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特許7072018縫合糸を含む遠赤外線放射製品の製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】縫合糸を含む遠赤外線放射製品の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/12 20060101AFI20220512BHJP
   A61L 17/12 20060101ALI20220512BHJP
   A61L 17/14 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
B01J19/12 C
A61L17/12
A61L17/14
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020095522
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021186764
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2020-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】519461565
【氏名又は名称】林 載▲そん▼
【氏名又は名称原語表記】LIM,Jae Sun
【住所又は居所原語表記】12-1206,200,Seochojungang-ro,Seocho-gu,Seoul,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】林 載▲そん▼
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0064737(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1327699(KR,B1)
【文献】国際公開第2019/135615(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1523243(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1511333(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0020413(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0141599(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0064946(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 10/00-12/02,14/00-19/32
A61L 17/00-17/14
D06B 1/00-23/30
D06C 3/00-29/00
D06G 1/00-5/00
D06H 1/00-7/24
D06J 1/00-1/12
D06M 10/00-11/84,16/00,19/00-23/18
D02G 1/00-3/48
D02J 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線放射製品の製造装置において、
内部空間に被照射物が配置される高圧密閉型チャンバーと、
前記チャンバー内で遠赤外線を放射する遠赤外線放射部と、
前記チャンバー内の空気圧を調節する空気圧調整部と
前記チャンバー内の温度を所定温度に維持する温度調節部とを含み、
前記遠赤外線放射部は、遠赤外線を放射する粒度を調整した鉱物粉末、前記鉱物粉末を内部に収容し、前記チャンバー内側に配置される鉱物粉末収容器、前記鉱物粉末収容器の内部に配置され、鉱物粉末を撹拌する撹拌ブレード、及び前記鉱物粉末収容器の内部に高周波が照射されるように高周波を発振する高周波発振器を含み、
前記高周波発振器は、前記鉱物粉末の固有振動数に相応する範囲の高周波を前記鉱物粉末収容器の内部の前記鉱物粉末に照射することを特徴とする遠赤外線放射製品の製造装置。
【請求項2】
前記高周波発振器は、波長が2400~2500Å範囲であることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線放射製品の製造装置。
【請求項3】
前記撹拌ブレードは、遠赤外線放射鉱物またはセラミックス材質で製造され、90、60、または45rpmで回転することを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線放射製品の製造装置。
【請求項4】
前記チャンバー内で前記被照射物が配置され、回転する被照射物回転部をさらに含み、
前記被照射物回転部は、
前記チャンバーの底に形成される円形のガイドグルーブと、
前記ガイドグルーブに沿って移動する回転ローラーと、
上面に前記被照射物が積載され、前記回転ローラー上側に配置されて前記回転ローラーに沿って移動して前記被照射物を前記チャンバー底で回転させるトレイと、
