(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】手関節用装具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A61F5/02 N
(21)【出願番号】P 2017219862
(22)【出願日】2017-11-15
【審査請求日】2020-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】畑野 裕一
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-298355(JP,A)
【文献】米国特許第05928172(US,A)
【文献】特開2010-029501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/02
A61F 5/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首を圧迫する本体部と、
前記本体部に設けられ、開口部を有する指挿入部と、を少なくとも備え、
前記本体部は、前記指挿入部を指に装着した後、手首に巻き付けられ、
前記指挿入部は、前記本体部の巻き付け完了後に指から外され前記本体部に固定され
、
前記指挿入部の自由端には、前記本体部に着脱することができる着脱部が設けられている、手関節用装具。
【請求項2】
前記本体部は、中央部と、2つの端部とからなり、
前記2つの端部の少なくとも一方が、前記中央部よりも幅広である、請求項1に記載の手関節用装具。
【請求項3】
前記本体部は、前記指挿入部を指に装着した後、前記幅広である端部が尺骨に当たるように掌側から甲側に回して、手首に巻き付けられる、請求項2に記載の手関節用装具。
【請求項4】
前記幅広である端部が尺骨に当たる位置にパッドを備える、請求項3に記載の手関節用装具。
【請求項5】
前記本体部の外周に巻き付けられる固定ベルトをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の手関節用装具。
【請求項6】
前記指挿入部は、前記本体部の巻き付け完了後に指から外され、前記本体部と前記固定ベルトの間に挟まれて固定される、請求項5に記載の手関節用装具。
【請求項7】
前記開口部が、前記指挿入部の自由端側から、前記指挿入部と前記本体部との連結部に向かって拡幅されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の手関節用装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手関節の損傷、特にTFCC損傷の患者の手関節部位に装着され、手関節を固定する手関節用装具に関する。
【背景技術】
【0002】
手関節を捻ったり、スポーツや仕事で手関節を過度に使用したりしたときに、手関節を損傷することがある。代表的な疾患として、三角線維軟骨複合体損傷がある。この疾患は、TFCC損傷(Triangular Fibrocartilage Complex Injuries)とも呼ばれ、手関節の荷重の分散やクッションの役割をする三角線維軟骨複合体(TFCC)に過度なストレスがかかることにより生じる疾患である(以下、TFCC損傷という)。このTFCC損傷は、手関節の尺屈や腕の回旋動作などにより痛みが生じる。
【0003】
こうした手関節損傷の痛みの軽減や治療のために手関節を固定する手関節用装具が開示されている(特許文献1)。また、患者が一人で脱着し、かつ手関節を安定して固定する手関節固定具として、母指を引っ掛ける牽引ベルトと、手掌から手甲にかけて巻回する手掌ベルトと、手首に沿って巻回する手首ベルトとを備える手関節固定具が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-061995号公報
【文献】特開2010-029501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者が一人で確実に装着でき、痛みのある関節部位を安定して固定することができる手関節用装具が求められている。しかし、従来の手関節用装具においては、装着後に物を掴む等の手の動作を妨げてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、患者が一人で手関節用装具を装着することができ、かつ、装着後に物を掴む等の手の動作を妨げることなく痛みのある関節部位を安定して固定することができる手関節用装具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態である手関節用装具は、手首を圧迫する本体部と、前記本体部に設けられ、開口部を有する指挿入部と、を少なくとも備え、前記本体部は、前記指挿入部を指に装着した後、手首に巻き付けられ、前記指挿入部は、前記本体部の巻き付け完了後に指から外され前記本体部に固定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る手関節用装具によれば、患者が一人で簡単に装着することができ、かつ、装着後の手の動作に影響を与えることなく、痛みのある関節部位を安定して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る手関節用装具の開いた状態の外側面を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る手関節用装具の開いた状態の内側面を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る指挿入部の変形例を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る手関節用装具の装着手順を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る手関節用装具の装着手順を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る手関節用装具の装着手順を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る手関節用装具の装着手順を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る手関節用装具の装着後の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、本発明は、下記の実施例及びその変形例のいずれかを組み合わせることもできる。
