(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2017164089
(22)【出願日】2017-08-29
【審査請求日】2020-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】平野 泰弘
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-161467(JP,A)
【文献】特開2016-202332(JP,A)
【文献】特開2010-136868(JP,A)
【文献】特開2004-024535(JP,A)
【文献】特開2008-125674(JP,A)
【文献】特開2012-050668(JP,A)
【文献】特開2013-128573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域を前面に有する遊技盤と、
前記遊技盤の前面から突出するか又は前記遊技盤の前面に重ねられる支持プレートから突出して、前記遊技領域を流下する遊技球と衝突してその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部と、
前記遊技盤に前側から重ねられ、前記樹脂突部に固定されて遊技球が通過可能な隙間を裏側に形成する装飾プレートと、
前記樹脂突部の先端面と前記装飾プレートの裏面とに形成されて前後方向で互いに嵌合する嵌合凹部及び嵌合突部と、を有し、
前記嵌合突部には、前記装飾プレートを前記樹脂突部に固定するボルトが通されるボルト挿通孔を有する第1突部と、前後方向から見て異形の中空構造をなしかつ前記ボルト挿通孔を有しない第2突部とが含まれると共に、前記嵌合凹部には、前記第1突部が嵌合する第1凹部と、前記第2突部
に対応した異形の第2凹部とが含まれている遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記遊技盤には、前記遊技盤に形成された開口部に嵌めこまれて前記開口部の内側へ遊技球が進入することを規制する進入規制枠が取り付けられ、
前記進入規制枠には、前記遊技盤の前面に対して起立すると共に前記開口部の開口縁に沿って延在する起立壁と、前記起立壁から前記開口部の外側に張り出して前記遊技盤の前面に重ねられる前記支持プレートとしての重なり片と、が備えられ、
前記樹脂突部は、前記進入規制枠の前記重なり片に突設され、
前記装飾プレートは、前記進入規制枠の前記起立壁と前記樹脂突部とに架け渡される遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機において、
前記進入規制枠には、前記装飾プレートと1つの意匠を構成する装飾部位が設けられている遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域を遊技盤の前面に有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部を備えた遊技機が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-136868号公報(段落[0019]、
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、樹脂突部の周辺が地味で、華やかさに欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は、樹脂突部の周辺を華やかに見せることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、遊技球が流下可能な遊技領域を前面に有する遊技盤と、前記遊技盤の前面から突出するか又は前記遊技盤の前面に重ねられる支持プレートから突出して、前記遊技領域を流下する遊技球と衝突してその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部と、前記遊技盤に前側から重ねられ、前記樹脂突部に固定されて遊技球が通過可能な隙間を裏側に形成する装飾プレートと、前記樹脂突部の先端面と前記装飾プレートの裏面とに形成されて前後方向で互いに嵌合する嵌合凹部及び嵌合突部と、を有し、前記嵌合突部には、前記装飾プレートを前記樹脂突部に固定するボルトが通されるボルト挿通孔を有する第1突部と、前後方向から見て異形の中空構造をなしかつ前記ボルト挿通孔を有しない第2突部とが含まれると共に、前記嵌合凹部には、前記第1突部が嵌合する第1凹部と、前記第2突部に対応した異形の第2凹部とが含まれている遊技機。である。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、樹脂突部の周辺を華やかに見せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】(A)樹脂突部を正面から見た図、(B)樹脂突部の断面図
【
図7】嵌合突部と嵌合凹部の嵌合状態を説明するための断面図
【
図8】(A)取り付け前の装飾プレートと樹脂突部の断面図、(B)取り付け後の装飾プレートと樹脂突部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、
図2に示す遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が遊技者に視認可能になっている。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1(
図2)に向けて弾き出される。
【0011】
