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特許7072084流体収集装置、関連システム、及び関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】流体収集装置、関連システム、及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/455 20060101AFI20220512BHJP
   A61F 5/453 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
A61F5/455
A61F5/453
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020561631
(86)(22)【出願日】2019-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019029611
(87)【国際公開番号】W WO2019212952
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】62/665,297
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スペクター マーク
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/210524(WO,A1)
【文献】特開2005-066011(JP,A)
【文献】特開2010-081981(JP,A)
【文献】中国実用新案第205849719(CN,U)
【文献】特表2010-536439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0087131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44-5/458
A61G 9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的にチャンバを画定する流体不透過性バリアであって、更にそれを通って延びる開口部を画定し、前記開口部は女性の尿道に隣接して配置され、又は男性の尿道をそれに通して配置するように構成された、流体不透過性バリアと、
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置された導管であって、その中に少なくとも1つの開口を画定して、前記導管の内部が前記チャンバと流体連通することを可能にする、導管と、
前記導管に結合された第1の開口と、ガス源、真空源、又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも1つと流体連通する第2の開口と、を含む弁であって、前記弁の作動に応答して前記導管を通るガスの流れを選択的に制御するように構成された、弁と、を備え
前記弁は前記流体不透過性バリアに当接するか、または、前記弁は前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、
流体収集装置。
【請求項2】
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置された流体透過性支持体であって、前記流体透過性支持体の一部分は、前記開口部の少なくとも一部分を覆い、ここで前記開口部は細長い開口部を含む、流体透過性支持体と、
前記支持体に配置され、前記開口部を横切って延びる前記流体透過性支持体の少なくとも前記部分を覆う流体透過性膜と、を更に備え、
ここで前記開口部は前記女性の尿道に隣接して配置されるように構成される、
請求項1に記載の流体収集装置。
【請求項3】
前記チャンバ内に配置されて、その中に流体を保持するように構成された少なくとも1つのリザーバであって、前記導管の前記少なくとも1つの開口は、前記少なくとも1つのリザーバに、又はそれに隣接して配置される、少なくとも1つのリザーバを更に備える、請求項1と2のいずれか一項に記載の流体収集装置。
【請求項4】
前記弁は、少なくとも1つのブリーダ出口を含み、それは前記少なくとも1つのブリーダ出口と前記弁の前記第2の開口との間のガスの流れを、前記導管を通る前記ガスの流れが前記弁によって部分的に及び/又は少なくとも実質的に完全に制限されるときに、可能にするように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体収集装置。
【請求項5】
前記弁は三方弁又は四方弁である、請求項4に記載の流体収集装置。
【請求項6】
前記弁は前記流体不透過性バリアに当接する、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体収集装置。
【請求項7】
前記弁は前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体収集装置。
【請求項8】
前記弁に結合され、又は一体的に形成されたアクチュエータを更に備え、ここで前記アクチュエータを操作することで前記導管を通るガスの流れを選択的に制御する、請求項1~のいずれか一項に記載の流体収集装置。
【請求項9】
流体を収集して輸送するシステムであって、
真空源又はガス源と、
流体を収集するように構成された流体貯蔵容器であって、前記真空源又は前記ガス源と流体連通する、流体貯蔵容器と、
請求項1~のいずれか一項に記載の前記流体収集装置であって、前記流体貯蔵容器の上流側に配置され、ここで前記第2の開口が前記ガス源、前記真空源、又は前記流体貯蔵容器のうちの少なくとも1つと流体連通する、流体収集装置と、を備える、
システム。
【請求項10】
前記システムは前記真空源を含み、前記流体貯蔵容器は前記真空源の上流側に配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは前記ガス源を含み、前記流体収集装置は前記ガス源の下流側に配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
流体を収集する方法であって、
流体収集装置の開口部を女性の尿道に隣接して、又は男性の尿道の周りに配置する工程であって、前記開口部は前記流体収集装置の流体不透過性バリアによって画定される、工程と、
前記女性の尿道又は前記男性の尿道から前記流体収集装置のチャンバの中に流体を受容する工程であって、前記流体収集装置の前記チャンバは前記流体不透過性バリアによって少なくとも部分的に画定される、工程と、
弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替える工程であって、前記弁は、前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される導管と流体連通し、前記導管は、少なくとも1つの開口を画定し、前記導管の内部が前記チャンバと流体連通することを可能にする、工程と、を含み、
前記弁は前記流体不透過性バリアに直接結合されるか、または、前記弁は前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置され、
