(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】熱処理オーブンのヒーター電源供給装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/02 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
H05B3/02 A
(21)【出願番号】P 2020118405
(22)【出願日】2020-07-09
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069556
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520252033
【氏名又は名称】コヨ サーモ システム コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ナカニシ サトル
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2094763(KR,B1)
【文献】実開昭59-176000(JP,U)
【文献】特開2000-208236(JP,A)
【文献】実開昭61-164023(JP,U)
【文献】実開昭62-083200(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02-3/18
H05B 3/40-3/82
F26B 1/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内に発熱体であるヒーターを実装して前記ヒーターの熱で基板を加熱または乾燥さ
せ、
前記ヒーターの発熱線
に電流を通電させる多数のバスバー
を含む導電部
を含む熱処理オーブンのヒーター電源供給装置において、
外部電源入力端子の接続を誘導するようにチャンバーの外部ケーシングから
外部方向に直線的に突出して前記バスバーに電流を通電させる複数のフィードスルー(feedthrough)
と、
前記フィードスルーを前記外部ケーシングの外部に直線的に突出可能に誘導するために前記フィードスルーに対応する開口ホールを備え、前記フィードスルーを保護し且つメンテナンスを行うために前記チャンバーの外部ケーシング表面に付着したボックスとを含み、
前記フィードスルーは、前記チャンバーの外部ケーシングに装着されて別途のガイドブラケットにより支持固定されたシリコーンリングに案内されて高温絶縁性能を維持するように構成され、
前記シリコーンリングは、前記チャンバーの外部ケーシングに装着された金属ブッシュに案内されて高温シーリングを維持するように構成され、
前記金属ブッシュは、組立孔を備え、前記組立孔を通じて前記シリコーンリングの一端を案内して密着させて組み立てて、高温シーリングを維持するように構成されていることを特徴とする、熱処理オーブンのヒーター電源供給装置。
【請求項2】
前記ボックスの一端には、チャンバー内のヒーター温度を制御することができるようにする温度制御センサー誘導ウィンドウを備え、前記ボックスの内部側には、耐熱性を有するハウジング、及びチャンバー内の熱と流体の外部流出を遮断する温度センサーシールシートを備える、請求項
1に記載の熱処理オーブンのヒーター電源供給装置。
【請求項3】
前記フィードスルーが、高温腐食を予防するためにニッケル材料で構成された、請求項1に記載の熱処理オーブンのヒーター電源供給装置。
【請求項4】
前記シリコーンリングが、シールを維持するために複数の円形パッキンまたは平衡シートからなることを特徴とする、請求項
1に記載の熱処理オーブンのヒーター電源供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理オーブンのヒーターに外部電源を接続し、ヒーターに外部電源を通電させて供給する熱処理オーブンのヒーター電源供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置及びLCDガラス基板などは、いろんな種類の画像機器、例えば画像スクリーン、TV、携帯電話、モニターなどに使用されている。有機発光表示装置及びLCDガラス基板などは、次世代ディスプレイの一つであって、様々な分野に適用されており、近年、この分野のフラットパネルディスプレイ製造技術は、性能と歩留まりを向上させるための技術開発が続けられている。
【0003】
フラットパネルディスプレイの代表的な有機発光表示装置やLCDガラス基板(以下、「基板」または「ガラス基板」という)を製造する上での温度管理と温度均一度は、良品基板の品質の確保及び歩留まりの維持のために必ず必要である。
【0004】
例えば、有機発光表示装置の製造工程では、基板の表面に有機物層が形成されて一定量の水分を含むことができるので、水分を蒸発させる乾燥工程を必要としている。
【0005】
LCDガラス基板の製造工程では、基板の表面に感光膜をコーティングする前に洗浄過程を経るが、洗浄過程後には、水分を除去するための加熱乾燥工程を行っている。
