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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020205063
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】真野 賢
【審査官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特許第7017276(JP,B1)
【文献】特開2009-261567(JP,A)
【文献】特開2003-102903(JP,A)
【文献】特開2011-206190(JP,A)
【文献】特開2010-200988(JP,A)
【文献】特開2008-295617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に対し左側を軸として開閉可能に設けられた前扉と、を備え、
前記前扉の状態には、第1状態と第2状態と第3状態とが含まれ、
前記第1状態は、前記前扉が閉鎖され、前記前扉の被支持部が前記筐体の支持部に支持されている状態であり、
前記第2状態は、前記前扉が開放され、前記前扉の被支持部が前記筐体の支持部に当接していない状態であり、
前記第3状態は、前記前扉が開放され、前記前扉の被支持部が前記筐体の支持部に当接している状態であり、
前記第1状態における、前記前扉の右下端部と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第1寸法とし、
前記第2状態における、前記前扉の右下端部と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第2寸法とし、
前記第3状態における、前記前扉の右下端部と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第3寸法とすると、
前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きくなっており、
前記第3寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きくなっており、
前記第1寸法、前記第2寸法および前記第3寸法は、遊技球の直径よりも小さくなっている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップボタン等を備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技媒体(メダル)がベットされた後、スタートレバーが操作されたことを検出すると、複数のリールの回転が開始する。また、各リールに対応して設けられたストップボタンが操作されたことを検出すると、当該ストップボタンに対応するリールの回転が停止する。
【0003】
スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、所定枚数のメダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われ、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0004】
スロットマシンには、筐体に対して前扉が開閉可能に設けられたものがある(例えば特許文献1参照)。前扉は、例えばメンテンナンスを行う際やエラーに対する処理を行う際に開放され、作業が完了すると閉じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-102495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、前扉の開閉をスムーズに行うことができるとともに、前扉を開閉する際に部品が故障する可能性を低減することが求められている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、前扉の開閉をスムーズに行うことができるとともに、前扉を開閉する際における部品が故障する可能性が低減された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
筐体と、
前記筐体に対して開閉可能に設けられた前扉と、を備え、
前記前扉の状態には、第1状態と第2状態とが含まれ、
前記第1状態は、前記前扉が閉鎖された状態であり、
前記第2状態は、前記前扉が開放された状態であり、
前記第1状態における、前記前扉の下端と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第1寸法とし、
前記第2状態における、前記前扉の下端と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第2寸法とすると、
前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、前扉が前記第2状態(開放状態)の場合における前記第2寸法が、前扉が前記第1状態(閉鎖状態)の場合における前記第1寸法よりも小さいが、その場合であっても、前記第2寸法は、遊技メダルの厚さよりは大きくなっている。このため、筐体の載置面に遊技メダルが存在している状態で、前扉を開閉させた場合であっても、前扉の下端が当該遊技メダルに接触することがない。よって、前扉の開閉をスムーズに行うことができる。また、当該遊技メダルの存在によって、前扉を開閉できないという問題や、当該遊技メダルを挟み込むことにより部品が破損するという問題が生じるのを防ぐことができる。換言すると、前扉を開閉する際に部品が故障する可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前扉の開閉をスムーズに行うことができるとともに、前扉を開閉する際に部品が故障する可能性を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
図2】同、筐体内部の構成を示す斜視図である。
図3】同、遊技メダルおよび遊技球を示す図である。
図4】同、電源ユニットを示す図であって、(a)は底面側から見た斜視図であり、(b)は放熱孔を示す図である。
図5】同、筐体の底板を前方から見た斜視図である。
図6】同、筐体内部の左下を示す、前方から見た図である。
図7】同、筐体内部の左下を示す、前方から見た斜視図である。
図8】同、筐体内部の左下を上方側から見た図である。
図9】同、筐体内部の左下を示す、前方から見た斜視図であって、リブの変形例を示すものである。
図10】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、筐体内部の下側を前方から見た斜視図である。
図11】同、遊技機の構成を示すものであって、(a)は電源ユニットを底面側から見た斜視図であり、(b)は底板の一部を前方側から見た図である。
図12A】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、遊技機を前方から見た図である。
図12B】同、図12Aに示すS-S線の断面図であって、前扉が第1状態にある場合を示す。
図12C】同、図12Aに示すS-S線の断面図であって、前扉が第2状態にある場合を示す。
図12D】同、図12Aに示すS-S線の断面図であって、前扉が第3状態にある場合を示す。
図13】本発明の第4の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、受皿およびキャンセルシュートを前方から見た斜視図である。
図14】同、受皿およびキャンセルシュートを前方から見た分解斜視図である。
図15】同、払出口とキャンセルシュートの接続部分を前方(正面)から見た図である。
図16】同、払出口とキャンセルシュートとの接続部分に設けられている段差について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0013】
図1は、スロットマシンXを示す斜視図である。また、図2は、スロットマシンXの筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0014】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0015】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分と下側部分とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシンXは、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能ないわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。上扉は、ヒンジを介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジを介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0016】
前扉20の上部中央には、平板状のパネル21が設けられている。また、パネル21は、その中央部に形成された透明な表示窓(窓部)22と、表示窓22を囲うように形成され、絵柄等が描かれた(絵柄等が印刷された)意匠部23と、を備えている。この意匠部23の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって意匠部23に描かれた絵柄等が背後から照らされるようになっている。
