(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】金属製ナノコイルの製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 9/08 20060101AFI20220513BHJP
D01F 6/14 20060101ALI20220513BHJP
D06M 11/83 20060101ALI20220513BHJP
H01F 5/00 20060101ALI20220513BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
D01F9/08 D
D01F6/14 Z
D06M11/83
H01F5/00 F
H01F41/04 Z
(21)【出願番号】P 2020028264
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
(73)【特許権者】
【識別番号】591108178
【氏名又は名称】秋田県
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村岡 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】新宅 一彦
【審査官】鈴木 祐里絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-145436(JP,A)
【文献】特開2019-148040(JP,A)
【文献】実開昭61-045449(JP,U)
【文献】特開2009-024287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F1/00-6/96
9/00-9/32
D02G1/00-3/48
D02J1/00-13/00
D06B1/00-23/30
D06C3/00-29/00
D06G1/00-5/00
D06H1/00-7/24
D06J1/00-1/12
D06M10/00-11/84
16/00
19/00-23/18
D07B1/00-9/00
H01F5/00-5/06
41/00-41/04
41/08
41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子ナノファイバからなるコア部を、熱収縮性の支持部材で両端部が固定されてなる複数の線状部材上に配設する第1工程と、
前記複数の線状部材上に配設された前記コア部の表面に金属薄膜を形成して、金属被覆ナノファイバを形成する第2工程と、
前記支持部材を加熱して、当該支持部材を熱収縮させる第3工程と、
前記金属被覆ナノファイバを加熱して前記コア部を除去する第4工程と、
を備えることを特徴とする、金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項2】
前記第3工程における前記支持部材の熱収縮は、150℃以上の温度で行うことを特徴とする、請求項1に記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項3】
前記第4工程における前記加熱は、200℃以上の温度で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項4】
前記支持部材は、架橋ポリエチレンを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項5】
前記線状部材は、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、チタン及びタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項6】
前記第2工程及び前記第3工程は第1装置内で行うことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項7】
前記第2工程及び前記第4工程は第2装置内で行うことを特徴とする、請求項1~
5のいずれかに記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【請求項8】
前記第2工程及び前記第4工程は第2装置内で行い、前記第1装置及び前記第2装置は同一の装置であることを特徴とする、請求項
6に記載の金属製ナノコイルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製のナノコイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノコイルなど、2次元のサイズがナノオーダー(1~数百nm程度)のナノ構造体は、様々な用途への応用が期待されている。例えば金属製のナノワイヤやナノコイルは、導電性炭素繊維強化樹脂(CFRP)やプライマーなどに用いられる導電性フィラーとして有望な材料である。
【0003】