前記回転ローラーを回転させる回転モーターとを含む請求項1に記載の遠赤外線放射製品の製造装置。
【請求項5】
前記空気圧調整部は、
前記チャンバー内部を10気圧まで加圧する圧縮機と、
前記チャンバー内部の空気を浄化するラドンフィルターを含む空気浄化部とをさらに含む請求項1に記載の遠赤外線放射製品の製造装置。
【請求項6】
遠赤外線放射縫合糸の製造装置において、
内部空間に前記遠赤外線放射縫合糸が配置される高圧密閉型チャンバーと、
前記チャンバー内で遠赤外線を放射する遠赤外線放射部と、
前記チャンバー内の空気圧を調節する空気圧調整部と
前記チャンバー内の温度を所定温度に維持する温度調節部とを含み、
前記遠赤外線放射部は、遠赤外線を放射する粒度を調整した鉱物粉末、前記鉱物粉末を内部に収容し、前記チャンバー内側に配置される鉱物粉末収容器、前記鉱物粉末収容器の内部に配置され、鉱物粉末を撹拌する撹拌ブレード、及び前記鉱物粉末収容器の内部に高周波が照射されるように高周波を発振する高周波発振器を含み、
前記高周波発振器は、前記鉱物粉末の固有振動数に相応する範囲の高周波を前記鉱物粉末収容器の内部の前記鉱物粉末に照射することを特徴とする遠赤外線放射縫合糸の製造装置。
【請求項7】
前記遠赤外線放射縫合糸は、生分解性ポリマー材質であることを特徴とする請求項に記載の遠赤外線放射縫合糸の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫合糸を含む遠赤外線放射製品の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線は光の一種として、可視光線より波長が長く、マイクロ波よりは短い波長の電磁波である。波長域は0.76μm~1,000μm範囲を有する。遠赤外線は、赤外線領域を波長によって細分化した時に可視光線から最も遠い、即ち、波長が最も長く振動数は最も低い範囲に該当する電磁気波を言う。赤外線の中で波長が4μm以上のものを遠赤外線といい、常温の温度を吸収して遠赤外線という光エネルギーに置換して放射する。周波数としては20テラヘルツ~300ギガヘルツの間を通常遠赤外線と区分する。
【0003】
電磁波の一種である遠赤外線は、人体に最も有益な波長である8~16μmを有しており、人体に吸収される時に一般の熱より80倍も深い肌深層(4~5cm)まで浸透して病原(細菌)や癌細胞等を死滅するだけでなく(人体の温度は36.5度、癌細胞等の病原菌は41度以上の熱で死滅されるが、一般の湿布パックは肌脂肪層を通過できないが、遠赤外線は波長が長くて肌-脂肪層-血管-骨の中まで浸透して治療効果を高める。電気製品の場合は、温度が低過ぎて治療効果が低いか、または高過ぎて正常細胞まで殺すという問題点がある。
【0004】
遠赤外線は、人体内細胞を構成する水分とタンパク質分子に放射されて、1分に約2,000回ずつ微細な振動で共振させて細胞の活動を旺盛にする。細胞活動過程で熱エネルギーを発生させながら体温を高める作用をするが、体温が高くなれば微細血管が拡張して血液循環が活性化されながら新陳代謝が強化し、組職再生力が増加しながら血管内の血戦を分解して血液循環を促進する。血液がきれいになるため水素イオン濃度(pH)を向上させて体質を酸性から弱アルカリ性に改善させる能力を強化し、かつ精神健康に役立つ弛緩作用で成人病の原因であるストレスの解消にも効果がある。
【0005】
遠赤外線が人体に及ぼす効果は、皮下層の温度上昇、微細血管の拡張、血液循環の促進、血液と人体とその他の組職との新陳代謝の強化、血液障害の一掃、組職の再生能力や抗痙攣能力の増加などで表れると同時に、知覚神経の異常興奮抑制、自律神経の機能調整効果もあることが明かされた。遠赤外線(far infrared ray)は、一つの熱波長で人の肌表面に輻射された遠赤外線は、人体中で水の振動波長とほとんど類似しており、共鳴(resonance)または共振(vibration)作用で一般熱が到逹できない部位まで到逹するという特徴がある。
【0006】
遠赤外線は、温熱作用、熟成作用、自浄作用、乾湿作用、中和作用、及び共鳴作用を含む6つの人体に及ぼす影響がある。先ず、温熱作用は人体の体温を適正体温に維持させる。身体表面温度よりは体中の温度を暖める作用がある(この特性が高温に弱い癌細胞撲滅法として応用されている)。そして、固まった筋肉の疲れを解く作用をする。熟成作用は人体の成長を促進させる。裂傷ややけどの陣痛作用及び上皮形成作用が非常に旺盛であるため、治癒期間が短く傷あとが残らない。自浄作用は、人体内に血液循環を良くして栄養供給のバランスを取る。乾湿作用は、人体に適正水分を維持させる。中和作用は、人体内の老廃物の排泄促進及び匂いを中和させる。旺盛な発汗作用によって体内に蓄積された老廃物や有害重金属類、農薬、有害色素などを余分の脂肪分と共に体外に排泄する。特に、生活習慣疾患の原因となる過剰塩分を減少させる。また、肌深く染みている不純物や、汗腺を塞いで新陳代謝を弱くする原因となる化粧品の残物を汗と共に排泄させ、皮脂腺にも皮下脂肪の過剰分を排泄させて、光沢のある若い肌を再生させる。共鳴作用は人体の各種の栄養を分解して栄養のバランスを維持させる。
【0007】
