(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】液晶配向方法及び液晶配向システム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1337 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
G02F1/1337 520
G02F1/1337 525
(21)【出願番号】P 2020516712
(86)(22)【出願日】2017-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2017110318
(87)【国際公開番号】W WO2019056528
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2020-04-27
(31)【優先権主張番号】201710865496.2
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 思坤
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101872098(CN,A)
【文献】特開2002-031822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0231601(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0220161(US,A1)
【文献】特開2003-029265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極層と、前記第1電極層を覆う第1配向膜とが形成される第1基板を提供し、前記第1配向膜の構成材料にポリイミドが含まれるステップと、
前記第1基板に対向配置され、第2電極層と、前記第2電極層を覆う第2配向膜とが形成される第2基板を提供し、前記第2配向膜の構成材料にポリイミドが含まれるステップと、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に液晶層を形成するステップと、
前記第1基板の前記第1電極層
に近い側に全面に設けられ、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含む電極板を提供するステップと、
前記電極層と前記第2電極層との間に
交流駆動電圧を印加して、前記電極板と前記第2電極層との間に結合容量を形成
させるステップと、
前記液晶層の両端の電圧を発生させる前記結合容量により、前記液晶層に電圧を供給することができ、前記液晶層を配向させるステップと、
前記電極板を前記第1基板から剥離するステップと、を含み、
前記第1基板がカラーフィルタ基板であり、
前記第2基板がアレイ基板であり、
前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に
交流駆動電圧を印加して、前記液晶層を配向させる前記ステップは、
前記電極板と前記第2電極層との間に前記
交流駆動電圧を印加して、前記反応性モノマー及び前記液晶分子をプレチルト角で配列させることと、
前記
交流駆動電圧を引き続き印加して、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子を前記プレチルト角で固定することと、を含む、
液晶配向方法。
【請求項2】
前記電極層の構成材料に酸化インジウムスズが含まれる、
請求項1に記載の液晶配向方法。
【請求項3】
第1電極層と前記第1電極層を覆う第1配向膜とが形成される第1基板を提供するステップと、
前記第1基板に対向配置され、第2電極層と、前記第2電極層を覆う第2配向膜とが形成される第2基板を提供するステップと、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に液晶層を形成するステップと、
前記第1基板の前記第1電極層
に近い側に全面に設けられ、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含む電極板を提供するステップと、
前記電極層と前記第2電極層との間に
交流駆動電圧を印加して、前記電極板と前記第2電極層との間に結合容量を形成
させるステップと、
前記液晶層の両端の電圧を発生させる前記結合容量により、前記液晶層に電圧を供給することができ、前記液晶層を配向させるステップと、を含み、
前記第1基板がカラーフィルタ基板であり、
前記第2基板がアレイ基板であり、
前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に
交流駆動電圧を印加して、前記液晶層を配向させる前記ステップは、
前記電極板と前記第2電極層との間に前記
交流駆動電圧を印加して、前記反応性モノマー及び前記液晶分子をプレチルト角で配列させることと、
前記
交流駆動電圧を引き続き印加して、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子を前記プレチルト角で固定すること、とを含む、
液晶配向方法。
【請求項4】
前記電極層の構成材料に酸化インジウムスズが含まれる、