【0006】
そして、感光膜をLCDガラス基板にコーティングした後には、露光及び現像工程を行う。このような露光及び現像工程の前にはプレベーキング(pre-baking)、露光及び現像工程の後にはポストベーキング(post-baking)工程を順次行っている。
【0007】
このように、基板製造工程のほとんどは、加熱及び乾燥工程を行って基板を製造している。基板製造工程で発生する水分は、赤外線の活用によって、或いはヒーター(シーズヒーター(sheath heater))などの発熱体を含む熱処理オーブンのチャンバーに入れて加熱乾燥によって除去している。
【0008】
これに関連する基板の熱処理オーブンは、特許文献1に提案されている。
【0009】
一方、従来の熱処理オーブンは、ヒーターに電源を供給する電源供給部についての性能改善を必要としている。
【0010】
すなわち、従来の熱処理オーブンの電源供給部は、内部チャンバーの内側に発熱体であるヒーターが構成され、電源供給部は、内部チャンバー、断熱材及び外部チャンバーを全て通過するように設置した後、電源を供給するように構成されているが、熱処理工程条件への影響を最小限に抑えなければならない性能を満足させる上で技術的な困難が伴われている。例えば、チャンバー内の温度雰囲気及びプロセスガスの流出制御などが不十分である。
【0011】
さらに、熱処理工程への影響を最小限に抑えなければならないうえ、電気的な特性に問題なく電気安全基準を満たすのにも限界がある。
【0012】
一方、熱処理オーブンの電源供給部は幾つかの性能を要求している。例えば、電気的な絶縁性能を備えること、電気安全認証を満たす程度の安全性があること、高温での使用にも問題なく一定の絶縁性能を維持すること、チャンバー内のプロセスガスの流出を遮断することができること、メンテナンス時間を短縮し且つ良い作業性を確保することなどを求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録特許第10-2094763号公報(2020年3月31日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、熱処理オーブンのヒーター電源供給部をチャンバーの外部ケーシングに別個に構成することにより、電源供給部のモニタリングとメンテナンスを含む電源供給部の管理作業性を改善する熱処理オーブンのヒーター電源供給装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、高温のチャンバー温度による電源供給部の耐久性を確保し、チャンバー内のプロセスガスが電源供給部を介して流出する問題を改善する熱処理オーブンのヒーター電源供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、本発明によれば、基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内に発熱体であるヒーターを実装して前記ヒーターの熱で基板を加熱または乾燥させる熱処理オーブンと、前記ヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部と、前記チャンバーの内外部ケーシングに沿って外部電源入力端子の接続を誘導するようにチャンバーの外部ケーシングから突出して前記バスバーに電流を通電させる複数のフィードスルー(feedthrough)を備える電源供給部と、を含む、熱処理オーブンのヒーター電源供給装置により達成される。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記電源供給部は、前記フィードスルーを突出可能に誘導する開口ホールを備え、前記フィードスルーを保護し且つ外部でメンテナンスを行うためのボックスを含んで構成できる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記ボックスの一端には、チャンバー内のヒーター温度を制御することができるようにする温度制御センサー誘導ウィンドウを備え、前記ボックスの内部側には、耐熱性を有するハウジング、及びチャンバー内の熱と流体の外部流出を遮断する温度センサーシールシートを備えて構成できる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記フィードスルーは、チャンバーの外部ケーシングにシリコーンリングを装着し、前記シリコーンリングに案内されて高温絶縁性能を維持するように構成できる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記シリコーンリングは、チャンバーの外部ケーシングに金属ブッシュを装着し、前記金属ブッシュに案内されて高温シールを維持するように構成できる。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記フィードスルーは、高温腐食を予防するためにニッケル材料で構成できる。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記シリコーンリングは、シールを維持するために複数の円形パッキンまたは平衡シートで構成できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、熱処理オーブンのヒーター電源供給部をチャンバーの外部ケーシングに別個に構成することにより、電源供給部のモニタリングとメンテナンスを含む電源供給部の管理作業性を改善することができるという効果がある。
