(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】除草剤としてのアリール置換二環式化合物
(51)【国際特許分類】
C07C 205/53 20060101AFI20220513BHJP
C07D 207/277 20060101ALI20220513BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220513BHJP
【FI】
C07C205/53 CSP
C07D207/277
C07B61/00 300
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020118930
(22)【出願日】2020-07-10
(62)【分割の表示】P 2017558947の分割
【原出願日】2016-05-02
【審査請求日】2020-07-10
(32)【優先日】2015-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェームズ・キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・マーティン・スティーヴンソン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ダンカン・サッターフィールド
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-518470(JP,A)
【文献】特開昭51-101992(JP,A)
【文献】国際公開第2008/007169(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/084796(WO,A1)
【文献】NICHOLS, PJ et al.,Preparation of Pyrrolidine-Based PDE4 Inhibitors via Enantioselective Conjugate Addition of α-Substituted Malonates to Aromatic Nitroalkenes,Organic Letters,2006年,Vol. 8,pp. 1495-1498
【文献】YAN, LJ et al.,Novel chiral thioureas for highly enantioselective Michael reactions of malonates to nitroalkenes,Chinese Chemical Letters,2009年,Vol. 20,pp. 310-313
【文献】TSUBOGO, T et al.,Multistep continuous-flow synthesis of (R)- and (S)-rolipram using heterogeneous catalysts,Nature,2015年04月16日,Vol. 520,pp. 329-332, S1-S17
【文献】GAVIN, DP et al.,Selective Michael additions to alkylidenemalonates using thiourea-nased bifunctional organocatalysts,ARKIVOC,2013年,Vol. 4,pp. 76-87
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1Bの化合物
【化1】
【請求項2】
ラセミ
化合物である、請求項1の式1Bの化合物。
【請求項3】
式1Cの化合物の製造方法であって、
【化2】
式1Bの化合物を還元し、次いで、得られたアミン化合物をイン・サイチュ(in situ)
で環化することを含み、
【化3】
ここで、式1Bの化合物は、式1Aの化合物をニトロメタンと反応させて得られる、上記製造方法
【化4】
【請求項4】
式1Bの化合物の還元が、ニッケル触媒の存在下に行われる、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
式1Bの化合物の還元が、塩化ニッケル(II)六水和物の存在下に水素化ホウ素ナトリウムを使用して行われる、請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
メチル2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートである化合物。
【請求項7】
式3Cの化合物の製造方法であって、
【化5】
式3Bの化合物を還元し、次いで、得られたアミン化合物をイン・サイチュ(in situ)
で環化することを含む、前記製造方法
【化6】
【請求項8】
式3Bの化合物の還元が、ニッケル触媒の存在下に行われる、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
式3Bの化合物の還元が、塩化ニッケル(II)六水和物の存在下に水素化ホウ素ナトリウムを使用して行われる、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
式3Bの化合物が、4-トリフルオロメチルベンズアルデヒドをマロン酸ジメチルと反応させ
る工程を含む工程によって製造される、請求項7に記載の製造方法。
【請求項11】
ピぺリジンの存在下に反応が行われる、請求項10に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望ましくない植生を防除するための所定の二環式カルボキサミド、それらのN-オキシド、塩および組成物ならびにそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
望ましくない植生の防除は、高い作物効率を達成する際に極めて重要である。雑草の成長の選択的防除を達成することは、特に、例えばイネ、ダイズ、サトウダイコン、トウモロコシ、ジャガイモ、コムギ、オオムギ、トマトおよびプランテーション作物などの有用な作物において極めて望ましい。そのような有用な作物における抑制されない雑草成長は、生産性の有意な低下を引き起こす可能性があり、それにより消費者にとってのコスト増大を生じさせる。非農耕地域における望ましくない植生の防除もまた重要である。これらの目的のためには多数の製品を市販で入手できるが、より効果的であり、より安価であり、毒性が低く、環境的に優しい、または異なる作用部位を有する新規な化合物に対する必要が依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、それらのN-オキシドおよび塩を含む式1(すべての立体異性体を含む):
【化1】
[式中、
Q
1は、各環もしくは環系が、R
9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニルもしくはベンジル環またはナフタレニル環系;または、各環もしくは環系が、炭素原子ならびに2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環または8~10員の芳香族複素環式二環系であり、ここで3個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR
9から独立して選択され、窒素原子環員上のR
10から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)
u(=NR
8)
vから独立して選択され;
Q
2は、各環もしくは環系が、R
11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環もしくはナフタレニル環系;または、各環もしくは環系が、炭素原子ならびに2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環または8~10員の芳香族複素環式二環系であり、ここで3個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR
11から独立して選択され、窒素原子環員上のR
12から選択さ
れる5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)
u(=NR
8)
vから独立して選択され;
R
1およびR
2は、それぞれ独立してH、ハロゲン、ヒドロキシもしくはC
1~C
4アルキルであり;
Yは、O、SもしくはNR
15であり;
Aは、4個までの炭素原子、1個までのO原子、1個までのS原子および2個までのN原子から選択される2~4個の原子を含有する飽和、部分不飽和もしくは完全不飽和鎖であり、ここで2個までの炭素員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子員はS(=O)
u(=NR
8)
vから選択され;前記鎖は、炭素原子上のR
3および窒素原子上のR
4から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されており;
各R
3は、独立してハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-CO
2H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル、C
3~C
6シクロアルキルもしくはC
4~C
6シクロアルキルアルキルであり;または
2つのR
3は、それらが結合する炭素原子と一緒にされてC
3~C
7シクロアルキル環を形成し;
各R
4は、独立してシアノ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニルもしくはC
3~C
6シクロアルキルであり;
Jは、-CR
5R
6-もしくは-CR
5R
6-CR
5aR
6a-(式中、-CR
5R
6-部分は、Nに直接的に接続している)であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立してH、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキルもしくはC
1~C
4アルコキシであり;または
R
5およびR
6は、それらが結合する炭素原子と一緒にされてC
3~C
7シクロアルキル環を形成し;
R
5aおよびR
6aは、それぞれ独立してH、ハロゲンもしくはC
1~C
4アルキルであり;または
R
5aおよびR
6aは、それらが結合する炭素原子と一緒にされてC
3~C
7シクロアルキル環を形成し;
R
7は、H、ヒドロキシ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル、C
2~C
8ジアルキルアミノスルホニル、C
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
8は、独立してH、シアノ、C
2~C
3アルキルカルボニルもしくはC
2~C
3ハロアルキルカルボニルであり;
各R
9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
8アルキル、C
1~C
4シアノアルキル、C
1~C
4シアノアルコキシ、C
1~C
8ハロアルキル、C
1~C
8ニトロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8ハロアルケニル、C
2~C
8ニトロアルケ
ニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8ハロアルキニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
4~C
10ハロシクロアルキルアルキル、C
5~C
12アルキルシクロアルキルアルキル、C
5~C
12シクロアルキルアルケニル、C
5~C
12シクロアルキルアルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
6~C
12シクロアルキルシクロアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
3~C
8ハロシクロアルケニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
3~C
8ハロアルコキシアルコキシ、C
1~C
4ヒドロキシアルキル、C
4~C
10シクロアルコキシアルキル、C
3~C
10アルコキシアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルアミノアルキル、C
2~C
8ハロアルキルアミノアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアミノアルキル、C
3~C
10ジアルキルアミノアルキル、-CHO、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、-C(=O)OH、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
5~C
12シクロアルキルアルコキシカルボニル、-C(=O)NH
2、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8ハロアルケニルオキシ、C
2~C
8ハロアルコキシハロアルコキシ、C
3~C
8アルキニルオキシ、C
3~C
8ハロアルキニルオキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
3~C
10アルキルカルボニルアルコキシ、C
2~C
8アルキルカルボニルオキシ、C
2~C
8ハロアルキルカルボニルオキシ、C
4~C
10シクロアルキルカルボニルオキシ、C
1~C
8アルキルスルホニルオキシ、C
1~C
8ハロアルキルスルホニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8ハロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
1~C
8ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、ホルミルアミノ、C
2~C
8アルキルカルボニルアミノ、C
2~C
8ハロアルキルカルボニルアミノ、C
2~C
8アルコキシカルボニルアミノ、C
1~C
6アルキルスルホニルアミノ、C
1~C
6ハロアルキルスルホニルアミノ、-SF
5、-SCN、SO
2NH
2、C
3~C
12トリアルキルシリル、C
4~C
12トリアルキルシリルアルキル、C
4~C
12トリアルキルシリルアルコキシもしくはG
2であり;
各R
11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
8アルキル、C
1~C
4シアノアルキル、C
1~C
4シアノアルコキシ、C
1~C
8ハロアルキル、C
1~C
8ニトロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8ハロアルケニル、C
2~C
8ニトロアルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8ハロアルキニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
4~C
10ハロシクロアルキルアルキル、C
5~C
12アルキルシクロアルキルアルキル、C
5~C
12シクロアルキルアルケニル、C
5~C
12シクロアルキルアルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
6~C
12シクロアルキルシクロアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
3~C
8ハロシクロアルケニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
3~C
8ハロアルコキシアルコキシ、C
1~C
4ヒドロキシアルキル、C
4~C
10シクロアルコキシアルキル、C
3~C
10アルコキシアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルアミノアルキル、C
2~C
8ハロアルキルアミノアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアミノアルキル、C
3~C
10ジアルキルアミノアルキル、-CHO、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、-C(=O)OH、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
5~C
12シクロアルキルアルコキシカルボニ
ル、-C(=O)NH
2、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8ハロアルケニルオキシ、C
2~C
8ハロアルコキシハロアルコキシ、C
3~C
8アルキニルオキシ、C
3~C
8ハロアルキニルオキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
3~C
10アルキルカルボニルアルコキシ、C
2~C
8アルキルカルボニルオキシ、C
2~C
8ハロアルキルカルボニルオキシ、C
4~C
10シクロアルキルカルボニルオキシ、C
1~C
8アルキルスルホニルオキシ、C
1~C
8ハロアルキルスルホニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8ハロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
1~C
8ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、ホルミルアミノ、C
2~C
8アルキルカルボニルアミノ、C
2~C
8ハロアルキルカルボニルアミノ、C
2~C
8アルコキシカルボニルアミノ、C
1~C
6アルキルスルホニルアミノ、C
1~C
6ハロアルキルスルホニルアミノ、-SF
5、-SCN、SO
2NH
2、C
3~C
12トリアルキルシリル、C
4~C
12トリアルキルシリルアルキル、C
4~C
12トリアルキルシリルアルコキシもしくはG
3であり;
各R
10およびR
12は、独立してシアノ、C
1~C
3アルキル、C
2~C
3アルケニル、C
2~C
3アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
2~C
3アルキルカルボニル、C
2~C
3アルコキシカルボニル、C
2~C
3アルキルアミノアルキルもしくはC
3~C
4ジアルキルアミノアルキルであり;
R
15は、H、シアノ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、-(C=O)CH
3もしくは-(C=O)CF
3であり;
各G
1は、独立してフェニル、フェニルメチル(すなわち、ベンジル)、ピリジニルメチル、ピリジニルオキシ、フェニルカルボニル(すなわち、ベンゾイル)、フェノキシ、フェニルエチニル、フェニルスルホニル、フェニルカルボニル(C
1~C
4アルキル);またはそれぞれが環員上でR
13から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換された5もしくは6員の芳香族複素環であり;
各G
2は、独立してフェニル、フェニルメチル(すなわち、ベンジル)、ピリジニルメチル、フェニルカルボニル(すなわち、ベンゾイル)、フェニルカルボニルアルキル、フェノキシ、フェニルエチニル、フェニルスルホニルもしくはピリジルオキシ;またはそれぞれが環員上でR
14から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換された5もしくは6員の芳香族複素環;またはR
16ON=CR
17-、(R
18)
2C=NO-、(R
19)
2NN=CR
17-、(R
18)
2C=NNR
20-、R
21N=CR
17-、(R
18)
2C=N-、R
22ON=CR
17C(R
23)
2-もしくは(R
18)
2C=NOC(R
23)
2-(式中、右へ突き出ている自由結合は、Q
1への結合点を表す)であり;
各G
3は、独立してフェニル、フェニルメチル(すなわち、ベンジル)、ピリジニルメチル、フェニルカルボニル(すなわち、ベンゾイル)、フェニルカルボニルアルキル、フェノキシ、フェニルエチニル、フェニルスルホニルもしくはピリジルオキシ;またはそれぞれが環員上でR
15から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換された5もしくは6員の芳香族複素環であり;
各R
13、R
14およびR
15は、独立してハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、-CHO、-C(=O)OH、-C(=O)NH
2、-SO
2NH
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
5~C
12シクロアルキルアルコキシカルボニル、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
8ア
ルキルカルボニルオキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル、C
2~C
8ジアルキルアミノスルホニル、C
3~C
10トリアルキルシリル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
8ジアルキルアミノ、C
2~C
8アルキルカルボニルアミノもしくはC
1~C
6アルキルスルホニルアミノであり;
各R
16は、独立してH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル、C
2~C
8ジアルキルアミノスルホニル、C
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
17は、独立してH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
18は、独立してH、ヒドロキシ、C
1~C
6アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル、C
2~C
8ジアルキルアミノスルホニル、C
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
19は、独立してH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルス
ルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル、C
2~C
8ジアルキルアミノスルホニル、C
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
20は、独立してH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
1~C
6アルコキシC
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
21は、独立してH、ヒドロキシ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
2~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
8ハロアルコキシアルキル、C
2~C
8アルキルチオアルキル、C
2~C
8アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
8アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
8アルキルカルボニル、C
2~C
8ハロアルキルカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルカルボニル、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
8ハロアルコキシカルボニル、C
4~C
10シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
8アルキルアミノカルボニル、C
3~C
10ジアルキルアミノカルボニル、C
4~C
10シクロアルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル、C
2~C
8ジアルキルアミノスルホニル、C
3~C
10トリアルキルシリルもしくはG
1であり;
各R
22は、独立してH、C
1~C
4アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニルもしくはC
3~C
6シクロアルキルであり;
各R
23は、独立してH、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニルもしくはC
3~C
6シクロアルキルであり;および
各uおよびvは、uおよびvの合計が0、1もしくは2であることを前提に、およびその化合物が式1(式中、Q
1は、Ph(3-CF
3)であり;Q
2は、Ph(2-F)であり;R
1は、Hであり;R
2は、Hであり;Yは、Oであり;Aは、-CH
2CH
2-であり;Jは、-CR
5R
6-であり;R
5は、Hであり;R
6は、Hであり;およびR
7は、Hである)の化合物以外であることを前提に、S(=O)
u(=NR
8)
vの各例では、独立して0、1もしくは2である]の化合物、それらを含有する農業用組成物および除草剤としてのそれらの使用に向けられる。
【0004】
より詳細には、本発明は、式1の(すべての立体異性体を含む)化合物、それらのN-オキシドまたは塩に関する。本発明はさらに、本発明の(すなわち、除草性有効量にある)化合物ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を含む除草剤組成物に関する。本発明はさらに、望ましくない植生の成長を防除するための方法であって、植生もしくはその環境を除草性有効量の本発明の(例えば、本明細書に記載した組成物としての)化合物と接触させる工程を含む方法に関する。
【0005】
本発明はさらに、除草剤混合物であって、(a)式1から選択される化合物、それらの
N-オキシドおよび塩、ならびに(b)下記に記載する(b1)~(b16)から選択される少なくとも1つの追加の有効成分;ならびに(b1)~(b16)から選択される化合物の塩を含む除草剤混合物もまた含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書で使用する用語「を含む」、「を含んでいる」、「を包含する」、「を包含している」、「を有する」、「を有している」、「を含有する」、「を含有している」、「を特徴とする」またはそれらの任意の変形は、明示的に示したあらゆる限定を前提として、非排他的な包含を含むと意図されている。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、工程または方法は、それらの要素に必ずしも限定されるものではなく、明示的に列挙されていない、またはそのような組成物、混合物、工程または方法に固有ではない他の要素を含むことができる。
【0007】
移行句「~からなる」は、明記されていないあらゆる要素、工程もしくは成分を除外する。特許請求項において使用された場合、そのような移行句は、それらに元々結び付いていた不純物を除いて、特許請求項に列挙された物質以外の物質を包含することを認めないであろう。移行句「~からなる」が、前文の直後ではなく請求項の本文の一節に出現した場合は、その移行句はその節に記載された要素だけを限定する;他の要素は、その請求項から全体としては排除されない。
【0008】
移行句「本質的に~からなる」は、逐語的に開示されたものに加えて、材料、工程、特徴、構成成分もしくは要素を含む組成物または方法を定義するために使用されるが、ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、構成成分もしくは要素が本発明の基本的および新規な特徴へ実質的に影響を及ぼさないことを前提とする。用語「本質的に~からなる」は、「を含む」と「~からなる」との間の中間を占める。
【0009】
本出願人らが本発明またはその一部分を例えば「を含む」のような無制限の用語を用いて定義する場合は、(他に特別に規定しない限り)その説明は用語「本質的に~からなる」または「~からなる」を使用してそのような発明を記載していると解釈すべきであると容易に理解できる。
【0010】
さらに、明示的に反対のことが述べられない限り、「または」は、包括的な「または」を意味し、排他的な「または」を意味しない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(または存在する)およびBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)およびBが真である(または存在する)、ならびにAとBの両方とも真である(または存在する)。
【0011】
さらに、本発明の要素もしくは成分に先行する不定冠詞「1つの(aおよびan)」は、その要素もしくは構成成分の事例(すなわち、発生)の数に関して非制限的であることが意図されている。このため、「1つの(aおよびan)」は、1つまたは少なくとも1つを含むと読み取るべきであり、単数形の要素もしくは構成成分は、その数が明白に単数であることを意味していない限り複数も含んでいる。
【0012】
本明細書で言及する、単独または用語の組み合わせのいずれかにおいて使用される用語「実生」は、種の胚から成長する若い植物を意味する。
【0013】
本明細書で言及するように、単独または例えば「広葉雑草」などの用語のいずれかにおいて使用される用語「広葉」は、2枚の子葉を有する胚を特徴とする被子植物の群を記載するために使用される用語である双子葉植物(dicotまたはdicotyledon)を意味する。
