IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビューレイ・インコーポレイテッドの特許一覧

特許7072105線形加速器及び磁気共鳴撮像装置を互いに遮蔽する方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】線形加速器及び磁気共鳴撮像装置を互いに遮蔽する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20220512BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
A61N5/10 Z
A61B5/055 390
A61B5/055 362
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021110013
(22)【出願日】2021-07-01
(62)【分割の表示】P 2018242820の分割
【原出願日】2010-07-15
(65)【公開番号】P2021164679
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】61/225,771
(32)【優先日】2009-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512129837
【氏名又は名称】ビューレイ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViewRay Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】シュバーツマン,シュマリュ
(72)【発明者】
【氏名】デミースター,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】デンプジー,ジェームズ,エフ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック,ジョン,レスター セカンド
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-511222(JP,A)
【文献】特表2007-526036(JP,A)
【文献】特表2001-517132(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0003010(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸に沿って配置され、かつ、少なくとも一部が前記長手軸に沿って延びる磁場を発生させるように構成される1つ又は複数の磁石を含むMRIシステムと、
前記長手軸へ向かうように放射線ビームを案内するように構成される線形粒子加速器(ライナック)と、
前記ライナックによって生成されたRF放射線から前記MRIシステムを遮蔽するように構成されたRF遮蔽体であって、前記ライナックの構成部材の一部又は全部を少なくとも部分的に密閉し、少なくとも1層のRF吸収材料及び少なくとも1層のRF反射材料を含むRF遮蔽体と、
を備える、放射線治療システム。
【請求項2】
前記RF遮蔽体はさらに、前記少なくとも1層のRF吸収材料と前記少なくとも1層のRF反射材料との間に空気ギャップを含む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項3】
前記RF反射材料が銅又はアルミニウムを含む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項4】
前記RF吸収材料がカーボンファイバを含む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項5】
前記RF遮蔽体は前記RF遮蔽体を貫通する1つ又は複数のスロットを含む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項6】
前記RF遮蔽体は、前記放射線ビームが前記遮蔽体を均一に減衰するように通過するように構成される、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項7】
前記RF遮蔽体はRF吸収材料及びRF反射材料で構成された複数の繰り返し層を含む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項8】
前記ライナックを前記磁場から遮蔽するように構成された磁気遮蔽体をさらに含み、当該磁気遮蔽体は少なくとも第1の磁気遮蔽体シェルと第2の磁気遮蔽体シェルとを含み、当該第2の磁気遮蔽体シェルは前記第1の磁気遮蔽体シェルの内側に配置され、前記第1の磁気遮蔽体シェルと前記第2の磁気遮蔽体シェルは少なくとも部分的に前記ライナックを取り囲む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項9】
前記RF遮蔽体によって少なくとも部分的に密閉された前記ライナックの構成部材は、前記ライナック用の高出力RF源又は導波管を含む、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項10】
前記RF遮蔽体は、前記ライナックの全部の構成部材を収容するように延在する、請求項1に記載の放射線治療システム。
【請求項11】
長手軸に沿って配置され、かつ、少なくとも一部が前記長手軸に沿って延びる磁場を発生させるように構成される1つ又は複数の磁石を含むMRIシステムと、
前記長手軸へ向かうように放射線ビームを案内するように構成される線形粒子加速器(ライナック)と、
前記ライナックによって生成されたRF放射線から前記MRIシステムを遮蔽するように構成されたRF遮蔽体であって、前記ライナックの構成部材の一部又は全部を取り囲む1つ又は複数のシェルの形態を成し、少なくとも1層のRF吸収材料及び少なくとも1層のRF反射材料を含むRF遮蔽体と、
を備える、放射線治療システム。
【請求項12】
前記RF遮蔽体はさらに、前記少なくとも1層のRF吸収材料と前記少なくとも1層のRF反射材料との間に空気ギャップを含む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項13】
前記RF反射材料が銅又はアルミニウムを含む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項14】
前記RF吸収材料がカーボンファイバを含む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項15】
前記RF遮蔽体は前記RF遮蔽体を貫通する1つ又は複数のスロットを含む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項16】
前記RF遮蔽体は、前記放射線ビームが前記遮蔽体を均一に減衰するように通過するように構成される、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項17】
前記RF遮蔽体はRF吸収材料及びRF反射材料で構成された複数の繰り返し層を含む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項18】
