図12E】本発明のいくつかの実施形態による
図12Gの線A-A’に沿った断面図である。
【
図12F】本発明のその他の実施形態による
図12Gの線B-B’に沿った断面図である。
【
図13A】本発明のいくつかの実施形態による発光、あるいは、透過対波長の分析グラフである。
【
図13B】本発明のいくつかの実施形態による第一信号強度比率対第二信号強度比率の分析グラフである。
【
図14A】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置を示す図である。
【
図14B】本発明のいくつかの実施形態によるそれぞれ
図14Aの線A-A’、B-B’およびC-C’の断面図である。
【
図14C】本発明のいくつかの実施形態によるそれぞれ
図14Aの線A-A’、B-B’およびC-C’の断面図である。
【
図14D】本発明のいくつかの実施形態によるそれぞれ
図14Aの線A-A’、B-B’およびC-C’の断面図である。
【
図14E】本発明のその他の実施形態によるそれぞれ、
図14Aの線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14F】本発明のその他の実施形態によるそれぞれ、
図14Aの線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14G】本発明のその他の実施形態によるそれぞれ、
図14Aの線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14H】本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体の配置の平面図である。
【
図14I】本発明のいくつかの実施形態による
図14Hのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14J】本発明のいくつかの実施形態による
図14Hのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14K】本発明のいくつかの実施形態による
図14Hのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14L】本発明のその他の実施形態による
図14Hのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14M】本発明のその他の実施形態による
図14Hのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図14N】本発明のその他の実施形態による
図14Hのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
【
図15A】本発明のいくつかの実施形態による発光、あるいは、透過対波長の分析グラフである。
【
図15B】本発明のいくつかの実施形態による第一信号強度比率対第二信号強度比率対第三信号強度比率の分析グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のバイオセンサーは以下の記述で詳細に説明される。以下の詳細な記述において、説明の目的のため、複数の特定の詳細、および、実施形態が説明されて、本発明の十分な理解を提供する。本発明を明瞭に記述するため、以下の詳細な記述における特定の素子、および、配置が説明される。しかし、理解できることは、ここで説明される例示的実施形態は、単に説明のために用いられ、本発明の概念は各種形式で具体化されて、それらの例示的実施形態に限定するものではない。このほか、本発明を明瞭に記述するために、異なる実施形態の図面は、類似する、および/または、対応する符号を用いて、類似の、および/または、対応する素子を示す。しかし、異なる実施形態の図面中の類似の、および/または、対応する符号の使用は、異なる実施形態間の任意の相互関係を意味するものではない。このほか、この明細書において、たとえば、 "第二材料層上の第一材料層"という表現は、第一材料層と第二材料層の直接接触を示すか、あるいは、第一材料層と第二材料層間の一つ以上の中間層と非接触状態を示す。上述の状況において、第一材料層は第二材料層と直接接触していない。
【0011】
このほか、この明細書において、関連する表現が用いられる。たとえば、 “下方”、“底部”、“上方”や “頂部”が用いられて、一素子ともう一つの素子の位置を記述する。注意すべきことは、一装置がひっくり返ると、 “下方”の素子が “上方”の素子になる。
【0012】
特に定義されない限り、ここで用いられる全用語(技術、および、科学用語を含む)は、当業者により理解されるものと同じ意義を有する。さらに、通常用いられる辞典で定義される用語は、特に定義されない限り、従来の技術の文脈中のそれらの意義と一致する意味を有するものとして解釈され、且つ、理想化、あるいは、過度に正式に解釈されるべきではない。
【0013】
記述において、関連用語、たとえば、 "下方" "上方" “水平” “垂直” “上部” “下部” “上” “下” “頂部” および “底部”およびそれらの派生物(たとえば、“水平方向に” “下方に” “上方に” 等)は、討論において、図面中に記述、および、表示されるような方向性を指示するものとして解釈される。これらの関連用語は、記述の利便性のためであり、装置が特定の方位で構成、あるいは、操作することを必要としない。特に記述されない限り、取り付けや結合等に関する用語は、たとえば、 “接続” と “相互接続”介在する構造により、直接、あるいは、間接的に、構造がもう一つの構造に固定される、あるいは、装着される関係、可動、あるいは、固定取り付け具や関係を参照する。
【0014】
注意すべきことは、第一、第二、および、第三等の用語がここで用いられて、各種素子、部品、領域、層、部分、および/または、セクションを記述しているが、これらの素子、部品、領域、層、部分、および/または、セクションは、これらの用語により制限されない。これらの用語は、一素子、部品、領域、層、部分、あるいは、セクションと別の素子、部品、領域、層、部分、あるいは、セクションを区別するためだけに用いられる。よって、以下で討論される第一素子、部品、領域、層、部分、あるいは、セクションは、本発明の教示を逸脱しない限り、第二素子、部品、領域、層、部分、あるいは、セクションと称される。
【0015】
注意すべきことは、同じ、あるいは、類似素子や層は、類似の符号により示される。いくつかの実施形態において、類似の符号により示される同じ、あるいは、類似の素子や層は同じ意味を有し、且つ、簡潔にするために繰り返さない。
【0016】
本発明の実施形態により提供されるバイオセンサーはピクセル化フィルターを有する。このフィルターは、強い接着、および、化学、あるいは、機械抵抗を有するので、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題(peeling issue)が防止できる。本発明は、細胞行動監視、DNAシーケンシング、qPCR、DNA/タンパク質マイクロアレイ、リキッドバイオプシー等に用いられる。
【0017】
図1は、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100の平面図である。
図1に示すように、バイオセンサー100は、複数の画素104を有する基板102を有する。
【0018】
図2A~
図2Gは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100を形成する各種段階での
図1の線A-A’に沿った断面図である。
【0019】
図2Aに示すように、基板102が提供される。複数のフォトダイオード106が基板
102中に形成される。一つのフォトダイオード106は一つの画素104に対応し、一つの画素104を定義する。本発明のいくつかの実施形態において、基板102は、バルク半導体基板、たとえば、半導体ウエハである。たとえば、基板102はシリコンウェアである。基板102は、シリコン、あるいは、別の元素半導体材料、たとえば、ゲルマニウムを有する。いくつかの実施形態において、基板102は化合物半導体を有する。化合物半導体は、ガリウムひ素(gallium arsenide)、炭化ケイ素(silicon carbide)、ヒ化インジウム(indium arsenide)、リン化インジウム(indium phosphide)、別の適切な材料、あるいは、それらの組み合わせを有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、基板102は、半導体オンインシュレーター(semiconductor-on-insulator、SOI)基板を有する。SOI基板は、SIMOX(separation by implantation of oxygen)プロセス、ウエハ接合プロセス(wafer bonding process)、別の適用可能な方法、あるいは、それらの組み合わせを用いて製造される。いくつかの実施形態において、基板102は非ドープ基板である。
