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  • 特許-筋肉増強方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】筋肉増強方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/00 20060101AFI20220513BHJP
   A63B 23/035 20060101ALI20220513BHJP
   A63B 26/00 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
A63B21/00
A63B23/035 Z
A63B26/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018108383
(22)【出願日】2018-06-06
(65)【公開番号】P2019208940
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2019-02-20
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】518200145
【氏名又は名称】福田 健蔵
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】福田 健蔵
(72)【発明者】
【氏名】池上 信三
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】吉村 尚
【審判官】畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-112289(JP,A)
【文献】馬場美希,「フィジカルチャージ」,BO:DIO(ボディオ)[online],2018年1月20日,<URL: https://ameblo.jp/bodio-info/entry-12346068841.html>
【文献】「槍投げトレーニング」,Youtube[online][video],2016年9月16日,,URL,https://www.youtube.com/watch?v=eSwrWQJly_k
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B21/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の上腕及び大腿の少なくとも一方の施術箇所に帯状の締結具を巻き付け、
予め設定した締付力で前記締結具を締め付け、
前記締結具の締付け状態を維持しながら、所定時間の間、前記対象者を安静にさせ、
前記所定時間の経過後に前記締結具による締付けの解除をすること、
を含み、
前記締付け、前記安静及び前記解除を含む一連の手順を複数セット実施する筋力トレーニングを行うことなく筋肉を増強する方法における締付力の決定方法において、
前記予め設定した締付力
前記締結具の巻付け箇所又はその末端側に位置する前記対象者の動脈の拍動音を前記締結具の締付力を強めるように変化させながら聴診器で前記拍動音を聴音し、
前記拍動音が最大となった後も前記締付力を強めて前記拍動音が次第に弱くなってやがて聞こえなくなってから前記締力を緩和させて、
緩和させた後、前記拍動音が聞こえ始めて弱から強になって再度弱となる過程において再度最大となるときの締付力と決定すること、
を特徴とする締付力の決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉増強方法及び筋肉増強具に関する。
【背景技術】
【0002】
締結具を筋肉の所定部位に巻付け、筋肉に流れる血流を阻害した状態で筋力トレーニングを行い、もって筋肉の増大を図る筋肉トレーニング方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第2670421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このトレーニング方法では、筋力トレーニングを行うことなく筋肉を増大させることはできない。
【0005】
そこで、本発明は、筋力トレーニングを行うことなく筋肉を増大させることができる筋肉増強方法及び筋肉増強具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく、本発明は、対象者(即ち、筋肉増強を所望する使用者)の上腕及び大腿の少なくとも一方の施術箇所に帯状の締結具を巻き付け、予め設定した締付力(圧力)で前記締結具を締め付け(施術箇所を締め付けて圧迫し)、前記締結具の締付け状態を維持しながら、所定時間の間、前記対象者を安静にさせ、前記所定時間の経過後に前記締結具による締付けを解除すること、を含むことを特徴とする筋肉増強方法を提供する。
【0007】
