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特許7072125飛行管理システム、システム、端末及び飛行管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-11
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】飛行管理システム、システム、端末及び飛行管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20220512BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20220512BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220512BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220512BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20220512BHJP
【FI】
G08G5/00 A
B64F1/36
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022000191
(22)【出願日】2022-01-04
(62)【分割の表示】P 2021118486の分割
【原出願日】2020-12-24
【審査請求日】2022-01-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】山崎 颯
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/136822(WO,A1)
【文献】特開2020-030104(JP,A)
【文献】特開2019-021975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 - 99/00
B64D 1/00 - 47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 - 99/00
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報と、を受信する受信部と、
前記飛行エリアが通信可能なエリアであるか否かを判定する判定部と、
を有し、
前記受信部は、前記判定部が前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定した後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を受信し、前記経路情報を前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる、
飛行管理システム。
【請求項2】
前記受信部は、前記飛行経路と、前記飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む前記経路情報を受信し、
前記飛行装置に、前記飛行日時において前記飛行装置が基地局に対して送信する電波の電力を制御するための電力制御情報を送信する送信部をさらに有する、
請求項1に記載の飛行管理システム。
【請求項3】
前記受信部は、前記飛行経路と、前記飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む前記経路情報を受信するとともに、前記飛行装置が飛行した経路又は日時を含む実績情報を受信し、
前記判定部は、前記経路情報と前記実績情報とを比較することによって、前記飛行装置が前記飛行経路又は前記飛行日時を逸脱したか否かを判定する、
請求項1に記載の飛行管理システム。
【請求項4】
前記受信部は、前記飛行経路と、前記飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、前記飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む前記経路情報を受信し、
前記判定部は、前記経路情報に基づいて、前記飛行装置識別情報に対応する前記飛行装置が前記飛行日時に前記飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定し、
前記判定部が前記電波の使用を許可しないと判定したことを条件として、前記電波の使用を許可しない理由を含む情報を、前記ユーザが使用する端末に送信する送信部をさらに有する、
請求項1に記載の飛行管理システム。
【請求項5】
前記判定部が前記電波の使用を許可すると判定したことを条件として、前記飛行装置識別情報に対応する前記飛行装置に、前記飛行装置を前記飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を送信する送信部をさらに有する、
請求項4に記載の飛行管理システム。
【請求項6】
ユーザが使用する端末と、前記端末と通信可能な飛行管理システムと、を含み、
前記端末は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報と、を前記飛行管理システムに送信し、
前記飛行管理システムは、
前記ユーザ識別情報及び前記エリア情報を受信する受信部と、
前記飛行エリアが通信可能なエリアであるか否かを判定する判定部と、
を有し、
