(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A63F5/04 511A
(21)【出願番号】P 2021065305
(22)【出願日】2021-04-07
(62)【分割の表示】P 2019103340の分割
【原出願日】2019-05-31
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 修作
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-198243(JP,A)
【文献】特開2010-131217(JP,A)
【文献】特開2008-049052(JP,A)
【文献】特開2000-317067(JP,A)
【文献】特開2002-085682(JP,A)
【文献】特開2017-213056(JP,A)
【文献】特開2011-177343(JP,A)
【文献】特開2004-283315(JP,A)
【文献】特開平11-047345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールテープと、前記リールテープが巻回されるフレームと、を有するリールと、
前記リールテープを内側から照らすバックライトと、を備え、
前記フレームは、前記リールテープの幅方向の端部を支持する円環状のリム部を有し、
前記リールテープは、特定図柄を含む周方向に並んだ複数の図柄と、前記複数の図柄が配置されていない背景部と、を有し、
前記特定図柄は、第1領域と、第2領域と、を有し、
前記第2領域は、前記背景部よりも光の透過率が高い領域であり、
前記第1領域は、前記第2領域よりも光の透過率が低い領域であり、
前記第1領域は、前記特定図柄の縁部を形成していると共に、前記第2領域と接するように配置され、
前記第2領域は、前記リム部と重ならず、
前記第1領域は、前記リム部と重なっている、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者によるスタートレバーに対する回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者によるストップボタンに対する停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
この種の遊技機においては、貯留メダルを投入する操作が可能な投入ボタンが操作部の上面に、スタートレバーが操作部の正面左側に、ストップボタン(停止ボタン)が操作部の正面ほぼ中央部に、それぞれ配置されたスロットマシンが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の遊技機においては、遊技を行う毎にレバーやボタン等、複数の対象に対する操作が必要であるため、長時間遊技を行った場合には遊技者の操作負担が大きなものとなる場合があり、操作負担の軽減が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、遊技者の操作負担の軽減を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態は、
リールテープと、前記リールテープが巻回されるフレームと、を有するリールと、
前記リールテープを内側から照らすバックライトと、を備え、
前記フレームは、前記リールテープの幅方向の端部を支持する円環状のリム部を有し、
前記リールテープは、特定図柄を含む周方向に並んだ複数の図柄と、前記複数の図柄が配置されていない背景部と、を有し、
前記特定図柄は、第1領域と、第2領域と、を有し、
前記第2領域は、前記背景部よりも光の透過率が高い領域であり、
前記第1領域は、前記第2領域よりも光の透過率が低い領域であり、
前記第1領域は、前記特定図柄の縁部を形成していると共に、前記第2領域と接するように配置され、
前記第2領域は、前記リム部と重ならず、
前記第1領域は、前記リム部と重なっている、
ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、遊技者の操作負担の軽減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す側面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る遊技機の筐体の内部の構成を示す正面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る遊技機のスタートレバーを示す断面図である。
【
図5】第2の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、以下の記載において、「平行」及び「直交」との説明があるが、これらを寸法誤差(設計誤差、製造誤差)等により厳密に「平行」及び「直交」とすることは現実的には困難であり、「平行」及び「直交」には、それぞれ「略平行」及び「略直交」であるものを含むものとする。
【0011】
[遊技機の構成の概要]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す正面図、
図2は、スロットマシン1の外観構成を示す側面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。なお、以下において、遊技者の方(手前)を「前方」、反対を「後方」と記載する。また、
図1の正面図を基準に遊技機の上下左右を規定する。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対向する側である前面側(前方側)に開口BXa(
図3参照)が形成された箱形の筐体BX、開閉可能に筐体BXに支持された前扉としての前面扉FDを備えており、筐体BX内に左右方向に並べて配置された複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3を有するリールユニット310が収められている。筐体BXの開口BXaは、上部よりも下部が前方となる傾斜面S1に沿って形成されている。筐体BXは、スロットマシン1が遊技場に設置される際、遊技場の床面に当接する下面BXbを有している。なお、下面BXbは平面状に形成されているものに限定されない。下面BXbは、遊技場の床面と当接することによってスロットマシン1が安定して載置されるように形成されていればよく、例えば、複数の凹凸を有していてもよい。また、筐体BX内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(
