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特許7072575立ち位置案内機構と該機構を備えるダーツゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】立ち位置案内機構と該機構を備えるダーツゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   F41J 3/00 20060101AFI20220513BHJP
   A63B 65/02 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
F41J3/00
A63B65/02 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019532886
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(86)【国際出願番号】 JP2018028292
(87)【国際公開番号】W WO2019022241
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2017145432
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(73)【特許権者】
【識別番号】505183107
【氏名又は名称】株式会社ダーツライブ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】杉森 裕司
(72)【発明者】
【氏名】増渕 寿和
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-504063(JP,A)
【文献】特開2008-181679(JP,A)
【文献】特開2006-212224(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0107187(US,A1)
【文献】米国特許第4651998(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41J 3/00
A63B 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダーツゲームのプレイヤーの立ち位置を案内するための目印となる表示体と、
プレイヤーの立ち位置に応じて前記表示体の見え方を変化させるスリット部と、
を備える、ダーツゲーム装置用の立ち位置案内機構。
【請求項2】
請求項1に記載の立ち位置案内機構を備えるダーツゲーム装置。
【請求項3】
前記表示体は、光源を含む、請求項2に記載のダーツゲーム装置。
【請求項4】
前記光源によって複数の色が表示されている、請求項3に記載のダーツゲーム装置。
【請求項5】
複数の前記光源が水平方向に並んで配置されている、請求項3または4に記載のダーツゲーム装置。
【請求項6】
複数の前記スリット部が水平方向に配置されている、請求項5に記載のダーツゲーム装置。
【請求項7】
前記スリット部は、スローライン上の立ち位置にあるプレイヤーに対し、前記複数のスリット部のいずれかを通して前記複数の光源が少なくとも見える位置に配置されている、請求項6に記載のダーツゲーム装置。
【請求項8】
前記複数の光源のうち、当該ダーツゲーム装置のセンターに位置するものが、その隣に位置する光源とは違う発光色である、請求項5に記載のダーツゲーム装置。
【請求項9】
前記表示体の長手方向に対し、前記スリット部のスリット方向が交差した構成である、請求項2から4のいずれかに記載のダーツゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立ち位置案内機構と該機構を備えるダーツゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるダーツゲームでは得点を計算するなどの進行を管理することが必要であり、それらを自動的に行う機能を備えたダーツゲーム装置が知られている。ダーツゲーム装置では、例えば、プラスチックなどの樹脂材製の多数のビット(孔)が形成された標的に対して、プラスチックなどの樹脂材製の矢先(チップ)を有する矢(ダーツ)を投げ、標的の矢が刺さった領域に設定された得点により技量の優劣を競うという遊技や競技が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ダーツゲームで高得点を得るために大事な技量には種々あり、そのうちの一つに、盤面(筐体)に対して正確な位置に立ち、構えてから矢(ダーツ)を投げるまで、頭の位置や視線がずれないよう、正確に立っていられるように確認することが挙げられる。
【0004】