前記受信部は、前記判定部が前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定した後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を受信し、前記経路情報を前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる、
を有する、システム。
【請求項7】
飛行装置の飛行に関する情報を管理するための飛行管理システムと通信可能な端末であって、
前記端末を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報と、を前記飛行管理システムに送信する送信部
を有し、
前記送信部は、前記飛行管理システムが前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定した後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を前記飛行管理システムに送信する、
端末。
【請求項8】
プロセッサが実行する、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報を受信するステップと、
前記飛行エリアが通信可能なエリアであるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定された後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を受信するステップと、
前記経路情報を前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
を有する、飛行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置の飛行に関する情報を管理するための飛行管理システム、システム、端末及び飛行管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドローン等の飛行装置を飛行させるエリア及び飛行の目的の入力を受け付け、受け付けたエリア及び目的に応じて飛行経路を作成し、作成した飛行経路に従って飛行装置の飛行を制御するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/198313号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広域においてドローンの飛行を制御するために、移動体通信網等の所定の電波を用いて通信をするドローンの利用が検討されている。一方、上空のドローンの台数が増加すると、当該電波を用いた通信量が増大し、地上の携帯電話等の通信に影響を与えるおそれがある。そこで、飛行装置が所定の電波を使用するための申請をユーザから受け付けることによって、同時に飛行するドローンの台数を制限することが考えられる。
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなシステムにおける飛行経路に関する情報の入力に加えて、飛行装置が所定の電波を使用するための申請が必要になると、ユーザが飛行装置を飛行させるための手間が増大するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置を飛行させるための手間を削減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の飛行管理システムは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報と、を受信する受信部と、前記飛行エリアが通信可能なエリアであるか否かを判定する判定部と、を有し、前記受信部は、前記判定部が前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定した後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を受信し、前記経路情報を前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる。
【0008】
前記受信部は、前記飛行経路と、前記飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む前記経路情報を受信し、前記飛行管理システムは、前記飛行装置に、前記飛行日時において前記飛行装置が基地局に対して送信する電波の電力を制御するための電力制御情報を送信する送信部をさらに有してもよい。
【0009】
前記受信部は、前記飛行経路と、前記飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む前記経路情報を受信するとともに、前記飛行装置が飛行した経路又は日時を含む実績情報を受信し、前記判定部は、前記経路情報と前記実績情報とを比較することによって、前記飛行装置が前記飛行経路又は前記飛行日時を逸脱したか否かを判定してもよい。
【0010】
前記受信部は、前記飛行経路と、前記飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、前記飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む前記経路情報を受信し、前記判定部は、前記経路情報に基づいて、前記飛行装置識別情報に対応する前記飛行装置が前記飛行日時に前記飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定し、前記飛行管理システムは、前記判定部が前記電波の使用を許可しないと判定したことを条件として、前記電波の使用を許可しない理由を含む情報を、前記ユーザが使用する端末に送信する送信部をさらに有してもよい。
