(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】供給装置、物品収容装置および供給方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/91 20060101AFI20220513BHJP
B65B 35/36 20060101ALI20220513BHJP
B65G 47/86 20060101ALI20220513BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
B65G47/91 D
B65B35/36
B65G47/86 F
B65G47/91 C
B65G47/08 E
(21)【出願番号】P 2018036575
(22)【出願日】2018-03-01
【審査請求日】2020-03-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 製品展示のための搬入による公開 日本国際包装機械展「JAPAN PACK 2017」、搬入日 平成29年9月30日 展示による公開 日本国際包装機械展「JAPAN PACK 2017」、開催日 平成29年10月3日~平成29年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-073038(JP,A)
【文献】特開2018-024443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00 - 47/20
B65G 47/80
B65G 47/84 - 47/86
B65G 47/90 - 47/96
B65B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段によって搬送される物品をロボットのハンドにより取り出して下流工程に供給する供給装置であって、
前記搬送手段は第一の搬送路と第二の搬送路と複数のバケットを有し、
前記第一の搬送路と第二の搬送路とは前記バケットにおける前記物品の載置面が変化するように構成され、
前記バケットは、前記第一の搬送路において前記載置面となる第一支持部と、前記第二の搬送路において該載置面となる第二支持部を有し、
前記バケットは、前記物品の搬送幅方向においては前記第二支持部の長さは前記第一支持部および前記物品の長さよりも短く、前記物品の搬送高さ方向の長さは該搬送幅方向の長さより短く、
前記ハンドは、前記第二の搬送路に含まれる前記物品の取り出し領域において、前記搬送幅方向の一端を把持し、前記搬送高さ方向に移動することで前記物品を取り出して、把持した前記物品の一端を上にして前記物品を起立姿勢にするか又は斜めの姿勢にして前記下流工程に供給する、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記物品の長手方向が前記搬送幅方向に沿い、該物品の短手方向が前記搬送高さ方向に沿うように前記物品を搬送する、
ことを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記取り出し領域における前記搬送手段の搬送面は、前記物品の搬送方向に傾斜して配置される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記ハンドは、取り出し前の複数の前記物品を前記搬送手段の側方に設けられたガイド部に当接して該物品の端部を揃えた状態にして一括して保持する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の供給装置。
【請求項5】
前記ハンドは、基部と把持部を有し、
前記把持部は、前記基部から突出する把持位置と、該基部から突出しない退避位置との間を移動可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の供給装置を備え、
前記ハンドで保持した前記物品を前記下流工程において収容体に収容する、
ことを特徴とする物品収容装置。
【請求項7】
搬送手段により搬送される物品を取り出して下流工程に供給移載する供給方法であって、
第一の搬送期間において前記物品を前記搬送手段のバケットの第一支持部に載置して横長横倒し姿勢で搬送するステップと、
第二の搬送期間において前記物品を前記バケットの第二支持部に載置し、該第二支持部から一部が突出する横長起立姿勢で搬送するステップと、
前記第二の搬送期間において、突出した前記物品の一部をロボットのハンドで把持したのち、該ハンドを、横長起立姿勢の該物品の起立方向に移動させることにより該物品を取り出し、把持した前記物品の一部を上にして前記物品を起立姿勢にするか又は斜め
の姿勢にして前記下流工程に供給するステップと、を有する、
ことを特徴とする供給方法。
【請求項8】
前記物品は長手方向が該物品の搬送幅方向に沿い、短手方向が搬送高さ方向に沿うように搬送される、
ことを特徴とする請求項7に記載の供給方法。
【請求項9】
取り出し前の複数の前記物品は、前記搬送手段の側方に設けられたガイド部に当接して該物品の端部を揃えた状態にしたうえで一括して前記ハンドに保持される、
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を供給する供給装置、および物品を収容体に収容する物品収容装置、および供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バケットを有する搬送手段(バケットコンベア)によって物品を搬送しつつ、ロボットのハンドによって当該物品を取り出して下流工程に移載する物品の供給装置が知られている。特に、例えばボトル状などの縦長の物品を起立状態で箱内に収容する場合には、バケットコンベアの取り出し位置において、起立状態とした場合の物品の上方をハンドで把持し、上方が開口した箱内に収容することが一般的である。
【0003】
縦長の物品は、転倒を防止するためにバケットコンベアにおいては横倒しで搬送される場合も多い。このような場合、ロボットによって物品(容器)を把持しやすいように立ち上げる立ち上げ機構を備え、バケットを有するコンベアに収容されて横倒しで搬送される容器を、取り出し位置においてコンベアから立ち上げ機構に押出し、立ち上げ機構にて起立状態にされた物品の上部をハンドで把持する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
あるいは、深い(高い)仕切りを有するバケットコンベアに物品を起立状態で収容して搬送する場合には、仕切りを物品の高さよりは低く設定し、取り出し位置においてバケット(仕切り)から突出する上部を把持して、起立している方向(鉛直方向)に抜き出す技術も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
このように、従来の技術では、バケットコンベアにて物品を安定して搬送しつつも、取り出し位置ではバケットとハンドとが干渉しないように工夫されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4830396号公報
【文献】特許第4282843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、いずれも物品の取り出しに時間を有する問題があった。
【0008】
例えば、特許文献1に記載の技術では、バケットコンベアにおいて横倒しで物品を搬送するため、姿勢が安定し高速で搬送が可能になる。一方で、取り出し位置においては立ち上げ機構に移載する工程を経た後にロボットのハンドで把持しなければならず、バケットコンベアによる搬送とハンドの把持を連続させることができない。
【0009】
例えば、直方体形状の一方の端部を把持した物品を、上方が開口した箱内に物品を長手方向に収容して箱詰めする場合、物品は起立状態でバケットコンベアにて搬送されるため、特許文献1に記載の立ち上げ機構のような構成は不用であるが、搬送中の物品の転倒を防止するために、バケットの仕切りはなるべく高く設ける必要がある。このため、物品の取り出し位置において起立方向(鉛直方向)に物品を取り出す際には、仕切りの高さと物品の高さの合計よりも高い位置まで移動する必要があり、時間を要してしまう。
【0010】
このように、従来の構成では、物品の取り出しの時間短縮には限界があり、ひいてはサイクルタイムの短縮化も進まない問題があった。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、バケットコンベアで搬送される物品を取り出し位置まで安定して搬送可能であるとともに、物品の取り出し時間を短縮し、ひいてはてサイクルタイムの短縮化を実現する供給装置、物品収容装置および供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、搬送手段によって搬送される物品をロボットのハンドにより取り出して下流工程に供給する供給装置であって、前記搬送手段は第一の搬送路と第二の搬送路と複数のバケットを有し、前記第一の搬送路と第二の搬送路とは前記バケットにおける前記物品の載置面が変化するように構成され、前記バケットは、前記第一の搬送路において前記載置面となる第一支持部と、前記第二の搬送路において該載置面となる第二支持部を有し、