従来、プレイヤーは、例えばダーツバーといった店等に設置されているダーツゲーム装置等においては、筐体手前の地面に設けられたスローラインと呼ばれる目印を基準にして、ダーツボードの正面に立ったり、立ち位置(本明細書ではスタンディングともいう)のセンター合わせをしたりしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5428007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、店等に設置されているダーツゲーム装置においては、筐体が横にずれていたり、その向きがずれていたりすることは少なからずあり、プレイヤーの遊技結果が当該台の設置状況に左右されてしまうことがある。例えば、プレイ中、盤面の狙い目が変わると、筐体に対して体の向きを同じままで、横方向に平行移動して別のポイントを狙うことがあるが、台の設置状況がよくないと、どの程度移動すれば良いかが正確にわからない。
【0007】
そこで、本発明は、筐体に対するプレイヤーの立ち位置(スタンディング)を正確に確認すること、横方向のずれと向きの両方がずれないように合わせて立つことを可能とする立ち位置案内機構と該機構を備えるダーツゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するべく、本発明の一態様に係る立ち位置案内機構は、
ダーツゲームのプレイヤーの立ち位置を案内するための目印となる表示体と、
プレイヤーの立ち位置に応じて表示体の見え方を変化させるスリット部と、を備える。
【0009】
また、本発明の一態様に係るダーツゲーム装置は、上記立ち位置案内機構を備えるというものである。
【0010】
上記のごとき立ち位置案内機構やこれを含むダーツゲーム装置においては、地面にスローラインと呼ばれる目印が設けられていた従来型とは異なり、表示体やスリット部自体、あるいはこれらによって構成される立ち位置案内機構を、ダーツゲーム装置の筐体など本体に設けることができる。したがって、仮に筐体が横にずれていたり、その向きがずれていたりしても、立ち位置案内機構の筐体に対する相対的な位置に変化は生じない。このような立ち位置案内機構等を利用することで、プレイヤーは、常に、ダーツボードの正面に立ったり、立ち位置のセンター合わせをしたりする際の位置や向きを正確に把握することができる。
【0011】
また、立ち位置案内機構は筐体に取り付けられ、あるいは筐体に設けられる構成であるため、例えば筐体の入れ替えや配置替えをしたとしても目印(基準)を設定し直す必要がない。
【0012】
上記形態のダーツゲーム装置において、表示体は、光源を含むものであってもよい。
【0013】
上記形態のダーツゲーム装置では、光源によって複数の色が表示されていてもよい。
【0014】
上記形態のダーツゲーム装置において、複数の光源が水平方向に並んで配置されていてもよい。
【0015】
上記形態のダーツゲーム装置において、複数のスリット部が水平方向に配置されていてもよい。
【0016】
上記形態のダーツゲーム装置において、スリット部は、スローライン上の立ち位置にあるプレイヤーに対し、複数のスリット部のいずれかを通して複数の光源が少なくとも見える位置に配置されていてもよい。
【0017】
上記形態のダーツゲーム装置において、複数の光源のうち、当該ダーツゲーム装置のセンターに位置するものが、その隣に位置する光源とは違う発光色であってもよい。
【0018】
上記形態のダーツゲーム装置は、表示体の長手方向に対し、スリット部のスリット方向が交差した構成であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、筐体に対するプレイヤーの立ち位置(スタンディング)を正確に確認すること、横方向のずれと向きの両方がずれないように合わせて立つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ダーツゲーム装置の構成の概略を示す正面図である。
図2】ダーツゲーム装置のゲーム制御部などの構成を示すブロック図である。
図3】ダーツゲーム装置の立ち位置案内機構の構成の概要を示す図である。
図4】(A)ダーツゲーム装置の立ち位置案内機構における光源とスリットの配置例と、当該立ち位置案内機構を利用してプレイヤーが確認することができる9箇所の位置a~iを上面からみて説明する図と、(B)各位置a~iにおいてプレイヤーが見える光源の数を表すグラフである。
図5図4(A)に示す位置eからみたときの光源の見え方を示す(A)画像と(B)線図である。
図6図4(A)に示す位置dからみたときの光源の見え方を示す(A)画像と(B)線図である。
図7】立ち位置案内機構の他の形態について説明する、表示体を正面から見た図である。
図8】立ち位置案内機構の他の形態における表示体の見え方の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0022】
<ダーツゲーム装置の構成>
ダーツゲーム装置100は、店舗内などに設置され、イベントゲームを構成する各々の個別対戦ゲームを実行するゲーム装置の一種である。本実施形態のダーツゲーム装置100は、個別対戦ゲームなどの一例としてのダーツゲームが行われる装置として構成されている。プレイヤーは、ダーツボード130の標的を狙って、矢(ダーツ)を投擲することにより、ダーツゲームを行う。