【0011】
前記飛行管理システムは、前記判定部が前記電波の使用を許可すると判定したことを条件として、前記飛行装置識別情報に対応する前記飛行装置に、前記飛行装置を前記飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を送信する送信部をさらに有してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様のシステムは、ユーザが使用する端末と、前記端末と通信可能な飛行管理システムと、を含み、前記端末は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報と、を前記飛行管理システムに送信し、前記飛行管理システムは、前記ユーザ識別情報及び前記エリア情報を受信する受信部と、前記飛行エリアが通信可能なエリアであるか否かを判定する判定部と、を有し、前記受信部は、前記判定部が前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定した後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を受信し、前記経路情報を前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる。
【0013】
本発明の第3の態様の端末は、飛行装置の飛行に関する情報を管理するための飛行管理システムと通信可能な端末であって、前記端末を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報と、を前記飛行管理システムに送信する送信部を有し、前記送信部は、前記飛行管理システムが前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定した後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を前記飛行管理システムに送信する。
【0014】
本発明の第4の態様の飛行管理方法は、プロセッサが実行する、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置の飛行経路を設定するための飛行エリアを示すエリア情報を受信するステップと、前記飛行エリアが通信可能なエリアであるか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて前記飛行エリアを通信可能なエリアであると判定された後に、前記エリア情報が示す前記飛行エリア内で指定された前記飛行装置の飛行を希望する前記飛行経路を含む経路情報を受信するステップと、前記経路情報を前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を有する。
【0015】
【0016】
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置を飛行させるための手間を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る飛行管理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る飛行管理システムのブロック図である。
図3】ユーザ端末において申請情報の入力を受け付けるための飛行申請画面の模式図である。
図4】判定部が飛行装置の台数を算出する方法を説明するための模式図である。
図5】判定部が電波マップに飛行経路Fが含まれているか否かを判定する方法を説明するための模式図である。
図6】飛行管理システムと飛行装置との間で送受信される情報を説明するための模式図である。
図7】飛行管理システムが実行する飛行管理方法のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[飛行管理システム1の概要]
図1は、本実施形態に係る飛行管理システム1の模式図である。飛行管理システム1は、ユーザ端末2から飛行装置3の飛行に関する申請情報を受信し、飛行装置3を飛行させるための飛行情報を飛行装置3に送信するコンピュータである。飛行管理システム1は、単一の装置、又は複数の装置である。また、飛行管理システム1は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。
【0020】
ユーザ端末2は、ユーザが使用するコンピュータである。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末である。ユーザは、例えば、飛行装置3を操縦し、管理し、又は所有する人である。ユーザ端末2は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネル等の操作部と、を有する。ユーザ端末2は、無線通信によって飛行管理システム1との間で情報を送受信する。
【0021】
飛行装置3は、ユーザによって指定された飛行経路に沿って飛行し、所定の作業を行うドローン等の無人飛行装置である。飛行装置3が行う作業は、例えば、飛行経路に沿った物の輸送、飛行経路周辺の撮像、飛行経路における物(農薬等)の放出、飛行経路における情報(音声、光等)の出力等である。
【0022】
本実施形態に係る飛行管理システム1が実行する処理の概要を以下に説明する。飛行管理システム1は、ユーザ端末2から、飛行装置3を識別するための飛行装置識別情報と、飛行装置3の飛行を希望する飛行経路と、飛行装置3の飛行を希望する飛行日時と、を含む申請情報を受信する(図1の(1))。
【0023】
