IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミラン インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図1
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図2
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図3
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図4
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図5
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図6a
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図6b
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図7
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図8
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図9a
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図9b
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図10
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図11
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図12
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図13
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図14
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図15
  • 特許-二重ディスク経皮システム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】二重ディスク経皮システム
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20220513BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20220513BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220513BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220513BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220513BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
A61K9/70 401
A61K47/04
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/36
A61K47/38
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018554355
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 US2017024508
(87)【国際公開番号】W WO2017180324
(87)【国際公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-03-18
(31)【優先権主張番号】15/096,953
(32)【優先日】2016-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518359878
【氏名又は名称】ミラン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】トリア,ゴウラヴ サカーシ
(72)【発明者】
【氏名】プラクタ,マラチ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,グラント
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,ブラッド エル.
【審査官】篭島 福太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04573996(US,A)
【文献】特開平06-335532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/70
A61K 47/04
A61K 47/32
A61K 47/34
A61K 47/36
A61K 47/38
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の活性薬剤を皮膚または粘膜に投与するための皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)であって、
感圧接着剤(112,212,312,412,512,612,712)のコーティングを有する、第2の裏打ちオーバレイ(111,211,311,411,511,611,711);
前記第2の裏打ちオーバレイに隣接する第1の裏打ちオーバレイ(122,222,322,422,522,622,722)であって、前記第2の裏打ちオーバレイは前記第1の裏打ちオーバレイの周囲を越えて延在する、第1の裏打ちオーバレイ;
前記第1の裏打ちオーバレイに隣接する活性内側ディスク(120)であって、前記第1の裏打ちオーバレイは前記活性内側ディスクの周囲を越えて全方向に延在し、
前記活性内側ディスク(120)は活性内側リザーバ層(121,221,321,421,521,621,721)を備え、前記活性内側リザーバ層は:
前記感圧接着剤および前記活性薬剤を含有する活性接着剤層;ならびに
前記活性内側リザーバ層に構造的完全性をもたらす材料を含む前記活性接着剤層に隣接したフィルム層、
を備えることを特徴とする、
活性内側ディスク(120);
取り外し可能な剥離ライナ(130,230,330,430,530,630,730)、
を備え、
前記活性内側ディスク(120)は、前記活性内側リザーバ層と同じサイズの裏打ち層であって、前記裏打ち層が前記活性薬剤に対して不透過性の材料または材料の組合せによって構成される、裏打ち層と、前記活性内側リザーバ層と前記第1の裏打ちオーバレイの間に位置する接着剤タイ層(626)をさらに備える、
皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【請求項2】
前記活性内側リザーバ層(121,221,321,421,521,621,721)に構造的完全性をもたらす前記材料が、多孔性メッシュフィルム(323,423,523)である、請求項1に記載の皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【請求項3】
前記多孔性メッシュフィルム(323,423,523)が、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、セルロース、アクリレート、ガラス繊維、PET、PES、PVDF、PC、PTFE、MCE、およびそれらの混合物で構成される群から選択された材料を含む、請求項2に記載の皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【請求項4】
前記活性内側リザーバ層(121,221,321,421,521,621,721)に構造的完全性をもたらす前記材料が、非多孔性フィルム(426,526)である、請求項1に記載の皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【請求項5】