請求項3に記載の液晶配向方法。
【請求項5】
前記液晶層を配向させる前記ステップの後に、
前記電極板を前記第1基板から剥離するステップと、をさらに含む、
請求項3に記載の液晶配向方法。
【請求項6】
前記第1配向膜及び前記第2配向膜の構成材料にポリイミドが含まれる、
請求項3に記載の液晶配向方法。
【請求項7】
液晶表示パネルと、電源と、前記液晶表示パネルとは独立した電極板と、光源とを含み、
前記液晶表示パネルは、
第1電極層と、前記第1電極層を覆う第1配向膜と、を含む第1基板と、
前記第1基板に対向配置され、第2電極層と、前記第2電極層を覆う第2配向膜とを含む第2基板と、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に設けられ、反応性モノマー及び液晶分子を含む液晶層と、を含み、
前記電極板は、前記第1基板の前記第1電極層
に近い側に全面に設けられ、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含み、
前記電源は、前記電極板及び前記第2電極層に接続され、前記電極層及び前記第2電極層に
交流駆動電圧を印加して、前記電極板と前記第2電極層との間に結合容量を形成
させ、
前記液晶層の両端の電圧を発生させる前記結合容量により、前記液晶層に電圧を供給することができ、前記液晶層を配向させ、
前記第1基板がカラーフィルタ基板であり、
前記第2基板がアレイ基板であり、
前記光源は、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子をプレチルト角で固定する、
液晶配向システム。
【請求項8】
前記液晶配向システムはさらに、
前記電極板を前記第1基板から剥離するための剥離装置を含む、
請求項7に記載の液晶配向システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に液晶配向方法及び液晶配向システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルは、一般的にカラーフィルタ基板(Color Filter Substrate,CF Substrate)、薄膜トランジスタアレイ基板(Thin-Film Transistor Array Substrate,TFT Array Substrate)、及び両基板間に配置された液晶層(Liquid Crystal Layer)から構成される。液晶表示パネルの動作原理は、2枚のガラス基板に駆動電圧を印加することにより液晶層の液晶分子の回転を制御し、バックライトモジュールの光を屈折させて画面を生成することである。
【0003】
液晶表示パネルは、液晶の配向方式によって、垂直配向(Vertical Alignment,VA)型、ツイステッドネマティック(Twisted Nematic,TN)又はスーパーツイステッドネマティック(Super Twisted Nematic,STN)型、インプレーンスイッチング(In-Plane Switching,IPS)型、及びフリンジフィールドスイッチング(Fringe Field Switching,FFS)型等に分類することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の液晶表示パネルの光配向では、液晶セルの両端の酸化インジウムスズ電極に電圧を印加して、液晶の配列を整えた後、液晶セルにUV光を照射し、液晶中の感光性モノマーが分離してPI(Polyimide,ポリイミド)表面に重合して、PI表面の液晶分子の配向を固定し、電圧を除去すると、PI表面の液晶分子がプレチルト角を形成し、液晶セル中の液晶の応答速度を向上させる。このような方法で光配向を行う場合、CF基板側の酸化インジウムスズに電圧を供給するために、アレイ基板に大量の配線を追加する必要があり、アレイ基板の利用効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、液晶表示パネル上の配線数を減らすことができる液晶配向方法及び液晶配向システムを提供することにある。
【0006】
本発明の実施例は、液晶配向方法を提供し、
第1電極層と、前記第1電極層を覆う第1配向膜とが形成される第1基板を提供し、前記第1配向膜の構成材料にポリイミドが含まれるステップと、
前記第1基板に対向配置され、第2電極層と、前記第2電極層を覆う第2配向膜とが形成される第2基板を提供し、前記第2配向膜の構成材料にポリイミドが含まれるステップと、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に液晶層を形成するステップと、
前記第1基板の前記第1電極層に近い側に全面に設けられ、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含む電極板を提供するステップと、
前記電極層と前記第2電極層との間に交流駆動電圧を印加して、前記電極板と前記第2電極層との間に結合容量を形成させるステップと、
前記液晶層の両端の電圧を発生させる前記結合容量により、前記液晶層に電圧を供給して、前記液晶層を配向させるステップと、
前記電極板を前記第1基板から剥離するステップと、を含み、
前記第1基板がカラーフィルタ基板であり、
前記第2基板がアレイ基板であり、
