(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】所持品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20220513BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2018006145
(22)【出願日】2018-01-18
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】512236010
【氏名又は名称】エヴォーブテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518019857
【氏名又は名称】株式会社重政商店
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】石岡 聖悟
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-164813(JP,A)
【文献】特開2018-005409(JP,A)
【文献】特開2004-123298(JP,A)
【文献】特開2006-178942(JP,A)
【文献】特開2004-246696(JP,A)
【文献】特開平11-175633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
短期間の滞在を数次にわたり受け付ける施設内へ持ち込まれる入所者の所持品を管理する所持品管理プログラムにおいて、
前記施設へ入所する際に、入所者の所持品に付された2次元バーコードの識別子をバーコードリーダにより読み取り、当該所持品の写真画像を取得し、当該入所者名と前記識別子と写真画像とを対応付けて登録テーブルのエントリに登録する機能と、
前記施設へ入所する際に、所持品の写真画像を縮小して、登録した当該入所者の他の所持品の縮小した写真画像とともに表示装置のリストウインドに表示する機能と、
前記施設から退所する際に、退所時所持品チェックのためにバーコードリーダにより所持品に付された2次元バーコードの識別子を読み取り、当該識別子に対応する所持品の写真画像を表示装置の所持品チェックウインドに表示し、所持品との一致が確認されたときには、当該所持品を登録した登録テーブルのエントリにおける当該所持品が施設内に搬入されたことを示すフラグをリセットすることにより前記登録テーブルへの消し込みを行う機能と、
前記施設から退所する際に、当該入所者が持ち込んだ複数の所持品について登録テーブルから読み出して当該読み出した写真画像を縮小して表示装置のリストウインドに表示し、所持品との一致が確認された所持品に対応する前記リストウインドに表示された縮小された写真画像に対して消し込みのマークを付加する機能と、
前記施設へ入所する際に、バーコードリーダにより読み取られた2次元バーコードの識別子が、前記登録テーブルにおいて過去の滞在で登録されたものである場合には、過去滞在時において取得された写真画像を登録テーブルから読み出して今回入所時における所持品の写真画像として取得する機能とを計算機に実現させるための所持品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短期間の滞在を数次にわたり受け付ける施設において、短期宿泊滞在する入所者の所持品を管理する所持品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
短期入所生活介護(ショートステイ)は、要介護の高齢者が数日~30日の短期で老人保険施設等の施設に入所できる介護保険制度の中のサービスである。このサービスにおいては、在宅介護をしている家族などの介護者が、体調不良や、急な用事で家を空けるといった理由で、一時的に介護ができなくなるなどの事態に対し、一時的に施設に要介護者が入所して介護を受けることができる。
【0003】
入所者が施設に持ち込む物は、部屋着、就寝着、下着・靴下等の衣料の他に、タオル、身だしなみ用品、袋類、水筒、コップ、杖、めがね、補聴器、入れ歯等多種に亘り、施設側では個々の所持品に対して管理を行う。また、入所者が常時服用している薬についても管理の対象になる。薬は、入所者の居室で管理する場合もあるが、施設職員が管理することもある。他の入所者が不意に居室に入るおそれがあり、また、入所者自身の認知機能低下などにより誤用するおそれがあるからである。この場合、施設内において他の入所者が持ち込んだ薬を共同の場所に保管して管理することになる。さらに、結婚指輪などの貴金属を身につけている可能性もあり、同様な所持品管理の対象となる。施設側が貴重品として預かった場合には、共用の保管場所(例えば、金庫)での管理が求められる。
