(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】バッテリーセル組立体、該バッテリーセル組立体を含むバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 10/653 20140101AFI20220513BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220513BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220513BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20220513BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20220513BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20220513BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20220513BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20220513BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/643
H01M10/6554
H01M50/204
H01M50/213
H01M50/298
(21)【出願番号】P 2020540294
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(86)【国際出願番号】 KR2019011761
(87)【国際公開番号】W WO2020067665
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2020-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0116523
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ウク・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ダル-モ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ホ・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
【審査官】寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0066683(KR,A)
【文献】中国実用新案第201741734(CN,U)
【文献】特開2011-065907(JP,A)
【文献】特開2008-192570(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0094981(KR,A)
【文献】特開2012-094330(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0000125(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/653
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/643
H01M 10/6554
H01M 50/204
H01M 50/213
H01M 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセル組立体であって、
複数の円筒型セルを含む複数の円筒型セルブロックと、
前記複数の円筒型セルブロックの上側を覆い、前記複数の円筒型セルブロックを電気的に接続するブロックカバーと、
前記ブロックカバーに対向配置され、前記複数の円筒型セルブロックの下側に配置される冷却プレートと、
前記冷却プレートと前記複数の円筒型セルブロックとの間に配置され、前記複数の円筒型セルの底部に対応するように複数の熱伝導材料が備えられる熱伝達部材とを含
み、
前記ブロックカバーは、隣接する円筒型セルブロックを電気的に接続するためのセルブロック溶接部を備え、隣接する円筒型セルブロックは、前記セルブロック溶接部を通じて相互に溶接される、バッテリーセル組立体。
【請求項2】
前記複数の円筒型セルブロックは、隣接する円筒型セルブロックとブロック結合できるように、隣接する円筒型セルブロックと相互に対応する形状を有する、請求項1に記載のバッテリーセル組立体。
【請求項3】
前記複数の円筒型セルブロックは、それぞれ、
前記複数の円筒型セルと、
前記複数の円筒型セルの底部を収容するボトムカバーと、
前記ボトムカバーと結合され、前記複数の円筒型セルの上部を覆うトップカバーと、
前記トップカバーの上側に備えられ、前記複数の円筒型セルを電気的に接続する一対のバスバー部材と、
前記一対のバスバー部材の間に設けられる絶縁部材とを含む、請求項2に記載のバッテリーセル組立体。
【請求項4】
前記複数の円筒型セルブロックは、それぞれ、前記複数の円筒型セルのうち少なくとも一つで発火したとき、隣接した円筒型セルへの火炎拡散を遮断するための少なくとも一つの断熱部材をさらに含む、請求項3に記載のバッテリーセル組立体。
【請求項5】
バッテリーセル組立体であって、
複数の円筒型セルを含む複数の円筒型セルブロックと、