【0017】
表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシンXでは、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置24,25、スピーカ27等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0019】
スピーカ27は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカ27は、各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、照明装置24,25やスピーカ27の他に、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する表示装置(液晶ディスプレイ)や、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0020】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシンXを操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、クレジット(貯留)されたメダルを払い出す際に操作される精算ボタン31、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cそれぞれの回転を停止させる際に操作される3個のストップボタン33a,33b,33c、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン(図示せず)、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、演出の態様を変化させる際等に操作される演出ボタン(図示せず)、等が設けられている。なお、演出ボタンは、操作部30以外の所定の箇所(前扉20)に設けられていてもよい。
【0021】
また、前扉20の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口(図示せず)と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿38、等が形成されている。また、操作部30とメダル受け皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0022】
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14等が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cと、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)と、これらリール15a~15cおよび駆動モータ等が取り付けられこれらを一体的に支持するリールフレーム(フレーム部材)13とを有している。
【0023】
また、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット10、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット11(メダル払出装置11)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。
【0024】
底板4には、前後方向に延びる(延在する)レール部50,50(ホッパーレール)が設けられている(図5参照)。レール部50,50(一対のレール部)(左レール部と右レール部)は、左右方向に所定の間隔をあけた状態で互いに平行となるように設けられている。レール部50,50は、メダル払出装置11の移動を案内(ガイド)し、メダル払出装置11を筐体1の内部の所定の位置に配置するために設けられている。換言すると、レール部50,50は、メダル払出装置11を前後方向に移動可能に保持する。レール部50,50に沿って移動するメダル払出装置11は、手前側に引き出して遊技機(筐体1)から取り外したり、後ろ側(奥側)に押し込むことで遊技機(筐体1)に取り付ける(配置する)ことができるようになっている。換言すると、メダル払出装置11は、底板4の上における前後方向への移動(スライド)により、遊技機(筐体1)に着脱自在となっている。メダル払出装置11は、メダルの払い出しに不具合が発生した場合や、定期的なメンテナンスを行う場合等に対処できるようにするため、筐体1の内部に固定されず、着脱自在(引き出し可能)となっている。
【0025】
メダル払出装置11には、スロットマシンXに投入されたメダルが溜められ、この溜められたメダルやメダル払出装置11に補給されたメダルは、当選役の入賞やクレジットされたメダルの精算に基づき、メダル払出装置11によって外部に払い出される。
【0026】
図3は、遊技に用いられる遊技メダルMを示している。なお、遊技球Bについては後述する。ここで、遊技メダルMの直径を寸法L4とし、遊技メダルMの厚さを寸法L5とする。寸法L4はφ25(直径約25mm)となっており、寸法L5は約1.6mmとなっている。なお、遊技メダルMは、寸法L4がφ30(直径約30mm)となっており、寸法L5が約1.7mmとなっているものでもよい。
【0027】
図2に示すように、縦長の箱形状に形成されている電源ユニット10は、筐体1の底板4に載置されている。本実施形態では、電源ユニット10は、底板4の上における左後方側(左奥)となる位置に配置されている。換言すると、電源ユニット10は、その背面を背板3に近接させ、その左側面を左側板5に近接させた状態で、筐体1の内部に配置されている。
【0028】
図4(a)は、電源ユニット10を底面側から見た斜視図である。電源ユニット10の底面10aには、複数の放熱孔10bが形成されている。具体的には、電源ユニット10は、電源基板(図示せず)、電源ケース91、電源スイッチ(図示せず)、電源スイッチカバー92、板状部93等を備えており、電源ケース91の底面10aに、複数の放熱孔10bが形成されている。電源ケース91は、例えば金属製である。電源基板は、電源ケース91の内部における右側に収容(配置)されており、電子部品が配置(実装)されている面(実装面)が左側を向く(左側板5と対向する)ように配置されている。
【0029】
放熱孔10bは、電源ユニット10の内部で発生した熱を逃がすために設けられている。本実施形態では、放熱孔10bは、横長の長孔となっており、前後方向に沿って所定の間隔ごとに複数設けられている。また、放熱孔10bは、前後方向に沿って2列に設けられている。図4(b)に示すように、放熱孔10bは、長手方向の長さ(寸法)が約20mmとなっており、短手方向の長さ(寸法)が約1.8mmとなっている。放熱孔10bは、仮に、遊技メダルM(以下、メダル)を放熱孔10bに挿入した場合であっても、メダルを通過させることができない大きさとなっている。
【0030】
なお、放熱孔10bは、放熱機能を有していれば、さらに他の機能を有していてもよい。換言すると、放熱孔10bは、放熱機能を含む複数の機能を有していてもよい。また、放熱孔10bは、電源ユニット10(電源ケース91)における他の面にも設けられていてもよい。本実施形態では、電源ユニット10の底面10aに加え、電源ユニット10の上面および背面にも複数の放熱孔10bが形成されている。放熱孔10bをより多く設けることで、放熱効果をより高めることができる。
【0031】
図5は、電源ユニット10が配置(載置)される箇所を前方側から見た斜視図である。底板4の上面であって電源ユニット10の底面10aと対向(対応)する位置には、前後方向に延びる(延在する)リブ60(複数のリブ)が形成されている。本実施形態では、リブ60として、左側から右側に向かってリブ61、リブ62、リブ63、リブ64の4本のリブが形成されている。寸法について詳細は後述するが、各リブは、左右方向に間隔をあけて設けられており、底板4の上面から上方に向かって所定の長さ突出している。
【0032】
図6および図7は、電源ユニット10が底板4(リブ60)の上に載置された状態を示している。電源ユニット10の底面10aと筐体1の底板4との間には空間Sが形成されている。換言すると、底板4の上方であって、電源ユニット10の底面10aの下方となる位置に、空間Sが形成されている。電源ユニット10は、その左側面から連続するように形成された板状部93(図4(a)参照)を備えているが、この板状部93に設けられたねじ穴にねじをねじ込むことによって、板状部93が左側板5に固定されている。
【0033】
本実施形態では、空間Sは、電源ユニット10がリブ60の上に載置されることによって形成されている。換言すると、空間Sは、電源ユニット10の底面10aがリブ60以外と接触しないようにすることで形成されている。空間Sは、電源ユニット10の放熱孔10bを塞がないようにし、放熱孔10bを介して排出された熱を逃がすため(電源ユニット10の下方に熱がこもるのを防ぐため)の空間(放熱用の空間)となっている。空間Sの上下方向寸法は、メダル厚さ(約1.6mm)よりも大きくなっている。
【0034】