【0004】
入所者は入所する前に各所持品に対して記名を行い、また、施設側は入所の際に所持品を記帳する。退所時には、記帳された所持品が揃っているか、紛失してないかのチェックが行われる。入所者は自ら紛失した所持品を申告できない場合があり、また、逆に持ち込んでいない物品について紛失したと主張される可能性があり、本人若しくは家族とのトラブルを避けるため、施設側は所持品の管理を怠ることができない。
【0005】
持ち物の管理については、例えば特許文献1に開示される忘れ物防止機能付き携帯電話が知られている。このシステムによれば、2次元バーコードとICタグの付いたICタグシートを所持品に貼付け、2次元バーコードをカメラで読み込んでIDを電子化情報として取り出し、別途キー入力部から入力された所持品名と紐付けて登録することにより、以後はICタグから無線で取得するIDを用いて所持品を特定する。キー入力部からの入力に代えて、一目で分かるような図柄で持ち物を表示したアイコンシールを用意し、これをICタグシートに貼り付け、アイコンシールを画像認識して一致と判断した所持品名を入力する。登録した所持品に予め携行フラグを付けておき、携行フラグが付されているのに検出できない所持品については忘れ物として、そのアイコンシールの画像を携帯電話の画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1による携帯電話において、携行フラグを用いて老人保険施設等の施設への持ち込みを識別し、退所時に忘れ物チェックにより施設内への忘れ物が無いかを検出する応用も考えられる。しかしながら、特許文献1においては、携帯電話の画面に忘れ物として表示された「所持品名」或いは「アイコンシール」により忘れ物の有無を特定することができるが、アイコンシールは所持品の形態を表す一般的な図柄であって、個別の持ち物の特徴を表しておらず、持ち物の捜索が困難である。
【0008】
老人保険施設等の施設においては、所持品に貼り付けた2次元バーコードのシートが、洗濯中に脱落する場合や、認知機能の低下した入所者がはぎ取ってしまうことが多い。2次元バーコードが付いてない衣服が洗濯室等で施設職員により発見されたとしても、入所者は自己の所持品の申告が困難であり、持ち主を探し出すのは容易ではない。また、捨てられた2次元バーコードが発見されても、誰のどの所持品に付けられたものであったかを施設側で特定することも難しい。入所時に施設側で個々の所持品の特徴をさらに詳しく特定して記帳しておくことによりある程度改善するが、施設職員の手間が膨大になる。
【0009】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、入所時に入所者により施設内に持ち込まれた所持品の登録を容易に行うことができ、退所時にも施設内の所持品のチェックを簡単する所持品管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来例の問題点を解決するための本発明の所持品管理プログラムは、施設へ入所する際に、入所者の所持品に付された2次元バーコードの識別子をバーコードリーダにより読み取り、当該所持品の写真画像を取得し、当該入所者名と前記識別子と写真画像とを対応付けて登録テーブルのエントリに登録する機能と、
前記施設へ入所する際に、所持品の写真画像を縮小して、登録した当該入所者の他の所持品の縮小した写真画像とともに表示装置のリストウインドに表示する機能と、
前記施設から退所する際に、退所時所持品チェックのためにバーコードリーダにより所持品に付された2次元バーコードの識別子を読み取り、当該識別子に対応する所持品の写真画像を表示装置の所持品チェックウインドに表示し、所持品との一致が確認されたときには、当該所持品を登録した登録テーブルのエントリにおける当該所持品が施設内に搬入されたことを示すフラグをリセットすることにより前記登録テーブルへの消し込みを行う機能と、
前記施設から退所する際に、当該入所者が持ち込んだ複数の所持品について登録テーブルから読み出して当該読み出した写真画像を縮小して表示装置のリストウインドに表示し、所持品との一致が確認された所持品に対応する前記リストウインドに表示された縮小された写真画像に対して消し込みのマークを付加する機能と、
