(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】空調ダクト装置用連結構造およびフランジ部材
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20220516BHJP
F16L 23/02 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F16L23/02 E
F24F13/02 H
(21)【出願番号】P 2018013165
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518034067
【氏名又は名称】株式会社黒澤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】村田 孝友
(72)【発明者】
【氏名】尾形 真幸
(72)【発明者】
【氏名】京井 貴史
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 達哉
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】実公昭49-037662(JP,Y1)
【文献】特開平02-140553(JP,A)
【文献】特表2002-521627(JP,A)
【文献】特開2017-190900(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0090647(US,A1)
【文献】米国特許第06364374(US,B1)
【文献】特開2004-278907(JP,A)
【文献】米国特許第04509778(US,A)
【文献】特開平10-196861(JP,A)
【文献】特開昭61-048695(JP,A)
【文献】特開2017-203559(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106895223(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F16L 23/02
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調ダクト装置の隣接する2つのダクト部材を連結する連結構造において、
2つのダクト部材の端部外周にそれぞれ固定される一対の環状フランジ組立体と、パッキンとを備え、
各環状フランジ組立体は複数のフランジ部材を連結することにより構成され、各フランジ部材は、
ア.前記ダクト部材の端部外周面に当接する第1フランジ部と、
イ.前記第1フランジ部の一方の側縁に連なり、前記第1フランジ部と直角をなして前記ダクト部材の径方向外側に突出する第2フランジ部と、
ウ.前記第1フランジ部の他方の側縁に沿って間隔をおいて配置され、前記第1フランジ部と直角をなして前記ダクト部材の径方向内側に突出し、前記ダクト部材に突き刺さる複数の定着爪と、
を有し、
各フランジ部材は、個別に前記ダクト部材の外周面と直交する方向から前記ダクト部材に近づいて前記定着爪が前記ダクト部材に突き刺されることにより、前記ダクト部材に固定可能であり、
さらに、前記定着爪の突き刺し状態で前記ダクト部材に固定されたフランジ部材同士を連結するブラケットを備え、
前記一対の環状フランジ組立体は、前記複数のフランジ部材の前記第2フランジ部の面を含む環状の接合面を有し、前記接合面間に前記パッキンを介在させた状態で、連結されていることを特徴とする空調ダクト用連結構造。
【請求項2】
空調ダクト装置の隣接する2つのダクト部材を連結する連結構造において、
2つのダクト部材の端部外周にそれぞれ固定される一対の環状フランジ組立体と、パッキンとを備え、
各環状フランジ組立体は複数のフランジ部材を連結することにより構成され、各フランジ部材は、
ア.前記ダクト部材の端部外周面に当接する第1フランジ部と、
イ.前記第1フランジ部の一方の側縁に連なり、前記第1フランジ部と直角をなして前記ダクト部材の径方向外側に突出する第2フランジ部と、
ウ.前記第1フランジ部の他方の側縁に沿って間隔をおいて配置され、前記第1フランジ部と直角をなして前記ダクト部材の径方向内側に突出し、前記ダクト部材に突き刺さる複数の定着爪と、
を有し、
前記一対の環状フランジ組立体は、前記複数のフランジ部材の前記第2フランジ部の面を含む環状の接合面を有し、前記接合面間に前記パッキンを介在させた状態で、連結されており、
前記ダクト部材が、筒状の断熱材と、前記断熱材の外周を覆う外側表皮と、前記断熱材の内周を覆う内側表皮とを有し、
前記定着爪の長さが前記ダクト部材の厚さより小さく、前記定着爪が前記外側表皮と前記断熱材を突き刺し、前記定着爪の先端が前記断熱材内部に位置して内側表皮から離間しており、
さらに粘着テープを備え、前記粘着テープは、前記定着爪の突き刺し箇所を含み前記第1フランジ部と前記ダクト部材に跨るようにして、前記ダクト部材の全周に巻かれていることを特徴
とする空調ダクト装置用連結構造。
【請求項3】
前記パッキンは、前記一対の環状フランジ組立体の接合面間および前記2つのダクト部材の端面間に介在されていることを特徴とする請求項