図3参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体BX内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板10(
図3参照)も収められている。
【0013】
最も左方側に配置された第1リールR1、第1リールR1の右方側に配置された第2リールR2及び第2リールR2の右方側に配置された第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータM(
図3参照)に軸支されており、それぞれステッピングモータMの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータMの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
【0014】
前面扉FDは、それぞれ個別に開閉可能で、開口BXaの上半部を閉じることが可能な前面上扉UDと、開口BXaの下半部を閉じることが可能な前面下扉DDと、に分割部Dにおいて上下に分割して構成されている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、図示しない有利期間制御手段によって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
【0020】
また、スロットマシン1には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりする、遊技に関する演出を実行可能な演出装置300が設けられている。演出装置300には、前面上扉UDに設けられている、表示装置330、可動役物装置350、及び複数の電飾装置360、前面下扉に設けられている複数の電飾装置370が含まれる。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技の進行に応じて各種の映像や画像を表示する演出を実行する。可動役物装置350は、例えば、表示装置330の前方に配置されており、遊技の進行に応じてモータやソレノイド等の駆動手段により移動し、表示装置330の画面を遮蔽させたり露出させたりする演出を実行する。電飾装置360,370は、遊技の進行に応じて発光する演出を実行する。また、演出装置300には、前面上扉UD及び前面下扉DDに設けられている、複数の音響装置380,390を含む。音響装置380,390は、遊技の進行に応じて各種の音声を出力する演出を実行する。
【0021】
前面下扉DDは、正面視において前面下扉DDと略同サイズで、電飾装置370、音響装置390、メダル受け皿MP等が取付けられる合成樹脂製の下扉ベースDBを有している。下扉ベースDBには、各種の操作手段が取付けられている操作部CPが一体的に形成されている。操作部CPは、上方を向いた操作部上面CPaと、前方を向いた操作部前面CPbと、を有している。操作部上面CPaには、遊技者が1枚ずつメダルを投入するためのメダル投入口MI、及びメダルがクレジット(貯留)されている状態で、クレジットされたメダルのうちから一度の操作によって規定投入数のメダルを投入する投入操作を受付ける投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が配置されている。
【0022】
操作部前面CPbには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSL、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSが配置されている。シングルベットボタンBTは、メダルがクレジットされている状態で、クレジットされたメダルのうちから1枚のメダルを投入する投入操作を受付ける。スタートレバーSLは、第1リールR1~第3リールR3を回転させる契機となる開始操作を受付ける。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、ステッピングモータM(
図3参照)により回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を受付ける。クレジットされているメダルは、貯留手段としての制御基板10に記憶(貯留)されている。
【0023】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを後方に向けて押下するシングルベット操作(投入操作)又はマックスベットボタンMBを下方に向けて押下するマックスベット操作(投入操作)を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対してスタートレバーSLを傾動させる開始操作を実行すると、制御基板10において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータMの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0024】
なお、本実施形態のスロットマシン1は、第1リールR1~第3リールR3を回転開始させた場合に、ウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、スロットマシン1は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内に再び開始操作が行われた場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1~第3リールR3を回転開始させるように構成されている。
