(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】ホルダー
(51)【国際特許分類】
A47B 97/00 20060101AFI20220513BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
A47B97/00 M
A47B13/00 B
(21)【出願番号】P 2022018800
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2022-02-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.令和3年12月21日、令和4年1月5日 ウェブサイト(https://preducts.jp/)上で公開 2.令和3年12月29日、令和4年1月5日、21日、27日 ウェブサイト(https://twitter.com/foando/)上で公開 3.令和4年1月29日、2月2日 ウェブサイト(https://twitter.com/preducts_inc)上で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520361416
【氏名又は名称】PREDUCTS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 正紀
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/003006(WO,A1)
【文献】米国特許第6267343(US,B1)
【文献】特開2007-097622(JP,A)
【文献】実開昭56-139317(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 97/00
H02G 3/22-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角柱状の本体部であり、上面は当該上面の略中央から略半分に左右へ分かれており、四方の側面にはそれぞれ開口部分が設けられている本体部と、
前記左右へ分かれた上面のそれぞれに設けられる嵌合部であり、弾性を有し、机の裏面に設けられたレールに嵌合する嵌合部と、
一つの前記開口部分と、当該開口部分と反対に位置する前記開口部分とを通過して前記本体部に接続される留め部と、
を含むホルダー。
【請求項2】
前記留め部は、当該留め部のそれぞれの面を合わせる位置に応じて、当該留め部により形成される輪の大きさを調整することができる面ファスナーである請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記本体部の上面は、当該上面の略中央から3mm~7mmの空間を空けて左右に分かれている請求項1または2に記載のホルダー。
【請求項4】
前記嵌合部は、前記レールの溝に引っ掛かる扁平状のつめ部分と、
前記つめ部分と前記本体部の上面とを接続する支柱部分とを含み、
L字型を構成するものである請求項1~3のいずれか1項に記載のホルダー。
【請求項5】
前記本体部は弾性を有し、前記嵌合部と一体成型されるものである請求項1~4のいずれか1項に記載のホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机の裏面に設けられたレールに嵌め込まれて、ケーブル類などを留めて収納するホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで、屋内の収納に関する様々な機構や方法が提案されている。特に机の周りには、LANケーブルや電源ケーブル、または電話線などのケーブル類、および小道具が多く存在するため、机の周りの収納に関する機構や方法が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、天板付家具における天板の下方に形成される配線空間を上方から覆い得る位置に配置される配線カバー装置が開示されている。また、特許文献1には目的として、簡素な構造を用いて、配線カバーの脱着作業を簡単に行うことができる配線カバー装置を提供することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、下方が開口する案内レールの下面に沿って移動するレールタイプ移動体の情報処理ケーブルの端末処理装置が開示されている。当該端末処理装置は、ケーブルを移動体に取り付けた折曲支持部材により折り曲げ支持し、ケーブル端末を開口部分を通して移動体の下方に導通するように構成されている。
【0005】