図2に示されるように、遊技領域R1は全体が略円形状となっていて、ガイドレール12により囲まれている。ガイドレール12は、円弧状に湾曲した第1レール部12A及び第2レール部12Bを備えている。第1レール部12Aは、遊技領域R1の周縁部のうち上側の略1/4円周分を除いた部分に沿わせて配置されている。第2レール部12Bは、遊技領域R1の周縁部における上側の略1/4円周分に沿って延在し、その一端寄り部分(第2レール部12Bの左側部分)が第1レール部12Aの左側部に外側から向かい合うように配置されている。そして、第1レール部12Aの左側部と第2レール部12Bとの間に、図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域R1へと誘導する球誘導路12Rが形成されている。
【0012】
第1レール部12Aの左側の上端部と第2レール部12Bの中間部との間には、遊技球1~2個分の隙間が設けられていて、これにより、ガイドレール12の左上部に、球誘導路12Rの出口、即ち、遊技領域R1内に遊技球を進入させるための進入口12Kが形成されている。そして、第2レール部12Bのうち進入口12Kより上側に配される部分によって、進入口12Kから遊技領域R1内に進入した遊技球を右斜め上方に案内可能な円弧状案内部12Eが形成されている。
【0013】
図3に示されるように、本実施形態の遊技機10では、第1レール部12Aに、遊技領域R1に進入した遊技球が球誘導路12Rへと逆戻りすることを規制する球戻り規制部材50が取り付けられている。球戻り規制部材50は、第1レール12Aの左側の上端部に取り付けられる支持ベース51と、支持ベース51に回動可能に支持されて進入口12Kを開閉する開閉部材53と、を備える。
【0014】
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方に臨んでいる。なお、表示装置13の表示画面13Gには、遊技に関する種々の画像が表示される。
【0015】
表示開口11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入しないようになっている。
【0016】
詳細には、表示開口11Hは、遊技領域R1の横方向の中間部で上側に寄せて配置され、遊技領域R1のうち表示装飾枠23の左側と右側と下側には、それぞれ、遊技球が流下可能な左側流下領域R2と右側流下領域R3と下側流下領域R4が形成されている。また、表示装飾枠23の上端部には、ガイドレール12の上側部分(詳細には、第2レール12B)に沿って円弧状に延びた上側円弧壁25が設けられていて、この上側円弧壁25とガイドレール12との間に、遊技球が1つずつ通過可能な上側連絡流路25Rが形成されている
【0017】
表示装飾枠23の下側には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが上下に並べて設けられている。表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が備えられている。表示装飾枠23の右下側、即ち、第1と第2の始動入賞口14A,14Bの右側には、大入賞口15が設けられている。また、遊技領域R1には、始動入賞口14A,14B及び大入賞口15のほかに、複数の一般入賞口20が備えられている。
【0018】
一般入賞口20は、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方又は側方に開口している。一般入賞口20へ遊技球が入球(入賞)すると、その遊技球は遊技盤11の後側に取り込まれ、例えば、1個の入球につき15個の賞球が上皿26に払い出される。
【0019】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0020】
第1の始動入賞口14Aは、ポケット構造に形成され、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで前方に開口し、通常は、開閉扉14Tにて前方が閉塞されることで、遊技球の入球(入賞)が規制されている。開閉扉14Tは、上述した普通図柄当否判定の結果が当りとなったときに、下端部を中心に回動して所定時間だけ前側に倒される。すると、開閉扉14Tに受け止められた遊技球が第2の始動入賞口14Bに入球可能となる。
【0021】
始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、所定個数の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示装置13の表示画面13Gに表示される。そして、特別図柄当否判定の結果が当りであると、大当り遊技が実行される。
【0022】
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。上述の大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が上皿26に払い出される。
【0023】
上述した各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端部に設けられたアウト口16に全て取り込まれる。アウト口16に取り込まれた遊技球は、図示しない球回収装置に回収される。また、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘17(
図3参照)が多数植設されている。
【0024】
図3,4に示されるように、表示装飾枠23の左上部には、ガイドレール12の円弧状案内部12E側から流下してきた遊技球を受け止めて下方に案内可能な流下案内壁32と、流下案内壁32から外側に張り出して遊技盤11の前面に重ねられる張出片36と、が設けられている。流下案内壁32は、上側円弧壁25の左端部から下方に延びる縦壁33と、縦壁33の下端から左側に延びた横壁34と、横壁34の左端部から下方に延びる誘導傾斜壁35とからなり、全体が略クランク状に形成されている。張出片36は、縦壁33と横壁34に挟まれた扇形状に形成されている。詳細には、縦壁33、横壁34及び誘導傾斜壁35は全て、左下がりに傾斜し、縦壁33の下り勾配は横壁34の下り勾配より大きく、誘導傾斜壁35の下り勾配は、横壁34の下り勾配よりも大きくなっている。なお、誘導傾斜壁35の下り勾配は、縦壁33の下り勾配よりは小さくなっている。