1または2に記載の空調ダクト装置用連結構造。
【請求項4】
前記ダクト部材が断面矩形をなし、前記複数のフランジ部材が直線状をなす4つのフランジ部材からなり、
前記ダクト部材の各角部において、周方向に隣接する2つのフランジ部材の端部が
前記ブラケットを介して連結され、
前記ブラケットは、基部とこの基部から互いに直交する方向に延びて前記フランジ部材の第2フランジ部に連結される2つの連結部を有し、
前記接合面が、前記4つのフランジ部材の第2フランジ部と前記4つのブラケットの基部の面により構成されていることを特徴とする請求項
1~3のいずれかに記載の空調ダクト装置用連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の空調ダクト装置において隣接する2つのダクト部材を連結する連結構造およびこの連結構造に用いられるフランジ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
空調ダクト装置は、複数のダクト部材を一列に連ねることによって構成されている。隣接する2つのダクト部材を連結する一般的な連結構造では、各ダクト部材の端部にダクト部材の径方向外側に張り出す環状のフランジが設けられており、2つのダクト部材のフランジどうしをビス止めや溶接等によって接合することにより、2つのダクト部材が連結されている。
【0003】
近年、断熱材の内周および外周をアルミ箔等の表皮で被った軽量な断熱性ダクト部材が多用されている。このようなダクト部材を連結する場合、環状のフランジを設けることが困難である。そのため、種々の連結構造が提案されている。
【0004】
特許文献1では、一方のダクト部材の角部内側に仮止め部材を配置し、この仮止め部材の係止片を2つのダクト部材の端部外面に沿わせることにより仮止めし、この仮止め状態で2つのダクト部材の端部外周に跨るようにして粘着テープを巻き付けることにより、ダクト部材を連結している。
【0005】
特許文献2では、隣接するダクト部材の端部外周にそれぞれに断面コ字形の連結金具を接着し、これら連結板を一部重ねるとともに、この重なり部にダクト部材と同じ構造の接続ダクト部材を挿入し、これらダクト部材の接合箇所を粘着テープで被っている。
【0006】
特許文献3では、両端に定着爪を有する連結部材を隣接する2つのダクト部材に跨るように配置し、両端の定着爪を2つのダクト部材にそれぞれ突き刺すことによりダクト部材を連結し、2つのダクト部材の端部外周と連結部材を粘着テープで被っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平7-305887号公報
【文献】特開平10-67323号公報
【文献】特開2017-190900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2の連結構造では、連結作業に手間がかかる。また、空調ダクト装置の設置環境によっては、隣接するダクト部材の連結強度をより高めることが求められる場合があるが、特許文献1、2の連結構造ではこの要求に応えられない。
特許文献3の連結構造では、連結作業を簡単に行うことができるが、より高い連結強度を要求される場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記課題を解決するために、本発明は、空調ダクト装置の隣接する2つのダクト部材を連結する連結構造において、2つのダクト部材の端部外周にそれぞれ固定される一対の環状フランジ組立体と、パッキンとを備え、各環状フランジ組立体は複数のフランジ部材を連結することにより構成され、各フランジ部材は、
ア.前記ダクト部材の端部外周面に当接する第1フランジ部と、
イ.前記第1フランジ部の一方の側縁に連なり、前記第1フランジ部と直角をなして前記ダクト部材の径方向外側に突出する第2フランジ部と、
ウ.前記第1フランジ部の他方の側縁に沿って間隔をおいて配置され、前記第1フランジ部と直角をなして前記ダクト部材の径方向内側に突出し、前記ダクト部材に突き刺さる複数の定着爪と、
を有し、前記一対の環状フランジ組立体は、前記複数のフランジ部材の前記第2フランジ部の面を含む環状の接合面を有し、前記接合面間に前記パッキンを介在させた状態で、連結されていることを特徴とする。
【0010】
前記構成によれば、一対の環状フランジ組立体を連結することにより、隣接するダクト部材の連結強度を高めることができる。また、一対の環状フランジ組立体間に介在されたパッキンにより、高いシール性を確保できる。環状フランジ組立体の複数のフランジ部材は、定着爪をダクト部材に突き刺すことによりダクト部材に簡単に取り付けることができ、ひいては環状フランジ組立体のダクト部材への組み付けを簡単かつ確実に行うことができる。
【0011】
好ましくは、前記ダクト部材が、筒状の断熱材と、前記断熱材の外周を覆う外側表皮と、前記断熱材の内周を覆う内側表皮とを有し、前記定着爪の長さが前記ダクト部材の厚さより小さく、前記定着爪が前記外側表皮と前記断熱材を突き刺し、前記定着爪の先端が前記断熱材内部に位置して内側表皮から離間している。
前記構成によれば、フランジ部材の定着爪が内側表皮を破らず、ダクト部材の良好なシール性を維持できる。
【0012】