また、特許文献3には、ケーブルの上下方向および左右方向の角度変位量の多少にかかわらず対応できると共に、ケーブルの斜め方向の変位にも対応できるケーブルの支持装置が開示されている。当該支持装置は、支持材により回転自在に支持されたガイド材の中空部内にケーブルを挿通させて支持する構成とされている。なお、特許文献3には、ケーブルが上下方向、左右方向、斜め方向のいずれの方向にも角度変化されても、ボール状ガイド材が回転することで追従可能となり、ケーブルに捩れ等の過負荷を発生させないことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-102927号公報
【文献】実開昭62-90194号公報
【文献】特開2007-110851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の配線カバー装置は、天板付家具(デスク)の決まった位置(場所)に設けられるものである。
また、特許文献2に記載の端末処理装置は、開口部分にケーブル端末を通すものであるため、開口部分の大きさ(通すことができる容量)は限られている。特許文献3に記載の支持装置の、第一開口や第二開口などに関しても同様である。
【0008】
そのため、特許文献1~3に記載の発明は、例えばオフィスの中で固定席を持たないフリーアドレスのような場所で求められる多種多様な収納形態に対応できるものではない。
よって、本発明は、多種多様なシーンに応じた収納形態を実現し得る収納機構であるホルダーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のホルダーは、略四角柱状の本体部であり、上面は当該上面の略中央から略半分に左右へ分かれており、四方の側面にはそれぞれ開口部分が設けられている本体部と、
左右へ分かれた上面のそれぞれに設けられる嵌合部であり、弾性を有し、机の裏面に設けられたレールに嵌合する嵌合部と、
一つの開口部分と、当該開口部分と反対に位置する開口部分とを通過して本体部に接続される留め部と、を含む。
【0010】
これにより、左右へ分かれた本体部の上面にそれぞれ設けられた嵌合部がレールの幅に合うように変形して嵌合し、レールに装着された本体部の四方の側面の任意の開口部分から、留め部が本体部内を通過して接続される。
【0011】
また、留め部は、当該留め部のそれぞれの面を合わせる位置に応じて、当該留め部により形成される輪の大きさを調整することができる面ファスナーであることが好ましい。
これにより、予め異なる長さの留め部を複数用意したりしなくても、留め部により形成される輪の大きさを好きなタイミングで任意の大きさに調整することができる。
【0012】
また、嵌合部は、レールの溝に引っ掛かる扁平状のつめ部分と、つめ部分と本体部の上面とを接続する支柱部分とを含み、L字型を構成するものであることが好ましい。
これにより、嵌合部がレールに嵌合する際でも支柱部分は変形しやすく、かつレールの溝につめ部分が引っ掛かると、つめ部分は扁平状であるためレールの溝から外れにくい。
【発明の効果】
【0013】
(1)本発明のホルダーは、略四角柱状の本体部であり、上面は当該上面の略中央から略半分に左右へ分かれており、四方の側面にはそれぞれ開口部分が設けられている本体部と、
左右へ分かれた上面のそれぞれに設けられる嵌合部であり、弾性を有し、机の裏面に設けられたレールに嵌合する嵌合部と、
一つの開口部分と、当該開口部分と反対に位置する開口部分とを通過して本体部に接続される留め部と、を含む構成により、左右へ分かれた本体部の上面にそれぞれ設けられた嵌合部がレールの幅に合うように変形して嵌合し、レールに装着された本体部の四方の側面の任意の開口部分から、留め部が本体部内を通過して接続されるため、ホルダーをレールの任意の位置(場所)に装着することができ、かつレールへの装着前後に留め部を接続することができるため、例えば収納対象であるケーブルを任意の位置で固定することができつつ這わせる向きも自由に調整することができる。
【0014】
(2)また、留め部は、当該留め部のそれぞれの面を合わせる位置に応じて、当該留め部により形成される輪の大きさを調整することができる面ファスナーである構成により、予め異なる長さの留め部を用意したりしなくても、留め部により形成される輪の大きさを好きなタイミングで任意の大きさに調整することができるため、例えば収納対象であるケーブルの本数が変わっても、当該ケーブルの束の太さに合せて輪の大きさを調整することによりしっかりと固定する(留める)ことができる。
【0015】
(3)また、嵌合部は、レールの溝に引っ掛かる扁平状のつめ部分と、つめ部分と本体部の上面とを接続する支柱部分とを含み、L字型を構成する構成により、嵌合部がレールに嵌合する際でも支柱部分は変形しやすく、レールの溝につめ部分が引っ掛かると、つめ部分は扁平状であるためレールの溝から外れにくくなるため、より利便性が構造する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係るホルダーの一部の概略斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るホルダーの概略斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るホルダーの構造を説明するための図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るホルダーの構造を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るホルダーの使用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