【0025】
遊技領域R1のうち流下案内壁32と円弧状案内部12Eとに挟まれた部分には、球導入領域R5が形成されている。球導入領域R5には、遊技盤11の前面に対して起立するように配置されて、球導入領域R5を流下する遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部40が設けられている。樹脂突部40は、張出片36に一体形成され、張出片36から前側(
図3では、紙面奥行方向の手前側)に突出する。そして、球導入領域R5のうち樹脂突部40を除く部分に、障害釘17を有さずに遊技球が流下可能な釘無し領域R6が形成されている。
【0026】
樹脂突部40は、前面に装飾が施された装飾プレート140によって前側を覆われている。装飾プレート140は、樹脂突部40と流下案内壁32とに架け渡されると共に、流下案内壁32に対して表示装飾枠23の内側に張り出している。そして、樹脂突部40と流下案内壁32との間には、表示装飾枠23の張出片36と装飾プレート140とに挟まれた球流下路40Rが形成されている。
【0027】
表示装飾枠23には、上側円弧壁25から表示装飾枠23の内側に張り出した上部内側張出部25Hが設けられている。上部内側張出部25Hは、正面から見て略蒲鉾状に形成され、上部内側張出部25Hの前面には、装飾が施されている。この上部内側張出部25Hの前面に施された装飾は、装飾プレート140の前面に施された装飾と共に1つの意匠を構成する。例えば、装飾プレート140の前面には、「いろは」の文字が記されていて、上部内側張出部25Hの正面には、「にほへと」の文字が記されている。
【0028】
<樹脂突部40の構造について>
図4に示されるように、樹脂突部40は、上部に頂点を有する略三角形状に形成されていて、樹脂突部40の外周壁40Gは、縦壁33と対向する対向側壁41と、対向側壁41の下端部から左側へ延びて横壁34と対向する底壁42と、対向側壁41の上端部から左下がりに傾斜して底壁42の左端部に連絡する傾斜側壁43と、で構成されている。
【0029】
詳細には、
図5(A)に示されるように、対向側壁41は、縦壁33(
図4)に沿って直線状に延びる対向直線部41Aと、対向直線部41Aの上端から上側へ向かうにつれて左側へ向かうように(即ち、縦壁33から離れるように)湾曲した対向湾曲部41Bと、で構成されている。また、底壁42は、横壁34(
図4)に沿って直線状に延びる底直線部42Aと、底直線部42Aの左端部から左側へ向かうにつれて上側へ向かうように(即ち、横壁34から離れるように)傾斜した底傾斜部42Bと、で構成されている。また、傾斜側壁43は、全体が外周壁40Gの内側へと湾曲した形状をなしている。
【0030】
図5(B)に示されるように、樹脂突部40は、外周壁40Gの内側に遊技盤11の前面と略平行な中間壁44を有している。中間壁44は、樹脂突部40の突出方向の中間に位置している。そして、樹脂突部40には、外周壁40Gと中間壁44とに囲まれて樹脂突部40の突出方向の先端側に開放した嵌合凹部45が形成されている。なお、上述した外周壁40Gの形状から明らかなように、嵌合凹部45を樹脂突部40の突出方向から見た外形形状は異形をなしている(
図5(A))。ここで、「異形」とは、対称面も対称中心も持たない形状を指すものとする。
【0031】
図5(A)に示されるように、嵌合凹部45は、対向側壁41と傾斜側壁43の上端寄り部分同士を連絡する架橋壁46によって、架橋壁46より上側の第1凹部45Aと、架橋壁46より下側の第2凹部45Bと、に区画されている。ここで、架橋壁46は、下側に湾曲する円弧状に形成されている。そして、第1凹部45Aは、対向側壁41の対向湾曲部41Bと傾斜側壁43と架橋壁46とに囲まれて、略円形状に形成されている。
【0032】
<装飾プレート140の構造について>
図3に示されるように、装飾プレート140は、前方からみて、横長の長方形の左上隅を三角に切除した形状をなしていて、その切除部分の三角形の斜辺が樹脂突部40の傾斜側壁43(
図4,5(A))に重ねられる。なお、装飾プレート140は、透明な樹脂成形品の前面に装飾が施されてなり、装飾プレート140を通して球流下路40Rを流下する遊技球が視認可能となっている。
【0033】
図6には、装飾プレート140を後側から見た様子が示されている。同図に示されるように、装飾プレート140は、主板141と、主板141の下端縁の全体から後側に起立した下端起立壁142と、下端起立壁142の左端部(
図6では、右側の端部)から外側に張り出した突片142Tと、を備えている。そして、主板141の前面に装飾がほどこされている。
【0034】
主板141の後面には、主板141の上辺部141Jから下方へ延びる第1突条143Aと、左辺部141Lから右側へ延びて第1突条143Aに連絡する第2突条143Bと、が設けられている。そして、主板141の後面は、第1突条143A及び第2突条143Bに対して上側に配置される上側領域144Aと、それら2つの突条143A,143Bに対して下側に配置される下側領域144Bと、に区画される。なお、第1突条143A及び第2突条143Bの突出高さは、遊技球の半径よりも小さくなっている。
【0035】
主板141の後面の上側領域144Aには、嵌合突部145が突設されている。嵌合突部145を主板141の厚み方向から見た外形形状は、上述した樹脂突部40の嵌合凹部45に対応した異形をなしている。具体的には、嵌合突部145は、第1突部145Aと、第1突部145に下方から連絡する第2突部145Bと、で構成されている。第1突部145Aは、円筒体155の基端部から複数の張出部155Hが外側へ放射状に張り出した構造になっている。第2突部145Bの外周壁は、第1突部145Aの円筒面に沿った円弧状をなす円弧壁150と、円弧壁150の右端部(
図6に示される円弧壁150では、左側の端部)から下側へ延びる対向側壁151と、対向側壁151の下端部から左側へと延びる底壁152と、円弧壁150の左端部(