【0014】
本明細書で使用する用語「アルキル化剤」は、炭素含有ラジカルが、例えば、求核基の前記炭素原子への結合によって置換され得るハロゲン化物もしくはスルホン酸塩などの離脱基へ炭素原子を介して結合させられる化学化合物を意味する。他に指示されない限り、用語「アルキル化剤」は、炭素含有ラジカルをアルキルに限定しない;アルキル化剤中の炭素含有ラジカルには、(R9およびR11)について規定された様々な炭素結合置換基ラジカルが含まれる。用語「直接的に接続した」は、「接続した」または「結合した」を意味する。
【0015】
上記の列挙では、単独または例えば「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」などの複合語のいずれかにおいて使用される用語「アルキル」には、直鎖状もしくは分岐状アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、または異なるブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体が含まれる。「アルケニル」には、直鎖状もしくは分岐状アルケン、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニルならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体が含まれる。「アルケニル」には、さらにポリエン、例えば1,2-プロパジエニルおよび2,4-ヘキサジエニルが含まれる。「アルキニル」には、直鎖状もしくは分岐状アルキン、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニルならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体が含まれる。「アルキニル」は、さらにまた例えば2,5-ヘキサジイニルなどの複数の三重結合から構成される部分を含むことができる。
【0016】
「アルコキシ」には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が含まれる。「アルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシ置換を意味する。「アルコキシアルキル」の例としては、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は、アルコキシ上のアルコキシ置換を意味する。「アルコキシアルコキシアルキル」は、アルコキシアルキル部分上のアルコキシ置換を意味する。「アルケニルオキシ」には、直鎖状もしくは分岐状アルケニルオキシ部分が含まれる。「アルケニルオキシ」の例としては、H2C=CHCH2O、(CH3)2C=CHCH2O、(CH3)CH=CHCH2O、(CH3)CH=C(CH3)CH2OおよびCH2=CHCH2CH2Oが挙げられる。「アルキニルオキシ」には、直鎖状もしくは分岐状アルキニルオキシ部分が含まれる。「アルキニルオキシ」の例としては、HC≡CCH2O、CH3C≡CCH2OおよびCH3C≡CCH2CH2Oが挙げられる。「アルキルチオ」には、分岐状もしくは直鎖状アルキルチオ部分、例えば、メチルチオ、エチルチオならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」には、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーが含まれる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CH3S(O)-、CH3CH2S(O)-、CH3CH2CH2S(O)-、(CH3)2CHS(O)-ならびに種々のブチルフルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CH3S(O)2-、CH3CH2S(O)2-、CH3CH2CH2S(O)2-、(CH3)2CHS(O)2-ならびに種々のブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルチオアルキル」は、アルキル上のアルキルチオ置換を意味する。「アルキルチオアルキル」の例としては、CH3SCH2、CH3SCH2CH2、CH3CH2SCH2、CH3CH2CH2CH2SCH2およびCH3CH2SCH2CH2が挙げられる。「シアノアルキル」は、1つのシアノ基で置換されたアルキル基を意味する。「シアノアルキル」の例としては、NCCH2、NCCH2CH2およびCH3CH(CN)CH2が挙げられる。「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」などは、上記の例に類似して定義されている。用語「アルキルチオアルキル」、「アルキルスルホニルアミノ」
、「アルキルスルホニルオキシ」、「アルキルアミノスルホニル」、「アルキルスルホニルアミノ」、「アルキルアミノアルキル」、「アルキルスルフィニルアルキル」、「アルキルスルホニルアルキル」、「ジアルキルアミノアルキル」も同様に定義されている。
【0017】
「シクロアルキル」には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。用語「アルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル部分上のアルキル置換を意味し、例えば、エチルシクロプロピル、i-プロピルシクロブチル、3-メチルシクロペンチルおよび4-メチルシクロヘキシルを含む。用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分上のシクロアルキル置換を意味する。用語「シクロアルキルアルケニル」は、アルケニル部分上のシクロアルキル置換を意味する。用語「シクロアルキルアルキニル」は、アルキニル部分上のシクロアルキル置換を意味する。「シクロアルキルアルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチルおよび直鎖状もしくは分岐状アルキル基に結合した他のシクロアルキル部分が挙げられる。用語「シクロアルコキシ」は、例えばシクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどの酸素原子を介して連結したシクロアルキルを意味する。「シクロアルキルアルコキシ」は、アルキル鎖に結合した酸素原子を介して連結したシクロアルキルアルキルを意味する。「シクロアルキルアルコキシ」の例としては、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルエトキシおよび直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基に結合した他のシクロアルキル部分が挙げられる。「シクロアルケニル」には、例えばシクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基ならびに例えば1,3-および1,4-シクロヘキサジエニルなどの2つ以上の二重結合を備える基が含まれる。用語「シクロアルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル部分上のシクロアルキル置換を意味する。用語「シクロアルコキシアルキル」、「アルキルシクロアルキルアルキル」、「シクロアルキルアミノアルキル」、「シクロアルキルチオ」、「シクロアルキルスルフィニル」、「シクロアルキルスルホニル」などは、同様に定義されている。
【0018】
単独もしくは例えば「ハロアルキル」などの複合語中のいずれかで、または例えば「ハロゲンと置換されたアルキル」などの説明において使用される場合の用語「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素が含まれる。さらに、例えば「ハロアルキル」などの複合語において使用される場合、または例えば「ハロゲンと置換されたアルキル」などの説明において使用される場合は、前記アルキルは、同一もしくは相違していてよいハロゲン原子と部分的もしくは完全に置換されていてよい。「ハロアルキル」もしくは「ハロゲンと置換されたアルキル」の例としては、F3C、ClCH2、CF3CH2およびCF3CCl2が挙げられる。用語「ハロシクロアルキル」」、「ハロシクロアルコキシ」、「ハロシクロアルケニル」、「ハロシクロアルキルアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルコキシハロアルコキシ」、「ハロアルキルアミノアルキル」、「ハロアルキルカルボニルアミノ」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルキルスルホニルアミノ」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、「ハロアルキルカルボニルオキシ」、「ハロアルキルスルホニルオキシ」、「ハロアルキニルオキシなどは、用語「ハロアルキル」と同様に定義されている。「ハロアルコキシ」の例としては、CF3O-、CCl3CH2O-、HCF2CH2CH2O-およびCF3CH2O-が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CCl3S-、CF3S-、CCl3CH2S-およびClCH2CH2CH2S-が挙げられる。「ハロアルキルスルフィニル」の例としては、CF3S(O)-、CCl3S(O)-、CF3CH2S(O)-およびCF3CF2S(O)-が挙げられる。「ハロアルキルスルホニル」の例としては、CF3S(O)2-、CCl3S(O)2-、CF3CH2S(O)2-およびCF3CF2S(O)2-が挙げられる。「ハロアルケニル」の例としては、(Cl)2C=CHCH2-およびCF3CH2CH=CHCH2-が挙げられる。「ハロアルキニル」の例としては、HC≡CCHCl-、CF3C≡C-、CCl3C≡C-およびFCH2C≡CCH2-が挙げられる。「ハロアルコキシアルコキシ」の例としては、CF3OCH2O-、ClCH2CH2OCH
2CH2O-、Cl3CCH2OCH2O-ならびに分岐状アルキル誘導体が挙げられる。「ハロアルケニルオキシ」の例としては、(Cl)2C=CHCH2O-およびCF3CH2CH=CHCH2O-が挙げられる。「ハロアルコキシアルキル」の例としては、CF3OCH2-、CCl3CH2OCH2-、HCF2CH2CH2OCH2-およびCF3CH2OCH2-が挙げられる。
【0019】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合した直鎖状もしくは分岐状アルキル部分を意味する。「アルキルカルボニル」の例としては、CH3C(=O)-、CH3CH2CH2C(=O)-および(CH3)2CHC(=O)-が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CH3OC(=O)-、CH3CH2OC(=O)-、CH3CH2CH2OC(=O)-、(CH3)2CHOC(=O)-ならびに種々のブトキシカルボニルもしくはペントキシカルボニル異性体が挙げられる。用語「アルキルカルボニルアルキル」、「アルキルカルボニルオキシ」、「アルキルカルボニルアルコキシ」、「アルキルカルボニルアミノ」、「アルコキシカルボニルアミノ」、「アルキルアミノカルボニル」、「ジアルキルアミノスルホニル」、「シクロアルキルカルボニル」、「シクロアルキルアルコキシカルボニル」、「シクロアルコキシカルボニル」、「シクロアルキルカルボニルオキシ」、「ジアルキルアミノカルボニル」、「シクロアルキルアミノカルボニル」、「ハロアルキルカルボニル」および「ハロアルコキシカルボニル」は、同様に定義されている。用語「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基に結合したヒドロキシ基を意味する。用語「シアノアルキル」は、アルキル基に結合したシアノ基を意味する。用語「シアノアルコキシ」は、アルコキシ基に結合したシアノ基を意味する。用語「ニトロアルキル」は、アルキル基に結合したニトロ基を意味する。用語「ニトロアルケニル」は、アルケニル基に結合したニトロ基を意味する。
【0020】
用語「トリアルキルシリル」は、3つのアルキル基で置換されたシリルを意味する。用語「トリアルキルシリルアルキル」は、アルキルを介して結合したトリアルキルシリル基(例えば、-CH2TMS)を意味する。用語「トリアルキルシリルオキシ」は、酸素を介して結合したトリアルキルシリル基(例えば、-OTMS)を意味する。
【0021】
置換基内の炭素原子の総数は、接頭語「Ci~Cj」(式中、iおよびjは1~12の数である)によって示される。例えば、C1~C4アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからブチルスルホニルを指定する;C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2-を指定する;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH(OCH3)-、CH3OCH2CH2-もしくはCH3CH2OCH2-を指定する;およびC4アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH2CH2OCH2-およびCH3CH2OCH2CH2-を含む、計4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されたアルキル基の様々な異性体を指定する。
【0022】
化合物が、前記置換基の数が1を超える可能性があることを示す下付き文字を有する置換基で置換される場合、前記置換基(それらが1を超える場合)は、規定された置換基の群、例えばS(=O)u(=NR8)v、uおよびvは、0、1もしくは2である)から独立して選択される。1つの基が水素であってよい置換基を含有する、例えば(R5またはR6)である場合、さらにこの置換基が水素と見なされる場合、これは未置換である前記基と同等であると認識される。1つの可変基が1つの位置、例えばR9およびR11(ここで、nは0であってよい)に任意選択的に結合していると示される場合、水素は、たとえ可変基の定義において言及されていない場合でさえ、その位置に存在する場合がある。1つの基の上の1つ以上の位置が「置換されていない」または「未置換」であると言われる場合、水素原子は任意の自由原子価を占めるために結合させられる。
【0023】
他に特に指示されない限り、式1の構成成分としての「環」もしくは「環系」(例えば
、置換基Q1およびQ2は、複素環式である)。用語「環系」は、2つ以上の縮合環を意味する。用語「二環式環系」および「縮合二環式環系」は、他に指示されない限りどちらかの環が飽和、部分不飽和または完全不飽和であってよい2つの縮合環からなる環系を意味する。用語「縮合複素環式二環系」は、少なくとも1個の環原子が炭素ではない縮合二環式環系を意味する。用語「環員」は、環もしくは環系の骨格を形成する原子もしくは他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)、S(O)もしくはS(O)2)を指す。
【0024】
用語「複素環式環」、「複素環式」または「複素環式環系」は、環の骨格を形成する少なくとも1個の原子が炭素ではない、例えば窒素、酸素もしくは硫黄である環もしくは環系を意味する。典型的には、複素環式環は、4個以下の窒素、2個以下の酸素および2個以下の硫黄を含有する。他に指示されない限り、複素環式環は、飽和、部分不飽和または完全不飽和の環であってよい。完全不飽和複素環式環がヒュッケル則を満たす場合、前記環は、「芳香族複素環」もしくは「芳香族複素環式環」とも呼ばれる。他に指示されない限り、複素環式環および複素環式環系は、前記炭素もしくは窒素上の水素の置換によって任意の利用可能な炭素もしくは窒素を介して結合することができる。
【0025】
「芳香族」は、環原子のそれぞれが本質的に同一平面にあってその環平面に垂直なp軌道を有すること、および(4n+2)π電子(式中、nは正の整数である)がその環と結び付いてヒュッケル則に適合することを意味する。用語「芳香族環系」は、環系のうちの少なくとも1個の環が芳香族である複素環式環系を意味する。用語「芳香族複素環式環系」は、環系のうちの少なくとも1個の環が芳香族である複素環式環系を意味する。用語「非芳香族環系」は、環系内の環が1つも芳香族ではないことを前提に、完全飽和ならびに部分不飽和もしくは完全不飽和であってよい炭素環式環系もしくは複素環式環系を意味する。
【0026】
複素環と結び付けられる用語「任意選択的に置換された」は、未置換である、または未置換アナログが有する生物学的活性を消滅させない少なくとも1個の非水素置換基を有する基を意味する。本明細書で使用する下記の定義は、他に指示されない限り適用されるものとする。用語「任意選択的に置換された」は、語句「置換もしくは未置換」または用語「(未)置換」と互換的に使用される。他に指示されない限り、任意選択的に置換された基は、その基の各置換可能な位置で置換基を有していてよく、各置換基は相互に独立している。
【0027】
上記のように、Q1は、発明の概要において定義した置換基の群から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換された、(特に)フェニルであってよい。1~5個の置換基で任意選択的に置換されたフェニルの例は、明細表1にU-1として例示した環であり、ここで、Rvは、発明の概要においてQ1について規定したようにR9であり、およびRvは、発明の概要においてQ2について規定したようにR11であり、rは、0~5の整数である。
【0028】
上記のように、Q1は、発明の概要において定義したように、1群の置換基から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換された飽和もしくは不飽和であってよい、(特に)5もしくは6員の完全不飽和複素環であってよい。1つ以上の置換基で任意選択的に置換された5もしくは6員の不飽和芳香族複素環の例としては、明細表1の環U-2~U-61が挙げられ、ここでRvは、発明の概要においてQ1について規定したように任意の置換基(すなわち、R9)であり、およびrは、各U基上の利用可能な位置の数によって限定される0~5の整数である。U-29、U-30、U-36、U-37、U-38、U-39、U-40、U-41、U-42およびU-43は利用可能な位置を1つしか有していないので、これらのU基については、rは整数0または1に限定され、rが0であることは、U基が未置換であり、(Rv)rによって示された位置に水素が存在するこ
とを意味する。
【0029】
明細表1
【化2】
【化3】
2個までのO原子および2個までのS原子および4個までのN原子から選択される環員を含有する、および炭素原子環員上で5個までのハロゲン原子で置換されている5員もしくは6員の飽和または非芳香族不飽和複素環の例には、明細表2に例示した環G-1~G-35が含まれる。G基上の結合点が浮いて示されている場合は、G基は、水素原子の置換によってG基の任意の利用可能な炭素もしくは窒素を介して式1の残りに結合させられることに留意されたい。R
vに対応する任意選択的置換基は、水素原子と置換することによって任意の利用可能な炭素もしくは窒素に結合させることができる。これらのG環につ
いては、rは、典型的には各G基上の利用可能な位置の数によって限定される0~5の整数である。
【0030】
Q1もしくはQ2がG-28~G-35から選択される環を含む場合は、G2は、O、SもしくはNから選択されることに留意されたい。G2がNである場合は、窒素原子は、Q1もしくはQ2について発明の課題において定義されたようにHまたはRvに対応する置換基のいずれかとの置換によってその原子価を満たせることに留意されたい。
【0031】
明細表2
【化4】
【化5】
上記のように、Q
1は、発明の概要において定義したように1群の置換基(すなわち、R
9およびR
11)から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換された(特に)8、9または10員の芳香族複素環式二環系であってよい。1つ以上の置換基で任意選択的に置換された8、9または10員の芳香族複素環式二環系の例としては、明細表3に例示した環U-81~U-123が含まれ、ここでR
vは、発明の概要においてQ
1について規定したように任意の置換基(すなわち、R
8)であり、およびrは、典型的には0~5の整数である。
【0032】
明細表3
【化6】
【化7】
R
v基は構造U-1~U-123に示したが、それらは任意選択的置換基であるので、必ずしも存在する必要がないことに留意されたい。R
vが1個の原子に結合している場合にHである場合は、これは前記原子が未置換であるのと同一であることに留意されたい。それらの原子価を満たすために置換を必要とする窒素原子は、HもしくはR
vと置換される。(R
v)
rとU基との間の結合点が浮いて示されている場合は、(R
v)
rは、U基の任意の利用可能な炭素原子もしくは窒素原子に結合することができることに留意されたい。U基上の結合点が浮いて示されている場合は、U基は、水素原子の置換によってU基の任意の利用可能な炭素もしくは窒素を介して式1の残りに結合させることができることに留意されたい。一部のU基は4個未満のR
v基(例えば、U-2~U-5、U-7~U-48、およびU-52~U-61)としか置換させられないことに留意されたい。
【0033】
当分野においては、芳香族および非芳香族複素環式環および環系の調製を可能にするために多種多様な合成方法が公知であり;広範な概説については、全8巻のComprehensive Heterocyclic Chemistry,A.R.Katritzky and C.W.Rees editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1984および全12巻のComprehensive Heterocyclic Chemistry II,A.R.Katritzky,C.W.Rees and E.F.V.Scriven editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1996を参照されたい。
【0034】
本発明の化合物は、1つ以上の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体には、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体が含まれる。立体異性体は、同一構造であるが、空間内のそれらの原子の配列が異なる異性体であり、エナンチオマー、ジアステレオマー、シス-トランス異性体(幾何異性体としても公知である)およびアトロプ異性体が含まれる。アトロプ異性体は、回転障壁が異性体種の単離を許容するほど十分に高い単結合の周囲での制限された回転の結果として生じる。当業者であれば、1つの立体異性体は、他の立体異性体と比較して富化されている場合、または他の立体異性体から分離されている場合により活性である可能性がある、および/または有益な効果を示す可能性があることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、前記立体異性体を分離する、富化する、および/または選択的に調製する方法を知っている。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個別立体異性体または光学活性形として存在する場合がある。
【0035】
鏡像異性体的に富化された場合、1つのエナンチオマーは他方のエナンチオマーより大量で存在し、富化の程度は、(2x-1)・100%(式中、xは混合物中の優勢エナンチオマーのモル分率である)として定義される、エナンチオマー過剰(「ee」)という表現によって定義できる(例えば、20%のeeは、エナンチオマーの60:40比に対応する)。
【0036】
好ましくは、本発明の組成物は、より活性な異性体の少なくとも50%のエナンチオマー過剰;より好ましくは、少なくとも75%のエナンチオマー過剰;いっそうより好ましくは少なくとも90%のエナンチオマー過剰;および最も好ましくは少なくとも94%のエナンチオマー過剰を有する。特に注目すべきは、より活性な異性体の鏡像異性体的に純粋な実施形態である。
【0037】
式1の化合物は、追加のキラル中心を含むことができる。例えば、置換基および他の分子成分、例えばR2およびR3は、それら自体がキラル中心を含有する可能性がある。本発明は、ラセミ混合物ならびにこれらの追加のキラル中心で富化された、および本質的に純粋な立体配置を含む。
【0038】
本発明の化合物は、式1においてアミド結合の周囲での制限された回転のために1つ以上の立体配座異性体(例えば、C(Y)N(Q2)(R7))として存在することができる。本発明は、配座異性体の混合物を含む。さらに、本発明は、他方に比較して一方の配座異性体において富化している化合物を含む。
【0039】
式1の化合物は、典型的には2つ以上の形態で存在するので、そこで式1は、それらが表す化合物のすべての結晶形態および非結晶形態を含む。非結晶形態には、例えばワックスやゴムなどの固体である実施形態ならびに例えば液剤や融液などの液体である実施形態が含まれる。結晶形態には、本質的に単一結晶型を表す実施形態および多形体の混合物(すなわち、異なる結晶型)を表す実施形態が含まれる。用語「多形体」は、様々な結晶形で結晶できる化学化合物の特定結晶形を意味しており、これらの形態は結晶格子中に様々な配列および/または分子配座を有する。多形体は同一化学組成を有する可能性があるが、それらは格子内で弱く、もしくは強く結合している可能性がある共結晶化水もしくは他の分子の存在もしくは非存在のために組成が相違する可能性もある。多形体は、例えば、結晶の形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶出速度および生物学的利用率などの化学的、物理的および生物学的特性が相違する可能性がある。当業者であれば、式1の化合物の多形体が、式1の同一化合物の他の多形体または多形体の混合物に比較して、有益な効果(例えば、有用な調製物の調製のための適合性、改善された生物学的性能)を示せることを理解するであろう。式1の化合物の特定多形体の調製および単離は、例えば、選択される溶媒および温度を使用する結晶化法を含む当業者には公知の方法によって達成できる。多形性の包括的考察については、R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006を参照されたい。
【0040】
当業者であれば、窒素は酸化物へ酸化するためには利用可能な孤立電子対を必要とするので、すべての窒素含有複素環がN-オキシドを形成できるわけではないことを理解するであろう;当業者であれば、N-オキシドを形成できる窒素含有複素環を認識できるであろう。当業者であれば、さらに第3級アミンがN-オキシドを形成できることも認識できるであろう。複素環および第3級アミンのN-オキシドを調製するための、複素環および第3級アミンの例えば過酢酸およびm-クロル過安息香酸(MCPBA)、過酸化水素などのペルオキシ酸、t-ブチルヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウムおよびジメチルジオキシランなどのジオキシラン類を用いた酸化を含む合成方法は、当業者には極めてよく知られている。N-酸化物を調製するためのこれらの方法は、文献において広範に記載および概説されており、例えば:T.L.Gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp 748-750,S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press;M.Tisler and B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp 18-20,A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press;M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.43,pp 149-161,A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press;M.Tisler and B.Stanovnik,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.9,pp 285-291,A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic
Press;およびG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.22,pp 390-392,A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Pressを参照されたい。
【0041】
当業者であれば、環境および生理学的条件下では、化学化合物の塩はそれらの対応する非塩形と平衡状態にあるために、塩は非塩形の生物学的実用性を共有することを認識している。したがって式1の化合物の極めて様々な塩は、望ましくない植生を防除するために有用である(すなわち、農業に好適である)。式1の化合物の塩には、無機酸もしくは有機酸、例えば臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸もしくは吉草酸との酸付加塩が含まれる。式1の化合物が例えばカルボン酸もしくはフェノールなどの酸性部分を含有する場合、塩はさらに例えばピリジン、トリエチルアミンもしくはアンモニアなどの有機塩基もしくは無機塩基とともに形成された塩、またはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムもしくはバリウムのアミド、無水物、水酸化物もしくは炭酸塩も含む。したがって、本発明は、式1、そのN-オキシドおよび農業に好適な塩から選択される化合物を含む。