前記バケットは、前記物品の搬送幅方向においては前記第二支持部の長さは前記第一支持部および前記物品の長さよりも短く、前記物品の搬送高さ方向の長さは該搬送幅方向の長さより短く、前記ハンドは、前記第二の搬送路に含まれる前記物品の取り出し領域において、前記搬送幅方向の一端を把持し、前記搬送高さ方向に移動することで前記物品を取り出して、把持した前記物品の一端を上にして前記物品を起立姿勢にするか又は斜めの姿勢にして前記下流工程に供給する、ことを特徴とする供給装置である。
【0013】
また、本発明は、上記の供給装置を備え、前記ハンドで保持した前記物品を前記下流工程において収容体に収容する、ことを特徴とする物品収容装置である。
【0014】
また、本発明は、搬送手段により搬送される物品を取り出して下流工程に供給移載する供給方法であって、第一の搬送期間において前記物品を前記搬送手段のバケットの第一支持部に載置して横長横倒し姿勢で搬送するステップと、第二の搬送期間において前記物品を前記バケットの第二支持部に載置し、該第二支持部から一部が突出する横長起立姿勢で搬送するステップと、前記第二の搬送期間において、突出した前記物品の一部をロボットのハンドで把持したのち、該ハンドを、横長起立姿勢の該物品の起立方向に移動させることにより該物品を取り出し、把持した前記物品の一部を上にして前記物品を起立姿勢にするか又は斜めの姿勢にして前記下流工程に供給するステップをと有する、ことを特徴とする供給方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バケットコンベアで搬送される物品を取り出し位置まで安定して搬送可能であるとともに、物品の取り出し時間を短縮し、ひいてはてサイクルタイムの短縮化を実現する供給装置、物品収容装置および供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態にかかる箱詰め装置の上面図である。
【
図2】
図1に示される物品および箱を示す図であり、(A)物品の上面図、(B)物品の外観斜視図、(C)箱内に物品を収容した状態を示す正面図である。
【
図3】供給装置(第2搬送手段)を示す図であり、(A)正面概要図、(B)バケット部分の正面概要図、(C)バケット部分の上面概要図、(D)バケット部分の側面概要図、(E)バケット部分の正面概要図、(F)バケット部分の側面概要図である。
【
図4】第2搬送手段を示す図であり、(A)側面概要図、(B)側面概要図、(C)上面概要図、(D)上面概要図である。
【
図5】排出手段を説明する図であり、第2搬送手段付近の(A)上面図、(B)上面図、(C)側面図、(D)側面図、(E)側面図である。
【
図6】搬送手段の供給領域および排出領域付近の側面図である。
【
図8】本発明の実施形態の変形例を示す図であり、(A)上面概要図、(B)正面概要図、(C)上面概要図である。
【
図9】本発明の実施形態の変形例を示す図であり、第2搬送手段の一部を抜き出して示す正面概要図である。
【
図11】本発明の実施形態の変形例を示す図であり、第2搬送手段の一部を抜き出して示す正面概要図である。
【
図13】本実施形態の収容方法の他の例を示す図である。
【
図14】本実施形態の物品収容装置10の他の例を示す図であり、(A)上面図、(B)上面図、(C)正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る物品収容装置10について詳細に説明する。本実施形態の物品収容装置10は、ロボット23のハンド235によって物品XA1を把持し、収容体YA1内に収容する装置である。以下の実施形態では、一例として、ハンド235によって複数の物品XA1を一体的に把持して一つの箱YA1内に収容する箱詰め装置10の場合について説明する。
【0018】
<全体構成>
まず、
図1および
図2を用いて、本実施形態の物品収容装置(箱詰め装置)10の構成について説明する。
図1は、箱詰め装置10の一例を示す上面概要図である。また
図2(A)は、物品XA1の上面図であり、同図(B)は、物品XA1の外観斜視図であり、同図(C)は、箱YA1に物品XA1を収容した(箱詰め)した状態の正面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚み等を適宜誇張して表現する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の箱詰め装置10は、例えば、物品XA1が搬送される搬送手段(第1搬送手段)1と、第1搬送手段1で搬送される物品XA1の姿勢を変化させつつ下流工程に移送する供給装置2と、供給装置2の下流において箱YA1が搬送される搬送手段(第3搬送手段)3を有する。
【0020】
第1搬送手段1は、供給装置2の上流に配置される例えばベルトコンベアまたはローラコンベアなどであり、物品XA1を1個ずつ間隔(等間隔、または等間隔でない間隔)をあけて搬送し、供給装置2に対して物品XA1を供給する。なお、説明の便宜上、第1搬送手段1における各種方向の定義として、物品XA1が上流から下流に移動する方向(水平方向HR)を搬送方向T1とし、搬送方向T1と水平面内で直交する方向を搬送幅方向W1とし、搬送方向T1及び搬送幅方向W1に対して直交する方向(鉛直方向VT)を搬送高さ方向H1とする。
【0021】
第1搬送手段1は、例えば、サーボモーター(図示省略)を有してなり、当該サーボモーターにより動力が与えられることで、搬送面1aが同図に示す搬送方向T1に沿って、連続走行している。第1搬送手段1の搬送面1a上には上流の工程から物品XA1が1個ずつ互いの間隔をあけてこの例では図の右方から左方に搬送されており、第1搬送手段1は、下流の供給装置2にこれらの物品XA1を順次供給する。
【0022】
供給装置2は、第1搬送手段1の下流に設けられ、物品XA1の搬送手段(第2搬送手段)21とロボット23を有する。第2搬送手段21は、例えばバケットコンベアであり、第1搬送手段(ベルトコンベア)1で搬送される物品XA1を受け入れて、その姿勢を変化させつつ下流に搬送する。ロボット23は、第2搬送手段(バケットコンベア)21で搬送される物品XA1を保持して取り出し、下流工程に移載する。
【0023】
第3搬送手段3は、供給装置2の下流に配置され、組み立てた状態の箱YA1を搬送し、あるいは搬送途中で箱YA1を組み立てつつ下流に搬送する手段である。なお、説明の便宜上、第3搬送手段3における各種方向の定義として、物品XA1が上流から下流(
図1では左から右)に移動する方向(水平方向HR)を搬送方向T4とし、搬送方向T4と水平面内で直交する方向を搬送幅方向W4とし、搬送方向T4及び搬送幅方向W4に対して直交する方向(鉛直方向VT)を搬送高さ方向H4とする。
【0024】
第3搬送手段3は、例えば、サーボモーター(図示省略)を有してなり、当該サーボモーターにより動力が与えられることで、搬送面3aが同図に示す搬送方向T4に沿って、連続走行している。第3搬送手段3は、例えば、バケットコンベア、ベルトコンベア、プレートコンベア、ローラーコンベア、フィンガーコンベア、バーコンベアなどの各種搬送装置を適用できる。
【0025】
第3搬送手段3の搬送面3a上には上流の工程から箱YA1が例えば上方を開放した状態で1個ずつ互いの間隔をあけてこの例では図の左方から右方に搬送されている。
【0026】
箱詰め装置10の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。すなわち、箱詰め装置10の各部は、制御ユニットの制御下において動作して、その動作状況が制御ユニットによって管理されている。制御ユニットは、各種センサーで取得したデータに基づいて箱詰め装置10の各部の動作を制御して調整する。
【0027】
制御ユニットは、CPU、RAM、及びROM等から構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0028】
これにより本実施形態の箱詰め装置10は、第1搬送手段1で物品XA1を搬送し、供給装置2によって物品XA1を受け入れるとともに姿勢を変化させつつ搬送し、ロボット23のハンド235によって例えば複数の物品XA1を一括して保持して取り出し、第3搬送手段3によって搬送される箱YA1内に収容する。
【0029】
<物品>
図2を参照して、本実施形態で搬送される物品XA1の形状の一例について説明する。物品XA1は、例えば略直方体形状を有する。より詳細には、第一の辺L1、第二の辺L2と第三の辺L3で構成される略直方体形状であり、例えば、第一の辺L1を長辺、第二の辺L2を短辺とする細長い矩形状の2面が6面のうち最も広い面を構成し、第三の辺L3が厚みとなるような略直方体形状である。以下の説明では便宜上、第一の辺L1を長辺L1、第二の辺L2を短辺L2、第三の辺L3を厚みL3と称する。