【0021】
次に、材料層108が基板102上に形成される。いくつかの実施形態において、材料層108は、スパッタリング、スピンコーテイング、化学気相蒸着 (CVD)、低温化学気相蒸着 (LPCVD)、低温化学気相蒸着 (LTCVD)、高速熱化学気相蒸着 (RTCVD)、プラズマ助長化学気相蒸着 (PECVD)、原子層堆積 (ALD)、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを用いて形成される。材料層108の材料は、金属、あるいは、誘電体を含む。金属は、タングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀 (Ag)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及び亜鉛(Zn)のいずれか一種、それらの合金、又は、それらの組み合わせ等を含む。誘電体は、炭化ケイ素 (SiC)、窒素ドープ(nitrogen-doped)炭化ケイ素、酸素ドープ(oxygen-doped)炭化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、及び酸化ケイ素(silicon oxide)のいずれか一種、一つ以上のその他の適切な材料、それらの組み合わせ等を含む。
【0022】
そのあと、
図2Bに示すように、材料層108がパターン化される。フォトレジスト材が、適切なプロセス、たとえば、スパッタリング、スピンコーテイング、あるいは、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセス、あるいは、それらの組み合わせにより、材料層108上に形成される。次に、露光(optical expose)、後露光ベーキング(post-exposure baking)、および、現像(development)が実行されて、いくつかのフォトレジスト材を除去して、パターン化フォトレジスト層を形成する。パターン化フォトレジスト層は、エッチングを実行するための、エッチングマスクとなる。二層、あるいは、三層のフォトレジストが実行される。その後、格子壁108’は、任意の適切なエッチングプロセス、たとえば、反応性イオンエッチング(RIE)、中性ビームエッチング (NBE)等、あるいは、それらの組み合わせを用いて、材料層108をエッチングすることにより形成される。格子壁108’が二個の隣接する画素104間に設置される。具体的には、格子壁108’が複数の画素104の一つ周辺に設置される。続いて、フォトレジスト層は、エッチング、あるいは、その他の任意の適切な方法により除去される。
【0023】
次に、
図2Cに示すように、フィルター材料層110が基板102上に形成される。具体的には、フィルター材料層110の一部が、格子壁108’間に形成される。いくつかの実施形態において、フィルター材料層110は、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを用いて形成される。
【0024】
次に、
図2Dに示すように、フィルター材料層110の一部がエッチングプロセスにより除去される。具体的には、格子壁108’上方のフィルター材料層110の一部が除去され、その後、ピクセル化フィルター110’が基板102上に形成される。いくつかの実施形態において、格子壁108’の上表面とピクセル化フィルター110’の上表面は同一平面(coplanar)である。いくつかの実施形態において、ピクセル化フィルター110’は有機カラーフィルターである。
【0025】
次に、
図2Eに示すように、中間層112がピクセル化フィルター110’上に形成されて、形状を平坦化する。いくつかの実施形態において、中間層112は、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを用いて形成される。中間層112の材料は、有機ポリマー、SiO
2, Al
2O
3, Si
3N
4, 及びTa
2O
5のいずれか一種、その他の適切な任意の誘電材、あるいは、それらの組み合わせを含む。
【0026】
次に、
図2Fに示すように、励起光阻止層114が、ピクセル化フィルター110’上に形成される。いくつかの実施形態において、励起光阻止層114は、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを用いて形成される。励起光阻止層114は、ファブリペロー干渉フィルター(Fabry-Perot interference filter)であり、二個の並列な反射表面で形成される少なくとも一つの誘電光キャビティ(optical cavity)を有する。いくつかの実施形態において、ファブリペロー干渉フィルターは、高屈折率誘電層、および、低屈折率誘電層を交互に蒸着した誘電多層膜である。別の実施形態において、ファブリペロー干渉フィルターは、高反射率の金属層、および、低反射率の酸化被膜を交互に蒸着した多層膜である。たとえば、励起光阻止層114は、TiO
2/SiO
2, Ta
2O
5/SiO
2, Nb
2O
5/SiO
2, SiH/SiN, Ag/SiO
2, Cu/SiO
2, Au/SiO
2, Al/SiO
2 、あるいは、それらの組み合わせである。励起光阻止層114は、金属層を有する誘電干渉フィルターである。金属層は励起光阻止層中に含まれるので、励起光阻止層114の厚さは、0.1μm ~2 μmであり、
レーザー励起光除去に用いる同じ光学密度(OD)でろ過される誘電体より薄い。金属層は、Ag, Au, Al, 及びCuのいずれか一種、あるいは、それらの組み合わせを含む。
【0027】
次に、
図2Gに示すように、固定化層116が励起光阻止層114上に形成される。固定化層116は検体(analyte)を固定する。いくつかの実施形態において、固定化層116は、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれ一種のプロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを用いることにより形成される。固定化層116の材料は、SiO
2, Ta
2O
5, Al
2O
3, Au, 及び金属酸化物のいずれか一種、あるいは、それらの組み合わせた材料を含む。その後、バイオセンサー100が形成される。いくつかの実施形態において、固定材料は、透明、あるいは、半透明である。
【0028】
励起光阻止層114は、ピクセル化フィルター110’と固定化層116の間に設置されるので、励起光阻止層114は、励起光が、ピクセル化フィルター110’を照射するのを防止し、よって、ピクセル化フィルター110’が望まれない蛍光性を生成するのを回避することができる。
【0029】
ピクセル化フィルター110’は格子壁によりピクセル化されるので、フィルターは、強い接着、および、化学、あるいは、機械抵抗が提供され、よって、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題を防止することができる。
【0030】
図3A~
図3Eは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー200を形成する各種段階での断面図である。
【0031】
図3Aに示すように、基板102が提供される。その後、材料層110aが基板上に形成される。いくつかの実施形態において、材料層110aは、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを用いることにより形成される。材料層110aは、水平に配置された高屈折率の誘電膜、および、低屈折率の誘電膜、たとえば、TiO
2/SiO
2, Ta
2O
5/SiO
2, Nb
2O
5/SiO
2, SiH/SiN、あるいは、それらの組み合わせを有する誘電干渉フィルターである。
【0032】
その後、
図3Bに示すように、材料層110aがパターン化される。特に、フォトレジスト材は、適切なプロセス、たとえば、スパッタリング、スピンコーテイング、あるいは、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセス、あるいは、それらの組み合わせにより、材料層110a上に形成される。次に、露光、後露光ベーキング、および、現像が実行されて、いくつかのフォトレジスト材を除去して、パターン化フォトレジスト層を形成する。パターン化フォトレジスト層は、エッチングを実行するための、エッチングマスクとなる。二層、あるいは、三層のフォトレジストが形成される。その後、材料層110aは、任意の適切なエッチングプロセス、たとえば、RIE、NBE等、あるいは、それらの組み合わせを用いてエッチングされる。その後、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’が形成される。続いて、フォトレジスト層は、エッチング、あるいは、その他の任意の適切な方法により除去される。一個のピクセル化誘電干渉フィルター110a’は二個の画素104に対応し、二個のピクセル化誘電干渉フィルター110a’の間に一つの画素104に対応する開口を有する。ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は、バンドパスフィルター、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、あるいは、マルチバンドパスフィルターである。
