(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】車両制御装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20220513BHJP
G06F 16/29 20190101ALI20220513BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G06F16/29
(21)【出願番号】P 2018016196
(22)【出願日】2018-02-01
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】321011767
【氏名又は名称】ジオテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 陽子
(72)【発明者】
【氏名】平野 宗亮
(72)【発明者】
【氏名】秋本 和紀
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-280073(JP,A)
【文献】特開2000-132783(JP,A)
【文献】特開2010-044392(JP,A)
【文献】特開2015-72651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00-29/14
G01C 21/00-21/32
G06F 16/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の領域を示す駐車場情報を有する
地図データであって、前記駐車場情報
には、前記駐車場の領域について所定の大きさに細分化された区画毎
に、当該区画についての属性情報が含まれて
いる地図データ
を記憶する記憶部と、
前記地図データに基づいて、車両を走行させる制御部とを備えた車両制御装置であって、
前記制御部は、前記車両が備えるセンサが検出した結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記地図データに含まれる前記属性情報を付加或いは更新し、
前記属性情報には、当該区間における車両の通行量と人の通行量との少なくとも一方が含まれている
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記属性情報には、前記区画間の移動
の頻度に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項
1に記載の
車両制御装置。
【請求項3】
前記駐車場情報は、同一の区画について複数の属性情報が付加されていることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の
車両制御装置。
【請求項4】
地図データ記憶装置および車両制御装置を備えたシステムであって、
前記地図データ記憶装置は、
駐車場の領域を示す駐車場情報を有する地図データであって、前記駐車場情報には、前記駐車場の領域について所定の大きさに細分化された区画毎に、当該区画についての属性情報が含まれている地図データを記憶する記憶部と、
前記車両制御装置により制御される車両が備えるセンサが検出した結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記地図データに含まれる前記属性情報を付加或いは更新する制御部とを備え、
前記車両制御装置は、前記地図データに基づいて、前記車両を走行させる制御部を備えることを特徴とするシステムであって、
前記属性情報には、当該区画における車両の通行量と人の通行量との少なくとも一方が含まれている
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
前記属性情報には、前記区画間の移動の頻度に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記属性情報には、同一の区画について複数の属性情報が付加されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションシステムにおいて、案内先として駐車場を指定することが可能となっている。この場合、駐車場の情報としては、駐車場の名称、位置、料金、駐車可能台数等の情報が含まれていることが多い(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、特許文献2には、駐車場内に白線等で区画された各駐車枠の位置と、車両が走行する車両通路の位置と、車両通路に対して設定された車両通行方向とに関するデータを有する駐車場マップをナビゲーションECUが有し、その駐車場マップと自車両の走行軌跡とに基づき、駐車場内の自車位置を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-209215号公報
【文献】特開2009-1164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、車両に搭載したカメラ、ライダ(LiDAR:Light Detection And Ranging)などの各種センサにより自車両周辺の状況を取得しながら自律走行する車両(自動運転車両)が開発されている。