上記のような構成を有する本発明の筋肉増強方法では、聴診器から聴音した、前記締結具の巻付け箇所又はその末端側に位置する前記対象者の動脈の拍動音に基づいて、前記予め設定した締付力を決定すること、が好ましい。
【0008】
また、上記のような構成を有する本発明の筋肉増強方法では、前記締結具の締付力を変化させながら前記聴診器で聴音した前記拍動音の変化に基づいて、前記予め設定した締付力を決定すること、が好ましい。
【0009】
また、上記のような構成を有する本発明の筋肉増強方法では、前記施術箇所における前記締結具の巻付け箇所の外周の0.75倍以上、1.0倍以下の長さを有するチューブを用いて前記締結具を締め付けること、が好ましい。
【0010】
また、本発明は、対象者の上腕及び大腿の少なくとも一方に巻き付けられる帯状の締結具と、前記締結具内に収められて、巻き付けられた前記締結具に所望の締付力を与えるように膨張可能なチューブと、前記対象者の動脈の拍動音を聴音するための聴診器と、を具備することを特徴とする筋肉増強具をも提供する。
【0011】
上記のような構成を有する本発明の筋肉増強具は、前記チューブに接続され、前記チューブ内に気体を注入するポンプを更に含むこと、が好ましい。
【0012】
上記のような構成を有する本発明の筋肉増強具は、前記チューブに接続され、前記チューブの内圧を測定する圧力計を更に含むこと、が好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、筋力トレーニングを行うことなく筋肉を増大させることができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の代表的な実施形態に係る筋肉増強具1の概略図である。
図2】締結具3及びチューブ5を概略的に示す正面図である。
図3】締結具3及びチューブ5を概略的に示す側面図である。
図4】チューブ5を膨張させた状態の一例を示す締結具3及びチューブ5の側面図である。
図5】対象者の四肢9を締結具3で締め付けた状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0016】
1.筋肉増強具
本実施形態に係る筋肉増強具は、図1に例示するように、締結具(カフ)が対象者の上腕、大腿又はその両方(以下、「四肢」という。)のいずれかの施術箇所に巻き付けられた状態で使用される。筋肉増強具は、施術箇所を締め付けて圧迫することにより末端部位血流を意図的に制限する。続いて締付けを緩和し、その結果、末端部位の筋肉組織への体液の浸潤が促進されるとともに神経が刺激され、筋肉の増強が達成される。
【0017】
本実施形態において、筋肉増強具1は、図1に示すように、締結具3、チューブ5、ポンプ53、圧力計55及び聴診器7を含んで構成されている。以下、これらの構成要素を順に説明する。
【0018】
締結具3は、対象者の四肢9に巻き付けられる帯状のバンドである。対象者の体格(例えば成人か小児か)や巻き付け箇所(上腕か大腿か)に応じて、幅や長さが異なる締結具3を使用してもよい。
【0019】
また、締結具3は、例えば袋状であり、内側にチューブ5を収納することができる。また、締結具3は、例えば布製又は合成繊維製の、伸縮性に乏しい素材で作製されている。したがって、四肢9に巻かれていない状態の締結具3は、図4に示すように、チューブ5の膨張に伴って膨らむことができる。ただし、四肢9に巻かれた状態の締結具3は、外側に膨らむことができないために、図5に例示するように、チューブ5の膨張に伴って内側に膨らみ、その結果、四肢9を締め付けることになる。
【0020】
更に、締結具3は、四肢9に巻き付けられた状態を保持する保持手段を有する。本実施形態では、保持手段は、締結具3の一つの面に締結具3の長さ方向に亘って取り付けられた面ファスナ31、及び、締結具3の一端に設けられたリング33を含む。このような保持手段においては、面ファスナ31が外側(対象者の皮膚とは反対側)を向いた状態で締結具3を四肢9に巻く。そして、締結具3の他端をリング33に挿通したうえで締結具3の他端を折り返し、面ファスナ31同士を接触させることで、締結具3を四肢9上に保持することができる。
【0021】
チューブ5は、図2及び図3に示すように、締結具3内に収納される、伸縮性に富む管体ないし袋体であり、例えばゴムなどの樹脂素材で作製される。本実施形態のチューブ5は、長尺で偏平形状であり、四肢に巻き易く確実に圧迫できるため好適に使用できるが、管状であってもよい。チューブ5は、膨張することで、四肢9に巻き付けられた締結具3に所望の締付力及び圧力を付与することができる(図5参照)。
【0022】
また、チューブ5は、施術箇所における締結具3の巻き付け箇所の全周(即ち、締結具3を巻き付ける上腕又は大腿の全周)の0.75倍から1.0倍までの長さLを有することが好ましい。概ね0.5倍以上であれば十分使用可能であるが、0.75倍から1.0倍にすることにより、巻き付け箇所のほぼ全周に亘ってほぼ均一に締付力及び圧力を付与することができる。
【0023】