ここで前記弁は、前記弁が前記第1の状態にあるときに前記導管を通るガスの流れを許可し、前記弁が前記第2の状態にあるときに前記導管を通る前記流体の流れを制限する、
方法。
【請求項13】
弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替える工程は、前記弁に結合された、又は一体的に形成されたアクチュエータを手動で操作することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替える工程は、前記弁に結合された、又は一体的に形成されたアクチュエータを電子的に操作することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替える工程は、前記流体不透過性バリアに直接結合される前記弁を前記第1の状態と前記第2の状態との間で切り替えることを含む、請求項1214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替える工程は、前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される前記弁を前記第1の状態と前記第2の状態との間で切り替えることを含む、請求項1214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記弁が前記第2の状態にあるときに、前記弁のブリーダ出口と前記弁の開口との間でガスを流す工程を更に含む、請求項1216のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
流体収集装置の開口部を女性の尿道に隣接して、又は男性の尿道の周りに配置する工程は、前記流体収集装置の前記開口部を女性の尿道に隣接して配置することを含み、
前記女性の尿道又は前記男性の尿道から前記流体収集装置のチャンバの中へ流体を受容する工程は、前記女性の尿道から前記流体収集装置の前記チャンバの中へ流体を受容することを含む、
請求項1217のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年5月1日に出願された米国仮出願第62/665,297号の優先権を主張し、その開示はその全体が、この参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
個人は、可動性が限られているか損なわれている場合があり、そのため、通常の排尿プロセスが困難又は不可能である。例えば、個人は、可動性を損なう手術を受けるか、又は障害がある可能性がある。別の例では、個人は、パイロット、運転手、及び危険区域での労働者による経験のような、制約された移動条件を有する可能性がある。更に、個人からの流体収集は、モニタリング目的又は臨床試験のために必要とされる場合がある。
【0003】
便器、及び導尿カテーテルなどの尿道カテーテルを用いて、これらの状況のいくつかに対処できる。しかし、便器及び尿道カテーテルには、それらに関連するいくつかの問題がある。例えば、便器は不快感、こぼれ、その他の衛生上の問題となりやすく、尿道カテーテルは不快で痛みを伴う場合があり、尿路感染症を引き起こす可能性がある。
【0004】
したがって、流体収集装置のユーザ及び製造業者は、尿を収集するための新しく改良された装置、システム、及び方法を引き続き探求している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、流体収集装置を使用する装置、システム、及び方法に関する。一実施形態では、流体収集装置は流体不透過性バリアを含み、それは少なくとも部分的にチャンバを画定する。流体不透過性バリアはまた、それを通って延びる開口部を画定する。開口部は、女性の尿道に隣接して配置されるように、又は男性の尿道がそれを通して配置されるように構成される。流体収集装置はまた、少なくとも部分的にチャンバ内に配置された導管を含む。導管は、少なくとも1つの開口を画定し、導管の内部がチャンバと流体連通することを可能にする。流体収集装置は更に弁を含む。弁は、導管に結合された第1の開口と、空気源、真空源、又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも1つに流体結合可能な第2の開口とを含む。弁は、弁の作動に応答して導管を通るガスの流れを選択的に制御するように構成される。
【0006】
一実施形態では、流体を収集及び輸送するシステムが開示される。このシステムは、真空源又はガス源を含む。このシステムはまた、流体を収集するように構成された流体貯蔵容器を含む。流体貯蔵容器は、真空源又は空気源と流体連通する。加えて、システムは、流体貯蔵容器の上流側に配置された流体収集装置を含む。流体収集装置は、少なくとも部分的にチャンバを画定する流体不透過性バリアを含む。流体不透過性バリアはまた、それを通って延びる開口部を画定する。開口部は、女性の尿道に隣接して配置されるように、又は男性の尿道がそれを通して配置されるように構成される。流体収集装置はまた、少なくとも部分的にチャンバ内に配置された導管を含む。導管は、少なくとも1つの開口をその中に画定し、導管の内部がチャンバと流体連通することを可能にする。流体収集装置は更に弁を含み、弁は、導管に結合された第1の開口と、第2の開口とを含み、第2の開口は、ガス源、真空源、又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも1つに流体連通するように構成される。弁は、弁の作動に応答して導管を通る流体の流れを選択的に制御するように構成される。
【0007】
一実施形態では、流体を収集する方法が開示される。この方法は、流体収集装置の開口部を女性の尿道に隣接して、又は男性の尿道の周りに配置することを含む。開口部は、流体収集装置の流体不透過性バリアによって画定される。この方法はまた、女性の尿道又は男性の尿道から流体収集装置のチャンバの中に流体を受容することを含み、流体収集装置のチャンバは流体不透過性バリアによって少なくとも部分的に画定される。加えて、この方法は、弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替えることを含む。弁は、チャンバ内に少なくとも部分的に配置される導管と流体連通する。導管は、少なくとも1つの開口を画定し、導管の内部がチャンバと流体連通することを可能にする。弁は、弁が第1の状態にあるときに導管を通るガスの流れを許可し、弁が第2の状態にあるときに導管を通る流体の流体の流れを制限する。
【0008】
開示された実施形態のいずれかからの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用されてもよい。加えて、本開示の別の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を考慮することにより、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、同一の参照番号は、図面に示される異なる図又は実施形態における同一又は類似の要素又は特徴を指す。
図1】一実施形態による流体収集装置の概略断面図である。
図2A】一実施形態による、流体収集装置の概略断面図である。
図2B】一実施形態による、第1の状態の弁の概略断面図である。
図2C】一実施形態による、第2の状態の弁の概略断面図である。