【0025】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を後方に向けて押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
【0026】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1~ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板10は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0027】
また、前面下扉DDの下部の下皿前面51には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、制御基板10にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するメダル清算信号をOFF状態からON状態へ変化させる。制御基板10は、メダル清算信号のOFF状態からON状態への変化に伴って、第1リールR1~第3リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0028】
下皿前面51のメダル払出口MOの左右には、証紙類(公的機関による試験の適合を証する証紙、特許権等の実施許諾を証する証紙、各遊技機の個別情報(機種情報や製造情報)を符号や数字等で記録した識別ラベル、銘板など)を配置するための証紙類配置部52L、52Rがそれぞれ配置されている。証紙類配置部52L、52Rは、例えば、証紙類を収容する凹部とそれを覆う透明カバーなどから構成することができる。あるいは、証紙類配置部52L、52Rは単に証紙類(証紙や銘板など)を貼付や接着するための平面部であってもよい。下皿前面51の後方かつ証紙類配置部52L、52Rの左右外側には、上記の音響装置390,390が配置されており、音響装置390,390の前方の下皿前面51には、音響装置390,390からの音を前方に出力するための多数の開口からなる開口部53,53が配置されている。
【0029】
下皿前面51は、後述する前面下扉DDの傾斜面S1に対向する合わせ面DDaと平行となるように形成されており、メダル払出口MOの開口の前端縁MOaも、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。また、開口部53,53は、合わせ面DDaと直交するように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、開口部の開口は、射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0~10°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。また、証紙類配置部52L,52Rの証紙類を貼付ける平面部は、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。即ち、証紙類配置部52L,52Rに配置された証紙類は、上部よりも下部が前方となるように傾斜する。これにより、作業者や遊技者等が証紙類の情報を目視により確認する際、証紙類配置部52L,52Rよりも上方から証紙類を視認しやすくなり、証紙類の確認作業における作業性の向上を図っている。
【0030】
[前面上扉及び前面下扉の開閉に係る構成]
次に、前面扉FDの開閉に係る構成について説明をする。
図2及び
図3に示すように、前面扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDのそれぞれの左方側に設けられた蝶番HNを介して筐体BXに支持されており、筐体BXに対して右方側が開閉可能となっている。前面上扉UDは、上施錠ユニット(不図示)を有し、前面下扉DDは、下施錠ユニットDLを有する。
【0031】
上施錠ユニットは、前面上扉UDの右方側に設けられており、筐体BXに設けられた上被係合部BXcに係合する位置と係合しない位置とに移動可能な上係合部(不図示)、上係合部の移動を操作する係合操作部(不図示)、及び上係合部と係合操作部とを接続する上接続部(不図示)を有する。前面上扉UDは、上施錠ユニットの上係合部が上被係合部BXcに係合することにより、閉じている状態に施錠される。下施錠ユニットDLは、前面下扉DDの右方側に設けられており、筐体BXに設けられた下被係合部BXdに係合する位置と係合しない位置とに移動可能な下係合部(不図示)、キー操作によって下係合部の移動を操作するシリンダ錠CY(
図1参照)、及び下係合部とシリンダ錠CYとを接続する下接続部(不図示)を有する。前面下扉DDは、下施錠ユニットDLの下係合部が下被係合部BXdに係合することにより、閉じている状態に施錠される。前面扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDが施錠されることにより、開口BXaを閉じている状態となる。
【0032】
前面上扉UDは、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面UDaを有し、前面下扉DDは、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面DDaを有している。また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて前方を向くように形成された下端前面UDb(
図4参照)を有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて後方を向くように形成され、下端前面UDbに対向すると共に下端前面UDbに当接可能な上端後面DDb(
図4参照)を有している。
【0033】
前面上扉UDは、上端後面DDbが下端前面UDbに当接することにより、前面下扉DDに対して開く方向への移動が規制される。このため、前面上扉UDは、前面下扉DDの下施錠ユニットDLの下係合部が下被係合部BXdに係合していない状態(前面下扉DDが施錠されておらず、開いている状態)で、開閉可能となっている。また、前面下扉DDは、前面上扉UDの上施錠ユニットの上係合部が上被係合部BXcに係合している状態(前面上扉UDが閉じて、施錠されている状態)で、前面下扉DDとは独立して開閉可能となっている。
