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特許7072527取外し可能なリザーバを備える毛髪スタイリング機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】取外し可能なリザーバを備える毛髪スタイリング機器
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A45D1/00 509C
A45D1/00 C
A45D1/00 503A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018563701
(86)(22)【出願日】2017-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 FR2017051403
(87)【国際公開番号】W WO2017212154
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】1655172
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルノー グリネ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン リヴェ
(72)【発明者】
【氏名】マルシャル メゾヌーブ
(72)【発明者】
【氏名】バティスト ボンヌメーレ
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-101056(JP,A)
【文献】登録実用新案第3098541(JP,U)
【文献】特開2010-187763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00~ 1/28
F24F 6/00~ 6/18
A61H 33/00~37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ベース(3)であって、
マウント(9)と、
取外し可能なリザーバ(11)であって、前記リザーバ(11)が前記マウント(9)から離れている接続解除位置、および前記リザーバ(11)が前記マウント(9)と流体的に係合する動作位置にあるように構成された、取外し可能なリザーバ(11)
を備えるベース(3)と、
- 前記ベース(3)から遠隔にあるポータブルユニット(5)と、
- 前記ベース(3)と前記ポータブルユニット(5)を流体的に接続するライン(7)と
を備える毛髪スタイリング機器であって、
前記ベースが、前記接続解除位置から前記動作位置への前記リザーバ(11)の移動を検出するように構成された検出器(47)を備えた検出システム(45)をさらに備え、
前記検出システム(45)は、前記接続解除位置から前記動作位置への前記リザーバ(11)の移動に関する情報を使用者に伝えるように構成された情報伝達デバイス(49)を備え、前記情報伝達デバイス(49)は、触覚フィードバックデバイスを備え、前記触覚フィードバックデバイスは、前記リザーバ(11)が前記接続解除位置から前記動作位置に移動するときに、前記リザーバ(11)を前記動作位置に移動させるために前記使用者がより多くの力を加えなければならないような前記リザーバ(11)の移動を固く感じる点を生じるように構成されることを特徴とする
毛髪スタイリング機器。
【請求項2】
前記ベースは、流体吸引/放出デバイスを備え、前記検出システムは、前記吸引/放出デバイスが始動するのを防ぐように構成された制御インターフェースを備える請求項1に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項3】
前記検出器(47)は、
- 前記接続解除位置から前記動作位置への前記リザーバ(11)の移動に対応する静止位置と付勢位置との間を移動することの可能な検出部材(51)と、
- 前記検出部材(51)を前記静止位置と前記付勢位置との間を移動させるように設計された付勢部材(53)と
を備える請求項1または2に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項4】
前記検出部材(51)は、前記検出部材(51)を前記静止位置に戻すように設計された戻し要素(55)を備える請求項3に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項5】
前記検出器(47)は、磁気要素、または波トランスミッタおよび波レシーバを備える請求項1または2に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項6】