このような効果があり、家具、住宅建築材料、繊維、寝具類などの様々な分野で使用しているが、様々な分野で遠赤外線の放射のために遠赤外線放射効果を有する天然鉱物で材料を製作するか、遠赤外線放射効果を有する天然鉱物の粉末で材料をコーティング、塗布または塗色するか、遠赤外線放射効果を有する天然鉱物の粉末で部品を製作する方法を使用した。
【0008】
しかし、ラドンベッド事件のように遠赤外線効果を有するために製作した遠赤外線及び陰イオン放射製品でラドンのような放射線を放出する気体が発生して問題となった。従って、身体密着製品に放射性物質の使用禁止が求められている。
【0009】
そこで、遠赤外線を高圧で被照射物に転写して遠赤外線放射製品を製作する方法が開発されたが、遠赤外線放射効果が微々たるもので持続時間が短いという問題がある。また、遠赤外線転写のために高い圧力をタンクに加えて被照射物が損傷を受けるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国登録特許第10-1141149号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、被照射物の損傷なく十分な遠赤外線放射効果を持続的に出すことができる遠赤外線放射製品の製造装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するために、本発明は、遠赤外線放射製品の製造装置において、内部空間に被照射物が配置される高圧密閉型チャンバーと、前記チャンバー内で遠赤外線を放射する遠赤外線放射部と、前記チャンバー内の空気圧を調節する空気圧調整部とを含み、前記遠赤外線放射部は、遠赤外線を放射する鉱物粉末、前記鉱物粉末を内部に収容し、前記チャンバー内側に配置される鉱物粉末収容器、前記鉱物粉末収容器の内部に配置され、鉱物粉末を撹拌する撹拌ブレード、及び前記鉱物粉末収容器の内部に高周波が照射されるように高周波を発振する高周波発振器を含み、前記高周波発振器は、前記鉱物粉末の固有振動数に相応する範囲の高周波を前記鉱物粉末収容器の内部に照射することを特徴とする遠赤外線放射製品の製造装置を提供する。
【0013】
前記高周波発振器は、波長が2400~2500Å範囲であることを特徴とする。
【0014】
前記撹拌ブレードは、遠赤外線放射鉱物またはセラミックス材質で製造され、90、60、または45rpmで回転することを特徴とする。
【0015】
前記チャンバー内で前記被照射物が配置され、回転する被照射物回転部をさらに含み、前記被照射物回転部は、前記チャンバーの底に形成される円形のガイドグルーブと、前記ガイドグルーブに沿って移動する回転ローラーと、上面に前記被照射物が積載され、前記回転ローラー上側に配置されて前記回転ローラーに沿って移動して前記被照射物を前記チャンバー底で回転させるトレイと、前記回転ローラーを回転させる回転モーターとを含むことを特徴とする。
【0016】
前記空気圧調整部は、前記チャンバー内部を10気圧まで加圧する圧縮機と、前記チャンバー内部の空気を浄化するラドンフィルターを含む空気浄化部とをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の実施例によると、遠赤外線放射縫合糸の製造装置において、内部空間に縫合糸が配置される高圧密閉型チャンバーと、前記チャンバー内で遠赤外線を放射する遠赤外線放射部と、前記チャンバー内の空気圧を調節する空気圧調整部とを含み、前記遠赤外線放射部は、遠赤外線を放射する鉱物粉末、前記鉱物粉末を内部に収容し、前記チャンバー内側に配置される鉱物粉末収容器、前記鉱物粉末収容器の内部に配置され、鉱物粉末を撹拌する撹拌ブレード、及び前記鉱物粉末収容器の内部に高周波が照射されるように高周波を発振する高周波発振器を含み、前記高周波発振器は、前記鉱物粉末の固有振動数に相応する範囲の高周波を前記鉱物粉末収容器の内部に照射することを特徴とする。
【0018】
前記縫合糸は、生分解性ポリマー材質であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記のように構成された本発明によると、高圧高温によって被照射物が損傷することなく十分な遠赤外線放射効果を持続的に出すことができる縫合糸の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置の構成を概略的に示したブロック図である。
図2】本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置を示した概路図である。
図3】本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置で製造された遠赤外線放射縫合糸の放射率の測定グラフである。
図4】本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置で製造された遠赤外線放射縫合糸の放射エネルギーの測定グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであるので、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるとは解釈されない。