【0011】
(1)手関節用装具の構成
図1~
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る手関節用装具1の構成について説明する。なお、各図面において共通する符号については、特に必要のない限り説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る手関節用装具1の開いた状態の外側面を示す模式図である。ここで、外側面とは、手関節用装具1を手に装着したときに手に接しない外側の面である。
図2は、本実施形態に係る手関節用装具1の開いた状態の内側面を示す模式図である。ここで、内側面とは、手関節用装具1を装着したときに手に接する内側の面である。
本実施形態に係る手関節用装具1は、本体部2と、指挿入部3と、固定ベルト4で構成される。本体部2は手関節を固定するために手首に巻き付けられる横長の帯状体である。指挿入部3は本体部2を手首に巻き付ける際に指に装着する帯状体であり、本体部2とは連結部30で固定されている。また、固定ベルト4は本体部2の外周に巻き付けられる帯状体であり、本体部2の中央部21に固定されている。以下、各部についてより詳細に説明する。
【0013】
(1-1)本体部2について
本体部2は、手首に巻き付けられる帯状体である。
図1に示すように、本体部2は中央部21と2つの端部22、23から構成される。中央部21は本体部2を手首に巻き付けた際に手首の橈骨側に当たる部分であり、端部22、23は手首の尺骨側に当たる部分である。端部22又は端部23は、少なくとも一方もしくは両方を中央部21より幅広とすることが好ましい。端部22、23を中央部21より幅広にすることで、尺骨側をより安定して固定することができる。また、掌を極力覆わなくすることができるため、物を掴む等の手の動作への影響を少なくすることができる。さらに、端部22、23が手首の尺骨側に当たるように本体部2が手に巻き付けられることで、固定が必要な尺骨側の関節部位のみをしっかりと固定することができる。
【0014】
2つの端部22、23の形状は略六角形状、円形等に限らず、端部22を略五角形状、端部23を略六角形状とする等、固定が必要な尺骨側の関節部位をしっかりと固定できるのであればどのような形状であってもよい。中央部21の長さは50mmから85mmであることが好ましい。また、中央部21の幅は50mmから75mmであることが好ましい。
【0015】
図2に示すように、本体部2の端部22の内側面に、尺骨を圧迫するパッド24を設けてもよい。パッド24を設けることにより、TFCCが機能的に影響する遠位橈尺関節に対してさらに圧迫を加えることができ、固定が必要な尺骨側の関節部位をしっかりと固定することができる。また、端部23の内側面には面ファスナ部25を設けてもよい。これにより、本体部2を手首に巻き付けたあと、本体部2の外側面と係着させて、任意の強さで本体部2を固定することができる。なお、パッド24の長さは25mm以上、幅は25mm以上であることが好ましい。
【0016】
本体部2を構成する糸素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを利用してもよい。
【0017】
また、本体部2の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、ゴム編(リブ編)生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、トリコット生地、ラッセル生地、パイル編生地、添え糸編生地等が利用できる。
【0018】
ここで、ダブルラッセル生地は一本の糸から編目を作りながらループと呼ばれる輪をつなぎ合わせて作り、ループがもつ弾力性で伸長力に寄与することができ、このループから空気を透過させる事ができる。このため、ダブルラッセル生地を用いることにより、通気性を確保することができる。
【0019】
パッド24の素材としては、ポリウレタン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリルなどのエラストマー素材を用いることができる。
【0020】
本体部2の外側面は、本体部2を固定したり、指挿入部3を係着させたりするために、糸素材がループ状に起毛されている面ファスナとすることが好ましい。
【0021】
(1-2)指挿入部3について
指挿入部3は、本体部2を手首に巻き付ける際に指に装着し、巻き付け完了後に指から外される帯状体である。なお、指挿入部3を装着する指は、五指のうちどの指を使用してもよいが、指挿入部3を取り外しやすくするという観点から、母指であることが好ましい。
【0022】
図1に示すように、指挿入部3は2本の帯状体3a、3bから構成される。2本の帯状体3a、3bは連結部30で本体部2に固定されており、2本の帯状体3a、3bの間に指を挿入するための開口部31を有する。2本の帯状体で構成することで、1本の帯状体で構成したときに比べて、指挿入部3の向きの変化に追従しやすくなり、指を挿入した際に本体部2と指挿入部3との間に浮きがなくぴったりと密着した状態で装着位置の確認をすることができるようになる。また、指挿入部3の自由端32から連結部30に向かって拡幅された形にすることにより、2本の帯状体3a、3bの間に形成される開口部31の幅が広くなり、指挿入部3を指から取り外すことが容易になる。
連結部30は、本体部2の中央軸Mに沿って固定されていることが好ましい。連結部30を基点として指挿入部3を折り返し可能な構成にすることにより、手関節用装具1を右手にも左手にも使用することができる。
【0023】
指挿入部3の自由端32には、本体部2に着脱することができる着脱部33が設けられている。着脱部33は、面ファスナなどを自由端32の両面に設けられてもよく、どちらか一方の面のみに設けられてもよい。着脱部33を設けることで、指挿入部3を指から外した後、本体部2に固定することができ、指挿入部3がぶらぶらして手の動作等に影響を与えることなく使用でき、外観も損なわない。