前記非多孔性フィルム(426,526)が、分解性および非分解性重合体材料で構成される群から選択された材料を備える、請求項4に記載の皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【請求項6】
前記重合体材料が、スパンボンドポリエステル織物、ポリエチレン、ポリカプロラクトン、多糖類ベース重合体類、セルロース類、生体ポリエステル類、ポリラクチド類、ポリエステルアミド類、脂肪族または芳香族コポリエステル類、ゴム類、キトサン、澱粉類、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、請求項5に記載の皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【請求項7】
前記接着剤タイ層(626)が、耐乱用性または乱用抑止物質をさらに備える、請求項1に記載の皮膚用デバイス(100,200,300,400,500,600,700)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、ホストの皮膚または粘膜に投与される活性薬剤を放出するためのデバイスに関する。より詳細には、本発明は、活性薬剤の移行を最小限に抑える経皮パッチに関する。本発明は、さらに、連続的製造プロセスでデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚用デバイスは、多種多様な活性薬剤を皮膚の中にまたは皮膚を通して投与するために皮膚上に貼り付けられるように意図された経皮パッチ、局所パッチ、または硬膏剤として利用可能な接着パッチである。経皮パッチは、活性薬剤が、皮膚を通って体循環に送達されなければならない皮膚用デバイスである。局所パッチは、局部的な効果のために薬理的または美容用の活性薬剤を皮膚の中にまたは皮膚を通して送達するために皮膚上に貼り付けられる皮膚用デバイスである。
【0003】
このような皮膚用デバイスは、通常、投与する必要のある期間の間、パッチを皮膚上に保持するための接着システムを必要とし、場合によっては、例えば、活性薬剤の送達を増強するため、粘着力を上げるため、反対刺激特性を提供するため、または可塑剤もしくは柔軟剤として作用するためのいずれかの、さまざまな理由で、賦形剤を含有する。皮膚用デバイスの投与の期間は、送達されている活性薬剤によってさまざまであり得、貼り付けは、数時間から数日にわたる可能性があるで。場合によっては、皮膚用デバイスは、数日の投与が必要とされ、パッチが縁から離昇することなく、または投与の部位から落ちることなく、デバイスが皮膚上に接着することを確実にするために、二重ディスク構成皮膚用デバイスが好まれる。通常、「二重ディスク」皮膚用デバイスは、内側の活性リザーバパッチと同じサイズの裏打ちによって外側ディスクから離隔された、より小さい内側活性リザーバパッチに取り付けられた外側ディスクと称されるオーバレイ外側接着パッチで、構成される。内側ディスクおよび外側ディスクは、包装ライン上で一緒に結合されて、二重ディスクの完成されたシステムを形成する。このような二重ディスクシステムでは、内側ディスクリザーバフィルムは、外側ディスク接着剤層と接触することになり、内側ディスクの中に組み込まれた活性薬剤または賦形剤のいずれかが経時的に移行することが可能になる。
【0004】
内側活性リザーバが、外側接着剤オーバレイと接触しているこのような二重ディスク構成パッチは、活性薬剤または賦形剤が内側ディスクから外側ディスクに移行し、それによって、保管寿命を通して、有効性、接着性、薬物放出または送達プロファイルなどの製品特性に悪影響を与える可能性がある。二重ディスクデバイス構成システムに発生する可能性のある変化を最小限に抑えるために、製品の保管寿命の間、内側活性リザーバが、外側接着剤オーバレイから離隔されている代替二重ディスク構造が、提案されてきた。二重ディスク構成に対する代替解決策は、剥離可能な障壁層を組み込むこと、または内側活性リザーバフィルムから全方向に延在する不透過性裏打ちを組み込むことのどちらかによって説明されてきた。
【0005】
剥離可能な障壁層が使用される二重ディスク構造は、デバイスを皮膚上に貼り付けるために、デバイスのユーザによって行われる追加的な段階が必要である。患者による医療製品を使用するための段階数が増えることは、患者の遵守の減少またはユーザエラーの増加を招く可能性がある。
【0006】
連続的プロセスとして活性リザーバフィルムから全方向に延在する不透過性の裏打ちを含有する二重ディスク構成の製造は、皮膚用デバイスの接着性質が原因で、そして積層体が自動巻き付けであるときには剥離ライナから、またはその上に剥離コーティングを有していない基材から、接着剤廃棄物を、キスカットする、分離する、および巻き付ける能力が不足していることが原因で、実現困難である。
【0007】
このようなデバイスおよび方法は、本明細書に開示されるさまざまな実施形態によって実現され得るものの実例であり、網羅的であるように、または実現され得る可能な利点を制限するようには意図されていない。したがって、これらのおよび他の実施形態は、本明細書の記述から明らかになることになる、または、本明細書で具現化されたもの、もしくは当業者にとって明らかであり得るなんらかの変型例に鑑みて修正されたものの両方のさまざまな例示的な実施形態を実行することから学ぶことができる。したがって、本発明は、本明細書においてさまざまな例示的実施形態で示され、記載された新規な方法、配置、組合せ、および改良に属するものである。
【発明の概要】
【0008】
このようなデバイスを製造するための改善されたデバイスおよび方法に対する現存する必要性を考慮して、さまざまな実施形態についての概要が、示される。さまざまな例示的実施形態のいくつかの態様を強調および紹介しているけれども、本発明の範囲を限定しないように意図されている、以下の要約では、若干の単純化および省略が行われている場合もある。要約の後に、当業者が発明の概念を製作し使用することを可能にするのに適切な好ましい例示的実施形態の詳細説明が、後の節で続く。
【0009】
本発明は、活性薬剤または賦形剤の移行を最小限に抑えるために、内側活性リザーバ層と外側接着剤層との間に物理的障壁を使用する皮膚用デバイスに関する。さらに、本発明は、連続的製造プロセスを使用してこれらの皮膚用デバイスを生成する方法を提供する。より具体的には、本発明のデバイスは、実質的に二重ディスクであり、揮発性または不揮発性活性薬剤(1つまたは複数)、および/または賦形剤を含有しており、活性内側ディスクから全側面上に延在する不透過性の裏打ちメンブランによって形成された物理的障壁によって離隔された内側ディスクと、接着剤外側ディスクと、取り外し可能な剥離ライナを含む。
【0010】
さまざまな実施形態は、内側活性リザーバ層が、コーティングされて乾燥された活性リザーバ層に構造的完全性をもたらす多孔性メッシュフィルムを含有しており、内側活性層と外側接着剤層との間に物理的障壁を形成するために、連続的に、内側ディスクフィルム廃棄物のキスカットおよび剥ぎ取り、それに続く、裏打ちフィルム上への積層化、および追加的なキスカットをすることができる、二重ディスク構成皮膚用デバイスに関する。
【0011】
さまざまな実施形態は、単一層または多層内側活性リザーバが、律速機能を提供することに加えて、コーティングされて乾燥された活性リザーバ層に、構造的完全性をもたらす非多孔性律速フィルムを含有しており、内側活性層と外側接着剤層との間に物理的障壁を形成するために、内側活性ディスク廃棄物の連続的なキスカットおよび剥取り、それに続く、裏打ちフィルム上への積層化、および追加的なキスカットをすることができる、二重ディスク構成皮膚用デバイスに関する。
【0012】
さまざまな実施形態は、単一層または多層内側活性リザーバが、コーティングされて乾燥された活性リザーバ層に、構造的完全性をもたらす多孔性メッシュフィルムに積層されており、内側活性層と外側接着剤層との間に物理的障壁を形成するために、内側活性ディスク廃棄物の連続的なキスカットおよび剥取り、それに続く、裏打ちフィルム上への積層化、および追加的なキスカットをすることができる、二重ディスク構成皮膚用デバイスに関する。
【0013】