つまり、チューブ5の長さLが巻き付け箇所の周囲の0.75倍以上であると、巻き付け箇所のほぼ全周に亘って締付力を付与することができる。また、チューブ5が巻き付け箇所の周囲において重なり合わなければ(つまり、長さLが巻き付け箇所の周囲の1.0倍以下であると)、締付力が必要以上に増大せず好ましい。
【0024】
この点、例えば特許文献1のように四肢を締め付けた状態で筋力トレーニングを行う場合には、神経の圧迫及び末端部位の痺れを回避するため、神経に対応する部位の締付けは回避されるべきものとされている。したがって、この種のトレーニング器具では、緊締具の長さは巻き付け箇所の周囲の0.75倍未満であることが好ましいと言える。
【0025】
図2に示すように、チューブ5は、空気の注入口51を有する。注入口51は、巻き付け時にも使用できるように締結具3の長さ方向における端部から外側に突出しており、図示しない連結具(管)を介してポンプ53と着脱自在に連結される。
【0026】
ポンプ53は、注入口51を介してチューブ5に接続されて、チューブ5内に空気を注入する。ポンプ53はまた、チューブ5内の空気を排出することができる。したがって、ポンプ53は、チューブ5を所望のサイズに膨張させることができ、これにより締結具3の締付力は無段階に変化する。本実施形態では、ポンプ53の動力としてモーターを想定しているが、例えば手動(人力)のような他の動力でも構わない。
【0027】
圧力計55は、ポンプ53の圧力、すなわちチューブ5の内圧を測定する。圧力計55の指示値は、後述する適切な締付力(チューブ5の内圧;締付圧)の指標となる。ただし、対象者の体調及び施術の時間帯(朝、昼、晩や季節)によって対象者の血圧が変化するため、適切な締付力が変わることがある。また、締結具3の四肢9への巻き付け具合によっても、適切な締付力は異なることがある。したがって、施術ごとに好適な締付力を設定することが好ましい。
【0028】
聴診器7は、締結具3の巻き付け箇所又はその末端側に位置する動脈93の拍動音を聴音するために用いられる。かかる聴診器7は、集音部71、導管73及び耳管75を含んで構成されている。具体的に、集音部71は、対象者の皮膚に接触され、体内(動脈93)で発生する音を集音する。導管73は、集音部71と耳管75とを接続するゴム管であり、集音部71で集音された音を耳管75に導く。耳管75は、施術者の左右の耳に当てる屈曲した金属管であり、先端にイヤーチップを有する。
【0029】
なお、本実施形態では上記のような聴診器7を用いる場合に代表させて説明しているが、例えばピエゾセンサ等のセンサを用いたいわゆる電子聴診器であってもよい。電子聴診器を用いれば、下記の筋肉増強方法の電子化・自動化も可能である。
【0030】
2.筋肉増強方法
続いて、上記のような構成を有する筋肉増強具1を使用した筋力増強方法を説明する。ただし、本発明に係る筋力増強方法では、筋肉増強具1と同等の機能を有する限り、筋肉増強具1以外の道具が用いられてもよい。
【0031】
施術者はまず、対象者の体格(成人か小児か)及び巻付け箇所(上腕か大腿か)に適した寸法の締結具3及びチューブ5を選択する。なお、対象者(使用者)が施術者であってもよい。
【0032】
ここで、チューブ5は、予め締結具3内に収容されていてもよいし、チューブ5に着脱自在に装着できるものでもよい。チューブ5の長さは、上記のとおり、締結具3の巻き付け箇所の周囲の0.75倍~1.0倍であることが好ましい。これにより、巻き付け箇所の周囲のほぼ全周に亘ってほぼ均一に締付力を付与することができる。本実施形態では、四肢9を締め付けた状態で筋力トレーニングを行わないので、四肢9をほぼ全周に亘って締め付けても、神経の圧迫により末端部位が痺れる等の問題はない。
【0033】
次いで、施術者は、対象者の四肢9に締結具3を巻き付け、チューブ5のそれぞれをポンプ53及び圧力計55に接続する(図1参照)。締結具3は、対象者の上腕、大腿又はその両方に巻き付けてもよい。また、締結具3は、四肢9において対象者の胴体に近い部位に巻き付けられることが好ましい。
【0034】
そして、適切な締付力を設定するために、施術者は以下の作業を行う。この締付力の設定作業は、施術毎に実施されることが望ましい。ただし、締結具3が四肢9に巻かれている限り、締付力の付与及び解除の後(つまり1回の施術に含まれる1セット毎)に締付力の設定を行う必要はない。また、上腕及び大腿に同時に施術を行う場合には、上腕及び大腿のそれぞれについて適切な締付力を設定してもよい。
【0035】
具体的には、施術者は、ポンプ53からチューブ5に空気を注入してチューブ5を膨張させ、締結具3の巻付け箇所を圧迫して締め付ける。その際、施術者は、聴診器7の集音部71を対象者の皮膚に当てて、巻き付け箇所又はその末端側に位置する動脈の拍動音を聞く。
【0036】
締結具3の締付けを強めるにつれて、聴診器7から聞こえる拍動音が次第に大きくなりはじめ、更に締め付けを強めていくと、拍動音の強さが最大となり、やがて拍動音は次第に弱くなってやがて聞こえなくなる。
【0037】