【0022】
図1は、本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置の構成を概略的に示したブロック図であり、図2は、本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置を概略的に示した図面である。
【0023】
遠赤外線放射製品の製造装置1000は、繊維、紙、プラスチック、セラミックス、硝子などで製作された製品に遠赤外線を転写して遠赤外線を放射する機能性製品を製造する。図示のように、遠赤外線放射製品の製造装置1000は、遠赤外線放射製品が製造されるチャンバー100、前記チャンバー100内に遠赤外線を放射する遠赤外線放射部200、遠赤外線放射製品に製造される被照射物が配置され、回転する被照射物回転部300、チャンバー100内の空気圧を調節する空気圧調整部400を含む。
【0024】
チャンバー100は、遠赤外線の転写を受けて遠赤外線放射製品に製造されるための被照射物が収容されるための空間が内部に設けられ、大気空気と直接的な接触を遮断させた高圧用密閉チャンバー100として、円筒状で形成されることができる。チャンバー100は、一側面または両側面にチャンバー100を蜜閉しながら開閉できるようにする密閉ドア110が設置される。図示していないが、チャンバー100内部の気圧を上げたり下げたりするために、真空ポンプ410及び圧縮機420と連結されて空気の遮断と入出のためのバルブが設置される。チャンバー100には、チャンバー内部の過多圧力を遮断するために調節される圧力安全チェックバルブがさらに設置されることができる。
【0025】
遠赤外線放射部200は、遠赤外線放射鉱物粉末を撹拌ブレードで撹拌し、高周波を照射して遠赤外線がチャンバー100内部に放射されるようにする。遠赤外線放射部200は、遠赤外線を放射する遠赤外線放射鉱物の粉末220、遠赤外線放射鉱物粉末220が内部に収容される鉱物粉末収容器210、鉱物粉末収容器210内部に配置され、鉱物粉末を撹拌する撹拌ブレード230、撹拌ブレード230に連結され、撹拌ブレード230を回転させる撹拌モーター250、鉱物粉末収容器210の内部に高周波が照射されるように高周波を発振する高周波発振器240を含む。
【0026】
遠赤外線放射鉱物には、モナザイト(monazite)、トルマリン(tourmaline)、キヨセキ(kiyoseki)、玉(jade)、ゲルマニウム(germanium)、炭などを使用することが好ましい。遠赤外線放射鉱物は粉末で使用することが好ましい。遠赤外線放射鉱物粉末220の粒度は、300~700meshであることが好ましい。遠赤外線放射鉱物粉末220は、遠赤外線放射鉱物を粉砕した後、金属を除去することが好ましい。
【0027】
鉱物粉末収容器210は、鉱物粉末が収容される容器状で形成される。鉱物粉末収容器210は、耐熱硝子またはセラミックス材質で形成して、鉱物粉末から放射される遠赤外線がチャンバー100内部に放射できるようにすることが好ましい。前記鉱物収容器210は、遠赤外線放射セラミックスで製作されることが好ましい。鉱物粉末が満たされる鉱物粉末収容器210は、チャンバー100の上部中央に配置され、チャンバー100内部の下方に配置されるトレイ310上に積置される被照射物2000に満遍なく遠赤外線を転写するようになる。
【0028】
撹拌ブレード230は、遠赤外線放射鉱物材質または遠赤外線放射鉱物を含むセラミックスで形成することが好ましい。遠赤外線放射鉱物またはセラミックスで撹拌ブレード230を製作すれば、撹拌ブレード230と鉱物粉末の摩擦により遠赤外線放射を増進させることができる。
【0029】
撹拌モーター250は、撹拌ブレード230を回転させる。撹拌モーター250は、90、60、45rpmを使用することが好ましい。100rpm以上または30rpm以下である場合、最終の遠赤外線放射製品の遠赤外線放射パワーが低下するという問題点がある。
【0030】
高周波発振器240は、導波管を通じて鉱物粉末収容器210の内側に高周波を発振する。高周波によって鉱物粉末で遠赤外線を放射させる。高周波発振器240は、鉱物粉末の固有振動数(natural frequency)に相応する周波数の高周波を発振することが好ましい。高周波発振器240は、鉱物粉末収容器210内側に固有振動数に近い高周波を発振することが好ましい。高周波は、波長が700~7000Åであることが好ましい。さらに好ましくは、高周波は波長が1800~2600Åである。最も好ましくは、高周波は波長が2400~2500Åである。高周波波長が2400~2500Åである時、最終製造された遠赤外線放射製品の遠赤外線放射パワーが最も大きい。
【0031】
被照射物回転部300は、チャンバー100内で被照射物が配置されて回転する。被照射物回転部300は、被照射物2000が上面に配置されるトレイ310、トレイ310がチャンバー300内側の下部で回転するように底面に配置される回転ローラー320、回転ローラー320を回転させる回転モーター330を含む。チャンバー300の底には、円形のガイドグルーブが形成される。回転ローラー320がガイドグルーブに沿って移動可能に位置する。回転ローラー320の上側にトレイ310が配置され、トレイ310の上面に被照射物2000が配置される。回転モーター330の駆動によって回転ローラー320がガイドグルーブに沿って回転し、回転ローラー320の上側に配置されたトレイ310がそれに沿って回転する。トレイ310の回転によって被照射物2000が回転し、遠赤外線が被照射物2000の全体に満遍なく転写される。