【0030】
物品XA1は、第1搬送手段1および第2搬送手段21においては長辺L1が水平方向HRに延在する(長辺L1が(略)鉛直方向に延在しない)姿勢(以下、これを「横長横倒し姿勢」という)で搬送される(同図(A),同図(B))。そして、ハンド235によって取り出された後は、長辺L1が(略)鉛直方向に延在するように姿勢が変えられ、箱YA1内に収容される(同図(C))。
【0031】
<供給装置>
つぎに、
図3~
図5を参照して供給装置2について説明する。供給装置2は上述のとおり、第2搬送手段(バケットコンベア)21とロボット23を有する(
図1参照)。
図3は供給装置2のバケットコンベア21部分を抜き出して示す概要図であり、同図(A)が
図1に示すロボット23の方向から見た正面図である。また、同図(B)~同図(D)は第一の搬送路R1におけるバケット211部分を抜き出して示す概要図であり、同図(B)が正面図、同図(C)が上面図、同図(D)が側面図である。また、同図(E)~同図(F)は第二の搬送路R2におけるバケット211部分を抜き出して示す概要図であり、同図(E)が正面図、同図(F)が側面図である。なお
図3(D)は、第一の搬送路R1を下流側(
図3(A)の上側)から見た側面図であり、
図3(F)は、第二の搬送路R2を下流側(
図3(A)の左側)から見た側面図である。
【0032】
また、
図4は、バケットコンベア21(同図(A)、同図(C))およびバケットコンベア21で物品XA1が搬送される状態(同図(B),同図(D))を示す概要図であり、
図4(A),同図(B)が第一の搬送路R1を上流側(
図1に示す第1搬送手段1側)から見た側面図であり、同図(C)および同図(D)が第二の搬送路R2の上面図である。
【0033】
図3(A)を参照して、バケットコンベア21は、物品XA1が収容される複数の収容部(バケット)211を有する。具体的には、バケットコンベア21は、複数のバケット211が、所定の軌跡で循環移動するエンドレスベルト219に連結されて構成される。エンドレスベルト219は、例えば、その内周面にタイミングプーリ217(217A~217C)の外周面に形成された凹凸に噛み合う歯部が形成されたタイミングベルトであり、正面視において略三角形状となるように所定の間隔をおいて配置された3個のタイミングプーリ217(217A~217C)間に掛け渡される。エンドレスベルト219は、各タイミングプーリ217の部分で半円弧状に回転し、それ以外の区間では直線状を移動する軌跡をとる。このエンドレスベルト219ひいてはバケット211は、
図3(A)において反時計周りで循環移動する。また、このバケットコンベア21は、複数のバケット211が例えば間欠駆動する。
【0034】
第2搬送手段21は、第1搬送手段1から物品XA1を受け取る供給領域P1と、物品XA1をロボット23のハンド235によって取り出させる取出し領域P2を有し、正面視において略三角形状の軌跡で循環移動することによって物品XA1の姿勢を変化させる。3つのタイミングプーリ217は、それぞれ水平方向HRに回転軸が延在し、鉛直方向VTに円形の面が存在するように配置される。そして例えば、
図3(A)に示すタイミングプーリ217Aが鉛直方向VTにおいて最も高い位置に配置され、タイミングプーリ217Bがタイミングプーリ217Aより低い位置に配置され、タイミングプーリ217Cが最も下方に配置される。そして、物品XA1は、タイミングプーリ217Cからタイミングプーリ217Aまでの第一の搬送路R1と、タイミングプーリ217Aからタイミングプーリ217Bまでの第二の搬送路R2の上を、移動する。
【0035】
そして、第2搬送手段21は、供給領域P1において第1搬送手段1から物品XA1を受け入れた直後から所定位置まで(タイミングプーリ217Aで回転する直前まで)の第一の搬送路(搬送期間)R1において物品XA1を第一の姿勢で搬送する。第一の搬送路R1にはアッパーガイド221Cが設けられ、物品XA1の搬送高さ方向H2への落下を防止する。アッパーガイド221Cは、バケット211に収容された物品の取り出しが可能なように開閉可能に構成されている。
【0036】
そして、バケット211がタイミングプーリ217Aで回転する際に物品XA1の姿勢を変化させ、それ以降、取り出し領域P2において取り出されるまでの第二の搬送路(搬送期間)R2において物品XA1を第二の姿勢で搬送する。
【0037】
以下では説明の便宜上、第2搬送手段21における各種方向の定義として、第一の搬送路R1において、物品XA1が上流から下流に移動する方向(同図(A)では下方から上方)を搬送方向T2、搬送方向T2と直交し、タイミングベルトを横断する方向を搬送幅方向W2とし、搬送方向T2及び搬送幅方向W2に対して直交する方向を搬送高さ方向H2とする。この場合、搬送方向T2は略鉛直方向、搬送幅方向W2は水平方向HR、搬送高さ方向H2は略水平方向となる。なお、同図(A)に示すように、第一の搬送路R1は鉛直方向VTに対して僅かに傾斜し、第二の搬送路R2は水平方向HRに対して僅かに傾斜しているが、本実施形態ではこれらの状態をそれぞれ、略鉛直方向、略垂直方向と称する。
【0038】
また、第2搬送手段21の第二の搬送路R2において、物品XA1が上流から下流に移動する方向(同図(A)では右方から左方)を搬送方向T3、搬送方向T3と直交し、タイミングベルトを横断する方向を搬送幅方向W3とし、搬送方向T3及び搬送幅方向W3に対して直交する方向を搬送高さ方向H3とする。この場合、搬送方向T3は略水平方向、搬送幅方向W3はいずれも水平方向HR、搬送高さ方向H3は略鉛直方向となる。このように、第2搬送手段21は、その搬送方向T2,T3が第1搬送手段1の搬送方向T1に直交するように配置される(
図1参照)。
【0039】
図3(A)および
図4を参照して、バケット211は、エンドレスベルト219の外表面に、該エンドレスベルト219の移動方向の前後に所定間隔をおいて取り付けられた例えば板状の支持部(第1支持部)213と、板状の第1支持部213の面に直交する方向に(正面視において略L字状を呈するように)設けられた例えば板状の他の支持部(第2支持部)215により構成される。すなわち、第1支持部213は、それぞれエンドレスベルト219の移動方向と直交する方向、エンドレスベルト219の幅方向(搬送幅方向W2、W3)に横断するように配置され、エンドレスベルト219の表面に対して垂直方向に延びるように(起立する方向に)配置される。第2支持部215は、それぞれエンドレスベルト219の移動方向と直交する方向、エンドレスベルト219の幅方向(搬送幅方向W2、W3)に横断するように配置されてエンドレスベルト219の表面を覆い、第1支持部213の表面に対して直交するように配置される。
【0040】
より詳細には、
図3(B),同図(D),
図4(A),同図(C)に示すように、第1支持部213は例えば、短辺213Sと長辺213Lを有する矩形状の板状部材であり、長辺213Lがエンドレスベルト219の幅方向(搬送幅方向W2、W3)に横断するように配置され、短辺213Sがエンドレスベルト219の表面に対して垂直方向に延びるように(起立する方向に)配置される。
【0041】
また、
図3(E),同図(F),
図4(A),同図(C)に示すように、第2支持部215は短辺215Sと長辺215Lを有する矩形状の板状部材であり、対向する長辺215Lがエンドレスベルト219の移動方向(搬送方向T2,T3)の前後に配置され、対向する短辺215Sが搬送幅方向W2、W3の両側に位置するようにエンドレスベルト219の表面に配置される。そして第2支持部215の一方の長辺215Lは、1つの第1支持部213の一方の長辺213Lと当接し、
図3(A)に示す正面視において略L字状を呈するように構成される。
【0042】
このようにエンドレスベルト219は、第1支持部213と第2支持部215を装着し、それらを所定の軌跡で公転移動させる。そして、個々のバケット211は、前後一対の第1支持部213および一方の第1支持部213に当接する第2支持部215により区画される。
【0043】
バケット211を構成する第1支持部213は、第一の搬送路R1においては物品XA1の載置面となり(
図3(A)~同図(D)参照)、タイミングプーリ217Aで回転する際には物品XA1の姿勢を変化させる手段となり(
図3(A))、第二の搬送路R2においては、物品XA1の起立状態をガイドする手段となる(
図3(A),同図(E),同図(F))。第1支持部213は物品XA1を搬送方向T2、T3の上流から下流に押送する物品押送部である。
【0044】
また第2支持部215は、第一の搬送路R1においてはバケット211の側面となり(
図3(A)~同図(D)参照)、タイミングプーリ217Aで回転する際には物品XA1の姿勢を変化させる手段となり(
図3(A))、第二の搬送路R2においては、物品XA1の載置面となる(
図3(A),同図(E),同図(F))。
【0045】
