(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】計算技術を教えるための装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
G09B 7/02 20060101AFI20220513BHJP
G09B 19/02 20060101ALI20220513BHJP
G09B 19/24 20060101ALI20220513BHJP
G06C 1/00 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
G09B7/02
G09B19/02 F
G09B19/24 Z
G06C1/00 Z
(21)【出願番号】P 2020517435
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2018058634
(87)【国際公開番号】W WO2019102285
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-04-17
(32)【優先日】2017-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520099726
【氏名又は名称】ノヴォソロフ, イリィ
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ノヴォソロフ, イリィ
(72)【発明者】
【氏名】ノヴォソロフ, オレクサンドル
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0130106(US,A1)
【文献】実開平06-086123(JP,U)
【文献】特開2002-014606(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102436435(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1265480(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0087219(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0129576(US,A1)
【文献】特開2009-294257(JP,A)
【文献】特開2008-123421(JP,A)
【文献】特開2007-256833(JP,A)
【文献】台湾特許出願公開第200601001(TW,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 7/00-7/12
G09B 19/00-19/26
G06C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算技術を教えるための装置
(但し、玉の動きを表示するための表示モニタを備える装置を除く)であって、
複数の玉と、
一組のコラムであって、前記コラムの各々が所定数のセルを含み、前記セルの各々は前記玉の1個によって占有されるように構成されたコラムと、
サーバーと通信するための通信ユニットと、
前記玉による前記セルの占有を判定するように構成された一組のセンサと、
光源ユニットの各々が前記セルの内の1個のセル内に位置している一組の光源ユニットと、
前記一組のセンサ
と前記一組の光源ユニットとに電子的に結合された処理ユニットと備え、
前記処理ユニットは、
ユーザーに表示される一連の数学的演算を解いた中間結果を各々が表す複数の整数から成る少なくとも1個の配列を前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信すると共に、
前記少なくとも1個の整数配列の内の各々の現在数について、
前記玉を動かして前記一連の数学的演算からの現在の演算を解くことを前記ユーザーが行えるように所定の時間だけ待ち、
前記玉による前記セルの占有を前記一組のセンサを介して判定し、
前記セルの占有をチェック数に変換し、
前記チェック数を前記現在数と比較して前記現在の演算が正しく解かれたか否かを判定
し、
前記チェック数と前記現在数とに基づき、前記玉によって誤って占有されている前記セルの第1のサブセットを決定し、
前記セルの前記第1のサブセットに対応する前記光源ユニットを、第1の色で、点灯させるように構成される装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記センサは赤外線検出器であり、前記赤外線検出器の各々は前記セルの内の1個のセル内に位置している装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記通信ユニットは無線通信ユニットである装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記玉が半透明の材料から作られている装置。
【請求項5】
請求項
1に記載の装置であって、前記光源ユニットは発光ダイオードである装置。
【請求項6】
請求項
1に記載の装置であって、前記
第1の色は赤色である装置。
【請求項7】
請求項
1に記載の装置であって、前記処理ユニットは、
前記現在数に基づき、前記現在数を得るために前記玉によって占有されるべき前記セルの第2のサブセットを決定し、
前記セルの第2のサブセットに対応する前記光源ユニットを、
第2の色で、点灯させるように更に構成される装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の装置であって、前記
第2の色は緑色である装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記処理ユニットは、前記所定時間を
、前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信するように更に構成される装置。
【請求項10】
一組の数学的問題を記憶するように少なくとも構成されたサーバーと
、
少なくとも1台の電子そろばん
(但し、玉の動きを表示するための表示モニタを備える電子そろばんを除く)とを含む、計算技術を教えるためのシステムであって、前記少なくとも1台の電子そろばんは、
複数の玉と、
一組のコラムであって、前記コラムの各々が所定数のセルを含み、前記セルの各々は前記玉の1個のみによって占有されるように構成されたコラムと、
データネットワークを介して前記サーバーと通信するための通信ユニットと、
前記玉による前記セルの占有を判定するように構成された一組のセンサと、