【0018】
[ホルダー]
図1は、本発明の実施の形態に係るホルダーの一部の概略斜視図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係るホルダーの概略斜視図である。
図2に示すように、ホルダー1はレールRに嵌め込まれ、ケーブル類などを留め部30により留めることで収納する。また、
図5(本発明の実施の形態に係るホルダーの使用例を説明するための図)に示されるように、レールRは机の裏面に設けられるため、ホルダー1は机の裏面に吊り下げれられて使用される。
【0019】
ホルダー1は、本体部10、嵌合部20、および留め部30を含む。なお、
図1は本体部10および嵌合部20の概略斜視図であり、留め部30は含まれていない状態である。また、
図2は本体部10、嵌合部20、および留め部30を含むホルダー1の概略斜視図であるが、嵌合部20はレールRに嵌め込まれているため外部からは見えていない。
【0020】
本体部10は、ホルダー1をレールRに嵌め込む際に、利用者が手の指などで把持する部分である。また、
図1,2に示す例において、本体部10は略四角柱状である。
【0021】
嵌合部20は、レールRの溝に嵌合する部分である。
図1に示すように、嵌合部20は嵌合部20A,20Bと2つ設けられている。
なお、本体部10や嵌合部20は樹脂製のものであり、弾性を有する。本体部10や嵌合部20の素材として、例えば耐衝撃性や耐薬品性、電気特性に優れたナイロン6を採用することができる。
【0022】
留め部30は、ケーブル類などを留める部分である。留め部30には例えば、面ファスナーを用いることができる。
【0023】
以下、
図3,4を参照して、本発明の実施の形態に係るホルダーについて詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係るホルダーの構造を説明するための図であり、具体的には、本体部10および嵌合部20の構造を説明するための概略斜視図である。また、
図4は、本発明の実施の形態に係るホルダーの構造を説明するための図であり、具体的には、(A)は本体部10および嵌合部20の底面図、(B)は本体部10および嵌合部20を
図1におけるX方向から見た側面図、(C)は本体部10および嵌合部20を
図1におけるY方向から見た側面図である。
【0024】
[本体部]
図3や
図4(A)に示すように、本実施の形態における本体部10は略四角柱状であり、底面104の縦および横のサイズはそれぞれ20mm(
図4(A)参照)、高さは7mm(
図4(B)参照)である。
【0025】
また、本体部10は、四方の側面102(102A,102B,102C,102D)にそれぞれ開口部分103が設けられている。本説明において便宜上、側面102Aに設けられた開口部分を103A、側面102Bに設けられた開口部分を103B、側面102Cに設けられた開口部分を103C、側面102Dに設けられた開口部分を103Dと称する。
図1に示す例においては見えていないが、開口部分103Cの反対側に位置しているのが開口部分103Aであり、開口部分103Bの反対側に位置しているのが開口部分103Dである。
【0026】
開口部分103は縦が2.5mm、横が12mm(
図4(B)参照)で、留め部30が通過し得る(挿入し得る)程度の大きさとなっている。本実施の形態において、開口部分103A~103Dの大きさは全て同じである。
【0027】
また、本体部10は上面101が略中央から略半分に左右へ分かれている(
図1参照)。左右へ分かれた上面101を、便宜上それぞれ上面101A,101Bと称する。嵌合部20A,20Bは、上面101A,101Bにそれぞれ設けられる。
なお、ホルダー1(本体部10)は机の裏面に設けられるレールRに吊り下げれられて使用されるため(
図5参照)、本体部10のうち、使用される形態において上方向(レールR方向)を向く面を上面101(
図1参照)と、下方向を向く面を底面104(
図2参照)と称す。
【0028】
ここで、上面101は一定の空間を空けて左右へ分かれている。この空間は3mm~7mm程度であり、
図4(C)に示すように5mm程度であることが好ましい。
また、このような構成となっているため、嵌合部20A,20Bも一定の空間を空けて設けられる(
図1参照)。