上述のような金属製ナノコイルの製造方法は、例えば、特許文献1に記載されている。具体的には、支持板の両端に可動板が配設されてなる基板上に、エレクトロスピニング法で高分子溶液を塗布する。すると、上記基板上には、高分子ナノファイバが形成され、当該高分子ナノファイバが乾燥することにより、上述した可動板の間で張力が発生するようになる。その後、緊張状態の高分子ナノファイバに対して、汎用の膜形成方法で金属膜を形成する。
【0004】
次いで、金属被覆された高分子ナノファイバにおいて、可動板を互いに近接させ、当該高分子ナノファイバの張力を緩和させる。次いで、金属被覆された高分子ナノファイバを加熱して高分子ナノファイバのみを気化させる。すると、残留した金属被覆はコイル状に収縮し、目的とする金属製ナノコイルが得られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、金属製ナノコイルを製造するに際して、可動板を含む複雑な基板を用いる必要がある。また、金属被覆を実施した後に、可動板を近接するように移動させて金属被覆高分子ナノファイバの張力を緩和させる必要があり、この張力緩和は可動板の移動距離に依存するので、制御が困難である。したがって、生産性が減少するとともに、生産コストも増大するという問題があった。
【0007】
本発明は、低コストかつ量産が可能な簡易な金属製ナノコイルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の金属製ナノコイルの製造方法は、高分子ナノファイバからなるコア部を、熱収縮性の支持部材で両端部が固定されてなる複数の線状部材上に配設する第1工程と、前記複数の線状部材上に配設された前記コア部の表面に金属薄膜を形成して、金属被覆ナノファイバを形成する第2工程と、前記支持部材を加熱して、当該支持部材を熱収縮させる第3工程と、前記金属被覆ナノファイバを加熱して前記コア部を除去する第4工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、熱収縮性の支持部材で両端部が固定されてなる複数の線状部材からなる簡易な構成の治具を用い、この治具の複数の線状部材上に高分子ナノファイバからなるコア部を配設し、その後、当該コア部に金属薄膜の形成、支持部材及び当該コア部に加熱処理を行う。すると、支持部材の加熱時に当該支持部材が熱収縮して、複数の線状部材の間隔が狭まり、残留した金属被覆ナノファイバの張力緩和が生じる。また、金属被覆ナノファイバのコア部が加熱して除去されることにより、金属製ナノコイルが形成される。
【0010】
すなわち、簡易な構成の治具に、高分子ナノファイバからなるコア部を配設した後、金属薄膜の形成、支持部材の熱収縮及びコア部の加熱処理という簡易な処理を連続して行うのみで、目的とする金属製ナノコイルを製造することができる。したがって、低コストかつ量産が可能な簡易な金属製ナノコイルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態で用いる治具の概略構成を示す図である。
【
図2】エレクトロスピニング法によるコア部の製造装置の概略図である。
【
図3】
図1に示す治具の線状部上で、高分子ナノファイバが配設された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る金属製ナノコイルの製造方法を、図面を参照して説明する。
【0013】
<第1工程>
本実施形態では、最初に、高分子ナノファイバからなるコア部を、熱収縮性の支持部材で両端部が固定されてなる複数の線状部材上に配設する第1工程を行う。
【0014】
図1は、本実施形態で用いる治具の概略構成を示す図である。
図1に示す治具10は、互いに対向する一対の熱収縮性の支持部材11と、当該支持部材11で両端部が固定されてなる複数の線状部材12からなる。
【0015】
支持部材11を構成する熱収縮性の部材は、加熱によって十分に熱収縮するような材料であることが好ましく、例えば架橋ポリエチレン等を用いることができるが、上記作用効果を奏するものであれば、これに限定されるものではない。これによって、以下に示す第3工程において、支持部材11の熱収縮を十分に行うことができ、目的とする金属製ナノコイルを簡易に製造することができる。
【0016】
支持部材11の形状は特に限定されないが、例えば、熱収縮しやすく、線状部材12を固定しやすいような箔状、シート状、棒状、管状などの任意の形状とすることができる。なお、本実施形態ではシート状としている。
【0017】
線状部材12は、以下に示すコア部の加熱除去の温度において、熱収縮や熱膨張せずに、熱的に安定であって、支持部材11に堅固に固定される材料から構成することが好ましく、例えばアルミニウム、ステンレス、鉄、銅、チタン及びタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料から構成することが好ましい。
【0018】
線状部材12の形状は特に限定されないが、例えば、支持部材11に対して、線状部材12を固定しやすいような箔状、シート状、管状、棒状などの任意の形状とすることができる。なお、本実施形態では棒状としている。