前記ライナックを前記磁場から遮蔽するように構成された磁気遮蔽体をさらに含み、当該磁気遮蔽体は少なくとも第1の磁気遮蔽体シェルと第2の磁気遮蔽体シェルとを含み、当該第2の磁気遮蔽体シェルは前記第1の磁気遮蔽体シェルの内側に配置され、前記第1の磁気遮蔽体シェルと前記第2の磁気遮蔽体シェルは少なくとも部分的に前記ライナックを取り囲む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項19】
前記RF遮蔽体によって少なくとも部分的に密閉された前記ライナックの構成部材は、前記ライナック用の高出力RF源又は導波管を含む、請求項11に記載の放射線治療システム。
【請求項20】
前記RF遮蔽体は、前記ライナックの全部の構成部材を収容するように延在する、請求項11に記載の放射線治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、放射線治療と磁気共鳴撮像とを組み合わせたシステム及び方法に関し、特に、放射線治療及び磁気共鳴撮像システムからの磁場と高周波放射線を遮蔽するシステム並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
線形粒子加速器(ライナックとも呼ばれる)は、亜原子イオンを相当な速度に加速するのに用いられる一種の粒子加速器である。ライナックはたとえば、非特許文献1に記載されている。医療用仕様すなわち診療用ライナック(a.k.a. clinacs)は、調節された共振導波路を用いることによって電子を加速させる。前記の調節された共振導波路では、高周波(RF)出力が一般的に、医療目的の高エネルギー電子又は制動放射X線を発生させるための定在波又は進行波を生成する。
【0003】
磁気共鳴撮像(MRI)又は核磁気共鳴撮像(NMRI)は基本的には、人体の内部構造及び機能を視覚化するため、放射線治療においてもっとも広く用いられている医療用撮像手法である。MRIはたとえば、非特許文献2によって説明されている。
【0004】
MRI装置による撮像を可能にする一方で、ライナックを用いた放射線治療を同時に実行できることが望ましい。しかしこれらの技術を、診療上許容できるように協働させるためには、ライナックとMRI装置との間での克服されなければならない2つの主要な不調和が存在する。第1の問題は、MRI装置の磁場が、その磁場中での荷電粒子を、式F=q(v×B)で決定されるその磁場中での荷電粒子に作用するローレンツ力によって加速させることである。ここで、Fは荷電粒子に作用する力、qは粒子の電荷、vは速度で、Bは磁場である。線形加速器では、電子「イオン」は一般的に、熱電離性材料(加熱されたときに電子が脱離する材料)-陰極-を加熱することによって生成され、かつ、正の電圧が陽極(典型的にはワイヤグリッド)に印加されるときに、電子は陰極から陽極へ移動する。陽極に100MHzのパルスが印加されることで、電子の群はグリッドを通り抜けて、さらに加速され続ける。陰極、陽極、及び以降の加速用構成部材は、所謂電子銃を構成する。さらに電子を加速しないように、外部磁場によってこの銃をシャットダウンすることができる。MRI磁石は通常、その磁石を取り囲む磁場を減少させるように遮蔽される。通常この周辺磁場は、MRIのアイソセンターから数mについては、地磁気の1ガウスの磁場の高さよりも高いままである。患者の付近にライナックを設けるための最適距離は、線源が、放射線治療アイソセンターから約1mに設けられた状態である。MRI及び放射線治療アイソセンターが実質的に一致するシステムでは、この一致により、容易に0.1テスラ(T:1T=10000ガウス)以上のオーダーとなりうる周辺磁場内にライナックを設けることができる。磁場ベクトルBは、大きく、かつMRシステムの軸方向(Z)を向く。速度ベクトルvは、光速に接近し、かつ、ベクトルBに対して公称的に直角をなす方向(Y)を向く。非常に軽い電子に作用する力Fは、電子を、その電子の所望の軌道から外れるように垂直に加速させる。
【0005】
第2の問題は、ライナックの高出力RF源が、MRI装置内の信号検出用高周波送受信機と干渉を起こすことである。使用されるRF周波数送信コイル及び(特に)受信コイルは、極端に感度が良く、かつ通常は、患者とRFコイル構造内での熱雑音による制限を受ける。勾配磁場は、ある範囲の周波数を、この中心周波数付近に設定することで、周波数の関数としての位置情報を供するのに用いられる。ライナック内の高出力RF源は一般的に、動作中、数百Hzでの加速器の共振導波路に調節されたメガワットから数百メガワットのRF放射線のバーストを発生させる。高出力RF放射線は一般的に、MRIの動作周波数とは共鳴せずに、MRI周波数での側波帯を有し、かつ信号の劣化又はMRI電子機器の損傷さえ生じさせるMRIの伝導構成部材での渦電流を誘起する恐れがある。MRIシステムは通常、外部RF源からの干渉を制限するRF遮蔽室を有する。感受性を有するMRI受信RFコイルはまた、励起に利用されるRF送信場から保護される必要がある。通常このような隔離は、PINダイオード及び/又は背向ダイオードによって実行されることで、RF誘起信号を減衰させる入力/出力の調節/未調節回路素子が切り換えられる。さらに、感受性を有するMRIプリアンプは、如何なる放射線源からのRFエネルギーによっても飽和に達しないことは重要である。
【0006】
特許文献1は、MRIシステムと水平ライナックの組み合わせについて教示している。特許文献1は、DCコイルが、水平ライナックの周囲で延在することで、ライナックによって生成される磁場からMRIを遮蔽すること、及び、DCコイルが、MRIの周囲で用いられることで、そのMRIの漏れ磁場からライナックを遮蔽することについて教示している。また特許文献1は、電子ビームを利用するライナックについて、MRIの主磁石のパルスがオフにされなければならない一方で、そのライナックの電子ビームのパルスはオンにされることについて教示している。同様に特許文献2は、DCコイルをMRIの主磁石の設計に組み込むことで、MRIの外側で環状の低磁場領域を生成することによって、MRIの漏れ磁場からライナックの電子銃源を遮蔽することについて教示している。特許文献2はまた、ライナックの電子銃での遮蔽を制限して、ライナックの標的に向かう加速経路に沿った高い磁場を可能にする主磁石の設計についても教示している。とはいえ、これはビームをさらに劣化させる恐れがあり、さらなるフィルタによる補正が必要となる。繰り返しになるが、同様に、特許文献3は、特許文献1に開示されたように、シミングが可能になるように、ライナックとMRIが互いに固定される場合にのみ、そのMRIとライナックとの間での遮蔽干渉が利用可能であることについて開示している。また特許文献3は、MRIの磁場に起因するライナック電子ビームの偏差を検出及び補正するため、そのライナックに係るステアリングコイルを利用することについて教示している。最後に特許文献4は、ライナックが、加速された電子の経路が主磁場線と一致したMRI主磁石ボアの内部に完全に設けることが可能であることについて教示している。しかしこのことで、アイソセンターからのライナックの距離が短くなる。このため、ビーム経路もまた、磁石の主軸に厳密に沿うように制限される。水平ボア磁石では、磁石のいずれかの端部に接近して、半径方向に回転させることで、磁場線は、中心軸から遠ざかるように発散し始める。よってビームは、中心軸に厳密に沿っているか、又は、磁場の半径方向成分によって、端部へ向かうように影響を受ける。MRIはまた、中心軸から外れた大きな半径方向成分をも有しうる「パルス状勾配磁場」を利用する。これらの参考文献のいずれも、MRI磁場からライナックの遮蔽について教示している。このとき遮蔽材料は、ビーム源と患者との間に介在すなわち介入している。