【0006】
この種の自動運転車両において、駐車場構内を自律的に走行して所定の駐車枠等に駐車させることが求められているが、特許文献1に記載されている程度の情報では自動運転車両が駐車場構内を走行することはできない。また、特許文献2に記載されているような駐車枠等の配置まで設定された駐車場マップについては、駐車場の駐車枠に駐車するといった適用目的が固定され、柔軟性に欠けるという問題がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題としては、様々な目的や用途に対応することができる地図データ構造の提供が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、駐車場の領域を示す駐車場情報を有する地図データの地図データ構造であって、前記駐車場情報は、前記駐車場の領域について所定の大きさに細分化された区画毎に所定の情報が付加可能となっており、所定の情報には、当該区画についての属性情報が含まれている、ことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例にかかる地図データ記憶装置を有するシステムの概略構成図である。
【
図2】
図1に示されたサーバ装置の機能構成図である。
【
図3】
図1に示された車両制御装置の機能構成図である。
【
図4】駐車場の敷地を複数のメッシュに区切った例である。
【
図5】
図4に示した駐車場の一部を拡大した図である。
【
図6】
図5に示した駐車場のメッシュについての駐車場情報を示した表である。
【
図8】動的属性情報の付加または更新方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる地図データ構造を説明する。本発明の一実施形態にかかる地図データ構造は、駐車場の領域を示す駐車場情報を有する地図データの地図データ構造であって、駐車場情報には、駐車場の領域について所定の大きさに細分化された区画毎に所定の情報が付加可能となっており、所定の情報には、当該区画についての属性情報が含まれている。このようにすることにより、様々な目的や用途に対応した地図データ構造を提供することができる。
【0011】
また、属性情報には、静的属性情報及び動的属性情報のうち少なくともいずれかが含まれていてもよい。このようにすることにより、予め各区画に定められた静的属性情報に基づいて自動運転車両が駐車場構内を走行することができる。また、自動運転車両やその他の車両等により取得された情報によって追加・更新等される動的属性情報に基づいて様々な目的や用途に対応することができる。
【0012】
また、属性情報には、区画における車両の移動に関する情報が含まれていてもよい。このようにすることにより、例えば、車両が頻繁に通行することを属性として含ませることで、車両が頻繁に通行する通路等を把握することが可能となる。
【0013】
また、属性情報には、区画における人の移動に関する情報が含まれていてもよい。このようにすることにより、例えば、人が頻繁に通行することを属性として含ませることで、人が頻繁に通行する場所等を把握し、自動運転車両が人との事故を起こすことを未然に防ぐことが可能となる。
【0014】
また、属性情報には、区画間の移動に関する情報が含まれていてもよい。このようにすることにより、車両や人の移動する方向について把握することが可能となり、危険の予測をより的確に行うことが可能となる。
【0015】
また、駐車場情報は、同一の区画について複数の属性情報が付加されていてもよい。このようにすることにより、駐車場情報について、目的や用途に応じて柔軟性や多様性を持たせることができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態にかかる地図データ記憶装置は、上述した地図データ構造を記憶している。このようにすることにより、様々な目的や用途に対応することができる地図データを記憶させることができる。
【実施例】
【0017】
本発明の一実施例にかかる地図データ構造、地図データ記憶装置を
図1~
図8を参照して説明する。サーバ装置1は、
図1に示したように、インターネット等のネットワークNを介して自動運転車両Cに搭載されている車両制御装置3と通信可能となっている。
【0018】
地図データ記憶装置としてのサーバ装置1の機能的構成を
図2に示す。サーバ装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備えている。
【0019】
制御部11は、サーバ装置1のCPU(Central Processing Unit)が機能し、サーバ装置1の全体制御を司る。制御部11は、車両制御装置3からの要求に応じて記憶部13に記憶されている地図データ13aから必要な領域の地図データを読み出して通信部12を介して車両制御装置3に配信する。
【0020】
通信部12は、サーバ装置1のネットワークインターフェース等が機能し、車両制御装置3が出力した要求情報等を受信する。また、制御部11が地図データ13aから読み出した地図データを車両制御装置3に送信する。
【0021】