【0034】
上施錠ユニットの係合操作部は、前面下扉DDが開いている状態で操作可能に露出するように配置されており、操作されることによって、上接続部を介して上施錠ユニットの上係合部を上被係合部BXcに係合しない位置に移動させる。下施錠ユニットDLのシリンダ錠CYは、合わせ面DDaと直交する方向に沿って延びる円筒状に形成されて、前面下扉DDに形成されたシリンダ用貫通孔DDdから前面側が外部に露出しており、挿入されたキーを回動させるキー操作が行われることによって、下接続部を介して下施錠ユニットDLの下係合部を下被係合部BXdに係合しない位置に移動させる。
【0035】
また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて下方を向くように形成された、分割部Dにおける分割面である上扉下端面UDcを有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて上方を向くように形成され、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で上扉下端面UDcに対向する、分割部Dにおける分割面である下扉上端面DDcを有している。上扉下端面UDc及び下扉上端面DDcは、合わせ面UDa,DDaと直交する仮想平面S2に対して、前方に向けて上向きとなるように傾斜している。
【0036】
これにより、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面下扉DDが開いている状態で前面上扉UDを開く際、前面上扉UDの右端側が自重により下がった状態で前面上扉UDが移動する場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。また、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UDが閉じている状態で前面下扉DDを閉じる際、作業者が前面下扉DDを持ち上げながら閉じる場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。
【0037】
このように構成されていることで、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UD及び前面下扉DDを互いに独立して開閉する際、前面下扉DDの上端部の後方の角と、前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突しにくくなり、前面上扉UD及び前面下扉DDの開閉操作における操作性の向上を図っている。また、前面下扉DDの上端部の後方の角と前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突して破損することの防止を図っている。更に、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが摺動する際の、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが接触する圧力を低下させ、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとの摺動による傷付きの抑制を図っている。
【0038】
また、前面下扉DDは、シリンダ錠CYが挿入されたシリンダ用貫通孔DDd(
図1参照)、スタートレバーSLの後述する保持部SLcが挿入されたレバー用貫通孔CPc(
図4参照)、ストップボタンB1~ストップボタンB3の移動を案内するボタンガイド穴Bb(
図1参照)、清算ボタンBS(
図1参照)が挿入された清算ボタン用貫通孔(不図示)、及びシングルベットボタンBT(
図1参照)が挿入されたシングルベットボタン用貫通孔(不図示)を有しており、これらが合わせ面DDaと直交する方向に形成されている。また、前面下扉DDは、シリンダ用貫通孔DDdの前端側の開口の周囲に形成されたシリンダ周囲面CPd(
図1参照)、レバー用貫通孔CPcの前端側の開口の周囲に形成されたレバー周囲面CPe(
図4参照)、ボタンガイド穴の前端側の開口の周囲に、前記合わせ面と平行に形成されたボタン周囲面CPf(
図1参照)、清算ボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に形成された清算ボタン周囲面(不図示)、及びシングルベットボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に形成されたシングルベットボタン周囲面(不図示)を有しており、これらが合わせ面DDaと平行となるように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、上記各孔は、それぞれ射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0~3°程度の抜き勾配が形成されていてもよい。
【0039】
[リールユニットの詳細]
次に、リールユニット310の詳細について説明をする。
図3に示すように、筐体BXは、側方に配置された左右の側板BXe,BXfを有している。側板BXe,BXf間には、上フレーム11及び中フレーム12が上下方向に離間して架け渡されている。
【0040】
リールユニット310は、上フレーム11及び中フレーム12にねじ留めされるリールベース21と、リールベース21に保持され、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを回転駆動するステッピングモータMと、各ステッピングモータMの駆動軸に支持された第1リールR1~第3リールR3と、を有する。また、リールユニット310は、リールベース21に保持され、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールの内側から前方に向けて光を照射する複数のLEDを有するリールバックライト基板23と、リールバックライト基板23からの光を前方に案内するリフレクタ25と、を有する。