さまざまな実施形態は、内側ディスク活性リザーバが、活性内側リザーバ層および皮膚から離れた側上の接着剤タイ層と同じサイズの裏打ち層を含有しており、内側層と外側層との間に物理的裏打ち障壁を作成するために、連続的な製造、およびキスカット後すぐに、第2の裏打ちでの積層化、それに続く、追加的なキスカットをすることができる、二重ディスク構成皮膚用デバイスに関する。
【0014】
さまざまな実施形態は、内側ディスク活性リザーバが、内側ディスクを外側ディスク層から離隔している裏打ちの周辺環を有する、二重ディスク構成皮膚用デバイスに関する。
【0015】
さまざまな実施形態は、a)活性接着剤フィルムを剥離ライナ上にコーティングする段階、b)接着剤フィルムを剥離ライナ上に固定するために、乾燥または硬化する段階、c)差動的剥離を提供することができる第2の剥離ライナで積層化する段階、または差動的剥離コーティングを備えた第1の剥離ライナに接着剤フィルムを自動巻きする段階、d)活性接着剤フィルムを適切なサイズの帯にスリットする段階、e)包装ライン上で第2の剥離ライナを取り除く段階、f)第1の剥離ライナ上の接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、g)構造的に堅固な平面メンブランを使用してスケルトン廃棄物をピックする段階、h)適切な幅の裏打ちフィルムで積層化する段階、i)接着剤フィルムより大きいサイズの裏打ちフィルムをダイカットまたはキスカットする段階、j)キスカットされた内側活性接着剤積層体の上に外側ディスク接着剤フィルムをオーバレイする段階、k)外側ディスク接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、1)第1の剥離ライナの断裁機カットを行って、完成した二重ディスクシステムを得る段階、およびm)完成した二重ディスクシステムを袋に入れる段階を含む、連続的製造プロセスに関する。
【0016】
さまざまな実施形態は、a)活性接着剤フィルムを剥離ライナ上にコーティングする段階、b)接着剤フィルムを剥離ライナ上に固定するために、乾燥または硬化する段階、c)多孔性メッシュフィルムを接着剤フィルム上に置く段階、d)多孔性メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを第2の剥離ライナ上に巻く段階、または接着剤フィルムを第1の剥離ライナ上に自動巻きする段階、e)メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを適切なサイズの帯にスリットする段階、f)包装ライン上で第2の剥離ライナを取り除く段階、g)第1の剥離ライナ上の接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、h)適切な幅の裏打ちフィルムで積層化する段階、i)接着剤フィルムより大きいサイズの裏打ちフィルムをダイカットまたはキスカットする段階、k)キスカットされた接着剤積層体の上に外側ディスク接着剤フィルムをオーバレイする段階、1)外側ディスク接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、m)第1の剥離ライナの断裁機カットを行って、完成した二重ディスクシステムを得る段階、およびn)完成した二重ディスクシステムを袋に入れる段階を含む、連続的製造プロセスに関する。
【0017】
さまざまな実施形態は、a)接着剤フィルムを剥離ライナ上にコーティングする段階、b)多孔性メッシュフィルムを湿式接着剤フィルム上に配置する段階、c)多孔性メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを剥離ライナ上に固定するために、乾燥または硬化する段階、d)多孔性メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを第2の剥離ライナ上に巻く段階、e)メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを適切なサイズの帯にスリットする段階、f)包装ライン上で第2の剥離ライナを取り除く段階、g)第1の剥離ライナ上の接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、h)適切な幅の裏打ちフィルムで積層化する段階、i)接着剤フィルムより大きいサイズの裏打ちフィルムをダイカットまたはキスカットする段階、j)キスカットされた接着剤積層体の上に外側ディスク接着剤フィルムをオーバレイする段階、k)外側ディスク接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、1)第1の剥離ライナの断裁機カットを行って、完成した二重ディスクシステムを得る段階、およびm)完成した二重ディスクシステムを袋に入れる段階を含む、連続的製造プロセスに関する。
【0018】
さまざまな実施形態は、a)接着剤フィルムを、多孔性メッシュフィルムが剥離ライナの表面上に敷設された状態の剥離ライナ上にコーティングする段階、b)多孔性メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを剥離ライナ上に固定するために、乾燥または硬化する段階、c)多孔性メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを第2の剥離ライナ上に巻く段階、d)メッシュフィルムを備えた接着剤フィルムを適切なサイズの帯にスリットする段階、e)包装ライン上で第2の剥離ライナを取り除く段階、f)第1の剥離ライナ上の接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、g)適切な幅の裏打ちフィルムで積層化する段階、h)接着剤フィルムより大きいサイズの裏打ちフィルムをダイカットまたはキスカットする段階、i)キスカットされた接着剤積層体の上に外側ディスク接着剤フィルムをオーバレイする段階、j)外側ディスク接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、k)第1の剥離ライナの断裁機カットを行って、完成した二重ディスクシステムを得る段階、および1)完成した二重ディスクシステムを袋に入れる段階を含む、連続的製造プロセスに関する。
【0019】
さまざまな実施形態は、a)活性接着剤フィルムを剥離ライナ上にコーティングする段階、b)活性接着剤フィルムを剥離ライナ上に固定するために、乾燥する、または硬化する段階、c)裏打ち側が接着剤タイ層でコーティングされた裏打ちフィルム積層体で積層化する段階であって、裏打ちフィルム積層体は、裏打ちフィルム、接着剤タイ層、および剥離ライナを含有する、裏打ちフィルム積層体で積層化する段階、d)接着剤フィルム積層体を適切なサイズの帯にスリットする段階、e)タイ層接着剤に取り付けられた剥離ライナを巻き戻す段階、f)第1の剥離ライナ上の接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、g)適切な幅の第2の裏打ちで、露出した接着剤タイ層上に積層化する段階、h)接着剤フィルムより大きいサイズの第2の裏打ちフィルムをダイカットまたはキスカットする段階、i)キスカットされた接着剤積層体の上に外側ディスク接着剤フィルムをオーバレイする段階、j)活性内側ディスクより大きいサイズの外側ディスク接着剤フィルムをダイカットまたはキスカットする段階、k)第1の剥離ライナの断裁機カットを行って、完成した二重ディスクシステムを得る段階、および1)完成した二重ディスクシステムを袋に入れる段階を含む、連続的製造プロセスに関する。
【0020】
さまざまな例示的実施形態をよりよく理解するために、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】二重ディスク皮膚用デバイスの平面図を図示する。
図2図1に示されるデバイスの分解断面図を図示する。
図3】二重ディスク構成の皮膚用デバイスの分解断面図を図示する。
図4図3に示されたデバイスの構成要素が結合されていない分解図を図示する。
図5】二重ディスク構成の皮膚用デバイスの分解断面図を図示する。
図6a-6b】それぞれ、多孔メンブランを備えた、および備えていない接着剤タイ層を含有する二重ディスク構成の皮膚用デバイスの分解断面図を図示する。