【0033】
次に、
図3Cに示すように、有機カラーフィルター110bが基板102上に形成される。具体的には、有機カラーフィルター110bの一部は、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’の間の開口中にある。
【0034】
次に、
図3Dに示すように、有機カラーフィルター110bの一部が、エッチングプロセスにより除去される。具体的には、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’上の有機カラーフィルター110bの一部が除去され、その後、ピクセル化フィルター110’が基板102上に形成される。いくつかの実施形態において、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’の上表面と有機カラーフィルター110bの上表面は同一平面(coplanar)である。有機カラーフィルター110bの厚さは、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’と同じか、あるいは、より薄い。
【0035】
次に、
図3Eに示すように、その後、中間層112、励起光阻止層114、および、固定化層116が、
図2E~
図2Gで記述されるピクセル化フィルター110’上に形成される。バイオセンサー200が形成される。
【0036】
励起光阻止層114は、ピクセル化フィルター110’と固定化層116の間に設置されるので、励起光阻止層114は、励起光が有機カラーフィルター110bを照射するのを防止することができ、よって、フィルターが、望まれない蛍光性を生成するのを防止する。
【0037】
各有機カラーフィルターは、ピクセル化誘電干渉フィルターにより隔離されるので、フィルターは、強い接着、および、化学的抵抗、あるいは、機械的抵抗が提供され、よって、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題を防止することができる。
【0038】
図4A~
図4Cは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー300を形成する各種段階での断面図である。
【0039】
図4Aは、
図2Bに示される構造を説明する。
図4Aに示すように、有機カラーフィルター110bが、上記のパターン化プロセスにより、基板102上に形成される。具体的には、有機カラーフィルター110bが格子壁108’ の間に形成される。
【0040】
次に、
図4Bに示すように、有機カラーフィルター110cが、上記のパターン化プロセスにより基板102上に形成される。具体的には、有機カラーフィルター110cが、複数の有機カラーフィルター110bの間に形成され、複数の格子壁108’の間に形成される。
【0041】
次に、
図4Cに示すように、格子壁108’上にある有機カラーフィルター110bの一部、および、有機カラーフィルター110cの一部が、
図2Dに記述されるようにエッチングされる。その後、中間層112、励起光阻止層114、および、固定化層116が、
図2E~
図2Gに記述されるピクセル化フィルター110’上に形成される。バイオセンサー300が形成される。
【0042】
いくつかの実施形態において、有機カラーフィルター110b、および、110cの面積は、一つの画素104に等しいか、それより小さい。
【0043】
励起光阻止層114は、フィルターと固定化層116の間に設置されるので、励起光阻止層114は、励起光が、有機カラーフィルター110b、および、110cを照射するのを防止することができ、よって、フィルターが、望まれない蛍光性を生成するのを防止する。
【0044】
フィルターが格子壁によりピクセル化されるので、フィルターは、強い接着、および、化学的抵抗、あるいは、機械的抵抗が提供され、よって、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題を防止することができる。
【0045】
図5A~
図Dは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する各種段階での断面図である。
【0046】
図5Aは、
図3Bに記述される構造を説明する。
図5Aと
図3B間の差異は、一つのピクセル化誘電干渉フィルター110a’が一つの画素104に対応することである。
【0047】
次に、
図5Bに示すように、有機カラーフィルター110b、および、有機カラーフィルター110cが上記のように形成される。ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は、有機カラーフィルター110bと有機カラーフィルター110cの間に挿入される。
【0048】
次に、
図5Cに示すように、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’上方にある有機カラーフィルター110bの一部、および、有機カラーフィルター110cの一部が、
図2Dに記述されるようにエッチングされ、その後、ピクセル化フィルター110’が形成される。有機カラーフィルター110b、および、有機カラーフィルター110cの厚さは、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’と同じか、それより薄い。
【0049】
次に、
図5Dに示すように、その後、中間層112、励起光阻止層114、および、固定化層116が、
図2E~
図2Gで記述されるピクセル化フィルター110’上に形成される。バイオセンサー400が形成される。
【0050】
励起光阻止層114は、フィルターと固定化層116の間に設置されるので、励起光阻止層は、励起光が、有機カラーフィルター110b、および、110cを照射するのを防止することができ、よって、フィルターが、望まれない蛍光性を生成するのを防止する。
【0051】
各有機カラーフィルターは、ピクセル化誘電干渉フィルターにより隔離されるので、フィルターは、強い接着、および、化学的抵抗、あるいは、機械的抵抗が提供され、よって、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題を防止することができる。
【0052】
図6A~
図6Cは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する各種段階での断面図である。
【0053】
図6Aは、励起光阻止層114が形成された後の構造を説明する。
図6Aに示すように、下クラッド層118aが、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせたプロセスを用いて、励起光阻止層114上に形成される。下クラッド層118aの材料は、ポリマー、SiO
2, Al
2O
3,及び低屈折率の材料のいずれか一種、あるいは、それらの組み合わせた材料を含む。その後、導波路120が下クラッド層118a上に形成される。導波路120の材料は、TiO
2, Ta
2O
5, Nb
2O
5, Al
2O
3, Si
3N
4,及び高屈折率の少なくともいずれか一種の材料を含む。導波路120の屈折率は、クラッド層118aのより高い。
【0054】
図6Bに示すように、導波路120が形成される。フォトレジスト材が、適切なプロセス、たとえば、スパッタリング、スピンコーテイング、あるいは、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、あるいは、それらの組み合わせたプロセスにより、導波路120上に形成される。次に、露光、後露光ベーキング、現像が実行されて、いくつかのフォトレジスト材を除去して、パターン化フォトレジスト層を形成する。パターン化フォトレジスト層は、エッチングを実行するための、エッチングマスクとなる。二層、あるいは、三層のフォトレジストが実行される。その後、パターン化された導波路120’は、任意の適切なエッチングプロセス、たとえば、RIE、NBE等、あるいは、それらの組み合わせを用いて、導波路120をエッチングすることにより形成される。パターン化された導波路120’は線形である。続いて、フォトレジスト層は、エッチング、あるいは、その他の任意の適切な方法により除去される。
【0055】
図6Cに示すように、上クラッド層118b が、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせのプロセスを用いて、下クラッド層118a上に形成される。具体的には、パターン化された導波路120’は上クラッド層118bにより被覆される。