【0041】
第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ、ステッピングモータMに軸支されているリールフレーム22と、それぞれ複数の図柄を有する薄い帯状のリールテープRTと、を有する。リールフレーム22は、ステッピングモータの回転軸と同心で、左右方向に離間して配置された円環状の1対のリム部22aと、1対のリム部22aの間に架け渡されて、1対のリム部22aを複数箇所で互いに接続する接続部22bと、ステッピングモータMの回転軸に取付けられるハブ部22cと、一方のリム部22aとハブ部22cとを接続してステッピングモータの回転力をハブ部22cからリム部22aへ伝達するスポーク部(不図示)と、を有し、合成樹脂により一体的に形成されている。1対のリム部22aのそれぞれの外周には、左右方向に所定の幅を有して形成され、リールテープRTに当接してリールテープRTの左右端部を径方向に支持するための端部支持面22dが形成されている。
【0042】
接続部22bは、1対のリム部22aの端部支持面22dと連続し、1対のリム部22aの間でリールテープRTを径方向に支持するための中間支持面22eが形成されている。端部支持面22d及び中間支持面22eによって、リールテープRTを径方向に支持するための支持面22fが形成されている。
【0043】
リールテープRTは、合成樹脂製の基材に複数の図柄が印刷されており、円筒状になるようにリールフレーム22の支持面22fに巻き掛けられて、例えば、端部支持面22dに粘着材で貼り付けられて、リールフレーム22に対して相対回転しないように保持されている。リールテープRTは、複数の図柄のうち、他の図柄(第1の図柄)と比較して第1リールR1~第3リールR3の回転中における識別力が高い特定図柄(第2の図柄)P1を有している。特定図柄P1は、値「7」をデザイン化した図柄であり、複数の図柄のうち最もリールテープRTの長手方向及び左右方向(リールの回転軸方向)の寸法が大きく形成されている。また、特定図柄P1は、可視光の透過率が低い第1領域P1aと、可視光の透過率が第1領域よりも高い第2領域P1b(
図3のハッチング部分)と、を有している。具体的には、リールテープRTの第1領域P1aには、可視光の透過率が低い色の塗料、例えば黒色、暗灰色、濃紺色等の塗料により印刷が施されている。なお、第1領域の可視光の透過率が低い色の塗料による印刷は、各リールの内側及び外側のいずれの側に施されていてもよいし、当該印刷に重ねて他の色の印刷や金属皮膜の形成等が行われていてもよい。ただし、第1領域は、各リールの外側(リールの軸とは反対側、遊技者の側)から視て、明度の低い色、例えば黒色、暗灰色、濃紺色等となっていることが望ましい。これにより、第1領域からの反射光を低減して、第2領域を透過するリールバックライト基板からの光をより目立たせることが可能となる。
【0044】
特定図柄P1は、他の図柄と比較して相対的に大きく形成されていること、及び第1領域P1aと第2領域P1bとの可視光の透過率等の差により第2領域P1bを透過するリールバックライト基板23からの光を遊技者が視認しやすくなることによって、第1リールR1~第3リールR3の回転中において他の図柄よりも遊技者が識別しやすいようになっている。
【0045】
なお、特定図柄は、少なくとも特定図柄以外の何れかの図柄と比較して相対的に大きく形成されていればよく、例えば、特定図柄は、リールテープRTの長手方向の寸法、左右方向の寸法及び面積の何れか1つが複数の図柄のうち最も大きく形成されていてもよいし、複数の図柄のうち2番目に左右方向の寸法が大きく形成されていてもよいし、値「7」以外の他の文字列(例えば「BAR」等)を含む図柄や、キャラクターの図柄等であってもよい。
【0046】
第2領域P1bは、リールテープRTがリールフレーム22に固定された状態で、リールフレーム22の回転中心(第1リールR1~第3リールR3の回転中心)CLからの径方向視において、1対のリム部22a及び接続部22bと重ならない位置に配置されている。言い換えると、第2領域P1bは、リールテープRTがリールフレーム22に固定された状態で、リールフレーム22の回転中心CLからの径方向視において、支持面22fと重ならない位置に配置されている。これにより、リールバックライト基板23から透過率の高い第2領域へ向かう光が、リールフレーム22によって遮光されることを防ぎ、遊技者が第2領域P1bを視認しやすくなることで、遊技者が停止操作を行う際の操作性の向上を図っている。
【0047】
なお、第2領域P1bは、リールテープRTがリールフレーム22に固定された状態で、リールフレーム22の回転中心からの径方向視において1対のリム部22a及び接続部22bと重ならない位置に配置されていればよく、例えば、リールテープがリールフレームに固定された状態で、リールフレーム22の回転中心からの径方向視において第2領域の稜線がリールフレームの稜線(
図3における第1リールR1の破線で示す部分)と重なるように配置されていてもよい。
【0048】
また、リールテープの図柄が配置されていない第3領域RTaの可視光の透過率は、特定図柄P1の第1領域P1aと第2領域P1bとの間となっている。これにより、遊技者がリールバックライト基板23からの光によって第1領域P1bを視認しやすくして、遊技者が停止操作を行う際の操作性の向上を図っている。なお、特定図柄は、第1領域の内側(第2領域との間)や第1領域の外側に、第1領域及び第2領域と異なる色の領域が配置されていてもよい。
【0049】
[操作部の詳細]
次に、
図1及び
図4を参照して、操作部CPの詳細について説明をする。上述したように、操作部CPの操作部上面CPaには、マックスベットボタンMBが配置されており、操作部前面CPbには、スタートレバーSLと、ストップボタンB1~ストップボタンB3が配置されている。このため、マックスベットボタンMBと、スタートレバーSL及びストップボタンB1~ストップボタンB3と、は上下方向に離間して配置されている。スタートレバーSLと、ストップボタンB1~ストップボタンB3と、は正面視において、上下方向に略同じ位置(高さ)となるように配置されている。