物品XA1は、第1搬送手段1上では長辺L1が搬送方向T1、短辺L2が搬送幅方向W1、厚みL3が搬送高さ方向H1に沿うように搬送面上に載置され、水平方向に搬送される(
図1参照)。そしてその状態で、第2搬送手段21の供給領域P1においてバケット211の載置面(第1支持部213)上に載置され、搬送される。つまり、第一の姿勢は、第1搬送手段1で搬送される物品XA1の姿勢と同じ姿勢である。
【0046】
バケットコンベア21は、物品XA1をその長辺L1が鉛直方向VTに対して横倒しとなる状態で搬送するが、第一の搬送路R1から第二の搬送路R2に移動するまでの間に物品XA1の短辺L2の延在方向が水平方向から略鉛直方向になるように(厚みL3の方向が鉛直方向から略水平方向になるように)その姿勢を変化させる。第一の搬送路R1における物品XA1の第一の姿勢(短辺L2の延在方向が水平方向、厚みL3の方向が鉛直方向となる姿勢)は「横長横倒し姿勢」であり、また、第二の搬送路R2における物品XA1の第二の姿勢(短辺L2の延在方向が略鉛直方向、厚みL3の方向が略水平方向となる姿勢)を以下、「横長起立姿勢」という。
【0047】
より詳細には、
図3(A)~同図(D)に示すように、第一の搬送路R1においては、物品XA1の長辺L1が搬送幅方向W2に沿い、厚みL3が搬送方向T2(略鉛直方向)に沿い、短辺L2が搬送高さ方向H2に沿うようにして搬送される。その後、物品XA1は
図3(E)~同図(F)に示すように、第二の搬送路R2においては、物品XA1の長辺L1が搬送幅方向W3に沿い、厚みL3が搬送方向T3に沿い、短辺L2が搬送高さ方向H3(略鉛直方向)に沿うようにして搬送される。
【0048】
ここで、本実施形態の第1支持部(物品押送部)213の形状は、一方の辺(第一の辺213L)が他方の辺(第二の辺213S)よりも長い矩形状である(
図3(B)~同図(F))。
【0049】
そして、第1支持部(物品押送部)213は、第一の辺(長辺213L)が搬送幅方向W2、W3に沿い、第二の辺(短辺)213Sが搬送高さ方向H2,H3に沿うように、エンドレスベルト219に取り付けられ、搬送方向T2,T3に物品XA1を押送するように構成されている。
【0050】
また、この例において第1支持部213は、物品XA1の長辺L1と短辺L2からなる矩形状と略同等の形状である。より具体的には、第1支持部213は、搬送幅方向W2,W3の長さ(長辺213Lの長さ213X1)が物品XA1の長辺L1の長さと略同等(または小さい)であり、搬送高さ方向H2,H3の長さ(短辺213Sの長さ(第2支持部215の表面からの高さ)213X2)が短辺L2の長さと略同等(または僅かに大きい)である。そして物品XA1は第1支持部213に沿った状態、すなわち第1支持部213の長辺213Lと物品XA1の長辺L1が揃い、第1支持部213の短辺213Sと物品XA1の短辺L2が揃う状態で搬送される(
図3(B)~同図(F))。従って、第一の搬送路R1においては物品XA1を確実に載置し、また、第二の搬送路R2においては物品XA1の転倒を確実に防止することができる。
【0051】
一方、第2支持部215の形状は、第一方向の長さが物品XA1の第一方向の長さより短く設定される。そしてロボット23のハンド235は、物品XA1を第二方向の両側から把持し、該第二方向に沿って移動して取り出す。具体的には、第一方向は第1支持部213の長辺213Lおよび物品XA1の長辺L1(に沿う)方向であり、第二方向は第1支持部213の短辺213Sおよび物品XA1の短辺L2(に沿う)方向である。つまり、第2支持部215は、
図3(F)に示すように、物品XA1の長辺L1に沿う方向(この例では略水平方向、搬送幅方向W2,W3)の長さ(長辺215L)が、物品XA1の長辺L1の長さよりも短く設定されており、物品XA1を載置した場合に物品XA1の搬送幅方向W2、W3の一方の端部が第2支持部215から突出するように構成されている(同図(D),同図(E))。
【0052】
<ロボットのハンド>
図1および
図5を参照してロボット23およびそのハンド235について説明する。
図5はハンド235部分を抜き出して示す概要図であり、同図(A)および同図(B)が上面図、同図(C)~同図(E)が側面図である。同図(C)~同図(E)のバケット211および物品XA1は、
図3(F)の側面図に対応している。また、同図(C)は物品XA1を載置していない状態のハンド235である。
【0053】
図1に示すように、ロボット23は、ロボットアーム231が任意に3次元空間を移動可能であり、その先端に設けられたエンドエフェクタを用途に応じて付け替えることで、様々な作業に利用することができる。この例では、ロボットアーム231は、エンドエフェクタとして複数の物品XA1を一括して保持可能なハンド235を有している。
【0054】
図5に示すように、ハンド235は、基部235Aと把持部235Bを有する。把持部235Bは、対向配置された爪状部材で1つの物品XA1を把持可能に構成され(
図5(C)~同図(E))、この例では1つの基部235Aにおいて複数組(例えば5組)取り付けられている。つまりハンド235は1回の把持動作で複数個(この例では5個)の物品XA1を一括して把持可能に構成されている(
図5(A))。
【0055】
ハンド235の複数の把持部235Bは互いの間隔が近接・離間するように移動可能に構成されている。複数の把持部235Bは、バケット211から物品XA1を取り出す際は、各バケット211の間隔に対応した距離で離間されており(
図5(A))、バケット211から物品XA1を取り出した後は必要に応じて、互いの間隔を近接させて(
図5(B))、箱YA1に収容することが可能となっている。
【0056】
ハンド235は、第2搬送手段21の取り出し領域P2(
図3(A)、
図4(D)参照)において、物品XA1を取り出す。その際、例えば
図5(D)および同図(E)に示すように、バケット211内の物品XA1をその短辺L2方向(この例では略鉛直方向、搬送高さ方向H3)の両側から把持し、
図3(A),同図(E)および同図(F)、
図5(E)に白抜き矢印で示すように、第1支持部213の短辺213S(物品XA1の短辺L2)に沿って移動して(略鉛直方向(搬送高さ方向H3)に移動して)取り出す。
【0057】
既に述べたように、第2支持部215は、物品XA1の長辺L1に沿う方向(この例では略水平方向、搬送幅方向W2,W3)の長さ(長辺215L)が、物品XA1の長辺L1の長さよりも短く設定されている。より詳細には、
図5(E)に示すように第2支持部215の長辺215Lは、物品XA1の長辺L1の長さよりも長さΔD1だけ短く設定されている。そしてこの長さΔD1は、ハンド235が物品XA1を把持した際の把持部235Bの先端から把持されている物品XA1の端部までの長さΔD2よりも長く設定されている。さらに加えて、第2支持部215は、ハンド235によって保持する物品XA1の端部とは逆側の端部(物品XA1の長辺L1方向(搬送幅方向W3)における逆側の端部)と、自身の端部とが揃うように長辺L1の一方側に寄せられて設けられる(
図5(C)~同図(E))。
【0058】
そして、ハンド235は、第2支持部215から長辺(物品XA1の長辺L1,第2支持部215の長辺215L)に沿う一方側に露出(突出)する物品XA1の一部を第2支持部215の面(この場合は略水平な面)に対して垂直な方向(略鉛直方向)に把持し、且つ、第1支持部213の短辺213S方向(この例では、物品XA1を把持する方向と同じ、略鉛直方向)に沿って移動してバケット211から取り出す。
【0059】
このようにすることで、物品XA1の長辺L1方向の一端を、当該物品XA1の短辺L2方向から把持部235Bによって挟む場合であっても、ハンド235(把持部235B)とバケット211(第2支持部215)との干渉を回避することができる。
【0060】
また、バケット211から取り出す際の移動は、物品XA1(の短辺L2)がバケット211の第1支持部213の短辺213Sから露出する分の移動、すなわち、第1支持部213の短辺213Sの長さ213X2のみの移動でよく(
図3(A),同図(E)、
図5(C)~同図(E))、物品XA1の取り出し時間を従来と比較して大幅に短縮することができる。
【0061】
ここで、
図1および
図4を参照して、バケットコンベア21は、少なくとも第一の搬送路R1においては、搬送幅方向W2の両側に、物品XA1の移動(長辺L1方向の移動)を規制するガイド部221A,221Bが設けられる。これにより、搬送中の物品XA1の離脱・落下を防止することができる。また、第二の搬送路R2の少なくとも取り出し領域P2においては、搬送幅方向W3の一方側(ロボット23側)が開放され、他方側のみにガイド部221Aが設けられる。これにより、ロボット23のハンド235で物品XA1を取り出す際に、ガイド部221Bと干渉することを回避できる(
図4(C),同図(D))。
【0062】