なお、本実施形態では、図7に示すように、リブ60が電源ユニット10の前面よりもさらに前方側(手前側)となる位置まで延びているが、リブ60の前方側の先端は、電源ユニット10の前面と揃う位置であってもよく、電源ユニット10の前面よりも僅かに後方であってもよい。また、リブ60を構成するリブのうちの一部のリブが、電源ユニット10の底面10aに接触せず、電源ユニット10の底面10aとの間に僅かな隙間が形成されていてもよい。例えば、リブ61~63が電源ユニット10の底面10aに接触し、リブ64と電源ユニット10の底面10aとの間に僅かな隙間が形成されていてもよい。ただし、当該隙間は、メダルの厚さよりも小さくなっているものとする。
【0035】
電源ユニット10の右側にはメダル払出装置11が配置されており、筐体1の内部において、底板4の上にメダルが落下する場合がある。よって、本実施形態のように空間Sを設けた場合、底板4の上に落下したメダルが空間Sの内部に侵入するおそれがある。空間Sの内部にメダルが侵入すると(1)メダルが放熱の妨げとなって放熱効果が低減され、電源ユニット10に関する部品が高温となって故障(破損)するおそれがある。(2)また、遊技場内で遊技機の設置位置を変更する場合があるが、その際に空間Sにメダルが存在していると、遊技機の移動に伴ってメダルが移動し、メダルが遊技機内部の部品と衝突して部品が故障(破損)するおそれがある。(3)また、遊技機をリユース製品として再利用等する際に、空間Sにメダルが侵入していないかを確認し、侵入している場合には当該メダルを取り除くという作業が発生する。換言すると、作業負担が増大する。
【0036】
本実施形態に係るリブ60は、空間Sの内部へのメダルの侵入を防ぐメダル侵入防止部(メダル侵入防止手段)となっている。なお、「空間Sの内部へのメダルの侵入を防ぐ」という場合、空間Sの内部へのメダルの半分以上の侵入を防ぎ、メダルの一部(半分未満)の侵入を許容する場合を含む。空間Sへのメダルの半分以上の侵入を防ぎ、メダルの一部の侵入を許容するとは、例えば、空間Sの内部へのメダルの80%程度の侵入を防ぎ、メダルの20%程度の侵入を許容するものである。
【0037】
図8は、電源ユニット10および底板4を上方側から見た図であって、メダルMとリブ60(メダル侵入防止部)の端部とが接触している状態を示している。換言すると、空間Sの内部へのメダルの侵入がリブ60によって妨げられている状態を示している。隣り合うリブとリブの間隔(左右方向の間隔)がメダルの直径よりも小さくなっているため(メダルの直径未満となっているため)、前方側(正面側)から空間Sにメダルが侵入しないようになっている。また、電源ユニット10とメダル払出装置11との間にメダルが落下した場合であっても、最も右のリブ60(リブ64)が存在しているため、右側から空間Sにメダルが侵入しないようになっている。
なお、隣り合うリブとリブの間隔の下限は、例えば約5mmとなっている。
【0038】
図5に示すように、隣り合うリブ61とリブ62の間隔(距離)は約20mmとなっている。また、隣り合うリブ62とリブ63の間隔は約15mmとなっている。また、隣り合うリブ63とリブ64の間隔は約5mmとなっている。したがって、メダルの直径がφ25であってもφ30であっても、隣り合うリブとリブの間隔は、メダルの直径よりも小さい。メダルの直径をφ25とする場合、隣り合うリブとリブの間隔は、メダルの直径の20%~80%程度となっている。隣り合うリブとリブの間隔は、メダルを水平面に対して傾けた状態(斜めの状態)としても、メダルの侵入を防ぐことが可能な間隔となっている。
なお、本実施形態では、隣り合うリブとリブの間隔が均等となっていないもの(右側ほど間隔が狭くなっているもの)としたが、当該間隔は均等となるように形成されていてもよい。
【0039】
空間Sの上下方向寸法は、遊技メダルの直径(例えば約25mm)よりも小さくなっている。メダルの端部(側面、外周面)が底板4の上面に接触した状態をメダルが起立した状態とすると、起立した状態のメダルは空間Sに侵入しないようになっている。本実施形態では、リブ60(各リブ)の高さ(すなわち突出量)は、約10mmとなっている。リブの高さが極めて低いと空間Sの大きさが小さくなり、電源ユニット10から排出された熱が逃げにくくなるという問題が生じ得る。一方、リブの高さが高すぎると、強度不足によるリブの破損や、電源ユニット10の上方(周囲)に配置される他の部品の配置スペースが狭くなるという問題が生じ得る。そこで、リブ高さは、約5mm程度から約10mm程度の範囲内であることが好ましい。本実施形態では、リブ高さを好適な高さとしているため、上記のような問題が発生するのを防止できる。
【0040】
図5に示すように、最も左のリブ61と筐体1の左側板5の内面との間隔は、約20mmとなっている。このため、最も左のリブ61と左側板5の間にも、前方からメダルが侵入しないようになっている。また、最も右のリブ64と左側のレール部50の左端との間隔は、約20mmとなっている。このため、最も右のリブ64と左側のレール部50との間にも、前方からメダルが侵入しないようになっている。
【0041】
図7に示すように、底板4の所定の位置(例えばリブ61の前方側となる位置等)に、ねじがねじ込まれることがある。その場合、例えば所定のリブ(リブ62)の端部(前方側の先端部)とねじの頭部との間の距離がメダルの直径よりも小さくなっていて、空間S側へのメダルの移動(空間Sへのメダルの侵入)が妨げられるようになっていてもよい。換言すると、ねじの頭部がメダル侵入防止部として機能するようになっていてもよい。さらに換言すると、筐体等にねじ締め(ねじ留め)されたねじ(ねじの頭部)が、空間Sへのメダルの侵入を防ぐ機能を有するものとなっていてもよい。
【0042】
図5に示すように、筐体1の左側板5の内面に、前後方向に延びる(延在する)リブ110(複数のリブ)が設けられている。本実施形態では、リブ110として、上側から下側に向かってリブ111、リブ112、リブ113、リブ114の4本のリブが形成されている。各リブは、上下方向に間隔をあけて設けられており、左側板5から右側に向かって所定の長さ突出している。本実施形態では、リブ110の突出量は約10mmとなっている。リブ111~114の先端は、電源ユニット10の左側面に接触(当接)する。また、筐体1の左側板5の内面(リブ110が設けられていない箇所)と電源ユニット10の左側面との間の隙間は、約10mmとなっている。
【0043】
(変形例1)
本実施形態では、リブ60として4本のリブを設けた例を示したが、これに限るものではない。図9では、リブ60として3本のリブ61~63を設けた例を示している。この例では、隣り合うリブとリブの間隔が均等となっており、各間隔は約20mm(φ25のメダルの直径の80%程度)となっている。隣り合うリブとリブの間隔がメダルの直径よりも小さくなっているため、前方から空間Sにメダルが侵入しないようになっている。本例のように、リブの数を3本とする場合、リブの数を4本とする場合に比べて、リブが、電源ユニット10の底面10aの放熱孔10b(開口)を覆う(塞ぐ)面積を小さくできる。このため、熱の排出を妨げる面積をより小さくでき、放熱効果をより高めることができる。
【0044】
(変形例2)
本実施形態では、底板4(筐体1)が樹脂製となっており、底板4とリブ60とが樹脂で一体に形成されているものとしたが、底板4とリブ60とは別体(別部品)で構成されていてもよい。例えば、底板4を木製とし、リブ60を金属製としてもよい。その場合、リブ60は、各リブが独立して形成されているものであってもよく、一体に形成されているものであってもよい。各リブが一体に形成されているとは、例えば、1枚の板金の上に各リブが形成されて、一部品となっているものである。
【0045】
(変形例3)
本実施形態では、前後方向に延びるリブ60をメダル侵入防止部としたが、メダル侵入防止部の形状は、これに限るものではない。例えば、底板4の上面に形成(または配置)された柱状(円柱状、角柱状)のボスであってもよい。ボスは、底板4の上面から所定の長さ突出するように形成され、その上に電源ユニット10が配置されて空間Sが形成される。このとき、隣り合うボスとボスの間隔は、メダルの直径よりも小さくなっており、空間Sにメダルが侵入しないようになっている。
【0046】
(変形例4)
本実施形態では、リブ60が前後方向に沿って延びるものとしたが、これに限らず、リブ60は左右方向に沿って延びるものであってもよい。その場合であっても、隣り合うリブとリブの間隔は、メダルの直径よりも小さくなっており、空間Sにメダルが侵入しないようになっている。
【0047】
(変形例5)
本実施形態では、リブ60が底板4に設けられているものとしたが、リブ60に相当する構成が電源ユニット10の底面10aに設けられていてもよい。換言すると、電源ユニット10の底面10aに、下方に向かって突出するとともに、前後方向に延びるように、複数のリブ(リブ60に相当する)が形成されていてもよい。その場合、電源ユニット10の底面10aに形成されたリブが底板4に接触(当接)することで、空間Sが形成される。
【0048】
本実施形態の遊技機は、
筐体と、
前記筐体の内側に配置された電源ユニットと、
前記電源ユニットの底面に形成された放熱孔と、
前記電源ユニットの底面と前記筐体の底板との間に形成され、上下方向の寸法が、遊技メダルの厚さよりも大きくなっている空間と、
前記空間の内部に遊技メダルの半分以上が侵入することを防ぐメダル侵入防止部と、
を備える。
【0049】