ここで、拍動音が聴診器7から聞こえている状態は、対象者の体幹から末端部位への血液の流入量が末端部位から体幹への血液の流出量よりも多く、体液成分が末端部位に留まることを示している。そして、拍動音が最大の時点で体液成分が末端部位に最大限留まること(血流の制限乃至は貯血)を示している。
【0038】
そこで、本実施形態では、締結具3により四肢9の末端部位血流の制限を確実に人工的に起こすべく、拍動音が聴診器7から聞こえるように締結具3の締付力を設定する。より確実には、聴診器7から聞こえる拍動音が最大となるように、締結具3の締付力(圧力)を設定する。なお、拍動音の消失は、締付力が高すぎて動脈93が締結具3によって閉塞され、血流がないこと、又は、締付力が低すぎて血流の制限状態が生じていないことを示している。
【0039】
より好ましくは、拍動音の変化に着目しながら締結具3の締付力(圧力)を設定する。具体的には、締結具3で巻き付け箇所を締め付けて圧迫して動脈93を閉塞し(血流を止め)、続いてポンプ53を減圧して締結具3の締付けを緩和していく。そうすると、動脈93が少し開いて血液が流れ出す。このとき、血管から「トントン」と、心拍に同期した音が聴こえ始める。
【0040】
発明者らは、聴取される拍動音が、締付力の強から弱への変化に伴って次のように変化することを実験により見出した。なお、以下において「小さい」とは拍動の強さに関してであり、「短い」「長い」「広い」は拍動の時間間隔の程度を表す。
(1)小さく短いトントン
(2)少し広がりを感じるトントン
(3)長さを感じるトーントーン
(4)濁りを感じるジュージュー
(5)強さと濁りの混じったドジュードジュー
(6)濁りを感じるジュージュー
(7)長さを感じるトーントーン
(8)少し広がりを感じるトントン
(9)小さく短いトントン
【0041】
上記のように変化する拍動音のうち、上記(3)-(8)が筋力の増強のために好適であり、上記(5)及び(6)が更に好適である。したがって、このような拍動音を聴取したときの圧力計55の指示圧を締付力として設定するとよい。
【0042】
ただし、例えば肥満により聴診部位と血管の距離が遠く又は拍動が弱いために、拍動音を適切に聴取できない場合には、聴取できる範囲で適切と考えられる拍動音に対応する指示圧を締付力として設定してもよい。
【0043】
このようにして締付力を設定すると、施術者は、チューブ5から空気を排出し、締結具3による締付けを一旦解放する。このとき、施術者は、聴診器7を外してもよいが、締結具3を巻いたままとする。
【0044】
そして、施術者は、ポンプ55を作動させて、設定した締付力で四肢9を締め付け、締付け状態(つまり設定した締付力)を所定の時間だけ維持したまま対象者を安静にさせる。このとき、対象者には筋力トレーニングを行わせない。つまり、四肢9の末端部位血流の制限に伴う筋肉組織への体液浸潤及び神経への刺激により、筋力増強を図るのである。そして、この血流の制限が最大化するように拍動音に基づいて最適な締付力を設定することにより、筋肉組織への体液浸潤及び神経への刺激並びに筋力増強の最適化・最大化を図るのである。
【0045】
本実施形態では、所定時間として、上腕に対しては2分、大腿に対しては3分を想定している。ただし、施術者は、対象者の馴れ具合、体調、体格等の状況に応じて、対象者を安静にさせる時間を短くしても長くしてもよい。所定時間の経過後、施術者は、締結具3による締付けを解除する。
【0046】
上記の一連の手順を1セットとして、1回の施術において複数セットを実施してもよい。ただし、第2セット以降は、先に設定した締付力を利用することができる。
【0047】
ちなみに、この施術の前又は後に、筋力トレーニングを行ってもよい。特に筋力トレーニング前の本施術の実施により、筋肉の増強を期待することができる。
【0048】
以上のとおり、本実施形態では、筋肉増強のための筋肉への刺激に運動を用いることは無い。体液の浸潤による筋量増加も起こるため、歩行困難者など筋力トレーニングが十分に出来ない状態においても筋力増強をはかることができる。
【0049】
また、動脈圧と静脈圧との差圧を利用して末端部位に体液成分が満たされるように、締結具3の締付力を設定する。このときの締付力を、聴診器で拍動音を聴音しながら決定することで、体液成分を末端部位に短時間に多量に満たすことができる。つまり、効果的な筋力増強を図ることができる。
【0050】
締結具3を四肢9にセットして無圧の状態から徐々に締め付けていくと、聴診器7から拍動音が聞こえるようになる。そのまま締結具3を締め付けていくと、やがて拍動音が聞こえなくなる。そこから徐々に締付力を下げていくと、拍動音が再び聞こえ始めるが、締付力が下がると、やがて聞こえなくなる。このふたつの締付力の間では、体液成分が末端部位に溜まると言えるため、効果的な筋力増強を期待することができる。さらに効率を求める場合には、上述したように拍動音の変化に着目するとよい。
【0051】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・筋肉増強具、
3・・・締結具、
5・・・チューブ、
7・・・聴診器、
93・・・動脈。
図1
図2
図3
図4
図5