【0007】
特許文献2及び3によって教示された装置の原型は、標準的なライナック(又はclinac)室に適合できず、かつ多くの技術的課題-与えることできる放射線治療の質について妥協せざるを得ない-を生じさせる恐れのある非常に大きな装置になってしまう。特許文献2と3のいずれかは、ビームを散乱及び減衰させうる長距離又は大面積の材料を取り扱うことが求められ、その結果放射線治療の質について妥協することになる。それに加えて、これらの原型は、ライナックと処置室を完全に封止するRF遮蔽箱を利用することで、患者のアクセスが問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第6198957号明細書
【文献】国際公開第2004/024235号パンフレット
【文献】国際公開第2007/045076号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2008/028036号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0197564号明細書
【非特許文献】
【0009】
【文献】カーツマーク(C. J. KARZMARK)他、MEDICAL ELECTRON ACCELERATORS、McGraw-Hill, Inc刊、Health Professions Division、1993年
【文献】マークハーク(E. MARK HAACKE)他、MAGNETIC RESONANCE IMAGING: PHYSICAL PRINCIPLES AND SEQUENCE DESIGN、Wiley-Liss刊、1999年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これまでの説明で分かるように、とりわけ、放射線治療用ビームを多量の材料に通過させ、又は長距離から通過させなければならないという欠点を緩和する、MRIとライナックとを相互に遮蔽する解決法の改善が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願明細書には、ライナックとMRIとを組み合わせた製造を可能にする方法及び装置の実施例が開示されている。MRIを封止することなくライナックのRF放射線を遮蔽する方法も記載されている。本明細書に開示された実施例は、前記MRIの磁石の磁場から前記ライナックを隔離し、かつ、前記ライナックのRF場からRF送受信コイルを隔離する遮蔽体について記載している。前記患者と入射ビームとの間に遮蔽材料を設けることなく、標準的な位置-つまり前記放射線治療アイソセンターから約1m-の前記MRIの漏れ磁場から、前記ライナックを遮蔽することで前記ビームの劣化を防止する新規の方法は、ガントリーとMRIボアが設けられたシムによる、均一なMRI磁場のシミング及び補正によって教示される。前記ガントリーが設けられたシムは、前記ライナックと共に回転することができる。磁気遮蔽は、前記ライナックの周辺に設けられて、前記ビーム路内には設けられていない、強磁性遮蔽及び/又は局所コイルによって実行されて良い。当該MRIシステムのRF遮蔽は、均一なRF放射線吸収材料-たとえばカーボンファイバメッシュ-と、RF放射線反射材料-たとえば銅の遮蔽体-とを組み合わせたものを選択的に利用することによって実現される。前記RF遮蔽体は、平坦なフィルタ減衰の一部として構成され、かつ前記ビームを通過させるこの部分すなわち穴を有するように作られることで、前記ビームは、前記RF遮蔽体を通過することができる。前記吸収及び減衰材料は、前記ライナックからのRF放射線を、反射、減衰、及び/又は吸収するように順次積層されて良い。吸収されたRF放射線によって発生する熱を取り除くのに必要なこととして、前記吸収材料が冷却されても良い。
【0012】
本発明のある態様によると、磁場は、ライナックの周囲で与えられて良い。前記遮蔽体は、前記ライナックの適切な動作を可能にするためにMRIシステムの磁場から前記ライナックを遮蔽する、高磁気感受率及び透磁率層、電流輸送コイル、並びに/又は永久磁石を有して良い。シェルは円筒形であることが好ましいが、他の形状が用いられても良い。
【0013】
2つ以上のシェルを有する実施例では、前記シェルは、互いに磁気的に隔離されていることが好ましい。
【0014】
前記遮蔽体の配置は、当該MRIシステムの磁場が、前記放射線治療ビームを減衰しないようなものである。前記遮蔽体は、ライナックを設置する好適距離で動作して良い。前記遮蔽体の内側層は高い透磁率を有して良いが、低磁束密度で飽和する。前記MRI磁場の均一な領域への前記遮蔽体の影響は、対向するダミーの遮蔽体によって、減少し、かつ均衡が保たれる。
【0015】
前記MRI磁場への前記遮蔽体の影響は、シムによって補正されて良い。たとえばガントリーが設けられたシムは、ライナックのガントリー角に追随する摂動を補正して良い。MRIボアが設けられたシム及び/又は磁石の設計は、前記ライナックのガントリー角に独立な摂動を補正して良い。
【0016】
本発明の他の態様によると、ライナックの周囲のRF遮蔽体は、当該MRIを適切に動作させるため、前記RF放射線を含み、かつ/又は前記ライナックによって生成される高出力RF放射線から当該MRIを遮蔽する、1層以上のRF吸収材料及び/又はRF反射材料を有して良い。
【0017】
前記RF遮蔽体の配置は、前記ビームが、前記遮蔽体を均一に減衰するように通過するようなものである。前記RF遮蔽体の配置はまた、前記平坦フィルタが前記RF遮蔽体の一部となるようなものであっても良い。薄い部分又は穴が、ビームの減衰を制限するのに用いられて良い。
【0018】
遮蔽は、1層以上のRF室の内壁、MRI表面、及び勾配コイルを巻く形成器具に、RF吸収材料を設けることによって改善されて良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】スプリットマグネット放射線治療システムの上面図を表している。
図1B図1Aに図示されたスプリットマグネット放射線治療システムの斜視図を表している。
図1C図1Aに図示されたスプリットマグネット放射線治療システムの簡略化されたブロック図を表している。
図1D図1Aに図示されたスプリットマグネット放射線治療システムの他の簡略化されたブロック図を表している。
図1E図1Aに図示されたスプリットマグネット放射線治療システムの他の簡略化されたブロック図を表している。
図2A図1A-1Dに図示されたシステムのMRIの主磁石によって発生する磁場を図示している。
図2B図1A-1Dに図示されたシステムのMRIの主磁石によって発生する磁場を図示している。
図3A図1A-1Dに図示されたシステムの実施例において用いられる磁気遮蔽材料のB-H曲線を図示している。
図3B図1A-1Dに図示されたシステムの実施例において用いられる磁気遮蔽材料の相対透磁率を図示している。
図4A図1C図1Dに図示された主磁石の断面図を含む、図1A-1Dに図示されたシステムの実施例の簡略化されたブロック図を表している。
図4B図1A-1Dに図示されたシステムで利用可能な遮蔽体の実施例をより詳細に図示している。