前記情報伝達デバイス(49)は、前記リザーバ(11)が前記接続解除位置から前記動作位置に移動すると音波を伝達するように構成された音波発生器(63)を備える請求項4に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項7】
前記音波発生器(63)は、可動部(65)、および前記可動部(65)と対向する側に配置された固定部(67)を備え、前記可動部(65)は、クリックを生成するために前記固定部(67)と接触するように構成される請求項6に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項8】
前記可動部(65)は、前記戻し要素(55)と一体化されている請求項7に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項9】
前記情報伝達デバイス(49)は、前記触覚フィードバックデバイスおよび視覚的インターフェースを備える請求項1から6のいずれか一項に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項10】
前記マウント(9)は、作業面上に位置付けられるためのものである接触部(13)を備え、前記リザーバ(11)は、前記接触部(13)に直角の挿入方向(DI)に従って前記マウント(9)に取り付けられるように構成される請求項1から9のいずれか一項に記載の毛髪スタイリング機器。
【請求項11】
前記ポータブルユニットは、2本のアームを備え、前記2本のアームは、毛髪を処理できるように前記2本のアームが互いに近くにある構成と、処理したい毛髪を挟めるように前記2本のアームが隔たっている構成との間を、互いに対して移動することが可能である請求項1から10のいずれか一項に記載の毛髪スタイリング機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気を使用する毛髪スタイリング機器であって、特に使用者の毛髪をストレートにする、カールさせる、またはウェーブさせる目的で接触により毛髪を整形するためのものである、毛髪スタイリング機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレートにする、カールさせる、またはウェーブさせるための、従来知られている2タイプの毛髪スタイリング機器は、平坦な、湾曲した、または凹凸のある、加熱されるかまたは加熱する、毛髪挟持面を有する。
【0003】
ストレートアイロン、カーリングアイロン(curling iron)、またはクリンピングアイロン(crimping iron)のような毛髪スタイリング機器は一般に、2つの旋回あご部を備えたポータブルユニットを備える。あご部はそれぞれ、処理面を支持する端部を備えており、処理面のうちの少なくとも一方は加熱され、他方は、毛髪を第1の面と、特に毛髪の挿入を可能にするあご部の開位置から毛髪を加熱部分と接触状態にするための閉位置に移動することによって、接触させるために設けられている。
【0004】
あご部の他方の端部は、把持領域としての働きをし、開位置から閉位置への移動を可能にする、2つのハンドル半体を成す。移動は、手動により、処理面を毛髪と接触させるように機器の関節で連結された2つのハンドル半体を互いに向かって押すことによって実施される。毛髪の房は、機器をこの房に沿って根元から毛先に移動させることによって、ストレートになる。毛髪の房は、房を少なくとも部分的に処理面の周りに巻き付け、熱を加えて、カールを主として静的にセットすることによって、カールする。
【0005】
そのような機器では、毛髪の整形を向上させるために毛髪上に噴霧される蒸気を使用することも想定される。
【0006】
毛髪スタイリング機器の蒸気生成能力を高めるために、蒸気の生成に使用される流体の貯蔵手段を分離することが、特に文献から知られている(例えば、特許文献1参照。)。毛髪スタイリング機器はしたがって、流体を貯蔵するためのものである取外し可能なリザーバを備えたベースを備える。リザーバを充填した後、使用者はそれをベースのマウントに、マウントとリザーバとの間の流体接続を可能にするために取り付ける。ベースのマウントは、毛髪スタイリング機器のポータブルユニット内に配置された流体蒸気生成手段に向かって流体を運ぶための吸引/放出デバイスを備える。
【0007】
しかし、リザーバとマウントとの間の流体接続は時折、十分に実行されない。実際、使用者は、リザーバがマウントと密閉流体連通するようにそれを正しく位置付けることを仕損じる場合がある。その場合、毛髪スタイリング機器の蒸気生成能力は最適ではなく、機器の効果はこれによって影響を受ける。加えて、不十分な流体接続または非密閉流体接続が、機器に損傷を与え、動作不良を引き起こすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許出願公開第2449912号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、前述の欠点の全てまたは一部を矯正することである。