光源ユニットの各々が前記セルの内の1個のセル内に位置している一組の光源ユニットと、
前記一組のセンサ
と前記一組の光源ユニットとに電子的に結合された処理ユニットと備え、
前記処理ユニットは、
前記数学的問題の内の一つを表す一連の数学的演算であってユーザーに表示される一連の数学的演算を解いた中間結果を各々が表す複数の整数から成る少なくとも1個の配列を前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信すると共に、
前記少なくとも1個の整数配列の内の各々の現在数について、
前記玉を動かして前記一連の数学的演算からの現在の演算を解くことを前記ユーザーが行えるように所定の時間だけ待ち、
前記玉による前記セルの占有を前記一組のセンサを介して判定し、
前記セルの占有をチェック数に変換し、
前記チェック数を前記現在数と比較して前記現在の演算が正しく解かれたか否かを判定
し、
前記チェック数と前記現在数とに基づき、前記玉によって誤って占有されている前記セルの第1のサブセットを決定し、
前記セルの前記第1のサブセットに対応する前記光源ユニットを、点灯させるように構成されたシステム。
【請求項11】
請求項
10に記載のシステムであって、
少なくとも1個の整数配列を受信する前に、
前記少なくとも1台の電子そろばんの識別子を少なくとも含む登録メッセージを
、前記通信ユニットを介して前記サーバーに送信し、
前記少なくとも1台の電子そろばんに関連する時間とサーバーの時間とを前記通信ユニットを介して同期させる
ように前記処理ユニットが更に構成されるシステム。
【請求項12】
請求項
10に記載のシステムであって、
一連の数学的演算を解く際の誤りと時間を探知すると共に記憶し、
前記数学的問題の内の前記少なくとも一つを解く際の前記誤りと時間を前記通信ユニットを介して前記サーバーに送信する
ように前記処理ユニットが更に構成されるシステム。
【請求項13】
一組の数学的問題を記憶するように少なくとも構成されたサーバーと
、
前記数学的問題を解くための少なくとも1台の電子そろばん
(但し、玉の動きを表示するための表示モニタを備える電子そろばんを除く)とを含む、計算技術を教えるためのシステムであって、前記少なくとも1台の電子そろばんは、
複数の玉と、
一組のコラムであって、前記コラムの各々が所定数のセルを含み、前記セルの各々は前記玉の1個によって占有されるように構成されたコラムと、
データネットワークを介して前記サーバーと通信するための通信ユニットと、
前記玉による前記セルの占有を判定するように構成された一組のセンサと、
光源ユニットの各々が前記セルの内の1個のセル内に位置している一組の光源ユニットと、
前記一組のセンサ
と前記一組の光源ユニットとに電子的に結合された処理ユニットと備え、
前記処理ユニットは、
前記数学的問題の内の一つを表す一連の数学的演算であってユーザーに表示される一連の数学的演算を解いた中間結果を各々が表す複数の整数から成る少なくとも1個の配列を前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信すると共に、
前記少なくとも1個の整数配列の内の各々の現在数について、
前記玉を動かして前記一連の数学的演算からの現在の演算を解くことを前記ユーザーが行えるように所定の時間だけ待ち、
前記玉による前記セルの占有を前記一組のセンサを介して判定し、
前記セルの占有をチェック数に変換し、
前記チェック数を前記現在数と比較して前記現在の演算が正しく解かれたか否かを判定
し、
前記チェック数と前記現在数とに基づき、前記玉によって誤って占有されている前記セルの第1のサブセットを決定し、
前記セルの前記第1のサブセットに対応する前記光源ユニットを、点灯させるように構成されており、
前記システムは、前記データネットワークを介して前記サーバーと通信するためのデバイス通信ユニットとグラフィック表示システムとを少なくとも含む計算装置を含み、前記計算装置は、
前記数学的問題の内の一つを表す前記一連の数学的演算を前記デバイス通信ユニットを介して受信し、
前記一連の数学的演算を前記グラフィック表示システムを介して表示するように構成されるシステム。
【請求項14】
請求項
13に記載のシステムであって、前記処理ユニットは、
前記現在数に基づき、前記現在数を得るために前記玉によって占有されるべき前記セルの第2のサブセットを決定し、
前記セルの第2のサブセットに対応する前記光源ユニットを点灯させるように更に構成される装置。
【請求項15】
請求項
13に記載のシステムであって、
少なくとも1個の整数配列を受信する前に、
前記少なくとも1台の電子そろばんの識別子を少なくとも含む登録メッセージを前記通信ユニットを介して前記サーバーに送信し、
前記少なくとも1台の電子そろばんに関連する時間とサーバーの時間とを前記通信ユニットを介して同期させるように前記処理ユニットが更に構成され、
更なる登録メッセージを前記デバイス通信ユニットを介して前記サーバーに送信し、
前記計算装置に関連する時間とサーバーの時間とを前記デバイス通信ユニットを介して同期させるように前記計算装置が更に構成されるシステム。
【請求項16】
請求項
13に記載のシステムであって、
一連の数学的演算を解く際の誤りと時間を探知すると共に記憶し、
前記数学的問題の内の前記少なくとも一つを解く際の前記誤りと時間を前記通信ユニットを介して前記サーバーに送信する
ように前記処理ユニットが更に構成されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、一般に数学用訓練装置の分野に関し、より詳しくは電子そろばんを使用して計算技術を教えるためのシステムに関する。
【0002】
この章に記載された実施形態は達成できるものであるが、必ずしも以前に着想又は達成された実施形態ではない。従って、別段の表示がない限り、この章に記載された実施形態の如何なるものも、この章に含まれているという理由だけで従来技術であると考えてはならない。
【0003】
そろばんは、足し算、引き算、掛け算及び割り算という基本的な数値計算を行うのに使用される機械的計算装置として知られている。異なる種類のそろばんが何世紀にもわたって計算のために使用されてきた。電子計算器やコンピュータにおける進化にも関わらず、幾つかのそろばん(例えば、日本のそろばん)は、幾つかの国において未だに広く使われている。そろばんは、子供や大人に計算技術(特に暗算技術)を教えるとともに伸ばすための道具としても使用できる。生徒は、そろばんを使って算術計算を行うことが最初に教えられる。そして、生徒は、そろばんを想像し、心の中でそろばんのイメージを操作して算術計算を行うことが訓練される。
【0004】