【0024】
また、高温にも使用可能な絶縁体であるシリコーンリングとシートを介してフィードスルーをチャンバーの外部ケーシングに案内して固定することにより、高温のチャンバー温度による電源供給部の耐久性を確保し、チャンバー内のプロセスガスが電源供給部を介して流出する現象を効果的に遮断することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを示す例示である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの正面を示す例示である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの平面を示す例示である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの一側面を示す例示である。
【
図5】
図4のA部を抜粋して示す分解図であって、本発明の一実施形態による電源供給部の例示である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る電源供給部をチャンバー側に組み立てた状態で示す例示である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る電源供給部をチャンバー側に組み立てた状態で詳細に示す例示である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る「熱処理オーブンのヒーター電源供給装置」の具体的な内容を具体的に説明する。
【0027】
一般に、基板を熱処理するための熱処理オーブンは、熱処理対象基板をチャンバー内に設けられた各段に取り込んだり熱処理工程済みの基板をチャンバーから取り出したりするために、背面部にはドア、前面部にはシャッターをそれぞれ備えることができる。
【0028】
また、熱処理オーブンは、加熱または乾燥を必要とする基板を収容するチャンバーを備え、チャンバー内にヒーターからなる発熱体を実装してヒーターからの熱で基板を加熱したり水分を蒸発乾燥させたりするように構成される。そして、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターの上下部には上/下部熱伝達プレートを密着するように設置することにより、基板加熱工程を効率よく行うように構成されている。
【0029】
熱処理オーブンのチャンバーの一側には、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0030】
一方、熱処理オーブンは、チャンバーの内部に、基板の熱処理工程中に基板上に残存する水分を除去するためにヒーターを含んでおり、製品の品質向上のために、より効率的で高い性能の工程能力を求めている。
【0031】
さらに、熱処理工程の時間短縮によってより多くの量の製品を量産するために、チャンバー内の温度を急速に上昇させ、冷却をより迅速に行うことができながらも、構造的には耐久性が良い熱処理オーブンを求めている。
【0032】
従来の熱処理オーブンは、ヒーターに電源を供給する電源供給部についての性能改善を必要としている。すなわち、内部チャンバーの内側に発熱体であるヒーターが構成され、電源供給部は、内部チャンバー、断熱材及び外部チャンバーを全て通過するように設置した後、電源を供給するように構成されているが、熱処理工程条件への影響を最小限に抑える性能を満足させる上で困難が伴われている。
【0033】
例えば、従来の電源供給部の形式は、チャンバー内の温度雰囲気の維持及びプロセスガスの流出を制御することが難しい。
【0034】
熱処理オーブンの電源供給部は幾つかの性能を求めている。例えば、電気的な絶縁性能を備えること、電気安全認証を満たす程度の安全性があること、高温での使用にも問題なく一定の絶縁性能を維持すること、チャンバー内のププロセスガスの流出を遮断することができること、メンテナンス時間を短縮し且つ良い作業性を確保することなどを求めている。
【0035】
これにより、本発明は、熱処理オーブンのヒーター電源供給部をチャンバーの外部ケーシングに別個に構成することにより、電源供給部のモニタリングとメンテナンスを含む電源供給部の管理作業性を改善することができる、熱処理オーブンのヒーター電源供給装置として提示される。
【0036】
また、本発明は、高温でも使用可能な絶縁体であるシリコーンリングと金属ブッシュを介してフィードスルーをチャンバーの外部ケーシングに案内して固定することにより、高温のチャンバー温度による電源供給部の耐久性を確保し、チャンバー内のプロセスガスが電源供給部を介して流出する現象を効果的に遮断することができる、熱処理オーブンのヒーター電源供給装置として提示される。