【0019】
なお、支持部材11に対して線状部材12を固定するに際しては、例えばビスやネジなどの固定部材を用いる他、支持部材11及び線状部材12の少なくとも一方の溶着、線状部材12の端部を支持部材11の周囲に巻回することに行う。また、支持部材11に孔を開けて、突き通した後、曲げて固定するような方法を用いることもできる。
【0020】
第1工程においては、上述のような治具10の線状部材12上に、高分子ナノファイバからなるコア部を配設する。このようなコア部は、例えば、エレクトロスピニング法で、線状部材12上に配設することができる。
【0021】
図2はエレクトロスピニング法によるコア部の製造装置の概略図である。製造装置20は、先端にノズル22を有するシリンジ21と高電圧電源23とを備える。また、シリンジ21の下方には、上述した治具10を配設する。このとき、ノズル22の下方には、治具10の線状部材12が位置するようにする。
【0022】
シリンジ21内に高分子を含む高分子溶液を充填する。高分子として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリウレタン(PU)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ナイロン6などを使用できる。高分子は1種類でもよく、複数種類の高分子を混合したものを用いてもよい。
【0023】
高分子溶液の溶媒は、上記高分子が溶解可能であれば特に限定されない。例えば、溶媒として水、トリクロロ酢酸、ジメチルホルミアミド、クロロホルム、メタノール、ギ酸などを用いることができる。高分子溶液中の高分子濃度は、粘度、高分子の溶解性、作製されるコア部のサイズ等を考慮して適切に設定される。
【0024】
シリンジ21のノズル22は高電圧電源23の正極に接続し、治具10は高電圧電源13の負極に接続する。
【0025】
高電圧電源23は、ノズル22と治具10との間に所定電圧(5kV以上80kV以下)を印加する。ノズル22の先端から一定の速度で高分子溶液が治具10に向かって押し出される。ノズル-アース間の電気引力によって高分子溶液が治具10の線状部12に向けて噴霧される。噴霧される際に高分子溶液中の溶媒が徐々に揮発し、治具10に到達するときにはナノファイバとなる。エレクトロスピニング法によって形成されるナノファイバは、例えば、断面の直径が30nm以上1000nm以下の繊維である。
【0026】
なお、本実施形態では、治具10の線状部材12上に、高分子ナノファイバをエレクトロスピニング法によって形成したが、メルトブロー法、延伸法等によって形成することもできる。
【0027】
<第2工程>
次いで、本実施形態では、複数の線状部材上に配設されたコア部の表面に金属薄膜を形成して、金属被覆ナノファイバを形成する第2工程を行う。
【0028】
図3に示すように、治具10の線状部材12上に、高分子ナノファイバ31を配設した後、高分子ナノファイバ31をコア部として、コア部表面に金属薄膜を形成し、金属被覆ナノファイバを形成する。金属の種類は限定されない。例えば、Pt,Auなどの貴金属や、Cu,Niが好適である。金属薄膜の形成方法には、スパッタリング法、蒸着法、CVD法などが用いられる。金属薄膜の膜厚は例えば5nm以上80nm以下である。また、高分子ナノファイバ、すなわち金属被覆ナノファイバの長さは、例えば、5~200nm、好ましくは10~50nm、より好ましくは15~100nm、さらに好ましくは20~50nmであり、特に好ましくは30nmである。
【0029】
上記の金属薄膜形成方法を用いると、成膜時に金属原子が飛来する側と反対側の面は影となる。このため、金属薄膜の膜厚は周方向に不均一となり、影になる部分が薄くなってもよい。
【0030】
<第3工程>
次いで、本実施形態では、治具の熱収縮性の支持部材を熱収縮させる第3工程を行う。
【0031】
治具10の支持部材11を熱収縮するためには当該支持部材11を加熱して行うが、この温度は、支持部材11を構成する熱収縮性の部材が十分に熱収縮するとともに、線状部材12が熱収縮や熱膨張せずに、熱的に安定であるような温度で行うことが好ましい。このような温度としては、例えば150℃以上であることが好ましい。
【0032】
なお、支持部材11の加熱温度の上限は特に限定されるものではないが、例えば300℃~500℃とすることができる。加熱温度がこれよりも高くなると、支持部材11が溶解してしまい熱収縮を行うことができない場合がある。
【0033】
本工程では、治具10の支持部材11が熱収縮するので、支持部材11で固定された線状部材12の間隔が減少する。この結果、金属被覆ナノファイバの張力緩和が生じて、当該金属被覆ナノファイバがコイル状に収縮する。
【0034】
なお、支持部材11の加熱処理による熱収縮は、第2工程における金属被覆に使用した真空装置を用いて行うことができる。この場合、熱収縮のために別途装置を用いることなく、真空装置単独で行うことができる。したがって、本実施形態における製造工程を簡易化することができ、より低コストかつ量産が可能な簡易な金属製ナノコイルの製造方法を提供することができる。