上クラッド層118bの材料は、ポリマー、SiO
2, Al
2O
3, 及び低屈折率の材料のいずれか一種の材料、あるいは、それらの組み合わせた材料を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、上クラッド層118bの材料は、下クラッド層118aと同じなので、上クラッド層118bと下クラッド層118aの間の境界(インターフェース)は明確ではない。別の実施形態において、上クラッド層118aの材料は下クラッド層118aと異なる。上クラッド層118bと下クラッド層118aは固定化層116と見なされる。
【0057】
バイオセンサーに導波路を設置することにより、いつ、どのように、検体を励起するのかを制御するのが容易となり、よって、クロストークが回避される。
【0058】
理解すべきことは、導波路構造は、前述のバイオセンサーの任意の一つ中に含まれる。
【0059】
図7A~
図7Cは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する各種段階での断面図である。
【0060】
図7Aは、励起光阻止層114が形成された後の構造を説明する。
図7Aに示すように、下酸化層122aが、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせのプロセスを用いて、励起光阻止層114上に形成される。下酸化層122aの材料は、ポリマー、SiO
2, Al
2O
3,及び低屈折率の材料のいずれか一種の材料、あるいは、それらの組み合わせの材料を含む。
【0061】
その後、不透明材料124が下酸化層122a上に形成される。不透明材料124の材料は、W, Ti, Al, Nb, Ni, Au, Cu, SiH, 及びAgのいずれか一種の材料, それらの合金、あるいは、それらの組み合わせの材料を含む。
【0062】
図7Bに示すように、不透明材料124がパターン化される。フォトレジスト材が、適切なプロセス、たとえば、スパッタリング、スピンコーテイング、あるいは、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、あるいは、それらの組み合わせのプロセスにより、不透明材料124上に形成される。次に、 露光、後露光ベーキング、現像が実行されて、いくつかのフォトレジスト材を除去して、パターン化フォトレジスト層を形成する。パターン化フォトレジスト層は、エッチングを実行するための、エッチングマスクとなる。二層、あるいは、三層のフォトレジストが実行される。その後、アパーチャー構造124’ が、任意の適切なエッチングプロセス、たとえば、RIE、NBE等、あるいは、それらの組み合わせを用いて、不透明材料124をエッチングすることにより形成される。アパーチャー構造124’は、複数の画素104の一つに対応する一開口を有する。続いて、フォトレジスト層が、エッチング、あるいは、その他の任意の適切な方法により除去される。
【0063】
図7Cに示すように、上酸化層122bは、スパッタリング、スピンコーテイング、CVD、LPCVD、LTCVD、RTCVD、PECVD、ALD、物理的気相成長法プロセス、及び分子線ビーム蒸着プロセスのいずれか一種のプロセス、その他の任意の適切なプロセス、あるいは、それらの組み合わせのプロセスを用いて、下酸化層122a上に形成される。具体的には、アパーチャー構造124’は、上酸化層122bにより被覆される。上酸化層122bの材料は、ポリマー、SiO
2, Al
2O
3, 及び低屈折率の材料のいずれか一種、あるいは、それらの組み合わせの材料を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、上酸化層122bの材料は下酸化層122aと同じなので、上酸化層122bと下酸化層122a間の境界(インターフェース)は明確ではない。別の実施形態において、上酸化層122bの材料は、下酸化層122aと異なる。上酸化層122bと下酸化層122aは固定化層116として作用する。
【0065】
アパーチャー構造が開口を有するので、検体から照射された光線がさらに制御されて、基板のある領域により検出され、よって、クロストークが回避される。
【0066】
理解すべきことは、アパーチャー構造は、上記のバイオセンサーの任意の一つ中に含まれる。
【0067】
図8A、および、
図8Bは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサーを形成する各種段階での断面図である。
【0068】
図8Aは、
図7Cの構造を説明する。
図8Aに示すように、導波路120が、上記のアパーチャー構造124’に形成される。この実施形態において、導波路120は平面である。
【0069】
次に、
図8Bに示すように、サブ固定化層116’が、上記の導波路120 上に形成される。下酸化層122a、上酸化層122b、および、サブ固定化層116’は固定化層116と見なされる。その結果、アパーチャー構造124’は固定化層116中に形成され、導波路120はアパーチャー構造124’上に形成される。
【0070】
理解すべきことは、アパーチャー構造と導波路が、上記のバイオセンサーの任意の一つ中に含まれることである。
【0071】
フィルターの異なる組み合わせに従って、本発明の概念が以下で詳細に記述される。
【0072】
≪実施形態1≫
この形態において、バイオセンサーは、同じ波長を有する光線をろ過するフィルターを有する。
図9Aは、バイオセンサー上の検体126aの配置を説明する図である。
図9Bは、
図9Aの線A-A’に沿った断面図である。いくつかの実施形態において、バイオセンサーは、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’、および、有機カラーフィルター110bを有し、同じ波長を有する光線をろ過する。この実施形態において、1つの検体により発射される光線は、光線下の画素に対して、1画素分離れた位置にある画素に到達することができる。つまり、光線下の画素を囲む最も近い8つの画素にも光線は届く。たとえば、
図9Aに示されるように、画素1041は、検体126a1により発射される光線下にあり、画素1042~1049は、画素1041から1画素分離れた位置の画素であり、検体126a1により発射される光線は、画素1042~1049に到達する。
【0073】
検体126aはバイオセンサー上に設置される。一検体126aの面積は、一つの画素104と同じか、それより小さい。
【0074】
励起光128は検体126aを照射する。励起光128は、バイオセンサー100の一方の側から他方の側に移動するので、検体126aは、順に励起され、光線を発射するが、同時ではない。たとえば、励起光128は、方向Xに沿って移動する。この実施形態において、
図9Aに示されるように、方向Xは、上から見て、バイオセンサーの左側から右側の方向である。
【0075】
よって、検体126aは、全画素104上に設置されるとともに、一連の励起によりクロストークも回避される。
【0076】
図9Cは、本発明のその他の実施形態による
図9Aの線A-A’に沿った断面図である。
図9Cと
図9Bの実施形態間の差異の一つは、
図9Cのバイオセンサーが、有機カラーフィルター110bを有し、各有機カラーフィルター110bが格子壁108’により隔離される。
【0077】
図9Dは、本発明のその他の実施形態によるバイオセンサーの断面図である。
図9Dと
図9Cの実施形態間の差異の一つは、検体126bの面積が、一つの画素104より大きいことである。検体126bは、細胞(cell)、組織(tissue)、臓器(organ)等である。
【0078】
検体126bの面積は、一つの画素104より大きいが、理解すべきことは、以下の例示的な実施形態において、
図9A~
図9Cの実施形態で示されるのと同じ概念が、
図9Dの実施形態にも適用することができ、簡潔にするため、説明を繰り返さない。さらに、配置は単なる例である。当業者は、実際のニーズに適合するように、検体を設置することができる。
【0079】
図9Eは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100上の検体126aの配置の平面図である。実施形態において、一検体により発射される光線が、光線下方で、右側にある画素だけに到達することができると仮定する。
図9F~
図9Iは、本発明のいくつかの実施形態による
図9Eの線A-A’に沿った断面図である。
【0080】
図9E~
図9I、および、
図9A~
図9Dの実施形態間の差異の一つは、検体126a、あるいは、検体126bが、励起光128により同時に照射されることである。
【0081】
検体126a、あるいは、検体126bは、励起光128により同時に照射されるが、理解すべきことは、以下の例示的な実施形態において、
図9A~
図9Dの実施形態で示されるのと同じ概念が、
図9E~
図9Iの実施形態にも適用できることで、簡潔にするため、繰り返さない。さらに、配置は単なる例である。当業者は、実際のニーズに適合するように、検体を設置することができる。
