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特許7072559近隣のワイヤレスデバイスからの干渉を低減するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】近隣のワイヤレスデバイスからの干渉を低減するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/24 20090101AFI20220513BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220513BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20220513BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220513BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W84/12
H04W72/12
H04W16/28
H04B7/06 956
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019510622
(86)(22)【出願日】2017-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 US2017047441
(87)【国際公開番号】W WO2018044581
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】62/382,170
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/382,707
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/679,049
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】アミハイ・サンデロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ペトゥル・エイタン
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ヤアコヴ・カシェル
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-032015(JP,A)
【文献】特開平07-336292(JP,A)
【文献】特開2007-166373(JP,A)
【文献】特開2008-167149(JP,A)
【文献】Yongming Huang(Southeast University),Space Division Multiplex for OBSS Interference Suppression, IEEE 802.22-13/1155r0 ,2013年09月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信ワイヤレスノードによって行われるワイヤレス通信のための方法であって、
少なくとも1つの近隣ワイヤレスノードが前記発信ワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するステップであって、前記発信ワイヤレスノードが前記少なくとも1つのフレームを送信するように構成され、前記情報が前記発信ワイヤレスノードの送信電力および相互性係数に関する干渉感度係数(ISF)を備える、ステップと、
少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードへの送信のために前記少なくとも1つのフレームを出力するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記送信電力が、前記少なくとも1つのフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードに送信することに関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフレームが複数のフレームを備え、前記ISFが、前記複数のフレームをそれぞれ送信するための複数の送信電力に関する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ISFが前記複数のフレームを送信するための前記送信電力の平均値または最大値に関する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記相互性係数が、前記少なくとも1つのフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードに送信するために、および少なくとも1つの他のフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードから受信するために、それぞれ使用されるアンテナと関連付けられる、アンテナ送信利得およびアンテナ受信利得に関する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記送信電力が、前記少なくとも1つのフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードに送信することに関連付けられており前記相互性係数が、前記少なくとも1つのフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードに送信するために、および少なくとも1つの他のフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードから受信するために、それぞれ使用されるアンテナと関連付けられアンテナ受信利得に関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ISFが、少なくとも1つの他のフレームを前記少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードから受信するための受信感度に関する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ワイヤレス通信のための発信ワイヤレスノードであって、
少なくとも1つの近隣ワイヤレスノードが前記発信ワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するための手段であって、前記情報が前記発信ワイヤレスノードの送信電力および相互性係数に関する干渉感度係数(ISF)を備える、手段と、
少なくとも1つの第1の宛先ワイヤレスノードへの送信のために前記少なくとも1つのフレームを出力するための手段とを備える、装置。
【請求項9】
近隣ワイヤレスノードによって行われるワイヤレス通信のための方法であって、
発信ワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するステップと、
前記少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2の宛先ワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、前記発信ワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するステップであって、前記情報が前記発信ワイヤレスノードの送信電力および相互性係数に関する干渉感度係数(ISF)を備える、ステップと、
前記推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するステップとを備える、方法。
【請求項10】
前記動作を実行するステップが、
前記少なくとも1つの第2のフレームを生成するステップと、
前記推定される潜在的な干渉が閾値以上である場合に、前記少なくとも1つの第2のフレームを前記第2の宛先ワイヤレスノードに送信するための前記提案される送信方式を修正するステップと、
前記修正された送信方式に従った前記第2の宛先ワイヤレスノードへの送信のために前記少なくとも1つの第2のフレームを出力するステップとを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記提案される送信方式が、前記少なくとも1つの第2のフレームを前記第2の宛先ワイヤレスノードに送信するための送信電力を含み、前記動作を実行するステップが、
前記少なくとも1つの第2のフレームを生成するステップと、
前記送信電力を変更することによって前記提案される送信方式を修正するステップと、
前記修正された送信方式に従った前記第2の宛先ワイヤレスノードへの送信のために前記少なくとも1つの第2のフレームを出力するステップとを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記提案される送信方式が、前記少なくとも1つの第2のフレームを前記第2の宛先ワイヤレスノードに送信するための送信セクタを含み、前記動作を実行するステップが、
前記少なくとも1つの第2のフレームを生成するステップと、
前記送信セクタを変更することによって前記提案される送信方式を修正するステップと、
前記修正された送信方式に従った前記第2の宛先ワイヤレスノードへの送信のために前記少なくとも1つの第2のフレームを出力するステップとを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記提案される送信方式が、アンテナのセットを介して前記少なくとも1つの第2のフレームを前記第2の宛先ワイヤレスノードに送信するためのアンテナ重みベクトル(AWV)を含み、前記動作を実行するステップが、
前記少なくとも1つの第2のフレームを生成するステップと、
前記AWVを変更することによって前記提案される送信方式を修正するステップと、
前記修正された送信方式に従った前記第2の宛先ワイヤレスノードへの送信のために前記少なくとも1つの第2のフレームを出力するステップとを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤレス通信のための近隣ワイヤレスノードであって、
発信ワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するための手段と、
前記少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2の宛先ワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、前記発信ワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するための手段であって、前記情報が前記発信ワイヤレスノードの送信電力および相互性係数に関する干渉感度係数(ISF)を備える、手段と、
前記推定される潜在的な干渉に基づく動作を実行するための手段とを備える、装置。
【請求項15】
実行されると、コンピュータに請求項1から7または9から13のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令が記憶された、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月31日に米国特許商標庁に出願された仮出願第62/382,170号、2016年9月1日に米国特許商標庁に出願された仮出願第62/382,707号、および2017年8月16日に米国特許商標庁に出願された非仮出願第15/679,049号の優先権および利益を主張し、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、ワイヤレス通信に関し、詳細には、近隣のワイヤレスデバイスからの干渉を低減するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムは、様々なときに互いに通信するように構成される3つ以上のワイヤレスデバイスを含むことが多い。たとえば、第1のワイヤレスデバイスが第2のワイヤレスデバイスとの通信セッションに参加することがある。この通信セッションの間に、第3のワイヤレスデバイスが、第4のワイヤレスデバイスと通信することを望むことがある。第3のワイヤレスデバイスが第1のワイヤレスデバイスおよび/または第2のワイヤレスデバイスに十分近い場合、第4のワイヤレスデバイスに宛てられた第3のワイヤレスデバイスによる信号の送信が、第1のワイヤレスデバイスおよび/または第2のワイヤレスデバイスにおいて干渉を生むことがある。この干渉は、第1のワイヤレスデバイスと第2のワイヤレスデバイスとの間の通信セッションに重大な影響を与えることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国仮特許出願第62/273,397号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、少なくとも1つの第1のワイヤレスノードが装置における潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するように構成される処理システムと、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードへの送信のために少なくとも1つのフレームを出力するように構成されるインターフェースとを備える。
【0006】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は、第1のワイヤレスノードが装置における潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するステップであって、装置がその少なくとも1つのフレームを送信するように構成される、ステップと、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードへの送信のために少なくとも1つのフレームを出力するステップとを備える。
【0007】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、少なくとも1つの第1のワイヤレスノードが装置における潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するための手段と、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードへの送信のために少なくとも1つのフレームを出力するための手段とを備える。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、少なくとも1つの第1のワイヤレスノードが装置における潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するための命令であって、装置がその少なくとも1つのフレームを送信するように構成される、命令と、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードへの送信のために少なくとも1つのフレームを出力するための命令とが記憶された、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、第1のワイヤレスノードを提供する。第1のワイヤレスノードは、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードが第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するように構成される処理システムと、少なくとも1つの第3のワイヤレスノードに少なくとも1つのフレームを送信するように構成される送信機とを備える。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するように構成されるインターフェースと、インターフェースに結合され、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定し、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するように構成される、処理システムとを備える。
【0011】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するステップと、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するステップと、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するステップとを備える。
【0012】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するための手段と、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するための手段と、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するための手段とを備える。
【0013】
本開示のいくつかの態様は、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するための命令と、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するための命令と、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するための命令とが記憶された、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0014】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレスノードを提供する。ワイヤレスノードは、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するように構成される受信機と、受信機に結合され、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定し、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するように構成される、処理システムとを備える。
【0015】
本開示の態様はまた、上で説明された装置および動作に対応する様々な方法、手段、およびコンピュータプログラム製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示のある態様による例示的なワイヤレス通信システムのブロック図である。
図2】本開示の別の態様による例示的なアクセスポイントおよびユーザ端末のブロック図である。
図3】本開示の別の態様による例示的な修正された送信要求(RTS)フレームの図である。
図4】本開示の別の態様による例示的な修正された送信許可(CTS)フレームの図である。
図5】本開示の別の態様による例示的な修正された肯定応答(ACK)フレームの図である。
図6】本開示の別の態様による第1の構成における例示的な通信システムのブロック図である。
図7】本開示の別の態様による第2の構成における例示的な通信システムのブロック図である。
図8】本開示の別の態様による第3の構成における例示的な通信システムのブロック図である。
図9】本開示のいくつかの態様による別のデバイスとワイヤレスに通信する例示的な方法の流れ図である。
図10】本開示のいくつかの態様による別のデバイスとワイヤレスに通信する別の例示的な方法の流れ図である。
図11】本開示のいくつかの態様によるワイヤレスデバイスにおける干渉を低減または除去する例示的な方法の流れ図である。
図12】本開示のいくつかの態様による例示的なデバイスのブロック図である。
図13】本開示のいくつかの態様による別のデバイスとワイヤレスに通信する別の例示的な方法の流れ図である。
図14】本開示のいくつかの態様による図13に示される動作を実行することが可能な構成要素を示す図である。
図15】本開示のいくつかの態様による別のデバイスとワイヤレスに通信する別の例示的な方法の流れ図である。