図3】一実施形態による、流体収集装置の概略断面図である。
図4A】一実施形態による、流体収集装置の概略断面図である。
図4B】一実施形態による、流体収集装置の概略断面図である。
図5】一実施形態による、男性の流体収集装置の概略断面図である。
図6】一実施形態による、流体収集システムの概略図である。
図7】一実施形態による、ガス源に結合されるように構成された流体収集装置の概略断面図である。
図8】一実施形態による、流体収集システムの概略図である。
図9】一実施形態による、本明細書に開示された流体収集装置及び/又は流体収集システムのいずれかを使用する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示される実施形態は、流体収集装置を使用する装置、システム、及び方法に関する。一例では、流体収集装置は流体不透過性バリアを含み、それは少なくとも部分的にチャンバを画定する。流体不透過性バリアはまた、それを通って延びる開口部を画定する。開口部は、女性の尿道に隣接して配置されるように、又は男性の尿道がそれを通して配置されるように構成される。流体収集装置はまた、少なくとも部分的にチャンバ内に配置された導管を含む。導管は、少なくとも1つの開口を画定し、導管の内部がチャンバと流体連通する(例えば、流体的に結合される)ことを可能にする。流体収集装置は更に弁を含む。弁は、導管に結合された第1の開口と、第2の開口とを含み、第2の開口は、空気源、真空源、又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも1つに、直接(例えば、直接取り付けられる、又は少なくとも部分的に中に配置される)及び/又は間接的に(例えば、少なくとも1つのチューブを介して)流体連通するように構成される。弁は、ユーザからの指示に応答して導管を通る流体の流れを制御するように構成される。
【0011】
本明細書に開示される流体収集装置は、個人から流体を収集するように構成される。流体収集装置によって収集される流体は、尿を含む。流体収集装置によって収集される流体はまた、膣分泌物、陰茎分泌物、生殖液、血液、汗、又は他の体液を含み得る。
【0012】
導管は、例えば、少なくとも1つのチューブ又は弁を介して、ガス源又は真空源に間接的に流体連通することができる。ガス源は、少なくともガス(例えば、大気ガス、酸素など)をガス源から離れて導管の内部を通して流す。真空源は、少なくともガスを真空源に向かって、かつ導管の内部を通して流す。一実施形態では、ガス源又は真空源は、導管の内部を通してガスを連続的に流すように構成される。導管の内部を通るガスの連続的な流れは、流体収集装置(例えば、個人の尿道に隣接して又は尿道の周りに配置された流体収集装置)を使用する個人に不快感を与える可能性がある。一例では、導管の内部を通るガスの連続的な流れは、ガスを個人の尿道の周りに流し、それによって個人の尿道を冷却し得る。一例では、内部を通るガスの連続的な流れは、流体収集装置に近接する個人の部分に真空を付加し、それにより、個人の毛細血管を破裂させる(例えば、吸引性皮下出血を形成する)可能性がある。したがって、チャンバの内部を通るガスの流れを、個人から流体を収集する必要がある場合のみに制限することが有益であり得る。
【0013】
しかしながら、いくつかの実施形態では、導管の内部を通る連続的なガスの流れを停止することは困難な場合がある。例えば、ガス源又は真空源は、流体収集装置を使用している個人から離隔され得る。流体収集装置を使用している個人にとっては、その個人が可動性を制限されている場合があるため、ガス源又は真空源をオン又はオフにすることが困難な場合がある。別の例では、ガス源又は真空源はチューブのネットワークに結合されて、ガス源又は真空源がガス又は真空を様々な場所に供給することを可能にする場合がある。そのような例では、別の場所でガス源又は真空源を使用する必要があり得るため、単に一人の個人の快適さのためにガス源又は真空源をオン又はオフにするのは非実用的であり得る。
【0014】
集尿装置の弁は、流体収集装置を使用している個人の快適さを改善し、それは個人が導管を通るガスの流れ(例えば、大気、酸素、窒素などの流れ)を制御することができるためである。例えば、弁は、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることができる。弁は、導管を通るガスの流れを、弁が第1の状態と第2の状態にあるとき、それぞれに、少なくとも部分的に(例えば、完全に)制限し、少なくとも部分的に可能にする。言い換えると、弁は、弁が第1の状態にあるときよりも第2の状態にあるときに、より多くのガスが導管の内部を通って流れるのを可能にする。流体収集装置を使用している個人は、弁に結合されるか、又は弁と一体的に形成されるアクチュエータを操作することができ、それによって、個人の必要に応じて、弁を第1の状態と第2の状態との間で選択的かつ制御可能に切り替える。例えば、個人は、個人が排尿しそうなとき、又はそうでなければ個人から流体を除去する必要があるときに、アクチュエータを操作して、弁を第1の状態から第2の状態に切り替え得る。一実施形態では、流体収集装置が少なくとも流体の幾分かを収集した後、個人はアクチュエータを操作し、それによって弁を第2の状態から第1の状態に切り替え、それによって流体収集装置を使用している個人の快適さを高めることができる。
【0015】
図1は、一実施形態による流体収集装置100の概略断面図である。流体収集装置100は、女性から流体を受容するように構成された女性の流体収集装置100の一例である。流体収集装置100は、流体不透過性バリア102を含む。流体不透過性バリア102は、少なくとも部分的にチャンバ104及び開口部106を画定する。開口部106は、流体不透過性バリア102を通って延在し、それにより、流体はチャンバ104に入ることができる。開口部106は、女性の尿道に隣接して配置されるように構成され得る。流体収集装置100はまた、チャンバ104に少なくとも部分的に配置される導管108(例えば、チューブ)を含む。導管108は、その中に少なくとも1つの開口110を画定し、それは導管108の内部112がチャンバ104と流体連通するのを可能にする。いくつかの例では、導管108は、弾性である1つ以上の部分を含んでもよく、例えば、導管が柔軟であることを可能にする1つ以上の直径又は壁厚を有する。いくつかの例では、導管108は、つや消し又は不透明(例えば、黒色)であってもよく、その中の流体の視認性を不明瞭にする。流体収集装置100はまた、チャンバ104に近接し、チャンバ104から離隔された弁114を含む。弁114は、開口110の下流側に配置される。弁114は、個人からの指示に応答して(例えば、アクチュエータ138を操作している個人に応答して)、導管108を通るガスの流れを選択的に制御するように構成される。例えば、弁114は、導管108の内部112を通るガスの流れを制御でき、次に、導管108を通る流体の流れを制御し得る。弁114は、導管108に結合可能である(例えば、流体的に結合される、及び/又は取り付け可能である)第1の開口116を含む。弁114はまた、第2の開口118を含み、それは直接及び/又は間接的に真空源(例えば、図6の真空源670)又は流体貯蔵容器(例えば、図6の流体貯蔵容器668)のうちの少なくとも一方に流体連通するように構成される。例えば、弁114の第2の開口118は、真空源の又は流体貯蔵容器の少なくとも一方に流体連通してもよい。