【0010】
この目的のために、本発明は、
- マウント、
- 取外し可能なリザーバであって、リザーバがマウントから離れている接続解除位置、およびリザーバがマウントと流体的に係合する動作位置にあるように構成された、取外し可能なリザーバ
を備える毛髪スタイリング機器のベースであって、
接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動を検出するように構成された検出器を備えた検出システムをさらに備えることを特徴とする
毛髪スタイリング機器のベースに関する。
【0011】
本発明による措置のおかげで、接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動の検出は正確である。リザーバの位置のこの検出が正確であることにより、使用者には、毛髪スタイリング機器を、より具体的にはベースを作動させる際のより一層の安全性がもたらされる。加えて、本発明による措置は、毛髪スタイリング機器の動作不良および劣化のリスクを低減させる。
【0012】
「接続解除位置」とは、リザーバがマウントから離れている、すなわちマウントから流体的に接続解除されている、リザーバの位置を指す。
【0013】
本発明の一態様によれば、検出システムは、接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動に関する情報を使用者に伝えるように構成された情報伝達デバイスを備える。
【0014】
これらの措置のおかげで、使用者に、接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動が通知される。使用者に対する情報は正確であり、したがって、毛髪スタイリング機器の使用を容易にする。加えて、ベースとマウントとの間に非密閉接続があるときの機器の使用に付随するリスクが抑えられる。
【0015】
本発明の一態様によれば、ベースは、流体吸引/放出デバイスを備え、検出システムは、リザーバが接続解除位置にあるときに吸引/放出デバイスが始動するのを防ぐように構成された制御インターフェースを備える。
【0016】
本発明の一態様によれば、ベースは、流体吸引/放出デバイスを備え、検出システムは、リザーバが接続解除位置にあるときに吸引/放出デバイスが始動するのを防ぐために吸引/放出デバイスを制御するように構成された制御インターフェースを備える。
【0017】
これらの措置のおかげで、リザーバがマウントと密閉流体連通状態にない場合、吸引/放出デバイスは始動することができない。したがって、デバイスへの損傷のリスクが抑えられる。
【0018】
より具体的には、マウントが、吸引/放出デバイスを備える。
【0019】
本発明の一態様によれば、制御インターフェースは、リザーバが動作位置にあるときに、より具体的には、検出器が接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動を検出したときに、吸引/放出デバイスが始動できるようにするために、吸引/放出デバイスを制御するように構成される。
【0020】
本発明の一態様によれば、制御インターフェースは、リザーバが動作位置にあるときに、より具体的には、検出器が接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動を検出したときに、吸引/放出デバイスを始動させるように構成される。
【0021】
本発明の一態様によれば、検出器は、接続解除位置から動作位置への移動に関する情報を、情報伝達デバイスおよび/または吸引/放出デバイスに送信するように設計される。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、吸引/放出デバイスはポンプから成る。
【0023】
本発明の一態様によれば、制御インターフェースは、情報伝達デバイスを制御するように構成される。
【0024】
「検出器」とは、機械式検出器、電気的接触検出器、磁気または電磁検出器、赤外放射検出器など、あらゆるタイプの近接センサを指す。
【0025】
本発明の一態様によれば、検出器は、
- 接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動に対応する静止位置と付勢位置との間を移動することの可能な検出部材と、
- 検出部材を静止位置と付勢位置との間を移動させるように設計された付勢部材と
を備える。
【0026】
これらの措置は、電子回路に付随する動作不良を被らない、機械式検出器に関するものである。加えて、機械式検出器は、水の接触の影響をより受けにくい。