飛行管理システム1は、受信した申請情報に基づいて、飛行装置3が飛行日時に飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する(図1の(2))。所定の電波は、飛行装置3が通信をするために使用可能な電波である。
【0024】
飛行管理システム1は、電波の使用を許可すると判定したことを条件として、申請情報が含む飛行装置識別情報に対応する飛行装置3に、飛行装置3を飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を送信する(図1の(3))。飛行情報は、飛行装置3を飛行経路に沿って自動的に飛行させる情報、又はユーザが飛行装置3を飛行経路に沿って飛行させることを支援する情報である。飛行装置3は、飛行経路を飛行中に、許可された電波を用いて通信をする。
【0025】
このように本実施形態に係る飛行管理システム1は、ユーザ端末2から飛行装置3の飛行に関する申請情報を受信することにより、飛行装置3に対して電波の使用を許可するか否かを判定した上で、飛行装置3を飛行させる。したがって、ユーザは飛行経路の設定と電波を使用するための申請とを別々に行う必要が無いため、飛行管理システム1は、ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置3を飛行させるための手間を削減できる。
【0026】
[飛行管理システム1の構成]
図2は、本実施形態に係る飛行管理システム1のブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0027】
飛行管理システム1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、ユーザ端末2から受信した飛行装置3に関する申請情報を記憶するとともに、ユーザに対して請求する金額を含む課金情報を記憶する。
【0028】
制御部12は、受信部121と、判定部122と、生成部123と、送信部124と、課金部125と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部121、判定部122、生成部123、送信部124及び課金部125として機能する。制御部12の各部は、飛行管理システム1を構成する複数の装置に分かれて実装されてもよい。
【0029】
飛行管理システム1が本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。受信部121は、ユーザ端末2から、飛行装置3を識別するための飛行装置識別情報と、飛行装置3の飛行を希望する飛行経路と、飛行装置3の飛行を希望する飛行日時と、を含む申請情報を受信する。
【0030】
図3は、ユーザ端末2において申請情報の入力を受け付けるための飛行申請画面の模式図である。ユーザ端末2は、飛行申請画面において、飛行経路Fの指定を受け付ける。ユーザ端末2は、例えば、飛行申請画面に表示された地図上で指定された線状の経路を、飛行経路Fとして受け付ける。また、ユーザ端末2は、地図上で指定された飛行可能な領域(図3において破線で示した領域)と、当該領域内で指定された線状の経路とを、飛行経路Fとして受け付けてもよい。また、ユーザ端末2は、位置及び高度を含む三次元の飛行経路Fの指定を受け付けてもよい。
【0031】
具体的には、ユーザ端末2は、まず飛行可能な領域であるフライトエリアの作成を地図上で受け付ける。飛行管理システム1は、作成されたフライトエリアが後述の通信可能な位置を示す電波マップ内であるか否かを判定する。飛行管理システム1は、フライトエリアが電波マップ内であると判定した場合に、フライトエリアと、ユーザ端末2のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を関連付けて記憶部11に記憶させる。そしてユーザ端末2は、電波マップ内であると判定されたフライトエリア内で、飛行経路Fの指定を受け付ける。
【0032】
また、ユーザ端末2は、飛行申請画面において、飛行装置3の飛行装置識別情報(図3における機体)と、飛行装置3を飛行させる速度と、飛行装置3を飛行させる高度と、飛行装置3を飛行させる飛行日時(図3における期間)と、の指定を受け付ける。飛行装置識別情報は、飛行装置3の個体を識別可能な情報であってもよく、飛行装置3の種類(機種)を識別可能な情報であってもよい。飛行日時は、例えば、開始日時及び終了日時によって指定される期間である。
【0033】
さらにユーザ端末2は、飛行装置3が無線通信を行うために使用する無線機器に関する無線機器情報の指定を受け付けてもよい。無線機器情報は、例えば、飛行装置3が備えるSIM(Subscriber Identity Module)の仕様を示す情報、又は飛行装置3が備える無線局に関する情報を含む。
【0034】
飛行管理システム1において、受信部121は、ユーザ端末2において入力された情報を、申請情報として受信する。受信部121は、ユーザ端末2から受信した申請情報を、ユーザ端末2を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報と関連付けて、記憶部11に記憶させる。
【0035】
判定部122は、受信部121が受信した申請情報に基づいて、飛行装置3が飛行日時に飛行経路に沿って飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する。所定の電波は、例えば、飛行装置3が通信をするために使用可能な電波であって、飛行管理システム1に関連付けられた通信事業者に割り当てられた周波数範囲の電波である。すなわち、通信事業者は、飛行管理システム1を用いて、当該通信事業者自身に割り当てられた周波数範囲の電波を使用して通信をする飛行装置3に対して、当該電波の使用を許可するか否かを判定する。