このため、前記空間の内部に遊技メダルの半分以上が侵入することを防ぐことができる。これにより、メダルが前記空間の内部に侵入して放熱を妨げ、部品が高温となって故障する可能性を低減できる。また、遊技場において遊技機の設置位置を変更する際に、前記空間内に侵入したメダルが移動して衝突することにより、遊技機内部の部品が故障する可能性を低減できる。また、遊技機をリユース製品として再利用等する際に、前記空間にメダルが侵入していないかを確認し、侵入している場合には当該メダルを取り除くという作業が発生するのを抑制できる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0051】
図10に示すように、本実施形態に係る電源ユニット10は、その背面を背板3に当接させ、その左側面を左側板5に当接させた状態で、筐体1の内部(内側)に配置されている。電源ユニット10の背面と筐体1の背板3との間には隙間が形成されておらず、メダルが侵入しないようになっている。また、電源ユニット10の左側面と筐体1の左側板5との間には隙間が形成されておらず、メダルが侵入しないようになっている。本実施形態では、電源ユニット10のケース(後述する脚部を含む)および筐体1(底板4)は、いずれも金属で形成されている。
【0052】
図11(a)は、本実施形態に係る電源ユニット10を底面側から見た斜視図である。電源ユニット10の底面10aには、複数の放熱孔10bが形成されている。また、電源ユニット10の下方には、脚部70(複数の脚部)が形成されている。この脚部70が底板4と接触することで、電源ユニット10の底面10aと底板4との間に空間Sが形成される。本実施形態では、脚部70には、前方側に設けられた第1脚部71(前脚部)と、右側に設けられた第2脚部72(右脚部)と、後方側に設けられた第3脚部73(後脚部)と、がある。
【0053】
第1脚部71は、電源ユニット10の底面10aの前方側から下方に向かって延びるとともに、屈曲して前方に延びるように形成されており、前方に向かって延びる部位(平面部)が底板4との接触面となる。第1脚部71は、左右方向から見てL字状となっている。
また、第3脚部73は、電源ユニット10の底面10aの後方側から下方に向かって延びるとともに、屈曲して前方に延びるように形成されており、前方に向かって延びる部位(平面部)が底板4との接触面となる。第3脚部73は、左右方向から見てL字状となっている。
また、第2脚部72は、電源ユニット10の底面の右側から下方に向かって延びるとともに、屈曲して左側(電源ユニット10の下方側)に延びるように形成されており、左側に向かって延びる部位(平面部)が底板4との接触面となる。第2脚部72は、前後方向から見てL字状となっている。
【0054】
第2脚部72(第2脚部72における下方に向かって延びる部位)(第2脚部72における底板4と垂直となる部位)には、前後方向に沿って、所定の間隔ごとに開口72aが形成されている(第2脚部72は、開口72aを形成している)。開口72aは、空間Sに排出された熱を外に逃がすために設けられている。開口72aは、前後方向に長尺で、上下方向に短尺な孔となっている(開口72aは横長の孔となっている)。
【0055】
開口72aを有する第2脚部72は、空間Sの内部へのメダルの侵入を防ぐメダル侵入防止部となっている。ここで、開口72aの長手方向の寸法を、開口72aの幅という。開口72aの幅は、メダルの直径よりも小さくなっている(メダルの直径未満となっている)。換言すると、開口72aは、空間Sの内部へのメダルの半分以上の侵入を防ぐ大きさ(メダルを通過させることができない大きさ)で形成されている。
【0056】
具体的には、開口72aの幅は、約20mmとなっている。また、開口72aの上下方向(短手方向)の寸法は、約4mmとなっている。
【0057】
なお、第1脚部71(第1脚部71における底板4と垂直となる部位)には開口72aが設けられていないため、前方側から空間Sの内部にメダルが侵入することはない。よって、第1脚部71は、空間Sへのメダルの侵入を防いでいるとも言える。ただし、第1脚部71に開口72aを設け、前方側にも熱が排出されるようにしてもよい。第1脚部71に開口72aを設けた場合であっても、メダル侵入防止部として機能する。
また、電源ユニット10の背面と筐体1の背板3との間に隙間が形成されている場合、第3脚部73(第3脚部73における底板4と垂直となる部位)にも開口72aを設けてもよい。第3脚部73に開口72aを設けた場合であっても、メダル侵入防止部として機能する。
【0058】
本実施形態では、第2脚部72が、底板4との接触面となる平面部を有するものとしたが、第2脚部72は当該平面部を有していなくてもよい。換言すると、第2脚部72は、下方に向かって延びる部位(底板4と垂直となる部位)のみで形成されていてもよい。その場合、下方に向かって延びる部位の先端が、底板4の上面と接触することとなる。第2脚部72が開口72aを形成しているという場合、下方に向かって延びる部位が複数形成されており、それらの間に所定の開口(隙間)が形成されている場合を含む。その場合、開口72aは、第2脚部72と底板4の上面とによって形成されることとなる。
【0059】
本実施形態では、開口72aが所定の脚部(自体)に形成されているものとしたが、開口72aは、隣り合う2つの脚部(例えば第1脚部71と第2脚部72)によって形成されるものであってもよい。換言すると、隣り合う脚部と脚部の間に形成される隙間が開口72aであり、開口72aの幅がメダルの直径よりも小さくなっていてもよい。さらに換言すると、複数の脚部が、メダルが侵入しない程度の間隔をあけて(空けて)形成されていてもよい。例えば本実施形態のように第1脚部71~第3脚部73の3つの脚部が設けられている場合、第1脚部71と第2脚部72との間に開口72a(図11(a)に示すV部)が形成され、第2脚部72と第3脚部73との間に開口72a(図11(a)に示すW部)が形成される。つまり、3つの脚部によって2つの開口が形成される。このように、開口72aの形成には、開口72aが所定の脚部に形成されている場合と、開口72aが複数の脚部によって形成されている場合とがある。「脚部は、開口を形成しており」いう場合、それらの場合のいずれか一方の場合であってもよく、両方の場合であってもよい。
【0060】
図11(b)は、底板4の一部を前方側から見た図であるが、底板4の上面に規制部4aが形成されていてもよい。この規制部4aは、底板4から上方に向かって延びるとともに、屈曲して右方(右側)に延びるように形成されている。また、規制部4aは、前後方向に長尺に形成されており、電源ユニット10の第2脚部72と係合可能となっている。規制部4aを設けた場合、図10に示す状態から電源ユニット10を上方に移動させようとしても、第2脚部72と規制部4aとが係合しているため、上方に移動しない。つまり、電源ユニット10の上方への移動を規制することができる。
【0061】
電源ユニット10の前面の下側には電源スイッチ(図示せず)が設けられており、電源スイッチを覆うように樹脂製の電源スイッチカバー95(図10参照)が設けられている。電源スイッチカバー95と電源ユニット10の第1脚部71とには、対応(対向)する位置にねじ穴が設けられており、ねじを当該ねじ穴に挿入して締め付けることで、電源スイッチカバー95が第1脚部71とともに底板4に固定されるようになっている。
【0062】
本実施形態の遊技機は、さらにアース線(図示せず)を備えており、アース線の先端に設けられた丸型端子を、第1脚部71のねじ穴と電源スイッチカバー95のねじ穴との間に、両ねじ穴と同軸となるように配置し、ねじをそれらの穴(3つの穴)に挿入して締め付けることで、アース線が電源スイッチカバー95および第1脚部71とともに、底板4に固定される。
【0063】
図10に示すように、電源ユニット10の右側面(第2脚部72の側面)と、左レール部50の側面(左側面)との間の距離は、約20mmとなっており、遊技メダルの直径よりも小さく(狭く)なっている。なお、左レール部50の左側面という場合、図9に示すG部を指してもよい。その場合であっても、電源ユニット10の右側面と、左レール部50の側面(左側面)との間の距離は、遊技メダルの直径よりも小さくなっている。
このため、電源ユニット10とメダル払出装置11との間(隙間)へのメダルの侵入を妨げることができる。また、仮に当該隙間にメダルが落下した場合であっても、メダルの片側(左レール部50側)は底板4に接触せず、浮き上がった状態となる。換言すると、メダルの表面または裏面の全体が底板4に接触する状態とならない。これにより、作業者がメダルを容易に取り除くことができる。
【0064】
なお、本実施形態では、電源ユニット10の長手方向(第1脚部71と第3脚部73とを結ぶ方向)が左側板5(の内面)に沿うように(前後方向に沿うように)、電源ユニット10を筐体内における左側板5側に配置した。ただし、これに限らず、電源ユニット10の長手方向が背板3(の内面)に沿うように(左右方向に沿うように)、電源ユニット10を筐体内における背板3側に配置してもよい。このとき、第1脚部71が左側板5側に位置し、第3脚部73が右側板6側に位置し、第2脚部72が前方側(前側)に位置している。電源ユニット10は、メダル払出装置11の後方側(後側)に配置されている。換言すると、メダル払出装置11は、電源ユニット10の前方側(前側)に配置されている。
【0065】