【0042】
発明の概要において記載した本発明の実施形態には、下記が含まれる(下記の実施形態において使用される式1は、それらのN-オキシドおよび塩を含む):
【0043】
実施形態1.式1(すべての立体異性体を含む)の化合物、それらのN-オキシドおよび塩、それらを含有する農業用組成物および本発明の概要において記載した除草剤としてのそれらの使用。
【0044】
実施形態2.実施形態1(式中、Q1は、各環もしくは環系が、R9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニルもしくはベンジル環またはナフタレニル環系;または、各環もしくは環系が、炭素原子ならびに2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環であり、ここで3個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR9から独立して選択され、窒素原子環員上のR10から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択される)の化合物。
【0045】
実施形態3.実施形態2(式中、Q1は、R9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環;または、各環が、炭素原子ならびに2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環であり、ここで3個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR9から独立して選択され、窒素原子環員上のR10から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択される)の化合物。
【0046】
実施形態4.実施形態3(式中、Q1は、R9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環である)の化合物。
【0047】
実施形態5.実施形態4(式中、Q1は、R9から独立して選択される1~3個の置換基で置換されたフェニル環である)の化合物。
【0048】
実施形態6.実施形態5(式中、Q1は、R9から独立して選択される1~2個の置換基で置換されたフェニル環である)の化合物。
【0049】
実施形態7.実施形態6(式中、Q1は、パラ(4)位でR9から選択される1個の置換基(および任意選択的に他の置換基)を有するフェニル環である)の化合物。
【0050】
実施形態8.実施形態7(式中、Q1がR9から選択される少なくとも2個の置換基で置換されたフェニル環である場合、1個の置換基は(フェニル環の)パラ(4)位にあり、少なくとも1個の他の置換基はメタ位にある)の化合物。
【0051】
実施形態9.実施形態1~3(式中、Q1は、各環が、炭素原子ならびに1個までのO原子、1個までのS原子および2個までのN原子から独立して選択される1~3個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環であり、ここで2個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環が炭素原子環員上のR9から独立して選択され、窒素原子環員上のR10から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択される)のいずれか1つの化合物。
【0052】
実施形態10.実施形態9(式中、Q2は、各環もしくは環系が、R11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環もしくはナフタレニル環系;または、各環が、炭素原子ならびに1個までのO原子、1個までのS原子および2個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環であり、ここで2個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR11から独立して選択され、窒素原子環員上のR12から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択される)の化合物。
【0053】
実施形態11.実施形態10(式中、Q2は、R11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環である)の化合物。
【0054】
実施形態12.実施形態11(式中、Q2は、R11から独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環である)の化合物。
【0055】
実施形態13.実施形態12(式中、Q2は、3位でR11から独立して選択される1個の置換基で置換されたフェニル環である)の化合物。
【0056】
実施形態14.実施形態10(式中、Q2は、各環が、炭素原子ならびに1個までのO原子、1個までのS原子および2個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環であり、ここで2個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR11から独立して選択され、窒素原子環員上のR12から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択される)の化合物。
【0057】
実施形態15.実施形態1~14(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してH、ハロゲンもしくはC1~C4アルキルである)のいずれか1つの化合物。
【0058】
実施形態16.実施形態15(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してH、ClもしくはCH3である)の化合物。
【0059】
実施形態17.実施形態16(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してHもしくはClである)の化合物。
【0060】
実施形態18.実施形態17(式中、R1およびR2は、それぞれHである)の化合物
。
【0061】
実施形態19.実施形態1~16(式中、Yは、OもしくはSである)のいずれか1つの化合物。
【0062】
実施形態20.実施形態19(式中、Yは、Oである)の化合物。
【0063】
実施形態21.実施形態19(式中、Yは、Sである)の化合物。
【0064】
実施形態22.実施形態1~21(式中、Aは、3個までの炭素原子、1個までのO原子、1個までのS原子および1個までのN原子から選択される2~4個の原子を含有する飽和、部分不飽和もしくは完全不飽和鎖であり、ここで2個までの炭素員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子員はS(=O)u(=NR8)vから選択され;その鎖は炭素原子上のR3および窒素原子上のR4から独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換されている)のいずれか1つの化合物。
【0065】
実施形態23.実施形態22(式中、Aは、2個までの炭素原子および1個までのN原子から選択される2~4個の原子を含有する飽和もしくは部分不飽和鎖であり、ここで1個までの炭素員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され;前記鎖は、炭素原子上のR3および窒素原子上のR4から独立して選択される2個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0066】
実施形態24.実施形態23(式中、Aは、2個までの炭素原子および1個までのN原子から選択される2~3個の原子を含有する飽和もしくは部分不飽和鎖であり、ここで1個までの炭素員は、C(=O)から独立して選択され:前記鎖は、炭素原子上のR3および窒素原子上のR4から独立して選択される1個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0067】
実施形態25.実施形態24(式中、Aは、-CH2CH2CH2-、-NCH2-、-C(=O)CH2-もしくは-CH=CH-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-(もしくは-N-CH-)部分の窒素に接続されている)である)の化合物。
【0068】
実施形態26.実施形態25(式中、Aは、-CH2CH2CH2-である)の化合物。
【0069】
実施形態27.実施形態25(式中、Aは、-NCH2-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-部分の窒素に接続されている)である)の化合物。
【0070】
実施形態28.実施形態25(式中、Aは、-C(=O)CH2-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-部分の窒素に接続されている)である)の化合物。
【0071】
実施形態29.実施形態25(式中、Aは、-CH=CH-である)の化合物。
【0072】
実施形態30.実施形態1~29(式中、各R3は、独立してハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-CO2H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ、C3~C6シクロアルキルもしくはC4~C6シクロアルキルアルキルである)のいずれか1つの化合物。
【0073】
実施形態31.実施形態30(式中、各R3は、独立してシアノ、-CO2H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルキルチオもしくはC4~C6シクロアルキルアルキルである)の化合物。
【0074】
実施形態32.実施形態31(式中、各R3は、独立してシアノ、-CO2H、C1~C4アルキルもしくはC1~C4ハロアルキルである)の化合物。
【0075】
実施形態33.実施形態32(式中、各R3は、独立してシアノ、-CO2HもしくはC1~C4アルキルである)の化合物。
【0076】
実施形態34.実施形態1(式中、2つのR3は、それらが結合する炭素原子と一緒にされてC4シクロアルキル環を形成する)の化合物。
【0077】
実施形態35.実施形態1~34(式中、各R4は、独立してC1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキルもしくはC3~C6シクロアルキルである)のいずれか1つの化合物。
【0078】
実施形態36.実施形態35(式中、各R4は、独立してC1~C4アルキルである)の化合物。
【0079】
実施形態37.実施形態36(式中、各R4は、CH3である)の化合物。
【0080】
実施形態38.実施形態1~37(式中、Jは、-CR5R6-である)のいずれか1つの化合物。
【0081】
実施形態39.実施形態1~37(式中、Jは、-CR5R6-CR5aR6a-(式中、-CR5R6部分は、Nに直接的に接続されている)のいずれか1つの化合物。
【0082】
実施形態40.実施形態38(式中、Jは、-CH2-である)の化合物。
【0083】
実施形態41.実施形態39(式中、Jは、-CH2CH2-である)の化合物。
【0084】
実施形態42.実施形態1~39(式中、R5およびR6は、それぞれ独立してH、ハロゲン、ヒドロキシもしくはCH3である)のいずれか1つの化合物。
【0085】
実施形態43.実施形態42(式中、R5およびR6は、それぞれ独立してHもしくはハロゲンである)の化合物。
【0086】
実施形態44.実施形態43(式中、R5およびR6は、それぞれHである)の化合物。
【0087】
実施形態45.実施形態1~39(式中、R5およびR6は、それらが結合する炭素原子と一緒にされてC4シクロアルキル環を形成する)のいずれか1つの化合物。
【0088】
実施形態46.実施形態1~39(式中、R5aおよびR6aは、それぞれ独立してHもしくはC1~C4アルキルである)のいずれか1つの化合物。
【0089】
実施形態47.実施形態1~46(式中、R7は、H、ヒドロキシ、アミノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6アルキニル、
C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルカルボニル、C2~C8ハロアルキルカルボニル、C4~C10シクロアルキルカルボニル、C2~C8アルコキシカルボニル、C2~C8ハロアルコキシカルボニル、C4~C10シクロアルコキシカルボニル、C2~C8アルキルアミノカルボニル、C3~C10ジアルキルアミノカルボニルもしくはC4~C10シクロアルキルアミノカルボニルである)のいずれか1つの化合物。
【0090】
実施形態48.実施形態47(式中、R7は、H、ヒドロキシ、アミノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6アルキニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキルもしくはC2~C8アルキルチオアルキルである)の化合物。
【0091】
実施形態49.実施形態48(式中、R7は、H、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6アルキニルもしくはC2~C8アルコキシアルキルである)の化合物。
【0092】
実施形態50.実施形態49(式中、R7は、HもしくはC1~C6アルキルである)の化合物。
【0093】
実施形態51.実施形態1~50(式中、各R8は、それぞれ独立してH、シアノもしくはC2~C3アルキルカルボニルである)のいずれか1つの化合物。
【0094】
実施形態52.実施形態51(式中、各R8は、独立してHである)の化合物。
【0095】
実施形態53.実施形態1~52(式中、各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルアミノアルキル、C2~C8ハロアルキルアミノアルキル、C4~C10シクロアルキルアミノアルキル、C3~C10ジアルキルアミノアルキル、-CHO、C2~C8アルキルカルボニル、C2~C8ハロアルキルカルボニル、C4~C10シクロアルキルカルボニル、-C(=O)OH、C2~C8アルコキシカルボニル、C2~C8ハロアルコキシカルボニル、C4~C10シクロアルコキシカルボニル、C5~C12シクロアルキルアルコキシカルボニル、-C(=O)NH2、C2~C8アルキルアミノカルボニル、C4~C10シクロアルキルアミノカルボニル、C3~C10ジアルキルアミノカルボニル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C2~C8アルコキシアルコキシ、C2~C8アルケニルオキシ、C2~C8ハロアルケニルオキシ、C2~C8ハロアルコキシハロアルコキシ、C3~C8アルキニルオキシ、C3~C8ハロアルキニルオキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、C4~C10シクロアルキルアルコキシ、C3~C10アルキルカルボニルアルコキシ、
C2~C8アルキルカルボニルオキシ、C2~C8ハロアルキルカルボニルオキシもしくはC4~C10シクロアルキルカルボニルオキシである)のいずれか1つの化合物。
【0096】
実施形態54.実施形態53(式中、各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルアミノアルキル、C2~C8ハロアルキルアミノアルキル、C4~C10シクロアルキルアミノアルキルもしくはC3~C10ジアルキルアミノアルキルである)の化合物。
【0097】
実施形態55.実施形態54(式中、各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C1~C8シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキルもしくはC6~C12シクロアルキルシクロアルキルである)の化合物。
【0098】
実施形態56.実施形態55(式中、各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシもしくはC1~C8ハロアルキルである)の化合物。
【0099】
実施形態57.実施形態56(式中、各R9は、独立してハロゲンもしくはC1~C8ハロアルキルである)の化合物。
【0100】
実施形態58.実施形態57(式中、各R9は、独立してF、ClもしくはCF3である)の化合物。
【0101】
実施形態59.実施形態58(式中、各R9は、独立してFもしくはCF3である)の化合物。
【0102】
実施形態60.実施形態1~59(式中、各R11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3
~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルアミノアルキル、C2~C8ハロアルキルアミノアルキル、C4~C10シクロアルキルアミノアルキル、C3~C10ジアルキルアミノアルキル、-CHO、C2~C8アルキルカルボニル、C2~C8ハロアルキルカルボニル、C4~C10シクロアルキルカルボニル、-C(=O)OH、C2~C8アルコキシカルボニル、C2~C8ハロアルコキシカルボニル、C4~C10シクロアルコキシカルボニル、C5~C12シクロアルキルアルコキシカルボニル、-C(=O)NH2、C2~C8アルキルアミノカルボニル、C4~C10シクロアルキルアミノカルボニル、C3~C10ジアルキルアミノカルボニル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C2~C8アルコキシアルコキシ、C2~C8アルケニルオキシ、C2~C8ハロアルケニルオキシ、C2~C8ハロアルコキシハロアルコキシ、C3~C8アルキニルオキシ、C3~C8ハロアルキニルオキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、C4~C10シクロアルキルアルコキシ、C3~C10アルキルカルボニルアルコキシ、C2~C8アルキルカルボニルオキシ、C2~C8ハロアルキルカルボニルオキシ、C4~C10シクロアルキルカルボニルオキシ、C1~C8アルキルスルホニルオキシ、C1~C8ハロアルキルスルホニルオキシ、C1~C8アルキルチオ、C1~C8ハロアルキルチオ、C3~C8シクロアルキルチオ、C1~C8アルキルスルフィニル、C1~C8ハロアルキルスルフィニル、C1~C8アルキルスルホニル、C1~C8ハロアルキルスルホニル、C3~C8シクロアルキルスルホニル、ホルミルアミノ、C2~C8アルキルカルボニルアミノ、C2~C8ハロアルキルカルボニルアミノもしくはC2~C8アルコキシカルボニルアミノである)のいずれか1つの化合物。
【0103】
実施形態61.実施形態60(式中、各R11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C1~C8アルキルスルホニルオキシ、C1~C8ハロアルキルスルホニルオキシ、C1~C8アルキルチオ、C1~C8ハロアルキルチオ、C3~C8シクロアルキルチオ、C1~C8アルキルスルフィニル、C1~C8ハロアルキルスルフィニル、C1~C8アルキルスルホニル、C1~C8ハロアルキルスルホニルもしくはC3~C8シクロアルキルスルホニルである)の化合物。
【0104】
実施形態62.実施形態61(式中、各R11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロア
ルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C1~C8アルキルスルホニル、C1~C8ハロアルキルスルホニルもしくはC3~C8シクロアルキルスルホニルである)の化合物。
【0105】
実施形態63.実施形態62(式中、各R11は、独立してハロゲン、C1~C8アルキル、C1~C8ハロアルキルもしくはC1~C8アルキルスルホニルである)の化合物。
【0106】
実施形態64.実施形態63(式中、各R11は、独立してF、Cl、CH3、CF3もしくは-SO2CF3である)の化合物。
【0107】
実施形態65.実施形態64(式中、各R11は、独立してF、Cl、CH3、CF3もしくは-SO2CF3である)の化合物。
【0108】
実施形態66.実施形態1~実施形態65(式中、各R10およびR12は、独立してC1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル、C2~C3アルキルカルボニル、C2~C3アルコキシカルボニルもしくはC2~C3アルキルアミノアルキルである)のいずれか1つの化合物。
【0109】
実施形態67.実施形態66(式中、各R10およびR12は、独立してC1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキルもしくはC2~C3アルコキシアルキルである)の化合物。
【0110】
実施形態68.実施形態67(式中、各R10およびR12は、独立してC1~C3アルキルである)の化合物。
【0111】
実施形態69.実施形態68(式中、各R10およびR12は、独立してCH3である)の化合物。
【0112】
実施形態70.実施形態1(式中、Q1は、各環系が、R素原子ならびに2個までのO原子および2個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から任意選択的に選択される環員を含有する8~10員の芳香族複素環式二環系であり、ここで3個までの炭素環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択され、各環系は、炭素原子環員上のR9から独立して選択され、および窒素原子環員上のR10から選択される4個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0113】
実施形態71.実施形態70(式中、Q1は、各環系が、炭素原子ならびに2個までのO原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する8~9員の芳香族複素環式二環系であり、各環系は、炭素原子環員上のR9から独立して選択される4個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0114】
実施形態72.実施形態71(式中、Q1は、炭素原子および2個までのO原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する9員の芳香族複素環式二環系であり、各環系は、炭素原子環員上のR9から独立して選択された4個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0115】
実施形態73.実施形態72(式中、Q1は、炭素原子および2個のO原子から選択される環員を含有する9員の芳香族複素環式二環系であり、環系は炭素原子環員上のR9(
すなわち、明細表3内のU-103)から独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0116】
実施形態74.実施形態73(式中、Q
1は、U-103A:
【化8】
である)の化合物。
【0117】
実施形態75.実施形態1、2および10~69(式中、Q1は、R9から独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されたフェニル環;または炭素原子ならびに炭素原子環員上のR9から独立して選択される、および窒素原子環員上のR10から選択される4個までの置換基で任意選択的に置換された、2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の芳香族複素環である)のいずれか1つの化合物。
【0118】
実施形態76.実施形態1(式中、Q2は、R11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環;または炭素原子ならびに炭素原子環員上のR11から独立して選択される、および窒素原子環員上のR12から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換された、5~6員の完全不飽和複素環であり、各環および環系は、炭素原子環員上のR11から独立して選択される、および窒素原子環員上のR12から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0119】
実施形態77.実施形態1または76(式中、Q2は、R11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環;または各環が炭素原子ならびに4個までのN原子から独立して選択される1~4個野ヘテロ原子から選択される環員を含有する6員の完全不飽和複素環であり、各環もしくは環系は、炭素原子環員上のR11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されている)の化合物。
【0120】
実施形態78.実施形態77(式中、Q2は、R11から独立して選択される4個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環;または炭素原子環員上のR11から独立して選択される4個までの置換基で任意選択的に置換されたピリジル環である)の化合物。
【0121】
実施形態79.実施形態78(式中、Q2は、炭素原子環員上のR11から独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換された3-ピリジル環である)の化合物。
【0122】
実施形態80.実施形態79(式中、Q2は、C1~C8アルキルもしくはC1~C8ハロアルキルから独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換された3-ピリジル環である)の化合物。
【0123】
実施形態81.実施形態1~56または60~80(式中、各R9は、独立してハロゲ
ン、C1~C8アルキルもしくはC1~C8ハロアルキルである)のいずれか1つの化合物。
【0124】
実施形態82.実施形態81(式中、各R9は、独立してCl、F、CH3もしくはCF3である)の化合物。
【0125】
実施形態83.実施形態82(式中、各R9は、独立してCH3である)の化合物。
【0126】
実施形態84.実施形態1~64または66~83(式中、各R11は、独立してF、Cl、CH3もしくはCF3である)のいずれか1つの化合物。
【0127】
実施形態85.実施形態24(式中、Aは、-CH2CH2CH2-、-CH=N-、-C(=O)CH2-もしくは-CH=CH-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-(もしくは-N-CH-)部分の窒素に接続されている)である)の化合物。
【0128】
実施形態86.実施形態1~24または30~84(式中、Aは、-CH2CH2CH2-、-CH=N-、-C(CH3)=N-、-(CH2CH3)=N-、-C(CH2CH2CH3)=N-、-C(CF3)=N-、-C(=O)CH2-もしくは-CH=CH-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-(もしくは-N-CH-)部分の窒素に接続されている)である)のいずれか1つの化合物。
【0129】
実施形態87.実施形態86(式中、Aは、-CH=N-、-C(CH3)=N-、-C(CH2CH3)=N-、-C(CH2CH2CH3)=N-もしくは-C(CF3)=N-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-(もしくは-N-CH-)部分の窒素に接続されている)である)の化合物。
【0130】
実施形態88.実施形態1~24または30~84(式中、Aは、-C(R3)=N-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-部分の窒素に接続されている)である)の化合物。
【0131】
実施形態89.実施形態88(式中、Aは、-CH=N-である)の化合物。
【0132】
実施形態90.実施形態88(式中、Aは、-C(CH3)=N-である)の化合物。
【0133】
実施形態91.実施形態88(式中、Aは、-C(CH2CH3)=N-である)の化合物。
【0134】
上記の実施形態1~91ならびに本明細書に記載した任意の他の実施形態を含む本発明の実施形態は、任意の方法で組み合わせることができ、実施形態における変量の記述は、式1の化合物だけではなく式1の化合物を調製するために有用な出発化合物および中間体化合物にもまた関係する。さらに、上記の実施形態1~91ならびに本明細書に記載した任意の他の実施形態を含む本発明の実施形態、およびそれらの任意の組み合わせは、本発明の組成物および方法に関係する。
【0135】
実施形態A.式1(式中、
Q1は、各環もしくは環系が、R9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニルもしくはベンジル環またはナフタレニル環系;または、各環も
しくは環系が、炭素原子ならびに2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環(式中、3個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR9から独立して選択され、窒素原子環員上のR10から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択され;