【0082】
図9Jは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー100上の検体126aの配置の平面図である。いくつかの実施形態において、バイオセンサー100は、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’ および、有機カラーフィルター110bを有し、同じ波長の光線をろ過する。この実施形態において、一検体により照射される光線は、
図9Aで記述されるように、一画素が、光線下の画素から離れる画素に到達することができると仮定する。
図9K~
図9Lは、本発明のいくつかの実施形態による
図9Jの線A-A’に沿った断面図である。
【0083】
図9J~
図9L、および、
図9A~
図9Iの実施形態間の差異の一つは、
図9J~
図9Lのバイオセンサーがアパーチャー構造124’を有することである。検体126a、あるいは、検体126bが、励起光128により同時に照射される。
【0084】
図9J~
図9Lに示されるように、アパーチャー構造124’は、それぞれ、一検体126aに対応する開口を有し、光線がさらに制御されて、基板102のある領域だけを照射する。たとえば、
図9Kに示されるように、画素104は、二個の別々の検体126aにより同時に発射される光線により照射されない。その結果、 クロストークが回避される。
【0085】
図9J~
図9Lのバイオセンサーはアパーチャー構造124’を有するが、理解すべきことは、
図9A~
図9Iの実施形態で示されるのと同じ概念が
図9J~
図9Lにも適用でき、簡潔にするため、説明を繰り返さない。
【0086】
以下で、
図9A~
図9Lのバイオセンサーがどのように使用されるかを記述する。
【0087】
上述のバイオセンサーによると、光線が識別される。たとえば、信号が得られる場合、信号はPassとして定義される。その後、検体126a、あるいは、検体126bは所望の光線を発射することが分かる。信号が得られない場合、信号はNoとして定義される。その後、検体126a、あるいは、検体126bは、所望の光線を発射しない、あるいは、光線を発射しないことが分かる。
【0088】
≪実施形態2≫
この形態において、バイオセンサーは、それぞれ、異なる波長の光線をろ過する二種のフィルターを有する。
図10Aは、バイオセンサー
300上の検体126aの配置を有する。
図10Bは、
図10Aの線B-B’に沿った断面図である。いくつかの実施形態において、バイオセンサーは、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’、および、有機カラーフィルター110bを有し、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は一種の光線をろ過し、有機カラーフィルター110bは別の種類の光線をろ過する。この実施形態において、一検体により照射される光線が光線を囲む最も近い6つの画素に到達することができると仮定する。たとえば、
図10Aに示されるように、検体126a1により発射される光線は、画素1041、1045、1046、1047、1048、および、1049に到達する。
【0089】
励起光128は検体126aを照射する。励起光128は、バイオセンサー
300の一方の側から他方の一側に移動するので、検体126aは順に励起され、光線を発射するが、同時ではない。たとえば、励起光128は、方向Xに沿って移動する。この実施形態において、
図10Aに示されるように、方向Xは、上から見て、バイオセンサー
300の左側から右側の方向である。
【0090】
その結果、検体126aは、
図10Aに示されるように、バイオセンサー上に設置され、クロストークを回避する。
【0091】
図10Cは、本発明のその他の実施形態による
図10Aの線B-B’に沿った断面図である。
図10Cと
図10Bの実施形態間の差異の一つは、
図10Cのバイオセンサーが、有機カラーフィルター110b、および、有機カラーフィルター110cを有し、有機カラーフィルター110b、および、有機カラーフィルター110cは、それぞれ、格子壁108’により隔離されることである。有機カラーフィルター110bは一種の光線をろ過し、有機カラーフィルター110cは別の種類の光線をろ過する。
【0092】
図10Dは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体126aの配置の平面図である。この実施形態において、
図10Aで説明されるように、一検体により照射される光線が、光線を囲む最も近い6つの画素に到達することができると仮定する。
図10Eと
図10Fは、本発明のいくつかの実施形態による
図10Dの線B-B’に沿った断面図である。
【0093】
図10D、および、
図10F、および、
図10A~
図10Cの実施形態間の差異の一つは、検体126a、あるいは、検体126bが、励起光128により同時に照射されることである。
【0094】
検体126a、あるいは、検体126bは、励起光128により同時に照射されるが、理解すべきことは、以下の例示的な実施形態を読んだ後、
図10A~
図10Cの実施形態で示されるのと同じ概念が、
図10D、および、
図10Fの実施形態にも適用でき、簡潔にするため、繰り返さない。さらに、配置は単なる例である。当業者は、実際のニーズに適合するように、検体を設置することができる。
【0095】
図10Gは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体126aの配置の平面図である。この実施形態において、
図10Aで記述されるように、一検体により照射される光線は、光線を囲む最も近い6つの画素に到達することができると仮定する。
図10H、および、
図10Iは、本発明のいくつかの実施形態によるそれぞれ、
図10Gの線A-A’、および、B-B’に沿った断面図である。
【0096】
【0097】
図10G~
図10Iに示されるように、アパーチャー構造124’は、それぞれ、一検体126aに対応する開口を有するので、光線はさらに制御されて、基板102のある領域だけを照射することができる。
図10H、および、
図10Iに示されるように、二個の別々の検体126aにより同時に照射される光線Lにより照射される画素104がない。その結果、クロストークが回避される。
【0098】
【0099】
【0100】
上記のバイオセンサーによると、光線が識別される。たとえば、信号が得られる場合、信号はPassとして定義される。その後、検体126a、あるいは、検体126bは所望の光線を発射する。信号が得られない場合、信号はNoとして定義されることが分かる。その後、検体126a、あるいは、検体126bは、所望の光線を発射しない、あるいは、光線を発射しないことが分かる。
【0101】
図11は、本発明のいくつかの実施形態による発光、あるいは、透過対波長の分析グラフである。110A’は、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’を通過することができる光線の波長を示す。110Bは、有機カラーフィルター110bを通過することができる光線の波長を示す。EYFP、PE、FM2-10、および、eFluor610は、四種の異なる光線を発射する四種の染料である。光線Lの第一信号強度は、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’下方の画素104から得られる。光線Lの第二信号強度は、有機カラーフィルター110b下方の画素104から得られる。110A’の曲線下の領域 (AUC)とEYFPのAUC間の重複領域は、EYFPの第一信号強度を表し、110BのAUCとEYFPのACU間の重複領域は、EYFPの第二信号強度を表す。同じ概念において、PE、FM2-10、および、eFluor610は、第一信号強度、および、第二信号強度を有する。第一閾値は第一信号強度に対して設定される。第二閾値は第二信号強度に対して設定される。第一信号強度は、第一信号強度が、それぞれ、第一閾値より高いか低いかに基づいて、Pass、あるいは、Noとして定義される。たとえば、EYFPの第一信号強度が第一閾値より高いとき、EYFPの第一信号強度はPassとして定義される。EYFPの第一信号強度が第一閾値より低いとき、EYFPの第一信号強度は、Noとして定義される。第二信号強度は上記のように定義される。
【0102】
第一閾値、および、第二閾値は、実際の状況にしたがって設定される。以下の表1は上記の概念と
図11にしたがって作成され、第一信号強度は110a’により示され、第二信号強度は110bにより示される。
【表1】
【0103】
第一信号強度、および、第二信号強度の定義の組み合わせにしたがって、四種の染料が識別される。たとえば、EYFPの第一信号強度は、Noとして定義され、EYFPの第二信号強度は、Noとして定義される。その結果、第一信号強度、および、第二信号強度の定義の組み合わせが、それぞれ、NoとNoである場合、光線が、EYFPにより発射されることが分かる。前述の同じ概念において、染料が識別される。