そろばんを使って計算技術を教えるための既存のシステムの例としては、計算結果を確認するためにコンピュータ接続された電気又は電子そろばんが挙げられる。訓練のための他の既知のシステムの例としては、そろばんを使った計算をシミュレーションするオンラインアプリケーションが挙げられる。
【0005】
そろばんに基づく既存の訓練システムは、複数の演算によって数学的問題を解くことに関連した幾つかの欠点がある。欠点の一つは、複数の演算を行っている間に誤りを起こした演算又はステップを正確に判定することが困難なことである。最初の欠点に必然的に伴う別の欠点は、複数の演算の内、複雑さの程度が低い少なくとも1つの演算で生徒が誤りを起こした場合、複雑さの程度が高い演算の知識を必要とする演算に行き着いてしまう恐れがあることである。更に別の欠点は、既存の訓練システムは、技能が異なる生徒に数学的問題を提供できないため、グループ訓練での使用に適していないことである。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明で更に説明される単純化された形態中の各種の概念を紹介するために提供される。本概要は、請求された主題の鍵となる特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、請求された主題の範囲を決定するうえでの一助として使用されることを意図するものでもない。
【0007】
本開示は、電子そろばんを用いた暗算の技術を教えるためのシステムを対象とする。本開示の一実施形態によれば、計算技術を教えるための装置が提供される。前記装置は複数の玉を備えるであろう。前記装置は一組のコラムを更に備えるであろう。前記コラムの各々は所定数のセルを含むことができる。前記セルの各々は前記玉の内の1個によって占有されるように構成できる。前記装置は、サーバーと通信するための通信ユニットを備えるであろう。前記装置は、前記玉による前記セルの占有を判定するように構成された一組のセンサを更に備えるであろう。前記装置は、前記一組のセンサに電子的に結合された処理ユニットを更に備えるであろう。前記処理ユニットは、複数の整数から成る少なくとも1個の配列を前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信するように構成されるであろう。前記整数の各々は一連の数学的演算を解いた中間結果を表すであろう。前記一連の数学的演算はユーザーに表示できる。
【0008】
前記少なくとも1個の整数配列の内の各々の現在数について、前記玉を動かして前記一連の数学的演算からの現在の演算を解くことをユーザーが行えるように所定の時間だけ待つように前記処理ユニットを更に構成できる。前記玉によってセルが占有されているか否かを前記一組のセンサを介して判定するように前記処理ユニットを更に構成できる。前記占有されたセルをチェック数に変換するように前記処理ユニットを更に構成できる。前記チェック数を前記現在数と比較して前記現在の演算が正しく解かれたか否かを判定するように前記処理ユニットを更に構成できる。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記センサは赤外線検出器であり、前記赤外線検出器の各々は前記セルの内の1個のセル内に位置している。幾つかの実施形態では、前記通信ユニットは無線通信ユニットである。幾つかの実施形態では、前記玉が半透明の材料から作られている。幾つかの実施形態では、前記装置は、前記処理ユニットと通信可能に結合された一組の光源ユニットを更に備え、前記光源ユニットの各々が前記セルの内の1個のセル内に位置している。或る実施形態では、前記光源ユニットは発光ダイオードである。
【0010】
或る実施形態では、前記処理ユニットは、前記チェック数と前記現在数とに基づき、前記セルの第1のサブセットが前記玉によって誤って占有されていることを判定するように更に構成できる。前記処理ユニットは、前記セルの前記第1のサブセットに対応する前記光源ユニットをある色で(例えば、赤色で)点灯させるように更に構成できる。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記処理ユニットは、前記現在数に基づき、前記セルの第2のサブセットが前記現在数を得るために前記玉によって占有されるべきことを判定するように更に構成できる。前記処理ユニットは、前記セルの第2のサブセットに対応する前記光源ユニットをある色で(例えば、緑色で)点灯させるように更に構成できる。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記処理ユニットは、前記所定時間を前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信するように更に構成される。
【0013】
本開示の別の実施形態によれば、計算技術を教えるためのシステムが提供される。前記システムは、一組の数学的問題を記憶するように少なくとも構成されたサーバーを含むであろう。前記システムは、前記数学的問題を解くための少なくとも1台の電子そろばんを含むであろう。前記少なくとも1台の電子そろばんは、複数の玉と一組のコラムを含むであろう。前記コラムの各々は所定数のセルを含む。前記セルの各々は前記玉の1個によって占有されるように構成できる。前記少なくとも1台の電子そろばんは、データネットワークを介して前記サーバーと通信するための通信ユニットを更に備えるであろう。前記少なくとも1台の電子そろばんは、前記セルが前記玉によって占有されていることを判定するように構成された一組のセンサとを更に備えるであろう。前記少なくとも1台の電子そろばんは、前記一組のセンサと前記一組の光源ユニットとに電子的に結合された処理ユニット更に備えるであろう。前記処理ユニットは、複数の整数から成る少なくとも1個の配列を前記通信ユニットを介して前記サーバーから受信するように構成できる。前記整数の各々は一連の数学的演算を解いた中間結果を表すであろう。前記一連の数学的演算は前記数学的問題の内の一つを表すであろう。前記一連の数学的演算はユーザーに表示できる。
【0014】
前記少なくとも1個の整数配列の内の各々の現在数について、前記玉を動かして前記一連の数学的演算からの現在の演算を解くことをユーザーが行えるように所定の時間だけ待つように前記処理ユニットを更に構成できる。前記玉による前記セルの占有を前記一組のセンサを介して判定するように前記処理ユニットを構成できる。前記セルの占有をチェック数に変換するように前記処理ユニットを構成できる。前記チェック数を前記現在数と比較して前記現在の演算が正しく解かれたか否かを判定するように前記処理ユニットを構成できる。
【0015】