【0036】
判定部122は、例えば、申請情報が含む飛行日時に、申請情報が含む飛行経路の少なくとも一部を含む領域を飛行する飛行装置3の台数が所定値以下であることを条件として、電波の使用を許可すると判定する。
【0037】
図4は、判定部122が飛行装置3の台数を算出する方法を説明するための模式図である。判定部122は、申請情報が含む飛行日時に、申請情報が含む飛行経路の少なくとも一部を含む領域Rを飛行する飛行装置3の台数、すなわち飛行経路及び飛行日時が共通する飛行装置3の台数を算出する。領域Rは、例えば、一又は複数の飛行装置3が所定の電波(すなわち、判定部122が判定対象とする電波)を用いて同一の基地局Bと通信をする領域、すなわち1つの基地局Bが所定の電波を用いて一又は複数の飛行装置3と通信をする領域である。記憶部11は、基地局Bごとの領域Rを示す領域情報を予め記憶している。
【0038】
判定部122は、例えば、記憶部11に記憶されている領域情報に基づいて、受信部121が受信した申請情報が含む飛行経路に対応する飛行位置情報(すなわち、飛行経路上を所定間隔で抽出した位置)に基づき、飛行位置それぞれをカバーする一又は複数の基地局を抽出する。そして判定部122は、受信部121が受信した申請情報が含む飛行日時と同一時間帯に、抽出した一又は複数の基地局と通信をしながら飛行する飛行装置3の台数を算出する。図4の例は、3台の飛行装置3が同時期に基地局Bに関連付けられた領域Rを飛行する状況を表している。
【0039】
判定部122は、特定した一又は複数の領域Rそれぞれに対して算出した飛行装置3の台数が所定値(例えば3台)以下である場合に電波の使用を許可すると判定し、そうでない場合に電波の使用を許可しないと判定する。これにより、飛行管理システム1は、基地局Bと同時期に通信する飛行装置3の台数を制限し、基地局Bと通信する地上の携帯電話等に与え得る影響を低減できる。
【0040】
また、飛行管理システム1は、複数の異なる通信事業者(通信キャリア)のシステムと接続し、複数の通信事業者を統合したシステムであってもよい。この場合に。受信部121は、複数の通信事業者が管轄するユーザ端末2から飛行日時及び飛行経路を含む申請情報を受信する。判定部122は、複数の通信事業者の申請情報に基づいて、上述の方法によって飛行経路及び飛行日時が共通する飛行装置3の台数を算出し、算出した台数が所定値以下であるか否かを判定する。
【0041】
また、判定部122は、電波を用いて通信可能な位置を示す電波マップに申請情報が含む飛行経路が含まれていることを条件として、電波の使用を許可すると判定してもよい。判定部122は、同じ領域を飛行する飛行装置3の台数が所定値以下であることと、電波マップに飛行経路が含まれていることとのうち、一方のみを条件としてもよく、両方を条件としてもよい。
【0042】
図5は、判定部122が電波マップMに飛行経路Fが含まれているか否かを判定する方法を説明するための模式図である。電波マップMは、位置及び高度ごとに飛行装置3が所定の電波(すなわち、判定部122が判定対象とする電波)を用いて通信可能か否かを示す情報である。電波マップMは、例えば、位置及び高度ごとに通信の可否又は電波の強度をシミュレーションすることによって生成された、位置及び高度と、通信の可否又は電波の強度と、を関連付けた三次元マップとして表される。記憶部11は、電波マップMを予め記憶している。
【0043】
判定部122は、例えば、記憶部11に記憶されている電波マップMと、申請情報が含む飛行経路の各地点とを比較する。判定部122は、電波マップMに飛行経路の各地点が含まれている場合に電波の使用を許可すると判定し、そうでない場合に電波の使用を許可しないと判定する。これにより、飛行管理システム1は、申請された飛行経路Fが電波マップMに含まれていることを確認し、飛行装置3が飛行中に所定の電波を用いて通信できなくなるおそれを低減できる。
【0044】
判定部122は、その他の条件で、飛行装置3が飛行日時に飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定してもよい。判定部122は、例えば、申請情報が含む飛行日時の期間の長さが所定値以上である場合、又は申請情報が含む飛行日時の期間が所定の飛行禁止時間帯を含む場合に、電波の使用を許可しないと判定してもよい。
【0045】
また、判定部122は、飛行装置3が備える無線局が対応している通信方式及び周波数に基づいて、飛行装置3の所定の電波の使用を許可するか否かを判定してもよい。この場合に、判定部122は、飛行装置3の飛行装置識別情報に関連付けられた無線機器情報が含む無線局の情報に基づいて、飛行装置3の無線局が対応している通信方式及び周波数を特定する。通信方式は、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信、5G通信等である。そして判定部122は、特定した通信方式及び周波数が所定条件を満たすこと(例えば、飛行経路において使用可能であること)を条件として、飛行装置3が所定の電波の使用することを許可すると判定する。これにより、飛行管理システム1は、飛行装置3の無線局が対応している通信方式及び周波数に基づいて電波の使用許可を行うことができる。
【0046】
生成部123は、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、飛行装置3を申請情報が含む飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を生成する。飛行情報は、例えば、飛行装置3を飛行経路に沿って自動的に飛行させるための情報である。この場合に、飛行情報は、飛行装置3が自動的に飛行する飛行経路及び飛行日時を含む。