Q2は、各環もしくは環系が、R11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環もしくはナフタレニル環系;または、各環が、炭素原子ならびに1個までのO原子、1個までのS原子および2個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環(式中、2個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR11から独立して選択され、窒素原子環員上のR12から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択され;
R1およびR2は、それぞれ独立してH、ハロゲンもしくはC1~C4アルキルであり;
Yは、OもしくはSであり;
Aは、3個までの炭素原子、1個までのO原子、1個までのS原子および1個までのN原子から選択される2~4個の原子を含有する飽和、部分不飽和もしくは完全不飽和鎖であり、ここで2個までの炭素員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子員はS(=O)u(=NR8)vから選択され;前記鎖は、炭素原子上のR3および窒素原子上のR4から独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換されており;
各R3は、独立してハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-CO2H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ、C3~C6シクロアルキルもしくはC4~C6シクロアルキルアルキルであり;
各R4は、独立してC1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキルもしくはC3~C6シクロアルキルであり;
R5およびR6は、それぞれ独立してH、ハロゲン、ヒドロキシもしくはCH3であり;
R5aおよびR6aは、それぞれ独立してHもしくはC1~C4アルキルであり;
R7は、H、ヒドロキシ、アミノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6アルキニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルカルボニル、C2~C8ハロアルキルカルボニル、C4~C10シクロアルキルカルボニル、C2~C8アルコキシカルボニル、C2~C8ハロアルコキシカルボニル、C4~C10シクロアルコキシカルボニル、C2~C8アルキルアミノカルボニル、C3~C10ジアルキルアミノカルボニルもしくはC4~C10シクロアルキルアミノカルボニルであり;
各R8は、独立してH、シアノもしくはC2~C3アルキルカルボニルであり;
各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロ
キシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルアミノアルキル、C2~C8ハロアルキルアミノアルキル、C4~C10シクロアルキルアミノアルキル、C3~C10ジアルキルアミノアルキル、-CHO、C2~C8アルキルカルボニル、C2~C8ハロアルキルカルボニル、C4~C10シクロアルキルカルボニル、-C(=O)OH、C2~C8アルコキシカルボニル、C2~C8ハロアルコキシカルボニル、C4~C10シクロアルコキシカルボニル、C5~C12シクロアルキルアルコキシカルボニル、-C(=O)NH2、C2~C8アルキルアミノカルボニル、C4~C10シクロアルキルアミノカルボニル、C3~C10ジアルキルアミノカルボニル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C2~C8アルコキシアルコキシ、C2~C8アルケニルオキシ、C2~C8ハロアルケニルオキシ、C2~C8ハロアルコキシハロアルコキシ、C3~C8アルキニルオキシ、C3~C8ハロアルキニルオキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、C4~C10シクロアルキルアルコキシ、C3~C10アルキルカルボニルアルコキシ、C2~C8アルキルカルボニルオキシ、C2~C8ハロアルキルカルボニルオキシもしくはC4~C10シクロアルキルカルボニルオキシであり;
各R11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C10ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルアミノアルキル、C2~C8ハロアルキルアミノアルキル、C4~C10シクロアルキルアミノアルキル、C3~C10ジアルキルアミノアルキル、-CHO、C2~C8アルキルカルボニル、C2~C8ハロアルキルカルボニル、C4~C10シクロアルキルカルボニル、-C(=O)OH、C2~C8アルコキシカルボニル、C2~C8ハロアルコキシカルボニル、C4~C10シクロアルコキシカルボニル、C5~C12シクロアルキルアルコキシカルボニル、-C(=O)NH2、C2~C8アルキルアミノカルボニル、C4~C10シクロアルキルアミノカルボニル、C3~C10ジアルキルアミノカルボニル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C2~C8アルコキシアルコキシ、C2~C8アルケニルオキシ、C2~C8ハロアルケニルオキシ、C2~C8ハロアルコキシハロアルコキシ、C3~C8アルキニルオキシ、C3~C8ハロアルキニルオキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、C4~C10シクロアルキルアルコキシ、C3~C10アルキルカルボニルアルコキシ、C2~C8アルキルカルボニルオキシ、C2~C8ハロアルキルカルボニルオキシ、C4~C10シクロアルキルカルボニルオキシ、C1~C8アルキルスルホニルオキシ、C1~C8ハロアルキルスルホニルオキシ、C1~C8アルキルチオ、C1~C8ハロアルキルチオ、C3~C8シクロアルキルチオ、C1~C8アルキルスルフィニル、C1~C8ハロアルキルスルフィニル、C1~C8アルキルスルホニル、C1~C8ハロアルキルスルホニル、C3~C8シクロアルキルスルホニル、ホルミルアミノ、C2~C8アルキルカルボニルアミノ、C2~C8ハロアルキルカルボニルアミノもしくはC2~C8アルコキシカルボニルアミノであり;および
各R10およびR12は、独立してC1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、
C2~C3アルコキシアルキル、C2~C3アルキルカルボニル、C2~C3アルコキシカルボニルもしくはC2~C3アルキルアミノアルキルである)の化合物。
【0136】
実施形態B.実施形態A(式中、
Q1は、R9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環;または、各環が、炭素原子ならびに2個までのO原子、2個までのS原子および4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する5~6員の完全不飽和複素環であり、ここで3個までの炭素環員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され、硫黄原子環員は、各環もしくは環系が炭素原子環員上のR9から独立して選択され、窒素原子環員上のR10から選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたS(=O)u(=NR8)vから独立して選択され;
Q2は、R11から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環であり;
R1およびR2は、それぞれ独立してH、ClもしくはCH3であり;
Yは、Oであり;
Aは、2個までの炭素原子および1個までのN原子から選択される2~4個の原子を含有する飽和もしくは部分不飽和鎖であり、ここで1個までの炭素員はC(=O)およびC(=S)から独立して選択され;前記鎖は、炭素原子上のR3および窒素原子上のR4から独立して選択される2個までの置換基で任意選択的に置換されており;
各R3は、独立してシアノ、-CO2H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルキルチオもしくはC4~C6シクロアルキルアルキルであり;
各R4は、独立してC1~C4アルキルであり;
Jは、-CR5R6-であり;
R5およびR6は、それぞれ独立してHもしくはハロゲンであり;
R7は、H、ヒドロキシ、アミノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6アルキニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキルもしくはC2~C8アルキルチオアルキルであり;
各R8は、独立してHであり;
各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C2~C8アルキルアミノアルキル、C2~C8ハロアルキルアミノアルキル、C4~C10シクロアルキルアミノアルキルもしくはC3~C10ジアルキルアミノアルキルであり;
各R11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10
アルキルシクロアルキル、C6~C12シクロアルキルシクロアルキル、C3~C8シクロアルケニル、C3~C8ハロシクロアルケニル、C2~C8アルコキシアルキル、C2~C8ハロアルコキシアルキル、C3~C8ハロアルコキシアルコキシ、C1~C4ヒドロキシアルキル、C4~C10シクロアルコキシアルキル、C3~C10アルコキシアルコキシアルキル、C2~C8アルキルチオアルキル、C2~C8アルキルスルフィニルアルキル、C2~C8アルキルスルホニルアルキル、C1~C8アルキルスルホニルオキシ、C1~C8ハロアルキルスルホニルオキシ、C1~C8アルキルチオ、C1~C8ハロアルキルチオ、C3~C8シクロアルキルチオ、C1~C8アルキルスルフィニル、C1~C8ハロアルキルスルフィニル、C1~C8アルキルスルホニル、C1~C8ハロアルキルスルホニルもしくはC3~C8シクロアルキルスルホニルであり;および
各R10およびR12は、独立してC1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキルもしくはC2~C3アルコキシアルキルである)の化合物。
【0137】
実施形態C.実施形態B(式中、
Q1は、R9から独立して選択される5個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環であり;
Q2は、R11から独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換されたフェニル環であり;
R1およびR2は、それぞれ独立してHもしくはClであり;
Aは、2個までの炭素原子および1個までのN原子から選択される2~3個の原子を含有する飽和もしくは部分不飽和鎖であり、ここで1個までの炭素員はC(=O)から独立して選択され;前記鎖は、炭素原子上のR3および窒素原子上のR4から独立して選択される1個までの置換基で任意選択的に置換されており;
各R3は、独立してシアノ、-CO2HもしくはC1~C4アルキルであり;
各R4は、CH3であり;
R5およびR6は、それぞれ独立してHもしくはハロゲンであり;
R7は、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6アルキニルもしくはC2~C8アルコキシアルキルであり;
各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキルもしくはC6~C12シクロアルキルシクロアルキルであり;および
各R11は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシ、C1~C8ハロアルキル、C1~C8ニトロアルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8ハロアルケニル、C2~C8ニトロアルケニル、C2~C8アルキニル、C2~C8ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C5~C12アルキルシクロアルキルアルキル、C5~C12シクロアルキルアルケニル、C5~C12シクロアルキルアルキニル、C3~C8シクロアルキル、C1~C8アルキルスルホニル、C1~C8ハロアルキルスルホニルもしくはC3~C8シクロアルキルスルホニルである)の化合物。
【0138】
実施形態D.実施形態C(式中、
Q1は、R9から独立して選択される1~3個の置換基で置換されたフェニル環であり;
Q2は、3位でR11から独立して選択される1個の置換基で置換されたフェニル環で
あり;
R1およびR2は、それぞれHであり;
Aは、-CH2CH2CH2-、-NCH2-、-C(=O)CH2-もしくは-CH=CH-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-部分の窒素に接続されている)であり;
各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシもしくはC1~C8ハロアルキルであり;および
各R11は、独立してハロゲン、C1~C8アルキル、C1~C8ハロアルキルもしくはC1~C8アルキルスルホニルである)の化合物。
【0139】
実施形態E.実施形態D(式中、
Q1は、R9から独立して選択される1~2個の置換基で置換されたフェニル環であり;
Aは、-CH2CH2CH2-であり;
各R9は、独立してハロゲンもしくはC1~C8アルキルであり;および
各R11は、独立してF、Cl、CH3、CF3もしくは-SO2CF3である)の化合物。
【0140】
実施形態F.実施形態D(式中、
Q1は、R9から独立して選択される1~2個の置換基で置換されたフェニル環であり;
Aは、-NCH2-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-部分の窒素に接続されている)であり;
各R9は、独立してF、Cl、CF3であり;および
各R11は、独立してF、Cl、CH3、CF3もしくは-SO2CF3である)の化合物。
【0141】
実施形態G.実施形態C(式中、
Aは、-CH2CH2CH2-、-CH=N-、-C(CH3)=N-、-(CH2CH3)=N-、-C(CH2CH2CH3)=N-、-C(CF3)=N-、-C(=O)CH2-もしくは-CH=CH-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-(もしくは-N-CH-)部分の窒素に接続されている)であり;
各R9は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C8アルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4シアノアルコキシもしくはC1~C8ハロアルキルであり;および
各R11は、独立してハロゲン、C1~C8アルキル、C1~C8ハロアルキルもしくはC1~C8アルキルスルホニルである)の化合物。
【0142】
実施形態H.実施形態G(式中、
Aは、-CH=N-、-C(CH3)=N-、-C(CH2CH3)=N-、-C(CH2CH2CH3)=N-もしくは-C(CF3)=N-(式中、左に突き出ている結合は、式1の-N-J-部分の窒素に接続されており、右に突き出ている結合は、-N=C-(もしくは-N-CH-)部分の窒素に接続されている)であり;
各R9は、独立してハロゲン、C1~C8アルキルもしくはC1~C8ハロアルキルであり;および
各R11は、独立してF、Cl、CH3もしくはCF3である)の化合物。
【0143】
本発明の特定の実施形態には、下記の:
N-(2-フルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミド;および
N-(2-フルオロフェニル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-3-オキソ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニ]-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール-7-カルボキサミドから選択される本発明の概要に記載の化合物が含まれる。
【0144】
本発明はさらに、望ましくない植生の成長を防除するための方法であって、植生の場所を除草性有効量の本発明の(例えば、本明細書に記載した組成物としての)化合物と接触させる工程を含む方法に関する。使用方法に関連する実施形態として注目すべきは、上述の実施形態の化合物を含むものである。本発明の化合物は、例えば、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、ダイズ、ヒマワリ、綿、アブラナおよびイネなどの作物および特に例えばサトウキビ、柑橘類、果実およびナッツ作物などの作物における広葉雑草を選択的に防除するために特に有用である。
【0145】
さらに実施形態として注目に値するのは、上述の実施形態の化合物を含む本発明の除草剤組成物である。
【0146】
本発明はさらに、(a)式1、それらのN-オキシドおよび塩から選択される化合物、ならびに(b)(b1)光化学系II阻害剤、(b2)アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)阻害剤、(b3)アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤、(b4)オーキシン模倣体、(b5)5-エノール-ピルビルシキミ酸-3-リン酸(EPSP)シンターゼ阻害剤、(b6)光化学系I電子ダイバーター、(b7)プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、(b8)グルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤、(b9)超長鎖脂肪酸(VLCFA)エロンガーゼ阻害剤、(b10)オーキシン輸送阻害剤、(b11)フィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害剤、(b12)4-ヒドロキシフェニル-ピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤、(b13)ホモゲンチジン酸ソレネシルトランセレラーゼ(solenesyltransererase)(HST)阻害剤、(b14)セルロース生合成阻害剤、(b15)有糸分裂撹乱物質、有機ヒ素剤、アスラム、ブロモブチド、シンメチリン、クミルロン、ダゾメット、ジフェンゾコート、ダイムロン、エトベンザニド、フルレノール、ホサミン、ホサミン-アンモニウム、ヒダントシジン、メタム、メチルダイムロン、オレイン酸、オキサジクロメホン、ペラルゴン酸およびピリブチカルブを含む他の除草剤、および(b16)除草剤毒性緩和剤、ならびに(b1)~(b16)の化合物の塩から選択される少なくとも1つの追加の有効成分を含む除草剤混合物を含む。
【0147】
「光化学系II阻害剤」(b1)は、QB-結合ニッチでD-1タンパク質に結合する、したがって葉緑体チラコイド膜におけるQAからQBへの電子伝達をブロックする化学化合物である。光化学系IIの通過がブロックされた電子は、一連の反応を介して輸送され、細胞膜を破壊し、葉緑体の膨潤、膜漏出、そして最終的には細胞破壊をもたらす有毒化合物を形成する。QB結合ニッチは3つの異なる結合部位を有し:結合部位Aは、アトラジンなどのトリアジン、ヘキサジノンなどのトリアジノン、およびブロマシルなどのウラシルに結合し、結合部位Bは、ジウロンなどのフェニル尿素に結合し、結合部位Cは、ベンタゾンなどのベンゾチアジアゾール、ブロモキシニルなどのニトリルおよびピリデートなどのフェニル-ピリダジンに結合する。光化学系II阻害剤の例としては、アメトリン、アミカルバゾン、アトラジン、ベンタゾン、ブロマシル、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、クロルブロムロン、クロリダゾン、クロロトルロン、クロロクスロン、クミルロン、シアナジン、ダイムロン、デスメディファム、デスメトリン、ジメフロン、ジメタメトリン、ジウロン、エチジムロン、フェヌロン、フルオメツロン、ヘキサジノン、イ
オキシニル、イソプロツロン、イソウロン、レナシル、リニュロン、メタミトロン、メタベンズチアズロン、メトブロムロン、メトキシウロン、メトリブジン、モノリニュロン、ネブロン、ペンタノクロル、フェンメディファム、プロメトン、プロメトリン、プロパニル、プロパジン、ピリダホル、ピリデート、シズロン、シマジン、シメトリン、テブチウロン、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリンおよびトリエタジンが挙げられる。注目すべきは、アトラジン、ブロモキシニルまたはメトリブジンと混合された本発明の化合物である。
【0148】
「AHAS阻害剤」(b2)は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)としても公知のアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)を阻害するので、したがってタンパク質合成および細胞の成長に必要とされる、例えばバリン、ロイシンおよびイソロイシンなどの分岐鎖脂肪族アミノ酸の産生を阻害することによって植物を死滅させる化学化合物である。AHAS阻害剤の例としては、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ビスピリバック-ナトリウム、クロランスラム-メチル、クロリムロン-エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、ジクロスラム、エタメトスルフロン-メチル、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フロラスラム、フルカルバゾン-ナトリウム、フルメツラム、フルピルスルフロン-メチル、フルピルスルフロン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ハロスルフロン-メチル、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン-メチル(ナトリウム塩を含む)、イオフェンスルフロン(2-ヨード-N-[[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド)、メソスルフロン-メチル、メタゾスルフロン(3-クロロ-4-(5,6-ジヒドロ-5-メチル-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-[[(4,6-ジメトキシ-2-ピリミジニル)アミノ]カルボニル]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド)、メトスラム、メトスルフロン-メチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、ペノキススラム、プリミスルフロン-メチル、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン(2-クロロ-N-[[(4,6-ジメトキシ-2-ピリミジニル)アミノ]カルボニル]-6-プロピルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-スルホンアミド)、プロスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバック-メチル、ピリチオバック-ナトリウム、リムスルフロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン-メチル、トリアファモン(N-[2-[(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)カルボニル]-6-フルオロフェニル]-1,1-ジフルオロ-N-メチルメタンスルホンアミド)、トリアスルフロン、トリベニュロン-メチル、トリフロキシスルフロン(ナトリウム塩を含む)、トリフルスルフロン-メチルおよびトリトスルフロンが挙げられる。注目すべきは、ニコスルフロン、フルピルスルフロンまたはクロリムロンと混合された本発明の化合物である。
【0149】
「ACCase阻害剤」(b3)は、植物における脂質および脂肪酸合成の早期工程を触媒するアセチル-CoAカルボキシラーゼ酵素を阻害する化学化合物である。脂質は細胞膜の必須成分であり、脂質なしで新しい細胞を生成することはできない。アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害とその後の脂質産生の不足は、特に分裂組織などの活発な成長領域における細胞膜の完全性の消失をもたらす。最終的には芽や根茎の成長が止まり、芽の分裂組織および根茎の芽が枯れ始める。ACCase阻害剤の例としては、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロジナホップ、シクロキシジム、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、ピノキサデン、プロホキシジム、プロパキザホップ、キザロホップ、セトキシジム、テプラロキシジムおよびトラルコキシジムが挙げられ、フェノキサプロップ-P、フルアジホップ-P、ハロキシホップ-Pおよびキザロホップ-Pなどの分割形態、ならびにクロジナホップ-プロパルギル、シハロホップ-ブチル、ジクロホップ-メチルおよびフェノキサプロップ-P-
エチルなどのエステル形態が含まれる。注目すべきは、ピノキサデンまたはキザロホップと混合された本発明の化合物である。
【0150】
オーキシンは、多くの植物組織における成長を調節する植物ホルモンである。「オーキシン模倣体」(b4)は、植物成長ホルモンであるオーキシンを模倣し、そこで成長を制御不能および無秩序にし、感受性の種において植物を死に至らせる化学化合物である。オーキシン模倣体の例としては、アミノシクロピラクロル(6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピル-4-ピリミジンカルボン酸)およびそのメチル、エチルエステルならびにそのナトリウムおよびカリウム塩、アミノピラリド、ベナゾリン-エチル、クロラムベン、クラシホス、クロメプロップ、クロピラリド、ジカンバ、2,4-D、2,4-DB、ジクロルプロップ、フルロキシピル、ハラウキシフェン(4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-2-ピリジンカルボン酸)、ハラウキシフェン-メチル(メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-2-ピリジンカルボキシレート)、MCPA、MCPB、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、キンメラック、2,3,6-TBA、トリクロピルおよびメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキシレートが挙げられる。注目すべきは、ジカンバと混合された本発明の化合物である。
【0151】
「EPSPシンターゼ阻害剤」(b5)は、例えばチロシン、トリプトファンおよびフェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸の合成に関与する酵素である5-エノール-ピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼを阻害する化学化合物である。EPSP阻害剤除草剤は、植物群葉を介して容易に吸収され、師部から成長点に移動させられる。グリホサートは、この群に属する比較的非選択的な発芽後除草剤である。グリホサートには、例えばアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、カリウム、ナトリウム(セスキナトリウムを含む)およびトリメシウム(代替名:スルホサート)などのエステルおよび塩が含まれる。
【0152】
光化学系I電子ダイバーター」(b6)は、光化学系Iから電子を受容し、数サイクル後にヒドロキシルラジカルを生成する化学化合物である。これらのラジカルは極めて反応性であり、膜脂肪酸およびクロロフィルを含む不飽和脂質を容易に破壊する。これは細胞膜の完全性を破壊するので、細胞および細胞小器官が「漏出」し、葉の急速なしおれや乾燥をもたらし、最終的には植物の死を生じさせる。この第2タイプの光合成阻害剤の例としては、ダイコートおよびパラコートが挙げられる。
【0153】