図6に示される円弧壁150では、右側の端部)から左下がりに傾斜して底壁152の左端部に連絡する傾斜側壁153と、で構成されている。そして、第2突部145Bの円弧壁150が張出部155Hを介して円筒体155に連絡している。なお、対向側壁151は、第1突条143Aに沿って延びる直線状に形成され、底壁152は、第2突条143Bに沿って直線状に延びる底直線部152Aと、底直線部152Aの左端部から左側へ向かうにつれて上側へ向かうように傾斜した底傾斜部152Bと、で構成されている。
【0036】
主板141の上辺部141J及び左辺部141Lの後面のうち上側領域144Aに属する部分は、主板141の外側へ向かうにつれて主板141の前面へと近づく傾斜面141JK,141LKとなっている。なお、第1突条143Aの上端部の後面と第2突条143Bの左端部の後面にも、主板141の外側へ向かうにつれて主板141の表側へと向かう傾斜面143AK,143BKが形成されている。
【0037】
装飾プレート140は、嵌合突部145の他に、後側に突出した複数の係合突部147を備えている。複数の係合突部147のうち一の係合突部147は、突片142Tに設けられ、残りの係合突部147は、主板141の後面の下側領域144Bに突設されている。なお、突片142Tに設けられた係合突部147は、略円筒状に形成され、他の係合突部147は、第1突部145Aと同様に、円筒体157の基端部から複数の張出部157Hが外側へ放射状に張り出した構造になっている。
【0038】
<装飾プレート140の固定について>
図3,7,8に示されるように、装飾プレート140は、樹脂突部40の前端部(樹脂突部40の突出方向の先端部)に取り付けられる。装飾プレート140を樹脂突部40に取り付けるには、
図8(A)から
図8(B)への変化に示されるように、装飾プレート140の嵌合突部145を樹脂突部40の嵌合凹部45に嵌合させる。このとき、嵌合突部145の第1突部145Aと嵌合凹部45の第1凹部45Aが嵌合し、嵌合突部145の第2突部145Bと嵌合凹部45の第2凹部45Bが嵌合する。ここで、上述したように、樹脂突部40の嵌合凹部45は、樹脂突部40の突出方向から見て、異形に形成され、装飾プレート140の嵌合突部145は、装飾プレート140の主板141の厚み方向から見て、嵌合凹部45に対応した異形に形成されているので、嵌合凹部45と嵌合突部145が嵌合すると、装飾プレート140が樹脂突部45に対して位置決めされ、装飾プレート140が樹脂突部45に対して回転することもなくなる。
【0039】
嵌合突部145と嵌合凹部45が嵌合した状態では、装飾プレート140の主板141の上側領域144A(
図6参照)は、表示装飾枠23の張出片36と対向し、主板141の下側領域144Bは、表示装飾枠23の上部内側張出部25Hと対向する。ここで、
図4に示されるように、上部内側張出部25Hには、縦壁33と横壁34に沿って複数の係合凹部47が形成されている。そして、嵌合突部145と嵌合凹部45が嵌合した状態で、装飾プレート140の複数の係合突部147が複数の係合凹部47に係合する。このように、本実施形態では、複数の係合突部147と複数の係合凹部47の係合によっても、装飾プレート140が樹脂突部40に対して位置決めされる。
【0040】
また、嵌合突部145と嵌合凹部45が嵌合した状態では、
図7,8に示されるように、装飾プレート140の第1突条143Aは、縦壁33に沿って配置され、表示装飾枠23の外側から縦壁33に宛がわれる。また、第2突条143Bは、横壁34に沿って配置され、表示装飾枠23の外側から横壁34に宛がわれる。
【0041】
ところで、上部内側張出部25Hの複数の係合凹部47と樹脂突部40の第1凹部45Aのそれぞれの奥面には、ボルト挿通孔48設けられていて(
図4,5(A))、装飾プレート140における複数の係合突部147の各円筒体157の内側部分と第1突部145Aの円筒体155の内側部分とには、螺子孔148が形成されている(
図6)。そして、ボルト挿通孔48に挿通された図示しないボルトが螺子孔148に螺合することで、嵌合突部145と嵌合凹部45が嵌合した状態に装飾プレート140が樹脂突部40と上部内側張出部25Hに固定される。
【0042】
このように、本実施形態の遊技機10では、遊技盤11に前側から重ねられる装飾プレート140が樹脂突部40に固定されることで、樹脂突部40の周辺を華やかに見せることが可能となる。しかも、装飾プレート140の裏側には、遊技球が通過可能な球流下路40Rが形成されるので、装飾プレート140が遊技球の流下の妨げになることが抑制される。
【0043】
また、本実施形態では、樹脂突部40の前端面(突出方向の先端側の面)に形成された嵌合凹部45と、装飾プレート140の後面に形成された嵌合突部145とが嵌合するので、樹脂突部40に対する装飾プレート140の位置ズレが抑制される。しかも、嵌合凹部45と嵌合突部145は共に、その嵌合方向から見て異形に形成されているので、樹脂突部40に対する装飾プレート140の位置決めが容易となる。なお、「異形」は、対称面も対称中心も持たず、嵌合突部と嵌合凹部が嵌合すれば、樹脂突部に対する装飾プレートの向きが正しく決定されるような形状であればよい。
【0044】
また、本実施形態では、装飾プレート140は、進入規制枠23の流下案内壁32と樹脂突部40とに架け渡されて固定されるので、装飾プレート140の固定の安定化が図られる。さらに、装飾プレート140の後側の球流下路40Rを安定的に形成することが可能となり、装飾プレート140が遊技球の流下の妨げになることが一層抑制される。
【0045】
また、本実施形態では、表示装飾枠23の上部内側張出部25Hが、装飾プレート140と1つの意匠を構成するので、上部内側張出部25Hと装飾プレート140とを一体的に見せることが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態において、装飾プレート140は、樹脂突部40と流下案内壁32とに架け渡されなくてもよい。この場合、装飾プレート140は、上部内側張出部25Hに固定されなくてもよい。また、装飾プレート140は、樹脂突部40から左側又は上側に張り出してもよい。