【0027】
本発明の一態様によれば、検出部材は、検出部材を静止位置に戻すように設計された戻し要素を備える。
【0028】
本発明の一態様によれば、戻し要素は、弾性的に変形可能な要素を備える。
【0029】
本発明の一態様によれば、検出器は、金属帯板を備える。
【0030】
本発明の一態様によれば、金属帯板は、マウントに固定された端部部分を備える。
【0031】
本発明の一態様によれば、金属帯板は、戻し要素を構成する。
【0032】
本発明の一態様によれば、金属帯板は、検出部材を構成する。
【0033】
本発明の一態様によれば、戻し要素は、ばねを備える。
【0034】
本発明の一態様によれば、検出部材は、戻し要素に取り付けられる。
【0035】
本発明の一態様によれば、検出部材は、戻し要素と一体に形成される。
【0036】
本発明の一態様によれば、検出部材は、付勢部材の案内面を備える。
【0037】
本発明の一態様によれば、付勢部材は、検出部材を静止位置から付勢位置に駆動するように設計される。
【0038】
本発明の一態様によれば、付勢部材は、リザーバと一体化されている。
【0039】
本発明の一態様によれば、付勢部材は、リザーバと一体に形成される。
【0040】
本発明の一態様によれば、付勢部材は、フィンガを備える。
【0041】
本発明の一態様によれば、フィンガは、案内面と係合するように設計される。
【0042】
本発明の一態様によれば、フィンガは、検出部材を静止位置から付勢位置に駆動するために、案内面に沿ってスライドするように設計される。
【0043】
本発明の一態様によれば、案内面は、端部部分を備える。
【0044】
本発明の一態様によれば、付勢部材は、案内面上を端部部分に向かってスライドするように構成される。付勢部材が端部部分に達したときに、検出部材は付勢位置にある。
【0045】
本発明の一態様によれば、付勢部材は、端部部分を越えるように構成され、戻し要素が、検出部材を静止位置に戻す。
【0046】
本発明の一態様によれば、検出器は、磁気要素を備える。一実施形態によれば、検出器は、磁気スイッチ、例えば磁気リードスイッチを備える。
【0047】
一実施形態によれば、検出器は、ホール効果センサを備える。
【0048】
本発明の一態様によれば、検出器は、波トランスミッタおよび波レシーバを備える。
【0049】
本発明の一態様によれば、波は赤外線である。
【0050】
本発明の一態様によれば、波は超音波である。
【0051】
本発明の一態様によれば、情報伝達デバイスは、音波発生器を備える。
【0052】
本発明の一態様によれば、音波発生器は、リザーバが接続解除位置から動作位置に移動すると音波を伝達するように構成される。
【0053】
本発明の一態様によれば、音波発生器は、可動部、および可動部と対向する側に配置された固定部を備え、可動部は、クリックを生成するために固定部と接触するように構成される。クリックが音波を発生させ、したがって、リザーバがマウント上に正しく位置付けられたことを使用者に通知する。
【0054】
本発明の一態様によれば、可動部は、戻し要素と一体化されている。
【0055】
本発明の一態様によれば、戻し要素は、可動部を固定部に戻すように構成される。
【0056】
本発明の一態様によれば、金属帯板は、音波発生器の可動部を構成する。
【0057】
本発明の一態様によれば、固定部は、マウントと一体化されている。
【0058】
本発明の一態様によれば、可動部は、検出部材と一体化されている。
【0059】
本発明の一態様によれば、戻し要素は、検出部材を静止位置に戻すとともに、クリックを発生させるために可動部を固定部に戻すように構成される。
【0060】
本発明の一態様によれば、固定部は、マウントと一体に形成される。
【0061】
本発明の一態様によれば、音波発生器は、ビーパーやブザーなどの電気駆動音波トランスミッタを備える。
【0062】
本発明の一態様によれば、情報伝達デバイスは、触覚フィードバックデバイスを備える。
【0063】
本発明の一態様によれば、触覚フィードバックデバイスは、リザーバが接続解除位置から動作位置に移動するときに、ハードポイント(hard point)を生じるように構成される。
【0064】
例えば、触覚フィードバックデバイスは、案内面と同一直線上に配置されるとともに案内面に対する湾曲部を呈する、触覚フィードバック部を備える。案内面に対するこの湾曲部がハードポイントを生じる。
【0065】
ハードポイントが生じるのは、リザーバが接続解除位置から動作位置に進行する際、リザーバを動作位置に移行させるために使用者がより多くの力を加えなければならないときである。
【0066】
本発明の一態様によれば、触覚フィードバックデバイスは、接続解除位置から動作位置への移動中に力フィードバックを発生させるように設計されたモータを備える。