【0016】
流体収集装置100は、流体をチャンバ104の中に開口部106を介して受容するように構成される。例えば、開口部106は、細長い形状を示し得て、それは尿道開口部の下の第1の位置(例えば、肛門又は膣開口部、又はその近く)から、尿道開口部の上の第2の位置(例えば、陰核又は陰毛、又はその近く)へ延びるように構成される。開口部106は、女性の脚が閉じられたときに女性の脚の間の空間が比較的小さいために細長い形状を示し、それによって開口部106の細長い形状に対応する経路に沿った流体の流れのみを可能にし得る。開口部106は、長手方向を横切って測定される幅を示し得て、それは流体収集装置100の円周の少なくとも約10%であり、例えば、流体収集装置100の円周の約25%~約50%、約40%~約60%、約50%~約75%、約65%~約85%、又は約75%~約100%である。いくつかの実施形態では、開口部106は、垂直方向に配向され得る(例えば、装置100の長手方向軸に略平行である主軸を有する)。いくつかの実施形態(図示せず)では、開口部106は、水平方向に配向され得る(例えば、装置100の長手方向軸に垂直な主軸を有する)。一例では、流体不透過性バリア102は、個人に取り付けられるように構成され、例えば、接着的に(例えば、ヒドロゲル接着剤を用いて)個人に取り付けられる。一実施形態によると、適切な接着剤はヒドロゲル層であり、例えば、米国特許出願公開第2017/0189225号に開示され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0017】
流体不透過性バリア102はまた、流体をチャンバ104内に一時的に貯蔵するように構成される。例えば、流体不透過性バリア102は、任意の適切な流体不透過性材料から形成され得て、流体不透過性ポリマ(例えば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど)、金属フィルム、別の適切な材料、又はそれらの組み合わせなどである。したがって、流体不透過性バリア102は、流体が、開口部106から離隔されたチャンバ104の部分を出るのを実質的に防止する。一例では、流体不透過性バリア102は、空気透過性及び流体不透過性であり得る。そのような例では、流体不透過性バリア102は、複数の細孔を画定する疎水性材料で形成され得る。一例では、流体不透過性バリア102の外面の少なくとも1つ以上の部分は、柔らかい、及び/又は滑らかな材料から形成され得て、それによって擦れを低減する。流体不透過性バリア102は、その上に1つ以上のマーキングなどのマーキングを含んでもよく、ユーザが装置100を着用者に位置合わせするのを支援する。例えば、流体不透過性バリア102の上(例えば、開口部106の反対側)のラインは、医療専門家が、着用者の尿道の上に開口部106を位置合わせすることを可能にし得る。一例では、マーキングは、1つ以上の位置合わせガイド又は方向インジケータ、例えばストライプ又はハッシュを含み得る。そのようなマーキングは、装置100を恥骨などの1つ以上の解剖学的特徴に位置合わせするように配置され得る。
【0018】
流体収集装置100は、チャンバ104に配置された流体透過性膜120を含み得る。流体透過性膜120は、開口部106の少なくとも一部分(例えば、すべて)を覆うことができる。流体透過性膜120は、開口部106から任意の流体を吸い上げ、それによって流体がチャンバ104から逃げるのを防止するように構成され得る。透過性特性は、ウィッキング、毛細管作用、拡散、又は他の同様の特性若しくは手順を有し得て、本明細書では「透過性」及び/又は「ウィッキング」と呼ばれる。そのような「ウィッキング」は、ウィッキング材料の中への吸収を含まなくてもよい。流体透過性膜120はまた、流体を一般にチャンバ104の内部に向かって吸い上げることができる。流体透過性膜120は、流体を吸い上げることができる任意の材料を含み得る。例えば、流体透過性膜120は、布を含むことができ、ガーゼ(例えば、絹、麻、又は綿のガーゼ)、別の柔らかい布、又は別の滑らかな布などである。流体透過性膜120をガーゼ、柔らかい布、及び/又は滑らかな布から形成することにより、流体収集装置100によって引き起こされる擦れを低減し得る。
【0019】
流体収集装置100は、チャンバ104の中に配置された流体透過性支持体122を含み得る。流体透過性支持体122は、流体透過性膜120を支持するように構成され、それは流体透過性膜120が折り畳み可能、薄くて弱い、又はそうでなければ容易に変形可能な材料から形成され得るためである。例えば、流体透過性支持体122は、流体透過性膜120が流体透過性支持体122と流体不透過性バリア102との間に配置されるように位置決めされ得る。したがって、流体透過性支持体122は、流体透過性膜120の位置を支えて維持し得る。流体透過性支持体122は、流体透過性膜120よりも変形しにくい任意の流体透過性材料から形成され得る。例えば、流体透過性支持体122は、紡糸プラスチック繊維を含み得る。一例では、流体透過性支持体122は、流体収集装置100から省略することができる。
【0020】
一実施形態では、流体透過性膜120及び流体透過性支持体122は、導管108によって占有されていないチャンバ104の部分を少なくとも実質的に完全に満たし得る。一実施形態では、流体透過性膜120及び流体透過性支持体122は、導管108によって占有されていないチャンバ104の部分を実質的に完全に満たさない。そのような一実施形態では、流体収集装置100は、チャンバ104に配置されたリザーバ124を含む。リザーバ124は、チャンバ104の実質的に占有されていない部分である。チャンバ104にある流体は、流体透過性膜120及び/又は流体透過性支持体122を通ってリザーバ124に流動し得る。リザーバ124は、その中に流体の少なくとも一部を貯蔵し得る。
【0021】
一例では、リザーバ124は、開口110に最も近いチャンバ104の端部に位置され得る。しかしながら、リザーバ124は、チャンバ104内の異なる位置に配置され得る。例えば、リザーバ124は、出口128に最も近いチャンバ104の第1の端部に位置され得る。別の例では、流体収集装置100は、複数のリザーバを含み得て、例えば、開口110に最も近いチャンバ104の端部に配置された第1のリザーバと、出口128に最も近いチャンバ104の端部に配置された第2のリザーバである。別の例では、流体透過性支持体122は、導管108の少なくとも一部分から離隔され、リザーバ124は、流体透過性支持体122と導管108との間の空間であり得る。いくつかの実施形態(図示せず)では、導管108は第2の端部に入ってもよく、導管108の少なくとも1つの開口110は、第2の端部領域(例えば、リザーバ124)に配置されてもよい。そのような例では、第1の端部は実質的に密封され得る。
【0022】
流体不透過性バリア、流体透過性膜、流体透過性支持体、及びチャンバの別の例は、2016年9月8日に出願された米国特許出願第15/260,103号に開示されており、その開示は、その全体がこの参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