【0047】
また、本実施形態において、装飾プレート140の装飾と上部内側張出部25Hの装飾とは、別々の意匠を形成してもよい。また、上部内側張出部25Hに装飾がほどこされない構成であってもよいし、上部内側張出部25Hを備えない構成であってもよい。
【0048】
また、本実施形態において、装飾プレート140に嵌合凹部が形成され、樹脂突部40に嵌合突部が形成された構成であってもよい。具体的には、樹脂突部40の突出方向の先端面に嵌合突部が形成され、装飾プレート140の後面に支持突部が形成され、その支持突部の突出方向の先端面に、嵌合突部と嵌合する嵌合凹部が形成された構成であってもよい。
【0049】
また、本実施形態において、嵌合凹部45と嵌合突部145は、複数ずつ形成されてもよい。
【0050】
また、本実施形態において、嵌合凹部45と嵌合突部145は、互いの嵌合方向から見て、対称面又は対称中心を有する形状、例えば、円形状や四角形状に形成されてもよい。なお、この場合、嵌合凹部45と嵌合突部145は、複数ずつ形成されることが好ましい。
【0051】
また、本実施形態において、嵌合凹部45と嵌合突部145を備えない構成としてもよい。この場合、接着剤や両面テープによって樹脂突部40と装飾プレート140が固定されてもよいし、樹脂突部40を貫通するボルト挿通孔48に挿通したボルトを主板141の後面に形成した螺子孔148に螺合させることで、樹脂突部40と装飾プレート140が固定されてもよい。
【0052】
<球流下路40Rについて>
図3に示されるように、樹脂突部40と表示装飾枠23の流下案内壁32との間には、張出片36と装飾プレート140に挟まれた球流下路40Rが形成されている。
図4に示されるように、球流下路40Rは、樹脂突部40の対向側壁41と縦壁33との間に形成される縦流路41Rと、樹脂突部40の底壁42と横壁34との間に形成される横流路42Rと、を備えた逆L字状をなす。
【0053】
図4,7に示されるように、張出片36のうち横流路42Rを構成する部分には、横流路42Rを横切る方向に延在する複数の衝突突部61が設けられている。具体的には、複数の衝突突部61は、上下方向に直線状に延在し、横流路42Rの流下方向(横壁34の延在方向)に間隔をあけて並べられている。横流路42Rの流下方向で隣り合う衝突突部61同士の間隔は、遊技球の直径と略同じ大きさになっている。なお、横流路42Rの流下方向で最も下流側に配置される衝突突部61は、装飾プレート140の左辺部141Lの後面に形成された傾斜面141LKと対向する(
図9)。
【0054】
図7に示されるように、複数の衝突突部61は全て、樹脂突部40の下方に配置され、樹脂突部40と横壁34との間で横壁34に近い側に寄せて配置されている。各衝突突部61と横壁34との間の間隔は、遊技球の半径よりも小さくなっている。また、複数の衝突突部61のうち最も左側に配置される衝突突部61は、樹脂突部40の底壁42における底傾斜部42Bの下方に配置されている。底壁42の底直線部42Aの下方に位置する衝突突部61と底直線部42Aとの間隔は、遊技球の半径よりも小さくなっていて、底壁42の底傾斜部42Bの下方に位置する衝突突部61と底傾斜部42Bとの間隔は、遊技球の直径と略同じになっている。
【0055】
図9に示されるように、衝突突部61を横流路42Rの流下方向に切断したときの断面形状は、衝突突部61の突出方向の先端側へ向かうにつれて幅狭となる等脚台形状に形成されている。また、樹脂突部61の突出高さは、遊技球が乗り上げ可能な高さとなっていて、具体的には、遊技球の半径よりも小さくなっている。
【0056】
図6,7に示されるように、装飾プレート140のうち横流路42Rを構成する部分には、横流路42Rを横切る方向に延在する複数の衝突突部161が設けられている。具体的には、複数の衝突突部161は、上下方向に直線状に延在し、横流路42Rの流下方向(第2突条143Bの延在方向)に間隔をあけて並べられている。
図7に示されるように、装飾プレート140が樹脂突部40に取り付けられた状態では、衝突突部161は、装飾プレート140の厚み方向、即ち、前後方向から見て、張出片36に形成された衝突突部61同士の間に配置される。そして、複数の衝突突部61と複数の衝突突部161は、横流路42Rを挟んで互い違いに配置される。なお、横流路42Rの流下方向で隣り合う衝突突部161同士の間隔は、遊技球の直径と略同じ大きさになっている。
【0057】
図6,7に示されるように、複数の衝突突部161は全て、嵌合突部145と第2突条143Bとの間に配置され、第2突条143Bに近い側に寄せて配置されている。各衝突突部161と第2突条143Bとの間の間隔は、遊技球の半径よりも小さくなっている。また、複数の衝突突部161のうち最も左側に配置される衝突突部161(
図6では、最も右側に示される衝突突部161)は、嵌合突部145の底壁152における底傾斜部152Bの下方に配置されている。底壁152の底直線部152Aの下方に位置する衝突突部161と底直線部152Aとの間隔は、遊技球の半径よりも小さくなっていて、底壁152の底傾斜部152Bの下方に位置する衝突突部161と底傾斜部152Bとの間隔は、遊技球の直径と略同じになっている。
【0058】
図9に示されるように、衝突突部161を横流路42Rの流下方向に切断したときの断面形状は、衝突突部61と同様に、衝突突部161の突出方向の先端側へ向かうにつれて幅狭となる等脚台形状に形成されている。また、樹脂突部161の突出高さについても、樹脂突部61と同様に、遊技球が乗り上げ可能な高さとなっていて、具体的には、遊技球の半径よりも小さくなっている。
【0059】
図3,7,9に示されるように、球導入領域R5に打ち込まれた遊技球が球流下路40Rに進入すると、その遊技球は、縦流路41Rを下方に流下して横壁34に受け止められた後、横壁34上を転動しながら横流路42Rを流下する。ここで、