前記システムは計算装置を更に含むであろう。前記計算装置は、前記データネットワークを介して前記サーバーと通信するためのデバイス通信ユニットとグラフィック表示システムとを少なくとも含むであろう。前記計算装置は、前記数学的問題の内の一つを表す前記一連の数学的演算を前記デバイス通信ユニットを介して受信するように構成できる。前記計算装置は、前記一連の数学的演算を前記グラフィック表示システムを介して表示するように構成できる。
【0016】
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1台の電子そろばんは、前記処理ユニットと通信可能に結合された一組の光源ユニットを更に備えるであろう。前記光源ユニットの各々は前記セルの内の1個のセル内に位置することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、前記処理ユニットは、前記チェック数と前記現在数とに基づき、前記セルの第1のサブセットが前記玉によって誤って占有されていることを判定するように更に構成できる。前記処理ユニットは、前記セルの前記第1のサブセットに対応する前記光源ユニットをある色で点灯させるように更に構成できる。
【0018】
幾つかの実施形態では、前記処理ユニットは、前記チェック数と前記現在数に基づき、前記セルの第2のサブセットが前記現在数を得るために前記玉によって占有されるべきことを判定するように更に構成できる。前記処理ユニットは、前記セルの第2のサブセットに対応する前記光源ユニットをある色で点灯させるように更に構成できる。
【0019】
幾つかの実施形態では、少なくとも1個の整数配列を受信する前に、前記少なくとも1台の電子そろばんの識別子を少なくとも含む登録メッセージを前記通信ユニットを介して前記サーバーに送信するように前記処理ユニット更に構成できる。前記処理ユニットは、前記少なくとも1台の電子そろばんに関連する時間と前記サーバーの時間とを前記通信ユニットを介して同期させるように更に構成できる。幾つかの実施形態では、前記計算装置は、更なる登録メッセージをデバイス通信チャンネルを介して前記サーバーに送信するように構成できる。前記計算装置は、前記計算装置に関連する時間と前記サーバーの時間とを前記デバイス通信ユニットを介して同期させるように更に構成できる。
【0020】
幾つかの実施形態では、前記処理ユニットは、一連の数学的演算を解く際の誤りと時間を探知すると共に記憶するように更に構成できる。前記処理ユニットは、前記数学的問題の内の前記少なくとも一つを解く際の前記誤りと時間を前記通信ユニットを介して前記サーバーに送信するように更に構成できる。
【0021】
その他の特徴、例及び実施形態は以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
実施形態は、添付の図面中の図において、限定によってではなく例示によって示されており、図において同様の参照番号は類似の要素を示す。
【
図1A】一例示的実施形態による、電子そろばんを使用した計算技術の教示ためのシステムを実施できる環境を示す。
【
図1B】別の例示的実施形態による、電子そろばんを使用した計算技術の教示ためのシステムを実施できる環境を示す。
【
図1C】さらに別の例示的実施形態による、電子そろばんを使用した計算技術の教示ためのシステムを実施できる環境を示す。
【
図2】幾つかの例示的実施形態による電子そろばんの正面図である。
【
図3】幾つかの例示的実施形態による電子そろばんのセルの状態を示す概略図である。
【
図4】例示的実施形態による電子そろばんの単純化した電子的構成を示す。
【
図5】例示的実施形態による、電子そろばんを使用した計算技術の教示ための方法のステップを示すフローチャートである。
【
図6】例示的実施形態による、電子そろばんを使用した計算技術の教示ための方法のステップを示すフローチャートである。
【
図7】マシンのための計算装置であって、本明細書で議論する方法の内の任意の一以上の方法をマシンに行わせるための1組の命令を実行できる計算装置の図式的表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明は、詳細な説明の一部を構成する添付図面への参照を含む。図面は例示的実施形態による実例を示す。本明細書中で「例」とも称するこれらの例示的実施形態は、当業者が本主題を実施できるように十分に詳しく記載されている。実施形態は組み合わせることができ、他の実施形態を利用することができ、或いは、請求の範囲を逸脱することなく、構造的、論理的及び電気的変更を行うことができる。従って、以下の詳細な説明は限定的に解釈してはならず、範囲は添付の請求項及びその均等の範囲によって定義される。本明細書において、特許明細書において一般的に行われているように、1つ又はそれ以上を含むために、用語「a」及び「an」が使用されている。本明細書中において、用語「又は(or)」は、非排他的「又は」を意味するために使用され、別段の表示がない限り、「A又はB」は、「BではなくA」、「AではなくB」及び「A及びB」を含む。
【0024】
本明細書で開示する実施形態の技術は種々の技術を使用して実施できる。例えば、本明細書で説明する方法は、コンピュータシステム上で実行されるソフトウエアで実施してもよく、或いは、マイクロプロセッサ又は他の特別に設計された特定用途向け集積回路の組み合わせ、プログラマブルロジックデバイス又はそれらの種々の組み合わせを用いたハードウエアで実施してもよい。本明細書で説明する方法は、部分的にコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ)、携帯電話、スマートフォン、スマートテレビシステム等によって実施できることに注意されたい。
【0025】
本開示の実施形態は、数学的訓練を対象とする。本明細書で説明される計算技術を教えるための装置及びシステムは、子供や大人の暗算技術を伸ばすツールとなるであろう。より詳細には、本システムは、生徒が電子そろばんを使って算術演算を行うのを助けるであろう。本システムは、生徒の技能に基づいて、各個別の生徒に対する訓練演習を調整してグループによる生徒の教育を更に容易にできるであろう。
【0026】