「PPO阻害剤」(b7)は、酵素であるプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを阻害して、植物中において細胞膜を破壊し、細胞液の漏出を引き起こす高い反応性の化合物の形成を急速に生じさせる化学化合物である。PPO阻害剤の例としては、アシフルオルフェン-ナトリウム、アザフェニジン、ベンズフェンジゾン、ビフェノックス、ブタフェナシル、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロメトキシフェン、シニドン-エチル、フルアゾレート、フルフェンピル-エチル、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオログリコフェン-エチル、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキシフルオルフェン、ペントキサゾン、プロフルアゾール、ピラクロニル、ピラフルフェン-エチル、サフルフェナシル、スルフェントラゾン、チジアジミン、トリフルジモキサジン(ジヒドロ-1,5-ジメチル-6-チオキソ-3-[2,2,7-トリフルオロ-3,4-ジヒドロ-3-オキソ-4-(2-プロピン-1-イル)-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル]-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオン)およびチアフェナシル(メチルN-[2-[[2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロフェニル]チオ]-1-オキソプロピル]-β-アラニネート)が挙げられる。
【0154】
「GS阻害剤」(b8)は、植物がアンモニアをグルタミンへ変換させるために用いるグルタミンシンテターゼ酵素の活性を阻害する化学化合物である。結果として、アンモニアが蓄積し、グルタミンレベルが低下する。植物の損傷は、おそらくアンモニアの毒性と他の代謝プロセスに必要とされるアミノ酸の欠乏との複合効果により生じる。GS阻害剤としては、例えばグルホシネート-アンモニウムなどのグルホシネートおよびそのエステルおよび塩ならびに他のホスフィノトリシン誘導体、グルホシネート-P((2S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)ブタン酸)およびビラナホスが含まれる。
【0155】
「VLCFAエロンガーゼ阻害剤」(b9)は、エロンガーゼを阻害する多種多様な化学構造を有する除草剤である。エロンガーゼは、VLCFAの生合成に関与する葉緑体中またはその付近に位置する酵素の1種である。植物中において、超長鎖脂肪酸は、葉の表面での乾燥を防止し、花粉粒に安定性をもたらす疎水性ポリマーの主成分である。そのような除草剤には、アセトクロール、アラクロール、アニロホス、ブタクロール、カフェンストロール、ジメタクロール、ジメテナミド、ジフェナミド、フェノキサスルホン(3-[[(2,5-ジクロロ-4-エトキシフェニル)メチル]スルホニル]-4,5-ジヒドロ-5,5-ジメチルイソキサゾール)、フェントラザミド、フルフェナセット、インダノファン、メフェナセット、メタザクロール、メトラクロール、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプロパミド-M((2R)-N,N-ジエチル-2-(1-ナフタレニルオキシ)プロパンアミド)、ペトキサミド、ピペロホス、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、ピロキサスルホンおよびテニルクロールが挙げられ、例えばS-メトラクロールおよびクロロアセトアミドおよびオキシアセトアミドなどの分割形態が含まれる。注目すべきは、フルフェナセットと混合された本発明の化合物である。
【0156】
「オーキシン輸送阻害剤」(b10)は、オーキシン担体タンパク質と結合することなどによって、植物中におけるオーキシン輸送を阻害する化学物質である。オーキシン輸送阻害剤の例としては、ジフルフェンゾピル、ナプタラム(N-(1-ナフチル)-フタルアミド酸および2-[(1-ナフタレニルアミノ)カルボニル]安息香酸としても公知である)が挙げられる。
【0157】
「PDS阻害剤」(b11)は、フィトエンデサチュラーゼ工程でのカロチノイド生合成経路を阻害する化学化合物である。PDS阻害剤の例としては、ベフルブタミド、ジフルフェニカン、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモンノルフルルゾンおよびピコリナフェンが挙げられる。
【0158】
「HPPD阻害剤」(b12)は、4-ヒドロキシフェニル-ピルビン酸ジオキシゲナーゼの合成の生合成を阻害する化学物質である。HPPD阻害剤の例としては、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン(4-ヒドロキシ-3-[[2-[(2-メトキシエトキシ)メチル]-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-エン-2-オン)、フェンキノトリオン(2-[[8-クロロ-3,4-ジヒドロ-4-(4-メトキシフェニル)-3-オキソ-2-キノキサリニル]カルボニル]-1,3-シクロヘキサンジオン)、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、メソトリオン、ピラスルホトール、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、スルコトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン、トルピラレート(1-[[1-エチル-4-[3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル]-1H-ピラゾール-5-イル]オキシ]エチルメチルカーボネート)、トプラメゾン、5-クロロ-3-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-1-(4-メトキシフェニル)-2(1H)-キノキサリノン、4-(2,6-ジエチル-4-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-
ジメチル-3(2H)-ピリダジノン、4-(4-フルオロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5(2H,4H)-ジオン、5-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-(3-メトキシフェニル)-3-(3-メトキシプロピル)-4(3H)-ピリミジノン、2-メチル-N-(4-メチル-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)-3-(メチルスルフィニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミドおよび2-メチル-3-(メチルスルホニル)-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミドが挙げられる。注目すべきは、メソトリオンまたはピラスルホトールと混合された本発明の化合物である。
【0159】
「HST阻害剤」(b13)は、ホモゲンチジン酸塩を2-メチル-6-ソラニル-1,4-ベンゾキノンに変換する植物の能力を撹乱し、これによってカロチノイド生合成を撹乱する。HST阻害剤の例としては、ハロキシジン、ピリクロール、シクロピリモレート(6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチルフェノキシ)-4-ピリダジニル4-モルホリンカルボキシレート)、3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-1-メチル-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン、7-(3,5-ジクロロ-4-ピリジニル)-5-(2,2-ジフルオロエチル)-8-ヒドロキシピリド[2,3-b]ピラジン-6(5H)-オンおよび4-(2,6-ジエチル-4-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-3(2H)-ピリダジノンが挙げられる。
【0160】
HST阻害剤としてはさらに、式AおよびB:
【化9】
(式中、R
d1はH、ClもしくはCF
3であり;R
d2はH、ClもしくはBrであり;R
d3はHもしくはClであり;R
d4はH、ClもしくはCF
3であり;R
d5はCH
3、CH
2CH
3もしくはCH
2CHF
2であり;および、R
d6はOHもしくは-OC(=O)-i-Prであり;および、R
e1はH、F、Cl、CH
3もしくはCH
2CH
3であり;R
e2はHもしくはCF
3であり;R
e3はH、CH
3もしくはCH
2CH
3であり;R
e4はH、FもしくはBrであり;R
e5はCl、CH
3、CF
3、OCF
3もしくはCH
2CH
3であり;R
e6はH、CH
3、CH
2CHF
2もしくはC≡CHであり;R
e7はOH、-OC(=O)Et、-OC(=O)-i-Prもしくは-OC(=O)-t-Buであり;およびA
e8はNもしくはCHである)の化合物が挙げられる。
【0161】
「セルロース生合成阻害剤」(b14)は、所定の植物におけるセルロースの生合成を阻害する。それらは、幼植物または急速に成長する植物に発芽前または発芽後早期に適用した場合に最も効果的である。セルロース生合成阻害剤剤の例としては、クロルチアミド
、ジクロベニル、フルポキサム、インダジフラム(N2-[(1R,2S)-2,3-ジヒドロ-2,6-ジメチル-1H-インデン-1-イル]-6-(1-フルオロエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)、イソキサベンおよびトリアジフラムが挙げられる。
【0162】
「他の除草剤」(b15)には、有糸分裂撹乱物質(例えば、フラムプロップ-M-メチルおよびフラムプロップ-M-イソプロピル)、有機ヒ素(例えば、DSMAおよびMSMA)、7,8-ジヒドロプテロイン酸シンターゼ阻害剤、葉緑体イソプレノイド合成阻害剤および細胞壁生合成阻害剤などの多様に異なる作用形態を介して作用する除草剤が含まれる。他の除草剤には、未知の作用形態を有するか、または(b1)~(b14)に列挙した特定のカテゴリーのいずれにも属さないか、または上記に列挙した作用形態の組み合わせを介して作用する除草剤が含まれる。他の除草剤の例としては、アクロニフェン、アスラム、アミトロール、ブロモブチド、シンメチリン、クロマゾン、クミルロン、ダイムロン(daimuron)、ジフェンゾコート、エトベンザニド、フルオメツロン、フルレノール、ホサミン、ホサミン-アンモニウム、ダゾメット、ダイムロン(dymron)、イプフェンカルバゾン(1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,5-ジヒドロ-N-(1-メチルエチル)-5-オキソ-4H-1,2,4-トリアゾール-4-カルボキサミド)、メタム、メチルダイムロン、オレイン酸、オキサジクロメホン、ペラルゴン酸、ピリブチカルブおよび5-[[(2,6-ジフルオロフェニル)メトキシ]メチル]-4,5-ジヒドロ-5-メチル-3-(3-メチル-2-チエニル)イソオキサゾールが挙げられる。
【0163】
「除草剤毒性緩和剤」(b16)は、所定の作物に対する除草剤の植物毒性効果を排除または低減するために除草剤配合物に加えられる物質である。これらの化合物は、除草剤による被害から作物を保護するが、典型的には除草剤による望ましくない植生の防除を妨げない。除草剤毒性緩和剤の例としては、これらに限定されないが、ベノキサコール、クロキントセット-メキシル、クミルロン、シオメトリニル、シプロスルファミド、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、ジメピペレート、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、メフェネート、メトキシフェノン、ナフタル酸無水物、オキサベトリニル、N-(アミノカルボニル)-2-メチルベンゼンスルホンアミドおよびN-(アミノカルボニル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド、1-ブロモ-4-[(クロロメチル)スルホニル]-ベンゼン、2-(ジクロロメチル)-2-メチル-1,3-ジオキソラン(MG191)、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アゾスピロ[4.5]デカン(MON4660)、2,2-ジクロロ-1-(2,2,5-トリメチル-3-オキサゾリジニル)-エタノンならびに2-メトキシ-N-[[4-[[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ]フェニル]スルホニル]-ベンズアミドが挙げられる。
【0164】
式1の化合物は、下記のスキーム1~21に示した方法およびそれらの変法と組み合わせた、合成有機化学の技術分野において公知である一般的方法によって調製することができる。下記の式1~17の化合物中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R5a、R6a、Q1、Q2およびYの定義は、他に明記されていない限り、発明の概要において上記に定義したとおりである。式1a、2a、4a、6a、8a、10aおよび13aの化合物は、式1、2、4、8、10および13の化合物それぞれの様々なサブセットである。式1b、2b、8b、10bおよび13bの化合物は、式1、2、8、10および13の化合物それぞれの様々なサブセットである。式1c、8c、10cおよび13cの化合物は、式1、8、10および13の化合物それぞれの様々なサブセットである。式10dおよび10eの化合物は、式10の化合物の様々なサブセットである。各サブセット式の置換基は、他に明記されない限り、原式について定義されたとおりである。Q1およびC
(Y)N(Q2)(R7)によって表される式1の化合物の置換基は、それぞれ主としてトランス配置で見いだされる。一部の場合には、微量のシス異性体の存在は、NMRによって検出され得る。
【0165】
スキーム1に示したように、式1aの化合物(すなわち、式1(式中、R
1はHであり;R
2はHであり;およびYはOである)の化合物)は、任意選択的に溶媒の存在下で100℃を超える温度に加熱することによって、式2のエステルと式3の過剰のアミンとの反応によって調製することができる。スキーム1の方法は、合成例1における工程E、合成例2および3における工程Dならびに合成例4における工程Aに例示されている。
【化10】
【0166】
スキーム2に示したように、式1bの化合物(すなわち、式1(式中、Aは炭素もしくは酸素原子を含有する鎖であり;R
7はHであり;およびYはOである)の化合物)は、式4の化合物の環化によって調製することができる。環化は、例えば、アミノアセタール、アミノアルデヒド、アミノケトンおよびヒドラジドなどであるがそれらに限定されない式5の適切な窒素含有化合物を中性条件下もしくは酸性条件下で使用することによって実施される。この反応のための好適な酸には、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸ならびに酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸が含まれるが、それらに限定されない。この反応のためには、水、メタノール、エタノールおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~10℃の範囲内の温度で実施される。スキーム2の方法は、合成例1の工程D、合成例3の工程F、合成例4の工程Cならびに合成例5における工程Aに例示されている。
【化11】
【0167】
スキーム3に示したように、式1cの化合物(すなわち、式1(式中、R
1はHであり;R
2はHであり;YはOであり;およびAは-NHA
2-である)の化合物)は、「カ
ップリングパートナー」の存在下で式6のN-アミノラクタムの環化によって調製することができる。この反応のための「カップリングパートナー」は、単独で、または第1級アミド、酸塩化物、二硫化炭素、例えばシアン化ナトリウムもしくはカリウムなどのシアン化物またはアンモニアと組み合わせて選択することができる。環化は、任意選択的に活性化剤の存在下で、および典型的には共溶媒の存在下で実施することができる。この反応のための好適な活性化剤には、塩化亜鉛などの金属塩化物ならびに酢酸およびプロピオン酸などのカルボン酸が含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、酢酸、トルエン、ベンゼン、キシレン、二硫化炭素、N,N-ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~150℃の範囲内の温度で実施される。スキーム3の方法は、合成例1の工程Gによって例示されている。
【化12】
【0168】
スキーム4に示したように、式1aの化合物は、式8のアジドラクタムの環化によっても調製することができる。環化は、典型的には共溶媒の存在下で式7のオルガノホスフィンによって実施することができる。この反応のために好適なオルガノホスフィンには、トリフェニルホスフィンもしくはトリ-n-ブチルホスフィンが含まれるが、それらに限定されない。この反応のためには、ベンゼン、クロロベンゼン、四塩化炭素およびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。スキーム4の方法は、合成例2の工程Cによって例示されている。
【化13】
【0169】
スキーム5に示したように、式2aの化合物は、式4aの化合物の環化によって調製することができる。環化は、例えばアミノアセタール、アミノアルデヒド、アミノケトンおよびヒドラジドなどであるがそれらに限定されない適切な窒素含有化合物を中性条件下もしくは酸性条件下で使用することによって実施できる。この反応のための好適な酸には、
塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸ならびに酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸が含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、水、メタノール、エタノールおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。
【化14】
【0170】
スキーム6に示したように、式2bの化合物は、式8aのアジドラクタムの環化によって調製することができる。環化は、典型的には共溶媒の存在下でオルガノホスフィンによって実施することができる。この反応のために好適なオルガノホスフィンには、トリフェニルホスフィンもしくはトリ-n-ブチルホスフィンが含まれる。この反応のためには、ベンゼン、クロロベンゼン、四塩化炭素およびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。
【化15】
【0171】
スキーム7に示したように、式8bの化合物は、式9のラクタムの置換によって調製することができる。置換は、無機アジドもしくはトリアルキルシリルアジドを用いて、典型的には共溶媒の存在下で実施される。この反応のために好適なアジドには、例えばアジ化ナトリウムなどの無機アジドおよびアジドトリメチルシランなどのトリアルキルシリルアジドが含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドおよびエタノールを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。スキーム7の方法は、合成例2の工程Bによって例示されている。
【化16】
【0172】
スキーム8に示したように、式8cの化合物は、光延置換法による式9のアルコールの置換によって調製することができる。置換は、典型的には、共溶媒の存在下で、アジド、ホスフィンおよびアゾジカルボキシレートを用いて実施される。この反応のために好適なアジドには、ジフェニルホスホリルアジドおよびアジドトリメチルシランが含まれるが、それらに限定されない。この反応のために好適なホスフィンには、トリフェニルホスフィンもしくはトリ-n-ブチルホスフィンが含まれるが、それらに限定されない。この反応のために好適なホスフィンには、ジエチルアゾジカルボキシレートおよびジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレートが含まれるが、それらに限定されない。この反応のためには、N,N-ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。例えば、このタイプの変換については、Org.Lett.2008,10(14),2997-3000およびJ.O.C.1999,64(16),6049-6055を参照されたい。
【化17】
【0173】
スキーム9に示したように、式8bの化合物は、式10の化合物を式11の化合物と反応させることによって調製することができる。置換は、塩基の存在下で、典型的には共溶媒の存在下で実施される。この反応のために好適な塩基には、例えば水酸化ナトリウムおよびカリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウムおよびカリウムなどの炭酸塩ならびに例えばトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルアミンおよび1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンなどの窒素含有塩基が含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃
から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。式10(式中、Jは、-CR
5R
6-である)の化合物は、PCT/US2014/068073(国際公開第2015/084796号パンフレット)に記載された多数の方法で調製することができる。式10(式中、Jは、-CR
5R
6-CR
5aR
6a-である)の化合物は、PCT/US2014/38473(国際公開第2016/003997号パンフレット)に記載された多数の方法で調製することができる。
【化18】
【0174】
スキーム10に示したように、式6の化合物は、式10のラクタムのN-アミノ化によって調製することができる。アミノ化は、任意選択的に塩基の存在下で、および典型的には共溶媒の存在下で、求電性アミノ化試薬を用いて実施される。好適な求電性アミノ化試薬には、N-クロロアミン、O-ジフェニルホスホリルヒドロキシルアミン、O-メシチルスルホニルヒドロキシルアミン、O-スルホン酸ヒドロキシルアミン、O-メシトイルヒドロキシルアミンおよびO-2,4-ジニトロフェニルヒドロキシルアミンが含まれるがそれらに限定されない。この反応のために好適な塩基には、例えば水酸化ナトリウムおよびカリウムなどの水酸化物、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドなどのアルコキシド、炭酸ナトリウムおよびカリウムなどの炭酸塩、水素化ナトリウム、例えばリチウムジイソプロピルアミドおよびナトリウムヘキサメチルジシリアジドなどの金属アミドならびに例えばトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルアミンおよび1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンなどの中性窒素含有塩基が含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、キシレン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~150℃の範囲内の温度で実施される。
【0175】
または、N-アミノ化は、式12の中間体N-ニトロソラクタムの形成およびその後の還元を通して進行する2工程手技によって達成できる。式12のN-ニトロソラクタム化合物は、活性化剤の存在下、および典型的には共溶媒の存在下で、式10の化合物と適切なニトロシル化剤との反応を実施することによって入手できる。好適なニトロシル化剤には、例えば亜硝酸ナトリウムおよびカリウムならびに酸化窒素などの亜硝酸塩が含まれるがそれらに限定されない。この反応のために好適な活性化剤には、例えば酢酸ナトリウムおよびカリウムなどの酢酸塩、例えば酢酸およびプロピオン酸などのカルボン酸ならびに例えば三塩化ビスマス(III)および四塩化スズ(IV)などのルイス酸が含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、酢酸無水物、四塩化炭素および塩化メチレンを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。式6のN-アミノ化合物は、典型的には共溶媒の存在下で、式12のN-ニトロソラクタムと適切な還元剤との反応を実施することによって入手できる。好適な還元剤には、亜鉛金属が含まれるが、それらに限定されない。この反応のためには、酢酸および塩酸を含むがそれら
に限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には-20℃~100℃の範囲内の温度で実施される。代表的な手法については、Synthesis 2006,14,2371-2375およびSynthetic Communications 2009,39,604-612を参照されたい。式10(式中、Jは、-CR
5R
6-である)の化合物は、PCT/US2014/068073(国際公開第2015/084796号パンフレット)に教示された多数の方法で調製することができる。式10(式中、Jは、-CR
5R
6-CR
5aR
6a-である)の化合物は、PCT/US2014/38473(国際公開第2016/003997号パンフレット)に記載された多数の方法で調製することができる。
【化19】
【0176】
または、スキーム11に示したように、式6aの化合物は、式10aの化合物を例えばO-(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミンおよびヒドロキシルアミノ-O-スルホン酸などのアミノ化試薬と反応させることによって調製することができる。手法、条件および試薬については、Bioorg. & Med.Chem.Lett.2009,19,5924-5926およびJ.O.C.2002,67,6236-6239を参照されたい。
【化20】
【0177】
スキーム12に示したように、式10bの化合物は、式10aのエステルの加水分解によって調製することができる。加水分解は、水性塩基もしくは水性酸を用いて、典型的には共溶媒の存在下で実施される。この反応のために好適な塩基には、水酸化ナトリウムお
よびカリウムなどの水酸化物ならびに炭酸ナトリウムおよびカリウムなどの炭酸塩が含まれるがそれらに限定されない。この反応のための好適な酸には、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸ならびに酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸が含まれるがそれらに限定されない。この反応のためには、メタノール、エタノールおよびテトラヒドロフランを含むがこれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~100℃の範囲内の温度で実施される。
【化21】
【0178】
スキーム13に示したように、式4の化合物は、式13の化合物の還元およびその後に生じた中間体アミンのin situ環化により得ることができる。式13の化合物中の脂肪族ニトロ基を還元するための多種多様な方法は、文献において知られている。典型的な還元法には、酸性培地中でのパラジウム炭素もしくはラネーニッケル、鉄もしくは亜鉛金属(例えば、Berichte der Deutschen Chemischen
Gesellschaft 1904,37,3520-3525を参照されたい)ならびに水素化アルミニウムリチウムの存在下における触媒水素化が含まれる。還元は、さらにまた例えばメタノールなどのプロトン源の存在下でヨウ化サマリウム(II)を用いて達成することもできる(例えば、Tet.Lett.1991,32(14),1699-1702)を参照されたい)。または、例えば酢酸ニッケル(II)もしくは塩化ニッケル(II)などのニッケル触媒の存在下で水素化ホウ素ナトリウムもまた使用できる(例えば、Tet.Lett.1985,26(52),6413-6416を参照されたい)。塩化ニッケル(II)の存在下で水素化ホウ素ナトリウムを利用するスキーム12の方法は、合成例1の工程Cによって例示されている。
【化22】
【0179】
スキーム14に示したように、式13aの化合物(式13(式中、Jは-CR
5R
6-である)の化合物)は、式14のジエステルを典型的には塩基の存在下で、式15のニトロアルケンと反応させることによって調製することができる。この反応のために好適な塩
基には、例えばメタノール中のナトリウムメトキシドまたはエタノール中のナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属低級アルコキシドが含まれる。スキーム14の方法は、合成例1の工程Bによって例示されている。式14の化合物は、例えばアルデヒドおよびマロネートのクネーベナーゲル縮合のような当業者に公知の方法によって容易に調製することができる(例えばG.Jones,Organic Reactions Volume
15,John Wiley and Sons,1967を参照されたい)。
【化23】
【0180】
式13aの化合物(式13(式中、Jは-CR
5R