図16】本開示のいくつかの態様による図15に示される動作を実行することが可能な構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の様々な態様は、添付図面を参照して以下でより十分に説明される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提示される。本開示の教示に基づいて、本開示の範囲が、本開示の任意の他の態様とは無関係に実施されるにせよ、本開示の任意の他の態様と組み合わせて実施されるにせよ、本明細書で開示する本開示の任意の態様を包含するものであることを、当業者は諒解されたい。たとえば、本明細書に記載される任意の数の態様を使用して、装置が実装されてもよく、または方法が実践されてもよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書に記載された本開示の様々な態様に加えて、またはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実践されるそのような装置または方法を包含するものとする。本明細書で開示される本開示のいずれの態様も、請求項の1つまたは複数の要素によって具現化され得ることを理解されたい。
【0018】
「例示的」という語は、本明細書では「例、事例、または例示として機能すること」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」であるものとして説明されるいずれの態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0019】
特定の態様が本明細書で説明されるが、これらの態様の多くの変形および置換が、本開示の範囲内に入る。好ましい態様のいくつかの利益および利点が述べられるが、本開示の範囲は特定の利益、使用、または目的に限定されることを意図していない。むしろ、本開示の態様は、異なるワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および伝送プロトコルに広く適用可能であることが意図され、そのうちのいくつかが例として図および好ましい態様の以下の説明において示される。たとえば、伝送プロトコルは、米国電気電子学会(IEEE)802.11プロトコルを含み得る。いくつかの態様では、802.11プロトコルは、802.11ayプロトコルおよび/または802.11adプロトコルを、ならびに未来のプロトコルを含み得る。詳細な説明および図面は、限定的でなく、本開示の例示にすぎず、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその同等物によって定義される。
【0020】
本明細書で説明される技法は、直交多重化方式に基づく通信システムを含む様々なブロードバンドワイヤレス通信システムのために使用され得る。そのような通信システムの例には、空間分割多元接続(SDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システムなどがある。SDMAシステムは、複数のアクセス端末に属するデータを同時に送信するために、十分に異なる方向を利用し得る。TDMAシステムは、送信信号を異なるタイムスロットに分割することによって、複数のアクセス端末が同じ周波数チャネルを共有することを可能にでき、各タイムスロットは、異なるアクセス端末に割り当てられる。OFDMAシステムは、システム帯域幅全体を複数の直交するサブキャリアに区分する変調技法である直交周波数分割多重化(OFDM)を利用する。これらのサブキャリアは、トーン、ビンなどと呼ばれることもある。OFDMでは、各サブキャリアはデータを用いて独立して変調され得る。SC-FDMAシステムは、システム帯域幅にわたって分散されるサブキャリア上で送信するためのインターリーブ型FDMA(IFDMA)、隣接するサブキャリアのブロック上で送信するための局所型FDMA(LFDMA)、または隣接するサブキャリアの複数のブロック上で送信するための拡張型FDMA(EFDMA)を利用し得る。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数領域において送信され、SC-FDMAでは時間領域において送信される。
【0021】
本明細書の教示は、様々な有線またはワイヤレスの装置(たとえば、ノード)に組み込まれ得る(たとえば、その装置内に実装され、またはその装置によって実行され得る)。いくつかの態様では、本明細書の教示に従って実装されるワイヤレスノードは、アクセスポイントまたはアクセス端末を備え得る。
【0022】
アクセスポイント(「AP」)は、ノードB、無線ネットワークコントローラ(「RNC」)、進化型ノードB(eNB)、基地局コントローラ(「BSC」)、基地トランシーバ局(「BTS」)、基地局(「BS」)、トランシーバ機能(「TF」)、無線ルータ、無線トランシーバ、基本サービスセット(「BSS」)、拡張サービスセット(「ESS」)、無線基地局(「RBS」)、または何らかの他の用語を備えることがあり、それらとして実装されることがあり、またはそれらと知られていることがある。
【0023】
アクセス端末(「AT」)は、加入者局、加入者ユニット、移動局、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、ユーザ機器、ユーザ局、または何らかの他の用語を備えることがあり、それらとして実装されることがあり、またはそれらと知られていることがある。いくつかの実装形態では、アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(「SIP」)電話、ワイヤレスローカルループ(「WLL」)局、携帯情報端末(「PDA」)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、局(「STA」)、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の適切な処理デバイスを備えることがある。したがって、本明細書で教示される1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラー電話またはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、ポータブル通信デバイス、ポータブルコンピューティングデバイス(たとえば、個人情報端末)、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽デバイスもしくはビデオデバイス、または衛星ラジオ)、全地球測位システムデバイス、またはワイヤレスもしくは有線の媒体を介して通信するように構成される任意の他の好適なデバイスに組み込まれ得る。いくつかの態様では、ノードはワイヤレスノードである。そのようなワイヤレスノードは、たとえば、有線通信リンクまたはワイヤレス通信リンクを介してネットワーク(たとえば、インターネットなどのワイドエリアネットワークまたはセルラーネットワーク)のための接続性またはそのネットワークへの接続性を提供し得る。
【0024】
図1は、アクセスポイント(AP)110およびアクセス端末(AT)120などの複数のワイヤレスノードを有する例示的なワイヤレス通信システム100のブロック図を示す。簡単にするために、1つのアクセスポイント110だけが示される。アクセスポイント110は、一般に、アクセス端末120と通信する固定局であり、基地局または何らかの他の用語で呼ばれることもある。アクセス端末120は、固定式または移動式であってよく、移動局、ワイヤレスデバイス、または何らかの他の用語で呼ばれることがある。アクセスポイント110は、ダウンリンクおよびアップリンク上で任意の所与の瞬間において1つまたは複数のアクセス端末120a~120iと通信し得る。ダウンリンク(すなわち、順方向リンク)は、アクセスポイント110からアクセス端末120への通信リンクであり、アップリンク(すなわち、逆方向リンク)は、アクセス端末120からアクセスポイント110への通信リンクである。アクセス端末120はまた、別のアクセス端末120とピアツーピアで通信し得る。システムコントローラ130は、アクセスポイント110に結合し、アクセスポイント110のための協調および制御を提供する。アクセスポイント110は、バックボーンネットワーク150に結合された他のデバイスと通信し得る。
【0025】
一例では、ワイヤレス通信システム100は、アクセスポイント110とアクセス端末120との間の通信において、直接シーケンス拡散スペクトル(DSSS)変調技法を利用する。拡散スペクトル技法の使用により、システムはより長いシンボル間干渉(ISI)チャネルを容易に管理して運用することが可能になる。具体的には、符号分割多元接続(CDMA)は、従来のセルラーシステムと比較して、このサイズのシステムにおいてユーザ容量の増大を容易に促進する。より具体的には、アクセスポイント110は、事前に定義された地理的領域またはセル内にあることがあり、通信信号を処理するためにいくつかの変調器-復調器ユニットまたは拡散スペクトルモデムを使用する。典型的な動作の間、アクセスポイント110の中のモデムは、通信信号の転送に対処するのに必要とされる分、各アクセス端末120に割り当てられる。モデムが複数の受信機を利用する場合、1つのモデムがダイバーシティの処理に対処し、それ以外の場合、複数のモデムが組み合わせて使用され得る。
【0026】
図2は、ワイヤレス通信システム100におけるアクセスポイント110(一般に、第1のワイヤレスノード)およびアクセス端末120、たとえばアクセス端末120aのうちの1つ(一般に、第2のワイヤレスノード)のブロック図を示す。アクセスポイント110は、ダウンリンクのための送信エンティティであり、かつアップリンクのための受信エンティティである。アクセス端末120aは、アップリンクのための送信エンティティであり、かつダウンリンクのための受信エンティティである。本明細書で使用される「送信エンティティ」は、ワイヤレスチャネルを介してデータを送信することが可能な独立に動作する装置またはデバイスであり、「受信エンティティ」は、ワイヤレスチャネルを介してデータを受信することが可能な独立に動作する装置またはデバイスである。
【0027】
データを送信するために、アクセスポイント110は、送信データプロセッサ220、フレームビルダ222、送信プロセッサ224、複数のトランシーバ226a~226n、図示されるデバイスと構成要素を接続するためのバスインターフェース、および複数のアンテナ230a~230nを備える。アクセスポイント110はまた、アクセスポイント110の動作を制御するためのコントローラ234を備える。一実施形態では、アンテナ230a~230nは、特定のユーザに向けられ得る複数の操縦可能なビームのための、マルチアンテナフェーズドアレイを形成する。この実施形態では、アンテナアレイを使用してユーザ間の離隔を大きくすることができる。アンテナはまた、位相制御を介した等利得ビームフォーミング(EGB:equal gain beamforming)技法およびヌルステアリング技法のために構成され得る。
【0028】
動作において、送信データプロセッサ220は、データソース215からデータ(たとえば、データビット)を受信し、送信のためにデータを処理する。たとえば、送信データプロセッサ220は、データ(たとえば、データビット)を符号化されたデータへと符号化し、符号化されたデータをデータシンボルへと変調し得る。送信データプロセッサ220は、様々な変調およびコーディング方式(MCS)をサポートし得る。たとえば、送信データプロセッサ220は、複数の異なるコーディングレートのいずれか1つで(たとえば、低密度パリティチェック(LDPC)符号化を使用して)データを符号化し得る。また、送信データプロセッサ220は、限定はされないが、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、直角振幅変調(QAM)(たとえば、16QAM、64QAM、および256QAM)、および振幅位相偏移変調または非対称位相偏移変調(APSK)(たとえば、64APSK、128APSK、および256APSK)を含む、複数の異なる変調方式のいずれか1つを使用して、符号化されたデータを変調し得る。
【0029】
いくつかの態様では、コントローラ234は、(たとえば、ダウンリンクのチャネル状態に基づいて)どの変調およびコーディング方式(MCS)を使用すべきかを指定するコマンドを送信データプロセッサ220に送信することができ、送信データプロセッサ220は、指定されたMCSに従ってデータソース215からのデータを符号化および変調することができる。送信データプロセッサ220が、データスクランブリングおよび/または他の処理などの、データに対する追加の処理を実行してもよいことを諒解されたい。送信データプロセッサ220は、フレームビルダ222にデータシンボルを出力する。
【0030】
フレームビルダ222は、フレーム(パケットとも呼ばれる)を構築し、または生成し、フレームのデータペイロードにデータシンボルを挿入する。フレームは、プリアンブル、ヘッダ、およびデータペイロードを含み得る。一実施形態では、フレームは、ビーコンフレーム、プローブ要求フレーム、またはプローブ応答フレームのいずれかである。フレームは、以下でより詳細に説明されるようなクラスの形式の、干渉感度係数(ISF:interference sensitivity factor)、送信電力、または相互性係数などの干渉情報を含み得る。プリアンブルは、フレームを受信する際にアクセス端末120aを支援するための、ショートトレーニングフィールド(STF)シーケンスおよびチャネル推定フィールド(CEF)シーケンスを含み得る。ヘッダは、データの長さ、およびデータを符号化して変調するために使用されるMCSなどの、ペイロードの中のデータに関する情報を含み得る。この情報により、アクセス端末120aがデータを復調および復号することが可能になる。ペイロードの中のデータは、複数のブロックの間で分割されることがあり、ここで、各ブロックは、データの一部分、および受信機の位相追跡を支援するためのガードインターバル(GI)を含み得る。フレームビルダ222は、フレームを送信プロセッサ224に出力する。
【0031】
送信プロセッサ224は、ダウンリンク上での送信のためにフレームを処理する。たとえば、送信プロセッサ224は、直交周波数分割多重化(OFDM)送信モード、およびシングルキャリア(SC)送信モードなどの、様々な送信モードをサポートし得る。この例では、コントローラ234は、どの送信モードを使用すべきかを指定するコマンドを送信プロセッサ224に送信することができ、送信プロセッサ224は、指定された送信モードに従った送信のためにフレームを処理することができる。送信プロセッサ224は、ダウンリンク信号の周波数成分がいくつかのスペクトル要件を満たすように、フレームにスペクトルマスクを適用し得る。
【0032】
いくつかの態様では、送信プロセッサ224は、多入力多出力(MIMO)送信をサポートし得る。これらの態様では、アクセスポイント110は、複数のアンテナ230a~230nと、複数のトランシーバ226a~226n(たとえば、各アンテナに1個)とを含み得る。送信プロセッサ224は、着信フレームに空間処理を実行し、複数の送信フレームストリームを複数のアンテナに提供し得る。トランシーバ226a~226nは、それぞれの送信フレームストリームを受信し、処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、および周波数アップコンバート)して、それぞれアンテナ230a~230nを介した送信のために送信信号を生成する。
【0033】
送信プロセッサ224は、アクセスポイント110と1つまたは複数のアクセス端末120aとの間で、802.11ビームフォーミングトレーニングプロトコル(たとえば、802.11ad、802.11ay、または未来のビームフォーミングトレーニングプロトコル)の送信ビームフォーミングトレーニング部分と関連付けられる複数のトレーニング信号を送信するように構成され得る。一例では、ビームフォーミングトレーニングプロトコルは、セクタレベルスイープ(SLS:sector level sweep)および送信のためのビーム微調整段階(BRP-Tx:beam refinement phase for transmission)を含み得る。
【0034】
データを送信するために、アクセス端末120aは、送信データプロセッサ260、フレームビルダ262、送信プロセッサ264、複数のトランシーバ266a~266n、図示されるデバイスと構成要素を接続するためのバスインターフェース、および複数のアンテナ270a~270n(たとえば、トランシーバごとに1つのアンテナ)を備える。アクセス端末120aは、アップリンク上でアクセスポイント110へデータを送信することができ、かつ/または別のアクセス端末120へ(たとえば、ピアツーピア通信のために)データを送信することができる。アクセス端末120aはまた、アクセス端末120aの動作を制御するためのコントローラ274を備える。一実施形態では、アンテナ270a~270nは、特定のユーザに向けられ得る複数の操縦可能なビームのための、アンテナアレイを形成する。この実施形態では、アンテナアレイを使用してユーザ間の離隔を大きくすることができる。アンテナはまた、たとえば位相制御を介した、等利得ビームフォーミング(EGB)技法およびヌルステアリング技法のために構成され得る。
【0035】
動作において、送信データプロセッサ260は、データソース255からデータ(たとえば、データビット)を受信し、送信のためにデータを処理(たとえば、符号化および変調)する。送信データプロセッサ260は、様々なMCSをサポートし得る。たとえば、送信データプロセッサ260は、複数の異なるコーディングレートのいずれか1つで(たとえば、LDPC符号化を使用して)データを符号化することができ、限定はされないが、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、64APSK、128APSK、256QAM、および256APSKを含む、複数の異なる変調方式のいずれか1つを使用して、符号化されたデータを変調することができる。いくつかの態様では、コントローラ274は、(たとえば、アップリンクのチャネル状態に基づいて)どのMCSを使用すべきかを指定するコマンドを送信データプロセッサ260に送信することができ、送信データプロセッサ260は、指定されたMCSに従ってデータソース255からのデータを符号化および変調することができる。送信データプロセッサ260が、データに対する追加の処理を実行してもよいことを諒解されたい。送信データプロセッサ260は、データシンボルをフレームビルダ262に出力する。
【0036】
フレームビルダ262は、フレームを構築し、または生成し、フレームのデータペイロードに受信されたデータシンボルを挿入する。フレームは、プリアンブル、ヘッダ、およびデータペイロードを含み得る。一実施形態では、フレームはビーコンフレームである。ビーコンフレームは、以下でより詳細に説明される、干渉感度係数(ISF)、送信電力、または相互性係数などの干渉情報を含み得る。プリアンブルは、フレームを受信する際にアクセスポイント110および/または他のアクセス端末120を支援するための、STFシーケンスおよびCEFシーケンスを含み得る。ヘッダは、データの長さ、およびデータを符号化して変調するために使用されるMCSなどの、ペイロードの中のデータに関する情報を含み得る。ペイロードの中のデータは、複数のブロックの間で分割されることがあり、ここで、各ブロックは、データの一部分、ならびにアクセスポイント110および/または他のアクセス端末120の位相追跡を支援するガードインターバル(GI)を含み得る。フレームビルダ262は、フレームを送信プロセッサ264に出力する。
【0037】
送信プロセッサ264は、送信のためにフレームを処理する。たとえば、送信プロセッサ264は、OFDM送信モードおよびSC送信モードなどの様々な送信モードをサポートし得る。この例では、コントローラ274は、どの送信モードを使用すべきかを指定するコマンドを送信プロセッサ264に送信することができ、送信プロセッサ264は、指定された送信モードに従って送信のためにフレームを処理することができる。送信プロセッサ264は、アップリンク信号の周波数成分がいくつかのスペクトル要件を満たすように、フレームにスペクトルマスクを適用し得る。
【0038】
トランシーバ266a~266nは、1つまたは複数のアンテナ270a~270nを介した送信のために、送信プロセッサ264の出力を受信し、処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、および周波数アップコンバート)する。たとえば、トランシーバ266は、60GHz範囲の中の周波数を有する送信信号へと、送信プロセッサ264の出力をアップコンバートし得る。