図3に示されるように、横流路42Rを流下する遊技球の勢いが強いと、横流路42Rの先にある障害釘17やガイドレール12が破損するという事態が起こり得る。しかしながら、本実施形態の遊技機10では、横流路42Rを挟む張出片36と装飾プレート140の互い対向面に衝突突部61,161が形成されているので、横流路42Rを流下する遊技球に衝突突部61,161を衝突させて、遊技球を遊技盤11の厚み方向に蛇行させることが可能となる。これにより、遊技球を減勢させることが可能となり、横流路42Rの先にある障害釘17やガイドレール12の破損を抑制することが可能となる。
【0060】
ここで、衝突突部61,161は、横流路42Rの流下方向を横切るように直線状に配置されているので、衝突突部61,161によって遊技球の減勢させ易くなる。また、横流路42Rは、左下がりに傾斜し、衝突突部61,161は、上下方向に延在するので、衝突突部61,161が横壁34と垂直に配置されて上下方向に対して斜めに傾斜する場合と比較して、遊技球が衝突突部61,161に沿って駆け上がることが抑制される。さらに、衝突突部61,161を横流路42Rの流下方向に切断したときの断面形状は、等脚台形状になっているので、遊技球の衝突突部61,161の乗り越えが容易となる。このように、本実施形態の遊技機10では、衝突突部61,161によって横流路42Rを流下する遊技球を減勢しつつ、衝突突部61,161が遊技球の流下を妨げて球詰まりが発生することを抑制することが可能となっている。
【0061】
また、本実施形態では、球流下路40Rを流下する遊技球は、横壁34で受け止められてから横壁34の上を転動することになり、衝突突部61,161は、横壁34に近い側に寄せて配置されている。これにより、球流下路40Rの横流路42Rを流下する遊技球が衝突突部61,161と接触し易くなる。言い換えれば、本実施形態の遊技機10では、横流路42Rにおいて遊技球が流下する可能性が高い部位に衝突突部61,161が効率よく配置されていることになる。
【0062】
また、横流路42Rの流下方向で隣り合う衝突突部61同士の間隔は、遊技球の直径と略同じになっていて、横流路42Rの流下方向で隣り合う衝突突部161同士の間隔も、略同じになっているので、衝突突部61,161を横流路42Rに密に配置することが可能となり、横流路42Rを流下する遊技球が衝突突部61,161に衝突する回数を多くすることが可能となる。しかも、装飾プレート140に形成された衝突突部161は、装飾プレート140の厚み方向から見て、隣り合う衝突突部61,61同士の間に配置されているので、横流路42Rを流下する遊技球を、常に、衝突突部61,161の何れかに衝突させることが可能となる。
【0063】
また、本実施形態では、張出片36との間に球流下路40Rを挟む装飾プレート140の上辺部141J(
図6)には、傾斜面141JKが設けられているので、球流下路40Rは、上流側の端部において遊技盤11の厚み方向に広げられることとなり、球流下路40Rに遊技球を取り込み易くなる。また、装飾プレート140の左辺部141Lにも傾斜面141LKが設けられているので、球流下路40Rは、下流側の端部において遊技盤11の厚み方向に広げられることとなり、球流下路40Rから遊技球を排出し易くなる。しかも、複数の樹脂突部61のうち最も下流側に配置される樹脂突部61は、傾斜面141LKと対向するので、その衝突突部61が遊技球の排出の妨げとなることを抑制して、衝突突部61,161によって減勢された遊技球を横流路42Rからスムーズに排出することが可能となる。
【0064】
なお、本実施形態において、衝突突部61,161は、張出片36と装飾プレート140のうち縦流路41Rを挟む部位に形成されてもよい。この場合、衝突突部61,161は、縦流路41Rを横切る方向に延在する直線状に形成されることが好ましく、左右方向と略平行に形成されることがより好ましい。
【0065】
また、本実施形態において、衝突突部61,161の断面形状は、横流路42Rの上流側が傾斜し、下流側が起立する台形状であってもよい。また、衝突突部61,161の断面形状は、台形状に限らず半円形状や蒲鉾形状であってもよい。
【0066】
また、本実施形態において、衝突突部61,161は、球流下路40Rの流路幅方向の全体に亘って形成されてもよいし、流路幅方向の一部分(例えば、中間部)にのみ形成されてもよい。
【0067】
また、本実施形態において、衝突突部61,161は、ドット状に形成されてもよい。この場合、衝突突部61,161は、球流下路40Rの流路幅方向に並べられてもよい。
【0068】
また、本実施形態において、装飾プレート140は、樹脂突部40のみに固定されてもよいし、表示装飾枠23の上部内側張出部25Hのみに固定されてもよい。
【0069】
また、本実施形態において、樹脂突部40は、複数形成されてもよい。この場合、装飾プレート140は、全ての樹脂突部40に固定されてもよいし、何れか1の樹脂突部40に固定されてもよい。
【0070】
<付記>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0071】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「遊技球が流下可能な球流下路に有する」遊技機に関し、「特許文献A(特開2012-85810号(段落[0024]、
図3))には、遊技者側から見て手前側と奥側に配置される2枚の板材の間に球流下路が形成された遊技機が示されている。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、球流下路を流下してきた遊技球が球流下路の先にある釘や役物に衝突して、釘や役物が破損するという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0072】
[特徴A1]