【0023】
このダーツゲーム装置100は、ゲーム表示部120と、ダーツボード130と、エリア検出部134と、ゲーム操作部150と、ゲーム通信部160と、ゲーム制御部200と、ゲーム記憶部230と、を有している(図1図2参照)。
【0024】
ゲーム制御部200は、ダーツゲーム装置100の全体の制御を行うためのものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたゲームプログラムを実行することによって実現される。本実施形態のゲーム制御部200は、個別対戦ゲーム制御部210と、画面表示制御部220と、を備えている(図2参照)。
【0025】
個別対戦ゲーム制御部210は、個別対戦ゲーム(トーナメント情報に基づく順番に従って進行させるべき個別対戦ゲーム)の進行を制御する処理を実行する機能を有している。本実施形態における個別対戦ゲーム制御部210は、例えば、トーナメント情報に基づく順番に従って進行させるべき個別対戦ゲームを実行する際に、予め設定された種類の個別対戦ゲームを自動的に開始させる。
【0026】
画面表示制御部220は、ゲーム表示部120に表示されるゲーム画面の表示制御処理を実行する機能を有している。本実施形態における画面表示制御部220は、例えば、個別対戦ゲームが終了する度に、個別対戦ゲームの種類をプレイヤーに選択させる選択画面をゲーム表示部120に表示させる。また、画面表示制御部220は、個別対戦ゲームの開始前に、互いに対戦相手となる各プレイヤーのプレイヤー情報を含むゲーム画面をゲーム表示部120に表示させる。
【0027】
ゲーム記憶部230は、ゲームプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、ゲーム制御部200による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0028】
ゲーム操作部150は、プレイヤー等が各種操作を行うためのものであり、例えば、操作パネルに設けられた操作ボタン等によって実現される。本実施形態では、開催者やプレイヤーが、イベントゲームまたは通常ゲームを選択する場合や、ダーツゲームの種類(301(スリー・オー・ワン)、クリケット等)を選択する場合に、ゲーム操作部150を使用して操作入力する。
【0029】
ゲーム表示部120は、画面表示制御部220からの指令に基づいてゲーム画面や操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって構成されている。
【0030】
ゲーム通信部160は、サーバーとの間で通信を行うためのものであり、サーバーから送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、ゲーム制御部200の指令に応じて各種データや信号をサーバーへ送信する送信部としての機能とを有している。
【0031】
ダーツボード130は、ダーツゲームの標的となる盤面であり、複数の標的エリア132に区切られ、ダブルリング、トリプルリング、インナーブル、アウターブルなどの各領域(セグメント)が形成されている。また、ダブルリングの外側(アウトボード)にはナンバーが表示される(図5(A)、図5(B)、図6(A)、図6(B)参照)。各セグメントは、仕切り等によって物理的に仕切られていてもよいし(図1参照)、プロジェクター(図示省略)から発せられた光信号により色分けするといったように物理的な仕切りのない構造であってもよい。標的エリア132のそれぞれには、矢の先端が刺さる複数の細かい孔、あるいは複数のピンが配置されている。
【0032】
エリア検出部134は、標的エリア132に矢が刺さったことを検出するためのものであり、標的エリア132の各々に対応させて複数設けられている。本実施形態では、矢が標的エリア132に刺さると、標的エリア132が矢の衝撃によって後方へ僅かに移動する。エリア検出部134は、この標的エリア132の変位を検出すると、ゲーム制御部200に検出信号を送る。
【0033】
<立ち位置案内機構の形態>
ダーツゲーム装置100は、立ち位置案内機構(スタンディングポジションナビゲーター)10を備える。立ち位置案内機構10は、立ち位置(スタンディングポジション)の基準を明示することにより、プレイヤーに対して立ち位置の案内をするための機構(立ち位置案内機構)を構成する。本実施形態の立ち位置案内機構10は、表示体20と、スリット30とを備える。
【0034】
表示体20は、プレイヤーのスタンディングを案内するための目印となる部材である。本実施形態では、LEDなどの発光体を含む光源で表示体20を構成している。表示体20は、例えば筐体110の内部の所定位置に設置されるが、表示体として機能し得る限りその位置は特に限定されることはない。なお、光源22からなる表示体20のオンオフ(点灯/消滅)は、上述のゲーム制御部200によって制御してもよいし、単純に、ダーツゲーム装置100の電源のオンオフに連動する構成としてもよい。
【0035】