【0104】
あるいは、第二信号強度に対する第一信号強度の信号強度比率 (110a’/110b)も計算されて、四種の異なる染料、即ち、四種の光線を識別する。
【0105】
110a’/110bの信号強度比率は、第一信号強度比が、所定の比率より高いか低いかに基づいて、H、あるいは、Lとして定義される。その後、Hとして定義される群において、第一信号強度は、第一信号強度が第一閾値より低いか高いかに基づいて、H、あるいは、Lとして定義されるか、あるいは、第二信号強度は、第二信号強度が第二閾値より高いか低いかに基づいて、H、あるいは、Lとして定義される。その後、上記の同じ概念は、Lとして定義される群にも適用される。
【0106】
以下の表2は、上記の概念と
図11に従って作成され、第一信号強度は110a’により示され、第二信号強度は110bにより示され、信号強度比率は
110a’/110bにより示される。
【表2】
【0107】
110a’/110bの信号強度比率の定義、および、第一信号強度、あるいは、第二信号強度の定義に従って、四種の染料が識別される。たとえば、EYFPの110a’/110bの信号強度比率、および、PEの110a’/110bの信号強度比率は所定の比率より低く、EYFPの110a’/110bの信号強度比率、および、PEの110a’/110bの信号強度比率はLとして定義される。FM2-10の110a’/110bの信号強度比率、および、eFluor610の110a’/110bの信号強度比率は所定の比率より高く、FM2-10の110a’/ 110bの信号強度比率、および、eFluor610の110a’/110bの信号強度比率はHとして定義される。二個の第一閾値があり、一つの第一閾値は Group Lに設定され、もう一つの第一閾値は Group Hに設定される。その後、Group Lにおいて、EYFPの第二信号強度は第一閾値より低く、且つ、EYFPの第二信号強度はLとして定義される。PEの第二信号強度は第一閾値より高く、且つ、PEの第二信号強度はHとして定義される。Group Hにおいて、FM2-10の第一信号強度は別の第一閾値より高く、且つ、FM2-10の第二信号強度はHとして定義される。eFluor610の第二信号強度は別の第一閾値より低く、且つ、eFluor610の第二信号強度はLとして定義される。
【0108】
その結果、110a’/110bの信号強度比率の定義がL、第二信号強度の定義がLである場合、光線が、EYFPにより発射されることが分かる。前述の同じ概念において、染料が識別される。
【0109】
≪実施形態3≫
この形態において、バイオセンサーは三種のフィルターを有し、異なる波長の光線をそれぞれろ過する。たとえば、
図12Cに示されるように、バイオセンサーは、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、および、有機カラーフィルター110dを有する。あるいは、
図12Bに示されるように、バイオセンサーは、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’、および、有機カラーフィルター110bを有する。この形態において、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’が製造されて、一種の光線だけをろ過する。しかし、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は、本質的に、角感応するので、光線が、大きい入射角で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’ に進入するとき、スペクトルシフトの現象が発生する。その結果、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は、実際、二種以上の光線をろ過することができる。
図12Aは、バイオセンサー上の検体126aの配置を示す図である。
図12Bは、
図12Aの線A-A’の断面図である。この実施形態において、一検体により照射される光線は、一画素が、光線下の画素から離れる画素に到達することができると仮定する。つまり、
図9Aで記述されるように、その画素を囲む最も近い8個の画素は光線下方にある。
【0110】
図12Aに示されるように、有機カラーフィルター110bは、方向Xで、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’により被覆される二個の画素により分離され、有機カラーフィルター110bは、方向Xに垂直な方向Yで、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’により被覆される一画素により分離される。
【0111】
励起光128 (
図12B)は、検体126a、あるいは、126b (図示しない)を照射する。励起光128は、バイオセンサー
200の一側からもう一側に移動するので、検体126aは順に励起され、光線Lを発射するが、同時ではない。たとえば、励起光128は、方向Xに沿って移動する。この実施形態において、
図12Aに示されるように、方向Xは、上から見て、バイオセンサーの左側から右側の方向である。
【0112】
図12Bに示すように、検体126aは励起光128により励起されるとともに、光線Lを発射する。光線Lの第一部分L1は、第一入射角 θ1で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入する。第一入射角 θ1 は、光線Lの第一部分L1と基板102の法線の間である。光線Lの第一部分L1を受光する画素は、第一画素104aである。
【0113】
光線Lの第二部分L2は、第二入射角 θ2で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入する。第二入射角 θ2 は、光線Lの第二部分L2と基板102の法線の間の角度である。第一入射角 θ1 は第二入射角 θ2より小さい。光線Lの第二部分L2を受光する画素は、第二画素104bである。
【0114】
光線Lの第三部分L3は、第三入射角 θ3で、有機カラーフィルター110bに進入する。第三入射角 θ3 は、光線Lの第三部分L3と基板102の法線の間の角度である。光線Lの第三部分L3を受光する画素は、第三画素104cである。
【0115】
いくつかの実施形態において、第一入射角 θ1 は0度~40度であり、第二入射角 θ2 は20度~70度であり、第三入射角 θ3は20度~70度である。いくつかの実施形態において、第一入射角 θ1 は0度~30度であり、第二入射角 θ2 は20度~60度であり、第三入射角 θ3は20度~60度である。第一入射角 θ1は第二入射角 θ2より小さいので、第二部分L2は、第一部分L1よりさらに著しくスペクトルシフトする。
【0116】
図12Cは、その他の実施例による
図12Aの線A-A’に沿った断面図である。
図12Bと
図12Cの実施形態間の差異の一つは、
図12Cのバイオセンサーは、三種の異なる有機カラーフィルター、すなわち、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、および、有機カラーフィルター110dを有する。また、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、および、有機カラーフィルター110dは、それぞれ、格子壁108’により囲まれる。
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
図13Aは、本発明のいくつかの実施形態による発光、あるいは、透過対波長の分析グラフである。104Aは、第一入射角 θ1で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入し、且つ、第一画素104aにより受光される光線の波長を示す。104Bは、第二入射角 θ2で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入し、且つ、第二画素104bにより受光される光線の波長を示す。110Cは、第三入射角 θ3で、
有機カラーフィルター
110bに進入し、且つ、第三画素104cにより受光される光線の波長を示す。Alexa532、Alexa568、および、Alexa647は、三種の異なる光線を発射する三種の染料である。
【0121】
第一閾値は第一信号強度に対して設定される。第二閾値は第二信号強度に対して設定される。第三閾値は第三信号強度に対して設定される。信号強度は、前述のように、Pass、あるいは、Noとして定義される。
【0122】
第一閾値、第二閾値、および、第三閾値は、実際の状況にしたがって設定される。以下の表3は、上記の概念と
図13Aにしたがって作成され、第一信号強度は104aで示され、第二信号強度は104bで示され、第三信号強度は110cで示される。