【0067】
本発明の一態様によれば、情報伝達デバイスは、視覚的インターフェースを備える。
【0068】
本発明の一態様によれば、視覚的インターフェースは、例えば画面、またはLEDなどの光信号を備える。
【0069】
本発明の一態様によれば、マウントは、作業面上に位置付けられるためのものである接触部を備え、その場合、リザーバは、接触部に直角の挿入方向に従ってマウントに取り付けられるように構成される。
【0070】
これらの措置のおかげで、リザーバの装着および取外しが使用者にとってより容易になる。実際、リザーバの装着および取外しは、片手だけを使用して実施することができる。
【0071】
本発明の一態様によれば、接触部は、作業面に実質的に平行に位置付けられるためのものである基準面を備え、リザーバは、接触部に対して傾斜した挿入方向に従ってマウントに取り付けられるように構成される。
【0072】
本発明の一態様によれば、基準面は、実質的に平坦である。
【0073】
本発明の一態様によれば、接触部は、実質的に平坦である。
【0074】
本発明の一態様によれば、接触部は、マウントを作業面に固定するためのものである留め要素を備える。
【0075】
これらの措置のおかげで、マウントが作業面に固定され得、それにより、使用者が片手だけを使用してリザーバを挿入し、マウントからリザーバを取り外すことが可能になる。
【0076】
本発明の一態様によれば、留め要素は、少なくとも1つの吸着カップを備える。
【0077】
本発明の一態様によれば、接触部は、作業面上にベースが載置されるときに作業面と接触するためのものである接触要素、例えばスタッドを備える。
【0078】
好ましくは、挿入方向と接触部との間の角度、より具体的には、挿入方向と基準面との間の角度は、45°から90°の間である。
【0079】
これらの措置のおかげで、ベースの人間工学性が向上する。
【0080】
好ましくは、挿入方向と接触部との間の角度、より具体的には、挿入方向と基準面との間の角度は、70°から90°の間である。
【0081】
これらの措置により、ベースの人間工学的性能が向上する。
【0082】
好ましくは、挿入方向と接触部との間の角度、より具体的には、挿入方向と基準面との間の角度は、80°から90°の間である。
【0083】
これらの措置により、ベースの人間工学的性能が向上する。
【0084】
好ましくは、挿入方向は、接触部に直角であり、より具体的には、挿入方向は、基準面に直角である。
【0085】
これらの措置により、ベースの人間工学的性能が向上する。
【0086】
別の実施形態によれば、挿入方向は接触部に対して、より具体的には基準面に対して、斜めであり、すなわち、挿入方向は、接触部および/または基準面に平行でもなく、接触部および/または基準面に垂直でもない。
【0087】
本発明の一態様によれば、リザーバは、挿入方向に従ってマウントに載るように構成された停止部を備える。
【0088】
これらの措置のおかげで、マウント上にリザーバを位置付けることが容易になり、リザーバが動作位置に保持される。
【0089】
本発明の一態様によれば、停止部は、挿入方向に実質的に垂直である。
【0090】
本発明の一態様によれば、マウントは、挿入方向に従ってリザーバを保持するためにリザーバの停止部と係合するように構成された支持部を備える。
【0091】
これらの措置のおかげで、マウント上にリザーバを位置付けることが容易になり、リザーバが動作位置に保持される。
【0092】
本発明の一態様によれば、マウントは、マウント上へのリザーバの装着中にマウント上にそれを案内するように構成された少なくとも1つの案内部を備える。
【0093】
これらの措置により、マウント上へのリザーバの装着が容易になり、したがって、ベースの人間工学性が向上する。
【0094】
本発明の一態様によれば、リザーバは、マウント上へのリザーバの装着を案内するように構成された少なくとも1つの案内部分を備える。
【0095】
これらの措置により、マウント上へのリザーバの装着が容易になり、したがって、ベースの人間工学性が向上する。
【0096】
本発明の一態様によれば、マウントは、挿入方向に対して傾斜した保持方向に従ってリザーバを保持するように構成された少なくとも1つの保持部を備える。
【0097】
本発明の一態様によれば、マウントは、挿入方向に垂直な保持方向に従ってリザーバを保持するように構成された少なくとも1つの保持部を備える。
【0098】
これらの措置のおかげで、リザーバは、動作位置においてマウント上に保持される。
【0099】
一代替形態によれば、リザーバは、接触部に実質的に平行な挿入方向に従ってマウントに取り付けられるように構成される。
【0100】
本発明の一態様によれば、リザーバは、流体を受領するためのハウジングを備える。