【0050】
スタートレバーSLは、操作部前面CPbから前方に向けて延びてかつ揺動可能な軸部SLaと、軸部SLaの前端部に取付けられた球状のグリップSLeと、軸部SLaを初期位置に向けて付勢する付勢手段としての復帰ばねSLbと、軸部SLaを揺動可能に保持する保持部SLcと、軸部SLaの初期位置からの上下左右方向へ傾動したことに基づいて開始操作を検知するセンサSLdと、を有し、マックスベットボタンMBよりも左右方向の一方側である左方側に配置されている。
【0051】
ストップボタンB1~ストップボタンB3は、マックスベットボタンMBよりも左右方向の他方側である右方側に、第1リールR1~第3リールR3に対応して左右方向に並べられて配置されている。具体的には、第1ストップボタンとしてのストップボタンB1は、マックスベットボタンMBよりも右方側で、かつストップボタンB1~ストップボタンB3のうち最も左方側に配置されており、第1リールR1の停止操作を受付ける。第2ストップボタンとしてのストップボタンB2は、ストップボタンB1の右方側の隣に配置されて第2リールR2の停止操作を受付ける。第3ストップボタンとしてのストップボタンB3は、ストップボタンB2の右方側の隣に配置されて第3リールR3の停止操作を受付ける。また、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、正面視において、上下方向に同じ位置(高さ)となるように配置されている。
【0052】
ストップボタンB1~ストップボタンB3の上下方向の中心Bc(
図1参照)の位置は、グリップSLeの中心であるSLf(グリップSLeの前端であるSLg、
図4参照)の上下方向の位置よりもやや上方に配置されている。これにより、遊技者が上方から下方に向けてスタートレバーSLの開始操作を行った後にストップボタンB1~ストップボタンB3の停止操作を行う際、手の上下方向の移動量を少なくすることができ、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作性の向上を図っている。
【0053】
[各操作手段の左右方向の位置]
次に、
図1を参照して、各操作手段を好適な位置関係とすることで、操作性の向上を図ることが可能な構成について説明をする。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、ストップボタンB1とストップボタンB2との左右方向のオフセット量(ずれ量)a1、即ち、ストップボタンB1の左右方向の中心線LB1とストップボタンB2の左右方向の中心線LB2との距離(ストップボタンB1の中心とストップボタンB2の中心との左右方向の距離)が、ストップボタンB2とストップボタンB3との左右方向のオフセット量a2、即ち、中心線LB2とストップボタンB3の左右方向の中心線LB3との距離と、同じ距離となるように配置されている。
【0054】
一般に、スロットマシン1のような回動式遊技機において、ボタンやレバー等の複数の操作手段を片手で続けて操作する場合、各操作手段同士の距離は小さい方が手の移動量が少なく済むため、遊技者の操作負担が少ない。しかしながら、各操作手段同士の距離が小さすぎると、1つの動作で意図せず複数の操作手段を操作してしまう等、操作ミスが起こりやすくなる場合がある。そこで、本実施形態においては、オフセット量a1,a2は、操作ミスの発生を抑制可能で、かつできるだけ小さい値(例えば、50mm程度)となるように設定されている。
【0055】
マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBの左右方向の中央部MBaが、スタートレバーSLとストップボタンB1との左右方向の中央である中央位置CHと、正面視で左右方向に対して重なる位置となるように配置されている。具体的には、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量b、即ち、マックスベットボタンMBの左右方向の中心線LMBと中心線LB1との距離(マックスベットボタンMBの中心とストップボタンB1の中心との左右方向の距離)が、マックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量c、即ち、中心線LMBとスタートレバーSLの左右方向の中心線LSLとの距離(マックスベットボタンMBの中心とスタートレバーSLの中心との左右方向の距離)が、同じ距離となるように配置されている。
【0056】
また、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、オフセット量b,cが、オフセット量a1,a2未満となるように配置されている。また、ストップボタンB1及びスタートレバーSLは、ストップボタンB1とスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量e、即ち、中心線LB1と中心線LSLとの距離が、ストップボタンB1とストップボタンB2との左右方向のオフセット量a1を超えるように配置されている。
【0057】
本実施形態のスロットマシン1では、マックスベットボタンMB及びストップボタンB1が、上下方向に離間して配置されていると共に、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量bがストップボタンB1~ストップボタンB3間の左右方向のオフセット量a1,a2未満となるように配置されている。これにより、手の左右方向の移動量を少なくして、マックスベットボタンMB及びストップボタンB1を操作する際の遊技者の操作負担の軽減を図っている。
【0058】