この場合、電源ユニット10の前方側の面(前側面)(前面)と、レール部50(左レール部および右レール部)の後方側の面(後側面)(後面)との間の距離(隙間)は、遊技メダルの直径よりも小さくなっている。また、電源ユニット10の前方側の面(前側面)(前面)と、メダル払出装置11(における本体部11a(後述する))の後方側の面(後側面)(後面)との間の距離(隙間)は、遊技メダルの直径よりも小さくなっている。このため、電源ユニット10とメダル払出装置11(またはレール部50)との間(隙間)へのメダルの侵入を妨げることができる。また、この場合、開口72a(例えば脚部と脚部との間に形成された1つの開口)の幅が、メダルの直径よりも大きくなっていてもよい。その場合であっても、電源ユニット10の前側面とメダル払出装置11(の本体部11a)の後側面との間の隙間が、遊技メダルの直径よりも小さくなっているため、当該隙間にメダルが落下(侵入)した場合でも、当該開口(幅の広い開口)を介して空間Sの内部へ遊技メダルが侵入するのを妨げる(困難とする)ことができる。この場合、当該隙間が空間Sへのメダルの侵入を防ぐメダル侵入防止部として機能していると言うことができる。
【0066】
ここで、メダル払出装置11について補足説明する。図10に示すように、メダル払出装置11は、下部に設けられる本体部11aと、本体部11aの上部に設けられる(装着される)タンク部11bと、を備えている。メダル払出装置11は、メダルを、前扉20に設けられた払出口に向けて払い出す装置である。メダル払出装置11から払い出されたメダルは当該払出口を介して受皿38に払い出される。
【0067】
タンク部11bは、略皿状(略器状)に形成されており、メダル投入口34から投入されたメダルを貯留(蓄積)可能となっている。また、タンク部11bは、上方から供給されたメダルを蓄積するとともに、メダルを下方の本体部11aへ供給する。
【0068】
本体部11aは、タンク部11bから供給されたメダルを、本体部11aに設けられた開口(メダル排出口)から外部(前扉20の排出口)に排出する。本体部11aは、略箱状に形成されており、外壁を構成するケース部を備えている。ケース部は、底面と前側面と左側面と右側面と後側面とを含む面を有するように形成されている。
なお、図示は省略するが、ケース部にはディスクやモータ等が設けられている。ディスクは複数の嵌入孔を備えており、各嵌入孔はメダルを1枚ずつ嵌入可能に形成されている。本体部11aでは、モータの駆動によってディスクが回転すると、嵌入孔に嵌入しているメダルが、本体部11aに設けられた開口(メダル排出口)から排出されるようになっている。
【0069】
本実施形態では、電源ユニット10にメダル侵入防止部としての第1脚部71~第3脚部73が設けられているものとした。ここで、電源ユニット10に第1脚部71~第3脚部73が設けられておらず、第1脚部71~第3脚部73の代わりに支持部材(板金部材)が設けられている場合をについて説明する。支持部材は、筐体1の内側(例えば底板4の上面)にねじ締め(ねじ留め)等により固定されている。また、電源ユニット10は、この支持部材にねじ締め等により固定されている。すなわち、電源ユニット10は、支持部材を介して筐体1の内面に固定されている。これにより、電源ユニット10の底面10aと底板4との間に空間Sが形成されるようになっている。支持部材は、電源ユニット10を支持可能に形成されており(電源ユニット10を支持可能な形状を有しており)、複数の脚部(例えば第1脚部71~第3脚部73に相当する脚部)を備えている。支持部材(の脚部)は、空間Sへのメダルの侵入を防ぐメダル侵入防止部として機能する。この場合、少なくとも1つの脚部に開口72aが形成されていてもよく、また、隣り合う脚部と脚部とによって開口72aが形成されていてもよい。
【0070】
本実施形態の遊技機は、
筐体と、
前記筐体の内側に配置された電源ユニットと、
前記電源ユニットの底面に形成された放熱孔と、
前記電源ユニットの底面と前記筐体の底板との間に形成され、上下方向の寸法が、遊技メダルの厚さよりも大きくなっている空間と、
前記空間の内部に遊技メダルの半分以上が侵入することを防ぐメダル侵入防止部と、
を備える。
【0071】
このため、前記空間の内部に遊技メダルの半分以上が侵入することを防ぐことができる。これにより、メダルが前記空間の内部に侵入して放熱を妨げ、部品が高温となって故障する可能性を低減できる。また、遊技場において遊技機の設置位置を変更する際に、前記空間内に侵入したメダルが移動して衝突することにより、遊技機内部の部品が故障する可能性を低減できる。また、遊技機をリユース製品として再利用等する際に、前記空間にメダルが侵入していないかを確認し、侵入している場合には当該メダルを取り除くという作業が発生するのを抑制できる。
【0072】
また、本実施形態の遊技機において、
前記メダル侵入防止部は、前記電源ユニットの脚部であり、
前記脚部は、開口を形成しており、
前記開口は、前記空間の内部への遊技メダルの半分以上の侵入を防ぐ大きさで形成されている。
【0073】
前記メダル侵入防止部としての前記電源ユニットの脚部は、前記空間の内部への遊技メダルの半分以上の侵入を防ぐ大きさで形成された開口を備えている。このため、前記空間の内部への遊技メダルの半分以上の侵入を防ぐとともに、前記電源ユニットから前記空間へ排出された熱を、前記開口を介して外に逃がすことができる。これにより、部品が故障する可能性を低減できる。
【0074】
また、本実施形態の遊技機は、
前記電源ユニットの右側に配置されたメダル払出装置と、
前記メダル払出装置を前後方向に移動可能に保持する左レール部と右レール部と、を備え、
前記電源ユニットの右側面と、前記左レール部の左側面との間の距離が、遊技メダルの直径よりも小さくなっている。
【0075】
前記電源ユニットの右側面と、前記左レール部の左側面との間の距離が、遊技メダルの直径よりも小さくなっているため、前記電源ユニットと前記左レール部との間への遊技メダルの侵入を妨げることができる。また、仮に前記電源ユニットと前記メダル払出装置との間にメダルが落下した場合であっても、メダルの片側(左レール部側)は底板に接触せず、浮き上がった状態となる。換言すると、メダルの表面または裏面の全体が底板に接触する状態とならない。これにより、作業者が容易にメダルを取り除くことができる。
【0076】
また、本実施形態の遊技機は、
筐体と、
前記筐体の内側に、前記筐体の背面(背板)に沿うように配置された電源ユニットと、
前記電源ユニットの前側に配置されたメダル払出装置と、
前記電源ユニットの底面に形成された放熱孔と、
前記電源ユニットに形成された複数の脚部と、
前記電源ユニットの底面と前記筐体の底板との間に形成され、上下方向の寸法が、遊技メダルの厚さよりも大きくなっている空間と、
前記脚部と前記脚部との間に形成された少なくとも1つの開口と、を備え、
前記電源ユニットの前側面(前面)と、前記メダル払出装置の後側面(後面)との間の隙間が遊技メダルの直径よりも小さくなっている。
【0077】
前記電源ユニットの前側面(前面)と、前記メダル払出装置の後側面(後面)との間の隙間が、遊技メダルの直径よりも小さくなっている。このため、前記隙間にメダルが落下(侵入)した場合であっても、前記開口を介して前記空間の内部へ遊技メダルが侵入するのを妨げる(困難とする)ことができる。
【0078】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0079】
図12Aは、本実施形態の遊技機を正面から見た図である。また、図12B図12C図12Dは、図12Aに示すS-S線における断面図である。S-S線の位置は、遊技機の右端(筐体1の右側面)から、所定の寸法(例えばメダルの直径程度に相当する寸法)だけ左側に移動(オフセット)した位置となっている。
前扉20は、筐体1の左側に設けられたヒンジを介して筐体1に回動可能(開閉可能)に連結されており、筐体1の開口部(前面開口部)を開閉するようになっている。詳細は後述するが、図12Bは前扉20が「第1状態」である場合を示しており、図12Cは前扉20が「第2状態」である場合を示し、図12Dは前扉20が「第3状態」である場合を示している。
【0080】
図12Bに示すように、前扉20の背面における、回転軸側とは反対側となる位置(前扉20の背面に正対した場合における左側)には、後方に向かって突出するように形成された被支持部81(凸部)が設けられている。本実施形態では、被支持部81の先端にローラー部が設けられている。また、筐体1の内部を正面から見た場合における右側であって、前扉20を閉じた際の被支持部81に対応する位置には、支持部82が形成されている。支持部82は、被支持部81を下方から支持可能に形成されている。
【0081】
本実施形態では、支持部82は、板状に形成されており、上下方向と垂直または略垂直となる板面を有するように配置されている。支持部82は、例えば、筐体1の右側板の内面にねじ締め等により固定されている。前扉20を開いた状態(開放状態)から閉じた状態(閉鎖状態)へと移動させる際に、まず、被支持部81のローラー部が支持部82の手前側(前方側)に接触(当接)し、次に、被支持部81のローラー部が支持部82の上に載り(乗り上げ)、次に、ローラー部が支持部82の上を後方側へ進み、所定の位置で停止する。
【0082】
前扉20の状態(位置)には、第1状態と、第2状態と、第3状態とが含まれる。
(第1状態)
図12Bに示すように、第1状態は、前扉20が閉じており(閉鎖状態であり)、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82によって支持されている状態である。本実施形態では、被支持部81が支持部82に荷重を加えている(載荷している)状態である。支持部82が被支持部81を上方に持ち上げているとも言える。
【0083】
(第2状態)
図12Cに示すように、第2状態は、前扉20が開いており(開放状態であり)、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82に当接(接触)していない状態(離間している状態)である。