【0101】
本発明の一態様によれば、流体を受領するためのハウジングは、流体挿入開口を備える。
【0102】
「流体」とは、水や水と毛髪ケア製品との混合物など、毛髪を整形するのに適したあらゆるタイプの流体を指す。
【0103】
本発明の一態様によれば、リザーバは、閉鎖要素を備え、閉鎖要素は、挿入開口への接近を閉鎖要素が可能にする流体挿入位置、および挿入開口を閉鎖要素が塞ぐ閉位置にあるように構成される。閉位置は、挿入開口への接近を可能にし、したがって、リザーバへの流体の追加を可能にする。
【0104】
本発明の一態様によれば、流体を受領するためのハウジングは、出口開口を備える。リザーバは、出口開口の閉鎖要素を備える。
【0105】
本発明の一態様によれば、出口開口の閉鎖要素は、弁を備える。
【0106】
本発明の一態様によれば、リザーバは、ポンプと流体連通する。
【0107】
本発明の一態様によれば、出口開口は、その周縁部に密閉要素を備える。したがって、リザーバが動作位置にあるとき、マウントとの流体接続が密閉される。
【0108】
本発明の一態様によれば、密閉要素は、例えば、シール、またはシリコーン製の可撓性壁を備える。
【0109】
本発明は、
- 前述の特徴のいずれか1つに準拠したベースと、
- ベースから遠隔にあるポータブルユニットと、
- ベースとポータブルユニットを流体的に接続するラインと
を備える毛髪スタイリング機器にさらに関する。
【0110】
本発明の一態様によれば、ラインは、ベースとポータブルユニットを電気的に接続する。
【0111】
本発明の一態様によれば、ポータブルユニットは、2本のアームを備え、それらは、毛髪を処理できるようにそれらが互いに近くにある構成と、処理したい毛髪を挟めるようにそれらが隔たっている構成との間を、互いに対して移動することが可能である。
【0112】
本発明の一態様によれば、2本のアームのうちの少なくとも一方は、毛髪処理面を備える。
【0113】
本発明の一態様によれば、2本のアームのうちの少なくとも一方は、加熱要素を備える。
【0114】
本発明の一態様によれば、2本のアームのうちの少なくとも一方は、蒸気供給システムを備える。
【図面の簡単な説明】
【0115】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明に照らして、また添付の図を精査することによって、理解されよう。
図1】毛髪スタイリング機器を示す図である。
図2】毛髪スタイリング機器のベースを示す図である。
図3】ベースのリザーバが接続解除位置にあるときの、毛髪スタイリング機器のベースの断面図である。
図4】リザーバが動作位置にあるときの、毛髪スタイリング機器のベースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0116】
これらの図のいずれについても、同一または類似の参照符号が、同一または類似の部材または部材の組を示す。
【0117】
図1は、ベース3と、ベース3から遠隔にあるポータブルユニット5と、ベース3とポータブルユニット5を電気的および流体的に接続するライン7とを備える毛髪スタイリング機器1を示す。
【0118】
図2に示すベース3は、マウント9、および部材9に取り付けられるように設計されたリザーバ11を備える。マウント9は、作業面上に位置付けられるためのものである接触部13を備える。
【0119】
この実施形態では、リザーバ11は、接触部13に対して傾斜した挿入方向DIに従ってマウント9に取り付けられるように構成される。
【0120】
接触部13は、実質的に平坦な面を備える。接触部13は、マウント9を作業面に固定するためのものである留め要素15をさらに備える。留め要素15はそれぞれ、吸着カップ17を備える。
【0121】
別の実施形態によれば、接触部13は、スタッドを備える。好ましくは、挿入方向DIは、接触部13に直角である。
【0122】
リザーバ11は、図3に示す、リザーバ11がマウント9から離れている接続解除位置にあるように構成される。リザーバはさらに、図4に示す、リザーバ11がマウント9と流体的に係合する動作位置にあるように構成される。
【0123】
リザーバ11は、流体を受領するように構成される。使用者が毛髪スタイリング機器1を使用する際に、リザーバ11が空になっている場合、使用者は、リザーバ11に流体を充填するためにそれをマウント9から取り外すことができる。このとき、リザーバ11は接続解除位置にある。
【0124】
「流体」とは、水や水と毛髪ケア製品との混合物など、毛髪を整形するのに適したあらゆるタイプの流体を指す。
【0125】
リザーバ11が一杯になると、使用者はリザーバ11を動作位置に位置付ける。動作位置では、リザーバ11は、マウント9と流体的に係合する。
【0126】