記憶部13は、サーバ装置1のハードディスク等の記憶装置が機能し、地図データ13aが記憶されている。地図データ13aは、自動運転車両Cが自律的に走行可能な程度の詳細な情報が含まれている地図である。また、地図データ13aには、駐車場情報としての駐車場の領域を示すデータ(駐車場データ)が含まれている。この駐車場データは、当該地図データに含まれる駐車場の全てについて有していなくてもよい。
【0022】
自動運転車両Cは、車両制御装置3及びセンサ4を備えている。車両制御装置3は、センサ4が検出した結果及び、車両制御装置3が有する地図データ33aに基づいて自動運転車両Cを自律的に走行(自動運転)させる。
【0023】
図3に車両制御装置3の機能的構成を示す。車両制御装置3は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備えている。
【0024】
制御部31は、センサ4が検出した結果及び記憶部33に記憶された地図データ33aに基づいて自動運転車両Cの自己位置を推定する。そして、制御部31は、自動運転車両Cのハンドル(操舵装置)やアクセル、ブレーキ等を制御して自動運転車両Cを自律的に走行させる。つまり、制御部31は、外界認識部としてのセンサ4の検出結果(認識結果)を取得する。また、制御部31は、サーバ装置1に対して走行経路となる領域の地図データの配信を通信部32を介して要求し、サーバ装置1から配信された地図データを記憶部33に地図データ33aとして記憶させる。
【0025】
通信部32は、制御部31が出力した要求情報等をサーバ装置1に送信する。また、サーバ装置1から配信された地図データを受信する。
【0026】
地図データ記憶装置としての記憶部33は、地図データ33aが記憶されている。地図データ33aは、地図データ13aと同様に自動運転車両Cが自律的に走行可能な程度の詳細な情報が含まれている地図である。また、地図データ33aには、地図データ13aと同様に駐車場データが含まれている。
【0027】
センサ4は、自車位置等の自車の情報や周辺環境(周辺に存在する地物等)を認識するためのセンサであり、カメラ、ライダ、GPS(Global Positioning System)受信機等、を含む。また、これらのセンサ以外に車両の加速度を検出する加速度センサ、車両の速度を検出する速度センサ、或いは、車両の姿勢(向きなど)を認識して他のセンサの取得データを補正するための慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)やジャイロセンサなどを備えてもよい。
【0028】
センサ4に含まれるカメラは、自動運転車両Cの外界の状況を表す画像を撮影する。センサ4に含まれるライダは、外界に存在する物体までの距離を離散的に測定し、当該物体の位置や形状等を三次元の点群として認識する。このライダが取得した情報は点群情報として出力される。センサ4に含まれるGPS受信機は、現在の車両の位置を表す緯度及び経度の位置情報を生成し出力する。
【0029】
次に、本実施例にかかる駐車場データを有する地図データ構造を説明する。本実施例にかかる駐車場の駐車場データとしては、
図4に示したように、駐車場Pの敷地(領域)内を複数のメッシュM(区画)に細分化して区切っている。
図4に示した駐車場Pは、道路Rに面しているものである。なお、メッシュMの形状は
図4に示したような正方形に限らず、長方形でもよいし、六角形や八角形等の多角形でもよい。また、メッシュMの大きさは任意に定めることができるが、後述する各属性情報等による識別が可能である程度の大きさが望ましい。
【0030】
また、各メッシュMには、所定の情報としてメッシュ番号、位置情報、属性情報等が設定されている。位置情報は、緯度経度等の絶対位置でもよいし、絶対位置が設定されている基準位置からの相対位置(何行何列)でもよい。属性情報は後述する。
【0031】
図5に駐車場Pの敷地内の一部を抜き出した図を示す。
図5は、駐車場Pの一部の駐車領域Fと、駐車場P構内の通路PSと、駐車領域Fと通路PSとの間に設けられた壁Wと、が示されている。
【0032】
駐車領域Fは、白線Lによって車両が駐車できる領域が区切られている。壁Wは、
図5の左端の駐車領域Fと通路PSとを仕切るために設けられており、車両や人の通行ができない領域となっている。
【0033】
図5の例において、例えば、駐車領域Fに含まれるメッシュMには、「駐車領域」であることを示す属性情報が付加される。また、通路PSに含まれるメッシュMには、「通路」であることを示す属性情報が付加される。また、壁Wに含まれるメッシュMには、「壁」であることを示す属性情報が付加される。属性情報の例を
図6に示す。
図6は、駐車場Pの駐車場情報33a1を示している。そして、駐車場情報33a1は、各メッシュを識別するメッシュ番号(No)33a2と、位置情報33a3と、属性情報(属性)33a4と、を有している。
【0034】
メッシュ番号33a2は、各メッシュMに付与された固有の番号である。位置情報33a3は、例えば緯度経度として設定されている。
【0035】
属性情報33a4について説明する。
図6に示したように、
図5に示したメッシュM1は壁Wが設けられているので、
図6に示すように属性情報33a4として「壁」が設定される。同様にメッシュM2は駐車領域Fに含まれているので、