【0037】
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るより具体的な内容を説明する。
【0038】
図1は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを示す例示である。
図2は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの正面を示す例示である。
図3は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの平面を示す例示である。
図4は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの側面を示す例示である。
【0039】
図1乃至
図4は、熱処理オーブン100の全体構造を示すもので、チャンバー200を含む熱処理オーブン100の例示である。
【0040】
本発明に係る熱処理オーブン100は、
図1乃至
図4に示すように、基板を熱処理するためのもので、熱処理対象基板をチャンバー200内に設けられた各段に取り込んだり熱処理工程済みの基板をチャンバー200から取り出したりするために、背面部にはドア部110、前面部にはシャッター部120をそれぞれ備えることができる。
【0041】
また、熱処理オーブン100は、加熱または乾燥を必要とする基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内にはヒーターからなる発熱体を実装することにより、ヒーターから発生する熱で基板を加熱したり水分を蒸発乾燥させたりするように構成される。
【0042】
また、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーター230の上下部には上/下部熱伝達プレートを密着するように設置して、基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0043】
また、熱処理オーブン100は、チャンバー200の一側にプロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバー510が接続された導電部500を含んで構成されている。
【0044】
ちなみに、熱処理オーブンを構成する基本的な構成、例えば、ヒーター、上/下部の熱伝達プレート、プロセスガスの給気及び排気系統、ヒーターへ電源を供給するバスバーを含む導電部の構成は、本発明と直接関係がない。そして、熱処理オーブンの基本的な当該構成は、本発明の要旨とは無関係であり、公知の構成なので、本発明の説明では省略する。
【0045】
本発明に係る熱処理オーブンのヒーター電源供給装置の主要構成を
図5乃至
図7を参照して説明する。
【0046】
図5は
図4のA部を抜粋して示す分解図であって、本発明の一実施形態に係る電源供給部の例示である。
【0047】
図6は本発明の一実施形態に係る電源供給部をチャンバー側に組み立てた状態で示す例示である。
【0048】
図7は本発明の一実施形態に係る電源供給部をチャンバー側に組み立てた状態で詳細に示す例示である。
【0049】
本発明の実施形態に係る熱処理オーブンのヒーター電源供給装置は、基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内に発熱体であるヒーター230を実装してヒーター230の熱で基板を加熱または乾燥させる熱処理オーブン100のヒーター230に電源を供給する電源供給部400を含んで構成される。
【0050】
熱処理オーブン100には、ヒーター230の発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバー510が接続された導電部500が構成される。
【0051】
熱処理オーブン100のヒーター230に電源を供給する電源供給部400は、外部電源入力端子の接続を誘導するようにチャンバー200の外部ケーシング220から突出してバスバー510に電流を通電させる複数のフィードスルー430を備えて構成できる。
【0052】
また、電源供給部400は、
図5に示すように、フィードスルー430を突出可能に誘導する開口ホール412を備え、フィードスルー430を保護し且つメンテナンスを行うためのボックス410を備えて構成できる。ここで、ボックス410は、チャンバー200の外部ケーシング220に付着して構成できる。
【0053】
また、電源供給部400を構成するボックス410の一端には、
図5に示すように、チャンバー200内のヒーターの温度を制御することができるようにする温度制御センサー誘導ウィンドウ411(温度制御センサーを外部からチャンバー200内に差し込むためのウィンドウ)を備え、ボックス410の内部側には、耐熱性を有するハウジング420とチャンバー200内の熱と流体の外部流出を遮断する温度センサーシールシート421を備えて構成できる。