また、ロボット3は、ハンド235で物品XA1を取り出す際に、ハンド235の一部(例えば、把持部235B)で複数の物品XA1をガイド部221A方向に押し込んで(把持する物品XA1の端部の長辺L1方向の逆側に向かって押し込んで)、複数の物品XA1の位置(搬送幅方向W3の端部位置)を揃える。この場合、物品XA1の長辺L1方向の逆側をガイド部221Aに当接させて、ガイド部221Aとハンド235とで複数の物品XA1を挟むようにしてもよい。
【0063】
このようにすることで、複数の物品XA1の位置(搬送幅方向W3の端部位置)がばらついていた場合であってもこれを揃え、その状態で複数の物品XA1を一括して把持することができる。これにより、複数の物品XA1の把持位置のばらつきを抑え、安定した把持および移載が可能となる。
【0064】
また、
図3(A)に示すように、取り出し領域R2を含む第二の搬送路Rにおいては、搬送面(第2支持部215)が搬送方向T3の前方と後方の高さが異なるように傾斜して配置される。つまり、
図3(A)に示すタイミングプーリ217Aの位置は、搬送方向T3前方のタイミングプーリ217Bの位置よりも鉛直方向において例えば高い位置にあり、これによりエンドレスベルト219ひいては第2支持部215は、搬送方向T3の前方が後方より低くなるように傾斜している。これにより、物品XA1の前後の第1支持部213の間隔が物品XA1の厚みL3よりも大きい場合であっても、第二の搬送路R2において各物品XA1は前方の第1支持部213に当接している。つまり、物品XA1は転倒が回避されるとともに位置決めがされた状態(ハンド235で把持する際の位置および姿勢がそろえられた状態)で安定して搬送される。なお、第二の搬送路R2の搬送面は、搬送方向T3の前方より後方が低くなるように傾斜してもよい。この場合、物品XA1は後方の第1支持部213に当接する。
【0065】
また、
図1に示すように、第1搬送手段1の下流端部の手前には物品XA1の状態を検知する検知手段13を設け、検知手段13によって物品XA1(の外観)に異常が検知された場合には、排出手段15によって当該不良の物品XA1を排出するとよい。
【0066】
図6を参照して排出手段15による排出動作の一例を説明する。同図は、
図1の下方側側から見た側面図である。排出手段15は例えば、シャッター部151と排出ボックス153を含んで構成される。シャッター部151は、供給領域P1の搬送幅方向W2の一方の端部(第1搬送手段1の搬送方向T1の前方側(下流側)となる端部)に進退可能に設けられ、供給装置2の供給領域P1に供給された物品XA1の移動(第1搬送手段1の搬送方向T1の前方側(下流側)への移動)を許容および規制する。排出ボックス153は、シャッター部151のさらに第1搬送手段1の搬送方向T1の前方側(下流側)に設けられる。第1搬送手段1での搬送中に検知手段13によって、または第1搬送手段よりも上流側の装置で異常と判断された物品XA1がバケット211に移載されると(同図(A))、バケットコンベア21はバケット211の移動を待機(一時停止)し、シャッター部151が開く(後退する)。第1搬送手段1は運転を継続しており、これにより第1搬送手段1上を搬送される後続の物品XA1によってバケット211上の異常と判断された物品XA1が搬送方向T1に押出され、排出ボックス153に排出される。押出した後続の物品XA1は、バケット211に移載される(同図(B))。
【0067】
また、バケットコンベア21の供給領域P1の近傍には、バケット211上の物品XA1の有無を検知する物品検知手段S(
図3(A)参照)と物品排出手段(不図示)を設けるとよい。物品排出手段は、例えば、物品XA1にエアを吹き付けるエア吹き付けノズルを有する。バケットコンベア21は、搬送する物品XA1に異常(バケットコンベア21に引っかかるなどの異常)があった場合には運転を停止するように構成されている。そして、バケットコンベア21が停止した場合には、供給領域P1において物品XA1がバケット211に載置されず、空のバケット211が存在することになる。物品検知手段Sは、当該空のバケット211を検知する。そして物品排出手段は、物品検知手段Sが空のバケット211を検知した場合、異常の原因となる物品XA1が例えばエア吹き付けノズルの吹き付け対象位置(例えば、供給領域P1)に移動するまでバケットコンベア21を所定距離逆回転させる。そして、異常の原因となる物品XA1に対してエアを吹き付けるとともに、シャッター151を開く(後退させる)。これにより、異常の原因となった物品XA1は、排出ボックス153に排出され、バケット211には後続の物品XA1が載置される。
【0068】
なお、バケットコンベア21は、間欠動作に限らず、連続動作であってもよい。バケットコンベア21を連続動作、又は変速動作させる場合には、ロボットアーム231(ハンド235)を取り出し領域P2におけるバケットコンベア21の動作に追従させて取り出すようにする。
【0069】
一方、間欠動作させることによって、第1搬送手段1によって搬送される物品XA1が定速(等間隔)でなくても、確実に物品XA1を受け取ることできる。
【0070】
再び
図1から
図6を参照して、本実施形態の箱詰め装置10の動作(箱詰め方法、供給装置2による供給方法)について説明する。
【0071】
図1を参照して、物品XA1は、第1搬送手段1の搬送面1a上を、上流から下流に向かって(
図1の右から左に向かって)搬送される。物品XA1は、その長辺L1が鉛直方向VTに対して横倒し状態で搬送される。より詳細には、その長辺L1が搬送方向T1に沿い、短辺L2が搬送幅方向W1に沿うように横長横倒し姿勢で配置されて1個ずつ所定間隔で搬送される。物品XA1は、そのままの姿勢で第1搬送手段1の下流端部において待機する第2搬送手段21のバケット211(第1支持部213)に移載される。
【0072】
第1搬送手段1の下流端部の手前において検知手段13によって物品XA1(の外観)に異常が検知された場合、当該物品XA1がバケット211に移載されると、バケットコンベア21はバケット211の移動を待機(一時停止)し、シャッター部151が開く(後退する)。第1搬送手段1は運転を継続しており、これにより第1搬送手段1上を搬送される後続の物品XA1によってバケット211上の異常と判断された物品XA1が搬送方向T1に押出され、排出ボックス153に排出される。押出した後続の物品XA1は、バケット211に移載される(
図6参照)。
【0073】
物品XA1は、供給装置2のバケットコンベア21に受け渡される。バケットコンベア21のバケット211は間欠駆動しており、第1搬送手段1によって搬送される物品XA1の供給を待機する。すなわちバケットコンベア21の供給位置P1においてバケット211が待機しており、当該バケット211に物品XA1が載置されると搬送方向T2(この例では略鉛直方向)に搬送される。第一の搬送路R1を搬送される物品XA1は、バケット211の第1支持部213に、第1搬送手段1での搬送の姿勢と同じ姿勢(横長横倒し姿勢)で載置され搬送される(
図3(A),
図4(B))。
【0074】
バケットコンベア21は、タイミングプーリ217Aで回転する際に物品XA1の姿勢を横長横倒し姿勢から横長起立姿勢に変化させる(
図3(A))。そして、第二の搬送路R2を搬送される物品XA1は、バケット211の第2支持部215に載置されて横長起立姿勢で搬送される(
図4(C)、同図(D))。なお、第一の搬送路R1および第二の搬送路R2の取り出し領域P2の手前までは、搬送幅方向W2,W3の両側にガイド部221A,221Bが設けられており、物品XA1の搬送幅方向W2,W3の移動が規制(落下が防止)される。
【0075】
ロボット23は、バケットコンベア21の取り出し領域P2において搬送される物品XA1を取り出して下流工程に移載する。具体的には、取り出し領域P2では、物品XA1の長辺L1方向の一方側(ハンド235とは逆側)にのみガイド部221Aが設けられており、ハンド235側が開放されている。ロボット23はまず、ハンド235の一部(例えば、把持部235Bの先端や、基部235Aなど)で把持する複数(例えば、5個)の物品XA1の一端を搬送幅方向W3の奥側(ハンド235から離れる方向)に押出し、複数の物品XA1の位置(搬送幅方向W3の端部位置)を揃える。この場合、物品XA1の他端をガイド部221Aに当接させてもよい。これにより、複数の物品XA1の把持位置のばらつきを抑え、安定した把持および移載が可能となる。
【0076】
ロボット23は、把持部235Bの把持方向(開閉方向)が物品XA1の短辺L2方向(略鉛直方向)に沿うようにハンド235を移動し、長辺L1方向(搬送幅方向W3)の一方の端部(ハンド235側の端部)を短辺L2方向(この例では略鉛直方向、搬送高さ方向H3)の両側から把持する。取り出し領域P2においては、バケット211の底部(物品XA1の載置面)となる第2支持部215は、搬送幅方向W3の長さが物品XA1の長辺L1の長さより短く設定されており、ハンド235は、バケット211(第2支持部215)と干渉することなく、複数(例えば5個)の把持部235Bのそれぞれでガイド部221Aが設けられていない側の第2支持部215から露出している物品XA1の端部を略鉛直方向の上下から複数(例えば、5個)の物品XA1を一括して把持する(