【0039】
いくつかの態様では、送信プロセッサ264は、多入力多出力(MIMO)送信をサポートし得る。これらの態様では、アクセス端末120は、複数のアンテナ270a~270nと、複数のトランシーバ266a~266n(たとえば、各アンテナに1個)とを含み得る。送信プロセッサ264は、着信フレームに空間処理を実行し、複数のアンテナ270a~270nに複数の送信フレームストリームを提供し得る。トランシーバ266a~266nは、それぞれの送信フレームストリームを受信し、処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、および周波数アップコンバート)して、アンテナ270a~270nを介した送信のために送信信号を生成する。
【0040】
送信プロセッサ264は、アクセスポイント110と1つまたは複数のアクセス端末120aとの間で、802.11ビームフォーミングトレーニングプロトコル(たとえば、802.11ad、802.11ay、または未来のビームフォーミングトレーニングプロトコル)の送信ビームフォーミングトレーニング部分と関連付けられる複数のトレーニング信号を送信するように構成され得る。一例では、ビームフォーミングトレーニングプロトコルは、セクタレベルスイープ(SLS)および送信のためのビーム微調整段階(BRP-Tx)を含み得る。
【0041】
データを受信するために、アクセスポイント110は、受信プロセッサ242および受信データプロセッサ244を備える。動作において、トランシーバ226a~226nは、(たとえば、アクセス端末120aから)信号を受信し、受信された信号を空間的に処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、増幅、フィルタリング、およびデジタルに変換)する。受信された信号はまた、位相および利得がビームフォーミングアルゴリズムを用いて制御され得るように、処理され得る。ビームフォーミングアルゴリズムは、各アンテナの位相(すなわち、位相シフト)および利得を制御し、チャネル相関行列反転(CCMI:channel correlation matrix inversion)技法、最小平均二乗誤差(MMSE)技法、等利得ビームフォーミング技法、および他のものなどの、線形空間技法を含み得る。ビームフォーミングアルゴリズムはまた、最小平均二乗誤差線形等化器(MMSE-LE)技法、判定帰還型等化器(DFE)技法、最大比合成(MRC)技法、および他のものなどの、空間-時間技法を含み得る。
【0042】
受信プロセッサ242および受信データプロセッサ244は、アクセスポイント110と1つまたは複数のアクセス端末120aとの間で、802.11ビームフォーミングトレーニングプロトコル(たとえば、802.11ad、802.11ay、または未来のビームフォーミングトレーニングプロトコル)の送信ビームフォーミングトレーニング部分と関連付けられる複数のトレーニング信号を受信するように構成され得る。たとえば、ビームフォーミングトレーニングプロトコルは、セクタレベルスイープ(SLS)および受信のためのビーム微調整段階(BRP-Rx)を含み得る。
【0043】
受信プロセッサ242は、トランシーバ226a~226nの出力を受信し、これらの出力を処理してデータシンボルを復元する。たとえば、アクセスポイント110は、フレームの中で(たとえば、アクセス端末120aから)データを受信し得る。この例では、受信プロセッサ242は、フレームのプリアンブルの中のSTFシーケンスを使用して、フレームの開始を検出し得る。受信機プロセッサ242はまた、自動利得制御(AGC)調整のためにSTFを使用し得る。受信プロセッサ242はまた、(たとえば、フレームのプリアンブルの中のCEFシーケンスを使用して)チャネル推定を実行し、チャネル推定に基づいて受信された信号に対してチャネル等化を実行し得る。
【0044】
さらに、受信機プロセッサ242は、ペイロードの中のガードインターバル(GI)を使用して位相雑音を推定し、推定される位相雑音に基づいて受信された信号における位相雑音を低減し得る。位相雑音は、周波数変換のために使用される、アクセス端末120aの中のローカル発振器からの雑音および/またはアクセスポイント110の中のローカル発振器からの雑音に起因することがある。位相雑音はまた、チャネルからの雑音を含むことがある。受信プロセッサ242はまた、フレームのヘッダから情報(たとえば、MCS方式)を復元し、情報をコントローラ234に送信し得る。チャネル等化および/または位相雑音低減を実行した後、受信プロセッサ242は、フレームからデータシンボルを復元し、復元されたデータシンボルをさらに処理するために受信データプロセッサ244に出力し得る。
【0045】
受信データプロセッサ244は、受信プロセッサ242からデータシンボルを、またコントローラ234から対応するマルチスケール制御(MSC)方式の指示を受信する。受信データプロセッサ244は、データシンボルを復調および復号して、示されたMSC方式に従ってデータを復元し、復元されたデータ(たとえば、データビット)を記憶および/またはさらなる処理のためにデータシンク246に出力する。
【0046】
上で論じられたように、アクセス端末120aは、OFDM送信モードまたはSC送信モードを使用してデータを送信し得る。この場合、受信プロセッサ242は、選択された送信モードに従って受信信号を処理し得る。また、上で論じられたように、送信プロセッサ264は、多入力多出力(MIMO)送信をサポートし得る。この場合、アクセスポイント110は、複数のアンテナ230a~230nと、複数のトランシーバ226a~226n(たとえば、各アンテナに1個)とを含む。各トランシーバは、それぞれのアンテナから信号を受信し、処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、増幅、フィルタリング、およびデジタルに変換)する。受信プロセッサ242は、データシンボルを復元するために、トランシーバ226a~226nの出力に対して空間処理を実行し得る。
【0047】
データを受信するために、アクセス端末120aは、受信プロセッサ282および受信データプロセッサ284を備える。動作において、トランシーバ266a~266nは、それぞれのアンテナ270a~270nを介して(たとえば、アクセスポイント110または別のアクセス端末120から)信号を受信し、受信された信号を処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、増幅、フィルタリング、およびデジタルに変換)する。受信された信号はまた、位相および利得がビームフォーミングアルゴリズムを用いて制御され得るように、処理され得る。ビームフォーミングアルゴリズムは、各アンテナの位相(たとえば、位相シフト)および利得を制御し、チャネル相関行列反転(CCMI)技法、最小平均二乗誤差(MMSE)技法、等利得ビームフォーミング技法、および他のものなどの、線形空間技法を含み得る。ビームフォーミングアルゴリズムはまた、最小平均二乗誤差線形等化器(MMSE-LE)技法、判定帰還型等化器(DFE)技法、最大比合成(MRC)技法、および他のものなどの、空間-時間技法を含み得る。
【0048】
受信プロセッサ282および受信データプロセッサ284は、アクセスポイント110と1つまたは複数のアクセス端末120aとの間で、802.11ビームフォーミングトレーニングプロトコル(たとえば、802.11ad、802.11ay、または未来のビームフォーミングトレーニングプロトコル)の送信ビームフォーミングトレーニング部分と関連付けられる複数のトレーニング信号を受信するように構成され得る。たとえば、ビームフォーミングトレーニングプロトコルは、セクタレベルスイープ(SLS)および受信のためのビーム微調整段階(BRP-Rx)を含み得る。
【0049】
受信プロセッサ282は、トランシーバ266a~266nの出力を受信し、これらの出力を処理してデータシンボルを復元する。たとえば、アクセス端末120aは、上で論じられたように、フレームの中で(たとえば、アクセスポイント110または別のアクセス端末120から)データを受信し得る。この例では、受信プロセッサ282は、フレームのプリアンブルの中のSTFシーケンスを使用して、フレームの開始を検出し得る。受信プロセッサ282はまた、(たとえば、フレームのプリアンブルの中のCEFシーケンスを使用して)チャネル推定を実行し、チャネル推定に基づいて受信された信号に対してチャネル等化を実行し得る。
【0050】
さらに、受信機プロセッサ282は、ペイロードの中のガードインターバル(GI)を使用して位相雑音を推定し、推定される位相雑音に基づいて受信信号における位相雑音を低減し得る。受信プロセッサ282はまた、フレームのヘッダから情報(たとえば、MCS方式)を復元し、情報をコントローラ274に送信し得る。チャネル等化および/または位相雑音低減を実行した後、受信プロセッサ282は、フレームからデータシンボルを復元し、復元されたデータシンボルをさらに処理するために受信データプロセッサ284に出力し得る。
【0051】
受信データプロセッサ284は、受信プロセッサ282からデータシンボルを、またコントローラ274から対応するMSC方式の指示を受信する。受信機データプロセッサ284は、データシンボルを復調および復号して、示されたMSC方式に従ってデータを復元し、復元されたデータ(たとえば、データビット)を記憶および/またはさらなる処理のためにデータシンク286に出力する。
【0052】
上で論じられたように、アクセスポイント110または別のアクセス端末120は、OFDM送信モードまたはSC送信モードを使用してデータを送信し得る。この場合、受信プロセッサ282は、選択された送信モードに従って受信信号を処理し得る。また、上で論じられたように、送信プロセッサ224は、多入力多出力(MIMO)送信をサポートし得る。この場合、アクセス端末120aは、複数のアンテナと、複数のトランシーバ(たとえば、各アンテナに1個)とを含み得る。各トランシーバは、それぞれのアンテナから信号を受信し、処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、増幅、フィルタリング、およびデジタルに変換)する。受信プロセッサ282は、トランシーバの出力に対して空間処理を実行して、データシンボルを復元し得る。
【0053】
図2に示されるように、アクセスポイント110はまた、コントローラ234に結合されたメモリデバイス236を備える。メモリデバイス236は、コントローラ234によって実行されると、本明細書で説明される動作のうちの1つまたは複数をコントローラ234に実行させる命令を記憶し得る。同様に、アクセス端末120aも、コントローラ274に結合されたメモリデバイス276を備える。メモリデバイス276は、コントローラ274によって実行されると、本明細書で説明される動作のうちの1つまたは複数をコントローラ274に実行させる命令を記憶し得る。本明細書においてより詳細にさらに説明されるように、メモリデバイス236および276は、1つまたは複数の近隣のデバイスにおける干渉情報をアクセスポイント110およびアクセス端末120aが推定するのを支援するための、データを記憶し得る。
【0054】
図3は、本開示の別の態様による例示的な修正された送信要求(RTS)フレーム、または「RTS-TRN」フレーム300の図を示す。ワイヤレスデバイス(本明細書では「発信デバイス」と呼ばれる)は、通信媒体が1つまたは複数のデータフレームを「宛先デバイス」に送信するのに利用可能であるかどうかを決定するために、RTSフレームを使用し得る。通常、RTSフレームは、宛先デバイスに送信されるべき1つまたは複数のデータフレームのサイズが指定された閾値を超えるときに送信される。RTSフレームを受信したことに応答して、宛先デバイスは、通信媒体が利用可能である場合、送信許可(CTS)フレームを発信デバイスに返信する。CTSフレームを受信したことに応答して、発信デバイスは1つまたは複数のデータフレームを宛先デバイスに送信する。1つまたは複数のデータフレームの受信に成功したことに応答して、宛先デバイスは、1つまたは複数の肯定応答(「ACK」)フレームを発信デバイスに送信する。そのようなRTSフレーム、CTSフレーム、およびACKフレームは、媒体アクセス制御(MAC)フレームの例である。
【0055】
MACは、分散調整機能(DCF: distributed coordination function)および集中調整機能(PCF:point coordination function)に基づく、搬送波感知多元接続/衝突回避(CSMA/CA:carrier sense multiple access/collision avoidance)を含み得る。DCFは集中制御なしで媒体のアクセスを可能にする。PCFは集中制御を行うためにアクセスポイント110において展開される。DCFおよびPCFは、衝突を回避するために連続的な送信と送信との間の様々な間隔を利用する。送信はフレームと呼ばれることがあり、フレームとフレームの間の間隔はフレーム間隔(IFS:inter-frame spacing)と呼ばれる。フレームは、ユーザデータフレーム、制御フレーム、または管理フレームであり得る。
【0056】
フレームの詳細に関して、RTS-TRNフレーム300は、フレーム制御フィールド310、時間長フィールド312、受信機アドレスフィールド314、送信機アドレスフィールド316、フレームチェックシーケンスフィールド318、および制御トレーラフィールド320を含む、RTS部分を備える。本明細書でより詳細に論じられるように、制御トレーラ320は、近隣の(非宛先)デバイスが通信セッションに従って信号を送信する場合に、その近隣のデバイスが発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定することを可能にする情報を含む。そのような情報は、干渉感度係数(ISF)、送信電力Pt、または相互性係数Gr-Gt(アンテナ受信利得とアンテナ送信利得との差)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0057】
米国仮特許出願第62/273,397号(これは参照により本明細書に組み込まれる)においてより詳細に論じられるような、通信の改善および干渉の低減の目的で、RTS-TRNフレーム300はさらに、宛先デバイスおよび1つまたは複数の近隣のデバイスのそれぞれのアンテナを構成するためのビームトレーニングシーケンスフィールド322を含む。宛先デバイスは、ビームトレーニングシーケンスフィールド322を使用して、発信デバイスからの指向性の受信および発信デバイスへの指向性の送信のために、自身のアンテナを構成する。1つまたは複数の近隣のデバイスは、ビームトレーニングシーケンスフィールド322を使用して、ヌルが発信デバイスの方向へ実質的に向けられるように送信アンテナ放射パターンを構成することなどによって、発信デバイスにおける干渉を低減するように自身のアンテナを送信のために構成する。ビームトレーニングシーケンスフィールド322の中のビームトレーニングシーケンスは、ゴレイシーケンスに基づき得る。
【0058】
RTS-TRNフレーム300のRTS部分は、米国電気電子学会(IEEE)802.11プロトコルにおいて規定される標準的なRTSフレームとして構成され得る。これに関して、フレーム制御フィールド310は、RTSフレーム部分と関連付けられるバージョンを指定するための「プロトコル(protocol)」サブフィールド、フレームのタイプを示すための「タイプ(type)」サブフィールド(たとえば、制御フレームに対してtype=01)、フレームのサブタイプを示すための「サブタイプ(subtype)」サブフィールド(たとえば、subtype=1011はRTSフレームを示す)、ならびに、分散システムが制御フレームを送信および受信するかどうかを示すための「ToDS」サブフィールドおよび「FromDS」サブフィールド(たとえば、RTSフレームに対してToDS=0かつFromDS=0)という、サブフィールドを含む。
【0059】
加えて、フレーム制御フィールド310はさらに、フレームが断片化されるかどうかを示す「モアフラグメント(More Fragments)」サブフィールド(たとえば、RTSフレームに対しては、断片化されないのでMore Fragments=0)、受信されない場合にフレームが再送信されるべきかどうかを示すための「リトライ(Retry)」サブフィールド(たとえば、RTSフレームに対しては、再送信されないのでRetry=0)、現在のフレーム交換の終結の後の送信者の電力管理状態を示すための「電力管理(Power Management)」サブフィールド、管理フレームおよびデータフレームにおいて使用される「モアデータ(More Data)」サブフィールド(たとえば、RTSフレームに対してはMore Data=0)、フレームが暗号化されるかどうかを示すための「保護フレーム(Protected Frame)」サブフィールド(たとえば、RTSフレームは暗号化されないのでProtected Frame=0)、および関連するフレームの順序を示すための「順序(Order)」サブフィールド(たとえば、RTSフレームに対しては、フレームを誤った順序で送信することはできないのでOrder=0)という、サブフィールドを含む。
【0060】
RTS-TRNフレーム300のRTS部分の時間長フィールド312は、発信デバイスが宛先デバイスと通信しているであろう推定時間長の指示を提供する。または、言い換えると、時間長フィールド312は、発信デバイスと宛先デバイスとの間に通信をもたらすために通信媒体が使用されるであろう時間長の推定値を指定する。この時間長は、(1)RTSフレームの送信の終わりとCTSフレームの送信の始まりとの間のショートフレーム間隔(SIFS)の時間長、(2)CTSフレームの時間長、(3)CTSフレームの送信の終わりと1つまたは複数のデータフレームの送信の始まりとの間の別のSIFSの時間長、(4)1つまたは複数のデータフレームの時間長、(5)1つまたは複数のデータフレームの送信の終わりとACKフレームの送信の始まりとの間の別のSIFSの時間長、および(6)ACKフレームの時間長という累積の時間長を含み得る。本明細書でより詳細にさらに論じられるように、1つまたは複数の近隣のデバイスは、この時間長を使用して、提案される送信方式に基づいて発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定するかどうかを決定し得る。
【0061】
RTS-TRNフレーム300のRTS部分の受信機アドレスフィールド314は、宛先デバイスのアドレス(たとえば、媒体アクセス制御(MAC)アドレス)を示す。より詳細に論じられるように、RTS-TRNフレーム300を受信するデバイスは、デバイスが宛先デバイスであるか近隣の非宛先デバイスであるかに応じて、異なる動作を実行することができる。RTS-TRNフレーム300のRTS部分の送信機アドレスフィールド316は、発信デバイスのアドレス(たとえば、MACアドレス)を示す。RTS-TRNフレーム300のRTS部分のフレームチェックシーケンスフィールド318は、RTS-TRNフレーム300のRTS部分を介して送信される情報の少なくともいくつかの有効性を受信デバイスが決定することを可能にする値を含む。
【0062】
前に論じられたように、制御トレーラ320は、ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つを含む。修正されたRTS-TRNフレーム300を受信する近隣のデバイスは、RTS-TRNフレーム300の受信された電力レベル、情報ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの1つまたは複数、提案される送信電力、および提案されるアンテナの固有の相互性係数に基づいて、発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定し得る。この干渉は、発信デバイスの受信機の入力における、近隣のデバイスによって送信される信号の電力レベルである。発信デバイスにおける推定される潜在的な干渉が大きすぎる(たとえば、閾値以上である)場合、近隣のデバイスは、提案される信号の送信を取り止めること、提案される信号を送信するために異なる送信セクタを選ぶこと、または、信号が標的デバイスによって適切に受信され得るかどうかに基づいて、適切な選択肢である場合には提案される信号の送信電力を低減することなどの、任意の数の応答する動作を実行することができる。
【0063】