図4C図1A-1Dに図示されたシステムで利用可能な遮蔽体の実施例をより詳細に図示している。
図4D図1A-1Dに図示されたシステムで利用可能な遮蔽体の実施例をより詳細に図示している。
図4E図1A-1Dに図示されたシステムで利用可能な遮蔽体の実施例をより詳細に図示している。
図5A】一部の実施例によるMRIの主磁石によって発生する遮蔽された磁場Bzと遮蔽されていない磁場Bzの比較を図示している。
図5B】一部の実施例によるMRIの主磁石によって発生する遮蔽された磁場Bzと遮蔽されていない磁場Bzの比較を図示している。
図6A】好適実施例によるMRIの主磁石によって発生する遮蔽された磁場Bzと遮蔽されていない磁場Bzの比較を図示している。
図6B】好適実施例によるMRIの主磁石によって発生する遮蔽された磁場Bzと遮蔽されていない磁場Bzの比較を図示している。
図7A】Z=10mmのXY平面での磁場の好適実施例内部の磁場Bzのマップを図示している。
図7B】Z=20mmのXY平面での磁場の好適実施例内部の磁場Bzのマップを図示している。
図8図1C図1Dに図示された主磁石の断面図を含む、図1A-1Dに図示されたシステムの実施例の簡略化されたブロック図を表している。
図9】一部の実施例のように遮蔽された主MRI磁石によって発生する磁場Bzを図示している。
図10図1A-1Dに図示されたシステムの実施例の簡略化されたブロック図を表している。
図11図1A-1Dに図示されたシステムの実施例において利用可能な能動的遮蔽体の実施例を図示している。
図12A図11に図示された能動的コイルが起動する前に主MRI磁石によって発生する磁場のZ成分を図示している。
図12B図11に図示された能動的コイルが起動した後に主MRI磁石によって発生する磁場のZ成分を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1A-1Eは、スプリットマグネット放射線治療システム100の様々な図を表している。図1Aは、スプリットマグネット放射線治療システム100の上面図を表す。図1Bは、スプリットマグネット放射線治療システム100の斜視図を表す。システム100は、一体化された線形加速器107とMRIシステム102を有し、かつ、線形加速器107からの照射とMRI102からの撮像とを同時に行うことを可能にする。たとえば、MRI102は、照射される対象物の位置を正確に示すのに用いられて良く、かつ、この情報は、線形加速器107からの照射を制御するのに用いられて良い。本開示は、図示された特定のMRI及びライナックシステムには必ずしも限定されず、他のMRI及びライナックシステムにも同様に適用されて良い。たとえば、本明細書に開示されたRF及び/又は磁気遮蔽システム並びに方法は、図示され、かつ以降で説明されるMRI及びライナックシステムとは異なる既知のMRI及びライナックシステムと併用されて良い。
【0021】
放射線治療システム100は、開口ソレノイダル磁気共鳴撮像(MRI)装置102、放射線源104、ライナックを格納し、かつ放射線源104の角度を変化させるガントリー106、患者カウチ108、及び撮像及び処置用の位置にいる患者110を有する。同様のシステムは特許文献5に記載されている。
【0022】
本開示の放射線治療システム100は、特許文献5に開示されたものとは多くの点で異なる。基本的な差異は、本開示の放射線治療システム100は、特許文献5に開示された等方的な放射線システムではなくライナック107を有することである。本明細書に記載されたものを除き、ライナック107は従来設計に係るものであって良い。一部の実施例では、図1Eで最良に図示されたライナック107は、調節された共振導波管107aを用いることによって電子を加速させるように構成された医療用仕様又は診療用ライナック(clinic)であって良い。調節された共振導波管107a内では、高周波(RF)出力が、電子銃107bから高エネルギー電子を発生させる定在波又は進行波を生成する。X線/光子ビーム治療用に設置され、かつ電子ビーム治療用に取り除かれる任意の標的107cが含まれて良い。X線/光子ビーム及び電子ビームは、ライナック放射線ビームの例を構成する。一部の実施例では、システム100は、ライナック107からの電子ビームEB用に、たとえば特許文献5に開示されているようなプレコリメータ107d及びマルチリーフコリメータ107eを有して良い。以降で詳述するように、ライナック107-特に導波管107a-は、磁気並びに/又はRF遮蔽体118、120、及び/若しくは122によって保護されて良い。磁気並びに/又はRF遮蔽体118、120、及び/若しくは122は、1つ以上のシェルの形態をとっても良い。前記1つ以上のシェルは円筒形であることが好ましいが、他の形状が用いられても良い。また以降で詳述するように、冷却系115はたとえば、液体冷却系及び/又は空気冷却系を有して良い。
【0023】
放射線治療システム100は、たとえば特許文献5に記載されたようなスプリットマグネットシステムを有して良い。前記スプリットマグネットシステムは、MRI装置102の一部として、図1Cに図示された一対の主磁石112aと112bを有する。MRI装置はまた、図示されていない従来のMRI構成部材をも有して良い。従来のMRI構成部材とはたとえば、スプリット勾配コイル、1つ以上のシムコイル(シムとも呼ばれる)、及びRFコイルを含むRFシステムである。主磁石112aと112bによって発生する磁場強度は変化して良い。しかし説明を簡単にするため、システム100については、主磁場強度が0.35Tの実施例を参照しながら説明する。この主磁場強度は、患者内の2次電子に作用するローレンツ力によって生じる照射量分布の摂動を防止するように選ばれている。磁石112aと112bは、中央のギャップ-たとえば0.28m-によって隔離されている。MRI装置102は、たとえば磁場の中心として直径50cmのMRI視野を供し、かつ同時に、MRI装置102のスプリット勾配コイルによって、ギャップ114内に非減衰放射線ビームを供するように設計されて良い。システム100の構築は、スプリット勾配コイルからの放射線ビームが、RFコイル、患者110、及び患者カウチ108のみを通過するようなものであることが好ましい。
【0024】
図1C及び図1Dは、システム100の簡略化されたブロック図を表している。図1Cでは、MRIシステム102の主磁石のみが図示されている。図1Dでは、主磁石112aと112b及びライナック107のみが図示されている。図1C及び図1Dに図示され、かつ本開示全体を通じて用いられている座標系は、MRIボアを貫通する長手軸をZ軸とする。Z軸は、主磁石112aと112bとの間のギャップ114内で少なくとも実質的に中心をとる、中心軸面CP-横方向又は中心面CPとも呼ばれる-に対して垂直である。また主磁石112aと112bはいずれも、Z軸について半径方向に延びる。中心面CPはまた、X軸とY軸によっても定義される。X軸は、Z軸に対して垂直であって、MRIシステム102の側部から側部まで延びる。Y軸は、Z軸に対して垂直であって、MRIシステムの底部から上部まで延びる。
【0025】