本実施形態のスロットマシン1では、各操作手段が、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量bと、マックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量cと、が同一の距離となるように配置されている。なお、本実施形態のスロットマシン1は、ストップボタンB1に対する停止操作の後に通常の遊技の進行を遅延させるフリーズ演出を実行すると共に、フリーズ演出の実行時にマックスベットボタンMBの押下を促す情報を表示装置330に表示させる演出を実行し、フリーズ演出の実行中にマックスベットボタンMBを押下することで内部抽選での特別な役の当選の示唆や、遊技者にとって有利な状態(例えばAT状態等)への移行抽選の当選の示唆を行うことがある。また、本実施形態のスロットマシン1は、特定の役の入賞を補助する演出である入賞補助演出を実行し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の停止操作のうち、遊技者にストップボタンB1の停止操作を最後に行わせることがある。本実施形態のスロットマシン1は、このような場合に、ストップボタンB1の次にマックスベットボタンMBを操作する場合があり、ストップボタンB1の次にマックスベットボタンMBを操作する際と、マックスベットボタンMBの次にスタートレバーSLを操作する際と、の手の左右方向への移動量が同じであるため、遊技者が直接手元を見なくてもボタンやレバーの位置を把握しやすくなり、遊技者の操作負担の軽減を図っている。
【0059】
なお、寸法誤差(設計誤差、製造誤差)等により、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量bが、厳密にマックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量cと同一の距離となるように配置することは困難であり、マックスベットボタンは、その左右方向の中央部が、スタートレバーと第1ストップボタンとの左右方向の中央である中央位置と、正面視で(または上方から視て)左右方向に対して重なる位置となるように配置されていればよい。言い換えると、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量bが、厳密にマックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量cと略同一の距離となるように配置されていればよい。例えば、マックスベットボタンが、オフセット量bとオフセット量cとが遊技者の操作性に影響を与えない程度、例えば、2mm以内程度の差を有するように配置されていても、同様の効果を得ることが可能である。
【0060】
また、本実施形態のスロットマシン1では、マックスベットボタンMBがスタートレバーSLよりも上方に配置されていると共に、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLが、互いの左右方向のオフセット量cがストップボタンB1~ストップボタンB3間の左右方向のオフセット量a1,a2未満となるように配置されている。これにより、遊技者は、手を下方に向けて移動させてマックスベットボタンMBを下方へ移動させる投入操作を行った後、手を左右方向に大きく移動させることなく、マックスベットボタンMBよりも下方に配置されたスタートレバーSLの開始操作を行うことができる。このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者がマックスベットボタンMBによる投入操作に続けてスタートレバーSLによる開始操作を行う際、手の動きを簡略化することで、遊技者の操作負担の軽減を図っている。
【0061】
また、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1及びスタートレバーSLが、ストップボタンB1とスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量eがストップボタンB1とストップボタンB2との左右方向のオフセット量a1を超えるように配置されている。スロットマシン1は、遊技の待機時間(約4.1秒)が設定されているため、ストップボタンB1とスタートレバーSLとを適度に離間させることで、手の動きを停止させることなく一連の動きで操作することを可能とし、遊技者の操作負担の軽減を図っている。また、ストップボタンB1とスタートレバーSLとを適度に離間させることで、ストップボタンB1やスタートレバーSLを操作する際に遊技者が操作しづらさを感じにくくして、遊技者の操作負担の軽減を図っている。ストップボタンB1とスタートレバーSLとを適度に離間させることで、操作部CPにストップボタンB1、マックスベットボタンMB、スタートレバーSLを取付ける際の作業スペースを確保可能とし、組立作業性の向上を図っている。
【0062】
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、
ベットボタン(MB)と、
前記ベットボタン(MB)よりも正面視で左側に配置されたスタートレバー(SL)と、
前記ベットボタン(MB)よりも正面視で右側に配置された複数のストップボタン(B1,B2,B3)と、を備え、
前記複数のストップボタン(B1,B2,B3)は、正面視で、最も左側に配置された第1ストップボタン(B1)と、前記第1ストップボタン(B1)の右側の隣に配置された第2ストップボタン(B2)と、を含み、
正面視で、前記ベットボタン(MB)と前記第1ストップボタン(B1)との左右方向のオフセット量(b)、及び前記ベットボタン(MB)と前記スタートレバー(SL)との左右方向のオフセット量(c)は、いずれも前記第1ストップボタン(B1)と前記第2ストップボタン(B2)との左右方向のオフセット量(a1)未満である、ことを特徴とする。
【0063】
これにより、マックスベットボタンMB、ストップボタンB1及びスタートレバーSLを操作する際の操作ミスを抑制しつつ手の左右方向の移動量を少なくすることが可能となるので、遊技者の操作負担の軽減を図ることが可能となる。
【0064】
また、遊技機(1)は、
正面視で、前記ベットボタン(MB)と前記スタートレバー(SL)との左右方向のオフセット量(c)は、前記ベットボタン(MB)と前記第1ストップボタン(B1)との左右方向のオフセット量と同一または略同一である、ことを特徴とする。
【0065】