前記複数の円筒型セルブロックの上側を覆い、前記複数の円筒型セルブロックを電気的に接続するブロックカバーと、
前記ブロックカバーに対向配置され、前記複数の円筒型セルブロックの下側に配置される冷却プレートと、
前記冷却プレートと前記複数の円筒型セルブロックとの間に配置され、前記複数の円筒型セルの底部に対応するように複数の熱伝導材料が備えられる熱伝達部材とを含み、
前記複数の円筒型セルブロックは、それぞれ、
前記複数の円筒型セルの上部を覆うトップカバーと、
前記複数の円筒型セルのうち少なくとも一つで発火したとき、隣接した円筒型セルへの火炎拡散を遮断するための複数の断熱部材とをさらに含み、
前記複数の断熱部材は、
前記複数の円筒型セルの側面を覆う第1断熱部材と、
前記複数の円筒型セルの上側を覆い、前記トップカバーの内側に配置される第2断熱部材と、
前記第2断熱部材と所定距離だけ離隔して配置され、前記トップカバーの上側に露出する第3断熱部材とを含む
、バッテリーセル組立体。
【請求項6】
前記少なくとも一つの断熱部材は、雲母断熱材からなる、請求項4または5に記載のバッテリーセル組立体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーセル組立体と、
前記少なくとも一つのバッテリーセル組立体をパッケージングするモジュールケースとを含む、バッテリーモジュール。
【請求項8】
前記モジュールケースは、
前記少なくとも一つのバッテリーセル組立体を覆うメインカバーと、
前記メインカバーと結合され、前記少なくとも一つのバッテリーセル組立体の前方を覆うフロントカバーとを含む、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項7または8に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースとを含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載の少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーセル組立体、該バッテリーセル組立体を含むバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2018年9月28日出願の韓国特許出願第10-2018-0116523号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV;Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列で連結してバッテリーパックを構成することがある。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーセルを並列で連結してバッテリーパックを構成することもある。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0005】
一方、複数のバッテリーセルを直列/並列で連結してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールをまず構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いて、さらに他の構成要素を付け加えることで、バッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
従来のバッテリーモジュールやバッテリーパックの場合、複数のバッテリーセルの組立体としてバッテリーモジュールやバッテリーパックを構成するとき、バッテリーモジュールやバッテリーパックのモデルタイプによって、複数のバッテリーセルの組立体を構成する形態も変更される。
【0007】
そのため、従来はバッテリーモジュールやバッテリーパックのモデル毎にバッテリーセルの組立体の形状や模様も変わってしまい、共用化し難いという問題がある。したがって、従来のバッテリーモジュールやバッテリーパックでは、バッテリーセルの組立体を構成するとき、製品毎の互換性や拡張性が低くて工程効率が低下するという問題がある。
【0008】
特に、バッテリーセルが円筒型セルである場合、円筒型セルの形状的特徴のため、円筒型セルからバッテリーセルの組立体を構成するとき、モデルタイプ毎に円筒型セル同士の間にデッドスペースが生じるおそれがあり、モデルタイプによってはスリム化及びエネルギー密度の面で不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、共用化可能なバッテリーセル組立体、該バッテリーセル組立体を含むバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は、複数の円筒型セルを含む複数の円筒型セルブロックと、前記複数の円筒型セルブロックの上側を覆い、前記複数の円筒型セルブロックを電気的に接続するブロックカバーと、前記ブロックカバーに対向配置され、前記複数の円筒型セルブロックの下側に配置される冷却プレートと、前記冷却プレートと前記複数の円筒型セルブロックとの間に配置され、前記複数の円筒型セルの底部に対応するように複数の熱伝導材料(thermal interface material)が備えられる熱伝達部材とを含むことを特徴とするバッテリーセル組立体を提供する。
【0011】
前記複数の円筒型セルブロックは、隣接する円筒型セルブロックとブロック結合できるように、隣接する円筒型セルブロックと相互に対応する形状を有し得る。
【0012】