前記施設へ入所する際に、バーコードリーダにより読み取られた2次元バーコードの識別子が、前記登録テーブルにおいて過去の滞在で登録されたものである場合には、過去滞在時において取得された写真画像を登録テーブルから読み出して今回入所時における所持品の写真画像として取得する機能とを計算機に実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2次元バーコードの識別子と写真画像を対応付けて利用することで、写真画像に所持品の外観がそのまま保存されるため、所持品の外観を施設職員が文書に翻訳する必要が無く、入力の手間が大幅に削減できるという効果がある。また、退所の際に2次元バーコードを読むだけで、登録されている所持品の写真画像及び登録情報が表示されるため、施設職員は任意の順番で簡単に所持品のチェックができる。
本発明によれば、リストウインドには、消し込み済みであることを示すマークを縮小写真に付与することにより、未チェックの所持品が一目で判別できるという効果がある。
本発明によれば、ショートスティは数次回利用されることが通常であり、持ち込まれる所持品も同じ物である可能性が高いため、過去に登録テーブルに登録済みであれば、その写真画像をそのまま利用することができ施設職員の入力の手間が省けるとともに、入所者の入所手続きも短時間で終えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】所持品管理実施するノートパソコンのブロック図である。
【
図4】表示部における「入所登録モード」と「退所チェックモード」の表示内容を示す図である。
【
図5】所持品管理アプリケーションのフロー図である。
【
図6】表示部における「探索モード」の表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1に、短期滞在施設として利用される施設の一例として老人保険施設の平面図を示した。老人保険施設には、入所者の為の4人部屋Cや個室Pに加え、リハビリテーション室R、食堂D、浴室(特殊浴室)B、洗濯室L、サービスステーションS、事務室Aなどがある。サービスステーションSでは、入所者が持ち込んだ薬を一括して管理する。事務室Aには、貴重品を管理する金庫が設置されている。また、洗濯室Lは、入所者の洗濯物を洗濯する共用スペースである。
【0014】
本実施例の所持品管理方法の手順は、計算機のアプリケーションソフトウエアとして記述されている。
図2において、所持品管理方法の手順を実行する一般的なノートパソコンのブロック図が示されている。ノートパソコンは、制御部1と、揮発メモリ2と、記憶装置3と、表示部4、キー入力部5とを有している。カメラ6と2次元バーコードリーダ9は、USB等の外部バスを介してノートパソコンに接続される。制御部1は、キー入力部5から入力される指示等に応じてプログラム処理を実行し、各部への指示の出力やデータの転送等を行う。制御部1は、キー入力部5から入力された指示に基づいて、記憶装置3内に記憶されている所持品管理アプリケーション7を揮発メモリ2に展開し、実行するものである。2次元バーコードとして、本実施例においては、QRコード(QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標、以下同じ)を用いる。カメラ6は、入所者の所持品のフルカラーの写真画像を取得する。
【0015】
記憶装置3は、所持品管理アプリケーション7及びこれに用いられる登録テーブル8を記憶している。
図3に登録テーブル8を示す。登録テーブル8は、入所者名11、入所日12、退所日13、搬入フラグ14、QRコードの識別子(ID)15、所持品の写真画像16、所持品名17、預かり保管場所18、付加情報19、入力スタッフ名20を保持するエントリ21を所持品毎に有している。搬入フラグ14は、施設に搬入中である所持品に対してセットされるフラグである。預かり保管場所18には、入所者から所持品を預かったときに、保管場所が登録される。
【0016】
図2に戻り、キー入力部5は施設職員により操作されるキーボードであり、所持品管理アプリケーション7を起動し、また、入所時の所持品の登録や退所時のチェックのために操作される。表示部4は、制御部1からの指示に従ってデータを表示するものであり、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。
【0017】
次に、本装置の動作について説明する。
キー入力部5から所持品管理アプリケーション7を起動するよう指示が入力されると、制御部1は記憶装置3から所持品管理アプリケーション7を揮発メモリ2に展開して起動する。所持品管理アプリケーション7は、「入所登録モード」と「退所チェックモード」及び「探索モード」を有している。アプリケーションの起動時に動作モードの選択が可能である。
【0018】
施設の利用者には入所の前にQRコードタグTが渡されており、利用者の家族は施設に持ち込む全ての所持品にQRコードタグTを1つずつ貼り付けておく。
まず、「入所登録モード」について、
図3、
図4A及び
図5Aを参照して説明する。