6-である)の化合物)は、スキーム15に示したように塩基の存在下で、式16のニトロアルケンを式17のマロネートと反応させることによって調製することができる。この反応のために好適な塩基には、例えばメタノール中のナトリウムメトキシドもしくはエタノール中のナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属低級アルコキシドまたは例えばテトラヒドロフランなどの溶媒中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびリチウムジイソプロピルアミドなどの塩基が含まれるがそれらに限定されない。典型的には、この反応は、-78℃~23℃の範囲内で実施される。この転換を実施するための条件については、Synthesis 2005,2239-2245を参照されたい。この転換を触媒の非存在下の還流水中で実施するための条件は、Synthetic Communications 2013,43,744-748に報告されている。式16のニトロアルケンは、公知の方法によって、アルデヒドおよびニトロメタンから容易に調製することができる。
【化24】
【0181】
式13bおよび13cの化合物は、スキーム16に示したように、キラル触媒の存在下および任意選択的に好適な塩基の存在下で、式16のニトロアルケンを式17のマロネートと反応させることによって立体選択的に調製することができる。好適な触媒には、これらに限定されないが、例えばNi(II)ビス[(R,R)-N,N’-ジベンジルシクロヘキサン-1,2-ジアミン]ジブロミド、Ni(II)ビス[(S,S)-N,N’-ジベンジルシクロヘキサン-1,2-ジアミン]ジブロミドなどのビシナルジアミンを含むNi(II)またはキラル1,1’-ビ(テトラヒドロイソキノリン)型ジアミンを含む臭化ニッケル(II)が含まれる。この反応のために好適な有機塩基には、これらに
限定されないが、ピペリジン、モルホリン、トリエチルアミン、4-メチルモルホリンもしくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンが含まれる。この転換は、そのままで、または例えばテトラヒドロフラン、トルエンもしくはジクロロメタンなどの溶媒中で実施することができる。典型的には、この反応は、-78℃~80℃の範囲内で0~1当量の触媒および0~1当量の塩基を使用して実施される。この転換を実施するための条件は、条件についてのJ.Am.Chem.Soc.2005,9958-9959またはEur.J.Org.Chem.2011,5441-5446に報告されている。式16のニトロアルケンは、当業者には公知の方法によって、アルデヒドおよびニトロメタンから容易に調製することができる。
【化25】
【0182】
スキーム17に示したように、式10b(すなわち、式10(式中、YはOであり;R
1はハロゲンであり;およびR
2はHである))と式10c(すなわち、式10(式中、YはOであり;R
1はHであり;およびR
2はハロゲンである))の化合物との混合物は、開始剤の存在下もしくは非存在下で、溶媒中の式10aの化合物をハロゲン源と反応させることによって調製することができる。この反応によって生成される幾何異性体の分離は、例えばクロマトグラフィーもしくは分別結晶化法などの標準方法によって達成できる。この反応のために好適なハロゲン源には、臭素、塩素、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミドおよびN-ヨードスクシンイミドが含まれる。この反応のために好適な開始剤には、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および過酸化ベンゾイルが含まれる。典型的には、この反応は、ジクロロメタンなどの溶媒中において0℃から溶媒の沸点の範囲内で実施される。
【化26】
【0183】
スキーム18に示したように、式10dおよび10eの化合物(すなわち、式10(式中、R
1およびR
2はHであり;およびYはそれぞれO(10d)もしくはS(10e)である)の化合物)は、式10aの化合物を例えばローソン試薬、十硫化四リンもしくは五硫化二リンなどの少なくとも2当量の加硫試薬と、例えばテトラヒドロフランもしくは
トルエンなどの溶媒中において反応させることにより調製することができる。典型的には、この反応は、0℃~115℃の範囲内の温度で実施される。当業者であれば、2当量未満の加硫試薬を用いると、例えばクロマトグラフィーおよび結晶化などの従来方法によって分離できる式10dおよび10e(すなわち、式中、YはそれぞれSもしくはOである)の化合物の生成物を含む混合物を提供できることを認識している。スキーム18の方法は、合成例1の工程Dによって例示されている。
【化27】
【0184】
スキーム19に示したように、式4(すなわち、式1(式中、R
1およびR
2はHであり;およびYはOである)の化合物は、任意選択的に塩基の存在下で、適切なアルキル化剤を用いた式10aの化合物のアルキル化によって調製することができる。好適なアルキル化剤には、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム、テトラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウム、ヨードメタン、ヨードエタン、ブロモメタンおよびメチルp-トルエンスルホン酸塩が含まれるがそれらに限定されない。この反応のために好適な塩基には、炭酸ナトリウムおよびカリウムなどの炭酸塩ならびに例えばトリエチルアミンおよび1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンなどの中性窒素含有塩基が含まれるが、それらに限定されない。この反応のためには、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランを含むがそれらに限定されない多種多様な共溶媒が好適である。この反応は、-20℃から溶媒の沸点、および典型的には0~150℃の範囲内の温度で実施される。スキーム19の方法は、合成例1の工程Fによって例示されている。
【化28】
【0185】
式1の種々の化合物を得るために様々な官能基を他の基に変換させることができることは当業者に認識されている。官能基の単純かつ明快な相互変換を例示する価値ある情報源に関しては、Larock,R.C.,Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Ed.,Wiley-VCH,New Y
ork,1999を参照されたい。例えば、式1の化合物を調製するための中間体は芳香族ニトロ基を含有することができ、これをアミノ基に還元し、その後に、ザンドマイヤー反応などの当分野において周知である反応を介して様々なハロゲン化物に変換して式1の化合物を得ることができる。上記の反応はまた、多くの例において、また別の順序で実施することができる。
【0186】
式1の化合物を調製するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する所定の官能基については適合しない場合があることは認識されている。これらの場合には、保護/脱保護シーケンスもしくは官能基相互変換を合成に組み込むことで、所望の生成物の入手が促進されるであろう。保護基の使用および選択は、化学合成における当業者には明白であろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。当業者であれば、一部の場合には、任意の個別のスキームに記載されている試薬を導入した後に、式1の化合物の合成を完了するために、詳述されていない追加のルーチン的な合成工程の実施が必要となる場合があることを認識するであろう。当業者であれば、上記のスキームに例示した工程の組み合わせを式1の化合物を調製するために特に提示したものによって示唆された以外の順序で実施することが必要となる可能性があることを認識するであろう。
【0187】
当業者であれば、さらに、本明細書に記載の式1の化合物および中間体を様々な求電子性、求核性、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応に供して置換基を付加する、または既存の置換基を変更できることを認識するであろう。
【0188】
これ以上詳述しなくとも、上記の説明を使用した当業者は、本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の非限定的な例は本発明の例示である。以下の実施例における工程は、合成変換全体における各工程についての手法を例示するものであり、各工程のための出発材料は、必ずしも、その手法が他の実施例または工程において記載されている特定の調製作業によって調製されていなくてもよい。パーセンテージは、クロマトグラフィー溶媒混合物または他に指示された場合を除いて、重量%である。クロマトグラフィー溶媒混合物についての部およびパーセンテージは、他に指示されない限り、体積部および体積%である。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側のppmで報告されており;「s」は一重項を意味し、および「brs」は広域一重項を意味する。
【0189】
合成例1
N-(2-フルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミド(化合物2)の調製
工程A:1,3-ジエチル2-[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチレン]プロパンジオエートの調製
3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(7.55g、43.3mmol)、マロン酸ジエチル(6.6g、41.3mmol)、ピペリジン(0.91g、10.7mmol)およびベンゼン(50mL)の混合物をディーン・スタークトラップを使用して水を連続的に除去しながら17時間還流させた。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中の0%~30%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、無色透明な油(10.9g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.74(m,1H),7.71(m,1H),7.64(m,2H),7.52(m,1H),4.33(m,4H),1.35(m,3H),1.29(m,3H).
【0190】
工程B:1,3-ジエチル2-[2-ニトロ-1-[3-(2-トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエートの調製
エタノール(150mL)中の1,3-ジエチル2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチレン]プロパンジオエート(すなわち、工程Aの生成物、10.9g、34.5mmol)、ニトロメタン(18.5mL、345mmol)およびナトリウムメトキシドのメタノール溶液(25重量%、0.76g、3.45mmol)の混合物を23℃で21時間にわたり撹拌した。この反応混合物を次に減圧下で濃縮すると粘性油が得られたので、これをヘキサン中の25%の酢酸エチルで希釈し、不溶性微粒子物質を除去するためにCelite(登録商標)硅藻土濾過助剤のパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮すると、黄色油(11.0g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.57(m,1H),7.51(m,1H),7.47(m,2H),4.97(m,1H),4.89(m,1H),4.32(m,1H),4.23(m,4H),3.82(d,J=9.0Hz,1H),1.27(m,3H),1.07(m,3H).
【0191】
工程C:エチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
1,3-ジエチル2-[2-ニトロ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエート(すなわち、工程Bの生成物、11.0g、29.0mmol)、塩化ニッケル(II)六水和物(13.8g、58.0mmol)およびエタノール(250mL)の撹拌混合液を氷浴中で冷却し、45分間かけて0.5gずつ加えた水素化ホウ素ナトリウム(6.6g、174mmol)により処理した。生じた混合物を23℃で4時間にわたり撹拌した。次に飽和塩化アンモニウム溶液(500mL)を加え、この混合物を2時間撹拌した。水相を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。結合有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)中に溶解させ、飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)とともに、黒色粒子が全て消失するまで1時間にわたり強力に撹拌した。相を分離し、有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残留物をヘキサン中の0%~100%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、無色透明な油として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.57(m,1H),7.51(m,1H),7.48(m,2H),6.47(br s,1H),4.26(m,2H),4.19(m,1H),3.86(m,1H),3.54(d,J=9.5Hz,1H),3.46(m,1H),1.29(m,3H).
【0192】
工程D:エチル2-チオキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
トルエン(15mL)中のエチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、工程Cの生成物、1.0g、3.3mmol)およびローソン試薬(0.67g、1.7mmol)の混合物を4時間にわたり還流させながら撹拌した。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中の0%~100%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、黄色油(0.60g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 8.07(br s,1H),7.57(m,1H),7.49(m,2H),7.44(m,1H),4.28(m,3H),4.16(m,1H),3.90(m,1H),3.72(m,1H),1.31(m,3H).
【0193】
工程E:N-(2-フルオロフェニル)-2-チオキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
エチル2-チオキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、工程Dの生成物、0.55g、1.7mmol)および2-フルオロアニリン(2.0mL、20.7mmol)の混合物を窒素雰囲気下で71時間にわたり120℃へ加熱した。混合物をヘキサン中の0%~40%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、オフホワイトの固体(0.49g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 9.68(br s,1H),8.21(m,1H),7.75(br s,1H),7.57(m,2H),7.52(m,2H),7.10(m,3H),4.62(m,1H),4.16(m,1H),3.94(d,J=6.0Hz,1H),3.72(m,1H).
【0194】
工程F:N-(2-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ5-メチルチオ-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミドの調製
アセトニトリル(10mL)中のN-(2-フルオロフェニル)-2-チオキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド(すなわち、工程Eの生成物、0.49g、1.3mmol)、ヨードメタン(0.090mL、1.4mmol)および炭酸カリウム(0.36g、2.6mmol)の混合物を23℃で4時間にわたり撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(20mL)中に取り上げ、水(2×10mL)で洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮すると褐色油(0.39g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 8.29(m,1H),7.60(br s,1H),7.52(m,1H),7.44(m,3H),7.11(m,3H),4.52(m,1H),4.22(m,1H),4.00(m,1H),3.77(s,1H),2.57(m,3H).
【0195】
工程G:N-(2-フルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミドの調製
N,N-ジメチルアセトアミド(0.4mL)中のN-(2-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ5-メチルチオ-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミド(すなわち、工程Fの生成物、0.13g、0.33mmol)およびギ酸ヒドラジド(0.030mL、0.50mmol)の混合物を120℃で15時間にわたり撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をヘキサン中の0%~100%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、褐色油(0.065g)として本発明の化合物である標題化合物が得られた。
1H NMR δ 9.17(br s,1H),8.26(s,1H),8.15(m,1H),7.62(m,2H),7.56(m,3H),7.09(m,3H),4.93(m,1H),4.61(m,1H),4.36(d,J=7.4Hz,1H),4.14(m,1H).
【0196】
合成例2
N-(2-フルオロフェニル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-3-オキソ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール-7-カルボキサミド(化合物3)の調製
工程A:エチル1-(2-クロロアセチル)-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
ベンゼン(3mL)中のエチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、実施例1工程Cの生成物、0.30g、1.0mmol)および塩化クロロアセチル(0.16mL、2.0mmol)の混
合物を16時間にわたり75℃で撹拌した。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮すると、濃褐色油(0.37g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.61(m,1H),7.53(m,2H),7.46(m,1H),4.73(m,2H),4.42(m,1H),4.27(m,2H),4.10(m,1H),3.82(d,J=10.7Hz,1H),3.78(m,1H),1.30(m,3H).
【0197】
工程B:エチル1-(2-アジドアセチル)-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中のエチル1-(2-クロロアセチル)-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、工程Aの生成物、0.37g、1.0mmol)およびアジ化ナトリウム(0.20g、3.0mmol)の混合物を6時間にわたり23℃で撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(40mL)で希釈した。混合物を水(2×15mL)および飽和塩化ナトリウム(15mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮すると赤色油(0.37g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.61(m,1H),7.52(m,2H),7.45(m,1H),4.51(s,2H),4.42(m,1H),4.27(m,2H),4.10(m,1H),3.80(d,J=10.9Hz,1H),3.77(m,1H),1.29(m,3H).
【0198】
工程C:エチル2,3,6,7-テトラヒドロ-3-オキソ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール-7-カルボキシレートの調製
ベンゼン(10mL)中のエチル1-(2-アジドアセチル)-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、工程Bの生成物、0.37g、1.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.29g、1.1mmol)の混合物を還流させながら1時間にわたり撹拌した。この溶液を23℃で20時間にわたり放置すると、その間に固体が形成された。この混合物を濾過し、トルエンで洗浄すると無色固体(0.20g)として標題化合物が得られた。濾液を濃縮した。残留物をトルエン(4mL)中に溶解させた。塩化マグネシウム(0.30g)を添加し、この混合物を65℃で1時間撹拌した。冷却した反応混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮すると、無色固体(0.12g)として追加量の標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.49(m,2H),7.43(m,2H),5.72(br s,1H),4.67(m,1H),4.38(m,2H),4.15(m,1H),4.02(m,2H),3.59(m,1H),1.08(br s,3H).
【0199】
工程D:N-(2-フルオロフェニル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-3-オキソ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール-7-カルボキサミドの調製
トルエン(3mL)中のエチル2,3,6,7-テトラヒドロ-3-オキソ-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール-7-カルボキサミド(すなわち、工程Cの生成物、0.10g、0.29mmol)および2-フルオロアニリン(0.50mL、5.2mmol)の混合物をマイクロ波反応容器内で2時間にわたり200℃へ加熱した。冷却した反応混合物をヘキサン中の0%~100%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、黄色油(0.027g)として本発明の化合物である標題化合物が得られた。1H
NMRは、エナミン・アミジン互変異性体のおよそ2:1混合物を証明している。
1H NMR δ エナミン互変異性体 8.20(m,1H),7.58(m,4H),7.07(m,3H),6.37(br s,1H),6.27(br s,1H),
4.56(m,2H),4.51(m,1H),4.02(m,1H),3.59(m,1H);アミジン互変異性体 9.49(br s,1H),8.20(m,1H),7.58(m,4H),7.07(m,3H),4.77(m,1H),4.41(s,2H),4.28(m,1H),4.14(m,1H),3.59(m,1H).
【0200】
合成例3
N-(2-フルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-メチル-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミド(化合物24)の調製
工程A:1,3-ジメチル2-[2-ニトロ-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエートの調製
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(25.0g、112mmol)、マロン酸ジメチル(15.6g、118mmol)、ピペリジン(2.39g、28.0mmol)およびベンゼン(75mL)の混合物は水を連続的に除去しながら(ディーン・スタークトラップ)2時間還流させた。酢酸(3.47g、57.7mmol)を加え、この反応をさらに1.5時間加熱した。冷却した反応混合物を塩酸水溶液(1M、2×40mL)および飽和重炭酸ナトリウム(2×40mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮すると黄色油(0.37g)が得られた。メタノール(110mL)中の黄色油、ニトロメタン(60.0mL、1.12mol)およびナトリウムメトキシドのメタノール溶液(25重量%、2.42g、11.2mmol)の混合物を23℃で17時間にわたり撹拌した。反応混合物を次に減圧下で濃縮すると、粘性油が得られた。粗物質をヘキサン中の50%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、オレンジ油(29.0g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.60(m,2H),7.38(m,2H),4.93(m,2H),4.32(m,1H),3.87(d,J=8.8Hz,1H),3.78(s,3H),3.60(s,3H).
【0201】
工程B:メチル2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
1,3-ジメチル2-[2-ニトロ-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエート(すなわち、工程Aの生成物、29.0g、83.0mmol)、塩化ニッケル(II)六水和物(19.8g、83.0mmol)およびメタノール(275mL)の撹拌混合物を氷浴中で冷却し、1時間をかけて0.5gずつ加えた水素化ホウ素ナトリウム(9.5g、250mmol)により処理した。生じた混合物を0℃で1.5時間にわたり、次に23℃で17時間にわたり撹拌した。次に飽和塩化アンモニウム溶液(300mL)および酢酸エチル(300mL)を加え、この混合物を2時間強力に撹拌した。淡青色の混合物が分離された。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。結合有機抽出物を飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。粗混合物を濾過し、1-クロロブタンですり潰すと無色固体(12.3g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 7.63(m,2H),7.40(m,2H),6.23(br s,1H),4.21(m,1H),3.86(m,1H),3.80(s,3H),3.57(d,J=9.6Hz,1H),3.45(m,1H).
【0202】
工程C:メチル2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
トルエン(70mL)中のメチル2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、工程Bの生成物、8.0g、27.9mmol)およびローソン試薬(5.63g、13.9mmol)の混合物を4.5
時間にわたり還流させながら撹拌した。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中の0%~100%の酢酸エチルを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、標題化合物と20%の未知の不純物からなる黄色固体が得られた。この混合物を酢酸エチル(100mL、高温)およびヘキサン(200mL、低温)から再結晶化させると、淡黄色固体(5.0g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 8.20(br s,1H),7.62(m,2H),7.37(m,2H),4.24(m,1H),4.15(m,1H),3.94(d,J=8.2Hz,1H),3.82(s,3H),3.71(m,1H).
【0203】
工程D:N-(2-フルオロフェニル)-2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
メチル2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、工程Cの生成物、1.00g、3.3mmol)および2-フルオロアニリン(2.55mL、26mmol)の混合物を窒素雰囲気下で22時間にわたり130℃へ加熱した。この反応を減圧下で濃縮して過剰のアニリンの大半を除去した。残っている残留物を1-クロロブタンですり潰すと無色固体(1.18g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 9.67(br s,1H),8.21(m,1H),7.73(br s,1H),7.64(m,2H),7.45(m,2H),7.10(m,3H),4.62(m,1H),4.16(m,1H),3.93(d,J=5.8Hz,1H),3.71(m,1H).