計算技術の訓練用の例示的なシステムは、サーバーと少なくとも1台の電子そろばんを含むであろう。サーバーは、一組の数学的問題を記憶するように少なくとも構成できる。少なくとも1台の電子そろばんは、複数の玉と一組のコラムを含むであろう。各コラムは所定数のセルを含むであろう。各セルは、玉の内の一つによって占有されるように構成できる。少なくとも1台の電子そろばんは、サーバーと通信するための通信ユニットを更に含むであろう。少なくとも1台の電子そろばんは、玉によってセルが占有されていることを判定するように構成された一組のセンサを更に含むであろう。少なくとも1台の電子そろばんは、一組のセンサに電子的に結合された処理ユニット更に含むであろう。処理ユニットは、一連の数学的演算を解いた中間結果を各々が表す複数の整数から成る少なくとも一つの配列をサーバーから通信ユニットを介して受信できるように構成できる。一連の数学的演算はユーザーに対して表示できる。少なくとも一つの整数配列の内の各々の現在数について、一連の数学的演算からの現在の演算を解くためにユーザーが玉を動かすことができる時間間隔だけ待つように処理ユニットを構成できる。更に、玉によるセルの占有を一組のセンサによって判定するように処理ユニットを構成できる。更に、セルの占有をチェック数に変換するように処理ユニットを構成できる。チェック数と現在数を比較して現在の演算が正しく解かれたか否かを判定するように処理ユニットを構成できる。
【0027】
図面を参照すると、
図1Aは、例示的実施形態による、計算技術教示用システムを実施できる環境100Aを示す。この環境100Aは、電子そろばん110、ユーザー120及び計算装置140を含むであろう。
【0028】
計算装置140は、テレビセット、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、スマートフォン、タブレットPC、パーソナルウェアラブルデバイスなどを含むであろう。或る実施形態では、計算装置140はグラフィック表示システム160を含むであろう。幾つかの実施形態では、計算装置140は、電子そろばん110と同じ場所(部屋、教室など)に配置できる。
【0029】
幾つかの実施形態では、電子そろばんは、少なくとも1個の数学的問題を、例えば計算装置140から受信するように構成できる。数学的問題は一連の数学的演算を含むであろう。或る実施形態では、ユーザー120に対して一連の数学的演算をグラフィック表示システム160上に表示できる。或る実施形態では、電子そろばん110は、音声メッセージを再生するための音声装置を含むであろう。メッセージは、数学的問題を含むテキストの口述記録を含むであろう。
【0030】
ユーザー120は、電子そろばん110を操作して、各ステップが単一の数学的演算を含む複数のステップで数学的問題を解くであろう。幾つかの実施形態では、電子そろばん110を使って単一の数学的演算を行うためにユーザー120に時間間隔を与えることができる。他の実施形態では、ユーザー120が玉を動かすまで待つように電子そろばん110を構成できる。
【0031】
幾つかの実施形態では、各ステップでユーザーが数学的問題を正しく解いたか否かをチェックするように電子そろばん110を構成できる。或る実施形態では、数学的問題のステップ(単一の数学的演算)が間違って解かれるか又はその演算を行う時間が経過した場合、ユーザー120に警告を与えるように電子そろばん110を構成できる。この場合、或る実施形態では、そのステップを正しく解くためにすべき操作をユーザー120に促すように電子そろばん110が構成されるであろう。幾つかの実施形態では、数学的問題のステップが間違って解かれた場合、音を出すように電子そろばん110を構成できる。他の実施形態では、数学的問題のステップが間違って解かれた場合、振動するように電子そろばん110を構成できる。幾つかの実施形態では、数学的問題のステップが間違って解かれた場合、光インジケーターを使用するように電子そろばん110を構成できる。同様に、幾つかの実施形態では、数学的問題のステップが正しく解かれたことを、音を出したり、振動したり及び/又は光インジケーターを点灯させてユーザー120に知らせるように電子そろばん110が構成されるであろう。異なる音、異なる種類の振動及び光インジケーターを点灯させるための異なる色を用いてステップが間違って解かれたことを通知したり、ステップが正しく解かれたことを通知したりできる。
【0032】
幾つかの実施形態では、更に、数学的問題の数学的演算を電子そろばん110を使って正しく行うのにユーザー120が費やした時間を判定するように電子そろばん110が構成されるであろう。幾つかの実施形態では、数学的問題を解くユーザー120の誤りや数学的問題を解くのにユーザー120が費やした時間の記録を記憶するように電子そろばん110が構成されるであろう。
【0033】
図1Bは、別の例示的実施形態による、計算技術教示用システムを実施できる環境100Bを示す。この環境100Bは、1台以上の電子そろばん110、1人以上のユーザー120、サーバー130、計算装置140及びデータネットワーク150を含むであろう。
【0034】
データネットワーク150は、インターネット、コンピューティングクラウド、及びデバイス間でデータ通信を行えるその他のネットワークを含むであろう。好適なネットワークは、例えば、ローカルイントラネット、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、首都圏エリアネットワーク、仮想プライベートネットワーク、ストレージエリアネットワーク、フレームリレー接続、高度インテリジェントネットワーク接続、同期光学ネットワーク接続等の内の任意の1以上のものを含むか、これらにインターフェース接続されているであろう。更に、通信には、ワイヤレスアプリケーションプロトコル、汎用パケット無線サービス、移動体通信のためのグローバルシステム、符号分割多元接続又は時分割多元接続、携帯電話ネットワーク、グローバルポジショニングシステム、セルラーデジタルパケットデータ、リサーチ・イン・モーション・リミテッドの二重ページングネットワーク、ブルートゥース(登録商標)無線、又はIEEE802.11に基づく無線周波数ネットワークなどの、様々な無線ネットワークの任意のものに対するリンクも含むであろう。データネットワークは更に、推奨規格232(RS-232)シリアル接続、IEEE-1394(ファイヤーワイヤー(FireWire))接続、ファイバーチャンネル接続、IrDA(赤外線)ポート、スモールコンピュータシステムインターフェース接続、ユニバーサルシリアルバス接続、又はその他の有線又は無線のデジタル又はアナログ式インターフェース又は接続、メッシュ或いはDigi(登録商標)ネットワーキングの内の任意の1以上のものを更に含むか又はこれらにインターフェース接続できる。
【0035】
種々の実施形態では、サーバー130は、遠隔地で利用可能でデータネットワーク150を通してアクセスできる計算リソース(ハードウエア及びソフトウェア)を含むことができる。サーバー130は、データネットワーク150を介して1台又は複数台の電子そろばん110と通信可能に結合できる。或る実施形態では、各電子そろばん110に個別の識別子を割り当てることができる。サーバー130は、個別の識別子を受信すると共に、この個別の識別子に基づいて電子そろばん110を区別するように構成されるであろう。サーバー130は複数のユーザー120によって共有できる。或る実施形態では、サーバー130は、ネットワークスイッチ及び/又はルーターと同じ位置に配置できるコンピュータサーバー群を含む、1台以上のサーバーファーム/クラスタを含むであろう。