【表3】
【0123】
第一信号強度、第二信号強度、および、第三信号強度の定義の組み合わせにしたがって、三種の染料が識別される。ピクセル化誘電干渉フィルターがショートパスフィルターである実施形態において、前の記述と同じ概念において、染料が識別される。
【0124】
ピクセル化誘電干渉フィルターがバンドパスフィルターである実施形態において、前の記述と同じ概念において、染料が識別される。
【0125】
ピクセル化誘電干渉フィルターがロングパスフィルターである実施形態において、前の記述と同じ概念において、染料が識別される。
【0126】
あるいは、第一信号強度対第三信号強度の第一信号強度比率(104a/110c)、第二信号強度対第三信号強度の第二信号強度比率 (104b/110c)も計算されて、三種の異なる染料、即ち、三種の異なる光線を識別する。グラフは、第一信号強度比率、および、第二信号強度比率にしたがって表示される。具体的には、第一信号強度比率対第二信号強度比率のクラスタ識別グラフ(cluster distribution graph)が表示される。
【0127】
たとえば、
図13Bは、本発明のいくつかの実施形態による第一信号強度比率対第二信号強度比率の分析グラフである。X軸は第一信号強度比率を示す。Y軸は第二信号強度比率を示す。Alexa532はダイヤモンド型で示される。Alexa568は方形で示される。Alexa647は三角形で示される。
【0128】
ピクセル化誘電干渉フィルターがショートパスフィルターである実施形態において、Alexa532、Alexa568、および、Alexa647のデータポイントは、それぞれ、グラフ中の異なる位置でクラスタ化される。その結果、染料が、Alexa532のデータポイントがクラスタ化される位置又は近接する位置に、位置する場合には、光線はAlexa532により発射されることが分かる。染料が、Alexa568のデータポイントがクラスタ化される位置又は近接する位置に、位置する場合、光線がAlexa568により発射されることが分かる。染料がAlexa647のデータポイントがクラスタ化される位置あるいは近接する位置に位置する場合、光線がAlexa647により発射されることが分かる。
【0129】
ピクセル化誘電干渉フィルターがバンドパスフィルターである実施形態において、Alexa532、Alexa568、および、Alexa647のデータポイントは、それぞれ、グラフ中の異なる位置でクラスタ化される。その結果、染料は上述のように識別される。
【0130】
ピクセル化誘電干渉フィルターがロングパスフィルターである実施形態において、Alexa532、Alexa568、および、Alexa647のデータポイントは、それぞれ、グラフ中の異なる位置でクラスタ化される。その結果、染料は上述のように識別される。
【0131】
実施形態において、三種の染料だけが示されているは、理解すべきことは、三種以上の染料が識別されることである。
【0132】
≪実施形態4≫
この形態において、バイオセンサーは、四種のフィルターを有し、それぞれ、異なる波長の光線をろ過する。たとえば、
図14E~
図14Gに示されるように、バイオセンサーは、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、有機カラーフィルター110d、および、有機カラーフィルター110eを有する。あるいは、
図14B~
図14Dに示されるように、バイオセンサーは、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’、有機カラーフィルター110b、および、有機カラーフィルター110cを有する。この形態において、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’が製造されて、一種の光線だけをろ過する。しかし、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は本質的に、角感応するので、光線が、大きい入射角で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入するとき、スペクトルシフト現象が発生する。その結果、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’は、実際に、二種以上の光線をろ過することができる。
図14Aは、バイオセンサー上の検体126aの配置を説明する。
図14B、
図14C、および、
図14Dは、それぞれ、
図14Aの線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。この実施形態において、
図9Aで前述されるように、一検体により照射される光線は、一画素が、光線下の画素から離れる画素に到達することができると仮定する。
【0133】
図14Aに示されるように、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’、有機カラーフィルター110b、および、有機カラーフィルター110cは、方向Xで、有機カラーフィルター110b/ピクセル化誘電干渉フィルター110a’/有機カラーフィルター110cの順で、基板102上に設置される。有機カラーフィルター110bは、方向Xに垂直な方向Yで、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’ により被覆される一画素により分離される。有機カラーフィルター110cは、方向Yで、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’ により被覆される一画素により分離される。つまり、有機カラーフィルター110bは、方向Yで、有機カラーフィルター110b/ピクセル化誘電干渉フィルター110a’ の順で、基板102上に設置され、
又は、有機カラーフィルター110cは、方向Yで、有機カラーフィルター110c/ピクセル化誘電干渉フィルター110a’の順で、基板102上に設置される。一組の画素Sは、有機カラーフィルター110bにより被覆される一画素、有機カラーフィルター110cにより被覆される一画素、および、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’により被覆される二個の画素を有する。ピクセル化誘電干渉フィルター110a’により被覆される二個の画素は、有機カラーフィルター110b、あるいは、有機カラーフィルター110cにより分離されない。
【0134】
励起光128(
図14B)は、検体126a、あるいは、126b (図示しない)を照射する。励起光128は、バイオセンサー
400の一方の側から他方の側に移動するので、検体126aは順に励起され、光線Lを発射するが、同時ではない。たとえば、励起光128は、方向Xに沿って移動する。この実施形態において、
図14Aに示されるように、方向Xは、上から見て、バイオセンサーの左側から右側の方向である。
【0135】
図14B~
図14Dに示すように、検体126aは励起光128により励起されるとともに、光線Lを発射する。光線Lの第一部分L1は、第一入射角 θ1で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入する。第一入射角 θ1 は、光線Lの第一部分L1と基板102の法線の間の角度である。光線Lの第一部分L1を受光する画素は、第一画素104aである。
【0136】
光線Lの第二部分L2は、第二入射角 θ2で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入する。第二入射角 θ2 は、光線Lの第二部分L2と基板102の法線の間の角度である。第一入射角 θ1 は第二入射角 θ2より小さい。光線Lの第二部分L2を受光する画素は、第二画素104bである。
【0137】
光線Lの第三部分L3は、第三入射角 θ3で、有機カラーフィルター110bに進入する。第三入射角 θ3 は、光線Lの第三部分L3と基板102の法線間の角度である。光線Lの第三部分L3を受光する画素は第三画素104cである。
【0138】
光線Lの第四部分L4は、第四入射角 θ4で、有機カラーフィルター110cに進入する。第四入射角 θ4 は、光線Lの第四部分L4と基板102の法線の間の角度である。光線Lの第四部分L4を受光する画素は第四画素104dである。
【0139】
いくつかの実施形態において、第一入射角 θ1 は0度~40度であり、第二入射角 θ2 は20度~70度であり、第三入射角 θ3 は20度~70度であり、第四入射角 θ4 は20度~70度である。いくつかの実施形態において、第一入射角 θ1 は0度~30度であり、第二入射角 θ2 は20度~60度であり、第三入射角 θ3 は20度~60度であり、第四入射角 θ4 は20度~60度である。第一入射角 θ1は第二入射角 θ2より小さいので、第二部分L2は、第一部分L1よりもさらに著しく、スペクトルシフトする。
【0140】
図14E~
図14Gは、本発明のその他の実施形態による