呈示した実施形態では、ベース3は、実質的に丸みを帯びている。実際、動作位置では、マウント9とリザーバ11は、それらの外面が間断なくベース3の滑らかな外面を成すように、はまり合うように構成される。
【0127】
マウント9は、支持部19を備える。リザーバ11は、挿入方向に従ってリザーバ11を保持するためにリザーバ11の支持部19と係合するように構成された停止部21を備える。支持部19と停止部21は、ベース3の円周に沿って係合する。
【0128】
支持部19および停止部21はそれぞれ、挿入方向DIに実質的に垂直な部分を備える。
【0129】
マウントは、この場合はマウント9の外面に沿ってスロート23を備えた保持部22を備える。停止部21は、リザーバ11の外面に沿って凸部25を備える。動作位置では、スロート23が凸部25を受領する。
【0130】
このように、スロート23は、挿入方向に対して傾斜した、好ましくは挿入方向に直角の保持方向に従ってリザーバを保持するように構成される。リザーバは、動作位置においてマウント上に保持される。
【0131】
マウント9は、マウント9上へのリザーバ11の装着中にマウント9上にそれを案内するように構成された案内部27を備える。
【0132】
リザーバ11も、マウント9上へのリザーバ11の装着中にマウント9の案内部27に対してスライドするためのものである案内部分29を備える。このようにして、マウント上へのリザーバの装着が容易になっている。
【0133】
リザーバ11は、流体を受領するためのハウジング31を備える。流体を受領するためのハウジング31は、流体挿入開口33を備える。リザーバ11は、閉鎖要素35を備える。閉鎖要素は、挿入開口33に対して回転移動することの可能な蓋37を備える。蓋37は、挿入開口33への接近を蓋37が可能にする流体挿入位置、および挿入開口33を蓋37が塞ぐ閉位置にあるように構成される。挿入位置は、挿入開口33への接近を可能にし、したがって、リザーバ11への流体の追加を可能にする。
【0134】
流体を受領するためのハウジング31は、出口開口39を備える。リザーバ11は、出口開口39の閉鎖要素41を備える。閉鎖要素41は、弁43を備える。リザーバ11はしたがって、マウント9と流体連通する。出口開口39は、その周縁部に密閉要素を備える。したがって、リザーバ11が動作位置にあるとき、マウント9との流体接続が密閉される。密閉要素は、例えば、シール、またはシリコーン製の可撓性壁を備える。
【0135】
ベース3は、リザーバ11が接続解除位置から動作位置に移動するときを検出するように構成された検出器47を備えた検出システム45をさらに備える。「検出器」とは、機械式検出器、電気的接触検出器、磁気または電磁検出器、赤外放射検出器など、あらゆるタイプの近接センサを指す。
【0136】
したがって、接続解除位置から動作位置へのリザーバ11の移動の検出は正確である。リザーバ11の位置のこの検出が正確であることにより、使用者には、毛髪スタイリング機器1を、より具体的にはベース3を作動させる際のより一層の安全性がもたらされる。加えて、検出システム45は、毛髪スタイリング機器1の動作不良および劣化のリスクの低減を可能にする。
【0137】
検出システム45は、接続解除位置から動作位置への移動に関する情報を使用者に伝えるように構成された情報伝達デバイス49を備える。したがって、使用者に、接続解除位置から動作位置へのリザーバ11の移動が通知される。使用者に対する情報は正確であり、したがって、毛髪スタイリング機器1の使用を容易にする。
【0138】
検出器47は、接続解除位置から動作位置への移動に関する情報を、情報伝達デバイス49に送信するように設計される。
【0139】
図示の実施形態によれば、検出器47は、接続解除位置から動作位置へのリザーバ11の移動に対応する静止位置と付勢位置との間を移動することの可能な検出部材51を備える。検出部材51はこの場合、金属帯板である。
【0140】
検出器47は、検出部材51を静止位置と付勢位置との間を移動させるように設計された付勢部材53をさらに備える。検出器47はこの場合、電子デバイスなど、水性媒体の影響を受けやすいデバイスに付随する動作不良を被らない、機械式である。検出部材51は、検出部材51を静止位置に戻すように設計された戻し要素55を備える。戻し要素55は、弾性的に変形可能な要素を備える。戻し要素55はこの場合、弾性的に変形可能な金属帯板から成る。検出部材51はしたがって、戻し要素55と一体に形成される。
【0141】
別の実施形態によれば、戻し要素55は、ばねを備えることができる。
【0142】
検出部材51は、付勢部材53の案内面57を備える。付勢部材53は、使用者がリザーバ11をマウント9上に置いたときに、検出部材を静止位置から付勢位置に駆動するように設計される。
【0143】