図4(D)、
図5(C)~同図(E))。把持部235Bは、複数の物品XA1を搬送幅方向W3の端部を揃えた状態で一括して把持することができる。
【0077】
そして、ロボット23はハンド235を略鉛直方向(搬送高さ方向H3)に移動させて物品XA1を第1支持部213の短辺213Sに沿う方向(この例では物品XA1の短辺L2に沿う方向に同じ)に抜き取る。つまり、ハンド235は、第2支持部215から露出する物品XA1の一部を第2支持部215の面(この場合は略水平な面)に対して垂直な方向(略鉛直方向、第1支持部213の短辺213Sに沿う方向)に把持し、且つ、把持する方向(略鉛直方向、第1支持部213の短辺213Sに沿う方向)に沿って移動してバケット211から取り出す(
図3(E),同図(F)、
図5(E))。
【0078】
その後、ロボット23は、ハンド235を下流の第3搬送手段3上に移動する。第3搬送手段3には、例えば予め組み立てられ(起函され)鉛直方向の上方が開放された状態の箱YA1が搬送されている。ハンド235は、物品XA1の長辺L1が(略)鉛直方向に延在するように把持し、把持している側の一端が鉛直方向上方、他端が鉛直方向下方となるように移動し、これらを一括して箱YA1内に移載(収容)する。これにより、物品XA1は長辺L1が(略)鉛直方向に延在するように姿勢が変えられ、箱YA1内に収容される。具体的には、例えばロボット23は、ハンド235で保持する物品XA1の端部と逆側の端部(長辺L1方向における逆側の端部、下端部)から箱YA1内に物品XA1を挿入し、物品XA1の一部が挿入された後にハンド235での保持を解除して物品XA1を自然落下させて箱詰めする(
図1、
図2(C))。
【0079】
このように、本実施形態の箱詰め装置10は、長辺L1と短辺L2を有する物品XA1を横倒し状態で搬送し、複数の物品XA1の長辺L1方向の一方の端部をハンド235の把持部235Bによって短辺L2の方向(例えば、鉛直方向)に挟んで把持し、物品XA1を押送する第1支持部(物品押送部)213の短辺213S(ここでは物品XA1の短辺L2に同じ)の方向に移動させて物品XA1を抜き取り、下流工程に移載する。下流工程では鉛直方向の上方が開口された箱YA1が搬送され、ハンド235は物品XA1をその長辺L1が略鉛直方向に沿うように保持して箱YA1内に物品XA1を収容する。
【0080】
本実施形態の箱詰め装置10(供給装置2)および箱詰め方法(供給方法)によれば、ハンド235は、第2支持部215から露出する物品XA1の一部を第2支持部215の面(この場合は略水平な面)に対して垂直な方向(略鉛直方向)に把持し、且つ、第1支持部(物品押送部)213の短辺213S方向に沿って移動してバケット211から取り出すため、バケット211から取り出す際の移動は、物品XA1(の短辺L2)がバケット211の第1支持部213の短辺213Sから露出する分の移動のみにすることができる。
【0081】
これにより、バケットコンベア21から直接ロボット23のハンド235で物品XA1を取り出し、下流に移載する場合であっても、バケット211と物品XA1の干渉を防ぎ、またハンド235の移動距離(軌跡)を短くできるので物品XA1の取り出し時間を従来と比較して大幅に短縮することができる。
【0082】
更に物品XA1が長辺L1と短辺L2を有する細長い外形状であったとしても、ハンド235による把持まで安定した横倒し状態の姿勢を継続することができるので、物品XA1の転倒を防止するために搬送速度を必要以上に低下させる必要がなくなる。つまりバケットコンベア21において物品XA1を高速かつ安定的に搬送でき、さらにハンド235の移動距離(軌跡)を短くすることで物品XA1の取り出しの時間を短縮でき、ひいてはサイクルタイムの短縮化が図れる。
【0083】
図7を参照して、ハンド235についてさらに説明する。同図は、ハンド235の構成を概略的に示す側面図であり、
図5(C)~同図(E)に対応する側面図である。なお、
図5(C)~同図(E)とは左右を反転させて表示している。
図7図(A)~同図(C)は、
図5に示すハンド235の概略図であり、
図7(D)~同図(H)は変形例である。また、
図7では箱YA1のフラップの図示を省略している。
【0084】
同図(A)~同図(C)に示すように、ハンド235は、例えば物品XA1の短辺L2方向に把持部235Bを開閉して物品XA1の一端を把持し、把持した部位を上方にして箱YA1内に収容する。このとき、ハンド235は物品XA1の下方の一部が箱YA1内に収容されると把持部235Bを開放し、箱YA1内に物品XA1を自然落下させる。
【0085】
また、物品XA1の収容方法としては、
図7(D)~同図(H)に示すように、物品XA1はその長辺L1が水平方向HRに沿うように、横倒しの状態で側方が開放された箱YA1に収容される構成であってもよい。
【0086】
この場合、ハンド235は、基部235Aに対して把持部235Bが移動可能に構成されていると好適である。
【0087】
例えば、同図(D)~同図(F)の例では、基部235A側の一端(先端)に回転軸235Cが取り付けられ、把持部235Bが基部235Aに対して回動又は揺動自在となっている。具体的には、把持部235Bは、同図(D)および同図(E)に示すように物品XA1を把持可能な把持位置と、同図(F)に示すように把持部235Bが基部235Aよりも突出しない位置(例えば、把持部235Bの先端が基部235Aよりも後方(ロボットアーム231側)となる位置)に退避した退避位置との間を移動可能に構成されている。
【0088】
把持部235Bが退避位置にある場合(同図(F))、ハンド235の先端は基部235Aとなり、当該基部235Aは物品XA1を押送可能な押送手段(プッシャー)として利用できる。つまり、例えばハンド235で物品XA1を把持する直前に、物品XA1の端部を揃えるために物品XA1を搬送幅方向W3に押送する場合には、把持部235Bを退避位置に移動させて基部235Aによって物品XA1を押出すことができる。
【0089】
図7(G)~同図(H)は、把持部235Bを移動させる機構(退避機構)の他の例を示す図である。把持部235Bは、この例では平行リンク機構235Dを用いて移動させる。把持部235Bは、同図(G)に示すように物品XA1を把持可能な把持位置と、同図(H)に示すように把持部235Bが基部235Aよりも突出しない位置(例えば、把持部235Bの先端が基部235Aよりも後方(ロボットアーム231側)となる位置)に退避した退避位置との間を移動可能に構成されている。
【0090】
この構成においても、把持部235Bが退避位置にある場合(同図(H))にはハンド235の先端は基部235Aとなり、当該基部235Aは物品XA1を押送可能な押送手段(プッシャー)として利用できる。
【0091】
なお、把持部235Bが基部235Aに対して移動可能となっていない構成であってもよい。
【0092】
また、図示は省略するが把持部235Bは、基部235Aの方向にスライド移動することで退避移動可能に構成されていてもよい。
【0093】
このようなハンド235の構成とすることにより、ハンド235によって物品XA1の一部(物品XA1の長辺L1方向において把持している部分と逆側の端部)を箱YA1内に挿入したあと、把持部235Bによる物品XA1の把持を解除するとともに退避位置に退避させ、基部235Aによって物品XA1を押送し箱内YA1に収容することができる。物品XA1が破損し易いものの場合などには、自由落下させることなく、箱YA1に収容することができる。
【0094】
また、同図(D)~同図(H)に示すように把持部235Bが退避機構を備える構成であっても同図(C)に示すように物品XA1を自由落下させて箱YA1内に収容する構成としてもよい。
【0095】
以上説明したように、本実施形態の供給装置2は、第2搬送手段21によって搬送される物品XA1をロボット23のハンド235により取り出して下流工程に供給する供給装置であって、第2搬送手段21は複数の物品押送部(第1支持部213)を有する。物品押送部(第1支持部213)は第一の辺213Lと第二の辺213Sを有する矩形状であり、第二の辺213S(取り出し領域P2における搬送方向高さH3に沿う辺、取り出し領域P2における高さ)の長さ213X2は、第一の辺213L(搬送方向T2、T3に対して交差する幅方向、搬送幅方向W2,W3方向に沿う辺)の長さ213X1に比して短い。
【0096】
そしてハンド235は、物品XA1の取り出し領域P2において、物品XA1の搬送幅方向W3(長手方向)の一端を把持し、物品押送部の高さ方向(第二の辺(短辺)213S方向)に移動することで物品XA1を取り出して、把持した物品XA1の一端を上にして物品XA1を起立姿勢にするか又は斜めの姿勢にして下流工程に供給する。
【0097】
また、取り出し領域P2における第2搬送手段21の搬送面は、搬送方向T3に傾斜して配置されるようにしてもよい。
【0098】