【0036】
幾つかの実施形態では、サーバー130は、電子そろばん110を使ってユーザー120が解くための数学的問題を記憶するように少なくとも構成されるであろう。数学的問題は、一個以上の数学的演算を含むであろう。各数学的演算は、整数の足し算、引き算、掛け算又は割り算を含む。数学的問題は、テーマ及び複雑さのレベルによって分類できる。
【0037】
幾つかの実施形態では、サーバー130は、数学的問題を電子そろばん110に送信するように更に構成できる。電子そろばんは、サーバー130から数学的問題を受信するように構成できる。幾つかの実施形態では、サーバー130は、計算装置140と通信可能に結合される。サーバー130は、データネットワーク150のパラメータに基づいて、電子そろばん110と計算装置140が同じ場所に位置していることを判定するように構成できる。例えば、サーバー130は、電子そろばん110と計算装置140が同じWi-Fi(商標)ルーターを介してデータネットワーク150に接続されていることを判定するように構成できる。
【0038】
幾つかの実施形態では、サーバー130は、数学的問題を1台以上の電子そろばん110と計算装置140に同時に送信するように更に構成できる。計算装置140は、電子そろばん110を使ってユーザー120が解くために現在提供されている数学的問題をグラフィック表示システム160で提示するように更に構成できる。或る実施形態では、数学的問題は、一回当たり単一の数学的演算で表示できる。各数学的演算は、所定の時間表示できる。
【0039】
電子そろばん110は、数学的問題を解いた時間と数学的問題を解いたときの誤りを探知すると共に記憶するように更に構成できる。教示セッションの終了後(例えば、一組の数学的問題を解いたあと)、解いた時間と解いた際の誤りに関する情報をサーバー130に送信するように電子そろばん110を構成できる。
【0040】
幾つかの実施形態では、サーバー130は、ユーザーの120のプロファイルを記憶するように更に構成されるであろう。プロファイルには、電子そろばん110を用いてユーザー120が解いた数学的問題、数学的問題を解くのにユーザー120が費やした時間、及び数学的問題を解く際にユーザー120が起こした誤りが含まれるであろう。サーバー130は、異なるユーザー120による数学的問題の解決に関しての統計を許可されたユーザーに提供するように更に構成されるであろう。例えば、ユーザー120は、サーバー上で動作しているアプリケーションを用いて、ユーザー120のスコア表における訓練の結果(訓練のスコア)及びユーザーをレビューするであろう。
【0041】
図1Cは、更に別の例示的実施形態による、計算技術教示用システムを実施できる環境100Cを示す。この環境100Cは、
図1Cに示すように、1台以上の電子そろばん110、1人以上のユーザー120、サーバー130、グラフィックシステムインターフェース160を備えた計算装置140、データネットワーク150を含むであろう。環境100Cでは、1台以上の電子そろばん110、1人以上のユーザー120及び計算装置140がグループ190に分割されている。グループ190は地理的に異なる場所に位置することができる。一組の数学的問題を含む教示セッションを開始する前に、電子そろばん110と計算装置140を登録してサーバー130と同期されるように電子そろばん110と計算装置140を構成できる。数学的問題を解いている間、全てのグループ190に対して世界時間と数学的問題を表示するように計算装置140を更に構成できる。幾つかの実施形態では、グループ190のユーザーが同じ期間内に数学的問題を解くことができる。他の実施形態では、異なるグループのユーザー120が数学的問題を異なる期間の間に互いに独立して解くことができる。
【0042】
図2は、幾つかの例示的実施形態による例示的電子そろばん110の上面図である。電子そろばん110は、本体205、軸210及び玉215を含むであろう。本体205の形状は、軸210と玉215を配置するための細長凹部を含むであろう。玉215はコラム220に分割して配置できる。玉215は、セル225を占有するように軸210に沿って移動可能となっているであろう。
【0043】
図2の例では、各コラム220は7個のセルを含み、更にこれらのセルは2セクションに分割されている。第1のセクションは、玉215の内の1個によって占有され得る2個のセルを含む。第2のセクションは、玉215の内の4個によって占有され得る5個のセルを含む。本明細書で説明する計算技術の教示技術は、コラム、セル及び玉の構成が異なる他のそろばんにも使用できることに注意されたい。
【0044】
各セル225は、玉215がセル225を占有しているか否かを検知するセンサを含んでいるであろう。幾つかの実施形態では、センサは赤外線(IR)検出器235を含んでおり、セル225は(IR)発光ダイオード(LED)230も含んでいるであろう。
図3に示すように、IR検出器235は玉215がセル225を占有しているか否かを検知するために使用できる。IR検出器が玉215から反射した赤外光を感知した場合、セルに値1を割り当てることができる。IR検出器235が玉から反射した赤外光を感知しない場合、セル225に値0を割り当てることができる。
【0045】
図2に戻ると、幾つかの実施形態では、各セル225は光源ユニット240(例えば、LED)を更に含むであろう。光源ユニットは、光データに基づいて1色以上の色を発光するように構成されるであろう。色には少なくとも緑色と赤色が含まれるであろう。
【0046】
幾つかの実施形態では、電子そろばん110は、LEDインジケータ245、電源ボタン250、電源コネクタ255及びUSBポート260を更に含むであろう。電子そろばん110は、スピーカー、音声出力ポート及び振動デバイスなどの追加又は他の部品を含むであろう。
【0047】
図4は、例示的実施形態による電子そろばん110の電子基板400の単純化した構成である。電子基板400はデマルチプレクサ410、コントローラ420、再充電可能電池430、無線通信ユニット440及びUSBポート260を含むであろう。
【0048】
或る実施形態では、オペレーションシステムと電子そろばん110の種々のアプリケーションを実行するように構成されたコントローラ420は、マイクロプロセッサ、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイスの組み合わせ或いはシステムオンチップ(SoC)を用いたハードウエアとして実施されるであろう。幾つかの実施形態では、コントローラ420は、アプリケーションデータとマイクロプロセッサによって実行可能な命令を記憶する記憶媒体を含むであろう。