図6に示すように属性情報33a4として「駐車領域」が設定される。同様にメッシュM3は通路PSに含まれているので、
図6に示すように属性情報33a4として「通路」が設定される。
図6で示さなかったが、白線Lを含むメッシュMに「白線」であることを示す属性を設定してもよい。
【0036】
このような属性情報33a4がメッシュMに付加されることで、自動運転車両Cは、通路であることを示す属性を有するメッシュMの領域を走行し、駐車領域であることを示す属性を有するメッシュMの領域に駐車して、壁であることを示す属性を有するメッシュMの領域は走行を避けることができる。なお、属性情報33a4は、全てのメッシュMに設定されていなくてもよい。例えば初期データとしては、一部のメッシュMのみ属性情報33a4を設定し、他のメッシュMについては、後述する動的属性情報の付加または更新のフローチャートにより設定してもよい。
【0037】
また、メッシュMの区切り方としては、
図7左側に示したように方位を基準として区切るようにしてもよいし、
図7右側に示したように駐車場Pの外周を構成する辺を基準として区切るようにしてもよい。
【0038】
なお、メッシュMには
図5、
図6で示した駐車領域や通路、壁以外の属性情報を付加することができる。例えば、屋根の有無、立体駐車場の場合は階層(どの階に位置しているのか)情報等を属性情報として付加してもよい。或いは、敷地の状態(舗装、砂利、芝生等)の情報を属性情報として付加してもよい。このような情報は、天候に応じて自動運転車両Cの駐車位置を決定できる。あるいは、自動運転車両Cの利用者の好みに応じた位置に駐車させることができる。
【0039】
また、駐車領域Fに含まれるメッシュMには、優先スペース(優先駐車場)を示す情報や、利用に便利な店舗を示す情報、特定の店舗等の来客用駐車スペースであることを示す情報を属性情報として付加してもよい。優先スペースを示す情報を属性情報として付加すれば、優先スペースを利用する自動運転車両Cが当該スペースへ駐車することが可能となる。利用に便利な店舗を示す情報を属性情報として付加すれば、立寄りたい店舗等の目的に応じた位置に自動運転車両Cが駐車することが可能となる。さらに、特定の店舗等の来客用駐車スペースであることを示す情報を属性情報として付加すれば、誤って他の店舗等の来客用駐車スペースに自動運転車両Cを駐車させることを防止できる。
【0040】
また、駐車領域Fに含まれるメッシュMには、大型車、普通車、軽自動車、二輪車等の区分の情報、前向き駐車、後ろ向き駐車等の駐車方向の情報を属性情報として付加してもよい。このような情報を属性情報として付加すれば、車両の区分や向きを誤って駐車することを防止できる。
【0041】
さらに、駐車領域Fに含まれるメッシュMには、水溜まりの発生し易い場所や、照明の明るさ、日中の日当たりの良さ等の照度情報を属性情報として付加してもよい。このような情報を属性情報として付加すれば、雨の日に水溜まりが発生し易い場所や暗い場所に自動運転車両Cを駐車させないようにすることができる。
【0042】
また、通路PSに含まれるメッシュMには、ドライブスルーのレーンを示す情報やドライブスルーレーンでの停止位置(注文場所、商品受け取り場所)を示す情報を属性情報として付加してもよい。このような情報を属性情報として付加すれば、ドライブスルーレーンを適切に走行することができる。
【0043】
また、通路PSに含まれるメッシュMには、駐車場構内に設置されているスピードバンプが設置されていることやその形状、高さ等の情報、入退場ゲートや精算機が設置されていることを示す情報を属性情報として付加してもよい。このような情報を属性情報として付加すれば、スピードバンプの手前までに自動運転車両Cを減速させることができ、入退場ゲートや精算機の位置で適切に一時停止することが可能となる。また、このような駐車場構内に設置されている機器を含むメッシュMも上述した壁Wのように人や車両が通行できないことを示す属性情報を付加してもよい。駐車場構内に設置されている機器を含むメッシュMに人や車両が通行できないことを示す属性情報を付加することで、壁Wと同様に、自動運転車両Cがこれらの機器を避けて走行することができる。
【0044】
以上説明したように属性情報は、同一のメッシュMについて複数の属性情報を付加することができる。例えば、
図5のメッシュM3についてスピードバンプが設けられていた場合は、通路PSであることを示す属性情報に加えてスピードバンプが設けられていることを示す属性情報を付加してもよい。
【0045】
上述した属性情報は、静的属性情報として予めメッシュMに付加されることを前提としているが、これらの属性情報は、静的属性情報として付加されることに限定されない。例えば、駐車場P構内を走行する車両が搭載するライダ等のセンサの検出結果に基づいて逐次付加、あるいは更新される動的属性情報としてもよい。例えば、駐車領域F、通路PS、壁Wは、ライダやカメラ等のセンサの検出結果から識別することが可能であるため動的属性情報として扱うことができる。
【0046】