導管108は、少なくとも1つの開口110と、弁114に結合可能である(例えば、第1の開口116と取り付け可能であり、及び/又は流体連通している)出口128とを含み、その間に延びる。開口110は、導管108の内部112がチャンバ104と流体連通することを可能にする。例えば、開口110は、流体がチャンバ104から導管108の内部112に流れることを可能にする。一実施形態では、開口110は、リザーバ124内又はそれに隣接して配置され得て、それによって、リザーバ124内の流体の貯留を防ぐ。一実施形態では、開口110は、流体収集装置100の重量分析最低点又はその近くに配置され得て、それによって、流体収集装置100の重量分析最低点での流体の貯留を防ぐ。一実施形態では、開口110は、流体透過性膜120及び/又は流体透過性支持体122に隣接するように、リザーバ124から離隔され得て、それにより、流体透過性膜120及び/又は流体透過性支持体122における流体滞留を防止する。一実施形態では、例示のように、導管108は、単一の開口110のみを含む。別の実施形態では、導管108は、複数の開口を含み得る。そのような実施形態では、導管108は、リザーバ124内又はその近くに配置された少なくとも1つの開口と、必要に応じてリザーバ124から離隔された少なくとも1つの開口を含み得る。いくつかの実施形態では、導管108の1つ以上の部分及び/又は導管108に接続された少なくとも1つのチューブは、カテーテル固定装置を用いて着用者の皮膚に固定され、例えば、これに限定するものではないが、C.R.Bard,Inc.から入手可能なSTATLOCK(登録商標)カテーテル固定装置を含み、米国特許第6,117,163号、第6,123,398号、及び第8,211,063号に開示され、これらの開示はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0024】
前述のように、弁114は、チャンバ104から離隔される。したがって、導管108は、チャンバ104に配置された第1の部分130と、チャンバ104から離隔された第2の部分132とを含む。例えば、第2の部分132は、流体不透過性バリア102から弁114まで延びることができる。流体不透過性バリア102は、穴134を画定でき、導管108がそれを通って延びることを可能にする。導管108の第1の部分130は、開口110を画定でき、第2の部分132は、出口128を画定できる。
【0025】
前述のように、弁114は、第1の開口116と第2の開口118を含む。第1の開口116は、導管108の出口128に結合されるように構成される。第2の開口118は、真空源又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも一方に結合されるように構成される。一例では、第2の開口118は、少なくとも1つのチューブ136を介して真空源又は流体貯蔵容器に間接的に結合される。
【0026】
流体収集装置100はまた、弁114に結合されるか、又は弁114と一体的に形成される少なくとも1つのアクチュエータ138を含む。アクチュエータ138は、流体収集装置100のユーザによって操作されるように構成される。個人によるアクチュエータ138の操作は、弁114の作動を引き起こし得る(例えば、弁114を第1の状態と第2の状態との間で切り替える)。例えば、アクチュエータを操作することは、アクチュエータ138を作動し得て、それは次に、制御可能に弁114を作動する。弁114は、少なくとも1つの中間状態を含み得て、それは弁114が第1の状態にあるときよりも多くのガスが導管108を通って流れることを可能にし、弁114が第2の状態にあるときよりも少ないガスが導管108を通って流れることを可能にし、またアクチュエータ138を操作することにより、弁114は、制御可能に中間状態を示し得ることに留意する。
【0027】
一実施形態では、例示のように、アクチュエータ138は、レバー、ハンドル、ハンドホイール、又は個人によって操作され得る(例えば、手動で操作され得る)別の適切な機械装置であり、また弁114に結合される(上に配置される、又は取り付けられる)か、又は一体的に形成される。そのような一実施形態では、アクチュエータ138を操作することは機械的な力を作り出し、それは弁114を第1の状態と第2の状態との間で切り替える。一実施形態では、アクチュエータ138は、個人によって操作され得るボタン又は電気スイッチ(例えば、レバーの形態の電気スイッチ)と、ボタン又は電気スイッチを操作することによって作動される電気モーター、油圧装置、空気圧装置など(総称して「機械アクチュエータ」と呼ばれる)を含み得る。ボタン又は電気スイッチの操作することで、機械アクチュエータにより、弁114を第1の状態と第2の状態との間で切り替えられ得る。そのような一実施形態では、アクチュエータ138の少なくとも一部分は弁114に結合され得て、及び/又はアクチュエータ138の少なくとも一部分は弁114から離隔され得る。例えば、ボタン又は電気スイッチは、弁114から離隔され得て、一方、機械アクチュエータは弁114上に配置され、取り付けられ(例えば、ベルト又はチェーンを介して)、又は一体的に形成される。そのような例では、ボタン又は電気スイッチ及び機械アクチュエータは各々、送信機(図示せず)を含み得て、それはボタン又は電気スイッチが電気信号を機械アクチュエータに送信し、機械アクチュエータに、個人からの指示に応答して弁114を第1の状態と第2の状態との間で切り替えるように命令することを可能にする。
【0028】
弁114は、任意の適切な弁を含み得る。例えば、弁114は、ボール弁、バタフライ弁、セラミックディスク弁、逆止弁、チョーク弁、ダイヤフラム弁、ゲート弁、グローブ弁、ナイフ弁、針弁、又はピンチ弁を含み得る。弁のタイプは、いくつかの要因に依存する場合があることに留意されたい。例えば、弁114のアクチュエータ138のタイプ、アクチュエータ138が弁114を第1の状態と第2の状態との間で切り替える力又は電気信号を生成するように構成されているかどうか、弁114が1つ以上の中間状態を含むかどうか、弁114の必要なサイズなどである。
【0029】
一例では、流体収集装置100の1つ以上の構成要素は、抗菌材料、例えば、着用者又は着用者の体液に接触し得る流体収集装置の任意の表面上の抗菌材料を含み得る。抗菌材料は、ニトロフラゾン又は銀コーティングなどの抗菌コーティングを含み得る。抗菌材料は、微生物の増殖、例えば、体液の貯留又は滞留のための微生物の増殖を阻害し得る。一例では、流体収集装置100の1つ以上の構成要素(例えば、不透過性バリア102、導管108など)は、臭気遮断又は吸収材料、例えば、シクロデキストリン含有材料又は熱可塑性エラストマ(TPE)ポリマを含み得る。
【0030】
図2Aは、一実施形態による、流体収集装置200の概略断面図である。本明細書に別段の開示がある場合を除いて、流体収集装置200は、本明細書に開示された流体収集装置のいずれかと同じ又は実質的に同様であり得る。例えば、流体収集装置200は、チャンバ204及び開口部206を画定する流体不透過性バリア202を含み得る。流体収集装置200はまた、チャンバ204に配置された流体透過性膜220及び流体透過性支持体222を含み得る。流体収集装置200はまた、弁214及び導管208を含み、導管208は弁214がチャンバ204と流体連通することを可能にする。
【0031】