なお、開口部分103Bは、その開口した部分と当該空間とが繋がっている(
図1,
図4(C)参照)。開口部分103Dについても同様である。
【0029】
[嵌合部]
嵌合部20(20A,20B)は、L字型(
図1に示す概略斜視図においては、逆L字型と見える)の構造となっている。本実施の形態において、嵌合部20Aと嵌合部20Bは同じ構造である(左右対称の構造である)。
また、
図4(B)や
図4(C)に示すように、嵌合部20は支柱部分21と、つめ部分22とを含む。つめ部分22(22A,22B)は扁平状であり、レールRの溝に引っ掛かる部分である。一方、支柱部分21(21A,21B)はつめ部分22(22A,22B)と本体部10の上面101(101A,101B)とを接続する部分である。
なお、本実施の形態において、本体部10と嵌合部20(支柱部分21)とは一体成型されている。
【0030】
つめ部分22はレールRの溝に引っ掛かる部分であるため、レールRと直交する方向に長く延びている。例えば
図4(C)に示すつめ部分22Aの端からつめ部分22Bの端までの長さは22mm(
図3参照)であるため、略中央の空間(5mm)を除くと、つめ部分22A,22Bの当該長さはそれぞれ8.5mm程度である。
それに対して、支柱部分21A,21Bの当該長さは、支柱部分21Aの端から支柱部分21Bの端までの長さが12mm(
図4(C)参照)であるため、略中央の空間(5mm)を除くとそれぞれ3.5mm程度である。
【0031】
[留め部]
留め部30は、
図2(A)に示すように開口部分103Aと、開口部分103Aの反対に位置する開口部分103Cとを通過して、本体部10に接続される。または、留め部30は
図2(B)に示すように、開口部分103Bと、開口部分103Bの反対に位置する開口部分103Dとを通過して、本体部10に接続される。
【0032】
本実施の形態において、留め部30は面ファスナーであるため、面ファスナーのそれぞれの面を合わせる位置に応じて長さを調整することができる。つまり、
図2や
図5に示すような留め部30により形成される輪(わっか)の半径(大きさ)を調整することができる。また、留め部30自身の長さは5cm~10cm程度であり、5cm以下や10cm以上などとすることもできる。なお、留め部30は面ファスナーであるため、用途に応じて適宜利用者が長さを調整(ハサミ等でカット)することができる。
【0033】
[実施例]
以下、各図面を参照して、本発明の実施の形態に係るホルダーの実施例(使用例)について説明する。
【0034】
まず、利用者はホルダー1を机の裏面に設けられたレールRの任意の位置(場所)に嵌め込む。この際、レールRの延びる方向と
図1に示すX方向とが平行となるようにホルダー1の嵌合部20をレールRの溝G(
図5参照)に挿入する。
【0035】
次に、ホルダー1(本体部10)を左または右に90度回転させる。そうすると、嵌合部20のつめ部分22がレールRと直交する方向に向くため、つめ部分22がレールRの内側へ折り込まれている部分(
図5の点線枠参照)にしっかりと引っ掛かる。
【0036】
ここで、嵌合部20A,20Bは一定の空間を空けて設けられており(
図1参照)、かつ嵌合部20や本体部10は弾性を有し一体成型されているため、変形しやすく、かつ回転しやすい。例えば、レールRの溝Gの幅L(
図5参照)が、支柱部分21Aの端から支柱部分21Bの端までの長さが(
図4(C)に示す例においては12mm)よりも短い場合であっても、当該空間を塞ぐ方向に嵌合部20A,20Bが折れ曲がる(変形する)ため、突っかからずに嵌合部20A,20Bを溝Gに嵌合させることができる。
つまり、本体部10と嵌合部20は部品そのものがバネ構造となっているため、レールRの溝Gに嵌め込みやすく、かつはめ込んだ後は利用者が手などで意図的に外したりしない限り、外れにくい。
【0037】
最後に、利用者は留め部30によりケーブル類を留める。つまり、利用者は
図2や
図5に示す輪にした留め部30でケーブル類を括ることにより固定する。ここでケーブル類とは、例えばLANケーブルや電源ケーブル、または電話線、もしくはHDMI(登録商標)ケーブルやディスプレイケーブルなどである。つまり、紐状のものであれば、特に制限はない。
【0038】
ホルダー1は机の裏面に設けられたレールRの溝Gに嵌め込まれるため、ケーブル類も机の裏面を這うような形で収納される。そのため、利用者は机の周りに存在する様々なケーブル類を机の裏面という邪魔にならない場所に収納することができる。
【0039】
さらに、利用者は、留め部30を通過させる開口部分103を変えることにより、ケーブルを這わせる方向を変えることができる。例えば、
図2(A)は開口部分103Aと開口部分103Cに留め部30を通過させたものであり、この場合、ケーブル類をレールRの延びる方向に沿って這わせることができる。
一方、