遊技球が流下可能な球流下路(球流下路40R、詳細には、横流路42R)を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記球流下路を間に挟む1対の流下路構成壁(張出片36と装飾プレート140)を有し、
前記1対の流下路構成壁の互いの対向面には、前記球流下路を流下する遊技球と衝突可能な衝突突部(衝突突部61,161)が前記球流下路を挟んで遊技球の流下方向に互い違いに形成されている遊技機。
【0073】
本特徴に示す構成では、1対の流下路構成壁の互いの対向面に形成された衝突突部によって、球流下路を流下する遊技球の勢いを低減させることが可能となる。これにより、球流下路の先にある釘や構造物の破損を抑制することが可能となる。
【0074】
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機において、
前記衝突突部は、前記球流下路を横切る方向に延在する直線状に形成されている遊技機。
【0075】
本特徴に示す構成によれば、球流下路を流下する遊技球に衝突突部を衝突させ易くなり、遊技球の勢いを低減させ易くなる。
【0076】
[特徴A3]
特徴A2に記載の遊技機において、
前記衝突突部は前記1対の流下路構成壁のそれぞれに2つ以上設けられると共に、同じ流下路構成壁に設けられた前記衝突突部同士の間隔は、遊技球の直径と略同じであって、 前記衝突突部は、断面台形状に形成されている遊技機。
【0077】
本特徴に示す構成によれば、衝突突部同士の間隔が遊技球の直径と略同じになっているので、衝突突部を球流下路に密に配置することが可能となり、球流下路を流下する遊技球が衝突突部と衝突する回数を多くすることが可能となる。また、衝突突部は、断面台形状に形成されているので、遊技球が衝突突部を乗り越えやすくなる。
【0078】
[特徴A4]
特徴A1乃至A3のうち何れか1に記載の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技盤に形成された開口部(表示開口11H)に嵌めこまれて前記開口部の内側へ遊技球が進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)と、を有し、
前記進入規制枠には、前記遊技盤の前面に対して起立すると共に前記開口部の開口縁に沿って延在する起立壁(流下案内壁32)と、前記起立壁から前記開口部の外側に張り出して前記遊技盤の前面に重ねられる重なり片(張出片36)と、が備えられ、
前記球流下路は、前記重なり片と前記重なり片に前側から重ねられるカバー部材(装飾プレート140)との間に形成されると共に、前記1対の流下路構成壁は、前記重なり片と前記カバー部材とで構成され、
前記衝突突部は、前記重なり片の前面と前記カバー部材の後面とに形成されている遊技機。
【0079】
本特徴に示す構成によれば、進入規制枠の起立壁に沿って流下する遊技球の勢いを低減させることが可能となる。
【0080】
[特徴A5]
特徴A4に記載の遊技機において、
前記カバー部材の後面のうち前記球流下路の下流側の端縁には、下流側へ向かうにつれて前記重なり片から遠ざかるように傾斜する傾斜面(装飾プレート140の左辺部141Lにおける傾斜面141LK)が設けられ、
複数の前記衝突突部のうち最も下流側に配置される前記衝突突部は、前記重なり片の前面に形成されて前記傾斜面と対向する遊技機。
【0081】
本特徴に示す構成によれば、衝突突部によって勢いが低減された遊技球を球流下路からスムーズに排出させることが可能となる。
【0082】
[特徴A6]
特徴A4又はA5に記載の遊技機において、
前記カバー部材は、前記重なり片の前面に突設された樹脂突部(樹脂突部40)に支持されている遊技機。
【0083】
本特徴に示す構成によれば、樹脂突部によってカバー部材を安定的に支持することが可能となり、カバー部材と重なり片との間の間隔、即ち、球流下路の流路幅を一定に保ち易くなる。
【0084】
[特徴A7]
特徴A6に記載の遊技機において、
前記起立壁は、前記樹脂突部の下方で横方向に沿って延在する横壁(横壁34)を少なくとも有し、
前記衝突突部は、前記横壁と前記樹脂突部の間で前記横壁に近い側に寄せて配置されている遊技機。
【0085】
本特徴に示す構成では、球流下路を流下する遊技球は、横壁の上を転動し易くなる。そして、衝突突部は、横壁に近い側に寄せて配置されているので、球流下路を流下する遊技球が衝突突部と接触し易くなる。このように、本構成では、球流下路において遊技球が流下する可能性が高い部位に衝突突部を効率よく配置することが可能となる。
【0086】
[特徴A8]
特徴A7に記載の遊技機において、
前記横壁は、斜め下方へ下るように傾斜し、
前記衝突突部は、上下方向に沿って延びる直線状に形成されている。
【0087】
本特徴に示す構成では、衝突突部が遊技球の流下方向を横切るように配置されるので、衝突突部によって遊技球の勢いを低減させ易くなる。しかも、衝突突部は上下方向に沿って延びるので、衝突突部が横壁と垂直に配置されて上下方向に対して斜めに傾斜する場合と比較して、遊技球が衝突突部に沿って駆け上がることが抑制される。
【0088】
[特徴A9]
遊技球が流下可能な球流下路(球流下路40R、詳細には、横流路42R)を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記球流下路を間に挟む1対の流下路構成壁(張出片36と装飾プレート140)を有し、
前記1対の流下路構成壁の互いの対向面には、前記球流下路を流下する遊技球と衝突することでその遊技球の流下速度を低減可能な衝突突部(衝突突部61,161)が形成されている遊技機。
【0089】
本特徴に示す構成では、1対の流下路構成壁の互いの対向面に形成された衝突突部によって、球流下路を流下する遊技球の勢いを低減させることが可能となる。これにより、球流下路の先にある釘や構造物の破損を抑制することが可能となる。
【0090】
なお、特徴A9に示す構成に、特徴A2~A8に示す構成が組み合わされてもよい。