前記複数の円筒型セルブロックは、それぞれ、前記複数の円筒型セルと、前記複数の円筒型セルの底部を収容するボトムカバーと、前記ボトムカバーと結合され、前記複数の円筒型セルの上部を覆うトップカバーと、前記トップカバーの上側に備えられ、前記複数の円筒型セルを電気的に接続する一対のバスバー部材と、前記一対のバスバー部材の間に設けられる絶縁部材とを含み得る。
【0013】
前記複数の円筒型セルブロックは、それぞれ、前記複数の円筒型セルのうち少なくとも一つで発火したとき、隣接した円筒型セルへの火炎拡散を遮断するための少なくとも一つの断熱部材をさらに含み得る。
【0014】
前記断熱部材は、複数個が備えられ、前記複数の断熱部材は、前記複数の円筒型セルの側面を覆う第1断熱部材と、前記複数の円筒型セルの上側を覆い、前記トップカバーの内側に配置される第2断熱部材と、前記第2断熱部材と所定距離だけ離隔して配置され、前記トップカバーの上側に露出する第3断熱部材とを含み得る。
【0015】
前記少なくとも一つの断熱部材は、雲母断熱材からなり得る。
【0016】
そして、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーセル組立体と、前記少なくとも一つのバッテリーセル組立体をパッケージングするモジュールケースとを含むことを特徴とするバッテリーモジュールを提供する。
【0017】
前記モジュールケースは、前記少なくとも一つのバッテリーセル組立体を覆うメインカバーと、前記メインカバーと結合され、前記少なくとも一つのバッテリーセル組立体の前方を覆うフロントカバーとを含み得る。
【0018】
また、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースとを含むことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0019】
さらに、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーパックを含むことを特徴とする自動車を提供する。
【発明の効果】
【0020】
以上のような多様な実施形態によって、共用化可能なバッテリーセル組立体、該バッテリーセル組立体を含むバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車を提供することができる。
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーセル組立体を説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーセル組立体の分解斜視図である。
【
図3】
図1のバッテリーセル組立体のA部分の拡大図である。
【
図4】
図1のバッテリーセル組立体のB部分の拡大図である。
【
図5】
図2のバッテリーセル組立体の円筒型セルブロックを説明するための図である。
【
図6】
図5の円筒型セルブロックの分解斜視図である。
【
図7】
図5の円筒型セルブロックの組み立て構造を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明することで本発明をより明確にする。後述する実施形態は発明の理解を助けるため例示的に示されるものであり、本発明が後述する実施形態から多様に変形されて実施できることを理解せねばならない。また、発明の理解を助けるため、添付された図面は、実際の縮尺ではなく、一部構成要素の寸法が誇張して示され得る。
【0023】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーセル組立体を説明するための図であり、
図2は
図1のバッテリーセル組立体の分解斜視図であり、
図3は
図1のバッテリーセル組立体のA部分の拡大図であり、
図4は
図1のバッテリーセル組立体のB部分の拡大図であり、
図5は
図2のバッテリーセル組立体の円筒型セルブロックを説明するための図であり、
図6は
図5の円筒型セルブロックの分解斜視図であり、
図7は
図5の円筒型セルブロックの組み立て構造を説明するための図である。
【0024】
図1~
図8を参照すれば、バッテリーセル組立体10は、円筒型セルブロック100、ブロックカバー200、冷却プレート300及び熱伝達部材400を含むことができる。
【0025】
上記円筒型セルブロック100は、複数個が備えられ得る。上記複数の円筒型セルブロック100は、相互にブロック結合され得る。そのため、上記複数の円筒型セルブロック100は、隣接する円筒型セルブロック100とブロック結合できるように、隣接する円筒型セルブロック100と相互に対応する形状を有し得る。
【0026】
具体的に、上記複数の円筒型セルブロック100の外面は、対面する円筒型セルブロック100の外面に対応する凹凸形状を有し得る。上記凹凸形状は、凸部と凹部とが交互に備えられる形状であり得る。
【0027】
上記複数の円筒型セルブロック100は、それぞれ、円筒型セル110、ボトムカバー120、トップカバー130、一対のバスバー部材140、150、絶縁部材160及び断熱部材170、180、190を含むことができる。
【0028】
上記円筒型セル110は、二次電池であって、複数個が備えられ得る。上記複数の円筒型セル110は、相互に電気的に接続できるように、相互に積層され得る。
【0029】
上記ボトムカバー120は、上記複数の円筒型セル110の底部を収容可能な収容空間を備える。上記ボトムカバー120は、上記円筒型セルブロック100外面の一部を形成し、隣接する上記円筒型セルブロック100とのブロック結合のための凹凸形状の外面を有し得る。
【0030】