前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に交流駆動電圧を印加して、前記液晶層を配向させる前記ステップは、
前記電極板と前記第2電極層との間に前記交流駆動電圧を印加して、前記反応性モノマー及び前記液晶分子をプレチルト角で配列させることと、
前記交流駆動電圧を引き続き印加して、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子を前記プレチルト角で固定することと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に駆動電圧を印加して、前記液晶層を配向させる前記ステップは、
前記電極板と前記第2電極層との間に前記駆動電圧を印加して、前記反応性モノマー及び前記液晶分子をプレチルト角で配列させることと、
前記駆動電圧を引き続き印加して、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子を前記プレチルト角で固定することと、を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記電極板はガラス基板及び電極層を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に駆動電圧を印加する前記ステップは、
前記電極層と前記第2電極層との間に駆動電圧を印加することを含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記電極層の構成材料に酸化インジウムスズが含まれる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1基板はカラーフィルタ基板である。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第2基板はアレイ基板である。
【0012】
本発明の実施例は、液晶配向方法を提供し、当該液晶配向方法は、
第1電極層と前記第1電極層を覆う第1配向膜とが形成される第1基板を提供するステップと、
前記第1基板に対向配置され、第2電極層と、前記第2電極層を覆う第2配向膜とが形成される第2基板を提供するステップと、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に液晶層を形成するステップと、
前記第1基板の前記第1電極層に近い側に全面に設けられ、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含む電極板を提供するステップと、
前記電極層と前記第2電極層との間に交流駆動電圧を印加して、前記電極板と前記第2電極層との間に結合容量を形成させるステップと、
前記液晶層の両端の電圧を発生させる前記結合容量により、前記液晶層に電圧を供給して、前記液晶層を配向させるステップと、を含み、
前記第1基板がカラーフィルタ基板であり、
前記第2基板がアレイ基板であり、
前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に交流駆動電圧を印加して、前記液晶層を配向させる前記ステップは、
前記電極板と前記第2電極層との間に前記交流駆動電圧を印加して、前記反応性モノマー及び前記液晶分子をプレチルト角で配列させることと、
前記交流駆動電圧を引き続き印加して、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子を前記プレチルト角で固定すること、とを含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に駆動電圧を印加して、前記液晶層を配向させる前記ステップは、
前記電極板と前記第2電極層との間に前記駆動電圧を印加して、前記反応性モノマー及び前記液晶分子をプレチルト角で配列させることと、
前記駆動電圧を引き続き印加して、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子を前記プレチルト角で固定することと、を含む。
【0014】
いくつかの実施例において、前記電極板はガラス基板及び電極層を含み、前記電極板と前記第2電極層との間に駆動電圧を印加する前記ステップは、
前記電極層と前記第2電極層との間に駆動電圧を印加することを含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記電極層の構成材料に酸化インジウムスズが含まれる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記液晶層を配向させる前記ステップの後に、
前記電極板を前記第1基板から剥離するステップをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1配向膜及び前記第2配向膜の構成材料にポリイミドが含まれる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第1基板はカラーフィルタ基板である。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第2基板はアレイ基板である。
【0020】