【0049】
デマルチプレクサ410は、N個のコラム220の内の1つを選択するように構成でき、従って、コントローラ420は、選択されたコラムのセル内の光源ユニット240のための光データをセットし、IR検出器235からのデータを読み込むように構成されるであろう。
【0050】
幾つかの実施形態では、コントローラ420をプログラムするためにUSBポート260を使用できる。或る実施形態では、無線通信ユニット420を介してサーバー130からデータを受信するようにコントローラ420を構成できる。
【0051】
幾つかの実施形態では、コントローラ420は、無線通信ユニット440を介して整数の配列X{i},i=1-Mを受信するように更に構成できる。コントローラ420は、配列X{i},i=1-Mから数Xを選択するように更に構成できる。数Xは、ユーザー120に現在提供されている数学的問題の現在の数学的演算を行った後の正しい中間結果を表しているであろう。コントローラ420は、ユーザー120が玉を移動した後で、現在の演算が正しく行われたか否かをチェックするために数Xを使用するように構成されるであろう。幾つかの実施形態では、コントローラ420は、数学的問題の現在の数学的演算を行うためにユーザー120が電子そろばんの玉を移動させることができる時間間隔だけ待つように構成されるであろう。或る実施形態では、時間間隔はサーバー130からコントローラ420によって受信することもできる。
【0052】
コントローラ420は、センサ(例えば、第1コラムから始まり最終コラムNで終わるコラム220のセル225のIR検出器235)からのデータを読むように更に構成できる。コラム220のセル225のIR検出器からのデータは二進数を表す。コントローラ420は、二進数を長さNの整数Yに変換するように更に構成できる。整数Yは、数学的問題の現在の数学的演算に対する答えを表しているであろう。コントローラ420は、数Yを数Xと比較するように更に構成できる。数Yが数Xに等しい場合に、答えが正しいと判定するようにコントローラ420を構成できる。数Yが数Xに等しくない場合に、答えが間違っていると判定するようにコントローラ420を構成できる。
【0053】
幾つかの実施形態では、答えが間違っている場合、答えが正しい場合に玉が位置すべき第1の組のセルを決定するようにコントローラ420を更に構成できる。更に、コントローラ420は、第1の組のセルの光源ユニット240を点灯するように構成されるであろう。例えば、第1の組のセルの光源ユニット240は、適切な光データを設定することで緑色で点灯するように構成できる。
【0054】
幾つかの実施形態では、コントローラ420は、玉によって誤って占有されている第2の組のセル(従って、これらの玉は、正しい答えを得るために第2の組のセルから移動されなければならない)を決定するように更に構成できる。更に、コントローラ420は、第2の組のセルの光源ユニット240を点灯するように構成されるであろう。幾つかの実施形態では、これらの光源ユニットは、適切な光データを設定することで正しい色で点灯するように構成できる。更に、コントローラ420は、ユーザー120が玉を移動させるまで待つように構成できる。更に、コントローラ420は、答えをチェックすると共に、正しい答えを受け取るために占有されなければならないセルにユーザー120が玉を移動させるまで、セル内の適切な光源ユニットを点灯させるように構成できる。
【0055】
図5は、本開示の或る例示的実施形態による、電子そろばんを使用した計算技術を教えるための方法500を示すフローチャートである。方法500は
図1Bに示す環境100Bで実施できる。
【0056】
方法500は、ブロック502で最初に、一組の数学的問題を記憶するように少なくとも構成されたサーバーを提供する。各数学的問題は、足し算、引き算、掛け算又は割り算という一連の数学的演算を含むであろう。数学的問題は、複雑さのレベルによってテーマ別に分類できる。
【0057】
ブロック504では、方法500は少なくとも1台の電子そろばん提供することを含むであろう。少なくとも1台の電子そろばんは複数の玉を含むであろう。電子そろばんは、一組のコラムを更に含み、各コラムは所定数のセルを含むであろう。各セルは、玉の内の1個によって占有されるように構成できる。電子そろばんは、データネットワークを介してサーバーと通信するための通信ユニットを更に含むであろう。電子そろばんは、玉によるセルの占有を判定するように構成された一組のセンサを更に含むであろう。電子そろばんは、一組の光源ユニットを更に含むであろう。各光源ユニットはセルの内の1個の中に位置している。電子そろばんは、一組のセンサ及び一組の光源ユニットに電子的に結合された処理ユニットを更に含むであろう。
【0058】
ブロック506では、方法500は、少なくとも一つの整数配列を通信ユニットを介して処理ユニットで受信することを含むであろう。各整数は、一連の数学的演算を解いた中間結果を表す。例えば、一連の数学的演算「4」、「+5」、「+1」及び「-3」は、配列{4,9,10,7}によって表すことができる。一連の数学的演算は電子そろばんのユーザーに同時に表示できる。整数配列の内の現在数(最初のものから始まる)に対して、方法500のブロック508~514の動作を行うことができる。
【0059】
ブロック508では、方法500は、一連の数学的演算からの現在の演算を解くためにユーザーが玉を移動させることができる所定の時間間隔だけ処理ユニットで待つことを含むであろう。
【0060】
ブロック510では、方法500は、玉によるセルの占有を一組のセンサを介して処理ユニットで判定することを含むであろう。
【0061】
ブロック512では、方法500は、セルの占有を処理ユニットでチェック数に変換することを含むであろう。
【0062】
ブロック514では、方法は、処理ユニットによってチェック数を配列中の現在数と比較し、現在の演算が正しく解かれたか否かを判定することを含むであろう。
【0063】
図6は、或る実施形態による、電子そろばんを使用して計算技術を訓練するための方法600を示すフローチャートである。方法600は
図5の方法500の追加のステップを提供するであろう。
【0064】
ブロック602では、方法600は、電子そろばんの処理ユニットにより、チェック数と現在数とに基づき、玉によって誤って占有されているセルの第1のサブセットを決定することを含むであろう。
【0065】
ブロック604では、方法600は、電子そろばんの処理ユニットにより、セルの第1のサブセットに対応する光源ユニットを(例えば、赤色で)点灯させることを含むであろう。