スリット30は、プレイヤーのスタンディング(スローライン300の周辺)と光源22との間に設けられる、視認用の開口部である(図3参照)。より具体的に説明すると、スリット30は、筐体110の所定の箇所に設けられ、あるいは、筐体110に後付け可能な部材(フレーム、ボード等)に設けられる。
【0036】
スリット30の配置は特に限定されるものではないが、例えば、ダーツボード130の中心を垂直に通る線をセンターラインCとして、該センターラインC上に光源22とスリット30を配置した場合、プレイヤーは、スタンディングがセンターラインC上にある場合(より厳密にいえば、プレイヤーの視点がセンターラインC上にある場合)、当該スリット30を通り抜ける光源22の光を視認することができ、センターに位置していることを把握することができる(図3図5(A)、図5(B)参照)。
【0037】
また、スリット30の形状や大きさも特に限定されるものではないが、縦長状のスリット30は、プレイヤーに身長差があっても(より厳密にいえば、プレイヤーの視点に高低差があっても)、表示体20を視認することに差し支えがなく、また、表示体20を視認できるスタンディングの幅をある程度狭い一定の幅にするという観点からすれば、好ましい形態の一つである(図3参照)。
【0038】
ここまで、表示体20とスリット30の単純な構成とその機能の概要について説明したが、実際には、表示体20および/またはスリット30を複数配置する形態も好適である。本実施形態では、第1スリット31~第5スリット35の計5つのスリット30を等間隔に配置したうえで、第1スリット31の背後に第1光源221を配置し、第1スリット31からは一定の角度内でしか当該第1光源221が見えないようにする。同様に、第2スリット32~第5スリット35の背後に、第2光源222~第5光源225を水平方向へ等間隔に並ぶように配置する(図4(A)参照)。
【0039】
上記構成の立ち位置案内機構10によれば、プレイヤーは、いずれかの光源22、例えば第3光源223がもっともはっきりと見えるところがその位置に正対している位置(位置e)であり(図4(A)、図4(B)、図5(A)、図5(B)参照)、隣接する2つのスリット30のそれぞれから2つの光源22、例えば第2光源222と第3光源223が見えるところが、2つの光源22の中間地点に正対している位置(位置d)であることがわかる(図4(A)、図4(B)、図6(A)、図6(B)参照)。この立ち位置案内機構10では、5つの光源22(第1光源221~第5光源225)のいずれか1つだけが見える位置が5箇所(位置a、位置c、位置e、位置g、位置i)あり、これらの各位置の間に、2つの光源22が見える位置が4か所(位置b、位置d、位置f、位置h)あり、プレイヤーは、合計9箇所の位置を確認することができる(図4(B)参照)。
【0040】
また、このようにして立ち位置案内機構10の表示体20として複数の光源22を採用する場合、異なる発光色の光源22を採用することも好ましい。一例として、本実施形態では、緑色の光を発する光源を第1光源221、第3光源223および第5光源225に、そして黄色の光を発する光源を第2光源222および第4光源224にそれぞれ採用している(図4図5図6(A)、図6(B)参照)。このように異なる色の光源を採用すれば、プレイヤーに見える光の色が横へ移動するにつれて変わるため、光源22や位置の変化が認識しやすく、プレイヤーにとって位置の確認がさらに行いやすくなる。また、中央の光源(本実施形態の場合、第3光源223)の光をその両隣の光源(本実施形態の場合、第2光源222と第4光源224)の光と異なる色とすることで、中央の光源22を視認しやすくもなる。
【0041】
上記のごとき立ち位置案内機構10を含むダーツゲーム装置100においては、筐体110に設けられた光源22、スリット30を利用してプレイヤーにスタンディングを案内する構成としているので、筐体110が横にずれたり、その向きがずれたりしても、プレイヤーに対して常にスタンディングを正確にナビゲートすることができる。このような、光学的な指標(サイン、目盛り)を備えた立ち位置案内機構10を利用することで、プレイヤーは、常に、ダーツボード130の正面に立ったり、スタンディングのセンター合わせをしたりする際の位置や向きを正確に把握することができる。しかも、例えば5つの光源22と5つのスリット30で9つの位置a~iを示すことができる本実施形態の立ち位置案内機構10によれば、センター位置(位置e)だけではなく、ダーツボード130の盤面に対して9段階の位置調整をすることが可能である。なお、スリット30の数を増やせばより多くの段階の位置を把握することができることはいうまでもない。
【0042】
また、本実施形態のダーツゲーム装置100において、スリット30は、スローライン300上に設定されたスタンディングにあるプレイヤーに対し、複数のスリット30のいずれかを通して少なくとも1つの光源22が見える態様で配置されているため、プレイヤーからすれば、スローライン300上を横に移動する際、いずれかの光源22が常に見える。このため、スタンディングを変える際にその位置の目安となる光源22を見失わずに済む。また、プレイヤーは、立ち位置案内機構10を、構えてから矢を投げるまで頭の位置がずれないように正確に立っていられるようにするための指標として利用することもできる。