好ましくは、さらに粘着テープを備え、前記粘着テープは、前記定着爪の突き刺し箇所を含み前記第1フランジ部と前記ダクト部材に跨るようにして、前記ダクト部材の全周に巻かれている。
前記構成によれば、粘着テープにより、定着爪の突き刺し箇所近傍を塞ぐことにより、より一層良好なシール性を確保することができる。
【0013】
好ましくは、前記パッキンは、前記一対の環状フランジ組立体の接合面間および前記2つのダクト部材の端面間に介在されている。
前記構成によれば、ダクト部材間のシール性をより一層高めることができる。
【0014】
好ましくは、前記ダクト部材が断面矩形をなし、前記複数のフランジ部材が直線状をなす4つのフランジ部材からなり、前記ダクト部材の各角部において、周方向に隣接する2つのフランジ部材の端部がブラケットを介して連結され、前記ブラケットは、基部とこの基部から互いに直交する方向に延びて前記フランジ部材の第2フランジ部に連結される2つの連結部を有し、前記接合面が、前記4つのフランジ部材の第2フランジ部と前記4つのブラケットの基部の面により構成されている。
前記構成によれば、ブラケットを用いることにより、フランジ部材どうしの連結作業を円滑に行うことができる。
【0015】
本発明の他の態様は、空調ダクト装置において断面矩形をなす2つのダクト部材どうしを連結する連結構造に用いられるフランジ部材であって、
ア.直線状に延びて前記ダクト部材の端部の外側面に当接する第1フランジ部と、
イ.前記第1フランジ部に沿って延びるとともに前記第1フランジ部の一方の側縁に連なり、前記第1フランジ部と直角をなし、前記ダクト部材の径方向外側に突出する第2フランジ部と、
ウ.前記第1フランジ部の他方の側縁に沿って間隔をおいて配置され、前記第1フランジ部と直角をなして前記第2フランジ部と逆方向に突出し、前記ダクト部材に突き刺さる複数の定着爪と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高いシール性を確保しつつ隣接するダクト部材の連結強度を高めることができ、連結作業も比較的簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空調ダクト装置の連結構造を、2つのダクト部材にそれぞれ設けられた一対の環状フランジ組立体とパッキンに分解して示す斜視図である。
【
図2】前記環状フランジ組立体の構成要素であるフランジ部材の斜視図である。
【
図3】前記フランジ部材どうしを連結するブラケットの斜視図である。
【
図4】前記環状フランジ組立体を前記ダクト部材に組み付ける工程を、ダクト部材の軸方向から見た図である。
【
図5】前記連結構造により2つのダクト部材が連結された状態を示す要部拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、建物の空調ダクト装置は、一列に並べられた複数(図では2つだけ図示する)のダクト部材1と、隣接する2つのダクト部材1を繋ぐ連結構造2とを備えている。本実施形態のダクト部材1は、断面矩形(正方形または長方形)の筒状をなしており、その外周面は4つの略平坦な外側面により構成されている。
【0019】
図5に示すように、ダクト部材1は、グラスウールや発泡樹脂等からなる筒形状の断熱材1aと、断熱材1aの外周を覆う外側表皮1bと、断熱材1aの内周を覆う内側表皮1cとを有している。これら表皮1b、1cは例えばアルミ箔により構成されている。
【0020】
連結構造2は、隣接する2つのダクト部材1の端部にそれぞれ装着される一対の環状フランジ組立体5と、これら環状フランジ組立体5間に介在されるパッキン6とを備えている。
各環状フランジ組立体5は、直線状に延びる4本(複数)のフランジ部材10と、これらフランジ部材10を連結する4つのブラケット20で構成されている。
【0021】
図2に示すように、各フランジ部材10は、直線状に延びる細長い平板形状の第1フランジ部11と、第1フランジ部11に沿って延びるとともに第1フランジ部11の一方の側縁に直角をなして連なる平板形状の第2フランジ部12と、第1フランジ部11の他方の側縁に沿って間隔をおいて形成された複数の定着爪13とを有している。
定着爪13は、先端が尖った三角形状をなし、第1フランジ部11と直角をなすとともに第2フランジ部12の反対方向に突出している。定着爪13の長さは、
ダクト部材1の厚みよりも小さい。
【0022】
フランジ部材10の第1フランジ部11には、その長手方向に間隔をおいてV字形状の切欠14が形成されている。この切欠14は、第1フランジ部11における定着爪13側の側縁に向かって幅が広がるように延び、定着爪13間の間隙に連なっている。この切欠14は、後述するように定着爪13がダクト部材1に突き刺さる際に、定着爪13と第1フランジ部11との屈曲部に生じる応力を緩和し、又は逃がすためのものである。
【0023】
図3に示すように、各ブラケット20はL字形の板状をなし、中央の正方形の板形状の基部21と、この基部21から互いに直交する方向に延びる一対の連結部22、23とを有している。基部21には連結用の穴21aが形成されている。
連結部22,23は、基部21に対して、略板厚分だけ基部21と直交する方向に偏倚している。
【0024】