本実施例のシステム100では、中心面CP上のマグネットアイソセンターICから1mの距離では、点P1で示されたように、約0.1Tの磁場Bzが存在する。この距離は、ライナック107の放射線源についてのアイソセンターからの所望の距離である。磁場は、点P2で示されているように、0.81mの半径距離で+Bzから-Bzへ反転する。アイソセンターから1mでの磁場は、後述するように、強磁性遮蔽体又は多層遮蔽体内に含まれうる程度に低い。ここではライナック107の放射線源は最適放射線治療操作が行えるように位置設定されていることが好ましい。中心軸面CPでは、コイルの対称性ゆえに、主として軸方向の磁場Bzが存在する。中心面CPでは、Yは垂直軸で、かつ、ライナック107を遮蔽する高い磁気感受率(及び/又は1次元磁区での透磁率)を有する材料-たとえば非配向のケイ素鋼シェル-の軸であると仮定する。
【0026】
中心面CP付近の主磁石112aと112bによって発生した磁場が図2Aに図示されている。ライナック107が適切に動作するためには、加速構造の中心での磁場は、Y=1000mm(たとえば点P1)付近での非遮蔽磁場よりもはるかに小さいことが望ましい。図2Aはまた、磁場方向の反転に起因して常に起こることとして、磁場Bzが反転するy≒810mm付近でゼロ点(Bz=0)が存在することも図示している。図2Bは、Y=900mm付近での関心領域内に同一の磁場を図示しているが、Y軸は縮尺が変更されている。
【0027】
ライナック107は、図1DのY軸と揃う長手軸ρを有する。ライナック107が、Y軸に沿って位置合わせされているものとして図示及び記載されているが、ライナック107がZ軸の周りで回転可能であることが好ましい。たとえば図1A及び図1Bに図示されたガントリー106は、ライナック107を支持し、かつZ軸の周りで、(長手軸ρは中心面内に残したまま)図1Dに図示された回転方向RDにライナック107を運んで良い。それによりライナック107は、Z軸の周りの任意の範囲の回転位置からアイソセンターICへ電子ビームEBを放出することができる。またガントリー106及びライナック107は、システム100の他の構成部材とは独立にZ軸の周りで回転して良い。たとえばガントリー106及びライナック107は、MRI102とは独立に回転して良い。
【0028】
次に図3A-図3B及び図4A-図4Bに移り、MRIシステム102の磁場からライナック107を磁気的に遮蔽する一般的な方法について説明する。具体的な例が与えられているとはいえ、この具体的な例は、同一の目的を実現するための同様な手法又は形態若しくは材料の変化を排除しない。ライナック107が設けられた領域での磁場Bを抑制するため、高い磁気感受率及び透磁率を有する材料で作られた磁気遮蔽体すなわちシェル118が、ライナック加速構造107の周辺に設けられている。シェル118は、円筒形状で、かつライナック107の軸ρに沿って位置合わせされて良い。このときシェル118の一端又は両端は開いている。円筒形状が好ましいが、開示された遮蔽シェルは他の形状であっても良い。シェル118の少なくとも一端は、ライナック107からの電子ビームEB(図1Dに図示されている)に対して開いている。磁気遮蔽体118は、シェル材料の特性に従って選ばれた厚さを有して良い。磁気遮蔽体118(本明細書に開示された他の磁気遮蔽体も同様)は、非配向ケイ素鋼-たとえば530-50APの名称でThyssenKrupp社から販売されているニッケル鉄-合金-で形成され、かつたとえば約5mmの厚さを有して良い。「530-50AP」材料のB-H曲線及び相対透磁率がそれぞれ、図3A及び図3Bに図示されている。磁気遮蔽体118用の他の材料の選択肢(本明細書に開示された他の磁気遮蔽体も同様)には、M19鋼、M45鋼、及びCarpenter High Permeability「49」鋼が含まれる。
【0029】
磁石112aと112b及び磁気遮蔽体118の位置が図4Aに図示されている。他方、磁気遮蔽体118の拡大斜視図が図4Bに図示されている。磁気遮蔽体118の外径OD及び長さLは変化して良い。本実施例においては、外径ODは約30cmで、長さLは約70cmである。磁気遮蔽体118の底部端118Aは、磁場Bzの反転位置(付近)であるアイソセンターICからの一定距離(本実施例では80cm)に位置している。磁気遮蔽体118の位置及びサイズは、ライナック107を含めるのに十分な大きさでなければならないが、ライナック107によって放出されるビームのサイズを制限するほどの長さ又は狭さではない。磁気遮蔽体118の構成は、スプリット主磁石112a,112b及び勾配コイルセットと組み合わせられるときの放射線治療にとって最適である。その理由は、磁気遮蔽体118は、ライナック107の放射線源と患者110との間に介装されないからである。これにより、高品質及び高強度のライナック107の放射線治療用ビームの生成が可能となる。一部の実施例では、たとえば図4Cに図示されているように、磁気遮蔽体は、多重遮蔽体シェルによって供されて良い。図4Cでは、磁気遮蔽体は、磁気遮蔽体118及び第2磁気遮蔽体120によって供される。ここで遮蔽体118と120は、同心円をなす鋼鉄層であって良い。遮蔽体118と120は、空気又は他の絶縁材料層によって分離されて良い。
【0030】
主磁石112aと112bが存在する中での材料-本実施例では鋼鉄-の影響のモデルは、境界要素法によってマクスウエル方程式を用いることによって解かれた。図5Aは、磁気遮蔽体が外側磁気遮蔽体118と内側磁気遮蔽体120を有し、遮蔽体118と120は空気の層によって分離されている実施例によって遮蔽されている主磁石112a,112bによって発生する磁場Bzと、主磁石112a,112bによって発生する磁場BzとのZ成分との比較を図示している。図5Bは、図5Aに図示された遮蔽体118と120によって遮蔽されている主磁石112a,112bによって発生する磁場BzのZ成分のY=1200mm付近での関心領域を拡大した図である。表1は、図5A及び図5Bに係る実施例による磁気遮蔽体118と120の材料及び寸法を列挙している。表1において、"ID"は内径で、"OD"は外径で、長さはシェルの長さLで、かつ「開始のY座標位置」は、アイソセンター(Z軸)から遮蔽体118と120のそれぞれの底端部までの距離である。
【0031】
【表1】
1つの厚さ5mmのシェルの軸に沿った残留磁場は、4.5Gで、地磁気よりも約10倍大きくて、ライナック107の最適よりも大きい。この残留磁場をさらに減少させるためには複数の選択肢が存在する。図4Cに図示されているように、1つの選択肢は、磁気遮蔽体118の内側に第2磁気遮蔽体120を追加することで、第1磁気遮蔽体から磁気的に分離した磁場をさらに減少させることである。たとえば、第2磁気遮蔽体120は、第1シェル118の内部に設けられている。このとき2つのシェルは、ライナック107の長手軸ρに沿って同軸である。係る実施例では、第2シェル120は、高磁気感受率だが、外側シェル118が磁場を顕著に減少させるので、外側のシェル118の飽和磁束密度は低くなりうる(たとえばミューメタル)。金属の飽和を再起動することによって、最高の遮蔽を得るため、シェル118と120を磁気的に分離することが好ましい。
【0032】
あるいはその代わりに、2次遮蔽素子120は、残留磁場を打ち消すために1次シェル118の内側に設けられた電流を流すコイルであって良い。残留磁場が十分低くて、かつその値と空間内での方向が既知である場合には、ライナックの加速部内でわずかな調節を行うことが可能である。現在のライナックは、少なくとも実質的に真っ直ぐな電子ビームを供するように構成されている。ビームが、磁場によってわずかにしか曲がらない場合、予想されるビーム路を計算することが可能で、かつビームを曲げるように加速板を変化させることが可能である。周辺磁場の方位角的に対称な特性が与えられているので、電子ビームのビーム路のずれは、ガントリーの位置に対してほとんど独立でなければならない。あるいはその代わりに、第2遮蔽素子120は、後述するようにRF遮蔽体120であっても良い。