【0024】
指挿入部3の長手方向の長さは、指挿入部3を指から取り外しやすくするために7.5cm~11cmであることが好ましい。指挿入部3を上記の長さにすることにより、本体部2を手に装着する際に端部22、23が尺骨側に当たるように装着位置を調節することができる。指挿入部3の厚さは、指挿入部3を取り外しやすく、かつ本体部2に固定する際に嵩張らないために、0.1mm~5mmであることが好ましい。帯状体3a又は帯状体3bの幅はそれぞれ0.5cm~3cmであることが好ましく、帯状体3a、3bが同じ幅であることがより好ましい。
【0025】
指挿入部3を構成する糸素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを利用してもよい。
【0026】
また、指挿入部3の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、ラッセル生地、パイル編生地、添え糸編生地等が利用できる。
【0027】
着脱部33は公知の着脱手段を採用することができ、例えば面ファスナ、ボタン、フック、紐等でありうる。これらの中で、本体部2に固定する際に嵩張らず、外観を損なわない着脱手段が好ましく、その中でも特に面ファスナであることが好ましい。
【0028】
図3に指挿入部3の変形例を示す。指挿入部3は
図3(A)に示す1本の帯状体をループ状で構成したものでもよいし、
図3(B)に示す1本の帯状体にスリットを設けた構成でもよい。さらに、
図3(C)、(D)に示す1本の帯状体に三角形状あるいは台形状の開口部31を設けた構成でもよい。着脱部33はこれらの変形例においても共通して設けることができる。
【0029】
(1-3)固定ベルトについて
固定ベルト4は、本体部2の外側面に備えられ、手関節をさらに圧迫する帯状体である。
図1に示すように、固定ベルト4の先端は、枝分かれ部41a、41bで構成され、二股にすることが好ましい。先端を二股にすることで、固定ベルト4の固定する強さを微調整することができる。固定ベルト4の外側面は、固定ベルト4を固定するために、糸素材がループ状に起毛されている面ファスナとすることが好ましい。ここで、固定ベルト4の外側面とは、固定ベルト4が本体部2に接しない面である。なお、固定ベルト4は本体部2の外側面に備えられていれば本体部2の外側面のどの位置に備えてあってもよい。
【0030】
固定ベルト4の枝分かれ部41a、41bの先端の内側面には面ファスナ部42a、42bが備えられている。固定ベルト4を手首に巻き付けた後、固定ベルト4の外側面と枝分かれ部41a、41bとを係着させることで、任意の強さで固定ベルト4を固定することができる。ここで、固定ベルト4の内側面とは、固定ベルト4が本体部2に接する面である。
【0031】
固定ベルト4を構成する糸素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを利用してもよい。
【0032】
固定ベルト4の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、ラッセル生地、パイル編生地、添え糸編生地等が利用できる。
【0033】
なお、本実施形態に係る手関節用装具1では、上記の構造に限らず、その他の公知の係着構造を採用することができ、例えばバックルやスナップボタン等を用いてもよい。
【0034】
(2)手関節用装具の装着手順の一例
次に、本実施形態に係る手関節用装具1の装着手順の一例について、
図4~
図8を参照しながら説明する。なお、各図面において共通する符号については、特に必要のない限り説明を省略する。本実施形態では、着用者の右手RHに装着する手順の一例について説明する。なお、本発明に係る手関節用装具は、指挿入部3を右手着用時と上下反対側に折り曲げることで装着者の左右どちらの手にも装着することができる。
【0035】
まず、
図4に示すように、指挿入部3を右手母指RFに装着した後、右手RHの掌側に本体部2の内側面を当て、端部22が右手RHの尺骨に当たるように本体部2を引っ張り、掌側から甲側に回して手首に巻き付ける。そして、
図5に示すように面ファスナ部25を本体部2の外側面に係着させ手首に仮固定する。
【0036】
次に、
図6に示すように、右手母指RFに装着していた指挿入部3を外し、着脱部33を用いて自由端32を本体部2の外側面に固定する。このとき、指挿入部3を本体部2に密着させて固定することが好ましい。
【0037】
そして、
図7、8に示すように、固定ベルト4を引っ張り、掌側から甲側に回して手首に巻き付け、面ファスナ部42a、42bを用いて枝分かれ部41a、41bを固定ベルト4に固定する。この際、固定ベルト4が指挿入部3を外側から固定するため、指挿入部3が本体部2と固定ベルト4との間に挟まれる。よって、指挿入部3が本体部2から外れてぶらぶらすることが抑えられる。
【0038】
図8に示すように、本実施形態に係る手関節用装具1は、端部22、23を中央部21より幅広にすることで、尺骨側を安定して固定することができる。一方、中央部21を端部22、23より幅狭とし、橈骨側の固定する範囲を最小限にとどめることで、装着後に物を掴む等の手の動作への影響を少なくすることができる。
【0039】
以上のように、本実施形態に係る手関節用装具1は、指挿入部3を右手母指RFに装着した後、本体部2を手首に巻き付け、指挿入部3を本体部2に固定し、さらに固定ベルト4を巻き付けることで、片手で容易に装着でき、かつ手の動作を妨げずに尺骨側を安定して固定することができる。
【0040】
すなわち、本発明に係る手関節用装具は、患者が一人で容易に装着でき、かつ装着後の手の動作に影響を与えることなく、痛みのある関節部位を安定して固定することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 手関節用装具
2 本体部
3 指挿入部
4 固定ベルト
21 中央部
22、23 端部
25、42a、42b 面ファスナ部
30 連結部
31 開口部
32 自由端
33 着脱部
41a、41b 枝分かれ部
RH 右手
RF 右手母指