入所の際には施設職員が、キー入力部5からの操作によって所持品管理アプリケーション7を起動し、「入所登録モード」を選択すると、表示部4に
図4Aに示すような所持品編集画面30が表示される。所持品編集画面30は、操作を行う施設職員名を入力するエリア31、入所者名を入力するエリア32、入所日/退所日を入力するエリア33、写真画像を縮小して多数配置するリストウィンド34を有している。また、リストウインド34の右側には、個別の所持品の名称/写真画像/特記事項/預かりの別を入力する追加/編集ウインド35を有している。追加/編集ウインド35は、追加タブ36もしくは編集タブ37により追加/編集いずれかのモードが選択可能で有り、追加タブ36をクリックすると新たな所持品の登録ができる。またリストウインド34に表示された1つの所持品を選択状態にして編集タブ37をクリックすると、当該所持品について登録テーブル8に登録してある情報の修正ができる(
図4Aでは「追加」を選択中)。
【0019】
施設職員は、まず、施設職員名、入所者名、入所日/退所日等の書誌事項を入力する。所持品管理アプリケーション7は、必要な書誌事項が入力されたと判断して次のステップに移行する(S41)。リストウインド34に何も所持品が表示されていない状態で、追加タブ36がクリックされると、所持品の登録が可能になる(S42)。所持品の登録においては、まず、QRコードの読み取り(S43)、写真撮影(S44)、付加情報等の入力(S45)を行う。QRコードの読み取り(S43)では、2次元バーコードリーダ9によりQRコードタグT(
図3B参照)が読み込まれる。このとき、登録テーブル8に既に登録された所持品がないかどうかがチェックされる(S46)。写真撮影(S44)では、施設職員が所持品をカメラ6の前に展開し、所持品の写真撮影を行うと、追加/編集ウインド35に写真画像が表示される。付加情報等の入力(S45)では、所持品の名称/メモ(特記事項)/預かりの有無を入力する。預かる場合は保管場所を入力する。これらはいずれの順番で行われても良い。全ての項目について入力をし、「戻る」38をクリックすると、入力された情報は登録テーブル8のエントリ21に新規登録される(S47)。このとき、登録テーブル8の搬入フラグ14がセットされる。所持品が登録されるとリストウインド34に写真画像が縮小されて表示される。全ての項目の入力がされていないと、登録テーブル8への登録はされない。尚、付加情報等の入力(S45)において、預かりが指定されるような所持品は薬や貴重品等で有り、これらは、別途、QRコード付き透明袋が用意されて、夫々纏めて透明袋内に収容される。透明袋のQRコードが読まれ、透明袋全体の写真画像を撮影する。
【0020】
本実施例によれば、写真画像を利用することで所持品の外観がそのまま保存されるため、所持品の外観を施設職員が文書に翻訳する必要が無く、入力の手間が大幅に削減できるという効果がある。
【0021】
ステップS46において、2次元バーコードリーダ9により読まれたQRコードが登録テーブルに既に登録されている場合、既に登録テーブル8に登録済みであった写真画像と所持品名と特記事項が読み出され、追加/編集ウインド35に表示される。そのままで良ければ登録テーブル8の新たなエントリ21に登録される。また修正をしたければ、写真画像を含めて修正することができる。
【0022】
ショートスティは数次利用されることが通常であり、持ち込まれる所持品も同じ物である可能性が高いため、過去に登録テーブル8に登録済みであれば、その写真画像をそのまま利用することができ施設職員の入力の手間が省けるとともに、入所者の入所手続きも短時間で終えることができるという効果がある。
【0023】
次に、所持品管理アプリケーション7の「退所チェックモード」について、
図4B及び
図5Bを用いて説明する。
施設職員は、「退所チェックモード」を選択して、表示部4に所有物チェック画面50を表示させる。施設職員の名前がエリア51に、退所日がエリア53に、入所者名が利用者氏名エリア52に入力されると、必要な書誌事項が入力されたと判断して所持品管理アプリケーション7は、当該入所者名に対応し、かつ搬入フラグ14がセットされた所持品を読み出して、リストウインド54に縮小された縮小写真を表示する(S61)。
【0024】
退所時に入所者が持ち出す所持品の一つを選択し、これに貼付されているQRコードタグTのIDが2次元バーコードリーダ9により読み取られると(S62)、当該IDに対応した所持品チェックウインド55に所持品名、付加情報、預かりの有無、写真画像を表示する(S63)。QRコードタグTの読み込みにより、所持品チェックウインド55に自動的に登録テーブル8の写真画像及び他の登録情報が表示されるため、施設職員は任意の順番で所持品のチェックが簡単にできる。