【0033】
システムの主磁石112aと112b及び二重シェルのピーク間磁場の不均一性は、45cmのDSVにわたって623.8ppmである。この不均一性は、MRIシステム102には大きすぎるので、追加のシミングが必要である。磁場の不均一性は大抵、いくつかの方域調和関数によって表される。そのような方域調和関数とは、S1,1→Y、C2,2→(X2-Y2)、S3,1→Z2X、及びS3,3→X3である。重要な主要調和関数をすべて表2に列挙する。
【0034】
【表2】
帯域調和関数はシミングによって処理されて良い。シムの設定は、Z軸の周りでのライナックの回転によっては変化しない。従ってシムはMRIボア上に設けられて良い。負の帯域調和関数が磁石112aと112bが組み込まれることで、磁石112a,112bと磁気遮蔽体118との組み合わせが、これらの項を取り除く。方域調和関数は大きな問題がある。その理由は、方域調和関数はライナックの配置に伴って移動するからである。方域調和関数は、ガントリー106上の中心面CP付近のパッシブシムによってシムアウトされて良い。パッシブシムは、ガントリー106/ライナック107の回転及び/又は勾配コイルに組み込まれた抵抗シムと共に移動する。勾配コイルは、ガントリー106の回転と一致するように電気的に調節されて良い。
【0035】
一部の実施例によると、図1A-図1Dに図示されたシステム100は、垂直加速軸を有するライナックを有し、かつガントリー106上に載置されている。それによりライナック107は、放射線治療及びMRI102のアイソセンターの周りで回転することができる。ライナック107はまた、低エネルギー-4~6MVの範囲-で、かつライナックを小型に保つために定在波導波管を有することが好ましい。ライナック107は、強度が変調される放射線治療又はコンフォーマルな放射線治療に用いることのできる光子ビームのみを生成するように構成されて良い。ライナック107は、S帯又はX帯の周波数のいずれかで動作して良いが、高出力及び安定性のためにはS帯が好ましい。図4Cを参照すると、この実施例では、素子120は、RF遮蔽体120として機能するように構成されて良い。RF遮蔽体を供するため、RF遮蔽シェル120は、適切な遮蔽材料-たとえば銅ホイル、アルミニウムホイル、又は炭素ファイバ-で作られて良い。銅やアルミニウムのような金属は、その表面の渦電流を発生させる特性があるため、RF放射線を反射する傾向にある。炭素ファイバ材料は、RFエネルギーを吸収する傾向にある。
【0036】
一部の実施例-特にRF遮蔽シェルが導電性材料で構成される場合-では、渦電流は、遮蔽シェルを貫通するように1つ以上のスロットを供することによって減少させることができる。たとえば、遮蔽シェル120は、図4Cではスロット120Aと120Bを有するものとして図示されている。しかしスロットのサイズ、数、及び構成は、図4Cに図示されたものから変化して良い。スロットを備えた遮蔽シェル120が図示されているが、そのようなスロットはまた、遮蔽シェル118内に供されても良い。また任意の数のそのようなスロットが、2つ以上の遮蔽シェルを有する実施例において、任意の1つ以上の遮蔽シェル内に供されても良い。そのようなスロットはまた、磁気遮蔽シェル内にあることも望ましいので、磁気遮蔽シェルの実施例に含まれても良い。
【0037】
図4Cが2つの層(遮蔽シェル120と118)を図示しているが、他の実施例は任意の数の層を有して良い。一部の実施例では、遮蔽シェルの層は、様々な材料を組み合わせたもので作られても良いし、又は同一材料で作られても良い。たとえば一部の実施例では、遮蔽シェル層は、RF吸収材料及びRF反射材料で構成された繰り返し層を有して良い。係る実施例では、遮蔽シェル層間に空気ギャップを供することが望ましい。
【0038】
冷却が、RF遮蔽体120内の吸収材料に対して必要なので、冷却系115(図1E)によって供されて良い。様々な既知の冷却方法が、RF遮蔽体120を冷却するのに用いられて良い。冷却系115はたとえば、RF遮蔽体120を構成する1つ以上の遮蔽シェル付近で流体を巡回させる流体運搬導管を有して良い。またRF遮蔽体120を構成する遮蔽シェルの1つ以上の表面にわたって空気を動かすシステムを組み込むことによって、空冷が供されても良い。
【0039】
磁気遮蔽体118及びRF遮蔽体120は、地磁気の強度のオーダーである磁場強度に対して、ライナック107の電子銃107bから標的までの電子の経路を遮蔽するように、ライナックの周囲に設けられる。磁気遮蔽体118は、たとえば図4A及び図4Cに図示されているように、放射線治療ビームの経路内に位置しないように配置される。RF遮蔽体120はまた、MRI102ではなく、ライナック107の周囲に設けられ、かつ、ライナック107によって発生するRF放射線がMRIの機能を損なわせる前に、そのRF放射線を消滅及び吸収する吸収層と反射層の両方を有する。吸収層と反射層は、平坦フィルタの一部として機能して良い。一部の実施例では、RF遮蔽体120は、標準的なボアが設けられたMRIのRF遮蔽体と共同して動作して良い。ライナック107からのビームは、(複数の)RF遮蔽体が均一かつわずかしか放射線治療ビームを減衰しない限り、RF遮蔽体120(及び係る実施例におけるボアが設けられたMRIのRF遮蔽体)を通過することができる。一部の実施例では、RF遮蔽体120は、RF遮蔽のみであることが望ましい磁気遮蔽体118のない状態で供されても良いことに留意して欲しい。
【0040】
上述したように、一部の実施例では、図4Cに図示されている第2遮蔽素子120は第2磁気遮蔽体120であって良い。図4Dを参照すると、ライナック107が設けられている領域内での磁場Bをさらに抑制するため、磁気遮蔽素子122は、1つ以上の同心円の磁気遮蔽体を有して良い。1つ以上の同心円の磁気遮蔽体は、磁気遮蔽体118と120及び1つ以上の追加の磁気遮蔽体を有して良い。磁気遮蔽素子122は、高い磁気感受率(及び透磁率)を有する材料で作られる多重磁気遮蔽体-遮蔽体118と120を含む-を有して良い。磁気遮蔽素子122の遮蔽体は、ライナック107の加速構造の周りを互いの内部で同心円状に設けられて良い。磁気遮蔽素子122の磁気遮蔽体は、適切な誘電材料-たとえば空気又はプラスチック-によって、互いに磁気的及び電気的に分離されて良い。多重磁気遮蔽体を有することは有利である。その理由は、材料の磁場遮蔽は、深さに伴って飽和し始めるからである。新たな磁場が導入されることで、遮蔽を増大させる飽和効果が再度起こる。また一部の実施例-たとえば図4Eに図示された実施例-は、放射線治療用のスプリットマグネット126と128を有するライナック107及び2つの孤立したシェル130と132で作られた磁気遮蔽体を有して良い。図4A-図4Eに図示された実施例の磁気遮蔽体の厚さは、たとえば5mmとなるように選ばれて良い。材料は、530-50AP鋼材料が選ばれて良い。磁気遮蔽体118(及び本明細書に開示されている他の磁気遮蔽体)についての他の材料の選択肢には、M19鋼、M45鋼、及び530-50APの名称でThyssenKrupp社から販売されている鋼鉄が含まれて良い。遮蔽シェルの外径OD及び長さLはたとえば、図4Cに図示された2つのシェルの実施例においては、それぞれ27cm及び30cmである。シェル118と120はいずれも、磁場Bzの反転位置(付近)であるアイソセンターICからの一定距離(本実施例では約85cm)に設けられて良い。ただしこれは必須ではない。遮蔽体118、120、130、132を含む磁気遮蔽体及び磁気遮蔽素子122のさらなる磁気遮蔽体の位置とサイズは、ライナック107が含まれるのに十分な大きさでなければならないが、ライナック107からのビームのサイズを制限するほど長くも狭くもない。