上記トップカバー130は、上記ボトムカバー120と結合され、上記複数の円筒型セル110の上部を覆う。上記トップカバー130は、上記ボトムカバー120とともに上記円筒型セルブロック100の外面を形成し、隣接する上記円筒型セルブロック100とのブロック結合のための凹凸形状の外面を有し得る。
【0031】
上記トップカバー130には、後述するブロックカバー200をより安定的に固定するための複数のフック135が備えられ得る。上記複数のフック135によって、後述するブロックカバー200を上記トップカバー130の外に離脱することなく安定的に固定することができる。
【0032】
上記一対のバスバー部材140、150は、上記トップカバー130の上側に備えられ得る。上記一対のバスバー部材140、150は、上記複数の円筒型セル110を電気的に接続することができる。
【0033】
上記一対のバスバー部材140、150は、正極バスバー140及び負極バスバー150を含むことができる。
【0034】
上記正極バスバー140は、上記複数の円筒型セル110の正極と電気的に接続され、後述する絶縁部材160と後述する断熱部材190との間に配置され得る。
【0035】
上記負極バスバー150は、上記複数の円筒型セル110の負極と電気的に接続され、上記トップカバー130と後述する絶縁部材160との間に配置され得る。
【0036】
上記絶縁部材160は、上記一対のバスバー部材140、150の間、すなわち、上記正極バスバー140と上記負極バスバー150との間に設けられ得る。上記絶縁部材160は、上記正極バスバー140と上記負極バスバー150との間で生じ得る直接的な接触を防止することができる。
【0037】
上記断熱部材170、180、190は、上記複数の円筒型セル110のうち少なくとも一つで発火したとき、隣接した円筒型セル110への火炎拡散を遮断するためのものであって、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個が設けられ得る。
【0038】
以下の実施形態では、上記断熱部材170、180、190が複数個設けられることに限定して説明する。
【0039】
上記複数の断熱部材170、180、190は、雲母断熱材からなり得、第1断熱部材170、第2断熱部材180及び第3断熱部材190を含む。
【0040】
上記第1断熱部材170は、上記複数の円筒型セル110の側面を覆うことができる。上記第1断熱部材170は、上記複数の円筒型セル110のうち少なくとも一つのセルが発火したとき、優先的に隣接した円筒型セル110への火炎拡散を遮断することができる。
【0041】
上記第2断熱部材180は、上記複数の円筒型セル110の上側を覆い、上記トップカバー130の内側に配置され得る。上記第2断熱部材180は、上記複数の円筒型セル110のうち少なくとも一つのセルが発火したとき、二次的に火炎拡散を遮断し、火炎が上記バスバー部材150側に拡散することを遮断することができる。
【0042】
上記第3断熱部材190は、上記第2断熱部材180と所定距離だけ離隔して配置され、上記トップカバー130の上側に露出し得る。上記第3断熱部材190は、上記複数の円筒型セル110のうち少なくとも一つのセルが発火したとき、最終的に火炎拡散を遮断し、火炎が後述するブロックカバー200側に拡散することを遮断することができる。
【0043】
本実施形態の場合、上記第3断熱部材190、第2断熱部材180及び第1断熱部材170として設けられる上記複数の断熱部材170、180、190によって、上記複数の円筒型セル110のうち少なくとも一つの円筒型セル110が発火して円筒型セル110の全体に拡散する連鎖発火を効果的に防止することができる。
【0044】
上記ブロックカバー200は、上記複数の円筒型セルブロック100の上側を覆い、上記複数の円筒型セルブロック100を電気的に接続することができる。上記ブロックカバー200は、上記複数のフック135を用いて固定することができる。
【0045】
上記ブロックカバー200には、隣接する円筒型セルブロック100を電気的に接続するためのセルブロック溶接部205が備えられ得る。上記セルブロック溶接部205を通じて、隣接する円筒型セルブロック100をレーザー溶接などで相互に電気的に接続することができる。
【0046】
上記冷却プレート300は、上記複数の円筒型セル110を冷却させるためのものであって、上記ブロックカバー200に対向配置され、上記複数の円筒型セルブロック100の下側に配置され得る。
【0047】
上記熱伝達部材400は、上記冷却プレート300と上記複数の円筒型セルブロック100との間に配置され、上記複数の円筒型セル110の底部に対応するように複数の熱伝導材料450が備えられ得る。
【0048】
上記複数の熱伝導材料450は、上記複数の円筒型セル110の底部に直接接触することができる。上記複数の熱伝導材料450を通じて、上記複数の円筒型セルブロック100で発生する熱を上記冷却プレート300側へとより迅速に伝達することができる。
【0049】
本実施形態の場合、上記複数の熱伝導材料450を備える上記熱伝達部材400及び上記冷却プレート300を通じて、上記複数の円筒型セル110を冷却させることができる。
【0050】
図8は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【0051】
図8を参照すれば、バッテリーモジュール1は、上記バッテリーセル組立体10及びモジュールケース50を含むことができる。
【0052】
上記バッテリーセル組立体10は、少なくとも一つまたは複数個が備えられ得る。以下の実施形態では、上記バッテリーセル組立体10が複数個備えられることに限定して説明する。