【0066】
ブロック606では、方法600は、電子そろばんの処理ユニットにより、現在数に基づき、現在数を得るために玉によって占有されるべきセルの第2のサブセットを決定することを含むであろう。
【0067】
ブロック608では、方法600は、処理ユニットにより、セルの第2のサブセットに対応する光源ユニットを(例えば、緑色で)点灯させることを含むであろう。
【0068】
図7は、コンピュータシステム700の例示的電子形態での、マシンのための計算装置の図式的表示であり、コンピュータシステム700内において、本明細書で議論する方法の内の任意の一以上の方法をマシンに行わせるための1組の命令を実行できる。種々の例示的実施形態において、マシンは独立型の装置として動作することもでき、他のマシンに接続(例えば、ネットワーク接続)することもできる。ネットワーク展開においては、サーバークライエントネットワーク環境におけるサーバー又はクライエントマシンの容量内でマシンが動作できる。或いは、ピアツーピア(即ち分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作できる。マシンは、PC、タブレットPC、セットトップボックス、携帯電話、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤー(例えば、MP3(動画専門家集団のオーディオレイヤー3)プレーヤーなどのポータブルハードドライブ音声デバイス)、ウェブ電気製品、ネットワークルータ、スイッチ、ブリッジ、又はそのマシンが行うべき動作を特定するための一組の命令(シーケンシャル又はそれ以外)を実行できる任意のマシンであり得る。更に、単一のマシンだけが描かれているが、「マシン」という用語は、本明細書で議論している方法の任意の一つの以上を行うために一組(又は複数組)の命令を個々に又は協力して実行する任意のマシンの集合体も含むものと解釈しなければならない。
【0069】
コンピュータシステム700は、バス710を介して互いに通信する、単一又は複数のプロセッサ702、ハードディスクドライブ704、主メモリ706及びスタティックメモリ708を含むであろう。また、コンピュータシステム700は、ネットワークインターフェースデバイス712を含むであろう。ハードディスクドライブ704は、本明細書で説明している方法又は機能の内の任意の一つの以上を具体化するか或いはそれらによって利用される1組以上の命令722を記憶するコンピュータ読込み可能媒体720を含むであろう。また、命令722は、それらがコンピュータシステム700によって実行されている間、主メモリ706及び/又はプロセッサ702内に完全に又は少なくとも部分的に存在できる。また、主メモリ706及びプロセッサ702は、マシン読出し可能媒体を構成する。
【0070】
コンピュータ読込み可能媒体720は、例示的実施形態では単一の媒体として示されているが、「コンピュータ読込み可能媒体」という用語は、一組以上の命令を記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中又は分散データベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバー)を含むように解釈しなければならない。また、「コンピュータ読込み可能媒体」という用語は、マシンによって実行される一組の命令を記憶するか、符号化するか又は保持できると共に本出願の方法の内の任意の1以上をマシンに行わせるか、或いはその様な一組の命令によって利用されるか又はそれらと関連付けられたデータ構造を記憶するか、符号化するか又は保持できる任意の媒体を含むように解釈しなければならない。従って、「コンピュータ読込み可能媒体」という用語は、 ソリッドステートメモリ、光学的及び磁気的媒体を含むものと解釈しなければならないが、これらに限定されない。その様な媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、NAND又はNORフラッシュメモリ、デジタルビデオディスク、RAM、ROMなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で説明する例示的実施形態は、コンピュータにインストールされたソフトウエアを含む動作環境、ハードウエア、又はソフトウエアとハードウエアの組み合わせで実施されるであろう。
【0072】
幾つかの実施形態では、コンピュータシステム700は、コンピューティングクラウド内で動作する仮想マシンなどのクラウドベースのコンピューティング環境として実施されるであろう。他の実施形態では、コンピュータシステム700自体がクラウドベースのコンピューティング環境を含んでいるであろう。この場合、コンピュータシステム700の機能は分散して実行される。従って、コンピュータシステム700がコンピューティングクラウドとして構成されている場合、コンピュータシステム700は、以下により詳しく述べるように、種々の形式の複数のコンピューティングデバイスを含むであろう。
【0073】
一般に、クラウドベースのコンピューティング環境は、典型的にはプロセッサの大きなグループ(例えば、ウェブサーバー内のプロセッサの大きなグループ)の計算能力を組み合わせ、及び/又はコンピュータメモリ又は記憶装置の大きなグループの記憶能力を組み合わせたリソースである。クラウドベースのリソースを提供するシステムはそれらの所有者によって独占的に利用されるであろう。或いは、その様なシステムは、大きな計算又は記憶リソースの恩恵を得るためにコンピューティングインフラストラクチャーにアプリケーションを展開している外部のユーザーからアクセス可能であろう。
【0074】
クラウドは、例えば、コンピュータシステム700などの複数のコンピューティングデバイスを含むウェブサーバーのネットワークによって作られるであろう。各サーバー(又は、それらの内の少なくとも複数)は、プロセッサ及び/又は記憶リソースを提供する。これらのサーバーは、複数のユーザー(例えば、クラウドリソースの顧客又はその他のユーザー)によって提供されたワークロードを管理するであろう。典型的には、各ユーザーは、リアルタイムで、時々劇的に変動するワークロード要求をクラウド上に置く。これらの変動の性質と程度は、典型的には、ユーザーに関連するビジネスの種類に依存する。
【0075】
この様に、計算技術を教える装置及びシステムについて説明した。特定の例示的実施形態を参照して実施形態を説明したが、本出願のより広い精神と範囲から逸脱することなく、これらの例示的実施形態に対して種々の変形及び変更を行えることは明らかである。従って、明細書と図面は、限定的ではなく例示的であると考えなければならない。