本発明の実施例は液晶配向システムをさらに提供し、前記液晶配向システムは、液晶表示パネルと、電源と、前記液晶表示パネルとは独立した電極板と、光源とを含み、
前記液晶表示パネルは、
第1電極層と、前記第1電極層を覆う第1配向膜と、を含む第1基板と、
前記第1基板に対向配置され、第2電極層と、前記第2電極層を覆う第2配向膜とを含む第2基板と、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に設けられ、反応性モノマー及び液晶分子を含む液晶層と、を含み、
前記電極板は、前記第1基板の前記第1電極層に近い側に全面に設けられ、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含み、
前記電源は、前記電極板及び前記第2電極層に接続され、前記電極層及び前記第2電極層に交流駆動電圧を印加して、前記電極板と前記第2電極層との間に結合容量を形成させ、前記液晶層の両端の電圧を発生させる前記結合容量により、前記液晶層に電圧を供給して、前記液晶層を配向させ、
前記第1基板がカラーフィルタ基板であり、
前記第2基板がアレイ基板であり、
前記光源は、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子をプレチルト角で固定する。
【0021】
いくつかの実施例において、前記液晶層は、反応性モノマー及び液晶分子を含み、前記液晶配向システムは、光源をさらに含み、
前記光源は、前記電極板に紫外線を照射することで、前記反応性モノマーを重合反応させて前記第1配向膜の表面及び前記第2配向膜の表面に堆積させ、前記液晶分子をプレチルト角で固定する。
【0022】
いくつかの実施例において、前記電極板は、ガラス基板と、前記ガラス基板と前記第1電極層との間に設けられる電極層とを含み、
前記電源は、前記電極層及び前記第2電極層に接続され、前記電極層及び前記第2電極層に駆動電圧を印加する。
【0023】
いくつかの実施例において、前記液晶配向システムは、剥離装置をさらに含み、
前記剥離装置は、前記電極板を前記第1基板から剥離する。
【0024】
いくつかの実施例において、前記第1基板はカラーフィルタ基板である。
【0025】
いくつかの実施例において、前記第2基板はアレイ基板である。
【0026】
本発明に係る液晶配向方法及び液晶配向システムは、第1基板に電極板を設けて液晶層を配向させることにより、従来の液晶配向方法及び液晶配向システムに比べて、液晶表示パネルにおける配線の数を減少させる。
【0027】
本発明の上記内容をより理解しやすくするために、以下、特に好ましい実施例を挙げて、添付図面と合わせて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る従来の液晶配向方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係る液晶配向回路の構造概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係る液晶配向方法のシーン模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係る液晶配向システムの構造概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係る液晶配向システムの別の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための特定の実施例を例示するために、添付されている図面を参照して各実施例を説明する。[上]、[下]、[前]、[後]、[左]、[右]、[内]、[外]、「側面]などの本発明で言及される方向の用語は、単に添付図面を参照する方向に過ぎない。従って、方向の用語は、本発明を説明して理解するために使用され、本発明を限定するためのものではない。
【0030】
図面において、構造的に同様の要素は同じ符号で示されている。
【0031】
本明細書に言及される「実施例」とは、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所で現れる該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と排他的である別個の又は代替の実施例でもない。当業者は、明示的及び暗黙的に、本明細書に記載の実施例を他の実施例と組み合わせることができることを理解する。
【0032】
図1を参照すると、
図1は本発明の実施例に係る液晶配向方法のフローチャートである。該液晶配向方法は、S101~S105を含む。
【0033】
S101:第1電極層と、第1電極層を覆う第1配向膜とが形成される第1基板を提供するステップ。
【0034】
いくつかの実施例において、該第1基板はカラーフィルタ基板である。該第1電極層は、共通電極層である。第1電極層上には、自体の表面張力により平坦で均一な膜厚の膜を得るポリイミド溶液を塗布でき、高温で縮合させることで第1配向膜が得られる。即ち、第1配向膜の構成材料にポリイミドが含まれる。
【0035】
S102:第1基板に対向配置され、第2電極層と、第2電極層を覆う第2配向膜とが形成される第2基板を提供するステップ。
【0036】