【0041】
図6Aは、主磁石112aと112bによって発生する遮蔽された磁場Bzと、3つの同心円状のシェルを含む磁気遮蔽素子122を用いて遮蔽された磁石112aと112bによって発生する磁場BzのZ成分との比較を図示している。図6Bは、磁気遮蔽素子122によって遮蔽された主磁石112aと112bによって発生した磁場BzのZ成分のY=1000mm付近の関心領域の拡大図である。表3は、図6A及び図6Bに係る実施例による磁気遮蔽素子122の材料と寸法を列挙している。図6A図6Bに係る実施例及び表3では、磁気遮蔽素子122は、空気の層によって互いに分離された3つの同心円状のシェルを有する。本明細書で開示された他の遮蔽シェルと共に、遮蔽素子のシェルは円筒形状であることが好ましいが、他の形状であっても良い。表3において、"ID"は内径で、"OD"は外径で、長さはシェルの長さLで、かつ「開始のY座標位置」は、アイソセンター(Z軸)から遮蔽素子122の層の底端部までの距離である。
【0042】
【表3】
残留磁場Bは、1100mm<y<1400mの領域内において1ガウス未満である。これは大まかに言って、軸ρの近くでの地磁気に匹敵する。磁場の調和関数は、図4Bに図示された実施例に係る単一シェルモデルに近い。主磁石112aと112b及び磁気遮蔽体118と120によって発生する45cmのDSVにわたるピーク間磁場の不均一性は623.6ppmである。ライナック107の電子銃107bに対する最善の遮蔽を有することが好ましい。加速構造の標的端には遮蔽がなされなくて良い。このような磁場の不均一性の大半はy軸方向の調和関数によって表される。球面調和関数が表4に列挙される。
【0043】
【表4】
この不均一性をシムアウトするのに用いられる方法は、単一シェルモデルの場合に提案された方法と同一である。図7A及び図7Bはそれぞれ、Z=10mm及びZ=20mmでのXY平面における内側シェル内部での磁場Bzのマップを図示している。
【0044】
次に図8を参照すると、ライナックの遮蔽体-たとえば図4A及び図4Bに図示された遮蔽体118-の存在によって生じる磁場の不均一性を緩和することが可能な他の実施例が記載されている。図8に図示された実施例は図4A及び図4Bに図示された実施例と相似して良い。同様の構成部材には同一の素子番号が付されている。これらの構成部材の記載はこの実施例についても同じように適用されるので、ここでは説明を繰り返さない。図8に図示された実施例では、第1遮蔽体118は第1長手軸ρ1に沿って延び、かつ、第2遮蔽体140(任意で第2ライナック107'を有して良い)は、第1磁気遮蔽体118の第1長手軸ρ1から180°対称となるように離れた第2長手軸ρ2に沿って延びる。一部の実施例では、第2遮蔽体140は、磁気遮蔽体118で関連して説明したように、磁気遮蔽材料-530-50APの名称でThyssenKrupp社から販売されている鋼鉄-で構成されて良い。磁気遮蔽体118(及び本明細書で開示された他の磁気遮蔽体)についての他の材料の選択肢には、M19鋼、M45鋼、及びカーペンター(Carpenter)49鋼が含まれる。第2の対称性を有する遮蔽体140しか存在しない場合、この解は、1次シェル118についての対称性を有するシムと考えることができる。一部の実施例では、磁気遮蔽体118及び/又は140は、たとえば図4C又は図4Dに図示されたような、2つ以上の同心円状の磁気遮蔽シェルを有する磁気遮蔽素子であって良い。
【0045】
図9は、磁気遮蔽体118と磁気遮蔽体140の両方が2つの同心円状の磁気遮蔽シェルを有する実施例において、主磁石112aと112bによって発生する磁場Bzを図示している。この実施例では、システムの主磁石112aと112b及び2つの二重シェル遮蔽体(118+140)によって発生する45cmのDSVにわたるピーク間の磁場の不均一性は416.96ppmである。このような磁場の不均一性のほとんどはZ2調和関数によって表される。Y軸方向の調和関数のすべては、Y軸で対称性を有しているため無視できるほどに小さくなる。この場合についての調和関数が表5に列挙されている。
【0046】
【表5】
ここで帯域調和関数は、図4Bに図示された実施例に係る単一シェルモデルの2倍である。しかし、帯域調和関数はパッシブシミングによって処理されて良く、かつ、シムの設定はZ軸の周りでのライナック107の回転によっては変化しない。負の帯域調和関数が磁石112aと112bが組み込まれることで、磁石112a,112bと磁気遮蔽体118との組み合わせが、これらの項を取り除く。方域調和関数は大きな問題がある。その理由は、方域調和関数はライナック107の配置に伴って移動するからである。しかし対称性は最悪の調和関数を除去する。方域調和関数は、ガントリー106上の中心面付近のパッシブシム及び/又は抵抗性電気シムによってシムアウトされて良い。回転ガントリー106に組み込まれるパッシブシムは、これらの磁場レベル(より多くのシムの選択肢についての配向した磁化シム)での永久磁石シムであって良い。パッシブシムは、シム内で必要とされる材料を減らすため、より小さな半径で加えられて良い。勾配中での抵抗性電気シムは、ライナックのガントリーの回転と共に変化する。
【0047】
他の実施例では、磁気遮蔽体118と同一又は類似のN組の磁気遮蔽シェルが存在して良い。N組の磁気遮蔽シェルの各々は軸ρ1~ρNの各対応する軸を有する。係る実施例は、図8に図示された実施例と同様の方法で配置されて良い。軸ρ1~ρNの各々は、中心面CP上に存在し、かつ角度=360°/Nだけ角度方向に隔てられている。Nが大きくなればなるほど、方域調和関数の正味の効果を打ち消すことができる。また磁気遮蔽体シェルはRF遮蔽体として機能しようとするので、多重シェルは、RF遮蔽を供する上で有利である。
【0048】
一部の実施例では、図10に図示されているように、高い相対透磁率を有する材料で作られた2つの平行な環状ディスク144と146が存在して良い。2つの平行な環状ディスク144と146は、ガントリー106の一部で、かつライナック107の対向する面上に存在して良い。この場合、方域調和関数は相対的に小さくなければならず、かつ、帯域調和関数は相対的に大きくなければならない。ある意味では、2つの環状ディスク144と146を設けることは、主磁石112aと112b内の追加のコイルを設けることと等価である。最適には、主磁石112aと112bは、2つの環状ディスク144と146を収容するように設計されて良い。
【0049】