また、動的属性情報としては、車両の移動に関する情報や人に移動に関する情報を含めることができる。車両の移動に関する情報は、例えば当該メッシュMにおける車両の通行量等の情報であり、このような情報により、車両が頻繁に通行することを把握できる。人に移動に関する情報も同様に、例えば当該メッシュMにおける人の通行量等の情報であり、このような情報により、当該メッシュMが歩行者通路等になっており人が頻繁に通行することを把握できる。
【0047】
さらには、動的属性情報としてメッシュMの間の移動に関する情報が含まれていてもよい。これは、例えば
図5のメッシュM3について隣接するメッシュMのどの方向からメッシュM3への移動の頻度が多いのか、あるいは、メッシュM3からどの方向のメッシュへ移動の頻度が多いのかを示す情報を属性情報として設定することで、メッシュM3を含む通路PSの移動方向等を識別することが可能となる。
【0048】
ここで、動的属性情報の付加または更新のフローチャートを
図8に示す。
図8に示したフローチャートは、車両制御装置3の制御部31で実行される。または、サーバ装置1の制御部11で実行してもよい。制御部11で実行する場合は、サーバ装置1は通信部12を介して自動運転車両Cのセンサ4が取得した検出結果(センサ情報)を取得する。
【0049】
まず、ステップS1において、センサ4で検出された結果(センサ情報)を取得する。このセンサ情報は、例えばライダで取得された点群情報やカメラが撮影した画像情報等である。
【0050】
次に、ステップS2において、ステップS1で取得したセンサ情報にもとづいて属性を解析する。この属性とは、上記した駐車領域F等を示し、本ステップでは、検出された結果からどの属性を示すのかを解析する。例えば優先スペースや軽自動車用の駐車領域の場合は優先スペースを示すマークや「軽」の文字を認識することで識別可能である。また、センサ情報は、直前の情報のみでなくてもよい。例えばセンサ情報を蓄積することで、所定の頻度で壁Wを認識した場合は、障害物等であると識別できる。
【0051】
次に、ステップS3において、ステップS2で解析した属性を含むメッシュMを特定する。この特定は、例えばセンサ4を搭載する車両の現在位置と属性を解析した地物等までの距離からメッシュMを特定することができる。
【0052】
そして、ステップS4において、ステップS3で特定したメッシュMについて、属性情報を付加或いは更新をする。
【0053】
本実施例によれば、地図データ33aは、駐車場Pの領域を示す地図データ構造であって、駐車場Pの領域は所定の大きさのメッシュMに細分化され、それぞれのメッシュMについて所定の情報が付加可能となっており、所定の情報には、当該メッシュMについての属性情報が含まれている。このようにすることにより、各メッシュMに属性情報33a4を付加することで、様々な目的や用途に対応した地図データ構造を提供することができる。
【0054】
また、属性情報33a4には、静的属性情報及び動的属性情報のうち少なくともいずれかが含まれていてもよい。このようにすることにより、予め各メッシュMに定められた静的属性情報に基づいて自動運転車両Cが駐車場P構内を走行することができる。また、自動運転車両Cやその他の車両等により取得された情報によって追加・更新等された動的属性情報に基づいて様々な目的や用途に対応することができる。
【0055】
また、属性情報33a4には、メッシュにおける車両の移動に関する情報が含まれていてもよい。このようにすることにより、例えば、車両が頻繁に通行することを属性として含ませることで、車両が頻繁に通行する通路等を把握することが可能となる。
【0056】
また、属性情報33a4には、メッシュにおける人の移動に関する情報が含まれていてもよい。このようにすることにより、例えば、人が頻繁に通行することを属性として含ませることで、人が頻繁に通行する場所等を把握し、自動運転車両が人との事故を起こすことを未然に防ぐことが可能となる。
【0057】
また、属性情報33a4には、メッシュ間の移動に関する情報が含まれていてもよい。このようにすることにより、車両や人の移動する方向について把握することが可能となり、危険の予測をより的確に行うことが可能となる。
【0058】
また、駐車場情報33a1は、同一の駐車領域Fについて複数の属性情報33a4が付加されていてもよい。このようにすることにより、駐車場情報33a1について、目的や用途に応じて柔軟性や多様性を持たせることができる。
【0059】
また、記憶部33に上述した地図データ33aとして記憶させることにより、様々な目的や用途に対応することができる地図データを記憶させることができる。また、サーバ装置1に地図データ13aとして記憶させることにより、複数の自動運転車両に駐車場情報を有する地図データを配信することができる。したがって、追加や更新が容易となる。
【0060】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の地図データ構造、地物データ記憶装置及び自己位置推定装置を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
1 サーバ装置(地図データ記憶装置)
3 車両制御装置
4 センサ(ライダ)
13 記憶部
13a 地図データ(地図データ構造)
31 制御部
32 通信部
33 記憶部(地図データ記憶装置)
33a 地図データ(地図データ構造)
33a1 駐車場情報
33a4 属性情報
M メッシュ(区画)