【0053】
上記複数のバッテリーセル組立体10の外面は、隣接するバッテリーセル組立体10に対応する形状を有し得る。これによって、上記複数のバッテリーセル組立体10の間は、相互ブロック結合によって連結され得る。
【0054】
上記モジュールケース50は、上記少なくとも一つ、本実施形態の場合、上記複数のバッテリーセル組立体10をパッケージングすることができる。
【0055】
上記モジュールケース50は、メインカバー52及びフロントカバー56を含むことができる。
【0056】
上記メインカバー52は、上記少なくとも一つ、本実施形態の場合、上記複数のバッテリーセル組立体10を覆うことができる。上記メインカバー52は、上記複数のバッテリーセル組立体10の外面に対応する形状を有し得る。
【0057】
上記フロントカバー56は、上記メインカバー52と結合され、上記少なくとも一つ、本実施形態の場合、上記複数のバッテリーセル組立体10の前方を覆うことができる。上記フロントカバー56は、上記メインカバー52とボルト結合または溶接結合を通じて連結され得る。
【0058】
このように、本実施形態による上記バッテリーモジュール1は、上記複数の円筒型セルブロック100間のブロック結合を通じて上記バッテリーセル組立体10を構成し、上記複数のバッテリーセル組立体10間のブロック結合を通じて上記バッテリーモジュール1を構成できるため、多様なモデルタイプでも上記円筒型セルブロック100を単位体として活用することができる。これによって、本実施形態によれば、上記バッテリーモジュール1の製品毎の互換性や拡張性を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態による上記バッテリーモジュール1は、上記複数の円筒型セルブロック100及び上記複数のバッテリーセル組立体10がブロック結合を通じて結合するため、バッテリーモジュール1を製造するとき、容易かつ簡便な組み立て性を確保することができる。これによって、本実施形態によれば、上記バッテリーモジュール1の製造工程の効率を著しく向上させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態による上記バッテリーモジュール1は、上記複数の円筒型セルブロック100及び上記複数のバッテリーセル組立体10がブロック結合を通じて結合するため、上記円筒型セル110同士の間で生じ得るデッドスペースを最小化することができる。これによって、本実施形態によれば、一層スリムかつコンパクトな、高いエネルギー密度を有するバッテリーモジュール1を提供することができる。
【0061】
図9は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図であり、
図10は本発明の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【0062】
図9及び
図10を参照すれば、バッテリーパックPは、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーモジュール1、及び上記少なくとも一つのバッテリーモジュール1をパッケージングするパックケース5を含むことができる。
【0063】
上記バッテリーパックPは、自動車Vの燃料源として、自動車Vに備えられ得る。例えば、上記バッテリーパックPは、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他バッテリーパックPを燃料源として使用可能なその他の方式で自動車Vに備えられ得る。
【0064】
また、上記バッテリーパックPは、上記自動車Vの外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)などのその他の装置や器具及び設備などにも備えられることは言うまでもない。
【0065】
このように、本実施形態による上記バッテリーパックP、及び上記自動車Vのような上記バッテリーパックPを備える装置や器具及び設備は、上述した上記バッテリーモジュール1を含むため、上述したバッテリーモジュール1による長所をすべて有するバッテリーパックP及びこのようなバッテリーパックPを備える自動車Vなどの装置や器具及び設備などを具現することができる。
【0066】
以上のような多様な実施形態によって、共用化可能な上記バッテリーセル組立体10、このような上記バッテリーセル組立体10を含む上記バッテリーモジュール1、このような上記バッテリーモジュール1を含む上記バッテリーパックP、及びこのような上記バッテリーパックPを含む上記自動車Vを提供することができる。
【0067】
以上、本発明の望ましい実施形態を図示し説明したが、本発明が上述した特定の実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって多様な変形実施が可能であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0068】
1 バッテリーモジュール
5 パックケース
10 バッテリーセル組立体
50 モジュールケース
52 メインカバー
56 フロントカバー
100 円筒型セルブロック
110 円筒型セル
120 ボトムカバー
130 トップカバー
135 フック
140 正極バスバー
150 負極バスバー
160 絶縁部材
170 第1断熱部材
180 第2断熱部材
190 第3断熱部材
200 ブロックカバー
205 セルブロック溶接部
300 冷却プレート
400 熱伝達部材
450 熱伝導材料