図7】二重ディスク構成の皮膚用デバイスの分解断面図を図示する。
図8-12】二重ディスクデバイスを製造する方法を図示する流れ図である。
図13】活性接着剤層を乾燥し、多孔メンブランを備えた活性接着剤層を積層するプロセスを図示する。
図14】多孔メンブランとの湿式配合物として形成された活性接着剤層を乾燥するプロセスを図示する。
図15】あらかじめカットされたテンプレート積層体を使用して活性内側リザーバ層を乾燥するプロセスを図示する。
図16】例示的生産方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、概括的には、活性内側ディスクリザーバフィルムの全方向に延在する裏打ち層を備えた活性内側ディスクリザーバフィルムから離隔された、裏打ちおよび感圧接着剤コーティングを含む外側ディスクオーバレイ層を備える二重ディスク構成の皮膚用デバイスと、同デバイスを作る方法とに関する。
【0023】
本明細書に提示される記述および図面は、さまざまな原理を説明する。当業者は、本明細書に明示的に記載されていない、または示されていないにもかかわらず、これらの原理を具体化し、本開示の範囲に含まれるさまざまな装置を考案することが可能であることが理解されよう。本明細書に使用されるように、「または」という用語は、本明細書で使用される場合、特に指示(例えば「そのかわり」または「または代替案で」)されない限り、非排他的なまたは(すなわち、または)を意味する。さらに、本明細書に記載されるさまざまな実施形態は、必ずしも相互排他的であるわけではなく、本明細書に記載される原理を包含する追加的な実施形態を生み出すために組み合わされてもよい。
【0024】
本発明は、接着剤がコーティングされたフィルムは、二重ディスクデバイス構成を作るために、連続的製造プロセスでキスカットおよび廃棄物巻戻しができる十分な引張強さを有していないという発見に基づく。驚くべきことに、多孔性メッシュメンブランまたは非多孔性律速メンブランは、これらのデバイスを連続的に製造することを可能にするのに必要な強度を提供するであろうということが見出された。本明細書中で使用する場合、「連続的な」という用語は、プロセスが、接着剤フィルムスケルトンまたは裏打ちフィルムスケルトンの取外しまたは剥取りのための停止を必然的に伴っていない製造プロセスを意味する。
【0025】
本発明の1つの態様は、内側活性リザーバ層が、裏打ちフィルムで積層化する前に、連続的なキスカットおよび廃棄物巻戻しを可能にする十分な構造的完全性を有する多孔性メッシュフィルムまたは非多孔性律速メンブランでコーティングする間に、乾燥される、皮膚用デバイスを特徴とする。多孔性メッシュフィルムおよび非多孔性律速メンブランによって提供されるこの特徴は、活性内側リザーバ層が、コーティングされるおよび乾燥されることを可能にし、活性内側リザーバ層が、慣例であるように、乾燥の後直ちに、裏打ちに積層される必要がなくなることを実現する。例えば、多孔性メッシュフィルムもしくは非多孔性律速メンブランは、一時的な裏打ちとすることができる、または多孔性メッシュフィルムは、活性リザーバコーティングの中に埋め込むことができる。多孔性メッシュフィルムおよび非多孔性律速メンブランによって提供される特徴は、
製造の間に、連続的なキスカットおよび廃棄物巻戻しを可能にし、それによって、ラインスピードを上げて、欠陥を減少させる構造的完全性と、
本発明の連続的プロセスを行うために、同じ組成物の2つの剥離ライナを使用することを可能にする、活性フィルムが剥離ライナとは差動的に剥離することと、
活性成分または賦形剤が、活性内側リザーバ層から多孔性メッシュフィルムまたは非多孔性律速メンブランを通って外側裏打ち層まで浸出する速度を遅くすることであって、コーティングされたロールを少なくとも一時的に貯蔵することを可能にする、浸出する速度を遅くすることと、
キスカットおよび裏打ちロールでの積層化を可能にすることと、
活性リザーバ層を裏打ちフィルムに付着させることとを含む。
【0026】
類似の数表示が類似の構成要素または段階を指している図面を参照すると、さまざまな実施形態の広範な態様が、開示されている。
【0027】
図1は、活性薬剤をホストの皮膚または粘膜に投与するための皮膚用デバイスの二重ディスク構成の平面図を示す。デバイス100は、外側ディスク裏打ち111および外側ディスク接着剤112を含む外側ディスクパッチ110と、内側ディスク活性リザーバパッチ121および内側ディスク活性リザーバ121の全方向に延在する内側ディスク裏打ち122を含む内側ディスクパッチ120と、取り外し可能な剥離ライナ130とを含む。外側ディスクパッチ110、内側ディスクパッチ120、および剥離ライナ130は、平面層であり、相互に結合されて、二重ディスク構成の完成したシステム複合体を形成する。
【0028】
図2は、皮膚用デバイス200の断面図を示し、デバイスは、活性リザーバ層221の全側面上に延在し、さらに、取り外し可能な剥離ライナ230に貼られた内側活性リザーバ層裏打ち222の上に層状化された外側ディスクオーバレイ接着剤212の上に層状化された外側ディスクオーバレイ裏打ち211を含む。
【0029】
図3は、活性リザーバ層に構造的完全性をもたらす多孔性メッシュフィルム323を含有する活性リザーバ層321を備えた実施形態を図示する。
【0030】
図4および図5は、2つの活性接着剤層424、524および425、525として構成され、その中にはめ込まれた多孔性メッシュフィルム423、523または律速メンブラン426、526を含有する活性リザーバ層421、521を図示する。
【0031】
図6aは、デバイスが、活性リザーバ層621の全側面上に延在している内側活性リザーバ層裏打ち622と内側活性リザーバ層621との間に層状化された、接着剤タイ層626および内側活性リザーバ層と同じサイズの裏打ちフィルム627を含有する実施形態を図示する。図6bは、多孔メンブランが除かれた実施形態を図示する。
【0032】
図7は、デバイスが、外側ディスク裏打ち711および接着剤層712と、内側ディスク活性リザーバ721の全方向に延在する内側ディスク裏打ち722との間に層状化された裏打ちフィルム728の周辺環を含有する実施形態を図示する。
【0033】
図8は、皮膚用ディスクデバイスを製造する例示的な連続的プロセスを図示する。方法800は、活性接着剤フィルム121が、第1の剥離ライナ130上にコーティングされる段階810から始まる。次の段階820では、接着剤をコーティングされた剥離ライナは、乾燥され、それによって、活性接着剤フィルム121を第1の剥離ライナ130上に固定する。次の段階821では、差動的剥離を提供することができる第2の剥離ライナが、接着剤をコーティングされた剥離ライナの露出側上に積層される。次の段階822では、二重剥離ライナユニットは、適切なサイズの帯にスリットされる。次の段階823では、第2の剥離ライナが、包装ライン上で取り外される。次の段階824では、第1の剥離ライナ130上に活性接着剤フィルム121を含有している残りのユニットは、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階825において、生じた廃棄物の寸法に近い構造的に堅固なメンブランを使用して、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階830では適切な幅の裏打ちフィルム122が、活性接着剤フィルム121の露出側上に積層される。次の段階831では、裏打ちフィルム122は、活性接着剤フィルムより大きいサイズになるように、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階832において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階840では、外側ディスク接着剤フィルム110が、前の段階831で作成された、キスカットされた内側活性接着剤積層体の露出側の上に層状化される。次の段階841では、外側ディスク接着剤フィルム110は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階842において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階850では第1の剥離ライナ130は、断裁機でカットされて、完成した二重ディスクシステム100が得られる。次の段階851では、完成した二重ディスクシステム100は、適切なパッケージに包装される。