ISFに基づいて、近隣のデバイスは、次の式を使用して発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定し得る。
Pra = Prb + Ptb + (Gtb-Grb) - ISFa 式1
ここで、Praは発信デバイスの受信機入力における潜在的な干渉レベルまたは電力レベルであり、Prbは近隣のデバイスの受信機入力におけるRTS-TRNフレーム300の電力レベルであり、Ptbは近隣のデバイスの提案される送信電力であり、Gtb-Grbは近隣のデバイスの提案される相互性係数であり、ISFaは発信デバイスの干渉感度係数である。
【0064】
PtおよびGr-Gtに基づいて、近隣のデバイスは、次の式を使用して発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定し得る。
Pra = Prb + Ptb + (Gtb-Grb) - Pta + (Gra-Gta) 式2
ここで、Ptaは発信デバイスの送信電力であり、Gra-Gtaは発信デバイスの相互性係数の負数である。すなわち、干渉感度係数(ISF)は、送信電力Ptと相互性係数Gt-Grを足したものに等しい。
【0065】
Ptに基づいて(かつISFまたはGr-Gtに基づかずに)、近隣のデバイスは、次の式を使用して発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定し得る。
Pra = Prb + Ptb + (Gtb-Grb) - Pta 式3
示されるように、式3は式2の省略されたバージョンである。すなわち、発信デバイスの相互性係数がなくなっており、それは相互性係数が近隣のデバイスに通信されなかったからである。そのような場合、近隣のデバイスは、式3を使用して、発信デバイスの相互性係数が0であるという仮定のもとで、発信デバイスにおける潜在的な干渉Praを推定することができる。代わりに、近隣のデバイスは、発信デバイスの相互性係数についてある仮定を行い、Gra-Gtaをある仮定された値として式2を使用することができる。
【0066】
Gr-Gtに基づいて(かつISFまたはPtに基づかずに)、近隣のデバイスは、次の式を使用して発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定し得る。
Pra = Prb + (Gtb-Grb) + (Gra-Gta) 式4
示されるように、式4は式2の省略されたバージョンである。すなわち、近隣のデバイスの提案される送信電力Ptbと発信デバイスの送信電力Ptaとの間の差がなくなっており、それはPtaが近隣のデバイスに通信されなかったからである。そのような場合、近隣のデバイスは、式4を使用して、近隣のデバイスの提案される送信電力Ptbが発信デバイスの送信電力Ptaに等しいという仮定のもとで、発信デバイスにおける潜在的な干渉Praを推定することができる。代わりに、近隣のデバイスは、送信電力の差についてある仮定を行い、Ptb-Ptaをある仮定された値として式2を使用することができる。代わりに、ISFは、発信デバイスの送信電力Ptaおよび受信感度に関係し得る。
【0067】
ISFを決定するために使用されるパラメータのいずれか1つが、複数のフレームの送信および/または受信に基づき得る。たとえば、発信デバイスは、送信電力の異なる複数のフレームを送信し得る。したがって、フレームは、それぞれの制御トレーラにおいて異なる送信電力情報を含み得る。したがって、ISFは、それぞれ、フレームを送信するための送信電力の平均に基づいて決定され得る。代わりに、ISFはフレームを送信するための送信電力の最大値に基づいて決定され得る。代わりに、ISFはフレームを送信するための送信電力のすべてに基づいて決定され得る。
【0068】
近隣のデバイスは、時間長フィールド312の中の情報を使用して、発信デバイスが宛先デバイスと通信しているであろう時間間隔を決定することができる。時間長フィールド312に基づいて、発信デバイスおよび宛先デバイスが、近隣デバイスと標的デバイスとの間の提案される通信セッションの間に通信しているであろう場合、近隣のデバイスは、必要な場合に適切な行動をとる目的で、発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定することができる。一方、時間長フィールド312に基づいて、発信デバイスおよび宛先デバイスが提案される通信セッションの間にもはや通信していないであろう場合、近隣のデバイスは干渉の推定を実行する必要はない。
【0069】
上で言及されたように、発信デバイスにおける潜在的な干渉Praの推定に基づいて、近隣のデバイスはいくつかの動作を実行することができる。たとえば、潜在的な干渉Praが閾値未満である(または閾値に等しい)(したがって、干渉が発信デバイスにおいて重大であると考えられない、たとえば発信デバイスによる宛先デバイスからの通信の受信に影響を与えない可能性がある)場合、近隣のデバイスは単に、標的デバイスと通信するために提案される送信方式を使用し続けることができる。この閾値は最大の許容可能な干渉として定義されることがあり、このとき本明細書で使用される「閾値未満である(または閾値に等しい)」という語句が適用可能である。代わりに、この閾値は最小の許容不可能な干渉として定義されることがあり、このとき本明細書で使用される「以上である」という語句が適用可能である。
【0070】
潜在的な干渉Praが閾値以上である場合(したがって、干渉が発信デバイスにおいて重大であると考えられる、たとえば発信デバイスによる宛先デバイスからの通信の受信に影響を与える可能性がある)場合、近隣のデバイスは、発信デバイスにおける潜在的な干渉を除去または低減するための行動をとることができる。たとえば、近隣のデバイスは、標的デバイスとの通信に参加するのを取り止めることができる。代わりに、近隣のデバイスは、標的デバイスと通信するための送信セクタを(より最適ではないセクタに)変更することができ、新しいセクタの使用により、推定される干渉は閾値未満(または閾値に等しい値)まで減る。代わりに、近隣のデバイスは、低下した送信電力が標的デバイスとの通信に対して許容可能である限り、推定される干渉を閾値未満(または閾値に等しい値)に減らすように、提案される送信電力を低下させることができる。
【0071】
図4は、本開示の別の態様による例示的な修正された送信許可(CTS)フレーム、またはCTS-TRNフレーム400の図を示す。前に論じられたように、宛先デバイスは、発信デバイスから宛先デバイスへの1つまたは複数のデータフレームの送信に通信媒体が利用可能である場合、CTS-TRNフレーム400を発信デバイスに送信する。
【0072】
具体的には、修正されたCTS-TRNフレーム400は、フレーム制御フィールド410、時間長フィールド412、受信機アドレスフィールド414、フレームチェックシーケンスフィールド418、および制御トレーラ420を含む、CTS部分を備える。RTS-TRNフレーム300の制御トレーラ320と同様に、CTS-TRNフレーム400の制御トレーラ420は、近隣の(非宛先)デバイスがその近隣のデバイスの提案される送信方式に基づいて宛先デバイスにおける潜在的な干渉を推定することを可能にする情報を含む。やはり、そのような情報は、干渉感度係数(ISF)、送信電力Pt、または相互性係数Gr-Gt(アンテナ受信利得とアンテナ送信利得との差)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0073】
米国仮特許出願第62/273,397号において詳細に論じられるような、通信の改善および干渉の低減の目的で、CTS-TRNフレーム400はさらに、発信デバイスおよび1つまたは複数の近隣のデバイスのそれぞれのアンテナを構成するためのビームトレーニングシーケンスフィールド422を含む。発信デバイスは、ビームトレーニングシーケンスフィールド422を使用して、宛先デバイスからの指向性の受信および宛先デバイスへの指向性の送信のために、自身のアンテナを構成する。1つまたは複数の近隣のデバイスは、ビームトレーニングシーケンスフィールド422を使用して、ヌルが宛先デバイスの方向へ実質的に向けられるように送信アンテナ放射パターンを構成することなどによって、宛先デバイスにおける干渉を低減するように自身のアンテナを送信のために構成する。ビームトレーニングシーケンスフィールド422の中のビームトレーニングシーケンスは、ゴレイシーケンスに基づき得る。
【0074】
CTS-TRNフレーム400のCTS部分のフレーム制御フィールド410は、前に論じられたような、RTS-TRNフレーム300のRTS部分のフレーム制御フィールドと基本的に同じサブフィールドを含む。フレーム制御フィールド410のサブフィールドは、RTS-TRNフレーム300のRTS部分のフレーム制御フィールド310のサブフィールドと同じ値を含み、例外は、フレーム制御フィールド410のサブタイプサブフィールドがCTSフレームを示すために(RTSフレームを示す1011ではなく)1100に設定されるということである。
【0075】
CTS-TRNフレーム400のCTS部分の時間長フィールド412は、発信デバイスが宛先デバイスと通信しているであろう残りの推定時間長の指示を提供する。または、言い換えると、時間長フィールド412は、発信デバイスと宛先デバイスとの間に通信をもたらすために通信媒体が使用されるであろう残りの時間長の推定値を指定する。具体的には、時間長フィールド412は、CTSフレームおよびCTSフレームの直前のSIFSの累積の時間長を含まないということを除き、RTS-TRNフレーム300のRTS部分の時間長フィールド312において示される時間長を含む。より具体的には、この時間長は、(1)CTSフレームの送信の終わりと1つまたは複数のデータフレームの送信の始まりとの間のSIFSの時間長、(2)1つまたは複数のデータフレームの時間長、(3)1つまたは複数のデータフレームの送信の終わりとACKフレームの送信の始まりとの間の別のSIFSの時間長、および(4)ACKフレームの時間長という累積の時間長を含み得る。
【0076】
CTS-TRNフレーム400のCTS部分の受信機アドレスフィールド414は、発信デバイスのアドレス(たとえば、MACアドレス)を示す。CTS-TRNフレーム400のCTS部分のフレームチェックシーケンスフィールド418は、CTS-TRNフレーム400のCTS部分を介して送信される情報の少なくともいくつかの有効性を受信デバイスが決定することを可能にする値を含む。
【0077】
前に論じられたように、制御トレーラ420は、ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つを含む。CTS-TRNフレーム400を受信する近隣のデバイスは、たとえば、式1~4のうちの適切な1つを使用することによって、CTS-TRNフレーム400の受信された電力レベル、情報ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの1つまたは複数、提案される送信電力、および提案されるアンテナの固有の相互性係数に基づいて、宛先デバイスにおける潜在的な干渉を推定し得る。近隣のデバイスは、CTS-TRNフレーム400の時間長フィールド412の中の情報に基づいて、提案される後続の送信が発信デバイスと宛先デバイスとの間の通信セッションと同時である場合、潜在的な干渉推定を実行することができる。
【0078】
同様に、宛先デバイスにおける推定される潜在的な干渉が大きすぎる(たとえば、閾値以上である)場合、近隣のデバイスは、前に論じられたように宛先デバイスにおける潜在的な干渉を除去または低減するために、任意の数の応答する行動を実行することができる。たとえば、応答する行動は、宛先デバイスにおける潜在的な干渉を除去するために信号の送信を取り止めること、宛先デバイスにおける潜在的な干渉を低減するために信号を送信するための異なる送信セクタを選ぶこと、または、送信電力の低減がそれでも標的デバイスとの通信に適切である場合に(やはり宛先デバイスにおける潜在的な干渉を低減するために)送信電力を低減することを含み得る。
【0079】
図5は、本開示の別の態様による例示的なACKフレーム500の図を示す。ACKフレーム500は、IEEE 802.11プロトコルによって標準的なACKフレームとして構成され得る。前に論じられたように、宛先デバイスは、発信デバイスから1つまたは複数のデータフレームを受信することに成功したことに応答して、ACKフレーム500を発信デバイスに送信する。
【0080】
具体的には、ACKフレーム500は、フレーム制御フィールド510、時間長フィールド512、受信機アドレスフィールド514、およびフレームチェックシーケンスフィールド518を含む。ACKフレーム500のフレーム制御フィールド510は、それぞれ、RTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400のフレーム制御フィールドと基本的に同じサブフィールドを含む。フレーム制御フィールド510のサブフィールドは、RTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400のそれぞれフレーム制御フィールド310および410のサブフィールドと同じ値を含み、例外は、フレーム制御フィールド510のサブタイプサブフィールドがACKフレームを示すために1101に設定されるということである。
【0081】
ACKフレーム500の時間長フィールド512は、発信デバイスが宛先デバイスと通信しているであろう残りの推定時間長の指示を提供する。たとえば、発信デバイスからの最後のデータフレームがフレーム制御フィールドのモアフラグメントサブフィールドにおいて0を示す場合、発信デバイスから宛先デバイスへのさらなるデータ送信はない。したがって、そのような場合、ACKフレームが送信されると発信デバイスと宛先デバイスとの間にさらなる通信はないので、時間長フィールド512は0を示す。一方、発信デバイスからの最後のデータフレームがフレーム制御フィールドのモアフラグメントサブフィールドにおいて1を示す場合、発信デバイスから宛先デバイスへのさらなる後続のデータ送信がある。したがって、そのような場合、時間長フィールド512は、発信デバイスおよび宛先デバイスがACKフレームの送信の後、通信しているであろう残りの時間長の推定値を示す。以下で論じられるように、そのような推定時間長は、提案される今後の送信のために発信デバイスにおける潜在的な干渉の推定を近隣のデバイスが実行することが必要であるかを決定するために、近隣のデバイスによって使用され得る。
【0082】
図6図8に関する以下の説明は、前述のMACフレーム、特にRTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400が、近隣デバイスによる送信からの発信デバイスおよび宛先デバイスにおける潜在的な干渉を少なくとも除去すること、または実際の干渉を低減することなどによって、発信デバイスと宛先デバイスとの間の通信を改善するためにどのように使用されるかの例を提供する。
【0083】
図6は、本開示の別の態様による第1の構成における例示的な通信システム600のブロック図を示す。示されるように、通信システム600は、第1のデバイス610、第2のデバイス620、第3のデバイス630、および第4のデバイス640などの、複数のワイヤレスデバイスを含む。この例では、第1のデバイス610は、この例では第2のデバイス620である宛先デバイスへ、1つまたは複数のデータフレームを送信しているであろう発信デバイスの例である。また、この例では、第3のデバイス630は、第1のデバイス610および第2のデバイス620に対する近隣のデバイスの例である。同様に、第4のデバイス640は、第1のデバイス610および第2のデバイス620に対する近隣のデバイスの別の例である。
【0084】
第1のデバイス610、第2のデバイス620、第3のデバイス630、および第4のデバイス640の各々は、複数のアンテナ要素を伴うアンテナを含み、それらのデバイスの各々が無指向性の方式および指向性の方式で送信と受信を行うことを可能にする。第1の構成では、第1のデバイス610は、第2のデバイス620に概ね向けられる指向性の送信(DIR-TX)のために自身のアンテナを構成している。第2のデバイス620、第3のデバイス630、および第4のデバイス640は、無指向性の受信(OMNI-RX)のためにそれぞれのアンテナを構成している。
【0085】
第1の構成では、発信デバイスとして動作する第1のデバイス610は、第2のデバイス620のアドレスを示す受信機アドレスフィールド314とともにRTS-TRNフレーム300を送信する。この例では、第2のデバイス620、第3のデバイス630、および第4のデバイス640は、RTS-TRNフレーム300を受信するのに第1のデバイス610に対して十分近い。第2のデバイス620は、RTS-TRNフレーム300の中の受信機アドレスフィールド314の中の情報に基づいて、自身が宛先デバイスであると決定する。同様に、第3のデバイス630および第4のデバイス640は、RTS-TRNフレーム300の中の受信機アドレスフィールド314の中の情報に基づいて、自身が意図されたデバイスではない(しかし、第1のデバイス610の近隣のデバイスにすぎない)と決定する。
【0086】
第1のデバイス610に対する近隣のデバイスとして、第3のデバイス630と第4のデバイス640はともに、RTS-TRNフレーム300の時間長フィールド312および制御トレーラ320の中の情報のうちの1つまたは複数を受信して記憶する。論じられるように、制御トレーラ320の中の情報は、干渉感度係数(ISF)、送信電力Pt、または第1のデバイス610によるRTS-TRNフレーム300の送信と関連付けられる相互性係数(Gr-Gt)のうちの少なくとも1つを含む。第3のデバイス630および第4のデバイス640はまた、それぞれの受信機の入力におけるRTS-TRNフレーム300の電力レベルを測定し記憶する。記憶された情報は、RTS-TRNフレーム300の時間長フィールド312の中の情報に基づいて第1のデバイス610における潜在的な干渉を第3のデバイス630および/または第4のデバイス640が推定する必要があるかどうかを決定し、必要である場合、RTS-TRNフレーム300の制御トレーラ320の中の情報(ISF、Pt、および/またはGr-Gt)と、第3のデバイス630と第4のデバイス640との間の提案される送信方式とに基づいて、第1のデバイス610における潜在的な干渉を推定するために、今後使用され得る。
【0087】
図7は、本開示の別の態様による第2の構成における例示的な通信システム700のブロック図を示す。第2の構成において、第2のデバイス720は、自身が宛先デバイスであると決定しており、それに応答して、受信されたRTS-TRN300のビームトレーニングシーケンスフィールド322の中のビームトレーニングシーケンスを任意選択で使用して、第1のデバイス710に実質的に向けられる指向性の送信のために自身のアンテナを構成する。すなわち、第2のデバイス720のアンテナは、主要なローブ(たとえば、最も利得の高いローブ)が第1のデバイス710へ実質的に向けられ、主要ではないローブ(たとえば、主要なローブより低い別個の利得を有するローブ)が他の方向に向けられる(たとえば、第1のデバイス710に向けられない)、アンテナ放射パターンを生成するように構成され得る。この例では、主要ではないローブは、それぞれ概ね第3のデバイス730および第4のデバイス740に向けられている。
【0088】
第2の構成では、第2のデバイス720は、第1のデバイス710へ実質的に向けられた指向性の送信のために自身のアンテナが任意選択で構成された状態で、CTS-TRNフレーム400を送信する。この例では、第1のデバイス710はCTS-TRNフレーム400を受信する。また、この例によれば、第3のデバイス730および第4のデバイス740はともに、CTS-TRNフレーム400を受信する。第3のデバイス730および第4のデバイス740は、CTS-TRNフレーム400の中の受信機アドレスフィールド414の中の情報に基づいて、自身が意図されたデバイスではない(しかし、第2のデバイス720の近隣のデバイスにすぎない)と決定する。
【0089】