【0054】
また、電源供給部400を構成するフィードスルー430は、
図6及び
図7に示すように、チャンバー200の外部ケーシング220に装着されたシリコーンリング440に案内され、高温絶縁性能を維持するように構成できる。
【0055】
また、
図6及び
図7に示すように、チャンバー200の外部ケーシング220に支持固定するシリコーンリング440は、チャンバー200の外部ケーシング220に装着された金属ブッシュ450に案内され、高温シールを維持するように構成できる。
【0056】
また、電源供給部400を構成する金属ブッシュ450は、
図7に示すように、シリコーンリング440及び円形シリコーンパッキン452に密着して高温シールを維持することができるように構成できる。
【0057】
また、電源供給部400を構成するフィードスルー430は、高温腐食を予防するために、ニッケル金属材料を用いて構成できる。
【0058】
一方、
図1及び
図4において、未説明符号300は、冷却気流を形成して、チャンバー200の内部に構成された冷却気流誘導路を介してチャンバーを均一な温度分布で冷却させる「冷却ジャケット」である。
【0059】
また、
図5において、未説明符号413は、チャンバー200の外部ケーシング220の表面に沿ってボックス410を装着するためにボックス410の縁に沿って設けられた「フランジ部」である。
414は、ボックス410をチャンバー200の外部ケーシング220の表面に沿って装着するときの密閉のための「ガスケット」であり得る。
【0060】
また、
図6及び
図7において、未説明符号451は、シリコーンリング440の一端を案内して密着させて組み立てるために、金属ブッシュ450に設けられた「組立孔」である。460は、シリコーンリング440の着座を誘導するためにチャンバーの外部ケーシング220に組み立てられる「ガイドブラケット」である。
【0061】
このように、本発明に係る熱処理オーブンのヒーター電源供給装置は、基板の熱処理工程に必要な熱が基板の熱処理に必要な条件に合うようにチャンバー200内のヒーター230に電源を供給して基板の熱処理工程を行うことができる。
【0062】
ヒーター230は、チャンバー200の内部に構成された導電部500に電源供給部400を介して電源を供給すると、面状発熱体として機能しながら基板に熱を伝達してチャンバー200内で熱処理工程を行う。
【0063】
電源供給部400を用いた電源供給は、制御ゾーン別に区分して供給でき、供給電源を必要に応じて自由に調整することができるように構成できる。
【0064】
電源供給は、複数の配線を介してそれぞれ制御でき、電源供給のためのそれぞれのフィードスルー430は、電気的な容量、絶縁性能及びシール能力を満足する構造で構成され、高温でも使用できるようになっている。
【0065】
フィードスルー430は、シリコーンリング440を介してチャンバー200のケーシングに支持され、シリコーンリング440は、チャンバー200の外部ケーシング220に装着された金属ブッシュ450に案内され、高温シールを維持する機能を行うことができる。
【0066】
一方、本発明に係る熱処理オーブンの電源供給装置は、熱処理オーブンで必要とする幾つかの性能を満足させることができる。
【0067】
例えば、電気的な絶縁性能を備えることができる。高温シールが可能なので、電気安全認証を満たす程度の安全性がある。
【0068】
そして、高温での使用にも問題なく、一定の絶縁性能を維持することができる。
【0069】
チャンバー内のプロセスガスの流出をシール材を介して効果的に遮断することができ、電源供給部400の外部にボックス410を備えているので、メンテナンス時間を短縮し、良好な作業性を確保することができる。
【0070】
このように、本発明に係る熱処理オーブンのヒーター電源供給装置は、熱処理オーブンのヒーター電源供給部をチャンバーの外部ケーシングに別個に構成することにより、電源供給部のモニタリングとメンテナンスを含む電源供給部の管理作業性を改善するという有利な利点がある。
【0071】
また、高温のチャンバー温度による電源供給部の耐久性を確保し、チャンバー内のプロセスガスが電源供給部を介して流出する問題を効果的に改善することができるという有利な利点がある。
【0072】
本発明は、図示された一実施形態を参照して説明されたが、実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱することなく修正及び変更して実施することができ、それらの修正と変更も本発明の技術思想に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
100 熱処理オーブン
200 チャンバー
210 外部ケーシング
220 内部ケーシング
400 電源供給部
410 ボックス
411 温度制御センサー誘導ウィンドウ
412 開口ホール
420 ハウジング
421 温度センサーシールシート
430 フィードスルー(feedthrough)
440 シリコーンリング
450 金属ブッシュ
452 円形シリコーンパッキン