図14Aのそれぞれ、線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
図14E~
図14G、および、
図14B~
図14Dの実施形態間の差異の一つは、
図14E~
図14Gのバイオセンサーが、四個の異なる有機カラーフィルター、つまり、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、有機カラーフィルター110d、および、有機カラーフィルター110eを有することである。また、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、有機カラーフィルター110d、および、有機カラーフィルター110eは、それぞれ、格子壁108’により囲まれる。
【0141】
図14Hは、本発明のいくつかの実施形態によるバイオセンサー上の検体126aの配置の平面図である。
図14I、
図14J、および、
図14Kは、それぞれ、
図14Hの線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
図14H~
図14K、および、
図14A~
図14Dの実施形態間の差異の一つは、
図14H~
図14Kのバイオセンサーが、アパーチャー構造124’を有することである。よって、検体126a、あるいは、検体126bは、励起光128により同時に照射されるが、クロストークが依然として回避される。
【0142】
図14L~
図14Nは、その他の実施形態によるそれぞれ、
図14Hの線A-A’、B-B’、および、C-C’に沿った断面図である。
図14L~
図14N、および、
図14I~
図14Kの実施形態間の差異の一つは、
図14L~
図14Nのバイオセンサーは、四種の異なる有機カラーフィルター、すなわち、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、有機カラーフィルター110d、および、有機カラーフィルター110eを有することである。また、有機カラーフィルター110b、有機カラーフィルター110c、有機カラーフィルター110d、および、有機カラーフィルター110eは、それぞれ、格子壁108’により囲まれる。
【0143】
【0144】
【0145】
図15Aは、本発明のいくつかの実施形態による発光、あるいは、透過対波長の分析グラフである。104Aは、第一入射角 θ1で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入し、且つ、第一画素104aにより受光される光線の波長を示す。104Bは、第二入射角 θ2で、ピクセル化誘電干渉フィルター110a’に進入し、且つ、第二画素104bにより受光される光線の波長を示す。104Cは、第三入射角 θ3で、有機カラーフィルター110bに進入し、且つ、第三画素104cにより受光される光線の波長を示す。104Dは、第四入射角 θ4で、有機カラーフィルター110cに進入する光線の波長を示す。Alexa488、Alexa532、eFluor610、および、Alexa647は、4種の異なる光線を発射する四種の染料である。前の記述と同じ概念において、Alexa488、Alexa532、eFluor610、および、Alexa647は、第一信号強度、第二信号強度、第三信号強度、および、第四信号強度を有する。
【0146】
信号強度は、前述のように、Pass、あるいは、Noとして定義される。
【0147】
第一閾値、第二閾値、第三閾値、および、第四閾値は、実際の状況にしたがって設定される。以下の表4は、上記の概念と
図15Aにしたがって作成され、第一信号強度は104aで示され、第二信号強度は104bで示され、第三信号強度は104cで示され、第四信号強度は104dで示される。
【表4】
【0148】
第一信号強度、第二信号強度、第三信号強度、および、第四信号強度の定義の組み合わせにしたがって、四種の染料が、前述のように識別される。
【0149】
実施形態において、四種の染料だけがあるが、第一信号強度、第二信号強度、第三信号強度、および、第四信号強度の定義の16の組み合わせがあるので、理解すべきことは、最多でも、16の染料が識別される。
【0150】
あるいは、第一信号強度対第四信号強度 (104a/104d)の第一信号強度比率、第二信号強度対第四信号強度 (104b/104d)の第二信号強度比率、および、第三信号強度対第四信号強度 (104c/104d)の第三信号強度比率も計算されて、四種の異なる染料、即ち、四種の異なる光線を識別する。第一信号強度比率、第二信号強度比率、および、第三信号強度比率にしたがってグラフが表示される。具体的には、第一信号強度比率対第二信号強度比率対第三信号強度比率の識別クラスタグラフ(distribution cluster graph)が表示される。
【0151】
たとえば、
図15Bは、本発明のいくつかの実施形態による第一信号強度比率対第二信号強度比率対第三信号強度比率の分析グラフである。X軸は第一信号強度比率を示す。Y軸は第三信号強度比率を示す。Z軸は第二信号強度比率を示す。Alexa488は五角形で示される。Alexa532は三角形で示される。eFluоr610は方形で示される。Alexa647は星形で示される。
【0152】
ピクセル化誘電干渉フィルターがショートパスフィルターである実施形態において、Alexa488、Alexa532、eFluor610、および、Alexa647のデータポイントは、それぞれ、グラフ中の異なる位置でクラスタ化される。その結果、前の記述と同じ概念において、染料が識別される。
【0153】
ピクセル化誘電干渉フィルターがバンドパスフィルターである実施形態において、Alexa488、Alexa532、eFluor610、および、Alexa647のデータポイントは、それぞれ、グラフ中の異なる位置でクラスタ化される。その結果、前の記述と同じ概念において、染料が識別される。
【0154】
ピクセル化誘電干渉フィルターがロングパスフィルターである実施形態において、Alexa488、Alexa532、eFluor610、および、Alexa647のデータポイント は、それぞれ、グラフ中の異なる位置でクラスタ化される。その結果、前の記述と同じ概念において、染料が識別される。
【0155】
この実施形態において、四個の染料だけが示されているが、注意すべきことは、4個以上の染料が識別されることである。
【0156】
検体126bの実施形態は図面に示されていないが、理解できることは、検体126bも、本発明の応用の実施形態により提供されるバイオセンサー上に設置されることである。
【0157】
総合すると、バイオセンサー、および、本発明の実施形態により提供される光線の区分方法の長所は少なくとも以下を有する。
(1)フィルターはピクセル化されるので、フィルターは、強い接着、および、化学的抵抗、あるいは、機械的抵抗が提供され、よって、有機カラーフィルター間の直接接触により生じる剥離問題を防止することができる。
(2)導波路、アパーチャー構造、あるいは、遮蔽層を設置することにより、クロストークがうまく回避される。
【0158】
本発明のいくつかの実施形態、および、それらの長所が詳細に記述されているが、注意すべきことは、請求項により定義された本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、各種変更、置換、修正を行うことができることである。たとえば、理解できることは、ここで記述される多くの特徴、機能、プロセス、および、材料は、本発明の範囲内で変化する。さらに、本発明の範囲は、明細書で記述されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、および、操作の特定の実施形態に制限されない。当業者なら本発明の開示からすぐ理解できるように、現在存在する、あるいは、将来発展するプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、および、操作は、本発明に従って、ここで記述される対応する実施形態が用いられるとき、実質上、同じ機能を実行する、あるいは、実質上、同じ結果を達成する。したがって、請求項は、それらの範囲、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、および、操作中に含むことが意図される。
【符号の説明】
【0159】
100、200、300、400…バイオセンサー
102…基板
104、1042~1049…画素
106…フォトダイオード
108…材料層
108’ …格子壁
110…フィルター材料層
110’ …ピクセル化フィルター
110a…材料層
110a’…ピクセル化誘電干渉フィルター
110b、110c…有機カラーフィルター
112…中間層
114…励起光阻止層
116…固定化層
116’…サブ固定化層
118a…下クラッド層
118b…上クラッド層
120、120’…導波路
122a…下酸化層
122b…上酸化層
124…不透明材料
124’…アパーチャー構造
126、126a、126b…検体
128…励起光