これにより、例えば、演出等によりストップボタンB1の次にマックスベットボタンMBを操作する際と、マックスベットボタンMBの次にスタートレバーSLを操作する際と、の手の左右方向への移動量が同じであるため、遊技者が直接手元を見なくてもボタンやレバーの位置を把握しやすくなり、遊技者の操作負担の軽減を図ることが可能となる。
【0066】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、マックスベットボタン及びスタートレバーの配置が異なるが、その他の内容は同一であり、第1の実施形態と同様な内容については、図示を省略又は図に同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るスロットマシン101の外観構成を示す正面図である。本実施形態のスロットマシン101は、開閉可能に筐体BXに支持された前扉としての前面扉FD1を備えている。前面扉FD1は、それぞれ個別に開閉可能で、開口BXa(
図3参照)の上半部を閉じることが可能な前面上扉UDと、開口BXaの下半部を閉じることが可能な前面下扉DD1と、に分割部Dにおいて上下に分割して構成されている。
【0068】
前面下扉DD1は、各種の操作手段が取付けられている操作部CP1を有している。操作部CP1は、上方を向いた操作部上面CPaと、前方を向いた操作部前面CPbと、を有している。操作部上面CPaには、メダル投入口MI及び投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が配置されている。操作部前面CPbには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSL、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1~ストップボタンB3及び清算ボタンBSが配置されている。
【0069】
本実施形態のスロットマシン101では、マックスベットボタンMBは、その左右方向の中央部MBaが、スタートレバーSLとストップボタンB1との左右方向の中央である中央位置CHからスタートレバーSLの左右方向の位置までの間と、正面視で左右方向に対して重なる位置となるように配置されている。
【0070】
具体的には、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量c1、即ち、マックスベットボタンMBの左右方向の中心線LMBとスタートレバーSLの左右方向の中心線LSLとの距離が、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量b1以下、即ち、中心線LMBとストップボタンB1の左右方向の中心線LB1との距離以下となるように配置されている。
【0071】
更に、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、オフセット量b1,c1が、オフセット量a1,a2未満、かつストップボタンB1とスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量e1、即ち、中心線LB1と中心線LSLとの距離が、オフセット量a1を超えるように配置されている。
【0072】
このようにマックスベットボタンMB及びスタートレバーSLが配置されることにより、遊技者がマックスベットボタンMBによる投入操作を行った後、手を左右方向に大きく移動させることなく、スタートレバーSLによる開始操作を行うことができる。これにより、遊技者がマックスベットボタンMBによる投入操作に続けてスタートレバーSLによる開始操作を行う際、手の動きを簡略化することで、遊技者の操作負担の軽減を図っている。
【0073】
なお、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量c1が、厳密にマックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量b1以下である必要はなく、マックスベットボタンは、その左右方向の中央部が、スタートレバーと第1ストップボタンとの左右方向の中央である中央位置からスタートレバーの左右方向の位置までの間と、正面視で(または上方から視て)左右方向に対して重なる位置となるように配置されていればよい。例えば、マックスベットボタンが、オフセット量c1がオフセット量b1よりも遊技者の操作性に影響を与えない程度、例えば、2mm以内程度大きくなるように配置されていても、同様の効果を得ることが可能である。
【0074】
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(101)は、
正面視で、前記ベットボタン(MB)と前記スタートレバー(SL)との左右方向のオフセット量(c1)は、前記ベットボタン(MB)と前記第1ストップボタン(B1)との左右方向のオフセット量(b1)以下である、ことを特徴とする。
【0075】
これにより、遊技者がマックスベットボタンMBによる投入操作に続けてスタートレバーSLによる開始操作を行う際、手の動きを簡略化して遊技者の操作負担の軽減を図ることが可能となる。
【0076】
<他の実施形態の可能性>
なお、本実施形態においては、遊技機の一例である、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンを例にして説明したが、本発明は、遊技球を遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンや、有形の遊技媒体を用いず遊技価値を有する電子データを用いた遊技を行う遊技機等の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 遊技機(スロットマシン)
101 遊技機(スロットマシン)
a1,a2 オフセット量
b,c オフセット量
b1,c1 オフセット量
B1 ストップボタン(第1ストップボタン)
B2 ストップボタン(第2ストップボタン)
B3 ストップボタン
MB ベットボタン(マックスベットボタン)
SL スタートレバー