図2(B)は開口部分103Bと開口部分103Dに留め部30を通過させたものであり、この場合、ケーブル類をレールRと直交する方向に沿って這わせることができる。
【0040】
なお、留め部30は本体部10および嵌合部20がレールRの溝Gに嵌め込まれた後であっても自由に着脱可能であるため、利用者は上述したようにケーブル類を這わせる方向を自由に調整することができる。
【0041】
そして、留め部30は開口部分103を通過して本体部10に接続されているため、輪にした留め部30を回転させ、留め部30のそれぞれの面を合わせた位置を本体部10内に隠すこともできる。
図2や
図5に示す例は、当該位置を本体部10内に隠していない場合である。これにより、利用者がすっきりとしたデザインを好む場合、隠すような使い方もすることができる。
【0042】
また、利用者はホルダー1を複数利用することもできる。そうすることで、ケーブルを複数のホルダーで留める(固定する)ことができ、長いケーブルを収納する場合でも下に垂れたりしない。
【0043】
また、机の裏面に複数本のレールRが設けられている場合、それぞれのレールRに複数のホルダー1を利用することで、かぎ型やジグザグなど机の裏面に這わせるケーブルのルート(経路)を自由に決めることができる。
【0044】
また、留め部30により形成される輪の半径(
図2,5参照)は、接着させる位置(面ファスナーのそれぞれの面を合わせる位置)を変えるだけで容易に調整可能であるため、太いケーブルや複数本のケーブルが束になったものであっても、しっかりと留めることができる。つまり、ケーブルの種類や本数が変わっても、そもそも収納できなかったり、ケーブルが垂れて机で作業する者の足に当たったりすることなく、しっかりと机の裏面に収納することができる。
【0045】
本発明は以上のような使い方ができるため、多種多様なシーンに応じた収納形態を実現することができる。例えば、フリーアドレスを採用している会社では予めLANケーブルや電源ケーブルを机の端付近まで這わせておき、ノートパソコンを所持した作業者が当該机に座った場所に応じて、LANケーブルや電源ケーブルを当該ノートパソコンと繋ぎやすい位置まで誘導することができる。これにより、例えばプロジェクトの都合により急に作業者が増えた場合でも、柔軟に対応することができる。
【0046】
また、席替えがあった場合や、部や課、チームの編成(人員増減)があった場合などでも、柔軟に対応することができる。
【0047】
その他、例えば打合せやプレゼンなどで発表者の所持するノートパソコンと大型ディスプレイやプロジェクターなどを繋ぐ場合、HDMI(登録商標)ケーブルなどは机の上に放り出されていることが多い。しかし、本発明によれば、HDMI(登録商標)ケーブルなどを机の裏面に収納できるため、作業者の邪魔にならず、かつ机の掃除もしやすい。また、HDMI(登録商標)ケーブルなどが這うルートを自由に変えることができるため、発表者が座る場所を自由に選択できたり、途中で発表者が変わる場合であっても柔軟に対応することができる。
【0048】
以上のように本発明の実施の形態などを説明したが、上述した内容はあくまで一例であり、本発明はその要旨を変更しない限り、この内容に限定されない。例えば、
図3,4で示したような本体部10や嵌合部20のサイズ、開口部分103の大きさなどは、ホルダー1の使用用途や嵌め込むレールRの長さ、溝Gの幅Lの長さなどに応じて適宜設計変更可能である。
また、留め部30も、面ファスナーの他、長さを調整することができるベルトや紐などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、多種多様なシーンに応じた収納形態を実現し得る収納機構であるホルダーであり、オフィスや公共施設などで利用することができるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 ホルダー
10 本体部
101、101A、101B 本体部の上面
102、102A、102B、102C、102D 本体部の側面
103、103A、103B、103C、103D 開口部分
104 本体部の底面
20 嵌合部
21、21A、21B 支柱部分
22、22A、22B つめ部分
30 留め部
X、Y 方向
R レール
G 溝
L 溝の幅
【要約】
【課題】多種多様なシーンに応じた収納形態を実現し得る収納機構であるホルダーを提供する。
【解決手段】ホルダーは、略四角柱状の本体部10であり、上面は当該上面の略中央から略半分に左右へ分かれており、四方の側面にはそれぞれ開口部分103(103A,103B,103C,103D)が設けられている本体部10と、左右へ分かれた上面のそれぞれに設けられる嵌合部20(20A,20B)であり、弾性を有し、机の裏面に設けられたレールに嵌合する嵌合部20(20A,20B)と、一つの開口部分103と、当該開口部分103と反対に位置する開口部分103とを通過して本体部に接続される留め部と、を含む。
【選択図】
図1