また、ハンド235は、取り出し前の複数の物品XA1を、第2搬送手段21の側方に設けられたガイド部221Aに当接して該物品XA1の端部を揃えた状態にして一括して保持するようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態の物品収容装置(箱詰め装置)10は、上記の供給装置2を備え、ハンド235で保持した物品X1を下流工程において収容体YA1に収容する。
【0100】
また、本実施形態の供給方法は、第2搬送手段21により搬送される物品XA1を取り出して下流工程に供給移載する供給方法であって、第2搬送手段21の物品押送部213により搬送されている物品XA1を、物品押送部213から搬送方向T3に対して一側方に突出した物品XA1の一部をロボット23のハンド235で把持したのち、当該ハンド235を、搬送方向W3に対して交差する幅方向(搬送幅方向W3)の長さに比して、搬送高さ方向H3に沿う長さ(高さ)が短い、物品押送部213の高さ方向に移動させることにより物品XA1を取り出し、把持した物品AX1の一部を上にして物品XA1を起立姿勢にするか又は斜めに姿勢にして下流工程に供給する、供給方法である。
【0101】
また、第2搬送手段は、物品XA1の長手方向が搬送幅方向W2,W3を向くように物品XA1を搬送する、ものであってもよい。
【0102】
また、ハンド235は、取り出し前の複数の物品XA1を第2搬送手段21の側方に設けられたガイド部221Aに当接して該物品XA1の端部を揃えた状態にしたうえで一括して保持する、ものであってもよい。
【0103】
<変形例>
以下、
図8および
図9を参照して上記の実施形態の変形例について説明する。
【0104】
図8(A)は、箱詰め装置10の変形例を示す上面概要図である。同図に示すように、バケットコンベア21は、複数台を搬送方向T2が揃うように並列して配置してもよい。この場合複数(ここでは2台)のバケットコンベア21は同一構成である。このようにすることで、一方のバケットコンベア21(例えば、バケットコンベア21A)に対して、他方のバケットコンベア21(例えば、第1搬送手段1から離れる位置にあるバケットコンベア21B)をバッファ手段として利用することができる。すなわち、例えば、通常の処理で運転させている一方のバケットコンベア21Aが不具合で停止した場合などには、第1搬送装置1によって搬送される物品XA1の供給先をバッファ手段である他方のバケットコンベア21Bに切り替える。
【0105】
供給先の切替えは、例えば、同図に破線で示すように第1搬送手段1の下流端部からバケットコンベア21Bに至る拡張搬送路R´を設けたり、第1搬送装置1を移動させるなどして搬送経路を変更する。
【0106】
また、バッファ手段である他方のバケットコンベア21Bに供給する場合には、例えば、シャッター部151を開き(後退させ)、停止している一方のバケットコンベア21の供給領域P1(バケット211)上を通過させて物品XA1を他のバケットコンベア21Bに供給してもよい。バケットコンベア21A、21Bは、少なくとも供給領域P1が搬送方向に並ぶように各バケットコンベア21を並列に配置する。この場合、先行する物品XA1を後続の物品XA1で押出すようにしてもよい。
【0107】
また、同図(B)はバケットコンベア21の正面概要図である。同図(B)に示すように、バケットコンベア21を並列配置する場合には、第1搬送手段1から見て奥側の他方のバケットコンベア21Bは、少なくとも第二の搬送路R2の搬送面の高さを、手前側の一方のバケットコンベア21Aの第二の搬送路R2の搬送面の高さよりも高く(例えば距離h)するとよい。バケットコンベア21Aが搬送中に停止した場合、取り出し領域P2には取り出すべき物品XA1が残っている場合もあり、ハンド235は、バケットコンベア21A,21Bの両方の取り出し領域P2から物品XA1を取り出すことになる。このような場合にバケットコンベア21A、21Bの略鉛直方向の高さを異ならせて配置する(奥側のバケットコンベア21Bの方を距離hだけ高くする)ことで、両者の物品XA1の取り出しが容易となる。
【0108】
また、同図(B)に示すように、搬送面の高さを異ならせて複数のバケットコンベアを並列配置する場合には、バケットコンベア21は、3台以上であってもよい。搬送面の高さが等しい2台のバケットコンベアを並列配置する構成では、奥側(ロボット23側から遠方にある側)のバケットコンベア21Bに収容されている物品XA1をハンド235によって取り出す場合、ロボット23のアームはバケットコンベア21Aを跨いでハンド235を反転しなければならず、物品XA1の取り出しが困難になる恐れがある。そこで、バケットコンベア21を3台以上並列配置することによって、ハンド235によって同一方向から物品XA1をバケットコンベア21の収容部211から取り出すことができる。
【0109】
さらに同図(C)はバケットコンベア21の上面概要図である。同図(C)に示すように、バケットコンベア21を複数設ける場合は、それぞれのバケットコンベア21A,21Bに対応して物品XA1を供給する第1搬送手段1を複数(第1搬送手段1A,1B)設けてもよい。
【0110】
図9は、他の変形例を示す図であり、ハンド235は、バケットコンベア21で搬送される物品XA1を集積して把持するようにしてもよい。同図(A)~同図(D)は、1台のバケットコンベア21で集積する構成の取り出し領域P2付近を抜き出して示す正面概要図であり、
図9においてはハンド235の図示は省略する。また
図10は
図9(C)~同図(D)に対応する上面図である。
【0111】
図9および
図10では、1つのバケットコンベア21を用いて集積する場合を例示する。すなわち、ハンド235は、取り出し領域P2から複数の物品XA1を把持して取り出し(同図(A)、同図(B))、搬送方向T3の上流側の他のバケット211に載置されている物品XA1の例えば後方に重ねるように移載する(同図(C))。
【0112】
このときハンド235は、
図10(A)に示すように保持した物品XA1をバケット211に収容される他の物品XA1の搬送方向T3の後方側に、搬送幅方向W3の位置をずらして載置する。
【0113】
その後
図10(B)に示すようにハンド235は把持部235Bを開き、基部235Aにて重ねた物品XA1を押送し(
図7(G),同図(H)、
図12(B)参照)、ガイド部221Aに当接させて一つのバケット211内の複数の物品XA1の端部を揃える。
【0114】
そしてハンド235は、
図10(C)に示すようにバケット211内で僅かに下流側(
図9および
図10の左方向)に移動し、把持部235Bによってバケット211内に集積された(前後方向に重ねられた)複数の物品XA1(集積品)のセンター部(中央)を一体的に把持し直す。
【0115】
ハンド235は上述の実施形態と同様に、物品XA1の短辺L2(
図9(D))に沿う両側から把持し、第1支持部213の短辺213S方向(搬送高さ方向H3)に物品XA1(集積品)を抜き出す(
図9(D)、
図10(C))。物品XA1の取り出し、載置(積み重ね)、押送、及び集積品の取り出しの、これらの一連の動作(
図9および
図10に示す一連の動作)は、ハンド235を間欠運転しているバケットコンベア21と同期させて行う。
【0116】
なお、物品XA1を搬送方向T3に並べて集積する場合において、
図9(A)~同図(D)に示すように、物品XA1は下流側のバケット211に収容された物品XA1を上流側のバケット211に載置するとよい。これにより、バケットコンベア21の第二の搬送路R2の長さを短くでき好適である。また、これに限らず、上流側のバケット211(
図9(A)の例では右側の3個のバケット211)から取り出した物品XA1を、他の物品XA1が収容された下流側のバケット211(
図9(A)の例では左側の3個のバケット211)に載置するようにしてもよい。
【0117】
図11および
図12は、複数台のバケットコンベア21(21A、21B)を並列配置して或る列(
図11および
図12ではバケットコンベア21A)の1つのバケット211内に複数の物品XA1を集積する場合の一例を示す図である。
図11はバケットコンベア211の正面図であってハンド235の図示は省略している。また
図12は
図11(B)および
図11(C)に対応するバケットコンベア21Aの搬送方向T3の下流側から見た側面図である。
【0118】
例えばバケットコンベア21Bの搬送面がバケットコンベア21Aの搬送面より高くなるように設定し、バケットコンベア21Bのバケット211に収容される物品XA1を、その側方(ロボット側)から把持しハンド235によって取り出す(
図11(A))。
【0119】
そして、ハンド235によって保持した物品XA1を,バケットコンベア21Aのバケット211に収容される物品XA1の上に載置する。このときハンド235は、把持する物品XA1がバケットコンベア21Aのバケット211に収容された物品XA1よりも搬送幅方向W3において手前(ロボット側)にその側方が突出するようにして載置する(
図12(A))。
【0120】