図示の実施形態では、付勢部材53は、リザーバ11と一体化されている。付勢部材53は、リザーバ11と一体に形成される。
【0144】
付勢部材53は、フィンガ59を備える。フィンガ59は、案内面57と係合するように設計される。フィンガ59は、検出部材51を静止位置から付勢位置に駆動するために、案内面57に沿ってスライドするように設計される。
【0145】
案内面57は、端部部分61を備える。フィンガ59が案内面57上をスライドして端部部分61に達したときに、検出部材51は付勢位置にある。フィンガ59は次いで、端部部分61を越え、戻し要素55が、検出部材51を静止位置に戻す。
【0146】
図示の実施形態によれば、情報伝達デバイス49は、音波発生器63を備える。
【0147】
音波発生器63は、リザーバ11が接続解除位置から動作位置に移動すると音波を伝達するように設計される。音波発生器63は、可動部65、および固定部67を備える。可動部65は、音波を発生させるクリックを生じさせるために固定部67と接触するように設計される。
【0148】
金属帯板は、可動部65から成る。可動部はしたがって、検出部材51と一体に形成される。固定部67は、マウント9と一体に形成される。戻し要素55が検出部材51を静止位置に戻すと、可動部65が固定部67と接触し、それによりクリックが発生する。
【0149】
マウント9は、ポンプ69をさらに備える。ポンプ69は、ポンプアクチュエータ71を備える。図示の実施形態では、ポンプアクチュエータ71は、モータ73から成る。
【0150】
一実施形態によれば、検出器47は、情報伝達デバイス49を制御するように構成された制御インターフェースを備えることができる。
【0151】
本発明の別の実施形態によれば、検出器47は、磁気要素を備える。検出器47は、例えば、磁気スイッチまたはホール効果センサを備えることができる。
【0152】
本発明の別の実施形態によれば、検出器47は光学式であり、例えば赤外線の波トランスミッタおよび波レシーバを備える。
【0153】
別の実施形態によれば、ベースは、流体吸引/放出デバイスを備え、検出システムは、リザーバが接続解除位置にあるときに吸引/放出デバイスが始動するのを防ぐために吸引/放出デバイスを制御するように構成された制御インターフェースを備える。
【0154】
このようにして、リザーバがマウントと密閉流体連通状態にない場合、吸引/放出デバイスは始動することができない。したがって、デバイスへの損傷のリスクが抑えられる。より具体的には、マウントが、吸引/放出デバイスを備える。
【0155】
制御インターフェースは、リザーバが動作位置にあるときに、より具体的には、検出器が接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動を検出したときに、吸引/放出デバイスが始動できるようにするために、吸引/放出デバイスを制御するように構成される。
【0156】
この実施形態のオプションの態様によれば、制御インターフェースは、リザーバが動作位置にあるときに、より具体的には、検出器が接続解除位置から動作位置へのリザーバの移動を検出したときに、吸引/放出デバイスを始動させるように構成される。
【0157】
検出器は、接続解除位置から動作位置への移動に関する情報を、吸引/放出デバイスに送信するように設計される。
【0158】
図示の実施形態によれば、吸引/放出デバイスは、ポンプ69から成る。したがって、制御インターフェースは、ポンプアクチュエータ71を制御するように構成される。
【0159】
本発明の別の実施形態によれば、音波発生器63は、ビーパーやブザーなどの電気駆動音波トランスミッタを備える。
【0160】
本発明の別の実施形態によれば、情報伝達デバイス49は、触覚フィードバックデバイスを備える。触覚フィードバックデバイスは、リザーバが接続解除位置から動作位置に移動するときに、ハードポイントを生じるように構成される。例えば、触覚フィードバックデバイスは、案内面と同一直線上に配置されるとともに案内面に対する湾曲部を呈する、触覚フィードバック部を備える。この湾曲部がハードポイントを生じる。ハードポイントが生じるのは、リザーバが接続解除位置から接続位置に進行する際、リザーバを動作位置に移行させるために使用者がより多くの力を加えなければならないときである。触覚フィードバックデバイスは、接続解除位置から動作位置への移動中に力フィードバックを発生させるように設計されたモータを備えてもよい。
【0161】
本発明の別の実施形態によれば、情報伝達デバイス49は、視覚的インターフェースを備える。視覚的インターフェースは、例えば画面、またはLEDなどの光信号を備える。
【0162】
言うまでもなく、本発明は、例示を目的として提供されており限定するものではない、説明し図示した実施形態に限定されない。
図1
図2
図3
図4