【0204】
工程E:N-(2-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ-5-(メチルチオ)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミドの調製
アセトニトリル(15mL)中のN-(2-フルオロフェニル)-2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド(すなわち、工程Dの生成物、1.11g、2.9mmol)、ヨードメタン(0.22mL、3.5mmol)および炭酸カリウム(0.81g、5.8mmol)の混合物を23℃で18時間にわたり撹拌した。この反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)を用いて抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮すると褐色固体(0.97g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 8.29(m,1H),7.60(br s,1H),7.52(m,1H),7.44(m,3H),7.11(m,3H),4.52(m,1H),4.22(m,1H),4.00(m,1H),3.77(s,1H),2.57(s,3H).
【0205】
工程F:N-(2-フルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-3-メチル-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミドの調製
酢酸(1.2mL)中のN-(2-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ-5-(メチルチオ)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミド(すなわち、工程Eの生成物、0.100g、0.25mmol)および酢酸ヒドラジド(0.028g、0.38mmol)の混合物を110℃で75分間にわたり撹拌した。この混合物をヘキサン中の10%~100%の酢酸エチル、次に酢酸エチル中の0%~5%のエタノールを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで濃縮すると、多少の他の不純物を含む標題化合物が得られた。この混合物を10%~100%の1:1のアセトニトリル/メタノール水溶液を用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、黄色油(0.021g)として本発明の化合物である標題化合物が得られた。
1H NMR(d6-acetone)δ 9.65(br s,1H),8.25(m
,1H),7.76(m,4H),7.15(m,3H),7.09(m,3H),4.92(m,1H),4.63(m,2H),4.17(m,1H),2.39(s,3H).
【0206】
合成例4
N-(2,3-ジフルオロフェニル)-3-エチル-6,7-ジヒドロ-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミド(化合物8)の調製
工程A:N-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
メチル2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(すなわち、実施例3の工程Cの生成物、1.00g、3.3mmol)および2,3-ジフルオロアニリン(3.4g、26mmol)の混合物を窒素雰囲気下で22時間にわたり130℃へ加熱した。この反応を減圧下で濃縮して過剰のアニリンの大半を除去した。残っている残留物を1-クロロブタンですり潰すと無色固体(1.13g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 9.84(br s,1H),7.97(m,1H),7.75(br s,1H),7.64(m,2H),7.45(m,2H),7.04(m,1H),6.92(m,1H),4.60(m,1H),4.15(m,1H),3.94(d,J=6.3Hz,1H),3.72(m,1H).
【0207】
工程B:N-(2,3-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ-5-(メチルチオ)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミドの調製
アセトニトリル(15mL)中のN-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-チオキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド(すなわち、工程Aの生成物、1.16g、2.9mmol)、ヨードメタン(0.22mL、3.5mmol)および炭酸カリウム(0.81g、5.8mmol)の混合物を23℃で18時間にわたり撹拌した。この混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)を用いて抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮すると褐色固体(1.10g)として標題化合物が得られた。
1H NMR δ 8.06(m,1H),7.60(m,3H),7.33(m,2H),7.07(m,1H),6.94(m,1H),4.51(m,1H),4.22(m,1H),4.01(m,1H),3.77(s,1H),2.58(s,3H).
【0208】
工程C:N-(2,3-ジフルオロフェニル)-3-エチル-6,7-ジヒドロ-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミドの調製
プロピオン酸(2.4mL)中のN-(2,3-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ-5-(メチルチオ)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミド(すなわち、工程Bの生成物、0.200g、0.48mmol)およびヒドラジン水化物(0.036mL、0.72mmol)の混合物を110℃で16.5時間にわたり撹拌した。この混合物をCelite(登録商標)硅藻土濾過助剤上で濃縮し、10%~100%の1:1のアセトニトリル/メタノール水溶液を用いて溶出させるC18シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、褐色油(0.037g)として本発明の化合物である標題化合物が得られた。
1H NMR δ 10.19(br s,1H),7.82(m,1H),7.64(m,2H),7.47(m,2H),6.92(m,1H),6.83(m,1H),4.99(m,1H),4.50(m,2H),3.98(m,1H),2.81(m,2H),1.37(m,3H).
【0209】
合成例5
N-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-3-(トリフルオロメチル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミド(化合物22)の調製
工程A:N-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-3-(トリフルオロメチル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5H-ピロロ[2,1-c]-1,2,4-トリアゾール-7-カルボキサミドの調製
N-(2,3-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ-5-(メチルチオ)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピロール-4-カルボキサミド(すなわち、実施例4の工程Bの生成物、0.220g、0.53mmol)、トリフルオロ酢酸ヒドラジド(0.076g、0.58mmol)およびピバル酸(2.7g)の混合物を130℃で90分間にわたり撹拌した。冷却した混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(50mL)、水(50mL)および飽和塩化ナトリウム(50mL)を用いて連続的に洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、Celite(登録商標)硅藻土濾過助剤上で濃縮し、10%~100%の1:1のアセトニトリル/メタノール水溶液を用いて溶出させるC18シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、多少の不純物で汚染された標題化合物が得られた。混合物を1-クロロブタンですり潰すと無色固体(0.029g)として本発明の標題化合物が得られた。
1H NMR δ 9.25(br s,1H),7.89(m,1H),7.70(m,2H),7.51(m,2H),7.03(m,1H),6.92(m,1H),5.04(m,1H),4.71(m,1H),4.46(d,J=7.6Hz,1H),4.24(m,1H).
【0210】
当分野において公知の方法と一緒に本明細書に記載した手法を用いることによって、以下の表1~140の化合物を調製することができる。下記の表中では、以下の略語を使用する:i-Prはイソプロピルを意味し、Buはブチルを意味し、Phはフェニルを意味し、OMeはメトキシを意味し、OEtはエトキシを意味し、SMeはメチルチオを意味し、S(O)Meはメチルスルフィニルを意味し、およびS(O)2Meはメチルスルホニルを意味する。
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
表2は、行見出し「Jは-CH2-であり;Q2はPh(2-F)であり;およびQ1は」が、以下の表2に列挙した行見出し(すなわち、「Jは-CH2-であり;Q2はPh(2,3-ジ-F)であり;およびQ1は」で置き換えられていることを除いて、同じように構成されている。このため、表2中の最初の記入事項は、式1(式中、Jは-CH2-であり;Q2はPh(2,3-ジ-F)であり;およびQ1はPh(3-Cl)(すなわち、3-クロロフェニル)である)の化合物である。表3~20も同様に構成されている。
【0215】
【0216】
表21
表21は、構造が下記の構造:
【化30】
と取り換えられることを除いて、上記の表1と同様の方法で構成されている。
【0217】
表22~40
本開示は、さらに表22~40を含むが、各表は、構造が上記の表21の構造と取り換えられることを除いて、上記の表2~20と同一方法で構成されている。
【0218】
表41
表41は、構造が下記の構造:
【化31】
と取り換えられることを除いて、上記の表1と同様の方法で構成されている。
【0219】
表42~60
本開示は、さらに表42~60を含むが、各表は、構造が上記の表41の構造と取り換えられることを除いて、上記の表2~20と同一方法で構成されている。
【0220】
表61
表61は、構造が下記の構造:
【化32】
と取り換えられることを除いて、上記の表1と同様の方法で構成されている。
【0221】
表62~80
本開示は、さらに表62~80を含むが、各表は、構造が上記の表61の構造と取り換えられることを除いて、上記の表2~20と同一方法で構成されている。
【0222】
表81
表81は、構造が下記の構造:
【化33】
と取り換えられることを除いて、上記の表1と同様の方法で構成されている。
【0223】
表82~100
本開示は、さらに表82~100を含むが、各表は、構造が上記の表81の構造と取り換えられることを除いて、上記の表2~20と同一方法で構成されている。
【0224】
表101
表101は、構造が下記の構造:
【化34】
と取り換えられることを除いて、上記の表1と同様の方法で構成されている。
【0225】
表102~120
本開示は、さらに表102~120を含むが、各表は、構造が上記の表101の構造と取り換えられることを除いて、上記の表2~20と同一方法で構成されている。
【0226】
表121
表121は、構造が下記の構造:
【化35】
と取り換えられることを除いて、上記の表1と同様の方法で構成されている。
【0227】
表122~140
本開示は、さらに表122~140を含むが、各表は、構造が上記の表121の構造と取り換えられることを除いて、上記の表2~20と同一方法で構成されている。
【0228】
本発明の化合物は、一般に、組成物、すなわち製剤中の除草性有効成分として、担体として機能する界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の構成成分とともに使用されるであろう。製剤もしくは組成物成分は、有効成分の物理特性、適用様式ならびに例えば土壌タイプ、水分および温度などの環境因子と調和するように選択される。
【0229】
有用な製剤には、液体組成物および固体組成物の両方が含まれる。液体組成物には、液剤(乳化性濃縮液を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エ
マルジョン、流動性濃縮液および/またはサスポエマルジョンを含む)などが含まれ、これらは、任意選択的にゲルに増粘することができる。水性液体組成物の一般的なタイプは、可溶性濃縮液、懸濁濃縮液、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮液およびサスポエマルジョンである。非水性液体組成物の一般的なタイプは、乳化性濃縮液、マイクロ乳化性濃縮液、分散性濃縮液および油分散液である。
【0230】
固体組成物の一般的なタイプは、粉剤、粉末、顆粒、ペレット、プリル、芳香錠、錠剤、充填フィルム(種子コーティングを含む)などであり、これらは、水分散性(「湿潤性」)または水溶性であってよい。フィルム形成性溶液または流動性懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングは、種子の処理のために特に有用である。有効成分は、(マイクロ)カプセル化し、さらに懸濁液または固体製剤にすることができるか;あるいはまた有効成分の製剤全体をカプセル化する(または「上塗りする」)ことができる。カプセル化は、有効成分の放出を制御する、または遅くすることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮液製剤と乾燥顆粒状製剤の両方の利点を兼ね備える。高濃度組成物は、主としてさらなる製剤への中間体として使用される。
【0231】
噴霧可能な製剤は、典型的には、噴霧前に好適な媒体中で希釈される。そのような液体および固体製剤は、調合されて噴霧媒体、通常水、しかし時々、芳香族またはパラフィン系炭化水素または植物油のような別の好適な媒体に容易に希釈される。噴霧量は、約1~数千リットル/ヘクタールの範囲内にあってよいが、より典型的には、約10~数百リットル/ヘクタールの範囲内にある。噴霧可能な製剤は、水、または空中もしくは地上散布による葉の処理のために、または植物の生育培地への適用のために好適な他の媒体とタンク中で混合することができる。液体および乾燥製剤は、点滴灌漑システムに直接的に計量しながら供給することができる、または植え付け中に畝間に計量しながら供給することができる。
【0232】
製剤は、典型的には、合計で100重量%となる以下のおおよその範囲内で有効量の有効成分、希釈剤および界面活性剤を含有するであろう。
【0233】
【0234】
固体希釈剤には、例えば、例えばベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンなどの粘土、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デ
キストリン、糖(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムが含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkins et al.,Handbook of
Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0235】
液体希釈剤には、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン)、アルキルリン酸塩(例えば、リン酸トリエチル)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、正パラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、例えばシクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロンおよび4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、例えば酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルなどの酢酸塩、例えばアルキル化乳酸エステル、二塩基性エステル、アルキルおよびアリール安息香酸塩およびγ-ブチロラクトンなどの他のエステル、ならびに例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾールおよびベンジルアルコールなどの直鎖状、分岐状、飽和もしくは不飽和であってよいアルコールが含まれる。液体希釈剤には、さらに植物種子および果実油(例えば、オリーブ、ヒマ、亜麻仁、ゴマ、コーン(トウモロコシ)、ラッカセイ、ヒマワリ、ブドウ種子、ベニバナ、綿実、ダイズ、ナタネ、ココナツおよびパーム核の油)、動物性脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)ならびにこれらの混合物などの飽和および不飽和脂肪酸(典型的にはC6~C22)のグリセロールエステルが含まれる。液体希釈剤にはまた、アルキル化(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)脂肪酸であって、脂肪酸が植物および動物源からのグリセロールエステルの加水分解によって得られてもよいし、蒸留によって精製することができる脂肪酸が含まれる。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0236】
本発明の固体および液体組成物は、1種以上の界面活性剤を含むことが多い。液体に添加される場合、界面活性剤(surfactant)(「界面活性剤(surface-active agent)としても知られる」は一般に、液体の表面張力を変性し、ほとんどの場合低下させる。界面活性剤分子中の親水性および親油性基の性質に依存して、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用であり得る。
【0237】
界面活性剤は、非イオン、アニオンまたはカチオン界面活性剤として分類することができる。本組成物に有用な非イオン界面活性剤には、(分岐状もしくは線状であってもよい)天然および合成アルコールをベースとする、そしてアルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物とから製造されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油および菜種油などのアルコキシル化トリグリセリド;例えば(フェノール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物とから製造される
)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている逆ブロックポリマーとから製造されるブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造されるものを含む);脂肪酸エスエル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、例えばポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;例えばソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;例えばランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキッドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトもしくは櫛形ポリマーおよび星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(peg);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;ならびに例えばサッカロースエステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキル多糖類などの糖誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0238】
有用なアニオン界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸およびそれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニンおよびリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸もしくはコハク酸またはそれらの酸無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルなどのホスフェートエステル;タンパクベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油および脂肪酸のスルフェートおよびスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェートおよびスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミンおよびアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびにドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホネート;分別石油のスルホネート;スルホスクシネート;ならびにジアルキルスルホスクシネート塩などのスルホスクシネートおよびそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0239】
有用なカチオン界面活性剤には、アミドおよびエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびに(アミンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物とから製造される)エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびプロポキシル化アミンなどのアミン;アミン酢酸塩などのアミン塩およびジアミン塩;第四級塩、エトキシル化第四級塩およびジ四級化塩などの第四級アンモニウム塩;ならびにアルキルジメチルアミンオキシドおよびビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが含まれるが、それらに限定されない。
【0240】
非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との混合物または非イオン界面活性剤とカチオン界面活性剤との混合物もまた、本組成物に有用である。非イオン、アニオンおよびカチオン界面活性剤ならびにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and
International Editions;Sisely and Wood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Ch
emical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;およびA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む様々な出版された参考文献に開示されている。
【0241】
本発明の組成物はまた、調合助剤として当業者に公知の、調合補助剤および添加剤を含有してもよい(それらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としてもまた機能すると考えられ得る)。そのような調合補助剤および添加剤は、pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、有効成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物増殖(抗菌剤)、製品凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散系)、洗脱(フィルム形成剤またはステッカー)、蒸発(蒸発防止剤)、および他の調合属性を制御し得る。フィルム形成剤には、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが含まれる。調合補助剤および添加物の例としては、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Volume 2:Functional Materials,annual International and North American editionsおよび国際公開第03/024222号パンフレットにリストアップされているものが挙げられる。
【0242】
式1の化合物および任意の他の有効成分は、典型的には、有効成分を溶媒に溶解させることによって、または液体もしくは乾燥希釈剤中ですり潰すことによって本組成物中へ組み込まれる。乳化性濃縮液を含む液剤は、処方成分を単純に混合することによって調製することができる。乳化性濃縮液として使用することが意図されている液体組成物の溶媒が水に不混和性である場合、乳化剤は、典型的には水を用いた希釈時に有効成分含有溶媒を乳化させるために添加される。2,000μm以下の粒径を有する有効成分スラリーは、3μm未満の平均直径を有する粒子を得るために、媒体ミルを用いて湿潤粉砕することができる。水性スラリーは、最終懸濁濃縮液(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)とするか、または水分散性顆粒を形成するために噴霧乾燥によりさらに加工することができる。乾燥製剤は、通常は、2~10μmの範囲内の平均粒径を生じさせる乾式粉砕プロセスを必要とする。粉剤および粉末は、ブレンド工程および通常は(ハンマーミルまたは流体エネルギーミルなどを用いて)粉砕工程により調製することができる。顆粒およびペレットは、事前に形成した粒状担体に有効成分物質を噴霧することにより、または凝集技術により調製することができる。Browning,“Agglomeration”,Chemical Engineering,December 4,1967,pp147-48、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pages 8-57およびそれに続くもの、ならびに国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載されたように調製することができる。水分散性および水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許第3,246,493号明細書に教示されたように調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されたように調製することができる。フィルムは、英国特許2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されたように調製することができる。
【0243】
調合物の技術分野に関するさらなる情報に関しては、T.S.Woods,“The
Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture”,Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks andT.R.Roberts,Eds.,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society
of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120-133を参照されたい。さらに、米国特許第3,235,361号明細書第6欄第16行~第7欄第19行および実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書第5欄第43行~第7欄第62行ならびに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167および169~182;米国特許第2,891,855号明細書第3欄第66行~第5欄第17行および実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th
Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;ならびにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000を参照されたい。
【0244】
以下の実施例において、すべてのパーセンテージは重量%であり、すべての製剤は従来方法で調製される。化合物番号は、索引表A中の化合物を指す。これ以上詳述しなくとも、先行記載を用いる当業者は、本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の実施例は、このため、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。パーセンテージは、他に指示された場合を除いて重量による。
【実施例】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
本開示はさらに、上記実施例A~Iのそれぞれにおける「化合物は1である」が、「化
合物2」、「化合物3」「化合物4」「化合物5」、「化合物6」、「化合物7」、「化合物8」、「化合物9」、「化合物10」、「化合物11」、「化合物12」、「化合物13」、「化合物14」、「化合物15」、「化合物16」、「化合物17」、「化合物18」、「化合物19」、「化合物20」、「化合物21」、「化合物22」、「化合物23」、「化合物24」、「化合物25」、「化合物26」、「化合物27」または「化合物28」で置き換えられていることを除いて、上記の調製物の実施例A~Iを含む。
【0255】