第2のデバイス720に対する近隣のデバイスとして、第3のデバイス730と第4のデバイス740はともに、CTS-TRNフレーム400の時間長フィールド412および制御トレーラ420の中の情報のうちの1つまたは複数を受信して記憶する。論じられるように、制御トレーラ420の中の情報は、干渉感度係数(ISF)、送信電力Pt、または第2のデバイス720によるCTS-TRNフレーム400の送信と関連付けられる相互性係数(Gr-Gt)のうちの少なくとも1つを含む。第3のデバイス730および第4のデバイス740はまた、それぞれの受信機の入力におけるCTS-TRNフレーム400の電力レベルを測定し記憶する。記憶された情報は、CTS-TRNフレーム400の時間長フィールド412の中の情報に基づいて第2のデバイス720における潜在的な干渉を第3のデバイス730および/または第4のデバイス740が推定する必要があるかどうかを決定し、必要である場合、CTS-TRNフレーム400の制御トレーラ420の中の情報(ISF、Pt、および/またはGr-Gt)と、第3のデバイス730と第4のデバイス740との間の提案される送信方式とに基づいて、第2のデバイス720における潜在的な干渉を推定するために、今後使用され得る。
【0090】
干渉情報は、CTS-TRNフレーム400および/またはRTS-TRNフレーム300を介してクラスを使用して送信および受信され得る。一実施形態では、クラスはフレームのあるフィールドの中の1つまたは複数のビットを含み得る。別の実施形態では、クラスはフレームの中のフィールドの配置によって定義され得る。クラスはデバイスにおける実際の干渉を特定し得る。クラスを受信する別のデバイスは、他のデバイスに記憶されているルックアップテーブルを使用することによって、または、メモリ、たとえば集中データベースもしくはクラウドデータベースに記憶されている値と受信されたクラスを比較することによって、実際の干渉を決定することができる。
【0091】
図8は、本開示の別の態様による第3の構成における例示的な通信システム800のブロック図を示す。第3の構成において、第1のデバイス810は、CTS-TRNフレーム400の受信機アドレスフィールド414において示されるアドレスに基づいて、自身がCTS-TRNフレーム400の意図される受信デバイスであると決定する。CTS-TRNフレーム400の意図される受信デバイスであると決定したことに応答して、第1のデバイス810は、受信されたCTS-TRNフレーム400のビームトレーニングシーケンスフィールド422の中のビームトレーニングシーケンスを任意選択で使用して、第2のデバイス820に実質的に向けられる指向性の送信のために自身のアンテナを構成することができる。すなわち、第1のデバイス810のアンテナは、主要なローブ(たとえば、最も利得の高いローブ)が第2のデバイス820に実質的に向けられ、主要ではないローブが他の方向に向けられた、アンテナ放射パターンを生成するように構成される。
【0092】
また、第3の構成では、第2のデバイス820は第1のデバイス810に向けられた指向性の受信(たとえば、主要なアンテナ放射ローブ)のために自身のアンテナを任意選択で構成していることがあり、それは、第2のデバイス820が、以前に受信したRTS-TRNフレーム300のビームトレーニングシーケンスフィールド322の中のビームトレーニングシーケンスに基づいて、第1のデバイス810への方向をすでに知っているからである。したがって、第1のデバイス810のアンテナが第2のデバイス820への指向性の送信のために構成され、第2のデバイス820のアンテナが第1のデバイス810からの指向性の受信のために構成される間、第1のデバイス810は第2のデバイス820に1つまたは複数のデータフレームを送信する。
【0093】
第1のデバイス810が第2のデバイス820と通信している間、第3のデバイス830は、第4のデバイス840と通信する(たとえば、RTSフレームを第4のデバイス840に送信する)ことが必要であると決定する。それに応答して、第3のデバイス830は、信号(たとえば、RTSフレーム)を第4のデバイス840に送信するための提案される送信方式を決定する。提案される送信方式は、提案される送信電力Ptと、相互性係数Gt-Grによって特徴付けられ得る提案されるアンテナ放射パターンとを含み得る。次いで、第3のデバイス830は、それぞれRTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400の中の時間長フィールド312および412の一方または両方の中の情報に基づいて、第1のデバイス810が第2のデバイス820と現在通信しているかどうかを決定する。時間長フィールド312および412の一方または両方に基づいて第1のデバイス810が第2のデバイス820ともはや通信していないと第3のデバイス830が決定する場合、第3のデバイス830は、提案される送信方式に従って信号(たとえば、RTSフレーム)を第4のデバイス840に送信することに進む(proceed with)。
【0094】
一方、第1のデバイス810がまだ第2のデバイス820と通信していると第3のデバイス830が決定する場合、第3のデバイス830は、第3のデバイスが提案される送信方式に従って信号を第4のデバイス840に送信する場合に生じるであろう、第1のデバイス810および第2のデバイス820におけるそれぞれの潜在的な干渉を推定する。第3のデバイス830は、式1~4のうちの適切な1つ、第1のデバイス810から受信されたRTS-TRNフレーム300の制御トレーラ320の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gt)、第3のデバイス830の受信機の入力におけるRTS-TRNフレーム300の電力レベル、ならびに提案される送信方式の送信電力および相互性係数を使用して、第1のデバイス810における潜在的な干渉を推定することができる。同様に、第3のデバイス830は、式1~4のうちの適切な1つ、第2のデバイス820から受信されたCTS-TRNフレーム400の制御トレーラ420の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gt)、第3のデバイス830の受信機の入力におけるCTS-TRNフレーム400の電力レベル、ならびに提案される送信方式の送信電力および相互性係数を使用して、第2のデバイス820における潜在的な干渉を推定することができる。
【0095】
第1のデバイス810と第2のデバイス820の両方におけるそれぞれの潜在的な干渉の推定が閾値未満である(または閾値に等しい)と第3のデバイス830が決定する場合(このとき、それぞれの干渉が第1のデバイス810と第2のデバイス820との間の通信に重大な影響を与えない)、第3のデバイス830は、提案される送信方式に従って信号(たとえば、RTSフレーム)を第4のデバイス840へ送信することに進む。
【0096】
一方、第1のデバイス810と第2のデバイス820のいずれかまたは両方における推定される潜在的な干渉が閾値以上であると第3のデバイス830が決定する場合(このとき、それぞれの干渉が第1のデバイス810と第2のデバイス820との間の通信に重大な影響を与える)、第3のデバイス830は、第1のデバイス810および第2のデバイス820における干渉を除去または低減するために特定の行動を実行することができる。
【0097】
たとえば、第3のデバイス830は、第4のデバイス840への信号(たとえば、RTSフレーム)の送信を取り止めると決定し得る。第3のデバイス830は、それぞれRTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400の中の時間長フィールド312および412のうちの1つまたは複数に基づいて第1のデバイス810および第2のデバイス820が互いに通信するのを止めるまで、送信を取り止めることができる。したがって、第1のデバイス810および第2のデバイス820が通信を止めた後で、第3のデバイス830は、提案される送信方式に従って信号(たとえば、RTSフレーム)を第4のデバイス840に送信することができる。
【0098】
代わりに、第3のデバイス830は、第1のデバイス810と第2のデバイス820の一方または両方における干渉を低減するように、提案される送信方式に従って送信セクタを変更すると決定し得る。たとえば、第3のデバイス830は、提案される送信方式に従って、第4のデバイス840への信号(たとえば、RTSフレーム)の送信のためにセクタ「0」を選択していることがある。しかしながら、第2のデバイス820における推定される潜在的な干渉が閾値以上であることにより、第3のデバイス830は信号の送信のためにセクタ「7」を選択すると決定することがある。そのような場合、セクタ「7」を介した信号の送信は、閾値未満である(または閾値に等しい)、第1のデバイス810と第2のデバイス820の両方における推定される潜在的な干渉をもたらす。この例では、第1のデバイス810における元の推定される干渉はすでに、閾値未満である(または閾値に等しい)ことがあるので、「0」から「7」への送信セクタの変更は、第1のデバイス810ではなく、第2のデバイス820における推定される干渉によるものである。したがって、第3のデバイス830は、修正された送信方式に従ってセクタ「7」を介して信号(たとえば、RTSフレーム)を第4のデバイス840に送信することに進み得る。
【0099】
提案される送信方式を修正することの別の例として、第3のデバイス830は、提案される送信方式の送信電力を低減して、第1のデバイス810と第2のデバイス820の一方または両方における干渉を低減することができる。たとえば、提案される送信方式の送信電力は、閾値以上の、第2のデバイス820における推定される潜在的な干渉をもたらし得る。しかしながら、低減された送信電力の結果として、第2のデバイス820における推定される潜在的な干渉は閾値未満になる(または閾値と等しくなる)。同様に、この例では、第1のデバイス810における推定される潜在的な干渉はすでに、閾値未満である(または閾値に等しい)ことがあるので、送信電力の低減は、第1のデバイス810ではなく、第2のデバイス820における推定される潜在的な干渉によるものである。第3のデバイス830はここで、修正された送信方式の送信電力を用いて、信号(たとえば、RTSフレーム)を第4のデバイス840に送信することに進み得る。
【0100】
第3のデバイス830から信号(たとえば、RTSフレーム)を受信したことに応答して、第4のデバイス840は、応答する信号(たとえば、CTSフレーム)を第3のデバイス830に送信するための提案される送信方式を決定する。同様に、提案される送信方式は、提案される送信電力Ptと、相互性係数Gt-Grによって特徴付けられ得る提案されるアンテナ放射パターンとを含み得る。次いで、第4のデバイス840は、それぞれRTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400の中の時間長フィールド312および412の一方または両方の中の情報に基づいて、第1のデバイス810が第2のデバイス820と現在通信しているかどうかを決定する。時間長フィールド312および412の一方または両方に基づいて第1のデバイス810が第2のデバイス820ともはや通信していないと第4のデバイス840が決定する場合、第4のデバイス840は、提案される送信方式に従って信号(たとえば、CTSフレーム)を第3のデバイス830に送信することに進む。
【0101】
一方、第1のデバイス810がまだ第2のデバイス820と通信していると第4のデバイス840が決定する場合、第4のデバイス840は、第4のデバイス840が提案される送信方式に従って信号を第3のデバイス830に送信する場合に生じるであろう、第1のデバイス810および第2のデバイス820におけるそれぞれの潜在的な干渉を推定する。第4のデバイス840は、式1~4のうちの適切な1つ、第1のデバイス810から受信されたRTS-TRNフレーム300の制御トレーラ320の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gt)、第4のデバイス840の受信機の入力におけるRTS-TRNフレーム300の電力レベル、ならびに提案される送信方式の送信電力および相互性係数を使用して、第1のデバイス810における潜在的な干渉を推定することができる。同様に、第4のデバイス840は、式1~4のうちの適切な1つ、第2のデバイス820から受信されたCTS-TRNフレーム400の制御トレーラ420の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gt)、第4のデバイス840の受信機の入力におけるCTS-TRNフレーム400の電力レベル、ならびに提案される送信方式の送信電力および相互性係数を使用して、第2のデバイス820における潜在的な干渉を推定することができる。
【0102】
第1のデバイス810と第2のデバイス820の両方におけるそれぞれの潜在的な干渉の推定が閾値未満である(または閾値に等しい)と第4のデバイス840が決定する場合(このとき、それぞれの干渉が第1のデバイス810と第2のデバイス820との間の通信に重大な影響を与えない)、第4のデバイス840は、提案される送信方式に従って信号(たとえば、CTSフレーム)を第3のデバイス830へ送信することに進む。
【0103】
一方、第1のデバイス810と第2のデバイス820のいずれかまたは両方における推定される潜在的な干渉が閾値以上であると第4のデバイス840が決定する場合(このとき、それぞれの干渉が第1のデバイス810と第2のデバイス820との間の通信に重大な影響を与える)、第4のデバイス840は、第1のデバイス810および第2のデバイス820における干渉を除去または低減するために特定の行動を実行することができる。
【0104】
たとえば、第4のデバイス840は、第3のデバイス830への信号(たとえば、CTSフレーム)の送信を取り止めると決定し得る。第4のデバイス840は、それぞれRTS-TRNフレーム300およびCTS-TRNフレーム400の中の時間長フィールド312および412のうちの1つまたは複数に基づいて第1のデバイス810および第2のデバイス820が互いに通信するのを止めるまで、送信を取り止めることができる。したがって、第1のデバイス810および第2のデバイス820が通信を止めた後で、第4のデバイス840は、提案される送信方式に従って信号(たとえば、CTSフレーム)を第3のデバイス830に送信することができる。
【0105】
代わりに、第4のデバイス840は、第1のデバイス810と第2のデバイス820の一方または両方における干渉を低減するように、提案される送信方式に従って送信セクタを変更すると決定し得る。たとえば、第4のデバイス840は、提案される送信方式に従って、第3のデバイス830への信号(たとえば、CTSフレーム)の送信のためにセクタ「3」を選択していることがある。しかしながら、第1のデバイス810における推定される潜在的な干渉が閾値以上であることにより、第4のデバイス840は信号の送信のためにセクタ「4」を選択すると決定することがある。そのような場合、セクタ「4」を介した信号の送信は、閾値未満である(または閾値に等しい)、第1のデバイス810と第2のデバイス820の両方における推定される干渉をもたらす。この例では、第2のデバイス820における元の推定される干渉はすでに、閾値未満である(または閾値に等しい)ことがあるので、「3」から「4」への送信セクタの変更は、第2のデバイス820ではなく、第1のデバイス810における推定される干渉によるものである。したがって、第4のデバイス840は、修正された送信方式に従ってセクタ「4」を介して信号(たとえば、CTSフレーム)を第3のデバイス830に送信することに進み得る。
【0106】
提案される送信方式を修正することの別の例として、第4のデバイス840は、提案される送信方式の送信電力を低減して、第1のデバイス810と第2のデバイス820の一方または両方における干渉を低減することができる。たとえば、提案される送信方式の送信電力は、閾値以上の、第1のデバイス810における推定される潜在的な干渉をもたらし得る。しかしながら、低減された送信電力の結果として、第1のデバイス810における推定される干渉は閾値未満になる(または閾値と等しくなる)。同様に、この例では、第2のデバイス820における元の推定される干渉はすでに、閾値未満である(または閾値に等しい)ことがあるので、送信電力の低減は、第2のデバイス820ではなく、第1のデバイス810における推定される干渉によるものである。第4のデバイス840はここで、修正された送信方式の送信電力を介して、信号(たとえば、CTSフレーム)を第3のデバイス830に送信することに進み得る。デバイス610はデバイス710および810に対応し得ることに留意されたい。同様に、デバイス620、630、および640は、それぞれ、デバイス720および820、730および830、ならびに740および840に対応し得る。
【0107】
図9は、本開示のいくつかの態様による別のデバイスとワイヤレスに通信する例示的な方法900の流れ図を示す。方法900は、宛先デバイス、たとえば第2のデバイス(620、720、820)との通信のためにRTS-TRNフレーム300を送信する、第1のデバイス(610、710、810)などの発信デバイスによって実施され得る。
【0108】
方法900は、宛先デバイスに概ね向けられる指向性の方式で送信するために自身のアンテナを構成する発信デバイスを含む(ブロック902)。たとえば、発信デバイスは、以前に宛先デバイスと通信していたこと、または宛先デバイスからの送信を傍受していたことがあり、これにより発信デバイスが宛先デバイスへの方向を推定することが可能になる。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信プロセッサ224または264は、アンテナ放射パターンが宛先デバイスに概ね向けられた主要なローブを用いて生成されるように、それぞれ、アンテナ230a~230nまたは270a~270nのための信号を生成するようにトランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成することができる。よく知られているように、トランシーバ226a~226nまたはトランシーバ266a~266nは、送信プロセッサ224または264によって生成されるそれぞれの信号を別個の相対的な振幅/位相(たとえば、重みとも呼ばれる)を有する異なるローカル発振器信号と混合して、主要なローブを生成するように建設的干渉を生み出し、主要ではないローブを生成するように建設的干渉および破壊的干渉を生み出し、ヌルを生成するように破壊的干渉を生み出す。
【0109】
方法900はさらに、アンテナが宛先デバイスに概ね向けられる指向性の送信のために構成される間、RTS-TRN 300(制御トレーラ320の中のISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つを含む)を生成しアンテナを介して宛先デバイスに送信するステップを備える(ブロック904)。制御トレーラ320の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つ)は、発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定するための近隣の(非宛先)デバイスによって使用され得る情報の例である。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信データプロセッサ220または260は、データソース215または255から受信されたデータに基づいて、RTS-TRNフレーム300のためのデータシンボルを生成する。フレームビルダ222または262は、RTS-TRNフレーム300のRTS部分と関連付けられるデータシンボルおよびビームトレーニングシーケンスフィールド322の中のビームトレーニングシーケンスを含む、RTS-TRNフレーム300を生成する。送信プロセッサ224または264は、宛先デバイスへの送信のためにRTS-TRNフレーム300を出力するためのインターフェースとして活動する。
【0110】
方法900はさらに、アンテナが無指向性の方式で受信するように構成される間、CTS-TRNフレーム400(制御トレーラ420におけるISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つを含む)を宛先デバイスからアンテナを介して受信するステップを備える(ブロック906)。制御トレーラ420の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つ)は、宛先デバイスにおける潜在的な干渉を推定するための近隣の(非宛先)デバイスによって使用され得る情報の例である。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成することができる。
【0111】