【0025】
施設職員は、所持品チェックウインド55に表示された情報と所持品との一致を確認し、一致したのならば「消込み」59をクリックして消し込み登録を行う。消し込み登録では、リストウインド54には、消し込み済みであることを示す表示(済)マークChを縮小写真に上書きする(S64)。これを繰り返すことにより、リストウインド54の消し込みを行う。所持品管理アプリケーション7の終了時に消し込みが確定し、搬入フラグ14をリセットすることにより、当該所持品のエントリ21についての登録テーブル8上での消し込みが行われる。搬入フラグ14のリセットを消し込みとして、当該所持品のエントリ21を現実に抹消しないことにより、以降の再入所に対応して参照可能としておく。
【0026】
所持品との一致が取れなかった場合は、「戻る」58をクリックすると当該所持品については消し込まれていない状態のままとなる。最終的にリストウインド54において、(済)マークChが付与されていない所持品について、リストウインド54にて写真画像が選択されると(S65)、所持品チェックウインド55に写真画像と所持品名と特記事項を読み出す(S66)。写真画像は、確認が取れなかった所持品そのものを表す情報であり、これに基づき施設内を捜索することが可能となる。所持品の確認ができた場合には「消込み」59をクリックされるので、先と同様にリストウインド54には、消し込み済みであることを示す(済)マークChを縮小写真に上書きする。所持品の確認ができた場合には「戻る」58がクリックされるので、消し込み登録を行わない。(済)マークChの付与により、未チェックの所持品が一目で判別できるという効果がある。
【0027】
次に、所持品管理アプリケーション7の「探索モード」について
図6を用いて説明する。「探索モード」は、QRコードタグTが脱落した物品が発見された場合、捨てられたQRコードタグTが発見された場合等に用いられる。
【0028】
施設職員は、「探索モード」を選択して、表示部4に探索画面70を表示させる。「探索モード」では、所持品名又はQRコードタグTのIDをキーにして所有者を探索する。所持品名は、ブロック73で指定する。また、探索範囲としては、ブロック71に現在施設内に滞在している在所者のチェックをする、若しくは、期間を指定することにより現在入所者/過去に入所していた退所者の選択ができる。これら探索範囲の選択は、登録テーブル8の入所日12、退所日13、搬入フラグ14、所持品名17、ID15を用いることにより行う。
【0029】
発見された所持品にQRコードタグが付着していれば、2次元バーコードリーダ9によりQRコードタグTのIDを読み取ると、当該IDをキーとして利用者氏名、所持品名、付加情報、預かりの有無、写真画像等を登録テーブル8から読み出し、該当物品エリア75に表示する。読み取られたIDはエリア72に表示される。所有者が表示されるので、当該所有者に所持品を返却する。また、QRコードタグTのみが発見された場合も同様のように、2次元バーコードリーダ9によりQRコードタグTのIDを読み取れば、所有者およびどの様な所持品に付着していたものであるかを特定できるので、本人が現在所持している物の中にQRコードタグTが取れた物が存在しているか、していなければ対応する物品の探索を施設内で行うことができる。
【0030】
QRコードタグTが脱落した物品が発見された場合、所持品名をキー入力部5から入力すると、所持品名をキーとして同じ所持品名の物品を登録テーブル8から読み出し、それらの縮小写真をリストウインド74に表示する。当該物品の特徴と似ている物があれば、縮小写真をクリックすることにより、対応する利用者氏名、所持品名、付加情報、預かりの有無、写真画像等を登録テーブル8から読み出し、該当物品エリア75に表示する。写真画像により特徴が一致していれば、所有者が特定できる。違っていれば、戻る76をクリックして他の縮小写真を参照する。このようにして、所有者を探索することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 制御部
2 揮発メモリ
3 記憶装置
4 表示部
5 キー入力部
6 カメラ
7 所持品管理アプリケーション
8 登録テーブル
9 2次元バーコードリーダ
11 入所者名
12 入所日
13 退所日
14 搬入フラグ
16 写真画像
17 所持品名
18 保管場所
19 付加情報
21 エントリ
30 所持品編集画面
34 リストウインド
35 追加/編集ウインド
36 追加タブ
37 編集タブ
50 所有物チェック画面
54 リストウインド
55 所持品チェックウインド
70 探索画面
74 リストウインド
75 該当物品エリア