【0035】
また、同じ真空装置を用いる場合でも、第2工程における金属被覆の環境を汚染しないように、真空装置を複数の真空室から構成し、上記金属被覆と支持部材11の熱収縮とを異なる真空室で行うようにしてもよい。
【0036】
<第4工程>
次いで、本実施形態では、金属被覆ナノファイバのコア部を加熱して除去させる第4工程を行う。
【0037】
コア部の加熱は、線状部材12が熱収縮や熱膨張せずに、熱的に安定であるような温度で行うことが好ましい。このような温度としては、例えば200℃以上であることが好ましい。
【0038】
なお、加熱温度の上限は特に限定されるものではないが、例えば300℃~500℃とすることができる。加熱温度がこれよりも高くなると、支持部材11が溶解してしまい熱収縮を行うことができない場合がある。
【0039】
加熱処理は、金属被覆の種類が、Pt,Au等のように酸化されにくい金属の場合、大気中あるいは減圧下などの酸素が存在する雰囲気下、または、N2,Arなどの不活性ガス雰囲気下で熱処理が行われる。一方、Cu,Ni等のように酸化されやすい金属の場合でも特別な処理をせずに加熱できる。加熱は汎用のヒータを用いて行う。
【0040】
コア部が加熱処理されると、金属被覆は治具10の熱収縮した線状部材12に固定された状態で残留する。この結果、金属製ナノコイルが形成される。
【0041】
なお、加熱処理は、第2工程における金属被覆に使用した真空装置を用いて行うことができる。この場合、加熱処理のために別途装置を用いることなく、真空装置単独で行うことができる。したがって、本実施形態における製造工程を簡易化することができ、より低コストかつ量産が可能な簡易な金属製ナノコイルの製造方法を提供することができる。
【0042】
また、同じ真空装置を用いる場合でも、第2工程における金属被覆の環境を汚染しないように、真空装置を複数の真空室から構成し、上記金属被覆と灰化処理とを異なる真空室で行うようにしてもよい。
【実施例】
【0043】
コア部にPVAを用い、Pt製の金属ナノコイルを作製した。なお、以下の実施例においては、参考のために、上記実施形態の説明に関連して用いた図面の参照番号を用いている。
【0044】
最初に、架橋ポリエチレンからなる熱収縮性の支持部材11と、この支持部材11間に固定されるアルミニウム部材からなる複数の線状部材12とからなる治具10を作製した。なお、複数の線状部材12を構成するアルミニウム部材の間隔は20mmとし、支持部材11への固定は、アルミニウム部材を架橋ポリエチレンにピン留めすることにより行った。
【0045】
次いで、エレクトロスピニング法を用いてPVAからなるコア部を作製した。最初に、純水にPVA粉末(ケン化度86~90mol%、平均重合度1500)を添加し、温度50℃で5時間撹拌して、9wt%PVA水溶液を調整した。その後、上記治具10をシリンジ21の下方に設置し、ノズル22の先端が治具10の線状部材12に向くようにした。
【0046】
次いで、シリンジ21に上記PVA水溶液を充填した。ノズル22先端から治具10までの距離を25cmに設定した。ノズル22及び治具10の間に20kVの電圧を印加し、一定速度でノズル22先端からPVA溶液を治具10に向かって押し出した。これにより、治具10の線状部材12上にPVA製の高分子ナノファイバ(直径100nm~300nm、平均径200nm)が形成された。
【0047】
次いで、ターゲット:Pt、Ar圧力3Pa、電圧100W、基板-電極間距離3cmの条件でスパッタリングを実施した。スパッタリングにより、PVA製の高分子ナノファイバ31の表面に厚さ30nmのPt薄膜を形成し、Pt被覆ナノファイバを得た。
【0048】
次いで、治具10を成膜室とは異なる真空室に移動させ、温度200℃で5分間加熱した。このとき、治具10を構成する架橋ポリエチレンからなる熱収縮性の支持部材11が熱収縮し、支持部材11で固定された複数の線状部材12の間隔が約20mmから約14mmに減少した。次に、250℃で5分間加熱し、ナノファイバのコア部を気化させた。これによって、治具10の線状部材12上に残留した金属被覆がコイル状に収縮し、金属製ナノコイルが形成された。なお、上記加熱は、シースヒータを用いて行った。
【0049】
得られたナノコイルは、断面の最大長さ約100~300nm、螺旋径0.5~3μm、ピッチ1~10μmであった。
【0050】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0051】
上記実施形態では、互いに対向する一対の熱収縮性の支持部材11によって、線状部材12の両端を固定したが、例えば、環状の単一部材を支持部材とし、この部材の円周部に線状部材を固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 治具
11 支持部材
12 線状部材
13 高電圧電源
20 エレクトロスピニング法の製造装置
21 シリンジ
22 ノズル
23 高電圧電源
31 高分子ナノファイバ