【0034】
図9aは、皮膚用ディスクデバイスを製造するための例示的連続的プロセスを図示する。方法900は、活性接着剤フィルム121が、第1の剥離ライナ130上にコーティングされる段階910から始まる。次の段階920では、活性接着剤をコーティングされた剥離ライナは、乾燥され、それによって、活性接着剤フィルム121を剥離ライナ130上に固定する。次の段階960では、多孔性メッシュフィルム523が、活性接着剤フィルム525上に置かれて、活性リザーバ層521を形成する。次の段階921では、活性リザーバ層521の露出側が、第2の剥離ライナ上に巻き付けられる。次の段階922では二重剥離ライナユニットは、適切なサイズの帯にスリットされる。次の段階923では第2の剥離ライナが、パッケージライン上で取り外される。次の段階924では、第1の剥離ライナ530上の活性リザーバ層521は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階925において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階930では、適切な幅の裏打ちフィルム522が、活性リザーバ層521の露出側に積層される。次の段階931では、裏打ちフィルム522は、活性リザーバ層521より大きいサイズになるようにダイカットまたはキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階932において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階940では外側ディスク接着剤フィルム512が、前の段階931で作成された、キスカットされた接着剤積層体の露出側の上に層状化される。次の段階941では、外側ディスク接着剤フィルムは、ダイカットまたはキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階942において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階950では、第1の剥離ライナ530は、断裁機でカットされて、完成した二重ディスクシステム500が得られる。次の段階951では、完成した二重ディスクシステム500は、包装される。
【0035】
図9bは、皮膚用ディスクデバイスを製造するための例示的な連続的プロセスを図示する。方法901は、活性接着剤フィルム121が、第1の剥離ライナ130上にコーティングされる段階910から始まる。次の段階920では、活性接着剤をコーティングされた剥離ライナは、乾燥され、それによって、活性接着剤フィルム121を剥離ライナ130上に固定する。次の段階960では、多孔性メッシュフィルム523が、活性接着剤フィルム525上に置かれて、活性リザーバ層521を形成する。次の段階922では、二重剥離ライナユニットは、適切なサイズの帯にスリットされる。次の段階924では、第1の剥離ライナ530上の活性リザーバ層521は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階925において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階930では、適切な幅の裏打ちフィルム522が、活性リザーバ層521の露出側に積層される。次の段階931では、裏打ちフィルム522は、活性リザーバ層521より大きいサイズになるように、ダイカットまたはキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階932において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階940では外側ディスク接着剤フィルム512が、前の段階931で作成された、キスカットされた接着剤積層体の露出側の上に層状化される。次の段階941では、外側ディスク接着剤フィルムは、ダイカットまたはキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階942において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階950では、第1の剥離ライナ530は、断裁機でカットされて、完成した二重ディスクシステム500が得られる。次の段階951では、完成した二重ディスクシステム500は、包装される。
【0036】
図10は、皮膚用ディスクデバイスを製造するための例示的な連続的プロセスを図示し、多孔性メッシュフィルム523が、乾燥段階が行われる前に、活性接着剤フィルム上に配置される。方法1000は、活性接着剤フィルム525が、剥離ライナ530上にコーティングされる段階1010から始まる。次の段階1060では、多孔性メッシュフィルム523が、湿式活性接着剤フィルム525上に配置されて、活性リザーバ層を形成する。次の段階1020では、活性リザーバ層をコーティングされた剥離ライナは、乾燥または硬化され、それによって、活性リザーバ層521を剥離ライナ上に固定する。次の段階1021では、活性リザーバ層521の露出側が、第2の剥離ライナに巻き付けられる。次の段階1022では、二重剥離ライナユニットは、適切なサイズの帯にスリットされる。次の段階1023では、第2の剥離ライナが、パッケージライン上で取り外される。次の段階1024では、第1の剥離ライナ上の活性リザーバ層は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1025において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1030では、適切な幅の裏打ちフィルム522が、活性リザーバ層521の露出側上に積層される。次の段階1031では、裏打ちフィルム522は、活性リザーバ層521より大きいサイズになるように、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1032において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1040では、外側ディスク接着剤フィルム511が、前の段階1031で作成された、キスカットされた接着剤積層体の上に層状化される。次の段階1041では、外側ディスク接着剤フィルム511は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1042において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1050では、第1の剥離ライナは、断裁機でカットされて、完成した二重ディスクシステム500が得られる。次の段階1051では、完成した二重ディスクシステム500は、包装される。
【0037】
図11は、皮膚用ディスクデバイスを製造するための例示的な連続的プロセスを図示する。方法1100は、活性接着剤フィルム524が、多孔性メッシュフィルム523が剥離ライナの表面上に敷設された状態の剥離ライナ530上にコーティングされ、活性接着剤フィルム524および多孔性メッシュフィルム523が、活性リザーバ層521を形成する段階1170から始まる。次の段階1120では、活性リザーバ層をコーティングされた剥離ライナは、乾燥または硬化され、それによって、活性リザーバ層521を剥離ライナ530上に固定する。次の段階1121では、活性リザーバ層521の露出側が、第2の剥離ライナ上に巻き付けられる。次の段階1122では、二重剥離ライナユニットは、適切なサイズの帯にスリットされる。次の段階1123では、第2の剥離ライナが、パッケージライン上で取り外される。次の段階1124では、第1の剥離ライナ530上の活性リザーバ層521は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄製品は、段階1125において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1130では、適切な幅の裏打ちフィルム522が、活性リザーバ層521の露出側上に積層される。次の段階1131では、裏打ちフィルム522は、活性リザーバ層521より大きいサイズになるように、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1132において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1140では、外側ディスク接着剤フィルム511が、キスカットされた裏打ち積層体フィルム522の上に層状化される。次の段階1141では、外側ディスク接着剤フィルム511は、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1142において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1150では、第1の剥離ライナ530は、断裁機でカットされて、完成した二重ディスクシステム500が得られる。次の段階1151では、完成した二重ディスクシステム500は、包装される。