【0043】
<立ち位置案内機構の別の形態>
ダーツゲーム装置100は、立ち位置案内機構10を備える。本実施形態の立ち位置案内機構10は、表示体20と、スリット30とを備える。
【0044】
表示体20は長尺の部材で形成されており、その長手方向に沿って複数の領域に区分けされている。各領域は、例えば隣接する領域どうしで異なる色彩に色分けされている。一例として、本実施形態では9つの領域を設け、中央の領域205を赤色、その外側(上下)の領域204,206を青色、さらにその外側(上下)の領域203,207を黄色、さらにその外側(上下)の領域202,208を緑色、さらにその外側(上下)の領域201,209を白色とし、上下を対称的な構成としている(図7参照)。例えば、スローライン300のセンター位置から見た場合に、赤色(中央領域205)が全部、および青色(領域204,206)がそれぞれ半分ずつ見えるように各領域を配置してもよい。また、プレイヤーがスローライン300の外側に位置した場合に、緑色(領域202,208)が全部、および黄色(領域203,207)と白色(領域201,209)とが半分ずつ見えるように各領域を配置してもよい。
【0045】
表示体20は、光源(本実施形態では図示省略)を内蔵している。光源は、例えば複数のLEDが直線的に配置されたもの等で構成される。白色の光源の周囲に色付きのフィルムを巻くことによって複数の領域201~209に区分けしてもよい。表示体20は、筐体110の例えばダーツボード130より下となる位置に内蔵される。
【0046】
スリット30は、プレイヤーのスタンディングと表示体20との間に設けられる、視認用の開口部である。本実施形態のスリット30は、筐体110における、表示体20よりも手前(プレイヤー寄り)の位置に設けられる。筐体110に後付け可能な部材(フレーム、ボード等)にスリット30を設けてもよい。また、特に図示してはいないが、スリット30の傍に目盛りや目印を設けてもよい。
【0047】
表示体20とスリット30は、表示体20の長手方向に対してスリット30の方向が交差するように配置され、互いが相対的に傾斜した構成とされている。例えば本実施形態では、スリット30を鉛直方向に設けるとともに、表示体20を、向かって反時計回りに所定の角度(一例として、5度)回転させ、右下がりとなるように傾斜させている(図7図8参照)。
【0048】
上記のごときダーツゲーム装置100において、プレイヤーは、立ち位置案内機構10を利用してスタンディングを正確に確認することができる(図7図8参照)。すなわち、スタンディングがセンターラインC上にある場合(より厳密にいえば、プレイヤーの視点がセンターラインC上にある場合)、スリット30越しに表示体20の中央の領域205が見える。スタンディングが右寄りにある場合、スリット30越しに、表示体20の中央の領域205よりも上側に配置された領域201~204のいずれかが見える。一方、スタンディングが左寄りにある場合、スリット30越しに、表示体20の中央の領域205よりも下側に配置された領域206~209のいずれかが見える。いうまでもなく、スタンディングがさらに外側にある場合には、スリット30越しに表示体20を見ることができない。
【0049】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態では細長く形成されたスリット30を例示したがこれは好適な一例にすぎない。厳密な意味でのスリットの他、例えば連続して設けられた複数の丸孔といったスリット状のものやスリットに近似したものなど、上述したスリット30と同様に機能するものであれば採用することができる。
【0050】
また、上述した実施形態において、表示体20は、光源22を含むものあるいは光源22で構成されるものであったが、光源を含まないものであってももちろん構わない。例えば、明るい色彩の塗装などで表示体20を着色する方法を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、ダーツゲーム用の装置、さらには、例えば手裏剣やカードを投げるゲーム等、ダーツ以外の的当てゲーム用の装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10…立ち位置案内機構、20…表示体、22…光源、221~225…第1~第5光源、30…スリット(スリット部)、31~35…第1~第5スリット、100…ダーツゲーム装置、110…筐体、120…ゲーム表示部、130…ダーツボード、132…標的エリア、134…エリア検出部、150…ゲーム操作部、160…ゲーム通信部、200…ゲーム制御部、210…個別対戦ゲーム制御部、220…画面表示制御部、230…ゲーム記憶部、300…スローライン、C…センターライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8