【0047】
また、飛行情報は、ユーザが飛行装置3を飛行経路に沿って飛行させることを支援するための情報であってもよい。この場合に、飛行情報は、飛行装置3がユーザによる操作に応じて飛行する飛行経路を含む。
【0048】
送信部124は、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、申請情報が含む飛行装置識別情報に対応する飛行装置3に、生成部123が生成した飛行情報を送信する。
【0049】
図6は、飛行管理システム1と飛行装置3との間で送受信される情報を説明するための模式図である。飛行装置3は、飛行管理システム1から受信した飛行情報に基づいて飛行する。飛行装置3は、飛行装置3を飛行経路に沿って自動的に飛行させるための飛行情報を受信した場合に、飛行情報が含む飛行日時に、飛行情報が含む飛行経路を自動的に飛行する。
【0050】
飛行装置3は、ユーザが飛行装置3を飛行経路に沿って飛行させることを支援するための飛行情報を受信した場合に、ユーザ端末2において飛行を開始するための開始指示を受け付ける。飛行装置3は、ユーザ端末2から開始指示を受信したことを契機として、飛行情報が含む飛行経路を飛行する。また、飛行装置3は、ユーザ端末2から受信した指示に従って、飛行経路上で前進し、後退し、又は停止してもよい。
【0051】
飛行装置3は、飛行経路を飛行している間に、許可された電波を用いて通信をする。飛行装置3は、飛行している間、又は飛行を終了した後に、飛行装置3の飛行装置識別情報(機体ID)、飛行装置3が使用した無線機器に関する無線機器情報、飛行装置3が実際に飛行した経路及び日時を含む実績情報を、飛行管理システム1に送信する。飛行管理システム1において、受信部121は、飛行装置3から実績情報を受信し、飛行装置識別情報と関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0052】
このように、飛行管理システム1は、ユーザ端末2から受信した申請情報に基づいて、電波の使用を許可するか否かを判定した上で、飛行装置3を飛行させる。したがって、飛行管理システム1は、ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置3を飛行させるための手間を削減できる。
【0053】
飛行管理システム1は、飛行装置3の所定の電波の使用を許可した後に、基地局に故障や障害が生じた場合に、飛行装置3に対して電波の使用許可を取り消してもよい。そこで送信部124は、飛行経路において飛行装置3が通信する可能性のある基地局に故障又は障害が発生した場合に、飛行装置3に飛行情報を送信しない。また、送信部124は、飛行装置3に飛行情報を既に送信した場合には、飛行装置3に飛行情報を削除するための指示又は飛行させないための制御情報を送信し、あるいはユーザ端末2に飛行を禁止するためのメッセージを送信する。これにより、飛行管理システム1は、飛行装置3が飛行中に基地局と通信できなくなる事態を抑制できる。
【0054】
また、送信部124は、判定部122が電波の使用を許可しないと判定したことを条件として、判定部122が申請情報に基づいて電波の使用を許可しない理由を含む情報をユーザ端末2に送信してもよい。電波の使用を許可しない理由は、例えば、領域Rを飛行する飛行装置3の台数が所定値より大きいこと、電波マップMに飛行経路Fが含まれていないこと、飛行日時の期間の長さが所定値以上であること、又は飛行日時の期間が所定の飛行禁止時間帯を含むことである。これにより、飛行管理システム1は、飛行装置3を飛行させることが許可されなかった理由をユーザに通知し、改めて飛行装置3を飛行するための申請を受け付けることができる。
【0055】
課金部125は、記憶部11に記憶された実績情報に基づいて、ユーザに対して請求する金額を決定する。課金部125は、例えば、飛行装置3が飛行した時間と、飛行装置3が飛行した距離と、ユーザが申請をした回数と、飛行装置3が飛行した回数と、飛行した飛行装置3の台数と、飛行装置3の種類(機種)と、のうち少なくとも1つに基づいて、金額を算出する。また、課金部125は、個人用途、法人用途、輸送用途、監視用途等、飛行装置3を飛行させるための用途に応じて、金額を算出する計算式等の態様を変更してもよい。
【0056】
課金部125は、決定した金額を含む課金情報を生成し、記憶部11に記憶させる。また、課金部125は、生成した課金情報を、ユーザへの請求を実行する課金サーバ等に送信してもよい。これにより、飛行管理システム1は、本システムを利用して飛行装置3を飛行させたユーザに対して、飛行装置3の実際の飛行実績に応じて課金をすることができる。
【0057】
[飛行管理方法のシーケンス]
図7は、飛行管理システム1が実行する飛行管理方法のシーケンスを示す図である。ユーザ端末2は、飛行申請画面において、申請情報の入力を受け付ける(S11)。具体的には、ユーザ端末2は、まず飛行可能な領域であるフライトエリアの作成を地図上で受け付ける。飛行管理システム1は、作成されたフライトエリアが後述の通信可能な位置を示す電波マップ内であるか否かを判定する。飛行管理システム1は、フライトエリアが電波マップ内であると判定した場合に、フライトエリアと、ユーザ端末2のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を関連付けて記憶部11に記憶させる。そしてユーザ端末2は、電波マップ内であると判定されたフライトエリア内で、飛行経路Fの指定を受け付ける。
【0058】