【0084】
(第3状態)
図12Dに示すように、第3状態は、前扉20が開いており、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82に当接(接触)している状態である。第3状態は、被支持部81が支持部82に当接しているが、被支持部81が支持部82によって支持されておらず、前扉20が完全に閉まらずに開いている状態(半開放状態:少しだけ開放している状態)とも言える。なお、第3状態は、支持部82の先端部(だけ)が被支持部81を支持している状態であってもよい(被支持部81が支持部82の先端部(だけ)によって支持されている状態であってもよい)。また、第3状態は、第2状態よりも前扉20の開放角度が小さい状態とも言える。前扉20の開放角度とは、例えば、筐体1の前面と前扉20の背面とがなす角度とする。
【0085】
遊技機(筐体1)の底面4b(底板4の下面)は、相手部材(島設備等)と接触する面(設置面)となる。よって、底面4bを、筐体1の載置面Zとする。筐体1の載置面Zは、設置台(台)の上面と面一となっている。設置台は後方側から手前側へ延びるように形成されており、受皿38の下方にも位置(存在)している。以下、筐体1の載置面Zという場合、載置面Zと面一となっている面全体(設置台の上面を含む)を指すものとしてもよい。なお、受皿38の例えば左側の台の上のスペースに、遊技者は飲料等を置くことができる。
【0086】
前扉20(受皿38)の下端(下面)は、筐体1の底面4b(載置面Z)よりも上方に位置している。図12Bに示すように、第1状態(閉鎖状態)では、前扉20(受皿38)の下端(下辺)Y1から筐体1の載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が、第1寸法L1となっている(第1寸法L1となるように設計されている)。第1寸法L1は、約3~5mm程度となっている。
【0087】
また、図12Cに示すように、第2状態(開放状態)では、前扉20(受皿38)の下端(下辺)Y2から筐体1の載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が、第1寸法L1よりも小さい第2寸法L2となっている(第2寸法L2となるように設計されている)。第2寸法L2は、約2~3mm程度となっている。
【0088】
また、図12Dに示すように、第3状態(半開放状態)では、前扉20(受皿38)の下端(下辺)Y3から筐体1の載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が第1寸法L1よりも小さい第3寸法L3となっている(第3寸法L3となるように設計されている)。第3寸法L3は、約2~3mm程度となっている。
【0089】
第1寸法L1~第3寸法L3は、前扉20(受皿38)の下端(下面)と筐体1の底面4b(載置面Z)との上下方向の距離(差)とも言える。本実施形態では、受皿38の下面は、前後方向において、後方から前方に向かうほど上方に傾斜する面となっている。よって、第1寸法L1~第3寸法L3は、受皿38の下面の後端(最下端)と、筐体1の底面4b(載置面Z)との上下方向の距離となっている。なお、筐体1の底板4の厚さは、約15mm程度となっている。
【0090】
図3に示すように、遊技メダルMの直径を寸法L4とする。また、メダルMの厚さを寸法L5とする。本実施形態に係る遊技機で遊技に使用されるメダルMは、寸法L4がφ25(直径約25mm)となっており、寸法L5が約1.6mmとなっている。ただし、メダルMは、寸法L4がφ30(直径約30mm)となっており、寸法L5が約1.7mmとなっているものであってもよい。また、遊技球Bの直径を寸法L6とする。寸法L6は約11mmである。
【0091】
図12Bで示した第1寸法L1は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。また、図12Cで示した第2寸法L2は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。また、図12Dで示した第3寸法L3は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
【0092】
上述のとおり、前扉20を閉じた状態(第1状態)では被支持部81が下方から支持されるようになっている。一方、前扉20を開いた状態(第2状態および第3状態)では被支持部81の下方からの支持が解除(開放)されるようになっている。したがって、下方からの支持を失った開放状態の前扉20は、自重によって僅かに下(下方)に下がった状態となる。換言すると、下端Y2(第2状態)および下端Y3(第3状態)は、下端Y1(第1状態)よりも下方に位置し、第2寸法L2および第3寸法L3は、第1寸法L1よりも小さくなっている。さらに換言すると、閉鎖状態よりも開放状態の方が、前扉20(受皿38)の下端が、台の上面(筐体1の載置面Z)に接近するようになっている。
【0093】
(メダルMの厚さとの関係)
本実施形態の遊技機を載置面Zに載置した場合において、前扉20をいずれの状態とした場合であっても、前扉20(受皿38)の下端と載置面Zとの間に、メダルMの厚さよりも大きい隙間(第1寸法L1、第2寸法L2および第3寸法L3)が形成される。換言すると、第1寸法L1、第2寸法L2および第3寸法L3がメダルMの厚さ(寸法L5)よりも大きくなっている。このため、仮に、前扉20(受皿38)の下側と、受皿38の下方に存在する台との間にメダルMが入り込んでしまった(メダルMが隠れてしまった)状態で、前扉20を開閉した場合であっても、前扉20(受皿38)の下端とメダルMとが接触することはない。換言すると、受皿38と台との隙間に隠れたメダルMが、前扉20の開閉を妨げることがない。このため、台の上面(載置面Z)にメダルMが存在する場合であっても、前扉20をスムーズに開閉できる。また、仮に前扉20を開いた際に前扉20の下端がメダルMに接触する場合、メダルMが押し出されて台の上から落ち、メダルMを探す等の手間が生じるが、本実施形態によれば、そのような手間が生じるのを防止できる。
【0094】
また、本実施形態によれば、筐体1の載置面Z(台の上面)にメダルMが重なることなく載置されている状態において、前扉20が第2状態(開放状態)から第1状態(閉鎖状態)になることが、当該メダルMによって阻止されない(防止されない、妨げられない)。遊技場(ホール)の店員が、ホッパー内のメダルMが不足する(なくなる)ことによって発生するエンプティエラーの原因等を解消するために前扉20を開放することがあるが、開放した前扉20を閉じる際に、筐体1の載置面ZにメダルMが載置されている場合であっても、当該メダルMが前扉20に接触することなく前扉20を閉じることができる。これにより、前扉20と筐体1(筐体1の前面)との隙間にメダルMが挟まって前扉20を閉じることができないという事態や、メダルMの挟み込みによる衝撃によって前扉20が破損するという事態を回避できる。
【0095】
また、筐体1の載置面Z(台の上面)にメダルMが重なることなく載置されている状態において、前扉20が第1状態(閉鎖状態)から第2状態(開放状態)になることが、当該メダルMによって阻止されない。遊技場(ホール)の店員が、ホッパー内のメダルMが不足する(なくなる)ことによって発生するエンプティエラーの原因等を解消するため、閉じていた前扉20を開放する際に、筐体1の載置面ZにメダルMが載置されている場合であっても、当該メダルMが前扉20に接触することなく前扉20を開放することができる。これにより、前扉20と載置面Z(台の上面)との隙間にメダルMが挟まってしまい前扉20を開放することができないという事態や、メダルMが挟まった状態で強引に前扉20を開放することによって前扉20が破損するという事態を回避することができる。
【0096】
(遊技球Bとの関係)
例えば、スロットマシンとパチンコ遊技機とが近くに設置されている場合等であって、前扉20(受皿38)の付近に遊技球Bが存在している場合を考える。前扉20を閉じた状態(第1状態)において、遊技球Bが前扉20(受皿38)の下に転がり込んだ場合であっても、第1寸法L1が遊技球Bの直径L6よりも小さくなっているため、遊技球Bは受皿38の下の奥側(後方側)まで入り込まない。受皿38の下面は、手前ほど上方に向かうように傾斜しているが、遊技球Bは前扉20(受皿38)の下端に到達する前に、その傾斜面に当接(接触)して停止する。そして、その状態で前扉20が開放されると、遊技球Bは手前側へと押し出されて台の上から落下する。また、このように遊技球Bは落下するため、開いた前扉20を閉じる際の妨げとならない。なお、前扉20が第2状態や第3状態となっている場合に、遊技球Bが前扉20(受皿38)の下に転がり込んだ場合にも同様のことが言える。すなわち、遊技球Bは前扉20(受皿38)の下端に到達する前に傾斜面に接触して停止し、その状態で前扉20が開放されると、遊技球Bは手前側へと押し出されて落下する。そして、遊技球Bは落下するため、開いた前扉20を閉じる際の妨げとならない。
【0097】
なお、前扉20(受皿38)の下端と、載置面Zとの隙間(第1寸法L1~第3寸法L3)は、遊技球Bの直径L6(約11mm)よりも小さいものとしたが、メダルMの2枚分の厚さ(メダルMを2枚重ねた状態の厚さ)以下となっていることがより好ましい。メダルMの2枚分の厚さは、約3.2mm程度である。その場合、受皿38の下に遊技球Bが入り込むのをより確実に防ぐことができる。