いくつかの実施例において、該第2基板はアレイ基板である。該第2電極層は、画素電極層である。第2電極層上には、自体の表面張力により平坦で均一な膜厚の膜を得るポリイミド溶液を塗布でき、高温で縮合させることで第2配向膜が得られる。即ち、第2配向膜の構成材料にポリイミドが含まれる。
【0037】
S103:第1配向膜と第2配向膜との間に液晶層を形成するステップ。
【0038】
具体的には、第1配向膜と第2配向膜との間に反応性モノマーを含む液晶分子を注入して、反応性モノマー及び液晶分子を含む液晶層を形成することができる。
【0039】
S104:第1基板の第1電極層に近い側に設けられる電極板を提供するステップ。
【0040】
電極板は、ガラス基板及び電極層を含む。いくつかの実施例において、該電極層は、透明導電膜である。該電極層の構成材料に酸化インジウムスズが含まれる。
【0041】
S105:電極板と第2電極層との間に駆動電圧を印加し、液晶層を配向させるステップ。
【0042】
図2を参照すると、
図2は、本発明の実施例に係る液晶配向方法に対応する回路の構造概略図である。該回路は、液晶容量Clc及び蓄積容量Cstを有し、さらに結合容量Cglを有する。具体的には、電極板と第2電極層との間に駆動電圧を印加すると、電極板と第2電極層との間に結合容量Cglが形成され、即ち液晶層の両端の電圧を該結合容量Cglにより発生させる。これにより、第2基板に大量の配線を設けることなく液晶層に電圧を供給することができ、第2基板の利用効率も向上する。
【0043】
具体的には、
図3に示すように、電極板と第2電極層との間に駆動電圧Voltageを印加して、反応性モノマー及び液晶分子をプレチルト角で配列させた後、引き続き駆動電圧Voltageを印加し、電極板に紫外線UVlightを照射して、反応性モノマーを重合反応させて第1配向膜の表面及び第2配向膜の表面に堆積させ、液晶分子をプレチルト角で固定する。
【0044】
いくつかの実施例において、液晶層を配向させるステップの後に、電極板を第1基板から剥離するステップをさらに含む。これにより、前記方法によって液晶を配向させる液晶表示パネルの厚さに影響を与えることを防止することができる。
【0045】
本発明の実施例は液晶配向システムをさらに提供し、
図4に示すように、液晶配向システム1は、液晶表示パネル1000と、電源2000と、前記液晶表示パネル1000とは独立した電極板3000とを含む。
【0046】
液晶表示パネル1000は、第1基板100、第2基板200及び液晶層300を含む。第1基板100は、第1電極層101と、第1電極層101を覆う第1配向膜102と、を含む。第2基板200は、第1基板100に対向配置され、第2電極層201と、第2電極層201を覆う第2配向膜202とを含む。液晶層300は、第1配向膜102と第2配向膜202との間に設けられる。いくつかの実施例において、第1配向膜102及び第2配向膜202の構成材料にポリイミドが含まれる。
【0047】
電極板3000は、第1基板100の第1電極層101に近い側に設けられる。いくつかの実施例において、電極板3000は、ガラス基板3001と、ガラス基板3001と第1電極層101との間に設けられる電極層3002とを含む。いくつかの実施例において、電極層3002の構成材料に酸化インジウムスズが含まれる。
【0048】
電源2000は、電極板3000及び第2電極層201に接続され、電極板3000及び第2電極層201に駆動電圧を印加して、液晶層300を配向させる。具体的には、電源2000は、電極層3002及び第2電極層201に接続され、電極層3002及び第2電極層201に駆動電圧を印加する。
【0049】
いくつかの実施例において、
図5に示すように、該液晶配向システム1は、光源4000をさらに含む。光源4000は、電極板3000に紫外線を照射することで、液晶層300中の反応性モノマーを重合反応させて第1配向膜102の表面及び第2配向膜202の表面に堆積させ、液晶層300中の液晶分子をプレチルト角で固定する。
【0050】
いくつかの実施例において、該液晶配向システム1は、第1基板100から電極板3000を剥離するための、例えば、クランプなどの剥離装置をさらに含む。
【0051】
具体的には、
図3に示すように、液晶配向システム1は、電源2000によって電極層3002と第2電極層201との間に駆動電圧Voltageを印加して液晶層300中の反応性モノマー及び液晶分子をプレチルト角で配列させた後、引き続き電源2000によって駆動電圧Voltageを印加して、光源4000によって電極板3000に紫外線UVlightを照射することで、反応性モノマーを重合反応させて第1配向膜102の表面及び第2配向膜202の表面に堆積させ、液晶分子をプレチルト角で固定するように該液晶表示パネル1000を配向させている。
【0052】
本発明の実施例に係る液晶配向方法及び液晶配向システムは、第1基板に電極板を設けて液晶層を配向させることにより、液晶表示パネルにおける配線数を減少させることができる。
【0053】
以上、本発明は、好ましい実施例を参照して説明したが、上述した好ましい実施例は、本発明を制限するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、様々な変更や修飾を加えることができ、したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義される。