受信部121は、ユーザ端末2から、飛行装置3を識別するための飛行装置識別情報と、飛行装置3の飛行を希望する飛行経路と、飛行装置3の飛行を希望する飛行日時と、を含む申請情報を受信する。
【0059】
判定部122は、受信部121が受信した申請情報に基づいて、飛行装置3が飛行日時に飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する(S12)。判定部122は、例えば、申請情報が含む飛行日時に、申請情報が含む飛行経路の少なくとも一部を含む領域を飛行する飛行装置3の台数が所定値以下であることを条件として、電波の使用を許可すると判定する。また、判定部122は、例えば、電波を用いて通信可能な位置を示す電波マップに申請情報が含む飛行経路が含まれていることを条件として、電波の使用を許可すると判定する。
【0060】
生成部123は、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、飛行装置3を申請情報が含む飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を生成する(S13)。飛行情報は、例えば、飛行装置3を飛行経路に沿って自動的に飛行させるための情報、又はユーザが飛行装置3を飛行経路に沿って飛行させることを支援するための情報である。
【0061】
送信部124は、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、申請情報が含む飛行装置識別情報に対応する飛行装置3に、生成部123が生成した飛行情報を送信する(S14)。飛行装置3は、飛行管理システム1から受信した飛行情報に基づいて飛行する。飛行装置3は、飛行経路を飛行している間に、許可された電波を用いて通信をする。飛行装置3は、飛行している間、又は飛行を終了した後に、飛行装置3が実際に飛行した経路及び日時を含む実績情報を、飛行管理システム1に送信する(S15)。
【0062】
飛行管理システム1において、受信部121は、飛行装置3から実績情報を受信し、飛行装置識別情報と関連付けて記憶部11に記憶させる。課金部125は、記憶部11に記憶された実績情報に基づいて、ユーザに対して請求する金額を決定する。課金部125は、例えば、飛行装置3が飛行した時間と、飛行装置3が飛行した距離と、ユーザが申請をした回数と、飛行装置3が飛行した回数と、飛行した飛行装置3の台数と、飛行装置3の種類(機種)と、のうち少なくとも1つに基づいて、金額を算出する。課金部125は、決定した金額を含む課金情報を生成し、記憶部11に記憶させる(S16)。
【0063】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る飛行管理システム1は、ユーザ端末2から飛行装置3の飛行経路及び飛行日時を含む申請情報を受信し、受信した申請情報に基づいて電波の使用を許可するか否かを判定する。そして飛行管理システム1は、電波の使用を許可すると判定したことを条件として、飛行装置3を飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を飛行装置3に送信する。したがって、ユーザは飛行経路の設定と電波を使用するための申請とを別々に行う必要が無いため、飛行管理システム1は、ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置3を飛行させるための手間を削減できる。
【0064】
なお、これにより、例えば無線ネットワークがカバーする都市部や山間部等でもドローンが飛行できる環境が整うことから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」及び目標10「人や国の不平等をなくそう」に貢献することが可能となる。
【0065】
[第1変形例]
本変形例では、ユーザが飛行装置3を同じ飛行経路に沿って定期的に飛行させる場合に飛行管理システム1が実行する処理を説明する。受信部121は、ユーザ端末2から、飛行装置3が飛行経路を繰り返し飛行することを示す定期的な飛行日時を含む申請情報を受信する。定期的な飛行日時は、例えば、開始時刻及び終了時刻によって指定される期間と、1日ごと、1週ごと、1月ごと等の時間間隔と、の組み合わせによって指定される。
【0066】
判定部122は、受信部121が受信した申請情報に基づいて、飛行装置3が定期的な飛行日時それぞれの所定時間前(例えば、1日前)に、飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する。すなわち、判定部122は、飛行装置3が定期的な飛行をする予定日時が到来する前に、当該予定日時の都度、電波の使用を許可するか否かを判定する。
【0067】
生成部123は、飛行装置3が定期的な飛行日時それぞれの所定時間前に、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、飛行装置3を申請情報が含む飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を生成する。送信部124は、飛行装置3が定期的な飛行日時それぞれの所定時間前に、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、申請情報が含む飛行装置識別情報に対応する飛行装置3に、生成部123が生成した飛行情報を送信する。
【0068】
これにより、ユーザは、1度の申請で飛行装置3を同じ飛行経路に沿って定期的に飛行させることができるため、飛行管理システム1は、ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置3を繰り返し飛行させるための手間を削減できる。