【0098】
また、本実施形態では、第1寸法L1は、第3寸法L3よりも大きく、第3寸法L3は、第2寸法L2よりも大きく、第2寸法L2は、寸法L5(メダルMの厚さ)よりも大きくなっている。換言すると、以下の関係となっている。
L1>L3>L2>L5
なお、第3寸法L3は第2寸法L2以上であってもよい(L3≧L2)。また、第3寸法L3は、第2寸法L2と略同一であってもよい(L3≒L2)。略同一とは、例えば両者の差が1mm以内であることをいう。
【0099】
図12Dに示す状態(第3状態)において、前扉20の右辺(右端)から筐体1の右辺(右端)までの隙間(前扉20の右辺と筐体1の右辺との間の距離(最小距離)の寸法)を第4寸法L7とする。第4寸法L7は、第3状態での前扉20の右端部の開放寸法としてもよい。なお、図12Dにおいて第4寸法L7を示したが、図12D図12Aに示すS-S線の断面図であり、厳密には前扉20の右端と筐体1の右端との間の距離(寸法)を指しているものではない。第4寸法L7は、約33mmとなっている。この第4寸法L7は、メダルMの直径寸法L4よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)(L7>L4)。
【0100】
なお、本実施形態では、第2寸法L2および第3寸法L3がメダルMの厚さL5よりも大きくなるように設計されているものとしたが、部品寸法の精度(バラつき)、ヒンジ29(図2参照)の品質(耐久力)低下、組み付け誤差等に起因し、第2寸法L2や第3寸法L3がメダルMの厚さL5以下(未満)となる場合があってもよい。その場合であっても、前扉20が第3状態(図12D)から第1状態(図12B)に移動する過程で、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82の上に載る(乗り上げる)ようにして支持され(被支持部81が支持部82に載荷するように支持され)、前扉20の下端と載置面Z(底面4b)との間にメダルMの厚さ分の寸法が確保される。したがって、前扉20を閉じることができないという事態や、メダルMの挟み込みにより前扉20が破損するという事態を回避できる。
【0101】
本実施形態の遊技機は、
筐体と、
前記筐体に対して開閉可能に設けられた前扉と、を備え、
前記前扉の状態には、第1状態と第2状態とが含まれ、
前記第1状態は、前記前扉が閉鎖された状態であり、
前記第2状態は、前記前扉が開放された状態であり、
前記第1状態における、前記前扉の下端と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第1寸法とし、
前記第2状態における、前記前扉の下端と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第2寸法とすると、
前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい。
【0102】
このような構成によれば、前扉が前記第2状態(開放状態)の場合における前記第2寸法が、前扉が前記第1状態(閉鎖状態)の場合における前記第1寸法よりも小さいが、その場合であっても、前記第2寸法は、遊技メダルの厚さよりは大きくなっている。このため、筐体の載置面に遊技メダルが存在している状態で、前扉を開閉させた場合であっても、前扉の下端が当該遊技メダルに接触することがない。よって、前扉の開閉をスムーズに行うことができる。また、当該遊技メダルの存在によって、前扉を開閉できないという問題や、当該遊技メダルを挟み込むことにより部品が破損するという問題が生じるのを防ぐことができる。換言すると、前扉を開閉する際に部品が故障する可能性を低減できる。また、第2寸法が第1寸法よりも小さく、前扉を開放した状態における、前扉の下端と前記筐体の載置面との間の隙間が、前扉を閉鎖した状態における当該隙間よりも狭くなっている。このため、前扉が開放している状態では、当該隙間を介して部材等を差し込むことがより困難となる。したがって、不正行為を抑制できる。換言すると、不正対策性能を向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態の遊技機において、
前記前扉の状態には、さらに第3状態が含まれ、
前記第3状態は、前記前扉が開放された状態であって、前記前扉の開放角度が前記第2状態よりも小さい状態であり、
前記第3状態における、前記前扉の下端と、前記筐体の載置面との間の上下方向の寸法を第3寸法とすると、
前記第3寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい。
【0104】
前扉が前記第3状態(半開放状態)の場合における前記第3寸法が、前扉が前記第1状態(閉鎖状態)の場合における前記第1寸法よりも小さいが、その場合であっても、前記第3寸法は、遊技メダルの厚さよりは大きくなっている。これにより、当該遊技メダルの存在によって、前扉を開閉できないという問題や、当該遊技メダルを挟み込むことにより部品が破損するという問題が生じるのを防ぐことができる。換言すると、前扉の開閉をスムーズに行うことができるとともに、前扉を開閉する際に部品が故障する可能性を低減できる。
【0105】
また、本実施形態の遊技機において、
前記第1寸法、前記第2寸法および前記第3寸法は、遊技球の直径よりも小さくなっている。
【0106】
第1寸法、第2寸法、および第3寸法が遊技球の直径よりも小さくなっているため、前扉の下方において、遊技球が、前扉の下端に到達する位置まで入り込むのを防ぐことができる。また、前扉の下端よりも手前側で遊技球が停止している状態で前扉を開放すると、遊技球は手前側へと押し出されて載置面から落下する。このため、当該遊技球が、次に前扉を閉じる際の妨げとなるのを防止できる。
【0107】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0108】
メダル投入口34(図1)の下方には、セレクタ装置(図示せず)が設けられている。セレクタ装置は、メダル投入口34から投入されたメダルを選別するために設けられている。セレクタ装置は、例えば、投入されたメダルが正規のメダルではない場合や、メダルの投入タイミングが適切でない場合等に、投入されたメダルを後述する(図13に示す)キャンセルシュート40へ導く(キャンセルシュート40に向けて落下させる)ようになっている。
【0109】
図13に示すように、キャンセルシュート40は、受皿38に接続されている。また、受皿38は払出口90を備えている。払出口90は、受皿38における後方側(背面側)に形成されている。受皿38は、払出口90から払い出されたメダルを受けることが可能に(溜めることが可能に)、皿状に形成されている。キャンセルシュート40は、払出口90の背面側に接続されている。なお、受皿38は、前扉20の下方における前面側に設けられ、キャンセルシュート40は、前扉20の下方における背面側に設けられている。
【0110】
図14に示すように、キャンセルシュート40(案内通路)は、前後方向において、前方側に配置される前部材41と、後方側に配置される後部材42と、を備えている。換言すると、キャンセルシュート40は、前部材41と後部材42とを前後から合わせる(組み合わせる)ことにより構成される。キャンセルシュート40は、前部材41と後部材42とを組み合わせると、内部(内側)に空間が形成されるようになっている。キャンセルシュート40は、第1開口42c、第2開口42aおよび第3開口42bを備えている。
【0111】
第2開口42aは、キャンセルシュート40の上面に形成されている。第2開口42aは、前部材41と後部材42とを組み合わせることで構成される。セレクタ装置からのメダルは、第2開口42aを介してキャンセルシュート40内に入り、キャンセルシュート40から受皿38へ払い出される。
【0112】
第3開口42bは、キャンセルシュート40の背面に形成されている。第3開口42bは、後部材42の後方側に形成されている。例えば、小役が入賞した場合や、クレジットされたメダルが存在する状態で精算ボタン31が押下された場合等に、メダル払出装置11からメダルが払い出される。メダル払出装置11から払い出されたメダルは、第3開口42bを介してキャンセルシュート40内に入り、キャンセルシュート40から受皿38へ払い出される。
【0113】
第1開口42cは、キャンセルシュート40の下方に形成されている。第1開口42cは、後部材42における前方側の下方(第2開口42aおよび第3開口42bよりも下方)に形成されている。第1開口42cは、受皿38の払出口90に接続されるようになっている。
【0114】
第2開口42aや第3開口42bからキャンセルシュート40の中に入ったメダルは、メダルの自重によってキャンセルシュート40内を通過し、第1開口42cへと導かれる(案内される)。そして、当該メダルは、第1開口42cに接続された払出口90を介して受皿38に払い出される。
【0115】
図14に示すように、キャンセルシュート40の内面のうちの下側の内面を第21内面40D(案内通路下内面)とする。また、キャンセルシュート40の内面のうちの右側の内面を第22内面40R(案内通路右内面)とする。また、キャンセルシュート40の内面のうちの左側の内面を第23内面40L(案内通路左内面)とする。本実施形態では、前後方向に所定の長さを有する第1開口42cが、案内通路の一部(キャンセルシュート40の内面)を構成している。換言すると、第21内面40Dは、第1開口42cの内面のうちの下側の内面である。第22内面40Rは、第1開口42cの内面のうちの右側の内面である。第23内面40Lは、第1開口42cの内面のうちの左側の内面である。