方法900はさらに、宛先デバイスから受信されたCTS-TRNフレーム400のビームトレーニングシーケンスフィールド422の中のビームトレーニングシーケンスに基づいて、宛先デバイスへの指向性の送信のためにアンテナを任意選択で構成するステップを備える(ブロック908)。同様に、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信プロセッサ224または264は、アンテナ放射パターンが宛先デバイスに実質的な向けられた主要なローブを用いて生成されるように、それぞれ、アンテナ230a~230nまたは270a~270nのための信号を生成するようにトランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成することができる。
【0112】
方法900はさらに、アンテナが宛先デバイスに向けられる指向性の送信のために構成される間、アンテナを介して1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを生成して宛先デバイスに送信するステップを備える(ブロック910)。同様に、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信データプロセッサ220または260は、データソース215または255から受信されたデータに基づいて、1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームのためのデータシンボルを生成する。フレームビルダ222または262は、1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを生成する。送信プロセッサ224または264は、宛先デバイスへの送信のために1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを出力するためのインターフェースとして活動する。
【0113】
方法900はさらに、アンテナが、無指向性の方式で、または任意選択で宛先デバイスに向けられた指向性の方式で受信するように構成される間、アンテナを介して宛先デバイスから1つまたは複数のACKフレーム、データフレーム、またはACKフレームおよびデータフレームを受信するステップを備える(ブロック912)。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成することができる。代わりに、受信プロセッサ242または282は、宛先デバイスに向けられた指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成するようにトランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成することができる。
【0114】
方法900はさらに、宛先デバイスとの通信が停止すると、無指向性の方式で受信するようにアンテナを再構成するステップを備える(ブロック914)。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成することができる。
【0115】
図10は、本開示のいくつかの態様による別のデバイスとワイヤレスに通信する別の例示的な方法1000の流れ図を示す。方法1000は、第2のデバイス(620、720、820)などの宛先デバイスによって実施されることがあり、宛先デバイスは、第1のデバイス(610、710、810)などの発信デバイスからRTS-TRNフレーム300を受信したことに応答してCTS-TRNフレーム400を送信する。
【0116】
方法1000は、無指向性の方式で信号を受信するためにアンテナを構成するステップを備える(ブロック1002)。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成することができる。
【0117】
方法1000はさらに、アンテナが無指向性の方式で受信するように構成される間、RTS-TRNフレーム300(制御トレーラ320におけるISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つを含む)を発信デバイスから受信するステップを備える(ブロック1004)。制御トレーラ320の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つ)は、発信デバイスにおける潜在的な干渉を推定するための近隣の(非宛先)デバイスによって使用され得る情報の例である。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282、コントローラ234または274、および受信データプロセッサ244または284は、それぞれ、受信されたRTS-TRNフレーム300を処理してRTS-TRNフレーム300からデータを抽出するように、一緒に動作する。データは、発信デバイスの識別情報(たとえば、RTS-TRNフレーム300の送信機アドレスフィールド316の中のデータに基づく)、発信デバイスが宛先デバイスと通信することを望むこと(たとえば、フレームがRTSタイプフレームであることを示すフレーム制御フィールド310の中のデータに基づく)、および宛先デバイスがRTS-TRNフレーム300の意図される受信機であること(たとえば、RTS-TRNフレーム300の受信機アドレスフィールド314の中のデータに基づく)を、宛先デバイスに知らせる。
【0118】
方法1000はさらに、受信されたRTS-TRNフレーム300のビームトレーニングシーケンスフィールド322の中のビームトレーニングシーケンスに基づいて、発信デバイスに実質的に向けられた指向性の方式で送信するためにアンテナを任意選択で構成するステップを備える(ブロック1006)。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信プロセッサ224または264は、アンテナ放射パターンが発信デバイスに実質的に向けられた主要なローブを用いて生成されるように、それぞれ、アンテナ230a~230nまたは270a~270nのための信号を生成するようにトランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成することができる。
【0119】
方法1000はさらに、アンテナが発信デバイスに向けられる指向性の送信のために構成される間、CTS-TRNフレーム400(制御トレーラ420の中のISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つを含む)を生成しアンテナを介して発信デバイスに送信するステップを備える(ブロック1008)。制御トレーラ420の中の情報(たとえば、ISF、Pt、またはGr-Gtのうちの少なくとも1つ)は、宛先デバイスにおける潜在的な干渉を推定するための近隣の(非宛先)デバイスによって使用され得る情報の例である。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信データプロセッサ220または260は、データソース215または255から受信されたデータに基づいて、CTS-TRNフレーム400のためのデータシンボルを生成する。フレームビルダ222または262は、CTS-TRNフレーム400のCTS部分と関連付けられるデータシンボルおよびビームトレーニングシーケンスフィールド422の中ビームトレーニングシーケンスを含む、CTS-TRNフレーム400を生成する。送信プロセッサ224または264は、発信デバイスへの送信のためにCTS-TRNフレーム400を出力するためのインターフェースとして活動する。
【0120】
方法1000はさらに、アンテナが、RTS-TRNフレーム300を介して以前に受信されたビームトレーニングシーケンスに基づいて、無指向性の方式で、または任意選択で発信デバイスに実質的に向けられた指向性の方式で受信するように構成される間、アンテナを介して宛先デバイスから1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを受信するステップを備える(ブロック1010)。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成することができる。代わりに、受信プロセッサ242または282は、発信デバイスに向けられた指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成するようにトランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成することができる。さらに、これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282、コントローラ234または274、および受信データプロセッサ244または284は、それぞれ、受信された1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを処理してそれらから情報を抽出するように、一緒に動作する。
【0121】
方法1000はさらに、アンテナが発信デバイスに向けられる指向性の送信のために構成される間、アンテナを介して1つまたは複数のACKフレーム、データフレーム、またはACKフレームおよびデータフレームを生成して発信デバイスに送信するステップを備える(ブロック1012)。同様に、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、送信データプロセッサ220または260は、データソース215または255から受信されたデータに基づいて、1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームのためのデータシンボルを生成する。フレームビルダ222または262は、1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを生成する。送信プロセッサ224または264は、発信デバイスへの送信のために1つまたは複数のデータフレームまたは制御フレームを出力するためのインターフェースとして活動する。
【0122】
方法1000はさらに、発信デバイスとの通信が完了すると、無指向性の方式で受信するようにアンテナを再構成するステップを備える(ブロック1014)。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成することができる。
【0123】
図11は、本開示のいくつかの態様によるワイヤレスデバイスにおける干渉を低減または除去する例示的な方法1100の流れ図を示す。方法1100は、発信デバイスまたは宛先デバイスに対する近隣のデバイスによって実施され得る。たとえば、方法1100は、第3のデバイス(630、730、830)によって選択される提案される送信方式が原因で、第1のデバイス(610、710、810)または第2のデバイス(620、720、820)における干渉を低減または除去するために第3のデバイス(630、730、830)において実施され得る。同様に、方法1100は、第4のデバイス(640、740、840)によって選択される提案される送信方式が原因で、第1のデバイス(610、710、810)または第2のデバイス(620、720、820)における干渉を低減または除去するために第4のデバイス(640、740、840)において実施され得る。
【0124】
方法1100は、近隣のデバイスからRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400を受信するステップを含む(ブロック1102)。RTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400は、無指向性の方式で受信するように構成されるアンテナを介して受信されている可能性がある。これに関して、図2に示されるアクセスポイント110またはアクセス端末120を参照すると、受信プロセッサ242または282は、無指向性の方式で信号を受信するように、それぞれ、トランシーバ226a~226nまたは266a~266nを構成し、アンテナ230a~230nまたは270a~270nを構成した可能性がある。
【0125】
方法1100はさらに、受信機の入力におけるRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400の電力レベルの指示を生成するステップと、時間長フィールド312または412の中の時間長情報、および制御トレーラ320または420の中のISF、Pt、またはGr-Gt情報のうちの少なくとも1つを抽出するためにフレームを処理するステップとを含む(ブロック1104)。これに関して、受信プロセッサ242または282は、1つまたは複数のトランシーバ226a~226nまたは266a~266nの入力においてRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400の累積電力レベルを決定するために、コントローラ234または274と一緒に動作することができる。加えて、受信プロセッサ242または282は、時間長情報およびISF、Pt、またはGr-Gt情報のうちの少なくとも1つをRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400から抽出するために、コントローラ234または274および受信データプロセッサ244または284と一緒に動作することができる。
【0126】
方法1100はさらに、提案される送信方式に基づいてRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400を送信する近隣のデバイスにおける潜在的な干渉を推定する際に後で使用する可能性に備えて、電力レベルの指示、時間長情報、およびISF、Pt、またはGr-Gt情報のうちの少なくとも1つを記憶するステップを含む(ブロック1106)。これに関して、コントローラ234またはコントローラ274は、それぞれ、メモリデバイス236または276に前述の情報を記憶することができる。
【0127】
方法1100はさらに、標的デバイスに信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)を送信するための提案される送信方式(送信電力および相互性係数を含む)を決定するステップを含む(ブロック1108)。これは、たとえば、前に論じられたように、第3のデバイス(630、730、830)がRTSフレームを第4のデバイス(640、740、840)に送信するための提案される送信方式を選択すること、または、第4のデバイス(640、740、840)がCTSフレームを第3のデバイス(630、730、830)に送信するための提案される送信方式を選択することであり得る。これに関して、コントローラ234または274は、標的デバイスへの送信のための送信電力およびアンテナ放射パターンを含む、提案される送信方式を決定することができる。相互性係数は選択されたアンテナ放射パターンに基づく。
【0128】
方法1100はさらに、RTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400を送信した近隣のデバイスが通信しているかどうかを、それぞれ、時間長フィールド312または412の中の時間長情報に基づいて決定するステップを含む(ブロック1110)。これに関して、コントローラ234または274は、近隣のデバイスが通信しているかどうかを決定するために、メモリデバイス236または276からの時間長情報にアクセスすることができる。
【0129】
ブロック1112において、近隣のデバイスが通信していないと決定される場合、方法1100はさらに、提案される送信方式に従って信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)を標的デバイスに送信するステップを含む(ブロック1118)。これに関して、データソース215または255、送信データプロセッサ220または260、フレームビルダ222または262、送信プロセッサ224または264、トランシーバ226a~226nまたは266a~266n、およびアンテナ230a~230nまたは270a~270nは、信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)を標的デバイスに送信するために一緒に動作する。
【0130】
一方、ブロック1112において、近隣デバイスが通信していると決定される場合、方法1100は、ISF、Pt、またはGt-Grのうちの少なくとも1つおよび提案される送信方式に基づいて、(RTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400を送信した)近隣のデバイスにおける潜在的な干渉を推定するステップを含む(ブロック1114)。たとえば、式1~4のいずれかの適切な1つが、近隣のデバイスにおける潜在的な干渉を推定するために使用され得る。これに関して、コントローラ234または274は、RTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400の受信される電力レベルの指示、ISF、Pt、またはGt-Grのうちの少なくとも1つ、ならびに、それぞれのメモリデバイス236または276からの提案される送信方式の送信電力および相互性係数にアクセスし、前述の情報に基づいて推定される送信方式を生成することができる。
【0131】
方法1100はさらに、推定される潜在的な干渉が閾値以上であるかどうかを決定するステップを含む(ブロック1116)。前に論じられたように、推定される潜在的な干渉が閾値以上である場合、提案される送信方式は、受信されたRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400と関連付けられる近隣のデバイスの通信に悪影響を与えることがある。一方、推定される潜在的な干渉が閾値未満である(または閾値に等しい)場合、提案される送信方式は、受信されたRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400と関連付けられる近隣のデバイスの通信に悪影響を与えないことがある。
【0132】
ブロック1116において、推定される潜在的な干渉が閾値未満である(または閾値に等しい)と決定される場合、方法1100はさらに、提案される送信方式に従って信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)を標的デバイスに送信するステップを含む(ブロック1118)。ブロック1118において指定される動作はまた、近隣のデバイスと通信するデバイスに対する推定される潜在的な干渉が閾値未満である(または閾値に等しい)ことを仮定する。これに関して、データソース215または255、送信データプロセッサ220または260、フレームビルダ222または262、送信プロセッサ224または264、トランシーバ226a~226nまたは266a~266n、およびアンテナ230a~230nまたは270a~270nは、信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)を標的デバイスに送信するために一緒に動作する。
【0133】
一方、ブロック1116において、推定される潜在的な干渉が閾値以上である場合、方法1100は、近隣のデバイスにおける潜在的な干渉を除去または低減するための行動を実行するステップを含む(ブロック1120)。たとえば、デバイスは、標的デバイスへの信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)の送信を取り止めると決定し得る。デバイスは、それぞれRTS-TRNフレーム300またはCTS-TRNフレーム400の時間長フィールド312または412の中の時間長情報に基づいて、近隣のデバイスが通信を止めるまで、標的デバイスへの信号の送信を遅らせることができる。
【0134】
代わりに、デバイスは、近隣のデバイスにおける推定される干渉を閾値未満に(または閾値に等しい値まで)減らすように、提案される送信方式を変更することができる。たとえば、デバイスは、推定される干渉を閾値未満に(または閾値に等しい値まで)低減するために、信号(たとえば、RTSフレームまたはCTSフレーム)を送信するための送信セクタを変更することができる。これに関して、コントローラ234または274は、送信セクタを変更するために送信プロセッサ224または264と一緒に動作する。たとえば、デバイスは、推定される干渉を閾値未満に(または閾値に等しい値まで)低減するように、信号を生成するためのアンテナ重みベクトル(AWV:antenna weights vector)および対応する送信電力値を生成することができる。