弁214は、導管208に結合可能な第1の開口216と、真空源又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも一方に結合可能な第2の開口218とを含む。第2の開口218は、例えば、真空源又は流体貯蔵容器のうちの少なくとも一方にチューブ236を用いて間接的に結合され得る。流体収集装置200はまた、アクチュエータ238を含み、それは流体収集装置200を使用している個人によって操作されて、弁214を第1の状態と第2の状態との間で選択的かつ制御可能に切り替えることを可能にする。
【0032】
弁214は、少なくとも1つのブリーダ出口240を更に含み、それは弁214が第1の状態にあるときに弁214(ただし導管208ではない)を通るガスの流れを可能にするように構成される。例えば、ブリーダ出口240は、導管208を通るガスの流れが弁214によって部分的及び/又は少なくとも実質的に完全に制限される(例えば、弁214は第1の状態にある)ときに、ブリーダ出口240と弁214の第2の開口218との間のガスの流れを可能にするように構成される。したがって、弁214は、少なくとも三方弁である(例えば、弁214は、弁214が単一のブリーダ出口240を含むときは三方弁であり、弁214が2つのブリーダ出口240を含む場合は四方弁である、など)。一例では、弁214が第1の状態にあるときに弁214を通るガスの流れを可能にすることは、第2の開口218が真空源に結合されるときに真空力がチューブ236を圧着するのを防止し得る。チューブ236を圧着することは、弁214が第1の状態にあるときにチューブ236を通るガス及び流体の流れを妨げ、及び/又はチューブ236に損傷を生じさせる場合があり、それは弁214が第2の状態にあるときにチューブ236を通るガス及び流体の流れを妨げる場合がある。別の例では、弁214が第1の状態にあるときに弁214を通るガスの流れを可能にすることで、第2の開口218がガス源に結合されているときにチューブ236内の圧力蓄積を防ぎ得る。圧力の蓄積は、チューブ236を破裂させ、そうでなければ変形させる場合がある。
【0033】
図2B図2Cは、一実施形態による、それぞれ第1の状態と第2の状態にある弁214の概略断面図である。図2B図2Cに示される弁214は、三方ボール弁である。しかしながら、弁は、別のタイプの弁、例えば、四方ボール弁、バタフライ弁などを含み得ることが理解される。弁214は、本体242及びボール244を含む。本体242は、第1の開口216、第2の開口218、及びブリーダ出口240を画定する。本体242はまた、その中に可動に配置されたボール244を含む中空部分を画定する。ボール244は、その中の通路246を画定する。通路246は、略直線経路、略L形経路、略T形経路、又は任意の他の適切な経路を示し得る。図2Bは、弁214が第1の状態にあるときのボール244の位置を示す。例えば、弁214が第1の状態にあるとき、ボール244は、通路246が第2の開口218及びブリーダ出口240と流体連通するように配置される。したがって、ブリーダ出口240は、ガスが弁214を通るのを可能にするが、導管208には通さない。図2Cは、弁214が第2の状態にあるときのボール244の位置を示す。例えば、弁214が第2の状態にあるとき、ボール244は、通路246が第1及び第2の開口216、218と流体連通するが、ブリーダ出口240とは連通しないように配置される。したがって、ガスは導管208を通って流れる。
【0034】
図3は、一実施形態による、流体収集装置300の概略断面図である。本明細書に別段の開示がある場合を除いて、流体収集装置300は、本明細書に開示された流体収集装置のいずれかと同じ又は実質的に同様であり得る。例えば、流体収集装置300は、チャンバ304及び開口部306を画定する流体不透過性バリア302を含み得る。流体収集装置300はまた、チャンバ304に配置された流体透過性膜320及び流体透過性支持体322を含み得る。流体収集装置300はまた、弁314と導管308を含み、導管308は弁314がチャンバ304と流体連通するのを可能にする。弁314は、第1の開口316及び第2の開口318を含む。流体収集装置300は、アクチュエータ338を更に含む。
【0035】
弁314は、流体不透過性バリア302に当接するが、チャンバ304には配置されない。流体不透過性バリア302に当接するように弁314を配置することにより、流体収集装置300の全体のサイズを減少し得る。例えば、流体不透過性バリア302に当接するように弁314を配置することにより、導管308をチャンバ304内に完全に配置させることができ、それにより、導管308の第2の部分(例えば、図1の第2の部分132)の必要性を排除する。流体収集装置300のサイズを減少することで、流体収集装置300の存在を隠すこと、例えば衣服の下(例えば、個人の下着の下)に流体収集装置300を隠すことが容易になる。
【0036】
一実施形態では、弁314は、流体不透過性バリア302とは別である。一実施形態では、弁314は、流体不透過性バリア302と少なくとも部分的に一体的に形成される。そのような一実施形態では、弁314の本体342は、流体不透過性バリア302と同じ材料から形成される。一実施形態では、弁314は、チャンバ304を少なくとも部分的に画定する。
【0037】
図4Aは、一実施形態による、流体収集装置400aの概略断面図である。本明細書に別段の開示がある場合を除いて、流体収集装置400aは、本明細書に開示された流体収集装置のいずれかと同じ又は実質的に同様であり得る。例えば、流体収集装置400aは、チャンバ404a及び開口部406を画定する流体不透過性バリア402を含み得る。流体収集装置400aはまた、チャンバ404aに配置された流体透過性膜420及び流体透過性支持体422を含み得る。流体収集装置400aはまた、弁414aと導管408を含み、導管408は弁414aがチャンバ404と間接的に流体連通するのを可能にする。弁414aは、第1の開口416及び第2の開口418を含む。更に、流体収集装置400aは、アクチュエータ438を含む。
【0038】
弁414aは、少なくとも部分的にチャンバ404a内に配置される。例えば、弁414aの本体442は、完全にチャンバ404a内に配置され、一方、弁414aのアクチュエータ438は、本体442から、チャンバ404aから離隔された位置まで延びる。したがって、アクチュエータ438は、流体収集装置400aを使用している個人が容易にアクセスできる位置に配置される。弁414aは、少なくとも部分的にチャンバ404a内に配置されるため、チューブ436は、チャンバ404aの中に挿入される必要があり得る。
【0039】
弁414aはチャンバ404a内に配置されるため、弁414は流体に曝される。したがって、弁414aは、損傷(例えば、錆び、腐食など)することなく流体に曝すことができる材料から形成され得る。例えば、弁414a(例えば、弁414aの本体442)は、ステンレス鋼、銅又は銅合金、グラファイト、アルミノケイ酸塩、シリカ、亜鉛めっき鋼、プラスチック(例えば、ポリフルオロエチレン樹脂、又はポリエチレン、ポリスチレン)、又は他の適切な材料から形成され得る。一例では、本体442は、導管408、チューブ436、及びアクチュエータ438と実質的に流体密なシールを形成し得て、その結果、流体は、流体を受容するように構成されていない弁414の1つ以上の内部分に入ることがなく、これは弁114のこれらの部分に流体が入ると、弁414aの操作がより困難になる可能性があるためである。