次に、環状フランジ組立体5のダクト部材1の端部への組み付け方法について
図4を参照しながら説明する。
4つのフランジ部材10のうち例えば上下の2つのフランジ部材10の両端部に、予めブラケット20を固定しておく。具体的には、フランジ部材10の第2フランジ部12の両端部の一方の面(第1フランジ部11側の面)に、ブラケット20の一方の連結部22を溶接やネジ等の手段で固定する。この固定状態において、第2フランジ部12の他方の面(後述するように一対の環状フランジ組立体5が対向した時の対向面)と、ブラケット20の基部21の面は、略面一をなしている。
【0025】
次に、4つのフランジ部材10を個別に、ダクト部材1の端部の4つの外側面に固定する。具体的には、各フランジ部材10の第2フランジ部12をダクト部材1の各外側面の端縁に位置決めした状態で、フランジ部材10をダクト部材1の端部の外側面と直交する方向から近づける。これにより、
図5に示すように、フランジ部材10の第1フランジ部11がダクト部材1の端部の外周面に当接し、定着爪13がダクト部材1に突き刺さる。このようにして、4本のフランジ部材10を簡単にダクト部材1の端部に固定することができる。
【0026】
図5に示すように、フランジ部材10のダクト部材1への固定状態において、フランジ部材10の第2フランジ部12は、ダクト部材1の軸線と直交してその径方向外側に突出しており、ダクト部材1の端面とほぼ面一をなしている。
【0027】
4つのフランジ部材10が取り付けられた状態で、左右のフランジ部材10の第2フランジ部12の上下端部は、ブラケット20の他方の連結部23にほぼ接した位置にある。これら左右のフランジ部材10の第2フランジ部12を連結部23に溶接やネジ等の手段で固定することにより、矩形をなす環状フランジ組立体5が完成する。
【0028】
環状フランジ組立体5には、4つのフランジ部材10の第2フランジ部12と4つのブラケット20の基部21の面(第1フランジ部21の反対側の面)により、略面一をなす環状の接合面5aが形成されている。
【0029】
次に、隣接する2つのダクト部材1の端部を互いに近づけ、一対の環状フランジ組立体5を対向させ、一対の環状フランジ組立体5の接合面5a間にパッキン6を介在させた状態で、環状フランジ組立体5を連結する。本実施形態では、ブラケット20の基部21の穴21aに挿通されたボルトとナット(いずれも図示せず)により連結される。なお、これらボルトとナットに加えて、又はこれらボルトとナットの代わりに、一対の環状フランジ組立体5の第2フランジ部12どうしをクリップ等で連結してもよい。
【0030】
パッキン6はダクト部材1の周壁の厚さとフランジ部材10の第2フランジ部12の幅を合算した幅を有しており、2つのダクト部材1の端面間および一対の環状フランジ組立体5の接合面5a間をシールする。パッキン6は、
図2のように連続して環状に形成してもよいし、複数例えば4つに分割されていてもよい。分割する場合、例えば帯状のパッキンを一方の環状フランジ組立体5の接合面5aに貼り付けてから、一対の環状組立体5を連結する。
【0031】
更に、環状フランジ組立体5のフランジ部材10の第1フランジ部11とダクト部材1に跨る粘着テープ7(
図5にのみ想像線で示す)を、ダクト部材1の全周に巻き付けることにより、ダクト部材1同士の連結作業が完了する。粘着テープ7は、アルミ箔の一方の面に粘着剤を塗布することにより構成されている。この粘着テープの巻き付け工程は、一対の環状フランジ組立体5を互いに連結する前に実行してもよい。
【0032】
図5に示すように、一対の環状フランジ組立体5は、4本のフランジ部材10の定着爪13をダクト部材1に差し込むことにより、簡単な作業で確実に固定することができ、しかも一対の環状フランジ組立体5同士も強固に連結できるので、隣接する2つのダクト部材1の連結強度を高めることができる。
【0033】
また、一対の環状フランジ組立体5の環状の接合面5a間および隣接するダクト部材1の端面間に介在されたパッキン6により、高いシール性を確保することができる。
【0034】
定着爪13の長さがダクト部材1の厚みよりも小さいために、定着爪13の先端がダクト部材の周壁を貫通せず断熱材1a内に留まり、内側表皮1cから離れていること、および粘着テープ7で定着爪13を突き刺した箇所を覆うことにより、より一層高いシール性を確実に得ることができる。
【0035】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、ダクト部材10の断面形状は、四角形に限られず、円形であってもよく、六角形等の四角形以外の多角形であってもよい。
定着爪の先端には抜け止めのための返しを形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、建物等の空調設備に適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 ダクト部材
1a 断熱材
1b 外側表皮
1c 内側表皮
2 連結構造
5 環状フランジ組立体
5a 接合面
6 パッキン
7 粘着テープ
10 フランジ部材
11 第1フランジ部
12 第2フランジ部
13 定着爪
20 ブラケット
21 基部
22、23 連結部