【0135】
別の例として、デバイスは、近隣のデバイスにおける推定される干渉を閾値未満に(または閾値に等しい値まで)低減するために、提案される送信方式の送信電力を変更して送信電力を低下させることができる。これに関して、コントローラ234または274は、送信電力を変更するために送信プロセッサ224または264と一緒に動作する。
【0136】
図12は、本開示のいくつかの態様による例示的なデバイス1200を示す。デバイス1200は、アクセスポイント(たとえば、アクセスポイント110)またはアクセス端末120(たとえば、アクセス端末120a)で動作し、本明細書で説明される動作のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。デバイス1200は、処理システム1220と、処理システム1220に結合されたメモリデバイス1210とを含む。アクセスポイント110の例では、処理システム1220は、送信データプロセッサ220、フレームビルダ222、送信プロセッサ224、コントローラ234、受信データプロセッサ244、および受信プロセッサ242のうちの1つまたは複数を含み得る。アクセスポイント110の例をさらに参照すると、メモリデバイス1210は、メモリデバイス236およびデータシンク246のうちの1つまたは複数を含み得る。アクセスポイント110の例をさらに参照すると、送信/受信インターフェースは、バスインターフェース、送信データプロセッサ220、送信プロセッサ224、受信データプロセッサ244、受信プロセッサ242、トランシーバ226a~226n、およびアンテナ230a~230nのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0137】
アクセス端末120の例では、処理システム1220は、送信データプロセッサ260、フレームビルダ262、送信プロセッサ264、コントローラ274、受信データプロセッサ284、および受信プロセッサ282のうちの1つまたは複数を含み得る。アクセス端末120の例をさらに参照すると、メモリデバイス1210は、メモリデバイス276およびデータシンク286のうちの1つまたは複数を含み得る。アクセス端末120の例をさらに参照すると、送信/受信インターフェース1230は、バスインターフェース、送信データプロセッサ260、送信プロセッサ264、受信データプロセッサ284、受信プロセッサ282、トランシーバ266a~266n、およびアンテナ270a~270nのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0138】
メモリデバイス1210は、処理システム1220によって実行されると、本明細書で説明される動作のうちの1つまたは複数を処理システム1220に実行させる命令を記憶し得る。処理システム1220の例示的な実装形態が以下に提供される。デバイス1200はまた、送信/受信回路を備え、これらは、本明細書では処理システム1220に結合された送信/受信インターフェース1230とも呼ばれることがある。送信/受信インターフェース1230(たとえば、インターフェースバス)は、以下でさらに論じられるように、処理システム1220を高周波(RF)フロントエンドまたは送信/受信インターフェース1230にインターフェースするように構成され得る。
【0139】
いくつかの態様では、処理システム1220は、本明細書で説明される動作のうちの1つもしくは複数を実行するための、送信データプロセッサ(たとえば、送信データプロセッサ220または260)、フレームビルダ(たとえば、フレームビルダ222または262)、送信プロセッサ(たとえば、送信プロセッサ224または264)、および/またはコントローラ(たとえば、コントローラ234または274)のうちの1つまたは複数を含み得る。これらの態様では、処理システム1220は、フレームを生成し、(たとえば、アクセスポイント110またはアクセス端末120への)ワイヤレス送信のためにRFフロントエンドにフレームを出力し得る。
【0140】
いくつかの態様では、処理システム1220は、本明細書で説明される動作のうちの1つまたは複数を実行するために、受信プロセッサ(たとえば、受信プロセッサ242または282)、受信データプロセッサ(たとえば、受信データプロセッサ244または284)、および/またはコントローラ(たとえば、コントローラ234および274)のうちの1つまたは複数を含み得る。これらの態様では、処理システム1220は、RFフロントエンドからフレームを受信し、上で論じられた態様のいずれか1つまたは複数に従ってフレームを処理し得る。
【0141】
アクセス端末120の場合、デバイス1200は、処理システム1220に結合されたユーザインターフェース1240を含み得る。ユーザインターフェース1240は、ユーザから(たとえば、キーパッド、マウス、ジョイスティックなどを介して)データを受信し、データを処理システム1220に提供するように構成され得る。ユーザインターフェース1240はまた、処理システム1220からユーザに(たとえば、ディスプレイ、スピーカーなどを介して)データを出力するように構成され得る。この場合、データは、ユーザに出力される前に追加の処理を受けることがある。アクセスポイント110の場合、ユーザインターフェース1240は省略されることがある。
【0142】
図13は、本開示のいくつかの態様による潜在的な干渉を決定するための例示的な方法1300を示す。方法1300は、発信デバイスまたは宛先デバイスに対する近隣のデバイスによって実施され得る。たとえば、方法1300は、第3のデバイス(630、730、830)によって選択される提案される送信方式が原因で、第1のデバイス(610、710、810)または第2のデバイス(620、720、820)における干渉を低減または除去するために第3のデバイス(630、730、830)において実施され得る。同様に、方法1300は、第4のデバイス(640、740、840)によって選択される提案される送信方式が原因で、第1のデバイス(610、710、810)または第2のデバイス(620、720、820)における干渉を低減または除去するために第4のデバイス(640、740、840)において実施され得る。
【0143】
方法は、少なくとも1つの第1のワイヤレスノードが装置における潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するステップであって、装置がその少なくとも1つのフレームを送信するように構成される、ステップ(ブロック1302)と、それに続く、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードへの送信のために少なくとも1つのフレームを出力するステップ(ブロック1304)とを含む。
【0144】
図14は、図13の例示的な方法に対応するワイヤレス通信のための装置1400を示す。ワイヤレス通信のための装置1400は、少なくとも1つの第1のワイヤレスノードが装置における潜在的な干渉を推定することが可能となる情報を含む少なくとも1つのフレームを生成するための手段1402であって、装置がその少なくとも1つのフレームを送信するように構成される、手段を含み得る。たとえば、この情報は、潜在的な干渉を示す1つまたは複数のフィールドの中の1つまたは複数の追加のビットを含み得る。別の例では、フレームのサイズおよびフィールド構成は、潜在的な干渉を示すものであり得る。
【0145】
ワイヤレス通信のための装置1400は、少なくとも1つの第2のワイヤレスノードへの送信のために少なくとも1つのフレームを出力するように構成される、生成するための手段1402に結合される出力するための手段1404を含み得る。たとえば、生成するための手段1402、たとえば処理システム1220は、出力するための手段1404、たとえば送信/受信インターフェース1230への送信のために少なくとも1つのフレームを通信し得る。出力するための手段1404は、ワイヤレス通信のために少なくとも1つのフレームを別の装置に通信し得る。
【0146】
図15は、本開示のいくつかの態様による潜在的な干渉に基づいて通信動作を実行するための例示的な方法1500を示す。方法1500は、発信デバイスまたは宛先デバイスに対する近隣のデバイスによって実施され得る。たとえば、方法1500は、第3のデバイス(630、730、830)によって選択される提案される送信方式が原因で、第1のデバイス(610、710、810)または第2のデバイス(620、720、820)における干渉を低減または除去するために第3のデバイス(630、730、830)において実施され得る。同様に、方法1500は、第4のデバイス(640、740、840)によって選択される提案される送信方式が原因で、第1のデバイス(610、710、810)または第2のデバイス(620、720、820)における干渉を低減または除去するために第4のデバイス(640、740、840)において実施され得る。
【0147】
方法は、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するステップ(ブロック1502)と、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するステップ(ブロック1504)と、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するステップ(ブロック1506)とを含む。
【0148】
図16は、図15の例示的な方法に対応するワイヤレス通信のための装置1600を示す。ワイヤレス通信のための装置1600は、第1のワイヤレスノードから少なくとも1つの第1のフレームを受信するための手段1602を含み得る。たとえば、少なくとも1つの第1のフレームを受信するための手段は、アクセスポイント110および/またはアクセス端末120とのワイヤレス通信を介して第1のフレームを受信し得る、送信/受信インターフェース1230を含み得る。
【0149】
ワイヤレス通信のための装置1600は、少なくとも1つの第1のフレームの中の情報と、少なくとも1つの第2のフレームを第2のワイヤレスノードに送信するための提案される送信方式とに基づいて、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するための手段1604を含み得る。たとえば、推定するための手段1604は、処理システム1220およびメモリデバイス1210を含み得る。潜在的な干渉の推定は、少なくとも1つの第1のフレームにおいて提供される情報(たとえば、識別子データ、またはフレームのRTS/CTS部分の任意の他の部分)と関連付けられる既知の値に基づく推定を含み得る。
【0150】
ワイヤレス通信のための装置1600は、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するための手段1606を含み得る。たとえば、実行するための手段は、処理システム1220、メモリデバイス1210、および/または送信/受信インターフェース1230を含み得る。動作の実行は、送信/受信インターフェース1230を介して、特定のノードにおける干渉または潜在的な干渉と関連付けられるデータを送信することを含み得る。
【0151】
ワイヤレス通信のための装置1600は、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するための手段1606を含み得る。
【0152】
上で説明された方法の様々な動作は、対応する機能を実行することが可能な任意の好適な手段によって実行され得る。手段は、限定はされないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含む、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素および/またはモジュールを含み得る。一般に、図に示される動作がある場合、それらの動作は、同様の番号を付された対応する相対物のミーンズプラスファンクション構成要素を有し得る。たとえば、図13および図15に示される動作1300および1500は、図14および図16に示される手段1400および1600に対応する。
【0153】
たとえば、コントローラ(234および274)および処理システム1220は各々、それぞれのアンテナに結合された複数のRF受信機チェーンのサブセットを、無指向性の方式で受信するように構成するための手段の例である。コントローラ(234および274)、受信プロセッサ(242および282)、受信データプロセッサ(244および284)、ならびに処理システム1220は各々、RF受信機チェーンのサブセットが無指向性の方式で受信するように構成される間、サブセットを介して受信された少なくとも1つの信号の第1のエネルギーレベルを決定するための手段の例である。コントローラ(234および274)、受信プロセッサ(242および282)、受信データプロセッサ(244および284)、ならびに処理システム1220は各々、第1のエネルギーレベルに基づいて、標的デバイスから指向的に受信するように複数のRF受信機チェーンを構成するための手段の例である。コントローラ(234および274)、受信プロセッサ(242および282)、受信データプロセッサ(244および284)、ならびに処理システム1220は各々、RF受信機チェーンが標的デバイスから指向的に受信するように構成される間、RF受信機チェーンを介して受信された少なくとも1つの信号の第2のエネルギーレベルを決定するための手段の例である。コントローラ(234および274)ならびに処理システム1220は各々、第2のエネルギーレベルに基づいて、少なくとも1つの信号からデータを生成するための手段の例である。
【0154】
処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、送信要求(RTS)部分および第1のビームトレーニングシーケンスを含む第1のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、デバイスへの送信のために第1のフレームを出力するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、指向性の方式で第1のフレームを送信するようにアンテナを構成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、デバイスに実質的に向けられた主要なローブを有するアンテナ放射パターンを用いて第1のフレームを送信するようにアンテナを構成するための手段の例である。
【0155】
処理システム1220、トランシーバ226a~226nおよび266a~266n、ならびの受信プロセッサ242および282は各々、第1のフレームを送信したことに応答してデバイスから第2のフレームを受信するための手段の例であり、第2のフレームは送信許可(CTS)部分および第2のビームトレーニングシーケンスを備える。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、第2のフレームを受信したことに応答して1つまたは複数のデータフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、デバイスへの送信のために1つまたは複数のデータフレームを出力するための手段の例である。
【0156】
送信/受信インターフェース1230ならびにトランシーバ226a~226n、266a~266nは各々、第2のビームトレーニングシーケンスに基づいて、デバイスに実質的に向けられた主要なローブを有するアンテナ送信放射パターンを用いて1つまたは複数のデータフレームを送信するようにアンテナを構成するための手段の例である。処理システム1220、トランシーバ226a~226nおよび266a~266n、ならびに受信プロセッサ(242および282)は各々、1つまたは複数のデータフレームを送信したことに応答して、デバイスから1つまたは複数の肯定応答(ACK)フレームを受信するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、第2のビームトレーニングシーケンスに基づいて、デバイスに実質的に向けられた主要なローブを有するアンテナ放射パターンを用いて1つまたは複数のACKフレーム500を受信するようにアンテナを構成するための手段の例である。
【0157】
処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、送信許可(CTS)部分および第1のビームトレーニングシーケンスを含む第1のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、デバイスへの送信のために第1のフレームを出力するための手段の例である。処理システム1220、コントローラ(234および274)、ならびにフレームビルダ(222および262)は各々、デバイスから送信要求(RTS)フレームを受信したことに応答して、第1のフレームを生成するための手段の例である。
【0158】
送信/受信インターフェース1230ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、無指向性の方式でRTSフレームを受信するようにアンテナを構成するための手段の例である。処理システム1220、コントローラ(234および274)、ならびにフレームビルダ(222および262)は各々、送信要求(RTS)部分および第2のビームトレーニングシーケンスを備える第2のフレームを受信したことに応答して、第1のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびに、トランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、第1のフレームを送信したことに応答して、デバイスから1つまたは複数のデータフレームを受信するための手段の例である。
【0159】
送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、RTS部分および第2のビームトレーニングシーケンスを備える第2のフレームに基づいて、デバイスに実質的に向けられた主要なローブを有するアンテナ放射パターンを用いて1つまたは複数のデータフレームを受信するようにアンテナを構成するための手段の例である。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、1つまたは複数のデータフレームを受信したことに応答して1つまたは複数の肯定応答(ACK)フレーム500を生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、デバイスへの送信のために1つまたは複数のACKフレーム500を出力するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、RTS部分および第2のビームトレーニングシーケンスを備える第2のフレームに基づいて、デバイスに実質的に向けられた主要なローブを有するアンテナ放射パターンを用いて1つまたは複数のACKフレーム500を送信するようにアンテナを構成するための手段の例である。
【0160】
処理システム1220および受信プロセッサ(242および282)は各々、第1の送信要求(RTS)部分および第1のビームトレーニングシーケンスを備える第1のフレームを第1のデバイス(610、710、810)から受信するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびに、トランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、第1のビームトレーニングシーケンスに基づいて第1の構成でアンテナを構成するための手段の例である。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、第2のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、アンテナが第1の構成で構成される間にアンテナを介して第2のデバイス(620、720、820)への送信のために第2のフレームを出力するための手段の例である。
【0161】