【0040】
弁414aをチャンバ404a内に少なくとも部分的に配置することにより、流体収集装置400aの全体的なサイズを減少できる。加えて、弁414aをチャンバ404a内に少なくとも部分的に配置することにより、チャンバ404a内の流体の貯留及び/又は滞留を低減し得る。例えば、弁414aの存在は、流体を保持し得るチャンバ404aの容積を減少させる。弁414aは、流体収集装置400aが保持し得る流体の量を減少させるが、それはまた、より多くの流体がリザーバ424及び/又は導管408の開口410に向けて流れるようにして、それにより、チャンバ404a内の流体の貯留又は滞留を低減する。
【0041】
図4Bは、一実施形態による、流体収集装置400bの概略断面図である。流体収集装置400bは、弁414bがブリーダ出口440を含むことを除いて、図4Aの流体収集装置400aと同じである。したがって、弁414bは、ブリーダチューブ448を含み得て、それはブリーダ出口440bから、チャンバ404bから離隔された位置まで延びる。ブリーダチューブ448なしでは、流体収集装置400bは、弁414bが第1の状態にあるときでさえ、流体収集装置400bを使用している個人に不快感を引き起こし続ける場合がある。
【0042】
図1図4Bに示す流体収集装置は、女性から流体を収集する(例えば、女性の尿道から集尿する)ように構成された女性の流体収集装置の例である。しかしながら、本明細書に開示される流体収集装置のいずれも、男性から流体を収集する(例えば、男性の尿道から集尿する)ように構成された男性の流体収集装置であり得る。図5は、一実施形態による、男性の流体収集装置500の概略断面図である。
【0043】
流体収集装置500は、レセプタクル550及びカップ部分552を含む。レセプタクル550は、男性の尿道を取り囲む皮膚に結合され、男性の尿道をそれに通して配置するように構成される。例えば、レセプタクル550は、穴556を画定する環状ベース554を含み得る。環状ベース554は、男性の尿道の周りに配置される(例えば、陰茎の周りに配置される)ように構成され、穴556は、男性の尿道をそれに通して配置するように構成され得る。環状ベース554はまた、男性の尿道の周りの皮膚に結合される(例えば、ヒドロゲル接着剤を用いるなど接着的に取り付けられる)ように構成され得る。一例では、環状ベース554は、環状ベース554が結合されるように構成される皮膚表面の一般的な形状を示すことができ、及び/又は可撓性であり得て、それによって環状ベース554が皮膚表面の形状に一致することを可能にする。レセプタクル550はまた、中空領域558を画定し、それはカップ部分552をその中に配置するように構成される。例えば、レセプタクル550は、フランジ560を含み得て、それは環状ベース554から上方に延びて中空領域558を部分的に画定する。中空領域558は十分に深く、カップ部分552は中空領域558から誤って除去される可能性が低い(例えば、中空領域558は、少なくとも1cmの深さ、少なくとも2cmの深さ、又は少なくとも5cmの深さである)。
【0044】
カップ部分552は、流体不透過性バリア502を含み、それはレセプタクル550の中空領域558に嵌合するようなサイズおよび形状である。流体不透過性バリア502は、チャンバ504を部分的に画定する。流体不透過性バリア502はまた、流体不透過性バリア502を通って延びる開口部506を画定し、男性の尿道をそれに通して配置するように構成される。流体不透過性バリア502はまた、少なくとも1つの開口部562を画定し得て、チャンバ504が実質的に大気圧に留まることを可能にする。カップ部分552はまた、チャンバ504内に少なくとも部分的に配置される導管508を含む。導管508は、開口510を含み、導管508の内部512がチャンバ504と流体連通することを可能にする。導管508はまた、弁514に連通結合されるように構成された出口528を含む。
【0045】
一例では、男性の陰茎のサイズ及び剛性が変化するため、チャンバ504は実質的に空にし得る。しかしながら、チャンバ504の最も外側の領域は、多孔質材料(図示せず)を含むことができ、それは男性の尿道からの尿の流れを鈍らせ、それにより飛沫を制限し、及び/又は流体をチャンバ504の選択された領域に向けるように構成される。チャンバ504は実質的に空であるため(例えば、チャンバ504の実質的にすべてがリザーバを形成する)、流体は、チャンバ504の重量分析最低点に貯留する可能性がある。チャンバ504の重量分析最低点は、個人の皮膚と流体収集装置500との交点、カップ部分552に形成されたコーナ、又は別の適切な位置にあり得る。導管508の開口510は、チャンバ504の重量分析最低点に隣接又は近接するように構成され、配置され得る。一例では、チャンバ504は、その中に配置された流体透過性膜(図示せず)又は支持体(図示せず)の少なくとも一方を含んでもよく、それは本明細書にそれぞれ開示される流体透過性膜と支持体に類似する。
【0046】
流体収集装置500はまた、弁514を含む。弁514は、本明細書に開示される弁のいずれかを含み得る。一例では、図示のように、弁514は、チャンバ504から離隔され得る。しかしながら、別の例では、弁514は、流体不透過性バリア502に当接し得るか、又は少なくとも部分的にチャンバ504内に配置され得る。
【0047】
図6は、一実施形態による、流体収集システム664の概略図である。システム664は、流体収集装置600を含む。流体収集装置600は、図1図5の流体収集装置100、200、300、400a、400b、又は500のいずれかと同じ又は実質的に同様であり得る。システム664はまた、流体貯蔵容器668を含み、それは第1のチューブ636を介して流体収集装置600と間接的に流体連通する。システム664はまた、真空源670を含み、それは第2のチューブ672を介して流体貯蔵容器668と間接的に流体連通する。したがって、真空源670は、第1及び第2のチューブ636、672と流体貯蔵容器668とを介して流体収集装置600と間接的に流体連通する。動作中、真空源670は、流体収集装置600に真空を加えることができる。流体収集装置600の弁(図示せず)が第2の状態にあるとき、真空は、流体収集装置600から流体を引き出し、流体を流体貯蔵容器668に堆積させる。
【0048】
図1図6の流体収集装置100、200、300、400a、400b、500、及び600は、真空源に結合するように構成される。しかしながら、本明細書に開示される流体収集装置のいずれも、ガス源、例えば、ポンプ、圧縮機、又は圧縮ガスのタンクに結合されるように構成され得る。図7は、一実施形態による、ガス源に結合されるように構成された流体収集装置700の概略断面図である。本明細書に別段の開示がある場合を除いて、流体収集装置700は、本明細書に開示される流体収集装置のいずれかと同じ、又は実質的に同様である。例えば、流体収集装置700は、チャンバ704及び開口部706を画定する流体不透過性バリア702を含む。流体収集装置700は、流体収集装置700が女性から流体を収集するように構成される場合、流体透過性膜720及び流体透過性支持体722を含み得る。流体収集装置700はまた、チャンバ704及び弁714内に少なくとも部分的に配置された導管708を含む。一実施形態では、図示のように、弁714は、流体不透過性バリア702及びチャンバ704から離隔される。しかしながら、別の実施形態では、弁714は、流体不透過性バリア702に当接し得て、及び/又はチャンバ704内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0049】