【0116】
また、図14に示すように、払出口90の内面のうちの下側の内面を第11内面90D(払出口下内面)とする。また、払出口90の内面のうちの右側の内面を第12内面90R(払出口右内面)とする。また、払出口90の内面のうちの左側の内面を第13内面90L(払出口左内面)とする。図15は、払出口90とキャンセルシュート40(第1開口42c)との境界部分(接続部分)を、前方側(正面側)から見た図である。
【0117】
ここで、仮に、払出口90の大きさと第1開口42cの大きさが同一になっているすると、例えば部品寸法の精度(バラつき)や組み付け時の精度(バラつき)等によって、払出口90のいずれかの内面が第1開口42cの内面よりも内側に位置する状態となり得る。その場合、キャンセルシュート40を通過したメダルが払出口90の内面(縁)に引っ掛かり(減速し)、メダルがスムーズに払い出されないという問題が生じ得る。
【0118】
(第1段差部G1)
本実施形態の遊技機では、払出口90とキャンセルシュート40との境界部分において、第11内面90Dが第21内面40Dよりも下方に設けられている。換言すると、払出口90とキャンセルシュート40との境界部分(接続部分)には、メダルの払出経路を下方に拡大する段差部(第1段差部G1)が形成されている。図16のL-L断面に示すように、第11内面90Dと第21内面40Dとの間に第1段差部G1が形成されている。メダルの払出経路が下方に拡大されているため、払い出しの際にメダルが引っ掛かるという問題が生じるのを防止でき、メダルのスムーズな払い出しを実現できる。
【0119】
(第2段差部G2)
また、本実施形態の遊技機では、払出口90とキャンセルシュート40との境界部分において、第12内面90Rが第22内面40Rよりも右方に設けられている。換言すると、払出口90とキャンセルシュート40との境界部分(接続部分)には、メダルの払出経路を右側に拡大する段差部(第2段差部G2)が形成されている。図16のN-N断面に示すように、第12内面90Rと第22内面40Rとの間に、第2段差部G2が形成されている。メダルの払出経路が右側に拡大されているため、払い出しの際にメダルが引っ掛かるという問題が生じるのを防止でき、メダルのスムーズな払い出しを実現できる。
【0120】
(第3段差部G3)
また、本実施形態の遊技機では、払出口90とキャンセルシュート40との境界部分において、第13内面90Lが第23内面40Lよりも左方に設けられている。換言すると、払出口90とキャンセルシュート40との境界部分(接続部分)には、メダルの払出経路を左側に拡大する段差部(第3段差部G3)が形成されている。図16のM-M断面に示すように、第13内面90Lと第23内面40Lとの間に、第3段差部G3が形成されている。メダルの払出経路が左側に拡大されているため、払い出しの際にメダルが引っ掛かるという問題が生じるのを防止でき、メダルのスムーズな払い出しを実現できる。
【0121】
図15に示すように、第1段差部G1の段差の大きさ(高さ)をG1Hとする。また、第2段差部G2の段差の大きさ(幅)をG2Wとする。また、第3段差部G3の段差の大きさ(幅)をG3Wとする。G1HはG2WおよびG3Wよりも大きく形成されている。G1HをG2WおよびG3Wよりも大きくすることで、メダルの重さを効率よく利用してメダルのスムーズな払い出しが可能となる。また、G1HをG2WおよびG3Wよりも大きくすることで、受皿38に払い出されたメダルが、払出口90からキャンセルシュート40へ向けて逆流するといったことを防止できる。さらに、本実施形態では、G2WおよびG3WをG1Hよりも小さくすることで、メダルが引っ掛かるといった問題を防止しながら、可能な限りキャンセルシュート40(第1開口42c)の幅を狭めないようにすることが可能である。
【0122】
G1Hは、メダル1~2枚程度の厚さに相当する値となっている。具体的には、G1Hは、約1.6mm~約3.2mm程度となっている。なお、G1Hは、メダル1枚分の厚さ(1枚のメダルの厚さ)と同一または略同一となっていてもよい。略同一とは、両者の差がメダル1枚分の厚さの約30%(約0.5mm)以内となっていることをいう。
また、G2WおよびG3Wは、メダル1枚程度の厚さ以下の値であることが好ましい。具体的には、G2WおよびG3Wは、約1.6mm以下であることが好ましい。なお、G2WおよびG3Wは、メダル1枚分の厚さ(1枚のメダルの厚さ)と同一または略同一となっていてもよい。略同一とは、両者の差がメダル1枚分の厚さの約30%(約0.5mm)以内となっていることをいう。また、払出口90の奥行き(前方の縁から後方の縁までの距離:受皿38との境界から第1開口42cとの境界までの距離)は、メダル1~10枚程度の厚さに相当する値であることが好ましい。具体的には、当該奥行きは、約1.6mm~約16mm程度であることが好ましい。
【0123】
本実施形態では、遊技メダル(図3に示すメダルM)として、直径が約25.0mm、厚さが約1.6mmのものを用いるものとするが、遊技メダルとして、直径が約30.3mm、厚さが約1.7mmのものを用いてもよい。
【0124】
なお、本実施形態では、キャンセルシュート40を2つの部材を組み合わせて構成する例を示したが、キャンセルシュート40は、1部材で構成されるものであってもよく、3つ以上の部材を組み合わせて構成されるものであってもよい。また、他の部材の一部がキャンセルシュート40(の一部)を兼ねるように構成されていてもよい。例えば、前扉20(下扉)に設けられている背面カバーの一部が、前部材41を兼ねる(前扉の背面カバーの一部を前部材41としても機能させる)ようになっていてもよい。
【0125】
なお、本実施形態において、「内面」という場合、線状の領域も含まれるものとする。すなわち、薄い板に開口を形成した場合、当該開口の内面(内周、縁)は、面積の小さい線状の領域となるが、この線状の領域も「内面」に含まれる。
【0126】
また、所定の厚さを有する板に開口を形成した場合に、開口端(開口の縁)は角部(板面と開口との境界である鋭利な部分)となるが、その角部に面取りやR加工(曲面加工)が施される場合がある。本実施形態において「内面」という場合、面取りが施された面(上下方向や前後方向や左右方向に傾斜した面)やR加工が施された面(曲面)を含むものとする。また、「内面」には、前述した以外の各種形状の面(屈曲面、湾曲面、微細な凹凸が形成された凹凸面等)も含まれるものとする。
【0127】
本実施形態の遊技機は、
払出口が形成された受皿と、
前記払出口へと遊技メダルを案内する案内通路と、を備え、
前記払出口の内面のうちの下側の内面を第11内面とし、
前記払出口の内面のうちの右側の内面を第12内面とし、
前記払出口の内面のうちの左側の内面を第13内面とし、
前記案内通路の内面のうちの下側の内面を第21内面とし、
前記案内通路の内面のうちの右側の内面を第22内面とし、
前記案内通路の内面のうちの左側の内面を第23内面とすると、
前記第11内面が前記第21内面よりも下方に形成されており、
前記第11内面と前記第21内面との間に第1段差部が形成されており、
前記第12内面が前記第22内面よりも右方に形成されており、
前記第12内面と前記第22内面との間に第2段差部が形成されており、
前記第13内面が前記23内面よりも左方に形成されており、
前記第13内面と前記第23内面との間に第3段差部が形成されている
ことを特徴とする。
【0128】
このような構成によれば、メダルの払出経路を下方に拡大する第1段差部と、メダルの払出経路を右側に拡大する第2段差部と、メダルの払出経路を左側に拡大する第3段差部と、が形成されているため、払い出しの際にメダルが引っ掛かることがなく、メダルのスムーズな払い出しを実現できる。
【0129】
また、本実施形態の遊技機は、
前記第1段差部の段差の大きさが、前記第2段差部および前記第3段差部の段差の大きさよりも大きい
ことを特徴とする。
【0130】
下方の払出経路の方が、左右の払出経路よりもメダルの通過頻度が高い。そこで、下方の経路の拡大量を左右の経路の拡大量よりも大きくすることで、メダルの引っ掛かりが生じるのをより確実に防ぎ、メダルのスムーズな払い出しを実現できる。一方で、左右の経路の拡大量を、下方の経路の拡大量よりも小さくすることで(間口を狭くすることで)、受皿に比較的多くのメダルが溜まった際に、払出口を介して案内通路へメダルが侵入する(逆流する)可能性を低減できる。
【符号の説明】
【0131】
1 筐体
20 前扉
M 遊技メダル
Z (筐体の)載置面
【要約】
【課題】前扉の開閉をスムーズに行うことができるとともに、前扉を開閉する際の部品が故障する可能性が低減された遊技機を提供する。
【解決手段】筐体1と、筐体1に対して開閉可能に設けられた前扉20と、を備え、前扉20の状態には、第1状態と第2状態とが含まれ、前記第1状態は、前扉20が閉鎖された状態であり、前記第2状態は、前扉20が開放された状態であり、前記第1状態における、前扉20の下端と、筐体1の載置面Zとの間の上下方向の寸法を第1寸法とし、前記第2状態における、前扉20の下端と、筐体1の載置面Zとの間の上下方向の寸法を第2寸法とすると、前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい。
【選択図】図12B
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16