処理システム1220およびコントローラ(234および274)は各々、第1のデバイス(610、710、810)が第1のフレームの第1のRTS部分に基づいて第3のデバイス(630、730、830)と通信しているであろう時間長を決定するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、その時間長に基づいて第1のデバイス(610、710、810)が第3のデバイス(630、730、830)ともはや通信していないと決定したことに応答して、第2の構成でアンテナを再構成するための手段の例である。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、第3のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、アンテナが第2の構成で構成される間にアンテナを介して第2のデバイス(620、720、820)への送信のために第3のフレームを出力するための手段の例である。
【0162】
処理システム1220および受信プロセッサ(242および282)は各々、送信許可(CTS)部分および第2のビームトレーニングシーケンスを含む第3のフレームを第3のデバイス(630、730、830)から受信するための手段の例である。処理システム1220およびコントローラ(234および274)は各々、第1のデバイス(610、710、810)が第1のフレームの第1のRTS部分または第3のフレームのCTS部分のうちの少なくとも1つに基づいて第3のデバイス(630、730、830)と通信しているであろう時間長を決定するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、その時間長に基づいて第1のデバイス(610、710、810)が第3のデバイス(630、730、830)ともはや通信していないと決定したことに応答して、第2の構成でアンテナを再構成するための手段の例である。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、第3のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、アンテナが第2の構成で構成される間にアンテナを介して第2のデバイス(620、720、820)への送信のために第3のフレームを出力するための手段の例である。
【0163】
処理システム1220および受信プロセッサ(242および282)は各々、第1の送信許可(CTS)部分および第1のビームトレーニングシーケンスを備える第1のフレームを第1のデバイス(610、710、810)から受信するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびに、トランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、第1のビームトレーニングシーケンスに基づいて第1の構成でアンテナを構成するための手段の例である。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、第2のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、アンテナが第1の構成で構成される間にアンテナを介して第2のデバイス(620、720、820)への送信のために第2のフレームを出力するための手段の例である。
【0164】
処理システム1220およびコントローラ(234および274)は各々、第1のデバイス(610、710、810)が第1のフレームの第1のCTS部分に基づいて第3のデバイス(630、730、830)と通信しているであろう時間長を決定するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230、コントローラ(234および274)、ならびにトランシーバ226a~226nおよび266a~266nは各々、その時間長に基づいて第1のデバイス(610、710、810)が第3のデバイス(630、730、830)ともはや通信していないと決定したことに応答して、第2の構成でアンテナを再構成するための手段の例である。処理システム1220およびフレームビルダ(222および262)は各々、第3のフレームを生成するための手段の例である。送信/受信インターフェース1230および送信プロセッサ(224および264)は各々、アンテナが第2の構成で構成される間にアンテナを介して第2のデバイス(620、720、820)への送信のために第3のフレームを出力するための手段の例である。
【0165】
場合によっては、デバイスは、実際にフレームを送信するのではなく、送信のためにフレームを出力するインターフェース(出力するための手段)を有し得る。たとえば、処理システム1220は、バスインターフェースを介して、送信/受信インターフェース1230と本明細書では別様に呼ばれるRFフロントエンドに、フレームを送信のために出力することができる。同様に、デバイスは、実際にフレームを受信するのではなく、別のデバイスから受信されたフレームを取得するためのインターフェース(取得するための手段)を有し得る。たとえば、プロセッサは、バスインターフェースを介して、受信のためにRFフロントエンドからフレームを取得(または、受信)し得る。
【0166】
処理システム1220ならびに送信プロセッサ(224および264)およびコントローラ(234および274)のうちの1つまたは複数は各々、送信電力を変更することによって提案される送信方式を修正するための手段の例である。いくつかの態様では、処理システム1220、送信データプロセッサ(220および260)、フレームビルダ(222および262)、送信プロセッサ(224または264)、ならびに/またはコントローラ(234および274)は各々、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するための手段の例である。他の態様では、処理システム1220、受信プロセッサ(242および282)、受信データプロセッサ(244または284)、ならびに/またはコントローラ(234および274)は、推定される潜在的な干渉に基づいて動作を実行するための手段の例である。処理システム1220ならびに送信プロセッサ(224および264)およびコントローラ(234および274)のうちの1つまたは複数は各々、第1のワイヤレスノードにおける潜在的な干渉を推定するための手段の例である。
【0167】
本明細書で使用される「決定すること」という用語は、幅広い様々な活動を包含する。たとえば、「決定すること」は、算出すること、計算すること、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(たとえば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受信すること(たとえば、情報を受信すること)、アクセスすること(たとえば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。
【0168】
本明細書で使用される、項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素を有する任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、または任意の他の順序のa、b、およびc)を包含するものとする。
【0169】
本開示に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、または、本明細書で説明された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて、実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成、として実装されてもよい。
【0170】
本開示に関して説明される方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこれら2つの組合せにおいて具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、当技術分野で知られている任意の形態の記憶媒体の中に存在し得る。使用され得る記憶媒体のいくつかの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMなどがある。ソフトウェアモジュールは、単一の命令または多くの命令を備えることがあり、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、また複数の記憶媒体にわたって、分散されることがある。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取るとともに記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。
【0171】
本明細書で開示される方法は、説明された方法を実現するための1つまたは複数のステップまたは活動を備える。方法ステップおよび/または活動は、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに入れ替えられ得る。言い換えれば、ステップまたは活動の特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/または活動の順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0172】
説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ハードウェアとして実装される場合、例示的なハードウェア構成は、ワイヤレスノードの中の処理システムを備え得る。処理システムは、バスアーキテクチャを用いて実装され得る。バスは、処理システムの特定の用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バスは、プロセッサ、機械可読媒体、およびバスインターフェースを含む、様々な回路を互いにつなぎ得る。バスインターフェースは、とりわけ、バスを介してネットワークアダプタを処理システムに接続するために使用され得る。ネットワークアダプタは、物理(PHY)層の信号処理機能を実装するために使用され得る。アクセス端末120(たとえば、図1図2、および図12参照)の場合、ユーザインターフェース(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなど)も、バスインターフェースに接続され得る。バスはまた、タイミングソース、周辺装置、電圧調整器、電力管理回路などの、様々な他の回路をつなぐことがあり、それらの回路は、当技術分野でよく知られているので、これ以上説明されない。
【0173】
プロセッサは、バスを管理することと、機械可読媒体に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理とを担い得る。プロセッサは、1つまたは複数の汎用および/または専用プロセッサを用いて実装され得る。例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、およびソフトウェアを実行することができる他の回路がある。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、または他の名称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、データ、またはそれらの任意の組合せを意味するように広く解釈されるべきである。機械可読媒体は、例として、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、もしくは任意の他の適切な記憶媒体、またはそれらの任意の組合せを含み得る。機械可読媒体は、コンピュータプログラム製品において具現化され得る。コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を備え得る。
【0174】
ハードウェア実装形態では、機械可読媒体は、プロセッサとは別個の処理システムの一部であり得る。しかしながら、当業者が容易に諒解するように、機械可読媒体またはその任意の部分は、処理システムの外部にあってもよい。例として、機械可読媒体は、伝送線路、データによって変調された搬送波、および/またはワイヤレスノードとは別個のコンピュータ製品を含むことがあり、それらのすべてが、バスインターフェースを介してプロセッサによってアクセスされ得る。代わりに、または加えて、機械可読媒体またはその任意の部分は、キャッシュおよび/または汎用レジスタファイルがそうであり得るように、プロセッサに統合されてもよい。
【0175】
処理システムは、すべてが外部バスアーキテクチャを介して他のサポート回路と一緒につながれる、プロセッサ機能を提供する1つまたは複数のマイクロプロセッサと、機械可読媒体の少なくとも一部分を提供する外部メモリとを有する汎用処理システムとして構成され得る。代わりに、処理システムは、プロセッサを有するASIC(特定用途向け集積回路)、バスインターフェース、ユーザインターフェース(アクセス端末の場合)、サポート回路、および単一のチップに統合された機械可読媒体の少なくとも一部分を用いて、あるいは1つまたは複数のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、コントローラ、状態機械、ゲート論理、ディスクリートハードウェア構成要素、もしくは任意の他の好適な回路、または本開示全体にわたって説明された様々な機能を実行できる回路の任意の組合せを用いて実装され得る。当業者は、具体的な用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計制約に応じて、処理システムについて説明された機能を最良に実装する方法を認識されよう。
【0176】
機械可読媒体は、いくつかのソフトウェアモジュールを備え得る。ソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行されると、様々な機能を処理システムに実行させる命令を含む。ソフトウェアモジュールは、送信モジュールおよび受信モジュールを含み得る。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶デバイス内に存在し、または複数の記憶デバイスにわたって分散され得る。例として、ソフトウェアモジュールは、トリガイベントが発生したとき、ハードドライブからRAMにロードされ得る。ソフトウェアモジュールの実行の間、プロセッサは、アクセス速度を高めるために、命令のうちのいくつかをキャッシュの中にロードし得る。1つまたは複数のキャッシュラインが、次いで、プロセッサが実行するために汎用レジスタファイルの中にロードされ得る。以下でソフトウェアモジュールの機能に言及するとき、そのソフトウェアモジュールからの命令を実行したとき、そのような機能がプロセッサによって実施されることが理解されよう。
【0177】
ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの移転を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送cもしくは記憶するために使用され得るとともにコンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備え得る。また、あらゆる接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線(IR)、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザを用いてデータを光学的に再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、有形媒体)を備え得る。加えて、他の態様の場合、コンピュータ可読媒体は、一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を備え得る。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0178】
したがって、いくつかの態様は、本明細書で提示された動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を含み得る。たとえば、そのようなコンピュータプログラム製品は、本明細書で説明された動作を実行するように1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である命令が記憶された(および/または符号化された)コンピュータ可読媒体を備え得る。いくつかの態様の場合、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含み得る。
【0179】
さらに、本明細書で説明された方法および技法を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段が、適用可能な場合、アクセス端末および/または基地局によってダウンロードされてよく、かつ/もしくは別の方法で取得されてよいことを諒解されたい。たとえば、そのようなデバイスは、本明細書で説明された方法を実行するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合され得る。代わりに、本明細書で説明された様々な方法は、記憶手段をデバイスに結合または供給するとアクセス端末および/または基地局が様々な方法を取得できるように、記憶手段(たとえば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理的記憶媒体など)を介して提供され得る。その上、本明細書で説明された方法および技法をデバイスに提供するための任意の他の好適な技法が利用され得る。
【0180】
特許請求の範囲は、上で示された厳密な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。特許請求の範囲から逸脱することなく、上で説明された方法および装置の構成、動作、および詳細において、様々な修正、変更、および変形が加えられ得る。
【符号の説明】
【0181】
100 ワイヤレス通信システム
110 アクセスポイント(AP)
120 アクセス端末(AT)
120a~120i アクセス端末
130 システムコントローラ
150 バックボーンネットワーク
215 データソース
220 送信データプロセッサ
222 フレームビルダ
224 送信プロセッサ
226a~226n トランシーバ
230a~230n アンテナ
234 コントローラ
236 メモリデバイス
242 受信プロセッサ
244 受信データプロセッサ
246 データシンク
255 データソース
260 送信データプロセッサ
262 フレームビルダ
264 送信プロセッサ
266 トランシーバ
266a~266n トランシーバ
270a~270n アンテナ
274 コントローラ
276 メモリデバイス
282 受信プロセッサ
284 受信データプロセッサ
286 データシンク
300 RTS-TRNフレーム
310 フレーム制御フィールド
312 時間長フィールド
314 受信機アドレスフィールド
316 送信機アドレスフィールド
318 フレームチェックシーケンスフィールド
320 制御トレーラフィールド
322 ビームトレーニングシーケンスフィールド
400 CTS-TRNフレーム
410 フレーム制御フィールド
412 時間長フィールド
414 受信機アドレスフィールド
418 フレームチェックシーケンスフィールド
420 制御トレーラ
422 ビームトレーニングシーケンスフィールド
500 ACKフレーム
510 フレーム制御フィールド
512 時間長フィールド
514 受信機アドレスフィールド
518 フレームチェックシーケンスフィールド
600 通信システム
610 第1のデバイス
620 第2のデバイス
630 第3のデバイス
640 第4のデバイス
700 通信システム
710 第1のデバイス
720 第2のデバイス
730 第3のデバイス
740 第4のデバイス
800 通信システム
810 第1のデバイス
820 第2のデバイス
830 第3のデバイス
840 第4のデバイス
1200 デバイス
1210 メモリデバイス
1220 処理システム
1230 送信/受信インターフェース
1240 ユーザインターフェース
1400 ワイヤレス通信のための装置
1600 ワイヤレス通信のための装置
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