【0032】
空気圧調整部400は、チャンバー100内の空気圧を調節する。空気圧調整部400は、真空ポンプ410、圧縮機420、空気浄化部450を含む。空気圧調整部400は、真空ポンプ410と圧縮機420を利用してチャンバー100の内部を10気圧まで加圧したり大気圧に減圧する。減圧時に内部空気は空気浄化部450を通じて浄化される。空気浄化部450は、ラドンフィルターのような放射能物質吸着フィルターを含み、鉱物粉末で発生する放射能物質によって汚染したチャンバー内部の空気を浄化して、遠赤外線放射製品の製造時に発生する汚染した空気によって使用者が被爆されることを防止することができる。空気圧調整部400は、遠赤外線放射部200の駆動時にチャンバー100内部の気圧を10気圧まで加圧して、10気圧下で遠赤外線放射部200を駆動して被照射物2000に遠赤外線が転写されるようにする。
【0033】
本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置は、温度調節部をさらに含み、50℃で遠赤外線の転写が行われるようにする。温度調節部は、内部加圧によって発生する温度上昇により被照射物2000が損傷されないようにし、50℃程度を維持して遠赤外線の転写効率を高める。
【0034】
上記のように構成された本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置1000によって遠赤外線放射製品を製造する方法は、以下の通りである。
【0035】
鉱物粉末収容器210に鉱物粉末220を満たし、縫合糸のような被照射物2000をトレイ310上に配置し、トレイ310を回転ローラー320上に配置する。チャンバー100のドア110を閉鎖し、空気圧調整部400を駆動してチャンバー100内部の気圧を10気圧まで昇圧する。回転モーター330を回転させて被照射物2000が配置されたトレイ310を回転させる。撹拌モーター250を駆動して撹拌ブレード230が鉱物粉末220が満たされた鉱物粉末収容器210の内部で90、60、45rpmで回転させる。高周波発振器240を駆動して鉱物粉末収容器210の内部に鉱物粉末の固有振動数帯域の高周波を発振する。高周波発振器240は、波長が2400~2500Åである高周波が鉱物粉末収容器210内部に放射されるようにする。遠赤外線放射部200の駆動によって被照射物2000に遠赤外線の転写が進行される。遠赤外線の転写が完了すれば、空気圧調整部400を駆動してチャンバー100内部の空気が空気浄化部450を通じて浄化された後、除去されるようにし、チャンバー100内部の気圧を大気圧に調整する。ドア110を開いて遠赤外線放射製品で遠赤外線転写が完了した被照射物2000を取り出す。
【0036】
遠赤外線放射製品を製造するための被照射物2000は、繊維、プラスチック、セラミックス、紙、硝子などで製作された製品を含む。特に、被照射物2000は縫合糸を含む。縫合糸は手術用糸をいう。縫合糸はPGA縫合糸とPDO縫合糸を含む。縫合糸は、人体組職に導入後に分解されて身体によって吸収される分解性縫合糸を含む。縫合糸は、生分解性(Biodegradable)ポリマー材質であることを特徴とする。縫合糸は、繊維上の縫合糸糸と鋭い先端(point)を有する針で構成されることができる。縫合糸は滅菌処理されてパッケージングされた状態でチャンバー100内で遠赤外線転写処理されることが好ましい。
【0037】
図3は、上記のように構成された遠赤外線放射製品の製造装置に縫合糸パッケージを配置し、遠赤外線転写過程を経て製造された遠赤外線放射縫合糸を製造後に1週間経過してから放射率を測定したグラフであり、図4は、放射エネルギーの測定グラフである。図示のように、1週間経過後も遠赤外線放射効果が持続することを確認することができる。
【0038】
また、上記のように構成された遠赤外線放射製品の製造装置を利用すれば、パッケージ状態の生分解性ポリマー材質の縫合糸を被照射物2000に配置して遠赤外線転写を実施してもパッケージとポリマーのいずれも損傷を受けず、直接的な遠赤外線放射鉱物をコーティングしたり含有せずとも縫合糸で遠赤外線放射効果が充分に発揮されることを確認することができる。
【0039】
上記のように構成された本発明の実施例による遠赤外線放射製品の製造装置によると、20気圧に近い高圧を加えずとも高周波発振部の周波数調整を通じて十分な遠赤外線放射効率を有する製品が生産可能になる。また、チャンバーを高圧に加圧すればチャンバー内部の温度が上昇し、生分解性ポリマーで製造された生分解性縫合糸が損傷されるという問題点があったが、本発明によると、高圧を加えずとも遠赤外線放射効率と遠赤外線放射エネルギーを充分に発揮することができ、製品で3ヶ月以上長期間の遠赤外線放射効果を測定することができるという効果がある。
図1
図2
図3
図4