【0038】
図12は、皮膚用ディスクデバイスを製造するための例示的な連続的プロセスを図示する。方法1200は、活性接着剤フィルム621を剥離ライナ630上にコーティングする段階1210から始まる。次の段階1220では、活性接着剤フィルム621は、剥離ライナ630上で乾燥または硬化される。次の段階1280では、裏打ち側上が接着剤タイ層626でコーティングされた裏打ちフィルム積層体627が、活性接着剤フィルム621の露出側に積層される。裏打ちフィルム積層体は、裏打ちフィルム、接着剤タイ層、および接着剤タイ層の表面上に層状化された第2の剥離ライナを含有する。次の段階1222では、二重剥離ライナユニットは、適切なサイズの帯にスリットされる。次の段階1223では、タイ層接着剤に取り付けられた第2の剥離ライナが、内側ディスクリザーバ640を露出させるために巻き戻される。次の段階1224では、前の段階1223で形成された第1の剥離ライナ上の内側ディスクリザーバは、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1225において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1230では、適切な幅の第2の裏打ちフィルム611が、露出した接着剤タイ層626上に積層される。次の段階1231では、第2の裏打ちフィルム622は、活性内側ディスクリザーバ640より大きいサイズになるように、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1232において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1240では、外側ディスク接着剤フィルム611が、前の段階1231で作成された、キスカットされた活性内側ディスクパッチの上に層状化される。次の段階1241では、外側ディスク接着剤フィルム622は、段階1231で形成された活性内側ディスクパッチより大きいサイズになるように、ダイカットおよびキスカットを施される。その結果生じた廃棄物は、段階1242において、プロセスを停止することなく巻き戻される。次の段階1250では、第1の剥離ライナ630は、断裁機でカットされて、完成した二重ディスクシステム600が得られる。次の段階1251では、完成した二重ディスクシステム600は、包装される。
【0039】
図13の略図では、プロセス1300は、剥離ライナが、上向きに巻かれてプロセスに入る段階1301から始まる。次の段階1302では、活性接着剤フィルム溶液が、コーティングヘッドで剥離ライナ上へコーティングされる。次の段階1303では、フィルムは、乾燥フィルム1304を作り出すために、乾燥炉の中で乾燥される。多孔メンブレン材料1323が、段階1305において、剥離ライナ1330の上に層状化された活性接着剤フィルム1321の上に層状化された多孔メンブレン1323を有するユニットを作り出すために、乾燥フィルムの上に巻き付けられる。
【0040】
図14の略図では、プロセス1400は、剥離ライナ1430が、上向きに巻き付けられてプロセスに入る段階1401から始まる。次の段階1402では、活性接着剤フィルム溶液1421が、同時に巻き付けられてプロセスに入る多孔メンブレンフィルム1423と共に剥離ライナ上にコーティングされる。活性溶液および多孔メンブレンがコーティングされた剥離ライナは、多孔メンブレンを備えた乾燥フィルム1404を形成するために、乾燥炉1403の中で乾燥され、多孔メンブレン1423は、活性接着剤層1421の中に埋め込まれ、活性接着剤層1421は、第2の剥離ライナ1430の上に層状化される。
【0041】
図15の略図では、プロセス1500は、剥離ライナが、巻き上げられてプロセスに入る段階1501から始まる。次の段階1502では、活性接着剤フィルム溶液が、同時に巻き付けられてプロセスに入る、ダイカットされた内側ディスク区域を備えたテンプレート1506と共に剥離ライナ上にコーティングされる。活性溶液およびテンプレートがコーティングされた剥離ライナは、乾燥フィルム1504を作り出すために、乾燥炉1503の中で乾燥される。テンプレートが、プロセスから取り外される廃棄物巻戻し段階1507が、行われる。乾燥フィルムは、下向きに巻き付けられて、内側ディスク裏打ちロールと接触して、剥離ライナ1530上に層状化された内側活性マトリックス1521の上に層状化された内側ディスク裏打ち1522を有するユニットを形成する。
【0042】
図16の略図では、図14に図示されるプロセスで作成された活性内側リザーバ積層体1421、1423は、さらに巻き上げられて、段階1631でプロセスに入り、段階1632でキスカットされる。第1の廃棄物巻戻しは、段階1633で行われ、内側活性層裏打ち1634が、活性内側リザーバ層の露出側に積層される。内側活性裏打ち層は、段階1635でキスカットされ、第2の廃棄物巻戻し1636は、プロセスを停止することなく行われる。次の段階1637では、外側ディスク積層体が、内側活性層裏打ちの露出表面に積層され、内側活性層裏打ちは、段階1638でさらにキスカットされる。第3の廃棄物巻戻し段階1639は、プロセスを停止することなく行われ、剥離ライナは、次いで段階1640でダイカットされる。第4の最終的な廃棄物巻戻し段階1641は、プロセスを停止することなく行われ、完成した皮膚用デバイス100は、段階1642で包装される。
【0043】
さまざまな実施形態では、内側ディスクリザーバ層221および/または外側ディスク層110は、ホットメルト加工、または溶剤コーティング、硬化、もしくは架橋結合などの溶剤ベース加工を用いて作成されてもよい。
【0044】
さまざまな実施形態では、適切な多孔性メッシュフィルムには、分解性または非分解性重合体材料、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、セルロース、アクリレート、ガラス繊維、PET、PES、PVDF、PC、PTFE、MCE、またはメッシュ材料の混合物が含まれる。適切な重合体材料には、合成重合体類および生体重合体類が含まれる。多孔性メッシュは、構造的完全性をもたらすことに加えて、メッシュから得られる機能性に応じて、異なる厚さまたは多孔性であり得るフィルム構造に製造されることができる。多孔性メッシュは、多層または単層メッシュフィルムであり得る。多孔質メッシュは、重合体もしくは非重合体メッシュフィルムであり得る、または織物もしくは不織布であり得る。有用なメッシュの代表的な例には、Reemay(登録商標)スパンボンドポリエステル、Typar(登録商標)スパンボンドポリプロピレン、ナイロンメッシュが含まれる。多孔質メッシュとして機能する有利な材料は、メッシュを備えた乾燥内側ディスクリザーバ層の引張強さは、メッシュの無い乾燥内側ディスクリザーバ層の引張強さより大きいという点において最低要件を満たす。多孔性メッシュの厚さは、加工性に関して十分な完全性を提供することに基づく。多孔性メッシュの引張強さは、流れ方向での加工に関して十分な完全性を提供することに基づく。
【0045】