導管708は、入口774と出口728とを含み、その間に延びる。入口774は、ガス源(例えば、図8のガス源876)に間接的に結合されるように構成され、出口728は、流体貯蔵容器(例えば、図8の流体貯蔵容器868)に直接又は間接的に結合されるように構成される。したがって、導管708の内部712を通るガスの流れは、入口774から出口728に流れる。導管708は、少なくとも1つの開口710を含むことができ、それは導管708の内部712がチャンバ704と流体連通するのを可能にする。弁714は、開口710の上流側の位置に配置され、それによって、弁714がガスの流れを調整した後に、ガスが開口710に到達するのを可能にする。
【0050】
一実施形態では、導管708は、吸引を使用せずにチャンバ704から流体を除去するように構成される。そのような実施形態では、導管708は、実質的に、流体が導管708に入るときに流体の流れに影響を与えるのみである。一実施形態では、導管708は、吸引を使用してチャンバ704から流体を除去するように構成される。そのような一実施形態では、導管708は、チャンバ704に吸引力を加えるように構成された吸引装置を含み得る。流体をチャンバ704から能動的に除去し得る吸引装置の例は、ガス源に結合されるように構成された流体収集装置の追加の例とともに、2018年5月1日に出願された米国仮特許出願第62/665,331号に開示され、その開示は、その全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
図8は、一実施形態による、流体収集システム864の概略図である。システム864は、流体収集装置800を含む。システム864はまた、ガス源876を含み、それは、流体収集装置800の上流側に配置され、流体収集装置800の弁(図示せず)に結合される。例えば、ガス源876は、少なくとも1つの第1のチューブ836を介して間接的に弁に結合され得る。システム864はまた、流体収集装置800の下流側に配置された流体貯蔵容器868を含む。流体貯蔵容器668は、導管の出口と流体連通にあり得て、例えば第2のチューブ872を介して出口と間接的に流体連通する。
【0052】
図9は、一実施形態による、本明細書に開示される流体収集装置及び/又は流体収集システムのいずれかを使用する方法900の流れ図である。方法900は、動作905を含み得て、それは「尿収集装置の開口部を女性の尿道に隣接して、又は男性の尿道の周りに配置すること」と記述される。動作905の次に動作910に移ってもよく、それは「女性の尿道又は男性の尿道から流体収集装置のチャンバの中へ流体を受容すること」と記述される。動作910の次に動作915に移ってもよく、それは「個人からの指示に応答して、弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替え、ここで弁は、導管を通るガスの流れを、弁が第1の状態にあるときに少なくとも部分的に制限し、導管を通るガスの流れを、弁が第2の状態にあるときに少なくとも部分的に許可すること」と記述される。
【0053】
方法900の動作905、910、及び915は、例示を目的とするものである。例えば、方法900の動作905、910、及び915は、異なる順序で実行され、複数の動作に分割され、変更され、補足され、又は組み合わされ得る。一例では、方法900の動作905、910、915のうちの1つ以上は、方法900から省略され得る。
【0054】
動作905は、「尿収集装置の開口部を女性の尿道に隣接して、又は男性の尿道の周りに配置すること」と記述される。一例では、動作905は、女性の流体収集装置の開口部を、女性の流体収集装置の流体透過性膜が女性の尿道に当接するか、又はその近くに配置されるように、配置することを含み得る。別の例では、動作905は、男性の流体収集装置のレセプタクルが男性の尿道の周りに配置され、その結果、男性の尿道はレセプタクルの穴を通して配置されることを含み得る。そのような例では、動作905は、男性の流体収集装置のカップ部分を、レセプタクルによって画定された中空領域に配置し、その結果、男性の尿道がカップ部分の開口部を通して配置されることを含み得る。
【0055】
動作910は、「女性の尿道又は男性の尿道から流体収集装置のチャンバの中へ流体を受容すること」と記述される。例えば、動作910は、流体を開口部から、流体透過性膜及び流体透過性支持体を使用して吸い上げることを含み得る。別の例では、動作910は、流体を、男性の流体収集装置のカップ部分のチャンバに受容することを含み得る。いずれの例でも、動作910は、流体を、導管の開口と流体連通するチャンバの一部分に向けて流すことを含み得る。例えば、動作910は、流体をチャンバの実質的に占有されていない部分(例えば、リザーバ)へ、チャンバの重量分析最低点などへ流すことを含み得る。
【0056】
動作915は、「個人からの指示に応答して、弁を第1の状態と第2の状態との間で切り替え、ここで弁は、導管を通るガスの流れを、弁が第1の状態にあるときに少なくとも部分的に制限し、導管を通るガスの流れを、弁が第2の状態にあるときに少なくとも部分的に許可すること」と記述される。例えば、動作915は、弁を第1の状態と第2の状態との間で、弁に配置されたアクチュエータを手動で操作すること、例えばハンドル、ホイール、又は別の適切なアクチュエータをねじるなどによって、切り替えることを含み得る。別の例では、動作915は、弁を第1の状態と第2の状態との間で、弁に配置された、又は弁から離隔されたアクチュエータを、電子的に操作すること、例えば、ボタン又は電子スイッチを押して、次にモーター、空気圧装置、油圧装置を作動させることなどによって、切り替えることを含み得る。別の例では、動作915は、弁が第1の状態にあるときに、ブリーダ出口を通してガスを流すことを含み得る。
【0057】
一例では、動作915は、流体収集装置のチャンバ及び流体不透過性バリアから離隔された弁を、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることを含み得る。一例では、動作915は、流体不透過性バリアに当接する弁を、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることを含み得る。一例では、動作915は、チャンバ内に少なくとも部分的に配置される弁を、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることを含み得る。
【0058】
様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されるが、別の態様及び実施形態が考えられる。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであり、限定することを意図するものではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9