そして、把持部235Bを基部235Aよりもロボット側に退避させて把持を開放した物品XA1(下方の物品XA1よりも搬送幅方向W3に突出している物品XA1)の側方端部を基部235Aにて押送し(
図12(B))、把持している側方(
図12では右側方)とは搬送幅方向W3において逆の側方(
図12では左側方)端部をガイド部221Aに当接させ、複数の物品XA1の端部を揃えた状態で上下に重ねる(
図11(B),
図12(C))。
【0121】
その後、ハンド235を僅かに下方に移動し、把持部235Bによってバケット211内に集積された(上下方向に重ねられた)複数の物品XA1(集積品)を一体的に把持し直し、第1支持部213の短辺213S方向(搬送高さ方向H3)に物品XA1(集積品)を抜き出す(
図11(C),
図12(D))。
【0122】
このように一番高い位置にある物品XA1を次に高い位置にある物品XA1の上に載置し、バケットに収容されるすべての物品XA1(集積品)を取り出すようにして、順々に積み重ねて行くことで、ハンド235の移動距離(軌跡)を短くすることができ、サイクルタイムを短くできる。
【0123】
なお、
図11の例では2台のバケットコンベア21A,21Bを並列配置しているが、バケットコンベア21は3台以上並列配置してもよい。
【0124】
また、バケットコンベア21は、オーバル型(環状)のリニアモータに複数のL字状の支持部(第1支持部213、第2支持部215)を備えてもよい。これにより、積み重ねられた物品XA1(集積品)を収容しているバケット211(第1支持部213、第2支持部215)の間隔を狭めることで集積品の搬送方向の位置ずれを修正する(複数の物品XA1の搬送方向の端部を揃える)ことができる。また、同時にハンド235の基部235Aで押送し、ガイド221Aに当接させて複数の物品XA1の搬送幅方向W3の端部を揃えることができる。これにより、集積品の水平方向の位置ずれを修正することができる。
【0125】
図13は、物品XA1の収容方法の他の例を図である。上記の実施形態では、1つのハンド235に設けられた複数の把持部235Bによって複数の物品XA1を把持し、それらを一括して1つの箱YA1内に収容する例について説明した。
【0126】
しかしこれに限らず、複数の把持部235Bで把持するそれぞれの物品XA1を複数の箱YA1に収容する構成であってもよい。
【0127】
具体的には、同図(A)に示すように複数の把持部235Bのそれぞれによって把持した複数(例えば3個)の物品XA1を、同図(B)に示すように1つずつ(個別に)複数(例えば、3個)の箱YA1内に収容するようにしてもよい。また、例えば、同図(A)において3つの把持部235Bがそれぞれに複数(例えば2個)の物品XA1を把持し、それを把持部235B毎に対応した箱YA1(例えば3個の箱YA1)にそれぞれ収容する(各箱YA1に2個ずつ物品YA1を収容する)ようにしてもよい。
【0128】
この場合、各把持部235Bの離間距離を互いに調整可能とすることで、複数の箱YA1内への収容が正確且つ容易に行なうことができる。
【0129】
なお、押送部材213の搬送幅方向W2,W3の長さは、物品XA1の第1の辺(長辺)L1よりも短くてもよく、また、ハンド235は、把持部235Bで物品XA1の第1の辺(長辺)L1方向の一端を水平方向から把持してもよい。
【0130】
また、物品XA1を把持したハンド235は、物品XA1の長手方向を真下にして(垂下させて)搬送するとよい。物品XA1の重心を把持部の真下にすることで、確実に物品XA1を保持して搬送することができ、ハンド235を高速で移動できる。重心位置に偏りがある物品XA1の場合には、物品XA1を傾斜状態にして、搬送してもよい。この場合、把持部235B側でない端部を第2支持部215に当接した状態で把持部235B側の端部を持ち上げて傾斜状態、または、起立状態(物品XA1の長手方向を真下になった状態)にしてから、ハンド235を上昇させて物品XA1をバケット211から確実に取り出すようにしてもよい。
【0131】
図14は本実施形態の物品収容装置10の他の例を示す図であり、同図(A)が物品XA1が搬送されている状態の上面図、同図(B)が物品XA1の記載を省略した上面図、同図(C)が同図(A)の正面図である。
【0132】
この例の物品収容装置10は、第2搬送手段21であるサイドフィンガーコンベアと、搬送台31と、サイドガイド33を備える。サイドフィンガーコンベア21は、タイミングベルトBの表面に所定の間隔でフィンガー(押送部材)213が取り付けられている。
【0133】
物品XA1は、同図(C)に示すように、搬送台31の上(搬送面R上)に載置され、フィンガー213で搬送方向T3に搬送される。フィンガー231は搬送幅方向W3に沿う長辺213Lと、搬送高さ方向H3に沿う短辺213Sを有する矩形状である。
【0134】
また、取り出し領域P2において、搬送台31の端部からサイドフィンガーコンベア21のタイミングベルトB表面までの距離Xは、サイドフィンガーコンベア21の押送部材(フィンガー)213の長辺213Lの長さ213X1よりも短い(X<213X1)。
【0135】
また、上記の実施形態では第1支持部213と第2支持部215がそれぞれ板状である場合を例に説明したが、これらは例えば複数の棒状部材を掛け渡して物品XA1を載置(支持)可能に構成されるものであってもよい。
【0136】
また、上記の実施形態では、バケットコンベア21のタイミングプーリ217の回転軸が水平方向に延在しエンドレスベルト219が鉛直方向を含む軌道で移動する例を示したが、タイミングプーリ217の回転軸が鉛直方向に延在し、エンドレスベルト219が水平面内を移動する構成であってもよい。
【0137】
また1つのハンド235で把持する物品XA1は単数であってもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、供給装置2の下流工程として箱YA1に収容する工程(箱詰め工程)を例示したが、供給装置2の下流工程は、箱詰め工程に限らず、更に下流に搬送する搬送工程や移載工程であってもよい。
【0139】
また、第3搬送手段3は、供給装置2と同期しながら連続動作(連続運転)するものであってもよいし、間欠動作(間欠運転)するものであってもよい。
【0140】
また、上記の実施形態では、収容体YA1として箱YA1の場合を例示したが、例えば有底で自立可能な袋状(パウチ袋など)の収容体であってもよい。
【0141】
また、把持部235Bは、爪状部材の先端に吸着手段が設けられてもよく、あるいは爪状部材に代えて対向配置された一対の吸着部材により構成されてもよい。
【0142】
また、物品XA1は、細長い略直方体形状の場合を例に説明したが、これに限らず外観において(略)長辺L1および(略)短辺L2を有する形状であればよく、例えば直径よりも軸方向の長さが長い円筒(円柱)形状であってもよい。また、軸方向に直交する面が円形状である場合に限らず、多角形形状であってもよい。さらに、ボトル形状や
図2(A)に示す上面視において(略)楕円形状、(略)台形形状、(略)三角形状などであってもよい。
【0143】
また、ロボット23は1台の単腕ロボットである場合を例に説明したが、ロボットアーム231を複数有するロボット(双腕ロボット)であってもよいし、複数台のロボット23を協働させる構成であってもよい。
【0144】
また、第2搬送手段21は、オーバル型(環状)のリニアモータを用いた搬送手段(例えば、バケットコンベア)や、環状のフィン付のベルトコンベアを平行に配置し、各コンベアを個別に駆動するダブルループ構成のコンベアであってもよい。
【0145】
また、
図7(D)~同図(F)、または
図7(G)~同図(H)に示すハンド235を用いて上方が開口している箱YA1内に物品XA1を収容(自然落下)してもよい。
【0146】
また、バケットコンベア21A、21Bは、収容部211の個数を異ならせてもよい。
【0147】
また、第1搬送手段の物品XA1を起立装置によって起こし、物品XA1の短辺L2を鉛直方向にして起立状態(横長起立姿勢)にして、バケットコンベア2のバケット211に供給してもよい。
【0148】
また、搬送手段3は、箱YA1を傾斜状態で搬送し、ハンド235は、保持した物品XA1を斜め方向に移動させて箱YA1内に収容してもよい。
【0149】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0150】
1,1A,1B 第1搬送手段
10 物品収容装置(箱詰め装置)
13 検知手段
15 排出手段
21,21A,21B 第2搬送手段(バケットコンベア)
23 ロボット
151 シャッター部
153 排出ボックス
211 バケット(収容部)
213 第1支持部
215 第2支持部
217 タイミングプーリ
219 エンドレスベルト
221A,221B ガイド部
231 ロボットアーム
235 ハンド
235A 基部
235B 把持部
235C 回転軸
235D 平行リンク機構
XA1 物品
YA1 収容体(箱)