【0091】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を遊技盤の前面に有する」遊技機に関し、「特許文献B(特開2010-136868号(段落[0019]、
図3))には、遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部を備えた遊技機が示されている。」という背景技術について、「特許文献Bの遊技機では、樹脂突部の周辺が地味で、華やかさに欠けるという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0092】
[特徴B1]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技盤の前面から突出するか又は前記遊技盤の前面に重ねられる支持プレート(張出片36)から突出して、前記遊技領域を流下する遊技球と衝突してその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40)と、を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記遊技盤に前側から重ねられ、前記樹脂突部に固定されて遊技球が通過可能な隙間(球流下路40R)を裏側に形成する装飾プレート(装飾プレート140)をさらに有する遊技機。
【0093】
本特徴に示す構成では、遊技盤に前側から重ねられる装飾プレートが樹脂突部に固定されることで、樹脂突部の周辺を華やかに見せることが可能となる。しかも、装飾プレートの裏側には、遊技球が通過可能な隙間が形成されるので、装飾プレートが遊技球の流下の妨げになることが抑制される。
【0094】
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機において、
前記樹脂突部の先端面と前記装飾プレートの裏面とには、互いに嵌合する嵌合凹部(嵌合凹部45)と嵌合突部(嵌合突部145)が形成されている遊技機。
【0095】
本特徴に示す構成によれば、樹脂突部に対する装飾プレートの位置ズレが抑制される。
【0096】
[特徴B3]
特徴B2に記載の遊技機において、
前記嵌合突部と前記嵌合凹部は、その嵌合方向から見て異形に形成されている。
【0097】
本特徴に示す構成によれば、樹脂突部に対する装飾プレートの位置決めが容易となる。なお、ここで、「異形」とは、対称面も対称中心も持たず、嵌合突部と嵌合凹部が嵌合すれば、樹脂突部に対する装飾プレートの向きが正しく決定されるような形状を指すものとする。
【0098】
[特徴B4]
特徴B2又はB3に記載の遊技機において、
前記嵌合凹部と前記嵌合突部を嵌合状態に固定する固定手段を備えた遊技機。
【0099】
本特徴に示す構成によれば、装飾プレートと樹脂突部の固定の安定化が図られる。
【0100】
[特徴B5]
特徴B4に記載の遊技機において、
前記樹脂突部には、ボルトが挿通されるボルト挿通孔(ボルト挿通孔48)が形成され、
前記装飾プレートの裏面には、前記ボルトと螺合する螺子孔(螺子孔148)が形成され、
前記固定手段は、前記ボルトと前記螺子孔により構成される遊技機。
【0101】
本特徴に示す構成では、装飾プレートを樹脂突部に着脱可能に固定することが可能となる。
【0102】
[特徴B6]
特徴B1乃至B5のうち何れか1に記載の遊技機において、
前記遊技盤には、前記遊技盤に形成された開口部(表示開口11H)に嵌めこまれて前記開口部の内側へ遊技球が進入することを規制する進入規制枠(表示装飾枠23)が取り付けられ、
前記進入規制枠には、前記遊技盤の前面に対して起立すると共に前記開口部の開口縁に沿って延在する起立壁(流下案内壁32、詳細には、縦壁33と横壁34)と、前記起立壁から前記開口部の外側に張り出して前記遊技盤の前面に重ねられる前記支持プレートとしての重なり片(張出片36)と、が備えられ、
前記樹脂突部は、前記進入規制枠の前記重なり片に突設され、
前記装飾プレートは、前記進入規制枠の前記起立壁と前記樹脂突部とに架け渡される遊技機。
【0103】
本特徴に示す構成によれば、装飾プレートの固定の安定化が図られる。また、装飾プレートの裏側の隙間を安定的に形成することが可能となり、装飾プレートが遊技球の流下の妨げになることが抑制される。
【0104】
[特徴B7]
特徴B6に記載の遊技機において、
前記進入規制枠には、前記装飾プレートと1つの意匠を構成する装飾部位(上部内側張出部25H)が設けられている遊技機。
【0105】
本特徴に示す構成によれば、進入規制枠の装飾部位と装飾プレートとを一体的に見せることが可能となる。
【0106】
[特徴B8]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面に有する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技盤の前面から突出するか又は前記遊技盤の前面に重ねられる支持プレート(張出片36)から突出して、前記遊技領域を流下する遊技球と衝突してその遊技球の流下方向を変更可能な樹脂突部(樹脂突部40)と、を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記樹脂突部には、前記樹脂突部を前側から覆う装飾プレート(装飾プレート140)が固定されている遊技機。
【0107】
本特徴に示す構成では、樹脂突部を前側から覆う装飾プレートが樹脂突部に固定されることで、樹脂突部の周辺を華やかに見せることが可能となる。
【0108】
なお、特徴B8に示す構成に、特徴B2~B7に示す構成が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 遊技機
11 遊技盤
23 表示装飾枠
25 上部内側張出部
32 流下案内壁
34 横壁
36 張出片
40 樹脂突部
45 嵌合凹部
40R 球流下路
61,161 衝突突部
140 装飾プレート
145 嵌合突部