【0069】
[第2変形例]
本変形例において、飛行管理システム1は、飛行装置3が予め申請された飛行経路又は飛行日時を逸脱して飛行したか否かを判定し、判定結果をユーザ端末2にフィードバックする。
【0070】
判定部122は、記憶部11に記憶された申請情報と、当該申請情報に対応する記憶部11に記憶された実績情報とを比較することによって、飛行装置3が飛行経路又は飛行日時を逸脱したか否かを判定する。判定部122は、飛行装置3の飛行前に判定を行ってもよく、飛行装置3の飛行中又は飛行後に判定を行ってもよい。判定部122は、申請情報が含む飛行経路と実績情報が含む経路との差(例えば、経路の形状の差分の大きさ)が所定値以上である場合に、飛行装置3が飛行経路を逸脱したと判定し、そうでない場合に、飛行装置3が飛行経路を逸脱しなかったと判定する。
【0071】
また、判定部122は、申請情報が含む飛行日時と、実績情報が含む日時との差(例えば、開始日時の差分と終了日時の差分との合計値)が所定値以上である場合に、飛行装置3が飛行日時を逸脱したと判定し、そうでない場合に、飛行装置3が飛行日時を逸脱しなかったと判定する。
【0072】
送信部124は、判定部122による飛行装置3が飛行経路又は飛行日時を逸脱したか否かの判定結果に対応する情報を、ユーザ端末2に送信する。これにより、飛行管理システム1は、ユーザに対して、飛行装置3が申請された飛行経路又は飛行日時を逸脱したか否かを通知することができ、申請情報を守るように促すことができる。
【0073】
また送信部124は、飛行装置3の飛行前又は飛行中に飛行装置3が申請された飛行経路又は飛行日時を逸脱したと判定部122が判定した場合(例えば、申請された飛行日時よりも遅延している場合や、飛行装置3の位置が飛行経路から外れている場合)に、当該飛行装置3に関連付けられたユーザ端末2に注意喚起情報を送信してもよい。
【0074】
また、飛行装置3の飛行前に飛行装置3が申請された飛行経路又は飛行日時を逸脱したと判定部122が判定した場合に、飛行前の飛行装置3に対して、電波の使用許可を取り消してもよい。この場合に、送信部124は、飛行装置3に飛行情報を送信しない。また、送信部124は、飛行装置3に飛行情報を既に送信した場合には、飛行装置3に飛行情報を削除するための指示又は飛行させないための制御情報を送信し、あるいはユーザ端末2に飛行を禁止するためのメッセージを送信する。これにより、飛行管理システム1は、ユーザに対して申請情報を守るように促すことができる。
【0075】
[第3変形例]
本変形例において、飛行管理システム1は、申請情報に基づいて、飛行装置3の飛行の制御をすることに加えて、飛行装置3が基地局に対して送信する電波の送信電力制御をする。生成部123は、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、飛行装置3が基地局に対して送信する電波の電力を制御するための電力制御情報を生成する。電力制御情報は、例えば、飛行日時において電波の送信電力を抑制することを指示する情報である。
【0076】
送信部124は、判定部122が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、申請情報が含む飛行装置識別情報に対応する飛行装置3に、生成部123が生成した電力制御情報を送信する。飛行装置3は、飛行管理システム1から受信した電力制御情報に基づいて、飛行経路を飛行している間に、基地局に対して送信する電波の送信電力を調整する。これにより、飛行管理システム1は、飛行日時において飛行装置3の送信電力制御を行い、飛行装置3の通信が飛行経路近傍の基地局へ干渉することを抑制することができる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0078】
飛行管理システム1、ユーザ端末2及び飛行装置3のプロセッサは、図7に示す飛行管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、飛行管理システム1、ユーザ端末2及び飛行装置3のプロセッサは、図7に示す飛行管理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行することによって、図7に示す飛行管理方法を実行する。図7に示す飛行管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 飛行管理システム
12 制御部
121 受信部
122 判定部
123 生成部
124 送信部
125 課金部
2 ユーザ端末
3 飛行装置

【要約】
【課題】ユーザが所定の電波を使用して通信をする飛行装置を飛行させるための手間を削減できるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る飛行管理システム1は、ユーザが使用するユーザ端末から、飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、飛行装置の飛行を希望する飛行経路と、飛行装置の飛行を希望する飛行日時と、を含む申請情報を受信する受信部121と、申請情報に基づいて、飛行装置が飛行日時に飛行経路を飛行する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する判定部122と、判定部が電波の使用を許可すると判定したことを条件として、飛行装置識別情報に対応する飛行装置に、飛行装置を飛行経路に沿って飛行させるための飛行情報を送信する送信部124と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7