試験結果は、本発明の化合物が、高度に活性な発芽前および/または発芽後除草剤および/または植物成長抑制剤であることを示していることが観察される。本発明の化合物は、一般に、発芽後雑草防除(すなわち、土壌から雑草の実生が出現した後に適用される)および発芽前雑草防除(すなわち、土壌から雑草の実生が出現する前に適用される)に対して最高活性を示すことが観察される。それらの多くは、例えば燃料貯蔵タンクの周囲、産業用貯蔵領域、駐車場、ドライブインシアター、飛行場、河岸、潅漑用水路やその他の水路、広告看板の周囲および幹線道路構造物や鉄道構造物などのすべての植生の完全な防除が望ましい領域における広範囲の発芽前および/または発芽後雑草防除に対して実用性を有することが観察される。本発明の化合物の多くは、作物対雑草における選択的な代謝によって、または作物および雑草における生理的阻害の場所での選択的な活性によって、または作物および雑草の混合物の環境上もしくは環境内への選択的な配置によって、作物/雑草混合物中における草および広葉雑草の選択的防除にとって有用であることが観察される。当業者であれば、化合物または化合物群内のこれらの選択性因子の好ましい組み合わせが、日常的な生物学的および/または生化学的アッセイを実施することによって容易に決定できることを認識できるであろう。本発明の化合物は、アルアルファ、オオムギ、綿、コムギ、セイヨウアブラナ、サトウダイコン、コーン(トウモロコシ)、ソルガム、ダイズ、イネ、オートムギ、ラッカセイ、野菜類、トマト、ジャガイモ;コーヒー、カカオ、アブラヤシ、ゴム、サトウキビ、柑橘類、ブドウ、果樹、堅果のなる木、バナナ、プランテン、パイナップル、ホップ、茶を含む多年生のプランテーション作物;およびユーカリや針葉樹(例えば、タエダマツ)などの森林;ならびに、芝生種(例えば、ケンタッキーブルーグラス、イヌシバ、ケンタッキーウシノケグサおよびバミューダグラス)を含むがこれらに限定されない重要な農業作物に対して耐性を示すことが観察される。本発明の化合物は、遺伝子組換えまたは交配により除草剤に対する抵抗性が組み込まれ、無脊椎動物有害生物に対して有害なタンパク質(バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素など)を発現する、および/または、他の有用な形質を発現する作物に使用することができる。当業者であれば、すべての化合物がすべての雑草に対して等しく効果的なわけではないことを認識できるであろう。または、主題化合物は、植物の成長を改変するために有用である。
【0256】
本発明の化合物は、望ましくない植生を防除するために、植生を殺滅もしくは損傷させる、またはその生育を減少させることによる発芽前および発芽後両方の除草性活性を有するので、本化合物は、除草性有効量の本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と界面活性剤、固体希釈剤もしくは液体希釈剤のうちの少なくとも1つとを望ましくない植生の群葉もしくは他の部分と、または例えばその中で望ましくない植生が生育する、または望ましくない植生の種子もしくは珠芽を取り囲む土壌もしくは水などの望ましくない植生の環境と接触させる工程を含む、多種多様な方法によって有効に適用することができる。
【0257】
本発明の化合物の除草性有効量は、多数の因子によって決定される。これらの因子には:選択された製剤、適用方法、存在する植生の量およびタイプ、生育条件などが含まれる。一般に、本発明の化合物の除草性有効量は、約0.001~20kg/haであり、好ましい範囲は約0.004~1kg/haである。当業者であれば、所望される雑草防除レベルに必要な除草性有効量を容易に決定することができる。
【0258】
1つの共通実施形態において、本発明の化合物は、それらの両方が種子、実生および/またはより大きな植物であってよい所望の植生(例えば、作物)および望ましくない植生(すなわち、雑草)を含む場所へ、成長培地(例えば、土壌)と接触させて、典型的には処方組成物中で適用される。この場所では、本発明の化合物を含む組成物は、特に望ましくない植生の植物もしくはその一部に、および/または、その植物と接触している成長培地に直接的に適用することができる。
【0259】
本発明の化合物で処理される場所における所望の植生の植物品種および栽培品種は、従来の繁殖および交配方法によって、または遺伝子組換え法によって得ることができる。遺伝子組換え植物(トランスジェニック植物)は、異種遺伝子(導入遺伝子)が植物のゲノム内に安定的に組み込まれている植物である。植物ゲノム内の特定の位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換またはトランスジェニック事象と呼ばれる。
【0260】
本発明にしたがって処理できる場所における遺伝子組換え植物栽培品種には、1種以上の生物ストレス(例えば、線虫、昆虫、ダニ、真菌などの有害生物)もしくは非生物ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分濃度など)に対して抵抗性である、または他の望ましい特徴を有する品種が含まれる。植物は、例えば、除草剤耐性、昆虫抵抗性、変性油プロファイルまたは干ばつ耐性といった形質を示すように遺伝子組換えすることができる。単一の遺伝子形質転換事象または形質転換事象の組み合わせを含む有用な遺伝子操作組換え植物は、明細表Cに列挙した。明細表Cに列挙した遺伝子組換えについての追加の情報は、例えば米国農務省によって管理されている公衆が利用可能なデータベースから入手できる。
【0261】
以下の略語T1~T37は、形質に関する明細表Cにおいて使用されている。「-」はその項目は記入事項がないことを意味し、「tol.」は耐性を意味し、「res.」は抵抗性を意味する。
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
最も典型的には、本発明の化合物は望ましくない植生を防除するために使用されるが、処理された場所における所望される植生と本発明の化合物との接触は、遺伝子組換えを介して組み込まれた形質を含む所望の植生における遺伝形質との超相加的または相乗作用的効果を生じさせる可能性がある。例えば、植食性害虫もしくは植物病害に対する抵抗性、生物ストレス/非生物ストレスに対する耐性または貯蔵安定性は、所望の植生における遺伝形質から予想されるものより大きい場合がある。
【0270】
本発明の化合物はまた、いっそう広範囲の農業保護を生じさせる多成分殺虫剤を形成するために、除草剤、除草剤毒性緩和剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、例えば昆虫脱皮阻害剤および発根刺激剤などの成長調節剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、植物栄養分、他の生物学的活性化合物または昆虫病原性細菌、ウイルスもしくは真菌を含む1種以上の他の生物学的活性化合物もしくは作用物質と混合することができる。本発明の化合物と他の除草剤との混合物は、追加の雑草種に対する活性範囲を拡大し、任意の抵抗性バイオタイプの増殖を抑制することができる。したがって、本発明はさらに、(除草性有効量の)式1の化合物と、少なくとも1つの(生物学的有効量の)追加の生物学的活性化合物もしくは作用物質とを含む組成物であって、さらに界面活性剤、固体希釈剤または液体希釈剤のうちの少なくとも1つを含むことができる組成物に関する。他の生物学的活性化合物もしくは作用物質もまた、界面活性剤、固体または液体希釈剤のうちの少なくとも1つを含む組成物中に処方することができる。本発明の混合物のためには、プレミックスを形成するために1つ以上の他の生物学的活性化合物もしくは作用物質は、式1の化合物と一緒に処方することができる、または1つ以上の他の生物学的活性化合物もしくは作用物質は、式1の化合物とは別個に処方
し、および製剤を適用前に一緒に(例えば、スプレータンク内で)結合する、または連続して適用することができる。
【0271】
1種以上の以下の除草剤と本発明の化合物との混合物は、雑草防除に特に有用な可能性がある:アセトクロール、アシフルオルフェンおよびそのナトリウム塩、アクロニフェン、アクロレイン(2-プロペナール)、アラクロール、アロキシジム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロルおよびそのエステル(例えば、メチル、エチル)および塩(例えば、ナトリウム、カリウム)、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アスラム、アトラジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビスピリバックおよびそのナトリウム塩、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、オクタン酸ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン-エチル、カテキン、クロメトキシフェン、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン-エチル、クロロトルロン、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール-ジメチル、クロルチアミド、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クラシホス、クレホキシジム、クレトジム、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロピラリド-オラミン、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナジン、シクロエート、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ-ブチル、2,4-Dおよびそのブトチル、ブチル、イソオクチルおよびイソプロピルエステルおよびそのジメチルアンモニウム、ジオラミンおよびトロールアミン塩、ダイムロン、ダラポン、ダラポン-ナトリウム、ダゾメット、2,4-DBおよびそのジメチルアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩、デスメディファム、デスメトリン、ジカンバおよびそのジグリコールアンモニウム、ジメチルアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロホップ-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフルヘニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメチピン、ジメチルアルシン酸およびそのナトリウム塩、ジニトロアミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ダイコートジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン-メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エトベンザニド、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フェヌロン、フェヌロン-TCA、フラムプロップ-メチル、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルオログリコフェン-エチル、フルポキサム、フルピルスルフロン-メチルおよびそのナトリウム塩、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホサミン-アンモニウム、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グリホサートならびに例えばアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、カリウム、ナトリウム(セスキナトリウムを含む)およびトリメシウム(または、スルホサートと呼ばれる)などのその塩、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-メチル、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ-エトチル、ハロキシホップ-メチル、ヘキサジノン、ヒダントシジン、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタ
ピル、イマゼタピル-アンモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、イオフェンスルフロン、ヨードスルフロン-メチル、イオキシニル、イオキシニルオクタノエート、イオキシニル-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、イソキサクロルトール、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、マレイン酸ヒドラジド、MCPAおよびその塩(例えば、MCPA-ジメチルアンモニウム、MCPA-カリウムおよびMCPA-ナトリウム、エステル(例えば、MCPA-2-エチルヘキシル、MCPA-ブトチル)およびチオエステル(例えば、MCPA-チオエチル)、MCPBおよびその塩(例えば、MCPB-ナトリウム)およびエステル(例えば、MCPB-エチル)、メコプロップ、メコプロップ-P、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタム-ナトリウム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メタベンズチアズロン、メチルアルソン酸およびそのカルシウム、モノアンモニウム、モノナトリウムおよび二ナトリウム塩、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトキスロン、メトリブジン、メトスルフロン-メチル、モリネート、モノリニュロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプロパミド-M、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ノルフラゾン、オルベンカルブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラコートジクロリド、ペブレート、ペラルゴン酸、ペンディメタリン、ペノキススラム、ペンタノクロル、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、ペソキシアミド、フェンメディファム、ピクロラム、ピクロラム-カリウム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾギル、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、ピラゾスルフロン-エチル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シズロン、シマジン、シメトリン、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、2,3,6-TBA、TCA、TCA-ナトリウム、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、チオカルバジル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリ-アレート、トリアファモネ、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベニュロン-メチル、トリクロピル、トリクロピル-ブトチル、トリクロピル-トリエチルアンモニウム、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、ベルノレート、3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-1-メチル-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン、5-クロロ-3-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-1-(4-メトキシフェニル)-2(1H)-キノキサリノン、2-クロロ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジンカルボキサミド、7-(3,5-ジクロロ-4-ピリジニル)-5-(2,2-ジフルオロエチル)-8-ヒドロキシピリド[2,3-b]ピラジン-6(5H)-オン)、4-(2,6-ジエチル-4-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-3(2H)-ピリダジノン)、5-[[(2,6-ジフルオロフェニル)メトキシ]メチル]-4,5-ジヒドロ-5-メチル-3-(3-メチル-2-チエニル)イソオキサゾール(旧名メチオキソリン)、4-(4-(フル
オロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-(2H,4H)-ジオン、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキシレート、2-メチル-3-(メチルスルホニル)-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミドおよび2-メチル-N-(4-メチル-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)-3-(メチルスルフィニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド。他の除草剤にはさらに、例えばアルテルナリア・デストルエンス・シモンズ(Alternaria destruens Simmons)、コレトトリカム・グロエオスポリオデス(Colletotrichum gloeosporiodes(Penz.)Penz.& Sacc.)、ドレキシエラ・モノセラス(Drechsiera
monoceras)(MTB-951)、ミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria(Albertini & Schweinitz)Ditmar:Fries)、フィトフトラ・パルミボラ(Phytophthora palmivora(Butl.)Butl.)およびプッチニア・ツラスペオス・シューブ(Puccinia thlaspeos Schub)などの生物除草剤が含まれる。
【0272】
本発明の化合物はさらに、例えばアビグリシン、N-(フェニルメチル)-1H-プリン-6-アミン、エポコレオン、ジベレリン酸、ジベレリンA4およびA7、ハーピンタンパク質、塩化メピコート、プロヘキサジオンカルシウム、プロヒドロジャスモン、ニトロフェノレートナトリウムおよびトリネキサパック-メチルならびに例えばバチルス・セレウス(Bacillus cereus)菌株BP01などの植物の成長を改変する生物などの植物成長調節物質と組み合わせて使用することもできる。
【0273】
農業保護剤(すなわち、除草剤、除草剤毒性緩和剤、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤および生物学的作用物質)に関する一般的な文献には、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003およびThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が含まれる。
【0274】
これらの種々の混合パートナーの1つ以上が使用される実施形態については、混合パートナーは、典型的には混合パートナーが単独で使用される場合に慣習的な量に類似する量で使用される。特に混合物中では、有効成分は、有効成分を単独で使用するために製品ラベル上に明記された半散布量と全散布量との間の散布量で適用されることが多い。これらの量は、例えばThe Pesticide ManualおよびThe BioPesticide Manualなどの文献に列挙されている。これらの様々な混合パートナー(全部で)対式1の化合物の重量比は、典型的には約1:3,000~約3,000:1である。注目すべきは、約1:300~約300:1の重量比(例えば、約1:30~約30:1の比)である。当業者であれば、所望の範囲の生物学的活性に必要とされる有効成分の生物学的有効量を簡単な実験によって容易に決定することができる。これらの追加の構成成分を包含することが、防除される雑草の範囲を式1の化合物単独で防除される範囲を超えて拡大できることは明らかであろう。
【0275】
所定の例では、本発明の化合物と他の生物学的に活性な(特に除草性の)化合物または作用物質(すなわち、有効成分)との組み合わせは、雑草に対して相加的を上回る(すなわち相乗的)効果をもたらす、および/または、作物もしくは他の望ましい植物に対して
相加的を上回らない(すなわち、毒性緩和)効果を生じさせることができる。効果的な有害虫の防除を保証しながら環境中に放出される有効成分の量を減らすことは、常に望ましい。過剰な作物被害を伴うことなくより効果的な雑草防除を提供するためにより多量の有効成分を使用できる能力もまた望ましい。雑草に対する除草性有効成分の相乗作用が農業経済学的に満足できるレベルの雑草防除をもたらす散布量で発生する場合、そのような組み合わせは、作物生産コストの削減および環境負荷の低減に有利な可能性がある。作物への除草性有効成分の毒性緩和が発生する場合、そのような組み合わせは、雑草競合を減少させることによって作物保護を増加させるために有利な可能性がある。
【0276】
注目すべきは、本発明の化合物と少なくとも1つの他の除草性有効成分との組み合わせである。特に注目すべきは、他の除草性有効成分が本発明の化合物とは異なる作用部位を有するような組み合わせである。所定の例では、類似の防除範囲を有するが作用部位が異なる少なくとも1つの他の除草性有効成分との組み合わせが、抵抗性管理にとって特に有利であろう。したがって、本発明の組成物はさらに、類似の防除範囲を有するが作用部位が異なる少なくとも1つの追加の除草性有効成分を(除草性有効量で)含むことができる。
【0277】
本発明の化合物はさらに、所定の作物にとっての安全性を高めるために、例えばアリドクロル、ベノキサコール、クロキントセット-メキシル、クミルロン、シオメトリニル、シプロスルホンアミド、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、ジメピペレート、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、メフェネート、メトキシフェノンナフタル酸無水物(1,8-ナフタル酸無水物)、オキサベトリニル、N-(アミノカルボニル)-2-メチルベンゼンスルホンアミド、N-(アミノカルボニル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド、1-ブロモ-4-[(クロロメチル)スルホニル]-ベンゼン(BCS)、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アゾスピロ[4.5]デカン(MON4660)、2-(ジクロロメチル)-2-メチル-1,3-ジオキソラン(MG191)、エチル1,6-ジヒドロ-1-(2-メトキシフェニル)-6-オキソ-2-フェニル-5-ピリミジンカルボキシレート、2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドならびに3-オキソ-1-シクロヘキセン-l-イル1-(3,4-ジメチルフェニル)-l,6-ジヒドロ-6-オキソ-2-フェニル-5-ピリミジンカルボキシレート、2,2-ジクロロ-1-(2,2,5-トリメチル-3-オキサゾリジニル)-エタノンおよび2-メトキシ-N-[[4-[[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ]フェニル]スルホニル]-ベンズアミドなどの除草剤毒性緩和剤と組み合わせて使用することができる。解毒性有効量の除草剤毒性緩和剤は、本発明の化合物と同時に適用できる、または種子処理として適用できる。このため本発明の態様は、本発明の化合物および解毒性有効量の除草剤毒性緩和剤を含む除草剤混合物に関する。種子処理は、それが解毒を作物植物に限定するので、選択的な雑草防除にとって特に有用である。このため、本発明の特に有用な実施形態は、作物における望ましくない植生の成長を選択的に防除する方法であって、作物の場所を除草性有効量の本発明の化合物と接触させる工程を含み、このときそれから作物が成長する種子が解毒性有効量の毒性緩和剤を用いて処理される方法である。毒性緩和剤の解毒性有効量は、当業者であれば簡単な実験を通して容易に決定できる。
【0278】
本発明の化合物は、さらに:(1)除草性効果をもたらす遺伝子由来転写のダウンレギュレーション、干渉、抑制もしくはサイレンシングを通して特定標的の量に影響を及ぼすDNA、RNAおよび/または化学修飾ヌクレオチドを含むがこれらに限定されないポリヌクレオチド;または(2)毒性緩和効果をもたらす遺伝子由来転写のダウンレギュレーション、干渉、抑制もしくはサイレンシングを通して特定標的の量に影響を及ぼすDNA、RNAおよび/または化学修飾ヌクレオチドを含むがこれらに限定されないポリヌクレ
オチドと混合することができる。
【0279】
注目すべきは、本発明の(除草性有効量にある)化合物と、他の(有効量にある)除草剤および除草剤毒性緩和剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の有効成分と界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの構成成分とを含む組成物である。
【0280】
表A1は、本発明の混合物、組成物および方法を例示する構成成分(a)と構成成分(b)との特定の組み合わせを列挙している。構成成分(a)欄中の化合物1は、索引表Aに特定されている。表A1の第2欄には、特定の構成成分(b)の化合物(例えば、第1行における「2,4-D」)を列挙した。表A1の第3、第4および第5欄には、屋外栽培作物に典型的に適用される構成成分(a)化合物の量対構成成分(b)の量の重量比(すなわち、(a):(b))の範囲を列挙した。したがって、例えば、表A1の第1行は、構成成分(a)(すなわち、索引表A~D中の化合物1)と2,4-Dとの組み合わせが、典型的には、1:192~6:1の重量比で適用されることを詳細に開示している。表A1の残りの行も同様に解釈すべきである。
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
【0288】
【0289】
表A2は、「構成成分(a)」欄の見出しの下の記入事項が以下に示した各構成成分(a)欄の記入事項で置き換えられていることを除いて、上記の表A1と同様に構成されている。構成成分(a)欄中の化合物1は、索引表Aに特定されている。したがって、例えば、表A2において、「構成成分(a)」欄の見出しの下の記入事項はすべて「化合物2」(すなわち、索引表Aにおいて特定された化合物2)を指し、表A2における欄の見出しの下の第1行は、化合物2と2,4-Dとの混合物を特に開示している。表A3~A7も同様に構成されている。
【0290】
【0291】
望ましくない植生のより良好な防除(例えば、相乗作用などによる使用量の低減、より広範囲の雑草の防除または作物の安全性の強化)のため、または抵抗性雑草の発生を防止するために好ましいのは、本発明の化合物とクロリムロン-エチル、ニコスルフロン、メソトリオン、チフェンスルフロン-メチル、フルピルスルフロン-メチル、トリベニュロン、ピロキサスルホン、ピノキサデン、テンボトリオン、ピロキシスラム、メトラクロー
ルおよびS-メトラクロールからなる群から選択される除草剤との混合物である。
【0292】
以下の試験は、特定の雑草に対する本発明の化合物の防除効力を証明する。しかし、これらの化合物によって得られる雑草防除はこれらの種に特に限定されるものではない。化合物の説明については索引表A~Dを参照されたい。略語「Cmpd.No.」は、「化合物番号」を意味する。略語「Ex.」は「実施例」を表し、その化合物がどの合成例において調製されるかを示す数字が後に続く。質量スペクトル(MS)は、「amu」が統一原子質量単位を表す任意の大気圧下学イオン化(AP+)を使用して質量分析計に結合された液体クロマトグラフィー(LCMS)を使用することによって観察される、分子へのH+(分子量1)の付加によって形成される最高同位体存在度親イオン(M+1)または分子からのH+(分子量1)の消失によって形成される(M-1)の分子量として±0.5Daの推定精度を伴って報告される。
【0293】
【0294】
【0295】
【0296】
【0297】
【0298】
【0299】
【0300】
【0301】
本発明の生物学的実施例
試験A
イヌビエ(エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli))、ホウキギ(ニワクサ(Kochia scoparia))、ブタクサ(ブタクサ(common ragweed)、アンブローシア・エラチオール(Ambrosia elatior))、イタリアン・ライグラス(イタリアン・ライグラス ロリウム・ムルチフロルム(Lolium multiflorum))、アキノエノコログサ(アキノエノコログサ セタリア・ファベリイ(Setaria faberii))、およびアカザ(アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus))から選択される植物種の種子をローム土壌と砂とのブレンドに植え、界面活性剤を含む非植物毒性溶媒混合物中で処方した試験薬剤を使用して直接土壌噴霧で発芽前処理した。
【0302】
同時に、これらの雑草種、さらにスズメノテッポウ(アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides))、ヤエムグラ(キャッチウィード・ベッドストロー、ガリウム・アパリン(Galium aparine))、コムギ(トリチクム・アエスチブム(Triticum aestivum))、およびコーン(ジー・メイズ(Zea mays)から選択される植物をローム土壌と砂との同一のブレンドを含むポットに植え、同様に処方した試験薬剤の発芽後適用で処理した。発芽後処理のためには、植物は、高さが2~10cmであり、1~2葉期であった。処理した植物および未処理のコントロールを温室中におよそ10日間維持し、その後、すべての処理した植物を未処理のコントロールと比較し、被害について視覚的に評価した。表Aに要約した植物の応答評価は、0~100スケールに基づいており、0は効果なしであり、100は完全な防除である。ダッシュ(-)応答は、試験結果が得られなかったことを意味する。
【0303】
【0304】
【0305】
【0306】
【0307】
試験B
イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、カヤツリグサ(スモール・フラワー・アンブレラ・セッジ、シペルス・ディフォルミス(Cyperus difformis))、アメリカコナギ(ヘテランテラ・リモサ(Heteranthera limosa)およびイヌビエ(エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli))から選択される、冠水させた水田試験における植物種を試験のために2葉期まで成長させた。処理時に、試験ポットを土壌表面から3cm上まで冠水させ、試験化合物を田面水に直接適用することにより処理し、その後は、試験期間中その水深で維持した。処理した植物およびコントロールを温室中で13~15日間維持し、その後に、すべての種をコントロールと比較して視覚的に評価した。表Bに要約した植物の応答評価は、0~100のスケールに基づいており、0は効果なしであり、100は完全な防除である。ダッシュ(-)応答は、試験結果が得られなかったことを意味する。
【0308】