アイソセンターからY軸に沿って1mの位置に存在する主磁石112aと112bからの磁場は、受動的遮蔽体-たとえば上述した遮蔽体118-の磁場を減少させることなく遮蔽するのは難しい。しかし強磁性材料によって供された磁気遮蔽後では、残留磁場は5~7ガウス付近である。この残留磁場は、たとえば図4Cに図示された2次遮蔽素子120がコイル120'である実施例では、コイル中でのDC電流によって容易にシムアウトすることができる。遮蔽コイル120'の概略図が図11に図示されている。コイル120'は、半分の長さL及び半径Rを有する円筒形で、かつ以下の方法に従って設計されて良い(円筒形以外の形状が使用されて良い)。遮蔽コイル120'は、主磁石112aと112bによって発生する(本来の座標系での)磁場のBz成分を打ち消す(局所的な座標系での)磁束Bxを生成することが好ましい。
【0050】
半径Rのシリンダ上での電流密度は、以下の式で与えられる。
【0051】
【数1】
この電流により発生する磁気ポテンシャルは以下のように表すことができる。
【0052】
【数2】
この式において、In(kρ)とKn(kρ)は修正されたベッセル関数である。磁場の横方向成分は以下の式で与えることができる。
【0053】
【数3】
コイル120'のシリンダ内部での磁束のBx成分は次式で表される。
【0054】
【数4】
(局所的な座標系での)このBx成分は、磁石によって発生するBz'成分を打ち消さなければならない。このことは、電流密度fz(z)を求めるのに(勾配設計の手続同様に)最小化手続が適用できることを示唆している。最小化されるべき関数を考える。
【0055】
【数5】
上式において、Eはコイル120'のエネルギーで、第2項は、主磁石112aと112bの磁場からの、遮蔽コイル120'によって発生する磁場のずれを最小化するためで、第3項は、撮像体積内での磁場の不均一性への遮蔽コイル120'の影響を最小化するためで、かつ、最後の項は、電流密度を制限するものとして導入される。係数Λ、β、及びλは重み付け因子である。λは、コイル120'内での電流を最小限に抑制する規則化パラメータであって良い。
【0056】
電流密度fz(z)は基底関数で表されて良い。電流密度fz(z)は、遮蔽コイル120'の端部ではゼロであることに留意して欲しい。
【0057】
【数6】
係数anは以下の式から求めることができる。
【0058】
【数7】
これから、係数anについての1次元の式からなる系が導かれる。エネルギーEは以下のような表式を有する。
【0059】
【数8】
遮蔽コイル120'によって生成される磁場は以下のような表式を有する。
【0060】
【数9】
よって未知のAについての式は、以下のようになる。
【0061】
【数10】
行列Zα,βは正と定義され、かつゼロの固有値を有さない。よって次式が得られる。
【0062】
【数11】
この式は、電流密度についての解を定めている。
【0063】
一部の実施例は、受動的遮蔽体と能動的コイルとが組み合わせられたものを有して良い。図5b(単一シェルの場合)に図示された残留磁場Bzが入力データとして用いられた。コイル120'の半径は75mmに選ばれた。半分の長さLは180mmに選ばれた。コイル120'の中心はy=1051mmに位置している。図12Aは、コイル120'を起動する(つまり電流を印加する)前の、能動的遮蔽コイル120'上での電流密度のz成分を図示している。図12Bは、遮蔽コイル120'の起動後における残留磁場Bzを図示している。
【0064】
以下のパラメータΛ、β、K及びλが用いられた。Λ=1、β=0、K=1及びλ=0.0001である。DSV内部での不均一性を補正する効果を説明するパラメータはゼロに選ばれた。その理由は、図5Bの残留磁場のレベルは既に小さく(7ガウスのオーダー)で、かつ、能動的遮蔽コイルは、撮像体積から遙かに離れた位置に設けられているからである。
【0065】
一部の実施例は、完全な能動コイルの遮蔽系を有して良い。係る実施例では、ライナック107の遮蔽は、上述した実施例の受動的磁気遮蔽体に代わって、上述した能動的な電流を流すコイル-たとえばコイル120'-のみを用いることによって局所的に実現されて良い。コイル120'は、ライナック107での磁場を単純に打ち消すように配置され、かつ、主磁場の均一性への影響を減少させるように能動的遮蔽体をも組み込んで良い。
【0066】
ライナック107を局所的に遮蔽するさらに他の方法は、永久磁石の分布を利用することである。永久磁石は、ライナック107での磁場を単純に打ち消すように配置され、かつ能動的コイル-たとえばコイル120'-を組み込むことで、主磁石112aと112bからの主磁場の均一性への影響を減少させても良い。
【0067】
開示された実施例のすべての組み合わせもまた可能である。遮蔽材料の遮蔽と配置、電流を流すコイル、及び磁場分布をわずかに変化させることもまた可能である。
【0068】
本明細書に記載された磁気遮蔽体-たとえば遮蔽体118、120、122、130、132-及び他の遮蔽体は、MRI102の主磁石112aと112bからの力を受けることに留意して欲しい。よって遮蔽体の載置は、そのような磁力に耐えられるように設計されることが好ましい。
【0069】
ライナック107用の高出力RF源及び導波管もまた、本明細書に開示された磁気遮蔽体内部で(部分的に)密閉されて良い。RF遮蔽は、ライナック107の一部又は前部の構成部材を含むように延びて良い。
【0070】
MRI102についてのRF遮蔽に関しては、ライナック107として使用されるのに適した診療用ライナックが、~3GHzでのRFマイクロ波共振器を用いることによって、約6MeVに電子を加速させるS周波数帯範囲で動作して良い。この周波数は、MRIシステム102の15MHzを十分に上回っているが、数百ヘルツの周波数を有するRF出力パルスを含んでいる。RF出力源での側波帯は、他の材料を励起し、その他の材料からの反射を受けることで、MRIシステム102の動作との干渉を引き起こす恐れがある。図4Bと関連づけて説明したように、素子120は、RF吸収材料及び/又はRF反射材料で作られたライナック107の周囲に設けられたRF遮蔽体であって良く、MRIシステム102との干渉を実効的に取り除くことができる。それに加えて、MRIのRF室-ライナック107からのRFをMRI102へ入り込むように跳ね返すことのできるRF反射材料で作られて良い-は、RF吸収材料の壁面被覆体によって内側表面が覆われ、かつMRIに到達するRFを除去することができる。RF吸収材料とはたとえば、メッシュドカーボン、チョップドカーボン、カーボンファイバ壁紙、カーボンファイバパネル、又はカーボンファイバ塗料である。ガントリー106及びライナック107のRF源の周辺領域は、周辺(環境)のRF電場を減少させるRF吸収体及び/又はRF反射体で覆われて良い。3GHz(電子レンジは2.45GHz)では、RFは、分極分子(たとえば水)を電気的に加熱させる。よって、様々な分極分子が、RFエネルギーのRF吸収体として利用されて良い。スプリットマグネットシステムでは、閉じた系内でRFエネルギーを発散させる導電性表面の一部は、磁石のギャップ114内で失われる。MRIの周囲のRF遮蔽体は、上述した他の遮蔽方法と併用されて良い。RF遮蔽体は、放射線治療の品質を大きく損なうようなさらなるビームの減衰を生じさせない。導電性表面は磁石に対して接地されても良いし、又は接地されていなくても良い。これらの表面がアルミニウム-たとえばアルミニウムホイル-で作られる場合、ビームの減衰は、銅を用いるよりもはるかに小さくなる。勾配コイルが、形成器上で巻かれている場合、ライナックシステムから隔離するためにカーボンファイバの外に形成器を構築しても良い。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B