さまざまな実施形態では、活性内側リザーバ層121は、活性薬剤が皮膚を通って浸透することを促進するエンハンサを含む追加的な賦形剤を含有することができる。エンハンサは、溶剤配合または溶融配合によって活性内側リザーバ層121に組み込まれてもよい。適切なエンハンサには、シクロヘキサノール、ラウリルアルコールなどの6から12の炭素原子を有する、一価、飽和、および不飽和の脂肪族および脂環式アルコール類;鉱油などの脂肪族および脂環式炭化水素類;脂環式および芳香族アルデヒド類、およびシクロヘキサノンなどのケトン類;N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミド等などのN,N-di(低級アルキル)アセトアミド類;イソプロピルミリステートおよびラウリシジンなどの脂肪族および脂環式エステル類;デシルメチルスルホキシドなどのN,N-di(低級アルキル)スルホキシド類;精油;Nメチル-2-ピロリドン、アゾンなどのニトロ化脂肪族および脂環式炭化水素類;サリチラート類、ポリアルキレングリコールケイ酸塩類;オレイン酸およびラウリン酸などの脂肪族、ケト、または芳香族酸類、シネオールなどのテルペン類、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、ヘキサメチルシロキサンなどのシロキサン類;上記の材料の混合物等が、含まれる。
【0046】
さまざまな実施形態では、適切な非多孔性律速メンブランには、スパンボンドポリエステル織物などの分解性または非分解性重合体材料が含まれる。適切な重合体材料には、合成重合体類および生体重合体類が含まれる。分解性重合体類の他の例には、ポリカプロラクトン、多糖類ベース重合体類、セルロース類、生体ポリエステル類、ポリラクチド類、ポリエステルアミド類、脂肪族または芳香族コポリエステル類、ゴム類、キトサン、澱粉類等が含まれる。
【0047】
さまざまな実施形態では、裏打ち層は、それを用いて封じ込めることができる単層または複層、例えば活性リザーバ層121に対して実質的に不透過性を有する材料または材料の組合せと、その中に含有される活性薬剤または成分とで構成される。不透過性によって、裏打ち層と接触する他の構成要素または考察している構成要素は、デバイスを使用および貯蔵する標準的な期間の間、このような層または構成要素を通る透過が感知され得ないことを意味している。裏打ち層に適切ないくつかの材料には、例えばセロハン、酢酸セルロース、エチルセルロース、可塑化された酢酸ビニル塩化ビニル共重合体類、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニリデン(例えばSARAN)およびポリオレフィンが、含まれる。
【0048】
さまざまな実施形態では、剥離ライナは、それらが、活性薬剤不透過性であるということを条件として、裏打ち層で使用するのに適切な材料で構成される。剥離ライナとしてのこのような材料は、例えば、その表面上にシリコン、テフロン(登録商標)、または他の適切なコーティングを用いる従来型の処理によって、接着剤層または活性薬剤層から取り外し可能または剥離可能になる。1つの実施形態では、本発明の皮膚用デバイスを作成するための連続的プロセスで利用される第1および第2の剥離ライナは、同じ剥離コーティングで構成される。別の実施形態では、本発明の皮膚用デバイスを作成するための連続的プロセスで利用される第1および第2の剥離ライナは、異なる剥離コーティングで構成される。
【0049】
さまざまな実施形態では、適切な内側ディスク活性薬剤には、高融点および低融点薬理学的または非薬理学的薬剤が含まれる。活性薬剤は、好ましくは、ホストに薬理作用を提供し、化学的または薬理学的機能性に限定されない医薬品から構成される群から選択される。
【0050】
さまざまな実施形態では、乱用抑止薬剤が、活性リザーバ層121、接着剤タイ層626、または外側ディスク層110の中に含まれる場合もある。適切な乱用抑止物質には、オピオイド拮抗剤、活性炭、珪酸アルミニウムマグネシウム、または活性アルミナなどの吸収性物質、オクタ酢酸スクロース、サッカライドデナトニウム、安息香酸デナトニウム、カフェイン、キニーネ(またはキニーネ硫酸塩などのキニーネ塩)、苦橙皮油などの苦味剤、およびコショウ抽出物(クベブ)、トウガラシ等などの他の植物抽出成分、およびアルラレッド、アマランス、ブリリアントブルー、カンタキサンチン、カルミン、カルモイシン、カロテン、クルクミン、エリスロシン、グリーンS、インジゴカルミン、酸化鉄ブラック、弁柄、酸化鉄イエロー、パテントブルー、フロキシンO、ポンソー4R、キノリンイエロー、リボフラビン、サンセットイエロー、タルトラジン、酸化チタン、植物性カーボンブラックなどの指示染料、およびアンナット、ビート、黒ニンジン、クロフサスグリ、カラメル、カルミン、カルミンレーキ、葉緑素、コチニール、ニワトコの実、ブドウの皮/ブドウ果汁、モルト、パプリカ、赤キャベツ、ウコン、およびアントシアニンなどの他の天然色素、および炭水化物(例えば、などブドウ糖、ラクトース)、塩、マンニトール、尿素、酸(例えば酒石酸)などの張性増強剤、およびそれらの組み合わせが、含まれる。抑止的な物質は、薬剤の剤形が正しく投与されるときには抑止効果を呈しないが、剤形が、噛まれる、圧壊される、または経鼻(鼻吸引)、吸入(燻煙)、経口、頬側、もしくは舌下への投与のために化学的に抽出または噴射されるときには、抑止効果を呈するという方法で、物質が、乱用が起こり得る薬物の剤形に組み込まれることになる。
【0051】
内側ディスク活性リザーバ層は、ホストに投与されるとき、活性薬剤放出を可能にする感圧接着剤または非接着重合体基材のリザーバを含むことができる。適切な感圧接着剤は、物理的および化学的安定性を提供し、活性薬剤の特性に基づいて選択される。例えば、還元ヒドロキシ基を備えたシリコーン接着剤は、アミン基含有活性薬剤では好ましい。
【0052】
さまざまな実施形態では、適切な感圧接着剤材料には、一部の天然ゴムおよび合成ゴムの接着剤、および架橋性積層接着剤が、含まれる。適切な天然ゴム接着剤の例には、B.F.Goodrich社製のR-1072、C.L.Hathaway製のNo.735、およびEvans St. Clair製のNo.5702が含まれる。合成ゴム接着剤の例には、Jowat社製のJowatherem 270-00およびJowatherem S-3202、およびNational Starch製の70-9416を含む。他の適切な積層接着剤には、Dow Coming積層化シリコーン接着剤およびLord Corporation Tycel 7900シリーズ積層化接着剤が含まれる。同様に、DURO-TAK87-2516およびDURO-TAK87-2287の商標で、ニュージャージー州ブリッジウォーターのNational Starch and Chemical社から入手可能なものなどの、アクリル共重合体類が、想定される。大部分の活性成分に対して最も不透過性を有する接着剤は、架橋性積層接着剤であり、このことは、当業者にはよく知られている。
【0053】
活性薬剤接着剤層は、感圧接着剤であってもよい。それを通して薬物移行が可能である、よく知られた、皮膚科学的に許容可能な感圧接着剤のいずれでも、本発明で使用することができる。いくつかの適切な透過性接着剤には、アクリル酸またはメタアクリル酸のアルコールエステルの重合体などのアクリル樹脂またはメタクリル樹脂、およびn-ブタノール、イソペンタノール、2-メチルブタノール、1-メチル-ブタノール、1-メチル-ペンタノール、2-メチルペンタノール、3-メチルペンタノール、2-エチル-ブタノール、イソオクタノール、n-デカノール、もしくはn-ドデカノールなどの、アルコール類単体、またはアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルコキシメチルアクリルアミド、N-アルコキシメチルメタクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、イタコン酸、酢酸ビニル、N-分枝アルキルマレアミン酸などのエチレン不飽和単量体と共重合されたアルコール類が含まれ、アルキル基は、10~24の炭素原子、グリコールジアクリレートまたはこれらの単量体の混合物;ポリウレタンエラストマ類;ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル類、ポリビニルピロリドン、およびポリ酢酸ビニルなどのビニル重合体類;尿素ホルムアルデヒド樹脂類;フェノールホルムアルデヒド樹脂類、レソルシノールホルムアルデヒド樹脂類;エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース、およびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体類;およびグアー、アカシア、ペクチン、澱粉、デストリア、ゼラチン、カゼインなどの天然ゴム類等を有する。
【0054】
他の適切な感圧接着剤には、ポリイソブチレン感圧接着剤、ゴム感圧接着剤、架橋接着剤、シリコーン感圧接着剤、または接着剤の組合せが、含まれる。接着剤は、さらに、周知の技術であるように、粘着付与剤および安定剤と混合され得る。それらの活性薬剤透過性に望ましい接着剤には、Avery Chemical Company製のAS-351HSXなどの、好ましくは75~125g/mのコーティング重量の、アクリル共重合体接着剤が含まれる。この感圧接着剤は、約52%の総固体含量、約7.4ポンドのガロン比重量で、約15,000から25,000cpsのブルックフィールド粘度(LVT/スピンドルNo.4/12RPM@25’C)を有する、永久粘着フィルムを提供する架橋性重合体である。この接着剤は、さらに、特に従来型のコーティング装置で使用するために、所望の固体および/または粘度範囲までヘキサンまたはトルエンで希釈され得る。
【0055】
こうした目的で同様に使用され得る他のこの種の接着剤には、DURO-TAK80-1054の名称で、National Starch and Chemical社によって販売されるアクリル感圧接着剤が含まれる。この接着剤は、47.5%の固形分、3,000cpsの粘度、および2.9mmの可塑性(ウィリアムス)を有する。この接着剤は、通常、酢酸エチル、ヘプタン、イソプロピルアルコール、およびトルエンを含む溶媒システムと共に使用される。別のこのような接着剤は、GELVA Multipolymer Emulsion 2484という名称で、UCB Groupによって販売されており、59%の固形分および1,500~2,300cpsの粘度を有する、安定した水性アクリルエマルジョン感圧接着剤を備える。他のアクリル接着剤の例には、UCB製のGelva 788および733、C.L.-Hathaway製のPS-41、H.B. Fuller製のVr-0833、Morton Chemical製のAdcot 73A207A、National Starch製のNo.80-2404、80-1054、72-9056、および72-9399、Rohm & Haas製のNo.E-2015、E-2067、およびE-1960、Uniroyal社製のM-6112、およびW.R.Grace製のDaratak 74 Lが、含まれる。適切なゴム接着剤には、National Starch製のDuro-Tak 36-6172およびMorton Chemical製のMorstik 118が、含まれる。適切なシリコーン接着剤の例は、Dow Corning製の7-4502である。接着性重合体類は、好ましくは、残留薬物を最小限に抑えるのに適切な製品設計に基づいて選択され、接着剤の化学的機能性に制限されない。
【0056】
さまざまな例示的実施形態をその特定の例示的態様に特に関連させながら詳細に記載したが、本発明は、他の実施形態が可能であり、その細部は、さまざまな明白な観点において修正が可能であることを理解されたい。当業者にとって容易に明らかであるように、変更および修正は、依然として発明の精神および範囲内に含まれたままで行うことができる。したがって、前述の開示、記述、および図は、単なる例証目的のためのものであり、いかなる形であっても本発明を限定するものではなく、本発明は、特許請求の範囲によってのみ画定される。
【0057】
さまざまな実施形態では、適切な外側ディスク層は、裏打ち、少なくとも1つの接着剤層、および取り外し可能な剥離ライナで構成される。外側ディスク層裏打ちに適切な材料には、織物または不織布、布、スパンレースの、スパンボンドの、多層の、多孔性または非多孔性の材料が含まれる。適切な接着剤には、溶剤がコーティングされた架橋の、非架橋の、架橋可能な、または保温プラスチックの接着剤が、含まれる。接着剤は、好ましくは、快適で適切な耐摩耗性を提供する群から選択され、接着剤または接着剤の混合物の化学的機能性に限定されない。
【0058】
システムに適切な取り外し可能な剥離ライナには、内側および外側ディスク層の接着剤選出に基づいて選択された低剥離力を提供するのに適切であり、化学的機能性または基材に限定されない、シリコーンがコーティングされた、フルオロカーボンがコーティングされた、uv架橋の、エポキシがコーティングされたライナが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0059】
実施例1
以下の実施例では、賦形剤の内側リザーバから外側接着剤オーバレイへの移行に関して、さまざまな二重ディスク経皮システムを比較する研究が実施された。経皮システム試料2および試料4が、本発明の皮膚用デバイスの代表的な実施形態である。
【0060】
この研究では、エンハンサおよび可塑剤賦形剤を含有するプラセボ内側リザーバフィルムが、使用された。内側リザーバフィルムは、13.205gmの酢酸エチル、28.5gmのエタノール、6.5gmのエンハンサ、13gmの可塑剤、10gmのポビドン、および128.7gmのDuro-Takアクリレート接着剤固体を秤量して作成された。配合物は、一晩混ぜ合わされ、適切な剥離ライナ上にコーティングされて、80g/mの公称コーティング重量を得るように、炉の中で乾燥された。乾燥された積層体の部分は、ギャップ設計デバイスを作り出すために、PET裏打ちで積層化された、または第2の剥離ライナで積層化された(試料2および試料4)。PET裏打ち上に積層化された積層体の部分は、ダイカットされて、裏打ち側が、外側接着剤オーバレイ上に置かれた。外側接着剤オーバレイは、ダイカットされ、内側ディスクリザーバが、外側ディスク接着剤オーバレイと接触する二重ディスク設計を得るために、内側ディスク剥離ライナが、取り外された(試料3および試料5)。本発明のオーバサイズの裏打ちギャップ設計デバイスを作り出すために作られた積層体の部分では、内側ディスクリザーバは、ダイカットされて、剥離ライナが取り外された後、PET裏打ちフィルム上に置かれた。PET裏打ちフィルムは、内側ディスクリザーバフィルムより大きいサイズにダイカットされた。ダイカットフィルムの裏打ち側は、外側ディスク接着剤オーバレイに接着された。これにより、内側ディスクは、外側ディスク接着剤オーバレイと全方向において接触していないことになった。完成したシステムは、炉の中に60℃で1ヵ月間保管され、外側ディスクは、エンハンサおよび可塑剤の移行の程度を決定するために、内側ディスクリザーバから離隔された。
【0061】
外側接着剤オーバレイの中の賦形剤が内側リザーバ層から移行することに関して、特定の設計が、試験された。
内側ディスクから外側ディスクへ賦形剤の移行研究(オーバサイズの裏打ちおよび二重ディスク設計比較)
試料1- プラセボ内側ディスクのみ(PET裏打ち、80g/m、取り外し可能な剥離ライナ)
試料2- オーバサイズの裏打ち設計(外側ディスクアクリレート接着剤1層付き、より大きい面積のPET裏打ち上のプラセボ内側ディスク)
試料3- 二重ディスク設計(外側ディスクアクリレート接着剤1層上に、同じサイズのPET裏打ち上のプラセボ内側ディスク)
試料4- オーバサイズの裏打ち設計(外側ディスクアクリレート接着剤2層上に、より大きい面積PET裏打ち上のプラセボ内側ディスクのみ)
試料5- 二重ディスク設計(外側ディスクアクリレート接着剤2層上に、同じサイズのPET裏打ち上のプラセボ内側ディスク)
【表1】
【表2】
【0062】
結果は、本発明のオーバサイズの裏打ちデバイスは、従来型の二重ディスク設計と比較して、賦形剤の移行がより低かったことを示す。1ヵ月、60℃での外側接着剤オーバレイにおけるエンハンサの移行は、従来型の二重ディスク設計での8.1%と比較して、オーバサイズの裏打ち設計では5.3%であった。1ヵ月、60℃での外側接着剤オーバレイにおける可塑剤の移行は、従来型の二重ディスク設計システムでの5.7%と比較して、オーバサイズの裏打ち設計では1.6%であった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16